週刊 危機管理Plus 2017年8月7日号



実践的なマニュアルや教育とは

指定暴力団山口組系組幹部に、トラブルになっていた男性の住所を道案内して教えたとして地方公務員法(守秘義務)違反の容疑で自治体職員が逮捕されるという事例があった。反社会的勢力は、常に実戦を通じてその手口を磨いており、正に「脅しのプロ」だが、対する役職員は、教育・訓練が十分でないままそのような状況に直面することが多いのが現実だろう。だからこそ、実践的なマニュアルの策定や役職員に対する十分な教育・訓練は平時から行っておくべきだ。ポイントは「敵を知り己を知る」こと、「組織として対応する」の本当の意味を知ること、そして「正しい知識」だ。最前線の役職員は決して一人で戦うわけではないし、戦えるはずもない。「組織に迷惑をかけられない」など誤った忠誠心や無理な判断で対応を誤るような事態も避けられるはずだ。(芳賀)


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買い物弱者に対する実態調査、総務省

総務省は買い物弱者対策に関する実態調査の結果に基づく通知を関係府省に行なった。人口減少などの影響により買い物弱者数は増加していくと推計する一方で、行政の関与が不十分と指摘している。逆に、端から行政の支援をあてにした事業者は赤字に陥るケースが多い。問題が深刻な過疎・中山間地域はネットスーパーの配達対象外である場合が多く、移動販売が頼みの綱だ。移動販売事業者は、単なる物販に留まらない付加価値の提供が事業継続の鍵であろう。郵便ボックス、ATM、薬などの取り扱いは、規制緩和に期待したい。攻めの付加価値の提供では衣食住の生活全般をカバーする専門業者への取次ぎ・提携が有効だ。ネット通販など「完全非対面取引」が隆盛の時代でも移動販売事業は「お役に立つ」という御用聞きの精神による究極の対面販売を強みにすべきだ。(伊藤)


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核兵器の廃絶は可能か?

先月国連では、核兵器禁止条約が交渉会議出席の124カ国中122カ国の圧倒的多数の賛成により採択された。核保有国の米英仏ロ中等は条約交渉に参加しなかった。また米国の核の傘の下にある日本は同条約に反対したのである。昨年、オバマ米前大統領が広島を訪問し、原爆慰霊碑に献花、「核保有国は核なき世界を追求する」と語ったことは記憶に新しい。しかし、オバマ政権は核兵器の性能強化のために予算を増加したし、トランプ大統領は日本に核保有を認める発言をしていた。一方、日本が推進する核不拡散条約には脱退を認める条項があり、北朝鮮は脱退した上で核開発をしており、それに対し国連は制裁決議止まりで、国際法上は何ら問題がないことになっている。日本の"唯一の被爆国"という文脈は、一体何のために使われるべきなのか。(石原)


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個人情報漏洩にかかる慰謝料、大きく相場アップか

個人情報漏洩にかかる慰謝料は、1件500円程度が〝相場〟となっているが、この潮目が大きく変わりそうだ。大手通信教育事業者に個人情報を漏洩された男性が10万円の損害賠償を求めた民事訴訟で、大阪高裁に訴えを退けられた男性が上告、これを受理した最高裁が本年9月に口頭弁論を開く。最高裁における上告審のほとんどは口頭弁論を経ずに棄却され、これ以外の場合は、下級審判決がくつがえる可能性を示唆する。大手エステ事業者で3万円(東京高裁)、大手ISP事業者で5千円(大阪高裁)などの判決が先行するが、最高裁判決は注視されよう。当該案件では集団訴訟も並行しており、事業者が大きな経営ダメージを負うこともありうる。個人情報をめぐる社会情勢・市民感情は大きく変化しており、より一層、適切かつ厳格な管理が要請されることとなりそうだ。(山岡)


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水害への備え

先月の九州北部の豪雨は、大規模な河川の氾濫や住宅の孤立などを引き起こし、多く の犠牲や集落の孤立を招いた。数十年に1度のはずの水害が毎年各地で繰り返される 今、台風や豪雨による災害の危険が迫った時に自治体や企業、住民が最悪の事態を想 定し、「いつ」「誰が」「何をするか」の行動「タイムライン(防災行動計画)」を まとめておく必要がある。前兆なく起きる地震やゲリラ豪雨など、想定する現象が順 番通りに起きるとは限らないが、それぞれの段階で誰が何をすべきかを「見える化」 することは、的確な避難勧告や避難指示の発令につながると期待できる。特に、川や 山の斜面の近くに住む人は自宅の災害リスクを認識し、市町村が的確に避難勧告を発 表するのと同時に、住民自らが防災気象情報を基に主体的に避難できるようにするこ とが重要だ。(佐藤)


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