• ホーム
  • SPN JOURNAL Online
  • 連載コラム
  • 市場制度ワーキング・グループ(金融審議会)/ESG評価・データ提供機関等に係る専門分科会(金融庁)/令和4年版外交青書(外務省)/統合イノベーション戦略推進会議(内閣府)/第81回新型コロナ対策アドバイザリーボード(厚労省)

危機管理トピックス

市場制度ワーキング・グループ(金融審議会)/ESG評価・データ提供機関等に係る専門分科会(金融庁)/令和4年版外交青書(外務省)/統合イノベーション戦略推進会議(内閣府)/第81回新型コロナ対策アドバイザリーボード(厚労省)

2022.04.25
印刷

更新日:2022年4月25日 新着20記事

ミーティングのイメージ

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • IOSCOによるディスカッション・ペーパー「COVID-19による市場ストレス下における社債市場の流動性要因」の公表について
  • 金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」(第17回) 議事次第
  • 「ESG評価・データ提供機関等に係る専門分科会」(第5回)議事次第
内閣府
  • 統合イノベーション戦略推進会議
  • 月例経済報告等に関する関係閣僚会議
国民生活センター
  • 破損したマグネットパズルの磁石を誤飲!
  • 「パーソナル筋力トレーニング」でのけがや体調不良に注意!-コロナ禍でより高まる健康志向や運動不足解消の意外な落とし穴!?-
厚生労働省
  • 第81回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年4月20日)
  • 「プラントにおけるドローンの安全な運用方法に関するガイドライン」を改訂しました~併せて、化学設備等の定期自主点検におけるドローン導入マニュアル、事例集を作成~
総務省
  • 「令和3年度 救急業務のあり方に関する検討会 報告書」の公表
  • プラットフォームサービスに係る利用者情報の取扱いに関するワーキンググループ(第11回)
  • プラットフォームサービスに関する研究会(第35回)配布資料
国土交通省
  • 「宅地建物取引業法施行令及び高齢者の居住の安定確保に関する法律施行令の一部を改正する政令」等を閣議決定
  • 航空従事者に対する航空法に基づく行政処分について

~NEW~
警察庁 犯罪統計資料(令和4年1~3月分)
  • 令和4年1~3月の刑法犯全体の認知件数は123,109件(前年同期132,376件、前年同期比▲5.5%)、検挙件数は58,811件(65,228件、▲9.8%)、検挙率47.0%(49.3%、▲2.3P)
  • 窃盗犯の認知件数は84,074件(89,249件、▲5.8%)、検挙件数は35,359件(40,541件、▲12.8%)、検挙率は42.1%(45.4%、▲3.3P)
  • 万引きの認知件数は20,984件(21,974件、▲4.5%)、検挙件数は14,753件(15,802件、▲6.6%)、検挙率は70.3%(71.9%、▲1.6P)
  • 知能犯の認知件数は8,866件(8,389件、+5.7%)、検挙件数は4,669件(4,556件、+2.5%)、検挙率は52.7%(54.3%、▲1.6P)
  • 詐欺の認知件数は8,006件(7,611件、+5.2%)、検挙件数は3,851件(3,866件、▲0.4%)、検挙率は48.1%(50.8%、▲2.7P)
  • 特別法犯総数について、検挙件数は15,596件(16,635件、▲6.2%)、検挙人員は12,881人(13,700人、▲6.0%)
  • 入管法違反の検挙件数は920件(1,289件、▲28.6%)、検挙人員は708人(918人、▲22.9%)、軽犯罪法違反の検挙件数は1,588件(1,881件、▲15.6%)、検挙人員は1,582人(1,884人、▲16.0%)、迷惑防止条例違反の検挙件数は2,197件(1,942件、+13.1%)、検挙人員は1,682人(1,498人、+12.3%)、犯罪収益移転防止法違反の検挙件数は870件(574件、+51.6%)、検挙人員は701人(449人、+56.1%)、不正アクセス禁止法違反の検挙件数は119件(62件、+91.9%)、検挙人員は57人(24人、+137.5%)、不正競争防止法違反の検挙件数は18件(21件、▲14.3%)、検挙人員は23人(16人、+43.8%)、銃刀法違反の検挙件数は1,114件(1,176件、▲5.3%)、検挙人員は980人(1,028人、▲4.7%)、麻薬等取締法違反の検挙件数は248件(200件、++24.0%)、検挙人員は137人(121人、+13.2%)、大麻取締法違反の検挙件数は1,386件(1,416件、▲2.1%)、検挙人員は1,109人(1,116人、▲0.6%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数は1,930件(2,485件、▲22.3%)、検挙人員は1,297人(1,657人、▲21.7%)
  • 来日外国人による 重要犯罪・重要窃盗犯 国籍別 検挙人員 対前年比較について、総数121人(152人、▲20.4%)、ベトナム42人(50人、▲16.0%)、中国15人(23人、▲34.8%)、スリランカ15人(2人、+650.0%)、ブラジル6人(12人、▲50.0%)、韓国・朝鮮5人(5人、±0%)、フィリピン5人(7人、▲28.6%)、パキスタン5人(2人、+150.0%)
  • 暴力団犯罪(刑法犯)罪種別 検挙件数・検挙人員 対前年比較について、刑法犯全体の検挙件数は2,182件(2,890件、▲24.5%)、検挙人員は1,295人(1,556人、▲16.8%)、暴行の検挙件数は129件(178件、▲27.5%)、検挙人員は140人(163人、▲14.1%)、傷害の検挙件数は216件(280件、▲22.9%)、検挙人員は233人(344人、▲32.3%)、脅迫の検挙件数は78件(82件、▲4.9%)、検挙人員は75人(82人、▲8.5%)、恐喝の検挙件数は74件(93件、▲20.4%)、検挙人員は100人(106人、▲5.7%)、窃盗の検挙件数は1,026件(1,436件、▲28.6%)、検挙人員は185人(236人、▲21.6%)、詐欺の検挙件数は339件(405件、▲16.3%)、検挙人員は289人(283人、+2.1%)
  • 暴力団犯罪(特別法犯)主要法令別 検挙件数・検挙人員 対前年比較について、特別法犯全体の検挙件数は1,224件(1,577件、▲22.4%)、検挙人員は827人(1,080人、▲23.4%)、軽犯罪法違反の検挙件数は16件(23件、▲30.4%)、検挙人員は14人(20人、▲30.0%)、迷惑防止条例違反の検挙件数は12件(21件、▲42.9%)、検挙人員は12人(20人、▲40.0%)、暴力団排除条例違反の検挙件数は11件(10件、+10.0%)、検挙人員は23人(29人、▲20.7%)、銃刀法違反の検挙件数は16件(24件、▲33.3%)、検挙人員は12人(19人、▲36.8%)、麻薬等取締法違反の検挙件数は44件(31件、+41.9%)、検挙人員は15人(10人、+50.0%)、大麻取締法違反の検挙件数は219件(241件、▲9.1%)、検挙人員は139人(148人、▲6.1%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数は676件(1,031件、▲34.4%)、検挙人員は436人(673人、▲35.2%)、麻薬等特例法違反の検挙件数は55件(42件、+31.0%)、検挙人員は36人(25人、+44.0%)

~NEW~
警視庁 Emotet(エモテット)感染を疑ったら
  • 「取引先等から変なメールが送られてきたとの連絡を受けた」、「メールに添付されたファイルの「コンテンツの有効化」ボタンを押してしまった」、「コンテンツの有効化ボタンを押したが、その後何も表示されなかった」などといった場合には、「EmoCheck」による確認と、最新の定義ファイルに更新したウイルス対策ソフトによるフルスキャンを実施しましょう。
  • エモテット感染の有無をチェックする
    • エモテットに感染したかもしれないと思ったら、直ぐに感染の有無をチェックしましょう。
    • エモテット専用の感染確認ツール「EmoCheck(エモチェック)」は、JPCERT/CC(ジェーピーサートコーディネーションセンター)から公開されていますので、どの端末のどこにエモテットが感染・潜伏しているのかを確認し、自社で可能であれば駆除も実行しましょう。
    • エモテットの駆除方法については、下記の外部ページにある「感染時の対応」など該当部分を参照の上、実施してください。
    • なお、エモテットに感染していない場合でも、他のマルウェアに感染していることがありますので、下段に記載の「他のマルウェア感染の有無を調査する」を実施しましょう。
▼EmoCheckの使い方の手引き
▼JPCERT/CC「マルウェアEmotetへの対応FAQ」(外部サイト)
  • 感染した端末のネットワークをインターネットから遮断する
    • エモテットの感染が発覚した場合、感染が疑われる端末をネットワークから、また、感染が疑われる端末が繋がっているネットワークを外部のインターネットから遮断しましょう。
    • 発覚した時期が感染から間もない場合には、他の端末に感染を広げてしまうリスクを下げることができるため、確実に実施しましょう。
  • 他のマルウェア感染の有無を調査する
    • EmoCheckによる確認で、感染が確認できなかったとしても、続けて他のマルウェア感染の有無について調査しましょう。
    • 調査する範囲は、感染が疑われた端末からネットワーク内に広がっている可能性を考慮して、同じネットワーク内にあるすべての端末を対象にウイルス対策ソフトを最新の状態に更新した上で完全スキャン(フルスキャン)を実行しましょう。
    • 自社でセキュリティベンダーと契約がある場合には、直ぐにベンダーへ連絡し、指示を仰ぎましょう。
  • 感染したアカウントのメールアドレスとパスワードを変更する
    • エモテットはメール経由で外部に感染を拡大させていくため、エモテットに感染したアカウントのメールアドレスやパスワードの変更を行う必要があります。
    • 感染した疑いがある端末も同様に変更しておかなければ、変更後の二次被害のリスクが残ってしまいます。
    • アカウント自体を削除・変更しても業務に支障が出ないようであれば、新しく作り直すことも事後対策の1つとして有効です。
  • 感染した端末を初期化する
    • マルウェアに感染した端末をウイルススキャン等によって発見できたマルウェアの駆除後、再び使うこととなった場合、ウイルススキャンでは発見できなかったバックドアが残っており、再び犯罪者の侵入を許してしまうことがありますので、端末を初期化することをお勧めします。
    • ただし、初期化することで端末内に保存されているデータがすべて消えてしまうことになりますので、日頃のデータのバックアップ対策についても検討しておきましょう。
  • 感染拡大を防止する
    • 感染が判明してから時間が経過しているような場合には、マルウェア感染メールを発信した取引先に向けて感染拡大を防止することが必要です。
    • エモテットに感染し被害を受けている状況をできるだけ早く通知し、自社名で発出されたメールを受信した際には、単純に信用することなく開封せずに削除する等注意を促して、自社から発信したメールによる感染拡大を抑えるように努めましょう。
    • 取引先等へ向けた注意喚起を迅速に行うため、自社にホームページがある企業であれば、ホームページに「お知らせ」などの方法で、より早く広く注意喚起できます。

~NEW~
内閣官房 第20回 女性職員活躍・ワークライフバランス推進協議会 (令和4年4月22日)
▼資料2 令和3年度働き方改革職員アンケート結果
  • 働き方改革(現状分析)
    1. 働き方改革の実感度は過去3回の調査で着実に増加。一方、引き続き非管理職は管理職に比べて実感度が低い傾向
    2. 約半数の職員が働き方改革が進まない原因として「非効率・不要業務」と回答
    3. 働き方改革において重要な取組の上位3つは、「業務の廃止・効率化」、「テレワーク環境の整備」、「管理職のマネジメント向上」
      • 引き続き、WLB指針の2つの柱の(1)「業務効率化・デジタル化の推進」(2)「マネジメント改革」に取り組んでいく必要
  • 働き方改革(業務効率化・デジタル化の推進)
    1. 業務の見直しを実施した一般職員は17%にとどまるなど、業務見直しの実施状況は全体的に低調。また、業務見直しへの取組が上司に評価されると考えている一般職員は5%にとどまり、業務を見直す職員が評価される環境醸成が不十分
    2. 業務効率化において重要な取組は、「定型業務の自動化」、「議事録作成の自動化」
      • 若手職員等の意見の反映に留意しつつ、業務の見直しを継続的に推進するための体制を整備
      • 業務見直しへの取組、実際の成果等について、見直しに携わった職員の人事評価(管理職員については「マネジメント評価」等)に的確に反映
  • 働き方改革(テレワーク)
    1. 課室長、課長補佐、係長級の約3割は、週2、3回以上のテレワーク・在宅勤務を実施。一方、本省係員の約6割がテレワーク・在宅勤務を実施せず
    2. テレワーク・在宅勤務を実施しなかった割合が最も高いのは国会業務担当者、次に庶務担当者
    3. テレワーク実施者の約3割は、携帯電話使用料、水道光熱費、机・椅子等の初期購入費用を負担に感じている。特に、水道光熱費、机・椅子等の初期購入費用の負担感は、テレワークの頻度が高いほど顕著
      • 係員、国会業務担当者、庶務担当者もテレワークができるように、ルーティン業務の廃止・効率化・デジタル化等を進め、テレワークで完結できる業務フローを最大限構築していく
      • テレワーク時の費用負担感の結果を踏まえ、テレワークに関する国家公務員の経費の負担等の在り方を検討
  • 働き方改革(マネジメント改革)
    1. 業務マネジメント(業務状況の把握、業務の必要性の説明、権限・裁量の付与)の実施状況について、上司・部下の認識齟齬が特に顕著
    2. 一般職員が管理職に求めるマネジメント行動は、良質なコミュニケーション(話をしっかり聞く姿勢、職場内の心理的安全性の確保、意見が言える信頼関係の構築)に特に集中
      • 全管理職員にマネジメント研修を確実に受講させるとともに、必要なマネジメント行動(良質なコミュニケーション、業務の実態把握と見直し、適正な業務分担等)を取っている管理職員を人事評価において高く評価
  • やりがいの向上
    1. 離職意向が高い職員の最大の特徴はやりがいの実感度が低いこと
    2. やりがいは、収入満足度や周りからの評価よりも、①社会貢献の実感、②成長実感、③強み(長所)の発揮と強く関連
    3. やりがいを高めるためには、「自己啓発等の能力開発と両立できる職場」であることが重要
    4. 能力開発と両立できる職場には、管理職による挑戦機会の付与、キャリアプランに応じた成長機会が重要
      • やりがいの向上のため、挑戦機会・成長機会の付与に関する取組を強化(人材戦略策定等を通じたキャリアプランの提示、人事異動先で期待する役割の伝達、省内公募、関心業務への自発的な参画促進、自己啓発支援等)
  • キャリア支援
    1. やりがいを高めるためには、キャリア支援に取り組むことが重要
    2. 職員が期待する取組は、「転居を伴う転勤のタイミングの配慮」「キャリアプランに応じた成長機会の提供」「上司との定期的な面談を通じたキャリア形成への助言・相談の実施」「人事当局による自分の異動趣旨の説明」
    3. このうち、特に実施状況が低調な取組は「人事当局による自分の異動趣旨の説明」
  • 離職意向
    1. 離職意向については、前回調査(2019年度)から傾向に変化なし
    2. 30歳未満男性職員は7人に1人(13.5%)、30歳未満女性職員は9人に1人(11.4%)が離職意向を有している
    3. 離職意向の要因として、30代以下の職員では、「自己成長できる魅力的な仕事につきたい」、「専門性・スキルが磨かれている実感がない」が多く挙げられており、自己成長を実感できる魅力ある職場作りが必要
  • 離職意向が高い職員の特徴(決定木分析)
    1. 離職意向の有無について、やりがいの実感度が一番重要な要素
    2. 35歳未満でやりがいの実感が全くない職員にとっては、管理職のマネジメントに不満があるか、強みが発揮できる職場か、転勤の配慮があるかが、離職意向の有無に大きく影響する
  • やりがいと関連する要素(重回帰分析)
    • 「やりがい」は、(1)社会貢献の実感、(2)成長実感、(3)強み(長所)の発揮と強く関連する
  • やりがい向上につながる取組(決定木分析)
    • やりがいを向上させるためには、「自己啓発等の能力開発と両立できる職場」であることが重要
  • やりがいと離職意向、能力開発できる職場の実感の関係
    1. 数年以内の離職意向を有する職員の8割はやりがいを感じていない
    2. 能力開発できる職場と強く実感する職員は、全く実感していない職員と比べて3倍以上やりがいを感じている
  • 能力開発と両立できる職場とは(決定木分析)
    • 自己啓発等の能力開発と両立できる職場と感じるための重要な要素は、(1)管理職による挑戦機会の付与、(2)キャリアプランに応じた成長機会
  • 男性育休
    1. 潜在的な取得希望者は約8割。うち、1か月を超える取得希望者は約5割
    2. 子の出生後1年以内の取得希望者は約9割。取得する場合に、分割での取得希望者は約7割
    3. 取得した本人の感想として「子どもの成長に立ち会えて良かった」、「家族との関係が良好になった」などの良い感想が多数
    4. 同僚の感想として「自らも育児休業を取得したい」、「事前に説明があり安心した」などの好意的感想が、「迷惑だった」といった否定的感想を大きく超過
    5. 「男性育休」の取得実績自体は99.0%(2020年4月~6月)と高水準。安定的な取得期間の確保が課題。期間の考慮要素の上位は、「上司や同僚の理解・協力」、「現在の職場への影響」、「職場の雰囲気」といった職場環境に関するもの
      • 取得回数の制限の緩和により柔軟な取得が容易となった今般の法改正の機会を捉え、男性職員が、出生後1年以内に1か月以上の「男性育休」を取得できることを目指す現行の取組をさらに加速
      • 取得経験者を増やすことで職場での好意的な雰囲気を醸成する好循環を実現

~NEW~
外務省 令和4年版外交青書
  • 新型コロナの世界的な感染拡大は、保健・医療体制が脆弱な開発途上国の人々の命・生活・尊厳を脅かし、人間の安全保障に対する危機となった。また、それに伴う世界的な経済活動の停滞も、経済基盤が脆弱な開発途上国にとって大きな打撃となった。危機に晒される開発途上国への支援は国際社会全体が一致して取り組むべき課題であり、日本は、開発途上国に対するワクチンの供与、保健・医療システムの強化、経済活動の維持・活性化・強靱化に向けた支援を実施している。
  • 現在、国際社会は時代を画する変化の中にある。自由で開かれた安定的な国際秩序の下、中国を始めとする新興国・開発途上国は、グローバル化の恩恵を受けて力を蓄え、存在感を増している。その結果、世界は、米国が圧倒的な政治力・経済力・軍事力により先進民主主義国と共に主導力を発揮して国際社会の安定と繁栄を支える時代から、米中競争、国家間競争の時代に本格的に突入した。加えて、2022年2月にロシアがウクライナを侵略した。独自の世界観、歴史観に基づき、外国に政策や体制の変更を要求し、それが実現しないと見るや武力を行使して他国の国土に侵攻し、多くの一般市民を犠牲とする深刻な人道上の危機に至る被害を相手国に与え、国境線の変更や自国の勢力圏の拡大を図る。このことは、人類が過去1世紀にわたり築き上げてきた武力の行使の禁止、法の支配、人権の尊重といった国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、決して許されない。ウクライナへの侵略は、欧州の安全保障の構図を根本的に覆すのみならず、冷戦後の世界秩序を脅かすものであり、歴史の大転機であると言える。同時に、気候変動、新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」という。)、軍縮・不拡散といった地球規模課題への対応や、新型コロナの打撃を受けた経済秩序の再構築は引き続き国際社会の喫緊の課題となっている。国際協力・協調の重要性がこれまで以上に高まっている一方で、こうした分野においても国家間の主導権争いが見られるようになっている。
  • これまで国際社会の平和と安定を支えてきた法の支配を始めとする国際関係における基本原則が、挑戦を受けるようになってきている。とりわけ、日本の周辺には、強大な軍事力を有する国家が集中し、軍事力の更なる強化や軍事活動の活発化が顕著となっており、日本を取り巻く安全保障環境は格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増している。
  • ロシアによるウクライナ侵略は、武力の行使を禁ずる国際法の深刻な違反であり、欧州のみならず、アジアを含む国際秩序の根本を揺るがす暴挙である。プーチン政権の下でロシアは冷戦後失った勢力圏を取り戻すべく、周辺国の領土の一体性を毀損する動きを積み重ねており、ロシアを取り巻く地域に深刻な懸念を呼び起こしている。
  • 中国は、国防費を継続的に増大させ、軍事力を広範かつ急速に強化・近代化しており、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域における優勢の確保を目指している。既存の国際秩序と相容れない独自の主張に基づき、東シナ海、南シナ海などの海空域では、力を背景とした一方的な現状変更の試みを継続するとともに、軍事活動を拡大・活発化させており、日本を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念材料となっている。
  • また、北朝鮮は、累次の国連安保理決議に従った、全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な廃棄を依然として行っていない。北朝鮮は、2021年には関連する国連安保理決議に違反する弾道ミサイル技術を用いた発射を4回行った。2022年に入ってから、北朝鮮は極めて高い頻度で、新たな様態での発射を繰り返しており、1月には立て続けに弾道ミサイルを6回、2月27日及び3月5日には、その最大射程ではなかったもののICBM級弾道ミサイルを発射した。さらに、同月24日には、新型とみられるICBM級弾道ミサイルを発射し、同ミサイルは日本本土から約150キロメートルの排他的経済水域(EEZ)内に落下したものと推定される。このような事態を更に悪化させる弾道ミサイル発射を含め、一連の北朝鮮の行動は、日本、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できない。
  • デジタル化社会への本格的な移行は、安全保障の裾野を従来の伝統的な軍事中心のものから、経済や新興技術分野にまで拡大した。これらは非国家主体をも巻き込んで広がりを見せており、ますます重要なものとなってきている。
  • 第一に、重要・新興技術の保護・育成が国家の安全保障にも大きな影響を及ぼしつつある。5G(第5世代移動通信システム)、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、量子技術などの技術革新は、社会や日常生活に本質的な変化をもたらすのみならず、国家の競争力にも直結し、さらには軍民両用技術として軍事力を強化する動きにつながっている。
  • 第二に、グローバル・サプライチェーンの拡大・精緻化に伴い、経済的な依存関係を利用した威圧のリスクが高まっている。恣意的な貿易制限措置は、公正な輸出や輸入にとってのリスクであり、経済安全保障の観点から、国民の生存や国民生活・経済活動にとって重要な物資の安定供給を確保することの重要性が増している。各国は、戦略的自律性や戦略的不可欠性の確保に向け、自由で公正な経済圏の維持・拡大、既存の国際法との整合性なども念頭に置きつつ、経済安全保障上の取組を進めている。また、サプライチェーンの強靱化に向けて、有志国間の協力を拡大する動きも見られる。
  • 第三に、サイバー空間における悪意のある活動・攻撃や偽情報の拡散による世論の攪乱・誘導といった新たな脅威が顕在化している。とりわけ、ソーシャルメディアなどを通じて偽情報が選挙に影響を及ぼすことは、民主主義に対する深刻な脅威と認識されている。選挙への直接介入のみならず、日常的な偽情報への暴露が国民の正常な意思決定を阻害する危機感から、民主主義社会において対策が進められている。
  • 第四に、国際的なテロの脅威も引き続き深刻な状況にある。新型コロナの長期化による格差・貧困の拡大、人種民族問題の顕在化による社会的分断は、テロや暴力的過激主義の拡大リスクを高めている。また、インターネットやSNSへの依存が高まる中で、これらを悪用した過激思想の拡散やテロ資金の獲得といった問題も生じている。
  • 現在の国際社会の繁栄と安定の基礎を提供してきた自由、民主主義、人権といった普遍的価値も課題に直面している。グローバル化に伴う格差や貧困といった問題が拡大する中、急激に進展するデジタル化は、生活の利便性の向上に大きく貢献した一方、こうしたグローバル化の負の側面を加速化する結果も生み出すとともに、それと知らないままに人々をバイアスのかかった情報にさらし、イデオロギーに基づく世論の分断を助長している側面もある。
  • 気候変動を始めとする地球規模課題の深刻さは国際社会に共有され、多国間協力による解決に向けた努力が続いている。気候変動は、今後長期にわたり国際社会の政治的・経済的リソースが注がれ、イノベーションや経済成長の中核ともなり得る分野であることから、国際的な規範・規格の形成、あるいは投資環境整備などでの主導権をめぐり、主要国間の競争も加速している。10月31日から開催されたCOP26では、パリ協定のルールブックが完成に至ったが、2週間にわたり厳しい交渉が行われた。
  • 新型コロナ対応をめぐっては、COVAXファシリティを通じた低所得国などへのワクチン供給が2022年1月に10億回分に達するなど、ワクチンへの公平なアクセスに向けた国際協力が進んでいる。同時に、新型コロナへの対応の中で、世界的な感染症拡大のような喫緊の地球規模課題への対応が、国際社会における各国の政治的発言力・影響力を左右するようにもなっている。
  • 上述のとおり、世界の繁栄を支え、新興国の台頭の背景にもなってきたグローバル化は、一方で、各国国内で格差や貧困の拡大といった負の現実をもたらした。グローバル化の恩恵を十分に受けていないと感じる国民層の不満は、イデオロギーにも触発された敵味方の二分論を生み出しつつ、各国内の分断を深刻化させている。また、長期化する新型コロナの流行により、反グローバル化に端を発する内向き志向が、一層力を増している。デジタル化の恩恵により人々の生活の利便性が高まり社会の価値の多様化が進む一方、大量の情報の中で人々の確証バイアス1が高まり、社会における寛容性が小さくなったとも言われている。こうした国内の社会様相は、外交政策の形成過程や政策に関するコンセンサス形成にも、これまで以上に影響を与えている。
  • 新型コロナからの回復、さらには国内の分断の克服に向け、各国では相次いで新たな国内経済政策が発表されている。米国では、超党派のインフラ投資・雇用法が11月に成立し、また社会保障・気候変動関連歳出法案である「より良い回復(Build Back Better)」法案についても引き続き議会内で調整が続いている(2022年3月現在)。また、EUも1月から、新型コロナ後の経済復興計画である「次世代のEU」(復興基金)の運用を開始した。こうした新たな政策が、各国の社会様相、更には外交政策にいかなる影響をもたらすのか、今後の動向が注目される。
  • 新型コロナにより大きなダメージを受けた世界経済は、2020年の3.1%のマイナス成長から、2021年は5.9%のプラス成長見込み(いずれも国際通貨基金(IMF)発表)に転じるなど回復の兆しが見られた。しかし、引き続き、新たな変異株への懸念などの不確実な要素があり、また国・地域によっても回復状況が大きく異なるなど、予断を許さない状況にある。
  • 新型コロナの影響で顕在化したサプライチェーンの脆弱性は、経済回復の遅延要因となるばかりでなく、必需品の国内確保を優先する各国による一方的な貿易制限措置を助長している。
  • デジタル分野や気候変動対策分野といった、世界経済成長を牽引する、新たな成長市場の出現は世界経済にとっての希望である一方で、対処すべき課題も明らかとなっている。デジタル分野においては、その潜在力を十全に活用するために、「信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)」の実現に向けた国際ルール作りや、リスク管理としてのサイバーセキュリティ対策が急務となっている。また、脱炭素社会への移行を新たな経済機会とするための政策転換が各国で進む中、必要となるエネルギー・鉱物資源の安定的な確保を始めとする課題も顕在化している。
  • 中国
    • 日中両国間には隣国であるが故に様々な懸案も存在する。尖閣諸島周辺海域を含む東シナ海における一方的な現状変更の試みは、断じて認められず、冷静かつ毅然と対応していく。
    • 同時に、日中関係は、日中双方にとってのみならず、地域及び国際社会の平和と繁栄にとって重要である。主張すべきは主張し、責任ある行動を求めつつ、共通の諸課題については協力するという「建設的かつ安定的な日中関係」を双方の努力で構築していくことが重要である。
  • 韓国
    • 韓国は重要な隣国であり、北朝鮮への対応を始め、地域の安定にとって日韓、日米韓の連携は不可欠である。日韓関係は、旧朝鮮半島出身労働者問題や慰安婦問題などにより非常に厳しい状況にあるが、このまま放置することはできない。国と国との約束を守ることは国家間の関係の基本である。日韓関係を健全な関係に戻すべく、日本の一貫した立場に基づき、韓国側に適切な対応を強く求めていく。また、竹島は、歴史的事実に照らしても、かつ、国際法上も日本固有の領土であり、この基本的な立場に基づき、毅然と対応していく。
  • ロシア
    • 2022年2月のロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更を認めないとの国際社会の基本原則に対する挑戦であり、冷戦後の世界秩序を脅かすものである。日本としては、G7を始め国際社会と結束し、ロシアが軍隊を撤退させ、あらゆる国際法違反の行為を中止するよう求め、各国と協調した制裁措置の実施を通じ、ロシアの一連の行動には高い代償が伴うことを示していく。
    • 日露関係にとって最大の懸案は北方領土問題である。戦後75年以上を経過した今も未解決のままとなっている。日本政府として、北方領土問題に関する日本の立場や御高齢になられた元島民の方々の思いに応えていくとの考えに変わりはない。しかし、ロシアによるウクライナ侵略という現下の状況で、平和条約交渉の展望を語れる状況にはない。まずは、ロシアが国際社会の非難を真摯に受け止め、軍を即時に撤収し、国際法を遵守することを強く求めている。
  • 北朝鮮をめぐる諸懸案への対応
    • 北朝鮮との間では、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化の実現を目指している。日本としては、引き続き、米国や韓国と緊密に連携し、国際社会とも協力しながら、関連する国連安保理決議の完全な履行を進め、北朝鮮の完全な非核化を目指していく。
    • また、北朝鮮による拉致は、日本の主権や国民の生命と安全に関わる重大な問題であると同時に、基本的人権の侵害という国際社会全体の普遍的問題である。日本は、拉致問題の解決を最重要課題と位置付けており、引き続き米国を始めとする関係国と緊密に連携し、一日も早い全ての拉致被害者の帰国を実現すべく、全力を尽くしていく。

~NEW~
消費者庁 第2回特定商取引法等の契約書面等の電子化に関する検討会(2022年4月21日)
▼【資料2】書面電子化WTで指摘された論点について(案)
  1. 真意に基づく明示的な意思表明方法に関する論点
    1. 消費者の真意性
      • 承諾取得にあたっては、消費者が契約書面の重要性や、受領をもってクーリング・オフ期間が起算されることを理解していること(←附帯決議)は、真意の承諾を得る上での必要条件と解される。そのため、事業者は承諾を得るに際し、書面交付が原則であること、提供される情報の意義を告知したうえで承諾を取得することが必要であるとの御意見があった。
      • 事業者(又は事業者と意向を同じくする者)との物理的・電磁的な接触による電磁的記録提供への勧誘、不実告知、困惑行為や、電磁的方法による提供と書面交付との間で各種のメリット・デメリットを設けることによる差別的な扱い等は、消費者の自由な意思表明を妨げる要因となることから、これらを禁止すべきとの御意見が寄せられた。一方で、承諾を得るにあたっての禁止行為の範囲については、様々な御意見があった。
    2. 承諾取得の方法
      • 事業者にとっては、消費者の真意と能力を確認できた場合に限って電磁的方法による提供が可能となることに鑑みると、それらと承諾の事実が明確に判別可能で証拠として残る方法によりなされる仕組みとした上で、客観的な要件とすることが、トラブルを防止する観点からも望ましいとの御意見が表明された。一方で、承諾に関する証拠の残し方については、音声の録音又は書面への承諾のサインを求めるべきとする御意見と、デジタル機器の操作に不慣れな消費者による承諾を防止するために消費者本人によるデジタル機器を操作して承諾を得るべきとする御意見とがあった。同時に、対面勧誘の場から勧誘員が離れて影響がない状態で、消費者が電子メールで電子化の承諾を行う方法とすべきとの御意見と、対面勧誘の場から勧誘員が離れて電子化の承諾を得る方法については、申込書面を直ちに交付する義務が履行されない場合もあり得ること、訪問販売に関する規定の適用を潜脱するおそれがある場合もあり得るとの御意見があった。ただし、口頭や電話による方法や、事業者の保有するデジタル機器にチェックをするだけのような簡易な方法では承諾できないようにすべきとの御意見も同時に寄せられた。これらとは別に、書面で消費者の真意を立証する方法を超える形で、電磁的交付の場合にだけ真意の証明を求める方法は過剰であるとの御意見も寄せられた。
    3. 取引類型ごとの検討
      • 取引類型(訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引、訪問購入、預託等取引)によって、取引特有の性質、契約に至る流れや書面交付のタイミング等が異なることから、取引類型ごとに、承諾の取得方法(書面により又は電磁的方法により承諾を取得するかを含む)について検討すべきとの御意見が寄せられた。その場合は、不意打ち性の有無、利益誘引型に該当するか否か、不確実性の程度といった性質に照らして分類することが適切との御意見があった。加えて、取引がオンラインで完結する場合と、一部が対面で行われる場合とでは、電子化の要求度合いが異なることに留意すべきとの御意見も寄せられた。
  2. 電磁的提供方法に関する論点
    1. 消費者保護機能の確保という観点からは、消費者が電磁的な提供について真意に基づき明示的に承諾をするということだけでなく、その提供方法自体が、消費者保護機能の確保のために必要な要件を充足する必要がある。承諾取得の要件と提供方法の要件のいずれか1つでも欠けている場合には、たとえ何らかの電磁的方法による提供があったとしても、それによって交付義務が尽くされたとはみなされず、従前からの原則どおり書面交付がされなければならないと考えられる。
    2. 論点の概要
      • WTによるヒアリングでは、電磁的提供方法に関する論点として、主に以下の点が挙げられた:
        1. 全体論
          • 要件を満たさない電磁的方法による提供は無効とされるべき、また要件は有効・無効の判断の根拠とされることから、その設定は客観的なものであるべき、との御意見があった。
          • 特商法上の取引類型に応じて交付方法に差を設けるべきとの御意見があった(1.(3)でも既述)。
          • 消費者保護の高度化のために、むしろデジタル技術を活用すべきとの御意見があった。
          • 他法令との制度の差異に配慮すべきとの御意見と、特商法と同時に適用される他法令との整合性に配慮すべきとの御意見があった。
        2. 消費者(及び保有機器)の適合性
          • 電磁的方法による提供は、デジタル技術に対する一定のリテラシー(保有する電子機器のセキュリティを適切に保持し、電子メールの送受信や添付ファイルの開封・保存が自らできること等)や、書面並みの一覧性(画面サイズ、印刷)をもって表示可能な機器を有する消費者に限って電磁的方法による提供を選択できることとすべきとの御意見があった。
        3. 事業者の適合性
          • 電磁的方法による提供を実施しようとする事業者は、書面と電子の両方の交付方法に常時対応できるべきとの御意見はあった。他方で、事業者の有する技術や情報管理の水準についての御意見はなかった。
        4. 具体的な提供方法
          • 具体的な提供方法についての御意見は、ほぼ全ての団体から寄せられた。これらの御意見は、提供の手順に関すること、手段に関すること及びクーリング・オフの起算点に関することにほぼ集約される。具体的には、(2)のとおりである。
    3. 提供方法に関する御意見
      1. 提供の手順に関して寄せられた主な御意見
        • 電磁的方法による提供にあたって注意事項を書面や口頭、電子メールの本文で示すこと
        • 消費者からの自発的な行動を求めること
        • 開封確認の返信を消費者から行うこと
        • 再交付の求めや、書面交付の求めがあれば事業者はこれに応じること(ただし、この手順に伴う改ざん可能性に関する指摘もあった)
        • 電磁的方法による提供の手順が完了したことの挙証は事業者が行い、手順が完了しない場合は、書面交付をすること
        • 事業者においても電子ファイルを保管すること
      2. 提供の手段に関して寄せられた主な御意見
        • 提供の手段に関する基本的な考え方としては、完全性、普遍性及び持続可能性等の確保が必要であるとの御意見があった。より具体的な手段については、以下のような御意見があった。なお、類似手法の取扱いや将来の技術的進展により生じた新たな手法の利用の可否を判断していくためには、提供手段につき、基本的な考え方(手段限定の根拠)との関係も含めてさらに整理することが必要であると考えられる。
        • 電子メールを用いて情報を伝達し、SNSやアプリには依らないこと
        • 電子書面は添付ファイルとし、PDFを用いること、改ざん防止措置を施すこと
        • ウェブサイトからのダウンロードの扱いについては、意見が分かれた
        • 電子書面はクラウド上で保管し、随時閲覧可能とすること
      3. クーリング・オフの起算点に関して寄せられた主な御意見
        • クーリング・オフの起算点は明確に判別されるべきこと
        • 電磁的方法による提供の到達時点に関しては、情報の到達は確認できても、開封や閲覧ができたことまでの確認は困難であり、消費者からの確認メール等のアクションで認定することが事実上必要なこと
        • 再交付に関しては、クーリング・オフ期間に影響しないこと
  3. 第三者の関与に関する論点
    • 消費者が高齢者である場合などにおける第三者の関与の在り方について、多様な御意見が寄せられた。少なくとも高齢者など一定層の消費者については、電磁的方法による提供の承諾に関して第三者の承諾が必要とする御意見と、電磁的方法による提供に際して契約者たる消費者の指定する第三者への同時交付が必要とする御意見があった。これらに関し、どのような消費者を第三者関与の対象とすべきか(高齢者の定義を含む)、第三者が誰であるべきか、第三者の連絡先情報提供や第三者としての指名に先んじて当該第三者本人の了承を得る必要があるかといった論点も挙げられた。
    • また、第三者への同時提供が必要となる場合に関して、消費者本人からの希望があった場合とする、との御意見もあった。
  4. その他の論点
    • これまで述べてきた論点に関し、法令上の義務とする性質のものか、業界や企業の自主規制とすることが適切な性質のものかについても検討されるべきとの御指摘があった。また、電磁的方法による提供について登録・届出制とするといった、政省令で規定できる範囲を超えると考えられる事項に関する御意見もあった。

~NEW~
経済産業省 電柱の増加要因を踏まえた新設電柱の抑制に向けた対応方策について
▼別紙1:新設電柱の調査結果概要(令和3年4月から12月)
  • 4月~12月の9ヶ月間では、電力柱は約4万本の増加、通信柱(NTT)は約0.7万本の減少
  • 電力柱と通信柱(NTT)と電柱を併せて、電柱は約3.3万本増加(年間増加本数は概ね4.5万本見込み)
  • 電力柱の新設(約10.6万本)のうち、供給申込や再エネ発電設備への接続に係るものが約5.2万本。このうち、約8割が個別の家屋新築等に伴う供給申込によるもの
  • 電力柱の新設のうち、民地に約8割、官地に約2割が設置されている
▼別紙2:分析結果を踏まえた対応方策(令和4年4月関係省庁連絡会議)
  • 上下水道と同時期に予め電力管路を設置する新たな施工方法の検討
    • 一定規模の住宅建設における無電柱化の課題の一つとして、土地造成時に住宅の詳細設計がなく引込線の場所が確定出来ないとして、水道やガス管路の整備時に、電線の管路が整備されず、コストや工期が増加する点にある。
    • この課題の解決に向け、水道と同様に予め引込地点を決め、水道と同時期に電線管路を整備する新たな施工方法を検討する。
    • 新施工方法については、電力会社のみならずエネ庁も参画しながら、開発事業者、他ライフライン事業者とも協議・調整し、今後具体化を進め、令和5年度を目処に先行事例を創出し、普及拡大を目指していく。
  • ケーブル、機器等の標準化と共同調達によるコスト削減
    • 無電柱化のためには、コストの低減が必要不可欠。
    • このため、一般送配電事業者全社にて高圧ケーブルについては2019年度に、低圧ケーブルについては2020年度に仕様を統一。一般送配電事業者10社による共同調達を開始した。
    • ソフト地中化用の変圧器については、2020年度は試作品の作業性検証を実施し、2021年度に仕様統一が完了。今後、共同調達に向けた準備を実施中。
    • 地上機器については、コンパクト化・浸水対策・仕様統一を進めており、設置場所の特性に応じ、コンパクトタイプの地上機器の適用などを進めていく予定。
  • 側溝や小型ボックスの活用等低コスト手法の普及拡大
    • 低コスト手法としては、管路の浅層埋設、小型ボックス活用埋設といったものが存在。他方、低コスト化手法の内容に関する事業実施主体の理解不足等により、その導入は一部に留まっている※。※財務省予算執行調査資料総括調査票(2019年6月公表分)より
    • このため、一般送配電事業者側から利用形態に応じた低コスト手法をメニュー形式で提案し、無電柱化コストの低減の加速化を図る。
    • また、この取組の実効性を担保するため、各一般送配電事業者では、低コスト手法の採用事例(採用手法、箇所数、距離数等)を公表するとともに、地方ブロック無電柱化協議会等を通じてPRし、低コスト手法の普及拡大を図る。
  • 低コスト手法の導入状況
    • 一般送配電事業者より、ブロック協議会や路線協議の機会を捉え、現場の状況に応じて様々な無電柱化整備メニューの提示を推進。(「無電柱化ベストプラクティス集」など)
    • 前期の無電柱化推進計画においては、ソフト地中化方式や小型ボックス活用など約1千件の低コスト手法の導入が図られており、現計画においても低コスト化手法の一層の導入拡大を目指す。
    • むつざわウェルネスタウンに導入している小型ボックスについては、ウエルネスタウンみつけ(新潟県)など、計26路線で活用しており、引き続き、導入拡大を図っていく。
  • 市街地開発事業等における無電柱化費用負担の見直し
    • 電線共同溝法の指定を受けた土地区画整理事業等の幹線道路の無電柱化については、令和3年度に「無電柱化推進計画事業」の補助対象を拡充済み。
    • 市街地開発事業等における地区内道路の多くが電線共同溝法の指定を受けない生活道路であり、関係約款等により全額要請者負担とされることから、施行者等の負担が過大※。※一般的な住宅地開発では戸当り150~250万円とされ、販売価格転嫁が困難。※区画整理の場合は地権者の減歩によることとなり、事業性に影響。
    • この点について、市街地開発事業等において電線共同溝方式によらずに実施される無電柱化について、一般送配電事業者が一部費用を負担するよう託送供給等約款を改定(2022年1月より運用開始)。また、施行者等負担分について、令和4年度に新たな支援制度「無電柱化まちづくり促進事業」を創設。
  • 無電柱化のスピードアップに向けた一体的な設計・施工の実施拡大
    • 電線共同溝方式では、従来、設計から施工まで各者が道路管理者と調整していたが、電線管理者が道路管理者の窓口となり、全ての設計・施工を一体的に実施することで、手戻り防止や工程効率化により、約7年から約4年に工期短縮を実現。
    • 先行的に取り組む電力会社から他社への水平展開を現在実施しており、電線共同溝方式の工事の全国的なスピードアップ化を目指す。
    • また、国としても、地方公共団体や開発事業者等に対し、新たな施工法等に関する情報の周知を適時適切に実施する。※前述の約款改定及び新制度創設について、自治体、区画整理・再開発関係団体、不動産関係団体に情報提供済(R4.1)
  • 自治体職員に向けたガイドラインの作成等
    • 運用面において、関係者調整に時間を要する、管路の管理者が決まらない、許可・指導する自治体職員の知見が十分ではない等が課題。
    • この点について、自治体職員に向けたガイドラインの作成等により、関連情報の周知及び優良事例の横展開を図っていく。
  • レジリエンスの観点から重要なルートについて、低コスト化手法を活用しながら無電柱化を実施
    • 電力の安定供給の観点から、無電柱化を推進することは重要だが、架空方式と比べ設置費用が高く、その費用が託送料金として当該エリアの消費者に転嫁される。
    • したがって、地中化を行うことが効果的な区間の考え方を整理した上で、推進していくことが必要。
    • このため、上記区間については、供給ルートが複線化されていないなど、「電柱倒壊等による停電の復旧に時間を要するおそれのあるルート」のうち、病院や医療センターなどの「優先的に停電の復旧や電源車を派遣すべき重要施設等への供給ルート」を基本として、各一般送配電事業者において区間を選定し、可及的速やかに着手するとともに事業計画を策定していく。
  • 電力レジリエンスの確保のための無電柱化の先行事例
    • 電力レジリエンスの確保に向けた無電柱化を図る区間については、適用箇所が山中など、人や車両の往来が少ない地点であることが多い。
    • このため、立地環境に応じて、より低コストかつ短工期となる無電柱化を行うべく、自治体と協議の上、仮復旧を回避した砕石部を開放した施工を実施。
    • こうした工法事例についても電力会社間の横展開を図り、全国へ普及拡大していく。
  • 保安規制の順守徹底と不要な電柱増加を防ぐため、太陽光発電など発電設備の分割規制を強化
    • 太陽光発電設備について、発電設備を分割することで、保安規制を回避している疑義のある事例が急増。
    • 本分割により発電設備毎に電柱が必要となることから、過剰な電柱を抑制すること等のため、こうした発電設備の分割を規制することを決定。
    • 電気事業法施行規則の改正し、2022年4月1日より施行。
  • 緊急輸送道路全線において新設電柱の占用制限措置
    • 緊急輸送道路約9万kmのうち約7万6千km(約85%)において、道路法第37条※に基づく、新設電柱の占用を禁止する措置を実施(国管理 約2万kmは100%)
    • 全線での措置に至っていない都道府県・市町村について、関係省庁の協力も得つつ、整備局等による支援を通じて措置の実施を促す。
  • 届出対象区域の導入
    • 沿道民地からの工作物等の倒壊による道路閉塞を防止する仕組みとして、道路法改正(R3年9月施行)により、沿道区域を設定し、当該区域内に届出対象区域を設定、区域内に電柱を設置する際は、道路管理者への届出、届出に対し、勧告できる「届出・勧告制度」を創設。
    • まずは、直轄国道の中で、大規模地震の発生時の道路啓開計画の対象となっている緊急輸送ルートなど、重要な緊急輸送道路を対象に指定に向け手続きを進める。
  • 同時整備の課題把握
    • 無電柱化法第12条※では、電線管理者は、道路事業や市街地開発事業等が実施される場合には、電柱又は電線を道路上において新たに設置しないよう規定。
    • このため、道路整備と同時に電線類の地中化を進めるよう令和元年度に「手引き」を作成し、道路局、都市局から、地方整備局、自治体に通知。
    • それにも関わらず供用後1年以内の道路に電柱が新設された事例があったことから、課題を把握し、整備局や関係省庁等を通じて自治体へ「手引き」の徹底を促す
  • 道路整備と同時に管路等を埋設
    • 従来、沿道の電力需要が明確でない場合は、ケーブル本数等が定まらないため、電線共同溝の設計ができず、電線共同溝の整備を実施してこなかった。
    • 今後は、郊外の緊急輸送道路等について、当面の間は沿道の電力需要が明確でなくとも、将来、電力需要が見込める場合は、道路整備と同時に管路等を埋設することとし、令和4年度中にガイドラインを作成し、関係者に周知。
  • 既設の電柱の効率的配置による電柱の削減や、電力線と通信線の共架を推進
    • 既設電柱の建替工事の際は、既存の配置に捉われず、効率的な配置を検討することで、既設電柱の削減を図る。
    • また、電柱を新設する場合においても、通信線と電力線について共架の可能性を検討し、新設する電柱数の効率化を図る。
    • こうした工事機会を捉えて設備のスリム化を推進し、着実に電柱の削減を進めていく。
  • 光ファイバーの地中化を図るための下水道管の活用
    • 電気通信事業者による下水道管を利用した光ファイバーの敷設が進んでいないことから、NTTが実証することで技術的な課題や制度的な課題を把握する。
    • 昨年度の実証では、下水道管の老朽化による補修工事の計画や光ファイバーの敷設工事によって下水道管の耐久性に支障が生じる可能性がある場合は、申請時の光ファイバー敷設ルートを変更する必要があること等を把握。
    • 今年度は光ファイバー敷設工事前の現地調査と工事を実証することで、技術的な課題や制度的な課題を把握する。
  • 緊急輸送道路については、電柱の更新時期や道路の拡幅工事等に合わせた移設や電線共同溝による無電柱化を図る
    • 緊急輸送道路の無電柱化については、これまで既設道路に加え、新設・拡幅工事の機会を活用する際に実施されてきたところ。
    • こうした中、既設電柱に対する無電柱化の取組を加速するため、新たに既設電柱の建替等のタイミングにおいても無電柱化を推進することとする。
    • 具体的には、予め関係者において電線の地中化を検討できるよう、連続した電柱の建替について、その見通し等の情報を地域ブロック協議会等に共有することにより、電力側からも既設電柱の地中化を関係者に働きかける取組を実施する。
  • 無電柱化に関する情報提供などの連絡・相談体制の整備
    • 無電柱化に関し、関係者間の合意形成の円滑化を求める関係者の声を受け、以下の新たな取組を講じる。
    • 各電力会社は無電柱化の調整に丁寧に応じるよう努めているが、改めて、各現場まで行く届くように、2年前に限らず、可能な限り調整に応じていく旨の周知徹底を行う。
    • 資源エネルギー庁HPと総務省HPに無電柱化に関する相談受付を新たに設置するとともに、関係省庁等において同様の事例が把握された場合には、資源エネルギー庁や総務省に情報提供し、事実関係の把握と調整を行う体制を新たに整備する。
  • レベニューキャップ制度の導入(託送料金制度改革)
    • 2020年6月に電気事業法を改正し、送配電事業者が一定期間ごとに収入上限(レベニューキャップ)を算定し承認を受ける新しい託送料金制度を2023年度に導入する。
    • 本託送料金制度においては、送配電事業者は5年ごとに無電柱化などの事業計画を策定し、それに必要な費用をもとに収入上限を算定。
    • 経済産業省が計画の達成状況を評価するとともに、一般送配電事業者各社の計画達成状況を公表する(レピュテーショナルインセンティブ)こととしている。
  • レベニューキャップにおける一般送配電事業者の無電柱化の取組内容
    • 無電柱化推進計画に基づき、電線共同溝方式による無電柱化と、電力レジリエンス確保のための一般送配電事業者主体による無電柱化について取り組むこととしている。
    • レベニューキャップ期間(2023~2027)においては、工事完成距離で、電線共同溝方式による無電柱化は1,707km、費用は2,733億円となり、従来より大幅に増加。加えて、電力レジリエンスに伴う無電柱化は201km、費用は791億円となり、総距離数は1,909km、総費用は3,523億円。※期中の路線変更や新規案件へ迅速・柔軟に対応することで計画を達成していく。
    • レジリエンスに伴う電力主体の無電柱化の目標距離は今回初めて掲げるなど、電力における無電柱化に対する取組を更に強化。

~NEW~
金融庁 IOSCOによるディスカッション・ペーパー「COVID-19による市場ストレス下における社債市場の流動性要因」の公表について
▼IOSCO は、ストレス下の社債市場に影響を及ぼす市場流動性の問題と、ETF に関するグッド・プラクティスについてフィードバックを求める(仮訳)
  • 社債市場
    • 証券監督者国際機構(IOSCO)の代表理事会は、COVID-19による市場ストレス下における社債市場の流動性要因に関する報告書を公表し、ステークホルダーからのフィードバックを求めている。フィードバックは、IOSCOが現在取り組む社債市場分野のレビュー、ストレス下における市場機能の改善および流動性供給の強靭性に関する将来の検討のための情報となる。
    • 本社債市場分析は、ETF(Exchange Traded Funds <上場投資信託>)や伝統的なオープン・エンド型ファンドなどのバイサイド投資家による投資が増大しつつある社債市場に関して、より幅広い文脈を提供する。これらの市場は、世界金融危機以降、指数関数的に成長してきた。COVID-19を端緒とする市場ストレスは、無秩序な社債取引と流動性機能障害の潜在的なシステム上の重大性を浮き彫りにした。ETFなどの新規参入者や電子化の増加により市場ダイナミクスが進展する一方で、社債のセカンダリー取引は依然として相当程度流動性の低い市場であり、少数のOTCディーラーのネットワークに大きく依存している。2020年3月の出来事は、市場の機能について疑問を提起した上で、流動性を強化してストレス時の流動性供給側の制約を緩和するための改善の可能性を問い掛けた。
  • ETF
    • IOSCOは本日、IOSCOのメンバー当局、資産運用会社および取引所がETFの運用・取引に関連して考慮するためのグッド・プラクティスについて市中協議を行う。本市中協議は、IOSCOの2013年のETF規制に係る原則を補完するものである。
    • ETFに関して提案された11のグッド・プラクティスは、プロダクト・ストラクチャリング(効果的な裁定を促進する手段、ETFオファリングのための様々な資産と戦略を含む)、開示、流動性供給およびボラティリティ・コントロールのメカニズムを対象としている。これらは、最近の世界的なETF市場の著しい成長や、新たな流動性の低い資産クラスへのエクスポージャーを有する新商品の増加、より複雑な投資戦略の増加に対応するものである。
    • 2020年3月においては、一部の債券ETFについて、より流動性の高い原資産を持つETFと比較して、一時的にプレミアムまたはディスカウントが急上昇し、スプレッドが拡大するなど、ETFに関する課題が提起された。
    • アシュリー・オルダーIOSCO議長兼香港証券先物取引委員会(SFC)CEOは、「社債市場が秩序ある形で機能することは実体経済のニーズに不可欠であり、オープン・エンド型ファンド(ETFを含む)が投資する金融商品の多くを支えている。ETFはますます普及が進む金融商品であり、IOSCOのグッド・プラクティスは、これらの金融商品が引き続き機能するために役立つものであり、投資家のニーズを支援するだろう。私は、ステークホルダーに対して、両方の公表物についてフィードバックを提供することを奨励する」と述べ、両プロセスへのインプットを奨励した。
    • カルミン・ディ・ノイア経済協力開発機構(OECD)金融・企業局長は、「規制当局と中央銀行の迅速な対応により、社債発行市場はCOVID-19危機の間も継続し、2020年だけで3兆米ドルという記録的な金額を調達した。しかし、企業債務水準は、クレジット・クオリティの悪化が景気回復にどの程度影響するかについて懸念を生じさせている。IOSCOの報告書は、活発な資本市場が引き続き企業セクターの強靭性を支えることを確かなものにする上で、有益な教訓を提供している。
    • OECDは、この重要な取組みについてIOSCOと協働することを楽しみにしている。」と述べた。
  • フィードバックの提供方法
    • ディスカッション・ペーパー「Corporate Bond Markets-Drivers of Liquidity During COVID-19 Induced Market Stresses」に関する意見提供(ディスカッション・クエスチョンへの回答)は、2022年6月30日(木)までにCBML-feedback@iosco.org宛てに送付されたい。また、今夏、IOSCOはOECDと共に、社債市場に関する見解を追加的に取得するための会議を開催する。
    • 市中協議文書「Exchange Traded Funds – Good Practices for Consideration」に関するフィードバックは2022年7月6日(月)まで募集している。コメントはIOSCO-ETF-consultation@iosco.org宛てに送付されたい。また、グッド・プラクティスを最終報告書に反映する際の助けとなるように、ETFに影響を及ぼす最新の市場事象についてもフィードバックを提供することが奨励される。

~NEW~
金融庁 金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」(第17回) 議事次第
▼資料2 事務局説明資料(Ⅰ 顧客本位の業務運営の確保と金融サービスの向上(2)(顧客への情報提供の充実とデジタル化)Ⅱ 我が国社債市場の課題と取組み)
  • 家計の中長期的に安定した資産形成を実現していくためには、顧客本位の業務運営の確保、金融リテラシーの向上を総合的に進めることが不可欠。これまでプリンシプルベースで進めてきた「顧客本位の業務運営の確保」については、それを支える制度的枠組みの検討が必要ではないか(販売面:販売・助言サービスの態様に応じた制度の柔構造化、組成面:プロダクトガバナンスの確保)。
  • 社会経済全体のデジタル化が進展する中、金融商品取引における情報提供に関しては、
    1. 顧客に対し、充実した内容の情報がデジタルツールの特性を活かした分かりやすい形で提供されることが「顧客本位の業務運営」の進展、ひいては、経済成長の果実の家計への還元の観点から重要。
    2. こうしたデジタル化のメリットを幅広く顧客に拡げ、同時に、紙資源の節減や金融事業者のコスト削減にもつながるよう、「紙による情報提供を原則とする枠組み」から「デジタル・リテラシー等の顧客属性に応じた保護を図りつつ、デジタルによる情報提供を原則とする枠組み」への移行についての検討が求められている。
  • 金融商品取引における情報提供は、(1)顧客にとって必要な情報が、(2)顧客にとって分かりやすく提供されるよう、行われる必要がある。より良い取組みを行う金融事業者が顧客から選択されるメカニズムの実現を目指して2017年に策定された「顧客本位の業務運営に関する原則」(FD原則)には「重要な情報の分かりやすい提供」が挙げられている。さらに、FD原則は2021年1月に改訂され、「重要情報シート」が導入された。
  • 近年では、デジタルツールを効果的に活用し、ウェブやアプリの画面表示を工夫することなどにより、書面や、単に書面を電子化したPDFよりも分かりやすい情報提供が可能となっている。情報提供のデジタル化は、従来の書面の電子化ではなく、これまでの「顧客本位の業務運営」に向けた取組みを踏まえつつ、デジタルツールの特性を活用し、より充実した情報のより分かりやすい提供につながるよう進める必要がある。
  • 金融商品取引法等は、顧客に提供すべき情報を記載した書面として、目論見書、契約締結前交付書面、取引残高報告書、運用報告書等を定めている。これらは、顧客が同意すればデジタルによる情報提供に代えることが可能とされている。(注)金融商品取引法の規定を準用している特定預金等契約や特定保険契約、特定信託契約、特定金融サービス契約に係る情報提供(書面交付)についても、分野横断的な規律を図る観点から、同様の取扱いとされている。また、一定の場合には顧客同意は不要とされている。(顧客同意が不要とされる例)
    • 投資信託について、交付運用報告書は書面交付が原則だが、運用報告書(全体版)については、投資信託約款で電磁的方法による提供を規定している場合には(顧客同意がなくとも)ウェブ掲載等による提供が認められている。
    • 上場株式などのプレーンな商品に係る契約締結前交付書面は、一度交付すれば、その後はウェブ掲載等による提供が認められている。
  • 金融商品取引法等に基づく情報提供のデジタル化について、現状、「新規顧客」については、対面営業を主とする証券会社(以下「対面証券」)で7~8割、ネット証券で8~9割の顧客が電子提供に同意している一方、対面証券の「既存顧客」の電子提供率は低いという調査がある。デジタルツールの特性を活用した、深度ある、より分かりやすい情報提供がより多くの顧客に享受されるとともに、紙資源節減やコスト削減等につながっていくよう、以下の点を踏まえつつ、「紙による情報提供を原則とする枠組み」から「デジタル・リテラシー等の顧客属性に応じた保護を図りつつ、デジタルによる情報提供を原則とする枠組み」への移行についての検討が求められている。
    • 顧客属性(デジタル・リテラシー等)や商品類型(複雑性等)等には差異があること
    • 既存契約に関し書面(購入済の投資信託の運用報告書等)交付を受けている顧客の中には、契約にあたり能動的に電子提供に同意しなかった(書面を「選択」した)者も一定数存在すると考えられること
  • 2020年の割賦販売法改正では、クレジットカード会社(包括信用購入あっせん)によるカード交付時・利用時の情報提供(規約、利用明細等)について、顧客の事前承諾を要することなく電子提供を行うことが許容された。一方、クレジットカード会社による契約解除等の「催告」は、顧客の法的な契約関係に影響する特に重要な情報提供であるとして原則は書面とされた。また、個別信用購入あっせんについても原則は書面とされた。2021年の特定商取引法改正では、従来電子提供が認められていなかった販売業者等による交付書面について、消費者の事前承諾を得た場合には電子提供を行うことが許容された。
  • 社債市場を通じた資金供給は、銀行等による貸出とともに、事業リスク等を踏まえた企業への効率的・効果的な資金供給、その成果の家計への還元との面において、重要な役割を担っている。
  • 2009年7月の「社債市場の活性化に関する懇談会」設置以降、社債市場の活性化に関し、様々な課題についての検討及び取組み・見直しが進められてきた。
  • 社債の保有者構成は、銀行を含む預金取扱機関、保険・年金基金が約6割を占めている。本邦社債保有における海外機関投資家等(注;一般にリスクテイクに積極的でリスク・リターンのバランスを厳しく評価するといわれる)の比率は極めて低水準にとどまっている。これについては、言語や低金利環境といった要因に加え、コベナンツの設定・開示や社債管理者の設置状況など本邦社債市場の構造的な課題も原因となっているとの指摘がある。投資信託や小規模な年金等の社債投資を制約している要因として、以下のようなことが挙げられるのではないか、といった指摘もある。
    • 多くの社債が、社債管理者不設置で社債の額面1億円以上で発行されていることで、パッシブ運用において一定の運用規模が必要となっている
    • これらの投資家が現に積極的に活用している社債インデックスや日本社債に特化した大規模なパッシブファンドが存在しない
  • 我が国の社債発行額は増加してきているが、格付別ではA格以上が大宗を占めており、非投資適格(BB格以下)は、2019年~2021年のアイフルの発行を除いて見られない。また、投資適格の中でもBBB格の発行は米国に比して極めて少ない。こうした信用リスクが相対的に高い企業の社債発行を促進するためには、コベナンツの設定・開示や社債管理の担い手の確保・利益相反への対応等が課題として指摘されている。いわゆるSDGs債の発行が増加しており、発行体の裾野の広がりにつながっている。
  • 社債評価にあたって必要な情報が十分に開示されることが重要。特に、我が国実務では担保提供制限条項(ネガティブプレッジ)(注)の範囲を「社債間」に限定することが一般的であり、ローンに関する情報開示の重要性は特に高いと考えられる。(注)担保提供制限条項とは、社債・借入等の債務について、担保権を設定することを制限し、本社債の法的な支払順位を確保しようとするものをいう。本邦社債では、債務間同順位の担保提供制限条項を規定している例は極めて限定的。一方、米国では、1971年にひな形として作成された模範社債信託証書条項に記載されている担保提供制限条項はローンを含む債務全体を対象としており、ローンも対象とする担保提供制限条項の付与が従来から定着していると言われている。現在、金融審議会「ディスクロージャーWG」において、ローン等に付されたコベナンツの開示につき議論が行われている。
  • 社債コベナンツの内容は、諸外国の例も踏まえ、社債権者保護の観点からみて適切・十分であることが求められる。この点、例えば、米国では多くの低格付債に付与されているチェンジ・オブ・コントロール条項が、我が国実務では盛り込まれていないとの指摘がある。機関投資家等による社債の評価において、コベナンツの付与や社債管理者等の設置が適切に反映される必要があるとの指摘もある。
  • 社債管理者は「公平誠実義務」及び「善管注意義務」を負い、社債権者保護に重要な役割を担う。我が国ではメインバンクが社債管理者となっている場合が多い(例えば、メガバンク以外の銀行や信託銀行が社債管理者を務める社債は2021年発行分では4銘柄)。メインバンクの就任について、与信取引等で得た情報を活用できるといったメリットがある一方、利益相反への対応が必要ではないか、との指摘がある。(注)米国のトラスティーについては、デフォルト後、社債権者との利益相反規制があり、法定の利益相反事項に該当した場合、90日以内にトラスティーを辞任又は当該利益相反関係を解消しなくてはならないとされている。
  • 我が国においては、社債管理者が設置されないケースが多い(額面1億円以上の発行が79%、うち不設置債97%)。2019年の会社法改正で「社債管理補助者制度」が導入されたところ(2021年3月施行)、今後の活用を促していく必要がある。
  • 日証協では、発行市場の透明性及び流通市場の流動性の向上等について検討・取組みを行っている。発行市場については、より透明性の高い発行条件の決定手続きに向け、2020年に、発行者への「需要情報」、「販売先情報」の提供に係る自主規制規則を制定(トランスペアレンシー方式の導入)。透明性の高い発行市場に向けた取組みが進められている。
  • 日証協では、流通市場における流動性の向上策の1つとして、社債レポ取引に関する一定のニーズが確認されたことから、同市場の整備に向けた検討が進められている。また、価格の透明性については、社債の取引情報の報告・発表制度が2015年に開始しており、現在では、発表対象がA格相当で発行額500億円以上の銘柄(注)まで(全取引数量の49%)拡大されており、着実な進展が期待される。(注)A-相当、劣後特約付きのもの及び残存年数が20年以上のものを除く。
  • 金融緩和や銀行間の競争等を背景にした、借入に伴う低い調達コストが、大企業が社債ではなく銀行融資を選択する一因となっているのではないか、との指摘がある。上場企業等に係るファイアーウォール規制の見直しに伴い銀行グループの業務運営の一体性が高まることで、「融資と社債引受」、「資本性ローンと劣後債引受」等を比較し、より顧客ニーズを反映したサービス提供につながることが期待される。
  • ご議論いただきたい事項
    1. 顧客本位の業務運営の確保と金融サービスの向上②(顧客への情報提供の充実とデジタル化)
      1. 金融商品取引における情報提供は、(1)顧客にとって必要な情報が、(2)顧客にとって分かりやすく提供される必要がある。情報提供のデジタル化を進める中で、デジタルツールの特性を活用し、「深度ある、より分かりやすい情報提供」を推進していくため、どのような取組みが必要か。また、顧客に提供される情報を充実させる観点から、見直すべき点はあるか。
      2. デジタルによる情報提供のメリットが多くの顧客に享受されるよう、「原則デジタル化」のあり方を検討するにあたり、以下なども踏まえ、どのような制度としていくことが考えられるか。
        1. 顧客属性(デジタル・リテラシー等)や商品類型(複雑性等)等には差異があること
        2. 既存契約に関し書面交付を受けている顧客の中には、契約にあたり能動的に電子提供に同意しなかった者も一定数存在すると考えられること
    2. 我が国社債市場の課題と取組み
      • 社債市場が有効にその機能を発揮するためには、以下等が総合的(holistic)に進められることが重要。
        1. 「社債発行」から「信用モニタリング(情報提供や担保設定などを含む)」、さらには「償還、あるいは破綻時の対応」に至る一連のプロセス全体における適切な社債権者保護
        2. 社債の現物市場のみならず、社債レポ市場やデリバティブ市場(CDS)全体としての機能発揮
        3. 社債市場のみならず、銀行融資やシンジケート・ローンを含む、クレジット市場全体としての機能発揮
        4. 国債をはじめとする金利市場、さらには海外クレジット市場、為替市場などとの円滑な裁定機能の発揮
      • この点、いわゆるSDGs債の増加が進む等、我が国の社債発行額は増加してきている。また、特にリーマン危機以降、銀行融資との利益相反関係なども視野に入れた取組みが進められているが、長期にわた超低金利環境の継続もあり、社債市場の活性化は道半ば。こうした中、上場企業顧客に関する銀証ファイアーウォール規制の見直しが進み、社債・融資合わせたクレジット市場全体としての機能発揮を考える環境整備が進む現状において、社債活性化に向け、さらにどのような取組みが求められるか、重点的に進めるべき施策は何か

~NEW~
金融庁 「ESG評価・データ提供機関等に係る専門分科会」(第5回)議事次第
▼資料1 事務局資料
  • 本専門会議においては、ESG評価の質を高め、インベストメントチェーン全体でESGに係る評価やデータが信頼ある形で利用されるよう、議論を進めてきたところ。報告書や行動規範の策定を通じて、ESG評価の質の向上を図り、評価やデータの信頼性を高めることで、企業のESGの取組みと、経済の持続可能な成長を確保していくことが重要と考えられるが、他に重要な点はあるか
  • また、こうした点から、評価・データ提供機関に係る行動規範に止まらず、企業や投資家に期待される事項含めて包括的に取りまとめていくことが考えられる
  • ESG評価に係る市場の動向は今後も大きく変化していくことを前提に、IOSCOの原則ベースの報告書を基礎としつつ、必要に応じて追加的な論点も盛り込んだ上で、行動規範を策定していくことが考えられるのではないか
  • ESG市場全体が発展過程にある中で、依然、企業の保有するESGデータを収集・分析し、これに基づく評価を行い、投資家等に提供するESGデータ提供・評価機関の重要性は高い。今後のESGデータの充実やこれに伴う市場構造やサービス提供の変化も見据えた柔軟な改定が可能な形が望ましいか
  • Issuer Pay、Subscriber Payモデル双方の役割がサステナブルファイナンス市場の発展には不可欠であり、両者を対象とすることが望ましいのではないか。IOSCOの報告書を基礎とした場合、Issuer PayとSubscriber Payを包含できる内容も多いと考えられるが、いずれかのビジネスモデルを想定した場合に対象とすべきない、又は加筆すべき項目として、特段の内容があるか
  • 報告書については、内外の、ESG評価・データ提供機関、投資家、企業、その他幅広い市場関係者に積極的な発信を行っていくことが重要であり、早々に英語版も含めて開示していくことが考えられるが、他にどのような普及策が考えられるか
  • ESG評価・データ提供機関に対する行動規範については、スチュワードシップコード等の例も踏まえて、わが国市場でESG評価・データを提供する機関に幅広く賛同を呼び掛け、賛同する場合には、行動規範のそれぞれの項目について、遵守する、又は遵守しない項目についてはその旨と理由を明らかにする(いわゆるコンプライオアエクスプレイン)ことを求めることが考えられるか
  • 行動規範については、内容をIOSCOの報告書を基にすることで国際協調の基礎としつつ、公表に当たって、IOSCOや各国当局を含め情報発信を行うことで、国際的に歩調の取れた対応を促していくことが考えられるか
  • ESGデータはESG評価の基礎をなすものであり、その重要性を踏まえれば、データの品質確保は喫緊の課題であり、データも併せて対象とすることが基本となると考えられるか。IOSCOの原則ベースの報告書を基礎とした場合に、データ提供を対象とした場合に、具体的にどのような課題があるか
  • 非営利法人等も含めて、わが国でESGレーティングやデータを業として提供する機関を対象とすることとした場合、範囲や定義の面で具体的などのような留意点があるか
  • インベストメントチェーンにおけるイノベーションも含めて、ESG評価・データ提供機関がこれまでに果たしてきた役割が、今後も更に発揮されることが期待される旨を、報告書・行動規範に盛り込むことが考えられるか
  • ESG評価においては、評価の目的、考え方、基本的方法論などの評価の哲学を明らかにすることが重要であり、こうしたものに沿った評価が行われている限りにおいては、企業の評価結果そのものが評価機関によって異なることは必ずしも問題ではなく、むしろESGに係る多様な視点を提供する観点から有益とも捉えられる、との意見があるが、そのような理解でよいか
  • 企業の客観的な取組状況や事実関係を表すESGデータについては、開示の充実などを通じて収れんしていく方向にある一方、ESG評価については、ESGはそもそも多様な概念を包含するものであり、今後も多様であり続けるものである、との理解でよいか
  • ESG債における外部評価の種別については、国際資本市場協会(ICMA)による外部レビューに関する整理も踏まえて用語の整理を行うことが考えられるか
  • その上で、行動規範については、IOSCOの報告書を基礎とした場合、こうした評価の種別を包含できる内容も多いと考えられるが、いずれかの評価を前提とした場合に対象とすべきない、又は加筆すべき項目として、特段の内容があるか
  • 種別によらず求められる行動規範は同一であることを改めて確認することは考えられるか
  • 評価の品質管理(PDCAの確立)、人材の確保、データの品質確保については、質が高く信頼性のあるESG評価・データの提供に欠かせない要素であり、以下のIOSCO報告書の記載も踏まえ、報告書・行動規範に盛り込むことが考えられるか
  • IOSCO報告書には例示として以下の記載があるが、特段の留意点はあるか
  • いずれも重要な論点であり、幅広い関係者からの独立性確保について、IOSCO報告書も踏まえて、指摘事項を報告書・行動規範に盛り込むことが考えられるか
  • ビジネスモデルによって、異なる利益相反のあり方や防止の方策について、具体的にどのような違いが考えられるか。少なくとも、IOSCO報告書(関連記載は3・4-1、2)にもあるとおり、評価機関において、自ら提供する関連サービスについて、潜在的な利益相反としてどのようなものが存在するかを特定し、管理、低減する枠組みの整理が重要ではないか
  • 設問や評価基準の詳細については、企業にとって使いやすく・理解しやすいものである必要があるのではないか
  • 利益相反管理のあり方については、評価のあり方にも応じて変わってくるとの指摘がある。例えば、評価手法が客観的、簡潔でわかりやすい、透明性が高い場合と、評価が主観的、多岐にわたり複雑である、透明でない場合に、求められる利益相反管理のあり方が異なるべき旨などを行動規範に盛り込むべきか。盛り込む場合、特段の留意点はあるか
  • 透明性を確保すべき項目として報告書・行動規範に盛り込むべき事項としては、上記のような指摘やIOSCOの報告書を踏まえて、たとえば、以下のような点が考えられるか
    • 評価の基本的な哲学・目的・方針(IOSCO2-2、5-5関連)
    • 評価手法の具体的な内容(評価結果の差異につながる重要な取組みなど)(IOSCO2-2、5-5関連)
    • 評価のプロセス(評価の手続き、手順、けん制やモニタリングなど)(IOSCO2-2、5-5関連)
    • 評価の目的・手法に照らした評価結果の具体的な説明が可能な窓口(IOSCO8・9-3関連)
    • 評価の基となるデータソースや、推計データの利用の有無(IOSCO2‐5、5-5関連)
    • 評価手法等に更新があった場合の変更点(IOSCO2-4、2‐5関連)
  • 一般的な情報開示に加えて、個別の評価対象企業に対しては、求めに応じてより丁寧な説明等が必要となるといった旨を報告書・行動規範に盛り込むことは適切か。盛り込む場合、どの点に留意すべきか
  • 設問や質問票、評価手法・基準等の詳細については、企業にとって使いやすく・理解しやすいものである必要があるのではないか
  • 守秘義務についての指摘事項は、IOSCO報告書の以下の記載も踏まえて、報告書に盛り込むことが考えられるか
  • 事前の説明については、IOSCO報告書(8・9‐2、6関係)も踏まえて、行動規範に盛り込むことが考えられるか
  • 市場全体として持続的な成長を促していくといった観点から、評価機関には、企業の行動変容などにつながる建設的な対話が期待されるのではないか
  • 評価機関においては、評価手法などの具体的な問合せに対してどう対応するか、回答の難しい場合としてどのような場合があるか、少なくともインプットデータの確認は可能である旨を明らかにするといった方針を明らかにすることが重要でないか
  • ESGの評価やデータが、実際にどのようなインパクトを持つのか企業が具体的に理解できるよう、投資家においても、自らのESG評価・データ利用のあり方や、自らESG評価を行っている場合の考え方などを明らかにすることが重要との指摘があり、こうした趣旨を報告書に盛り込むことが考えられるか
  • 評価にあたって、または評価の後に、評価機関と企業との間で密接なコミュニケーションが図られること自体は、評価の質を適格にし、企業としての取組み改善につなげてもらう観点からも、重要ではないか。このため、コミュニケーションを限定するよりは、これを促していく方向で検討すべきか
  • 中立性の確保や評価先が多数に及ぶ場合の対応・工夫については、例えば、評価を行う担当者とコミュニケーションを行う担当者を分ける、対応の基本的方針を予め明らかにする、といったことが考えられるか。他にどのような方策・工夫が考えられるか
  • 投資家においても、自らのESG評価・データ利用のあり方や考え方などを明らかにすることが重要との指摘があり、こうした趣旨を報告書に盛り込むことが考えられるか
  • インハウスで行う評価についても、投資家におけるESG評価・データの利用の一環として、そのあり方を明らかにすることが重要か
  • 評価特性への理解ならびに評価機関・企業との対話についても、上記指摘を報告書に盛り込んでいくことが考えられるか
  • 企業開示については、ISSBにおける国際的な検討のほか、金融庁でも、「ディスクロージャーワーキンググループ」で議論を進めているところ。ESG評価・データの品質確保の観点からも、こうした議論の進展が重要か
  • 評価においてどのような情報が活用されているかについても、P13のとおり行動規範に盛り込むことが考えられるか
  • 企業へのベネフィットについては、既述のとおり、投資家が、評価やデータがどのように利用されているのかを明らかにしていくことで、理解し易くなるか。また、評価機関が、企業に対して、取組みの課題や他社との比較などのフィードバックを行うことも考えられるか。他にどのようなものがあるか
  • ESG評価は多様であり、また投資家による利用のされ方も多様である点を、企業も含めて幅広い関係者に理解してもらうことも重要。こうした観点から、関係者間の対話の促進等が重要となるか
  • 相互の理解向上などを図る場としては、具体的にどのようなものが考えられるか

~NEW~
内閣府 統合イノベーション戦略推進会議
▼AI戦略2021 本文
  • 「AI戦略2019」の策定以来これまで政府では、同戦略に掲げる4つの戦略目標を実現すべく、教育改革、研究開発体制の基盤づくり、社会実装、データ関連基盤整備、AI時代のデジタル・ガバメント、中小企業・ベンチャー企業の支援、倫理、その他に関する各種取組を鋭意推進してきている。
  • 2020年6月、2021年5月に実施した同戦略のフォローアップにおいても、施策の進捗率は、それぞれ約87%及び約90%と、各施策はほぼ計画通りに進められていると考えられる状況にあった。しかしながら、効果の発現に時間を要するものがあるとはいえ、人材育成、産業競争力、多様性を内包した持続可能な社会、研究開発等、いずれにおいてもまだ各施策の効果を十分に実感できるまでには至っていないと考えられる。
  • また、この間、我が国では、新型コロナウイルス感染症対策において露呈したデジタル化の遅れを取り戻すべく、政府情報システムのみならず、我が国の社会全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進される状況となってきている。具体的には、本年5月、いわゆるデジタル改革関連6法案が成立したことにより、本年9月のデジタル庁の設置のほか、政府の情報システムの共通的な基盤・機能を提供する複数のクラウドサービス(IaaS、PaaS、SaaS)の利用環境である「ガバメントクラウド(Gov-Cloud)」の早期整備・運用及び地方自治体による活用、地方自治体の業務システムの統一・標準化、個人情報保護制度の見直し等が今後進められる状況となった。一方で、新型コロナウイルス感染症対策は継続しており、それ以前には通常とされてきた生活環境や働き方がリモートを前提としたものに変化してきている。
  • その他、米中におけるAIの世界リーダーに関する覇権争いは、一層先鋭化するとともに、自然言語処理分野におけるBERT、GPTに代表されるように、AIの研究開発においても大きなブレークスルーがあった。また、AIを活用したサービスやシステムの導入が多くの分野で促進され、国内外のAI関連市場も拡大傾向にあるが、その一方で、AIの倫理に関する課題も顕在化し、複数のサービスが停止または見直しに至るなどしている。
  • こうした2年間のAIに関する国内外の環境変化や施策の進捗状況、特に、継続して新型コロナウイルス感染症への対応が必要となっている状況及びクラウドシステムを前提とした情報システムへの変革、を踏まえ、データの取扱いを含め、どのようにAIの社会実装を進めることが社会的・経済的効果を実感できるものとなるのか、そのために解決すべき課題は何か、改めて詳細な検討を加える時期に来ている。
  • ついては、「AI戦略2019」が掲げた戦略目標の早期実現に向けて、歩みを止めることが無いよう、これまでの施策の進捗状況についてのフォローアップと上記の環境変化等を踏まえたうえで継続的に取組む施策等を取りまとめ、「AI戦略2021」として推進していく。
  • これらに加え、本年度は、これまで前提としてきた社会・経済システムが大きく変革していること、諸外国におけるAI関連の動きが加速していること等を踏まえ、我々の社会生活に真に役立つAIの社会実装の促進に重点を置いた、新たな戦略の策定を進めていく。
  • 戦略のスコープ
    • 本戦略における「人工知能(以下、「AI」という)」とは、知的とされる機能を実現しているシステムを前提とする。近年のAIは、機械学習、特に深層学習(ディープラーニング)に基づくものが中心であるが、AI関連の技術は急速に進展しており、機械学習に基づく技術に限定してAIの定義とすることはしない。
  • 戦略の目的
    • 本戦略の目的は、Society5.0の実現を通じて世界規模の課題の解決に貢献するとともに、我が国自身の社会課題も克服するために、今後のAIの利活用の環境整備・方策を示すことである。
    • 世界への貢献と課題克服、さらには、その先の、我が国の産業競争力の向上に向けて、AIを取り巻く、教育改革、研究開発、社会実装などを含む、統合的な政策パッケージを策定する。
    • さらに、新型コロナの蔓延で顕在化した、我が国の官民双方でのデジタル化の致命的な立ち遅れ、非常事態における対応体制に関わるデータ連携やデータアクセスへの制度不備や統治機能の不全など、パンデミックや大規模災害が想定される我が国としては見逃すことができず、緊急の対応が必要である。この非常事態、さらにその発生が予見される切迫した事態における対応は、新たに戦略目標として追加することが必要であると認識した。
  • 戦略の背景となる理念
    • 2019年3月、政府は、「人間中心のAI社会原則」を取りまとめた。これは、AIの発展に伴って、我が国が目指すべき社会の姿、多国間の枠組み、国や地方の行政府が目指すべき方向を示すものであり、その基本理念として、
      1. 人間の尊厳が尊重される社会(Dignity)
      2. 多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる社会(Diversity & Inclusion)
      3. 持続性ある社会(Sustainability)
        の3点を定めている。本戦略は、これらの基本理念を尊重する。
  • 戦略の推進にあたっての基本的考え方
    • 基本理念を実現するため、すなわち、「多様性を内包した持続可能な社会」に向けて、AIを含めた新たな技術の導入と、その導入と並行した社会システムの変革が重要である。さらには、AIの導入によって、国民一人一人が具体的な便益を実感でき、新たな技術や社会システムが広く受け入れられていくことが不可欠である。
    • 加えて、Society5.0の実現を進める中で、我が国の国際的プレゼンスの向上と、産業競争力の抜本的強化を図っていかなければならない。その際、「人間中心のAI社会原則」を踏まえ、性別、年齢、政治的信条、宗教等の多様なバックグラウンドにかかわらず多様な人材が、幅広い知識、視点、発想等に基づき、貢献できるようにすることが重要である。
    • 国は、以上の観点を念頭におき、総合的なコーディネーターとして、以下の点にも留意しつつ、本戦略に記載される各種施策を着実に推進していく必要がある。
      1. 国家の最大の使命は、そこに暮らす人々の生命と財産を守ることであり、パンデミックや大規模災害なども含めた非常事態に迅速に対応できる体制とシステムの構築が必須であり、この分野の立ち遅れを早急に是正し、十分な基盤と運営体制を構築することが必要であること
      2. 産業の担い手は民間企業であり、民間企業がその力を発揮するために、基盤の整備(人材の育成と呼び込み、研究開発の促進、産業基盤の整備・事業化支援)、新たな技術の導入を加速する制度の構築と阻害要因の除去、多国間の枠組みの構築などが不可欠であること
      3. AIシステムの実装には、大規模データを収集・蓄積し、アクセスする基盤、超高速通信網、センサー群、ロボット等が必要であること
      4. AIの社会受容には、サイバーセキュリティやAI倫理を含む、システムの安全性や健全性を担保する技術の開発や実装、AIに関わるリテラシーの向上及び開発者・運用者とユーザの間での適切なコミュニケーション、さらにはAIの具体的な便益が感じられることなどが重要であること
  • 戦略目標
    • 本戦略では、以下の戦略的目標を設定する。
      1. 戦略目標0
        • 我が国が、パンデミックや大規模災害に対して、そこに住む人々の生命と財産を最大限に守ることができる体制と技術基盤を構築し、それを適正かつ持続的に運用するための仕組みが構築されること。
        • 新型コロナによるパンデミックは、その一定の収束まで一定の時間ときめ細かな対応が必要となる。同時に、これが最後のパンデミックではなく、将来においても新たなパンデミックの発生を前提とする必要がある。
        • また、首都直下型/南海トラフ地震、大型化する台風や水害など、まさに大規模災害等の非常事態、さらにそれが予見される非日常で切迫した事態が頻発することを想定する必要がある。新型コロナへの対応で露見したのは、我が国のデジタル化の信じ難い遅れであり、これは官民双方に見られる。また、これら非常事態の対応に関する体制や法体系も整備されているとは言い難い。本AI戦略に関わる部分においても、各種データのオーナーシップの不明確さ、紙ベースの情報伝達など、AI戦略以前の問題が山積している。この問題は、一刻の猶予もなく是正するべきであり、デジタル庁の発足とそれに伴う一連の法体系の整備を反映し、日本の人々の命と財産を守ることに資するAI関連の研究開発と迅速な実用化を目指す。この戦略目標は、今回あらたに加えられた目標であり、今年度は、現行プログラムを中心にできる限りの対応を行い、2022年度以降、一連のプログラムの立ち上げを検討する。
      2. 戦略目標1
        • 我が国が、世界で最もAI時代に対応した人材の育成を行い、世界から人材を呼び込む国となること。さらに、それを持続的に実現するための仕組みが構築されること。
        • 「AI時代に対応した人材」とは、単一ではなく、最先端のAI研究を行う人材・AIを産業に応用する人材・中小の事業所で応用を実現する人材・AIを利用して新たなビジネスやクリエーションを行う人材などのカテゴリーに分かれるが、いずれにしても、各々のカテゴリーでの層の厚い人材が必要となる。
        • 人材の増大には、女性も含む多様な人材や、海外から日本を目指す人々も含め、それぞれの層に応じた育成策、呼び込み策が重要である。そのため、今後、先進的な教育プログラムの構築が重要であり、さらに、これを海外にも提供できるレベルにまで充実させることも必要になる。
        • 日常生活では、より有効にAIを利用することで、生活の利便性が向上し、従来ではできなかったことができるようになる。ただし、そのためには、AIに関するリテラシーを高め、各々の人が、不安なく自らの意志でAIの恩恵を享受・活用できるようにならなければならない。
      3. 戦略目標2
        • 我が国が、実世界産業におけるAIの応用でトップ・ランナーとなり、産業競争力の強化が実現されること。
        • サイバースペース内で完結することがなく、人、自然、ハードウェアなどとの相互作用を通じて初めて価値が生み出される、「実世界産業」領域には、未だに系統的に取得されていない膨大な情報が含まれている。
        • 本領域において、多くの場合には、サービス・プラットフォームを軸とした高付加価値型産業への転換を促進することが極めて重要であるため、それに資するAI関連の開発支援、制度設計、社会実装に係る基盤形成を進め、産業競争力の向上と、世界のトップ・ランナーとしての地位の確保・維持を目指す。これはAI戦略以外の政策も連動した上で実現する目標となるが、AI戦略が重要な部分を担っていることは間違いない。産業競争力の尺度としては、労働生産性などが考えられる。参考として、今後10年程度で、その時点の米国、ドイツ、フランスなどと同等の労働生産性水準に到達するには、我が国は、6%強の名目労働生産性の成長率を10年間維持する必要があり、極めて大胆な産業構造の変革が必要であることが明確である。併せて、当該領域を通じた、世界規模でのSDGs達成に貢献する。例えば、SDG9で持続可能な産業化の促進とイノベーションの推進について掲げられているように、イノベーションを通じて持続可能な産業の促進やSDGsの達成に貢献することができ、その中で、AIは重要な役割を果たすことができる。
        • 加えて、公的サービス分野でAIを応用することにより、サービスの質の更なる向上、就労環境の改善、そして、究極的には財政の負担低減を目指すことも重要である。
        • なお、e-commerceやSNSなどのサイバースペースでほぼ完結するタイプのサービス産業については、今後の検討課題である。
      4. 戦略目標3
        • 我が国で、「多様性を内包した持続可能な社会」を実現するための一連の技術体系が確立され、それらを運用するための仕組みが実現されること。
        • 女性、外国人、高齢者など、多様な背景を有する多様な人々が、多様なライフスタイル実現しつつ、社会に十分に参加できるようになることが極めて重要である。AI関連の多様な技術体系の確立とそれを使うための社会の制度・仕組み作りを進め、国民一人一人が、具体的に便益を受けることができることを目指す。
        • また、この戦略目標は、日本国内のみを想定したものではなく、SDGs達成へ貢献するため、地球規模でこれを推進する前提で実行に向けた計画を策定することが重要である。
      5. 戦略目標4
        • 我が国がリーダーシップを取って、AI分野の国際的な研究・教育・社会基盤ネットワークを構築し、AIの研究開発、人材育成、SDGsの達成などを加速すること。
        • 経済・社会のグローバル化が急速に進む中、AI関連の人材育成・確保や産業展開などについては、決して国内で完結することはなく、常に国際的視点を有しなければならない。例えば、人材育成・確保では、海外の研究者・エンジニアが日本国内で活躍できる場を数多く提供するとともに、我が国と海外との共同研究開発・共同事業を増大させる必要がある。
        • このため、北米・欧州地域の研究・教育機関、企業との連携強化に加え、今後の成長が見込まれる、ASEAN、インド、中東、アフリカ等との連携を本格化し、当該地域のAI研究・実用化の促進に貢献する。これを実現するには、AI研究開発ネットワークの中核センターなどが、各々の重点領域において、どの領域で世界一の研究を行うのか、また、創発的研究において、どのように人材やテーマの多様性など国際的に人材をひきつけるかの方策を明確にする必要がある。
        • また、健康・医療・介護や農業、スマートシティなどの領域においても、人材、データ、市場の面で、相互にメリットを有する規模感の国際的連携・協力を目指す。
  • 官民の役割分担
    • 本戦略の実現には、官民の一体的取組が不可欠である。このうち国は、以下のような取組を行うことにより、今後の新たな社会(Society5.0)作りのための環境を整備し、民間が行う、生産性の向上、多様な価値の創造、スタートアップ企業群の創出や、それらを通じた産業構造のたゆみなき刷新をサポートする。
      • 戦略の策定と、それを実現するためのロードマップの策定
      • 制度的・政策的障害の迅速な除去
      • マルチステークホルダー間での課題解決のためのネットワークの構築
      • 国内外を包含した人材育成
      • 社会構造変革及び国家存続のための社会実装
      • 基盤的な研究開発、次世代の基礎研究
      • AI利活用の加速に向けた、共通的な環境整備
      • 倫理、国内・国際的なガバナンス体制の形成
      • 「グローバル・ネットワーク」のハブ作り
    • 他方、民間セクターは、本戦略の趣旨をしっかりと理解するとともに、AI社会原則を遵守し、優秀な人材に対する国際的競争力のある報酬体系の導入を図りつつ、他国・地域との国際連携や、多様なステークホルダーとの協働を推進する必要がある。そして、未来を共創するために、大きなチャレンジを行う主体としての自覚を持ち、今後の経済・社会の発展に積極的に貢献していくことが求められる

~NEW~
内閣府 月例経済報告等に関する関係閣僚会議
▼閣僚会議資料(4月)
  • 日本経済の基調判断
    1. 現状 【上方修正】
      • 景気は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が緩和される中で、持ち直しの動きがみられる。
      • (先月の判断) 景気は、持ち直しの動きが続いているものの、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中で、一部に弱さがみられる。
    2. 先行き
      • 先行きについては、感染対策に万全を期し、経済社会活動が正常化に向かう中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待される。ただし、ウクライナ情勢等による不透明感がみられる中で、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約等による下振れリスクに十分注意する必要がある。また、感染症による影響を注視する必要がある。
  • 政策の基本的態度
    • 政府は、東日本大震災からの復興・創生、激甚化・頻発化する災害への対応に取り組む。デフレからの脱却に向けて、大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略の推進に努める。
    • 「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」を具体化する令和3年度補正予算及び令和4年度予算を迅速かつ適切に執行するとともに、3月4日に取りまとめた「原油価格高騰に対する緊急対策」を着実に実行する。加えて、ウクライナ情勢などに伴う原油価格や物価の高騰等による国民生活や経済活動への影響に緊急かつ機動的に対応し、コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとするため、「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」を4月中に取りまとめる。
    • 日本銀行においては、中小企業等の資金繰り支援に万全を期すとともに、金融市場の安定を維持する観点から、金融緩和を継続する措置がとられている。日本銀行には、感染症の経済への影響を注視し、適切な金融政策運営を行い、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標を実現することを期待する。
  • 個人消費
    • 個人消費は、持ち直しの動き。外食や旅行等のサービス消費は、まん延防止等重点措置解除もあり、持ち直しの動きがみられる。消費金額を週次でみると、4月にかけて徐々に改善。
    • 交通機関の利用実績は、3月は上昇し、GW期間の鉄道の予約状況も前年を上回る。
    • 一方、消費者マインドは、生活関連品目の価格上昇等を背景に、弱含んでおり、今後の消費に与える影響には注意が必要。
  • 物価
    • 原油や穀物などの国際商品価格はウクライナ情勢を背景に引き続き高い水準で不安定な動き。国内企業物価は上昇が続いており、価格上昇品目にも広がりがみられる。
    • こうした中、販売価格を引き上げる動きもみられており、販売価格DIは1980年以来の高水準。ただし、仕入価格DIも引き続き上昇、価格転嫁の程度を表す疑似交易条件(販売価格DIと仕入価格DIの差)は悪化しており、企業収益への影響に注意が必要。
    • 消費者物価は、エネルギーや食料品価格の上昇を主因に、上昇率が高まっている。
  • 景況感・企業収益
    • 企業の景況感は、持ち直しの動きに足踏み。日銀短観3月調査によると、前回12月調査から低下。感染症の影響や原材料高を背景に、宿泊・飲食サービスをはじめ、多くの業種で低下。先行きもウクライナ情勢を背景に低下。
    • 民間機関の調査によると、ロシア・ウクライナ情勢に対して、既に燃料価格の高騰等の影響が出ており、今後も幅広い業種でマイナスの影響が予想されている。
    • 2022年度の経常利益は、2021年度と同程度の利益が見込まれているものの、一部の製造業では、前年度比マイナスの見込み。
  • 輸出・生産
    • 我が国の輸出は概ね横ばい。弱含んでいたアジア向けが、中国の生産活動の持ち直し等を背景に横ばいとなり、アメリカや欧州向けも横ばい。2月の輸出では、半導体製造装置などの一般機械やプラスチックなどの化学製品がプラスに寄与。
    • 生産は持ち直しの動き。生産用機械や電子部品・デバイスなどが緩やかに増加。工作機械受注は、内外需ともに底堅い動き。
  • 設備投資
    • 設備の過剰感は、日銀短観3月調査によると、製造業・非製造業ともに概ね解消。2022年度の設備投資計画は、引き続き前年より増加し、特にソフトウェア投資が大きく増加する見込み。ただし、業種別にみると、運輸・郵便や卸・小売など非製造業の一部で前年度比マイナス。
    • 利益水準に比べて設備投資の水準が低い傾向が続いていたが、今後の利益改善が積極的な設備投資につながることを期待。
  • 雇用情勢
    • 雇用情勢は、弱い動きとなっているものの、就業者数及び失業率は概ね横ばいで推移。就業率は全体として横ばいであるが、25~64歳の女性は上昇傾向。
    • 雇用の過不足感が、幅広い業種で不足超となる中で、ハローワークによるネット経由の日次有効求人件数は、前年比で増加が続いており、求人は持ち直しの動き。
    • 2月の一人当たり賃金は、人手不足などを背景としたパートタイム労働者の所定内給与の増加などから、前年比プラス。2022年春季労使交渉について、連合の第4回回答集計では、賃上げ率は2.11%(うちベアは0.62%)と昨年を上回る状況。
  • 世界経済
    • 世界の景気は持ち直し。IMF見通しでは、22年の世界全体の成長率は+3.6%と引き続きプラス成長だが、ウクライナ情勢による不透明感を背景にこれまでの見通しを下方修正。
    • 国際商品市場における価格上昇等を背景に、先進国、新興国ともにインフレ率は一層上昇。欧米の消費者マインドはこのところ低下。
    • 中国は、感染の早期抑え込みと減少を目指す「ダイナミックゼロ」の方針の下、一部都市で厳しい防疫措置を実施。企業マインドの低下、消費の下押し等がみられており、動向に注視が必要。

~NEW~
国民生活センター 破損したマグネットパズルの磁石を誤飲!
  • 事例
    • マグネットパズルが剥がれるように壊れ、パーツ内の磁石を2個誤飲した。腹痛と嘔吐があったため医療機関を受診し、検査した結果、お腹の中に磁石があることが分かり、排泄されなかったので手術で磁石を取り出した。強力な磁力により、磁石が腸管壁を破っていた。(当事者:2歳 男児)
  • ひとことアドバイス
    • マグネットパズルは、三角形や四角形などの枠状のパーツを磁力でくっつけ、いろいろな形を作って遊ぶおもちゃですが、磁力の強いネオジム磁石が内蔵されているものがあります。
    • マグネットパズルで遊ばせる前に、壊れたパーツがないか確認し、剥がれかけていたり亀裂が入っていたりするパーツは、磁石が外に出る恐れがあるので使わないでください。
    • 複数の磁石を誤飲すると、体内で磁石同士が消化管を隔ててつながり、穴が開いてしまうことがあり大変危険です。誤飲した可能性があるときは、症状がなくてもすぐに医療機関を受診しましょう。
    • 対象年齢未満の子どもが触らないよう手の届かないところに保管しましょう。

~NEW~
国民生活センター 「パーソナル筋力トレーニング」でのけがや体調不良に注意!-コロナ禍でより高まる健康志向や運動不足解消の意外な落とし穴!?-
  • スポーツ庁の調査によると、新型コロナウイルス感染症の流行後、運動・スポーツを実施する意欲を持つ人の割合が増加し、また、実施時には、三つの密(密閉・密集・密接)の条件がそろう場所で実施しない、人と人の間隔を意識して実施する、といった感染対策を重視している人が多いとされています。そのような中、多くの人と接近する場を避け、トレーナーから1対1で指導を受ける「パーソナル筋力トレーニング」があります。その指導を受ける範囲は、トレーニングに留まらず、日々の食事指導にまで及ぶものもあります。
  • 国民生活センターの「医師からの事故情報受付窓口」には、2021年6月に、筋力トレーニング指導や食事指導を受けていた消費者が、スポーツジムにおいて、パーソナルトレーナーの指導により、前屈位の状態で重量のあるバーベルを上げるトレーニングを行ったところ、腰椎(ようつい)骨折等の全治1カ月以上を要する重傷を負った、という事故情報が寄せられました。
  • また、PIO-NETにはパーソナル筋力トレーニングでの危害に関する相談が、2017年度以降の約5年間に105件寄せられており、その4人に1人は治療に1カ月以上を要し、中には「神経・脊髄の損傷」、「筋・腱の損傷」をした人もいました。
  • そこで、パーソナル筋力トレーニングにおける事故について情報を取りまとめ、消費者に注意喚起することとしました。
  • 主な事例
    • パーソナルトレーナーの指示によるトレーニングで腰にしびれや痛みが生じた
    • ジムのパーソナルトレーナーの指導で筋肉痛のようになり治療を2カ月以上継続
    • パーソナルトレーニングジムでバーベルを持ち上げる動作により腱板(けんばん)損傷
  • 消費者へのアドバイス
    • トレーニングを始める前に、運動習慣や体力等の調査、マシン等を使用した体力テストなどが実施された上でトレーニングプランが作成されることを確認しましょう
    • トレーニング中に違和感を覚えたときは、無理をせず中断しましょう
    • 異常な痛みを感じたり体調が悪くなったときは、トレーナーやフィットネスクラブ等に伝えた上で、必要な場合は医療機関を受診しましょう
  • 事業者への要望
    • パーソナル筋力トレーニングは、トレーナーの指導の下で実施されますが、けがや体調不良の事故情報が寄せられており、件数は増加傾向にあります。中には、骨折等で治療に1カ月以上を要した事例もみられます。
    • パーソナル筋力トレーニングでのけがや体調不良の未然防止のため、トレーナーが個々の消費者に合った適切な指導を行うことができる仕組み作りなど、安全性向上に取り組むことを要望します。
    • パーソナル筋力トレーニングの指導を受ける消費者に合ったトレーニングプランが作成されることを要望します
    • パーソナル筋力トレーニングを指導するトレーナーが安全管理を行い、個々の消費者に適切な運動強度でトレーニングが実施されるよう要望します
    • トレーナーの質が確保される仕組み作りを要望します
  • 行政への要望
    • パーソナル筋力トレーニングでのけがや体調不良の未然防止のため、トレーナーの質が確保される仕組み作り等、業界自主ガイドラインを策定して安全性向上に取り組む事業者等に対して支援を行うことを要望します
    • パーソナル筋力トレーニングでのけがや体調不良の未然防止のため、消費者への注意喚起、啓発の実施を要望します

~NEW~
厚生労働省 第81回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年4月20日)
▼資料1 直近の感染状況等の分析と評価
  • 感染状況について
    • 大都市圏を中心に減少傾向となっていることに伴い、全国の新規感染者数(報告日別)は、今週先週比が0.91となり、直近の1週間では10万人あたり約249と減少の動きが見られる。一方、沖縄県など増加が継続している地域もある。年代別の新規感染者数は全ての年代で減少傾向にあるが、明確な減少が見られる20代以外の年代では横ばい又は微減。
    • 全国の新規感染者数の増加傾向に伴い、療養者数も増加傾向が続いていたが、足下で減少に転じている。また、これまでの新規感染者数減少の動きに伴い、重症者数及び死亡者数は減少が継続している。
    • 実効再生産数:全国的には、直近(4/3)で1.01と1を上回る水準となっており、首都圏では1.00、関西圏では1.01となっている。
  • 地域の動向 ※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値。
    1. 北海道 新規感染者数は今週先週比が1.11と1を上回り、約316(札幌市約374)。20代以下が中心。特に10代以下の増加が顕著。病床使用率は1割強。
    2. 北関東 茨城の新規感染者数は今週先週比が0.81と1を下回り、約242。20代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は1割強。栃木、群馬でも今週先週比はそれぞれ0.91、0.90と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約212、169。病床使用率について、栃木では2割弱、群馬では約3割。
    3. 首都圏(1都3県) 東京の新規感染者数は今週先週比が0.84と1を下回り、約318。30代以下が中心。おおむね全ての年代で微減又は減少。病床使用率、重症病床使用率はいずれも2割強。埼玉、千葉、神奈川でも今週先週比がそれぞれ0.77、0.80、0.91と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約253、234、269。病床使用率について、埼玉では3割強、千葉では約2割、神奈川では2割強。
    4. 中京・東海 愛知の新規感染者数は今週先週比が0.89と1を下回り、約218。20代以下が中心。10代以下で増加。病床使用率は3割弱。岐阜、静岡、三重でも今週先週比がそれぞれ0.95、0.88、0.92と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約205、158、220。病床使用率について、岐阜では3割強、静岡では1割強、三重では2割強。
    5. 関西圏 大阪の新規感染者数は今週先週比が0.87と1を下回り、約274。30代以下が中心。10歳未満で増加。病床使用率は約3割、重症病床使用率は約2割。京都、奈良、和歌山でも今週先週比がそれぞれ0.93、0.91、0.98と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約230、205、213。兵庫では今週先週比が1.0となり、新規感染者数は約240。滋賀では今週先週比が1.06と1を上回り、新規感染者数は約212。病床使用率について、滋賀では3割弱、京都、兵庫、奈良では2割強、和歌山では約3割。
    6. 九州 福岡の新規感染者数は今週先週比が0.93と1を下回り、約314。20代以下が中心。10歳未満と60代以上で増加傾向。病床使用率は約3割。熊本、大分、鹿児島でも今週先週比がそれぞれ0.97、0.81、0.98と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約249、222、283。佐賀、長崎、宮崎では今週先週比がそれぞれ1.17、1.12、1.08と1を上回り、新規感染者数はそれぞれ約418、224、379。病床使用率について、佐賀では3割強、長崎、大分、宮崎では2割強、熊本では3割弱、鹿児島では4割強。
    7. 沖縄 新規感染者数は今週先週比が1.07と1を上回り、約647と全国で最も高い。30代以下が中心。全ての年代で増加し、特に10代以下及び30代の増加が顕著。60代以上の増加も継続している。病床使用率は5割強。
    8. 上記以外 青森、岩手、秋田、福島、新潟、山梨、長野、岡山、広島、山口、香川、愛媛の新規感染者数はそれぞれ約219、193、226、210、209、139、252、239、253、116、263、155。病床使用率について、青森、岩手、長野、岡山、香川では2割強、秋田、愛媛では約2割、福島、山口では3割弱、新潟では2割弱、山梨では4割弱、広島では3割強。重症病床使用率について、愛媛では約2割。
  • 今後の見通しと必要な対策
    1. 感染状況について
      • 新規感染者数は、全国的にみれば、直近1週間の移動平均は約3週間にわたり増加していたが、大都市圏を中心に減少傾向となっていることに伴い、足下では減少の動きが見られる。しかし、地域別に見ると、秋田県、福島県、新潟県、長野県、愛媛県、宮崎県及び鹿児島県では、直近1週間の移動平均が昨年末からのピークを上回っており、地方における感染拡大にも注意が必要。
      • また、北海道、佐賀県や沖縄県など増加が続く地域がある一方で、大都市圏を中心に減少傾向が見られるなど、感染状況の推移に差が生じている。また、全国で最も高い感染レベルとなっている沖縄県では、3月末から継続的に増加している。
      • 年代別の新規感染者数では、全ての年代で減少傾向にあるが、明確な減少が見られる20代以外の年代では横ばい又は微減。
      • 首都圏では全ての年代でおおむね減少傾向。一方、沖縄県では全ての年代で新規感染者数の増加が継続しており、特に10代以下の増加が顕著となっている。また、高齢者の増加も継続しており、今後、他の地域でも高齢者の感染状況を注視していく必要。
      • 感染場所として、学校等における割合が増加傾向にある。
      • 現在の感染状況は、足下では大都市圏を中心に減少の動きが見られるものの、北海道、佐賀県や沖縄県など増加が続く地域もある。昨年夏のピークよりも高い状況が続いていることには変わりなく、引き続き、今後の動向を注視する必要。
    2. 感染の増加要因と抑制要因について
      • 感染状況には、以下のような感染の増加要因と抑制要因の変化が影響するが、直近までの感染者数増加には接触機会の増加と、2系統への置き換わりが強く影響していると考えられる。また、足下で見られる減少傾向には、ワクチン接種等による免疫の獲得状況や、感染リスクの高い場所・場面を回避しようとする市民の努力等が影響しているものと考えられる。
        1. 接触パターンについて
          • 夜間滞留人口については、全国の半数以上で増加傾向が見られる。新規感染者数に係る直近1週間の移動平均が昨年末からのピークを上回っている県のうち、そのほとんどで夜間滞留人口の増加傾向が見られる。また、首都圏などでは減少傾向にあったが、直近1週間では再び増加に転じている。また、今後GWに向けて移動や接触が増加する可能性があり、今後の感染状況への影響に注意が必要。
        2. 流行株について
          • 2系統への置き換わりが全国で約8割まで進んでいるものと推定されており、新規感染者の増加の一要因となりうる。海外でもBA.2系統への置き換わりが進み、感染の拡大に伴って死亡者も増加している国もあり(例:英国)、十分な注意が必要。
        3. ワクチン接種等について
          • 3回目接種の主な目的は発症予防・重症化予防である。3回目接種は高齢者で進む一方、若年層では接種率がまだ低いが、これから接種対象になることで接種が進むことが期待される。オミクロン株に対する感染予防効果はデルタ株に比較しても低く、しかも持続期間が短いことに留意が必要。3回目接種の感染予防効果も時間経過に伴い今後減弱していくことが予想。また、これまでの感染による免疫保持については、地域の発生動向に影響する可能性もある。
        4. 気候要因について
          • 気温が上昇していく時期に入り、換気を行いやすい気候条件になる。屋内で過ごすことが減ることも感染者抑制には一定の効果があると考えられるが、昨年のこの時期に感染が拡大したことには留意が必要。
    3. 医療提供体制について
      • 佐賀県や沖縄県など新規感染者数の増加が続いている地域では入院者数と病床使用率の増加傾向が見られる。また、自宅療養者・療養等調整中の数についても、福岡県、佐賀県や沖縄県を含め複数の地域で増加を続けている。
      • 救急搬送困難事案については、昨年夏のピークを下回ったが、非コロナ疑い事案及びコロナ疑い事案ともに横ばいとなった。しかし、一部には増加している地域もある。
    4. オミクロン株による感染拡大を踏まえた取組
      1. サーベイランス等
        • 発生動向把握のため、実効性ある適切なサーベイランスの検討が必要。また、変異株監視体制について、1系統からBA.2系統への置き換わりに関し、ゲノムサーベイランスで動向の監視を継続することが必要。さらに、重症例やクラスター事例等では、変異株PCR検査や全ゲノム解析による確認が求められる。
      2. 自治体における取組
        • 自治体では、オミクロン株の特徴を踏まえた対応強化を図るべく、診療・検査体制や保健所体制の点検も必要である。
        • 地域の感染状況に基づき、必要病床数と医療従事者の確保や自宅療養者に対する訪問診療やオンライン診療体制の構築に引き続き取り組むことが必要。高齢者や基礎疾患のある者など、重症化リスクのある患者を対象とする経口治療薬や中和抗体薬を迅速に投与できる体制の確保も引き続き求められる。また、新型コロナウイルス感染症に罹患しても、基礎疾患の治療が継続できるような体制を整えることが必要。
        • 高齢者施設等における迅速な医療支援体制の強化・徹底が求められる。医療支援体制の構築にあたっては、医療関係部局と介護関係部局が連携し、地域の関係者とも協議しつつ進めていくことが重要。
        • 健康観察等の重点化や患者発生届の処理の効率化など事務連絡に基づき、効率的に保健所業務を実施するとともに、地域に必要な保健所機能を維持するため、外部委託や本庁での一元化による体制を確保する。また、濃厚接触者の特定や待機については、地域の感染状況に応じて、適切な感染対策を行うことを原則としつつ、オミクロン株の特徴や感染拡大の状況を踏まえ、医療機関や高齢者施設などにおける感染事例に重点化することが必要。あわせて、少しでも体調が悪い場合には職場・学校を休める環境を確保することも重要。
        • 地方においても足下で感染者数が増加している地域がある。いずれの地域においても、上述のような体制整備が必要である。
      3. ワクチン未接種者、3回目接種者への情報提供の再強化
        • 3回目接種率について、4月19日公表時点で65歳以上高齢者では約86%、全体では約49%となったが、高齢者を中心とする重症者・死亡者を最小限にするため、また同時に、できるだけ発症者を減らすためにも、高齢者及び65歳未満の対象者への3回目の接種を着実に実施し、希望する方にはできるだけ多く接種していただくことが求められている。
        • 自治体では、ワクチン接種に関する情報提供を進めることが重要。未接種者へのワクチン接種とともに、初回接種から6か月以降の3回目接種によりオミクロン株に対してもワクチンの有効性が回復するため、3回目接種を着実に実施していくことも必要。また、ワクチン接種者においては症状が遷延するリスクが低いとの報告がある。
        • 5歳から11歳までの子どもへのワクチン接種については、特例臨時接種として実施されているが、その際、努力義務の規定はこれらの小児について適用しないことを踏まえ、接種を進めていくことが必要。また、小児への感染予防を期待して、保護者や周囲の大人がワクチンを接種することも重要。
      4. 水際対策
        • 海外及び国内の現在の流行状況なども踏まえて水際対策の段階的な見直しを検証していく必要がある。特に、直近の東アジア地域における流行状況には注視が必要。また、入国時検査での陽性者は、海外における流行株監視のため、全ゲノム解析を継続させることが必要。
    5. オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底
      • 感染が広がっている場面・場所において、オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底が求められる。
        • 学校・幼稚園・保育所等においては、子どもの感染対策の徹底はもとより、教職員や保育士などに対する積極的なワクチンの接種促進も含め感染対策の再確認と徹底が必要。子どもや職員が少しでも体調が悪い場合は、休暇を取得できる環境を確保することが重要。また、分散登校やリモート授業などの組み合わせによる教育機会の確保や社会機能維持にも配慮する必要がある。あわせて、家庭内での感染対策の徹底も求められる。
        • 高齢者の感染を抑制するため、介護福祉施設における対策の徹底が必要。このため、入所者及び従事者に対するワクチンの3回目接種を進めるとともに、従業者等へは積極的な検査を実施することも必要。また、施設等における感染管理や医療に関して外部からの支援体制を確保し、施設で感染が確認された際には早期に迅速な介入が重要。
        • 職場においては、社会機能維持のため、業務継続計画の活用に加え、企業におけるテレワークの活用や休暇取得の促進等により、出勤者数の削減に取り組むとともに、接触機会を低減することが求められる。また、従業員の体調管理を徹底し、少しでも体調が悪い場合には休暇を取得できる環境を確保することが必要であることに加え、職域におけるワクチンの3回目接種を積極的に進めるべきである。
    6. 現在の感染状況を市民や事業者の皆様と広く共有して、感染拡大防止に協力していただくことが不可欠
      • 現在の新規感染者数は昨年夏のピークよりも高い状況が続いている。また、GWが近づき、旅行など行楽やイベント・買い物などの移動や外出の機会が増える季節となる。これまでも年中行事などで普段会わない人との接触が増加して感染拡大のきっかけとなった。したがって、基本的な感染対策と日頃の体調管理を徹底して呼びかけた上で、できるだけ新規感染者数の継続的な増加が起こらないよう、引き続き、市民や事業者の方々には感染リスクの低減に向けた取組にご協力いただくことが必要。
        1. ワクチン接種について
          • ワクチンの3回目接種は、その種類に関わらず、時期が来れば、早めに受けていただくことが重要。新型コロナウイルス感染症に罹患すると、若年者でも重症化することがあり、また、遷延症状が見られる場合もあることから、重症化リスクの高い高齢者はもとより、若年者も自らの健康を守るために接種していただくことが求められる。
        2. 感染対策の徹底
          • 行政・事業者・市民の皆様には、オミクロン株においても基本的な感染防止策は有効であることから、不織布マスクの正しい着用、手指衛生、換気などの徹底を継続していただくことが必要。また、三つの密(密集、密閉、密接)が重なるところは最も感染リスクが高いが、オミクロン株は伝播性が高いため、一つの密であってもできるだけ避けることが必要。
        3. 外出等に際して
          • 混雑した場所や換気が悪く大人数・大声を出すような感染リスクの高い場面・場所を避けることが必要。行動はいつも会う人と少人数で。飲食は、できるだけ少人数で黙食を基本とし、飲食時以外はマスク着用の徹底が必要。
        4. 体調管理について
          • ご自身やご家族の命を守るため、同時にオミクロン株による感染拡大防止のためにも、軽度の発熱、倦怠感など少しでも体調が悪ければ外出を控えるとともに、自治体等の方針に従って受診や検査をすることが必要。特に、高齢者をはじめ、重症化リスクの高い方と会う機会がある場合には注意が必要。
  • 参考:オミクロン株の特徴に関する知見
    1. 感染性・伝播性
      • オミクロン株はデルタ株に比べ、世代時間が約2日(デルタ株は約5日)に短縮、倍加時間と潜伏期間も短縮し、感染後の再感染リスクや二次感染リスクが高く、感染拡大の速度も非常に速いことが確認されている。なお、報告されているデータによれば、これまでの株と同様に発症前の伝播は一定程度起きていると考えられる。
    2. 感染の場・感染経路
      • 国内では、多くの感染がこれまでと同様の機会(換気が不十分な屋内や飲食の機会等)で起きており、感染経路もこれまでと同様、飛沫が粘膜に付着することやエアロゾルの吸入、接触感染等を介していると考えられている。
    3. 重症度
      • オミクロン株による感染はデルタ株に比べて相対的に入院のリスク、重症化のリスクが低いことが示されているが、現時点で分析されオミクロン株による感染の致命率は、季節性インフルエンザの致命率よりも高いと考えられる。また、肺炎の発症率についても限られたデータではあるが季節性インフルエンザよりも高いことが示唆されているが、今後もさまざまな分析による検討が必要。今回の感染拡大における死亡者は、昨年夏の感染拡大と比べ、80歳以上の占める割合が高くなっている。感染前の状況として、医療機関に入院中の方や高齢者施設に入所中の方が多いことが示された。侵襲性の高い治療を希望されない場合や基礎疾患の悪化等の影響で重症の定義を満たさずに死亡する方など、新型コロナウイルス感染症が直接の死因でない事例も少なくないことが報告されており、基礎疾患を有する陽性者でコロナ感染による肺炎が見られなくても感染により基礎疾患が増悪することや、高齢の感染者が心不全や誤嚥性肺炎等を発症することにより、入院を要する感染者の増加に繋がることにも注意が必要。
    4. ウイルスの排出期間
      • オミクロン株感染症例におけるウイルスの排出は、時間の経過とともに減少する。有症状者では、発症日から10日目以降において、排出する可能性が低くなることが示された。なお、無症状者では、診断日から8日目以降において排出していないことが示された。
    5. ワクチン効果
      • 初回免疫によるオミクロン株感染に対する発症予防効果は著しく低下する。入院予防効果については、半年間は一定程度保たれているものの、その後50%以下に低下することが報告されている。一方で、3回目接種によりオミクロン株感染に対する感染予防効果、発症予防効果や入院予防効果が回復することや、3回目接種後のワクチン効果の減衰についても海外から報告されている。海外では一部の国で4回目接種が始まっている。有効性・安全性の情報を収集し、国内での4回目接種の必要性や対象者、開始時期等について検討する必要がある。
    6. 2系統
      • 海外では2系統による感染が拡大している。国内におけるオミクロン株は、当初BA.1とBA.1.1の海外からの流入がともにあったものの、その後BA.1.1が多数を占めるに至り、現在も主流となっているが、BA.2系統も検疫や国内で検出されており、現在、BA.2系統への置き換わりが進んでいる。このため、今後、感染者数の増加(減少)速度に影響を与える可能性がある。なお、BA.2系統はBA.1系統との比較において、実効再生産数及び二次感染リスク等の分析から、感染性がより高いことが示されている。BA.2系統の世代時間は、BA.1系統と比べ15%短く、実効再生産数は26%高いことが示された。BA.1系統とBA.2系統との重症度の比較については、動物実験でBA.2系統の方が病原性が高い可能性を示唆するデータもあるが、実際の入院リスク及び重症化リスクに関する差は見られないとも報告されている。また、英国の報告では、ワクチンの予防効果にも差がないことが示されている。英国の報告では、BA.1系統ウイルス感染後におけるBA.2系統ウイルスに再感染した事例は少数あり、主にワクチン未接種者であると報告されている。
    7. XE系統
      • オミクロン株のXE系統は、オミクロン株の1系統とBA.2系統の組換え体であり、1月に英国で初めて確認されて以降、これまでに1,500例以上確認されている。また、WHOレポートによれば、BA.2系統に比べて市中での感染者の増加する速度が10%程度高いと報告されている。XE系統について、検疫において3月26日に採取された検体から1件確認された。国立感染症研究所によれば、感染力や重症度等に大きな差が見られるとの報告は現時点ではないものの、ウイルスの特性について、引き続き、諸外国の状況や知見を収集・分析するとともに、ゲノムサーベイランスによる監視を続けていくことが必要としている。

~NEW~
厚生労働省 「プラントにおけるドローンの安全な運用方法に関するガイドライン」を改訂しました~併せて、化学設備等の定期自主点検におけるドローン導入マニュアル、事例集を作成~
  • 厚生労働省は、経済産業省、消防庁と連携し、「プラントにおけるドローンの安全な運用方法に関するガイドライン」(以下「ガイドライン」)を改訂しました。併せて、「化学設備等の定期自主検査におけるドローン導入マニュアル」と「プラント設備等におけるドローンを活用した点検事例集」を作成したので、お知らせします。
  • このガイドラインは、平成31年3月に公表されたもので、コンビナート等の石油精製、化学工業等のプラントにおいてドローンを活用し、プラントの保安力向上や労働災害撲滅を目的にしたものです。2度目となる今回の改訂は、ドローン活用の安全性向上、航空法改正への対応を目的としています。
  • また、ガイドライン改訂に併せて作成したマニュアルでは、労働安全衛生法の規定による化学設備等の定期自主検査で、目視検査をドローン等で撮影した画像に代替する場合の留意事項などを示しています。事例集では、ドローン等を活用した化学設備等の定期自主検査等の事例を紹介しています。
  • 厚生労働省では、今回の改訂と、マニュアルや事例集の活用により、プラント保安分野におけるドローン活用がさらに促進されることを期待しています。
  • 今回の主な改訂内容
    1. 令和2年度に行った実証実験の成果を踏まえ、設備の至近距離での飛行における安全確保のために必要な措置の整理。
    2. リスクアセスメントの具体例の充実等
    3. 令和2年6月に行われた航空法改正ならびに、令和3年9月に行われた航空法施行規則改正による制度変更への対応。
  • ガイドラインについて
    • コンビナート等の石油精製、化学工業等のプラント内などで、プラント事業者がドローンを安全に活用・運用するための留意事項を整理したものです。
    • プラントにおいて、ドローンを活用することにより、高所からの撮影が容易になり、将来的に日常点検や災害時の迅速な点検を行うことが可能となり、プラントの保安力向上や労働災害撲滅に繋がることが期待されています。平成31年3月に作成されたこのガイドラインは、令和2年3月に1度目の改訂を行っており、今回で2度目の改訂となります。
  • 化学設備等の定期自主検査におけるドローン導入マニュアル
    • 「プラントにおけるドローンの安全な運用方法に関するガイドライン」に従い、労働安全衛生規則第276条の規定による化学設備等の定期自主検査で、目視検査をドローン等で撮影した画像に代替する場合の留意事項などを示したマニュアルです。
  • プラント設備等におけるドローンを活用した点検事例集
    • ドローン等を活用した化学設備等の定期自主検査等の事例集です。

▼経済産業省 サイバー攻撃被害に係る情報の共有・公表ガイダンス検討会を開催します

  • 経済産業省は、関係省庁等と共同事務局として、サイバー攻撃被害に係る情報の共有・公表ガイダンスを策定すべく、「サイバー攻撃に係る情報の共有・公表ガイダンス検討会」を開催することとしました。
  • 概要
    • サイバー攻撃被害を受けた民間主体やその受託者等(以下「サイバー攻撃被害組織等」という。)が、その被害に係る情報をサイバーセキュリティ関係組織等と共有することは、発生したサイバー攻撃の全容を解明し、更なる対策の強化を可能とせしめるものであり、サイバー攻撃被害組織等自身にとっても、社会全体にとっても非常に有益です。
    • しかし、現状、サイバー攻撃被害組織等の現場にとって、自組織のレピュテーションに影響しかねない情報共有には慎重であるケースも多く、被害に係る情報のうち、どのような情報を、どのタイミングで、どのような主体と共有すればよいかの検討にあたり、実務上の参考とすべきものがないため、適切に判断することが難しいとの声も聞かれます。
    • そこで、サイバー攻撃被害に係る情報を取り扱う様々な担当者の判断に資することを目的として、サイバー攻撃被害組織等の立場にも配慮しつつ、技術情報等組織特定に至らない情報の整理を含めた、サイバー攻撃被害に係る情報の共有・公表ガイダンスを策定すべく、官民の多様な主体が連携する協議体である「サイバーセキュリティ協議会」の運営委員会の下に、「サイバー攻撃に係る情報の共有・公表ガイダンス検討会」を開催することとしました。

~NEW~
総務省 「令和3年度 救急業務のあり方に関する検討会 報告書」の公表
  • 高齢化の進展や生活様式の変化等を背景として、救急需要が多様化する中、いかにして救急業務を安定的かつ持続的に提供するかは、救急業務における主要な課題となっています。こうした課題に対応するため、令和3年度の救急業務のあり方に関する検討会においては、「救急業務の円滑な実施と質の向上」、「救急車の適正利用の推進」等を目的として、「救急業務におけるメディカルコントロール体制のあり方」、「蘇生ガイドライン改定への対応」、「ICT技術を活用した救急業務の高度化」、「救急安心センター事業(♯7119)の全国展開に向けた検討」の4項目について検討を行いました。
  • この度、検討結果を報告書として取りまとめましたので公表します。
  • 報告書の概要
    1. 救急業務におけるメディカルコントロール(MC)体制のあり方
      • 救急業務におけるMC体制のPDCAの取組の推進及び救急救命士等の教育体制に関する検討を行いました。
    2. 蘇生ガイドライン改訂への対応
      • 「JRC 蘇生ガイドライン 2020」の公開及び「救急蘇生法の指針 2020(市民用)(従事者用)」の改訂に伴い周知等が必要となる事項について検討するとともに、応急手当の普及啓発の促進のために必要な検討を行いました。
    3. ICT 技術を活用した救急業務の高度化
      • 医療機関との連携強化に向けた救急業務における「5G を活用した映像伝送」及び救急業務の高度化・簡素化に向けた「音声認識を活用した自動文字起し」について、実証実験を行い、それぞれの有用性等について検討を行いました。
    4. 救急安心センター事業(♯7119)の全国展開に向けた検討
      • 「事業導入・運営の手引き/マニュアル」及び「事業を外部委託する際に活用可能な標準的な仕様書(例)」を作成しました。
▼報告書全文

~NEW~
総務省 プラットフォームサービスに係る利用者情報の取扱いに関するワーキンググループ(第11回)
▼参考資料1 第10回会合における構成員からの主なご意見
  • 利用者情報の取扱いに関する諸外国の動向
    • これだけの調査をしていただいた上で、我々がこの資料をどう受け止めるのかというところが次の課題になってくるかと思う。考えなければいけないことがあるとして、例えば資料2の91ページのところでISP事業者の立場に関する議論があり、こうした部分というのは通信の秘密に直結するようなところであるため、日本の事業者においてこうした問題が起きないと私は信じているが、総務省を中心として実態がどうなっているのかということは調査していただきたい。【佐藤構成員】
    • 全体の電気通信事業法の改正に関わるところに関してコメントさせていただきたい。電気通信事業の、例えば通信の秘密やプライバシーに関わるところというのは、例えが良いのかどうか分からないが、自動車の排気ガス規制に近いところがあり、アメリカでは1970年代にマスキー法がつくられ、ホンダを先駆けとした日本の自動車会社はそれに積極的に対応することで日本の自動車メーカーの地位をつくり、一方、米国の自動車メーカーはそれに後ろ向きだったために、当時は最新の技術を持っていたが、どんどん衰退していった。ヨーロッパやアメリカの方が規制が厳しい中で、どうやるのかということを各事業者が真剣に取り組んでいるということは、それだけ規制に対応することにもイノベーションが必要であり、彼らはイノベーションを重ねてきている。一方、日本は緩い規制、排ガス規制で言うと緩い排ガス規制を施行してしまったために、イノベーションが遅れてしまう事態を考えなければいけない。また、EUにしても、米国にしても、規制の方法に関しては、もうかなりはるか先に行っているという状況が今回の調査で非常に見えてきた。どのようにキャッチアップしていくのか、またイノベーションというものをどのように適切に進めていくのかということを、もう一度初期段階に立ち戻って議論していかなければならないのではないか。【佐藤構成員】
    • 佐藤構成員のお話を伺っていて、全くごもっともだと思った。日頃から少し感じているところもあるので、賛成であるということを申し上げたい。日本の場合、特に突出して緩くなっているのが制裁に関するところである。個人情報保護法については前回の改正でも検討されており、例えば罰金の上限額が上がるということが若干はあったが、制裁金や課徴金等を導入するということには至らなかった。その結果として、例えばそういった制裁と紐付けてインセンティブのスキームをつくるといった制度デザインができない状態になっている。他方で、何千億円も課徴金、制裁金がかかるような米国で、どんどんイノベーションが達成されているということは、佐藤構成員の御指摘どおりで注目すべきところである。規制を強化すると、二言目にはイノベーションということで反対される。もちろんイノベーションは非常に重要であるが、果たして規制強化とイノベーションというのは、本当に関係があるのか。さらに言うと、イノベーションという言葉の意味が、私が理解しているところと、ほかの文脈で伺うところと違っているのではないか。【森構成員】
    • 制裁なども含めて、日本は規制が緩いという話はまさにそのとおりかと思うが、それでは、どのような規制の在り方であったらイノベーションを阻害せずに適切に目的を果たせるかということは、それぞれの法制の中で考えるべきである。個人的には、EUのやり方というのは、細かいことを色々と決めているが、何となくユーザーのニーズに合っているか見えないというか、役人がつくっているというか、規制当局の視線でしか情報としては入ってこないため、本当にこれでEUの利用者が幸せになれるのかという疑問をを持っている。その一方で、アメリカFTCのやり方は、この説明では利用者に伝わらないのではないか、やっていることと言っていることが違うのではないか、など実務に根差して改善を促すという現実的な方法をまず取っているように見える。制裁がないということではなくて、FTCは制裁も課せるし、民事訴訟も消費者の代わりにできる。最後の砦として、きちんと機能しているという点が羨ましいと思う。【沢田構成員】
    • 佐藤構成員と森構成員がおっしゃっていただいたことは非常にそのとおりだと思う。特にエンフォースメントに関するところでは、やはり、比較的この分野、GDPRが厳しく、アメリカが緩いというようなイメージがあるが、例えば、和解という形だが、2009年のFTCによるFacebookの制裁金5,000億円一つ取っても、おそらくGDPRのエンフォースメント制裁金を全部足したものよりも多いくらいである。規制の多層性というところに関して、やはり日本では、利用者情報はできるだけ個人情報保護法1本でやっていくべきだという議論もあることは承知しているが、ヨーロッパやアメリカを見ても、本日御提示いただいている法案等に加えて、非常に多数の州法のネットワークというところを含めて、やはりかなり多層的な、まさに様々な法制に基づく規律の中でイノベーションを進めているところである。そのような中で、やはり私自身は、我が国としても利用者情報の保護というところに個人情報保護法、あるいは必ずしも電気通信事業法だけにとどまるわけでもない、しっかりとした各法目的の組合せということをつくり上げていくことが重要なのだということを、今回の示唆としても改めて感じた。【生貝構成員】
    • 最初に佐藤構成員がおっしゃられたことと似たような話であるが、やはり説明を聞いていると、日本とは違う世界の話なのではないかという気がしてきてしまう。実際にはオンラインで、特に違う世界で起きていることに対するヨーロッパやアメリカの対応ではなく、同じ世界の中で、先ほどイノベーションという話もあったが、イノベーション含めてビジネスで戦っている中で起きていることであるという認識が必要だと思う。その中で、なぜこのような動きを、ヨーロッパ、アメリカはしているのかというところを、きちんと正しく認識をして、日本においてもどのようにアクションを取っていくのかをきちんと考えていく必要があると思う。【太田構成員】
    • いわゆる青少年保護やセンシティブデータの保護というのを行動ターゲティング広告などの中でどのように考えていくか。アメリカの中でも、監視広告禁止法を含めて御紹介をいただいたところであり、また、デジタルサービス法の中でも、まさしく議会修正で、子どもやセンシティブデータに関するターゲティング広告というものに対する追加的な規律というものが可決されていたところかと思う。別の文脈では、先ほど宍戸主査も御言及いただいたKids Online Safety Actのような、新たな青少年保護の在り方、そして、レコメンダーやプロファイリングといったようなものが持つ、まさに青少年のパーソナルデータの取扱いというところは、我が国ではあまり議論されていなかったところかと思う。また、それからセンシティブデータ一般を利用したプロファイリングは、日本だと、例えば、今度導入される個人関連情報に関しても、比較的、情報の性質には、さほど着目しない規律というものが導入されるところかと思うが、やはりリスクベース、センシティブベースといったようなところをどのように考えていくかというのが、今後の運用を含めて重要になるのではないか。【生貝構成員】
    • 例えば、ヨーロッパを見ていく上でも、本日非常に広範に御紹介いただいたが、それ以外にも様々な法制の議論が進んでいるところである。1つは、デジタルサービス法とセットのデジタル市場法の中でも、データの様々なソースに基づく組合せに関する一定の規律やデータポータビリティのようなところが含まれるが、当然、法目的というのは全く同じではなく、まさしくそういった切り分けや、どの法とどの法で、この規律全体をつくっていくのかということをよく考える必要がある。それからもう一つ、ヨーロッパで、2022年2月23日にデータ法という非常に包括的なデータの流通と利活用に関する法制が提案されており、非常に大きな議論を呼んでいるところである。この法制というのは、IoT端末から生成されるデータ一般というものに対して、企業ユーザーか個人ユーザーかを問わず、自らのデータへのアクセスと、そのポータビリティというものを認めていこうということが一つの柱になっている。このような電気通信に関するデータについて、保護と利用というものをどのように考えていくかという点でも示唆が大きいところかと思うため、併せて今後の展開をよく注視していく必要があるのではないか。【生貝構成員】
    • 各種立法の目的について、生貝構成員からも御指摘があったところだと思うが、整理した形で教えていただきたい。というのも、盛りだくさんな内容であるが、このような資料を、企業の方や消費者の方が見ると、圧倒的なボリュームにたじろぐということもある気がしている。要するに、どのような関係で、こういった仕組みがつくられているのか、やはりこれらの海外の立法というのを、それぞれの立法目的に応じて体系的に整理して考えていく必要があるのではないかと思う。例えば、ダークパターンの規制というのは、プライバシー保護の問題なのか、それとも消費者の自己決定の保護の問題なのか。行政的にいえば、例えば、プライバシーということになれば個人情報保護委員会や総務省なのかもしれないが、消費者の自己決定の保護ということになれば消費者庁の問題かもしれない。そのような意味で、やはりここも複雑に絡み合ってくるという気もしている。ターゲティング広告を規制するアメリカの監視広告禁止法も、これが果たしてプライバシーの問題なのか、それとも自己決定の問題なのか、あるいは民主主義の問題なのか。ここも立法目的が複層的にあるのだろうと思う。生貝構成員御指摘のデータポータビリティ権についても、競争法的な目的も入ってくるということになると、かなり複雑になっているのかと思う。結局、法制度の目的とは何か、何を実体的に保護しようとしているものなのかという説明がないままで、具体的な取組のレベルを見せられてしまうと、ミスリーディングな部分も出てくると思うとともに、これらを日本にコピペしようとすると非常に複雑になってしまい、いびつな感じで体系性を失ってしまうということにもなるかと思う。繰り返しになるが、先ほど古谷構成員がおっしゃったように、特に権利として、それぞれが何を保護しようとしているのかということを見ていくことが、消費者の保護やプライバシーの保護にとっても、イノベーションにとっても、重要かと思う。この部分が明らかにならないと、どちらも進まないということになってくるのではないか。EUは、憲法レベルの基本権というのが根っこにあって、各法のファインディングスのレベルでも、常に上位の基本権への参照、言及が見られるところである。米国においても、おそらくシビルライツ、公民権との関係が常に意識されていると思う。日本というのは非常にプラグマティックで、事案ベースの、下から問題が起きて対応するという感じになるため、柔軟性という点ではポジティブであるが、やはり今後少し体系的に考えていかないと、とにかくむちゃくちゃになってしまうという懸念はある。そのため、目的を今お分かりの範囲で少し整理した形で教えていただければと思う。【山本主査代理】
    • グローバルの潮流に合わせなければ、イノベーションもガラパゴス化すると思う。同じ規制の中で、これに対応するイノベーションが起こり、これがグローバルに広がっていく。世界の潮流と合わない規制では、取り残されていくことになる。規制緩和だけでなく、規制の潮流に合わせることが重要。【寺田構成員】
    • 経済産業省のガバナンスイノベーションに関する検討に関する議論においては、今後のイノベーションと両立するための規制ということで、事業者のコンプライン・アンド・エクスプレインを求め、そのために実効性を確保するための課徴金制度の活用を提言するという議論をしていたと記憶。そのような議論は、そのまま、現在デジタル臨時行政調査会で取りまとめられたデジタル原則においても、実効性確保の手段として、課徴金制度、制裁金制度の活用なども挙げられていたと思う。そのような規制スタイルのスマート化と併せて、このような利用者情報の保護について、日本らしい、しかし、世界の潮流に合ったやり方を実現していく。そういった観点から個人情報保護法を司る個人情報保護委員会と電気通信事業法を所管する総務省とでの適切な連携が、やはり求められる状況だろうと思う。その役割分担、連携等も含めて、山本主査代理が御指摘されたような、最終的にどのような権利、あるいは公益を実現していくために、どのような規制及び規制主体、規制手法を適切に組み合わせていくのかということは、一省庁の議論だけではなかなか難しいかもしれないが、様々なところで、そのような議論を積み重ねていって、組み合わせていくということが必要であり、今後の本ワーキンググループでも、そのような議論ができれば良いのではないか。【宍戸主査】

~NEW~
総務省 プラットフォームサービスに関する研究会(第35回)配布資料
▼資料6 誹謗中傷への取組の透明性・アカウンタビリティ確保状況について(事務局)
  • 主体的な誹謗中傷等の情報の検知態勢
    1. ヤフー
      • サービス全体
        • カスタマーサポートチームが24時間365日、目視によるパトロール
      • 知恵袋
        • 機械学習による低品質な投稿の判定・自動削除を実施。
      • ヤフーニュース
        • 機械学習による不適切なコメントの解析・検知・自動削除を実施。
    2. グーグル
      • Google検索
        • 自分に関する情報を含むページを検索結果から削除することをリクエストできる。
        • 降格シグナルを使用し、不当な方針が示されているサイトの順位が検索結果の中で下がるようにしている。
      • YouTube
        • 人間と機械学習を組み合わせて問題のあるコンテンツを大規模に検出。
    3. LINE
      • 機械的なチェックでは、事前にシステムに登録している禁止用語やルールと照合し、規約や法令に反した投稿の場合、投稿後ただちに自動で投稿が非表示にする仕組み。
      • 人の目によるチェックでは、機械的なチェックでは判断のつかなかったケースについて、事前に用意した判断基準や事例集と照合して規約や法令に反する投稿がないかを担当者が確認。コミュニティ規約や法令に反すると判断した場合には、その投稿が非表示。
      • AIを活用した違反画像の検知(現状、違反画像検知AIをLINE全サービスで適用中。LINE全サービスで自動処理を実装予定)
      • AIを活用した違反テキストの事前検知(ユーザへのポップアップ警告)(各サービスで逐次開発予定)
    4. メタ
      • 独自のテクノロジーを利用して違反コンテンツを積極的に検出し、利用者によって報告される前にその大半を削除している。
    5. ツイッター
      • Twitterでは人による調査とテクノロジーを組み合わせてTwitterルールの徹底に取り組んでいる。
      • 日本語を含む世界の言語で24時間365日、グローバルに対応する専任のスペシャリストチームが、ポリシーに則り、削除も含めたさまざまな強制的対応を用いて公正かつ公平にルールを執行。
      • Twitterチームが会話の流れを理解し、執行措置を実施する前に必要な情報を確実に得るため、標的となった人から直接話を聞かなければならない場合がある。
      • 攻撃的な行為をより効率的に検出するための技術的に優れたツールも活用しており、現在では、利用者からの報告がなくとも、プラットフォームに投稿される攻撃的なコンテンツの65%以上が、スペシャルチームによる目視確認が必要として、システムに検知されるまでになっている。なお、2021年1月1日~6月30日に、Twitterルールに違反した470万件のツイートを削除。
  • 誹謗中傷等に関する一般ユーザからの申告や削除要請の件数
    1. ヤフー
      特定の1ヶ月間の件数

      • 知恵袋 約5万7千件
      • ヤフーニュース 約21万8千件
      • ファイナンス掲示板 約2万7千件
    2. グーグル
      • Google検索 約2,300件(2021年1月~6月)
      • YouTube 世界で7番目に報告が多い。
      • Google マップ 218,870件(2021年1月~10月)
    3. LINE
      2021年1月~12月

      • LINE VOOM:693件
      • LINEオープンチャット: 4,701件
      • LINE LIVE:52件
      • LINE BLOG:9件
      • livedoor Blog:3,644件
    4. メタ
      • 日本・グローバルとも回答なし
    5. ツイッター
      • 日本 18,503件
      • グローバル 42,023件(2021年1月~6月、誹謗中傷以外の削除件数も含む)
  • 誹謗中傷等に関する一般ユーザからの申告や削除要請に対する削除件数
    1. ヤフー
      特定の1ヶ月間の件数

      • 知恵袋 約5千件
      • ヤフーニュース 約1万2千件
      • ファイナンス掲示板 約1万3千件
    2. グーグル
      • YouTube 24,153本(2021年10月~12月)※ 上記のうち、ヘイトスピーチ620件、嫌がらせやネットいじめ626件
      • Google マップ 32,190件(2021年1月~10月)※ 上記のうちヘイト、不適切、ハラスメントなど3,648件
    3. LINE
      2021年1月~12月

      • LINE VOOM:20件
      • LINEオープンチャット: 56件
      • LINE LIVE:9件
      • LINE BLOG:0件
      • livedoor Blog:0件
    4. メタ
      • Facebook 約5万件
      • Instagram 約10万件
      • 2021年第1四半期~第4四半期 ※ 日本からのものと予測されるユーザーが作成(または所有)したコンテンツ
      • グローバル
        • Facebook いじめや嫌がらせ:920万件(表示頻度0.14%~0.15%)・ヘイトスピーチ:2,230万件(表示頻度0.03%)
        • Instagram いじめや嫌がらせ:780万件(表示頻度0.05%~0.06%)・ヘイトスピーチ:600万件(表示頻度0.02%)(2021年第3四半期)
    5. ツイッター
      • 日本 回答なし
      • グローバル 5,913,337件(2021年1月~6月、誹謗中傷以外の削除件数も含む)
  • 発信者情報開示請求を受けた件数 裁判上の開示請求件数
    1. ヤフー
      • 23件 ※ 2021年4月1日~12月31日までに名誉毀損を理由とした請求があったもののうち、2022年2月21日時点で結論が出ているもの
    2. グーグル
      • 回答なし
    3. LINE
      • 14件(LINEオープンチャット5件、livedoor Blog9件)(2021 年1月~12月)
    4. メタ
      • 回答なし
    5. ツイッター
      • 日本 2,298件(2021年1月~6月)
      • グローバル 12,396件(2021年1月~6月)
  • 透明性レポートの公開 日本語で閲覧可能か
    1. ヤフー
      • 2020 年度の透明性レポートを2021年12月公表。
      • 日本語で閲覧可能。
    2. グーグル
      • 日本語で公開。
    3. LINE
      • LINE Transparency Reportを公表。
    4. メタ
      • コミュニティ規定施行レポートを日本語に翻訳し公表。
    5. ツイッター
      • 「Twitterの透明性に関するレポート」を年2回発行。
  • 誹謗中傷等の取組の効果分析
    1. ヤフー
      • ニュースコメント 投稿時注意メッセージの取り組みについて効果を検証しその結果を公開。
    2. グーグル
      • YouTube 2019 年、ガイドラインのボーダーライン上のコンテンツの拡散を制限するため、リコメンデーションシステムの変更を発表。その結果、同年米国では、ガイドラインに違反しないがボーダーライン上のコンテンツに関して、おすすめ動画等からの視聴時間が(チャンネル登録者へのおすすめは除く)70%減少。他の市場でも、おすすめ動画をきっかけとして見つけたボーダーライン上のコンテンツの視聴時間が低下。
      • 「YouTubeコミュニティガイドラインの適用について」というレポートを発表。ポリシーに違反した動画やチャンネル、コメントのグローバル全体の削除、再審査請求とそれによって元に戻された動画、人間と機械による報告に関するデータを提供。また、ハラスメントやネットいじめ、暴力的過激主義、ヘイトスピーチといった主要なコンテンツポリシー領域について詳細な分析も提供。
    3. LINE
      • LINEみらい財団は、青少年のネット利用実態把握を目的とした調査を実施。小中高生に対するネット上のコミュニケーションに関する教育の効果についての分析をまとめた報告書を2021年4月に公開。
    4. メタ
      • FacebookとInstagramにおけるポリシーの施行状況を公的かつ透明性をもって追跡し、FacebookとInstagramを安全で包括的なものにするための継続的な取り組みを示すため、コミュニティ規定施行レポートを四半期ごとに発行。
    5. ツイッター
      • 特定のツイートの削除が必要な強制的対応に関する新しい測定基準としてインプレッション(削除前にツイートが獲得した閲覧数)を導入。
      • 2021年1月1日~6月30日に、Twitterルールに違反した470万件のツイートを削除。削除されたツイートのうち、削除前のインプレッションが100未満のものは全体の68%、100~1,000のツイートは24%、1,000を超えるツイートは8%。今回の報告期間におけるルールに違反するツイートのインプレッションが全ツイートのインプレッションに占める割合は0.1%未満。
  • プラットフォーム事業者の誹謗中傷への対応に関する透明性・アカウンタビリティ確保状況には差異が見られる。
  • ヤフー及びLINEは、我が国における誹謗中傷への対応について、具体的な取組や定量的な数値を公表しており、透明性・アカウンタビリティ確保に向けた施策が進められている。
  • Googleは、一部の我が国における定量的な件数が新たに示されているが、構成員限りで非公開となっている情報も残されており、部分的に透明性・アカウンタビリティ確保に向けた施策が進められている。
  • Facebook及びTwitterは、グローバルな取組や数値は公表しているが、我が国における具体的な取組や定量的な数値が公表されておらず、我が国における透明性・アカウンタビリティ確保が果たされていない。

~NEW~
国土交通省 「宅地建物取引業法施行令及び高齢者の居住の安定確保に関する法律施行令の一部を改正する政令」等を閣議決定
  • 第204回国会において成立した「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」の施行に伴う規定の整備を行う政令等が、本日閣議決定されました。
  1. 背景
    • 第204回国会において成立した「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」(令和3年法律第37号。以下「整備法」という。)において、行政手続・民間手続における押印を不要とするとともに、民間手続における書面交付等について電磁的方法により行うことなどを可能とする見直しが行われました。これを踏まえ、宅地建物取引業法施行令及び高齢者の居住の安定確保に関する法律施行令について、整備法の一部の施行に伴う所要の規定の整備等を行います。
  2. 政令の概要
    1. 宅地建物取引業法施行令及び高齢者の居住の安定確保に関する法律施行令の一部を改正する政令関係
      • 整備法において民間手続における書面交付等について電磁的方法により行うことなどを可能とする見直しが行われたことに伴い、書面交付を電磁的方法により行う際にあらかじめ相手方から得る必要のある承諾等の手続等を定めるため、宅地建物取引業法施行令及び高齢者の居住の安定確保に関する法律施行令の一部を改正します。
    2. デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律の一部の施行期日を定める政令関係
      • 整備法による改正規定のうち、公布から1年以内に施行することとされている規定の一部(宅地建物取引業法及び高齢者の居住の安定確保に関する法律等)の施行期日は令和4年5月18日(水)とすることを定めます。

~NEW~
国土交通省 航空従事者に対する航空法に基づく行政処分について
  • 航空従事者3名に対して、航空法第30条に基づく行政処分を行いました。
    1. 個人操縦士A
      1. 事案の概要
        • 令和2年4月6日、個人操縦士Aは、指定航空身体検査医(以下、「指定医」という。)の下、航空身体検査証明を受検した際、検査項目の1つに身体検査基準不適合となる疾患が認められたことから指定医不適合の判定を受けた。その後、同年4月24日に別の指定医に航空身体検査を申請した際、前回の航空身体検査証明に係る検査の結果の記録として、同年4月6日に指定医不適合と判定された際の記録を添付しなければならなかったところ、令和元年4月1日に指定医適合の判定を受けた際の航空身体検査の結果の記録を添付し、指定医適合の判定を受け、航空身体検査証明書の交付を受けた。また、令和3年4月20日に航空身体検査を受検した際にも、当該疾患を申請書の既往歴に記載せず、個人操縦士Aの行為は、航空従事者として不適切な対応であり、航空法第30条第2号に定める航空従事者としての職務を行うにあたっての非行に該当するものである。
      2. 処分内容
        • 個人操縦士Aに対して、60日間の航空業務停止(行政処分)
    2. 個人航空従事者B(操縦士、整備士)
      1. 事案の概要
        • 令和3年8月17日、個人航空従事者Bは、不具合のあった航空機Aの故障探求のため、耐空証明の有効期限が切れた航空機Bから部品を流用し、当該部品の機能確認のため、40分にわたり試験飛行1回を実施した。その後、個人航空従事者Bは、航空機Aから取り外した部品に亀裂があることを見つけ、製造者のマニュアル等に規定されていない方法で損傷箇所の修理を行い、航空機Aに再度取り付け、1時間50分にわたり訓練飛行1回を実施した。
        • また、個人航空従事者Bは、部品流用に始まる一連の整備作業について、国土交通省令で定める事項を搭載用航空日誌に記載しなかった。
        • 個人航空従事者Bの行為は、航空法第16条、第19条第2項、第58条第2項、第73条の2に違反するものであり、航空法第30条第2号に定める航空従事者としての職務を行うにあたっての非行に該当する。
      2. 処分内容
        • 個人航空従事者Bに対して、操縦士及び整備士としてそれぞれ20日間の航空業務停止(行政処分)
    3. 個人操縦士C
      1. 事案の概要
        • 個人操縦士Cは、以下の事案を発生させた。
          • 令和2年8月7日及び8月19日、個人操縦士Cは機長として、令和2年6月30日に航空法第79条ただし書きの許可期限が切れていた飛行場外離着陸場で離着陸を行った。当該飛行場外離着陸場の許可は、別の操縦士が申請し、管理していたが、個人操縦士Cは航空法第79条ただし書きの許可の状況を確認することを怠ったことから本事案を発生させた。個人操縦士Cは過去にも航空法違反を起こし行政処分を受けている。
          • 個人操縦士Cは、自身の所属する会社が航空法第100条の許可を得ず、航空運送事業にあたる飛行を実施していることを認識していながら、令和元年10月5日から令和2年1月25日及び令和2年3月11日から令和2年10月29日までの間、計5回にわたり機長として当該飛行を実施した。
          • 個人操縦士Cの行為は、航空法第79条に違反し、また航空法第30条第2号に定める航空従事者としての職務を行うにあたっての非行に該当するものである。
      2. 処分内容
        • 個人操縦士Cに対して、1年間の航空業務停止(行政処分)

ページTOPへ

Back to Top