【コラム】リスクフォーカスレポート 2018年3月号/「技術者の倫理」と危機管理(1)

「技術者の倫理」と危機管理(1)

1.科学者・技術者の倫理

 日本時間3月22日、ソユーズ宇宙船にてカザフスタンのバイコヌール宇宙基地を飛び立った米ロの乗組員3名は同24日、無事に国際宇宙センター(ISS)に到着し、既に昨年12月19日よりISSにてミッションを開始している金井宣茂宇宙飛行士らの歓迎を受けるとともに、約半年間に及ぶ任務に就いた。勇気ある彼らの生命リスクと巨額の資金をかけたプロジェクトの成功を祈るのみである。
 こうした宇宙船打上げの映像に固唾を呑んで見入るとき、網膜からスペースシャトルチャレンジャー号爆発事故の残像を消し去れないのは、筆者だけではないであろう。


 チャレンジャー号の事故は、技術者倫理における代表的な事故事例として扱われる。それだけ、技術的問題よりも人為的・倫理的問題が根本原因にあると認識されているためである。
 科学者や技術者の倫理問題は、我が国のモノづくりに対する信用と自信を揺るがすという衝撃性によって、近年の企業不祥事における重大テーマのひとつとなった。神戸製鋼所、三菱マテリアル、東レといった日本を代表するメーカーとそのグループ企業による製品検査データの改ざんは、「納入先と契約した数値を外れたため検査数値を改ざんしたものの、安全性確保に必要な数値はクリアしており製品としては問題ない」といった倫理以前の契約軽視が共通する。国内企業同士の契約意識の甘さと、製品の安全性に対する絶対的な自信とが背景にあるとの指摘は一面で楽観的に過ぎ、いずれ国際的な信頼と競争力の失墜、更には新幹線等の高速鉄道、航空機、あるいは宇宙事業での大事故などにつながりかねない、まさにミドルクライシスの段階にあると認識すべきであろう。


 

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