【コラム】暴排トピックス 2018年5月号/平成29年における組織犯罪の情勢

1.平成29年における組織犯罪の情勢

(1) 直近の暴力団情勢

 「暴力団」「仮想通貨」「マネー・ローンダリング」が線でつながる、危惧していた状況が発覚しています。直近で、一部の指定暴力団が仮想通貨の取引を利用し、犯罪収益のマネー・ローンダリングを進めている疑いがあるとの報道がありました(平成30年5月14日付毎日新聞)。それによると、海外にある複数の仮想通貨交換所を介し、多額の現金をビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨に交換、その後、所有者が特定されない仮想通貨(モネロ、ダッシュ、ジーキャッシュ等)に交換、さらに現金に換金する手法で、2016年から計約300億円をマネー・ローンダリングしたと仲介役の中国人男性が証言したということです。本コラムでも警告していた通り、仮想通貨に対する海外の規制の緩さや匿名通貨の存在が犯罪インフラとなり、日本の暴力団の巨額の犯罪収益のマネー・ローンダリングを可能にしてしまった実態が明らかとなりました。詳細は次回以降の本コラムであらためて取り上げますが、国際社会における仮想通貨の規制、AML/CFT等のあり方について、より厳格かつ統一的な規制が急務な状況だと言えます。


 さて、指定暴力団神戸山口組から指定暴力団任侠山口組が分裂してから4月30日で1年を迎えました。これまで本コラムで指摘してきたように、警察は当初、任侠山口組の結成を「神戸山口組の内部対立」として、任侠山口組系組員をあえて神戸山口組の傘下組員として扱い、暴力団対策法の規制下に置いて取り締まってきました。2年半前に神戸山口組が指定暴力団六代目山口組から分裂した際に、指定暴力団への指定までに空白期間が生じてしまった経緯をふまえ、暴力団対策法上の指定暴力団の規制の枠から外れないよう、独立勢力と認めることなく「内部対立」と位置付けてきたものです。しかしながら、その位置付けも、任侠山口組の織田代表襲撃事件が発生し、実行犯が神戸山口組系組員であることが明らかとなり、もはや任侠山口組を神戸山口組の傘下とみなすことは困難な状況となりました。それを受けて、指定暴力団への指定作業の準備が水面下で進められ、既にご存知の通り、今年3月22日に、兵庫県公安委員会が任侠山口組を全国23団体目の指定暴力団に指定しました。任侠山口組は、構成員は約460人(平成30年2月1日現在)と、指定暴力団六代目山口組の約5,000人、神戸山口組の約2,000人とは構成員の人数は見劣りするものの、直系組長は約60人と結成当時から倍増しています。その理由として、六代目山口組や神戸山口組よりも直系組長が納める毎月の上納金が安く設定する戦略などによって、若い世代を取り込み、勢力拡大を図っていることが挙げられています。

 

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