【コラム】SPNの眼 2019年6月号/BCP におけるリスクコミュニケーションの重要性についての一考察(下)/家庭を守れない人に組織は守れない!

NYのワールドトレードセンター跡地 (写真AC)


 今回は、企業のBCPについて考えてみたい。BCPとはBusiness Continuity Plan(事業継続計画)の略。災害などの緊急事態が発生したときに、企業が損害を最小限に抑え、事業の継続や復旧を図るための計画のことを指す。


 有名な事例としては、2001年9月11日の米国同時テロ多発事件で民間機が突入して崩壊した世界貿易センタービル(WTC)に入居していた証券会社の事例が挙げられる。同社は1機目の航空機が北タワーに突っ込んだ7分後にBCPを発動して緊急事態対策本部が立ち上がり、20分後には9千人の従業員を全員タワーから避難させた。同時にコンファレンスコールというほかの支店と常時接続した回線をつなぎ業務連絡を徹底。本社が崩壊したにもかかわらず、翌日には「当社は問題なく業務を遂行している」と言うメッセージを顧客宛に配信したという。


 2011年の東日本大震災ではサプライチェーンの問題が発生し、多くの有名メーカーが長期間にわたって生産停止を余儀なくされ、多大な損失が発生。日本でもBCPが大きくクローズアップされた。現在では株式上場時のコーポレートガバナンスコードにも大きく取り上げられている。熊本地震や北海道北部地震などを見ても分かるように、首都直下地震や南海トラフ地震だけでなく日本全国全ての場所で大地震が発生する可能性がある。「災害大国日本」において、企業のBCPは非常に重要なものなのだ。


  1. 注)BCPは、言うまでもないことだが「防災計画」ではない。米国などでは事業継続の手段として、「リストラ」などもBCPに含まれることがある。ただ、わが国では災害による被災の危険性が極めて高いことから、BCPの入り口として災害対策から入る場合が多い。

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