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お知らせ 2019/10/15

【コラム】暴排トピックス 2019年10月号/「最近の暴力団情勢~3つの山口組と工藤会の動向を中心に」

1.最近の暴力団情勢~3つの山口組と工藤会の動向を中心に

 恐喝罪で実刑判決を受け服役している指定暴力団六代目山口組ナンバー2の若頭高山清司受刑者がまもなく府中刑務所から出所します(10月17日に刑期を終えて翌18日朝に出所予定)。国内最大勢力の山口組が分裂して約4年が経過しましたが、分裂に関係するとみられる事件はほぼ毎月発生し、死者は合計9人に上っています。直近でも銃撃事件が発生し、警察も抗争状態にあると認定するなど一触即発の状況が続く中でのキーマンの出所によって、3つの山口組を取り巻く状況が大きく動く可能性があります。その緊張感は警察当局に限らず、報道(令和元年10月12日付時事通信など)で、「直系組長、特に執行部は出所に戦々恐々としている」と六代目山口組の内部の状況が伝えられるなど明らかであり、金にシビアで、意に沿わない幹部を切り捨てるという高山受刑者から離脱団体への報復命令などが下り、抗争がさらに激化する可能性も否定できません。また、出所当日の高山受刑者への襲撃も予想されており(8年前に司忍組長が出所したとき同様、新幹線を1両貸し切って神戸まで移動すると考えられます)、一般人が巻き込まれる可能性も指摘されています。

 そのような緊迫した状況において、10月10日には、神戸市中央区の指定暴力団神戸山口組系山健組の事務所近くで銃撃され、暴力団関係者2名が死亡する事件が発生、六代目山口組直系弘道会傘下の暴力団幹部が殺人容疑で逮捕されました。今回の事件は、今年4月に神戸市の商店街で神戸山口組系組長が六代目山口組系組員に刺され重傷を負う事件が発生、これを受けて8月下旬には弘道会系組員が銃撃されて重傷を負った事件が発生したことの報復と見られています。このような抗争激化の実態を受けて、兵庫県警は、両組織が抗争状態にあると認定、暴力団対策法に基づき、六代目山口組総本部と神戸山口組本部など両組織の組事務所11か所の使用を制限する仮命令を出し、11日夜に事務所の出入り口に使用制限を示す標章を掲示しました(1992年の暴力団対策法施行後、両本部の使用制限ははじめてとなります。また、両組織の本部事務所以外には、弘道会や山健組の関連事務所なども対象となったほか、大阪府警や愛知県警も両組織の関連事務所の使用制限の仮命令を発出しています)。暴力団対策法では、抗争が起きた場合、都道府県の公安委員会が、関与した組事務所の使用を制限できると規定しており、緊急性があれば、警察当局が仮命令を出せるとしています(住民票や居住実態がある関係者には退去を促すことも規定されています)。これにより、組員が事務所に集合することなどが禁止され、違反した場合、逮捕することができることになります(3年以下の懲役なども罰則もあります)。仮命令は10月25日までの15日間で、この間に兵庫県公安委員会が組側の意見を聞き、本命令を出すかを決め、本命令が出される運びです(なお、本命令の期限は3カ月間で、延長も可能です)。この事務所使用制限の仮命令は、警察の本気度を示すものであるとともに、タイミングとしても適切だったものと評価したいと思います。しかしながら、警察の対応が適切であったとしても、両組織ともに抗争をそう簡単には終結できない事情があり、抗争を止められるかは未知数です。なお、警察庁は、すでに8月22日の段階で両組織の抗争への対応に関する内部通達を発出しており、今回の事務所使用制限についても言及されています。

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