特集 2020/04/07

【コラム】暴排トピックス 2020年4月号/「警察庁「令和元年における組織犯罪の情勢について」を読み解く」

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

1.警察庁「令和元年における組織犯罪の情勢について」を読み解く

(1)暴力団情勢

(2)薬物・銃器情勢

(3)銃器情勢

(4)来日外国人犯罪情勢

2.最近のトピックス

(1)薬物を巡る動向

(2)AML/CFTを巡る動向

(3)特殊詐欺を巡る動向

(4)テロリスクを巡る動向

(5)犯罪インフラを巡る動向

(6)その他のトピックス

・暗号資産(仮想通貨)を巡る動向

・IRカジノ/依存症を巡る動向

(7)北朝鮮リスクを巡る動向

3.暴排条例等の状況

(1)暴排条例に基づく逮捕事例(神奈川県)

(2)暴排条例に基づく逮捕事例(大阪府)

(3)暴排条例に基づく逮捕事例(東京都)

(4)暴排条例に基づく逮捕(不起訴)事例(北海道)

1.警察庁「令和元年における組織犯罪の情勢について」を読み解く

警察庁から「令和元年における組織犯罪の情勢」(以下「本レポート」)が公表されていますので、以下、概観してきたいと思います。

▼警察庁 令和元年における組織犯罪の情勢について
▼令和元年における組織犯罪の情勢
(1)暴力団情勢

本レポートでは、冒頭、「山口組の分裂と対立抗争等」と題した特集が組まれています。本コラムでも紹介してきましたが、「分裂した山口組が3つの指定暴力団として併存する状況となる中、特に、六代目山口組と神戸山口組については、平成31年4月以降、神戸山口組傘下組織組長に対する刃物使用の殺人未遂事件や六代目山口組傘下組織組員に対する拳銃使用の殺人未遂事件、神戸山口組傘下組織組員らに対する拳銃使用の殺人事件等が相次いで発生するなど、対立抗争が激化する状況が認められた」こと、「こうした状況を受け、両団体の本部事務所等の付近の住民の生活の平穏が害されており、又は害されるおそれがあると認め、令和元年10月、兵庫県警察、岐阜県警察、愛知県警察及び大阪府警察が暴力団対策法に基づき、対立抗争に関係する暴力団事務所の使用制限の仮の命令を発出した。その後、同年11月、各事務所について本命令に係る意見聴取の手続を経て、これら4府県の公安委員会が、暴力団対策法に基づき、両団体の本部事務所等計19か所に対し、事務所使用制限命令を発出した。同命令により、これら事務所を多数の指定暴力団員の集合の用、対立抗争のための謀議、指揮命令又は連絡の用等に供することが禁止されることとなった」こと、さらに「令和元年11月に事務所使用制限命令を発出した後も、同月、元六代目山口組傘下組織組員による神戸山口組幹部に対する自動小銃を使用した殺人事件が発生するなど、六代目山口組と神戸山口組に関連する凶器を使用した殺傷事件が続発した」ことを受け、「当該対立抗争に係る凶器を使用した暴力行為が人の生命又は身体に重大な危害を加える方法によるものであり、かつ、更に人の生命又は身体に重大な危害が加えられるおそれがあると認め、岐阜県、愛知県、三重県、京都府、大阪府及び兵庫県の公安委員会が、3か月の期間及び特に警戒を要する区域(以下「警戒区域」という。)を定めて、六代目山口組と神戸山口組を「特定抗争指定暴力団等」として指定することを決定し、令和2年1月7日、官報公示をもって指定に係る効果が発生した」といった3つの山口組分裂から、六代目山口組と神戸山口組の特定抗争指定までの流れが述べられています。また、「対立抗争状態にあると判断した平成28年3月7日から令和元年12月末までに、両団体の対立抗争に起因するとみられる事件は、21都道府県で72件発生し、うち58件で224人の暴力団構成員等を検挙した」といいます。なお、指定の効果については、「同指定により、警戒区域内での事務所の新設、対立組織の組員に対するつきまとい、対立組織の組員の居宅及び事務所付近のうろつき、多数での集合、両団体の事務所への立入り等の行為を禁止されることとなった」と指摘しています。そして、現状、「六代目山口組、神戸山口組及び絆會は、いずれも自身の勢力を拡大するため、他の団体の傘下組織構成員の切り崩しを行い、3団体間の構成員の移動が複雑化するなど、依然として、分裂した各団体の動向は予断を許さない状況にある。これら団体の対立の激化は、一般市民の安全を脅かすとともに、暴力団が威力を高め、その資金獲得力が強化されることにつながることから、今後も引き続き、必要な警戒、取締りの徹底に加えて、状況に応じて暴力団対策法の効果的な活用を推進するなどして、市民生活の安全確保並びにこれらの団体の弱体化及び壊滅に向けた取組を推進していく」と強い危機感のもと取り締まりを継続していくこととしています。

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