特集 2020/08/18

【コラム】暴排トピックス 2020年8月号/「実効性ある反社チェックのために(2)」

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

1.実効性ある反社チェックのために(2)

(1)警察情報の提供の限界

(2)入口における見極めの限界

(3)出口における見極めの限界

(4)最近の暴力団情勢

2.最近のトピックス

(1)AML/CFTを巡る動向

(2)特殊詐欺を巡る動向

(3)薬物を巡る動向

(4)テロリスクを巡る動向

(5)犯罪インフラを巡る動向

(6)その他のトピックス

・暗号資産(仮想通貨)を巡る動向

・IRカジノ/依存症を巡る動向

・犯罪統計資料

・令和2年警察白書(概要)

(7)北朝鮮リスクを巡る動向

3.暴排条例等の状況

(1)暴排条例の改正(兵庫県)

(2)暴排条例の改正(愛媛県)

(3)暴排条例に基づく逮捕事例(兵庫県)

(4)暴排条例に基づく勧告事例(愛知県)

(5)暴排条例に基づく逮捕事例(東京都)

(6)暴力団対策法に基づく禁止命令(暴力行為の賞揚等の規制)事例(神奈川県)

1.実効性ある反社チェックのために(2)

(1)警察情報の提供の限界

反社会的勢力の見極めの実務においては、企業における自律的・自立的な反社チェック以外に、警察から暴力団等に関する情報提供を受けることも重要なステップと位置付ける必要があります。とはいえ、企業が望むような情報を警察が全て提供してくれるわけではなく、警察の内部通達「暴力団排除等のための部外への情報提供について」に基づいた対応となっていることを理解しておくことが重要です。

さて、当該通達においては、「特に、相手方が行政機関以外の者である場合には、法令の規定に基づく場合のほかは、当該情報が暴力団排除等の公益目的の達成のために必要であり、かつ、警察からの情報提供によらなければ当該目的を達成することが困難な場合に行うこと」、「条例上の義務履行の支援、暴力団に係る被害者対策、資金源対策の視点や社会経済の基本となるシステムに暴力団を介入させないという視点から、(略)可能な範囲で積極的かつ適切な情報提供を行うものとする」と情報提供の主旨、姿勢が明示されています。したがって、情報提供を受ける事業者としては、情報提供により達成される「公益」や「最終手段性」を警察が認識できる形で依頼することが肝要となります。排除実務においては、この警察による情報提供は事実上必須のステップであるため、相談にあたっては、以下のような項目について説明ができるよう準備を行ったうえで相談することが求められています。

  • 自助努力で行った調査内容(疑わしいとする根拠)
  • 組織としての排除の意思
  • 実現可能性を裏付ける暴排条項等の締結状況
  • 排除に向けた取組み状況や個人情報管理の状況 等

また、本通達では、提供される情報の範囲として、「事業者が、取引等の相手方が暴力団員、暴力団準構成員、元暴力団員、共生者、暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有する者等でないことを確認するなど条例上の義務を履行するために必要と認められる場合には、その義務の履行に必要な範囲で情報を提供するものとする」と規定されており、ベーシックな反社会的勢力の範囲が網羅されています。

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