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お知らせ 2020/09/01

【コラム】SPNの眼 2020年9月号/「目の前にいるあなたの知人は偽物だ。ディープフェイクに淘汰される時代」

1.はじめに

2019年にデービッド・ベッカム氏協力の下、9ヶ国語を使って、マラリア撲滅を訴える動画が公開されました。母国語はベッカム氏本人のもの(オリジナル動画)ですが、他の言語はディープフェイクを用いて作成されたものであり、注目を集めた結果、約3億3000万円の資金調達に成功しました。このようにディープフェイクがもたらす経済的効果は、大きいものといえます。他方でディープフェイクが、犯罪に用いられるケースが確認されており、本稿では、ディープフェイクの恐ろしさ、その対策を検討していきます。

2.ディープフェイクについて

ディープフェイクに、明確な定義はありませんが、「フェイク」と「ディープラーニング(深層学習)」を組み合わせた造語とも言われており、高度な画像生成技術を用いた合成された動画又は技術そのものをいいます。ディープフェイクを生み出す技術として、通称GAN(Generative Adversarial Networks)という技術が用いられています。GANでは、AI(人工知能)がデータをベースにコンテンツを作成するジェネレーター役とコンテンツを本物かを見抜こうとするディスクリミネーター役に分かれます。ディスクリミネーター役のAIからジェネレーター役のAIにフィードバックがなされて、弱点分析をした後に、新たに偽コンテンツを作成して、再度ディスクリミネーター役のAIに立ち向います。この作業を何百回と繰り返し、偽コンテンツの精度を高め、より本物に近い映像、画像、音声を作成します。

(1)ディープフェイクのもたらした効用

ディープフェイクの制作ツールは、ソーシャルメディアで画像を共有する際に多用される顔を入れ替える市販のアプリから、一流研究者のもとで開発された最先端のAIまで、数多く存在します。ディープフェイクの技術を用いて動画コンテンツを作成する場合、既存の映像等を編集すれば足り、実際のセットを使う必要がなくなります。既にディープフェイクは実用化されており、2019年にはAI技術により再現された美空ひばり氏が、紅白出場を果たしたり、XJAPANのhide氏のパフォーマンス映像が制作されています。ディープフェイクの普及により映像作品の制作コストを、従来の制作方式に比べて、10分の1に減らすことが可能となりました。このように映像作品の制作費用を抑えたり、懐かしのスターのパフォーマンスをリアルに再現・創作したり、資金調達を可能としたりと有用な側面があります。

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