週刊危機管理Plus 2018年4月23日号



特殊詐欺の「犯罪インフラ」の高度化に注意が必要だ

昨年1年間に東京都内で確認された特殊詐欺事件で、詐欺グループの電話番号が判明した3,964件のうち、約8割がインターネット回線を使うIP電話だったという。IP電話のレンタルに本人確認義務はないことが悪用される「犯罪インフラ」化が顕著だ。本来、IP電話は「050」から始まるが、ある事件で使われた電話は「03」が発信元で、それは都内の業者が埼玉の女性に貸したIP電話で契約は別人を装ったものだったという。さらに、この業者のIP電話はそれまでに数十回、詐欺に悪用されていたが、業者は「なりすましとは気づかなかった」と釈明した。さらに、「都内のホテル約20か所を転々としながら」、「車で移動しながら」、「(他人名義で借りた)短期賃貸物件を2週間ほどで渡り歩く」といった事例も増加しており、犯罪インフラの高度化に注意が必要な状況だ。(芳賀)


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海賊版サイト、懸念される被害拡大

インターネット上で漫画や雑誌などを無許可に公開する違法な海賊版サイトが横行しており、著作権侵害の損失額は約4000億円ともいわれる。著作者が受け取るべき対価を不当に奪う行為であり、海賊版サイトへ誘導するリーチサイトの違法化や海賊版の収入源とみられる広告の遮断など取り得る手立てを総合的に検討する必要がある。海賊版サイトの利用は、運営者の広告収入を増やして違法行為を助長させるだけである。海賊版サイトは、著作権の侵害だけでなく、直近では閲覧するだけで仮想通貨の採掘に関する不正プログラムに感染するなど、セキュリティ上のリスクに晒される危険性もある。法整備や規制を待つ前に、海賊版サイトを「利用しない」ことが対抗策の一つであり、利用は著作物の毀損と被害の拡大を招く行為だという事実を認識せねばならない。(佐藤)


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商工組合中央金庫(商工中金)改革、政府の第三者委員会初会合

不正融資問題を起こした商工中金を監視する政府の第三者委員会が経済産業省で初会合を開いた。今後の改革の方向性やあらたな不正発生の有無を点検するという。商工中金をめぐっては、2016年11月「危機対応融資」で不正が発覚。2017年10月には国内ほぼ全店で約4600口座の不正を発表していた。「皆やっている」という不正の蔓延が組織の規範を低下させ、規範の低下があらたな不正を誘発するという負の連鎖に陥っていたといえよう。特に閉鎖的な組織では、規範が固定化するなかで、その組織の規範が社会の基準から乖離してしまうことがある。さらに、その乖離が大きくなる程、誤った規範への同調が起きる。組織の規範には沿うが、社会の規範から逸脱する破壊的な同調だ。組織の誤った規範を是正するような建設的な逸脱という柔軟性がコンプライアンスには必要だ。(伊藤)


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