2021/03/01

危機管理トピックス

【省庁別記事(前半)】

【首相官邸】

【2021年2月】

首相官邸 新型コロナウイルス感染症対策本部
▼第55回(令和3年2月12日開催)資料
  • 感染状況について
    • 新規感染者数は、報告日ベースでは、1月11日には、直近一週間では10万人あたり約36人に達したが、1月中旬以降減少傾向となっており、直近の1週間では10万人あたり約11人となっている。(発症日ベースでは、1月上旬以降減少傾向が継続)
    • 実効再生産数:全国的には、1月上旬以降1を下回っており、直近で0.76となっている(1月25日時点)。1都3県、大阪・兵庫・京都、愛 知・岐阜、福岡では、1を下回る水準が継続。(1月25日時点)
    • 入院者数は減少が続き、重症者数も減少傾向が明確化、死亡者数も減少の動き。60歳以上の新規感染者数の割合が高まっているため、重症者数の減少は時間を要することが考えられ、入院・療養調整中の事例は減少しているものの、対応を続けている保健所や医療機関の職員は引き続き疲弊し、業務への影響が懸念される。都市部を中心に多数の感染者数の発生が続く中、新型コロナの診療と通常の医療との両立が困難な状況が続いており、救急対応への影響が見られる事例などが生じているほか、高齢者施設でのクラスター発生事例も継続。
  • 地域の動向 ※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値
    • 首都圏 東京では、新規感染者数は減少が続き、宣言期間中のピークの1/3を下回っているが、なお約26人となっている。医療提供体制は非常に厳しい状況が継続。自治体での入院等の調整が厳しい状況も継続。神奈川、埼玉、千葉でも新規感染者数は減少が続き、それぞれ約14人、約18人、約19人となっている。いずれも医療提供体制は厳しい状況。栃木では、新規感染者数の減少が続き、約6人まで減少。病床使用率は低下傾向。
    • 関西圏 大阪では、新規感染者数の減少が続き、約13人とステージⅢの指標となっている15人を下回っている。一方、医療提供体制や自治体での入院等の調整が厳しい状況も継続。また、高齢者施設等でのクラスターが継続的に発生し、重症者が高止まり。兵庫、京都でも新規感染者数は減少傾向であり、それぞれ約10人、約8人となっているが、医療提供体制は厳しい状況。新規感染者数の減少に伴う医療提供体制の負荷への影響について、引き続き注視する必要。
    • 中京圏 愛知では、新規感染者数の減少が続き、約8人と15人を下回っている。岐阜でも新規感染者数の減少が継続し、約9人まで減少。いずれも、病床使用率は低下傾向であるが、医療提供体制は厳しい状況。新規感染者数の減少に伴う医療提供体制の負荷への影響について、引き続き注視する必要がある。
    • 九州 福岡では、新規感染者数の減少が続き、約12人と15人を下回っているが、重症者数は増加傾向。医療提供体制は厳しい状況。新規感染者数の減少に伴う医療提供体制の負荷への影響について、引き続き注視する必要。
    • 上記以外の地域 新規感染者数の減少傾向が続いている。沖縄でも、医療提供体制は、非常に厳しい状況が続いているが、新規感染者数は約17人まで減少。沖縄においては65才以上の割合が高く注意を要する。
  • 変異株
    • 英国、南アフリカ等で増加がみられる新規変異株は、世界各地に拡大しつつあり、国内でも、国内での感染によると考えられる、海外渡航歴のない者から変異株が発見される事例が、複数都道府県に感染者またがる広域事例も含め、生じている。従来株と比較して感染性が高い可能性があり、国内で持続的に感染した場合には、現状より急速に拡大するリスクがある。英国株については、変異による重篤度への影響も注視が必要。
  • 感染状況の分析
    • 1都3県、愛知・岐阜、大阪・兵庫・京都では実効再生産数が年始から低下傾向となり、緊急事態宣言下では0.8弱程度を維持し、新規感染者数の減少も継続しているが、人流の低下の鈍化もみられ留意が必要。クラスターの発生状況は、飲食店等に着目した今般の緊急事態宣言に伴う取組への協力もあり、飲食店は減少しているが、医療機関・福祉施設、家庭内などを中心として発生するとともに、飲食店でも引き続き発生している。全国的に20-50才台の感染者は減少しているが、80代以降では減少傾向が弱く、感染者数に占める60才以上の割合が上昇しており、重症者や死亡者の減少が遅れる可能性があり、動向に注意が必要。
    • 年末年始にかけて、都市部から周辺地域へという形で感染が拡大したことも踏まえると、大都市における感染をしっかりと抑制し、再拡大を抑える対策を継続することが、地方での感染を抑えるためにも必須である。
    • 直近1週間の新規感染者数は、東京都だけで全国の1/4強を占め、1都3県で55%弱を占めている。また、緊急事態宣言下の10都府県で新規感染者数の8割弱を占めている。
  • 必要な対策
    • 今後、新規感染者の減少傾向を確かなものとし、重症者数、死亡者数を減少させることに加え、今後のワクチン接種に向けて医療機関の負荷を減少させ、リバウンドを防止し、変異株探知を的確に行えるようにするためにも、対策の徹底が必要。
    • 11都府県に発出されていた緊急事態宣言は、2月2日に栃木県を除き、延長が決定された。新規感染者数が15人を下回り、病床使用率も低下傾向が見られる地域もあるが、医療提供体制や公衆衛生体制の負荷への影響について、引き続き注視する必要がある。一方、多数の入院者数、重症者数が引き続き発生する状況も想定し、引き続き必要な医療提供体制の確保が必要。
    • 緊急事態宣言が解除された地域でも、再増加につながらないよう、引き続き感染者数を減少させる取組が必要。そのためには感染リスクに応じた積極的検査や積極的疫学調査を再度強化できる体制が求められる。また、感染拡大の核となる場や影響の変化を評価・分析し、新たに対応が必要となる取組も検討すべき。
    • 「高齢者を守る」。クラスターの発生が継続している福祉施設および医療機関における感染拡大を阻止する取組が必要である。さらに、施設従事者も守るための取組が必要である。施設等の職員に対する定期的な検査の実施、自治体の高齢者福祉部門と感染症対策部門が連携して、施設への専門家派遣等による感染症対策の支援が求められる。さらに、高齢者施設で1例でも感染者が確認された場合には、地域の医療資源を活用して、施設への医療支援を迅速に行うこと。
  • 変異株
    • 変異株国内流入の監視のため、リスク評価に基づく検疫体制の強化が必要である。また、国内の変異株スクリーニング検査体制の強化により、変異株感染者の早期検知、積極的疫学調査と速やかな拡大防止策の実施や広域事例への支援等が求められる。個人の基本的な感染予防策は、従来と同様に、3密の回避、マスクの着用、手洗いなどが推奨される。
  • 感染拡大防止策の強化の概要
    • 緊急事態宣言が3月7日まで延長され、現下の感染拡大の抑制とともに、その後の感染再拡大の防止が急務。
    • 解除後の地域では、時短要請等を段階的に緩和するが、クラスター防止対策等に積極的に取り組む必要。
    • 今般、感染拡大防止の取組の実効性を高めるため、特措法等の改正も踏まえ、以下の感染拡大防止策を実施。
      • 飲食店等での感染防止の徹底
        • 飲食店に対する営業時間短縮等の要請の徹底
          • 緊急事態措置を実施すべき区域に係る都道府県(特定都道府県)等は、飲食店における営業時間の短縮等を徹底するための対策・体制を強化し、できる限り個別に働きかけを実施。併せて飲食店ガイドラインを遵守するよう働きかけ。
          • 都道府県は、働きかけ活動等の実施計画を策定し、特措法担当大臣に提出。特措法担当大臣は、都道府県に対し助言するとともに、各都道府県の取組状況を公表し、好事例を横展開。
        • 飲食店ガイドラインの遵守徹底のための見回り調査
          • 農林水産省、厚生労働省において、直接又は所管団体を通じて、特定都道府県の飲食店を調査し、結果を随時公表。
          • ガイドラインの不遵守に対しては、直ちに改善指導を実施。
        • 予約サイトによる飲食店ガイドラインの遵守状況の可視化
          • 農林水産省が、Go To Eat事業参加の大手飲食予約サイト事業者に、以下の取組を実施するよう要請しており、結果を随時公表。
            • 各飲食店におけるガイドライン遵守状況に関する情報を充実して表示
            • 利用者からの報告に基づき、遵守が不十分な飲食店に対しては、予約サイトから指導
      • 検査の拡大による無症状者等からの感染拡大の抑制
        • 高齢者施設等における検査拡大
          • 特定都道府県等は、感染多数地域における高齢者施設の従事者等の検査の集中的実施計画を2月12日までに策定し、3月中を目途に計画に基づく検査を実施。
          • 厚生労働省は、特定都道府県等に対し、集中的実施計画及び2月、3月の検査実績について報告を求め、状況を把握するとともに、厚生労働省ホームページで公表。
        • 大学等に対する感染拡大防止策
          • 文部科学省において、全ての国公私立大学等に対して、大学等における感染対策や学生及び教職員への注意喚起等について留意すべき事項を通知。2月中にフォローアップを実施し、その結果を周知しつつ、必要に応じて、卒業旅行の自粛を働きかけるなどといった個別の要請や好事例の横展開を実施。
        • 歓楽街等におけるモニタリング検査の実施等
          • 緊急事態宣言が解除された地域等で、民間企業等を活用し、歓楽街等におけるPCR検査等(モニタリング検査)を実施し、感染の再拡大の端緒を適切に捉える。
          • 具体的には、解除地域の中心地、東京、大阪等の歓楽街等で合計1日1万件程度の検査を行い、検査結果を面的、時系列的に表示、公表。ホットスポットが発覚したら、必要に応じ早期対応へつなげる。
      • 職場・テレワークに係る対策
        • 職場における新型コロナウイルス感染防止対策の強化
          • 厚生労働省は、労働基準監督署等が実施する業務を通じて、職場における「取組の5つのポイント」を用いて感染防止対策の取り組み状況を確認。取組が不十分な場合には、改善について支援・指導を行う。
        • テレワークの取組強化
          • 経済産業省は、経済団体(約900団体)会員企業や地域未来牽引企業(約5,000社)に対しテレワーク実施の周知徹底を行うとともに、WEBアンケートシステムを通じて、2週間程度で実施状況を把握し公表。
  • 新たな雇用・訓練パッケージについて
    • 雇用調整助成金の特例措置による雇用維持
      • 一定の大企業・中小企業の全てについて、令和3年1月8日以降、4月末までの休業等については、雇用維持要件を緩和し、令和3年1月8日以降の解雇の有無により、適用する助成率(最大10/10)を判断
    • 大企業のシフト制労働者等への対応
      • 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、大企業への雇用維持支援策の強化の一環として、大企業で働くシフト制等の勤務形態で働く労働者が休業手当を受け取れない場合に、休業支援金・給付金の対象とする
    • 感染症対策業務等による雇用創出への支援
      • ワクチン接種体制の確保、地方創生臨時交付金活用事業、水際対策等により、計10万人規模の雇用創出効果が見込まれる。ハローワークに専門窓口を設置し、地方自治体等の迅速な人材確保のため、求職者への情報提供・職業紹介を積極的に行う支援や、地方自治体の住居・生活支援施策の窓口との連携等を実施する
    • 求職者支援制度への特例措置の導入(9月末までの時限措置)
      • 職業訓練受講給付金の収入要件の特例措置 月収入8万円以下 → シフト制で働く方等は月収入12万円以下に引き上げ
      • 職業訓練受講給付金の出席要件の緩和 働きながら訓練を受ける場合、出勤日をやむを得ない欠席とする
    • 職業訓練の強化
      • 就職に役立つ求職者支援訓練・公共職業訓練の訓練期間や訓練内容の多様化・柔軟化
    • ハローワークでの積極的な職業訓練の周知・受講斡旋・就職支援
      • コロナ対応ステップアップ相談窓口(仮称)の設置 ハローワークに『コロナ対応ステップアップ相談窓口』(仮称)を設置し、新型コロナウイルスの影響で離職した方、休業中の方やシフト制で働く方など、働きながらスキルアップしたい方に、職業訓練の情報提供や受講斡旋、職業訓練の成果を踏まえた就職支援などをワンストップかつ個別・伴走型で提供する
      • 訓練を必要とされる方に対する積極的な受講斡旋 受講者数について、求職者支援訓練は倍増(約5万人)、公共職業訓練は50%増(約15万人)を目指す

首相官邸 外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議
▼概要
  • 外国人との共生社会の実現のための施策については,新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響等も踏まえ,我が国に適法に在留する外国人を孤立させることなく,社会を構成する一員として受け入れるという視点に立ち,これまで以上に推進していく必要がある。
  • そこで,外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の実施状況等を踏まえ,外国人との共生社会の在り方,その実現に向けて取り組むべき中長期的な課題,方策等を国民や外国人に示すことにより,共生社会の実現に取り組んでいく必要がある。
  • 外国人との共生社会の在り方,その実現に向けて取り組むべき日本語教育の充実,行政情報の多言語化等に係る方策についての中長期的な課題について調査し,外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議に意見を述べることを目的として,関係閣僚会議の下に,外国人との共生社会の実現のための有識者会議を開催する。

【2021年1月】

首相官邸 新型コロナウイルス感染症対策本部
▼第52回(令和3年1月13日開催)資料
  • 感染状況について
    • 全国の新規感染者数は、首都圏(1都3県)、特に東京での急速な増加に伴い、年末から増加傾向が強まり、過去最多の水準の更新が続いている。また、年明けから、中京圏、関西圏、さらに、北関東、九州でも同様に新規感染者が急増した。実効再生産数:全国的には1を上回る水準が続いている(12月27日時点)。東京等首都圏、大阪、福岡などで1週間平均で1を超える水準となっている(12月27日時点)。
    • 入院者数、重症者数、死亡者数の増加傾向も継続。急増している新規感染者数の増加は若年層(30代以下)が多い。
    • 対応を続けている保健所や医療機関の職員はすでに相当に疲弊している。急速に感染者数が増加している自治体では、入院調整が困難となったり、高齢者施設等の中で入院を待機せざるを得ない例も増えてきている。新型コロナの診療と通常の医療との両立が困難な状況が拡大しつつあり、新規感染者数の増加に伴い、通常であれば受診できる医療を受けることができない事態も生じ始めている。また、自治体におけるデータ入力等への負荷も増している。
    • 英国、南アフリカで増加がみられる新規変異株は、世界各地で検出されている。国内では、海外渡航歴のある症例又はその接触者からのみ検出されている。従来株と比較して感染性が高い可能性を鑑みると、国内で持続的に感染した場合には、現状より急速に拡大するリスクがある。これらの変異株と共通する変異を一部に有する新たな変異株が、ブラジルからの帰国者から検出。感染性、病原性等について現時点では判断は困難。
  • 感染拡大地域の動向
    1. 北海道 新規感染者数は減少傾向が続いていたが、足下では増加に転じている。病院・施設内の感染が継続して発生。旭川市の医療機関および福祉施設内の集団感染はほぼ収束。
    2. 首都圏 東京都では、新規感染者数の増加が継続し、直近の一週間では10万人あたり90人弱となっている。医療提供体制も非常に厳しい状況が継続。救急対応にも影響が出ている。保健所での入院等の調整はさらに厳しさが増している。感染経路は不明者が多いが飲食の場を中心とした感染の拡大が推定される。首都圏全体でも、埼玉、神奈川、千葉でも新規感染者数の増加が継続しており、医療提供体制が厳しい状況。1都3県の増加に伴い、隣接する栃木においても新規陽性者が急増し、直近の一週間では10万人あたり40人を超え、医療提供体制も厳しい状況となっている。
    3. 関西圏 大阪では、新規感染者数が漸減していたが、年明けから急速な増加に転じ、直近の一週間では10万人あたり40人を超えている。年初では、30代までの若年層の感染が目立っている。医療提供体制の厳しい状況が継続。保健所での入院調整も厳しさが増している。兵庫、京都でも感染が急速に拡大し、人口10万人あたり30人を超え、医療提供体制が厳しい状況。滋賀、奈良でも新規感染者数の増加傾向が継続。
    4. 中京圏 愛知では、新規感染者数が高止まりであったが、年明けから急速な増加に転じ、直近の一週間では、10万人あたり30人を弱となっている。医療提供体制の厳しい状況が継続。保健所での入院調整も厳しさが増している。岐阜でも新規感染者数が急増。医療提供体制が厳しい状況。
    5. 九州 福岡では、新規感染者数が急速に増加。直近の一週間では、10万人あたり40人を超えている。医療提供体制の厳しさが増している。佐賀、長崎、熊本、宮崎でも新規感染者数が増加。
    6. 上記以外の地域 宮城、茨城、群馬、山梨、長野、静岡、岡山、広島、沖縄でも、新たな感染拡大や再拡大、多数の新規感染者数の発生の継続の動きが見られ、直近一週間で10万人あたり15人を超えている。
  • 感染状況の分析
    • 東京など大都市圏を中心とする昨年末の感染拡大については、職場の宴会や、若者の飲食をする場面、が主な感染拡大の要因となり、これが、職場や家庭内の感染に繋がったと考えられる。今後さらに高齢者への感染拡大が懸念される。一方、年明けからの全国的な急速な感染者数の増加は、帰省による親戚との会食などが要因の一つと考えられるが、引き続き検討の必要がある。
    • こうした東京での感染拡大は、周辺自治体にも波及し、埼玉、千葉、神奈川とともに首都圏では、年明け以降も新規感染者の増加が継続し、過去最高水準となっている。直近1週間の新規感染者数は、東京都だけで全国の3割弱を占め、1都3県で1/2強を占めている。こうした動きは、京都、大阪、兵庫の関西圏、愛知、岐阜の中京圏、福岡の九州でも同様となっており、これらの都道府県で新規感染者数の8割弱を占めている。大都市圏の感染拡大は、最近の地方における感染の発生にも影響していると考えられ、大都市における感染を早急に抑制しなければ、地方での感染を抑えることも困難になる。
  • 必要な対策
    • 東京をはじめとする首都圏では1月7日に緊急事態宣言が発出された。首都圏だけでなく、関西圏、中京圏でも感染が急速に拡大。医療提供体制や公衆衛生体制の厳しい状況が続いていることに加え、地方での感染拡大の波及をおさえるために、こうした大都市圏において、早急に感染を減少させるための効果的な対策の実施が求められる。また、首都圏に隣接する栃木、及び福岡において感染が急速に拡大しており、適切に対策を実施することが必要と考えられる。
    • 感染拡大が続き、医療提供体制、公衆衛生体制は非常に厳しい状況となっており、速やかに新規感染者数を減少させることが必要。併せて、現下の医療提供体制が非常に厳しく、こうした状況が続くことも想定される中で、昨年末にとりまとめられ、支援内容も拡充された「医療提供体制パッケージ」も活用し、必要な体制を確保することが必要。
    • 感染拡大の抑制には、飲食店の営業時短やイベントの制限に加え、市民の皆様の協力が不可欠である。不要不急の外出の自粛や感染につながりやすい形での飲食の自粛は、感染防止のためには20時以前であっても重要である。また、テレワークの実施など接触機会の削減が重要である。そのためのメッセージを国・自治体等が一体感を持って発信することが必要。
    • 緊急事態措置による効果を、新規感染者数、実効再生産数、医療体制への負荷などで分析・評価し、それに基づき継続的に対策の在り方を検討するとともに、解除後も直ちに急速な再増加につなげないことが重要。
    • さらに、国内の厳しい感染状況の中で、検疫全体の強化を行うとともに、英国等で見られる変異株の流入による感染拡大を防ぐことが必要である。引き続き、変異株の監視を行うとともに、感染者が見つかった場合の積極的疫学調査の実施が求められる。また、ブラジルからの入国者から発見された変異株も含め、個人の基本的な感染予防策は、従来と同様に、3密の回避、マスクの着用、手洗いなどが推奨される。
  • 直近の感染状況等
    • 新規感染者数の動向:新規感染者の動向:新規感染者数は、過去最多の水準が続いており、引き続き最大限の警戒が必要な状況。
    • 検査体制の動向:直近の検査件数に対する陽性者の割合は11.0%であり、過去最高の水準となっている。 ※ これまでの過去最高は緊急事態宣言時(4/6~4/12)の8.8%。7、8月の感染者増加時では、7/27~8/2に6.7%であった。
    • 入院患者数の動向:入院患者数は増加が続いている。受入確保病床に対する割合も上昇しており、各地で高水準となっている。
    • 重症者数の動向:入院患者数同様、増加が続いている。受入確保病床に対する割合も上昇が続き、各地高水準となっている。
▼議事概要
  • 内閣官房長官
    • 緊急事態宣言発出により、政府として感染拡大防止に全力を挙げていること、このため、感染拡大のリスクをとにかく小さくすることが必要であること、変異株に端を発して、とりわけ水際の防疫措置を強化する必要性が高まっていることから、以下の強化策を講じることといたします。
    • まず、入国者全員に対し、14日間待機等の誓約書を求める。違反した場合は、検疫法上の停留、氏名等の公表、外国人の場合は在留資格取消手続及び退去強制手続の対象とする。
    • またこれに加え、緊急事態宣言の下で、国民の感染拡大リスクを極力小さくするため、ビジネストラック、レジデンストラックを宣言解除までの間、一時停止する。
    • 既に日本への入国準備を済ませた技能実習生や留学生等に配慮し、停止発表後1週間は、既にビザを取得している者は入国可能とする。なお、レジデンストラックでは14日間待機を求めているところ、同様に、ビジネストラックでこの1週間に入国する出張者についても、14日間の待機を求める。
    • 相手国に対しては、宣言解除後は、速やかに再開できるよう、「現在、我が国は緊急事態宣言を発出し、感染拡大防止のためにありとあらゆる手段を講じているところであり、この期間はとりわけ水際の防疫措置を強化する必要性が高まっていることから、一時停止する。」旨丁寧に説明することとする。
  • 内閣総理大臣
    • 年末からの、首都圏、特に東京での急速な感染拡大に加え、年明けからは、中京圏、関西圏などでも感染者数が急増し、強い危機感を持っております。こうした中、本日の諮問委員会における議論を踏まえ、大阪府、京都府、兵庫県、愛知県、岐阜県、福岡県、栃木県の7府県について、特措法に基づく緊急事態措置の対象といたします。感染状況に加えて、大都市圏については、そこから全国に感染が広がる前に対策を講じる必要があることを踏まえて、判断いたしました。
    • 緊急事態措置を実施すべき期間は、2月7日までであります。これまで1年近くの経験に基づいて、効果のあるものは全て対象とし、徹底的な対策を行います。飲食店の夜8時までの時間短縮に加えて、不要不急の外出の自粛、テレワーク7割、イベントの入場制限、この4つを実施いたします。今回の対策全体が効果を上げるには、国と自治体がしっかり連携、協力し、国民の御協力を頂くことが極めて重要であります。
    • 今後、国と宣言対象の各都府県との連絡会議を新たに設け、この連絡会議での議論を通じて、自治体には地域の実情を踏まえた対策を実行していただき、国は最大限必要な支援を行ってまいります。最近の国内の厳しい状況や海外からの入国者から変異株が確認された事例を踏まえ、さらに徹底した水際対策を行うことといたします。
    • 感染拡大を食い止めるため、各大臣におかれては、本日の決定に基づいて、引き続き、全力で対策に当たってください。

首相官邸 新型コロナウイルス感染症対策本部
▼第51回(令和3年1月7日開催)資料
  • 感染状況について
    • 全国の新規感染者数は、東京を中心とした首都圏(1都3県)で年末にかけてさらに増加したことに伴い、増加傾向が続き、過去最多の水準となっている。
    • 実効再生産数:全国的には1を上回る水準が続いている(12月19日時点)。東京等首都圏、愛知などで1週間平均で1を超える水準となっている(12月21日時点)。
    • 年末年始も含め、首都圏、中部圏、関西圏では多数の新規感染者が発生しており、入院者数、重症者数、死亡者数の増加傾向が続いている。対応を続けている保健所や医療機関の職員はすでに相当に疲弊している。入院調整に困難をきたす事例や通常の医療を行う病床の転用が求められる事例など通常医療への影響も見られており、各地で迅速な発生時対応や新型コロナの診療と通常の医療との両立が困難な状況の拡大が懸念される。また、入院調整が難しい中で、高齢者施設等でのクラスターの発生に伴い、施設内で入院の待機を余儀なくされるケースも生じている。
    • 英国、南アフリカで増加がみられる新規変異株は、世界各地で検出されている。国内では、海外渡航歴のある症例又はその接触者からのみ検出されている。従来株と比較して感染性が高い可能性を鑑みると、国内で持続的に感染した場合には、現状より急速に拡大するリスクがある。
  • 感染拡大地域の動向
    • 北海道 新規感染者数は減少傾向が続いていたが、足下ではその傾向が鈍化。新規感染の多くは病院・施設内の感染。旭川市の医療機関および福祉施設内の感染状況は引き続き注意が必要。
    • 首都圏 東京都で新規感染者数の増加が継続し、直近の一週間では10万人あたり45人を超えている。医療提供体制も非常に厳しい状況が継続。救急の応需率にも影響が出始めている。また、病床確保のため、通常の医療を行う病床の転用が求められているが、医療機関の努力による対応が厳しい状況が生じてきている。保健所での入院等の調整も厳しさが増している。感染者の抑制のための実効的な取組が求められる状況にあり、感染経路は不明者が多いが飲食の場を中心とした感染の拡大が推定される。首都圏全体でも、埼玉、神奈川、千葉でも新規感染者数の増加が継続しており、医療提供体制が厳しい状況。
    • 関西圏 大阪では新規感染者数が漸減しているが、依然高い水準。医療提供体制が厳しい状況も継続。院内・施設内感染と市中での感染が継続。兵庫でも感染が継続。医療提供体制が厳しい状況。京都、滋賀、奈良でも新規感染者数の増加傾向が継続。
    • 中部圏 名古屋市とその周辺で感染が継続。名古屋市は新規感染者数が高止まり、減少傾向が見られない。施設での感染に伴い65歳以上の高齢者が増加。医療提供体制及び公衆衛生体制の厳しさが増している。岐阜県でもクラスターの発生に伴い新規感染者数が増加。
    • その他、栃木、群馬、広島、福岡、長崎、熊本、宮崎、沖縄などでも、新たな感染拡大や再拡大、多数の新規感染者数の発生の継続の動きが見られる。
  • 感染状況の分析
    • 時短要請が行われている自治体のうち、北海道、大阪では減少がみられているが、東京では、感染拡大が続いており、年末まで人流の大きな低下がみられていない。東京では、飲食などの社会活動が活発な20―50才台の世代の感染が多く、少なくとも昨年末までの感染拡大では、飲食をする場面が主な感染拡大の要因となり、これが、職場や家庭、院内・施設内の感染に繋がっているものと考えられる。
    • こうした東京での感染拡大は、周辺自治体にも波及し、埼玉、千葉、神奈川とともに首都圏では、年末も新規感染者の増加が継続し、過去最高水準となった。直近1週間の新規感染者数は、東京都だけで全国の1/4を占め、1都3県で1/2を占めている。こうした、大都市圏の感染拡大は、最近の地方における感染の発生にも影響していると考えられ、大都市における感染を抑制しなければ、地方での感染を抑えることも困難になる。
  • 必要な対策
    • 東京をはじめとする首都圏では、年末も新規感染者数の増加が継続。東京都のモニタリング会議でも、医療提供体制は逼迫し危機的状況に直面していると評価されている。1月5日の分科会の提言に基づき、早急に感染を減少させるための効果的な対策の実施が求められる。
    • 感染拡大が続き、医療提供体制、公衆衛生体制は非常に厳しい状況となっており、速やかに新規感染者数を減少させることが必要。併せて、現下の医療提供体制が非常に厳しく、こうした状況が続くことも想定される中で、昨年末にとりまとめられた「医療提供体制パッケージ」も活用し、必要な体制を確保するための支援が必要。
    • これまで大きな感染が見られなかった地域でも感染の発生が見られており、医療機関、福祉施設における感染も頻発している。特に急速な感染拡大により、医療提供体制の急速な逼迫が起こりうるため、宿泊療養施設を含め医療提供体制の準備・確保等を進めることが非常に重要。さらに、感染拡大が見られる場合には、飲食店の時短要請等の対策も検討する必要がある。
    • 感染拡大の抑制には、市民の皆様の協力が不可欠である。新年を迎え社会活動の活発化や新年会等も考えられるが、新年会の開催や参加を控え、買い物も混雑を避けていただくなど、人々が感染機会の増加につながる行動を変えていくことが求められる。また、そのためのメッセージを国・自治体等が一体感を持って発信することが必要。
    • さらに、国内の厳しい感染状況の中で、英国等で見られる変異株の流入による感染拡大を防ぐことが必要である。引き続き、変異株の監視を行うとともに、感染者が見つかった場合の積極的疫学調査の実施が求められる。また、変異株であっても、個人の基本的な感染予防策は、従来と同様に、3密の回避、マスクの着用、手洗いなどが推奨される。
  • 新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言
    1. 緊急事態宣言の発出
      • 区域:東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県 期間:令和3年1月8日から令和3年2月7日まで
    2. 緊急事態措置の具体的内容
      • 外出の自粛:不要不急の外出・移動自粛の要請、特に、20時以降の外出自粛を徹底
      • 催物(イベント等)の開催制限:別途通知する目安を踏まえた規模要件等(人数上限・収容率、飲食を伴わないこと等)を設定し、要件に沿った開催の要請
      • 施設の使用制限等:飲食店に対する営業時間の短縮(20時までとする。ただし、酒類の提供は11時から19時までとする。)の要請。関係機関とも連携し、営業時間短縮を徹底するための対策強化。飲食店以外の他の特措法施行令第11条に規定する施設(学校、保育所をはじめ別途通知する施設を除く。)についても、同様の働きかけを行う。地方創生臨時交付金に設けた「協力要請推進枠」による、飲食店に対して営業時間短縮要請等と協力金の支払いを行う都道府県に対する支援
      • 職場・出勤:「出勤者数の7割削減」を目指すことも含め接触機会の低減に向け、在宅勤務(テレワーク)等を強力に推進。事業の継続に必要な場合を除き、20時以降の勤務を抑制
      • 学校等:学校設置者及び大学等に対して一律に臨時休業を求めるのではなく、感染防止対策の徹底を要請。大学等については、感染防止と面接授業・遠隔授業の効果的実施等による学修機会の確保の両立に向けて適切に対応。部活動、課外活動、学生寮における感染防止策、懇親会や飲み会などについては、学生等への注意喚起の徹底(緊急事態宣言区域においては、部活動における感染リスクの高い活動の制限)を要請
    3. 緊急事態宣言発出・解除の考え方
      • 緊急事態宣言の発出及び解除の判断にあたっては、以下を基本として判断。その際、「ステージ判断の指標」は、目安であり、機械的に判断するのではなく、総合的に判断すべきことに留意
      • 緊急事態宣言発出の考え方
        • 国内での感染拡大及び医療提供体制・公衆衛生体制のひっ迫の状況(特に、分科会提言におけるステージⅣ相当の対策が必要な地域の状況等)を踏まえて、全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがあるか否かについて、政府対策本部長が基本的対処方針等諮問委員会の意見を十分踏まえた上で総合的に判断
      • 緊急事態宣言解除の考え方
        • 国内での感染及び医療提供体制・公衆衛生体制のひっ迫の状況(特に、緊急事態措置を実施すべき区域が、分科会提言におけるステージⅢ相当の対策が必要な地域になっているか等)を踏まえて、政府対策本部長が基本的対処方針等諮問委員会の意見を十分踏まえた上で総合的に判断 なお、緊急事態宣言の解除後の対策の緩和については段階的に行い、必要な対策はステージⅡ相当以下に下がるまで継続。
    4. その他の主な変更事項
      • 変異株の関係
      • ワクチン・予防接種の関係
      • 「感染リスクが高まる「5つの場面」」の関係
      • クラスター対策の強化(歓楽街、外国人支援等)
      • 医療機関、高齢者施設等への積極的な検査
      • 偏見・差別等への対応関係

首相官邸 新型コロナウイルス感染症対策本部
▼第50回(令和2年12月28日開催)資料
  • 感染状況について
    • 全国の新規感染者数は、増加が続き、過去最多の水準。首都圏では東京を中心に増加が続いており、関西圏、中部圏では、明らかな減少は見られない。また、大都市圏の感染拡大が波及することにより、新たな地域での感染拡大の動きも続き、全国的に感染が拡大している。
    • 実効再生産数:全国的には1を上回る水準となっている(12月6日時点)。東京等首都圏、愛知、京都、大阪、兵庫などで1週間平均で1を超える水準となっている(12月6日時点)。
    • 11月以降の対策にもかかわらず、関東圏、中部圏、関西圏では新規感染者数の明らかな減少が見られていない。これに伴い、入院者数、重症者数、死亡者数の増加が続いている。対応を続けている保健所や医療機関の職員はすでに相当に疲弊している。予定された手術や救急の受入等の制限や、病床を確保するための転院、認知症や透析の必要がある方など入院調整に困難をきたす事例など通常医療への影響も見られており、医療提供体制等が相対的に弱まる年末年始が迫る中、各地で迅速な発生時対応や新型コロナの診療と通常の医療との両立が困難な状況が懸念される。
    • 英国で、最近の流行の主な系統となった変異株については、ECDC等からは、重症化を示唆するデータは認めない一方、感染性が高いとの指摘がなされており、医療への負荷が危惧される。この変異株については、これまでのところ国内では確認されていないが、輸入リスクについて留意が必要である。
  • 感染拡大地域の動向
    • 北海道 新規感染者数は減少傾向が見られる。新規感染の多くは病院・施設内の感染。旭川市の医療機関および福祉施設内の感染状況は引き続き注意が必要。
    • 首都圏 東京都で新規感染者数の増加が継続し、直近の一週間では10万人あたり30人を超えている。医療提供体制も非常に厳しい状況が継続。重症者の受入が困難になりつつある。また、病床確保のため、通常の医療を行う病床を転用する必要性が生じてきている。感染者の抑制のための実効的な取組が求められる状況にあり、感染経路は不明者が多いが飲食を介した感染の拡大が推定される。首都圏全体でも、埼玉、神奈川、千葉でも新規感染者が増加しており、医療提供体制が厳しい状況。
    • 関西圏 大阪では新規感染者数に減少の動きが見られるが、依然高い水準。重症者数の増加も継続し、医療提供体制の厳しさが増大。院内感染と市中での感染が継続。感染経路不明割合は約6割。兵庫でも感染が継続。医療提供体制が厳しい状況。京都では新規感染者数の増加が継続。奈良でも感染が継続。
    • 中部圏 名古屋市とその周辺で感染が継続。名古屋市では新規感染者数が高止まりし、減少傾向が見られない。医療の提供体制が厳しい状況が継続。岐阜県でも感染が継続。
    • その他 沖縄は、新規感染者数は減少傾向であるが、感染が継続。その他、宮城、群馬、岡山、広島、高知、福岡、熊本などこれまで大きな感染が見られなかった地域でも、新たな感染拡大や再拡大の動きが見られる。特に、広島では、広島市を中心に新規感染者数が大幅に増加し、医療提供体制が急速に厳しくなっている。
  • 感染状況の分析
    1. 主に北海道、首都圏、愛知、大阪における11月からの対策による感染状況へのインパクトについて分析した。
      • 北海道では、飲食店の時短要請が早かった札幌では11月中旬から人流の減少がみられ、実効再生産数が1以下を継続している。北海道全体でも新規感染者数の減少が続いている。しかし、直近では実効再生産数が1に近づきつつあり、注意が必要。
      • 東京都では11月下旬に一時、実効再生産数が1以下となったが、その後1以上が継続している。時短要請が行われているものの、人流の低下は見られていない。東京の感染が継続することで周辺自治体にも拡大し、埼玉、千葉、神奈川とともに首都圏で新規感染者の増加が継続している。
      • 大阪府では、大阪市の11月下旬以降営業時短地域における人流の減少が見られ、実効再生産数が1近辺となった。大阪府でも12月中旬から新規感染者がやや減少傾向となった。しかし、関西圏で、京都は増加が継続、兵庫は高止まりの状況
      • 愛知県では人流の減少は小さく、実効再生産数も1近辺が続いている。新規感染者数は高止まりの状況。
      • 人流の増減と実効再生産数の上下には一定の関係が見られる。
    2. 以上のように、北海道以外は新規感染者数の明らかな減少が見られていない。関東圏では増加が継続しているが、特に東京における感染の継続が周辺自治体の感染拡大にも影響している。大都市圏の感染拡大は、最近の地方における感染の発生にも影響していると考えられ、大都市における感染を抑制しなければ、地方での感染を抑えることも困難になる。
    3. 飲食などの社会活動が活発な20-50才台の世代の感染が多く、大都市圏も含め直近の感染拡大では、飲食をする場面が主な感染拡大の要因と考えられる。
  • 必要な対策
    • 感染が拡大・継続している地域、特に、ステージⅢ相当の対策が必要で、分科会の提言にあるシナリオ3および2相当と考えられる地域においては、取組の強化が必要である。特に東京をはじめとする首都圏では、新規感染者数の増加が続いているため早急に対策の強化が求められる。
    • これまで大きな感染が見られなかった地域でも感染の発生が見られており、医療機関、福祉施設における感染も頻発している。特に急速な感染拡大により、医療提供体制の急速な悪化が起こりうるため、年末に向けて、宿泊療養施設を含め医療提供体制の準備・確保等を直ちに進めることが必要である。感染拡大が見られる場合には、飲食店の時短要請等の対策も検討する必要がある。
    • 感染拡大の抑制には、市民の皆様の協力が不可欠である。忘年会や新年会を避けるとともに、年末年始の買い物も混雑を避けるなど静かな年末年始を過ごしていただくよう、適切かつ強力なメッセージを発信していくことが求められる。
    • 12月14日の政府対策本部で年明けまでを見据えた対策の強化策が示されたが、こうした取組の効果を注視し、感染状況の分析・評価を進めて行く必要がある。その上で、効果が不十分であれば必要な対応を検討することが求められる。
    • さらに、国内の厳しい感染状況の中で、英国等で見られる変異株の流入による感染拡大を防ぐことが必要である。このため、関係国との往来の在り方や検査・モニタリングの在り方について、適切な対応を速やかに行うべきである。
  • 感染拡大に伴う入院患者増加に対応するための医療提供体制パッケージ
    • これまで、新型コロナウイルス感染症患者に対する医療と、必要とされる一般医療を両立して確保することを目指し、都道府県では策定した病床確保計画に基づき、病床確保を推進。
    • 一方、全国の新規感染者数の増加が続き、過去最多の水準であるなど、急激に感染拡大が進行。
    • これに伴い、入院者数、重症者数の増加が続いており、対応を続けている医療従事者への負荷も増大。今後も、継続して医療従事者へ負荷がかかることが見込まれる。
    • こうした新たな局面においても、一般医療を確保しつつ、新型コロナウイルス感染症患者に対する医療提供体制を拡充していくため、以下の取組を推進。
      1. 更なる病床確保のための新型コロナ患者の入院受入医療機関への緊急支援
      2. 既存施設等の最大限の活用等による病床確保
      3. 院内感染の早期収束支援
      4. 看護師等の医療従事者派遣の支援等による人材確保
      5. 高齢者施設等での感染予防及び感染発生時の早期収束
  • 新型コロナウイルス感染症(変異株)の状況について
    • 令和2年12月19日に、英国において感染力が高い可能性のある新型コロナウイルス感染症(変異株)が見つかったと発表。
    • 英国において報告された変異した新型コロナウイルスについては、12月21日、WHOにおいて、英国調査によると従来よりも最大70%感染しやすい可能性があること、この変異株によって重症度、抗体反応、ワクチンの有効性に何らかの影響を与えることを示唆する証拠はないこと等の見解が公表されている。
    • 我が国においては、空港検疫の検査で陽性となった患者の検体や、英国からの帰国歴のある陽性者等の検体について、国立感染症研究所において、ゲノム解析を実施。
    • <日本における変異株の確認状況>※全て英国で報告された変異株
      • 12月25日 英国から到着した乗客で、検疫における検査で陽性となった者 合計5名
      • 12月26日 英国からの帰国歴のある航空機の乗員で自宅待機中に陽性が確認された者及びその濃厚接触者 合計2名
      • 12月27日 英国から帰国した乗客で、検疫における検査で陰性、宿泊施設で待機中に陽性が確認された者 1名
  • 水際対策強化に係る新たな措置(2)(令和2年12月25日)
    1. 南アフリカ共和国からの新規入国の一時停止
      • 「国際的な人の往来の再開」(第43回新型コロナウイルス感染症対策本部(令和2年9月25日)資料4の1(2))に基づき、本年10月1日から、防疫措置を確約できる受入企業・団体がいることを条件として、原則として全ての国・地域からの新規入国を許可しているところであるが、12月26日以降、当分の間、この仕組みによる南アフリカ共和国からの新規入国を拒否する。
      • (注)上記に基づく措置は、12月26日午前0時(日本時間)前に外国を出発し、同時刻以降に到着した者は対象としない。
    2. 南アフリカ共和国への短期出張からの帰国・再入国時における特例措置の一時停止
      • 「国際的な人の往来の再開」(第44回新型コロナウイルス感染症対策本部(令和2年10月30日)資料5の1)に基づき、本年11月1日から、日本在住の日本人及び在留資格保持者を対象に、全ての国・地域への短期出張からの帰国・再入国時に、防疫措置を確約できる受入企業・団体がいることを条件に、14日間待機緩和を認めているところであるが、12月26日以降、当分の間、この仕組みによる南アフリカ共和国からの帰国者・再入国者については14日間待機緩和を認めない。
    3. 検疫の強化
      1. 南アフリカ共和国から帰国する日本人については、新たに出国前72時間以内の検査証明を求める(12月29日の帰国者から当分の間)。帰国時に検査証明を提出できない帰国者に対しては、検疫所長の指定する場所(検疫所が確保する宿泊施設に限る。)で14日間待機することを要請する。また、12月26日以降、当分の間、新たに帰国時に位置情報の保存等(接触確認アプリのダウンロード及び位置情報の記録)について誓約を求める。
      2. 南アフリカ共和国から再入国する在留資格保持者については、出国前72時間以内の検査証明を求めていたところであるが、これに加え、12月26日以降、当分の間、新たに入国時に位置情報の保存等(接触確認アプリのダウンロード及び位置情報の記録)について誓約を求める。
        • 以上の対象者は、本邦への帰国日又は上陸申請日前14日以内に南アフリカ共和国における滞在歴のある者
      3. 英国及び南アフリカ共和国から入国して14日間経過していない者について、健康フォローアップを徹底する。
      4. オーストラリアは入国拒否対象地域とはなっておらず、本邦への帰国又は上陸申請日前14日以内に同国に滞在歴のある者について、空港での検査を原則実施していないが、12月26日以降、新たに空港での検査を実施する。
        • (4)の対象者は、本邦への帰国日又は上陸申請日前14日以内にオーストラリアにおける滞在歴のある者
    4. 南アフリカ共和国への短期渡航の自粛要請南アフリカ共和国に対しては、現状、感染症危険情報レベル3(渡航中止勧告)が出ていることも踏まえ、日本在住の日本人及び在留資格保持者に対し、日本への帰国・再入国を前提とする南アフリカ共和国への短期渡航を当分の間、自粛するよう改めて要請する。
  • 水際対策強化に係る新たな措置(4)(令和2年12月26日)
    1. 全ての国・地域からの新規入国の一時停止
      • 「国際的な人の往来の再開」(第43回新型コロナウイルス感染症対策本部(令和2年9月25日)資料4の1(2))に基づき、本年10月1日から、防疫措置を確約できる受入企業・団体がいることを条件として、原則として全ての国・地域からの新規入国を許可しているところであるが、本年12月28日から令和3年1月末までの間、この仕組みによる全ての国・地域(英国及び南アフリカ共和国を除く)からの新規入国を拒否する。
      • (注1)上記1.に基づく措置は、12月28日午前0時(日本時間)から行うものとする。
      • (注2)この仕組みを使うことを前提とした発給済みの査証を所持する者については、原則として入国を認める。
      • ただし、本邦への上陸申請日前14日以内に英国または南アフリカ共和国における滞在歴のある者、並びに令和3年1月4日午前0時(日本時間)以降の入国者で、本邦への上陸申請日前14日以内に感染症危険情報レベル3(渡航中止勧告)対象国・地域における滞在歴のある者を除く。
    2. 全ての国・地域への短期出張からの帰国・再入国時における特例措置の一時停止
      • 「国際的な人の往来の再開」(第44回新型コロナウイルス感染症対策本部(令和2年10月30日)資料5の1)に基づき、本年11月1日から、日本在住の日本人及び在留資格保持者を対象に、全ての国・地域への短期出張からの帰国・再入国時に、防疫措置を確約できる受入企業・団体がいることを条件に、14日間待機緩和を認めているところであるが、本年12月28日から令和3年1月末までの間、この仕組みによる全ての国・地域(英国及び南アフリカ共和国を除く)からの帰国者・再入国者について、14日間待機緩和を認めない。
    3. 検疫の強化
      • 国内で変異ウイルスの感染者が確認されたと政府当局が発表している国・地域(英国及び南アフリカ共和国は除く)(注1)からのすべての入国者及び帰国者(ビジネス・トラック及びレジデンス・トラックによる入国者及び帰国者を除く。)について、本年12月30日から令和3年1月末までの間、出国前72時間以内の検査証明を求めるとともに、入国時の検査を実施する。検査証明を提出できない者に対しては、検疫所長の指定する場所(検疫所が確保する宿泊施設に限る。)で14日間待機することを要請する。
      • (注1)該当する国・地域は、外務省及び厚生労働省において確認の都度、指定し公表する。12月26日現在、該当する国・地域は以下のとおり。フランス、イタリア、アイルランド、アイスランド、オランダ、デンマーク、ベルギー、オーストラリア、イスラエル
      • (注2)本邦への上陸申請日前14日以内に注1の国・地域に滞在歴のある入国者及び帰国者を対象とする。
      • (注3)上記3.に基づく措置は、12月30日午前0時(日本時間)から行うものとする。今後指定された国・地域については、指定の日の4日後の日の午前0時から実施する。

首相官邸 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部) デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針
▼デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針 概要
  • デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会~誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化~
  • デジタル社会形成の基本原則((1)オープン・透明、(2)公平・倫理、(3)安全・安心、(4)継続・安定・強靱、(5)社会課題の解決、(6)迅速・柔軟、(7)包摂・多様性、(8)浸透、(9)新たな価値の創造、(10)飛躍・国際貢
  • IT基本法の見直しの考え方
    1. IT基本法施行後の状況の変化・法整備の必要性
      • データの多様化・大容量化が進展し、その活用が不可欠
      • 新型コロナウイルス対応においてデジタル化の遅れ等が顕在化
      • IT基本法の全面的な見直しを行い、デジタル社会の形成に関する司令塔としてデジタル庁(仮称)を設置
    2. どのような社会を実現するか
      • 国民の幸福な生活の実現:「人に優しいデジタル化」のため徹底した国民目線でユーザーの体験価値を創出
      • 「誰一人取り残さない」デジタル社会の実現:アクセシビリティの確保、格差の是正、国民への丁寧な説明
      • 国際競争力の強化、持続的・健全な経済発展:民間のDX推進、多様なサービス・事業・就業機会の創出、規制の見直し
    3. デジタル社会の形成に向けた取組事項
      • ネットワークの整備・維持・充実、データ流通環境の整備
      • 行政や公共分野におけるサービスの質の向上
      • 人材の育成、教育・学習の振興・安心して参加できるデジタル社会の形成
    4. 役割分担
      • 民間が主導的役割を担い、官はそのための環境整備を図る
      • 国と地方が連携し情報システムの共同化・集約等を推進
    5. 国際的な協調と貢献、重点計画の策定
      • データ流通に係る国際的なルール形成への主体的な参画、貢献
      • デジタル社会形成のため、政府が「重点計画」を作成・公表
  • デジタル庁(仮称)設置の考え方
    1. 基本的考え方
      • 強力な総合調整機能(勧告権等)を有する組織
      • 基本方針策定などの企画立案、国等の情報システムの統括・監理、重要なシステムは自ら整備
    2. デジタル庁(仮称)の業務
      • 国の情報システム:基本的な方針を策定。予算を一括計上することで、統括・監理。重要なシステムは自ら整備・運用
      • 地方共通のデジタル基盤:全国規模のクラウド移行に向けた標準化・共通化に関する企画と総合調整
      • マイナンバー:マイナンバー制度全般の企画立案を一元化、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)を国と地方が共同で管理
      • 民間・準公共部門のデジタル化支援:重点計画で具体化、準公共部門の情報システム整備を統括・監理
      • データ利活用:ID制度等の企画立案、ベース・レジストリ整備
      • サイバーセキュリティの実現:専門チームの設置、システム監査
      • デジタル人材の確保:国家公務員総合職試験にデジタル区分(仮称)の創設を検討要請
    3. デジタル庁(仮称)の組織
      • 内閣直属。組織の長を内閣総理大臣とし、大臣、副大臣、大臣政務官、特別職のデジタル監(仮称)、デジタル審議官(仮称)他を置く
      • 各省の定員振替・新規増、非常勤採用により発足時は500人程度
      • CTO(最高技術責任者)やCDO(最高データ責任者)等を置き、官民問わず適材適所の人材配置
      • 地方公共団体職員との対話の場「共創プラットフォーム」を設置
      • 令和3年9月1日にデジタル庁(仮称)を発足

【2020年12月】

首相官邸 第7回 特定複合観光施設区域整備推進本部 会合 議事次第
▼資料2-1 特定複合観光施設区域整備推進本部におけるIR事業者等との接触のあり方に関するルール案 概要
  • 第1条(目的)
    • IR推進本部は、IR整備法の施行状況について検討を加える等の立場にあることから、厳格な接触ルールを定め、公正性・透明性の確保を徹底する。
  • 第2条(定義)
    • 「本部員等」、「事務局員等」、「IR事業者等」、「面談」などについて定義。
    • 「面談」:儀礼的な挨拶にとどまらず、本部の所掌事務に関する具体的な話題に及ぶもの
  • 第3条(本部員等が行う面談)
    • 本部員等は、あらかじめ、面談に該当するかどうかについて確認し、該当するときは、面談に部下の職員を同席させる。
  • 第4条(事務局員等が行う面談)
    • 事務局員等が行う面談は、複数の事務局員等により対応することとし、事前事後に上司に報告する。
  • 第5条(面談における留意事項)
    • 面談は、原則として、庁舎内において行う。施設の視察等を行う必要がある場合は、この限りでない。
    • 特定のIR事業者等を優遇しているとの疑念を生じないよう留意するとともに、特定のIR事業者等に不当に有利又は不利にならないように、情報提供は、公平・公正に行う。
  • 第6条(面談の記録の作成及び公表)
    • 面談を行ったときは、面談の記録を作成し、区域認定日より10年後まで保存する。
    • 面談の記録は、情報公開法の規定に従い、不開示情報を除いて開示される。
  • 第7条(面談以外の接触における留意事項)
    • 電話、メール又はFAXのやり取りは、日程調整等の事務連絡等にとどめ、事務局員等は、そのやり取りを上司に報告する。
  • 第8条(適用期間)
    • このルールは、基本方針の決定日から適用する。(基本方針とあわせてIR推進本部において決定)

首相官邸 全世代型社会保障検討会議
▼全世代型社会保障改革の方針(令和2年12月15日閣議決定)
  • 全世代型社会保障改革の基本的考え方
    • 菅内閣が目指す社会像は、「自助・共助・公助」そして「絆」である。まずは自分でやってみる。そうした国民の創意工夫を大事にしながら、家族や地域で互いに支え合う。そして、最後は国が守ってくれる、セーフティネットがしっかりとある、そのような社会を目指している。
    • 社会保障制度についても、まずは、国民1人1人が、仕事でも、地域でも、その個性を発揮して活躍できる社会を創っていく。その上で、大きなリスクに備えるという社会保険制度の重要な役割を踏まえて、社会保障各制度の見直しを行うことを通じて、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築し、次の世代に引き継いでいく。
    • まず、我が国の未来を担うのは子供たちである。長年の課題である少子化対策を大きく前に進めるため、本方針において、不妊治療への保険適用の早急な実現、待機児童の解消に向けた新たな計画の策定、男性の育児休業の取得促進といった少子化対策をトータルな形で示す。
    • 一方、令和4年(2022年)には、団塊の世代が75歳以上の高齢者となり始める中で、現役世代の負担上昇を抑えることは待ったなしの課題である。そのためにも、少しでも多くの方に「支える側」として活躍いただき、能力に応じた負担をいただくことが必要である。このため、本方針において高齢者医療の見直しの方針を示す。
    • このような改革に取り組むことで、現役世代への給付が少なく、給付は高齢者中心、負担は現役世代中心というこれまでの社会保障の構造を見直し、切れ目なく全ての世代を対象とするとともに、全ての世代が公平に支え合う「全世代型社会保障」への改革を更に前に進めていく。
  • 不妊治療への保険適用等
    • 子供を持ちたいという方々の気持ちに寄り添い、不妊治療への保険適用を早急に実現する。具体的には、令和3年度(2021年度)中に詳細を決定し、令和4年度(2022年度)当初から保険適用を実施することとし、工程表に基づき、保険適用までの作業を進める。保険適用までの間、現行の不妊治療の助成制度について、所得制限の撤廃や助成額の増額(1回30万円)等、対象拡大を前提に大幅な拡充を行い、経済的負担の軽減を図る。また、不育症の検査やがん治療に伴う不妊についても、新たな支援を行う。
    • 同時に、不妊治療のみならず、里親制度や特別養子縁組等の諸制度について周知啓発を進める。また、児童虐待の予防の観点から、地域で子供を見守る体制の強化や児童福祉施設による子育て家庭への支援の強化を着実に推進する。さらに、不妊治療と仕事の両立に関し、社会的機運の醸成を推進するとともに、中小企業の取組に対する支援措置を含む、事業主による職場環境整備の推進のための必要な措置を講ずる。
  • 待機児童の解消
    • 政権交代以来、72万人の保育の受け皿を整備し、今年の待機児童は、調査開始以来、最小の1万2千人となった。待機児童の解消を目指し、女性の就業率の上昇を踏まえた保育の受け皿整備、幼稚園やベビーシッターを含めた地域の子育て資源の活用を進めるため、年末までに「新子育て安心プラン」を取りまとめる。
    • 具体的には、安定的な財源を確保しながら、令和3年度(2021年度)から令和6年度(2024年度)末までの4年間で約14万人分の保育の受け皿を整備する。その際、保育ニーズが増加している地域、マッチングの強化が必要な地域など、地域の特性に応じた支援に取り組み、地域のあらゆる子育て資源の活用を図る。
  • 医療提供体制の改革
    • 第1次中間報告では医療提供体制の改革の方向性が示されたところであるが、今般の新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、有事に必要な対策が機動的に講じられるよう、都道府県の医療計画に新興感染症等への対応を位置づけるとともに、地域医療構想については、中長期の医療需要の変化を見据え、各医療機関の役割分担を継続的に協議する基本的枠組みは維持し、その財政支援等を行う。
    • 外来医療においては、大病院における患者の待ち時間や勤務医の外来負担等の問題に鑑み、かかりつけ医機能の強化とともに、外来機能の明確化・連携を図る。このため、まずは、医療資源を多く活用する外来に着目して、医療機関が都道府県に外来機能を報告する制度を創設し、地域の実情に応じて、紹介患者への外来を基本とする医療機関を明確化する。
    • あわせて、安全性・信頼性の担保を前提としたオンライン診療を推進するとともに、医師の健康を確保し医療の質・安全の向上を図るための医師の働き方改革、医療関係職種の専門性を生かした医療提供体制の推進、医師偏在に関する実効的な対策を進める。
  • 後期高齢者の自己負担割合の在り方
    • 第1次中間報告では、「医療においても、現役並み所得の方を除く75歳以上の後期高齢者医療の負担の仕組みについて、負担能力に応じたものへと改革していく必要がある。これにより、2022年にかけて、団塊の世代が75歳以上の高齢者となり、現役世代の負担が大きく上昇することが想定される中で、現役世代の負担上昇を抑えながら、全ての世代が安心できる社会保障制度を構築する。」とされた上で、「後期高齢者(75歳以上。現役並み所得者は除く)であっても一定所得以上の方については、その医療費の窓口負担割合を2割とし、それ以外の方については1割とする。」としたところである。
    • 少子高齢化が進み、令和4年度(2022年度)以降、団塊の世代が後期高齢者となり始めることで、後期高齢者支援金の急増が見込まれる中で、若い世代は貯蓄も少なく住居費・教育費等の他の支出の負担も大きいという事情に鑑みると、負担能力のある方に可能な範囲でご負担いただくことにより、後期高齢者支援金の負担を軽減し、若い世代の保険料負担の上昇を少しでも減らしていくことが、今、最も重要な課題である。
    • その場合にあっても、何よりも優先すべきは、有病率の高い高齢者に必要な医療が確保されることであり、他の世代と比べて、高い医療費、低い収入といった後期高齢者の生活実態を踏まえつつ、自己負担割合の見直しにより必要な受診が抑制されるといった事態が生じないようにすることが不可欠である。
    • 今回の改革においては、これらを総合的に勘案し、後期高齢者(75歳以上。現役並み所得者は除く)であっても課税所得が28万円以上(所得上位30%2)かつ年収200万円以上(単身世帯の場合。複数世帯の場合は、後期高齢者の年収合計が320万円以上)の方に限って、その医療費の窓口負担割合を2割とし、それ以外の方は1割とする。
  • 大病院への患者集中を防ぎかかりつけ医機能の強化を図るための定額負担の拡大
    • 現在、特定機能病院及び一般病床200床以上の地域医療支援病院について、紹介状なしで外来受診した場合に定額負担(初診5,000円)を求めているが、医療提供体制の改革において、地域の実情に応じて明確化される「紹介患者への外来を基本とする医療機関」のうち一般病床200床以上の病院にも対象範囲を拡大する。
    • また、より外来機能の分化の実効性が上がるよう、保険給付の範囲から一定額(例:初診の場合、2,000円程度)を控除し、それと同額以上の定額負担を追加的に求めるよう仕組みを拡充する。
  • 現役世代への給付が少なく、給付は高齢者中心、負担は現役世代中心というこれまでの社会保障の構造を見直し、切れ目なく全ての世代を対象とするとともに、全ての世代が公平に支え合う「全世代型社会保障」の考え方は、今後とも社会保障改革の基本であるべきである。本方針を速やかに実施するとともに、今後そのフォローアップを行いつつ、持続可能な社会保障制度の確立を図るため、総合的な検討を進め、更なる改革を推進する。

首相官邸 新型コロナウイルス感染症対策本部
▼新型コロナウイルス感染症対策本部(第 49 回)
  • 感染状況について
    • 新規感染者数は、過去最多の水準が続いており、引き続き最大限の警戒が必要な状況。特に、北海道や首都圏、関西圏、中部圏を中心に連日多数の新規感染者数の発生が続いている。また、これまで大きな感染が見られなかった地域で感染拡大の動きが見られている。気温の低下など感染増加の要因も強まると考えられる中、現在、感染拡大が生じていない地域でも感染の拡大が生じうる可能性があり、警戒が必要。
    • 実効再生産数:全国的には1をわずかに下回る水準となっている (11月22日時点)。北海道、東京、愛知などで1週間平均で1を超える水準となっている(11月24日時点)。
    • 今般の感染拡大では新規感染者の規模が大きく、高齢者の絶対数も多くなっている。これに伴い、入院者数、重症者数の増加が続いており、医療提供体制及び公衆衛生体制への負荷が増大している。また、死亡者数も増加している。重症者数は、新規感染者の動きから遅れる傾向があり、重症者数の増加がしばらく続くおそれがあるが、既に多数の入院者・重症者等への対応を続けている医療提供体制には影響が生じている。一部地域では他地域や自衛隊からの看護師の応援が始まっている。また、例えば認知症や透析の必要がある方など入院調整に困難をきたす事例もあり、予定された手術や救急の受入等の制限、病床を確保するための転院などの事例も見られている。各地で新型コロナの診療と通常の医療との両立が困難な状況がみられることも続いている。
    • 感染者の検知が難しい、見えにくいクラスターが感染拡大の一因となっていることが考えられる。20-50才台の社会活動が活発な世代で移動歴のある人による2次感染がその他の世代と比べ多くなっており、こうした世代では感染しても無症状あるいは軽症のことが多いため、本人が意識しないまま感染拡大につながっていることも想定され、それが、医療機関や高齢者施設等での感染に繋がっていると考えられる。
  • 感染拡大地域の動向
    1. 北海道 新規感染者数は減少傾向であるが、引き続き多くの感染者が発生しており、札幌市を中心に医療体制が厳しい状況。旭川市でも院内感染が継続し、施設内感染も発生し、市中での感染もあり、厳しい状況が続いている。
    2. 首都圏 東京都内全域で多くの感染者の発生が継続しており、減少傾向が見られず、医療体制は非常に厳しい状況。感染経路不明割合は約6割。首都圏全体でも、埼玉、神奈川、千葉でも感染が継続しており、医療体制が厳しい状況。特に埼玉は減少傾が見られない。
    3. 関西圏 大阪では大阪市を中心に新規感染者の発生が継続。重症者数の増加も継続し、医療体制の厳しさが増大。院内感染と市中感染が継続。感染経路不明割合は約6割。兵庫でも感染が拡大。医療体制が厳しい状況。京都では更なる増加傾向が見られる。
    4. 中部圏 名古屋市とその周辺で感染が拡大。感染経路不明割合は約5割。医療機関での対応も厳しさが増大。また、静岡でも、接待を伴う飲食店等でクラスターが発生し、感染が継続。岐阜でも感染が拡大。
    5. 沖縄県 接待を伴う飲食店などでクラスターが発生し、感染が継続。感染経路不明割合は約5割。医療体制が厳しくなりつつある。
  • 今後の対応について
    • 感染が拡大している地域では、医療資源を重症化するリスクのある者等に重点化していくために、医師が入院の必要がないと判断した無症状病原体保有者や軽症者については、介護が必要な高齢者も含めて、宿泊療養及び自宅療養の体制を整備することも検討が必要である。また、自治体のニーズに応じて、保健所への保健師等の派遣や自治体間の入院調整支援、医療体制が逼迫している地域への看護師などの医療スタッフ派遣、特に重症者が多くなる地域に対して関係学会と連携した専門医派遣等の支援を行うことが必要。
    • 一方、これまで大きな感染が見られなかった地域でも感染の発生が見られており、特に比較的医療提供体制が弱い地域ではその体制が急速に悪化し、感染が急拡大する可能性があり、また、年末年始に感染が増加することで、医療提供体制全体の危機を招く可能性もある。このため、現時点では大きな感染が見られない地域でも、どこにでも急速な感染拡大が起こりうるという危機感を持って、宿泊療養施設を含め医療提供体制の準備・確保等を直ちに進める必要がある。
    • 感染が拡大した中で年末年始を迎えることは、厳しい医療提供体制の中で、更なる感染拡大にも繋がる可能性もあり、都道府県知事のリーダーシップの下、感染状況を踏まえた適切な対策の速やかな実施や対策の準備を進めて行くことが求められる。また、市民の皆様にも新年会や忘年会、帰省などで感染拡大を起こさず、静かな年末年始を過ごしていただくなどの協力が必要であり、そのためのメッセージを発信していくことが求められる。
    • 併せて、20-50才台の社会活動が活発な世代で移動歴のある人による2次感染がその他の世代と比べ多くなっており、特に若年層や働き盛りの世代などに対し様々なチャネルを活用することで、移動や飲食の場面も含むマスクの徹底など実際の行動変容につなげることが必要。
    • これまで分科会から政府への提言を踏まえた対策が国と自治体の連携の下、実行されているが、早期に取り組んだ地域で一定の効果をあげているものの、全体として必ずしも新規感染者数を減少させることに成功しているとは言い難い。感染拡大を抑止できない状況が続けば、新型コロナウイルス感染症対策を含めた公衆衛生体制や医療提供体制全体の危機を招く可能性がある。医療提供体制が相対的に弱くなる年末年始が近づいており、緊張感を持って対応することが求められる。12月中旬を目途に感染拡大が沈静化に向かうかどうかを評価し、今後の更なる施策について早急に検討する必要がある。
  • 北海道・大阪府への人的支援
    1. 北海道への人的支援
      • 厚生労働省から、専門職や職員等29名を派遣中(12月13日時点)
      • クラスター班の専門家:9名
      • 厚生労働省DMAT支援チーム:9名
      • 支援調整のための厚生労働省職員:3名
      • 保健所支援のための保健師、専門家等:8名
      • 自衛隊から、災害派遣要請に基づき、看護官等10名を派遣(12月8日派遣決定、9日~活動開始)
      • 全国知事会の調整により、13県より看護師20名を順次派遣(12月1日~)
    2. 大阪府への人的支援
      • 厚生労働省から、保健師等3名を派遣中(12月13日時点)
      • 保健所支援のための保健師等:3名
      • 自衛隊から、災害派遣要請に基づき、看護官等7名を派遣(12月11日派遣決定、15日~活動開始予定)
      • 全国知事会の調整により、13府県より看護師26名を順次派遣予定(12月16日~)

首相官邸 マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ(第6回)議事次第
▼資料1:マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ報告(案)の概要
  • 目標とするデジタル政府・デジタル社会の姿 「国民の満足度を最大化するデジタル政府・デジタル社会」
    • 国民の視点、国民のためを常に意識し、追究する
    • 「人に優しい」「誰一人取り残さない」「豊かで活力が溢れる」政府・社会を形成する
  • 11の個別目標
    • あらゆる行政手続がスマホから簡単にできる(デジタル・ファースト)
    • 緊急時の事務を速やかに処理できる
    • 行政事務が抜本的に効率化され、正確性・サービスの質も向上する(BPR)
    • システムコストを大幅に削減する
    • 安全でユーザーフレンドリーなデジタル行政・取引が展開される
    • 政府のAPI活用等により民間企業の生産性が向上する
    • 行政機関等から同じ情報を聞かれない(ワンス・オンリー)
    • あらゆる行政サービスを迅速・確実に受けられる
    • 公正な負担と給付が実現されている社会が創出される
    • セキュリティが大きく向上する
    • 政府のデータ活用等により官民の魅力あるサービスが創出される
  • 33の課題を解決するための取組方針
    • 自治体等が突発的な事務に対応できる汎用システムである「(仮称)自治体等共通SaaS基盤」の構築
    • 国・地方がともに活用できる複数のクラウドサービスの利用環境である「(仮称)Gov-Cloud」の仕組みの整備
    • 自治体の業務システムの標準化・共通化・「(仮称)Gov-Cloud」活用
    • 情報連携基盤(「公共サービスメッシュ」)の構築(分散管理を前提とした社会保障・税・災害の3分野以外におけるマイナンバーを利用した情報連携の検討、行政事務全般における機関別符号のみを利用した情報連携の検討、プッシュ通知、情報連携に係るアーキテクチャの抜本的見直し)
    • 利便性の高い国民・民間事業者向けポータルサイト等の構築(「民間タッチポイント」)
    • ネットワーク構造の抜本的な見直し(ガバメントネットワーク整備プロジェクト)
    • オープンデータ等を提供する各種APIの開発・提供の推進
    • オンラインによる手続の完結、即日給付の実現等のためのシステム等の整備
    • 多様な住民サービス等に対応したシステム環境整備(申請受付システムの整理及びUX・UIの改善等)
    • 海外でも利用可能となるようにマイナンバーカードへの日本国政府、西暦、ローマ字の表記:2024年のマイナンバーカード海外利用開始に合わせた運用開始
    • 金融:公金受取口座、複数口座の管理や相続等の利便向上、ATMによる口座振込(マネロン対策・特殊詐欺対策)、預貯金付番の在り方の検討
    • マイナポータルのUX・UIの抜本改善(アジャイル開発による改善、全自治体の接続実現、申請項目の自動入力、標準様式プリセット、業務システム連携)
    • マイナンバーカードの機能(電子証明書)のスマートフォンへの搭載の実現
    • 顔認証技術を活用したコンビニでの電子証明書の暗証番号初期化・再設定(ロック解除)
    • スマホ格納の電子証明書の利用に当たり生体認証を活用する方策について検討
    • J-LISから民間事業者等の署名検証者に、本人同意を前提とした、氏名・住所等の基本4情報を提供
    • 運転免許証のデジタル化
    • 在留カードとマイナンバーカードとの一体化
    • その他の国家資格証のデジタル化(各種国家資格のクラウド共通基盤の実現)
    • 郵便局における電子証明書の発行・更新等の可能化
    • 自治体の業務システムの統一・標準化の加速策
    • 強力な司令塔機能を有するデジタル庁の設置
    • IT人材採用の増強
    • 自治体の「三層の対策」の見直し
    • 個人情報保護法制の見直し
    • 病床管理、感染症情報等に関する情報基盤の整備(HER-SYS、G-MIS)
    • 災害情報等に関する情報基盤の整備(被災者支援のクラウド基盤等)

首相官邸 新型コロナウイルス感染症対策本部
▼第48回(令和2年11月27日開催) 議事概要
  • 尾身会長
    • 11月20日及び25日の分科会の提言を受け、政府におかれましては、営業時間の短縮やGoToトラベル事業の見直しなどにつき、迅速かつ適切な決断をしていただいたことに感謝を申し上げます。医療提供体制は、着実に強化されてきております。しかし、ここにきて、いくつかの地域では、医療機関及び保健所への負荷が高まり、一般医療への影響も出始めています。したがって、これらの地域では、ステージⅢ相当の強力な対策が必要になってきております。
    • 最近まで、なんとか持ちこたえてきたのは、多くの方々が3密回避など行動変容に協力していただいたおかげです。
    • ところが、このウイルスの性格上、20、30、40歳代の世代を中心に、感染しても無症状又は軽症のことが多く、このことが、意図せず、感染拡大につながる重要な要素の一つとなっております。
    • 感染がここまで拡大すると、国民の行動変容に頼るだけでは、感染拡大を沈静化させることはできません。強い対策を行うことと同時に、社会全体の一体感を醸成することが、極めて重要になっています。
    • このため、分科会としては、一昨日、特にステージⅢ相当の対策が必要となる地域では、以下、提言させていただきました。(1)酒類を提供する飲食店における、営業時間の短縮要請。(2)夜間の遊興や、酒類を提供する飲食店の利用の自粛。(3)必要な感染防止対策が行われない場合は、ステージⅢ相当の対策が必要となる地域と、それ以外の地域との間の往来をなるべく控えること。(4)GoToトラベル事業の一時停止。(5)特に医療提供体制などが厳しい地域に対する、政府による、全国的な支援、などであります。
    • これらの提言を受け、極めて困難な調整であったと思案しますが、政府が自治体と連携して、多くの取組の実行を、短期間で決断していただいたことに再度、心より御礼申し上げます。最後になりますが、国民に向けて心に届くわかりやすいメッセージを今まで以上に発信していただければ幸いです。
  • 厚生労働大臣
    • 医療提供体制及び保健所への更なる負担を防ぐため、高齢者施設等に対する重点的な検査については、都道府県等に対して事務連絡を発出しており、各自治体での実施状況を把握し、その結果を踏まえて更に徹底を図ります。
    • また、都道府県等に対して、病床・宿泊療養施設確保計画に従った病床等の着実な確保、速やかなフェーズ移行のための早め早めの準備の徹底、入院勧告等ができる対象者の見直しを踏まえた運用の徹底等について周知しており、引き続き、各都道府県の取組状況を把握し、徹底してまいります。
    • さらに、国において保健所の業務支援のために応援派遣する保健師等の専門職(IHEAT)を、追加で約660名(合計で約1,220名)確保し、機動的に現場を支える体制を強化しています。
    • また、都道府県のニーズを踏まえ、都道府県の入院調整に関する、県と政令指定都市・保健所設置市間の調整支援、医療体制がひっ迫している地域への医療スタッフの派遣、特に、重症者が多くなる地域に対しての専門医派遣(ECMOネットの活用)、自衛隊・海上保安庁等による離島等からの患者搬送等の支援を実施してまいります。
    • さらに、テレワークの更なる推進を含め、職場における感染予防対策の徹底について、労使団体に対する協力依頼を本日実施したところであり、併せて、冬場における商業施設等での換気の具体的な方法について示したリーフレットを作成・周知しております。引き続き、こうした取組を通じて重症者や死亡者の発生を可能な限り食い止め、今後の感染拡大防止に取り組んでまいります。
  • 内閣総理大臣
    • 一昨日、新型コロナ分科会から、医療がひっ迫しているという強い危機感の下に、この3週間に集中して、感染拡大地域において早期に強い措置を講ずることが必要との提言を頂きました。
    • その中でも飲食における感染リスクをかねて指摘いただいており、それに対応して、飲食店の時間短縮が極めて重要と考えております。札幌市に加えて、本日から、東京、大阪、名古屋市で時間短縮要請が順次実施されます。御協力いただいた全ての店舗に対して、国としてしっかりと支援してまいります。
    • GoToイートについては、政府からの要請に対応して10都道府県で新規販売停止、9都道府県で4人以下の人数制限を実施しております。GoToトラベルについて、分科会からの提言を踏まえて、到着分の一時停止を決定している札幌市・大阪市について、出発分についても利用を控えるよう直ちに呼びかけることといたします。その際のキャンセル代については、利用者やホテル・旅館の御負担がないように措置をいたします。
    • また、医療提供体制のひっ迫に対応するため、各都道府県で計画に沿って早急に病床確保を進めるとともに、より入院の必要性の高い方を優先するよう、自治体の運用を徹底させます。また、感染拡大地域において、保健所に派遣するための専門職をこれまでの倍の1,200名確保しており、これらの方々を各地にしっかり派遣することで、必要となる保健所をしっかり支援してまいります。さらに、重症者の発生を可能な限り食い止めるために、感染拡大地域の高齢者施設等の入所者・従事者に対する集中的な検査を国の負担により早急に実施し、その状況をしっかりフォローいたします。
    • 各大臣におかれては、この感染拡大を何としても乗り越えながら、国民の命と暮らしを守り抜くため、自治体と緊密に連携してこれらの対策に全力で当たっていただきたいと思います。

【衆議院/参議院】

※現在、該当の記事はありません。

【内閣府】

【2021年2月】

内閣府 月例経済報告等に関する関係閣僚会議
▼令和3年2月 閣僚会議資料
  • 日本経済の基調判断
    • 現状【下方修正】
      • 景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部に弱さがみられる。
      • (先月の判断)景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、持ち直しの動きがみられる。
    • 先行き
      • 先行きについては、緊急事態宣言の解除後も感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていくなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直していくことが期待される。ただし、内外の感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要がある。また、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある
    • 政策の基本的態度
      • 政府は、東日本大震災からの復興・創生、激甚化・頻発化する災害への対応に取り組むとともに、決してデフレに戻さないとの決意をもって、新型コロナウイルス感染症の感染対策に万全を期す中で、雇用の確保と事業の継続を通じて、国民の命と暮らしを守り抜く。その上で、「経済財政運営と改革の基本方針2020」等に基づき、デジタル改革やグリーン社会の実現などの新たな目標について、規制改革など集中的な改革、必要な投資を行い、再び力強い経済成長を実現する。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対しては、2月2日に、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象を2月8日以降について10都府県に変更するとともに、期間を3月7日まで延長したところであり、引き続き、感染拡大の抑制を最優先に対策を徹底する。経済への影響に対しては、重点的・効果的な支援に万全を期す。さらに、成長分野への民間投資を大胆に呼び込みながら、生産性を高め、賃金の継続的な上昇を促し、民需主導の成長軌道の実現につなげる。政府は、「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」等を具体化する令和2年度第3次補正予算を迅速かつ適切に執行するとともに、令和3年度予算及び関連法案の早期成立に努める。引き続き、感染状況や経済的な影響を注視しながら、予備費も活用して機動的に必要な支援策を講じていく。
      • 日本銀行においては、企業等の資金繰り支援に万全を期すとともに、金融市場の安定を維持する観点から、金融緩和を強化する措置がとられている。日本銀行には、感染症の経済への影響を注視し、適切な金融政策運営を行い、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標を実現することを期待する。
  • 我が国のGDP(2020年10-12月期)
    • 2020年の実質GDP成長率は、リーマンショック後(2009年)ほどではないものの、▲4.8%と大幅な落ち込みとなった。
    • 10-12月期の実質GDP成長率は、前期比3.0%(年率換算12.7%)と2期連続増加。個人消費や輸出の増加に加え、設備投資も3期ぶりに増加。日本経済の潜在的な回復力を感じさせる内容。
    • IMFによれば、我が国の実質GDPは、2021年下半期に、アメリカに次いで早期にコロナ前の水準を回復する見通し。
  • 個人消費
    • 週当たり消費額をみると、年末年始には、過去3年(2017~19年)より低いものの活発な消費行動がみられた。その後は、緊急事態宣言もあり、過去3年の下限程度かそれ以下の水準で推移。
    • カード支出に基づく消費動向をみると、財支出が底堅く、サービス支出が弱い二極化の動き。販売側データで具体例をみると、新車や家電は堅調。他方、外食の弱さが一段と増し、宿泊施設の稼働率も低調な状態が続く。総じてみれば、個人消費は、弱含んでいる
  • 輸出・生産
    • 世界の財貿易は、9月以降、コロナ前の水準を回復。我が国の輸出も、アジア向けにけん引される形で増加し、コロナ前の水準を回復。品目別にみると、自動車関連財は、各国での生産や在庫水準の回復に伴い増勢に一服感。一方、アジア向けが多くを占める情報関連財は好調維持。
    • 製造業の生産は、5G関連などで需要が旺盛な電子部品・デバイス等を中心に持ち直しが続く。
  • 企業収益・業況・倒産
    • 10-12月期の上場企業決算の経常利益は、非製造業は前年比減が続くものの、製造業は前年を大きく上回り、総じてみれば持ち直している。製造業は自動車生産の回復や5G関連需要から増益。非製造業は運輸業や卸小売業で厳しい状況が続く。
    • 1月の街角景気は、現状判断は低下。ただし、2、3か月先の先行き判断は上昇。
    • 倒産件数は、資金繰り支援もあり、足下で緩やかに減少しているが、先行きを引き続き注視。
  • 設備投資
    • 設備投資は、機械投資に基調の反転がみられ、構築物投資には底入れの動きがあるなど、このところ持ち直しの動きがみられる。
    • 機械投資に先行する国内からの受注動向をみると、製造業では、生産の持ち直しに伴い、自動車業や生産用機械業向けなどが増加。非製造業では、5G対応とみられる通信業や情報サービス業向けなどが増加。
  • 雇用情勢
    • 雇用者数は、12月に前月から19万人減少したものの、持ち直し傾向。水準はまだ昨年3月を下回る。失業率は3%前後で推移。
    • こうした中、雇用調整助成金や休業支援金の支給金額には今年に入り増加する動き。感染再拡大に伴って生じた、休業者の暮らしの下支えや企業経営への負担緩和に寄与。
    • 1月の民間転職市場や2月のハローワークの求人には底堅さがみられるものの、いずれも昨年3月を下回る水準。総じてみれば、雇用情勢は、弱い状態が続いている。
  • 世界経済
    • 各国の回復は感染再拡大の動向や支援策の実施状況に応じて大きく異なる。
    • 20年10~12月期の欧米諸国の経済成長率は、経済活動抑制の期間や度合いが異なり、個人消費等の動向に差がみられたことから、国によりばらつきがあり、ユーロ圏やフランスではマイナス成長。
    • 失業率は、アメリカは低下傾向にあるが感染拡大前より水準が高く、欧州は政策効果もあるがこのところ横ばいあるいは上昇傾向。
    • 各国・地域の生産は、中国や台湾が大きく伸びる中で、欧米も持ち直しが続いている。

内閣府 外交に関する世論調査
  • アメリカに親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が84.0%、「親しみを感じない」とする者の割合が15.3%となっている。
  • 現在の日本とアメリカとの関係は全体として良好だと思うか聞いたところ、「良好だと思う」とする者の割合が86.3%、「良好だと思わない」とする者の割合が12.7%となっている。
  • 今後の日本とアメリカとの関係の発展は、両国や、アジア及び太平洋地域にとって重要だと思うか聞いたところ、「重要だと思う」とする者の割合が97.1%、「重要だと思わない」とする者の割合が1.9%となっている。
  • ロシアに親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が13.6%、「親しみを感じない」とする者の割合が85.7%となっている。
  • 現在の日本とロシアとの関係は全体として良好だと思うか聞いたところ、「良好だと思う」とする者の割合が24.9%、「良好だと思わない」とする者の割合が73.9%となっている。
  • 今後の日本とロシアとの関係の発展は、両国や、アジア及び太平洋地域にとって重要だと思うか聞いたところ、「重要だと思う」とする者の割合が74.9%、「重要だと思わない」とする者の割合が23.7%となっている。
  • 中国に親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が22.0%、「親しみを感じない」とする者の割合が77.3%となっている。
  • 現在の日本と中国との関係は全体として良好だと思うか聞いたところ、「良好だと思う」とする者の割合が17.1%、「良好だと思わない」とする者の割合が81.8%となっている。
  • 今後の日本と中国との関係の発展は、両国や、アジア及び太平洋地域にとって重要だと思うか聞いたところ、「重要だと思う」とする者の割合が78.2%、「重要だと思わない」とする者の割合が20.6%となっている。
  • 韓国に親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が34.9%、「親しみを感じない」とする者の割合が64.5%となっている。
  • 現在の日本と韓国との関係は全体として良好だと思うか聞いたところ、「良好だと思う」とする者の割合が16.6%、「良好だと思わない」とする者の割合が82.4%となっている。
  • 今後の日本と韓国との関係の発展は、両国や、アジア及び太平洋地域にとって重要だと思うか聞いたところ、「重要だと思う」とする者の割合が58.4%、「重要だと思わない」とする者の割合が40.4%となっている。
  • オーストラリアに親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が75.5%、「親しみを感じない」とする者の割合が23.7%となっている。
  • 現在の日本とオーストラリアとの関係は全体として良好だと思うか聞いたところ、「良好だと思う」とする者の割合が86.8%、「良好だと思わない」とする者の割合が11.9%となっている。
  • 今後の日本とオーストラリアとの関係の発展は、両国や、アジア及び太平洋地域にとって重要だと思うか聞いたところ、「重要だと思う」とする者の割合が85.6%、「重要だと思わない」とする者の割合が13.2%となっている。
  • 中東(トルコ、サウジアラビアなど)に親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が31.7%、「親しみを感じない」とする者の割合が66.9%となっている。
  • アフリカ(南アフリカ、ケニア、ナイジェリアなど)に親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が28.5%、「親しみを感じない」とする者の割合が69.9%となっている。
  • 中南米(メキシコ、ブラジル、ジャマイカなど)に親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が40.8%、「親しみを感じない」とする者の割合が57.5%となっている。
  • 北朝鮮のことについて関心を持っていることを聞いたところ、「日本人拉致問題」を挙げた者の割合が83.3%と最も高く、以下、「ミサイル問題」(73.2%)、「核問題」(70.1%)、「政治体制」(47.8%)などの順となっている。
  • 先進国は開発途上国に対して資金協力や技術協力などの開発協力を行っているが、いろいろな面から考えて、日本のこれからの開発協力についてどのように考えるか聞いたところ、「積極的に進めるべきだ」と答えた者の割合が30.6%、「現在程度でよい」と答えた者の割合が55.1%、「なるべく少なくすべきだ」と答えた者の割合が9.7%、「やめるべきだ」と答えた者の割合が2.1%となっている。
  • 開発協力による開発途上国への支援について、どのような観点から実施すべきだと思うか聞いたところ、「災害や感染症など世界的な課題に対して、各国が協力して助け合う必要があるから」を挙げた者の割合が58.9%と最も高く、以下、「エネルギー資源などの安定供給の確保に資するから」(42.8%)、「国際社会での日本への信頼を高める必要があるから」(42.8%)、「中小企業を含む日本企業や地方自治体の海外展開など、日本の経済に役立つから」(42.2%)、「開発協力は世界の平和と安定を支える手段だから」(40.6%)、「開発協力は日本の戦略的な外交政策を進める上での重要な手段だから」(40.2%)、「先進国として開発途上国を助けるのは人道上の義務又は国際的責任だから」(38.1%)などの順となっている。
  • 現在、世界の100以上の国が国連平和維持活動(国連PKO)に要員を派遣しており、日本も国際平和協力法に基づき、カンボジア、ゴラン高原、東ティモール、ハイチ、南スーダンなどの国連PKOやシナイ半島のMFO(多国籍部隊・監視団)、イラク難民支援などのための人道的な国際救援活動や、東ティモールやネパールなどでの国際的な選挙監視活動に参加してきているが、日本はこれからも、国際社会への人的貢献として、こうした活動に参加すべきと考えるか聞いたところ、「これまで以上に積極的に参加すべきだ」と答えた者の割合が20.2%、「これまで程度の参加を続けるべきだ」と答えた者の割合が61.8%、「参加すべきだが、出来るだけ少なくすべきだ」と答えた者の割合が11.2%、「参加すべきではない」と答えた者の割合が1.7%となっている。
  • 国連では、安全保障理事会(安保理)の機能を強化するとともに、安保理における各地域の代表性を高めるために、構成国数を増加する方向で議論がすすめられているが、日本が安保理の常任理事国に加わることについてどう考えるか聞いたところ、「賛成」とする者の割合が87.7%(「賛成」44.8%+「どちらかといえば賛成」42.9%)、「反対」とする者の割合が9.1%(「どちらかといえば反対」7.4%+「反対」1.7%)となっている。
  • 「非核保有国で平和主義を理念としている日本が加わることが世界の平和に役立つ」と答えた者の割合が24.6%、「世界における日本の地位からすると、世界の平和構築のために積極的に参画していくべきだ」と答えた者の割合が24.4%、「日本は国連に多大の財政的貢献を行っているのに、重要な意思決定に加われないのはおかしい」と答えた者の割合が21.0%、「安全保障に関する国連の重要な意思決定に我が国の考えを反映させることができる」と答えた者の割合が12.2%、「アジアの一代表として安保理常任理事国になることで、国連の場をより地域的に偏りのないものにすることに役立てる」と答えた者の割合が7.9%となっている。
  • 外国との経済関係を進める上で、どの分野に重点を置くべきだと思うか聞いたところ、「エネルギー・鉱物資源の確保」を挙げた者の割合が57.7%と最も高く、以下、「日本ブランド(日本の優れた製品・産品や技術)の海外におけるPR(東日本大震災にかかわる風評被害対策を含む、より積極的な広報)」(52.3%)、「海外における日本企業の活動の支援(外国における電力、鉄道、水、道路などのインフラ整備のための日本企業の海外進出(インフラ海外展開)支援などを含む)」(51.5%)、「貿易・投資の自由化の推進(世界貿易機関(WTO)、特定の国や地域との自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)、投資協定(BIT)の活用などを含む)」(40.4%)、「食料の確保」(38.0%)、「特許などの知的財産権の保護」(37.8%)などの順となっている。
  • 海外で交通事故、犯罪、病気、テロなどの事件や事故にあった日本人についての保護や支援について、どのように考えるか聞いたところ、「できるだけ、個人または派遣元企業・団体が各自の責任で対応すべきであるが、できないところは政府や大使館・総領事館が保護や支援をすべきだ」と答えた者の割合が47.7%、「個人または派遣元企業・団体が各自の責任で対応できるような場合であっても、政府や大使館・総領事館が積極的に保護や支援をすべきだ」と答えた者の割合が28.4%、「いかなる場合であっても、政府や大使館・総領事館が保護や支援をすべきだ」と答えた者の割合が17.6%、「個人または派遣元企業・団体が各自の責任で対応すべきである」と答えた者の割合が4.0%となっている。
  • 日本は国際社会で、主としてどのような役割を果たすべきか聞いたところ、「環境・地球温暖化などの地球規模の課題解決への貢献」を挙げた者の割合が62.1%と最も高く、以下、「人的支援を含んだ、地域情勢の安定や紛争の平和的解決に向けた取組を通じた国際平和への貢献」(57.1%)、「軍縮・不拡散の取組などを通じた世界の平和と安定への貢献」(43.4%)、「世界経済の健全な発展への貢献」(39.2%)などの順となっている。

内閣府 消費者団体ほか関係団体等との意見交換会(2021年2月10日)
▼【資料1】 一般社団法人全国消費者団体連絡会 提出資料
  • コロナ禍における消費者問題対応の推進について
    • コロナ禍における消費者問題については、消費者団体の国際組織である国際消費者機構(CI)と連携して取り組みました。昨年の春、CIより各国の消費者団体に向けて、自国の政府にコロナ禍における消費者保護の措置を講ずるよう提言がありました。
    • 全国消団連では、この提言とともに、当時日本独自に発生していた問題(給付金詐欺の発生、科学的根拠がないにも関わらず効能効果を不当に謳う製品の流通など)に対応するよう、要請を行いました。
    • また、昨年11月にはCI会長とWeb懇談を行い、コロナ禍における各国の消費者団体の活動状況について情報共有を行いました。
    • これらの取り組みを通じ、コロナ禍における消費者問題や、急速に進む社会のデジタル化については、国際的にも課題として捉えられていると分かりました。貴委員会におかれましては、消費者庁がコロナ禍における消費者問題に、国際的な視点を持ちながら迅速に対応するよう、はたらきかけていただきたいと思います。
  • 預託法・特定商取引法の改正に向けた取り組みと書面交付の電子化について
    • 昨年8月、消費者庁「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」においてまとめられた報告書では、悪質な販売預託商法については「販売を伴う預託等取引契約の原則禁止等」と明記され、特定商取引法では、「お試し定期購入」や「送り付け商法」の規制強化などに取り組む方針となっており、長年の消費者被害を無駄にせず、制度改革の方向を示した画期的な結論であると高く評価しました。
    • その後、全国消団連では会員団体をはじめ全国の消費者団体に向けて、地方議会にて報告書のとおりに法改正がなされるよう意見書を採択いただくよう呼びかけを行いました。現在、昨年12月の神奈川県議会にて採択されたほか、2月以降の11県の地方議会にて、採択が見込まれています。
    • しかし、昨年11月に行われた内閣府規制改革推進会議第3回成長戦略ワーキング・グループでは、オンライン英会話の取引が書面の郵送交付の義務があるためオンラインで完結しないという例を取り上げ、特定商取引法における特定継続的役務提供について概要書面及び契約書面の電子交付を可能とすべきではないか、との問題提起がありました。この点に関し、消費者庁は書面の電子化をする方向で検討する旨説明をしていましたが、業界紙によれば、オンラインでの特定継続的役務提供に限らず、訪問販売や連鎖販売取引等についても書面の電子化を検討していると報道され、他の取引類型についても対象となっていることに驚きました。「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」においても一切論議されていない課題であり、十分な論議がなされないまま今回の法改正と合わせて進められていることに強い憤りを感じています。
    • 特定商取引法は、消費者と事業者間でトラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者による違法・悪質な勧誘行為を防止し、消費者の利益を守ることを目的に策定されています。こうした法律の趣旨からすれば、十分な論議がされていない現状での法改正は拙速であり、規制の実効性や消費者保護の確保、電子書面の交付を認めた場合の弊害などについて、消費生活や法律の専門家などから広く実情や意見を聴き、公開の場で審議するなど慎重に検討を行う必要があるとして、意見書を提出しました。
    • 全国消団連の他、多くの消費者団体や弁護士会から意見書が出されています。しかしさらに残念なことに、現在では特定商取引法だけでなく預託法についても書面の電子化が検討されていると聞いています。
    • 貴委員会におかれましては、1月14日の本会議にて消費者庁からの説明に対し、他の取引類型へと広げる理由や、納得ずくの承諾とは何かなど、多くの委員から反対意見や慎重意見を伴った質問が行われていました。こうした論議を踏まえれば、特定商取引法及び預託法の全ての取引類型への書面の電子化には反対し、消費者庁に対してしっかり審議する場を設けるように建議等の意見表明を行っていただきますようお願いします。
  • デジタル・プラットフォーム取引における消費者保護の環境整備について
    • 1月25日、消費者庁「デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会」にて、報告書案が論議され、今後新法を作成し国会に提出される方向でまとめられました。全国消団連は、検討会委員として参加し、消費者の立場から、意見を述べてきました。
    • デジタル・プラットフォームに関する法整備としては、昨年5月に「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」が可決、成立しましたが、この法律は、主にデジタル・プラットフォーム企業から出店者・出品者に向けた環境整備が目的であったため、デジタル・プラットフォームと消費者との関係における環境整備は、未だ十分になされていない状況にあります。「新しい生活様式」により、インターネットでの買い物、とりわけデジタル・プラットフォームの利用が広がる中において、消費者がより安全な環境で安心して利用できるよう、デジタル・プラットフォーム企業の「場」の提供者としての責任をしっかり持って事業を行うための法整備が必要であると、検討会や意見書などで述べてきました。
    • とくに、デジタル・プラットフォーム企業は取引等の「場」の提供を主な事業として利益をあげている以上、その責任として出店者・出品者の情報を正しく把握し、偽物などの違法な製品を販売する、あるいは消費者からの問い合わせに応じないなどの悪質な事業者は、排除されていることが当然だと考え、本人確認をより厳格に行うための、法整備を求めてきました。また、検討会での論議が進む中、大手のデジタル・プラットフォーム企業が、自主的取り組みの促進や取り組みの改善に資する活動、情報提供等を通じて、消費者にとってより安全・安心な取引環境の構築をめざす、「オンラインマーケットプレイス協議会(JOMC)」が組織されました。
    • 今回まとめられる報告書に基づいた新法となる場合は、自主的取り組みを促進することや、消費者保護に向けたいくつかの努力義務が規定されると考えています。残念ながら罰則付きの義務などは盛り込まれないようですが、まずは消費者保護の観点から環境整備を行う第一歩として評価しています。ただし、今後も社会のデジタル化は大変早く進むことが予想され、デジタル・プラットフォームにおける状況も大きく変化していくと思われますので、短い期間で見直しを行うなど、より消費者保護に資する法律・制度となるよう、引き続き求めていきたいと思います。
    • 貴委員会におかれましては、社会のデジタル化が今後も大きく進むことを踏まえ、デジタル社会における消費者保護の観点から、消費者庁の取り組みをしっかり監視し、意見等を出していただきたいと思います。
  • 地方消費者行政専門調査会報告書について
    • 全国消費者団体連絡会では、会員団体や弁護士などが参加する「地方消費者行政プロジェクト」を組織し、地方消費者行政の充実・強化に向けて意見書提出や調査活動などに取り組んでいます。
    • 昨年、貴委員会の地方消費者行政専門調査会にて、2040年頃を見据えた消費者行政のあるべき姿を示しつつ、現時点で考え得る取り組みの方向性などがまとめられ、報告書が公表されました(8月28日)。「地方消費者行政プロジェクト」では、報告書がとりまとめられる前の「内閣府消費者委員会地方消費者行政専門調査会報告書骨子案(6月30日版)」に対して、報告書としてとりまとめるには時期尚早であり、審議を継続して議論を尽くしてほしい旨の意見書を提出しました。
    • 骨子案の段階では、「日本創成会議」が提示した「消滅可能性都市」などの認識がベースとして書かれていたため、少子高齢化・人口減少が進行するという認識は理解しているものの、消費者行政が消滅都市と同様に衰退し消滅することが前途とされているような暗い論調として受け止められたことや、消費生活相談の窓口の業務委託が推奨されるような書きぶりであったこと、消費生活相談員の処遇改善に向けた施策があまりなかったことなどを踏まえ、より多くの地域の関係者の声を反映した報告書とすべきとの意見としました。論議当時からコロナ禍ということもありましたが、新たにヒアリングなどが検討されたようですが、結局実施されませんでした。
    • また、消費生活相談の窓口の業務委託、指定管理者制度を導入することは反対しましたが、「経費削減のみを目的とした安易な外部委託ではなく」との文言の追加がされたものの、導入反対の意見自体は反映されませんでした。「消費生活相談員の処遇を抜本的に改善する方策の具体的提案」については、「消費者庁は役割に相応しい処遇を検討することが望ましい」との記載となりました。このほか、財源の確保については、一般財源の充実に努めることが期待されるとしつつ、民間のクラウドファンディングなど、検討レベルでの記載になりました。
    • 確かに2040年頃には、どのような社会となっているか、今からあまり具体性を持って想像することは難しいですが、少子高齢化・人口減少の時代だからこそ、報告書に書かれている通り、消費者行政の重要性はますます増大することが予見されているので、これからはより消費者行政の役割発揮の時であるという、地域の消費生活相談員や消費者団体の方々が希望を持てる、力強いビジョンとしていただきたかったと思います。
  • 地方消費者行政の充実・強化に向けた取り組みについて
    • 「地方消費者行政プロジェクト」では、毎年全都道府県に向けて調査を行っています。今年度は、消費者庁「地方消費者行政強化作戦2020」の項目に沿った内容で、調査を実施しました(昨年6~9月)。調査結果をまとめた結果、消費者行政の要となる消費生活相談員の減少に歯止めがかかっておらず、危機的な状況であることを踏まえ、消費生活相談員の在り方や処遇改善などの検討を行う必要あることや、広域連携に取り組む自治体が増えているものの、委託する側の自治体での消費者行政の力量が低下していることなど、深刻な課題が明らかになってきました。これらの問題点を意見書としてまとめ、1月19日に提出しました。
    • また、2月5日にはシンポジウムを開催しました。消費者庁は、どこに住んでいても質の高い相談・救済を受けられ、消費者の安全・安心が確保される地域体制を全国的に維持・拡充すること目指し、消費生活相談員の配置や消費者安全確保地域協議会の設置など、都道府県ごとに政策目標を達成するために、地方消費者行政の充実・強化のための交付金等を通じて取り組みを支援するとしています。
    • 貴委員会におかれましては、消費者庁が地方消費者行政の発展に資する十分な予算を確保し、各自治体が使いやすい交付金の整備や、相談員の確保・育成が進むよう、各施策をしっかり監視し、意見等を出していただきたいと思います。

内閣府 薬局の利用に関する世論調査
  • 自分の健康をどれくらい意識しているか聞いたところ、「意識している」とする者の割合が90.0%(「とても意識している」25.2%+「ある程度意識している」64.8%)、「意識していない」とする者の割合が9.5%(「あまり意識していない」8.6%+「意識していない」0.9%)となっている。
  • 服用している薬の名前や飲む量、回数、飲み方などを記録するための「お薬手帳」を利用しているか聞いたところ、「利用している」と答えた者の割合が71.1%、「利用していない」と答えた者の割合が28.6%となっている。
  • 「お薬手帳」を「利用している」と答えた者(1,382人)に、「お薬手帳」を利用している理由は何か聞いたところ、「服用している薬について薬剤師に飲み合わせなどを確認してもらうため」を挙げた者の割合が56.9%、「服用している薬について自分で確認するため」を挙げた者の割合が52.9%と高く、以下、「服用している薬について医師などに相談しやすいため」(44.9%)、「薬局で利用を勧められたため」(42.0%)などの順となっている。
  • 「お薬手帳」を「利用していない」と答えた者(556人)に、「お薬手帳」を利用していない理由は何か聞いたところ、「病院や診療所、薬局を利用する機会が少ないため」を挙げた者の割合が52.2%と最も高く、以下、「お薬手帳がなくても服用している薬を自分で管理できるため」(25.9%)、「利用するのが面倒なため」(23.0%)などの順となっている。
  • 薬局では、薬や健康に関して相談をすることができるが、薬局を利用した際に薬剤師にどのような相談をしようと思うか聞いたところ、「病院や診療所で処方された薬について」を挙げた者の割合が49.1%、「薬の飲み合わせについて」を挙げた者の割合が45.2%などの順となっている。なお、「特にない」と答えた者の割合が22.1%となっている
  • 薬局の薬剤師以外の人のうち誰に薬や健康に関して相談をしようと思うか聞いたところ、「医師・歯科医師」を挙げた者の割合が74.4%と最も高く、以下、「家族」(41.9%)などの順となっている。
  • 薬局の薬剤師以外の相談相手に「医師・歯科医師」、「看護師」、「介護福祉士、ヘルパーなど」、「家族」、「友人・知人」、「その他」を挙げた者(1,787人)に、薬剤師以外の人に薬や健康に関してどのような相談をしようと思うか聞いたところ、「病気や体調について」を挙げた者の割合が40.9%と最も高く、以下、「病院や診療所で処方された薬について」(33.7%)、「薬の飲み合わせについて」(19.5%)、「市販薬について」(14.9%)などの順となっている。
  • 利用している薬局の薬剤師による薬の説明や相談への対応に満足しているか聞いたところ、「満足している」とする者の割合が85.3%(「とても満足している」33.3%+「やや満足している」52.0%)、「満足していない」とする者の割合が8.4%(「あまり満足していない」7.2%+「満足していない」1.3%)となっている。
  • 薬局を一つに決め、薬剤師を一人に決めているか聞いたところ、「かかりつけ薬剤師・薬局を決めている」と答えた者の割合が7.6%、「薬局は一つに決めているが、かかりつけ薬剤師は決めていない」と答えた者の割合が18.4%、「病院や診療所ごとにその近くにある薬局に行く」と答えた者の割合が57.7%となっている。なお、「特に決めていない」と答えた者の割合が13.7%となっている。
  • 薬局を一つに決め、薬剤師を一人に決めているかに「かかりつけ薬剤師・薬局を決めている」と答えた者(147人)に、かかりつけ薬剤師・薬局を決めた理由は何か聞いたところ、「信頼できる薬剤師であるため」を挙げた者の割合が49.7%、「服用している全ての薬の飲み合わせについて確認してくれるため」を挙げた者の割合が44.9%、「生活状況や習慣などを理解してくれた上で、薬についての説明などをしてくれるため」を挙げた者の割合が36.1%、「自宅や職場の近くなど行きやすい場所にあるため」を挙げた者の割合が32.0%などの順となっている。
  • 健康サポート薬局について知っていたか聞いたところ、「よく知っていた」と答えた者の割合が1.5%、「言葉だけは知っていた」と答えた者の割合が6.5%、「知らなかった」と答えた者の割合が91.4%となっている。
  • 健康サポート薬局について「言葉だけは知っていた」、「知らなかった」と答えた者と、健康サポート薬局に自分の健康に関して相談したことが「ない」と答えた者(1,921人)に、健康サポート薬局が行っている取組で関心のあることは何か聞いたところ、「土・日曜日も相談に対応」を挙げた者の割合が41.6%、「健康維持や向上に関する取組を支援するための専門知識を持っている薬剤師が相談に対応」を挙げた者の割合が40.5%、「相談内容に応じて、連携体制を取っている地域の病院や診療所、介護施設などを紹介」を挙げた者の割合が40.5%と高く、以下、「プライバシーに配慮した相談窓口を設置し、相談しやすい環境を整備」(25.0%)などの順となっている。なお、「特にない」と答えた者の割合が14.7%となっている。
  • より多くの国民がかかりつけ薬剤師を決めたり、健康サポート薬局で自分の健康に関して相談したりしてもらうためには、どのような広報啓発が効果的と思うか聞いたところ、「医師や看護師など、病院や診療所の職員からの情報提供」を挙げた者の割合が54.8%と最も高く、以下、「薬剤師など、薬局の職員からの情報提供」(42.1%)、「テレビ・ラジオによる広報」(42.0%)、「自治体の広報誌による広報」(27.4%)、「新聞、雑誌による広報」(25.8%)、「ポスター、チラシ、パンフレット、リーフレットによる広報」(25.8%)などの順となっている。

内閣府 第1回経済財政諮問会議
▼議事要旨
  • ポイントは、コロナを契機に芽が出始めた様々な意味での改革、変革を断固貫いていくということ。次に、菅内閣の目玉であるデジタル化・グリーン化など、未来への投資について明確にその投資を喚起するような施策に展開していくこと。3番目は経済再生が前提条件になるが、賃金引上げのモメンタムというのは非常に大事にしなければならないという点。日本の賃金水準は決して自慢できるものではないことに対して、どう取り組んでいくかということ。4番目は、コロナ後の世界経済はどのように見えてくるか。つい先ほど新しくアメリカの大統領が代わったので、そこでの変化、さらにアジアの変化を受けて、日本が主導的な役割をどのように担っていくのかという点。この4点が大きなポイントだと思うが、現実は経済の状況を踏まえ、大変難しい舵取りをしていく必要があるだろうと思う。
  • この資料1で、あえて再度説明しておきたいことは1番(3)「経済の好循環の再生」。企業を助けるための様々な仕組みは随分色々なことを考えてやってきたので、それは本当にうまく働いていくか。特に事業構造改革がどう進んでいくかということをしっかり見ていく必要があると思う。第二の氷河期時代を作らない、これはやはり重要な話だと思う。
  • それから、2番の「コロナ後の構造変化を踏まえた改革の推進」では、筆頭に掲げた新たな働き方の促進・定着、これはコロナによって我々の生活が随分変わったという点を踏まえた展開が必要。また、(2)~(5)について、いずれもこれまで経済財政諮問会議でも様々に議論したが、これをしっかり実現していくということが非常に重要であると思う。
  • 特に地方への取組というのが一つのトリガーなので、(3)都市の多核連携、あるいは労働移動をどういうようにスムーズにしていくか、雇用創出、それから、デジタル化・グリーン化については、正に総理がトリガーを引かれて、今、経済界の中では非常に活発な議論が起こっている。従来のこれまでできることの積み重ねではないところをしっかり攻めていくという意味で、政府もそれに呼応した対応が必要だろうと思うし、(5)に書いている「経済連携・経済協力への取組」ということについても非常に重要な課題になってくる。
  • そして、最後に、このような状況の中で、経済財政一体改革における財政のことも頭に置いて、どこでどういう形で取り上げていくかという点は、なかなか難しいが、経済財政諮問会議としては、常にそれを念頭に置きながら、いろいろなことを進めていかなければいけない。そういう意味で、令和3年前半の検討課題というのは大変重い課題が様々に揃っているということで、忙しい半年になる。非常に重い課題を抱えて皆さんと一緒に走っていきたい。
  • これまで新型コロナウイルス感染症患者への医療提供について、日常的な医療との両立を図りつつ、都道府県が中心となって国による支援も活用いただきながら体制整備を進めてきた。しかし、足下の急激な感染拡大を踏まえると、対策レベルを上げて新型コロナへの対応力を高める必要がある。
  • これを踏まえ、先般、「医療提供体制パッケージ」を策定した。まず新たに新型コロナウイルス感染症患者をお引受けいただける病床の確保を進めていく。1床につき最大1,950万円の補助を用意し、都道府県による病床確保を強力に後押しする。また、これまで確保された新型コロナ対応病床を最大限活用する観点から、後方医療機関に回復した入院患者を受け入れていただけるよう、報酬上の加算を3倍に引き上げた。今後、更なる対応も検討していく。こう言っているが、明日、発表させていただく。
  • そして、医療現場で尽力いただいている医療従事者への支援も不可欠。このため、重点医療機関に対する医療従事者派遣への補助上限を2倍に引き上げた。こうした財政インセンティブを最大限活用しつつ、現在検討中の感染症法等の改正なども併せて、都道府県を中心に病床確保を進めることができる状況を整え、公立・公的病院や民間病院等の関係者からの協力を得て医療体制整備を進めてまいる。その際、進捗管理を徹底し、感染防止に様々な形で御協力いただいている国民の皆様にも状況をお伝えしてまいる。
  • 医療提供体制の拡充というところでは、やはり新型感染症対策への医療資源の戦略的な傾斜配分というのは必要だろう。そして、官民問わず、やはり感染症患者を十分受け入れられるような体制を早急に確保するために、供給拡大、病床や人員その他に関する供給を増やしていただけるところに対する大胆なインセンティブ措置を講じるべきだと書いている。
  • また、先ほどお話があった医療提供体制パッケージの実効性確保、それから、見える化ということをしっかりしていただいて、我々が安心できるような情報を出していただきたい。厚生労働省と各都道府県には、そこに書いてあるようなデータをはじめ、しっかり情報を出していただいて、医療提供体制の進捗管理、見える化を徹底して、随時国民に情報を提供し、安心を確保すべきだ。それと緊急事態宣言下にある11都道府県は、やはり現行の病床確保計画から上積みする病床、それから、重症者用の病床の目標をしっかり設定していただいて、先ほどお話があった医療提供体制パッケージ等を活用して受入れ体制の整備に最大限取り組むべきだということを書いている。
  • 3のところでは、やはり機動的・柔軟な入院調整ということがとても重要なことだと考えており、そのためにはやはり国と地方の間の責任分担、役割分担、それから、情報共有ルールをしっかりしていただいて、かつ明確化していただく必要があるだろう。特に、重症度に応じた患者受入れ調整の司令塔を都道府県にしっかり果たしていただきたい。それから、重症度別の患者受入れ可能数等の情報は、やはり日時ベースで更新して、医療機関間の受入調整に活用すべきだ。
  • 都道府県は地域の病院会や医師会と連携していただいて、発熱外来の拡充、それから、自宅・宿泊療養者のモニタリングや症状が改善した患者の転院調整をしっかりやっていただいて、厚生労働省はそれに必要な支援をしっかり行うということが大事である。
  • また、今後の患者の急増に備えて、都道府県は都道府県域を超えた患者の受入調整に向けた体制の確保、そのために必要な支援を厚生労働省でしっかり行っていただきたい。厚生労働省は都道府県と連携して保健所の人員体制の強化に加えて保健師や看護師等の専門人材を派遣する仕組みも充実させていただきたいということを書いている。
  • ここまで感染が広がってしまった以上、当面は緊急事態宣言下で一定程度感染を収める必要があるが、その上で、宣言を解除した後の短期収束に向けた明確なアクションプランを今から用意しておく必要があるのではないか。
  • 短期収束に向けては、何といってもワクチンが第一の対策だが、国民に安心感を持ってもらえるように、接種に向けた具体的な道筋を示すことが必要。例えば、大きな節目になるオリンピック・パラリンピック前の6月までに集団免疫獲得に必要と言われる6割の国民に接種を行えるようなシナリオをしっかりと示していくべきではないか。
  • ただし、アンケート調査によると、ワクチンを接種するかどうか様子見の国民が5割から6割いると伺っている。今後、ワクチンを打たれた方が増えてくれば、その数は減っていくと思うが、このような不確定な要素もある。この短期収束への方策をワクチンのみの一本足打法に絞り込むのではなく、次善の策として、しっかりとした検査及び隔離のための体制作りが必要なのではないか。
  • また、いずれにしても、ワクチンが普及するまでにどんなに短くても4、5か月程度かかるので、その間に収束に向かうためにも、先ほど申し上げた検査及び隔離体制の更なる充実が必要。
  • 緊急事態宣言を解除しても、これまで同様の対策では警戒を緩めた後に再び感染拡大が起こる可能性がある。そして、その結果としてまた経済を止めなければならないような事態に陥ることは絶対に避けなければならない。二度目の緊急事態宣言を出さざるを得ず、現状のような感染拡大、医療逼迫が起こってしまった今の状況を踏まえると、クラスター対策を中心とするこれまでの感染対策に限界があったのは明らかではないか。
  • 経路不明感染者が続出していることに加え、実際、既に追跡調査を諦めてしまっている自治体も出てきている。その意味でもクラスター対策中心の感染対策はもう限界を超えており、対策を見直すべきではないか、このように御提案申し上げる。
  • 全体的な課題として広報にももっと力を入れていただきたい。国民は政府の行う対策について疑心暗鬼に陥っているのではないか。国民の安心感の醸成には、政府の責任者から適時的確な情報提供が必要。政府がこれまで大変努力をされていることはよく分かっているが、是非それをしっかりと国民に伝わるような体制を作って実行していただきたい。
  • プライオリティーは何かをはっきりさせることだ。ここでは、人間の生命を守る、国民の生命を守る、ひいては国民の政府に対する信頼を守ることが大事なのであって、本当に緊急事態だということが分かれば自由の抑制についても理解していただけると私は思っているが、この点につき徹底した議論が必要だ。
  • 根本的な問題は、日本の制度は、今までの形が岩盤になっていることだ。先ほど中西議員が、やるべきこととできること、という違いを指摘された。簡単にできることなら少しは行動範囲を広げるが、本当にやるべきことはやらないという体制が今までずっと続いて、それがひいてはデジタル、グリーンでの遅れにもつながっていると思う。
  • そろそろ労働時間の従来の考え方を相当見直さなければいけないなと、労使ともに思い始めている。現在の労働法制というのは、工場労働を前提にして1時間いくら、だから残業代はこうだ、そういう非常にタイトな労働法制になっている。だが、経済成長がこういう形で進んでいくと、いろいろな意味で見直しが必要。そういう意味では、この法制全体を見直すというのは大変な作業だが、私が御説明させていただいた令和3年度の前半での経営課題の中の働き方改革フェーズ2というものは正にそれに当たり、これをトリガーにして、是非議論を始めるべきだし、それが労働生産性を高める。
  • 世界経済というのはコロナで立ち止まっているのではなくて、逆に急速なスピードを持って構造変化を起こしている。やはりその変化に追いついていかないと日本経済は成長どころか現状維持すら難しくなるような状況だと思う。そのためには、やはりビジネスモデルの転換であったりとか新産業創出であったりとか、人も含めたリソースをより発展性のあるところに移動させていく、その促進をしっかりパッケージとしてやっていくことが何よりも大事だと考えている。
  • パッケージというのは何かというと、ここに書いたような規制改革、それから、企業の業態・事業転換支援、新しい会社を作る創業支援、人の面でいけばスキルアップ支援、人材移動の促進、こういうものをトータルにパッケージでやって大きな新しい成長の方向性を作っていくことがやはり今年、何よりも大事なことかと思っている。
  • 今、やはりかなりリアルタイムに近いところでデータがいろいろ取れるようになっている。それをコロナの対策にも使っていく。分かりやすい話でいくと、人の移動が渋谷の駅の前でどのように動いているかというデータはもうすぐ分かるわけである。やはりこういうのをコロナ対策に使っていくだけではなく、マクロ政策にも使っていく。今、こういうデータが使えるということが分かったので、かなりリアルタイムに近いデータを使いながら経済政策を作っていく、こういう方向性が世界中で出てきている。日本だけがそれを使えないとすると、みんながコンピューターを使っているのにうちだけそろばんだというようなことになりかねない。やはりこういうリアルタイムデータに基づいたしっかりとした政策運営をこの際、今年作っていかないと、コロナだけではなくてコロナも含めてだが、やはり世界中の経済政策から取り残される。

内閣府 政策課題分析シリーズ
▼【第19回】リカレント教育による人的資本投資に関する分析 -実態と効果について-要旨
  • 今般の新型コロナウイルスの感染拡大で、「新たな日常」を通じた「質」の高い経済社会の実現が求められているなか、課題設定・解決力や創造力のある人材育成を強化することが重要であり、年齢に関わらず再チャレンジできるリカレント教育への関心が深まっている。本分析では、リカレント教育実施による職業能力の向上を通じて、個人がどのような収入上、雇用上の変化を経るかを分析する。
  • インターネット・モニター調査(回収数:30,000 人、調査期間:2020 年2月 28 日~3月3日)を実施し、リカレント教育は収入、就業形態等にどのような影響を及ぼしているのかに加え、人的資本を高めるのに効果的なリカレント教育は何かという視点から実態を把握した。
  • 本稿におけるリカレント教育の範囲、定義は要旨図表1のとおりだが、その実施状況(2018 年以降)をみると、民間セミナーへの参加、社内・社外勉強会、自習など、Off-JTの性質を持つリカレント教育分野の実施者が多い。
  • 有業者(学生を除く)を対象とした過去1年間のリカレント教育の実施状況をみると、実施していない者の割合が 86.9%と高いのが実態である。
  • また、リカレント教育を実施している人の割合を就業形態別にみると会社代表者・役員、正社員、限定正社員等で高い。パートやアルバイト等で少ないのは、雇用主が提供する研修機会が少ないことを反映したものと思われる。
  • 各リカレント教育分野について、有業者が過去1年間に実施した確率を分析すると、OJT、Off-JTは年齢や業種といった個人の属性による影響を取り除いてもなお、正社員と比べてパートやアルバイトといった非正社員は、リカレント教育を実施する確率が有意に低いとの結果になり、3.での考察が確認される。
  • 有業者と同様に、無業者(学生を除く)を対象として過去 1 年間のリカレント教育の実施状況をみても、リカレント教育を実施していない者の割合が高い。
  • 無業者の内、リカレント教育を実施している人の割合を無業の理由別にみると、「通学」、「出産・育児」などが多くなっており、学習意欲が高く、就業への意欲も高い者が積極的にリカレント教育を実施していると考えられる。
  • 各リカレント教育分野について、無業者が過去1年間に実施した確率を分析すると、年齢や就業意欲といった個人の属性による影響を取り除いてもなお、出産・育児を理由にしている者は、特に理由がない者と比べてリカレント教育を実施する確率がおおむね有意に高いとの結果になった。
  • リカレント教育の実施状況によって収入の変化及び転職を伴う収入の変化の確率に有意な差が生じるか検証する。ここでは、リカレント教育を実施したグループと実施していないグループそれぞれの成果指標を比べることで推計を行うが、その際、各々のグループについて、リカレント教育の実施状況以外は似た特徴を持ったサンプル同士で比較している(傾向スコアマッチング法による差の差の推計)。
  • 推計の結果、公的職業訓練以外の分野のリカレント教育の実施者では、おおむね1割以上収入が増加すると回答する確率が有意に上昇するとの結果が得られた。特にOJTと Off-JTの実施者では、確率が上昇する効果が大きい。
  • 同様に、転職を伴う収入増加について推計したところ、公的職業訓練とOJT以外の分野のリカレント教育の実施者では、転職を伴っておおむね1割以上収入が増加すると回答する確率が有意に上昇するとの結果が得られた。特に、兼業や副業を含む主業以外の職業経験等の実施者では確率が上昇する効果が大きい。
  • 同様にして、リカレント教育の実施状況により、正社員以外から正社員に転換する確率にどの程度の差が生じるかを推計したところ、Off-JTや自己啓発の実施者では、正社員以外から正社員に転換する確率が上昇する効果があるとの結果が得られた。
  • 回帰分析により、昇進年齢を正社員のリカレント教育実施者・非実施者間で比較すると、Off-JTの実施者は、非実施者と比べて昇進年齢が有意に低いとの結果になった。
  • 今後の政策面の課題
    • OJT、Off-JT、自己啓発、主業以外の職業経験等は、収入増加確率を上昇させる効果がある。
    • Off-JT、自己啓発、主業以外の職務経験等は、転職を伴う収入増加の確率を上昇させる効果がある。
    • 特に Off-JTは、収入の増加や正社員への転換に効果があり、また、主業以外の職務経験等は、転職を伴う収入増加の確率を上昇させる効果が大きい。
    • Off-JTをはじめとするリカレント教育は、収入増加の効果があることから、生産性向上のために促進すべき。
    • また、転職を伴う収入増加にも効果があることから、成長分野への円滑な労働移動を促す観点からも促進すべき。経済界における副業の機運の高まりを支援するための環境整備(テレワーク推進、他業種転換支援、IT 人材育成支援等)も重要。

内閣府 第337回 消費者委員会本会議
▼【資料1-1】 消費者行政新未来創造オフィスの取組 全体印刷版
  • 消費者行政新未来創造オフィスの様子
    • 消費者行政新未来創造オフィスは、主な執務室が東西2部屋
    • 職員は執務室(西)に出勤し、まず抽選でその日に座る席を決定
    • 木材を取り入れた環境
    • チームで業務ができる机・座席と一人用の集中スペースを執務室(東)に設置
    • 立ち会議スペース(電子黒板付)は2箇所
    • テレビ会議は複数箇所で実施可能
  • 若年者への消費者教育推進のため、体系的な消費者教育について、先進的な取組を収集・発信
  • 高齢者等の見守り活動などを行う見守りネットワークについて、人口規模にかかわらず、より多くの高齢者等の消費者が見守られる体制を構築するとともに、地域の見守り活動の充実を図る。
  • エシカル消費の概念の普及や多様な主体によるムーブメントづくりのため、全国的な普及・展開を図る。
    • エシカル消費(倫理的消費):地域の活性化や雇用なども含む、人や社会、環境に配慮した消費行動を指す。例として、 「エコ」 「地産地消」「食品ロス削減」「フェアトレード商品」や「被災地産品」の購入などが挙げられる。
  • 食品ロスの削減のため、消費者がその認識を高め、消費行動の改善を促す効果的な取組の実証・普及啓発
  • 子どもの死因の上位を占めている、窒息や溺水、転落を始めとする日常生活上の子どもの事故を防止する取組が必要
  • 消費者が自らの食生活の状況に応じた適切な食品の選択ができるよう、栄養成分表示等の活用によるバランスの取れた食生活の普及啓発、保健機能食品の適切な利用に関する消費者の理解促進
  • 事業者が消費者を意識した事業活動を行うことが健全な市場の実現につながっていくという観点から、中小企業も含めた消費者志向経営を推進
    • 消費者志向経営:事業者が消費者の視点に立ち、消費者の権利確保及び利益向上を図ることを経営の中心とし、持続可能で望ましい社会の構築に向け、社会的責任を自覚して事業活動を行うこと。
  • 市区町村における公益通報窓口や中小企業における内部通報窓口の整備が進んでいない現状を踏まえ、窓口設置等に係る取組を促進
    • 公益通報:事業者の不祥事等により国民生活の安全・安心が損なわれることを防ぐため、事業者内部の労働者が所定の要件を満たして公益のために行う通報
  • 食品安全に対する消費者の理解を増進するため、幅広い世代の消費者に対して、多様なリスクコミュニケーション(リスコミ)の機会を提供
    • リスクコミュニケーション:消費者への正確な情報提供や、消費者、事業者、行政機関等が相互に情報や意見の交換を行うこと
  • シェアリングエコノミーの普及に伴い発生する消費者問題を早期に発見・分析し、消費者が安心して安全に利用できる環境整備につなげる。あわせて、若者の生活実態に即した消費生活相談の在り方を検討するとともに、その手段の実現可能性を検証する
  • 消費者を取り巻く環境が急速に変化していく中、消費生活の現状や消費者問題に対する調査・分析や基礎研究を行うことが重要 ⇒「課題発見・対策提示」による効果的な政策立案の実現
  • 障がい者の消費行動や直面する消費者トラブルの実態は不明瞭な状況⇒障がい者が自立して生活できる社会の実現に向けても、消費行動及び消費者被害の傾向を探ることが必要
  • 若者が消費者被害に遭う要因の一つとして、心理的な要因が挙げられる。⇒消費者被害に遭う要因等を主に心理的要因の観点から調査分析し、対応策を検討することが必要
    • アンケート調査結果から導かれた「勧誘を受けた際に購入・契約に至りやすい『リスキーな心理傾向』」や「購入・契約の判断を行う際に若者が用いる6つの視点」に基づき、各種チェックシートを作成※購入・契約の判断を行う際に若者が用いる6つの視点「商品・サービス価値への評価」「勧誘者への評価」「場の拘束感への評価」「否定的側面への評価」「強引な要請への評価」「説明への納得感」
    • 勧誘時に抱いている悩み・不安や、用いられる勧誘手法の数などが購入・契約の判断に影響を及ぼすことも示された
  • 消費者が居住する地域の実情等を踏まえた消費者施策の企画・立案等に向けた基礎的な資料を得るために、地方の消費者の消費活動特性等の調査を行う
  • 若年者への消費者教育の充実や高齢者等の見守りネットワークの構築が、重要な政策課題。「地方消費者行政強化作戦」では、各都道府県ごとに消費生活相談員の研修参加率を100%に引き上げること等が求められており、研修機会の確保が必要
  • 更なる消費者の安全なくらし確保のため、先駆的な商品テストを実施することが重要※国民生活センターでは、相模原事務所の商品テスト施設において、消費者被害の未然防止・拡大防止及び消費生活センターにおける苦情相談対応等に資する、生活実態に即した商品テストを実施

【2021年1月】

内閣府 男女共同参画局 第5次男女共同参画基本計画~すべての女性が輝く令和の社会へ~(令和2年12月25日閣議決定)
▼第5次男女共同参画基本計画(概要)
  • 社会情勢の現状、予想される環境変化及び課題
    1. 新型コロナウイルス感染症拡大による女性への影響
    2. 人口減少社会の本格化と未婚・単独世帯の増加
    3. 人生100年時代の到来(女性の51.1%が90歳まで生存)
    4. 法律・制度の整備(働き方改革等)
    5. デジタル化社会への対応(Society 5.0)
    6. 国内外で高まる女性に対する暴力根絶の社会運動
    7. 頻発する大規模災害(女性の視点からの防災)
    8. ジェンダー平等に向けた世界的な潮流
      1. 「202030目標」:社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度となるよう期待する(2003年に目標設定)
      2. この目標に向けて、女性就業者数や上場企業女性役員数の増加等、道筋をつけてきたが、全体として「30%」の水準に到達しそうとは言えない状況。
      3. 国際社会に目を向けると諸外国の推進スピードは速く、日本は遅れている。
  • 進捗が遅れている要因
    • 政治分野(有権者の約52%は女性) 立候補や議員活動と家庭生活との両立が困難・人材育成の機会の不足 ・候補者や政治家に対するハラスメント
    • 経済分野 管理職・役員へのパイプラインの構築が途上
    • 社会全体 固定的な性別役割分担意識
  • 新しい目標
    • 2030年代には、誰もが性別を意識することなく活躍でき、指導的地位にある人々の性別に偏りがないような社会となることを目指す。
    • そのための通過点として、2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%程度となるよう目指して取組を進める。
  • 第1分野 政策・方針決定過程への女性の参画拡大
    • 政党に対し、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律の趣旨に沿って女性候補者の割合を高めることを要請
    • 地方議会における取組の要請(議員活動と家庭生活との両立、ハラスメント防止)
    • 最高裁判事も含む裁判官全体に占める女性の割合を高めるよう裁判所等の関係方面に要請
    • (参考)衆議院の女性議員比率9.9%、参議院の女性議員比率22.9%(出典)衆議院HP、参議院HPより内閣府確認/裁判官に占める女性割合22.6%、女性最高裁判事15名中2名(出典)内閣府男女共同参画局「女性の政策・方針決定参画状況調べ」(2020)/国家公務員の各役職段階に占める女性の割合指定職相当4.4%、本省課室長相当職5.9%(出典)内閣人事局「女性国家公務員の登用状況のフォローアップ」(2020)
  • 第2分野 雇用分野、仕事と生活の調和
    • 男性の育児休業取得率の向上
    • 就活セクハラの防止
  • 第3分野 地域
    • 地域活動における女性の活躍・男女共同参画が重要
    • 固定的な性別役割分担意識等を背景に、若い女性の大都市圏への流出が増大。地域経済にとっても男女共同参画が不可欠
    • 地域における女性デジタル人材の育成など学び直しを推進
    • 女性農林水産業者の活躍推進
    • (参考)地域における10代~20代女性の人口に対する転出超過数の割合
  • 第4分野 科学技術・学術
    • 若手研究者ポストや研究費採択で、育児等による研究中断に配慮した応募要件
    • 女子生徒の理工系進路選択の促進
    • (参考)研究職・技術職に占める女性の割合
  • 第5分野 女性に対するあらゆる暴力の根絶
    • 「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」に基づき、今後3年間を「集中強化期間」として取組を推進
    • 「生命を大切にする」「性暴力の加害者にならない」「被害者にならない」「傍観者にならない」ことを教える教育
    • 新型コロナウイルス感染症に対応するため、DV相談支援体制を強化
    • (参考)コロナ禍によるDV・性暴力の相談件数の増加・DV:5月、6月は前年同月の1.6倍・性暴力:4~9月は前年同期の1.2倍
  • 第6分野 貧困等生活上の困難に対する支援と多様性の尊重
    • ひとり親家庭への養育費の支払い確保
    • 高齢者、障害者、外国人等が安心して暮らせる環境の整備
    • (参考)ひとり親家庭が置かれた状況:およそ30年間で、母子世帯は約1.5倍、父子世帯は約1.1倍母子世帯数(注)123.2万世帯(ひとり親世帯の約87%)父子世帯数(注)18.7万世帯(ひとり親世帯の約13%)(注)母子又は父子以外の同居者がいる世帯を含めた全体の母子世帯、父子世帯の数
  • 第7分野 生涯を通じた健康支援
    • 不妊治療の保険適用の実現。それまでの間、現行の助成制度の大幅な拡大。仕事との両立環境の整備
    • 緊急避妊薬について検討
    • 「スポーツ団体ガバナンスコード」に基づく各中央競技団体における女性理事の目標割合(40%)の達成に向けた取組
    • (参考)不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦の割合不妊を心配したことがある約2.9組に1組/不妊の検査や治療を受けたことがある約5.5組に1組(出典)国立社会保障・人口問題研究所「社会保障・人口問題基本調査」(各年版)(注)妻の年齢が50歳未満の初婚どうしの夫婦を対象(回答者は妻)に調査(年)
  • 第8分野 防災・復興等
    • 女性の視点からの防災・復興ガイドラインに基づく取組の浸透、地方公共団体との連携
    • (参考)ガイドラインの主な内容
      □避難所の責任者には男女両方を配置する
      □プライバシーの十分に確保された間仕切りを用いる
      □男女別の更衣室や、授乳室を設ける
      □女性用品(生理用品、下着等)は女性担当者が配布を行う
      □女性トイレと男性トイレは離れた場所に設置する
      □性暴力・DV防止ポスターを、避難所の見やすい場所に掲示する
      □自治体の災害対策本部において、下部組織に必ず男女共同参画担当部局の職員を配置する
  • 第9分野 各種制度等の整備
    • 税制や社会保障制度をはじめとする社会制度全般について、経済社会情勢を踏まえて不断に見直し
    • 各種制度において給付と負担が世帯単位から個人単位になるよう、マイナンバーも活用しつつ、見直しを検討
    • 第3号被保険者については、縮小する方向で検討
    • 旧姓の通称使用拡大
    • 夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関し、国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえ、更なる検討を進める
  • 第10分野 教育・メディア等を通じた意識改革、理解の促進
    • 校長・教頭への女性の登用
    • 医学部入試について、男女別合格率の開示促進
  • 第11分野 男女共同参画に関する国際的な協調及び貢献
    • 我が国が国際会議の議長国となる場合、ジェンダー平等を全ての大臣会合においてアジェンダとして取り上げる
  • Ⅳ推進体制の強化
    • EBPMの観点を踏まえ、計画中間年(令和5年度目途)における点検・評価を実施
    • 男女共同参画の推進に当たっては、若年層を含め国民の幅広い意見を反映
    • 地域における男女共同参画センターの機能強化

内閣府 月例経済報告等に関する関係閣僚会議
▼令和2年12月 閣僚会議資料
  • 日本経済の基調判断
    • 現状 【判断維持】景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、持ち直しの動きがみられる。
    • 先行き 先行きについては、感染拡大の防止策を講じるなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待される。ただし、感染症拡大による社会経済活動への影響が内外経済を下振れさせるリスクに十分注意する必要がある。また、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある。
  • 政策の基本的態度
    • 政府は、東日本大震災からの復興・創生、激甚化・頻発化する災害への対応に取り組むとともに、決してデフレに戻さないとの決意をもって、新型コロナウイルス感染症の感染対策と経済活動を両立し、雇用の確保、事業の継続を通じて国民生活を守り抜く。その上で、感染症によって明らかになったデジタル化などの新たな目標について、規制改革など集中的な改革、必要な投資を行い、再び力強い経済成長を実現する。そのための主要施策について、「経済財政運営と改革の基本方針2020」等に基づき、経済財政諮問会議で議論される大きな方向性と重点課題に沿って、成長戦略会議において、改革を具体化する。
    • 令和2年度第1次補正予算及び第2次補正予算の迅速な実行に加え、国民の命と暮らしを守る、そのために雇用を維持し、事業を継続し、経済を回復させ、グリーンやデジタルをはじめ新たな成長の突破口を切り開くべく、12月8日に閣議決定した「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」を円滑かつ着実に実行する。政府は、それを具体化するため、令和2年度第3次補正予算案(概算)(12月15日閣議決定)を編成するとともに、「令和3年度予算編成の基本方針」(12月8日閣議決定)及び「令和3年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」(12月18日閣議了解)も踏まえ、令和3年度政府予算案(概算)(12月21日閣議決定)を取りまとめた。
    • 日本銀行においては、12月18日、引き続き企業等の資金繰りを支援していく観点から、新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラムの延長等を決定した。日本銀行には、感染症の経済への影響を注視し、適切な金融政策運営を行い、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標を実現することを期待する
  • 個人消費
    • 週当たり消費額は、12月に入っても過去3年の水準を維持。財の消費は、新車販売台数が高水準にあるなど底堅い。他方、外食や旅行といったサービス消費は、足下で支出した人の割合が低下し、宿泊施設稼働率も再び昨年からの低下幅が拡大するなど、弱い動き。個人消費は、総じてみれば持ち直しの動きが続いているものの、このところ一部に足踏みもみられる。
    • 街角景気の先行きでは、個人消費が下押しされることが懸念されている。
  • 雇用情勢
    • 雇用者数は、7月以降増加しているものの、水準はなお3月対比で85万人少ない状況。日次有効求人数の増加が続くなか、有効求人倍率は下げ止まりつつある一方、失業率は依然として上昇傾向。雇用情勢は、一部の指標に底堅さもみられるが、総じてみれば弱い状態が続いている。
    • 雇用や暮らしを守るため、「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」の円滑かつ着実な実施が重要。
  • 設備投資
    • 設備投資は、2四半期連続で減少。2020年度計画(日銀短観12月調査)も、9月時点から下方修正され、前年度比マイナスの見通し。ソフトウェア投資の計画は、前年度比プラスを維持したが、9月時点からは下方修正。設備投資には慎重さが増している。
    • 「総合経済対策」の円滑かつ着実な実施により、ワイズスペンディングの下、デジタル・グリーンをはじめ成長分野に民間投資を大胆に呼び込むことが重要。
  • 輸出・生産
    • 輸出は、増加している。品目別にみると、自動車関連財の持ち直しが続いているほか、IC等の情報関連財も堅調に増加。・生産も、持ち直しが続く。自動車やスマートフォンなど幅広い財に使用される半導体の出荷は、5G対応やオンライン通信機器の需要の高まりから、2021年も増加見込み。
  • 企業の収益・業況
    • 企業収益は、前年比大幅減が続いているが、7-9月期は製造業、非製造業ともに前期比増。規模別でも、大中堅企業のみならず中小企業も7-9月期は戻しているが、水準はなお低い。
    • 企業の景況感は、改善の動きがみられるものの、依然として「悪い」という回答が「良い」を上回っている。また、先行きについても「悪い」が「良い」を上回る状況が続く。
    • 倒産件数は、資金繰り支援もあり、足下で緩やかに減少しているが、先行きを引き続き注視。
  • 世界経済
    • 国際機関の見通しによれば、欧米では感染症の影響が続き2021年の景気回復は緩やかな見込み。
    • 欧米諸国では感染症の拡大に伴う経済活動の再制限を実施。オンライン販売が消費動向を支えているとみられるものの、20年10-12月期のユーロ圏のGDP成長率はマイナスの見通し。

内閣府 第26回休眠預金等活用審議会
▼資料2 第9回休眠預金等活用審議会ワーキンググループの議論の概要
  • 全般について
    • ヒアリングを通じ各団体の頑張りなどが分かってよかった。JANPIAがPTを設置し今後、改善していくことを歓迎。WGにも途中報告頂き、次回募集までに改善できるよう、スピーディにPDCAを回してほしい。(同旨ご意見複数あり)
    • この制度は社会実験であり、「今まではこうだった」と頑なにならず、柔軟に、相互に高い敬意を持ち臨みながら、変えるべき部分は変えていくべき。もっと様々な団体が算入することを期待。
    • 厳しい意見の団体もあったが、一緒にどう休眠預金を活用するか考えていきたい。草の根の団体の底上げにつなげることも大事。三層構造の利点を活かしつつ、本当に良いものにしていく段階だと思う。(同旨ご意見複数あり)
    • 資金分配団体、実行団体、JANPIA等が休眠預金のフレームで日本を変えていくコミュニティ、さらには誰かの成功を皆で喜ぶ「ファミリー」を目指すと良いブランディングになると思う。
    • 休眠預金が力のある団体だけでなく地域に根差したところに届き、誰ひとり取り残さないとの心で皆が考えることが大事。新たな活動の最初をサポートすることで、住民も成長し新しい価値を生むと思う。
    • ヒアリングを通じ、立派な団体ほど経験と違う方法に一言、となると感じた。JANPIAでは、(1)変えるべきこと、(2)走りながら一緒に考えていくこと、(3)コンプライアンスやガバナンス上しっかりやるべきこと、この3つに分けて、話を聞いたりフィードバックして頂くのが良いと思う。
  • 簡素化、負荷軽減等
    • 課題は書類の煩雑さ。JANPIAは事務処理のバックオフィス機能を強化するとのことで、既に改善に向けて動いていることを歓迎。
    • 実行団体も様々なレベル感がある中で、特に実行団体は少し書類を簡素化し、例えば資金分配団体が記入するとか、マルバツで済むなど、負担の軽減方法を考えてほしい。(同旨ご意見複数あり)
    • 不正はあってはならないが、過度な制約にならないようバランスが必要。不都合があれば変えていく、オープンにしていくとよいと思う。
    • 自己資金比率20%は努力目標だと思うが、口座管理も含めて徒労感につながっている。実際に赤字になっているとか、次回申請に抵抗がある等を聞く。改善点は改善していく必要があると思う。
  • 伴走支援、その他
    • 伴走支援には、1つは経営上・進捗管理上の事務管理支援、もう1つは実行団体や資金分配団体が自立していくためのマネジメントやガバナンスの支援の2つが大切だと思う。JANPIAの案のバックオフィス機能確保は事務処理削減に有効だろう。ガバナンスやマネジメント支援には外部専門家の活用も有効であり、データベース化できれば今後にも活かせるのではないか。
    • 経験上、行政と現場は様々なコミュニケーションを重ねる中から、次の活動や解決方法を見い出したりする。顔を合わせることで、次の価値を生むことができるので、月に1回の面談はやってほしい。
    • 実行団体の方の発表の場を設けることは、相互に解決策を見つけたり連携したり、有効だと思うので検討してほしい。
    • 3年間の事業の継続性に関し、採択できなかった団体について、別の資金分配団体が拾い上げることができるか、あるいは、当該分配団体が次のテーマで拾い上げていくかも検討事項だと思う。
    • JANPIAの職員やPOが一人で抱え込まないよう、お願いしたい。

【2020年12月】

内閣府 令和2年第20回経済財政諮問会議
▼「令和3年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」
  • 令和2年度の経済動向
    • 令和2年度の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、「新型コロナウイルス感染症
    • 緊急経済対策」1、令和2年度第1次・第2次補正予算の効果も相まって、個人消費が改善してきたこと等から、持ち直しの動きがみられるが、経済の水準はコロナ前を下回った状態にとどまり、経済の回復はいまだ途上にある。
    • こうした中、政府は、感染症の拡大防止策、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現、防災・減災、国土強靱化の推進など安全・安心の確保を柱とする「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」(以下「総合経済対策」という。)2を策定し、また、令和2年度第3次補正予算を編成した。
    • 今後については、感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていくなかで、引き続き持ち直しの動きが続くこと
    • が期待されるが、感染症が内外経済を下振れさせるリスクや金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある。
    • 物価の動向をみると、原油価格下落等により、消費者物価(総合)は前年比でマイナスとなっている。
    • この結果、令和2年度の実質国内総生産(実質GDP)成長率は▲5.2%程度、名目国内総生産(名目GDP)成長率は▲4.2%程度と見込まれる。また、消費者物価(総合)変化率は▲0.6%程度と見込まれる。
  • 令和3年度の経済見通し
    • 令和3年度については、後段で示す「2.令和3年度の経済財政運営の基本的態度」に基づき、「総合経済対策」を円滑かつ着実に実施すること等により、令和3年度の実質GDP成長率は4.0%程度、名目GDP成長率は4.4%程度と見込まれ、年度中には経済の水準がコロナ前の水準に回帰することが見込まれる。
    • 物価については、経済の改善に伴い、需給が引き締まる中で、デフレへの後戻りが避けられ、消費者物価(総合)は0.4%程度と緩やかに上昇することが見込まれる。
    • ただし、引き続き、感染症が内外経済を下振れさせるリスクに十分注意するとともに、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある。
  • 令和3年度の経済財政運営の基本的態度
    • 今後の経済財政運営に当たっては、国民の命と暮らしを守るため、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る。
    • 総合経済対策の円滑かつ着実な実施により、公的支出による経済の下支えを図りつつ、設備投資をはじめとする民間需要を呼び込みながら、生産性を高め、賃金の継続的な上昇を促し、民需の自律的な回復も相まって、民需主導の成長軌道に戻していく。
    • 今回の新型コロナウイルス感染症で明らかとなった行政サービス等における様々な課題に対処すべく、行政のデジタル化や規制改革を含め、集中投資・実装とその環境整備により、デジタル社会の実現を目指すとともに、新しい社会を支える「人」・イノベーションへの投資を強化する。
    • 2050年カーボンニュートラルを目指し、経済と環境の好循環、グリーン社会の実現に取り組む。
    • また、活力ある地方を創るべく、中小企業の生産性向上や最低賃金の全国的な引上げに取り組むとともに、観光や農林水産業の振興、地域公共交通の活性化などにより、地方の所得を増やし、地方を活性化する。都会から地方へ、また企業間で、さらには中小企業やベンチャーへなど、新たな人の流れをつくり、海外の成長を取り込んでいく。
    • さらに、不妊治療への保険適用に取り組む等切れ目ない子育て支援や、保育サービスを拡充するなど少子化対策を進め、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築する。テレワークや、同一労働同一賃金など働き方改革を推進するとともに、就職氷河期世代をはじめ、個々人の状況に応じた就労や社会参加など頑張る人を強力に支援する。若者も高齢者も女性も障害や難病のある方も皆が活躍できる地域共生社会の実現に取り組む。
    • 加えて、自然災害からの復興や国土強靱化、国際連携の強化、経済安全保障の観点からの多角的自由貿易体制の維持・強化など重要課題への取組を行う。
    • 「経済再生なくして財政健全化なし」との基本方針の下、「経済財政運営と改革の基本方針2020」3に基づき、経済・財政一体改革を推進することとし、デフレ脱却と経済再生の道筋を確かなものとしつつ、歳出・歳入両面からの改革を推進する。
    • 日本銀行には、新型コロナウイルス感染症の経済への影響を注視し、適切な金融政策運営を行い、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標を実現することを期待する。

内閣府 防災推進国民会議 第6回(令和2年12月15日)
▼資料3 防災推進国民会議の今後の活動方針(案)
  1. 全体会議
    1. 議員が属する団体・機関の防災に関する取組に関する情報共有や政府との共催事業の成果報告、意見交換を行うため、毎年少なくとも1回、全体会議を開催する。
  2. 国民の防災意識向上等
    • コロナ禍での災害対応も念頭に、国民の防災意識の醸成・向上を図るための事業を行うとともに、議員が属する団体・機関が統一的に利活用できる分かりやすい一般国民向けの防災に関する普及啓発資料を作成する。
    • また、活動に当たっては、感染状況も踏まえつつ、オンラインの活用も含め対応していく。
    • 例)2021年11月6日、7日に岩手県釜石市において「防災推進国民大会2021」を開催/11月5日の「津波防災の日」「世界津波の日」を中心として津波防災の普及啓発活動を実施
  3. 政府の事業等への協力
    • 政府その他の防災関係機関が実施する、国民の防災意識の醸成・向上を図るための事業、活動等について、事業等の共催、周知(告知)、参加など、可能な範囲で積極的に協力する。
    • 例)「防災週間」、「津波防災の日」、「ボランティア週間」、「地区防災計画セミナー」等における政府、その他の防災関係機関の活動への積極的な参画、下部団体や構成員等への周知
  4. ウェブサイト「TEAM防災ジャパン」を通じた情報発信
    • 内閣府の開設している防災に関する総合情報サイト「TEAM防災ジャパン」を通じて、議員が属する団体・組織の防災に関する取組について積極的に発信する。

内閣府 「民事裁判IT化に関する世論調査」の概要
  • 「あなたは、現在、民事裁判を起こす際に必要となる訴状などの裁判所への提出は、持参や郵送する方法のみが認められていて、インターネットを利用する方法は認められていないことを知っていましたか。」 知っていた11.7%、知らなかった87.1%
  • 「あなたは、仮に今後、訴状などの裁判所への提出はインターネットを利用する方法に限定し、持参や郵送による方法を認めないこととした場合、賛成ですか。それとも反対ですか。」 賛成(小計)22.4%:賛成である9.1%、どちらかというと賛成である13.3%、弁護士などの専門家が提出する場合のみ、インターネットを利用する方法に限定するのであれば賛成である22.0%。反対(小計)51.7%:どちらかというと反対である30.6%、反対である21.1%
  • 「インターネットを利用する方法のみとすることについて、賛成の理由は何ですか。」 手続を行うために、裁判所や郵便局に行く手間や費用が必要なくなるから84.4%、持参するための時間や郵送に要する期間が不要になり、訴状などの受付までが迅速に進むことが期待できるから64.2%、裁判所の事務の効率化によって手続が迅速に進むことが期待できるから46.9%
  • 「インターネットを利用する方法のみとすることについて、反対の理由は何ですか。なお、ここでいう「システム」とは、インターネットを利用して訴状などを裁判所に提出するシステムのことをいいます」 誰もがインターネットを利用できるとは限らないから82.4%、システムの情報セキュリティ水準が低いと個人情報が流出するおそれがあるから48.0%、システムの操作に不安があるから35.3%、仮に、システムを利用できる機器がパソコンのみとなった場合、パソコンを所有していないから23.3%、自宅などにインターネットを利用するための回線がないから21.2%
  • 「インターネットを利用する方法のみとするためには、どのような条件を整備する必要がある
  • と思いますか。」 誰もが簡単に操作できるシステムを作ること36.6%、インターネットの利用を制限されている人には、持参や郵送する
  • ことを認めること33.6%、システムの情報セキュリティ水準を高くすること31.7%、公的機関や弁護士などの専門家の団体などから、システムの利用について適切なサポートを受けられるようにすること28.6%、どのような条件が整備されたとしても、インターネットを利用する方法のみとするのはよいとは思わない37.0%

内閣府 令和2年第19回経済財政諮問会議
▼国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策
  • 我が国経済は、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の下、経済をいわば人為的に止めたことにより、本年4・5月には戦後最悪の厳しい状況に陥ったが、同宣言解除後は、感染拡大防止と両立する形で社会経済活動のレベルを段階的に引き上げてきた。7・8月には新規陽性者数の増加に加え、令和2年7月豪雨等の影響もあって足踏みがみられたものの、ロックダウン解除後の欧米経済等の持ち直しによる輸出の増加や、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」、令和2年度第1次・第2次補正予算の効果も相まって、個人消費が改善してきたこと等から、我が国経済は持ち直しの動きが続いている。
  • しかしながら、GDPギャップは、本年4-6月期に大幅に悪化した後、経済活動の再開に伴って高い成長率となった7-9月期においても依然として相当程度存在し、経済の水準はコロナ前を下回った状態にとどまるなど、経済の回復は未だ途上にある。この中で、個人消費の基盤である雇用・所得環境は、雇用者数や賃金に底堅さがみられるものの、コロナ前の水準を大きく下回り、弱い状態が続いており、特に非正規雇用労働者や女性の雇用・所得への影響が強く表れている。
  • 加えて、今冬のボーナスの大幅減少が見込まれるほか、雇用が遅行指数であることなどを踏まえると、足元から今後の感染症の動向如何によって、悪影響が遅れて発現してくる可能性に十分な留意が必要である。
  • 感染動向については、本年10月以降、欧米諸国において感染が再拡大し、欧州主要国では社会経済活動の制限措置を再導入するなど、個人消費を中心に感染症の影響による経済の下押し圧力が急速に顕現化しており、日本経済にとっても輸出・生産の下振れリスクが懸念
  • される状況にある。また、国内でも、11月に入り、足元で新規陽性者数が増加傾向に転じ、過去最高水準を超える中、国民の間で感染症に対する不安、そして、何とか動き出した経済活動が停滞してしまうのではないかという懸念が広がっている。
  • さらに、ポストコロナを見据えると、例えば、対面型のサービスでは従前のようなビジネスモデルが通用しない中で、新たな時代への変化に対応した経済活動を行うきっかけがつかめない状況にある。こうした未だ攻めに転じられないマインドの弱さが、デジタル化に必要なソフトウェアを含め、成長の原動力である民間投資の減少に表れている。国際機関の見通しでも、主要先進国の中で、我が国はコロナ後の回復局面における成長率が低く、コロナ前に回帰する時期が遅れると見込まれており、民需主導の持続的な回復の実現に向け、長年の課題である成長力の強化が不可欠となっている。
  • 政府としては、まずは、ITやAI等を用いたデータ分析結果を含め、年初来の経験から得られた知見等に基づくメリハリある感染対策により、引き続き強い緊張感を持って感染拡大防止に万全を期す。そして、感染拡大を抑えながら、引き続き雇用と事業を支え、経済をしっかり動かす。同時に、ポストコロナの新しい経済構造、成長モデルへの転換に向け、規制改革を強力に推進しつつ、ワイズスペンディングにより、成長力を高め、企業の現預金の活用を促しながら、主要国に比べて弱い民間投資をしっかり呼び込む必要がある。相当程度ある
  • GDPギャップを踏まえ、デフレへの後戻りを何としても避けるためにも、ここで力強い経済対策を講じ、来年度中には、我が国経済をコロナ前の経済水準に回帰させ、民需主導の成長軌道に戻していかなければならない。
  • 以上の現状認識の下、政府としては、国民の命と暮らしを守る、そのために雇用を維持し、経済を回復させ、新たな成長の突破口を切り開くべく、新たに本経済対策を策定するとともに、令和2年度第3次補正予算を編成する。
  • 経済対策は、家計や企業の不安に対処するべく、万全の「守り」を固めるとともに、新たな時代への「攻め」に軸足を移すという、2つの大きな視点からなる。「守り」とは、まず何よりも、万全の医療提供体制を確保するとともに感染拡大防止に全力を挙げ、同時に、内外の感染状況による経済への影響、とりわけ雇用・事業・生活への影響をできる限り緩和することである。
  • 一方で、「攻め」とは、今回のコロナ危機を契機に浮き彫りとなった課題である国・地方のデジタル化の著しい遅れや、東京一極集中、海外での生産拠点の集中度が高いサプライチェーンといった我が国の脆弱性に対処することである。そして、環境と経済の好循環を生み出すグリーン社会の実現、経済の基盤を支える中小・小規模事業者の事業再構築支援を通じた体質強化と業種・職種を越えた労働の円滑な移動、非連続的なイノベーションを生み出す環境の強化など、民間投資を大胆に呼び込みながら、生産性を高め、賃金の継続的な上昇を促し、所得の持続的な拡大と成長力強化につながる施策に資源を集中投下することである。
  • こうした視座の下、本経済対策は、以下の3つをその柱とする。
  • 第一は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策である。これまでの知見等に基づき、社会経済活動と両立できるよう万全の対策を講ずることとし、病床の逼迫を回避するための医療提供体制の更なる強化、迅速かつ安定的なワクチン接種体制の整備等に取り組むほか、地方公共団体が酒類を提供する飲食店等に対して営業時間短縮要請等を行い、協力金の支払を行う場合への支援を追加することを含め、地域の実情に応じた取組への支援を講ずる。また、来夏の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた感染防止対策等に万全を期す。
  • 第二は、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現であり、新たな時代の成長モデルの確立に向け、以下の観点から、ワイズスペンディングの下、予算、さらには規制改革や税制改正などあらゆる施策を総動員して、成長力を強化し、民間需要を大胆に呼び込む。
    1. 国・地方のデジタル化の一体的かつ抜本的な加速や、マイナンバーカードの普及促進の強化、先端的なデジタルインフラの開発・整備、高等学校を含む教育のデジタル化等の推進、2050年カーボンニュートラルに向けた革新的技術の早期開発・社会実装の促進など「デジタル改革・グリーン社会の実現」
    2. 地域を支える中小企業等に対し、淘汰を目的とするものではないことは当然として、事業再構築や前向きな投資への支援を行うことや、世界に伍する大学ファンドをはじめとするイノベーションの加速、生産拠点の多元化などサプライチェーンの実効性ある強靱化など「経済構造の転換・イノベーション等による生産性の向上」
    3. 感染拡大防止を徹底した上での国内観光の活性化や地域独自の取組の後押しによる地方への人の流れの促進、地域を支える農林水産物・食品輸出の拡大に加え、雇用や生活を支えながら、成長分野への円滑な労働移動とそのために必要な人材投資を支援する取組や、家計の需要を喚起する取組など「地域・社会・雇用における民需主導の好循環の実現」
  • 第三は、防災・減災、国土強靱化の推進など安全・安心の確保である。令和2年7月豪雨など災害からの復旧・復興等を加速するとともに、防災・減災、国土強靱化について、来年度から令和7年度までの5年間において、時々の自然災害等の状況に即した機動的・弾力的な対応を行うこととし、激甚化する風水害や切迫する巨大地震等への対策、予防保全に向けた老朽化対策、デジタル化等の推進に係る対策を柱とする「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策(仮称)」を速やかに取りまとめる。特に加速化・深化させるべき施策のために追加的に必要となる事業規模は15兆円程度を目指すこととし、初年度については、令和2年度第3次補正予算において措置する。
  • 現下の感染拡大の影響を踏まえ、必要に応じて本年度に措置した新型コロナウイルス感染症対策予備費を適時適切に執行しつつ、これらの3つの柱の下、いわゆる「15か月予算」の考え方により、令和2年度第3次補正予算を、令和3年度当初予算と一体的に編成し、切れ目なく万全の財政政策を実行する。その際、既往の経済対策・補正予算による経済の下支え・押上げ効果の発現が主に今年度であることの影響を踏まえ、ワイズスペンディングの下、公的支出による経済の下支えを図りつつ、設備投資をはじめとする民間需要をしっかりと喚起するだけの十分な効果を発揮できる規模を確保し、可能な限り迅速な執行を通じて、民需の自律的な回復も相まって経済の好循環につなげる。
  • また、現下の低金利状況をいかし、財政投融資の手法を積極的に活用するとともに、規制・制度改革、税制改正といったあらゆる政策手段を総動員した総合的な対策を講じ、生産性の向上と賃金の継続的な上昇を通じた民需主導の成長軌道を確実に実現することを目指す。日本銀行においては、企業等の資金繰り支援に万全を期すとともに、金融市場の安定を維持する観点から、金融緩和を強化する措置がとられている。引き続き、政府は、日本銀行と強い緊張感を共有し、財政政策と金融政策の適切なポリシーミックスの下で緊密に連携する。日本銀行には、新型コロナウイルス感染症の経済への影響を注視し、適切な金融政策運営を行うことを期待する。
    1. デジタル改革に向けた規制改革の推進
      • 国民・社会の目線で、価値をつくり出す規制改革を積極的に推進する。新型コロナウイルス感染症で明らかとなった行政サービス等におけるデジタル化の遅れなど様々な課題に対処すべく、オンライン診療・服薬指導、オンライン教育に係るもののほか、社会全体のデジタル化に向けた以下の規制改革を推進する。
        1. 書面・押印・対面の見直し(全府省庁)
          • 全ての行政手続を対象として、書面・押印・対面の必要性を検証し、見直しを行う。民間事業者間の手続についても、法令で書面・押印・対面を求めている規制の必要性を検証し、領収書の電子化や、不動産賃貸・売買等の契約に係る各種必要書面の電子化などの見直しを行う。法改正が必要なものについては、一括法を含めて必要な法律案を次期通常国会に提出する。また、性質上、オンライン化が適当ではないものを除き、全ての行政手続について、5年以内にオンライン化を行う。手続件数が特に多い分野や事業者からの要望が多い分野について、オンライン利用率を大胆に引き上げる。加えて、国・地方公共団体の契約においてクラウド型の電子署名を活用できるよう見直しを行う。
        2. 専任、常駐義務等の見直し(厚生労働省)
          • 書面・押印・対面の見直しや、昨今のICT技術の伸展により、特定の者を選任する規定や、特定の場所への常駐を求める規定についても見直しが可能となる。特定建築物の建築物環境衛生管理技術者の兼務要件の合理化、産業医の常駐及び兼務要件の緩和、一般用医薬品販売規制の見直し等を行う。
        3. テレワークの普及・促進(厚生労働省)
          • テレワークの普及・促進のため、テレワークに関する労働関係法令の適用と留意点、人事労務管理上の注意点等を規定した「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」(平成30年2月22日厚生労働省)の見直しを行う。
        4. 規制のデジタル・トランスフォーメーション(文部科学省、総務省、厚生労働省)
          • 規制のデジタル・トランスフォーメーションの一環として、放送番組のインターネット配信を行う際に一括で円滑な権利処理が行えるようにするための著作権制度の見直しや、医療機器プログラム等の最先端の医療機器の開発・導入を促進するための薬機法22に基づく承認審査等の仕組みの見直し等を行う。
        5. 自動配送ロボットの制度整備(内閣官房、警察庁、国土交通省、経済産業省)
          • 公道走行実証の結果を踏まえて、遠隔で多数台の低速・小型の自動配送ロボットを用いたサービスが可能となるよう、来春を目途に制度の基本方針を決定し、来年度のできるだけ早期に、関連法案の提出を行う。
        6. バーチャル株主総会の実現(経済産業省、法務省)
          • 来年の株主総会に向けて、バーチャル株主総会を開催できるよう、次期通常国会に関連法案を提出する。
    2. グリーン社会の実現
      • 2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロとする2050年カーボンニュートラルの実現に向けた挑戦は、我が国の「新しい成長戦略」であり、グリーン社会の実現のために、本経済対策でまずは政府が環境投資で一歩大きく踏み込む。そのカギとなるのは、革新的なイノベーションである。再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検を行い、大胆な緩和をするとともに、分野横断的な法的枠組みも含めた必要な制度整備を検討するなど、政策を総動員しながら、中小企業を含め、エネルギー・産業分野における新技術の実装化や研究開発を加速度的に推進していく。また、「脱炭素社会」「循環経済」「分散型社会」への3つの移行により、経済社会をリデザイン(再設計)し、グリーン社会を実現していくため、新しい需要を創出し、経済社会の変革を図る。また、国際機関等を通じたグリーン化に係る国際的協調を進める。
    3. イノベーションの促進
      • 欧州諸国では、感染再拡大に苛まれる中でも、デジタルやグリーンの分野をはじめ、ポストコロナにおける成長を牽引するイノベーションを加速する「攻め」の経済対策に軸足を移している。我が国においても、こうした動きに遅れることなく、デジタルやグリーンはもとより、宇宙、海洋、AI、量子技術、ゲノム、バイオ、マテリアル等の分野を含め、生産性向上や国民生活の質的向上につながる非連続的なイノベーションを生み出す研究基盤を抜本的に強化する。
      • 特に、10兆円規模の大学ファンドを創設し、その運用益を活用することにより、世界に比肩するレベルの研究開発を行う大学の共用施設やデータ連携基盤の整備、博士課程学生などの若手人材育成等を推進することで、我が国のイノベーション・エコシステムを構築する。
      • 本ファンドへの参画に当たっては、自律した経営、責任あるガバナンス、外部資金の獲得増等の大学改革へのコミットやファンドへの資金拠出を求めるとともに、関連する既存事業の見直しを図る。本ファンドの原資は、当面、財政融資資金を含む国の資金を活用しつつ、参画大学や民間の資金を順次拡大し、将来的には参画大学が自らの資金で基金の運用を行うことを目指す。財政融資資金については、ファンドの自立を促すための時限的な活用とし、市場への影響を勘案しながら順次償還を行う。安全かつ効率的に運用し、償還確実性を確保するための仕組みを設ける。
      • 国立大学等における最先端研究基盤等を整備するとともに、博士後期課程学生の処遇向上とキャリアパスの確保を一体的に行う大学を支援するほか、若手研究者等が研究に専念できる環境を確保し最長10年にわたり支援を行う制度(創発的研究支援)の対象人数を拡充する。
      • また、国際競争力を高めるため、省庁横断で取り組むべき重点分野における製品・サービス等の標準の活用を推進する戦略を策定し、各省庁の施策の誘導を図る。
        • 世界レベルの研究基盤を構築するための大学ファンドの創設<財政投融資を含む>(内閣府、文部科学省)
        • 国際宇宙探査「アルテミス計画」に貢献する研究開発(文部科学省)
        • 省庁横断的な宇宙開発利用の推進のための研究開発事業(内閣府)
        • スーパーコンピュータ「富岳」の整備(文部科学省)
        • 研究環境のデジタル・トランスフォーメーション40(文部科学省)
        • 量子生命科学研究拠点施設・設備の整備(文部科学省)
        • 官民地域パートナーシップによる次世代放射光施設の推進(文部科学省)
        • AI戦略の推進のための研究開発拠点の整備(総務省)【再掲】
        • スマート農業技術の開発・実証プロジェクト(農林水産省)
        • 官民共同10万人全ゲノム解析の実現(文部科学省)
        • 全ゲノム解析等によるゲノム医療推進のための体制整備(厚生労働省)
        • 創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業(文部科学省)
        • 重点産業技術に係るオープンイノベーション拠点整備(経済産業省)
        • 起業家教育拡大・スタートアップ創出等を通じたイノベーション・エコシステムの維持・強化(文部科学省)
        • 国立大学等の最先端研究基盤及び基盤的設備の整備(文部科学省)
        • 科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設準備事業(文部科学省)
        • 創発的研究支援事業の対象人数拡充(文部科学省)
        • 標準の活用の推進に係る戦略策定等(内閣府)
        • カーボンニュートラルに向けた革新的な技術開発に対する継続的な支援を行う基金事業(経済産業省)【再掲】
    4. 新たな人の流れの促進など地域の独自の取組への支援
      • 感染症を契機に、地方の魅力が見直される中、観光にとどまらず、地方への移住・定住を強力に推進するなど、都会から地方への人の流れをつくり出す。地方公共団体向けの新たな交付金や財政投融資の活用により、サテライトオフィスの整備等を支援するとともに、企業と地方公共団体のニーズのマッチングも通じて、地方におけるテレワークを促進する。大企業から地域の中堅・中小企業への人の流れを創出し、地域企業の経営人材確保を支援するため、REVICで管理する人材リストを通じた、地域金融機関等による人材マッチングを推進する。条件不利地域における地域振興を促進する。また、感染症により様々な課題が顕在化している中で、地方公共団体による地域の実情に応じた女性活躍や少子化対策等に係る独自の取組について、KPIを設定しつつ積極的に支援する。
      • 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金をしっかりと拡充し、感染拡大防止のほか、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現に関して、本経済対策に伴い必要となる支出や地方公共団体による地域の実情に応じた効果的・効率的できめ細やかな取組を支援する。
        • 地方創生テレワーク交付金、地方創生テレワーク推進事業(内閣府)
        • 国有財産を活用したサテライトオフィス整備支援(財務省)
        • 新たな働き方・住まい方を支えるテレワーク拠点等の整備に対する支援(国土交通省)
        • テレワークの普及・促進のための「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」(平成30年2月22日厚生労働省)の見直し(厚生労働省)【再掲】
        • 地域企業経営人材マッチング促進事業(金融庁)
        • 先導的人材マッチング事業(内閣府)
        • 地方創生拠点整備交付金(内閣府)
        • 放送コンテンツによる地域情報発信力強化事業(総務省)
        • 条件不利地域の振興策(国土交通省)
        • 沖縄振興特定事業推進費による地元独自の取組支援(内閣府)
        • グリーン住宅ポイント制度(国土交通省)【再掲】
        • 地域女性活躍推進交付金(内閣府)
        • 地域の実情・課題に応じた少子化対策の推進(結婚新生活支援等)(内閣府)
        • 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の拡充(内閣府)【再掲】等
    5. 防災・減災、国土強靱化の推進
      • 気候変動の影響により激甚化・頻発化する風水害や、南海トラフ巨大地震など切迫化する大規模地震災害は、まさに「いつ起こるともわからない」危機であり、国民の命と財産を守り、持続的な成長基盤の構築にも資する防災・減災、国土強靱化の推進は引き続き喫緊の課題である。また、高度経済成長期以降に集中的に整備されたインフラは老朽化が進行しており、災害等を機にこれらのインフラが毀損すれば、我が国の行政や社会経済システムが機能不全に陥る懸念がある。来年度から令和7年度までの5年間において、時々の自然災害等の状況に即した機動的・弾力的な対応を行うこととし、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策(仮称)」を取りまとめる。本対策は、激甚化する風水害や巨大地震等への対策、予防保全に向けた老朽化対策の加速、デジタル化等の推進に係る対策を柱とする。特に加速化・深化させるべき施策のために追加的に必要となる事業規模は15兆円程度を目指すこととし、初年度については、令和2年度第3次補正予算において措置する。
      • 府省庁や自治体、官民の垣根を越えて、防災・減災、国土強靱化に一体的に取り組み、災害に屈しない国土づくりを進めることとし、府省庁・官民連携による「流域治水」の推進など自然災害に対し、人命・財産の被害を防止・最小化するための対策や、交通ネットワーク・ライフラインを維持し、経済・国民生活を支えるための対策を講ずるとともに、予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向け、インフラの老朽化対策を加速する。同時に、国土強靱化を円滑・効率的に進めるためのi-Constructionなどデジタル化の推進や降雨予測精度向上、防災のデジタル・トランスフォーメーション等に強力に取り組む。
      • なお、本経済対策における公共事業等に伴う地方公共団体の追加負担の軽減を図り、地域における公共投資が円滑に実施されるよう、補正予算債等を活用する。公共事業の発注に当たっては、円滑な施工を図るとともに、建設業の働き方改革を推進するため、適正な積算の実施や工期の設定、施工時期の平準化等に努める。

内閣府 第15回 選択する未来2.0
▼資料1 江守正多 国立環境研究所地球環境研究センター副センタ―長提出資料
  • 20世紀半ば以降の世界平均気温上昇の主な原因は人間活動である可能性が極めて高い(95%以上)
  • 大気中CO2濃度 氷期~180ppm、間氷期~280ppm、現在~410ppm
  • 8つの主要なリスク
    1. 海面上昇、沿岸での高潮被害
    2. 大都市部への洪水による被害
    3. 極端な気象現象によるインフラ等の機能停止
    4. 熱波による、特に都市部の脆弱な層における死亡や疾病
    5. 気温上昇、干ばつ等による食料安全保障への脅威
    6. 水資源不足と農業生産減少による農村部の生計及び所得損失
    7. 沿岸海域における生計に重要な海洋生態系の損失
    8. 陸域及び内水生態系がもたらすサービスの損失
  • 「世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求する」気候変動枠組条約COP21パリ協定(2015年)
  • 「今世紀後半に人為的な温室効果ガスの排出と吸収源による除去の均衡を達成する」気候変動枠組条約COP21パリ協定(2015年)
  • 世界のCO2排出量は一時的に17%減少した(陸上交通の寄与が大)。今年度通しての減少は~7%程度?
  • 既存インフラ(火力発電、自動車等)を従来同様の寿命と稼働率で使い続けるだけで1.5℃を超えるだけのCO2を排出してしまう可能性が高い。
  • あなたにとって、気候変動対策はどのようなものですか?
    1. 多くの場合、生活の質を脅かすものである 世界平均26.75% (中国 14%, ドイツ 24%, ロシア 23%, 米国 25%)、日本60%
    2. 多くの場合、生活の質を高めるものである 世界平均66.24% (中国 65%, ドイツ 63%, ロシア 58%, 米国 67%)、日本17%
  • 「脱炭素化」はイヤイヤ努力して達成できる目標ではない ⇒社会の「大転換」が起きる必要がある
  • 「大転換」(transformation) ⇒単なる制度や技術の導入ではなく、人々の世界観の変化を伴う過程(例:産業革命、奴隷制廃止)
  • 世界が脱炭素化した暁には日本は「勝者」(脱炭素化の地政学的な得失指標)
  • 気候危機とコロナ危機に共通する背景:⇒これらの問題の「出口」が問われている
    • 人間活動による生態系への侵食。
    • 際限なく物質的な拡大を続ける人間活動。
    • 社会的な格差の再生産。
    • 不完全な国際協調。
▼資料2 蟹江憲史 慶應義塾大学大学院教授提出資料
  • SDGs(2030年の常識)の特徴
    1. 2030アジェンダのタイトルには「変革(Transforming Our World)」
    2. 「目標」からはじまる「目標ベースのガバナンス (governance through goals)」
      • 野心レベルの提示からスタート→ バックキャスティング
      • 国連でルールを決めない→ ターゲット・ルール作りは国に依存、各主体が自由に実施(イノベーション)
    3. 進捗の評価・レビューが唯一のメカニズム
      • 指標による評価
      • 4年に1度の「グローバル持続可能な報告書(GSDR)」による評価報告(日本ではSDGs白書):蟹江は2023年版15人の独立科学者に
    4. 総合的目標:17目標は一体で不可分
  • “2030アジェンダの真の変革の可能性は、コベネフィット(共便益)を最大化し、トレードオフを特定・管理する、体系的なアプローチを通じて実現できる。”(グロ・ハーレム・ブルントラント、元ノルウェー首相、元WHO事務局長)
  • 円卓会議構成員(12名)からの提言(9日円卓会議)
    • 実施体制・制度の改革
      • 政策の統合実施のための「司令塔」設置でタテ割り解消
        • 例えばSDGs達成へ向けたイノベーション政策の統合、プラスチック問題の統合的ロードマップ策定を可能に
        • 政府内での統合のみならず、政府と民間の動向のコーディネーターにも
      • 「持続可能社会推進基本法(SDGs推進基本法)」策定
        • SDGsの政府内での推進は政治的リーダーシップが必要
      • 行動創出のためのステークホルダー会議の実現
    • ステークホルダーの指針を明記
      • 市民、企業、資金、地域、教育・研究のSDG推進の指針を明記
      • SDGsから考える目標設定の重要性を強調
      • 在留外国人、LGBTなど性的マイノリティ、女性、子ども、高齢者、中山間地域に在住する人々、障害者、生活困窮者等の取り残されがちな人々への注目喚起
    • 企業と資金・未来から考えるビジネスや「ビジネスと人権」への取り組みを指針として提示
      • ESG投資等SDGs金融創出の重要性と、市民活動への十分な資金供与の重要性を併記
  • 国連事務総長SDGs報告書2020より
    • 4000万から6000万人が極度の貧困に戻る(20年来初)
    • 90%の世界児童生徒人口(16億人)が、COVID19の影響
    • 遠隔教育が多くの児童生徒に提供されているものの、デジタルデバイドによって教育の平等に関するギャップが拡大
    • 何十億人もの人が、安全に管理された水と衛生サービスや、基本的な手洗いのための設備へのアクセスのない状態
    • 2020年第二四半期では3億500万人のフルタイム労働に相当する合計労働時間低下が予測
    • 最も影響を受けているのは、中小企業、非正規雇用者、自営業や日雇い労働者、社会的混乱の影響を受けやすいセクターの労働者たち
    • 航空業界への影響が最も大きい。2020年の国際航空旅客15億人減と予測、国際線の搭乗率も4分の3減少予測、結果として以前の営業収益予測と比べて2730億の損益
    • COVID19は製造業に大きな影響。グローバルなバリューチェーンと製品供給を崩壊し、製造活動は崩壊の危機。これにより、失業率へのインパクトも。
    • 金融市場不安定化。コロナ拡大以降、史上最大の1000億ドルの資本流出。
    • 2020年の世界貿易は13%から32%マイナス予測。
  • ポジティブな変革へむけた影響も
    • 目標12:COVID19からの回復は、現在の持続可能でない消費と生産パタンを改め、持続可能なそれに変革する機会を提供
    • 目標13:旅行禁止と経済活動停止で、2020年GHG排出量6%削減、大気環境改善予測も、一時的
    • 目標17:パンデミックの世界規模という性格は、多国間主義の重要性を増大、すべての政府、民間、市民社会組織及びあらゆる人々の参加が必要に。
  • コロナは変革へのチャンスでもある いまこそSDGs
    • コロナ禍で世界が「持続不可能」だったことが明らかに → コロナ後は持続可能にすることが重要 → 経済・社会・環境の調和のとれた成長が必要
    • マスクと手洗いは、一人の行動の集積が社会変革になることを実証
    • 課題解決の「先送り」のつけを出さないためにSDGsが道しるべに
  • ターゲット1.2 2030年までに、各国で定められたあらゆる面で貧困状態にある全年齢の男女・子どもの割合を少なくとも半減させる。
    • コロナ発生前
      • 2019年の正規の職員・従業員数は前年から18万人増加しているのに対し、非正規の職員・従業員数は前年から45万人増加している。こうした非正規雇用者の増加が経済格差につながる可能性も指摘されていた。
    • コロナ直面時
      • 外出自粛等で営業に支障をきたす業種もあり、7月の非正規雇用者が前年同月比で約130万人減少し、正規雇用者と比較して不利な状況に置かれ、経済格差が更に広がっている。生活者の経済的な不安を払拭し、相対的な貧困の発生を防止する必要がある。
    • コロナ経験後
      • テレワークに関する労働需要など、労働が必要な産業が変化する。SDGsを基準に、変化後の産業構造に対応する産業構造の転換をおこない、貧困の発生を防止する。
  • ターゲット7.2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に増やす。
    • コロナ発生前
      • 日本国内の再生可能エネルギーの利用は年々増加しているものの、2017年時点の最終エネルギー消費量に占める再生可能エネルギー比率は、11.2%にとどまる。
    • コロナ直面時
      • 移動やビジネスの減少に伴い、電力需要が下がっている反面、テレワーク等により電力需要が分散している。家庭における太陽光発電等、自律分散型の電力を奨励し、最終エネルギー消費量に占める再生可能エネルギーの割合を大幅に増やす。
    • コロナ経験後
      • 経済活動の再開に伴い、エネルギー需要が高まることが見込まれる。脱炭素、グリーンリカバリーを視野に入れ、最終エネルギー消費量に占める再生可能エネルギーの割合を大幅に増やす。
  • コロナ後の変革を持続可能にするために…
    • 経済(カネ)・社会(ヒト)・環境(地球)のバランスのとれた成長が「2030年の常識」
    • 『持続可能社会推進基本法(SDGs基本法)』により推進本部・円卓会議が一体化し、内閣の下での(横断的)意思決定を可能に
    • SDGsは横断的課題であり、総合的・横断的な意思決定を可能にする必要がある。
    • 担当大臣任命・戦略本部等設置により、総合的見地からの変革(transformation)を可能に
    • アクションプランには新施策で横断的に実施
    • 日本としてのターゲット・目標を設定する
    • 2030アジェンダの実施により、進捗管理の意味を明確に
    • 独立のパネルによる進捗評価

【公正取引委員会】

※現在、該当の記事はありません。

【金融庁】

【2021年2月】

金融庁 「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等について
▼コメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方
  • ご指摘のとおり、マネロン・テロ資金供与リスクの検証を、「新たな商品・サービスを取り扱う場合や、新たな技術を活用して行う取引その他の新たな態様による取引を行う場合」に限定するものではございません。しかし、「新たな商品・サービスを取り扱う場合や、新たな技術を活用して行う取引その他の新たな態様による取引を行う場合」には、直面するリスクが変化することから、事前にマネロン・テロ資金供与のリスクを検証することが必要であることを明記したものです
  • 金融機関等は、自らの業務・サービス等がマネロン・テロ資金供与に利用されないよう、リスク評価に基づき、リスクベースで管理態勢を整備する義務を負います。こうした自らの業務・サービス等への影響の観点から、リスクベースの管理の一環として、提携先等のマネロン・テロ資金供与の管理状況を把握しておく必要があることを示すものです。
  • 提携先等のリスク管理態勢の有効性を検証するために確認すべき検証内容や深度等については、リスクに応じてご判断いただくこととなります。
  • これまで取扱いがなかった商品・サービス等の提供を開始する場合のほか、国内外の事業を買収することや業務提携等により、新たな商品・サービスの取扱いが発生する場合、直面するリスクが変化することから、営業部門と管理部門とが連携して、事前にマネロン・テロ資金供与リスクを分析・検証することが必要であると考えます。
  • ある商品・サービス等の提供を他の事業者と提携等して行う場合については、様々な取引形態が考えられるため、「提携先」等を例として挙げたものであり、「業務提携」や「資本提携」の場合も含まれ得るものと考えます。
  • 疑わしい取引の届出状況等の分析をリスクの特定の場面において活かすことを排除する趣旨ではなく、これらの分析結果は、リスクの評価に際して特に考慮されるべきものであると整理し、Ⅱ-2(2)リスクの評価【対応が求められる事項】に明記しました。
  • リスクの評価に当たって考慮すべき1つの重要な要素として、疑わしい取引の届出の状況等の分析を挙げています。ご指摘の「等」については、口座の不正利用状況や、捜査機関等からの外部照会、警察からの凍結要請、報道等から分析した金融犯罪の手口や被害状況等が含まれると考えられ、これらの事情を、リスクの評価に活用することが考えられます。
  • どのような手法を用いてマネロン・テロ資金供与対策を実現するかは、金融機関等の経営上の判断の問題となります。そのため、本ガイドラインにおいても、一律にシステムの導入を求めているわけではありません。また、共同システムの活用については、本ガイドライン(I-3業界団体や中央機関等の役割)に記載されているとおり、必要かつ適切な場合に、業界団体や中央機関等が、その共同運用の促進等に指導的な役割を果たすことが重要であると考えます。
  • 顧客の営業内容、所在地等が取引目的、取引態様等に照らして合理的ではないなどのリスクが高い取引等について、取引開始前又は多額の取引等に際し、追加的な措置を講ずることを求めています。
  • 本ガイドラインにおける「リスクに応じた簡素な顧客管理(SDD)」とは、リスクが低いと判断した顧客について、当該リスクの特性を踏まえながら、当該顧客が行う取引のモニタリングに係る敷居値を上げたり、顧客情報の調査範囲・手法・更新頻度等を異にしたりすることをいいます。
  • Ⅱ-2(3)(ⅱ)【対応が求められる事項】10二においては、各顧客のリスクが高まったと想定される具体的な事象が発生した場合等の機動的な顧客情報の確認に加え、定期的な確認をすることを求めています。そして、同【対応が求められる事項】10ホにおいては、こうした継続的な顧客管理により確認した顧客情報等を踏まえ、顧客の顧客リスク評価を見直し、リスクに応じたリスク低減措置を講ずることを求めています。
  • 継続的な顧客管理により確認した顧客情報等を踏まえ、顧客リスク評価を見直し、当該顧客に対し、リスクに応じた個別具体的なリスク低減措置を講ずることを求めています。
  • 「団体」及び「団体が形成しているグループ」の範囲については、機械的に判断されるものではなく、当該「団体」及び「グループ」自体の性質や、「団体」がグループ内で有する地位や影響力等に応じて、個別具体的に判断する必要があります。
  • 当該グループのうち、制裁国周辺地域と取引を行っている先が存在する場合等には、グループを形成している団体の顧客のリスク評価に重大な影響を及ぼし得る先として、当該リスクを勘案することを想定しています。
  • 取扱業務や顧客層を踏まえて、取引フィルタリングシステムのあいまい検索機能の設定を適切に行うよう、定期的に調整することを想定しています。
  • 「取引関係者」には法人に限らず個人も含まれ、取引関係者が法人の場合は実質的支配者も含まれます。
  • 当庁としては、SWIFTの電文に含まれている全ての情報のみならず、取引の内容(送金先、取引関係者(その実質的支配者も含む)、輸出入品目等)について照合対象となる制裁リストが最新のものとなっているか、及び制裁対象の検知基準がリスクに応じた適切な設定となっているかを検証し、その上で適切に照合するなど、的確な運用を図ることを求めています。
  • 経営陣においては、マネロン・テロ資金供与対策に係る業務負担を、所管部署等から報告を受けることなどにより、適宜適切に把握し、ITシステムを活用することで、有効性の向上及び業務の効率化が図られ、効果的かつ迅速に対応できると判断される場合においては、ITシステムの活用を検討することが求められています。なお、「経営陣」の定義等については、平成30年2月6日公表時のパブリックコメント6に対する回答をご参照ください。
  • 地方銀行等が資金移動業者のサービスの媒介のために店頭に会員申込書等を配置することにより、自身の顧客等が当該資金移動業者のサービスにアクセスしやすくする場合で、かつ、当該資金移動業者から対価を受け取るような場合には、マネロン・テロ資金供与への関与を回避することができるよう、当該資金移動業者のマネロン・テロ資金供与リスク管理態勢について確認することができるような態勢を構築することが重要であるものと考えます。なお、地方銀行等自身も、自身に必要なマネロン・テロ資金供与リスク管理態勢を構築することが求められます。
  • 「送金人及び受取人が自らの直接の顧客でない場合」には、コルレス先や委託元金融機関等と連携しながら、自らの顧客でない送金人及び受取人についても取引モニタリングの対象とするなどリスクに応じた厳格な顧客管理を行うことを必要に応じて検討することを求めています。
  • 中継銀行としてSWIFT電文上にある情報のリスト照合を適切に行うとともに、バルク送金や送金原資、送金目的に不自然な点があった場合には、KYCの対象であるコルレス先を通じて情報提供依頼を行うなど、リスクに応じた対応が求められます。
  • 「輸出入取引等に係る資金の融通及び信用の供与等」については、貿易活動に基づく債務不履行時の保証、履行保証、信用供与等で構成されるものであり、例えば、輸出手形の買取り・輸入信用状開設に加え、輸出信用状の確認等を想定しています。なお、輸出入に係る単純な代金決済における海外送金については、本ガイドラインのⅡ-2(4)(ⅰ)「海外送金等」をご確認ください。
  • 輸出入取引等に係る資金の融通及び信用の供与等に係るリスクの特定・評価については、取引に関係する国・地域に対するリスクだけでなく、取引全体に対するリスクを勘案するように求めています。「輸送経路」については、例えば、制裁対象国の瀬取りに利用されることがないかといった観点等から、必要な事項を考慮していただく必要があると考えますが、少なくとも、出向地、寄港地、中継地は確認していただく必要があるものと考えます。また、輸送経路を確認する中で、制裁対象国の付近を通過する場合には、制裁対象国が関与する取引でないかという観点から、制裁内容を確認し、制裁対象国・地域を通過していないかなどについても確認する必要がある場合もあり得るものと考えます。「利用する船舶等」については、船舶が制裁対象に該当しないか、船舶の所有者、オペレータが制裁対象者に該当しないかといった観点から必要な事項を考慮していただく必要があるものと考えます。「取引関係者」については、輸出入取引に係る資金の融通及び信用の供与等のリスクの特定及び評価に必要な関係者について考慮していただく必要があるものと考えます。その関係者に実質的支配者が存在する場合には、当該実質的支配者についても考慮していただく必要があるものと考えます。もっとも、いわゆるKYCCという顧客の顧客の本人確認手続まで求めるものではありません。
  • 輸出入取引等の「輸送経路」を把握する方法としては、船舶等の寄港地や航跡の管理、AIS情報のモニタリング等の方法がありますが、仲介業者等を介する場合には、当該仲介業者等を通じて、必要な対応を実施していただくべきものと考えます。
  • 取引金額や取引量等を踏まえ、システムによるか、マニュアルによるかを問わず、リスクが高い取引について、送金取組前に的確に検知することができる態勢を整備することが期待されています
  • 全ての取引について適切にリスク評価が行われ、取引モニタリング・フィルタリングの対象となることを前提とし、事前に整理した指標に基づき、リスクの高い取引については、追加的な確認を行うなどして、リスクベースによる取組みが行われることを期待しています。なお、事前に整理した指標については、自らの規模・特性や業務実態等を考慮して、定期及び随時に見直すことが期待されています。
  • 市況品、汎用品等、市場価格を把握することが困難とまではいえない商品等については、金融機関等において把握可能な情報から考えられる市場価格との乖離がないか、その乖離は合理的か否かを検討することが期待されます。なお、市場価格を判断することが困難な物・サービスが輸出入取引等の目的となっている場合には、取引関係者等について深堀調査をするなどして、異なる観点からマネロン・テロ資金供与リスクを低減させる措置を実施することが期待されます。
  • 例えば、事前に金融機関等において把握している顧客の業務内容や取扱商品等と整合しないような輸出入取引が挙げられます。前提として、輸出入取引を行うような顧客については、その業務内容や主たる取扱商品、主たる取引の相手方等について、金融機関等において把握していることが重要であると考えます。
  • 新技術の有効性を積極的に検討し、他の金融機関等の動向や、新技術導入に係る課題の有無等も踏まえながら、マネロン・テロ資金供与対策の高度化や効率化の観点から、こうした新技術を活用する余地がないか、その有効性も含めて必要に応じ、検討を行うことを期待しています。また、AI等が行った結果に対する透明性/説明性は、十分考慮されるべき点であり、利用する金融機関等が、AIモデルの判定ロジックにおいて、一般的には、どの説明変数がどの程度の重要度で利用されるかを示す情報(説明変数の寄与度)の取得に関して、合理的な時間内で取得可能であること、及び、変数の寄与度が金融犯罪検知や疑わしい取引の検知の文脈で解釈可能であることなどが考えられます。
  • 第3線の職員が独立した立場から検証を行うことを期待していますので、「内部監査部門」という表現は、原案のとおりとさせていただきます。
  • 本改正は、外部専門家等を利用する際の留意点を示すものであって、金融機関等において、外部専門家等によるレビューを受ける必要性を高めたり、外部専門家等によるレビューを受ける義務を課したりする趣旨のものではありません。
  • ある項目について外部専門家等のレビュー等を受けたことをもって、事後的な検証を一切不要とすることなく、適切に検証することが期待されています。外部専門家等を選定する前に、金融機関等における選定基準により選定することは差し支えないものと考えます。
  • 業務経験や資格等は考慮要素の1つとなり得ますが、外部専門家等による検証結果の合理性等について、独立した立場で内部監査部門が検証を行うことで、金融機関等が利用した外部専門家等の適切性や能力等の検証が行われることが期待されています。
  • サービスの対価の合理性判断について、金融機関等と外部専門家等における契約の中で、協議・検討すべきものと考えます。
  • 事前の検証においては、ご指摘いただいたような項目について検証することが期待されます。内部監査部門の事後検証においては、プロセスが履践されているということのみならず、検証結果等の内容等からして、当該外部専門家等の能力や適切性を検証することが期待されています。
  • ガイドラインにおいては、「対応が求められる事項」に係る態勢整備を前提に、特定の場面や、一定の規模・業容等を擁する金融機関等の対応について、より堅牢なマネロン・テロ資金供与リスク管理態勢の構築の観点から対応することが望ましいと考えられる事項を「対応が期待される事項」として記載しています。
  • 経営陣は、形式的に承認手続を行うことにとどまらず、マネロン・テロ資金供与対策を金融機関等における重要な経営上の課題と位置付け、同対策の方針・手続・計画等の策定及び見直しについて積極的に関与することが求められています。
  • 本ガイドラインでは、経営陣が、職員へのマネロン・テロ資金供与対策に関する研修等につき、自ら参加するなど、積極的に関与すること(Ⅲ-2【対応が求められる事項】7)や、管理部門にマネロン・テロ資金供与対策に係る適切な知識及び専門性等を有する職員を配置すること(Ⅲ-3(2)【対応が求められる事項】4)を求めています。
  • 同じ内容の研修を受講させる必要性は低いものと考えますが、NRAの内容やFATFにおける業態別のガイダンスが改訂されたり、金融機関等が直面するリスクに変化が生じたりした場合には、必要に応じて、従来の研修をアップデートした上で、既受講者も対象とした検証を実施することが求められるものと考えます。

金融庁 金融審議会「最良執行のあり方等に関するタスクフォース」(第2回)議事次第
▼資料2 事務局説明資料(最良執行方針等とSORとの関係等)
  1. 第1回会合(2020年12月18日)におけるメンバーの主なコメント
    • 全体
      • 多種多様な投資家を前提に最大公約数を取るという観点からすれば、現在でも、価格、コスト、スピード、執行可能性が4大要素であるというのは、違和感はない。ただし、他の要素を排除するわけではない。
      • マーケットの多様化の進展、発注技術に関する進展を踏まえると、大多数の投資家にとって取引所で執行することが合理的であるというところから出発する現在の最良執行義務は見直す必要。
      • 様々な要素を総合的に勘案するという最良執行の整理は今でも変化していないが、ITの進展や、PTSにおいても少なくとも取引所の取引時間内においては妥当な価格での売買が可能になってきていることを前提にすると、最良執行のあり方を見直すことについては異論はない。ただし、取引可能なあらゆる取引施設を価格で比較しなければならないとするのは現実的ではない。また、PTSは東証の取引開始前の時間帯でも取引しているが、その時間帯は、価格を比較することは現実的ではない。
      • 機関投資家と個人投資家では注文のサイズやニーズが異なることから、機関投資家に対する最良執行方針等と個人投資家に対する最良執行方針等を分けて議論するのが妥当。
      • 米国では、機関投資家・個人投資家問わず価格による最良執行義務とされているが、世界的に見ると特殊。米国のような価格重視の最良執行義務を導入するためには、かなりの設備投資が必要であり、また市場外の執行が増えるなど市場構造に一定の影響があるため、慎重に検討する必要。
      • 米国のNMSのようなシステムを構築するには、非常に大規模なインフラが必要になり、メンテナンスも必要であるため、一朝一夕に実現するのは難しい。
    • 機関投資家に対する最良執行方針等
      • 証券会社が注文執行にあたって考慮すべき要素について、機関投資家にとっては、匿名性・秘匿性も重要。
      • 機関投資家は、必ずしも価格のみを優先しているわけではなく、様々な視点、投資元となっている投資家の視点から、適切な優先すべき事項を選んでいる。
      • 機関投資家に対する最良執行方針等については、基本的には導入当初の精神というのは未だに生きており、これに大きく手を入れる必要はない。
    • 個人投資家に対する最良執行方針等
      • 個人投資家について、特に小口の注文に関しては、複数の取引施設を比較して、より良い値段で執行するということはある意味自然。ただし、小口の個人投資家の注文の全てにおいて、価格の比較が有効であるというわけではない。中長期の投資をする個人投資家は、指値で待つ人も多い。約定可能性、価格の透明性も重視されるべき。
      • それほど大きな注文は出さない個人投資家においては、どのような価格で執行できるのか、どのようなコストがかかるのかという、この2点が一番重要な要因。複数の市場で執行が可能な場合にどの市場に最良価格があるかということを収集する能力は、個人投資家の場合には非常に限られているため、SORを積極的に活用した執行機会というものを最良執行という考え方の中に取り込んでいくことはメリットがある。ただし、SORを使用した執行には特有のデメリットもあり、投資家によっては取引所での執行を優先して好むという投資家も当然いると思われるため、投資家の選択の余地を残すという意味では、全てSOR経由ではなければいけないということではない。
      • 価格優先という形を一律的に適用するという発想については、若干懐疑的。証券会社それぞれにおける特性・ビジネスモデルを減殺してしまうという側面もある。デイトレーダーのようなスピードと価格が最も重要である個人投資家がいる一方、中長期的な資産形成をする個人投資家にとっては証券会社からのサービスが非常に重要。マーケットの側面から見ても、健全な市場の多様性を維持していくという意味においても、価格のみに焦点を当てることによって、その特性が若干損なわれることがあるとすると、あまり好ましいことではない。中堅証券が新たなシステムコストを過大にかけて、それが結果として投資家に転嫁されるというような形になるというのは、投資家保護とは必ずしも言い切れない。プリンシプルベースのアプローチが望ましい。
      • SORを導入するシステム対応のために、取引所・PTSにつなぐために、一定のコストがかかっている。SORは価格改善メリットを目的に導入しており、若干価格改善につながっているが、東証での約定も多く、かけたコストに対してメリットはまだまだ小さい。そこまで価格にセンシティブではない個人投資家も多いと思われ、一律SORを導入しようという議論はとても乱暴。
      • 投資家が少しでも有利な価格で取引できるに越したことはないが、今も基幹システムの維持、利用料についても相当なコストが毎月かかっており、それが中堅・中小証券の利益を圧迫している。売買手数料を収益の柱とするブローカレッジ業務から資産形成ビジネスへのシフトが課題となっていることからも、価格追求の優先度は下げざるを得ない。執行可能性と安心して取引できるという市場の透明性が一番大事であり、その次に、コスト、価格、スピードが重要。個人投資家は少額投資中心であるため、僅かな価格差に大きなメリットがあるとは現状感じられない。
    • その他
      • 約定価格と約定した時点の取引所の気配を比較すれば、価格改善効果はあったといえるかもしれないが、本当に重要なのは、例えばある注文を証券会社が受領してPTS等に指値で発注したときに、何らかの気配情報が発信され、例えばHFTがその情報に基づいて取引所等で先回りして取引をしてしまった、その結果投資家の注文は約定されず、より不利な価格での約定を強いられたといったケースがあった場合に、約定した結果だけを見て価格改善効果があるというのは、フェアではない。
      • (個人投資家と高速取引行為者との間のスピード格差という点に関連して)マーケットの流動性の多様化が非常に重要であり、マーケットの見方が違う投資家がいるからこそ、売りと買いが発生し、需給が発生する。
      • 最良執行方針等どおりに執行されたのかという点の開示とモニタリングが重要。
      • SORは多様な条件を迅速かつ円滑に探索する上では非常に優れた仕組みであるが、一種のブラックボックス化しているところを踏まえて、利益相反の観点から検討する必要。
      • 市場の透明性についても同時に考える必要。
      • 市場間での健全な競争環境があるということが重要。
  2. 検討課題
    1. 最良執行方針等とSORとの関係
      • 最良執行方針等においてSORによる注文執行のルールを記載することについてどう考えるか。(この場合、個人投資家も含め、分かりやすい記載にするためには、どのような点に留意する必要があるか。)
      • SORにより注文を執行した場合における、投資家に対する執行結果に関する情報提供のあり方についてどう考えるか。(最良執行説明書の記載事項の充実化 等)
    2. SORに付随する利益相反構造
      • SORによる注文執行のルール如何により利益相反が生じることを踏まえ、最良執行の観点から、SORによる注文執行のルールはどうあるべきか。
      • 前記の利益相反構造について、どのような対応策が考えられるか。
    3. 最良執行方針等とダークプールとの関係 (※)
      • 個人投資家の最良執行方針等について、より価格を重視したものに見直す場合、ダークプールの位置付けについてどのように考えるべきか。(※)ダークプールについては、2019年・金融審議会「市場ワーキング・グループ」において、トレードアットルール及びダークプールを利用する場合における事前同意の取得義務付けが見送られ、まずは、ダークプールの透明性等の確保が進められているところ。

金融庁 「記述情報の開示の好事例集2020」の追加・公表
▼一括ダウンロード
▼1.「新型コロナウイルス感染症」に関する開示例
  • 株式会社熊谷組
    1. 経営環境について
      • 新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により海外経済が急速に収縮するなか、政府から発令された新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言を受けて、個人消費は外出自粛や移動制限により停滞し、企業収益もインバウンド需要の消失や経済活動の抑制により大幅な悪化が避けられない状況となった。2020年5月25日をもって緊急事態宣言が全都道府県で解除されたものの、景気の見通しは極めて不透明な状況にある。
      • 建設業界においては、民間企業による建設投資は経営環境の悪化により減少が予想されるが、公共投資は、気候変動による災害リスクの増大やインフラ老朽化対策などへの集中投資の必要性から2020年度当初予算に前年度とほぼ同水準の公共事業関係費が織り込まれており一定の水準は維持されると思われる。また、新型コロナウイルス感染症拡大の緊急経済対策として補正予算に計上されている国内投資促進事業費補助金2,200億円については、民間設備投資を一定程度下支えすると考えられる。
      • このような状況下において、新型コロナウイルス感染症拡大が当社グループに与える影響について「マイナス影響」と「プラス影響」に大別して認識している。
        • マイナス影響
          • 景気後退に伴う民間企業の設備投資の減少
          • インバウンド需要縮小に伴う宿泊施設等の新設減少
          • 官庁工事における公告・入札の延期
          • 追加設計変更交渉等の難航
          • 海外工事減少に伴う国内競争の激化
          • 工事中断に伴う工程遅延・部材の納入遅れによる工程遅延
          • 発注者、施工協力業者の倒産リスクの増加
          • 感染症対策に伴うコストの増加等
        • プラス影響
          • 景気下支え策としての公共工事の増加
          • デフレーションによる工事コストの低下
          • 医療、倉庫・流通施設の増設、移転
          • 海外における生産拠点の日本回帰や再編に伴う工場等の増設、移転
          • 生活・社会インフラの整備
          • テレワーク増加に伴う通信インフラの整備
          • 行動様式の変容に合わせたリニューアル工事の増加
          • 集約型から分散型オフィスへのシフト
          • M&Aの進展・再開発事業に係る不動産購入コストの低下等
          • 受注環境・価格競争が厳しさを増していくと予想されるなか、新型コロナウイルス感染症の業績への影響について、2008年のリーマンショック時と同程度に民間工事の受注高が落ち込むことを想定しており、連結売上高・連結営業利益に影響を与えることを見込んでいる。
    2. 対応策について
      • 2020年2月22日に危機管理委員会を事務局とした新型コロナウイルス対策本部を発足させ、全ての事業所で朝夕の検温、マスク着用、手洗いの徹底、時差出勤及び在宅勤務の実施、不要不急の出張の制限、不特定多数の人が集まるイベントの開催・参加の延期・中止の検討といった予防措置をとった。
      • 政府から緊急事態宣言が発令された2020年4月7日にはより迅速な対応を可能とするため社長を対策本部の長とする体制へ移行したうえ、対象地域の内勤者に対して在宅勤務を原則とする交代勤務制を推奨するなど感染リスクの最小化に努めた。
      • 2020年4月17日に緊急事態宣言の対象区域が全都道府県に拡大されたことを受けて、当社グループの社員及び協力会社などの関係者の生命・身体の安全を最優先する方針のもと、お客様と協議のうえ、施工中の一部工事を一時中断する措置をとり、全国の内勤者について当初の対象地域の対応と同様の措置をとった。
      • 2020年5月7日にお客様から工事中断の要請がある工事を除いて感染防止策を強化・徹底する事を前提に工事を再開し、2020年5月25日の緊急事態宣言の解除後は中断していた全ての工事を再開させた。また、緊急事態宣言解除後も感染拡大防止に向けた対策を継続している。
  • ヤマトホールディングス株式会社
    1. 経営環境、経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
      • 今後の経済情勢については、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い大幅に悪化しており、今後の感染拡大ペースや収束時期が不透明な中、内外経済環境の回復が見通せない状況にあります。
      • 一方、物流業界においては、消費スタイルの急速な変化によりEC市場が拡大する中、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う世界的な製造業の生産活動や貿易の停滞、移動の制限によるインバウンド需要の急激な減少、サービス業を中心とした営業自粛など経済活動全般が縮小しており、今後の経営環境への影響が不透明な状況にあります。
      • このような状況下、ヤマトグループはお客様、社員の安全を最優先に、宅急便をはじめとする物流サービスの継続に取り組んでまいります。また、2020年1月、前中期経営計画「KAIKAKU 2019 for NEXT100」の成果と課題、外的環境の変化を踏まえ、今後のヤマトグループにおける中長期の経営のグランドデザインとして経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」を策定しました。宅急便のデジタルトランスフォーメーション、ECエコシステムの確立、法人向け物流事業の強化に向けた3つの事業構造改革と、グループ経営体制の刷新、データ・ドリブン経営への転換、サステナビリティの取り組みの3つの基盤構造改革からなる当プランを着実に実行し、持続的な成長を目指してまいります。
      • 2021年4月には、現在の機能単位から、リテール・地域法人・グローバル法人・ECの4事業本部と、4つの機能本部からなる経営体制へ移行し、中長期的(2024年3月期)に、営業収益2兆円、営業利益1,200億円以上、ROE10%以上をターゲットとします。なお、主要経営指標等を含む詳細な中期経営計画については、2022年3月期からの3か年計画として検討を進めてまいります。
        • 3つの事業構造改革
          1. 「宅急便」のデジタルトランスフォーメーション
            • デジタル化とロボティクスの導入で、「宅急便」を当社の安定的な収益基盤にするとともに、セールスドライバーがお客様との接点により多くの時間を費やせる環境を構築し、お客様との関係を強化します。徹底したデータ分析とAIの活用で、需要と業務量予測の精度を向上し、予測に基づく人員配置・配車・配送ルートの改善など、輸配送工程とオペレーション全体の最適化、標準化によって、集配の生産性を向上します。さらに、従来の仕分けプロセスを革新する独自のソーティング・システムの導入で、ネットワーク全体の仕分け生産性を4割向上させるなど、取扱個数の増減だけに影響されない、安定的な収益構造に改めます。
          2. ECエコシステムの確立
            • 今後も進展が予想される「産業のEC化」に特化した物流サービスの創出に取り組みます。既に、2020年4月より、EC事業者、物流事業者と協業し、一部の地域でEC向け新配送サービスを開始しており、外部の配送リソースとヤマトの拠点やデジタル基盤を融合し、まとめ配達や配達距離の短縮化、オープンロッカーや取扱店受け取り、安心な指定場所配達などを通じて、EC事業者、購入者、運び手のそれぞれのニーズに応える、EC向けラストマイルサービスの最適解を導き出し、全国への展開を目指します。また、あらゆる商取引のEC化に対応する統合受発注、輸配送、在庫管理、決済、返品などを一括管理できるオープンなデジタル・プラットフォームを構築し、2021年4月からの提供を目指します。
        • 3つの基盤構造改革
          1. グループ経営体制の刷新
            • 現在の機能単位の部分最適を、顧客セグメント単位の全体最適な組織に変革し、経営のスピードをより速めるため、2021年4月、当社の100%子会社であるヤマト運輸株式会社が、グループ会社7社を吸収合併および吸収分割することにより、純粋持株会社の当社のもと、リテール・地域法人・グローバル法人・ECの4事業本部と、4つの機能本部を構築します。輸送・プラットフォーム・ITの各機能本部は、ネットワーク・拠点・車両を含めた輸配送工程の全体最適化、YDP・クロネコメンバーズなどのプラットフォームの進化、ITの強化とIT人材の開発など、事業本部の競争優位の源泉となる各機能の開発と運営を担います。また、プロフェッショナルサービス機能本部は、再編で重複する業務の統廃合を受け、管理間接業務や調達業務を集約するとともに、徹底した業務の標準化、効率化を進めます。
          2. データ・ドリブン経営への転換
            • 今後4年間で約1,000億円をデジタル分野に投資するとともに、社内外のデジタル・IT人材を結集し、2021年4月には300人規模の新デジタル組織を立ち上げます。新組織立ち上げに向け、2021年3月期は下記の5つのアクションを実行します。
            • データ・ドリブン経営による予測に基づいた意思決定と施策の実施
            • アカウントマネジメントの強化に向けた法人顧客データの統合
            • 流動のリアルタイム把握によるサービスレベルの向上
            • 稼働の見える化、原価の見える化によるリソース配置の最適化、高度化
            • 最先端のテクノロジーを取り入れたYDPの構築、および基幹システム刷新への着手
            • また、2020年4月1日に設立したCVCファンド(コーポレートベンチャーキャピタルファンド)である 「KURONEKO Innovation Fund」等を活用し、オープンイノベーションを加速してまいります。
          3. サステナビリティの取り組み~環境と社会を組み込んだ経営~
            • ヤマトグループは、持続可能な未来を切り拓く将来の姿として「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」、「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」の2つのビジョンを掲げ、人や資源、情報を高度につなぎ、輸送をより効率化させることで、環境や生活、経済によりよい物流の実現を目指します。
            • そして、フェアな事業や多様なパートナーとの共創により、リーディングカンパニーとして社会課題を解決していきます。2050年CO2実質排出ゼロ(自社の排出:Scope1(直接排出)とScope2(電気等の使用に伴う間接排出))に挑戦し、低炭素車両の導入や再エネ利用等を進めていきます。また、持続可能な資源の利用、スマートモビリティ、働きやすい職場づくりを通じたディーセント・ワーク(働きがいのある、人間らしい仕事)達成への貢献、人権・ダイバーシティの尊重、健全でレジリエンス(強靭)なサプライチェーンマネジメントなどに注力していきます。
    2. 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
      • ヤマトグループは、社会インフラの一員として社会の課題に正面から向き合い、お客様、社会のニーズに応える「新たな物流のエコシステム」を創出することで、豊かな社会の創造に持続的な貢献を果たしていくため、中長期の経営のグランドデザインである経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」に基づき、以下の課題に取り組んでまいります。
        1. 新型コロナウイルス感染症の拡大に対応し、お客様に安心して宅急便をご利用いただくため、社員の衛生管理に最大限留意するとともに、非対面での荷物のお届けへの対応や接客時の感染防止対策の実施、ホームページなどを活用した情報発信などに取り組んでおります。引き続き、お客様、社員の安全を最優先に、宅急便をはじめとする物流サービスの継続に努めてまいります。
        2. お客様、社会のニーズに正面から向き合う経営をさらに強化するため、2021年4月にグループ経営体制を刷新し、従来の機能単位の組織を、リテール・地域法人・グローバル法人・ECの4つの顧客セグメント単位の組織に再編するとともに、経営と事業の距離を縮め意思決定の迅速化を図ることで、お客様の立場で考えスピーディーに応える経営を目指してまいります。また、グループ経営の健全性を高めるため、引き続き、商品・サービスの審査および内部通報に関する運用状況のモニタリングや社員への倫理教育など、グループガバナンスの強化に取り組んでまいります。
        3. 第一線の社員がお客様にしっかりと向き合う「全員経営」を推進するため、データ・ドリブン経営への転換に取り組んでまいります。宅急便をより安定的な収益基盤にするとともに、セールスドライバーがお客様へのサービス提供により多くの時間を費やすことができる環境を構築するため、宅急便のデジタルトランスフォーメーションを推進してまいります。データ分析とAIの活用により、需要と業務量予測の精度を向上し、輸配送工程とオペレーション全体を最適化、標準化し、集配および幹線輸送の生産性を向上させるとともに、デジタル化とロボティクスの導入により従来の仕分けプロセスを革新するソーティング・システムを導入し、物流ネットワーク全体の仕分け生産性の向上を目指してまいります。
        4. 社会のニーズに応え、EC市場の高い成長力を取り込むECエコシステムの確立に向けて、「産業のEC化」に特化した物流サービスの創出に取り組んでまいります。EC事業者や物流事業者との共創により、外部の配送リソースとヤマトグループの拠点やデジタル基盤を融合し、EC事業者、購入者、運び手のそれぞれのニーズに応えるEC向け配送サービスを提供するとともに、受発注、輸配送、在庫管理、決済、返品などを一括管理するオープンなデジタル・プラットフォームを構築してまいります。
        5. 新たな成長の実現に向けて法人向け物流事業を強化するため、グループ各社に点在する専門人材、流通機能や物流機能、物流拠点を結ぶ幹線ネットワークなど、法人向けの経営資源を結集し、お客様の立場に立ったアカウントマネジメントを推進するとともに、引き続き、グローバル関連事業のマネジメント強化に取り組んでまいります。また、データ基盤を構築し、精度の高いリアルタイムの情報を活用した法人向け物流ソリューションの提案力を強化し、法人顧客のサプライチェーン全体を最適化するソリューションの開発に取り組んでまいります。
        6. 持続的な成長と持続可能な社会の発展を両立するため、サステナビリティの取組みを推進し、環境と社会を組み込んだ経営を実践してまいります。持続可能な未来を切り拓く将来の姿として掲げた「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」、「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」という2つのビジョンの下、人や資源、情報を高度につなぎ、輸送をより効率化させることで、環境や生活、経済によりよい物流の実現を目指してまいります。
        7. 社員が働きやすさと働きがいを持ち、イキイキと働くことができる労働環境を実現し、社員満足を高めるとともに多様な人材から選ばれる会社となるため、引き続き、魅力ある人事制度の構築や、社員の自主・自律が評価され、イキイキと働くことができる評価制度の導入、教育体系の再構築などに取り組んでまいります。

金融庁 「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(第24回)議事次第
▼資料1 ESG要素を含む中長期的な持続可能性(サステナビリティ)について
  • 企業・投資家ともに、気候変動について、リスクであるとともに投資機会・ビジネス機会であると捉えている者が多数を占めるようになってきている。
  • 日本経済団体連合会が推進する「チャレンジ・ゼロ」は、(1)ネット・ゼロエミッション(含む、トランジション)技術等の開発と、(2)その積極的な普及・実装、(3)これらに取り組む企業等に対するファイナンス等を対象とした取組みであり、そのイノベーション事例として以下のようなものが存在。
    • “ごみ”を“エタノール”に変換する世界初の革新的生産技術の確立(積水化学工業株式会社)
    • CO2除去空調システム(清水建設株式会社)
    • インベストメント・チェーンの高度化を通じて「脱炭素社会」の実現を支援(三井住友トラスト・ホールディングス株式会社)
  • 日本経済団体連合会は、サステナブル・ファイナンスのさらなる推進に向けた今後のアクションとして情報開示の重要性にも言及。
    • 脱炭素社会の実現に向けた具体的なアクションに取り組む企業が、国内外の金融機関やESG投資家等から評価され、資金を獲得していくポジティブな資金フローを生み出していくためには、各社による積極的かつ効果的な情報開示、「リスク」のみならず「機会」の開示が重要
    • TCFD提言に基づく開示に取り組む企業の裾野を広げる努力も継続するとともに、企業と金融機関・投資家等との建設的な対話・エンゲージメントにつなげていく必要
    • コーポレート・ガバナンス・コードの改訂が来春にも予定される中、企業の情報開示の自主性・柔軟性を確保しながら、気候変動分野におけるTCFDの位置づけの明確化など、既にある制度的基盤の一層の整備の必要性も検討すべき
  • 日本企業のサステナビリティ関係の委員会に関する取組みは以下のとおり。取締役会の諮問機関として位置付けられている例や、執行側の最高決定機関として位置付けられている例が存在
  • 2020年9月、世界経済フォーラムはESGに関する定量的指標と推奨される開示に関する報告書を公表。2021年1月に実施されたダボス・アジェンダにおいて、業界を超えた61のグローバル企業が当該指標に基づく報告に取組む旨意思表明を行った。上記報告書は、21のコア指標(企業単体の活動)及び34の拡張的指標(ビジネスチェーン全体の活動)を提示し、SDGsと整合的な4つの柱(ガバナンス原則、地球、人類、繁栄)に分類。主な参照基準については、TCFD提言やGRIといった既存のESG開示枠組みを記載。
  • 金融庁において、2020年5月から9月にかけて、内国系・外資系機関投資家や企業等に「ポストコロナにおいて注目していきたいガバナンス」についてヒアリングを実施。企業・投資家ともに、E(Environment)に加え、従業員の役割やその安全への配慮といったS(Social)要素への注目が集まっている、などといった指摘がある。
  • 世界のESG投資額の統計を集計している国際団体のGSIA(Global Sustainable Investment Alliance)によれば、ESG投資は各地域で増大傾向にある。欧州では運用資産に占めるESG投資割合が50%程度となるなど、取組みは先行。欧州以外の国でも、保有割合が増加している
  • 世界最大の資産運用会社であるブラックロック(運用総額約7兆ドル)は、2020年1月、投資先企業と顧客投資家に対し、ESGを軸にした運用を強化すると表明。2021年1月には、同社は、カーボン・ニュートラルの実現へ向けてビジネスモデルをどのように適合させていくかについての計画の開示等を投資先企業に対して求める旨を表明。
  • 2021年1月28日菅総理大臣は、バイデン米国大統領と電話会談を実施。気候変動問題について日米で緊密に連携していくことで一致した。「菅総理から、米国のパリ協定への復帰決定、WHOからの脱退通知の撤回とコバックスへの参加表明を歓迎しました。その上で、両首脳は、気候変動問題やコロナ対策、イノベーションといった国際社会共通の課題について、日米で緊密に連携していくことで一致しました。バイデン大統領から、気候変動サミットへの招待がなされました。」
  • 我が国の企業では、統合報告書における開示を含め、非財務情報の開示について積極的な動きが見られる。
  • 2015年12月、G20の要請を受けた金融安定理事会(FSB)は気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)を設立。2017年6月、企業による自主的な開示を促すための提言をまとめた最終報告書(TCFD提言)を公表。金融庁、経産省、環境省等の関係省庁は、TCFD提言に沿った開示に自主的に取り組もうとする金融機関や事業会社をサポート。2019年5月、日本経済団体連合会等の呼びかけにより、「TCFDコンソーシアム」が設置された。TCFDに沿った開示を進めていく上での疑問点や望ましい開示内容について、投資家と企業が双方向の議論を行う。金融庁、経産省、環境省は運営面でサポートすると共に、オブザーバー参加。
  • 海外では、欧州を中心にTCFD提言に基づく開示の国内法制を整備するなどの動きが活発化。
  • 2020年9月30日、国際会計基準(IFRS)の設定主体であるIFRS財団が、サステナビリティに関する国際的な報告基準を策定すべく、新たな基準設定主体を設置する旨の市中協議文書を公表。
  • 2020年11月27日、日本からコメントレターをIFRS対応方針協議会(メンバー:日本経済団体連合会、日本公認会計士協会、東京証券取引所、日本証券アナリスト協会、企業会計基準委員会、財務会計基準機構、金融庁、経済産業省、法務省)名で発出。コメントレター提出にあたってはGPIF、全国銀行協会、日本証券業協会、生命保険協会、日本損害保険協会、日本投資顧問業協会、環境省も議論に参画。
  • 本会合でご議論頂きたい事項
    • 中長期的な企業価値の向上に向け、サステナビリティ(ESG要素を含む中長期的な持続可能性)の重要性は高まっており、我が国企業においても、サステナビリティに関する開示の充実等が進んでいる。
    • また、サステナビリティに関しては、従来よりE(環境)の要素への注目が高まっているところであるが、それに加え、近年、S(社会)の要素の重要性も指摘されている。
    • こうした中、
      • 中長期的な企業価値の向上を図る上で、サステナビリティに関しどのような要素を考慮することが考えられるか
      • 企業のサステナビリティに関する開示について、投資家との建設的な対話を深める等の観点から、どのような点が重要であり、これをどのように後押ししていくことが考えられるか
      • サステナビリティに関する取組みを通じて企業価値の向上を図る観点から、企業のガバナンス体制等についてどのように考えられるか
▼資料2 企業と投資家の対話の充実/企業年金受益者と母体企業の利益相反管理
  • 「投資家と企業の対話ガイドライン」の概要は以下のとおり。
    • 経営環境の変化に対応した経営判断
      • 自社の資本コストの的確な把握
      • 事業ポートフォリオの見直しなどの果断な経営判断とそれに基づく方針の明確化
    • 投資戦略・財務管理の方針
      • 戦略的・計画的な設備投資・研究開発投資・人材投資等の実施
      • 手元資金の活用を含めた適切な財務管理の方針の策定・運用
    • CEOの選解任・取締役会の機能発揮 等
      • 客観性・適時性・透明性あるCEOの選解任プロセスの確立(独立した指名委員会の活用等)
      • 取締役会がその役割を適切に果たすための十分な知識・経験・能力とジェンダー・国際性などの多様性の確保
    • 政策保有株式
      • 政策保有株式の保有目的や保有に伴う便益・リスクの検証と政策保有に関する方針の明確化
    • アセットオーナー
      • 自社の企業年金に運用に関する資質を備えた人材を計画的に登用・配置するなどの母体企業としての取組み
  • フォローアップ会議においては、資本効率等対話のガイドラインで掲げられた項目について、対話の充実の重要性に関するご意見が聞かれている。
    1. 経営環境の変化に対応した経営判断
      • ホールディングスの取締役会ではグループ経営の最適化を考えるべきであり、そのためには投資家と取締役会(経営陣ではなく社外取締役)との対話が重要。粘り強く働きかけて、対話が進む環境づくりを進めることが重要。
      • 資本効率をどのように図るかといった点は、個々の事情を踏まえて対話することがより重要となってくる。
      • 資本効率の課題はコードより投資家との対話で解決すべき事項で、対話ガイドラインにぜひ書き込んでほしい。
      • 企業の中長期的な戦略、リスク戦略、リスクアロケーションの戦略につき、より深掘りした対話が必要。
    2. 投資戦略・財務管理の方針
      • コロナ後の展望の大きな枠組みとして対話の材料とすべきことは、グリーン、デジタル、ヘルスケア。資源は有限なのでいかに効率を上げるかが重要であり、企業と投資家の建設的な対話の促進が重要。
    3. CEOの選解任・取締役会の機能発揮等
      • 投資家の観点から言えば、たとえば、独立社外取締役について、3社以上に就任されている方がいるが、その是非や、独立性の問題、さらに言うと必要な能力を持っているのかどうかを対話する必要がある。同時に業績も対話の対象になる。
      • 投資家も対話などを通じて女性役員を鍛えて育ててほしい。また、本人たちも自ら進んで批判にさらされ自らを鍛えてほしい。
    4. 政策保有株式(ほか株式保有構造)
      • 政策保有株式は、経済合理性に基づかない判断がなされることを危惧している。投資家も対話で取締役会での独立社外取締役による厳正な検討を促してほしい。
      • 企業が上場子会社の保有にどのような理屈を有しているかについて対話で探るべき。
      • 独立社外取締役と投資家との対話を通じて、少数株主からの付託に答えられているかを投資家が直接確認できることが望ましい。
      • 無批判での下で政策保有株式を保有するというのも資本の効率としておかしい。政策保有についても対話の対象として考えるべき。
    5. その他(対話の相手)
      • 今の日本の状況からすると、投資家と独立社外取締役の対話はできるだけ多くの方とやり取りをすることが広がっていくべき。
      • 株主との対話については、独立社外取締役に加え、独立社外監査役も応じるべきではないか。
      • 独立社外取締役を含めて、やはり株主との対話をもっと明示的にフリクエントにやるべき。不祥事など危機の渦中にある会社の独立社外取締役を務めた経験を元に言えば、独立社外取締役も含めてやはり株主とできる限り対話をすることによって、執行もすごく勉強し、機関投資家も含めた相手からの信頼感もそれなりに出てくる。
    6. その他(その他)
      • 独立社外取締役の質の向上の方法として対話が重要。投資家側から見ても、最初の段階では手探りのやり取りがあるが、1時間のミーティングが終わる頃には意気投合して、独立社外取締役の方が株主・投資家の期待を明確に把握するということがある。
      • 任期の長い取締役に関しては、開示や対話によってその点は緊張感を維持するという方向性があるかと思う。
      • 機関投資家の問題意識が対話の中から取り出され、経営者において議論されることが望まれる。
  • コーポレートガバナンス・コードの原則2-6や投資家と企業の対話ガイドラインにおいては、自社の企業年金に運用に当たる適切な資質を持った人材を計画的に登用・配置するなどの母体企業としての取組みの重要性や、企業年金受益者と会社間の利益相反管理に言及。
  • アセットオーナーに関しては、企業年金と母体企業の関係性について、特に、利益相反管理に努めることが重要との指摘がスチュワードシップ・コードの再改訂時等に示されているところ。
    • 多くの母体企業は、スチュワードシップ活動の浸透がガバナンスの強化等に向けた圧力となることを懸念し、傘下の企業年金もそれに同調する風潮がある。母体のバランスシートの一部である企業年金にとっては、母体企業の制度・財政面でのサポートが不可欠であり、「専ら年金基金の利益のために振る舞う」ことが実践できているか確信を持てない企業年金関係者も多いと考える。
    • 企業年金がスチュワードシップ・コードを受け入れることの意義など、母体企業から基金を自立させるような文言が加わることが、よりスチュワードシップ活動の普及を促進するのではないか。
    • 利益相反については、運用能力だけで委託先を決定しているのは全体の3割、母体企業との取引関係を重視している企業もある。意識が薄いという実態がある。
    • 年金受益者と会社の間に生じ得る利益相反の管理について、母体企業との取引関係を重視して運用委託先を決めているとする企業年金も存在。
  • 本会合でご議論頂きたい事項
    1. 資本効率に関する課題等についての企業と投資家の対話をはじめとして、対話の充実の重要性に関するご意見がこれまで聞かれている。こうした中、
      • 企業のガバナンス向上に向けて企業と投資家との対話をより実効的なものとするためには、いかなる取組みが必要か。
      • 対話の更なる充実に向け、「投資家と企業の対話ガイドライン」で記載すべき事項は何か。
    2. また、アセットオーナーたる企業年金と母体企業の関係性(利益相反管理)については、どのように考えるか。

金融庁 「サステナブルファイナンス有識者会議」(第2回)議事次第
▼資料1 事務局資料
  • サステナブルファイナンスとの関係で金融行政をどう設計していくかは、まさに緊急の課題であると同時に、2050年までは継続的に工夫を積み重ねていかなければならない息の長い課題でもある。これを踏まえ、会議における議論の視点は、以下のように設定することでよいか。
  • 時間軸
    • 長期的に目指すべき方向性と、足元すぐにすべきこと、の2つの視点の両方を視野
  • 議論の対象
    • 幅広いESG課題をカバーするフレームで考えるが、2050年カーボンニュートラルの実現が当面の最重要ターゲット
  • 会議の役割およびアウトプット
    • 施策の方向性に関する「提言」や、必要に応じて、社会全般に向けた「メッセージ」を、報告書として取りまとめていただく
    • 報告書を受けた施策の具体化は、金融庁において検討
  • 今後3回(第2回~第4回会合)では、「開示の充実」「投資家への投資機会の提供」「金融機関による取組みの推進」をテーマとして、各メンバーから自由に御意見を頂戴する。会合での意見・議論を整理し、第5回会合以降で、改めて、議論を掘り下げていただく。
  • 「サステナブルファイナンス」に対する基本的な考え方
    • 個別テーマの議論を進めつつ、たとえば、以下のような点も含め、「サステナブルファイナンス」の基本的な位置づけや意義についても確認いただくことが有益。
    • 位置づけ
      • サステナブルファイナンスとは、個々の金融機関や金融商品のあり方にとどまらず、経済・産業・社会が望ましいあり方に向けて発展していくことを支えていく金融メカニズムの全体像、サステナブルな社会を支える金融資本市場のインフラと位置づけるべきではないか。
    • 意義
      • 他方で、金融側からのサステナブルファイナンスの意義をどう考えるか。複数の論理があるか。
        • 長期的にみて投融資の成果(リスク・リターン)を改善することが可能か。
        • 負の外部性を低減することで、ポートフォリオ全体の利益を守ることが可能か。
        • 最終投資家のサステナビリティ選好に応えることが可能か。

金融庁 「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(第23回)議事次第
▼資料4 第23回事務局参考資料(グループガバナンス/株式の保有構造等)
  • 上場子会社等については、上場することで子会社独自の資金調達手段が獲得できるなどの意義があると指摘されている。実際に上場子会社がエクイティ・ファイナンスを実施する例は年間数件である。
  • 上場子会社を保有する理由として、「社員のモチベーション維持・向上」や「上場企業としてのステータス維持」、「優秀な人材の採用」などを挙げる企業が多い。
  • グループ経営の最適化
    • 経営資源の効率的な確保やグループの全体最適の実現のための配分の仕方、事業ポートフォリオ、グループレベルでの事業ポートフォリオ戦略の策定や実行、こういった観点から、グループ全体の戦略やグループ全体の内部統制ということを議論する必要。
  • 子会社の少数株主保護
    • グループガバナンス(親子上場問題)に関する規律原理が未だに不明確で、企業の意思決定プロセスを複雑化するパッチワーク的な方向で対応が進んできたことが、むしろ本来重要であるべき、企業のダイナミックでスピーディーな戦略行動を妨げている点が重要な問題となりつつある。支配的株主による少数株主保護原理を基本規範とすることで諸々の問題はよりクリアカットになるし、その規範を遵守する代わりに親子上場を戦略的に利用する自由度を企業が選択することも可能となる。
    • 親子上場の弊害をなくしていくことが重要。現状支配株主は非支配会社に対していわばオプション権を持っており、自らが有利だと思ったタイミングで完全子会社化できるし、子会社株式を売り出すこともできることで、少数株主は支配株主の戦略に翻弄されている例も見受けられる。企業としては完全子会社化するのか、子会社株式を売却して0%にするのかという親子上場の整理をしていく戦略を立て、それを対外的に公表すべき。
    • 親子間に事業上の結びつきが強いほど親会社の利益と子会社利益の一般少数株主の利益相反が生じ、それが紛争化することで両方の企業価値が毀損。親子それぞれ激しいCXをするときにその相互の関係性ゆえに利益相反問題が発生。戦略的自由度、迅速性を失わせ、CX力を低下させるリスク。親子上場は、成長事業のスピンオフ等の過渡的なものを除いて認めるべきでなく、コードに米独で一般的となっている利益保護義務を明記すべき。
    • 支配的株主からの少数株主保護という点が重要。
    • 支配株主と少数派株主の利益相反の危険がとくに大きい類型について、意思決定の在り方や開示にフォーカスして留意すべきポイントを明らかにした上で、ベストプラクティスを提示することが考えられる。特に、そのような類型における独立社外取締役の関わりや、少数派株主自身による関与といった観点から、意思決定の在り方やプロセスについてベスト・プラクティスを提示することが可能かどうか検討してどうか。
  • 上場子会社等については、支配株主が経営陣を実効的に監督する経済的動機を有するため、株主と経営陣との間のエージェンシー問題の低減が期待できると指摘されている。他方で、支配株主が上場子会社等との取引にあたり少数株主の利益を犠牲にして自らの利益を図るおそれがあり、株主間のエージェンシー問題への対処が必要となると指摘されている。
  • ドイツにおいては、企業グループに関する体系的な法律による規制(株式法)により、少数株主保護が図られている。
  • 英米独以外でも海外では、コーポレートガバナンス・コード等で少数株主に対する支配株主の責任を定める例が見られる。また、独立取締役の選任に当たり、少数株主の意見が反映される仕組みを設ける例も存在。
  • 上場子会社においては、支配株主である親会社と上場子会社の一般株主の間に構造的な利益相反リスクが存在すると指摘されてきた。経済産業省のグループガイドラインにおいては、親会社と上場子会社との利益相反リスクが顕在化し得る具体的な場合として3つの局面に整理されている。
    • 親会社と子会社との間で直接取引を行う場合
    • 親会社と子会社との間で事業譲渡・事業調整を行う場合
    • 親会社(支配株主)が完全子会社化を行う場合
  • 上場子会社のガバナンス体制の実効性確保に関する方策として、支配株主との重要な取引の際に独立社外役員を中心とする任意の委員会において審議する企業なども存在。
  • 独立社外取締役は、会社と経営陣・支配株主等との間の利益相反を監督することが役割・責務の一つであるとされている。もっとも、近年、総議決権の約45%を保有する株主の議決権行使により、上場子会社等の独立社外取締役が不在となった事例が存在。
  • 最近では、公開買付けに当たって対象会社が取得した特別委員会による「少数株主にとって不利益なものでない」ことに関する意見を巡って様々な指摘がされた事例も存在。
  • 上場子会社等における支配株主と少数株主との間に生じる利益相反リスクに関しては、市場関係者からも、少数株主の利益保護のあり方について改善を求める声が上がっている。
  • 2020年2月より、上場子会社を有する上場会社は、グループ経営に関する考え方及び方針を踏まえた上場子会社を有する意義などについて開示を求められることとなった。
  • 企業グループ全体の事業ポートフォリオ戦略の策定・実行をする際に、上場子会社を有する企業の6割弱が何らかの課題があると認識している。
  • 欧米では、主力部門とのシナジーが小さいノンコア事業を大胆に整理し、コア事業を強化することにより、グループ全体での収益力を高めることに成功している企業も存在。例えば、独シーメンスは、業界内で1位、2位のポジションを獲得する見込みのない事業から撤退することをポートフォリオ方針として定め、厳密な経営判断指標に基づく運用を通じて、収益力の向上につなげている。
  • 日本でも、グループ経営全体の目線で事業ポートフォリオマネジメントを実践している企業も存在。
  • 主な多角化企業において、低収益セグメント(売上高営業利益率(ROS)10%未満のセグメント)の割合は、米国企業が約3割、欧州企業が約7割であるところ、日本企業は約9割であるとされている。この点、複数の産業分野で活動する企業(多角化企業)が同じ産業で活動する専業企業に比べて市場から低く評価される傾向を指すコングロマリットディスカウントが起きているとの指摘もある。
  • グループの内部統制及びリスクマネジメントについては、コロナ前から特に海外子会社においていかに質を確保していくかが課題であるなどと指摘されていた。コロナ後には、特に企業の変革や監査のリモート化への対応が求められるとの指摘がされている。
  • 会社法上、取締役会による決定が求められる、いわゆる内部統制システムに係る体制の整備には、企業集団も含まれる。
  • 近年発生している上場会社の不祥事を踏まえ、日本取引所自主規制法人は、2018年3月、事前対応としての不祥事対応の企業の取組みに資するため、「上場会社における不祥事予防プリンシプル」を策定。当該プリンシプルでは、「グループ全体を貫く経営管理」を原則5として定め、グループ各社の経営上の重要性や抱えるリスクの高低等を踏まえつつ、グループ全体に行きわたる実効的な経営管理を行うことが重要であるとしている。
  • 日本企業の不正に関する実態調査によれば、海外子会社の管理上、海外現地国に精通した人材不足等、不正が適時に報告されず実態がわからない、行動規範等が十分に整備されていないなどの課題が指摘されている。また、同調査によれば、海外企業のM&A実施後、3年以内に不正が発見されたと回答した企業は5%であった。
  • 内部監査人協会(The Institute of Internal Auditors:IIA)は、2020年7月、「IIAの3ラインモデル(Three lines model)-3つのディフェンスラインの改訂」を公表。当該改訂版では、リスク・マネジメントが、「ディフェンス」と価値の保全の問題だけでなく、目標の達成と価値の創造に貢献することにも焦点を当てている。
  • 「内部統制システム」は、コンプライアンスや不正防止にとどまらず、リスク管理の一環であり、「事業戦略の確実な執行のための仕組み」とされている。そのための組織モデルとして、「3つのディフェンスライン」を実効的に運用するためには、第2線と第3線において人事・業績評価・予算配分等の権限を通じて親子間でタテ串をさし、第1線に対する牽制を働かせることが重要との指摘がある。
  • 日本企業の不正に関する実態調査によれば、子会社の所在地が国内であっても、海外であっても子会社における不祥事は、損害金額が大きくなる傾向にある。不祥事の根本原因として、国内子会社においては「属人的な業務運営」、海外子会社においては「行動規範等の倫理基準の未整備または不整備」とのデータが存在。
  • 日本では、外国法人等及び信託銀行の保有比率が上昇。他方、銀行や生損保等による保有は減少。
  • 実際には、一部の企業が多額の政策保有株式を保有している/されている状況。
  • 保有高の大きい会社ほど過去2年間で政策保有株の保有額が減少。
  • 安定株主比率「20%未満」では、取締役選任議案の平均賛成率、CEO選任議案賛成率ともにもっとも低く、「60%以上」では賛成率がもっとも高い。
  • コーポレートガバナンス・コード導入以降、3メガバンクグループ等では政策保有株式の削減目標を公表するなど、縮減に向けた動きが見られる。
  • 実証研究の中には、政策保有株式の保有が多いほど利益率が低いとする研究結果や、機関投資家持株比率は利益率に有意に正に働くとする実証研究も存在。
  • 2002年、ドイツのシュレーダー政権下では、金融機関と事業会社の緊密な持合い状況を解消することを目的とし、株式譲渡の際に発生するキャピタル・ゲインに対する課税(法人税と営業税の合計で税率約50%、地域により若干異なる)を非課税とする措置が実施された(2008年廃止)。
  • 上場基準の一つとなっている流通株式比率に関し、東京証券取引所は「流通株式」の定義の見直しに向けて、意見募集(2020年12月25日~2021年2月26日)を実施。意見募集案においては、新たに、流通株式の定義から政策保有株式が除外されることとなっている。
  • 議決権行使助言会社のISSは、2021年版の議決権行使助言方針につき、政策保有株式の過度な保有が認められる企業の取締役選任議案に反対推奨する方向の改定を検討。
▼ 資料5 第23回事務局参考資料(資本効率/経営資源の配分等)
  • ここ10年では、当期純利益は増加傾向にあり、現預金等も増加傾向。企業規模によって現預金比率に差がある。現預金比率の上昇は中小企業においてより顕著に見られる。
  • 企業の自己資本・手元資金につき、企業はともに適正水準と考えている一方、投資家は余裕のある水準と考えている。
  • 米国証券取引委員会(SEC)は、2020年8月、非財務情報に関する規則を改正し、新たに人的資本(human capital)についての開示を要求した(適用開始は同年11月9日)。
    • 事業の説明(Description of the business)箇所において、事業を理解する上で重要(material)な限度で、会社の人的資本(human capital resources)についての開示が求められる
    • 当該人的資本・人的資源には、(1)人的資本についての説明(従業員の人数を含む)、(2)会社が事業を運営する上で重視する人的資本の取組みや目標(例えば、当該会社の事業や労働力の性質に応じて、人材の開発、誘致、維持に対応するための取組みや目的など)を含む
  • 英国のコーポレートガバナンス・コードでは、2018年の改正において、人材への投資・報酬決定に対する会社の取組みについての取締役会の説明につき、記載が追加された。
  • 2019年1月、ISOがHuman ResourceManagementに関して、社内で議論すべき/社外へ公開すべき指標をガイドラインとして整理。指標については、比較を可能とするために、定量的なデータをもって説明することが求められている。
  • Social要因は企業価値と密接に結びついているとする分析結果も存在。
  • 企業の企業投資効率(粗付加価値/固定資産)も、近年低下傾向にある。
  • 研究開発費の対GDP比は、対主要国比高い水準にある。他方、研究開発投資効率は低い水準。また、日本は特許出願数>商標出願数となっている。
  • 中長期的な投資・財務戦略の重要項目の中で、50%の投資家がIT投資を重視する一方、企業は23.3%が重視している。日本は、米国と比較すると、攻めのIT投資よりも守りの投資に重点をおいている。
  • DX推進や、それについての経営トップのコミットメントは、ROEやキャッシュフローの改善には相関関係があるとするデータも存在する。
  • 現状、日本企業に対するアクティビストファンドからの具体的な提案について、「自社株買い」や「配当増」に関するものがあったとする企業が4割程度存在。
  • 資本コストを意識した経営の観点からは、事業の選択と集中をすることが望ましいと指摘されており、多くの投資家はこれに期待している。一方、企業側においては、重視される程度は必ずしも高くない。
  • 国内上場企業によるM&A(合併、買収、事業取得)は近年増加傾向。これに対し、事業の切出し(事業売却、子会社の売却)は、2008年の420件をピークに、その後減少し、ここ数年は250件前後で推移しており、「買い」が「売り」を上回る状況。
  • 複数事業を有する多角化経営には、ベネフィット・コストの両方が存在。企業においては、両者の比較分析を行い、事業ポートフォリオの合理性を検証する必要性が指摘されている。
  • 事業の撤退・売却を行う上で課題となる事項に関しては、その基準や検討プロセスが不明確とする意見が多かったほか、事業の撤退等により企業規模等が縮小することへの抵抗感や「失敗」とのマイナスイメージをおそれる声もあるとする調査結果も存在。また、多角化によるリスク分散を盲目的に善とするリスクマネジメントから抜け出せていないとの声も存在。
  • 事業の撤退・売却の指標を設定している場合では、連続3期以上赤字となること、といった経常利益の基準を指標としている企業が47%存在するとの調査も存在。
  • 主な多角化企業において、低収益セグメント(売上高営業利益率(ROS)10%未満のセグメント)の割合は、米国企業が約3割、欧州企業が約7割であるところ、日本企業は約9割であるとされている。この点、複数の産業分野で活動する企業(多角化企業)が同じ産業で活動する専業企業に比べて市場から低く評価される傾向を指すコングロマリットディスカウントが起きているとの指摘もある。
  • 資本効率性の向上に向けた取組みとして、「売上原価・製造原価の削減」や「販売管理費の削減」等コスト削減を挙げる企業が大半を占めた一方、「事業ポートフォリオの見直し」を挙げる企業は2割。
  • エンゲージメントにおける課題として、「機関投資家の提案内容が短期的利益に傾斜しており、中長期の企業価値向上につながりにくい」点を挙げる企業が約3割。
  • 指名委員会を設置している場合や独立社外取締役が1/3以上の場合では、そうでない会社に比べて、事業の再編(切り出し)を行った会社が多い。
  • 機関投資家保有比率が高く、安定株主・銀行保有比率が低く、社外取締役比率の高い企業ほど、事業再編を実施している。
  • 持続的な成長や中長期的な企業価値の向上を図るべく、事業再編を促進するという観点から、(1)経営陣、(2)取締役会(特に社外取締役)、(3)投資家(エンゲージメント)の3つのレイヤーを通じた、コーポレートガバナンスの在り方等を整理。

【2021年1月】

金融庁 IOSCOによるCOVID-19がリテール市場のコンダクトに与えた影響に関する調査報告書の公表について
▼COVID-19等のストレス時のリテール市場におけるコンダクト問題への規制当局の対応に関するIOSCOの支援の試み
▼報告書
  • 証券監督者国際機構(IOSCO)代表理事会は、現在のCOVID-19パンデミック等のストレス時に引き起こされるリテール市場のコンダクト問題への規制当局の対応を支援する報告書を公表した。投資家保護と証券市場の公正性に対する信頼の強化は、IOSCOにとっての基本的な目的である。
  • 本報告書はCOVID-19のパンデミックの間、金融サービス業界において広く生じたリテール投資家に対するミスコンダクトのリスクを調査し、この前例のない困難な環境への当局の対応を支援するための施策を提示している。
  • IOSCOのリテール市場コンダクトタスクフォース(Retail Market Conduct Task Force, RMCTF)によって作成された本報告書はIOSCOメンバーの経験に基づく予備的発見と考察を共有するとともに、ストレス時の潜在的なミスコンダクトが増えるきっかけとなるような、業者とリテール投資家の振る舞いに影響を与える共通の要素を特定している。本報告書はIOSCOメンバーから提供されたケーススタディを引用しつつ、これらのリスクを軽減するためにメンバーが用いた施策を説明するとともに、メンバーの経験から得られた教訓を導き出している。
  • 本報告書は、COVID-19の危機が業者やリテール投資家の振る舞いにどのように影響を与えたのかについて説明している。IOSCOの調査結果によると、2020年3~4月の間の極端な価格のボラティリティの高まりと業者の収益性におけるCOVID-19のプレッシャーの高まりによって、リスクの高い商品の提供の増加とリテール投資家のそのような商品への流入が生じた可能性があることが示されている。COVID-19の経験はまた、リテール投資家の脆弱性は様々な形態をとること、及び脆弱な投資家はマーケットのストレス時において経済的に搾取されやすいことを明らかに示している。
  • IOSCOの調査結果は、リテール投資家に対するミスコンダクトは、無登録業者による詐欺的または略奪的な行為といった悪質な例から、登録業者による不注意によって引き起こされたミスコンダクトまで幅があることを示している。ストレス時に増加する可能性のある有害な行為の典型例としては、不適切販売、不正表示、誤解を招く開示や投資助言が挙げられる。
  • ケーススタディの検討に基づき、IOSCOはCOVID-19のパンデミックによって生じた課題に対して、規制当局がとることのできる数々の施策を提案している。これらの施策には以下が含まれる
    • 投資家の行動と、脆弱な投資家をターゲットとした募集の積極的なモニタリング
    • 潜在的なミスコンダクトの存在を示唆する可能性がある業者の挙動に対する監督上の調査
    • ストレス時における規制上のコミュニケーション
    • 平常への回帰におけるモニタリングと効果的な法執行の措置
    • ストレス時における経験を活用した、規制要件と規制へのアプローチの強化
    • クロスボーダーの協力と規制上の協調
    • 在宅勤務やソーシャルディスタンスによって出現したリスクへの対処
  • リテール市場コンダクトタスクフォースは、本報告書や分野横断的なインプリケーションを有しうる他の国際機関における主要な教訓を踏まえつつ、規制当局を対象としたリテール市場のコンダクト問題に対処するためのガイダンス作成の作業を進める予定である。

金融庁 令和2年資金決済法改正に係る政令・内閣府令案等の公表について
  • 金融庁では、令和2年資金決済法改正に係る政令・内閣府令案等を以下のとおり取りまとめましたので、公表します。
  • 改正の概要
    • 令和2年6月5日に成立した「金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るための金融商品の販売等に関する法律等の一部を改正する法律」(令和2年法律第50号)の一部(資金決済法関係)の施行に伴い、関係政令・内閣府令等の規定の整備を行うものです。
    • 主な改正等の内容は以下のとおりです。
      1. 資金移動業に係る制度整備
        • 第二種資金移動業及び第三種資金移動業における送金上限額、第一種資金移動業を営む場合の業務実施計画の認可、他の種別の資金移動業を営む場合の変更登録等、資金移動業者の種別や手続に関する規定を整備する。
        • 資金移動業の種別ごとの利用者資金の保全・管理方法、利用者に対する情報提供、為替取引に用いられることがないと認められる利用者の資金を保有しないための措置等、資金移動業者の業務に関する規定を整備する。
        • 資金決済法第2条の2の規定により為替取引に該当するものとされる一定の行為の要件に関する規定を整備する。
      2. 前払式支払手段に係る制度整備
        • 利用者に対する情報提供、発行者が提供する仕組みの中で未使用残高の移転が可能な前払式支払手段を発行する場合に当該前払式支払手段の不適切な利用を防止するための適切な措置等、前払式支払手段発行者の業務に関する規定を整備する。

金融庁 「サステナブルファイナンス有識者会議」の設置について
▼別紙1 概要
  • サステナブルファイナンス有識者会議の設置について
    • 2050年カーボンニュートラルを「経済と環境の好循環」につなげることが政府全体の課題。
    • 日本企業は脱炭素社会の実現に貢献する高い技術・潜在力を有しているが、必ずしも活かせてない。
    • 国内外の成長資金が、こうした企業の取組みに活用されるよう、金融機関や金融資本市場が適切に機能を発揮することが重要。
  • 脱炭素化に貢献する設備投資や事業展開
    • 金融庁に産業界・金融界・学者・関係省庁から構成されるサステナブルファイナンス有識者会議を設置し、以下のテーマについて検討していく。
    • テーマ(案)
      • 金融機関によるサステナブルファイナンスの推進⇒投資や融資を通じて、顧客企業の高い技術・潜在力が発揮されるよう支え、カーボンニュートラル社会への移行を促進
      • 金融資本市場を通じた投資家への投資機会の提供⇒カーボンニュートラル社会に貢献する投資機会とその収益を、幅広く国民へ提供
      • 企業による気候関連開示の充実⇒企業のイノベーションに向けた取組みの「見える化」を進め、有用な技術やプロジェクトの資金調達を後押し
    • なお、同有識者会議の下に、ソーシャルボンドの実務指針を検討する会議体を設置予定。

金融庁 「トランジション・ファイナンス環境整備検討会」の開催について
▼クライメート・トランジション・ファイナンス・ ハンドブック 発行体向けガイダンス(仮訳)
  • クライメート・トランジション(移行)は、主に発行体における気候変動関連のコミットメントと実践に関する信頼性(credibility)に着目した概念である。パリ協定で定められた「今世紀の世界的な平均気温の上昇を産業革命前と比べて少なくとも2℃より十分低く保ち、理想的には1.5℃に抑える」との、世界的な目標を達成するには、極めて巨額の資金が必要になる。この点に関して、資本市場は、気候変動リスクへの対策を検討している発行体に対して、投資家から効率的な資金供給を確保することによりクライメート・トランジションの実現を促す重要な役割を担っている。
  • 本ハンドブックは、このような資金供給を促進するため、資本市場参加者が以下のいずれかの形式によって、クライメート・トランジション関連の目的を持って債券市場で資金調達を行う際に参照できるような、慣行や行動、開示についての明確なガイダンスと一般的な期待事項を示すことを目的としている。
    1. 資金使途を特定した(Use of Proceeds:UoP)債券:グリーン及びソーシャルボンド原則またはサステナビリティボンド・ガイドラインに整合したものと定義。
    2. 資金使途を特定しない債券:サステナビリティ・リンク・ボンド原則に整合したもの。
  • トランジションへの経路(pathways)は発行体のセクター(業種)ごと、また事業地域毎に考えなければならないことであり、また一般的に発行体は異なる出発地点や経路にあるため、本ハンドブックでは、トランジション・プロジェクトについての定義やタクソノミーを提示せず、この分野におけるいくつかの取り組みが世界各地で進められていることを示すことにしている。本ハンドブックでは、特に排出削減困難(hard-to-abate)なセクターにおいて、トランジションに向けた資金調達を目的とした資金使途を特定した債券またはサステナビリティ・リンク・ボンドの発行に際して、その位置付けを信頼性のあるものとするために推奨される、発行体レベルでの開示要素を明確化している。推奨される開示は、以下に基づき定められている。
    • グリーン及びソーシャルボンド原則執行委員会の主導の下でクライメート・トランジション・ファイナンス・ワーキング・グループが行った作業。(当該ワーキング・グループは、資本市場に参加する80機関以上の代表者で構成。)
    • 気候変動の緩和や適応に関して、関連業界団体、規制機関、科学界が行ってきた分析や策定してきた既存の気候変動開示フレームワーク。
  • 本ハンドブックにおける推奨は、これらのフレームワークを活用するとともに、資金使途を特定した債券やサステナビリティ・リンク・ボンドとの関連を明確にしている。)
  • 本ハンドブックでは、重要な推奨開示要素を4つ示している。
    1. 発行体のクライメート・トランジション戦略とガバナンス
    2. ビジネスモデルにおける環境面のマテリアリティ
    3. 科学的根拠のあるクライメート・トランジション戦略(目標と経路を含む)
    4. 実施の透明性
  • 資金使途を特定した債券、あるいは、サステナビリティ・リンク・ボンドの発行に関連付けて、これらの開示要素に関する項目を開示すべきである。なお、これらの開示は投資家に公開されている限り、会社のアニュアルレポート、フレームワーク・ドキュメント、または投資家向けプレゼンテーションにて行うことが可能である。また、本ハンドブックにおいて推奨されている独立したレビュー、保証および検証(後述)は、発行文書の一部となるセカンド・オピニオン、または発行体のESG報告(特に環境データの保証・検証の場合)のいずれかで行うことができる。
  • クライメート「トランジション」と金融商品にラベルを付けたい発行体は、発行に際して本ハンドブックを「2020年版クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック」として参照文献に挙げることも可能である。
  • 要素 1.発行体のクライメート・トランジション戦略とガバナンス
    • クライメート・トランジション・ファイナンスを活用した資金調達の目的は、発行体によるクライメート・トランジション戦略の実現であるべきである。負債性金融商品に「トランジション(移行)」という表示を付す場合、それは、発行体の企業戦略が、気候関連リスクに効果的に対応するとともに、パリ協定の目標と整合を取ることに寄与する形で、ビジネスモデルを変革するために実施されるものであることを、伝えることに役立つものであるべきである。
  • 要素 2.ビジネスモデルにおける環境面のマテリアリティ
    • 計画したクライメート・トランジションの軌道は、発行体のビジネスモデルにおいて環境面でのマテリアルな部分に関連するものとすべきである。その際、現在のマテリアリティに関する判断に影響を及す可能性のある将来のシナリオを複数考慮すべきである。
  • 要素 3.科学的根拠のあるクライメート・トランジション戦略(目標と経路を含む)
    • 発行体の気候戦略は、科学的根拠のある目標とトランジションに向けた経路に基づくべきである。なお、計画したトランジションの軌道は以下の要件を満たすべきである。
      • 長期間、一貫性のある測定方法により定量的に測定可能
      • 認知度が高く、科学的根拠のある経路に整合する、ベンチマークされている、またはそれ以外の形で参照されている(そのような経路が存在する場合)。
      • 中間目標を含む形で公表されている。(理想的には主要な財務諸表などの開示)
      • 独立した保証または検証などの裏付けがある
  • 要素 4.実施の透明性
    • 発行体のクライメート・トランジション戦略の実行のための資金調達を目的とする金融商品の提供にあたり、市場におけるコミュニケーションでは、設備投資(Capex)や業務費、運営費(Opex)を含む基本的な投資計画についても、実践可能な範囲で透明性を確保すべきである。対象には、研究開発関連支出(該当する場合)やOpexが「通常の事業活動における支出ではない(non-Business as Usual)」とみなされる条件の詳細、またその他投資計画によるトランジション戦略の実行を支援する方法を示す情報(例:ダイベストメントやガバナンス、プロセス変更の詳細など)が含まれる。

金融庁 「銀行口座と決済サービスの連携に係る認証方法及び決済サービスを通じた不正出金に係る調査」の調査結果について
▼「銀行口座と決済サービスの連携に係る認証方法及び決済サービスを通じた不正出金に係る調査」の調査結果について
  • 資金移動業者の提供する決済サービスを悪用した不正出金事案が多発したことを踏まえ、預金取扱金融機関に対して、銀行口座と連携する決済サービスに係るセキュリティの状況や被害発生状況について実態把握をするため調査を実施したもの。
  • 190金融機関のうち117金融機関(62%)が、銀行口座と連携する決済サービスを導入している。
  • 金融機関と資金移動業者等との間の決済サービスに係る契約件数は699件。うち62%は資金移動業者との契約。
  • 口座連携時の認証方法として多要素認証を導入している契約数は全699件のうち483件(69%)、多要素認証を導入していない契約数は207件(30%)。
  • 全699件の契約のうち、336件(48%)の契約において他の事業者への依拠による取引時確認(犯収法上の取引時確認義務を負わない事業者が行う本人確認を含む。以下同じ。)が行われている。
  • 資金移動業者等が行う取引時確認の実施状況について、金融機関において把握していないとする契約数は全699件の契約のうち86件(12%)。
  • 全699件の契約のうち104件(15%)の契約に係るサービスにおいて、不正出金が発生している。
  • 銀行口座と連携する決済サービスを導入する全117金融機関のうち44金融機関(38%)で不正出金が発生している。
  • 不正出金に用いられた個人情報の流出原因が「不明」となっている不正出金被害は、過去5年間で計948口座で発生。総被害金額は1億8,758万円。
    • (注)本調査では、銀行口座と連携して利用する決済サービスを提供している事業者を通じて、銀行口座から不正な出金が行われた事案の被害状況の把握を目的としているため、不正出金の原因が「不明」となっている事案を分析対象とした(不正出金の原因が明らかな事案(フィッシングサイトに口座情報等を入力してしまった、犯罪者に口座情報等を伝達してしまった(顧客過誤)等)は分析対象から除外。)。
  • 不正出金被害が発生した948口座・1億8,758万円のうち資金移動業者が提供する決済サービスにおける被害口座数は641口座(68%)、被害金額は1億6,170万円(86%)。次いで多かったのは、銀行が提供する決済サービスで、被害口座数は254口座(27%)、被害金額が2,017万円(11%)。
  • 不正出金被害の発生時期について、被害金額が最も多かったのは2019年4~6月、被害口座数が最も多かったのは2020年7~9月であった。
  • 不正出金の発覚経緯として最も多かったのは顧客からの申し出で、不正出金被害が発生した948口座のうち649口座(68%)。資金移動業者等からの連絡は178口座(19%)、金融機関によるモニタリングは96口座(10%)となっている。
  • 不正出金被害が発生した口座のうち銀行が資金移動業者の行う取引時確認の手法を把握している907口座についてみると、以下となっている。
    • 一要素認証により口座連携をしている口座は809口座(89%)
    • 他の事業者への依拠による取引時確認を実施している口座は652口座(72%)
    • 他の事業者への依拠による取引時確認を行い、一要素認証により口座連携している口座は584口座(64%)
    • (注)多要素認証を導入しているが被害が発生した事案では、多要素認証の中でも他の方式と比べて堅牢性が劣ると考えられる認証方式を採用していたことが認められた。

金融庁 金融安定理事会によるプレス・リリース「IFRS財団及び当局に対し、TCFD提言を気候関連財務リスクの開示の基礎として用いることを推奨」の公表について
▼プレス・リリース
  • 企業による気候関連財務リスクに関するグローバルに一貫した比較可能な開示は、気候変動に起因するリスクを管理し、機会をつかむために必要な情報を金融市場に提供する手段として、市場参加者や金融当局にとって一層重要になってきている。
  • 金融安定理事会(FSB)は、企業が直面している気候関連財務リスクについて、投資家、貸手、保険引受人の意思決定に有用な情報を提供する際に企業が利用する自主的な開示に関する提言を策定するため、2015年に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)を設置した。TCFDは2017年に開示に関する提言を公表した。それ以来、約1,700の機関がTCFD提言への支持を表明している。世界の公開企業の企業規模上位100社のうち60%近くがTCFDを支持しているか、TCFD提言に沿った報告をしているか、あるいはその両方を行っている。TCFDは、引き続き世界中でTCFD提言の採用を促進し、またモニタリングしており、その実施を支援するための補足ガイダンスを公表した。
  • 一貫性のある自主的な気候関連開示を促進する業界主導の取組みの進展と並行して、公的部門が国や地域レベルで要件や指針を策定したり、国際基準の策定を検討したりする取組みも増加している。グローバルに一貫した開示を促進し分断を避けることについて、公的部門と民間部門の足並みが十分に揃っていることが重要である。
  • そのため、FSBは、2020年9月に公表されたサステナビリティ報告に関するIFRS市中協議文書において提示されているような、最初は気候関連財務情報開示に関する基準に焦点を当てるというIFRS財団評議員会の推奨するアプローチを歓迎する。財務リスク管理上の気候関連情報に対する投資家の関心が高まっていること、また、この分野に関する要件や指針を策定するために国や地域の当局が既に取り始めている行動における世界的な一貫性の重要性を考えると、最初は気候関連情報に焦点を当てることは適切であると思われる。
  • このような国際的に合意された開示のための最低基準は、通常通り、個々の当局が希望すれば、それ以上の取り組みを行うことを妨げるものではない。
  • FSBは、IFRS財団に対し、TCFD提言を気候関連財務情報開示に関する基準の基礎として用いることにより、TCFDの取組みに基づいた作業を進めることを強く推奨する。TCFD提言は、世界中の様々な金融・非金融セクターの財務報告書の利用者及び作成者が発展させ、彼らのニーズに直接対応する包括的な枠組みを示している。TCFD提言は、財務報告書の利用者及び作成者から広く支持されている。
  • FSBは、気候関連開示に関する要件や指針を策定している国や地域の当局に対し、TCFD提言を基礎として用いることを検討するよう強く推奨する。このようなアプローチの一貫性は、法域間で、また、現在策定されている要件や指針と将来導入される可能性のある国際基準との間での、市場分断のリスクを回避するのに役立つであろう。
  • グローバルな協調を一層促進するために、FSBは、グローバルに比較可能で、質が高く、監査可能なTCFD提言に基づく開示基準を促進する方法を、基準設定主体や他の国際機関と共に模索していく。FSBは、2021年7月に開催されるG20財務大臣・中央銀行総裁会議にこの分野の進捗状況を報告する。

金融庁 第9回「金融業界における書面・押印・対面手続の見直しに向けた検討会」
▼資料2「書面・押印・対面手続の見直しに向けた論点整理」の概要
  1. 預金取扱金融機関 ※概要は銀行業界を中心に記載
    1. 全体方針
      • 「あらゆる取引の電子化」を目指す姿とし、今後も各銀行及び全銀協として取組みを進める。
  2. 個別論点
    • 融資契約
      • 個人向けの少額融資を除き、電子化は一部の銀行にとどまる。電子署名に係るQ&Aの公表により法的な解釈が明確化されたところ、今後、先行事例の共有により電子化を進めていく。なお、抵当権設定に関しては司法書士業界におけるオンライン化の取組が必要。
        ※証書貸付・当座貸越・銀行取引約定書等につき、電子署名を利用した電子契約を採用している事例。
        ※少額・短期の事業性融資(例:最大1,000万円、6か月以内(元金均等返済の場合))につき、電子契約を採用している事例。
        ※住宅ローンに関して、電子署名を利用した電子契約を採用し、正式申込・書類授受・契約の手続を電子化している事例。
    • 口座開設
      • 個人口座に比べ、法人口座開設手続の電子化は一部の金融機関にとどまる。今後、オンラインでの本人確認手段の採用により、マネロン対策等の観点も踏まえつつ、電子化を進めていく。
        ※取引担当者についてオンラインで完結する本人確認方法を活用するとともに、法人の本人確認については銀行が登記情報提供サービスを利用して登記情報を取得し確認する方法を活用することにより、オンラインでの口座開設サービスを提供している事例。
    • インターネットバンキング(IB)
      • 個人・法人ともに大部分の金融機関がサービスを提供しているが、特に法人について利用促進が課題。金融機関における使い勝手や料金等の改善に加え、顧客企業に対するデジタル化支援を行う。
        ※利用できるサービスを限定したうえで固定利用料を無料とするプランを用意する事例。
        ※顧客企業のデジタル化提案と併せて2、3年と長いスパンで粘り強く顧客に利用メリットを説明している事例。
      • 手形・小切手や税・公金の収納業務についても関係者と連携しつつ、電子化・効率化を進めていく。
  3. 証券
    • 今回の危機を課題を解決する好機と捉えて、証券業界を挙げていま取り組むべきであり、会員各社がスピード感を持って全社を挙げてこれらの課題への取組みを推進していく。※業界において「証券業界における書面・押印・対面手続の見直しに関するワーキング・グループ」を設置し、2020年12月15日に第2次取りまとめを公表。
  4. 保険
    • 生保
      • 慣例的な押印実務の廃止や手続頻度が高く比較的シンプルな手続のデジタル化の優先的な検討に加え、各社判断のもと優先順位が高いと考える領域から順次デジタル化による効率化・顧客利便性向上を進めていく。
    • 損保
      • これまでも取り組んできた書面・押印・対面手続きの見直しに資する事務領域の共通化・標準化を引き続き進めながら、顧客ニーズ・顧客利便・費用対効果に配慮しつつ、各社の一層の取組を推進する。

金融庁 「事業者を支える融資・再生実務のあり方に関する研究会」論点整理について公表しました。
  • 金融機関が事業の価値創造を持続的に支えていくためには、そこから得られるリターンとコストを釣り合わせること等が必要となる。しかし、外部環境が大きく変化した現代にあって、こうした前提はより一層満たしにくくなっている。
  • 高度成長期には、限りある資金は主に繊維工業や重化学工業に振り向けられ、これにより右肩上がりの経済発展が期待されるなど、将来の見通しを立てるコストが現在ほど大きくなかった。
  • しかし、現代では、何が成長に資する投資かが明確ではなく、融資先への役員派遣や株式持ち合いも解消に向かい、高度成長期のような形での経済成長は期待しにくい。先行きの見通しが難しい中、金融機関が価値ある事業の継続や発展を支えることは、より一層難しくなっている。例えば、
    • 融資実行において、事業性評価等の取組みは進んでいるものの、現在の金融機関には多様化する事業を理解しリスクを見極めて融資を実行するだけのノウハウが必ずしも蓄積されていないとの指摘もある。
    • 期中管理も、かつては資金不足の中で、メインバンク制等、緊密な関係を継続する仕組みが存在したが、現在は、事業者と金融機関の関係性が大きく変化したことで、例えば再生局面において、事前に把握していたよりも取引金融機関数や債務額が多いなど、事業者の追加借入れや事業のリスクの変容について、メインバンクすらも容易に把握できない事案が散見される。
    • 再生局面も、右肩上がりの経済成長が終わり、一時をしのぐだけでは十分ではない場合が多くなった。事業実態の正確な理解に基づき、できるだけ早期に、抜本的な経営改革を進めることが重要になった。しかし、複数の貸し手が多様な利害も持つため、その調整コストが大きく、その調整の間に事業価値が劣化してしまうことが多い。更に、経営者保証の存在によって抜本的な経営改革がより一層難しくなっているとの指摘もある。
  • 我が国の金融機関は、こうした難しい環境の中でも、事業性評価に基づく融資等、事業の価値創造を支えるための融資等を進めてきた。再生局面でも、実務家等とともに、大きな調整コストを負いつつも、事業の再生に取り組んでいる。
  • しかし、依然として、貸倒れリスクの低い事業者に融資が集中しがちで、事業者支援のために早めにミドルリスクの資金を供給することが難しい、といった課題が指摘されている。その要因の一つには、現在の制度環境の下では、事業の価値創造を支えるコスト・不確実性が相対的に高いことがあると考えられる。
  • 特に、現行の担保法制の下では、担保権者の関心が有形資産の換価価値に向きやすく、事業者における資金調達の選択肢が十分に用意されているとは言い難い。そのため、有形資産を持たない事業者は、現在の選択肢だけでは、将来性があっても必要な借入れや資金調達のコストを下げにくい。また、経営者保証を負担せざるを得ない場合も多い。創業や承継、成長途上の局面にある事業者が、生産性を高め、大きな付加価値を生み出そうとするときに、金融機関が事業全体に関心を向ける動機付けとなるための選択肢が必要とされている。
  • また、再生局面においても、個別資産の担保を持つだけで再生支援に必ずしも積極的でない貸し手が、再生支援に積極的で事業価値の棄損を防ごうとする貸し手よりも、より多くの債権を回収できる場合もある。現在の制度環境を見直すことで、金融機関が、事業再生を主導するコストとリターンを適切に釣り合わせることのできる余地があると考えられる。金融機関に対して、早期の抜本的な経営改善を支え、価値ある事業の継続や発展につなげることを適切に動機付けるための選択肢が求められる。
  • 上記課題には、私法・業法等の制度環境や金融機関のこれまでの実務等、多くの領域が関係する。本研究会は、このうち担保法制における新たな選択肢として、従来の担保権に加え、事業全体に対する包括的な担保権を導入することを検討した。現在の担保権の対象が土地や工場等の有形資産に限られる点を補い、ノウハウや顧客基盤等の無形資産を含む事業全体に対して、事業者と金融機関が共通の利益を持つことができるよう、制度設計を含め、議論した。
  • 事業を継続・発展させようとする事業者が、包括的な担保権を活用すれば、自身の情報・将来性等をアピールすることで、金融機関の関心を事業全体に向けさせ、創業・承継・成長・再生に必要なニューマネーを引き出しやすくなることが期待される。この結果、下記のように実務が改善されうる。
    • ビジネスモデルが多様化・複雑化する現代にあっても、無形資産を含む事業の将来性・事業価値に着目した資金供給の可能性が拡がり、創業・承継・成長途上の局面で、資金調達が容易になる。
    • 事業者と金融機関が緊密な関係を構築しやすくなることで、事業の成長が借り手・貸し手の共通の利益となるため、事業の実態に即した融資・支援や、経営悪化時の早期支援が進む。
    • 価値ある事業を見極め、早期に抜本的な経営改革を進めることが借り手・貸し手の共通の利益になるため、再生計画の合意形成等が容易になること、また、商取引先やDIPファイナンスが保護され、事業の継続の可能性も高まる。
    • もちろん、従来の担保権の活用を否定しているものでは決してない。不動産等の資産を有している事業者等にとっては従来の担保権の活用が望ましい場合もある。事業者にとって、資金調達の選択肢は多い方が望ましい。
    • なお、事業者が、包括的な担保権を従来の担保権と同時に活用し、優先関係等が複雑になるような形で活用するというような場合は、取引のコストが高まってしまうおそれがある。そのため、既存の個別資産への担保権の上に、追加的に包括的な担保権を設定することは想定しにくく、むしろ、包括的な担保権の設定を受けた金融機関(団)が、事業者のすべての資金需要に対応する、といった活用の形が考えられる。
  • また、金融機関が事業を支え、事業者とともに事業価値を高めていけるかどうかは、担保法制だけではなく、その他の制度環境や事業者・金融機関双方におけるノウハウの蓄積や事業理解の深化等、その他の様々な要因の変化も必要となる。
    • 例えば、金融機関には、事業者の様々なライフステージにおいて、事業を理解しリスクを見極めるノウハウの蓄積等、多様な取組みが求められる。金融庁も、こうした取組みを後押しできるよう、これまで、例えば監督指針において、人事ローテーションや職場離脱制度等、特定の方法を定めていた記載を見直すなどの対応を行っている。
    • また、事業者としても、金融機関が事業を理解しリスクをとることができるよう、必要な情報を共有した上で、事業の将来性(事業計画)等をアピールするような動機を持てることが重要となる。
  • 以上も踏まえながら、担保法制以外の、価値ある事業の継続や発展を支えていくために必要な要素について、金融機関や事業者、学識経験者、事業再生に関わる実務家等の意見を参考として、今後も検討を深めていくことが重要となる。
  1. 新たな担保権の適切な活用
    • 包括的な担保権は、創業・成長・再生等のあらゆる局面で、事業者が価値ある事業の継続や発展のためにリスクをとる際に、経営者保証によらずに資金を調達するための新たな選択肢となることが期待される。もっとも、経営者保証が果たしてきた規律付けの機能自体は否定されるべきではないことから、例えば経営者の保証や個人資産への担保権設定につき、一定の停止条件を付すこと等が考えられる。
    • 包括的な担保権の活用によって、平時でも危機時でも事業の価値創造を支えていけるような、事業者・金融機関の緊密な関係構築が進むことが期待される一方、例えば、無登録業者等による担保権の濫用のおそれ等の弊害を懸念する声もある。こうした濫用を予防するため、例えば、担保権者の範囲について、監督指針や業界団体の自主規制等によって必要な手当てがされている貸し手に限定することが考えられる。もっとも、現行法の下で事業者が重要資産に担保権を設定した場合も同様の濫用は生じうることから、担保法制全体の問題でもある。
    • なお、包括的な担保権を活用した新たな資金調達の手法として、担保付シンジケートローンが考えられる。現行法では担保権と債権の同一人への帰属が前提とされ、高い取引コストが伴うところ、例えばこの分離を認めることも検討に値する。
  2. 事業継続に不可欠な利害関係者等との優先関係
    • 事業活動には資金が必要となる。包括的な担保権者が適切にリスクをとって資金を供給できるよう、他の貸し手との優先関係等について予測可能性が確保される必要がある。予測可能性の確保にあたっては、事業価値向上の観点から、判断の材料を提供する側のコストと利用する側のコストを併せて最小化することが重要となる。例えば、優先関係の基準について、原則として登記の先後としつつ、例外を法令で明確に定めることや、登記には目的物の厳格な特定を求めず、第三者への担保権設定の警告程度で十分とする(概括的な特定を認める)こと等が考えられる。
    • 事業活動には、資金だけでなく、顧客・商取引先や労働者等の存在が不可欠である。そのため、優先関係において例外的な保護が求められる。しかし、こうした例外を無制限・不明確に設ければ、資金の出し手の予測可能性が大きく損なわれる結果、事業者の資金調達が難しくなり、かえって事業活動が制約を受けるおそれもある。そのため、例外的な保護の対象を、例えば事業の継続や発展に資する債権者等に限定することや、貸し手の予測可能性に資するような上限額を設けることがありうる。その際、特に、仕入先(財・サービスの売り手)の保護について、既存の実務に混乱をきたさぬよう、現在の商取引慣行を十分に踏まえる必要がある。また、顧客(財・サービスの買い手)も、通常取引を維持できるよう、通常の営業の外観を信頼して取引に入った者の保護等を検討する必要がある。
    • また、窮境時において、価値ある事業の毀損を防ぎ、再生につなげていくために、DIPファイナンスは重要な役割を果たす。資金繰りの安定や必要な設備投資の実行等を支えるDIPファイナンスには、一定の条件の下で、他の担保権(不動産担保権を除く)に優先する特別の担保権(Priming Lien)の設定を認めることが考えられる。
  3. 新たな担保権の実行手続
    • 新たな担保権が実行されるのは、主に事業者と担保権者が事業計画について共通の目線を持てなくなり、更に、現経営者の事業計画や将来性に理解を示す金融機関が新しく現れないために、延滞に至ってしまうといった状況と考えられる。
    • まず、事業者と包括的な担保権者は、事業計画について共通の目線を持ちやすくなる。そのため、業況悪化の兆候が出た時点で、事業計画に関する協議を行い、一般的な再生局面よりも早い段階で事業の再建を図ることが期待される。仮に事業者が業況不振に陥った場合でも、自力で経営改善できる可能性があれば、事業計画の見直し等を進め、また、金融機関はそれに必要な資金を手当てすることとなる。この場合、必要に応じて、財務制限条項(コベナンツ)も修正等されるため、担保権の実行は考えにくい。
    • もっとも、何らかの理由で、事業者と包括的な担保権者が事業計画について共通の目線を持てなくなる可能性もある。しかし、この場合にも、例えばコベナンツ抵触後、直ちに事業者の意思に反して担保権を実行するようなことは、事業価値(担保価値)の毀損を招くため、担保権者としても慎重にならざるをえない。事業者は、事業計画や将来性に理解を示す新たな金融機関を探すと考えられ、担保権者も、その新たな貸し手からリファイナンスされることを望むと考えられる。
    • しかし、その後、現経営者の事業計画や将来性に理解を示す金融機関が現れない場合は、最終的に延滞に至ってしまうことになる。この時点では、既に事業価値は毀損し、被担保債権額を下回ると考えられる。しかし、事業を清算・解体するよりは、スポンサーへの事業譲渡によって雇用・商取引等も含む事業の継続を支える方が、債権回収の最大化を図ることができる可能性もある。事業譲渡による実行手続の整備にあたっては、こうした状況を主に念頭に置くことが考えられる。
    • なお、上記のいずれの段階でも、事業者が、自力での経営改善を断念し、スポンサーを探索する可能性もある。この場合は、事業の任意売却のほか、契約承継等のメリットがある場合であれば、担保権の実行によることが考えられる。制度設計を議論する際は、こうした状況も念頭に、現経営者主導の手続を許容するといった調整も検討に値する。
    • 各々の手続を検討するにあたっては、利害関係者の財産権や適正な手続の保障の観点が重要となる。同時に、これらの権利を絶対視する場合、手続・調整コストが嵩むことで、かえって事業価値が損なわれ、利害関係者の利益を害するおそれがあることにも留意が必要となる。また、特に中小企業では、窮境時になればスポンサーが現れにくくなるといった点も考慮される必要がある。こうした事業を巡る様々な実情に対応するため、競売手続のほか、迅速に事業譲渡を行うための実行手続として、例えば、競売によらない手続等が考えられる。
  4. 今後の議論に向けて
    • 本研究会では、従来の担保権の課題を補う新たな選択肢として、包括的な担保権を追加することを検討した。具体的な担保法制は、法制審議会において今後検討されることになるが、その議論に貢献できるよう、包括的な担保権の意義や課題、論点の洗い出し・整理を進めた。その過程で、議論を深めるための一つの制度イメージ・たたき台として「事業成長担保権(仮称)」も用いた。
    • 今後、関係者において、本文書も材料としつつ、更なる検討が積み重ねられ、事業者を支える融資・再生実務に向けた議論が活発に行われることを期待する。特に、金融庁においては、本文書について、金融機関や事業者、学識経験者、事業再生に関わる実務家等との議論を重ねることで、包括的な担保権の制度設計はもちろん、事業者を支える融資・再生実務のために改善できるその他の事項や関連する施策について、更に検討を深めていくことが期待される。

金融庁IOSCOによる報告書「暗号資産に関する個人投資家の教育」の公表
▼IOSCOメディアリリース(仮訳)
  • 証券監督者国際機構(IOSCO)の代表理事会は、本日、規制当局が個人投資家に対して暗号資産のリスクと特性に関する情報を提供する一助となることを目的とした報告書を公表した。
  • 暗号資産には個人投資家が十分に理解できていないリスクがあり、これらの資産への投資で損失を被る可能性が高くなっている。IOSCOの暗号資産に関する投資家教育に係る報告書では、市場の流動性の欠如、脆弱性、投資額の一部または全部の損失、情報開示の不足、不正行為など、投資家にとって起こり得るリスクを挙げている。
  • 本報告書では、規制当局が個人投資家に対して、暗号遺産に投資する際のリスクに関する教育的資料を提供するために利用可能な方法を説明しており、以下の活動を対象とした4つの分野のガイダンスを示している。
    • 暗号資産に関する教育コンテンツの開発
    • 認可されていない企業や詐欺を行う企業の公表
    • 投資家に情報を提供するための様々なコミュニケーションチャネルの利用
    • 関係者との連携による教育的資料の開発・普及
  • 近年、IOSCOメンバーは取引、管理、清算・決済、会計、評価、仲介、投資ファンドなどの分野における暗号資産の利用について懸念を示してきた。これを受け、IOSCO代表理事会は、暗号資産を2019年と2020年の最優先課題の1つとした。
  • 2018年1月、IOSCOは、イニシャル・コイン・オファリング(ICOs)に関連する懸念についての声明を発表し、ICOsに関連するリスク、特に、投資家の所在法域外からしばしば行われる、オンライン流通チャネルを通じて個人投資家をターゲットとする団体に関するリスクについて注意喚起した。ICOで配布される暗号資産はリスクの高い投資であり、悪用や詐欺に対して脆弱である。
  • 2019年、教育的資料開発の第一歩として、IOSCOの個人投資家に関する委員会である第8委員会は、メンバーを対象に暗号資産に関する実態調査を行った。IOSCOは、本報告書の資料や教育アプローチの全てがメンバーの法域に適しているわけではなく、メンバーの法的・規制枠組みと一致しているわけではないことを認識している。その代わり、加盟国が各法域に最も適した資料や教育アプローチを採用することを推奨している。
  • 本報告書の付録には、IOSCOメンバーが、様々な暗号資産に関する投資家活動やイニシアティブを利用した例が掲載されている。

金融庁 金融庁の1年(2019事務年度版)
▼全体版(容量が14KBを超えていますのでご注意ください)
  • 政府の成長戦略等における金融庁の取組み
    1. 「成長戦略(2020年)」(2020年7月17日閣議決定)
      • 2019事務年度、「未来投資会議」及び下部会合である「構造改革徹底推進会合」や「産官協議会」において、成長戦略の策定に向けた検討がなされ、金融庁に関わる施策として、フィンテック、コーポレート・ガバナンス及び中小企業・小規模事業者の生産性向上に関する議論がなされた。これらの議論等を踏まえ、「成長戦略実行計画」「成長戦略フォローアップ」及び「令和2年度革新的事業活動に関する実行計画」(総称:「成長戦略(2020年)」)が策定された(2020年7月17日閣議決定、金融庁関連の施策については別紙1参照)。
    2. 「経済財政運営と改革の基本方針2020」(2020年7月17日閣議決定)
      • 経済・財政一体改革を推進し、当面の経済財政運営と改革の基本方針のあり方を示すため、経済財政諮問会議での議論を経て、「経済財政運営と改革の基本方針2020」(骨太方針2020)が取りまとめられた(2020年7月17日閣議決定、金融庁関連の主な施策については別紙2参照)。
    3. 「第2期『まち・ひと・しごと創生総合戦略』」(2019年12月20日閣議決定)
      • 政府は、まち・ひと・しごとの創生に同時かつ一体的に取り組むため、2014年12月に、2015年度を初年度とする5ヵ年の政策目標や施策の基本的方向、具体的な施策をまとめた「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を閣議決定し、その後は情勢の推移を踏まえて毎年度必要な見直しを行っている。2019年度は「総合戦略」の5年目にあたり、2020年度からの5ヵ年を対象とする「第2期『まち・ひと・しごと創生総合戦略』」が策定された(2019年12月20日閣議決定)。
      • また、本総合戦略に掲げられた基本目標及びその達成に向けて作成された政策パッケージ・個別施策について、今後の対応方向をとりまとめた「まち・ひと・しごと創生基本方針2020」が策定された(2020年7月17日閣議決定)。(※「第2期『まち・ひと・しごと創生総合戦略』」及び「まち・ひと・しごと創生基本方針2020」の金融庁関連の主な施策については、別紙3及び別紙4参照。)
    4. 「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」(2019年6月14日閣議決定)の変更(2020年7月17日閣議決定)
      • 政府のIT戦略として、国民が安全で安心して暮らせ、豊かさを実感できるデジタル社会を実現することを目指して、「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」(2019年6月14日閣議決定)が改定された(2020年7月17日閣議決定)。金融庁関連の主な施策は、「金融機関における取引でのマイナンバーカード(公的個人認証サービス)の活用促進」の1つ。
  • コーポレートガバナンス改革の深化に向けたこれまでの取組み・進捗状況
    1. コーポレートガバナンス改革の深化に向けたこれまでの取組み(別紙1参照)
      • 金融庁においては、成長戦略の一環として、(1)2014年2月に機関投資家の行動原則であるスチュワードシップ・コードを策定し、機関投資家に対して、企業と建設的な対話を行い、中長期的視点から投資先企業の持続的成長を促すよう働きかけるとともに、(2)2015年6月に上場企業の行動原則であるコーポレートガバナンス・コードを策定し、上場企業に対して、幅広いステークホルダーと適切に協働しつつ、実効的な経営戦略の下、中長期的な資本効率等の改善を図るよう促す取組みを進めてきている。
      • また、両コードの普及・定着状況をフォローアップするとともに、上場企業のコーポレートガバナンスの更なる充実に向けて、必要な施策を議論・提言することを目的として、「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(以下、フォローアップ会議という)が設置され、2018年6月には、コーポレートガバナンス・コードの改訂と「投資家と企業の対話ガイドライン」の策定が行われた。
      • また、フォローアップ会議で取りまとめられた意見書「コーポレートガバナンス改革の更なる推進に向けた検討の方向性」(以下、意見書という)等を踏まえ、「スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」(令和元年度)を開催し、2020年3月24日にスチュワードシップ・コード(再改訂版)を公表した。
    2. コーポレートガバナンス改革の進捗状況(別紙2参照)
      • 両コードを「車の両輪」として、コーポレートガバナンスの強化に向けた取組みが進められてきたところ、以下のような進捗が見られる。
        • 独立社外取締役を2名以上選任する企業が大きく増加し、東証一部上場企業において9割を超える。
        • 政策保有株式について、金融機関と事業法人ともに保有が減少しつつあるものの、事業法人における減少は緩やかなものに留まっている。
        • 個別の議決権行使結果とその理由を公表する機関投資家が増加している。
        • スチュワードシップ・コードの受入れを表明している企業年金は35機関に増加している。(2019年以降、新たに21機関が受入れを表明。うち1機関は規約型企業年金。)
  • スチュワードシップ・コード(再改訂版)の公表について(別紙3、4参照)
    • 再改訂の経緯
      • 2019年4月に公表した意見書等を踏まえ、スチュワードシップ・コードの再改訂に向けて、同年10月から12月に「スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」(令和元年度)を計3回開催した。同有識者検討会における議論や、同年12月から2020年1月まで実施したパブリックコメントの結果等も踏まえ、同年3月24日にスチュワードシップ・コード(再改訂版)を公表した。現在コードを受け入れている機関投資家は、遅くとも公表の6ヶ月後(同年9月末)までに、再改訂の内容に対応した公表項目の更新を行うことが求められる。
    • 再改訂の概要
      • スチュワードシップ・コード(再改訂版)では、コーポレートガバナンス改革の実効性をより高めるため、以下の項目が新たに盛り込まれた。
        1. 全体に関わる点
          • 中長期的な企業価値の向上及び企業の持続的な成長という目的にスチュワードシップ活動が向けられたかを意識すべき
          • サステナビリティ(ESG要素を含む中長期的な持続可能性)の考慮
          • 「スチュワードシップ責任」の遂行に資する限りにおいて、上場株式以外の資産(債券等)を保有する機関投資家へコードを適用することが可能
        2. 運用機関
          • 外観的に利益相反が疑われる議案や、議決権行使方針に照らして説明を要すると判断される議案について、「賛否の理由」を公表すべき
          • スチュワードシップ活動の結果や自己評価について、中長期的な企業価値の向上や企業の持続的成長に結び付いたかを意識して公表することが重要
        3. アセットオーナー(年金基金等)
          • アセットオーナーの規模や能力等に応じて、運用機関による実効的なスチュワードシップ活動が行われるよう、運用機関に促すべき
        4. 議決権行使助言会社・年金運用コンサルタント
          • 議決権行使助言会社・年金運用コンサルタントを含む機関投資家向けサービス提供者の利益相反管理体制の整備
          • 議決権行使助言会社が助言の正確性や透明性を確保するための、人的・組織体制の充実、助言策定プロセスの透明性の確保、企業との積極的な意見交換
  • 金融上の措置に関する要請と金融業界等における取組み
    • 民間金融機関による事業者等の資金繰り支援促進等のための施策
      • コロナ禍の影響により、事業者が厳しい資金繰り状況に直面する中、金融庁は、関係省庁と連携しつつ、金融機関による、事業者への迅速かつ適切な資金繰り支援等が実施されるよう、様々な取組みを進めてきた。(別紙1参照)
      • 具体的には、金融機関に累次の要請を行うほか、民間金融機関による「実質無利子・無担保融資」の整備や官民金融機関の連携強化、金融機関との取引に係る相談を受け付ける相談窓口の開設などに取り組んだ。金融機関は既往債務の条件変更や新規融資の実施など、資金繰り支援に取り組んでおり、その結果、貸出金も足元で大幅に増加している。
      • また、新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴い、保険契約者との対面での保険契約の手続が困難な事案が生じた場合、保険料の払込及び保険契約の更新について猶予期間を設ける等適宜の措置を講じるよう、保険契約者保護の観点から要請を実施した。その他、新型コロナウイルス感染症に乗じた犯罪等に関する注意喚起について、金融庁ウェブサイトに啓発ページを掲載し、金融機関に対しても周知を実施した。
    • 金融機関等の業務継続体制について
      • 金融庁は、新型コロナウイルス感染症に係る金融機関等の業務継続体制について、金融機関等に対し、累次の要請を実施した。(別紙2参照)
      • 緊急事態宣言が発出された2020年4月7日には、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大による緊急事態宣言を踏まえた金融システム・金融資本市場の機能維持について」(麻生金融担当大臣談話)において、金融機能の維持や顧客保護の観点から、金融機関等に対し「緊急事態宣言の対象地域における金融機関の対顧客業務の継続に係る基本的な考え方」に基づき、必要業務の継続について適切な対応に努めることを要請した。
      • また、緊急事態措置の対象区域が全国に拡大された同年4月16日や、同措置の期間が同年5月31日まで延長されることが決定した同年5月4日にも、同様の要請を実施した。
      • さらに、緊急事態解除宣言がなされた同年5月25日、金融機関等に対して、緊急事態解除宣言後においても、感染拡大防止に努めるとともに、国民の経済活動を支援する金融機能の維持等の観点から、業務の継続について適切な対応に努めるよう要請した。
  • 消費者基本計画における金融庁関連の施策
    • 消費者基本計画及び工程表には、金融庁所管に係る施策として、以下の施策等が盛り込まれている。(注)以下の番号は、消費者基本計画の番号に対応。
      • Ⅰ 消費者被害の防止
        • (2)取引及び表示の適正化並びに消費者の自主的かつ合理的な選択の機会の確保
          • 2 商品やサービスに応じた取引の適正化
            • ウ 金融機関における顧客本位の業務運営の推進
            • エ 詐欺的な事案に対する対応
            • オ 投資型クラウドファンディングを取り扱う金融商品取引業者等 についての対応
            • カ 暗号資産交換業者等についての対応
          • 6 詐欺等の犯罪の未然防止、取締り
            • ア 「オレオレ詐欺等対策プラン」の推進による特殊詐欺の取締り、被害防止の推進
            • イ 「架空請求対策パッケージ」の推進等による被害防止
            • オ 偽造キャッシュカード等による被害の防止等への対策の推進
            • サ 振り込め詐欺救済法に基づく被害者の救済支援等
        • (3)「ぜい弱性」や「生きづらさ」を抱える消費者を支援する関係府省庁等の連携施策の推進
          • 1 成年年齢引下げを見据えた総合的な対応の推進
          • 6 「多重債務問題改善プログラム」の実施
        • (4)消費者の苦情処理、紛争解決のための枠組みの整備
          • 5 金融 ADR 制度の円滑な運営
      • Ⅲ 消費生活に関連する多様な課題への機動的・集中的な対応・
        • (1)デジタル・プラットフォームその他デジタルサービスの利用と消費者利益の保護・増進の両立
          • 1 経済のデジタル化の深化に伴う取引・決済の高度化・円滑化等への対応
            • ア キャッシュレス決済及び電子商取引における安全・安心の実現
      • Ⅳ 消費者教育の推進及び消費者への情報提供の実施
        • (1)消費者教育の推進
          • 3 地域における消費者教育の推進
          • 6 金融経済教育の推進

金融庁 金融審議会 銀行制度等ワーキング・グループの報告書の公表について
▼(別紙)銀行制度等ワーキング・グループ報告ー経済を力強く支える金融機能の確立に向けてー
  • 銀行
    • 一般事業会社が銀行を保有する場合の他業リスクや利益相反の問題は、銀行が一般事業会社を保有する場合のそれと同じであり、将来的には、銀行持株会社を頂点とする銀行グループと、銀行を保有する一般事業会社グループ(以下「事業親会社グループ」という)の業務範囲を共通とすることを目指すべきとの指摘もある。
    • 他方、今日一般事業会社が保有する銀行は、実態として事業性融資を広くは取り扱っていないなど、提供している銀行機能は限定的である。また、銀行持株会社を頂点とする銀行グループの規制の差異に関しては、以下の点に留意する必要がある。
      • 銀行グループの業務範囲規制は、これまでも累次にわたり緩和されてきた。今回の見直しにより、銀行グループが営むことができる一般事業の範囲は、さらに拡充されることとなる。
      • 銀行グループについては、事業親会社グループと比較して充実したセーフティネットが整備されている。
    • このほか、一般事業会社が保有する銀行が、少なくとも現在までの間、それら以外の伝統的な銀行にはないかたちで課題を顕在化させたとは言い難いことを踏まえれば、現在銀行を保有している一般事業会社について、銀行主要株主としての追加的な規制を直ちに課す必要はないと考えられる。
    • 社会経済情勢の変化を踏まえた今後の留意点
      • 銀行主要株主規制が創設されてから今日までの間、社会経済情勢は大きく変化した。直近では、いわゆるビッグ・テックなどのテクノロジー企業の躍進が見られる。
      • こうした中、いわゆるデジタルプラットフォームをめぐっては、そのサービスが短期間で大規模に普及(マス・アダプション)し得ることが指摘されている。将来、単一のデジタルプラットフォームが保有する銀行が、短期間で日本の銀行機能の多くを担うようになる可能性も否定できない。
      • また、デジタルプラットフォームを含む影響力の大きな経済主体が銀行を保有し、銀行業に係る優越的地位をも利用することで、自社や関連会社に不当に優位なかたちで取引などを行う可能性も考えられる。
    • 以上の将来的な課題に対応するため、引き続き、以下の観点から検討を行うことが考えられる。
      • 事業親会社グループが保有する銀行について、その規模などに鑑みて金融システムに著しく大きい影響を及ぼし得ると考えられる場合には、グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)に課されるものを参考に、通常よりも厳格な自己資本規制を課す必要があるのではないか。加えて、銀行の危機時におけるグループによる支援など、システム上重要な業務を継続するために必要な方策を、平時より策定するよう求める必要があるのではないか。
      • 事業親会社グループが銀行業を併せ営むことによって生ずる優越的地位の濫用52などがないよう、モニタリングを適切に行っていく必要があるのではないか。
  • 地域銀行等
    • 地域銀行等(以下「地銀等」という)が、厳しい経営環境の下、顧客ニーズに対応して貸出に留まらない総合的な金融サービスを提供し、ポストコロナの地域経済の回復・再生に貢献するためには、経営基盤の強化が従来にも増して重要となる。
    • 地銀等の経営基盤強化に向けた戦略は様々であり、いずれの戦略を選択するかは各地銀等の経営判断による。同時に、現下の経営環境の厳しさを踏まえると、地銀等の経営基盤強化の選択肢をさらに拡充する施策が求められる。
    • 第1章で述べた業務範囲規制や出資規制の緩和は、地銀等による収益力の強化や経費の合理化に資するとの観点からは、こうした施策の一環とも位置付けられる。加えて、人口減少地域などにおける対面の融資サービスを維持する選択肢となるよう、銀行代理業等の規制を緩和することが考えられる。また、地域密着型のビジネスモデルを強化する観点から行う非上場化にあたって配意すべき点ついて検討する。さらに、合併・経営統合等に取り組む地銀等に対する「資金交付制度(仮称)」を時限措置として創設することが考えられる。
    • 対応の方向性
      1. 兼業の代理業者による貸付けの代理・媒介の制限緩和
        • 2006年の制度創設以来、銀行代理業者・信金代理業者等(以下「代理業者」という)のうち一般事業を併せ営むものについては、代理業に係る優越的地位の濫用や利益相反を防止する観点から、取扱可能な貸付けの範囲が制限されている。
        • 今後、人口減少地域などでは、従来型店舗の維持が困難となり、機能の縮小や廃止を検討せざるを得ないことも考えられる。その際には、地域の利用者利便が低下しないよう、最大限配意することが重要となる。
        • このような観点から、人口減少地域などにおいて従来型店舗を縮小する場合について、既存顧客への対面サービスを可能な限り維持することを目的として、一般事業を併せ営む代理業者が取扱可能な貸付けの範囲に係る制限を緩和することが考えられる。
        • その際、優越的地位の濫用や利益相反などの弊害については、現行制度上設けられている規制を実効性ある形で運用することにより適正に防止することが重要である。
      2. 地域密着型の持続可能なビジネスモデルと非上場化
        • 現在、地銀の多くが上場しているが、非上場化を通じてより地域経済に関係の深い安定的な株主構成が実現されれば、地域密着型の持続可能なビジネスモデルの構築に資するとの指摘がある。
        • これに関しては、ガバナンス(情報開示、機関設計)や株式流動性が低下するとの指摘もあり、地銀には、非上場化に際して以下の配意が求められる。
        • 情報開示に関しては、銀行法上、上場・非上場問わず、半期毎の業務及び財産の状況に関する説明書類(ディスクロージャー誌)の公衆縦覧などが義務づけられており、非上場化後もこうした義務を適切に果たしていくことが求められる。
        • 機関設計に関しては、銀行法等により、上場・非上場問わず、会計監査人による監査などの規律が設けられている。非上場化する場合、上場時に取引所上場規程で求められた独立役員の確保は求められなくなるが、会社法上一定の要件を満たす場合には社外取締役の設置が義務づけられることとなる。
        • 非上場化に伴う株式の流動性低下は、株主に大きな影響を与える。このため、その必要性・合理性をしっかりと検討し、非上場化後の対応61を含めて株主に充分な説明を行うなど、適正な手続きを確保することが必要である。
      3. 資金交付制度の創設
        1. 基本的な考え方
          • 地銀等には、ポストコロナの地域経済の回復・再生を支える「要」としての役割が期待されている。しかし、生産年齢人口の減少や低金利環境の継続など地銀等の経営環境は厳しく、特に人口減少地域では将来的にその役割を充分に果たせなくなるおそれがある。
          • このため、地銀等がこうした役割を持続的に果たせるよう、その業務範囲や出資に関する規制の緩和と合わせて、地銀等が合併・経営統合等の抜本的な事業の見直しを行う際の時限的な支援措置として「資金交付制度」を創設することが考えられる。
          • 「資金交付制度」の枠組みに関しては、以下の5点が重要と考えられる。
            1. 合併・経営統合等は各地銀等の自主的な経営判断に基づくものであることを前提に、地銀等からの申請に基づく制度とする。
            2. 人口減少などにより特に経営環境の厳しい地域における貸出を含む利用者ニーズの高い基盤的な金融サービスの維持・強化を目的とする。このため、対象となる地銀等は地域における貸出を含む利用者ニーズの高い基盤的な金融サービスの提供において相当程度の役割を果たしており、他の機関ではその役割を代替できないと考えられる先とする。
            3. 資金交付の申請の際に利用者ニーズの高い基盤的な金融サービスの提供についての計画の提出を求め、その実施状況をモニタリングする仕組みとする。これにより地銀等の救済を目的としたものではないことを明確にする。
            4. 支援は、合併・経営統合等の抜本的な事業の見直しに伴い必要となる追加的な初期コスト(システム統合費用等)の一部とし、経常的な経費への支援は行わない。資金交付の際に、交付された資金により行う金融機関の取組みが金融機関相互間の適正な競争環境を阻害しないか審査する仕組みとする。
            5. 財源は、税財源(国の一般会計税収)を使用しないこととし、預金保険機構の金融機能強化勘定の利益剰余金(金融機能強化法に基づき資本参加した金融機関からの配当収入の内部留保分)を活用する。
        2. 対象金融機関
          • 上記の制度趣旨・目的に鑑み、少なくとも、以下の基準全てを満たす地銀等を対象とすることが考えられる。
            1. 合併・経営統合等の抜本的な事業の見直しを行うこと
            2. 地域において相当程度の貸出を含む基盤的な金融サービスを提供していること
            3. 人口減少地域などを主たる営業地域とし、特に経営環境が厳しいと見込まれること
            4. 抜本的な事業の見直しにより、貸出を含む基盤的な金融サービスを持続的に提供することが可能となると見込まれること
        3. 経営強化計画の提出・審査
          • 資金交付を申請する金融機関には、経営基盤強化のための計画(原則5年間。以下「経営強化計画」という)の提出を求め、監督官庁は、金融機能強化審査会の意見を聴取しつつ、経営強化計画により、ポストコロナの地域経済の回復・再生に資する経営基盤を構築し、地域のニーズに沿った貸出を含む基盤的な金融サービスが持続的に提供可能となるかどうかについて、審査を行うことが考えられる。
          • 経営強化計画の審査においては、貸出について生産年齢人口の減少などを考慮して実質的に同水準が維持されているか、地域の実情や顧客ニーズを踏まえつつ、貸出に留まらない総合的な金融サービスの提供が強化されるか、といった点を確認することが考えられる。併せて、交付された資金により行う金融機関の取組みが金融機関相互間の適正な競争環境を阻害しないかについても確認することが考えられる。また、今後、経営基盤の強化にあたって重要となるITガバナンスの強化についても確認することが考えられる。
      4. 資金交付額
        • 抜本的な事業の見直しに必要となる追加的な初期コストの一部を支援することとし、システム統合費用や業務の集約・共同化に要する費用などの臨時的又は一時的に負担する経費(物件費)を対象とすることが考えられる。人口減少などにより特に経営環境の厳しい地域において金融機能を維持するとの目的などに鑑み、例えば、地銀等における年間のシステム関連経費や近年の合併・経営統合事例における統合費用の水準などを勘案した上で、交付額に一定の上限を設けることが考えられる。
      5. 財源
        • 地域における経済の活性化等を目的として預金保険機構に設置された金融機能強化勘定の利益剰余金(金融機能強化法に基づき資本参加した金融関からの配当収入の内部留保分)を活用することが適当である。同勘定の利益剰余金は、将来、業務を終了し、同勘定の廃止の際に残余があれば国庫納付することとされている。資金交付制度の政策目的は、人口減少地域などにおいてポストコロナの地域経済の回復・再生に資する金融機能を維持・強化することであり、金融機能強化勘定の設置目的と同趣旨であることから、その利益剰余金を財源として活用することは適当であると考えられる。
      6. 監督・モニタリング
        • 監督官庁は金融機関から提出を受けた経営強化計画の履行状況について原則5年間モニタリングを行い、ポストコロナの地域経済の回復・再生に資する方策の実施状況が不充分な場合には、経営強化計画の適切な履行を求めることができることとし、抜本的な事業の見直しが実施されない場合には、交付した資金の返還を求めることが考えられる。経営強化計画の履行状況のモニタリングにあたっては、金融機関の事務負担や経済状況の変化等を踏まえて柔軟に行うよう配意することが必要である。
      7. 申請期間
        • 新型コロナウイルス感染症による経済への影響が見通せないことを踏まえ、5年程度の申請期間を確保することが適当と考えられる(2026年3月末が申請期限)。

金融庁 金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」(第5回) 議事次第
▼資料1 金融審議会 市場制度ワーキング・グループ 第一次報告(案)
  1. 海外の投資運用業者等の受入れに係る制度整備
    • 外国法人や一定の資産を保有する外国居住の個人を対象とする投資運用業については、通常の投資運用業と同等の規制とする必要性が低いと考えられることから、ファンドの主な顧客がそのような者である場合、適格機関投資家による出資を必須とせず、出資人数の制限もない形で、「届出」により、日本国内9で業務を行えるよう、新たな類型を整備することが適切であると考えられる。
    • 現行の適格機関投資家等特例業務と同様、投資運用業の中でも、投資家が保有する権利の流通性が低い上記(ア)「組合型集団投資スキーム持分の自己運用」を対象とすることが適当と考えられる。
    • 基本的には適格機関投資家等特例業務と同様、通常の投資運用業者と同様の行為規制や当局による監督対応・立入検査等の対象とすることが適当と考えられる。
    • 運用上のニーズと投資者保護とのバランスを考慮し、プロと称される一部の国内投資家(適格機関投資家及び当該運用事業者の関係者)については、一定の出資比率の範囲内で出資を認めることが適当と考えられる。具体的には、主として海外の資金を運用する事業者であることが前提であることから、こうした国内投資家による出資額の割合は50%未満とすることが考えられる。
    • 国内の投資運用業者についても、ファンドの主な顧客が外国法人や一定の資産を保有する外国居住の個人であるといった制度上の要件を満たす場合、競争上の公平性確保の観点から、新たな類型の対象とすることが適当と考えられる。
    • 適格機関投資家等特例業務では、「届出」により、組合型集団投資スキーム持分の取得勧誘を行うことが可能であり、新たな類型で参入する事業者についても同様に、「届出」により、取得勧誘を行うことを可能とすることが適当と考えられる。
    • 海外の資金のみを運用する事業者が、海外で一定の業務実績(トラック・レコード)があり、一定の海外当局による許認可等を受けていることを勘案した上で、日本で「登録」等を得るまでの一定の期間に関し、海外で既に行っている投資運用業等について、「届出」により、引き続き日本国内で業務を行えるよう、新たな特例を整備すべきであると考えられる。
    • 海外事業者が日本で業務実績(トラック・レコード)を積み、その後、金商法による登録等の手続を完了させる必要があることを踏まえれば、「5年程度」の期間とし、当該移行期間終了までに恒久的な類型に移行するよう求めることが適当と考えられる。また、前述の新たな類型と同様に、新たな特例を恒久措置として設けることも考えられるが、海外事業者を日本に集中的に呼び込む趣旨を踏まえ、また、既存業者との競争上の公平性や投資者保護の観点から、本件新たな特例自体を「3~5年程度」の時限的な措置として設けることが適当と考えられる。
    • 新たな特例の対象は、既に海外で運用業務を行っている事業者であり、海外当局の監督を受けて主として海外の有価証券の運用を行う事業者が想定されることから、(ア)日本で活動している間は、引き続き海外当局による許認可等を受けていること、(イ)海外で一定の業務実績(トラック・レコード)があること、(ウ)ファンド全体として主な運用対象が海外有価証券であること(ファンド全体として運用対象とする国内有価証券の割合が50%未満であること)等を勘案することが適当と考えられる。その上で、通常の投資運用業者については、金融商品取引業を適確に遂行するための人的構成を有し、必要な体制整備を行うことが参入要件(欠格事由)とされているところ、本件新たな特例においても、適切な人的構成を有し、必要な体制整備を行っていることを法令上手当することが適当と考えられる。
    • 海外当局の範囲については、投資家保護の観点から、我が国が行う調査協力の要請に応ずる保証がある外国金融商品取引規制当局であることに加え、当該外国の規制・監督が投資者保護の観点からの要件を満たすことを前提とすることが適当と考えられる。すなわち、全体として日本と同様の市場ルール等が存在し、日本の監督当局と基本的に同じプリンシプルで実質的な金融監督が行われている外国であることを基本とすべきである。
  2. 外国法人顧客情報に関する銀証ファイアーウォール規制(情報授受規制)の緩和
    1. 検討の背景と目的
      • いわゆる銀証ファイアーウォール規制は、同一金融グループ内の「銀行」・「証券会社」間において、顧客からの同意のない、顧客の非公開情報等の共有禁止等を定めるものである。本規制は、1993年に、「銀行」・「証券会社」間において、業態別子会社方式による相互参入の解禁時に、証券会社間の公正な競争の確保(グループ銀行の優越的地位を濫用した営業の防止等)、利益相反取引の防止、顧客情報の適切な保護等を確保するために設けられたものである。
      • 以後、2008年の抜本的な見直し(オプトアウト制度の導入・利益相反管理体制の整備義務導入など)など、諸外国における規制環境の動向や、規制目的に照らした規制内容との比較衡量等の観点を踏まえつつ、累次にわたり、見直しが行われてきた。
      • 本件に関しては、本年夏の「成長戦略フォローアップ」(2020年7月17日閣議決定)において、我が国金融機関と海外金融機関との競争条件のイコールフッティングを確保し、我が国金融・資本市場の魅力向上を図る観点から、「外国法人顧客に関する情報の銀証ファイアーウォール規制の対象からの除外等について検討すべきである。なお、国内顧客を含めたファイアーウォール規制の必要性についても公正な競争環境に留意しつつ検討する。」との記載が盛り込まれた。
    2. 現行制度の概要と課題(外国法人顧客関係)
      • 現行、銀証ファイアーウォール規制により、同一金融グループ内の「銀行」・「証券会社」間で顧客に関する非公開情報等を共有する場合、原則として、書面による事前の同意取得が必要とされているが、外国法人顧客に関する非公開情報等については、オプトアウト制度の対象となっているほか、電子メールでの同意取得を可能とする等の特例が設けられている。
      • 例えば、本邦金融機関が、クロスボーダーM&A等の案件を進めるために同一グループ内で非公開情報等を共有しようとする場合、原則として、書面による事前の同意取得が必要となる。この点、情報授受規制が存在しない国では現地企業からの同意書の取得に難航し、情報授受規制の適用を受けない海外金融機関との間で競争上不利となっているとの指摘や、企業が本邦金融機関から銀証一体となった提案を受ける機会が制約されているとの指摘がある。
    3. 制度整備のあり方
      • こうした指摘に対して、当ワーキング・グループでの議論においても、(1)海外規制との同等性の確保、海外金融機関との国際競争力強化等の観点から、緩和する方向での検討が望ましい(2)諸外国において利益相反管理等の顧客保護に係る取組みが進展している中、当該顧客が経済活動を行う国における規制に上乗せして本邦規制を課す必要性は必ずしも高くないとの意見が出された。
      • こうした意見を踏まえ、外国法人顧客に係る非公開情報等について、情報授受規制の対象から除外することが適当と考えられる。

【2020年12月】

金融庁 金融審議会「最良執行のあり方等に関するタスクフォース」(第1回)議事次第
▼資料2 事務局説明資料(金融商品取引業者等の最良執行方針等について)
  • 日本では、東証のシェアは70%から90%程度で推移。また、PTSのシェアは、2011年以降5%程度で推移した後、直近では7~8%程度に上昇
  • 米国では、取引所全体のシェアは60%から70%程度で推移。また、OTCと取引所外取引システム(ATS)を合わせたシェアは30%から40%程度で推移。
  • 欧州では、取引所全体のシェア(OTCを除く)は60%から70%程度で推移。残りをいくつかのMTFが占めている。但し、欧州では、OTCが30%から50%程度を占めるといわれている。
  • 個人投資家の証券投資に関する意識調査(抜粋)
    • 有価証券(株式、投資信託、公社債)の保有額(個人・時価)、保有状況:300万円未満が52.3%、1,000万円未満が77.9%。推計の平均保有額は、881万円。「株式」保有率は79.0%、「投資信託」は55.3%、「公社債」は13.8%
    • 有価証券への投資について検討したり、興味・関心を持ったきっかけ:「株主優待があることを知った」が34.9%。投資に関する税制優遇制度(NISA・つみたてNISA・確定拠出年金制度)があることを知った」が33.5%。「今の収入を増やしたいと思った」が33.4%
    • 投資方針等 株式 :「概ね長期保有だが、ある程度値上がり益があれば売却する」が51.3%。「配当・分配金・利子を重視している」が19.0%。「値上がり益重視であり、短期間に売却する」が13.2%
    • 投資方針等 投資信託:「安定性やリスクの低さ」が57.7%。次いで、「成長性や収益性の高さ」「購入・販売手数料の安さ」「分配金の頻度や実績」
    • 平均保有期間:株式の保有期間は、10年以上が25.3%。5年以上が43.0%、1年未満が21.2%、1か月未満が3.8%。株式の推計の平均保有期間(全体)は、4年11か月
    • 主な注文方法 株式:「証券会社のインターネット取引」(「パソコンやタブレット」「スマートフォン」の合計)が75.7%(本調査はインターネット調査であるため留意が必要)。年齢が若い層ほど「店頭」での注文が少なく、「スマートフォン」での取引が多くなる傾向
    • 主な注文方式 投資信託:「証券会社のインターネット取引」(「パソコンやタブレット」「スマートフォン」の合計)が59.6%(本調査はインターネット調査であるため留意が必要)。年齢の若い層ほど「スマートフォン」の割合が高く、年齢の高い層ほど「証券会社の店頭」での取引が多い
  • Smart Order Routing(SOR)とは複数の市場から最良の条件を提示している市場を検索し、注文を執行するシステム
  • SORによる注文執行のルール 大別すると以下の2パターンが考えられるが、各社によって多種多様である。
    1. 最良気配を提示している市場から順にIOC注文するもの
    2. 複数市場に対して分割して同時にIOC注文するもの
  • 最良の条件を提示している市場を検索する際は、通常、東証の立会市場における最良気配を基準として、より良い気配を提示している市場はないか検索する。
  • SORのサービスの提供状況
    • 現在、PTSの取引参加者である証券会社の多くは、SORのサービスを提供。このうち、ネット証券の多くは、個人投資家に対してのみSORのサービスを提供。ネット証券以外の証券会社の多くは、機関投資家に対してのみSORのサービスを提供。
    • 最良執行方針等に関する規制の導入時と比較すると、全体的にみれば、PTSの取引参加者である証券会社においては、価格を重視した注文執行が可能になっている。
    • 他方で、SORによる注文執行のルールを個別に見ていくと、執行可能性等の価格以外の要素も考慮していると思われるものもあるため、更なる分析が必要。(例)複数の市場の最良気配が同値である場合において、東証の立会市場で注文を執行することとされているもの。発注後、約定前に執行先の市場に気配がなくなっていた場合において、最良気配を提示している市場を再検索せず、東証の立会市場で注文を執行することとされているもの。
  • 最良執行方針等との関係
    • SORのサービスを提供している証券会社のうち、SORに関して最良執行方針等に記載がある証券会社がある一方、SORに関する記載がない証券会社もある。
    • 通常、証券会社の最良執行方針等では、顧客から執行方法に関する指示があった場合には当該執行方法により執行するものとされているところ、最良執行方針等にSORに関する記載がない証券会社がSORにより注文執行する場合は、顧客からの執行方法に関する指示に基づくものとして注文執行している。
  • 検討課題
    1. 注文執行のあり方
      • 投資家の利益を踏まえて注文を執行するにあたり、証券会社が考慮すべき要素にはどのようなものがあるか(価格、コスト、スピード、執行可能性など)。
      • 投資家から執行方法に関する指示がある場合について、証券会社は当該指示に基づいて執行すれば足りると考えられるか。
    2. 機関投資家に対する最良執行方針等
      • 「最良執行義務の内容としては、大多数の投資家にとって取引所で執行することが利益に合致している実情を踏まえ、価格のみならず、コスト、スピード、執行可能性などさまざまな要素を総合的に勘案して執行する義務」であるという制度導入当時の考え方について、SORの普及やPTSのシェアの上昇等の環境変化を踏まえて、見直すべき点はあるか。
    3. 個人投資家に対する最良執行方針等
      • 「最良執行義務の内容としては、大多数の投資家にとって取引所で執行することが利益に合致している実情を踏まえ、価格のみならず、コスト、スピード、執行可能性などさまざまな要素を総合的に勘案して執行する義務」であるという制度導入当時の考え方について、SORの普及やPTSのシェアの上昇等の環境変化を踏まえて、見直すべき点はあるか。
      • たとえば、以下の点についてどのように考えるか。
        • SORのメリット(価格改善等)・デメリット(システムコスト等)
        • 個人投資家に対してSORのサービスを提供しない証券会社やPTSの取引参加者ではない証券会社における最良執行について、どのように考えるか。
        • 個人投資家と高速取引行為者との間のスピード格差が市場に与える影響について、どのように考えるか(時間差から生じる価格差を利用した投資戦略について、どのように考えるか。)。

金融庁 コロナ後の企業の変革に向けた取締役会の機能発揮及び企業の中核人材の多様性の確保(「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」意見書(5))の公表について
▼コロナ後の企業の変革に向けた取締役会の機能発揮及び企業の中核人材の多様性の確保(「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」意見書(5))
  1. はじめに
    • コロナ禍の拡大により、企業を取り巻く環境の変化が加速している。デジタライゼーションの進展をはじめ、人々の価値観・行動様式の変化に伴い、顧客の求める財・サービスの変化、新たな働き方や人材活用の動きが進み、不確実性も高まりを見せている。コロナ後の新たな成長を実現するためには、各々の企業が課題を認識し変化を先取りすることが求められる。そのためには、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等との間で企業の変革のビジョンを共有し、迅速・果断な意思決定を通じてこれを積極的に実行していくことが重要である。
    • 企業を巡る変化が加速する中、「攻めのガバナンス」や「持続的成長、中長期的な企業価値の向上」の実現に向け、企業がガバナンス改革を進めることが急務となっている。取締役会の機能発揮、資本コストを意識した経営、監査の信頼性の確保、グループガバナンスの向上等の改革にスピード感をもって取り組むことが求められる。
    • 特に、企業が、コロナ後の経済社会・産業構造の不連続な変化を先導し、新たな成長を実現するには、異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観の存在が不可欠である。このため、独立社外取締役をはじめ、取締役の知識・経験・能力の適切な組み合わせ等を通じた取締役会の機能発揮や、取締役・経営陣やその候補等の多様性の確保とそれに資する人材育成・社内環境の整備が極めて重要である。
    • 本意見書は、これらの論点について、次期コーポレートガバナンス・コードの改訂に向け、コンプライ・オア・エクスプレインの枠組みの下、より高度なガバナンスの発揮を目指して提言を行うものである。
  2. 取締役会の機能発揮と企業の中核人材の多様性の確保についての考え方
    1. 取締役会の機能発揮
      • デジタライゼーションが加速し、企業活動と社会の持続可能性の両立を求める声が急速に高まる中で、企業が今までの経営人材だけでこうしたコロナ後の経営課題を先取りすることは容易ではない。
      • 取締役会には、こうした事業環境の不連続性を踏まえた上で、経営者の迅速・果断なリスクテイクを支え重要な意思決定を行うとともに、実効性の高い監督を行うことが求められる。
      • この観点から不可欠なのが、取締役の知識・経験・能力、さらには就任年数に関する適切な組み合わせの確保である。取締役会において中長期的な経営の方向性や事業戦略に照らして必要なスキルが全体として確保されることは、取締役会がその役割・責務を実効的に果たすための前提条件と考えられる。こうした取締役会のスキル(知識・経験・能力)の構成の考え方は、取締役の選任に当たって適切に開示され、投資家との対話を通じて共有されることが求められる。
      • この際、独立社外取締役は、企業が経営環境の変化を見通し、経営戦略に反映させる上で、より重要な役割を果たすことが求められる。特に当該企業に限られない幅広い経営経験を備えた人材を取締役会に迎え、そのスキルを取締役会の議論に反映させることは、取締役会機能の実効性向上に大きく貢献すると期待される。
      • 諸外国のコードや上場規則をみると、独立社外取締役について、取締役会全体の3分の1以上、ないし過半数の選任を求めている国が大宗となっている。
      • 我が国においても、特に2022年の新市場区分移行後の「プライム市場(仮称)」については「我が国を代表する企業の市場」として高い水準のガバナンスが求められている。こうした観点も踏まえ、同市場の上場企業に対し、独立社外取締役の3分の1以上の選任を求めるべきである。さらに、それぞれの経営環境や事業特性等を勘案して必要と考える企業には、独立社外取締役の過半数の選任を検討するよう促すべきである。
      • また、上場企業は、取締役の選任に当たり、事業戦略に照らして取締役会が備えるべきスキル等を特定し、その上で、いわゆる「スキル・マトリックス」をはじめ経営環境や事業特性等に応じた適切な形で社内外の取締役の有するスキル等の組み合わせを公表するべきである。その際、独立社外取締役には、他社での経営経験を有する者を含むよう求めるべきである。
      • 加えて、コロナ後の企業の変革を主導するとの観点から、
        • 独立性の高い指名委員会(法定・任意)の設置と機能向上(候補者プールの充実等のCEOや取締役の選解任機能の強化、活動状況の開示の充実)
        • 独立性の高い報酬委員会(法定・任意)の設置と機能向上(企業戦略と整合的な報酬体系の構築、活動状況の開示の充実)
        • 筆頭独立社外取締役の設置や独立社外取締役の取締役会議長への選任を含めた、独立社外取締役の機能向上
        • 取締役会の評価の充実(個々の取締役や法定・任意の委員会を含む自己・外部評価の開示の充実等)等の論点について、今後、コーポレートガバナンス・コード改訂に向け、検討を更に深めていく。
    2. 企業の中核人材における多様性(ダイバーシティ)の確保
      • 企業がコロナ後の不連続な変化を先導し、新たな成長を実現する上では、取締役会のみならず、経営陣においても多様な視点や価値観の存在が求められる。そして、我が国企業を取り巻く状況等を十分に認識し、取締役会や経営陣を支える管理職層においてジェンダー・国際性・職歴等の多様性が確保され、それらの中核人材が経験を重ねながら、取締役や経営陣に登用される仕組みを構築することが極めて重要である。この際、他社での経営経験、職務経験を持つ中途採用人材の活用も欠かせない。
      • また、こうした多様な人材を活かし社内全体としての多様性の確保を推進するためには、人材育成体制や社内環境の整備も重要である。多様な働き方やキャリア形成を受け入れた上で、社員のスキルや成果が公正に評価され、それに応じた役職・権限、報酬、機会を得る仕組みの整備が求められる。こうした多様性の確保に向けては、取締役会が、主導的にその取組みを促進し監督することが期待される。
      • こうした観点を踏まえ、上場企業に対し、女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等、中核人材の登用等における多様性の確保についての考え方と自主的かつ測定可能な目標を示すとともに、その状況の公表を求めるべきである。また、多様性の確保に向けた人材育成方針・社内環境整備方針をその実施状況とあわせて公表するよう求めるべきである。
  3. おわりに
    • 2022年4月には東京証券取引所において新市場区分への移行が行われ、プライム市場(仮称)上場企業には一段高い水準のガバナンスが求められることになる。企業において、こうした制度変更を機会と捉え、早期に実効的なコーポレートガバナンスを構築することが期待される。
    • フォローアップ会議は、来春のコーポレートガバナンス・コードの改訂に向け、グループガバナンスのあり方や資本効率の考え方、人材投資、監査の信頼性の確保、中長期的な持続可能性等、コロナ後の企業の変革に向けたコーポレートガバナンスの諸課題につき、引き続き重点的に検討を進めていく。

金融庁 金融審議会「銀行制度等ワーキング・グループ」(第7回)議事次第
▼資料1 銀行制度等ワーキング・グループ報告(案)
  • 日本における人口減少や少子高齢化は深刻さを増している。特に、東京圏を除く地方における生産年齢人口の減少は著しい。こうした中、地域の社会経済を活性化していくことが喫緊の課題である。
  • 加えて2020年1月からは、新型コロナウイルス感染症が社会経済全体に大きな影響を与えている1。足許では、以下の指摘もある。
    • テレワークの経験により地方移住への関心が高まるなど、国民の意識・行動に大きな変化が生じている。こうした中、デジタル化と併せて、地方創生に向けた取組みを加速する必要がある。
    • 企業の財務をめぐる局面は、今後、非流動性(illiquidity)から支払不能(insolvency)に移行する可能性もある。また、企業は、ポストコロナに向けて、サービス提供の非対面化・デジタル化や、サプライチェーンの再構築などにも対応していかなければならない。
  • こうした課題への対応にあたり、金融機関が果たすべき役割は大きい。
  • 一方、金融機関自身をめぐっては、資金需要の継続的な減少や低金利環境などにより経営環境が厳しさを増している。また、金融システム全体を見渡すと、1990年代以降の長期的な経済停滞や足許の低金利環境、企業部門全体としての資金余剰などを背景として、間接金融部門における緩和的な融資態度が常態化しているとの指摘もある。
  • 金融機関は、自らが持続可能なビジネスモデルを構築した上で、日本経済の回復・再生を支える「要」として以下の役割を果たしていくことが期待される。
    • 人口減少や少子高齢化に直面する地域の社会経済の課題解決に貢献すること
    • ポストコロナに向けて対応を進める企業・産業を力強く支援すること
    • 「目利き力」をさらに強化し、成長分野に資金を供給すること
  • これらを踏まえ、2020年9月11日の金融審議会総会において、金融担当大臣より以下の諮問が行われた。
    • 『人口減少など社会経済の構造的な課題や新型コロナウイルス感染症等の影響を踏まえ、金融システムの安定を確保しつつ経済の回復と持続的な成長に資するとの観点から、銀行の業務範囲規制をはじめとする銀行制度等のあり方について検討を行うこと』
  • 金融審議会はこの諮問を受けて「銀行制度等ワーキング・グループ」(以下「本ワーキング・グループ」という)を設置した。本ワーキング・グループは、デジタル化や地方創生など持続可能な社会の構築に資するための銀行の業務範囲規制等の見直しや、地域における金融機能維持のための方策について検討した。
▼資料2 銀行の業務範囲規制等の見直し(案)
  • ポストコロナの日本経済の回復・再生、デジタル化や地方創生など持続可能な社会の構築に向けて、銀行規制を抜本的に見直す。
  • 預金者保護の観点から、兄弟会社・子会社を中心に規制を緩和。また、資金調達(預金)が公的なセーフティネットで保護されている点などにおいて銀行は一般事業会社に対する優位性を有していることを考慮。
  1. 子会社・兄弟会社
    • 銀行業高度化等会社【収入依存度規制なし】デジタル化や地方創生など持続可能な社会の構築
    • 他業認可
      • 個別列挙・制限なし(銀行の創意工夫次第で幅広い業務を営むことが可能)
      • 認可を受けることですべての従属業務を収入依存度規制なしに営むことが可能(明確化)
    • 通常の子会社・兄弟会社認可
      • 内閣府令において個別列挙(実施状況などを踏まえ追加)
      • 財務健全性・ガバナンスが充分なグループが銀行の兄弟会社において営む場合は個別認可不要(届出制)
        • フィンテック
        • 地域商社(在庫保有、製造・加工原則なし)
        • 自行アプリやITシステムの販売
        • データ分析・マーケティング・広告
        • 登録型人材派遣
        • ATM保守点検
        • 障害者雇用促進法に係る特例子会社
        • 地域と連携した成年後見
    • 従属業務会社【法令上の数値基準を削除(必要に応じガイドラインに考え方を示す)】
      • 印刷・製本
      • 自動車運行・保守点検 など
  2. 銀行本体
    • 銀行業の経営資源を活用して行う範囲において、銀行本体が営むことも可能に
    • 内閣府令において個別列挙(実施状況などを踏まえ追加)
      • 自行アプリやITシステムの販売
      • データ分析・マーケティング・広告
      • 登録型人材派遣
      • 幅広いコンサル・マッチング
  3. 出資規制(5%・15%ルール)
    • 投資専門会社によるコンサル業務を可能に
    • 事業再生会社・事業承継会社やベンチャービジネス会社の出資可能範囲・期間の拡充(早期の経営改善・事業再生支援や、中小企業の新事業開拓の幅広い支援を可能に)
    • 非上場の地域活性化事業会社について、事業再生会社などと同様に議決権100%出資を可能に
  4. 外国子会社・外国兄弟会社(外国金融機関等の買収に係る環境整備)
    • 買収した外国金融機関の子会社である外国会社について、現地の競争上必要性があれば、現地法令に準拠する限り継続的な保有を認めることを原則に
    • リース業や貸金業を主として営む外国会社について、迅速な買収を可能に

金融庁 「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」の一部改正(案)について公表しました。
▼別紙
  • 前記の管理態勢の構築に当たっては、マネロン・テロ資金供与リスクが経営上重大なリスクになり得るとの理解の下、関連部門等に対応を委ねるのではなく、経営陣が、管理のためのガバナンス確立等について主導性を発揮するなど、マネロン・テロ資金供与対策に関与することが不可欠である。
  • 包括的かつ具体的な検証に当たっては、社内の情報を一元的に集約し、全社的な視点で分析を行うことが必要となることから、マネロン・テロ資金供与対策に係る主管部門に対応を一任するのではなく、経営陣が、主導性を発揮して関係する全ての部門の連携・協働を確保する必要がある。
  • 新たな商品・サービスを取り扱う場合や、新たな技術を活用して行う取引その他の新たな態様による取引を行う場合には、当該商品・サービス等の提供前に、当該商品・サービスのリスクの検証、及びその提供に係る提携先、連携先、委託先、買収先等のリスク管理態勢の有効性も含めマネロン・テロ資金供与リスクを検証すること
  • マネロン・テロ資金供与リスクについて、経営陣が、主導性を発揮して関係する全ての部門の連携・協働を確保した上で、リスクの包括的かつ具体的な検証を行うこと
  • リスク評価の全社的方針や具体的手法を確立し、当該方針や手法に則って、具体的かつ客観的な根拠に基づき、前記「(1)リスクの特定」において特定されたマネロン・テロ資金供与リスクについて、評価を実施すること
  • 上記の評価を行うに当たっては、疑わしい取引の届出の状況等の分析等を考慮すること
  • 疑わしい取引の届出の状況等の分析に当たっては、届出件数等の定量情報について、部門・拠点・届出要因・検知シナリオ別等に行うなど、リスクの評価に活用すること
  • 金融機関等においては、これらの過程で確認した情報、自らの規模・特性や業務実態等を総合的に考慮し、全ての顧客について顧客リスク評価を実施するとともに、自らが、マネロン・テロ資金供与リスクが高いと判断した顧客については、いわゆる外国PEPs(Politically Exposed Persons)や特定国等に係る取引を行う顧客も含め、リスクに応じた厳格な顧客管理(Enhanced Due Diligence:EDD)を行う一方、リスクが低いと判断した場合には、リスクに応じた簡素な顧客管理(Simplified Due Diligence:SDD)を行うなど、円滑な取引の実行に配慮することが求められる。
  • 顧客及びその実質的支配者の氏名と関係当局による制裁リスト等とを照合するなど、国内外の制裁に係る法規制等の遵守その他リスクに応じて必要な措置を講ずること
  • 顧客の営業内容、所在地等が取引目的、取引態様等に照らして合理的ではないなどのリスクが高い取引等について、取引開始前又は多額の取引等に際し、営業実態や所在地等を把握するなど追加的な措置を講ずること
  • マネロン・テロ資金供与リスクが低いと判断した顧客については、当該リスクの特性を踏まえながら、当該顧客が行う取引のモニタリングに係る敷居値を上げたり、顧客情報の調査範囲・手法・更新頻度等を異にしたりするなどのリスクに応じた簡素な顧客管理(SDD)を行うなど、円滑な取引の実行に配慮すること
  • 各顧客のリスクが高まったと想定される具体的な事象が発生した場合等の機動的な顧客情報の確認に加え、定期的な確認に関しても、確認の頻度を顧客のリスクに応じて異にすること
  • 継続的な顧客管理により確認した顧客情報等を踏まえ、顧客リスク評価を見直し、リスクに応じたリスク低減措置を講じること 特に、取引モニタリング・フィルタリングにおいては、継続的な顧客管理を踏まえて見直した顧客リスク評価を適切に反映すること
  • 団体の顧客についてのリスク評価に当たっては、当該団体のみならず、当該団体が形成しているグループも含め、グループ全体としてのマネロン・テロ資金供与リスクを勘案すること
  • 【先進的な取組み事例】外国PEPsについて、外国PEPsに該当する旨、その地位・職務、離職している場合の離職後の経過期間、取引目的等について顧客に照会し、その結果や居住地域等を踏まえて、よりきめ細かい継続的顧客管理を実施している事例
  • 疑わしい取引の届出につながる取引等について、リスクに応じて検知するため、以下を含む、取引モニタリングに関する適切な体制を構築し、整備すること
  • 自らのリスク評価を反映したシナリオ・敷居値等の抽出基準を設定すること
  • 上記の基準に基づく検知結果や疑わしい取引の届出状況等を踏まえ、届出をした取引の特徴(業種・地域等)や現行の抽出基準(シナリオ・敷居値等)の有効性を分析し、シナリオ・敷居値等の抽出基準について改善を図ること
  • 制裁対象取引について、リスクに応じて検知するため、以下を含む、取引フィルタリングに関する適切な体制を構築し、整備すること
    • 取引の内容(送金先、取引関係者(その実質的支配者を含む)、輸出入品目等)について照合対象となる制裁リストが最新のものとなっているか、及び制裁対象の検知基準がリスクに応じた適切な設定となっているかを検証するなど、的確な運用を図ること
    • 国際連合安全保障理事会決議等で経済制裁対象者等が指定された際には、遅滞なく照合するなど、国内外の制裁に係る法規制等の遵守その他リスクに応じた必要な措置を講ずること
  • 疑わしい取引の該当性について、国によるリスク評価の結果のほか、疑わしい取引の参考事例、自らの過去の疑わしい取引の届出事例等も踏まえつつ、外国PEPs該当性、顧客属性、当該顧客が行っている事業、顧客属性・事業に照らした取引金額・回数等の取引態様、取引に係る国・地域その他の事情を考慮すること
  • 疑わしい取引の届出を契機にリスクが高いと判断した顧客について、顧客リスク評価を見直すとともに、当該リスク評価に見合った低減措置を適切に実施すること
  • ITシステムの的確な運用により、大量の取引の中から、異常な取引を自動的かつ迅速に検知することや、その前提となるシナリオや敷居値をリスクに応じて柔軟に設定、変更等することが可能となるなど、リスク管理の改善が図られる可能性がある
  • 経営陣は、マネロン・テロ資金供与のリスク管理に係る業務負担を分析し、より効率的効果的かつ迅速に行うために、ITシステムの活用の可能性を検討すること
  • マネロン・テロ資金供与対策に係るITシステムの導入に当たっては、ITシステムの設計・運用等が、マネロン・テロ資金供与リスクの動向に的確に対応し、自らが行うリスク管理に見合ったものとなっているか検証するとともに、導入後も定期的に検証し、検証結果を踏まえて必要に応じ改善を図ること
  • 外部委託する場合や共同システムを利用する場合であっても、自らの取引の特徴やそれに伴うリスク等について分析を行い、必要に応じ、独自の追加的対応の検討等を行うこと
  • 【先進的な取組み事例】顧客リスク評価を担当する部門内に、データ分析の専門的知見を有する者を配置し、個々の顧客情報や取引情報をリアルタイムに反映している事例。
  • コルレス先や委託元金融機関等について、所在する国・地域、顧客属性、業務内容、マネロン・テロ資金供与リスク管理態勢、現地当局の監督のスタンス等を踏まえた上でリスク評価を行うことコルレス先や委託元金融機関等のリスクが高まったと想定される具体的な事象が発生した場合には、コルレス先や委託元金融機関等を監視して確認した情報等を踏まえ、リスク評価を見直すこと
  • コルレス先や委託元金融機関等の監視に当たって、上記のリスク評価等において、特にリスクが高いと判断した場合には、必要に応じて、コルレス先や委託元金融機関等をモニタリングし、マネロン・テロ資金供与リスク管理態勢の実態を確認すること
  • 他の金融機関等による海外送金等を受託等している金融機関等においては、当該他の金融機関等による海外送金等に係る管理手法等をはじめとするマネロン・テロ資金供与リスク管理態勢等を監視すること
  • 送金人及び受取人が自らの直接の顧客でない場合であっても、制裁リスト等との照合のみならず、コルレス先や委託元金融機関等と連携しながら、リスクに応じた厳格な顧客管理を行うことを必要に応じて検討すること
  • 輸出入取引等に係る資金の融通及び信用の供与等
    • 輸出入取引は、国内の取引に比べ、実地確認が困難なケースもあることを悪用し、輸出入取引を仮装したり、実際の取引価格に金額を上乗せして支払うなどして犯罪による収益を移転したりすることが容易である。また、輸出入関係書類の虚偽記載等によって、軍事転用物資や違法薬物の取引等にも利用される危険性を有している。金融機関等においては、輸出入取引等に係る資金の融通及び信用の供与等がこうしたリスクにも直面していることを踏まえながら、特有のリスクの特定・評価・低減を的確に行う必要がある。
    • 【対応が求められる事項】
      • 輸出入取引等に係る資金の融通及び信用の供与等に係るリスクの特定・評価に当たっては、輸出入取引に係る国・地域のリスクのみならず、取引等の対象となる商品、契約内容、輸送経路、利用する船舶等、取引関係者等(実質的支配者を含む)のリスクも勘案すること
    • 【対応が期待される事項】
      • 取引対象となる商品の類型ごとにリスクの把握の鍵となる主要な指標等整理することや、取扱いを制限する商品及び顧客の属性をリスト化することを通じて、リスクが高い取引を的確に検知すること
      • 商品の価格が市場価格に照らして差異がないか確認し、根拠なく差異が生じている場合には、追加的な情報を入手するなど、更なる実態把握等を実施すること
      • 書類受付時に通常とは異なる取引パターンであることが確認された場合、書類受付時と取引実行時に一定の時差がある場合あるいは書類受付時から取引実行時までの間に貿易書類等が修正された場合には、書類受付時のみならず、修正時及び取引実行時に、制裁リスト等と改めて照合すること
      • 輸出入取引等に係る資金の融通及び信用の供与等の管理のために、ITシステム・データベースの導入の必要性について、当該金融機関が、この分野において有しているリスクに応じて検討すること
  • リスク低減措置を講じてもなお残存するリスクを評価し、当該リスクの許容度や金融機関等への影響に応じて、取扱いの有無を含めたリスク低減措置の改善や更なる措置の実施の必要性につき検討すること
  • マネロン・テロ資金供与リスク管理態勢の見直しや検証等について外部専門家等のレビューを受ける際には、検証項目に照らして、外部専門家等の適切性や能力について、外部専門家等を採用する前に、経営陣に報告しその承認を得ること また、必要に応じ、外部専門家等の適切性や能力について、内部監査部門が事後検証を行うこと
  • マネロン・テロ資金供与対策の方針・手続・計画等の策定及び見直しについて、経営陣が承認するとともに、その実施状況についても、経営陣が、定期的及び随時に報告を受け、必要に応じて議論を行うなど、経営陣の主導的な関与があること
  • 研修等の効果について、研修等内容の遵守状況の検証や職員等に対するフォローアップ等の方法により確認し、新たに生じるリスク等も加味しながら、必要に応じて研修等の受講者・回数・受講状況・内容等を見直すこと

金融庁 「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(第22回)議事次第
▼資料1 コロナ後の企業の変革に向けた取締役会の機能発揮及び中核人材の多様性の確保
  • コロナ禍の拡大により、企業を取り巻く環境の変化が加速している。デジタライゼーションの進展をはじめ、人々の価値観・行動様式の変化に伴い、顧客の求める財・サービスの変化、新たな働き方や人材活用の動きが進み、不確実性も高まりを見せている。コロナ後の新たな成長を実現するためには、各々の企業が課題を認識し変化を先取りすることが求められる。そのためには、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等との間で企業の変革のビジョンを共有し、迅速・果断な意思決定を通じてこれを積極的に実行していくことが重要である。
  • 企業を巡る変化が加速する中、「攻めのガバナンス」や「持続的成長、中長期的な企業価値の向上」の実現に向け、企業がガバナンス改革を進めることが急務となっている。取締役会の機能発揮、資本コストを意識した経営、監査の信頼性の確保、グループガバナンスの向上等の改革にスピード感をもって取り組むことが求められる。
  • 特に、企業が、コロナ後の経済社会・産業構造の不連続な変化を先導し、新たな成長を実現するには、異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観の存在が不可欠である。このため、独立社外取締役をはじめ、取締役の知識・経験・能力の適切な組み合わせ等を通じた取締役会の機能発揮や、取締役・経営陣やその候補等の多様性の確保とそれに資する人材育成・社内環境の整備が極めて重要である。
  1. 取締役会の機能発揮
    • デジタライゼーションが加速し、企業活動と社会の持続可能性の両立を求める声が急速に高まる中で、企業が今までの経営人材だけでこうしたコロナ後の経営課題を先取りすることは容易ではない。
    • 取締役会には、こうした事業環境の不連続性を踏まえた上で、経営者の迅速・果断なリスクテイクを支え、重要な意思決定を行うことが求められる。この観点から不可欠なのが、取締役の知識・経験・能力、さらには就任年数に関する適切な組み合わせの確保である。取締役会において事業戦略に照らして必要なスキルが全体として確保されることは、取締役会がその役割・責務を実効的に果たすための前提条件と考えられる。こうした取締役会のスキル(知識・経験・能力)の構成の考え方は、取締役の選任に当たって適切に開示され、投資家との対話を通じて共有されることが求められる。
    • この際、独立社外取締役は、企業が経営環境の変化を見通し、経営戦略に反映させる上で、より重要な役割を果たすことが求められる。特に当該企業に限られない幅広い経営経験を備えた人材を取締役会に迎え、そのスキルを取締役会の議論に反映させることは、取締役会機能の実効性向上に大きく貢献すると期待される。
    • 諸外国のコードや上場規則をみると、独立社外取締役について、取締役会全体の3分の1以上、ないし過半数の選任を求めている国が大宗となっている。
    • 我が国においても、特に2022年の新市場区分移行後の「プライム市場(仮称)」については「我が国を代表する企業の市場」として高い水準のガバナンスが求められている。こうした観点も踏まえ、同市場の上場企業に対し、独立社外取締役の3分の1以上の選任を求めるべきである。さらに、それぞれの経営環境や事業特性等を勘案して必要と考える企業には、独立社外取締役の過半数の選任を検討するよう促すべきである。
    • また、上場企業は、取締役の選任に当たり、事業戦略に照らして取締役会が備えるべきスキルを特定し、その上で、各取締役の有するスキルの組み合わせ(いわゆる「スキルマトリックス」)を公表するべきである。その際、独立社外取締役には、他社での経営経験を有する者を含むよう求めるべきである。
    • 加えて、コロナ後の企業の変革を主導するとの観点から、
      • 指名委員会(法定・任意)の設置と機能向上(候補者プールの充実等のCEO選解任機能の強化、活動状況の開示の充実)
      • 報酬委員会(法定・任意)の設置と機能向上(企業戦略と整合的な報酬体系の構築、活動状況の開示の充実)
      • 投資家との対話の窓口となる筆頭独立社外取締役の設置、独立社外取締役の議長選任等
      • 取締役会の評価の充実(個々の取締役や諮問委員会等を含む自己・外部評価の開示の充実等)
    • 等の論点について、今後、コーポレートガバナンス・コード改訂に向け、検討を更に深めていく。
  2. 企業の中核人材における多様性(ダイバーシティ)の確保
    • 企業がコロナ後の不連続な変化を先導し、新たな成長を実現する上では、取締役会のみならず、経営陣においても多様な視点や価値観の存在が求められる。
    • そして、我が国企業を取り巻く状況等を十分に認識し、取締役会や経営陣を支える管理職層においてジェンダー・国際性・職歴等の多様性が確保され、それらの中核人材が経験を重ねながら、取締役や経営陣に登用される仕組みを構築することが極めて重要である。この際、他社での経営経験、職務経験を持つ中途採用人材の活用も欠かせない。
    • また、こうした多様な人材を活かし社内全体としての多様性の確保を推進するためには、人材育成体制や社内環境の整備も重要である。多様な働き方やキャリア形成を受け入れた上で、社員のスキルや成果が公正に評価され、それに応じた役職・権限、報酬、機会を得る仕組みの整備が求められる。
    • こうした観点を踏まえ、上場企業に対し、女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等、中核人材の登用等における多様性の確保についての考え方と自主的かつ測定可能な目標を示すとともに、その状況の公表を求めるべきである。また、多様性の確保に向けた人材育成方針・社内環境整備方針をその実施状況とあわせて公表するよう求めるべきである。
▼資料2 株主総会に関する課題
  • 持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図る上で、上場会社は、株主との間で、年間を通じて建設的な対話を行うことが重要。
  • 株主総会は、特に重要な対話の場であり、開催日にとどまらず、株主総会での意思決定のためのプロセス全体を建設的かつ実質的なものとすることが求められる。
  • コーポレートガバナンス・コードは、こうした観点から、上場会社に対して、株主の権利の実質的な確保へ向けた適切な対応と、株主総会における権利行使に係る適切な環境整備に取り組むよう要請している。
  • コーポレートガバナンス・コードで求められている株主権の行使に向けた適切な環境整備について、コロナ禍を経て、従来からある課題を含め様々な課題が認識されている。
  • 株主権の行使に向けた適切な環境の整備と、これに関連した株主の適切な判断に資する情報提供の充実のため、これらの課題についての上場会社の取組みを加速することが期待される。
  • 議決権電子行使プラットフォームの利用は徐々に進みつつあるが、上場企業全体としてみると、約3割の利用、国内機関投資家では約13%の利用にとどまっている。他方、欧米では機関投資家による議決権の電子行使率が極めて高い。
  • 議決権電子行使プラットフォームの活用に関し、書面の郵送にかかる時間が削減できる利点が指摘されている一方、投資家からは指図フローの二重化が生じるなどの課題が指摘されている。コロナ禍を経て、その導入が感染症拡大の防止に有用等の声も上がっている。
  • 近時の情報技術の進展に伴い、株主総会の開催方法として、株主がインターネット等の手段を用いて遠隔地から参加/出席する方法(いわゆるバーチャル株主総会)が登場している。バーチャル株主総会は、バーチャルと物理的な会場の双方で開催するか、バーチャルのみで開催するかによって、ハイブリッド型とバーチャルオンリー型とに大別される。
  • バーチャル株主総会については、株主総会への参加・出席の機会の確保と感染症の拡大防止とを両立できる等の利点が指摘されている。他方で、質疑応答の双方向性・即時性の確保や、株主との間の質疑などのやりとりに係る透明性・公正性の確保が重要となる等の指摘がある。
  • 株主総会開催日から3週間以上前に招集通知等を発送する会社の比率は、コーポレートガバナンス・コードの策定を受けて2015年より増加傾向にあったが、2020年はコロナ禍の影響により減少。一部の上場会社では招集通知の発送後にTDnet(適時開示情報伝達システム)への掲載がなされているなど、早期開示への取組みについては、上場会社ごとで差が大きい。
  • 議決権行使の充実を図る上で、招集通知等の早期発送・早期開示への投資家の期待は大きい。コロナ禍等の不測の事態の下では早期発送は困難となり易い一方で、招集通知等の発送の10-12営業日前にはその内容を電子的に開示可能と考えられ、早期開示への取組みの余地は大きい。
  • 株主総会関連の日程については、株主との建設的な対話の充実や、そのための正確な情報提供等の観点から、両基準日を決算日より後ろ倒しする方法や、株主総会の開催時期や配当基準日の変更を回避するために決算日を前倒しする方法が、指摘されている。
  • 議決権行使基準日と配当基準日の後倒し、又は決算日の前倒しをすることにより、株主総会開催日を決算日から3ヶ月以上後とした場合のメリット・デメリットは以下のとおり。コロナ禍等の不測の事態が生じた場合にも品質の高い議決権行使の確保を図る観点からは、株主総会関連の日程を見直すことが有力な選択肢となる。
  • コーポレートガバナンス・コードの補充原則1-2(4)と3-1(2)は、英文開示を「進めるべき」としている。東証一部上場会社では、開示書類の一部を英文開示している例が半数以上。他方で、有価証券報告書の英文開示を行う会社は少数に留まっている。海外の投資家等からは、建設的な対話の実現のために、英文開示への取組みを求める指摘がなされている。海外では、台湾証券取引所が2024年までに全上場会社に対して英文開示を義務付けるなど、非英語圏における英文開示の取組みは拡大傾向にある。

金融庁 「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」を踏まえた事業者支援の徹底等について(要請)
  1. 民間金融機関による「実質無利子・無担保」融資制度の申請期限が来年3月に延長されることとなったことも踏まえ、年末・年度末を含め事業者の資金繰りに重大な支障が生じることのないよう、事業者からの相談に丁寧に対応することに加え、返済猶予等の条件変更やプロパー融資、保証協会保証付き融資など様々な方策を組み合わせ、引き続き、事業者のニーズに合った支援を迅速かつ積極的に行っていくこと。なお、条件変更や新規融資を行う場合の債権の区分に関して、新型コロナウイルス感染症の感染拡大以前に正常先と認識していた事業者について、感染拡大前と同一の評価とすることを含め、金融庁は、引き続き金融機関の判断を尊重する。
  2. 「実質無利子・無担保」融資制度に基づく融資を受けている事業者に対しては、その据置期間が終了するまでの期間において、継続的な業況把握を通じて返済能力の変化を適時適切に捉えるとともに、十分な本業支援を通じ、返済に支障を来さないよう、きめ細やかな対応を継続的に行うこと。
  3. 新型コロナウイルス感染症の長期化に伴い、資金繰りだけでは収まらない課題に直面する事業者に対し、経営改善や事業再生、事業転換支援等の取組を進めていくため、事業者としっかりと対話を行い、地域経済活性化支援機構等が出資するファンドや、日本政策金融公庫等が提供する資本性劣後ローンも活用しつつ、迅速かつ実効的な支援策を講じること。
  4. 事業者支援に当たっては、地方自治体、信用保証協会、日本政策金融公庫や商工組合中央金庫等の政府系金融機関、中小企業再生支援協議会、税理士等の地域の関係機関と緊密に連携するとともに、事業者支援のノウハウや知見を金融機関の現場職員の間で共有することにより、実効的に支援を進めていくこと。
  5. 「経営者保証に関するガイドライン」及び、事業承継時の保証の二重徴求を原則禁止した同ガイドラインの特則の積極的な周知を行うとともに、金融庁が公表している新規融資に占める経営者保証に依存しない融資の割合等の指標群(KPI)や同ガイドラインの活用に係る各金融機関の取組事例も参考にしながら、経営者保証に依存しない融資に一層取り組むこと。
  6. 大企業から地域の中堅・中小企業への人の流れを創出し、地域企業の経営人材の確保を後押しするため、経営陣の適切な関与のもと、地域経済活性化支援機構に整備する人材リストの活用を進めるとともに、地域企業の経営課題や人材ニーズの調査・分析を踏まえた人材マッチングサービスの提供等に積極的に取り組むこと。
  7. 12月のボーナス返済を設定している顧客からの返済猶予等の相談が寄せられることなども踏まえ、引き続き、住宅ローンやその他の個人ローンについて、顧客の状況やニーズに応じた返済猶予等の条件変更の迅速かつ柔軟な対応を行うこと。
  8. 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた個人債務者を支援対象に追加した「自然災害債務整理ガイドラインの特則」について、同特則の個人債務者への積極的な周知や丁寧な相談対応に加え、同特則の運用に際し、自由財産の拡張や債務整理の対象債務についても、個人債務者の生活や事業の再建のため、可能な限り柔軟な支援に努めること。
  9. 国民がマイナンバー制度のメリットをより実感できるデジタル社会を早期に実現するため、政府において、マイナンバーカードの普及に取り組んでいることを踏まえ、各金融機関において、その普及に協力すること。

金融庁 金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」(第4回) 議事次第
▼資料1 事務局説明資料(金融商品取引業者と銀行との顧客情報の共有等のあり方)
  • 金商法では、金融商品取引業者等(以下「金商業者等」)の役員又は使用人が当該金商業者等のために有価証券の売買等を行う場合、外務員としての登録が必要。
  • 外務員は、その所属する金商業者等を代理して行為する権限を有するものとみなされており、登録拒否要件において同時に複数の金商業者等(例えば、証券会社と登録金融機関)に所属することはできない。
    • 上記は、複数の金商業者等の外務員として有価証券の売買等を行えるものとすると、その外務員の行為が帰属する金商業者等が不明確となり、投資者保護の観点から好ましくないため設けられたもの
  • グループ内の銀行・証券会社を兼職する者でも、外務員登録にあたってその両方を所属先とすることはできないため、同一担当者が、顧客に対して銀証連携したワンストップサービスを提供できない(例えば、証券会社の外務員登録を受けた兼職者は、銀行職員の立場で登録金融機関業務ができず、銀行・証券会社それぞれが取り扱っているファイナンス手段をまとめて提案できない)。そのため、兼職の効果が十分に発揮できず顧客の利便性が損なわれているとの指摘がある。
  • 他方で、顧客保護の観点から外務員には所属金商業者等の代理権が擬制されているところ、仮に二重登録を認めた場合、外務員の行為の帰属先が不明確になる(例えば、同一の金融商品を扱っている銀行と証券会社の兼職者が不適切な販売・勧誘を行った場合、どちらを代理して販売・勧誘したかが曖昧になり顧客の責任追及に支障が生ずる)おそれがあるとの指摘や、外務員と顧客の利益相反が起こり得るといった指摘もある
  • 銀行と証券会社の間では届出により役職員の兼職が認められているが、非公開情報を用いて業務を行う部門を兼職している役職員には、以下のような規制が適用される(いわゆる「ホームベース・ルール」)。
    • いずれか一方の管理する非共有情報にしかアクセスできない
    • 非共有情報にアクセスできない方の法人の顧客に、非共有情報を用いて取引勧誘を行ってはならない
  • ホームベースルールについては、銀行と証券会社を兼職した場合であっても、一方の顧客の非公開情報に関してアクセスや利用が制限される場合、顧客に対して、金融グループとしての最適なサービスを提供するための銀証連携ができず、顧客ニーズに応えられないほか、我が国金融機関の国際競争力の強化等に対する障害となっているとの指摘がある。
  • 他方で、兼職者が双方の非公開情報にアクセスでき、当該非公開情報を用いて勧誘等を行うことができる場合には、利益相反や優越的地位の濫用が起こりうるおそれがあるとの指摘もある。
  • 銀行が株式等の引受業務を行うことは禁止されている。(金融商品取引法第33条)
  • 銀行の職員が、取引先企業に対し、証券会社の職員と共同訪問することは認められており、更に、株式公開等に向けたアドバイスを行い、又は引受証券会社に対し株式公開等が可能な取引先企業を紹介することは認められている。(金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針Ⅷ-2-6(1))
  • 一方、銀行の職員が、引受に関するアドバイスや紹介に止まらない具体的な条件の提示や交渉を行うことは、「引受」そのものに該当する可能性が高いとして認められていない。
  • 発行体向けクロスマーケティング規制の緩和については、単一担当者による以下のような提案等が可能となることで、金融グループが企業に対して総合的かつ高度な金融ソリューションを提供することが可能となり、発行体の利便性向上や我が国金融機関の国際競争力の強化等に資するとの指摘がある。
    • 証券会社の商品・サービスを含むファイナンス・メニューや複合的取引の説明
    • 証券会社の商品・サービスの内容や具体的条件の評価・提示
  • 他方で、従前より、発行体向けクロスマーケティング規制の緩和には、以下のような点についての指摘もある。
    • 銀行等の優越的地位の濫用の可能性
    • (銀行等と投資家との間の)利益相反関係
    • 証券会社の経営の独立性やリスク管理上の問題
    • 引受契約締結及び内容に係る責任の所在
    • 証券会社の引受審査態勢の強化との関係、及び証券外務員制度との関係
    • 金融商品取引法第33条との関係 等
  • 証券会社が、その親子法人等が発行する有価証券の引受主幹事会社となることに関し、以下の要件を満たす場合を除き、原則として禁止されている。 (金融商品取引業等に関する内閣府令153条1項4号)
    • 既上場会社の増資については、6か月以上継続上場している株券であって、1年間の売買金額及び時価総額がそれぞれ100億円以上であること等、一定の要件を満たしている。
    • IPO(新規公開時の増資)については、十分な経験や発行会社と資本関係及び人的関係において独立性を有する他の引受証券会社が株券の発行価格の決定プロセスに関与している。
  • 主幹事引受制限については、これまで、投資家保護の観点から、価格決定の透明性が確保されているなど弊害が少ないと考えられる場合に限り、規制対象から除外し緩和を行ってきたが、更に緩和すべきとの指摘がある。
  • 他方で、証券会社が親子法人等の発行する有価証券の引受主幹事会社になる場合、これらの資金調達を容易にするため引受審査が甘くなるおそれがあることから、有価証券の発行条件が歪められ、その結果、投資者が損失を被る懸念があるとの指摘もある。
  • 証券会社が有価証券の引受人となった日から6か月を経過する日までの間において、親子法人等に当該有価証券を売却することが、以下の場合等を除き原則禁止されている。(金融商品取引業等に関する内閣府令153条1項6号)
    • 親子法人等が顧客から当該有価証券の売買に関する注文を受け、当該親子法人等がその相手方となって売買を成立させるために当該有価証券を取得させる
    • 有価証券の募集・売出しに際してブックビルディングを行って当該有価証券に関する投資者の十分な需要が適正に把握され、合理的かつ公正な発行条件が決定されている
  • 引受証券の売却制限については、本規制の導入後の一般債市場拡大・流動性向上に伴い、制度撤廃、緩和余地があるのではないかとの意見がある。また、POT方式による起債の拡大の動き、発行体と投資家間の透明性の向上を求める市場環境下であることや、銀行及びその関連金融商品取引業者はアームズ・レングス・ルールを遵守していることに鑑み、第三者との通常の取引と異なる条件で金融商品取引が行われることは考えられないとの指摘がある。
  • 他方で、従前より、証券会社が引き受けた有価証券に募集残等が生じた際、親子法人等がそれを買い取ることが可能な場合、安易な引受けを助長するおそれがあり、その結果、有価証券市場における適切な資源配分機能や、グループ内金融機関全体の経営の健全性に悪影響を及ぼすことや、引受業務に存在する有価証券が売れ残るリスクを親子法人等に転嫁する懸念があるとの指摘もある。
  • 諸外国における顧客情報・利益相反管理に関する規律(投資銀行業務関係)(アメリカ)
    • アメリカにおいて、金融機関がいわゆる投資銀行業務を行う際の顧客情報管理については、1934年証券取引所法第15条(g)において、投資銀行業務を営む者に対して、重要未公開情報の不正利用防止体制の整備義務が定められている。
    • これを踏まえ、SECから委任を受けた自主規制団体(NASD・NYSC)の覚書において、重要未公開情報へのアクセスは、当該情報を知る必要性(need to know)のある従業員に限定されるべき旨が規定され、情報障壁の構築や制限リスト・監視リストの整備等が求められている。
    • これらは、もともと不公正取引の防止のための規定であったが、これらで要求されている情報管理が利益相反管理のための有効な措置であることから、利益相反管理のための規定としても利用されるようになった。
    • また、利益相反管理については、投資銀行業務を営む者に対して、1934年証券取引所法や「Regulation Best Interest」といった連邦法令による規律がなされている。
    • 金融機関において、上記の「情報管理規制」と「利益相反管理規制」とを踏まえ、それぞれのグループ・ポリシーとして、情報管理ルール・利益相反管理ルールを関連するものとして定めているものがある。(詳細については、引き続き要調査。)
    • 顧客情報管理と利益相反管理のそれぞれについて、当局等がルールの順守状況等をレビューしており、報告書を公表している。
    • 金融機関がいわゆる投資銀行業務を行う際には、1934年証券取引所法において、重要未公開情報の不正利用防止体制の整備義務が課せられており、その中で、利益相反管理の要素も含まれている。レギュレーションBIにおいて、証券会社が個人顧客に対して有価証券の推奨等を行う場合における、個人顧客の最善の利益のために行動する義務が課せられている。また、連邦規則や自主規制団体の規則において、個別の類型ごとに、利益相反管理体制の構築を定める規制が存在する。
    • 連邦法令においては、利益相反管理体制の整備義務を直接定める規定はないものの、上記の法令の規定に基づき、投資銀行業務を営む者は利益相反管理体制を整備している。
    • FINRAは、2013年に利益相反管理体制の整備状況に関する報告書を発表している。報告書においては、大きく、利益相反の特定・識別のための全社的な体制整備、新たな金融商品を組成し販売する際の利益相反のコントロール、個人顧客にとってのブローカーとして活動する者等の関連者に対する報酬のアプローチの3つの部分から構成されている。全社的な体制整備の項において、主に以下の点が指摘されている。
      1. 利益相反管理体制として、投資銀行の取引の規模や複雑さを考慮しつつ、以下の要素を整備すべき。
        • 顧客への倫理的な対応と利益相反への公正な対応の重要性を強調する経営トップの姿勢(Tone from the top)の周知
        • 社内において、利益相反を特定し、管理するための明確な構造、方針、およびプロセスの策定(方針においては、利益相反の類型・経営トップや従業員の役割・エスカレーションの手続等を記載)(プロセスについては、エスカレーションの方法や利益相反の有無に関する検査について記載)
        • 魅力的な事業の機会を失う場合であっても、重度の利益相反を回避するという姿勢の周知
        • 個人顧客と機関投資家の異なるニーズを考慮した、顧客に対する利益相反の説明
        • 潜在的な従業員の過去の履歴を厳格に審査する雇用慣行の構築
        • 顧客への倫理的な対応に重点を置き、従業員が利益相反を特定し管理できるようにする研修の実施
      2. 利益相反管理を総合的に支援する情報技術インフラの整備(例:コンフリクト・クリアランスのプロセス)
        • 利益相反を特定する観点からの評価について、継続的な取引状況の監視と定期的に行う直近の取引の調査を両方とも行っている投資銀行は存在しなかった。しかし、前者は投資銀行が利益相反を即座に特定し、迅速な対応を行うのに役立つ一方、後者は直近の状況を振り返り、利益相反に関する問題を包括的な手法で検討できるという点において、両者は相互補完的なものであるため、併用することが望ましい。
  • 諸外国における顧客情報・利益相反管理に関する規律(投資銀行業務関係)(ドイツ)
    • ドイツにおいて、投資銀行業務に関する顧客情報管理については「市場阻害行為規則(Market Abuse Regulation)」 等により、利益相反管理については「MiFIDⅡ」、「補足規則」、監督当局(BaFin)の「指針」により規律されている。
  • 諸外国における顧客情報・利益相反管理に関する規律(投資銀行業務関係)(イギリス)
    • イギリスにおいて、投資銀行業務(注)に関する顧客情報管理については「市場阻害行為規則(Market Abuse Regulation)」や監督当局(FCA)の「ハンドブック」により、利益相反管理については「MiFIDⅡ」及びその「補足規則」、監督当局(FCA)の「ハンドブック」により規律されている。
    • FCAは、2015年に投資銀行(主に債券引受とM&Aアドバイス分野)における機密情報・内部情報の管理に関するレビューを実施し、報告書(“Flows of Confidential and Inside Information” )を公表。
    • 諸外国における顧客情報・利益相反管理に関する規律(投資銀行業務関係)(シンガポール)
    • シンガポールにおいて、投資銀行業務に関する顧客情報管理・利益相反管理については、「証券先物取引法」、「証券先物取引規則」及びシンガポール通貨庁(MAS)の「ガイドライン」により規律されている。

金融庁 「サイバー演習計画に関するG7の基礎的要素」の公表について
▼プレスステートメント(仮訳)
  • 金融セクターで提供されるほとんどのサービスは、ITサービスの相互依存により左右されるようになっている。その原因が故意・悪意のものであるかどうかにかかわらず、ITの停止は、重要サービスを提供する組織に重大な影響を及ぼす。G7サイバー・エキスパート・グループ(以下「CEG」)では、こうした依存性やインシデントに対する組織の対応力・インシデントからの復旧能力をより良く理解するために、金融セクターの官・民ともにこれらの点について定期的にサイバー演習を実施することが重要であると認識している。金融セクターのインシデントに対する態勢整備を促すために、CEGは「サイバー演習計画に関するG7の基礎的要素」を公表した。これは、官民金融セクターにおいてサイバー演習計画を立案するための効果的プラクティスを包含する拘束力のない要素をとりまとめたものである。
  • 本「基礎的要素」は、拘束力のないハイレベルなものであり、各利害関係者にとってサイバー演習計画の策定へ導くツールとしての役割がある。また、法域・分野横断的にサイバー演習計画を策定するための指針となり得る。CEGでは本「基礎的要素」の公表が、サイバー演習の実施能力を高め、G7各法域の金融セクターのインシデント対応を向上させることを目指している。加えて、この取組が個別金融機関およびG7以外の法域においても国際金融セクターのレジリエンスの強化に資することを目的としている。
  • 本「基礎的要素」は、法的拘束力がないものの演習計画を立案・実施するための明確で効果的な実践方法を示しており、金融機関や当局でも同様に適用できるものである。その指針は、様々な国で対応できるよう、また規模や対策レベルの異なる企業にも対応できるように設計されている。
▼サイバー演習計画に関するG7の基礎的要素(仮訳)
  • 演習計画は、演習の実施、評価、改善、再実施のサイクルからなり、組織における継続的な改善を可能にする。演習計画は、サイバーインシデントにおける対応と復旧対応策に関する理解を促す。演習は次の段階的アプローチの積み重ねにより成り立ち得るものである。
  • 複雑化するリスクシナリオに対処することで、組織のサイバー対策を徐々に強化する、(2)インシデント管理プロセスと手順の改善に資する主要リスク指標・基準を構築する、(3)優先事項、脅威、リスクに関する共通理解を醸成する、(4)インシデントから復旧する能力の検証・基準化をする。
  • サイバーインシデントへの組織としての対応力・復旧力の改善度合いを効果的に測定するために、一連の演習を展開する必要がある。これらの演習を組み合わせることで、(1)組織に必要なあらゆる業務とそれに応じたサイバー脅威を対象とし、(2)必要な対応方針、手順、能力の評価、(3)対応と復旧の改善の促進、(4)経時的な改善点の把握が可能となる。
    • 効果的な演習計画には通常、以下の要素が含まれる。
    • 利害関係者の関与
    • 複数年態勢における優先事項
    • 改善計画
  • まず、利害関係者の関与、特に組織内の重要人物の賛同があることは、良好な演習計画の立案・維持に資するものである。一般的に、演習計画には次の2種類の利害関係者が存在する。(1)演習計画全体の利害関係者、及び(2)演習計画全体の中の個別の演習の利害関係者である。これらの利害関係者を事前に特定しておくことで、演習計画全体の中の個別の演習の優先事項をより効果的に設定することができる。関連する利害関係者を特定する際には、演習計画の立案者は、他の企業や、サードパーティプロバイダなど自社が業務上依存する企業との相互接続関係を評価することがあり、この作業を「エコシステムスキャン(Ecosystem Scan)」と呼ぶ。演習計画には、個別の演習に参画するチームや組織を代表する者と同様の利害関係者を含めておくことが有効である。また、計画の監督・実行を担う合同演習委員会等のワーキンググループに利害関係者間の調整を担わせることができる。
  • 演習計画では、計画を主管する役割を担う者として利害関係者間の調整を担う「主たる利害関係者(lead stakeholder)」を置くことができる。演習計画において、必要となる支援の確保、行動方針に沿った計画の実行、複数年に亘る計画の推進や、組織的な理解の維持のため、主たる利害関係者は、組織内の有力な幹部クラスでなければならない。主たる利害関係者は、演習計画において重点的に取り組むべきリスクを比較衡量することもできる。演習計画の一貫性と安定性を確保するために、演習計画の立案者は利害関係者の頻繁な変更を可能な限り避けるべきである。
  • 複数年に亘る演習計画に包含される個別の演習には、演習計画の利害関係者のほか個別の演習の利害関係者が存在する。個別の演習においては、それぞれの演習の範囲や選択したシナリオに応じて異なる利害関係者も存在する。定期的なエコシステムスキャンの見直しや更新を行うことは、各演習と関連する利害関係者を最新状態に保つ上で有効である。
  • 効果的な複数年態勢における優先事項は、明確、簡潔、測定可能、かつ現実的であり、リスク評価とも直結させるべきである。リスク評価とは、脆弱性・脅威分析とリスク軽減措置や技術的手法の組合せにより、組織、従業員、業務遂行能力、資産のリスクを特定し、優先順位付けすることである。リスクは、組織が依存していたり、論理的・物理的に接続していたりする外部企業に潜んでいることもある。金融セクターの相互接続性に鑑み、演習計画を立案しようとする組織は、外部企業起因のリスクを特定するために、脅威・リスク評価プロセスの一環としてエコシステムスキャンを実施することもできる。特にサイバーセキュリティの場合、組織におけるリスク・組織に対する脅威は急速に変化する可能性があり、新たな脅威やリスク評価の実施に伴い、定期的に、複数年に亘る優先事項を再評価することが必要となる場合もある。しかし、複数年に亘り定めた演習計画上の優先事項を更新する場合には、それが必須であることを確認するとともに、インシデント対応プロセスの改善を追跡する能力を阻害しないよう、慎重に行うべきである。また、複数年に亘る演習計画における優先事項を特定する際は、その計画の利害関係者が、予算やリソースの制約を考慮に入れることもできる。
  • 参加者のサイバーインシデントへの対応力・復旧力を向上すべき領域を特定することは、
  • 演習を実施する主な理由の一つである。事後報告書(AAR=After Action Report)は、演習の評価結果を文書化したもので、評価に基づき改善に向けた具体的な提言を行うために活用することができる。改善すべき領域が特定されると、改善を推進するため、然るべき責任者や目標期限、測定可能な是正措置が設定される。
  • 改善計画をAARに盛り込むことで、特定された改善提案を前に進める際に、利害関係者の理解を得ることができ、サイバーインシデントへの組織としての対応力・復旧力の改善につながる。加えて、その後の演習で是正すべきギャップの特定につながり、演習計画そのものを強固なものとすることができる。
  • 演習はインシデント対応における計画、作業、手順に習熟し評価するための機会であるとともに、失敗をしても責任を問われないリスクの低い機会である。そして、インシデント管理に責任を持つ者がインシデント発生時の自身の役割に慣れ親しむための場ともいえる。
  • また、他の関係者を把握し彼らと関係性を築いたうえで、彼らのインシデントに対してどのようにアプローチするのか理解することもできる。複数年に亘る演習計画に含まれる個々の演習は、その規模、種類、複雑さ、目的、または重点分野がそれぞれ異なる場合がある。
  • 演習シナリオを設計する際には、リスク評価と脅威インテリジェンス分析からのインプットを使用することで、より現実的なものとすることが可能である。種々の演習シナリオに対して、様々な脅威の主体とその能力を明示することは、貴重な洞察を提供し、特定の脅威に合わせてシナリオを調整するのに役立つ。対処すべきリスクの優先順位付けを容易にするために、演習計画では、発生可能性と影響度を基準として使用することができる。シナリオは、より複雑なものとなるよう調整することも可能であるが、複雑な演習では、様々な利害関係者や参加者との間で、追加の計画や教育セッションが必要となる場合がある。
  • 演習の計画立案者は、計画段階で発見した問題やギャップの解決をしないこととしてもよい。ギャップの解決は他の利害関係者にとっては混乱要因となり、新たなリスクとなる。その代わり、演習の計画立案者は、システム所有者等が対処すべきものとしてギャップを提示してもよいし、演習を通じて参加者があぶり出すもの(もしくはあぶり出せなかったもの)として、ギャップに干渉せずにシナリオを進めてもよい。
  • 業務に不必要な中断、混乱、パニックが起きることを避けるため、重要な原則を検討することが重要である。演習実施に際して、計画者は以下を検討する。(1)演習におけるすべての連絡方法を明確・明瞭に示すこと、(2)通常業務への潜在的影響を最小限に抑えることができる日時、場所、方法を選択すること、(3)役割、責任、管理チームとの連絡方法を概説した状況説明書やその他必要な文書をすべての参加者に配布すること、(4)外部関係者には演習が行われることを適宜周知すること、(5)現実のイベントが発生したとき、これに対応する参加者が演習を離脱できるようにすること。
  • 演習を効果的に評価するため、演習実施直後に評価者や参加者との短時間のディスカッションセッションを設け、参加者の第一印象や反応を把握することができる。これは、「ホットウォッシュ」または「ホットデブリーフィング」と呼ばれ、改善計画の方向付けに活用されるべきであり、様々な役割に跨った幅広いフィードバックを可能とする。
  • 演習の評価において評価者は、(1)参加者が手元の問題を的確に判断したか、(2)その行動が既存の方針や手順に準拠したものであったか、(3)その行動は問題を解決するのに有効だったか、(4)他の参加者がどのような理由で何をしたかを参加者が認識していたか、を評価することを目的として、参加者がとった行動とその結果を観察するべきである。これらの点は改善計画の基礎となる。

金融庁 株式会社東京証券取引所及び株式会社日本取引所グループに対する行政処分について
  • 東証においては、平成30年10月のシステム障害の発生を契機に各種の対応策を講じてきたにもかかわらず、再びシステム障害が発生し、取引開始から取引時間が終了するまでの間、全ての取引が停止に至ったことは、金融商品取引所に対する投資者等の信頼を著しく損なうものであると認められる。
  • 金融庁では当該報告及びその後の立入検査等を通じて発生原因等を確認したところ、本件事案は、直接的には、障害が発生した機器の製品上の不具合が原因となって発生したものであるが、障害が発生した機器の自動切替え機能の設定に不備があったことや、売買再開に係る東証のルールが十分でなかったことなどが認められた。
  1. 株式会社東京証券取引所に対する業務改善命令(金融商品取引法第153条前段)
    1. 以下の(1)~(4)の事項を含め、東証が本件事案等を踏まえて本年10月16日までに報告した各種の再発防止策及びその後に策定した再発防止策に関し、その内容及びこれらを実施するスケジュールなどについて、あらためて報告のうえ、迅速かつ確実に実施すること。
      1. 東証と業務委託先は、システムの仕様と機器の製造元から提供されたマニュアルとが相違していたために機器の故障時に別系統への自動切り替えが行われない設定となっていたことを把握していなかった。
        • このため、東証は、既存の機器設定の再確認や更なる手動切替え手順の確認などにより機器の故障時に確実かつ迅速に別系統への切り替えができる方策に取り組むことは当然として、システムにおいて使用する機器等に仕様変更が行われた際の確認プロセスを見直すこと(業務委託先に対し見直しを求めることを含む。)。
      2. 売買を通常の方法で停止させるために複数の手段を準備していたが、いずれも故障が発生した機器の正常稼働を前提としていたため、通常の方法によらずに売買を停止せざるを得なかったことが当日中の売買再開の大きな支障となった。
        • このため、東証は、今回障害の発生した機器に依存しない売買停止機能を開発することは当然として、システム内の依存関係全般について点検を行い、取引の継続に重要な役割を果たす機能については特定箇所の故障が当該機能の停止に及ばないようにするための方策に取り組むこと。
      3. これまで、通常の方法によらない形で売買停止に至った場合においては、当日中に売買を再開するとの事態を十分に想定していなかったため、東証と取引参加者との間で障害発生時に注文受付を制限するルールや売買停止までに受け付けた注文の取扱いについてのルールが未整備であった。
        • この結果、取引参加者においては、システム対応や顧客対応に係る態勢整備が不十分となっておりテストや訓練なども行われていなかった。
        • また、売買再開に係る明確なルールが定められていなかったことも障害発生当日中の売買を再開することの大きな支障となった。
        • このため、東証は、投資者等の保護や利便性の確保、安定した市場運営など取引所の果たすべき役割に関する様々な観点を踏まえ、通常の方法によらずに売買停止を行うケースも想定し、明確で実効的な注文の受付停止ルールや売買再開ルールの整備を行い、取引参加者も含めたテストや訓練を実施すること。
      4. 本年10月16日に東証より受けた報告において、東証はシステムの開発・維持に関する基本的な考え方について、これまでの「ネバーストップ」をスローガンとする信頼性向上の取り組みに加え、今後は「レジリエンス」(障害回復力)向上のための迅速かつ適切な回復策を拡充することとしている。
        • こうした基本的な考え方の見直しを踏まえ、取り組むべき施策の洗い出しを行い、必要な対応を実施すること。
    2. 東証は、障害により取引が開始できず、その後も当日中に取引が再開できなかったことにより投資者等の信頼を著しく損なったことを踏まえ、市場開設者としての責任の所在の明確化を図ること。
    3. 上記1.2.について、定期的に報告すること。
  2. 株式会社日本取引所グループに対する業務改善命令(金融商品取引法第106条の28第1項)
    1. 以下の(1)から(3)までの事項を含め、JPXが本件障害事案等を踏まえて本年10月16日までに報告した各種の再発防止策及びその後に策定した再発防止策に関し、その内容及びこれらを実施するスケジュールなどについて、あらためて報告のうえ、迅速かつ確実に実施すること。
      • 東証において、売買システムの機器の故障時に別系統への自動切り替えが行われない可能性や正常に売買停止ができない可能性を踏まえた対応が行われていなかった。
        • このため、東証はもちろんのこと、株式会社大阪取引所(以下、「大取」という。)など各社において、システム障害の発生時にその影響を極小化する観点からシステムの総点検及び早期復旧に向けた訓練を行わせること。
      • 東証において、市場運営者として、取引参加者をはじめとする市場関係者との間で十分にコミュニケーションをとり、あらかじめ合意したルールに基づき障害発生当日中の売買再開に関する意思決定を行うことができなかった。
        • このため、東証はもちろんのこと、大取など各取引所において、取引参加者も含めた売買再開に係るルールを整備させること。
      • 東証におけるシステムの開発・維持に関する基本的な考え方については、これまでは「ネバーストップ」をスローガンとする信頼性向上が中心に置かれており、これと比べて「レジリエンス」(障害回復力)向上の取組みが遅れていた。
        • 今般、東証は、「ネバーストップ」をスローガンとする信頼性向上策に加え、「レジリエンス」向上のための迅速かつ適切な回復策を拡充することとしている。
        • これを踏まえ、東証はもちろんのこと、大取など各社におけるシステムの開発・維持に関する基本的な考え方について見直しを行わせ、「レジリエンス」の向上を図ること。
    2. JPXの子会社である東証において、障害により取引が開始できず、その後も当日中に取引が再開できなかった。その結果、投資者等の信頼を著しく損なったことを踏まえ、子会社である取引所の管理に係る責任の所在の明確化を図ること。
    3. 上記1.2.について、定期的に報告すること。

【財務省】

※現在、該当の記事はありません。

【警察庁】

【2021年2月】

警察庁 令和3年1月犯罪統計資料
  • 刑法犯総数について、認知件数は41,497件(前年同期53,962件、前年同期比▲23.1%)、検挙件数は19,691件(17,163件、+14.7%)、検挙率は47.5%(31.8%、+15.7P)
  • 窃盗犯の認知件数は28,201件(38,780件、▲27.3%)、検挙件数は12,202件(10,608件、+15.0%)、検挙率は43.3%(27.4%、+15.9P)
  • 万引きの認知件数は6,959件(7,681件、▲9.4%)、検挙件数は4,528件(4,452件、+1.7%)、検挙率は65.1%(58.0%、+7.1P)
  • 知能犯の認知件数は2,530件(2,374件、+6.6%)、検挙件数は1,322件(879件、+50.4%)、検挙率は52.3%(37.0%、+15.3P)
  • 詐欺の認知件数は2,297件(2,152件、+6.7%)、検挙件数は1,135件(735件、+54.4%)、検挙率は49.4%(34.2%、+15.2P)
  • 特別法犯総数について、検挙件数は4,792件(4,086件、+17.3%)、検挙人員は3.955人(3,459人、+14.3%)
  • 入管法違反の検挙件数は344件(312件、+10.3%)、検挙人員は250人(199人、+25.6%)、犯罪収益移転防止法違反の検挙件数は146件(187件、▲21.9%)、検挙人員は118人(149人、▲20.8%)、不正アクセス禁止法違反の検挙件数は14件(21件、▲33.3%)、検挙人員は6人(5人、+20.0%)、銃刀法違反の検挙件数は377件(316件、+19.3%)、検挙人員は335人(286人、+17.1%)、麻薬等取締法違反の検挙件数は54件(52件、+3.8%)、検挙人員は35人(25人、+40.0%)、大麻取締法違反の検挙件数は398件(280件、+42.1%)、検挙人員は301人(239人、+25.9%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数は671件(590件、+13.7%)、検挙人員は452人(450人、+0.4%)
  • 来日外国人による重要犯罪・重要窃盗犯国籍別検挙人員について、総数57人(30人、+90.0%)、ベトナム24人(4人、+500.0%)、中国11人(2人、+450.0%)
  • 暴力団犯罪(刑法犯)罪種別検挙件数・人員対前年比較の刑法犯総数について、検挙件数は782件(715件、+9.4%)、検挙人員は392人(379人、+3.4%)
  • 暴行の検挙件数は54件(59件、▲8.5%)、検挙人員は56人(45人、+24.4%)、傷害の検挙件数は83件(87件、▲4.6%)、検挙人員は100人(103人、▲2.9%)、脅迫の検挙件数は18件(24件、▲25.0%)、検挙人員は18人(17人、+5.9%)、窃盗の検挙件数は439件(345件、+27.2%)、検挙人員は61人(53人、+15.1%)、詐欺の検挙件数は73件(78件、▲6.4%)、検挙人員は57人(40人、+42.5%)
  • 暴力団犯罪(特別法犯)主要法令別検挙件数・人員対前年比較の特別法犯総数について、検挙件数は369人(372人、▲0.8%)、検挙人員は238人(289人、▲17.6%)
  • 暴力団排除条例違反の検挙件数は5件(2件、+150.0%)、検挙人員は12人(2人、+500.0%)、麻薬等取締法違反の検挙件数は9件(9件、±0.0%)、検挙人員は1人(3人、▲66.7%)、大麻取締法違反の検挙件数は43件(45件、▲4.4%)、検挙人員は21人(40人、▲47.5%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数は260件(246件、+5.7%)、検挙人員は162人(186人、▲12.9%)

警察庁 サイバー犯罪対策プロジェクト マルウェアに感染している機器の利用者に対する注意喚起の実施について
  • 海外の捜査当局から警察庁に対して、国内のEmotetに感染している機器に関する情報提供がありました。
  • 令和3年2月下旬から準備が整い次第、当該情報をISPに提供し、ISPにおいて、当該情報に記載されている機器の利用者を特定し、注意喚起を行います。
  • 注意喚起の連絡を受けた方は、利用している機器からのEmotetの駆除などの必要な対策を行ってください。
  • また、本注意喚起でのISPからの連絡では、ID・パスワード等の入力を求めたり、料金を請求したりすることはありませんので、注意喚起に乗じたメール等による犯罪被害に遭わないよう、御注意ください。
  • 取組の概要
    • 令和3年2月下旬から、警察庁、総務省、一般社団法人ICT-ISAC及びISPが連携して、マルウェアEmotet(エモテット)に感染しているおそれのある利用者への注意喚起を行う取組を開始しました。
    • 本取組は、海外の捜査当局から警察庁に対して、国内のEmotetに感染している機器に関する情報提供があったことから、当該情報をISPに提供し、ISPにおいて、当該情報に記載されている機器の利用者を特定し、2月22日以降に注意喚起を行うものです。
  • Emotetの概要・対策
    • Emotetは、主にメールの添付ファイルを感染経路としたマルウェア(不正プログラム)であり、Emotetに感染すると、感染端末からの情報漏えいや、他のマルウェアの感染といった被害に遭う可能性があります。
    • Emotetのより詳細な概要及び対策については、@policeの「Emotetの解析結果について」を御確認ください。
    • また、本取組に係るISPからの注意喚起を受けた方やEmotet感染の有無を確認したい方は、総務省が設置しているNOTICEサポートセンターの問合せ窓口ページ又はJPCERT/CCが公開している「マルウエアEmotetへの対応FAQ」を御確認ください。
  • 注意喚起を受けた方の問合せ先
    • 本取組で注意喚起対象となる機器の利用者に対して、総務省が設置しているNOTICEサポートセンター※がウェブサイトや電話による問合せ対応等を通じて必要な対策を案内しています。
    • なお、ISPやサポートセンターから、費用の請求や、設定しているパスワードを聞き出すことはありません。
    • サイバー攻撃に悪用されるおそれのあるIoT機器等に関して注意喚起を行う取組である「NOTICE」において、利用者への問合せ対応を実施。
  • NOTICEサポートセンター
    • TEL:0120-769-318(無料・固定電話のみ)、03-4346-3318(有料)
▼Emotet注意喚起に関する問合せ窓口ページ(外部サイト)
▼Emotetの解析結果について

警察庁 令和2年1~12月犯罪統計資料【確定値】
  • 令和2年1~12月における刑法犯総数について、認知件数は614,231件(前年同期748,559件、前年同期比▲17.9%)、検挙件数は279,185件(294,206件、▲5.1%)、検挙率45.5%(39.3%、+6.2P)
  • 窃盗犯の認知件数は417,291件(532,565件、▲21.8%)、検挙件数は170,887件(180,897件、▲5.6%)、検挙率は40.9%(34.0%、+6.9P)
  • 万引きの認知件数は87,280件(93,812件、▲7.0%)、検挙件数は62,609件(65,814件、▲4.9%)、検挙率は71.7%(70.2%、+1.5P)
  • 知能犯の認知件数は34,065件(36,031件、▲5.5%)、検挙件数は18,153件(19,096件、▲4.9%)、検挙率は53.3%(53.0%、+0.3P)
  • 詐欺の認知件数は30,498件(32,207件、▲5.4%)、検挙件数は15,270件(15,902件、▲4.0%)、検挙率は50.1%(49.4%、+0.7P)
  • 特別法犯総数について、検挙件数は72,913件(73,034件、▲0.2%)、検挙人員は61,345人(61,814人、▲0.8%)
  • 入管法違反の検挙件数は6,846件(6,241件、+9.7%)、検挙人員は5,005人(4,735人、+5.7%)、ストーカー規制法違反の検挙件数は1,003件(882件、+13.7%)、検挙人員は811人(728人、+11.4%)、貸金業法違反の検挙件数は115件(105件、+9.5%)、検挙人員は101人(95人、+6.3%)、犯罪収益移転防止法違反の検挙件数は2,634件(2,577件、+2.2%)、検挙人員は2,133人(2,144人、▲0.5%)、不正アクセス禁止法違反の検挙件数は609件(816件、▲25.4%)、検挙人員は141人(145人、▲2.8%)、不正競争防止法違反の検挙件数は58件(68件、▲14.7%)、検挙人員は69人(63人、+9.5%)
  • 麻薬等取締法違反の検挙件数は1,053件(915件、+15.1%)、検挙人員は546人(435人、+25.5%)、大麻取締法違反の検挙件数は5,865件(5,306件、+10.5%)、検挙人員は4,904人(4,221人、+16.2%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数は11,825件(11,648件、+1.5%)、検挙人員は8,245人(8,283人、▲0.5%)
  • 来日外国人による 重要犯罪・重要窃盗犯 国籍別 検挙人員について、総数553人(482人、+14.7%)、ベトナム115人(77人、+49.4%)、中国89人(98人、▲9.2%)、ブラジル55人(47人、+17.0%)、韓国・朝鮮27人(32人、▲15.6%)、フィリピン25人(32人、▲21.9%)、
  • 暴力団犯罪(刑法犯)罪種別 検挙件数・人員について、検挙件数総数は13,257件(18,640件、▲28.9%)、検挙人員総数は7,533人(8,445人、▲10.8%)
  • 暴行の検挙件数は851件(894件、▲4.8%)、検挙人員は829人(866人、▲4.3%)、傷害の検挙件数は1,366件(1,527件、▲10.5%)、検挙人員は1,629任(1,823人、▲10.6%)、脅迫の検挙件数は448件(414件、+8.2%)、検挙人員は415人(393人、+5.6%)、恐喝の検挙件数は434件(491件、▲37.6%)、検挙人員は575人(636人、▲9.6%)、窃盗の検挙件数は6,712件(10,748件、▲37.6%)、検挙人員は1,157人(1,434人、▲19.3%)、詐欺の検挙件数は1,545件(2,327件、▲33.6%)、検挙人員は1,249人(1,448人、▲13.7%)、賭博の検挙件数は62件(142件、▲56.3%)、検挙人員は225人(189人、+19.0%)
  • 暴力団犯罪(特別法犯)罪種別 検挙件数・人員について、検挙件数総数は7,793件(8,121件、▲4.0%)、検挙人員は5,656人(5,836人、▲3.1%)、暴力団排除条例違反の検挙件数は52件(23件、+126.2%)、検挙人員は121人(45人、+168.9%)、麻薬等取締法違反の検挙件数は177件(182件、▲2.7%)、検挙人員は58人(56人、+3.6%)、大麻取締法違反の検挙件数は1,099件(1,129件、▲2.7%)、検挙人員は732人(762人、▲3.9%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数は5,088件(5,274件、▲3.5%)、検挙人員は3,510人(3,593人、▲2.3%)

【2021年1月】

警察庁 Oracle WebLogic Serverの脆弱性(CVE-2020-14882)を標的としたアクセスの観測等について
  1. Oracle WebLogic Serverの脆弱性(CVE-2020-14882)を標的としたアクセスの観測
    • Oracle WebLogic ServerはOracle社が開発販売するソフトウェア製品であり、Java EEでウェブアプリケーションを作成する際に利用されるアプリケーションサーバです。令和2年10月2日、Oracle WebLogic Serverに存在する脆弱性(CVE-2020-14882)が公表されました。当該脆弱性は、遠隔の攻撃者に不正な操作をされる可能性があります。また海外の共有ウェブサービスにおいて、当該脆弱性を対象としたPoCが公開されていることを確認しました。
    • 警察庁のインターネット定点観測において、令和2年10月29日以降、Oracle WebLogic Serverを標的としたアクセスの増加を観測しています。
    • また、これらのアクセスのうち、10月30日以降は、宛先ポート80/TCP及び7001/TCPに対して、当該脆弱性を悪用し不正にコマンドの実行を試みるアクセスを観測しています。
    • 観測したアクセスには、外部サーバから不正プログラムのダウンロード及び実行を試みるものが含まれていました。
    • 使用しているOracle WebLogic Serverのバージョンが脆弱性の影響を受けることが判明した場合には、以下の対策を実施してください。
      • Oracle社から当該脆弱性の修正プログラムを入手し、アップデートの実施を検討してください。
      • Oracle WebLogic Serverの管理用に利用される7001/TCP等、一般の利用者がアクセスする必要がないポートについては、インターネットからのアクセスを遮断する又は特定のIPアドレスからのみアクセスを許可する等の適切なアクセス制限を実施してください。
      • アップデートされないまま管理用ポートがインターネットからアクセス可能となっていたOracle WebLogic Serverは、既に攻撃を受けている可能性があります。該当するサーバ等に不審なプロセス、ファイル、通信等が存在しないか確認してください。
  2. 宛先ポート5501/TCPに対するMiraiボットの特徴を有するアクセスの増加
    • 警察庁のインターネット定点観測において、令和2年10月下旬より宛先ポート5501/TCPに対するアクセスの増加を観測しました。このアクセスは、宛先IPアドレスとTCPシーケンス番号の初期値が一致するMiraiボットの特徴を有しています。
    • 観測した宛先ポート5501/TCPに対するアクセスの多くは、外部サーバから不正プログラムのダウンロード及び実行を試みるものでした。
    • 海外製デジタルビデオレコーダやIoT機器の利用者は、以下の対策を参考に、総合的にセキュリティ対策を行うことを推奨します。
      • 製造元のウェブサイト等で周知される脆弱性情報に注意を払い、脆弱性が存在する場合にはファームウェアのアップデートや、必要な設定変更等の適切な対策を速やかに実施してください。
      • 製品によっては、ファームウェアの自動アップデート機能が存在するものもあります。このような製品を使用している場合には、同機能を有効にしてください。
      • IoT機器をインターネットに接続する場合には、直接インターネットに接続せずに、ルータ等を使用してください。
      • インターネットからのアクセスを許可する場合は、必要なポートのみに限定してください。また、必要なIPアドレスのみにアクセスを許可したり、VPNを用いて接続することも検討してください。
      • 必要がない限りは、ルータのUPnP機能を無効にしてください。
      • ユーザ名及びパスワードは初期設定のままで使用せず、必ず変更してください。また、ユーザ名及びパスワードを変更する際は、推測されにくいものにしてください。
      • 製造終了から年月が経過した製品は、製造元のサポートが終了し、脆弱性への対応が実施されない場合があります。そのような製品を使っている場合には、サポート中の製品への更新を推奨します。

警察庁 令和2年11月の特殊詐欺認知・検挙状況等について
  • 令和2年1月~11月の特殊詐欺全体の認知件数は12,291件(前年同期15,403件、前年同期比▲20.2%)、被害総額は245.7憶円(286.8憶円、▲14.3%)、検挙件数は6,736件(6,171件、+9.2%)、検挙人員は2,427人(2,585人、▲6.1%)
  • オレオレ詐欺の認知件数は2,013件(6,161件、▲67.3%)、被害総額は55.3億円(62.3億件、▲11.2%)、検挙件数は1,759件(3,022件、▲41.8%)、検挙人員は594人(1,499人、▲60.4%)
  • キャッシュカード詐欺盗の認知件数は2,649件(3,378件、▲21.6%)、被害総額は36.9憶円(52.5憶円、▲29.7%)、検挙件数は2,294件(1,456件、+57.6%)、検挙人員は664人(422人、+57.3%)
  • 預貯金詐欺の認知件数は3,792件、被害総額は0.2憶円、検挙件数は1,504件、検挙人員は824人
  • 架空料金請求詐欺の認知件数は1,791件(3,192件、▲43.9%)、被害総額は67.7憶円(79.2億円、▲14.5%)、検挙件数は466件(1,241件、▲62.4%)、検挙人員は154人(560人、▲72.5%)
  • 還付金詐欺の認知件数は1,581件(2,292件、▲31.0%)、被害総額は21.6憶円(29.1憶円、▲25.8%)、検挙件数は418件(296件、+41.2%)、検挙人員は60人(27人、+122.2%)
  • 融資保証金詐欺の認知件数は266件(297件、▲10.4%)、被害総額は3.5憶円(4.5憶円、▲22.2%)、検挙件数は199件(86件、+131.4%)、検挙人員は55人(25人、+120.0%)
  • 金融商品詐欺の認知件数は55件(25件、+120.0%)、被害総額は3.9憶円(1.8憶円、+116.7%)、検挙件数は30件(28件、+7.1%)、検挙人員は29人(20人、+45.0%)
  • ギャンブル詐欺の認知件数は92件(35件、+162.9%)、被害総額は2.0億円(2.6憶円、▲24.2%)、検挙件数は35件(12件、+191.7%)、検挙人員は14人(11人、+27.3%)
  • 口座詐欺の検挙件数は631件(869件、▲27.4%)、検挙人員は435人(514人、▲15.4%)、盗品等譲り受け等の検挙件数は5件(5件、±0%)、検挙人員は3人(4人、▲25.0%)、犯罪収益移転防止法違反の検挙件数は2,324件(2,275件、+2.2%)、検挙人員は1,892人(1,859人、+1.8%)、携帯電話端末詐欺の検挙件数は193件(264件、▲26.9%)、検挙人員は152人(195人、▲22.1%)、携帯電話不正利用防止法違反の検挙件数は29件(42件、▲31.0%)、検挙人員は25人(28人、▲10.7%)、組織犯罪処罰法違反の検挙件数は95件、検挙人員は18人
  • 被害者の年齢・性別構成について、特殊詐欺全体では、男性26.4%:女性73.6%、60歳以上89.6%、70歳以上79.4%、オレオレ詐欺では、男性19.6%:女性80.4%、60歳以上95.2%、70歳以上92.0%、融資保証金詐欺では、男性68.4%:女性31.6%、60歳以上29.1%、70歳以上11.0%、特殊詐欺被害者全体に占める高齢(65歳以上)被害者の割合・女性の割合については、特殊詐欺85.8%(76.9%)、オレオレ詐欺94.6%(79.9%)、預貯金詐欺98.3%(83.9%)、架空料金請求詐欺45.3%(54.2%)、還付金詐欺87.5%(64.5%)、融資保証金詐欺20.7%(14.3%)、金融商品詐欺74.5%(70.7%)、ギャンブル詐欺23.9%(36.4%)、交際あっせん詐欺19.0%(0.0%)、その他の特殊詐欺34.5%(80.0%)、キャッシュカード詐欺盗96.7%(80.0%)

【2020年12月】

警察庁 犯罪統計資料(令和2年1~11月)
  • 令和2年1月~11月の刑法犯総数について、認知件数は566,657件(前年同期688,242件、前年同期比▲17.7%)、検挙件数は258,256件(272,300件、▲5.2%)、検挙率は45.6%(39.6%、+6.0P)
  • 窃盗犯の検挙件数は385,243件(489,410件、▲21.3%)、検挙件数は158,491件(168,044件、▲5.7%)、検挙率は41.1%(34.3%、+6.8P)
  • 万引きの認知件数は79,714件(85,980件、▲7.3%)、検挙件数は57,705件(60,760件、▲5.0%)、検挙率は72.4%(70.7%、+1.7P)
  • 知能犯の認知件数は30,965件(33,178件、▲6.7%)、検挙件数は16,655件(17,704件、▲5.9%)、検挙率は53.8%(53.4%、+0.4P)
  • 詐欺の認知件数は27,638件(29,666件、▲6.8%)、検挙件数は14,002件(14,757件、▲5.1%)、検挙率は50.7%(49.7%、+1.0P)
  • 特別法犯総数について、検挙件数は67,152件(67,338件、▲0.3%)、検挙人員は56,535人(56,927人、▲0.7%)、入管法違反の検挙件数は6,356件(5,706件、+11.4%)、検挙件数は4,679人(4,312人、+8.5%)、不正アクセス禁止法違反の検挙件数は584件(759件、▲23.1%)、検挙人員は130人(138人、▲5.8%)、不正競争防止法違反の検挙件数は55件(60件、▲8.3%)、検挙人員は66人(52人、+26.9%)、銃刀法違反の検挙件数は4,965件(5,009件、▲0.9%)、検挙人員は4,381人(4,401人、▲0.5%)、麻薬等取締法違反の検挙件数は942件(843件、+11.7%)、検挙人員は485人(403人、+20.3%)、大麻取締法違反の検挙件数は5,375件(4,876件、+10.2%)、検挙人員は4,537人(3,895人、+16.5%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数は10,867件(10,743件、+1.2%)、検挙人員は7,604人(7,634人、▲0.4%)
  • 来日外国人による 重要犯罪・重要窃盗犯 国籍別 検挙人員について、総数511人(457人、+11.8%)、ベトナム95人(74人、+28.4%)、中国84人(90人、▲6.7%)、ブラジル53人(46人、+15.2%)、フィリピン25人(31人、▲19.4%)、韓国・朝鮮26人(27人、▲3.7%)、インド17人(9人、+88.9%)、スリランカ13人(18人、▲27.8%)
  • 暴力団犯罪(刑法犯)罪種別 検挙件数・人員の総数について、検挙件数は12,092件(17,877件、▲「32.4%)、検挙人員は6,894人(7,842人、▲12.1%)、暴行の検挙件数は802件(859件、▲6.6%)、検挙人員は779人(819人、▲4.9%)、傷害の検挙件数は1,254件(1,450件、▲13.5%)、検挙人員は1,484人(1,690人、▲12.2%)、脅迫の検挙件数は418件(391件、+6.9%)、検挙人員は385人(374人、+2.9%)、恐喝の検挙件数は395件(463件、▲14.7%)、検挙人員は533人(592人、▲10.0%)、窃盗の検挙件数は6,043件(10,414件、▲42.0%)、検挙人員は1,078人(1,325人、▲18.6%)、詐欺の検挙件数は1,413件(2,167件、▲34.0%)、検挙人員は1,099人(1,346人、▲18.4%)、賭博の検挙件数は59人(139人、▲57.6%)、検挙人員は200人(153人、+30.7%)
  • 暴力団犯罪(特別法犯)主要法令別 検挙件数・人員の総数について、検挙件数は7,170件(7,595件、▲5.6%)、検挙人員は5,225人(5,439人、▲3.9%)、暴力団排除条例違反の検挙件数は49件(22件、+122.7%)、検挙人員は114人(45人、+153.3%)、麻薬等取締法違反の検挙件数は164件(176件、▲6.8%)、検挙人員は56人(53人、+5.7%)、大麻取締法違反の検挙件数は164件(176件、▲6.8%)、検挙人員は682人(712人、▲4.2%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数は4,680件(4,912件、▲4.7%)、検挙人員は3,238人(3,345人、▲3.2%)

警察庁 令和2年10月の特殊詐欺認知・検挙状況等について
  • 令和2年1月~10月における特殊詐欺全体の認知件数は11,287件(前年同期13,950件、前年同期比▲19.1%)、被害総額は221.3憶円(260.0憶円、▲14.9%)、検挙件数は5,931件(5,167件、+14.8%)、検挙人員は2,081人(2,191人、▲5.0%)
  • オレオレ詐欺の認知件数は1,817件(5,654件、▲67.9%)、被害総額は49.3憶円(56.4憶円、▲12.6%)、検挙件数は1,598件(2,642件、▲39.5%)、検挙人員は512人(1,298人、▲60.6%)
  • 預貯金詐欺の認知件数は3,487件、被害総額は0.2憶円、検挙件数は1,237件、検挙人員は696人
  • キャッシュカード詐欺盗の認知件数は2,493件(2,911件、▲14.4%)、被害総額は34.7憶円(45.7憶円、▲24.1%)、検挙件数は2,035件(1,151件、+76.8%)、検挙人員は580人(332人、+74.7%)
  • 架空料金請求詐欺の認知件数は1,639件(2,917件、▲43.8%)、被害総額は59.4憶円(72.8憶円、▲18.4%)、検挙件数は426件(1,047件、▲59.3%)、検挙人員は130人(484人、▲73.1%)
  • 還付金詐欺の認知件数は1,402件(2,143件、▲34.6%)、被害総額は19.2憶円(27.3憶円、▲29.7%)、検挙人員は50人(17人、+194.1%)
  • 融資保証金詐欺の認知件数は259件(253件、+2.4%)、被害総額は3.4憶円(3.9憶円、▲12.8%)、検挙件数は183件(76件、+140.8%)、検挙人員は50人(18人、+277.8%)
  • 金融商品詐欺の認知件数は52件(24件、+116.7%)、被害総額は3.4憶円(1.6憶円、+112.5%)、検挙件数は26件(25件、+4.0%)、検挙人員は24人(18人、+33.3%)
  • ギャンブル詐欺の認知件数は90件(34件、+164.7%)、被害総額は1.9憶円(2.5億円、▲24.0%)、検挙件数は35件(11件、+218.2%)、検挙人員は10人(10人、±0%)
  • 口座詐欺の検挙件数は538件(769件、▲30.0%)、検挙人員は361人(458人、▲21.2%)、盗品譲受けの検挙件数は3件(5件、▲40.0%)、検挙人員は2人(3人、▲33.3%)、犯罪収益移転防止法違反の検挙件数は2,047件(2,008件、+1.9%)、検挙人員は1,677人(1,630人、+2.9%)、携帯電話端末詐欺の検挙件数は170件(236件、▲28.0%)、検挙人員は134人(174人、▲23.0%)、携帯電話不正利用防止法違反の検挙件数は25件(40件、▲37.5%)、検挙人員は22人(27人、▲18.5%)
  • 特殊詐欺全体の被害者の年齢・性別構成について、60歳以上89.5%:70歳以上79.3%、男性26.6%:女性73.4%、オレオレ詐欺では、60歳以上95.3%:70歳以上92.1%、男性19.0%:女性81.0%、融資保証金詐欺では、60歳以上38.5%:70歳以上34.6%、男性68.4%:女性31.6%、特殊詐欺被害者全体に占める高齢被害者(65歳以上:女性)の割合について、オレオレ詐欺 94.7%(80.5%)、預貯金詐欺 98.3%(83.8%)、架空料金請求詐欺 45.0%(53.6%)、還付金詐欺 86.9%(64.2%)、融資保証金詐欺 20.8%(14.6%)、金融商品詐欺 75.0%(71.8%)、ギャンブル詐欺 23.3%(38.1%)、交際あっせん詐欺 20.0%(0.0%)、その他の特殊詐欺 38.5%(80.0%)、キャッシュカード詐欺盗 96.6%(79.5%)

【法務省】

【2021年2月】

法務省 令和2年中の通信傍受の実施状況等に関する公表
  • 本日、政府は、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律第36条の規定に基づき、令和2年中の通信傍受の実施状況等について、国会報告をしました。
  • 令和2年中の傍受令状の請求・発付の件数等、傍受の実施状況及び傍受が行われた事件に関して逮捕した人員数等については、別表1、2のとおりです。
  • 犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(平成11年法律第137号)第36条においては、政府は、毎年、以下を国会に報告するとともに、公表することとされている。
    • 傍受令状の請求及び発付の件数
    • その請求及び発付に係る罪名
    • 傍受の対象とした通信手段の種類
    • 傍受の実施をした期間
    • 傍受の実施をしている間における通話の回数
    • 令状記載通信等が行われたものの数
    • 一時的保存を命じて行う通信傍受、特定電子計算機を用いる通信傍受を実施したときはその旨
    • 傍受が行われた事件に関して逮捕した人員数
▼別表1,2
  • 覚醒剤取締法違反(同法第41条の2第2項、同第1項、刑法第60条)【営利目的の覚醒剤譲渡】
  • 銃砲刀剣類所持等取締法違反(同法第31条の3第2項 同第1項前段、第3条第1項、第31条の8、第3条の3第1項、刑法第60条)【拳銃の加重所持、拳銃実包の所持】
  • 銃砲刀剣類所持等取締法違反(同法第31条の4第1項、第3条の7、第31条の9第1項、第3条の9、第3条の10、第3条の12、刑法第60条)【拳銃等の譲渡、譲受け】
  • 窃盗(刑法第235条、第60条)
  • 強盗、強盗致傷(刑法第236条第1項、第240条前段、第60条)
  • 強盗殺人(刑法第240条後段、第60条)
  • 詐欺(刑法第246条第1項、第60条)
  • 詐欺(刑法第246条第1項、第60条)
  • 恐喝、恐喝未遂(刑法第249条第1項、第250条、第60条)

【2020年12月】

法務省 令和2年版犯罪白書のあらまし
  • 刑法犯の認知件数は、平成14年(285万4,061件)をピークに17年連続で減少。令和元年(前年比8.4%減)も戦後最少を更新
  • 窃盗:平成15年以降、減少。令和元年(前年比8.5%減)も戦後最少を更新。刑法犯の認知件数の7割以上を占める詐欺:認知件数3万2,207件(前年比16.4%減)。平成30年以降、減少・特殊詐欺の認知件数1万6,851件(前年比5.6%減)※うちキャッシュカード詐欺盗3,777件(前年比180.2%増)被害総額約196億円(前年比32.9%減)粗暴犯:傷害:認知件数2万1,188件(前年比5.9%減)。平成16年以降、減少傾向。暴行:認知件数3万276件(前年比3.5%減)。平成18年以降、高止まり
  • 性犯罪:強制性交等:認知件数1,405件(前年比7.5%増)。平成29年以降、増加。強制わいせつ:認知件数4,900件(前年比8.2%減)。平成26年以降、減少
  • 児童虐待:検挙件数平成26年以降、大きく増加。令和元年(前年比42.9%増)は、平成15年の約9.3倍。罪名別:傷害や暴行が顕著に増加。加害者(検挙人員):父親等の割合が71.5%。殺人・保護責任者遺棄では、母親等の割合が78.0%・68.8%。児童買春・児童ポルノ禁止法違反の検察庁新規受理人員令和元年は3,397人平成11年の同法施行後、増加傾向。令和元年は前年から5.0%減少
  • 配偶者間暴力:配偶者暴力防止法違反(検挙件数):平成27年以降、減少傾向。令和元年は71件(前年と同じ)。他法令(検挙件数):令和元年は9,090件。平成22年の約3.9倍。被害者:令和元年は総数の約8割が女性。被害者と加害者の関係では、婚姻関係が全体の75.6%
  • ストーカー犯罪:ストーカー規制法違反(検挙件数):平成30年から2年連続で減少。令和元年は864件(平成23年の約4.2倍)。他法令(検挙件数):平成29年以降、3年連続で減少。令和元年は1,491件(平成23年の約1.9倍)
  • 高齢者犯罪:高齢者の刑法犯検挙人員:令和元年は前年比5.1%減平成20年をピークに高止まり。28年以降、減少傾向。70歳以上の者は72.4%。女性高齢者の刑法犯検挙人員:令和元年は1万3,586人(前年比7.0%減)。70歳以上の者は79.9%。高齢者率33.7%。罪名別:全年齢層に比べて、窃盗の割合が高い。特に、女性は約9割が窃盗(その大部分が万引き)
  • 少年による刑法犯:検挙人員:平成16年以降、減少。令和元年は2万6,076人(前年比14.4%減)。人口比:検挙人員と同様に低下傾向(令和元年はピークである昭和56年の約6分の1)。成人人口比に比して高いが、その差は減少傾向。年齢層別動向:昭和41年以降、初めて年少少年の人口比が中間少年及び年長少年の人口比を下回った。※令和元年検挙人員(人口比):年長少年:6,430人(264.6)、中間少年:8,213人(359.6)、年少少年:5,271人(242.5)、触法少年:6,162人(143.9)
  • 裁判:裁判確定人員前年比11.0%減(最近10年でおおむね半減)。裁判員裁判:第一審判決人員1,001人。全部執行猶予者の保護観察率7.2%(前年比0.6pt低下)
  • 矯正・更生保護:入所受刑者人員前年比4.4%減(戦後最少を更新)。刑事施設の年末収容人員(受刑者)4万1,867人(前年末比5.2%減)。収容率(既決)60.6%(前年末比2.7pt低下)。女性は、71.0%。仮釈放率58.3%(前年比0.1pt低下)
  • 非行少年処遇の概要について、検挙人員:刑法犯2万6,076人(前年比14.4%減。平成16年以降、減少し続ける)、窃盗が1万4,906人と最も多い。特殊詐欺による検挙人員は619人。特別法犯4,557人(前年比4.7%増)軽犯罪法違反が最も多い(967人)。少年院入院者:1,727人(前年比18.1%減。平成13年以降、減少傾向)うち女子133人、年少(16歳未満)10.7%、中間(16歳以上18歳未満)36.0%、年長(18歳以上)53.3%
  • 薬物犯罪・非行の動向
    • 検挙人員の推移:覚せい剤:平成13年以降、減少傾向。令和元年は、44年ぶりに1万人を下回る(前年比13.0%減)。大麻:平成26年以降、急増。令和元年は、昭和46年以降、初めて4,000人を超える(前年比21.5%増)
    • 覚醒剤・コカインの押収量は、平成元年以降、最多。覚醒剤の密輸入事犯の摘発件数は、前年の約2.5倍に急増
    • 違法薬物の流通量の減少が肝要。水際対策の徹底が重要(関係機関との連携・国際協力の活用等)
    • 検察:覚せい剤:起訴率:75.7%起訴、猶予率:9.1%。大麻:起訴率:50.6%起訴、猶予率:35.7%。麻薬:起訴率:59.9%起訴、猶予率:19.2%
    • 矯正・更生保護における処遇に至らない者(起訴猶予処分・単純執行猶予(保護観察の付かない全部執行猶予)判決を受けた者)が一定数存在。刑事処分の早い段階での対応が必要
    • これらの者に対する社会復帰支援(入口支援)の充実が重要。個別の事案に鑑み、求刑において、保護観察に付するよう積極的に求めるなど
    • 入所受刑者:増減を繰り返しながらも、減少傾向。令和元年は、4,378人(前年比471人減)。うち、一部執行猶予受刑者は、1,275人(前年比119人減)
    • 入所受刑者総数に占める比率:20%台で推移。一方、女性入所受刑者に占める比率は30~40%台で推移
    • 仮釈放率:令和元年は、平成12年以降、最も高い65.9%。出所受刑者全体と比べて7.5pt高い
    • 保護観察:覚醒剤取締法違反保護観察開始人員・全部執行猶予者の保護観察率の推移。開始人員:平成22年以降、増加傾向。保護観察付一部執行猶予者:制度開始翌年の平成29年以降、増加し続け、令和元年は、前年比52.0%増。一部執行猶予者の保護観察率:令和元年は、100.0%
    • 少年の薬物非行:覚せい剤:平成10年以降、減少傾向。検挙人員の女子比は、40~60%台で推移。大麻・麻薬:大麻:平成26年から6年連続で増加し、令和元年は前年比41.0%増。麻薬:昭和50年以降、おおむね横ばい
    • 若年層が薬物の影響を誤解して使用を開始している可能性。薬物の害悪や薬物使用の弊害について正確な情報を提供するため、広報啓発活動の充実強化が必要
  • 再犯・再非行
    • 覚せい剤:同一罪名再犯者率は、近年上昇傾向。令和元年は、平成12年より14.5pt上昇。大麻:同一罪名再犯者率は、平成27年以降、おおむね横ばい。令和元年は、前年より1.2pt低下
    • 出所受刑者全体と比べて、5年以内・10年以内再入率が高い(満期釈放・仮釈放のいずれも)。各年の再入所者の再入罪名は、約8割が覚醒剤取締法違反。【再入率の高い類型】出所事由:満期釈放、入所度数:3度以上、男女・初入者・再入者:男性・再入者
  • 薬物事犯者の処遇:刑の一部執行猶予制度:刑事施設出所後に引き続き保護観察が行われるなどすることで、指導・支援者の緊密な連携、社会復帰への必要な介入が可能
    1. 検察
      • 入口支援 例:地方公共団体と地方検察庁との連携による薬物事犯者に対する社会復帰支援の取組
    2. 矯正:特別改善指導・特定生活指導
      • 薬物依存離脱指導【刑事施設】
        • 平成28年度、標準プログラムを3種類に複線化。以後、受講開始人員は1万人前後で推移
        • 受刑者個々の問題性やリスク等に応じ、各種プログラムを組み合わせて実施
        • 出所後の処遇等への効果的なつなぎを重視。
      • 薬物非行防止指導【少年院】重点指導施設として11庁が指定
    3. 更生保護 生活環境の調整等 ※矯正施設入所中から実施
      • 薬物犯罪特有の問題性に焦点を当てた調査(アセスメント)【地方更生保護委員会】
      • 保護観察所が行う生活環境の調整への指導・助言・連絡調整【地方更生保護委員会】
      • 出所・出院後の生活環境の調整【保護観察所】
        • 帰住予定地(家族のほか、更生保護施設(薬物処遇重点実施施設や薬物中間処遇実施施設)や自立準備ホーム(ダルク等))の調整
        • 必要な治療・支援を受けられるよう関係機関等と連携
        • 家族支援
    4. 更生保護 保護観察等
      • 薬物処遇ユニット
        • 薬物依存に関する専門的知見に基づき、専門的な処遇を集中して実施
      • 類型別処遇
        • 薬物犯罪の保護観察対象者に共通する問題性等に焦点を当てた効率的な処遇
      • 薬物再乱用防止プログラム
        • 特別遵守事項で義務付け教育課程+簡易薬物検出検査
        • 精神保健福祉センター等のプログラムや民間支援団体につなげる仕組み
      • 治療や回復支援を行う機関等との緊密な連携
        • 医療・援助を受けることの指示、治療状況等の把握や必要な協議
        • 薬物依存回復訓練の委託等
    5. 治療・支援期間:保護観察終了後も継続的に治療・支援機関につながることを後押し
      • 医療機関 入院治療、外来医療(専門プログラムの実施)を行う専門病院等
      • 相談機関 依存症の家族の相談を含めた幅広い相談に応じる精神保健福祉センター・保健所等
      • 回復支援施設 依存症者が入所・通所し、依存症からの回復を目指すダルク等
      • 自助グループ 依存症の当事者が公民館等でミーティングを行い、依存症からの回復を目指すNA等
      • 家族会等 依存症者の家族が互いに支え合う自助的な会
    6. 継続的かつシームレスな処遇・支援のための多機関連携の一層の充実
      • 刑事司法手続終了後も見据えた施設内・社会内処遇、治療・支援の連携強化
      • 支援につながりやすくなるような情報提供・動機付け・連携方法の更なる工夫
  • 特別調査 -薬物事犯者の特徴-
    • 基本的な特徴
      • 再入者:74.1% (前刑罪名=覚醒剤取締法違反:81.8%)
      • 保護処分歴あり:約3分の1 (男性4割強、女性2割強)
      • 調査対象事件(覚醒剤の入手先) 知人31.6%が最も高い (配偶者・交際相手:男性0.7% < 女性20.6%)
    • 薬物の乱用状況等
      • 覚醒剤の使用日数(1月当たり) 
        • 5日以下の者:約6割
        • 16日以上の者:約2割
      • 薬物乱用の生涯経験率
        • 有機溶剤(男性61.0%、女性58.6%)
        • 大麻(男性52.7%、女性52.7%)
        • 処方薬(男性29.0% < 女性44.2%)
        • ※ 危険ドラッグ(男性22.5% < 女性34.4%)
      • 薬物の乱用開始年齢
        • 何らかの薬物乱用の開始年齢(平均) 18.7歳(男女共)
        • 経験者のうち20歳未満で乱用を始めた者の割合:
          • 有機溶剤(男性97.4%、女性99.2%)
          • ガス(男性87.0%、女性92.9%)
          • ※ 覚醒剤(男性35.1% < 女性47.4%)
            大麻(男性48.0%、女性49.6%)
      • 薬物の乱用期間(5年以上の割合)
        • 覚醒剤(男性91.9%、女性92.3%)
        • 処方薬(男性63.6% < 女性75.0%)
      • 薬物依存の重症度
        • 集中治療の対象の目安となる群:5割近く
      • 薬物乱用の問題は相当に深刻。早い段階からの介入の必要性
      • 他の犯罪との関連
        • 違法薬物入手のための犯罪経験あり:23.5% (男性>女性)
        • 違法薬物影響下での犯罪経験あり:6.5% ※ 薬物犯罪・交通事故を除く。
        • 薬物乱用下での交通犯罪 ※ 差が顕著な項目
          • 運転:初入者69.9% < 再入者78.7%
          • 無免許運転:初入者17.1% < 再入者32.2%
          • 更なる犯罪につながる可能性
        • 覚醒剤使用の外的な引き金
          • 総数
            • 「クスリ仲間と会ったとき」
            • 「クスリ仲間から連絡がきたとき」
          • 男性 > 女性 ※ 差が顕著な項目
            • 「セックスをするとき」
            • 「手元にお金があるとき」 等
          • 男性 < 女性 ※ 差が顕著な項目
            • 「誰かとケンカしたあと」
            • 「自分の体型が気になるとき」 等
              (男性3.5%、女性31.2%)
          • 薬物仲間との接触等 特に引き金になりやすい
        • 覚醒剤使用の内的な引き金
          • 総数
            • 「イライラするとき」
            • 「気持ちが落ち込んでいるとき」
            • 「孤独を感じるとき」
            • ※ ほか、男性の上位項目「欲求不満のとき」
          • 男性 < 女性 ※ 差が顕著な項目
            • 否定的な感情等を表す多くの項目
          • 男女差のある項目が多数 ⇒ 特徴を踏まえた指導・支援へ
    • アルコール・ギャンブルの問題
      • アルコール
        • 飲酒経験あり:93.8%
        • うち、有害なアルコール使用が疑われる者:39.3%
          ※ 初入者・再入者共に同程度の割合
      • ギャンブル
        • ギャンブル経験あり:84.5%
        • うち、ギャンブル依存の疑いがある者:45.0%
          ※ 初入者・再入者共に同程度の割合
    • 男女差への着目:女性の覚醒剤事犯者 多角的かつ慎重な介入が必要
      • 薬物依存の重症度
        • 「相当程度」以上の割合:男性 < 女性
          ※ 集中治療の対象の目安とされる群
      • 食行動の問題等
        • 左図の全ての項目:男性< 女性
      • 小児期の逆境体験
        • 親との離死別(男性51.2%<女性57.9%)
        • 精神的な暴力(男性23.3%<女性48.2%)
        • 身体的な暴力(男性27.6%<女性39.0%)
        • ※ 全12項目で女性の経験率が高い。
      • 精神疾患・慢性疾患
        • 罹患率:いずれも 男性 < 女性
          • 精神疾患:男性8.6%、女性40.2%
          • 慢性疾患:男性10.5%、女性17.2%
    • 初入者・再入者の違いへの着目:多くの初入者も治療ニーズが高い。身近な者のサポートの重要性
      • 薬物依存の重症度
        • 「相当程度」以上の割合 初入者:4割近く 再入者:5割近く
      • 覚醒剤使用によるデメリット
        • 初入者 < 再入者 ※ 差が顕著な項目
          • 「周囲からの信頼を失った」
          • 「家族との人間関係が悪化した」等
      • 断薬経験(覚醒剤)
        • 断薬経験がある者の割合 初入者:80.2% 再入者:83.0%
      • 断薬した理由
        • 総数
          • 「大事な人を裏切りたくなかった」
          • 「逮捕されたり受刑したりするのは嫌だという思いがあった」
        • 初入者 < 再入者 ※ 差が顕著な項目
          • 「家族や交際相手などの大事な人が理解・協力してくれた」
    • 関係機関の支援についての経験・意識
      • 関係機関の利用状況
        • 「支援を受けたことがある」者
          • 専門病院:23.9%
          • 自助グループ:16.5%
          • 回復支援施設:12.9%
          • 保健機関:5.8%
        • 「存在は知っていたが、支援を受けたことはない」者
          • 再入者:約6~8割(各関係機関)
        • 「存在を知らなかった」者
          • 初入者 > 再入者(各関係機関)
      • 支援を受けたことがない理由
        • 総数(各関係機関の上位項目)
          • 「支援を受けなくても自分の力でやめられると思った」
          • 「支援を受けられる場所や連絡先を知らなかった」
          • 「支援を受けて何をするのかよくわからなかった」
      • 関係機関から受ける支援への良いイメージ
        • 専門病院・保健機関(上位項目)専門的な助言・支援を期待する項目
        • 回復支援施設・自助グループ(上位項目)仲間や支援者の獲得を期待する項目
      • 支援を受ける気になる状況
        • 総数(各関係機関の上位項目)
          • 「自分の力ではやめられないと感じれば」
          • 「家族や交際相手などの大事な人が理解・協力してくれれば」
          • 「刑務所や保護観察所等から具体的な場所や連絡先などを教えてもらえれば」 等
        • 「刑務所の中で、プログラムやグループを体験したり体験者から詳しい話を聞ければ」
          • 専門病院・保健機関:初入者 > 再入者
        • 情報提供と動機付けの重要性
          • 処遇機関での情報提供に一定の成果
          • 対象者の各関係機関への認識を踏まえた更なる情報提供と動機付け
        • 多機関連携の強化
          • 関係機関との連携方法の工夫

【消費者庁】

【2021年2月】

消費者庁 機械式立体駐車場(二段・多段方式、エレベーター方式)で発生した事故
▼概要
  • 事故等原因調査を行うこととした理由
    • 機械式駐車装置(以下「駐車装置」という。)は、昭和30年代に国内で初めて設置されてから、大規模商業施設を中心に導入されてきた。昭和60年代以降になると、マンション等の消費者の日常生活空間においても駐車装置が急速に普及し、平成25年3月末時点の駐車装置の設置実績は、累計約54万基(車の収容台数にすると約287万台分)となっている。
    • 機械式立体駐車場における利用者等の死亡・重傷事故は、平成19年度以降少なくとも26件(うち死亡事故は10件)発生しており、その中には子どもの死亡事故も3件含まれている。
    • このような状況を受け、機械式立体駐車場で発生した事故は、平成25年7月19日に開催された第10回消費者安全調査委員会(以下「調査委員会」という。)において、「事故等原因調査等の対象の選定指針」(平成24年10月3日調査委員会決定)のうち、次の要素を重視し、事故等原因調査等を行う事故として選定された。
      1. 広く消費者の利用に供されていて「公共性」が高いこと。
      2. 死亡事故が発生しており「被害の程度」が重大であること。
      3. 「多発性」があること。
      4. 「消費者自身による回避可能性」が低いこと。
    • 駐車装置は、用地の形状、面積、収容台数や予算等、利用者の様々なニーズに応じるため、多様な方式が開発されている。調査に当たっては、採用されている基数の多い二段・多段方式及びエレベータ方式について、申出のあった事故1件を含む計6件の事故に関する情報収集を行った。
  • 事故等原因
    • 調査を行った機械式立体駐車場の事故に共通した原因として、マンション等の日常の生活空間における実際の利用環境や人の行動特性が、設計段階で十分に考慮されてこなかったため、人と機械の動きを隔離する機能、緊急時に装置を停止できる機能など、駐車装置が有するリスクを低減させる安全策が十分でなかったことが挙げられる。
    • 上記リスク低減の取組が遅れた背景的要因の1つとして、製造者等において、事故が発生しても利用者の不注意や誤使用が原因とされてきたことがあると考えられる。
    • 調査した6件の事故事例から、事故等原因について抽出した具体的な問題点を次に示す。
      1. 設計時の想定と実際の利用環境の相違
        • マンション等に設置された駐車装置を操作する利用者は、駐車装置の構造や危険性を十分に知る機会が与えられないままに、利用者自らが、駐車装置内の無人確認、機械操作、車の入出庫、同伴者の安全確保を行うこととなっている。
        • また、駐車装置は運転者以外の者が駐車装置内に立ち入らないことを前提として設計されているが、実際の利用環境では、幼児を連れて利用する場合に駐車装置内に幼児も入れざるを得ないなど、設計時の想定と実際の利用環境が大きく異なっていることが明らかとなった。
      2. 人の行動特性への考慮不足(安全確保に対する利用者への過度の依存)
        • 駐車場の掲示や取扱説明書が示している操作手順と、実際の利用者の操作との間に齟齬(そご)があった。
        • この齟齬の背後には、設計時の想定と実際の利用環境の相違や、視認性の悪さ、自由に動き回る幼児の特性、表示内容の不明確さなどにより、利用者にとって製造者の想定どおりの操作が困難である状況や、想定とは異なる操作を誘発する状況があった。
      3. 安全対策の取組の遅れ
        • 機械設備の安全性について、広く活用されている「3ステップメソッド」と呼ばれる考え方に従って、事故事例を分析すると、以下において、安全対策の取組の遅れがあった。
          1. 駐車装置内の視認性、制御方式、停止機能などの本質的安全設計方策
          2. 隔離と停止による安全などの安全防護と非常停止などの付加保護方策
          3. 使用上の情報(利用方法、駐車装置に潜むリスク、緊急時の具体的な対処方法等についての利用者への情報提供)
  • 再発防止策
    • これまでは、駐車装置の設計時に日常の生活空間における実際の利用環境や人の行動特性が十分に考慮されていなかった。現在、工業会は駐車装置の安全対策について検討を行っているところであるが、駐車装置のリスクを知る工業会及び製造者は、このような設計時における従前の意識や発想を改め、適切にリスクアセスメントを行った上で、本項で例示する方策を含め、あらゆる事故等防止策を検討すべきである。
    • その上で、製造者、保守点検事業者、マンション管理組合も含めた所有者・管理者、利用者は、駐車装置が長期にわたって使用されることを踏まえ、協議の場を設けて、安全対策を検討すべきである。
      1. 危険源を除去した機構設計(本質的安全設計方策)
        • 二段・多段方式におけるパレットへの挟まれ事故を防ぐには、パレットの上昇時には地下ピット壁面とパレットとの隙間を無くす、パレットの下降時にはパレット周囲の下部にセンサーを付け、歩廊とパレットの間にある物体の有無を検知するなどの方法が考えられる。
        • エレベータ方式におけるターンテーブル回転時の挟まれ事故に対しては、ターンテーブルと壁との間の隙間の安全距離を保つこと、ターンテーブルを持ち上げず、地表面で回転させることで危険源を無くす方法などが考えられる。
      2. 駐車装置内の視認性の確保(本質的安全設計方策)
        • 二段・多段方式:操作盤を駐車装置の列ごと、又は隣り合う二列の間に設置すること。
        • エレベータ方式:視認性の高いのぞき窓を増設すること。照明や配色の工夫により駐車装置内の視認性を高めること。駐車装置内の柱、のぞき窓の直下、車の反対側などの死角に対応すること。
      3. 制御方式の見直し(本質的安全設計方策)
        • ホールド・ツゥ・ランによる制御方式での操作は、入出庫のために押しボタンを数十秒間押し続ける必要があり、子ども連れ等の利用者の利用実態に合っていない。
        • 同伴者を伴う場合等の利用者の負担を低減するためには、パレットの呼出し又は格納を自動運転とすることが必要であるが、そのためには駐車装置と人との隔離を他の安全方策によって確保することが必要である。
      4. 操作者を限定する機能の付加(本質的安全設計方策)
        • 利用者ごとに異なるキーで作動する等の機能とするべきである。
      5. 隔離と停止の原則の確保(安全防護)
        • 屋外の駐車装置については、両側面及び背面の固定柵に加えて、駐車装置の出入口に可動式の扉を設置し、車の入出庫のとき以外には人が駐車装置内に立ち入れないようにする。なお、両側面及び背面の固定柵の高さは、駐車装置外からの進入防止を目的とするため、駐車装置外の地表面からの高さとする。
        • 人が駐車装置内に存在せず、出入口扉が閉まっているときにのみ駐車装置が作動するものとする(インターロック)。
        • 駐車装置が隣接する場合には、駐車装置間に柵を設置する、又は隣接する駐車装置が稼動していないときのみ駐車装置が作動するよう制御する(インターロック)。
      6. 駐車装置内の無人を確認するセンサーの設置(安全防護)
        • エレベータ方式については、既に人感センサーの設置が技術基準に定められているが、駐車装置の起動時に装置内の無人を機械的に確認するなどの安全確認の条件などについても、技術基準に取り入れるべきである。
      7. 非常停止ボタンの設置(付加保護方策)
        • 非常停止ボタンを操作盤の外側及び駐車装置内に、利用者が発見しやすく、操作しやすい位置に設置し、JIS規格にあった機能、形状及び色のボタンを取り付ける。
        • 緊急時に躊躇することなく非常停止ボタンを使用するように注意書きに明示する。
      8. 利用者への残留リスクの説明(使用上の情報)
        • 駐車装置は、最大限実施可能な安全対策を実施した後にも、利用者が駐車装置内に入らざるを得ないなど、一定のリスクが残る。そのため、製造者は、利用者に対して残留リスクを明らかにし、安全な利用方法、緊急時の対処方法、禁止事項等について説明すべきである。
        • 特に、人が駐車装置内に取り残された場合など、緊急時には冷静な対処を行えるよう、平時から具体的な操作方法や緊急時の連絡先の確認等の周知を図るとともに、駐車装置内に取り残された者に向けた注意表示)等を操作盤上だけでなく駐車装置内にも掲示する等の工夫をすることが重要である。
        • なお、製造者は、残留リスクへの対応を利用者に対する説明のみで済ませるのではなく、リスク低減に向けた検討を継続的に行うべきである。
  • 既存の駐車装置への対応 既存の駐車装置に対して特に重要と考える具体的な安全対策について、次に例示する。
    • 二段・多段方式
      • 事故の再発防止には、駐車装置と人を隔離するため、前面には出入口扉、両側面と背面には固定式の柵の設置が必要となる。加えて、緊急時に瞬時に駐車装置を停止させるため、非常停止ボタンを設置すべきである。
      • 敷地面積等の問題で、既存の駐車装置に前面の出入口扉を設置することが不可能である場合は、駐車装置と人の隔離が不十分とならざるを得ないが、現状保有しているリスクを少しでも低減させるための対策を検討・実施すべきである。
      • 例えば、視認性を高めることを目的として、隣り合う二列のパレットの間に操作盤を設置するという方策が考えられる。
      • そのほか、リスクに関する技術的な検証が必要となるが、現行のホールド・ツゥ・ランによる制御方式から、挟まれの発生し得る距離までパレットが移動したときに、一旦駐車装置の動作を停止させ、利用者が安全確認後、再度操作を行うことでパレットが所定の位置に到着する「二段階操作」となる新たな制御方式等に変更することなどの方策も考えられる。
    • エレベータ方式
      • 事故の再発防止のためには、利用者が確実かつ容易に人がいないことを目視確認できるよう、乗降室内の照度、配色を工夫する等して視認性を高めることが必要である。また、安全装置として、機械が作動する範囲内に人がいないことを検出するセンサーを設置し、駐車装置内が無人であることを確認できなければ出入口扉は閉まらない、ターンテーブルが回転しない等の制御(インターロック)をすることなどが考えられる。
  • 制度の見直し等
    1. 認定制度面の見直し
      • 現在、駐車場法の対象となる路外駐車場(500平方メートル以上の一般公共の用に供する駐車場)に設置される駐車装置の構造・設備については、国土交通大臣による認定制度と工業会による任意の審査・認定が併存しており、機械装置の安全性については工業会の審査・認定に委ねられている。国土交通省は、駐車装置の安全性を確保するため、従来から大臣認定制度の下で義務付けられている構造・設備に加え、安全性の審査についても一体的に審査・認定を行うべく、駐車場法施行規則(平成12年運輸省・建設省 令第12号)の改正を予定している。
      • 今後の大臣認定制度の運用に当たっては、過去に大臣認定又は工業会の認定を受けた型式の駐車装置であっても、新たに設置する場合には、改正後の大臣認定制度における安全基準に基づき、必要な設計変更等を行った上で、改めて認定を受けることとするなど、利用者の安全に十分に配慮したものとすべきである。
    2. 技術基準の内容の見直し等
      • リスクアセスメントを実施し、工業会の技術基準を機械安全の原則に沿ったものへと全面的に見直す必要がある。
      • また、駐車装置の安全性に関する基準について、国際的な機械安全の考え方に基づき質的向上を図り、業界全体に適用させるため、JIS規格化について早急に検討を進めるべきである。
      • 併せて、製造者は、技術基準を参考に技術開発等も含めた安全対策に積極的、継続的に取り組むため、安全性に関する設計基準を整備し、有効な設計審査を行うべきである。
    3. 法的整備の実施
      • 国土交通省は、駐車装置で発生する事故の重大性に鑑み、現在の駐車場法が駐車場法施行令において技術的基準への適合を要求している駐車面積が500平方メートル以上の一般公共の用に供する駐車場だけでなく、マンション居住者用の駐車場等に設置されている駐車装置など、当該要件に該当しない駐車装置を規制するような法的整備を早急に行うべきである。
    4. 事故情報の活用
      • 国土交通省は、事故の再発防止及び駐車装置の安全性の向上を図るため、駐車装置で発生した事故情報の継続的な収集・分析を行い、その結果を適切に公開するとともに、事故の再発防止及び駐車装置の安全性の向上を図るための仕組みの構築についても検討すべきである。
    5. 安全訓練の実施
      • 製造者及び保守点検事業者は、利用者に対して駐車装置の安全な使用方法、緊急時の具体的な対処方法等について、教育訓練を実施することが重要となる。
    6. 施策の推進に当たっての留意事項
      • 「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」(平成26年3月、国土交通省)(以下「安全対策ガイドライン」という。)には、製造者、設置者、管理者、利用者が最低限遵守すべき事項が示されている。今後、これら関係主体において安全対策ガイドラインに基づく対策等を講じていくに当たっては、次のような点に留意する必要がある。
      • 駐車装置の特性・危険性として、「利用者が自ら操作する際、乗降室内に人がいることの確認が不足していたことなどを要因とする重大事故が多く発生」とされている。しかし、調査した6件の事例から、駐車装置は人と機械の動きを隔離する機能、緊急時に装置を停止できる機能など、駐車装置が有するリスクを低減させる安全策が十分に講じられていないことが明らかとなった。製造者は、事故発生の要因を利用者の確認不足として済ませるのではなく、設計段階から実際の利用環境や人の行動特性等を勘案することで、事故の再発防止に努めるべきである。
      • 安全対策の考え方として、「機械には『絶対安全』はない」とされている。これは機械安全の原則ではあるが、まずは製造者が、「人は誤る、機械は壊れる」ことを前提とした十分な安全設計を行い、利用者にとって許容可能な程度までリスクを低減させていることが上記原則の前提である。上記原則が、製造者の安全設計の不足に対する言い訳とならないようにすべきである。
      • 安全対策の考え方として、「製造者、設置者、管理者、利用者の各主体がそれぞれ真摯に協力して安全確保と安全利用に取り組むこと」とされている。ただし、この4主体は同格で取り組むものではなく、駐車装置の安全確保に関して、装置のリスクを最もよく知る製造者が駐車装置自体の安全性を高める役割を担い、設備の安全化を推進する第一の責任(事故の責任主体という趣旨ではない)があるため、管理者、利用者に対して残留リスクや使用方法について周知する主体的な役割を果たすべきである。
  • 意見
    • 駐車装置は、実際の日常生活において、幼児を連れて多くの荷物を車で運んでいるなど、利用者に様々な状況で使用されている。しかし、現在稼動している駐車装置は、装置内に運転者以外の者が立ち入らないことを前提に設計されている。このような設計は、日常の生活空間における実際の利用環境や人の行動特性を十分に考慮したとはいい難いものであり、その結果として、駐車装置の利用には、多くの重大なリスクが伴うこととなっている。駐車装置の安全確保に関しては、駐車装置のリスクを最もよく知る製造者が、装置自体のリスク低減を図るとともに、利用者等に対してリスクや使用方法について周知する等、主体的な役割を果たすべきである。他方で、事故の発生を防止するためには、実際に駐車装置を操作する利用者自らもリスクを認識し利用することが重要である。
    • 上記を踏まえ、国土交通省及び消費者庁は、機械式立体駐車場の安全性を高めるための施策を進めるに当たり、特に次の点について取り組むべきである。
      1. 国土交通大臣への意見
        1. 制度面等の見直し
          • 現在、国土交通省において検討が進められている、安全性審査に係る大臣認定制度の見直しに当たっては、過去に大臣認定又は工業会の認定を受けた型式の駐車装置であっても、新たに設置する場合には、改正後の大臣認定制度における安全基準に基づき、必要な設計変更等を行った上で、改めて認定を受けることとするなど、利用者の安全に十分に配慮した制度とすること。
          • 工業会に対して、技術基準の全面的な見直しを行う際、実際の利用環境や人の行動特性も考慮したリスクの分析、評価など十分なリスクアセスメントを行い、平成26年度中に改定するよう促すこと。また、製造者に対しても、上記技術基準の見直しに併せて、各社の設計基準の整備、見直しを促すこと。
          • 駐車装置の安全性に関する基準について、国際的な機械安全の考え方に基づき質的向上を図り、業界全体に適用させるため、JIS規格化について早急に検討を進めること。
          • 駐車場法は、駐車面積が500平方メートル以上の一般公共の用に供する駐車場のみに政令で定める技術的基準への適合を求めているため、マンション居住者用の駐車場等に設置されている駐車装置には適用されない。これらの駐車装置についても、その安全性を確保するための法的な整備の検討を早急に進めること。
          • 製造者から利用者への安全に関する情報提供を確実にするための仕組みの検討を早急に行うこと。
        2. 既存の設備への対応
          • 工業会によるリスクアセスメントの結果判明した、重大な事故につながる高いリスクについては、本調査報告書にある再発防止策等を参考に、目標年限を区切る等して既存駐車装置の改善を促進するための施策を講ずること。また、後述の2(1)に記載のある関係者間の連携による安全対策の検討・実施を促すこと。
        3. 事故情報収集の仕組みの構築
          • 駐車装置で発生した事故情報の継続的な収集・分析を行い、その結果を適切に公開するとともに、安全対策ガイドライン及び技術基準の見直し、製造者への情報のフィードバックを行うなど、事故の再発防止及び駐車装置の安全性の向上を図るための仕組みを構築すること。
      2. 国土交通大臣及び消費者庁長官への意見
        1. 安全対策の検討・実施の推進
          • 駐車装置は一度事故が起きれば重大な被害の発生につながること及び長期にわたって使用されることを踏まえ、目標年限を区切る等して、製造者、保守点検事業者、所有者・管理者(マンション管理組合を含む。)、利用者に対して、協議の場を設置し、連携した安全対策の検討・実施を促すこと。
        2. 安全利用の推進
          • 製造者、設置者及び所有者・管理者に対して、駐車装置の安全な使用方法、緊急時の具体的な対処方法等について、利用者に向けた説明の徹底を促すこと。また、製造者及び保守点検事業者等に対して、所有者・管理者と協力して利用者に向けた教育訓練の実施を促すとともに、利用者に対して参加を促すこと。
        3. 注意喚起の実施
          • 具体的な事故事例等を基にするなど、駐車装置が有する危険性及び駐車装置を利用するに当たっての注意点を取りまとめ、利用者に対して継続的な注意喚起を実施すること。

消費者庁 新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする商品 等の表示に関する改善要請及び一般消費者等への注意喚起について
  • 消費者庁は、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に乗じ、インターネット広告において、新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする健康食品、マイナスイオン発生器、除菌スプレー等(以下「ウイルス予防商品」という。)に対し、緊急的措置として、景品表示法(優良誤認表示)及び健康増進法(食品の虚偽・誇大表示)の観点から表示の適正化について改善要請を行うとともに、SNSを通じて一般消費者等への注意喚起を行いました。
  • 新型コロナウイルスについては、その性状特性が必ずしも明らかではなく、かつ、民間施設における試験等の実施も困難な現状において、新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうするウイルス予防商品については、現段階においては客観性及び合理性を欠くおそれがあると考えられ、一般消費者の商品選択に著しく誤認を与えるものとして、景品表示法(優良誤認表示)及び健康増進法(食品の虚偽・誇大表示)の規定に違反するおそれが高いものと考えられます。
  • そこで、消費者庁では、今般の緊急事態宣言が発出された令和3年1月以降、インターネット広告において、新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうするウイルス予防商品の表示について、景品表示法(優良誤認表示)及び健康増進法(食品の虚偽・誇大表示)の観点から緊急監視を実施しているところです。
  • 現在までのところ、インターネット広告においてウイルス予防商品の販売又は役務の提供をしている45事業者による42商品・役務について、一般消費者が当該商品の効果について著しく優良等であるものと誤認し、新型コロナウイルスの感染予防について誤った対応をしてしまうことを防止する観点から、当該表示を行っている事業者等に対し、改善要請を行いました。
  • また、改善要請の対象となった事業者がオンライン・ショッピングモールに出店している場合には、当該ショッピングモール運営事業者に対しても情報提供を行いました。
  • 消費者庁ツイッター、フェイスブック「消費者庁新型コロナ関連消費者向け情報」公式LINE
    • 消費者庁は、新型コロナウイルスの予防効果を標ぼうする商品等の不当表示に対する監視指導を実施しています。健康食品、マイナスイオン発生器等の商品について は、当該ウイルスに対する効果を裏付ける根拠があるものとは認められないおそれがありますので御注意ください。
    • ツイッター
    • フェイスブック
    • 「消費者庁 新型コロナ関連消費者向け情報」公式 LINE LINE ID:@line_caa
▼健康食品の安全性・有効性情報 感染予防によいと話題になっている食品・素材について
▼新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について 消毒や除菌効果をうたう商品は、目的に合ったものを、正しく選びましょう。

消費者庁 「Microsoft」のロゴを用いて信用させ、パソコンのセキュリティ対策のサポート料などと称して多額の金銭を支払わせる事業者に関する注意喚起
  • 消費者がパソコンを操作している際に、突然、「Microsoft」のロゴを伴う「あなたのコンピュータにウイルスが見つかりました。」、「当社に今すぐ電話してください。」などの偽警告を表示させ、電話をかけてきた消費者に、「パソコンの修復とセキュリティ保護のサポートが必要です。」などと告げ、セキュリティ対策のサポート料などと称して多額の金銭を支払わせる事業者に関する相談が、各地の消費生活センター等に寄せられています。
  • 消費者庁が調査したところ、この事業者による消費者の利益を不当に害するおそれがある行為(消費者を欺く行為)を確認したため、消費者安全法(平成21年法律第50号)第38条第1項の規定に基づき、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表し、消費者の皆様に注意を呼びかけます。また、この情報を都道府県及び市町村に提供し、周知します。
    1. 「Microsoft」のロゴを用いる事業者の概要
      • 本件は、消費者のパソコンに表示される警告のウインドウに「Microsoft」のロゴを表示することなどにより、「Microsoft」又はその関係者であるかのように装う事業者(以下「本件事業者」といいます。)によるものです。
      • 本件の調査においては、本件事業者の特定には至っておらず、その実体は不明です。
      • 実在する日本マイクロソフト株式会社やその関連会社は、本件とは全く無関係です。
    2. 具体的な事例の概要
      • 本件事業者が、消費者に多額の金銭を支払わせる典型的な手口は次のとおりです。
        1. パソコンがウイルスに感染したかのような偽警告を、「Microsoft」のロゴなどと共にパソコン画面に表示した上で、大音量の警告音を鳴らし、表示した電話番号に消費者が電話をかけるよう仕向けます。
        2. 電話をかけてきた消費者のパソコンを遠隔操作して警告音や偽警告表示を消し、消費者を信用させます。
        3. セキュリティ対策のサポート料などと称し、金銭の支払を要求します。
    3. 消費者庁が確認した事実
      • 本件事業者は、前記2(1)のとおり、パソコンの画面上で、当該パソコンがすぐに対応しないと危険な状態であるかのような偽警告を「Microsoft」又はその関係者が発しているかのように表示して、消費者にその旨信用させた上、前記2(2)及び(3)のとおり、消費者に対し、当該消費者のパソコンの危険な状態を修復等するためには、その場で自身とのサポート契約を締結することが必要であって、当該契約に基づき自身が修復及びセキュリティ対策の措置を講じるかのように告げて、消費者にその旨信用させます。
      • しかしながら、実際には、上記警告表示が出た時点で、消費者のパソコンがすぐに対応しないと危険な状態にあったと認められるような事情は見当たらず、そのため、その場で本件事業者とのサポート契約を締結することが必要であったとも認められません。
      • また、本件事業者が「サポート契約」に基づく上記措置を講じた事実は確認されておらず、そもそも、本件事業者には当初から当該契約の履行を行うつもりはなかったものと認められます。さらに、本件事業者は、日本マイクロソフト株式会社やその関連会社とは全く無関係であることが確認されています。(消費者を欺く行為)
    4. 消費者庁から消費者の皆様へのアドバイス
      • 実在する日本マイクロソフト株式会社やその関連会社が、突然パソコンに警告を表示して消費者に電話をかけるよう求めるようなことは一切ありません。
      • 警告と共に電話をかけるように求める表示を見ても絶対に連絡しないでください。
      • 「Ctrl」「Alt」「Del」の3つのキーを同時に押して「タスクマネージャー」を起動し、ブラウザーソフトを選択し、「タスクを終了」すると偽警告画面を閉じることができます。(日本マイクロソフト株式会社資料から)
      • 偽警告画面が閉じない場合は、マイクロソフトカスタマーサービス電話番号0120-54-2244に問い合わせしてください。
      • 前払式電子マネーを購入させてそのコード番号を連絡させることは、典型的な詐欺の手口です。このような支払方法には応じないでください。
      • パソコンの操作中に、突然、偽警告を表示し、大音量の警告音を鳴らす悪質事業者は、複数存在しています。
      • まずは、前述の手順で「タスクを終了」させた後、パソコンのセキュリティに不安が残る場合は、「情報セキュリティ安心相談窓口」へ、その他のご相談は「消費者ホットライン」、「警察相談専用電話」へ電話してください。

消費者庁 第39回インターネット消費者取引連絡会(2020年12月17日)
▼議事要旨
  • 商品が届かなかったという相談については、件数を具体的にお答えすることは難しいが、それなりに多くあったと認識している。事業者と消費者の間に行き違いが起こってしまったことについても個別に精査して検討をする必要があり、今この場での回答は難しいが、大体件数のうち半分くらいはプラットフォームが関わるトラブルについての相談だったと認識している。
  • 配送のところで何かトラブルがあった配達パートナーの方のアカウントの停止とか何かペナルティがあるのかといった点について、配達パートナーの方に対してどんなクレームがあったのかとか、何か問題があるような方がいれば注意をするようにしている。それがあまりにひどい場合はアカウントを停止せざるを得ないような場合もある。
  • また、そういった方々も含めて配達パートナーの方への教育体制といったところですけれども、まさに今整理をしているところです。現在行われているものだと例えば配達パートナーとして登録したときに交通安全に関する問題を全問正解しないと登録できないとか、毎回アプリを立ち上げて配達するときにチェックリストのような形で、例えば「しっかりとヘルメットを被ってください。」、「自転車は原則として車道を走ってください。」のようなもので注意喚起を行って、これをチェックしないとスタートできないということも実施している。
  • 現在幾つかの都道府県でも実施しているが、各都道府県警と連携して自転車講習会のようなものもやっている。そこはある程度人数は絞られてしまうが、実地でその講習会に出ていただく。それをある程度拡散して実施し、配達パートナーの中のコミュニティも用いて更に拡散させたり、あるいは報道で流れていることによって注意喚起を促すこともしている。
  • こちらは先ほど説明したようにハイブリッド型であり、飲食店側が届ける場合と、配達代行の場合とあり、どちらにユーザーからお電話を頂いたほうがより的確かという判断であり、飲食店側がお届けする場合は飲食店に直接電話するという形でユーザーに案内しており、配達代行に関しては飲食店にユーザーが電話すると配送状況の確認等でユーザーがたらい回しにあう可能性があるため、カスタマーセンターで電話を受ける体制を整えており、その内容にて配送事業者あるいは飲食店に確認をする対応をとる。
  • こちらも電話番号の記載をしており、基本的には店舗側の配送モデルとなっているため、お客様がすぐ店舗にお問い合わせができるように、注文完了メールに問い合わせ電話番号を記載することや、特商法の表示についても店舗電話番号を記載するという対応をと
  • っている。
  • 個人事業主として配達パートナーの方々にやっていただいているので、配達パートナーとしては配達した分だけお金が入るような仕組みになっている。そこは配達パートナーのガイドブックにも書いてあるが、ピックアップをして届け、あとはその間の距離に応じて金額が決まっており、それが配達パートナーの方に支払われる仕組みになっている。その上でやはり個人事業主なので、そこにたくさん稼ぎたいというモチベーションがどうしても湧いてしまうということはあり、それをどう抑えるかというのは確かに課題として認識している。
  • 事業の仕組みとしてあまり運ばないでくれという仕組みもなかなか作り難いところもあるので、まずは交通安全のマナーをしっかりと守ってくださいというところの注意喚起から始めている。交通安全マナーをしっかりと守ってくださいという形で呼びかけているところではあるが、結局のところ個人事業主というモデルが根本的にはあるのかなと思っている。
  • 一方で、取組としては配達パートナー自身に、しっかりとマナーよく配達しているというプライドを持ってもらおうという取組も今始めており、配達パートナーが見られていて、自分たちはプライドを持って配達をしている。その上でしっかりと交通マナーを守って配達しているというようなプロモーションビデオとか、あとは講習会で研修のようなことも組み合わせて行っており、まずは内面的なアプローチで実施している。
  • またテクノロジー企業であるので、例えば運転が荒いとか、何かスピードが早すぎるとか、そうしたことについて、スマホの加速度センサーとか、GPS機能を使ってできないかということは今様々な研究をしたいとは思っているが、今のところはまず配達パートナーの方のマナー向上という形で取り組んでいる一方的にサービスを提供するのではなくて、やはり注文者もしっかりと自分が受け取りやすいようなことをやっていただいて、レストランパートナーも配達しやすいような包装をしていただいてということで、三者がお互い対応を良くして歩み寄る形でこの仕組みは成り立っている。そのバランスの中でビジネスを組み立てているという形になっている。
  • まず、ユーザー側が住所を間違えて入力されるケースも発生している。また、ドライバーが連絡してもユーザーがいないケースもある。そのときには何かログを残すという目的ではなく、やはり早くお召し上がりいただきたいと、そういう気持ちからドライバーからユーザーに連絡し、とにかくつながるように一生懸命対応している。それでもどうしても10分以上待機しても不在の場合は、商品の状況や次の配達状況もあるので、次の配達に行かせていただく形になり得る。その際には、一部返金できないケースもある

消費者庁 第3回 公益通報者保護法に基づく指針等に関する検討会(2020年12月23日)
▼議事要旨
  • 公益通報受付窓口の設置先について
    • 内部通報の過半はハラスメント関係、又はハラスメントに至らない職場でのトラブルに関するものである。実務としては、ハラスメント関係の通報の延長線上に公益通報があるという認識であり、人事部門とは別の部門に内部公益通報受付窓口を設置すべきという考え方は妥当ではないと考える。小規模な会社では人事部門が独立しておらず、管理系の部門が総務や法務、コンプライアンス業務などをひとくくりに担っている場合も多数あり、分離することは実務上困難であると認識している。
    • 人事部門に内部公益通報受付窓口を設置することにより、通報者への不利益な取扱いに直結するという意見もあるが、人事部門が人事権を握っていることから不利益な取扱いを行う可能性があるという意見には、特段の論拠がないと考える。中立公平に業務を遂行するミッションは人事部門もコンプライアンス部門と同様に担っていることに加え、執行ラインに属しているという点ではコンプライアンス部門と人事部門は変わらないのではないか。
    • 内部公益通報受付窓口を人事部門とは別の部門に設置すべきという意見があるが、規模の小さい企業にとっては人員の観点から非常に難しいと考える。小規模な企業の場合、割ける人員も少ないことから、大企業を中心とした窓口の在り方と、それ以外の中小企業の在り方は異なると考える。通報にきちんと対応できる仕組みを整備するという観点から考えれば、一律の対応を求めることは現実的には困難である。
    • 事業者の組織体系は企業規模などにより様々であるため、人事部門とは別の部門に内部公益通報受付窓口を設置することを明確に求めることは難しく、事業者の裁量を尊重すべきと考える。人事関係の通報窓口と内部公益通報受付窓口を同じ部門に設置するが、窓口自体は2つに分けるという考え方はあるかもしれないが、内部公益通報受付窓口を人事部門とは分けて設置することを義務にすることは難しいと考える。
    • 労働者の立場としては、人事部門に通報することに少し違和感があるようであり、内部公益通報受付窓口は人事部門とは別の部門に設置する方がよい。また、「平成28年度民間事業者における内部通報制度の実態調査報告書」によれば、内部通報窓口を社長等の経営トップが直轄するものとして設置している事業者が一定数存在するが、経営トップ直轄の内部公益通報受付窓口を設置することは避けるべきと考える。内部通報はハラスメント関係の通報がほとんどであるとの意見があったが、企業の基盤を揺るがすような深刻な公益通報があることを踏まえると、人事部門や経営トップ直轄の窓口の設置は避けるべきと考える。
    • ほとんどの内部通報はハラスメント関係や職場でのトラブルに関することであるが、通報の中には消費者に影響があるような事案もある。このような事案について人事部門の評価が気になって通報できなくなるということがあると、通報者の保護という法目的にそぐわないことに加え、企業の利益にもならないと考える。企業の自浄機能を働かせるには、窓口の独立性を確保し、通報者を保護しつつ、通報を適切に受け付ける体制を作る必要がある。
    • 企業規模によって難しい場合があることは理解するが、人事部門や社長直轄部署に内部公益通報受付窓口が設置されると、労働者側の立場としては、公益通報がしにくくなるということは当然であると考える。
    • 企業規模や実情に応じて人事部門や総務部門に受付窓口を設置している企業もあることから、人事部門とは別の部門に内部公益通報受付窓口を設置することの義務化は難しいと考える。他方、通報者が人事評価や人事異動への影響を懸念していることは確かである。人事部門や総務部門に窓口を設置するとしても、通報対応業務を行う担当者は限定し、人事評価に関係する職員と窓口業務を行う者の間でファイアウォールを設けるなどの対策を進めることが必要だと考える。
    • 公益通報だけを受け付ける窓口を設置することは難しいとしても、公益通報を受け付ける特別な窓口を設置していることは社内に周知する必要があると考える。
  • 組織の長等から独立性を有する内部公益通報対応の仕組みについて
    • 組織の長その他幹部から独立性を有する仕組みを設けるためには、組織の長などに関係する通報は監査役や監査等委員などに伝達すべきことについて研修等を行うことが必要になると考えられるため、この点は指針の解説の性質を有するもので示した方がよいと考える。
  • 公益通報に対する受付、調査及び是正措置の実施、再発防止策の策定について
    • 内部公益通報受付窓口における通報の受付、調査の開始、調査結果については通報者に通知するとともに、通知するまでの具体的な期間を示すべきと考える。EU指令では、通報から1週間以内に通報を受け付けたことの通知、通報から3か月以内に調査結果の通知が求められており、指針においても規定することが必要ではないか。
    • 資料には、正当な理由がある場合を除いて調査を実施すると記載されているが、「正当な理由」に該当する事項を具体的に記載する必要があると考える。また、繰り返される通報について、新たな証拠や事情がある場合には、それは是正措置がなされていないという証拠にもなるので、再度調査をする必要があると考える。したがって、どの場合に調査するのか、しないのかを具体的に指針で示す必要があるのではないか。
    • 実務に携わっている立場としては、法改正により刑事罰付きの守秘義務が課されたことから、今後、公益性と通報者に関する情報の秘匿を天秤にかける場面が発生すると考えている。刑事罰が、不利益な取扱いにではなく、通報者情報の漏えいに科されていることがポイントであり、公益通報対応業務従事者が、通報者情報の秘匿の方に価値があるのだと判断する可能性が非常に高いと考える。調査・是正措置の業務に当たる者に萎縮効果が働かないようにし、公益を保護するという観点から、公益性が高い案件については、通報者の意向にかかわらず調査が可能である場合もある旨を指針又は指針の解説の性質を有するものに記載する必要があると考える。
    • 公益性が高い通報について調査を進めようとしたときに、通報者が急に萎縮して、調査を望まない旨を伝えてくることがある。窓口担当者は調査の必要性を通報者に伝えても了解を得られないとき、調査を実施するか否かの判断を迫られる。企業としてはこれを放置することはできないが、通報内容を示して調査することが公益通報者を特定させる事項の漏えいに当たり刑事罰が科されることになると、窓口担当者が逡巡することが想定される。指針の解説の性質を有するものに、公益性が高い案件は通報者の意向にかかわらず調査することが可能である旨を明確に記載することで、法の趣旨を全うすることができると考える。
  • 匿名通報への対応について
    • 匿名通報に関して相談窓口の担当者が一番困るのが、通報者と連絡が取れなくなってしまうことである。通報者との連絡が取れないと、情報の交換ができなくなってしまうことから、通報者と相談窓口の担当者の双方向でデジタルに情報を伝達できる仕組みを具体的に示す必要があると考える。
    • 匿名通報者と連絡が取れなくなった場合に、通報内容がとても重要で調査しなくてはいけないかどうか悩んだときに、調査すべきなのかしなくてもよいのかという点についての考え方を指針の中で定めた方がよいのではないか。
  • 利益相反の排除について
    • 外部窓口を顧問弁護士に委託することは利益相反となるおそれがあるため、可能であれば避けるべきと考える。
    • 従来、顧問弁護士は、社長の直接のアドバイザーという立ち位置が多かったと思うが、近年、特に大企業では顧問弁護士も事案に応じて使い分けをされている。そのため、顧問弁護士という理由だけで、外部窓口の委託先として不適切と整理する必要はないと考える。
    • 利益相反があることが分かった段階で、その職員は調査などの業務から外すような措置をとる必要があると考える。
  • 公益通報対応業務従事者として定める者の範囲について
    • 刑事罰付きの守秘義務であることから、明確性の原則に基づき、公益通報対応業務従事者の範囲を明確にする必要があり、資料に記載の案で基本的に良いと考える。
    • 公益通報対応業務従事者の範囲としては、内部公益通報受付窓口の業務に従事する者、当該受付窓口の部署の責任者、コンプライアンス委員会の委員など、内部公益通報受付窓口とその「縦のライン」が考えられる。通報を受け付ける可能性がある各部署の上司を全て公益通報対応業務従事者として定める必要はないと考える。
    • 刑事罰が科されることにより事業者内の調査等が委縮することを懸念しており、刑事罰を科され得る範囲を広げてしまうと、調査・是正措置が行いにくくなる可能性が高くなると考える。公益通報対応業務従事者の範囲としては、内部公益通報受付窓口における業務に従事する者に局限をすることが妥当と考える。
    • 「本来、公益通報者を特定させる事項を伝達されることが予定されていなかったが、偶然伝達された」というケースにおいて、伝達された者を公益通報対応業務従事者として定めるべきかという点は、とても重要な論点だと思う。伝達されたことをもって、公益通報対応業務従事者として定めるという考え方では、公益通報対応業務従事者の範囲が無限定に広がってしまう可能性があると考えられる一方、伝えられることが当然予想れる場合には、初めから公益通報対応業務従事者として定める必要があるとも思う。
  • 秘密漏えいを防止する体制について
    • 公益通報者を特定させる事項を伝達されていなくても、調査に協力する過程で通報者が分かってしまうことがあり得る。資料に記載された案では、公益通報者を特定させる事項が伝達されていなければ公益通報対応業務従事者として定める必要がないことになるが、公益通報者を特定させる事項を伝達されずに臨時に調査の業務を行う者について、公益通報対応業務従事者ではないことから秘密漏えい防止体制の範ちゅうからも外れると考えるのは、適切ではない。公益通報対応業務従事者に当たらなくても、例えば拡散防止義務や探索禁止義務などは全ての従業員に適用されるということを、どこかで示したほうがよいのではないか。これに違反した場合には、刑事罰ではないが、悪質な場合には懲戒処分の対象となると考える。
    • 部下から法令違反の報告を受けた上司が公益通報対応業務従事者に当たらないのであれば、事業者が社内規程等により守秘義務を規定することを指針で規定する必要があると考える。
    • 通報者保護の観点からは、通報された内容について守秘義務があるというのは、当然の前提であり、現行のガイドラインにも記載されていることである。法改正により、公益通報対応業務従事者に対して刑事罰付きの守秘義務が課されたが、公益通報対応業務従事者でない者に対しては、刑事罰の対象ではないが守秘義務を課すべきであり、就業規則等で何らかの処分の対象となることを定めておく必要があると考える。
  • その他について
    • 現実においては、1号通報への対応が難しい中小企業も想定される。また、窓口が経営者に近いところにある場合は、通報者の権利などを守れないことも考えられる。こういった観点からは、規模の小さな企業としては、2号通報を充実することが重要と考える。
    • 事業者は、自浄作用を働かせるべく内部通報体制整備をしようとすべきである。2号通報に期待するところは大きいが、できるだけ事業者が内部で処理すべきであり、一義的には1号通報がされるように、制度設計していかなくてはいけないのではないか。

消費者庁 「新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン」の開設について
▼「新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン」の開設について
  • 独立行政法人国民生活センターでは、「新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン」を開設し、下記のとおり、フリーダイヤル(通話料無料)で、新型コロナワクチン詐欺に関する相談を受け付けることとしました。これにより、消費者被害の未然防止、拡大防止を図ってまいります。
  • 電話番号:0120-797 なくな -188 いやや <フリーダイヤル(通話料無料)>
    • 「050」から始まるIP電話からはお受けできません。
    • おかけ間違いにご注意ください。
  • 窓口開設日時:令和3年2月15日(月)
  • 相談受付時間:10時~16時<土日祝日含む>
  • 対象:新型コロナワクチン詐欺に関する消費者トラブル
  • 相談事例
    • 「新型コロナワクチンが接種できる。後日全額返金されるので10万円を振り込むように」との不審な電話がかかってきた。
  • 対象地域:全都道府県
  • 新型コロナワクチン詐欺に関する消費者トラブル以外は、最寄りの消費生活センター等をご案内する消費者ホットライン(188番)におかけください(通話料有料)。

消費者庁 第3回社会のデジタル化に対応した消費者教育に関する分科会
▼【資料1】生活者のメディア環境と情報意識
  • 生活者全般で見た場合、依然としてテレビの接触時間が144.2分と最長だが、2010年比では約30分程度減少。一方、スマホ(携帯)の接触時間は10年で5倍近く伸長し、テレビに近い水準(121.2分)に。
  • 週に1回以上の「メディア接触者」の比率を見ると、微減するもテレビ接触者は98.5%と依然として高い水準。また、スマホ(携帯)はこの10年で普及が進み、95.1%が利用している状況に。
  • 2010年段階では、男性20代をのぞく、ほぼすべての生活者においてテレビが接触最長時間メディア
  • 現在は若年層中心に多くの層でスマホが接触最長時間メディアとなっている。またすべての世代で、 2010年比でメディア接触総時間が増加している。
  • 「情報が信頼できる」メディアは、依然として 新聞・テレビなどマスメディアの比率が高い。
  • 若年層においても、「情報が信頼できる」メディアはスマホよりテレビの比率が高い。
  • この10年間で、メディア接触時間は60分以上の増加。
  • 近年、接する情報が多く、速くなりすぎて、困惑している生活者。インターネットは手軽に大量の情報へのアクセスを可能としたが、一方で「情報の信頼性」に関しては不信も広がっている
  • 生活者のメディア接触状況から見たコミュニケーション上のポイント
    • 生活者全般のメディア接触時間を見た場合、依然として接触時間が最も長いメディアは「テレビ(144.2分)」だが、近年は急速に「スマートフォン(121.2分)」の利用時間が増加している。
    • 生活者への到達率の観点から見ても、「テレビ(98.5%)」「スマートフォン(95.1%)」が90%超と高い。新聞・雑誌・PCも60%近い人が接触しているものの、この10年では減少傾向が見られる。
    • 2010年時点では、第一メディアはほぼ全ての世代が「テレビ」がであったが、2020年には、若年層(男性40代以下、女性30代以下)がスマートフォンを筆頭するデジタルメディアにシフト。
    • またメディア接触総時間は、全ての層で増加。スマホの普及に伴い、メディア接触時間が増殖した結果、大量の情報に戸惑う生活者も増加している。
    • またインターネット情報には、真偽の定まらない情報が混在していることも多くの人が理解しており、単純に露出機会・接点を得るだけでは、効果的なコミュニケーションと言い難い状況になっている。
  • スマホの利用目的としてはSNSが最も多く、70%の生活者が週3日以上利用している。次いで多いのは、無料動画(youtube など)、ゲーム、音楽、ショッピング。
  • SNS利用者のほぼ大半は LINE を利用。若年層は Twitter、特に女性は Instagram を利用。FBは中年層が利用の中心となっている。
  • SNSは、利用アプリによって使用目的が大きく異なる。
    • 【LINE】 家族・友人など、限定的な人との連絡ツール。
    • 【Facebook】 つながりを保ちたい知人との連絡ツール。
    • 【Twitter】 他者のつぶやきなどから情報入手。
    • 【Instagram】 趣味や買い物など自分の嗜好を視覚で。
  • SNSの閲覧率は男女共に10-20代が高く、男性20代は3割弱が併用。
  • 閲覧頻度は Twitter が最も高く、1回あたりの閲覧時間は youtube が最も高い。
  • 利用時間・頻度が増加しているSNSではあるが、利用する生活者の意識やモチベーションにより沿った方法を模索し、継続的な施策を実現する体制構築がポイント!情報過多時代に「ノイズにならない情報提供」を実現するアイデアと体制づくりを
▼【資料4】分科会取りまとめに向けて整理すべき事項(案)
  • 消費者はどのような内容を身に付けることが望ましいか
    • デジタル関連のトラブルの状況 ・ 身に付けることが望ましい内容 ⇒情報モラル、消費者トラブル回避、生活リズム
  • デジタル化に対応した消費者教育について、どのような主体によりどのような取組が実施されているか(現状の俯瞰)
    • 主体(官・民)
    • 対象(生徒、高齢者等)
    • 取組(教材作成、出前授業、SNS等による情報発信等)
  • 幼児期から高齢期までの幅広い消費者にデジタル化に対応した消費者教育を届ける上での課題と国として必要な対応
    • 常に最新の情報を届ける仕組みづくり ⇒消費者教育ポータルサイトでの最新トラブル事例等の発信等
    • 各種取組、官民の関係者間の連携 ⇒各種取組の把握と紹介、生活者・消費者教育に関する連携推進会議などを活用した関係省庁の連携強化等
    • 各世代への効果的な情報発信手法 ⇒第3回分科会以降のヒアリングも参考にしつつ議論

消費者庁 第12回デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会
▼【資料1】デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会 報告書案(事務局資料)
  1. 環境整備に当たっての基本的な考え方
    • デジタルプラットフォーム企業にとって、顧客である消費者が安全で安心できる取引環境を提供することは、競争力を確保していく上での最重要課題の一つであり、各デジタルプラットフォーム企業は、高度なデジタル技術の活用などの創意工夫によって、様々な消費者保護の取組を行っている。
    • 昨年8月には、各デジタルプラットフォーム企業の自主的な取組の強化等を目的として「オンラインマーケットプレイス協議会(JOMC) 」が設立され、同年12 月には加盟各社の「消費者保護のための自主的取組」が公開されるなど、消費者がより安心して取引できる環境整備に向けて、各デジタルプラットフォーム企業による取組の機運が更に高まっている。
    • 一方で、デジタルプラットフォームは、売主側と買主側のいわゆる「両面市場」を有するという特徴を有している。このため、各デジタルプラットフォーム企業 は、問題のある商品の削除や利用規約の変更等の消費者保護のための措置を行うに当たって、売主に対する契約上又は法的責任との関係から、一定の制約条件の下で対応せざるを得ない面もある。
    • また、デジタルプラットフォームの裾野は広く、今や様々な商品、役務、権利の取引に利用されているものが存在する。また、その特性上、急速に規模を拡大させることがあり、新規参入企業や海外に拠点を有する企業であっても、国民の消費生活に大きな影響力を有するものとなる可能性もある。
    • このように多様性のある市場であって、かつ、プレイヤーが必ずしも固定的でないことを踏まえると、先進的なデジタルプラットフォーム企業による取組が慣行として定着し市場全体に広がっていくことを期待するだけでなく、政策面での思い切ったテコ入れを図っていく必要がある。
    • すなわち、環境整備のための対応を講じるに当たっては、(1)自主的な取組を行 う各デジタルプラットフォーム企業が制約条件にとらわれることなく消費者保護のために真に必要な措置を躊躇なく講じられるように後押しすること、(2)各デジタルプラットフォーム企業による取組が市場全体において促進されるよう にすることを、その基本とすべきである。
  2. デジタルプラットフォーム企業の役割についての考え方
    • デジタルプラットフォームに関しては、透明化法 1第2条第1項において包括的な定義が行われており、これには、オンラインモール等のような「取引型」だけでなく、SNS 等の「非取引型」も含まれている。 このうち、「取引型」デジタルプラットフォームについては、消費者はこれを消費者取引の「場」として認識し、当該「場」が公正なものであると信頼して取引を行っていることを踏まえると、特に安全・安心が確保される必要性が高いと考えられる。
    • すき間のない対応を図っていくためにも、「取引型」デジタルプラットフォームであれば、規模や取引の対象(商品、役務、権利の別)によって区別を設けずに対象とすることが適当である。ただし、その際には、取引の実態や消費者保護として行われている取組の内容には多種多様なものが存在していることに留意する必要がある。
    • 一方で、「非取引型」デジタルプラットフォームについては、広告等による他のサイトへの誘引等を行う機能を有するものもあるが、消費者取引の「場」として提供されているわけではないことから、「取引型」デジタルプラットフォームと同列に扱うことは困難であると考えられる
    • 消費者被害の発生及び紛争解決の責任は、基本的には取引の当事者である売主が負うこととなる中で、「場」の提供者として消費者保護の取組を行うデジタルプラットフォーム企業の立場は一般に複雑なものであり、特にトラブルの内容が民事上の問題であって売主の責任についての判断が困難である場合等には、何を果たすべき役割とみるべきか、一概には論じ難い面もある。
    • デジタルプラットフォーム企業は、どのような規模・形態であれ、基本的には売主と買主の間の取引関係を支える「場」を提供することによって収益を上げていることに鑑みても、「場」の提供者として、少なくとも売主の行政規制違反について対応を求めることは、第1章で述べたようなコア(中核)となる考え方として許容され得るものと考えられる。
  3. 新規立法の必要性
    • デジタルプラットフォ ームを利用する消費者の保護のための環境整備に当たっては、 (1)売主の行政規制違反の防止及びこれによる被害救済のためにデジタルプラットフォーム企業が消費者保護の観点からの措置を講じることが必要となる場合について (2)デジタルプラットフォーム企業が躊躇なくそのような措置を講じられるよう、売主に対して負うこととなる契約上又は法的責任を軽減できるようにしつつ、(3)あらゆるデジタルプラットフォームにおいてそのような取組が確保されることを促進する ことを最優先課題とすべきであり、その対応のために必要な立法上の措置を講じるべきである。
  4. 新規立法において対応すべき課題
    • 課題1 違法な製品や事故のおそれのある商品等に関わる取引による重大な消費者被害の防止
    • 課題2 緊急時における生活必需品等の流通の確保
    • 課題3 一定の事案における取引の相手方の連絡先の開示を通じた紛争解決・被害回復のための基盤の確保
    • 課題4 デジタルプラットフォーム企業の自主的な取組の促進と取組状況の開示を促すようなインセンティブ設計等
    • 課題1及び課題3に関しては、売主が事業者である、すなわちBtoC 取引である場合には、売主である事業者がその名称・住所等を明らかにすべき責任が明確であることから、その義務が果たされていない場合について新規立法において対応することが適当である。あわせて、課題4の自主的な取組及び開示の促進の観点から、新規立法において、デジタルプラットフォーム企業が自主的取組を通して果たすべき役割を示すとともに、当該取組状況が開示されるような仕組みを設けることも適当であると考えられる。
    • いわゆるCtoC 取引については、売主が負うべき行政上の責任がないことから、デジタルプラットフォーム企業において、いかなる観点に依拠して、又はいかなる立場から、売主・買主の双方の消費者サイドに対して消費者保護のための取組を行うべきかは、必ずしも明確とはいえない。
    • また、課題2に関しては、売主は常に法的責任を負っているわけではない。仮に以前衛生マスクについて行われたように転売禁止等の法的責任が課せられるとしても、当該責任は、物流上のシステミックリスクへの対処の観点から行われるものであり、消費者保護の観点から売主が負う責任とは性質が異なる面がある。
  5. 新規立法の具体的内容等
    • 第一に、デジタル技術の活用等による消費者保護のための手法は日進月歩であり、最前線で対応を行うデジタルプラットフォーム企業に高度な技術及び知見が蓄積されていることから、デジタルプラットフォーム企業による柔軟な対応の余地を確保する必要がある。
    • 第二に、デジタルプラットフォーム企業は、出品者及び出品物の全てを管理・監視することは事実上不可能であることを踏まえ、リスクベースでの対応を確保することを主眼とすべきである。
    • 第三に、トラブルの防止及び解決の促進の実効性の向上のためには、買主自らの情報収集による技術進歩への対応や予防的措置の実施、国による売主に対する法執行や周知啓発等も不可欠であることから、国、消費者団体その他の各種団体との緊密な連携・協力が行われることを促進すべきである。
    • 第四に、我が国の消費者が国外に所在する企業により提供されるデジタルプラットフォームを利用する場合にも対応できるようにするなど、国内外のイコールフッティングを図る必要がある。
    • 取引デジタルプラットフォーム提供者は、その提供する「場」において行われる通信販売取引の適正の確保及び円滑な紛争の解決の促進のため、以下の措置を講じるよう努めるものとすること。
      • 販売業者等と消費者との間の円滑な連絡を確保するための措置を講じること。
      • 取引デジタルプラットフォームにおける販売条件等の表示に関し、消費者からの苦情に基づき調査その他の必要と認める措置を講じること。
      • 必要に応じて販売業者等に対し、当該販売業者等の所在地等の確認のための資料の提出等を求めること。
    • 取引デジタルプラットフォーム提供者は、努力義務として講じる上記の措置の概要等について開示するものとすること。
    • 内閣総理大臣は、上記の措置の適切かつ有効な実施に資するための指針を定めるものとすること。
    • 内閣総理大臣(消費者庁)は、取引デジタルプラットフォームにおける商品等の販売条件等の表示が以下の(1)及び(2)のいずれにも該当する場合、取引デジタルプラットフォーム提供者に対し、販売の停止その他の必要な措置をとることを要請することができるものとすること。
      • 次のイ又はロに掲げる事項について、著しい虚偽表示又は著しい優良・ 有利誤認表示が認められること。
        • 消費者が当該商品を使用する際の安全性に重大な影響を及ぼす事項
        • イのほか、商品等の性能又は内容に関する重要事項として内閣府令で定めるもの
    • 当該表示をした販売業者等が特定できない又はその所在が明らかでないことにより当該販売業者等が当該表示を是正することが期待できないこ と。
    • 当該要請に関し内閣総理大臣(消費者庁)が公表する仕組みを設けること。
    • 取引デジタルプラットフォーム提供者が当該要請に応じて措置を講じた場合において、当該措置により販売業者等に生じた損害については、これを免責すること。
    • 取引デジタルプラットフォームを利用する消費者は、内閣府令で定める一定の金額以上の金銭債権を行使するため確認の必要がある場合に限り、取引デジタルプラットフォーム提供者に対し、その通信販売取引の相手方である販売業者等に対する債権の行使のために必要な情報として内閣府令で定めるもの(名称、住所等)の開示を請求することができるものとすること。
    • ただし、消費者が販売業者等の信用棄損等の目的等を有する場合には、開示請求の対象外とすること。
    • 請求を行う消費者は、確認を必要とする情報及びその理由を明らかにしなければならないものとすること。
    • 開示をしようとする取引デジタルプラットフォーム提供者は、販売業者等と連絡することができない場合を除き、当該販売業者等の意見を聴かなければならないものとすること。
    • 取引デジタルプラットフォームにおける消費者保護のための取組の効果的かつ円滑な実施のため、内閣総理大臣(消費者庁)は、国の関係行政機関、独立行政法人、取引デジタルプラットフォーム提供者からなる団体、消費者団体等により構成される取引デジタルプラットフォーム官民協議会を組織すること。
    • 官民協議会は、必要な情報交換及び消費者保護のための取組に関する協議 を行うとともに、内閣総理大臣(消費者庁)に対し施策に関する意見を述べること。
    • 官民協議会の構成員は、当該協議の結果に基づき、必要な取組を行うものとすること。
    • 官民協議会の事務に従事する者又は従事していた者は、官民協議会の事務に関し知り得た秘密を漏らしてはならないものとし、これに違反した場合には罰則を科すこと。
    • 上記のほか、官民協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、官民協議会が定めるものとすること。
    • 何人も、取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、内閣総理大臣(消費者庁)に対し適当な措置をとるべきことを申し出ることができることとすること。
    • 内閣総理大臣(消費者庁)は、必要な調査を行い、申出の内容が事実であると認めるときは、適当な措置を講じるものとすること。
  6. 今後の検討課題
    • 売主が消費者であるか事業者であるか区別して対応することを前提とすると、売主が消費者である場合の情報の開示については、少なくとも、売主が事業者である場合とは異なる要件又は手続を設けることが必要となる。
    • しかしながら、開示請求の前提となる買主の金銭債権には、例えば第6章3で想定しているような違法・危険商品の販売が売主側の消費者によって行われ、これを誤認して購入し身体等に被害を受けた買主側の消費者が損害賠償請求を行う場合なども含まれ得ること等を考えると、開示請求とそれ以外の場面で、買主の消費者保護の必要性について、いわば異なる基準で整理をすることが適当かどうか、慎重な検討が必要と考えられる。
    • こうしたことから、デジタルプラットフォームを利用して CtoC 取引が行われる場合については、現時点で新規立法の内容に含めることとせず、まずは、売主及び買主の責任追及と保護のバランスやデジタルプラットフォーム企業による判断の在り方について、要件及び手続の両面から更なる検討を行っていくべきである。
    • 本検討会では、SNS を利用して行われる取引やデジタル広告、不正又は悪質なレビュー、パーソナルデータのプロファイリングに基づく表示等の課題について検討を行ってきたところである。これらの課題については、実態調査等を進めた上で、いかなる主体に対してどのような規律を設けることが消費者の安全・安心確保のために実効的であるか等についても、今後の検討事項とすべきである。
    • また、努力義務に基づく措置や措置の開示をするデジタルプラットフォーム企業に対するインセンティブとするためにも、真摯に取組を行うデジタルプラ ットフォームを消費者が適切に評価し、自主的かつ合理的にその利用を選択できるようにするための消費者教育について、国は今後積極的に実施すべきである。

【2021年1月】

内閣府 食生活に関する世論調査
  • 食品ロスについて
    1. 家庭における食品ロス削減の工夫
      • 家庭で食品ロスを発生させないように、どのような工夫をしているか聞いたところ、「食べ残しが出ないように心がけて食事している」を挙げた者の割合が62.8%と最も高く、以下、「買ってから日が経っていても、自身の判断で食べている」(51.0%)、「食材を捨てることがないよう、調理の仕方や献立を工夫している」(49.3%)などの順となっている。(複数回答、上位3項目)
    2. 賞味期限と消費期限の違いの認知度
      • 賞味期限とはおいしく食べることができる期限、消費期限とは食べても安全な期限である。賞味期限と消費期限の意味の違いを知っていたか聞いたところ、「知っていた」と答えた者の割合が87.5%、「言葉は知っていたが、違いは知らなかった」と答えた者の割合が9.3%、「知らなかった」と答えた者の割合が1.5%となっている。
    3. 賞味期限や消費期限を意識している食品
      • 日常の買い物で賞味期限や消費期限を意識している食品とはどのようなものか聞いたところ、「生鮮食品(肉・魚など日持ちしないもの)」を挙げた者の割合が86.9%と最も高く、以下、「加工食品(弁当・そうざい・牛乳など日持ちしないもの)」(77.6%)、「加工食品(レトルト食品・冷凍食品・清涼飲料水など日持ちするもの)」(26.2%)の順となっている。(複数回答)
      • 賞味期限や消費期限を意識している食品の購入
        • 賞味期限や消費期限を意識している食品に「生鮮食品(肉・魚など日持ちしないもの)」、「加工食品(弁当・そうざい・牛乳など日持ちしないもの)」、「加工食品(レトルト食品・冷凍食品・清涼飲料水など日持ちするもの)」を挙げた者(1,868人)に、賞味期限や消費期限を意識している食品を小売店でどのように購入しているか聞いたところ、「期限が短くても、商品棚の手前から購入している」と答えた者の割合が12.7%、「商品棚の奥から購入している」と答えた者の割合が68.9%、「特に意識せず購入している」と答えた者の割合が16.4%となっている。
    4. 賞味期限や消費期限が近い食品の購入
      • 日常の買い物で賞味期限や消費期限が近く値引きされた場合に、どのような食品を購入しているか聞いたところ、「生鮮食品(肉・魚など日持ちしないもの)」を挙げた者の割合が60.1%、「加工食品(弁当・そうざい・牛乳など日持ちしないもの)」を挙げた者の割合が59.2%と高く、以下、「加工食品(レトルト食品・冷凍食品・清涼飲料水など日持ちするもの)」(34.0%)の順となっている。なお、「購入しない」と答えた者の割合が11.7%となっている。(複数回答)
      • 賞味期限や消費期限が近い食品を購入しない理由
        • 賞味期限や消費期限が近く値引きされた食品を「購入しない」と答えた者(231人)に、賞味期限や消費期限が近く値引きされた食品を購入しない理由は何か聞いたところ、「期限内に食べる可能性が低いから」を挙げた者の割合が58.9%、「鮮度が落ちていそうだから」を挙げた者の割合が49.4%、「安全面に不安があるから」を挙げた者の割合が40.7%と高く、以下、「味が落ちていそうだから」(23.8%)などの順となっている。(複数回答、上位4項目)(図6、表6(CSV形式:2KB))
    5. 小売店における欠品に対する意識
      • 日常の買い物をしている小売店において、普段購入している食品に欠品が生じていた場合に、どのように思うか聞いたところ、「仕方ないと思う」と答えた者の割合が74.9%、「不満に思う」と答えた者の割合が24.7%となっている。
      • 食品ロス削減に取り組む小売店における欠品に対する意識
        • 小売店における欠品に「不満に思う」と答えた者(486人)に、食品ロスにならないよう在庫を抱えないために食品に欠品が生じていた場合に、どのように思うか聞いたところ、「仕方ないと思う」とする者の割合が57.0%(「仕方ないと思う」21.2%+「どちらかといえば仕方ないと思う」35.8%)、「不満に思う」とする者の割合が42.2%(「どちらかといえば不満に思う」29.8%+「不満に思う」12.3%)となっている。
    6. 欠品と類似の食品の購入の有無
      • 日常の買い物をしている小売店において、購入したい食品に欠品があった場合に、類似の食品を購入するか聞いたところ、「購入する」と答えた者の割合が35.0%、「購入しない」と答えた者の割合が24.1%、「別の日に同じものを購入する」と答えた者の割合が23.5%、「別の小売店に同じものを購入に行く」と答えた者の割合が15.7%となっている。
    7. 食品ロス削減に取り組む小売店における購入に対する意識
      • 食品ロス削減に取り組む小売店が扱う食品を購入しようと思うか聞いたところ、「購入しようと思う」とする者の割合が86.4%(「購入しようと思う」39.4%+「どちらかといえば購入しようと思う」47.0%)、「購入しようと思わない」とする者の割合が12.6%(「どちらかといえば購入しようと思わない」8.5%+「購入しようと思わない」4.1%)となっている。
    8. フードシェアリングの利用に対する意識
      • 食品ロス削減のために小売店で発生した見切り品や飲食店の予約のキャンセルなどで余った食材を、本来の価格より割安に販売するフードシェアリングサービスを今後利用したいと思うか聞いたところ、「これまでも利用したことがあり、今後も利用したいと思う」と答えた者の割合が31.6%、「これまでに利用したことはあるが、今後は利用したいとは思わない」と答えた者の割合が1.5%、「これまで利用したことはないが、今後は利用したいと思う」と答えた者の割合が50.3%、「これまでに利用したことはなく、今後も利用したいとは思わない」と答えた者の割合が14.1%となっている。
  • 食育について
    1. 自然の恩恵や食の生産活動への感謝を感じることの有無
      • 普段口にする食材や食事から、自然の恩恵や農業・漁業・畜産業の生産現場の食に関わる人々の様々な活動を思い浮かべ、感謝の念を感じることはあるか聞いたところ、「感じることがある」とする者の割合が95.5%(「よく感じることがある」35.3%+「ときどき感じることがある」36.0%+「たまに感じることがある」24.2%)、「全く感じない」と答えた者の割合が4.5%となっている。
      • 自然の恩恵や食の生産活動への感謝を感じるとき
        • 自然の恩恵や食の生産活動への感謝を感じることの有無に「よく感じることがある」、「ときどき感じることがある」、「たまに感じることがある」と答えた者(1,878人)に、自然の恩恵や農業・漁業・畜産業の生産現場の食に関わる人々の様々な活動に感謝の念を感じるのは、どのようなときか聞いたところ、「旬の食材や季節を感じる料理を食べたとき」を挙げた者の割合が70.2%と最も高く、以下、「美味しい食材や料理を食べたとき」(59.1%)、「食材について説明を受けたり、パッケージの表示などで産地や生産者を知ったとき」(42.5%)、「一緒に食べている人と食材に関する会話をしたとき」(34.1%)などの順となっている。(複数回答、上位4項目)
    2. 共食のメリット
      • 共食とは、自宅、外食を問わず、家族や友人、職場の人や地域の人など、誰かと一緒に食事をすることである。一方、孤食とは、一人で食事をすることである。共食について、孤食と比べてどのような点をメリットとして感じているか聞いたところ、「会話やコミュニケーションが増えること」を挙げた者の割合が84.2%と最も高く、以下、「食事が美味しく、楽しく感じられること」(73.0%)、「知識・話題が増えること」(37.8%)、「ストレス解消に繋がること」(33.1%)などの順となっている。(複数回答、上位4項目)
    3. 国が推進すべき共食の内容
      • 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための「新しい生活様式」の実践をした上で、国はどのような共食の推進に力を入れていけばよいと思うか聞いたところ、「屋外での共食」を挙げた者の割合が49.8%と最も高く、以下、「テレワークなどの働き方改革の推進による家庭での共食」(39.0%)、「農林漁業体験をセットにした共食」(23.5%)、「地域や職場などのコミュニティーの共食」(22.3%)などの順となっている。(複数回答、上位4項目)
  • 米の消費について
    • 米を購入するときに重視する要素
      • 米を購入するときに、どのような要素を重視するか聞いたところ、「価格」を挙げた者の割合が63.7%と最も高く、以下、「産地」(56.3%)、「品種」(52.7%)などの順となっている。なお、「米をほとんど購入しない」と答えた者の割合が10.0%となっている。(複数回答、上位3項目)
      • 米を購入しない理由
        • 米を購入するときに重視する要素に「米をほとんど購入しない」と答えた者(196人)に、米を購入しない理由は何か聞いたところ、「外食や中食が多いから」を挙げた者の割合が7.7%、「調理(炊飯)に時間がかかるから」を挙げた者の割合が3.6%、「食べると太ると思うから」を挙げた者の割合が2.0%、「保存が大変だから」を挙げた者の割合が2.0%、「買い物が大変だから」を挙げた者の割合が1.5%、「価格が高いから」を挙げた者の割合が0.5%、「栽培方法に不安があるから」を挙げた者の割合が0.5%の順となっている。なお、「その他」を挙げた者の割合が86.2%となっており、その内容として「米を作っている」、「米をもらっている」などの回答となっている。(複数回答)
    • 新型コロナウイルス感染症発生前後の米の消費の変化
      • 新型コロナウイルス感染症発生前と比べて、現在のあなたの米の消費はどのように変化したか聞いたところ、「増加した」と答えた者の割合が17.9%、「減少した」と答えた者の割合が4.0%、「変わらない」と答えた者の割合が77.4%となっている。
      • 米の消費が増加した理由
        • 新型コロナウイルス感染症発生前後の米の消費の変化に「増加した」と答えた者(352人)に、米の消費が増加した理由は何か聞いたところ、「家庭において、炊飯などの米を使った調理の機会が増えたから」を挙げた者の割合が85.5%と最も高く、以下、「お弁当やおにぎりなど米を使った中食の回数が増えたから」(31.0%)、「米に限らず、そもそも食べる量が増えたから」(25.3%)などの順となっている。(複数回答、上位3項目)
      • 米の消費が減少した理由
        • 新型コロナウイルス感染症発生前後の米の消費の変化に「減少した」と答えた者(79人)に、米の消費が減少した理由は何か聞いたところ、「米に限らず、そもそも食べる量が減ったから」を挙げた者の割合が48.1%、「パンや麺類などを食べる機会が増えたから」を挙げた者の割合が38.0%、「家庭において、炊飯などの米を使った調理の機会が減ったから」を挙げた者の割合が27.8%などの順となっている。(複数回答、上位3項目)

消費者庁 緊急時の消費者行動についての資料を掲載しました
▼【概要】緊急時における消費者行動について
  • 新型コロナウイルス感染症拡大時(緊急時)の消費者行動
    • 日本国内では令和2年1月以降新型コロナウイルス感染症が拡大し、4月7日には、緊急事態宣言も発令された。このような中、消費者が正確な情報を入手できず、新型コロナウイルス感染症や日用品等に関する不確かな情報をそのまま拡散させてしまう、不確かな情報に影響を受けて物資の買いだめをしてしまうといった消費者行動を行う 、あるいは新型コロナウイルスに便乗した悪質商法が発生するなど消費生活上も様々な問題が生じた。
    • 消費者教育の推進に関する法律第3条においても非常時に消費者が合理的に行動できるよう、知識と理解を深めることが重要とされているところ、消費者庁においてアンケート調査を実施するとともに、10月19日の第28回消費者教育推進会議でも議論を行った。一連の調査・議論を踏まえ、消費者教育を中心として必要と考えられる対応について整理した。
  • 消費者教育を中心として必要と考えられる対応
    • 正確で分かりやすい情報発信
      • 商品の供給情報や悪質商法の事例、相談窓口等について、国や事業者団体等からタイムリーな情報発信。(身近な地方公共団体からの消費者への積極的な発信も期待)
      • 適切な情報を多様な消費者に届けるための手法の検討。
    • 消費者教育による平時からの備え
      • 正しい情報を見極め、適切に行動する能力の育成(情報リテラシー教育)。
      • 生活必需品の管理などの知識・能力の向上、物資の備蓄や緊急時のマニュアルの確認等の促進。
      • 不確かな情報を受け取った際、相談窓口への連絡を行うといった行動に移すことの重要性の啓発。
    • 消費者と事業者の信頼関係が失われないための取組
      • 意見を伝える際の適切な伝え方や、行き過ぎた言動の例を示すなどして消費者に対し注意を促す。
      • 消費者市民社会の考え方やエシカル消費について普及・啓発。消費者のエシカル消費の取組と、事業者の消費者志向経営の取組が両輪となり、消費者と事業者が、連携・協働するパートナーへ。
        ※適正な消費者の声を抑制することのないよう配慮が必要。
        ※事業者側の雇用管理の観点からの取組も必要。

消費者庁 緊急事態宣言発令中! 悪質商法等にくれぐれもご注意ください
  • 感染拡大を防ぐためには、「新しい生活様式」の定着や感染リスクが高まる「5つの場面」の回避が必要です。また、巣ごもり消費に乗じた悪質商法等が増える懸念があります。くれぐれもご注意ください。
    1. 行政機関等の“なりすまし”
      • コロナ関連の給付金に必要だとして金銭をだまし取ろうとする「給付金詐欺」や、金融機関や大手企業を名乗りメールで登録情報の変更を促して個人情報を聞きだそうとする「フィッシング詐欺」が発生しています。
      • ⇒電話・メールの差出人を十分確認しましょう。
    2. 身に覚えのない商品の送り付け
      • 身に覚えのないマスク等の商品が送り付けられるトラブルが発生しています。
      • ⇒慌てて事業者に連絡したりせず、使用せずに保管し、14日間経ってから処分しましょう。
    3. インターネット通販トラブル
      • 「インターネットで注文した商品が届かない」「お試しと思ったら定期購入だった」等のトラブルが発生しています。不正に個人情報を抜き取る悪質な偽ショッピングサイトもあります。
      • ⇒サイトのURLや規約等を十分確認しましょう。
    4. SNSを通じた悪質商法トラブル
      • 「コロナの影響で収入が減ったので、副業を探し、情報商材を購入したがだまされた」といった相談があります。
      • ⇒SNSを通じたもうけ話にはご用心。
    5. コロナへの予防効果を標ぼうする不当表示
      • 現時点では、新型コロナウイルスの予防商品に客観性・合理性は確認されていません。

消費者庁 第3回 公益通報者保護法に基づく指針等に関する検討会(2020年12月23日)
▼資料2 これまでの検討を踏まえて現時点において考えられる方向性
  1. 公益通報への対応体制について
    • 公益通報受付窓口の設置
      • 事業者において、1号通報を部門横断的に受け付ける窓口(以下、仮に「内部公益通報受付窓口」という。)の設置や、当該窓口に寄せられた1号通報について調査、是正措置及び再発防止策をとる部署及び責任者を定める。
      • 役職員から寄せられる内部公益通報対応体制の仕組み、不利益な取扱いに関する質問・相談にも対応する。
      • 組織の長その他幹部から独立性を有する内部公益通報受付窓口を設置し、調査を行い、是正措置及び再発防止策の策定を行う仕組みを整備する
      • 内部公益通報受付窓口が他の窓口(ハラスメント窓口等)と兼ねること、不正競争防止法等の特定の法令の違反のみ受け付ける窓口を設置することを可能とすることの是非。
      • 人事部門とは別の部門に設置することを求めることの是非。
      • 不利益な取扱いに関する質問・相談について内部公益通報受付窓口で対応することを求めることの是非。
      • 独立性を有する仕組みの例として、外部窓口の設置のほか、監査役や監査等委員などに報告する仕組みを設ける、独立性を有する者からモニタリングを受けながら調査等の対応を行う等の具体的な方法を例示することの是非。
      • 小規模事業者についても、経営者の影響力が強い等の事情により、外部窓口を設置する必要性が高いという考え方を示すことの是非。
    • 公益通報に対する受付、調査及び是正措置の実施、再発防止策の策定
      • 内部公益通報受付窓口において、1号通報(匿名通報を含む)を受け付け、正当な理由がある場合を除いて、調査を実施する。
      • 調査の結果、通報対象事実に係る法令違反が明らかになった場合には、速やかに是正措置及び再発防止策をとるほか、是正措置及び再発防止策が適切に機能しているかを確認する措置をとる。
      • 書面による1号通報に対しては、是正措置をとったときはその旨を、当該1号通報に係る通報対象事実がないときはその旨を、適正な業務の遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、当該1号通報をした者に対し、遅滞なく通知する。
      • 匿名通報への対応方法の具体例を示すことの是非。
      • 案件が解決したか否かの判断が難しく、新たな事実や証拠がある場合には調査をする必要が生じ得ることや、公益性が高い案件については公益通報者の意向にかかわらず調査が可能である場合もあること、解決内容が公益通報者が望むものと一致しないことのみでは再調査の理由にはならない等の考え方を示すことの是非。
      • 是正措置及び再発防止策が十分に機能しているかを確認する措置の具体例として、一定期間違反行為が継続していないことの確認や、定期的なフォローアップだけではなく、事案の重大性の程度に応じて、法令違反が再発した際に申し出るよう公益通報者に伝えるなどの方法を示すことの是非。
      • 通知の具体例として、全社的な再発防止策の実行状況を監査室などがモニタリングする際に、その状況を社員に周知する方法を示すことの是非。
    • 通報対応における利益相反の排除
      • 内部公益通報受付窓口において受け付ける1号通報に対し、受付、調査、是正措置、再発防止策の策定のいずれかの業務を行う者(外部委託する場合も含む)について、利益相反を排除する措置をとる。ただし、再発防止策の策定等において、(外形的に関係し得る場合であっても)関与の必要性があり、公正さに支障が生じない事情がある場合には関与させることができる。
      • 利益相反となる場合を明確にするため、利益相反となり得る一定の類型(通報対象事実との関係での利益相反等)を示すことの是非。
      • 受付時に事案の全体像が判然としない場合など、事前に利益相反関係が明らかではない場合には、判明した時点において排除する措置をとれば足りるとの考え方を示すことの是非。
  2. その他公益通報対応を機能させる体制について
    • 不利益な取扱いを防止する体制
      • 事業者の役職員が、1号通報をした者に対して、1号通報をしたことを理由として不利益な取扱いを行うことを防ぐための措置をとる。
      • 不利益な取扱いがあった場合には、適切な救済・回復の措置をとる。また、公益通報者が不利益な取扱いを受けていないか把握できる措置をとる。
      • 不利益な取扱いを行った者に対して、行為態様、被害の程度、その他情状等の諸般の事情を考慮して、懲戒処分その他適切な措置をとる。
      • 公益通報者が不利益な取扱いを受けていないか把握する措置の具体例として、公益通報受付窓口等において不利益な取扱いへの相談体制を設けること、内部公益通報受付窓口を所管する部署において公益通報者に対し不利益な取扱いを受けた場合には申し出るよう伝える等の方法を示すことの是非。
    • 以上の公益通報対応の仕組みを適切に機能させるための措置
      • 1号通報を活用して法令遵守を実現するための体制及び公益通報者を保護する体制については、内部規程として定め、また、当該規程の定めに従って運用する。
      • 公益通報者保護法及び内部公益通報対応体制について、役職員及び退職者に教育・周知を行う。
      • 公益通報対応業務従事者(以下「従事者」ともいう)に対しては、公益通報者を特定させる事項に関する情報の取扱いについて、特に十分に教育・訓練を行う。
      • 内部公益通報受付窓口に寄せられた1号通報に関する運用実績の概要の開示、1号通報の対応に関する記録の作成・保管、内部公益通報対応体制の評価・点検を定期的に実施し、必要に応じて改善を行う。
      • 教育・周知の具体例として、社内研修(階層別研修等)、広報物の配布等の方法を示すことの是非。
      • 公益通報を受け得る上司等に対しても、公益通報の取扱いについて教育することを求めることの是非。
      • 公益通報者保護法の周知にあたっては、「公益通報」に該当するか否かの判別の困難性に留意すべきこと、行政機関も通報先であることを示すよう求めることの是非。
      • 教育訓練の実効性を高めるために、その実施状況を管理することが重要である旨の考え方を示すことの是非。
  3. 公益通報対応業務従事者・秘密漏えい11を防止する体制について
    1. 公益通報対応業務従事者として定めなければならない者の範囲
      • 以下の全ての要件を満たす者を、従事者として定めるよう求めるという考え方はどうか。
        • 内部公益通報受付窓口において受け付ける1号通報に対して12、受付、調査、是正措置、再発防止策の策定のいずれかの業務を行う者
        • 上記の業務に際して公益通報者を特定させる事項を伝達される者
      • 臨時に上記調査、是正措置、再発防止策の策定の業務を行う者については、常時に従事者として定めるのではなく、臨時に必要になった際に定める。
      • 臨時の従事者への教育訓練の在り方について、具体例を示すことの是非。
    2. 従事者を定める方法
      • 従事者の地位に就くことが従事者となる者自身に明らかとなる方法により、従事者として定める。
      • 部署や役職で定める等の、定め方の具体的な方法を例示することの是非。
      • 従事者以外の者に明らかとなる方法により定めることまで求めないことの是非。
      • 従事者を外部委託する際の従事者の定め方の具体的な方法を例示することの是非。
    3. 秘密漏えいを防止する体制
      • 上司を含む1号通報を受ける者が、公益通報者を特定させる事項について、1号通報の受付、調査、是正措置、再発防止策の策定等の全ての段階において、必要最小限の範囲を超えて情報共有することを防ぐための措置をとる。また、秘密漏えいがあった場合には、適切な救済・回復の措置をとる。
      • やむを得ない場合を除いて、公益通報者が誰であるか特定しようとする行為(通報者の探索)を行わせない措置をとる。
      • 秘密漏えいを行った者に対して、行為態様、被害の程度、その他情状等の諸般の事情を考慮して、懲戒処分その他適切な措置をとる。
      • 必要最小限の範囲を超えて情報共有することを防ぐための措置の具体例として、社内規程において明示的に禁止すること、情報の保管方法やアクセス権の限定をすること等の方法を示すことの是非。

消費者庁 新型コロナウイルスの抗体検査キットの販売事業者6社に対する行政指導について
  • 消費者庁は、新型コロナウイルスの抗体検査キットの表示に関し、景品表示法に違反(同法第5条第1号(優良誤認表示)に該当)するおそれがあることから、6事業者に対し、再発防止等の指導を行いました。また、SNSを通じて一般消費者等への注意喚起を行いました。
  • 今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、自分が現在、新型コロナウイルスに感染しているかどうかの判定への一般消費者の関心が高まっています。
  • 現在流通している新型コロナウイルスの抗体検査キットについては、「わずか15分!高精度・新型コロナウイルス判定」や、「PCR法では難しいとされる感染初期での判別も可能」等の表示が行われていることがありますが、抗体検査は、新型コロナウイルス感染によって産生される抗体の有無を判定する用途に用いられるものであって、使用することによって、現在、新型コロナウイルスに感染しているかどうかを判定できるものではありません。
  • これらのことを踏まえ、消費者庁は、あたかも、当該抗体検査キットを使用することにより、現在、新型コロナウイルスに感染しているか否かが判定できるかのように示す表示によって、一般消費者が新型コロナウイルスの抗体検査キットの効果について著しく優良であると誤認し、ウイルスの感染予防について誤った対応をしてしまうことを防止する観点から、行政指導の対象となった事例の概要を公表いたします。なお、新型コロナウイルスの抗体検査については、厚生労働省において見解が示されておりますのでご参照ください。
  • 消費者庁では、引き続き、不当表示に対する継続的な監視を実施し、法に基づく適切な措置を講じてまいります。
  • 行政指導の対象となった事例の概要
    • 表示の概要
      • 新型コロナウイルスの抗体検査キットを一般消費者に販売するに当たり、自社ウェブサイトにおいて、例えば、以下のように表示することにより、あたかも、当該抗体検査キットを使用することにより、現在、新型コロナウイルスに感染しているか否かの判定ができるかのように示す表示をしていた。
      • わずか15分!高精度・新型コロナウイルス判定
      • PCR法では難しいとされる感染初期での判別も可能
      • 10分で新型コロナウイルス感染の有無を目視で簡単に判定できます。
      • 「検査結果目安」、「IgG(-)IgM(-)非感染者または抗体が出来ていない」及び「IgG(-)IgM(+)感染能力ありの可能性が否定できない」
      • IgM抗体が「陽性」で、IgG抗体も「陽性」の場合新型コロナウイルスに感染しており、現在感染活動期であると考えられます。
      • 「M」に線が出ている場合、IgM抗体が陽性です。新型コロナウィルスに感染し初期段階であると考えられ、感染している可能性があります。
      • 陽性反応 感染中でウイルス所持の疑い
    • 実際
      • 実際には、新型コロナウイルスの抗体検査キットは、使用することにより、現在、新型コロナウイルスに感染しているか否かを判定できるものではない。
    • 令和2年12月24日時点版厚生労働省ホームページ・新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)(抜粋)
      • 5症状がある場合の相談や新型コロナウイルス感染症に対する医療について問7新型コロナウイルスに感染すると抗体・免疫ができるのですか。抗体検査について注意すべき点はありますか。
      • 麻しん(はしか)等のウイルス感染症では、感染後に体内でそのウイルスに対して抗体という特殊なたんぱく質が作られ、その感染症に対する免疫が得られる(その感染症に再度かかりにくくなったり、かかっても症状が軽くなったりするようになる)ことが知られています。
      • 新型コロナウイルスに感染した人の体内でも、新型コロナウイルスに対する抗体が作られることが知られていますが、どのくらいの割合の人で抗体が作られるのか、その抗体が感染後どのくらいの時期から作られ、その後どのくらい持続するのか、それにより新型コロナウイルスに対する免疫が獲得できるのかは、現時点では明らかになっていません。従って、一度新型コロナウイルスに感染した方であっても、再度感染する可能性は否定できませんので、引き続き適切な行動をとっていただくようお願いします。
      • また、上記のことから、新型コロナウイルスへの抗体を持っていないことが分かっても、そこから現在新型コロナウイルスに感染していない、あるいは過去に感染したことがないと判断することはできません。

消費者庁 第39回インターネット消費者取引連絡会(2020年12月17日)
▼資料1 フードデリバリーサービスの動向整理
  • フードデリバリーサービスについて
    • PCやスマートフォンを通じて、オンラインで料理を注文し、配達を得るフードデリバリーサービスの利用が増えている。
    • 飲食店やピザ屋等が注文を受け付け、飲食店等の店員が配達するサービスは従来から存在している(自店注文配達型)。これらの形態でも、これまでの電話での注文に加えてPCやスマートフォンを通じた注文が可能になっている。
    • 近年は、飲食店等以外のプラットフォーム事業者が、飲食店を集めて注文を取り次ぐサービス(マーケットプレイス型)や、注文の取り次ぎに加えて配達も代行するサービス(注文・配達代行型)が提供されている。
    • 注文・配達代行型には自社配達員が配達を行うもの、個人事業者等が配達を行うものがある。
      • またこれらマーケットプレイス型、注文・配達代行型の両者とも取り扱うハイブリッド型のプラットフォーム事業者もある。
      • 本調査では、飲食店等以外の第三者となるプラットフォーム事業者(フードデリバリープラットフォーム事業者)が介在するマーケットプレイス型、注文・配達代行型を特に取り上げて調査した。
  • 外食産業は1997年をピークに減少していたが、2012年から増加傾向。中食産業の市場規模は増加傾向で推移。2019年の市場規模は7.3兆円。
  • レストラン業態(小売店、自販機、社員食堂、学生食堂を除く。宅配ピザを含む)における出前市場は、2018年に4,084億円に成長。うち約44%を主要出前7サービスが占める。
  • 日本の消費者向けフードサービス市場においてホームデリバリーが占める比率は、2014年の2.0%から2019年には3.1%に増加。米国でホームデリバリーが占める比率は日本の2倍以上となる6.9%(2019年)。
  • 2020年11月時点で、39.7%がフードデリバリーサービスの利用経験*を有する。うち、5.0%は新型コロナウイルス感染拡大後にはじめて利用。若い年代ほど利用経験者が多い。20代(46.8%)、30代(46.4%)の利用経験率は半数近くになっている。
  • 1都3県に居住する、この1年間にフードデリバリーサービスを利用した者のうち、1/4が月に1回程度以上利用する一方、約半数は半年に1回以下の利用(2018年5月時点)。フードデリバリーサービス(宅配、出前)では「ピザ・パスタ」(83.8%)、「寿司」(38.5%)をオーダーしている者が多い。
  • フードデリバリー利用時に懸念すること、不便なことでは「配達料金が高い」(30.6%)、「配達エリアが限られる」(23.0%)が多く挙げられている。「特に気になるものはない」は30.5%。配達品質に関係する「配達員に対する信頼性」、「デリバリー時の品質管理」はともに14.2%。食品の安全性に関係する「食品の安全面」、「置き配時の衛生面」は1割程度。
  • フードデリバリーサービスに特化した法令はないが、ECと同様、フードデリバリーサービスに出店する飲食店は、景品表示法の事業者、特定商取引法上の販売業者又は役務提供事業者に当たることが一般的と考えられる。特定商取引法により、通信販売における広告の表示事項、誇大広告等の禁止が定められている。
  • 新型コロナウイルス感染症の流行拡大を受け、飲食店が、新たに持ち帰り(テイクアウト)や宅配(出前)等のサービスを開始する事例が増えている状況の中、2020年5月8日、厚生労働省では、これからの季節の気温や湿度の上昇により食中毒のリスクが高まることから、一般的衛生管理の徹底に加え、以下の事項について留意して実施するとともに消費者に対しても、これらの食品は速やかに喫食するよう注意喚起するよう求めている。
    • 持ち帰りや宅配等にしたメニューを選定すること(鮮魚介類等の生ものの提供は避けるなど)
    • 施設設備の規模に応じた提供食数とすること
    • 加熱が必要な食品は、中心部まで十分に加熱すること
    • 調理済みの食品は、食中毒菌の発育至適温度帯(約20℃~50℃)に置かれる時間が極力短くなるよう、適切な温度管理(10℃以下又は65℃以上での保存)を行うこと(例)小分けによる速やかな放冷、持ち帰り時の保冷剤の使用、保冷・保温ボックスによる配達など
    • 消費者に対して速やかに喫食するよう口頭やシールの貼付等により情報提供すること
  • 世界におけるホームデリバリーの市場規模は拡大しており、2019年には2014年の2.1倍の2,181億ドルとなった。2019年の国別の市場規模は、中国が679億ドル、米国が416億ドル、イギリスが94億ドル、日本が64億ドル、フランスが36億ドルである。
  • フードデリバリープラットフォーム事業者の取組例(事業者やサービス内容等により異なる)
    • 注文者の確認有効なメールアドレス、携帯電話番号を登録
    • 出店者の確認・審査一定以上のメニュー数の提供があるか等を確認・必要な営業許可等(飲食店営業許可証、酒類を販売する場合には酒類販売業免許)を有しているか確認
    • 写真・表示の確認等店舗名、住所等が営業許可証等と合致しているか確認・出店者によるメニューの写真、説明等がプラットフォームの定めるルールに則っているか確認・出店者の特定商取引法に基づく表示を統一フォーマットで表示
    • 注文確認メールの送付注文者に注文確認メールを送付。確認メールには店舗等の連絡先情報を記載。
    • 配達員の品質管理配達員の身分証明書を確認。一定の要件を満たしていることを確認(国内での就労が可能か等)・配達車両持ち込みの場合、運転免許証、ナンバープレート写真(軽自動車、125cc超のバイクでは事業用ナンバープレート)、自賠責保険等の証明書等を確認。・新規に採用した配達員に対する研修の実施。交通安全講習、食品安全講習等の実施・配達員への情報提供(事故情報、新型コロナウイルス対策、等)
    • ピックアップ、受渡時の商品確認料理を配達員に渡すときに、注文番号、配達員名等を店舗が確認・料理を受け取るときに、商品名、数量等を店舗と配達員が相互に確認・注文者に料理を渡すときに配達員が商品名を声に出して確認
    • 配達時の食品管理配達バッグの衛生状態の確認、消毒・適切な温度環境の維持(保冷剤等の使用等)
    • 出店者への連絡機能注文時に、出店者に伝えたい情報(アレルギー、配達先の詳細な情報、等)を連絡できる機能を提供
    • 配達状況の確認・連絡アプリを通じて配達状況を確認可能な機能を提供・電話番号等を知られることなく、注文者から配達員に連絡できる機能を提供
    • 問い合わせ窓口を設置配達員の交通マナー等、利用者以外からの問い合わせも受け付ける窓口を設置
    • 評価システム配達完了後、出店者等の評価システムを導入

消費者庁 将来の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示に対する執行方針(案)に関する意見募集の結果の公示及び同執行方針の成案の公表について
▼別紙3 将来の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示に対する執行方針(概要)
  • 将来の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示(基本的な考え方)
    • 表示時点で未だ現実のものとなっておらず、将来の需給状況等の不確定な事情に応じて変動し得るものであり、(過去の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示と比較して、)表示方法自体に、表示と実際の販売価格が異なることにつながるおそれが内在しているといわざるを得ない
    • 販売することが確かな場合(需給状況等が変化しても販売することとしている場合など)以外、基本的に行うべきではない
  • 景品表示法上の考え方
    • 有利誤認表示となるおそれ → 比較対照価格とされた将来の販売価格で販売する確実な予定を有していない場合
    • 「比較対照価格とされた将来の販売価格で販売する」→ 一般的な販売活動において販売すること(比較対照価格の根拠を形式的に整える手段である場合は該当しない)
    • 「確実な予定」を有している → 合理的かつ確実に実施される販売計画をセール期間を通じて有していること
  • 考慮事項
    • 比較対照価格とされた将来の販売価格で実際に販売している場合は、通常、合理的かつ確実に実施される販売計画に基づいて販売しているものであると推測される
    • 特段の事情が存在しないにもかかわらず、当該将来の販売価格で販売していない場合には、通常、合理的かつ確実に実施する販売計画を有していないと推認される
    • 表示開始時点から有利誤認表示であるものとして取り扱う(消費者庁による景品表示法適用において考慮)
    • 合理的かつ確実に実施する販売計画を有していたことを示す資料やデータを有し、特段の事情が存在する等の場合には合理的かつ確実に実施する販売計画を有していなかったことは推認されない
    • 有利誤認表示であるものとして取り扱うことはない
    • 「特段の事情が存在する」と認められる → 販売できなくなったことが事業者の責に帰することができない不可抗力を原因とする場合を例示
    • 「特段の事情が存在する」とは認められない → 合理的に予見できないものであったとはいえない場合を例示
  • 将来の販売価格での販売期間
    • 特段の事情が存在しないにもかかわらず、将来の販売価格で販売したのがごく短期間であった場合には、通常、合理的かつ確実に実施する販売計画を有していないと推認される
    • 表示開始時点から有利誤認表示であるものとして取り扱う
    • 「ごく短期間」→ 一般的には、2週間以上継続した場合、ごく短期間であったとは考えない

消費者庁 第11回デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会(2020年12月24日)
▼デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者 取引における環境整備等に関する検討会 報告書(骨子)案
  • 論点整理においては、多岐にわたる分野のうち、違法な製品や事故の恐れがある商品等に係る取引による重大な消費者被害の防止等の特に必要性が高く優先的な取組が求められるものについて、各種の課題点に留意しつつ、必要な法的枠組みを含め優先的に検討を進めるべきとされた。
  • 論点整理において述べられたとおり、デジタルプラットフォームを利用した取引では、取引に不慣れな者や悪質な事業者であっても売主として参入が容易となるといった特性が消費者トラブルの原因の一つとなっていることは否めない。デジタルプラットフォームが消費生活の幅広い場面において頻繁に利用される「場」であることに鑑みると、消費者が不当にトラブルに巻き込まれることを防止するための対応が急務となっている。
  • 本年8月には、各企業の自主的な取組の強化等を目的として「オンラインマーケットプレイス協議会(JOMC)」が設立され、12月には加盟各社の「消費者保護のための自主的取組」が公開されるなど、利用者がより安心して取引できる環境整備に向けて、更に各企業による取組の機運が高まっている。
  • 一方で、デジタルプラットフォーム企業を介した取引は、売主側と買主側のいわゆる「両面市場」の性質を有している。各企業は、問題のある商品の削除や利用規約の変更等による消費者保護のための措置を行うにあたっては、売主に対する法的・契約上の責任との関係から、一定の制約条件のもとで対応せざるを得ないことも事実である。
  • さらに、デジタルプラットフォームはグローバルに提供されるものであると同時に、新規参入も活発である。海外に拠点を置くものやいわゆるアウトサイダーを含め、あらゆるデジタルプラットフォームにおける対応を早急に確保していくためには、先進的な企業による取組が慣行として定着し、水平的に広がっていくことを待つだけでは十分とは言えない。
  • 「新しい生活様式」の下で、消費者がデジタルプラットフォームにおいて安全で安心して取引できる環境整備を加速化するためには、政策面での思い切ったテコ入れを図る必要がある。すなわち、(1)各デジタルプラットフォーム企業が消費者保護のために対応すべき事項について一定の範囲でルール化することにより、その創意工夫を生かした取組がステークホルダーの理解と協力を得つつ広がっていくことを促進するとともに、(2)各デジタルプラットフォーム企業が特に緊要な対応を躊躇なく講じることができるように後押しするための法的枠組みを整備すべきである。
  • 論点整理において必要な法的枠組みを含め優先的に検討を進めるべきとされた課題は、以下のとおりである。
    1. 違法な製品や事故の恐れがある商品等に係る取引による重大な消費者被害の防止
    2. 緊急時における生活必需品等の流通の確保
    3. 一定の事案における取引の相手方の連絡先の開示を通じた紛争解決・被害回復のための基盤の確保
    4. デジタルプラットフォーム企業の自主的な取組の促進と取組状況の開示を促すようなインセンティブ設計等
  • 新法は、以下の(1)~(3)を骨格としたものであることが望ましいと考えられる。
    1. デジタルプラットフォーム企業が対応すべき画一的な義務を定めるのではなく、各デジタルプラットフォーム企業が創意工夫を生かしつつ、リスクベースでの対応を行うことを前提とする仕組みとし、かつ、それらの取組が客観的に評価可能なものとなるような仕組みを設けること。
    2. より消費者被害のリスクが高い取引の防止や紛争解決の必要が高い事態への対応のために、デジタルプラットフォーム企業が思い切った対応を取ることができるよう、実質的に各企業の責任を免除したり負担を軽減する仕組みを設けること。
    3. 消費者啓発や悪質事業者への対応などデジタルプラットフォーム企業だけでは対応しがたい問題について、各種の主体の連携による取組が確保されるよう、制度的枠組みを設けること。
  • また、内外のイコールフッティングを図ること。
  • デジタルプラットフォーム企業が役割を果たすために実施すべき具体的取組を定める指針を設けることとしてはどうか。
  • デジタルプラットフォーム企業が役割を果たすために実施している取組の開示を促し、それらの取組を客観的に評価できるような仕組みが必要ではないか。
  • 違法・危険製品など重大な消費者被害をもたらしうる商品等が取引デジタルプラットフォームを利用して販売され、かつ、売主が特定できない等の理由により迅速な被害防止を図ることが困難な場合に、行政から、デジタルプラットフォーム企業に対して、売主による商品等の販売停止等の必要な措置を求めることができるようにしてはどうか。
  • 取引デジタルプラットフォームを利用した取引における紛争解決・被害回復のための基盤を確保するため、不当な利用の防止にも留意しつつ、取引の相手方の連絡先の開示に係る買主の民事上の請求権に関する規定を設けることとしてはどうか。売主が事業者でない個人である場合についても同様の規定を設けるべきか。その場合、売主にも同様の民事上の請求権を設けるべきか。
  • SNSを利用して行われる取引やデジタル広告、不正又は悪質なレビューに関する課題は、実態調査等を進めたうえで、いかなる主体に対してどのような規律を設けることが消費者の安全・安心確保のために実効的か等についても、今後の検討事項としてはどうか。またパーソナルデータのプロファイリングに基づく表示については、取引デジタルプラットフォーム以外のプラットフォームにおける実態調査も視野に入れつつ、パーソナルデータの管理や利活用についてどのように考えるべきかについても、今後の検討事項としてはどうか。

【2020年12月】

消費者庁 通信販売業者【株式会社Kanael】に対する行政処分について
▼通信販売業者【株式会社Kanael】に対する行政処分について
  • 業務停止命令
    • 同社は、令和2年12月18日から令和3年6月17日までの間、通信販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。
      1. 同社の行う通信販売に関する商品の販売条件について広告をすること。
      2. 同社の行う通信販売に関する商品の売買契約の申込みを受けること。
      3. 同社の行う通信販売に関する商品の売買契約を締結すること。
  • 指示
    • 同社は、特定商取引法第14条第1項第2号の規定に基づく特定商取引に関する法律施行規則(以下「施行規則」という。)第16条第1項第1号及び第2号の規定に該当する顧客の意に反して売買契約の申込みをさせようとする行為をしていた。かかる行為は、特定商取引法に規定する指示対象行為に該当するものであることから、当該行為の発生原因について、調査分析の上検証し、再発防止策を講ずるとともに、コンプライアンス体制を構築し、これらを同社の役員及び従業員に、前記(1)の業務停止命令に係る業務を再開するまでに周知徹底すること。
    • 同社は、前記(1)の業務停止命令に係る業務を再開するときは、同社の行う通信販売について、特定商取引法の各規定を遵守すること。
  • 処分の原因となる事実
    • 同社は、以下のとおり、特定商取引法に規定する指示対象行為に該当する行為をしており、通信販売に係る取引の公正及び購入者の利益が著しく害されるおそれがあると認定した。
      1. 顧客の意に反して通信販売に係る売買契約の申込みをさせようとする行為(特定商取引法第14条第1項第2号の規定に基づく施行規則第16条第1項第1号及び第2号)
        • 同社は、少なくとも令和2年4月3日から同年10月21日までの間、別添資料のとおり、本件ウェブサイトにおける、購入者に対して本件商品を定期的に継続して引き渡し、購入者がこれに対する代金の支払をすることとなる契約(以下「本件定期購入契約」という。)の申込みとなる電子計算機の操作を行う当該申込みの最終段階の画面(以下「本件最終確認画面」という。)上において、本件定期購入契約の主な内容である消費者が支払うこととなる金額のうち、2回目以降の本件商品の代金を表示せず、もって、本件ウェブサイトにおいて本件商品に係る電子契約の申込みを受ける場合において、電子契約に係るパソコンやスマートフォン等の電子計算機の操作が当該電子契約の申込みとなることを、顧客が当該操作を行う際に容易に認識できるように表示していないとともに、当該申込みの内容を容易に確認し及び訂正できるようにしていなかった。
      2. 顧客の意に反して通信販売に係る売買契約の申込みをさせようとする行為(特定商取引法第14条第1項第2号の規定に基づく施行規則第16条第1項第2号)
        • 同社は、少なくとも令和2年4月3日から同年10月21日までの間、別添資料のとおり、本件ウェブサイトにおける、本件定期購入契約の申込みとなる電子計算機の操作を行う本件最終確認画面上において、本件定期購入契約の主な内容である契約期間について、購入者から解約通知がない限り契約が継続する無期限の契約である旨を明記せず、また、本件定期購入契約の主な内容である解約条件について、本件最終確認画面のうち、「特定商取引に関する法律」というリンク表示(以下「本件リンク表示」という。)から遷移する「特定商取引に関する法律に基づく表記」と称するページにおいて、「■定期購入のご解約方法について」との項目の下、「次回お届けの14日前までにご連絡ください。」などと記載していたものの、当該ページにおける表示を除いては、本件最終確認画面に解約条件を表示していなかった上、本件リンク表示を、本件定期購入契約の申込みを完了させるボタンより下に、同ボタンに記載された文字及び初回の合計金額が表示された部分等と比して小さくかつ目立たない色調で表示することにより、当該ページに解約条件が記載されていることが容易に認識できないようにし、もって、本件ウェブサイトにおいて本件商品に係る電子契約の申込みを受ける場合において、申込みの内容を、顧客が電子契約に係るパソコンやスマートフォン等の電子計算機の操作を行う際に容易に確認し及び訂正できるようにしていなかった。

消費者庁 サブリース契約に関するトラブルにご注意ください!
  • アパート等のサブリース契約を検討されている方へ
    • サブリース契約は、サブリース業者がアパート等の賃貸住宅をオーナーから一括して借り上げるため、一定の賃料収入が見込めることや、管理の手間がかからないことなど、オーナーにとってのメリットがある一方で、近年、賃料減額をめぐるトラブルなどが発生しています。
    • サブリース契約をする場合は、契約の相手方から説明を受け、契約内容や賃料減額などのリスクを十分理解してから契約してください。
    • なお、国土交通省の賃貸住宅管理業者登録制度による登録を受けているサブリース業者は、オーナーに対し、サブリース契約の締結前に、将来の借上げ家賃の変動に係る条件を書面(※)で交付し、一定の実務経験者等が重要事項として説明することなどが義務付けられています。未だ登録を受けていないサブリース事業者は、国土交通省から、速やかな登録を検討すること、及び登録をしていない間における当該ルールの趣旨に則った業務の執行を要請されています。
    • サブリース契約を伴う投資用不動産向け融資を受ける際、疑問点があれば、不動産業者や金融機関に直接確認してください。
    • 重要事項説明の際に交付する書面として、「サブリース住宅原賃貸借標準契約書」を活用することが考えられます。
▼賃貸住宅経営(サブリース方式)において特に注意したいポイント
  1. サブリース業者から不当な勧誘は受けていませんか?
    • 将来の家賃減額リスクがあることなどついて、あえて伝えず、サブリース事業のメリットのみ伝えるような勧誘や、断定的に「都心の物件なら需要が下がらないのでサブリース家賃も下がることはない」「家賃収入は将来に渡って確実に保証される」といった不実のことを伝える勧誘行為は、不当勧誘に該当する可能性があります(賃貸住宅管理業法第29条)。オーナー等が「お断りします」、「必要ありません」、「結構です」、「関心ありません」、「更新しません」など、明示的に契約の締結又は更新意思がないことを示しているにもかかわらず、サブリース業者や勧誘者から勧誘された場合も不当勧誘に該当する可能性があります(賃貸住宅管理業法第29条)。
  2. サブリース業者の広告は、メリットのみが強調されていませんか?
    • サブリース業者自身又は勧誘者が行うマスターリース契約の締結を促す広告において、オーナーとなろうとする者が賃貸事業の経験・専門知識が乏しいことを利用し、サブリース業者が「支払家賃は契約期間内確実に保証!一切収入が下がりません!」「オーナーによる維持保全は費用負担を含め一切不要!」などメリットのみを強調して、賃貸事業のリスクを小さく見せる表示をしている場合は、誇大広告に該当する可能性があります(賃貸住宅管理業法第28条)。
  3. 契約締結前に重要事項説明を受け、契約締結時には書面の交付を受けましたか?
    • マスターリース契約の締結にあたり、サブリース業者は契約締結前に、相手方の知識、経験、財産の状況、賃貸住宅経営の目的やリスク管理判断能力に応じ、重要事項について書面を交付して説明を行う必要があり、契約締結時には遅滞なく、契約書面を交付することが義務付けられております(賃貸住宅管理業法第30条、31条)。また、オーナーが貸主となって、普通借家契約としてマスターリース契約を締結する場合、重要事項説明を受けたとしても、借地借家法の制約を受けるため、サブリース業者による契約更新時等の賃料の減額や、契約期間中の解約などの可能性があるほか、賃料発生までの免責期間、契約期間中の追加費用の発生、契約の解約条件等について、サブリース事業者から重要事項説明を受ける際は内容をよく確認しましょう。(※説明がなかった場合は法律違反になります。)
  4. サブリースの注意点(オーナー)
    1. 契約期間中や契約更新の際に賃料が減額される可能性があります!
      • 契約時に「都心の物件なら需要が下がらないので、サブリース家賃も下がることはない」「〇年間に渡り、賃料は確実に保証される」などと断定的な説明を受けたり、契約書に家賃保証等と書いてあったとしても、借地借家法(普通借家契約の場合)(第32条)により、オーナー等に支払われる家賃がマスターリース契約の期間中や更新時などに減額請求される可能性があります。また、減額請求された場合でも、そのまま受け入れなければならないわけではありません。(※借地借家法による賃料減額について説明がない場合、法律違反になります。)
    2. 契約期間中でも契約が解約される可能性があります!
      • 契約書でサブリース業者から解約することができる旨の規定がある場合は、契約期間中であっても解約される可能性があります。また、オーナーからの更新拒絶には借地借家法(第28条)により正当事由が必要となります。
    3. 家賃を受け取るだけでなく出費がある場合もあります!
      • マスターリース契約において、原状回復費用や大規模修繕費用は原則、オーナー負担となります。そのため、契約の際にはサブリース業者と賃貸住宅の維持保全の費用分担について必ず確認しましょう。
    4. 融資審査の際に不正を行われたという事例もあります!
      • 融資審査を通すために、不動産業者が、自己資金のないオーナーの預金通帳の残高を改ざんするなどの不正行為を行っていた事例や、金融機関が、融資の条件として、オーナーにとって不必要なカードローン・定期預金・保険商品等の抱き合わせ販売を行っていた事例もあります。サブリース物件を取得するために銀行から融資を受けるときは、融資を受ける金額や融資の内容について、業者任せにせず、直接銀行に確認しましょう。
  • サブリース住宅に入居する方へ
    • サブリース住宅は、建物の所有者(オーナー)からサブリース業者が借りた建物を入居者に貸している、いわゆる又貸しによるものです。
    • このため、サブリース住宅の入居者は、オーナーとサブリース業者の契約終了等による不利益を受ける場合があるので、入居に当たっては、オーナーとサブリース業者の地位の承継に関する契約内容などを確認するようにしましょう。
    • これに関連し、消費者庁では、国土交通省及び金融庁と連名で消費者の皆様に気をつけていただきたい点について、注意喚起を行っています。
    • 御相談がある場合は、その内容に応じ、注意喚起を参考にして、アクセスしてください。
▼サブリース住宅に入居する方は オーナーとサブリース業者の契約内容を確認しましょう!
  • 消費者ホットラインに寄せられた相談事例
    • 娘が入居しようとしているシェアハウスの管理会社が民事再生になった。契約前だが今後どうしたらよいか。
    • 入居しているシェアハウスの管理会社が民事再生手続を申し立てているが、電気料金が2か月未納で電気が止められると連絡がきた。
    • サブリースの賃貸マンションに入居中だが、管理会社がオーナーに家賃を滞納しておりオーナーから直接家賃請求され困惑している。対処法は。
    • サブリース物件の賃貸住宅に住んでいる。所有者より、賃貸をやめるから、2か月後に退去するようにとの通知が届いたが、納得できない。
  • サブリース住宅の入居者の主な注意点
    • オーナーとサブリース業者の契約(原賃貸借契約)の終了等による不利益を受けないよう、サブリース業者に、地位の承継に関する原賃貸借契約の内容などを確認しましょう。
      1. 原賃貸借契約の終了によって退去が必要なことがあります
        • 原賃貸借契約が終了すると、サブリース業者と入居者との契約も終了し、退去しなければならない場合があります。
        • 原賃貸借契約に「この契約が終了したときは、サブリース業者の地位をオーナーが引き継ぐ」旨の規定があれば、原賃貸借契約が終了しても、退去する必要はありません。
        • 地位の承継規定について国土交通省のサブリース住宅原賃貸借標準契約書では、「本契約が終了した場合には、オーナーは、転貸借契約におけるサブリース業者の地位を当然に承継する」旨が規定されています。入居に当たっては、原賃貸借契約に、こうした地位の承継規定があるのかをサブリース業者に確認しましょう。
      2. オーナーから賃料の請求を受けることがあります
        • オーナーは入居者に直接、賃料を請求することができますが、入居者は、サブリース業者に月毎に賃料を支払っていれば、二重に支払う必要はありません。
        • ただし、入居者がサブリース業者に賃料を前払いしているときには、前払い分の賃料をサブリース業者に支払っていたとしても、オーナーに対して二重に支払わなければならない場合があります。
      3. サブリース住宅の確認方法について
        • サブリース住宅は、貸主(サブリース業者)と建物の所有者(オーナー)が異なります。入居する物件がサブリース住宅かどうか、まずは、貸主や不動産業者に確認しましょう。また、国土交通省の賃貸住宅標準契約書や不動産業者の重要事項説明書では、貸主と建物の所有者が異なる場合には、両者を記載することとされています。入居する物件の賃貸借契約書等の記載内容を確認しましょう。
        • なお、賃貸住宅管理業者登録規程に基づく登録を受けたサブリース業者が、自らが賃貸人となり賃貸借契約を締結する場合は、入居者に対して重要事項説明書と同等の書面を交付し、説明しなければなりません。サブリース業者の賃貸住宅管理業者登録の有無については、国土交通省のホームページで確認することができます。

消費者庁 自分に合った携帯料金プランになっていますか
  • 消費者庁では、携帯電話の料金プランに関して、サービス品質や乗り換え手続きに関し誤解されていると思われる情報を正しく理解していただくための情報提供を行っています。
  • 携帯電話の料金プランについて、ご自身が契約されているプランや利用状況を今一度ご確認いただき、適切な事業者や料金プランをご選択ください。
▼自分に合った携帯料金プランになっていますか?
  1. 自分の利用状況を確認しましょう
    • 利用実態から見ると過大な契約プランの利用者が多くみられます
      • 総務省によると、携帯大手利用者のうち月20GB以上のプランを契約している利用者が40%程度であるのに対し、実際に月20GB以上のデータ通信を使用している利用者は10%程度となっています。
    • 適切なプランを選択することで費用を安く済ませることができます
      • 自分のデータ利用状況を理解しておけば、サブブランドや格安ブランドの割安な料金プランが利用できます。
      • 利用状況は各事業者のアプリケーションやホームページ、自分の端末から確認が可能です。
  2. 乗り換えても変わらないものがあります
    1. MNPを活用すれば電話番号が変わることはありません。
      • MNP(モバイルナンバーポータビリティ):携帯電話の番号を事業者間で持ち運びする仕組みです。
      • 番号移行手数料が発生する場合があります。
      • メールアドレスに関しては、取得に月額費用(300円程度)が別途発生したり、メールアドレスが付与されない場合があります。
    2. 同一事業者のメインブランドとサブブランドでは通信可能エリアなどに違いはありません
  3. 乗り換えに掛かる手間や費用を理解しましょう
    1. 初期設定は店頭又はご自身で行う必要があります。
      • 端末の初期設定やSIMカードの交換等については、店頭で行うかオンラインなどで申込みの上、ご自身で行う必要があります。事業者を変更する手続を行った際に店頭で行ってもらうことが可能な場合がありますが、オンライン対応のみの事業者もあるため注意しましょう。
      • メインブランドに比べて、サブブランドや格安ブランドは実店舗の数が少ない傾向にあります。
    2. 乗り換え費用が掛かる場合があります。
      • 例えば、メインブランドからサブブランドに乗り換える場合、新規契約手数料(3000円)、番号移行手数料(3000円)、違約金(9500円)等が発生する場合があります。
      • 乗り換え後の差額が月額約3000円の場合、回収に半年程度かかります。
      • 契約内容や解約条件、被害に遭った場合の対応など、契約に関するトラブル、その他困ったときのご相談は「消費者ホットライン「188(いやや)」番

消費者庁 第2回 公益通報者保護法に基づく指針等に関する検討会(2020年11月13日)
▼議事要旨
  1. 全体の方向性について
    • 会社法に関する判例の上では、大規模な株式会社の取締役については、以前から相当な内容の内部統制システムを整備する義務がかけられており、内部統制システムの一内容として、内部通報に対して適切に対応する義務も観念できると解釈されてきた。ただし、内部統制システムの内容については、法令では抽象的にしか規定されておらず、また、どの程度の規模の事業者に整備義務があるか明確ではなかった。公益通報者保護法の改正により、常時使用する労働者数300人超の事業者に内部通報に対して適切に対応する義務が課されたが、その規模の会社の取締役にも同義務が課されることになったと理解しており、義務の内容が明確化されたのは良いことである。
    • 従来は、推奨される内部通報体制について、ガイドラインの形で、ある程度の内容を明示することが行われてきたが、今回は指針で義務として整備するので、指針で明確に「これをすべし」と義務付けられたことをしないと、義務違反になるだろう。内部統制システムの一環としての内部通報体制を整備する義務についての裁判例があるが、この裁判例では、取締役がとるべき対応について、基本的にはファクトベースで、様々な事項を勘案した上で判示されている。指針において、とるべき対応を全て事前に特定することは難しいが、とるべき行動を特定できる場合は指針に盛り込み、盛り込んだ以上はその行動をとっていなければ義務違反になる。一方で、指針に規定されたことを行っていれば義務違反になり得ないのかどうかについては疑問である。指針においてとるべき行動を全部特定して、指針にある行動をとっていれば義務違反にならないというものを作ることは難しい。指針の策定の検討に際し、指針に規定されている行動をとっていれば義務違反にはなり得ないという誤ったメッセージを送らないようにすべきである。指針に盛り込めるのは、とるべき行動が事前に特定できる場面に限定されるということを明確にすべきである。
    • 公益通報対応の実務に携わる立場としては、通報の受付段階で公益通報に該当するかを判断することは難しいと考える。公益通報の対象になっている法律の数が非常に多いため、実務において公益通報か否かを判別しながら対応するのは現実的ではない。一義的には公益通報に当たらないハラスメント事案についても、刑法に抵触するような行為が含まれていたことが後になって判明することは考え得る。通報者への確認を進め、深掘りをしていって初めて公益通報と判断できる場合がむしろ多いのではないか。このため、既に体制が整備されている事業者であれば、専門窓口が受け付けた相談については、全て公益通報に該当するという前提で、守秘性に十分配慮した運用を行っているのが通常ではないか。これらの点に照らし、通報を受け付けた当初から公益通報とそれ以外の通報を判別しなければならない旨を指針に盛り込むのだとすると、実際的ではないと考える。
    • 公益通報とは何かということを、一般の社員が本当に把握しているのか心配である。周囲に聞いても、公益通報を知らないという回答が多く、公益通報の名前すら知られていないような現状はよろしくない。消費者庁では様々な企業に説明会を行っていると思うので、その実態、説明の内容と回数や、公益通報をどのように周知しているのかを後で知りたい。
    • 上司等への通報も公益通報に該当し得ることから、「公益通報受付窓口を経由しない公益通報」も公益通報者保護法の適用を受ける公益通報であることを認識して議論すべきである。
  2. 公益通報受付窓口の設置について
    • 公益通報受付窓口の設置は指針で規定すべきと考えるが、議論の前提として、例えば、報告・相談を受けた上司が、それを公益通報受付窓口に通報する場合、報告を受けた上司は公益通報者なのか、それとも公益通報対応業務従事者となるのか、といった整理が必要と考える。
    • 公益通報に対応する部署及び責任者を定めること、また、部門横断的な窓口の設置は必要と考えるが、企業規模によって対応が異なる面もあると考える。例えば、公益通報専門の窓口を設置することが難しい企業も想定されるため、企業の実情に応じた配慮は必要だと思う。
    • 公益通報受付窓口の独立性を保つ観点から、受付窓口は人事部門とは切り分けて設置されるべきである。「人事に伝わってしまうのではないか」という懸念を通報者が持ってしまうのは良くない。
    • 人権関係の相談窓口をコンプライアンスの相談窓口とは分けて設置している企業もある。ハラスメント事案が内部通報の大きな割合を占めることを考えれば、そのような窓口についても考慮に入れながら検討する必要がある。また、事業者によっては、特定のカテゴリー、例えば不正競争に関する事案について、個別に窓口を設置していることがあり得るので、様々な事例を想定しながら考える必要がある。
    • 資料の「部門横断的な窓口」の趣旨が分かりにくいが、いずれにしても窓口は明確である必要がある。例えば、法務・コンプライアンス部門や、リスク管理上のいわゆる「threelinesofdefense」でいうところの「二線」の部門、つまり現場等から独立した部門に設置することが適切だと考える。また、通報者は不利益な取扱いを受けることを不安に思っていることから、公益通報受付窓口は人事部門以外に設置することが必要と考える。
    • 公益通報受付窓口とハラスメント関係の窓口を分けるかどうかについては、現在も各社多様であり、会社の実態に応じて対応することでよいと考える。
    • ハラスメント関係も含め、通報であれば何でも公益通報に該当すると誤解している者も多い。公益通報者保護制度が周知されれば、通報者も何が公益通報に該当するか判断できる。しっかりと社内周知すれば、通報者も通報窓口を混乱することがなくなることから、公益通報受付窓口とそれ以外の通報受付窓口を分けて設けることができるのではないか。
    • 地方自治体など、2号通報の窓口を有する行政機関は、公益通報の仕組み等の相談に対応する部門と1号通報の窓口とは別であるほうが望ましい場合が想定されるので、柔軟性を持たせるなどの配慮が必要である。
    • 常時使用する労働者数が300人超の企業は多いが、300人超の企業全てがより大規模な企業と同じような公益通報受付窓口を設置できるかは疑問である。中小規模の企業の従業員に対しては、行政機関等を含め通報できることを広く周知することも必要ではないか。
  3. 組織の長や幹部に関する法令違反行為について公益通報ができる仕組みについて
    • 組織の長や幹部の法令違反について公益通報できる仕組みを構築しないと、企業の不祥事を必ずしも防止できないと考える。
    • 組織の長や幹部が不正に関与している事例もあることから、外部にも窓口を設置することが有効である。
    • 常用使用する労働者数が300人超の事業者であっても、小規模といえるような事業者もあると思うが、そのような事業者では、経営者の権力が非常に強いことも想定される。仮に経営者が不正に関与していた場合、現実的には社内の誰も是正する権限を持っていないことも考えられることから、むしろ小規模事業者こそ外部窓口を設定する必要性が高いと考える。小規模事業者としては、外部に通報受付窓口を設置することは難しいかもしれないが、小規模事業者であれば実際に利用される件数も少ないので、コストが過大にならないという見方もできると考える。
    • 組織の長や幹部についての通報の仕組みは必要と考えている。したがって、複数の窓口を1つの企業の中に設ける、あるいは外部の窓口を利用することで、組織の長、場合によっては社長に関しての通報も受け付けられるような複数のルートが指針上、推奨されるべき。
    • 経営幹部による法令違反に関して、外部窓口を設置する必要があるが、組織の長や幹部に関わる通報が通常の社内の窓口に来た場合には必ず監査役や監査等委員などに報告をするという形を設けて独立性を担保する、あるいはモニタリングを受けながら対応するといった取組をしている企業もある。参考例になるだろう。
    • 外部の窓口を設置するかは、会社の規模によると考える。例えば重大な法令違反があるような場合には、経営者から独立した組織、大きい会社では第三者委員会を設置することになると思うが、指針やガイドラインにそのような規定を事前に定めておくという対応もあるだろう。
  4. 公益通報に対する受付について
    • 匿名通報をした通報者と連絡を取る方法として、事業者内で通報者と双方向に連絡を取れるシステムを作ることが考えられる。大阪弁護士会ではそのようなシステムを採用している。
    • 匿名通報についても双方向の交信が可能となるようにすべきであるという意見があったが、どのような方法をとるべきか、事業者によっては全く想像がつかないことが想定されるので、そのようにするのであれば、具体的な方法を示した方が良い。
    • 匿名通報に関して、双方向のやり取りができる仕組みは有効だと思うが、例えば、匿名でメールが送付されるものの、そのメールアドレスはすぐに削除されてしまい、返信が届かないケースもある。様々な仕組みを作っても通報者との双方向のコミュニケーションを取れないことはある。匿名通報についてどのように対応するか、双方向のコミュニケーションがとれない場合には調査等をどのように行うか、どこまで行えばよいかなどについても整理する必要があるだろう。
  5. 公益通報に対する調査について
    • 既に解決した事案について再度通報があった場合であっても、解決していないおそれがある場合や新たな情報が寄せられた場合には、調査を実施する必要があると考える。
    • 将来的にまた被害が生じるおそれがあるような場合には、事実を調査するだけでなく公表までしないと解決しているといえないようなケースも考えられるので、解決済みと思われる事案の通報がされたときであっても、そもそも解決しているのかという点について十分検討する必要があると考える。また、是正措置の終了後になすべきことがあるかという観点については、特に通報までに違反行為が継続していて、将来も継続する可能性があるようなケースでは、一定期間違反行為が継続していないことを確認して、初めて是正措置をしたといえるだろう。このような点を踏まえて、指針の表現振りには注意する必要がある。
    • 通報者にとって満足のいかない調査結果や、通報者が望んでいた解決には至らないことも当然あるが、そのような理由で繰り返し同じ通報がされることがある。このような通報まで、再度調査を義務付けることは現実的ではない。
    • 匿名通報に関して、例えば弁護士の懲戒請求では、事案が重大であるときには、申告者がそれを取り下げたとしても、なお証拠が明らかな場合には調査を継続することができるようになっている。公益通報についても、公益性の高いものとして事前の証拠が明らかで重大なものに関しては、調査を続けることができることとした方がよいだろう。なお、既に解決している案件の通報に関しては、新証拠や新しい情報が提出された場合のみ調査すると限定することが考えられる
  6. 公益通報に対する是正措置について
    • 是正措置や再発防止策が適切に行われているのかを定期的にフォローアップする必要があり、例えば、是正措置から半年後に調査をすることを指針に規定することが考えられる。
    • 是正措置後の確認については、影響範囲が非常に狭く、特定の個人だけが対象になっているようなもの、特定の個人のみが不利益を被っているようなものについては、事案の終結時に、その本人に対し、問題があればもう一度申し出てくるよう、よく伝達をすることをもって必要十分ではないかと考える。そういった事例については、是正措置が行われているかどうかを抽象的に確認しようとしても、そもそも難しいところがあるので、本人から申出をさせる方向にリードするのが現実的ではないか。
    • 公益通報者へのフィードバックを是正措置終了後にすべきか、という点に関しては、通報の中身の性質やリスクの大きさ、状況によって大きく異なるだろう。通報者との関係のみの対応で済む場合もあるが、全社的な問題であったり、根本原因を探り出して原因究明をして大きな視点から再発防止策をとったりする場合には、調査対象となった事実が通報対象事実から広がっており、その是正措置や再発防止策の全てについて詳細に通報者にフィードバックするような問題ではないだろう。監査室などがリスク管理の目線で全社的な再発防止策の実行状況をモニタリングとしてやっていくことになる。こうしたケースでは、公益通報者への通知という枠組みを超えた全社的な対応が行われるため、通報者へのフィードバックとは分ける必要がある。整理が必要な論点と考える
  7. 利益相反の排除について
    • 利益相反は排除する必要があるが、利益相反といっても様々なケースが考えられるので、類型的な整理が必要だろう。
    • 全ての段階において利益相反は当然排除されるべきであり、多少でも利益相反関係があると思われる者は基本的に排除すべきと考える。
    • 利益相反の排除は、場合によっては非常に範囲が広くなり得ることから、指針で厳格なルールを規定することは難しいだろう。調査妨害をする可能性がある者、調査の結果について強い利害関係を有する者とは情報の共有を図るべきではないというのが利益相反防止の趣旨と考えるが、これを完璧に徹底することは難しい。利益相反に関する具体的な類型を示した上で、その防止については努力義務に留めるという整理が妥当と考える。
    • 利益相反については、受付、調査・是正、再発防止策のそれぞれの局面に応じて検討する必要がある。例えば、通報対象事実との関係の利益相反なのか、通報者との人的関係なのか、様々な考慮要素があり、一律に定めるのは非常に難しいため、整理をした上で議論すべきである。
    • 資料中に記載がある「公益通報受付窓口を経由しない公益通報」とは、おそらく上司や上長への公益通報を想定していると考えるが、この場合、上司等は通報を受けてみなければ利益相反に当たるのかは分からない。通報を受けてから利益相反、不正があることが判明した場合には、公益通報受付窓口に対応させることになるだろう。
    • 利益相反の定義を整理しなければ議論が進まない。
    • 少なくとも調査・是正の過程においては、利益相反を排除する必要があると考えるが、再発防止については経営判断に関係する部分もある。株式会社の場合には取締役会で特別利害関係人であれば排除して決議することになっているし、地方自治体も指針の対象となることを考慮すると、各組織に関する法令に委ねるべきではないか。
    • その他公益通報対応を機能させる体制について
    • 公益通報者に対して不利益な取扱いの有無を積極的に確認することを義務化する必要はないと考えるが、事後的な措置として不利益な取扱いを受けた場合の申出を受ける体制は整備すべきであり、守秘義務が課される公益通報受付窓口で一元的に対処することが考えられる。公益通報者には、是正措置のフィードバックをする際に、不利益な取扱いがあれば公益通報受付窓口への連絡を行うよう促すことが考えられる
    • 公益通報対応の仕組みを適切に機能させるためには、社員全員に公益通報を周知する必要がある。必要な周知の内容は役割や立場に応じて変わるが、社内研修や広報物の配布、SNSの活用など様々な方法で周知することが考えられる。
    • 知らないうちに公益通報対応業務従事者に定められ、守秘義務違反を犯した結果、刑事罰の対象となることは避けるべきであり、公益通報対応業務従事者への教育訓練やその実施状況の管理は必要と考える。他方で、中小企業において適切な教育訓練ができるかは難しい部分があるかもしれない。企業規模にも応じて、公的な機関が教育訓練を実施することなどについても検討していくことが重要である。
    • 公益通報対応に関する実績として、公益通報の件数は開示されるべきと考える。また、公益通報に関する記録の保管に当たっては、事業者内で当該記録にアクセスできる者を限定させる必要がある。公益通報対応の仕組みの評価及び改善は当然に必要だろう。
    • 公益通報対応業務従事者の範囲は広げすぎない方がよいと考える。上司は公益通報対応業務従事者の範囲に含める必要はないと考えるが、臨時に調査を担当する者は公益通報対応業務従事者として定めるべきと考える。
    • 検討会の論点の中でも公益通報対応業務従事者の範囲は重要な論点である。内部通報制度は企業が早期に不正の芽を発見するよう自律的な自浄作用を促すことを趣旨としており、その本質において企業の自主性に委ねられるべきものである。よって、公益通報対応業務従事者の範囲は過剰に広げるべきではない。刑事罰は、企業の裁量と根本的に相反するものであることから、刑事罰を科す範囲は局限をすべき。しかし、刑事罰付きの守秘義務が設けられたこと自体に否定的な立場ではなく、刑事罰付きの守秘義務をその核心部分に据えた上で、実効的な内部通報体制を再構築していく必要があると考えている。
    • 臨時に調査等を行う者など、関与する頻度が非常に少ない者まで刑事罰付きの守秘義務の対象とすることは許容しづらい。会社としては、研修や教育訓練、OJT等をしっかり行った上で初めて、当該担当者に刑事罰付きの守秘義務を課すこととなってもやむを得ないと整理できる。公益通報対応業務従事者の範囲は、公益通報受付窓口の担当ライン、すなわち窓口担当者と管理職、せいぜいその部長クラスまでに限定すべきと考える。
    • 公益通報受付窓口の担当者も他の部署に異動する可能性もあり、公益通報対応業務従事者として定め、異動した後も刑事罰付きの守秘義務を課すことは難しいのではないか。ただ、公益通報受付窓口の管理職は、秘密漏えいを防止・予防する義務があり、管理職に刑事罰付きの守秘義務が課せられるのは致し方ないと考える。同じく、調査をする職員に刑事罰が科されることは致し方ない。
    • 公益通報対応業務従事者の範囲は、公益通報受付窓口の担当者や責任者に限定すべきと考える。上司に通報した結果、是正されないなど何かしらの問題が生じたのであれば、通報者は公益通報受付窓口に通報するだろう。
    • 公益通報対応業務従事者の定める方法としては、部署や役職で定めることが考えられる。
    • 中小企業の場合、人員が限られていることから通報窓口を外部委託することも想定される。その場合、公益通報対応業務従事者をどのように定めるべきかについていくつか例示があるとよいと思う。中小企業にとっては、それを用いて企業規模に合ったものを選択することが現実的である。
    • 秘密漏えいを防止するためには、情報の管理について社内規程で定める必要があり、秘密の保管方法やアクセスできる者を限定すべきなどの旨を内部規程で定めるべきと考える。
    • 公益通報受付窓口を経由しない公益通報については、秘密が漏えいした場合のサンクションが刑事罰なのか、社内の懲戒処分に当たるのかを明確にすればよいと考える。上司が通報を受けた場合、何かしらの調査等を行うことが通常であり、それが自浄作用を促す上であるべき姿とも考える。他方、悪質な秘密漏えいなどに対しては、懲戒処分等の対象とすべきであり、指針でも懲戒処分等を求めるべきと考える。
    • 通報窓口を経由せずに通報を受けた上司等に対しても守秘義務を課し、違反した場合は社内規程に基づき処分されるべきと考える。他方、上司等は部下から通報対象事実の報告を受け、通常業務として事実把握や是正措置を取り、報告者である部下の情報についてレポートラインにしたがってその上の上司に報告するが、こうした業務は通常業務として行っている。こうした業務実態を踏まえると、部下の氏名を共有することで刑罰の対象とするのは適切ではなく、刑罰の謙抑性の観点から避けるべきである。

消費者庁 人気の家庭用テレビゲーム機などを販売しているかのように装う 偽の通信販売サイトに関する注意喚起
  • 令和2年の夏以降、通信販売サイトで、人気の家庭用テレビゲーム機やゲームソフトを注文して代金を支払ったものの、商品が届かないという相談が、各地の消費活センターなどに数多く寄せられています。
  • 消費者庁が調査を行ったところ、偽の通信販売サイトを運営する事業者が、消費者の利益を不当に害するおそれがある行為(消費者を欺く行為・債務の履行拒否)をしていることを確認したため、消費者安全法(平成21年法律第50号)第38条第1項の規定に基づき、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表し、消費者の皆様に注意を呼びかけます。
  • また、この情報を都道府県及び市町村に提供し、周知します。
  • 本件偽サイトには次のような特徴がみられます。
    • 家庭用テレビゲーム機「Nintendo Switch」(以下「スイッチ」といいます。)、パソコン、スマートフォン、カメラ、家電製品などを通信販売しているかのように装っています。
    • その中でも、特に、消費者に人気があるスイッチの特集ページをサイト内に設けて、消費者を誘引しています。
    • 外観は普通の通信販売サイトのようであり、不自然な日本語表記もみられず、一見しただけでは偽サイトと気付くのは困難です。
    • 各サイト内には「ご利用規約」のページがあり、それぞれ別の事業者の情報が記載されていますが、これらの情報は全て虚偽のものであり、また、代表者の氏名、サイト運営責任者の氏名、電話番号は記載されていません。このほかにサイトの運営者の手掛かりになる情報はなく、運営者の実体は不明です。
  • 本件偽サイトは、次の理由により同一の事業者が運営していると考えられます。
    • 各偽サイトの構成は、屋号以外はほぼ同一であり、サイトを流用していると考えられます。
    • 各偽サイトのアクセス可能期間はそれぞれ約半月と短く、また、あるサイトが閉鎖されて間もなく、屋号を変更したサイトが公開されています。
    • 各偽サイトのURLについて、「○○jp」の「○○」の部分のみが変更されているなど、規則性がみられます。
    • 各偽サイトの運営者から消費者に送信されるメールの文面がほぼ同一であり、メールを流用していると考えられます。
  • 消費者庁が確認した事実
    1. 本件偽サイトの運営者は、通信販売サイトであるかのような偽サイトを公開し、虚偽の運営者情報を記載し、本件偽サイトが通信販売サイトであるかのように装って消費者を誤認させ、商品を注文させています。(消費者を欺く行為)
    2. 消費者が、本件偽サイトで商品を注文して代金を支払ったにもかかわらず、注文した商品が届かないという被害が多数発生しています。(債務の履行拒否)
    3. 本件偽サイトにおける被害に関し、消費生活センターには、スイッチ以外の商品についての相談はほとんど寄せられていないことから、本件偽サイトの運営者は、リスティング広告などを利用してスイッチの購入を希望する消費者に狙いを絞り、前記(1)及び(2)の行為をしていると考えられます。
    4. 本件では、確認されているだけでも約40もの個人口座が代金の振込先として用いられていました。本件偽サイトの運営者は、何らかの方法で多数の個人口座を入手し、消費者から金銭をだまし取る手段に用いていると考えられます。なお、これらの口座の多くは、被害に遭った消費者からの申出などにより凍結されていますが、消費者が振り込んだお金のほとんどは引き出されており、残高は僅かでした。
    5. 本件偽サイトのうち「FIRST」と「PLUS」には、スイッチに加えて、発売から間もないため品薄となっている家庭用テレビゲーム機「PlayStation5」を販売しているかのように表示されています。PlayStation5についても、メーカー希望小売価格よりは高いものの在庫のある他の通信販売サイトより安い価格が表示されており、注意が必要です。
  • 消費者庁から皆様へのアドバイス
    • 偽の通信販売サイトについては、従来、他の通信販売サイトでの平均的な販売価格と比べて明らかに割安な販売価格を表示している事例が多くみられました。しかし、本件は、人気がある商品の購入を希望する消費者の心理につけ込むものであり、消費者が、メーカー希望小売価格よりも高い価格であるにもかかわらず、商品を注文してしまったという事例が多くみられます。
    • 今後も、クリスマスや年末年始にかけて家庭用テレビゲーム機の需要が高まると予想されますが、通信販売サイトで購入しようとする際には、本件の被害状況を踏まえ、慎重に検討しましょう。
    • 本件を含め、これまでの偽の通信販売サイトでの被害状況からすると、代金を前払いで個人名義の口座に振り込ませようとする場合には、偽サイトである可能性が高いので、そのようなときは代金を振り込まないことが安全です。

消費者庁 第11回消費者契約に関する検討会(2020年12月2日)
▼【資料1】自然災害時・コロナ禍におけるキャンセルに係る消費生活相談事例(独立行政法人国民生活センター提出資料)
  • 観劇の公演日当日の朝に熊本地震が発生した。会場は地元から離れた他県にあるが、鉄道が止まってしまい移動できず観覧できなかった。別業者の公演では被災地申込者にはチケット代を払い戻す例が複数あることをインターネットで知り、被災地申込者である自分にも払い戻しがされないか主催者(チケット販売事業者)に尋ねた。いったん検討するとは言われたが、最終的には「公演は通常通り行われたので返金できない」と回答された。できれば返金対応してもらいたい。事業者の突っぱねるような態度の回答があまりにもきつく、我慢できなかったこともあり相談した。
  • 10月上旬にインターネットで10月12日から14日まで約6万円で南関東の山間部にある観光地の旅館宿泊を予約し、クレジットカードで決済した。台風19号の影響で10月11日から12日は鉄道が計画運休となり、とても行くことができないと思い、10月10日にメールで解約の連絡をした。そうしたところ、前日の解約なので規約に基づき解約料50%を請求するという旨の返信があった。宿泊地に行くこともできなかったのにキャンセル料がかかることが納得できず、事業者に電話したところ「宿泊させることがサービス提供であって、交通手段がどのような状況かという事については関知しない」と言われた。
  • 1月中旬、ホテルに電話をして3月31日から4月6日まで3人で利用する1部屋を予約して代金計17万円をカードで一括払いした。新型コロナウイルス感染症の蔓延で日本の政策により自国から日本に渡航できなくなりやむなく旅行を断念し、ホテルにキャンセルの連絡をしたところ、「代金は一切返金できない」という。「6月30日までであれば宿泊日の変更を認める」というが、お花見が目的であり6月では意味がない。返金、あるいはせめて1年後の桜の季節への変更を認めてほしい。料金が値上げされた場合は差額を支払う用意はある。
  • 3月2日、旅行サイトから格安国内航空便の往復チケット約3万6,000円を予約し、手数料約6,000円を加えた約4万2,000円をクレジットカードで支払った。しかし先日、格安航空会社から電話があり、「新型コロナウイルスの影響で予約便が欠航となった。全額返金する」と説明された。ところが、旅行サイトからは「手数料を差し引いた金額を返金する」と説明された。内訳は取扱手数料1,500円と搭乗手続料2,200円×2回分とのことだった。取扱手数料は仕方なくても、欠航になったのに搭乗手続料を支払うことは納得いかない。
  • 数か月前にヨガ教室の月額コースの契約をしたが、4月7日に新型コロナウイルス感染症拡大を防止するため、緊急事態宣言が出され、自分の登録した南関東にある店舗が閉鎖された。レッスンが受けられないので解約したいが、解約理由は自己都合でないのに約2万円の解約料が発生することに納得がいかない。
  • 数か月前、高齢の兄が約200万円の13日間海外ツアー旅行を旅行会社に申し込んだ。出発日である3月2日の1週間前に旅行会社から連絡があり「道中滞在国であるタヒチからの要請で健康診断書を提出するように」と伝えられた。新型コロナウイルスに関連したことだと思い不安になり旅行を諦めることにし、出発2日前に旅行会社にキャンセルを申し出た。規定通り代金の半額のキャンセル料を支払うことは仕方ないと思っていたが、同ツアーに申し込んでいた友人から、この旅行自体が出発前日に中止になり、返金されると知らされた。兄に頼まれ旅行会社に連絡したが「規定通りの対応しかできない」と言われた。こんな状況なので、せめてもう少しキャンセル料を減額してくれてもいいのではないかと思う。
  • 娘が他県にある私立高校へ入学することになり、通学のための乗合バス定期券を購入した。この定期券は複数のバス会社の路線が乗り放題で、代金は1年で約5万円だ。しかし、新型コロナウイルスの影響で他県は緊急事態宣言の対象地域となった。高校も休校になり定期券は一度も使用していない。バス会社へ事情を説明したが「この定期券は払い戻しができない」と言われた。返金してほしい。
  • 息子は1か月約10万円の食事付き学生寮に住んでいる。新型コロナウイルスの影響で、通っている大学が閉鎖され、息子は3月から自宅に戻り、7月現在、映像授業を受けている。5月に学生寮の運営業者から「緊急事態宣言の影響があるので、4~6月の食費と共益費(1か月約2万円)を返金する」とのメールが届き、2か月分は返金され、1か月分も来月返金される予定だ。しかし、少なくとも8月までは大学に立ち入ることはできず、今後もどうなるかわからないのに、緊急事態宣言が解除されたことから、7月からは通常どおり食費や共益費を払う必要があるという。家賃部分はこれまで通り支払うが、食費や共益費を支払うことには納得できない。
  • 首都圏ターミナル駅から北陸地方へ電車で10月12日に出発予定の国内ツアー旅行を約10万円でインターネットから申し込んでいた。10月10日、台風19号が接近し各交通機関は運休を決め、現地に行く交通機関も早晩運休を決めるような状況であった。危険を感じ、実施について旅行業者に聞いたところ「明日中には各交通機関の運休が確定する。それまで判断できない」と言われた。危険を冒して何かあったら大変と思いツアーをキャンセルしたところ、代金の30%を支払うようにとメールがきた。旅行業者に聞いたら「業者判断の取り止め前のキャンセルは一律解約料を請求する」と言う。もし今後業者の判断で取り止めになった場合、キャンセル料を請求しないでほしいし、ツアー実施が業者に委ねられていることにも納得できない。
  • 息子は4月末に結婚式を行う予定だった。ところが4月に入って、新型コロナウイルス感染拡大防止措置として政府が緊急事態宣言を発令し、結婚式場が対象地域にあるためキャンセルすることにした。キャンセルを申し出たところ「キャンセル料として結婚式費用全額約260万円を支払う必要がある。延期は可能で、来年の3月末までであれば、約30万円の追加料金で対応する」と業者から説明された。延期した場合でも結婚式費用の3分の2である約170万円を入金するよう言われたという。現況で当初の契約通りの履行を前提とする結婚式場は正しいのか。緊急事態宣言中は使用を制限される施設があると聞いているが、結婚式場はこれに該当しないのか。

消費者庁 特定商取引法違反事業者【株式会社アイエムエスジャパンほか1事業者】に対する行政処分について
▼特定商取引法違反事業者【株式会社アイエムエスジャパンほか1事業者】に対する行政処分について
  1. 処分の内容
    • 取引等停止命令
      アイエムエスは、令和2年12月1日から令和3年5月31日までの間、連鎖販売業に係る連鎖販売取引(特定商取引法第33条第1項に規定する連鎖販売取引をいう。以下「連鎖販売取引」という。)のうち、次の取引等を停止すること。
      • アイエムエスの行う連鎖販売取引について勧誘を行い、又は本件連鎖販売業に係る連鎖販売取引について勧誘を行わせる者(特定商取引法第33条の2に規定する勧誘者をいう。以下「勧誘者」という。)に勧誘を行わせること。
      • アイエムエスの行う連鎖販売取引についての契約の申込みを受け、又は勧誘者に当該取引に係る契約の申込みを受けさせること。
      • アイエムエスの行う連鎖販売取引についての契約を締結すること。
    • 指示
      • 勧誘者は特定商取引法第33条の2に規定する氏名等の明示義務に違反する行為(統括者の名称、勧誘目的及び役務の種類の不明示)及び同法第34条第1項の規定により禁止される連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為を、アイエムエスは同法第37条第2項に規定する書面の交付義務に違反する行為(不交付)をしている。かかる行為は、特定商取引法の規定に違反するものであることから、当該行為の発生原因について、調査分析の上検証し、再発防止策を講ずるとともに、コンプライアンス体制を構築し、これらをアイエムエスの役員、同社の業務に従事する者及び会員に、前記(1)の取引等停止命令に係る取引等を再開するまでに周知徹底すること。
      • アイエムエスは、本件連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約を締結しているものであるところ、令和元年10月1日から令和2年11月30日までの間に、同社との間で連鎖販売取引についての契約を締結した全ての相手方(以下「契約の相手方」という。)に対し、以下の事項を、消費者庁のウェブサイト(https://www.caa.go.jp/)に掲載される、同社に対して前記(1)の取引等停止命令及び本指示をした旨を公表する公表資料を添付して、令和3年1月4日までに文書により通知し、同日までにその通知結果について消費者庁長官宛てに文書(通知したことを証明するに足りる証票及び通知文書を添付すること。)により報告すること。なお、令和2年12月14日までに、契約の相手方に発送する予定の通知文書の記載内容及び同封書類一式をあらかじめ消費者庁長官宛てに文書により報告し承認を得ること。
        • 前記(1)の取引等停止命令の内容
        • 本指示の内容
        • 勧誘者は、遅くとも令和元年10月以降、本件連鎖販売業に係る本件役務の提供のあっせんを店舗等によらないで行う個人を相手方として、連鎖販売取引についての契約の解除を妨げるため、当該相手方が特定商取引法第40条の規定に基づき、同法第37条第2項の書面を受領した日から起算して20日以内であれば、ブリッジサイトを利用後も、適法に当該契約の解除(以下「クーリング・オフ」という。)を行うことができるにもかかわらず、あたかもブリッジサイトを利用した後には、クーリング・オフができなくなるかのように告げていること。
  2. 処分の原因となる事実
    • アイエムエスは、以下のとおり、特定商取引法の規定に違反する行為をしており、連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が著しく害されるおそれがあると認定した。
      1. 氏名等の明示義務に違反する行為(統括者の名称、勧誘目的及び役務の種類の不明示)(特定商取引法第33条の2)
        • 勧誘者は、遅くとも平成30年6月以降、連鎖販売取引をしようとするとき、その勧誘に先立って、その相手方に対し、「イベント好きそうだし、友人も欲しそうだし、サポートスタッフのこと詳しく説明してくれる人がいるから、今度、話を聞いてみない。」、「転職について詳しい人がいるから紹介できるよ。」などと告げるのみで、統括者の名称、特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る役務の種類を明らかにしていない。
      2. 契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為(特定商取引法第34条第1項)
        • 勧誘者は、遅くとも令和元年10月以降、本件連鎖販売業に係る本件役務の提供のあっせんを店舗等によらないで行う個人を相手方として、本件連鎖販売取引に係る契約の解除を妨げるため、当該相手方が特定商取引法第40条の規定に基づき、同法第37条第2項の書面を受領した日から起算して20日以内であれば、ブリッジサイトを利用後も、クーリング・オフを行うことができるにもかかわらず、あたかもブリッジサイトを利用した後には、クーリング・オフができなくなるかのように告げている。
      3. 契約書面の交付義務に違反する行為(特定商取引法第37条第2項)
        • アイエムエス及び佐藤は、遅くとも平成30年7月以降、本件連鎖販売業に係る本件役務の提供のあっせんを店舗等によらないで行う個人を相手方として本件連鎖販売取引についての契約を締結した場合において、本件連鎖販売取引の契約の内容を明らかにする書面を交付していない。

【国民生活センター】

【2021年2月】

国民生活センター 不正利用かも!? 利用明細は必ず確認
  • 内容
    • クレジットカード会社から代金の引き落としができないと、確認の電話が来た。慌てて利用明細を見ると、先月3回に渡って、計50万円以上の心当たりのない請求があった。カード会社に問い合わせ、教えてもらった請求元に連絡をすると、私名義での購入の履歴はないと回答があった。(70歳代 男性)
  • ひとこと助言
    • 「クレジットカード会社から利用した覚えのない請求があった」という相談が寄せられています。第三者による不正利用のおそれもあります。
    • 利用明細は必ず毎月確認しましょう。クレジットカードを利用した際の伝票や注文確認メール等は保管しておき、日付や金額等を利用明細と突き合わせて確認しましょう。また、利用明細には、店舗名とは異なる記載がされていることもあります。
    • 自分に覚えがなくても家族がカードを利用している可能性もあるので、家族にも確認してみましょう。
    • 不正利用が疑われる場合は、早急にカード会社に連絡しましょう。
    • 困ったときは、すぐにお住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。

国民生活センター ガソリン携行缶の取り扱いに注意-取り扱いを誤るとガソリンの漏えいや噴出の原因に-
  • ガソリン携行缶はガソリンを運搬するための金属製の容器で、ホームセンターや自動車用品店などの実店舗、インターネット通信販売などで販売されています。ガソリンの貯蔵、取り扱い、運搬方法等については消防法令により規定されており、ガソリン携行缶以外のポリタンクなどにガソリンを入れて運搬することは禁止されています。そのため、刈払機や耕運機、発電機への給油等でガソリンを運搬する場合はガソリン携行缶を使用する必要があります。
  • 当センターでは、これまでに各地の消費生活センターからガソリン携行缶に関するテスト依頼を3件受けており、いずれも保管中にガソリンが漏えいしたというものでした。このうち2件は、保管中の温度変化による内圧の変化の繰り返しによって亀裂が生じ、ガソリンが漏えいしたと考えられました。さらに、夏場の炎天下など、高温になる場所でガソリンが入ったガソリン携行缶を保管し、内圧が上昇した状態でキャップを外すと、中のガソリンが噴出する危険性があります。そこで、ガソリン携行缶の取り扱いに関する危険性を検証し、注意喚起することとしました。
  • ガソリン携行缶とは
    • 最大容積は、消防法令により22Lと規定されており、小型のものでは1L以下のものもあるなど、大きさや形状はさまざまです。ただし、いずれのガソリン携行缶においても、消防法令に規定されている落下試験、気密試験、内圧試験、積み重ね試験で基準に適合している必要があります
    • ガソリン携行缶の中にはエア調整ねじが付いているものがあり、キャップを外す前に圧力調整を行うことで、気化したガソリンにより上昇した内圧を下げ、ガソリンの噴出を防ぐことができます
    • ガソリン携行缶には消防法令で定められた安全性能基準に適合していることを示す表示として、KHKマーク(注1)やUNマーク(注2)のいずれか一方、または両方が貼付されているものが多く見受けられます
    • (注1)危険物保安技術協会の試験確認基準に適合した危険物運搬容器に表示されます。KHKマークの付された容器は、消防法令の試験基準に適合したものとみなされます。
    • (注2)危険物の国際輸送に関する国際勧告(UN規格)に適合した危険物運搬容器に表示されます。UNマークの付された・容器は、消防法令の試験基準に適合したものとみなされます。
  • 保管中の温度変化の影響による事故の危険性
    • 直射日光が当たる車内にガソリン携行缶を放置したところ、内容物の温度は60℃以上に上昇しました
    • ガソリンの入ったガソリン携行缶の内圧が上昇した状態でキャップを外したところ、ガソリンが激しく噴出しました
    • ガソリン携行缶の内圧の変化が繰り返されると、亀裂が生じ、ガソリンが漏えいする可能性がありました
    • 表示の調査
    • 高温になる場所は避けて保管する旨の注意表示がすべての銘柄で見られました
    • 内圧の変化によりガソリン携行缶に亀裂が生じるおそれがある旨の記載がされているものは4銘柄中1銘柄のみでした
  • 消費者へのアドバイス
    • ガソリン携行缶を高温になる場所に保管すると内圧が上昇し、キャップを外す際にガソリンが噴出する危険性があります。直射日光が当たるなど、高温になる場所には保管しないようにしましょう
    • 温度変化の大きい場所での保管を控えるとともに、こまめに圧力調整を行いましょう
    • ガソリンは危険物です。取り扱いや保管に十分注意し、必要以上のガソリンを保管しないようにしましょう
  • 事業者への要望
    • ガソリンの入ったガソリン携行缶を温度変化の大きい場所に保管した場合の危険性について、取扱説明書等に記載し、注意喚起することを要望します

国民生活センター 出会い系サイトやマッチングアプリ等をきっかけとする投資詐欺にご注意を-恋話(コイバナ)がいつの間にかもうけ話に-
  • 新型コロナウイルス感染症拡大防止のために新しい生活様式の実践が求められている中、対面での食事会など出会いの場が減少していることから、パートナーを見つけるための活動をオンラインでサポートする、いわゆる出会い系サイトやマッチングアプリ等を利用する機会が増えているものとみられます。
  • このようなサービスでは、オンラインで気軽にパートナーを探せる一方、本人確認の徹底が難しいことから、本来の利用方法ではない目的で近づいてくる人物とマッチングしてしまうこともあります。中でも、現在経済的に見通しの立ちにくい状況が続いているためか、詐欺的な賭け事や投資等の海外サイトに勧誘する手口が目立っています。
  • 相談事例
    1. 紹介者から暗号資産が振り込まれたが、手数料を支払っても出金できない
      • マッチングアプリで知り合った女性だと言う人物から、暗号資産(仮想通貨)の売買で資産を増やせると誘われ、海外の取引サイトに登録し口座を開設した。女性から私の口座に暗号資産が振り込まれ、預かってほしいと言われた。暗号資産の引き出し等を行うには、約75万円の暗号資産を支払う必要があるが、のちに返金すると言われたので、送金したところ、サイトから、受領のメールと72時間以内に返金するとの通知が届いたが、返金されない。(2020年10月受付 30歳代 男性)
    2. その他、以下のような相談も寄せられています。
      • 海外の暗号資産取引所でのFXを勧められ利益が出たが、少額しか出金できない
      • 暗号資産での賭博を勧められたが、出金できない
      • デジタル宝くじを紹介され何度か振り込みと出金を繰り返したが、最後に出金できなくなった
      • 免許証の写しを送ってしまった相手に、投資のために振り込んだお金を返さないと訴えると言われた
  • 相談事例から見た問題点
    • メッセージのやり取りだけでは本人確認が難しい
    • 紹介された投資サイト等が架空
    • 出金ができなくなり、結局損失となる
    • 個人情報を悪用される可能性がある
    • 消費者へのアドバイス
  • 出会い系サイトやマッチングアプリ等の規約をよく読んでから利用しましょう
    • うまいもうけ話には安易に応じないようにしましょう
    • 投資は慎重に行いましょう
    • 個人情報を安易に提供しないようにしましょう
  • 不安に思った場合やトラブルにあった場合は
    • すぐに最寄りの消費生活センター等に相談してください。海外事業者とのトラブルについては、国民生活センター越境消費者センター(CCJ)でも相談を受け付けています
  • 消費者ホットライン「188(いやや!)」番
    • 最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。
  • 国民生活センター越境消費者センター(CCJ)
    • ご相談はウェブフォームで受け付けています。

    国民生活センター ガソリンスタンドで「このままでは危険」と突然、タイヤの交換を勧められた
    • 質問
      • ガソリンスタンドで給油したところ「タイヤの溝がすり減っていて、このまま走り続けると危ない。今すぐタイヤ交換が必要」と、その場での交換を勧められました。不安になって、勧められるままに交換してしまいましたが、高額だし、本当に必要があったのかどうか疑問に思います。
    • 回答
      • タイヤの交換は、ディーラー(メーカー系列の販売店)、タイヤ専門ショップ、整備会社などでもできます。タイヤ交換の必要性があったとしても、急がされてその場で契約すると、トラブルにつながる可能性があるため、複数の業者に必要性と価格を確認し、比較検討してから依頼しましょう。
      • なお、キズやひび割れ、溝の深さの程度が交換の目安になります。自分でも可能な限りで確認してみるとともに、日頃から定期的な点検を欠かさないようにしましょう。
    • 解説
      • ガソリンスタンドでの給油をきっかけに、タイヤ等を「交換しないと危険」と言われ、不安を感じてその場で契約して交換したものの、なじみのディーラーに後日たずねたところ「必要性は疑わしい」と言われたという相談が寄せられています。
      • タイヤの交換は、ガソリンスタンド以外に、ディーラー、自動車用品量販店、タイヤ専門ショップ、自動車整備会社などでもできます。交換を勧められた場合は具体的な根拠について説明を求めるとともに、日頃定期点検や車検を依頼して車両状態を知っているディーラーや整備会社等の意見を聞き、交換・修理するか否か、行う場合はどの事業者と契約するかを比較・検討しましょう。
        1. タイヤ交換の目安
          • タイヤはゴム製品であり、走行距離数の影響を受けるほか、使用していなくても製造から長期間経過したものは経年劣化を起こし、本来の性能を発揮できなくなります。交換時期はスリップサイン(注1)が出た場合のほか、タイヤの接地面や側面にカーカスコード(タイヤの中にある骨格部分)に達しているキズ・ひび割れなどが見えていた場合、製造から10年以上経過した場合などです(注2)。自分でも可能な範囲で確認してみましょう。
          • なお、タイヤの側面には、アルファベットとともに、4桁の数字が示されており、並び順から次のように読み取ることで、製造年週が分かります。
          • 例:ABC 0420
            • ABC:メーカー(工場)等を示すアルファベット(必ずしも3文字ではない)
            • 04:製造週/1月からカウントし、04であれば第4週となる
            • 20:製造年/西暦下2桁を示しており、20であれば2020年となる
              • (注1)すり減りによりタイヤの溝の深さが1.6ミリ以下になると現れる溝の途切れで、タイヤ横にある△マークを見ることで位置を確認することができる。
              • (注2)また、使用開始から5年以上経過したタイヤについては、タイヤ販売店等での点検を受けることが推奨されている。
        2. タイヤ交換の必要性が疑わしい場合
          • 真実に反して「溝が大きくすり減っていてこのまま走ると危ない。タイヤ交換が必要である」と告げられて、新しいタイヤを購入した場合は、契約を取り消すことができる可能性があります(消費者契約法4条)。
        3. 自分でできるタイヤの点検項目
          • 車の部品は、走行や時間の経過に伴って知らない間に劣化・摩耗しています。安心してドライブを楽しむためにも日常点検をしっかり行いましょう。
          • タイヤの点検項目は3点です。
            1. 空気圧
              • 走行前のタイヤが冷えているときに、接地部のたわみ具合を目で見て判断します。たわみ具合で判断できない場合、エアゲージやガソリンスタンド等で点検し、指定空気圧を下回ることがないようにしましょう。指定空気圧は車によって異なり、運転席やドア開口部などにシールで表示されています。
            2. キズ・ひび割れ
              • タイヤのキズやひび割れの有無を目で確認するとともに、タイヤの溝部にかみ込んだ小石等を発見したときは、きれいに取り除きましょう。なお、くぎや金属片等が刺さっていた場合は、タイヤ販売店等にご相談ください。
            3. 溝の深さ
              • 不足がないかをスリップサインなどにより点検します。スリップサインが現れたら必ずタイヤを交換しましょう。

    国民生活センター 「転売ビジネス」で稼ぐつもりが…簡単には儲からない!-ネット広告やSNSの情報、友人からのうまい話をうのみにしないで-
    • インターネット通販等で仕入れた商品をフリマサイト等で販売する「転売ビジネス」に関する相談が全国の消費生活センター等で増加しています。
    • 相談事例をみると消費者が副業やお小遣い稼ぎをしようと転売ビジネスのノウハウやサポートを提供する事業者と契約したが、「ネット広告や事業者の説明のようには稼げなかった」「高額なサポート料を支払ったのに全くサポートがない」「返金保証があると言われて契約したのに、解約しても返金がない」などの相談が寄せられています。
    • 年度別相談件数:2015年度は548件、2016年度は616件、2017年度は669件、2018年度は948件、2019年度は1,411件、2020年12月31日までの件数は1,256件です。
    • 契約当事者が20歳代の割合:2015年度は21%、2016年度は29%、2017年度は25%、2018年度は28%、2019年度は42%、2020年12月31日までの割合は45%です。
    • 相談事例
      1. 返金保証もあると言われて高額なサポート契約をしたが商品は売れず返金もされない
        • インターネットで「ネットビジネス」と検索し、「安く仕入れた商品をフリマサイトで高値で転売する」という副業を紹介する事業者をみつけ、1万円でガイドブックを購入した。その後、事業者から電話があり「この副業にサポートがついている50万円のコースがある」「万が一、儲からなかったら返金保証もある」と説明され、クレジットカードで10万円支払い、残り40万円を銀行口座に振り込んだ。
        • 事業者のサポート通りにフリマサイトに商品を出品したが、買い手がつかず利益がでないまま仕入れの費用だけがかさんでいる。事業者に返金保証について問い合わせたが、「あなたは返金保証の対象ではない」と言われた。返金保証には、指定商品の販売をすること、フリマサイトで150人以上からフォローされていることなどが条件のようで実現できそうにない。返金してほしい。
      2. その他、以下のような相談も寄せられています
        • 誰でも稼げるというセミナーをきっかけに高額契約したが、作業が難しくできない
        • 仕入サイトの商品の在庫が少なく、広告に記載されているほど稼げない
        • 有料のオンラインコミュニティに入会したが、個別サポートが受けられない
        • 「リスクのない転売ビジネス」のはずがフリマサイトで禁止された無在庫転売だった
        • 転売ビジネスのノウハウを借金させられて契約したが、役に立つ内容ではなかった
    • 相談事例からみた特徴・問題点
      • 簡単に高収入が得られることを強調するネット広告や説明で消費者に興味を持たせる
      • 詳しい話を聞こうと連絡を取ると高額なサポート料等が必要と言われる
      • お金がないと断ってもクレジットカードの分割払いや借金をさせてまで強引に契約させる
      • 事業者からサポートがなかったり、指示通りに作業しても必ず利益が出るわけではない
      • 解約に応じてもらえなかったり、返金保証などの約束が果たされない場合がある
    • 消費者へのアドバイス
      • 「簡単に儲かる」などの広告や友人等からのうまい話をうのみにしないようにしましょう
      • 転売ビジネスを始めるために高額な費用が必要といわれたら要注意です!
      • 「リスクなし」「必ず稼げる」わけではありません。禁止された転売にも注意しましょう
      • トラブルにあった場合は、消費生活センター等に相談しましょう

    国民生活センター 親のカードでオンラインゲームに高額課金!
    • 事例
      • 小学生の息子が、家族共用のタブレット端末で、オンラインゲームの有料アイテムを数日間のうちに次々に購入し、総額150万円以上も課金していた。タブレット端末には、父親のクレジットカード情報が登録されたままになっており、子どもが使う際も、利用できるようになっていた。
    • (当事者:小学生 男児)
    • ひとことアドバイス
      • 親が知らない間に子どもが無断でオンラインゲームに課金してしまったという相談が多く寄せられています。
      • スマートフォンやタブレット端末などにクレジットカード情報を登録したままにしておくと、子どもが端末使用時に自由に課金できてしまいます。保護者は、カード情報を削除しておくなど、クレジットカードの管理を適切に行いましょう。
      • クレジットカードの利用ごとにメール等で通知されるよう設定し、日ごろから状況を確認しましょう。
      • 子どもが使う端末ではペアレンタルコントロール等を利用し、購入・支払いなどの制限をかけることも有効です。
      • 困ったときは、すぐにお住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。

    国民生活センター 販売サイトで契約内容をよく確認! 定期購入トラブル
    • 内容
      • ネットの広告を見て、特別価格約3千円の美容液を購入した。肌に合わず使用をやめていたが、商品が再び届き、定期購入だと初めて気付いた。すぐに事業者に解約と返品を申し出たが、「発送日の10日前までに申し出ないと対応できない」と言われた。2回目の商品は1万円以上でとても高い。申し込み時には、定期購入だと分からなかった。どうにかならないか。(60歳代 女性)
    • ひとこと助言
      • 1回だけのつもりで申し込んだが、定期購入になっていたという相談が多数寄せられています。
      • 詳細な契約内容は、「○%オフ」などの目立つ表示と離れた場所に表示されていたり、小さい字で書かれていたりすることがあるため、画面の隅々まで見るなど注意が必要です。
      • 「解約の申し出は次回発送日の○日前まで」などと解約条件が定められている場合も多くあります。注文する際には、解約条件などの契約内容をしっかりと確認しましょう。
      • 困ったときは、すぐにお住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。

    【2021年1月】

    国民生活センター 発電機や炭での一酸化炭素中毒に注意
    • 内容
      • 一酸化炭素(CO)は、無色・無臭で気が付きにくい人体に有毒な気体です。最悪の場合、死に至ることもあります。
      • 発電機の排気ガスで一酸化炭素の中毒事故も起きています。屋内や、車庫などの風通しの悪い閉鎖された空間で使用するのは絶対にやめましょう。
      • 木炭・練炭などの炭の燃焼でも一酸化炭素が発生します。屋内で使用する場合は、十分に換気をしましょう。
      • ガスの不完全燃焼などによる一酸化炭素中毒の事故もあります。こまめな換気を心がけましょう。
      • 一酸化炭素を感知し、危険を知らせる「住宅用ガス・CO警報器」を設置するのも事故を防ぐ手段として有効です。

    国民生活センター 国民生活 2021年1月号【No.101】 発行(国民生活)
    ▼情報に流されない!-ヘルスリテラシーを身に付けよう-
    • 正確な情報は人を対象とした臨床試験の結果であることは前述したとおりです。具体的には、どのような症状・病気の人が、どのような治療を行って、どれくらいの効果が得られたのかを整理して情報を読み解いていきます。しかし、世の中には、数字のトリックなどを使って見栄えをよくしているケースなど、落とし穴が潜んでいることがあります。さらに、マーケティングの名のもと心理効果を巧みに使って、患者や消費者にアピールしているケースもあります。よく目にする代表的な例を紹介します。
      • フレーミング効果
        • 「ビタミンC 1g」よりも「ビタミンC 1,000mg」と表示されているほうが、よりたくさん成分が入っているように錯覚してしまうことはないでしょうか。
      • シャルパンティエ効果
        • 「鉄1kg」と「綿1kg」、どちらが重いか?と聞かれたとき、一瞬「鉄のほうが重いかも……」と普段の思い込みや先入観で迷いが生じてしまうことがあるかもしれません。
      • 権威への服従心理
        • 「大学教授」「医学博士」の肩書を持つ人の発言は、そうでない人と比べて信用できると考えている人は多いと思います。
      • ウィンザー効果
        • 口八丁手八丁な営業マンの「この商品は最高ですよ!」というセールストークよりも、利害関係のない第三者の「この商品は本当によかったです」といった感想のほうが、情報として信憑性が増すのではないでしょうか。
    • こうしたトリックや心理効果は、人の脳がもともと備えているしくみを応用したものです。なかなか、本能的な脳のしくみにあらがうことは難しいという一面も否定できません。逆説的かもしれませんが、「人の脳はだまされやすい」という事実を常に意識しておくことが情報を正確に理解するうえで重要になるのかもしれません。
    • ヘルスリテラシーにおける情報を「活用」する場面で、“正解がない”ということは、患者や消費者の立場からすれば、決断・行動に二の足を踏んでしまうことにもなりかねません。さらに、情報の活用の場面においても、意思決定を悩ませる落とし穴があることが分かってきています。代表的な例を2つ紹介します。
      1. 選択のパラドックス
        • 多くの人が、選択肢が増えることは自由度が増すことを意味し、人はその分幸せになれると思っているかもしれません。しかし、選択肢が増えることが必ずしも幸せにつながるわけではないことが明らかになってきました。選択肢が増えることによる悪影響については、次の2つがあります。
          1. 無力感が生まれる:あまりにも多くの選択肢があると、人は選べなくなってしまい無力感を感じる。
          2. 満足度が下がる:無力感に打ち勝って決断を下したとしても、選択肢が多いと選択肢が少ない場合と比べて自分が選んだ選択肢への満足度が下がる。
        • さらに、選択肢が増えることで、満足度が下がる理由として、次の3つが挙げられています。
          • 《理由1》選んだ選択肢が完璧でなかった場合、選ばなかった選択肢のほうがよかったのではないかという後悔の念が生じる。
          • 《理由2》選択肢が多いと、選ばなかった別の選択肢のよいところを想像することで、選んだ選択肢に不満を持つ度合いが高くなる。
          • 《理由3》選択肢が多くなると完璧な選択肢があるはずだと期待値が増大し過ぎてしまう。
      2. プロスペクト理論
        • 行動経済学の理論で「人は意思決定の際に、得をするより損をしたくない思いのほうが強い」というものがあります。また、この理論では「人は損失が出ているときは、リスクを許容する行動に出る傾向がある」ともいわれています。
        • 身近な例えで「借金で首が回らない人ほど怪しい儲け話に手を出しやすい」と説明されればイメージしやすいかもしれません。つまり、病気で不安に襲われているようなとき、人は冷静さを失い、不合理な選択をしてしまう可能性があることを意味します。
        • ヘルスリテラシーにおける「活用」の場面では、「医療に対して過剰な期待をしていないか?」「今、自分は冷静に判断をできる心理状況か?」という点についても、ちょっと立ち止まって考える必要がありそうです。
        • 実は、日本人のヘルスリテラシーは他の国と比べて低いことが報告されています。その背景の1つに、身近に健康や病気のことを何でも相談できる場が十分に整備・確保できていないことが指摘されています。情報の荒波の中で進むべき方向を指し示してくれる灯台のような「かかりつけ医「」かかりつけ薬剤師(健康サポート薬局)」をパートナーとして、一緒に情報を入手・理解・評価・活用することが、ヘルスリテラシー向上の秘訣になるのかもしれません。ただ、その際には、医療者とのコミュニケーションが重要になってきます。

    国民生活センター 着物等のレンタルトラブル
    • 着物等のレンタル契約について、「使用するのは2年近く先なのに契約時に全額入金を求められた」「法外なキャンセル料を請求された」「事業者と連絡がつかない」などの相談や新型コロナウイルスに関連する相談が消費生活センター等に寄せられています。
    • 不安に思った場合や、事業者とトラブルが生じた場合など、お困りの際には、お住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください。
      1. 新型コロナ関連の相談 新型コロナウイルスに関連して、以下のような相談がみられます。
        • 成人式が中止になり振袖のレンタルをキャンセルしたが返金しないと言われた
        • 自己都合のキャンセルではないのに違約金が高額だ
        • 特に解約やキャンセル料に関する相談が多く寄せられています。利用規約等で解約条件やキャンセル料がいつから、どのくらいかかるのかをしっかり確認しましょう。
      2. 契約時に注意すべきポイント
        • 「今だけのお得なキャンペーン」「期間限定の特典」などと業者から契約をすすめられることがあります。しかし、「これを着る!」と決めることは同時に、「これ以外は着ない!」と決めることでもあります。トラブルを避けるためには、契約をせかされても迷っているうちは契約しないことや、契約前に十分な情報を集めることが大切です。以下の点を注意しましょう。
          1. レンタルされる商品の内容:衣装のほか小物を含め、何が「レンタルされる商品」に含まれるのか。
          2. レンタル以外のサービスの内容:着付けや写真撮影など、どんなサービスがあるのか。
          3. 料金:上記1.2.の「何」に対して「いくら」支払うのか。
          4. レンタルの期間:貸出日と返却日
          5. 契約の成立時期
          6. 解約条件:どういう場合に解約できるのか。
          7. キャンセル料:「いつ」から、「どのくらい」かかるのか。

    国民生活センター 物のウイルス対策等をうたう「次亜塩素酸水」
    • 新型コロナウイルスの感染拡大により、除菌や消毒をうたう商品の需要が高まり、店頭にはさまざまな商品が販売されています。そのような中、ウイルス対策等をうたい次亜塩素酸水として販売されている商品(以下、「次亜塩素酸水」とします)が多数みられます。
    • 2020年6月に厚生労働省、経済産業省、消費者庁の3省庁連名で公表された「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」において、物に付着したウイルス対策の手法として、熱水や塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)、洗剤(界面活性剤)、「次亜塩素酸水」、一定濃度のアルコールが挙げられています。「次亜塩素酸水」の性質や取扱においては、製法と原料が基礎的な情報となるとされ、また、「次亜塩素酸水」の効力は有効塩素濃度(残留塩素濃度)と酸性度が指標となるとされています。一方で、次亜塩素酸濃度やpH、製法や原料が明記されていない商品が多いという報告もされています。
    • また、PIO-NETには、新型コロナウイルスに関連した相談のうち、「次亜塩素酸水」に関する相談が498件寄せられており、中には、手に刺激を感じた等の危害が発生したという事例もみられます。
    • そこで、市販されている「次亜塩素酸水」15銘柄について、有効塩素濃度やpH、表示等について調べ、消費者に情報提供することとしました。
    • テスト結果
      • 有効塩素濃度
        • 商品本体、取扱説明書等や販売者等のウェブサイトに有効塩素濃度の表示がみられた14銘柄中8銘柄は、購入時期によって有効塩素濃度が表示の9割以下の場合がありました
      • 液性(pH)
        • テスト対象銘柄の液性は弱酸性から中性であり、商品本体、取扱説明書等や販売者等のウェブサイトにpHの表示がみられた13銘柄中2銘柄はpHが表示と異なっていました
      • 表示・広告の調査
        • 15銘柄中5銘柄は、商品本体や取扱説明書等に有効塩素濃度に関する表示がみられませんでした
        • 9銘柄は、商品本体、取扱説明書等や販売者等のウェブサイトに、対象となる物の汚れを落としてから使用する旨の表示がありませんでした
        • 5銘柄には、商品本体、取扱説明書等や販売者等のウェブサイトに、手指や口腔の洗浄等、化粧品に酷似した効果等に関する表示がみられ、消費者に誤認を与えるおそれがありました
        • 商品本体及び取扱説明書等から使用期限が分からない銘柄が5銘柄ありました
    • 消費者へのアドバイス
      • 「次亜塩素酸水」は、有効塩素濃度が購入時点で表示の濃度と大きく異なる場合があることを知っておきましょう
      • 「次亜塩素酸水」を購入、使用する際には、有効塩素濃度やpH、使用期限、使用方法などの表示をよく確認するようにしましょう
      • 物に付着した新型コロナウイルスの消毒や除菌には「次亜塩素酸水」や一定濃度のアルコール、界面活性剤等、さまざまな選択肢があります。目的に合ったものを適切に使いましょう
    • 事業者への要望
      • 商品本体や取扱説明書等に有効塩素濃度やpH、使用期限、使用方法を表示し、使用期限内は表示の有効塩素濃度やpHが保たれるよう要望します
      • 効果等について、消費者に誤認を与えないよう、表示の見直しを要望します

    国民生活センター 新型コロナウイルスに便乗した悪質商法にご注意!(速報第8弾)-「コロナで困っている」等と言い、嘘や強引な勧誘で魚介類を購入させる手口に気をつけて-
    • 新型コロナウイルスの感染拡大に関連した相談が、全国の消費生活センター等に寄せられています。その中から、速報第8弾として、観光地に出向いてカニなどの魚介類を購入する人が減少している状況に便乗して、消費者の自宅へ電話をかけて「魚介類の産地を観光で訪れる人が減り、経営が苦しい。助けてほしい」などと消費者の関心を引き、強引な勧誘や嘘を言って魚介類を購入させる手口について、被害の未然防止のために相談事例を紹介します。
    • 魚介類の送り付け商法については、以前から相談が多く寄せられていますが、新型コロナウイルスの影響により在宅する人が増えているとみられるため、このような電話勧誘には注意が必要です。
    • 相談事例
      • 【事例1】過去に購入したことがあると言う業者に同情して魚介類を購入したが、嘘だった
        • 昨日、魚介類の販売業者から「過去に注文実績がある顧客にお得な魚介類の販売を案内している」という電話があった。「コロナ禍で地元の観光客が減少している」という話をされたので同情してしまい、1万5000円の魚介類セットを注文してしまった。商品は来月初めに代引き配達で受け取ることになっている。販売会社名は名乗ったが、担当者名や連絡先は聞いていない。電話を切った後、過去に購入したことのある業者は別の業者で、電話をかけてきた業者の言ったことは嘘だったことがわかった。注文をキャンセルしたいが、どうしたらよいか。(受付年月:2020年11月 契約当事者:60歳代 女性)
      • 【事例2】助けてほしいと言われて魚介類を購入したが、値段に見合わないような商品だった
        • 5~6年前に土産として魚介類を購入したことがある他県の業者から、1週間前に電話がかかり、「感染症流行のために経営が苦しいので商品を買って助けてほしい」と頼まれた。人助けになるならと思い、約2万円の品物を注文した。しかし、昨日届いた品物は、貧弱なカニの足2本とかす漬のサンマ3切れに塩辛など、値段に全く見合っていない物だった。代金は既に支払済みだ。クーリング・オフしたいと思って業者に何度も電話しているが、電話に出ない。対処法を知りたい。(受付年月:2020年8月 契約当事者:60歳代 男性)
      • 【事例3】断ったにもかかわらず、魚介類を送ると言われた
        • 遠方の業者から「25年前に当地に旅行をした際に魚介類を購入された名簿があり、電話した。現在、コロナの影響で困っているので魚介類を買ってください」と電話があった。何度も断ったのに、業者は「送ります」と言って電話を切った。もし届いたらどうすれば良いか。(受付年月:2020年11月 契約当事者:70歳代 女性)
    • 消費者へのアドバイス
      1. おかしいと感じたら、「すぐに」「きっぱりと」断りましょう
        • 電話をかけてくる業者は、「新型コロナウイルスの影響でお客が減少している」「助けてほしい」などと消費者の関心を引き、魚介類の購入を勧めてきますが、連絡先を言わない、話の内容に嘘があるなど、不審な点があった場合には、相手と話し込まずに、きっぱりと断りましょう。
      2. 業者からの電話で契約をしたときは、クーリング・オフができます
        • 業者からの電話勧誘によって契約をした場合、特定商取引法に定める「電話勧誘販売」に該当します。もし、業者からの電話で魚介類の購入を承諾してしまっても、特定商取引法に定める書面を受け取った日から数えて8日間は、クーリング・オフ(無条件解除)をすることができます。
      3. 一方的に商品が届いても受け取らない、受け取ってしまったら14日間は保管しましょう
        • 電話で勧誘され、魚介類の購入を承諾していないにもかかわらず、一方的に商品を送り付けられたときは、できれば送り主の名称や所在地をメモしてから、受け取りを拒否しましょう。もし、商品を受け取ってしまっても、代金を支払う必要はありません。特定商取引法により、所定の期間(受け取った日から14日間、消費者が商品の引き取りを業者に請求した場合は、その請求の日から7日間)は商品を保管する必要がありますが、その期間内に業者が商品を引き取らなければ、消費者が自由に処分してよいことになっています。
      4. 不審に思った場合や、トラブルにあった場合は、最寄りの消費生活センター等に相談しましょう
        • 今後も、魚介類に限らず、新型コロナウイルスによる苦境を口実にした電話勧誘が行われる可能性があります。少しでもおかしいと感じたら、早めにご相談ください。

    国民生活センター 模倣品や海賊版などを見つけたら
    • 質問
      • オンライン・ショッピング・モール内のサイトや直販サイトで、極端に価格が安いブランド品やソフトウエア、DVDなどが販売されていることがありますが、模倣品や海賊版の可能性があると思います。それらを見つけた場合、どこに連絡したらよいでしょうか。
    • 回答
      • 模倣品・海賊版等(以下、模倣品等)を見つけた場合は、サイト上の申告フォーム等を利用してオンライン・ショッピング・モールの運営事業者に通報したり、商品の権利者や関係機関(権利者団体や管理団体等)に情報提供しましょう。サイトからの商品の削除や注意喚起、ショップのサービス停止等につながる可能性があります。
      • また、最寄りの警察署に通報・相談することもできます。
    • 解説
      • 模倣品・海賊版等とは
        • 模倣品とは特許権、商標権などの知的財産権を侵害した製品のことで、バッグや財布、時計などの偽ブランド品のほか、有名メーカーの電化製品などを模倣した例があります。
        • 海賊版は著作権者の許諾を受けずに複製(コピー)された製品のことで、書籍、音楽・映像・写真やソフトウエアなどを複製した例があります。
      • 模倣品等を購入しないようにしましょう
        • 模倣品等は知的財産権を侵害しており、健全な商品流通を阻害するだけでなく、購入することが、それらを製造・販売する組織的な犯罪に加担することにつながります。
        • 模倣品等を販売するサイトには以下のような特徴が見られますので、購入前にしっかりチェックしましょう。
          • 正規品に比べ、販売価格が極端に安い。
          • 販売事業者の連絡先(氏名(名称)・住所・電話番号)が記載されていない。もしくは存在しない連絡先が記載されている。
          • 商品説明等の日本語の表現が不自然
          • 支払い方法が前払いの銀行振り込みのみになっている。
        • 模倣品等かどうかの判断が難しい場合、商品の特徴や情報について、製造元の事業者が対応する際は問い合わせるなどして、出どころが不確かなブランド品等は購入しないようにしましょう。
        • また、音楽・映像などの著作物を権利者に無断で複製(コピー)したり(私的利用等、著作権法で認められている複製を除)、インターネット上にアップロードすること、海賊版であることを知りながらダウンロードすることは罪に問われる可能性があります。これらのことは絶対にやめましょう。
      • 模倣品等を見つけたら
        • 模倣品等と思われる商品を見つけた場合、申告フォーム等を利用してオンライン・ショッピング・モールやフリーマーケット等の運営事業者に通報したり、商品の権利者や関係機関(権利者団体や管理団体等)に情報提供しましょう。
        • オンライン・ショッピング・モールやフリーマーケット等の運営事業者は申告フォームやシステム内のパトロールなどで模倣品等の情報を得て、サイトからの商品の削除や注意喚起、ショップのサービス停止等の措置を行っている場合があります。
        • 模倣品等を購入した場合などトラブルにあった際は、お近くの消費生活センター等(消費者ホットライン188)にご相談ください。
    • 主な通報・情報提供窓口

    【2020年12月】

    国民生活センター コードの付け根から発火したドライヤー(相談解決のためのテストからNo.147)
    ▼報告書本文
    • 消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。
    • 「ヘアドライヤーを使用していたところ、コードの付け根部分から発火した。発火した原因を調べてほしい。」という依頼を受けました。
    • 当該品を調査したところ、電源コードはコードブッシュとの境界で一部断線していたほか、被覆にしわが見られました。また、X線による内部観察を行ったところ、2本の導線のうち、1本は完全に断線しており、もう1本は屈曲し、一部が断線している様子が確認されました。
    • さらにX線CT検査装置を用いて観察したところ、完全に断線していた導線側は、導線を構成する複数の素線に溶融痕(注)が見られました。また、もう1本の屈曲していた導線については、一部の素線に断線が見られたものの溶融痕はなく、2本の導線同士が接触した痕跡も見られませんでした。このことから、当該品は完全に断線した導線の端部同士が接触したり離れたりしたことで発火したものと考えられました。
    • なお、当該品の同型品を用いて電気用品安全法に基づく技術基準を参考にコードの折り曲げテストを行ったところ、電源コードの被覆に損傷は見られず、導線を構成する素線の断線も見られませんでした。
    • 当該品に限らず、ドライヤーのコードの付け根は使用・保管の際に屈曲やねじれが繰り返されることによって損傷する可能性があります。定期的にコードや本体を確認し、異常が見られたときはドライヤーの使用を控えるようにしましょう。
      • (注)電線が短絡(異なった極性の電線が接触した状態)やスパークした際、局部的に大きな電流が流れることにより、導線の接触部に生じる溶融した丸みのある塊のこと。

    国民生活センター エアーベッドの空気漏れに注意
    • 内蔵された電動ポンプで空気を充填するエアーベッドに関する相談が、近年急増しています。PIO-NETでは2015年4月~2020年10月の5年間あまりに、エアーベッドに関する相談が442件寄せられており、約7割が空気漏れに関する相談でした。そのうち、空気漏れに関連した危害・危険事例は9件見られ、「空気が漏れて身動きができなくなった。」、「空気が漏れて転げ落ちけがを負った。」といった内容でした。
    • 当センターにも、エアーベッドの空気漏れに関するテスト依頼が消費生活センターから寄せられています。
    • そこで、主に空気漏れに関する事故事例の再現テストを行い、エアーベッドの使い方について消費者へ情報提供することとしました。
    • PIO-NETに寄せられた情報
      • エアーベッドに関する相談件数は2016年度から急増しています
      • エアーベッドの販売購入形態は、9割以上が通信販売でした
      • 相談者の年齢は60~80歳代が多く見られ、男性からの相談が約6割でした
      • 相談内容は7割が空気漏れに関する相談で、そのうち3割弱が、最初の使用時から空気が漏れていた可能性がある相談でした
      • エアーベッドの空気漏れが原因と考えられる危害・危険事例が9件見られ、そのうち5件が、空気が漏れてバランスを崩したり、エアーベッドから転落した事例でした
    • テスト結果
      • エアーベッドの空気圧
        • エアーベッドの空気圧は電動ポンプを停止させた直後が2.2~2.8kPaと最も高くなりますが、60分ほどで急激に低下し、それ以降はゆっくりと低下し続けました
        • 電動ポンプを取扱説明書に表示された運転時間よりも約1分~1分30秒長く運転すると、空気圧は約20~30%高くなり、エアーベッドは丸みを帯びた状態となりました
      • エアーベッドに対する突き刺し試験
        • シャープペンシルや爪楊枝によってエアーベッドに穴が開く力は、カップ飲料にストローを刺すのに必要な力より小さいことが分かりました
        • 植毛加工されたベッド上面は0.5mm程度とやや厚く、ベッド側面とベッド底面は0.4mm程度の厚さでした
      • 空気漏れの再現テスト
        • 空気圧が1.0kPa程度まで低下すると体を起こしづらくなり、0.75kPa程度まで低下すると全身が埋没して体を起こすことが困難となりました
        • 成人ダミーをエアーベッドの端に仰向けに寝かせた状態で、空気圧が1.5kPa程度まで低下すると、エアーベッドが横転し、成人ダミーが転落することがありました
        • 穴の大きさが約1.0mmでも空気圧の低下は著しく、電動ポンプを停止してから19~35分で、ベッドの端に寝ていた場合に転落の可能性がある1.5kPaまで空気圧が低下しました
      • 表示
        • 取扱説明書にはエアーベッドに特有の使用上の注意点が複数表示されていました
        • 保証期間は銘柄ごとに異なり、使用による空気漏れを保証対象としない銘柄もありました
    • 消費者へのアドバイス
      • エアーベッドの空気圧が低下した状態で使用し続けると、ベッドの端から転落することがあります。PIO-NETに寄せられた相談には、転落してけがを負った事例も複数見られたことから、空気圧が低下した状態では使用しないようにしましょう
      • 空気をクッション材として使用するエアーベッドには、特有の使用上の注意点があります。購入する際はよく確認しましょう
      • エアーベッドを購入した場合は、商品到着後速やかに空気漏れがないかを確認しましょう
      • エアーベッドを使用する場合は、周囲に鋭利なものがないことを確認するとともに、使用する際の服装やポケットの内容物にも注意しましょう
      • エアーベッドが破損し空気漏れ等の原因となる可能性があります。取扱説明書に表示された電動ポンプの運転時間を確認し、空気を入れ過ぎないようにしましょう

    国民生活センター 消費者問題に関する2020年の10大項目
    • 国民生活センターでは、毎年、消費者問題として社会的注目を集めたものや消費生活相談が多く寄せられたものなどから、その年の「消費者問題に関する10大項目」を選定し、公表しています。
    • 2020年は、新型コロナウイルス感染症の流行により、社会や暮らしが大きく変化しました。消費生活でも「便乗した悪質商法」が見られたほか、「インターネット通販」や「定期購入トラブル」など、オンライン取引に関連した相談が目立つ年になりました。
    • 2020年の10大項目
      • 新型コロナウイルス感染症が流行 消費生活にも大きく影響
      • キャッシュレス決済 利用進むも不正使用相次ぐ
      • 販売を伴う預託等取引契約は原則禁止 消費者庁検討委員会が意見を提示
      • デジタル・プラットフォーム等に関する消費者取引の環境整備を検討
      • 年齢問わず発生 無くならない身の回りの事故
      • 子ども、高齢者を問わずオンライン関連の相談増加
      • 「お試し」定期購入のトラブルが過去最高
      • 改正民法施行 消費生活にも密接に関連
      • 特定適格消費者団体による被害回復訴訟で初めての判決が確定
      • 国民生活センター創立から半世紀を迎える

    国民生活センター 死亡事故も! 餅による窒息に注意
    • 内容
      • 事例1 食事中に5センチ大の餅がのどに詰まり、突然うなり声をあげて倒れた。救急車で運ばれ、病院で処置してもらったが、死亡した。(80歳代 男性)
      • 事例2 食事中に餅をのどに詰まらせ意識を失ったため、夫が救急車を呼んだ。病院で治療を受けたが、翌日死亡した。(70歳代 女性)
    • ひとこと助言
      • 餅による窒息事故が毎年起きています。特に高齢者は、かむ力や飲み込む力が弱くなり、窒息事故のリスクが高まるため、一層の注意が必要です。
      • 餅は、あらかじめ食べやすい大きさに、小さく切っておきましょう。
      • 餅を食べる前にお茶や汁物を飲んで、のどを潤しておくとよいでしょう。ゆっくりよくかんで、唾液とよく混ぜ合わせて食べることが大切です。
      • 高齢者と一緒に食事をする際は、よく注意を払いましょう。

    国民生活センター 消費者契約法に関連する消費生活相談の概要と主な裁判例等
    ▼[報告書本文] 消費者契約法に関連する消費生活相談の概要と主な裁判例等
    • 全国の消費生活センター等には、消費者と事業者との間で締結される商品やサービスの契約に関して多数の相談が寄せられており、消費生活相談の現場では各種の法令等を考え方の前提にして、その被害の救済に取り組んでいます。なかでも消費者契約法(以下、法)は、あらゆる消費者契約を対象として、事業者の不当な勧誘や不当な契約条項によって被害を受けた消費者の事後救済を可能とするもので、消費者契約にかかわるトラブルを解決する有効な手段として活用されています。
    • 国民生活センターでは、法に関連する消費生活相談を整理し、「事業者の努力義務」や事業者の「不当な勧誘・不当な契約条項」について、代表例と傾向をまとめています。また、法の施行(2001年4月1日)後は、法に関連する主な裁判例等について収集し情報提供しています。
    • 今回は、2020年3月公表以降に把握できたものをとりまとめました。
    • 法に関連する消費生活相談の概要
      • 法に関連する消費生活相談として、「事業者の努力義務(3条関連)」、「不当な勧誘(4条関連)」「不当な契約条項(8~10条関連)」の代表的な例とその件数について、直近3年度分をまとめています。
        1. 事業者の努力義務(3条関連)
          • 「契約・解約」に関する相談のうち、「契約条項の明確化」(3条1項1号)および「情報提供」(3条1項2号)に関連する相談の内容を挙げています。契約条項や契約内容などが「難解」であった相談については、インターネット回線やスマートフォンの通信契約の契約内容について「複雑で理解できない」といった相談が目立ちます。
        2. 不当な勧誘(4条関連)
          • 「販売方法」に関する相談のうち、不当な勧誘が関連した代表的な販売手口等を挙げています。「消費者を誤認させる勧誘」のうち、「虚偽説明」、「説明不足」、「サイドビジネス商法」は、主に事業者のセールストークに問題のあったものです。
          • 「販売目的隠匿」、「無料商法」、「点検商法」、「身分詐称」は主に勧誘の入り口の段階で消費者を誤認させる手口です。
          • 「消費者を困惑させる勧誘」では、「強引・強迫」行為に関する相談件数が多くなっています。
          • 「過量販売」、「次々販売」は消費者に必要以上の契約をさせる手口です。
        3. 不当な契約条項(8~10条関連)
          • 「契約・解約」に関する相談のうち、不当条項に関連する相談の内容を挙げています。法9条1号に関連する「解約料」に関する相談は、インターネット回線やスマートフォンの通信契約、モバイル通信契約の解約料に関する相談が中心となっています。
    • 法に関連する主な裁判例
      • 当センターが法の施行(2001年4月1日)後から2020年9月末日までに把握した、法に関連する主な裁判例は545件です。2020年3月18日に公表した「消費者契約法に関連する消費生活相談の概要と主な裁判例等」以降に把握した66件の判決等を掲載しました。
      • 66件の内容を見ると、「不当な勧誘(4条)」関連の判決が20件、「不当な契約条項(8~10条)」関連の判決が47件(うち4件は「不当な勧誘(4条)」と重複)、適格消費者団体が法に基づいて差止請求を行う「消費者団体訴訟」の判決が3件でした。

    国民生活センター その使い方で大丈夫? コンタクトレンズで眼障害の恐れも
    • 事例
      • 目がぼやける、充血、涙っぽい、目やに、ゴロゴロするといった症状があったため眼科を受診すると、角膜に傷ができ炎症を起こしていた。眼科を受診せずに個人輸入代行サイトで購入した未承認のカラーコンタクトレンズの使用が原因だと言われた。(当事者:女性 大学生)
    • ひとことアドバイス
      • コンタクトレンズを購入する際は、眼科を受診し、眼科医の処方に従ったレンズを選びましょう。
      • コンタクトレンズの使用方法、使用期限を守り、レンズケアが必要なものについては、正しくケアを行うことも大切です。これらを怠ると重篤な眼障害を引き起こすこともあります。
      • 目に異常を感じたら、すぐに使用をやめ眼科を受診しましょう。また、3カ月に1回は定期検査を受けましょう。
      • 個人輸入のコンタクトレンズは、日本で安全性が確認されたわけではありません。安易に購入しないようにしましょう。

    国民生活センター 遊戯施設におけるトランポリンでの事故にご注意ください!-骨折や、神経損傷等の重傷例も-
    • 近年、様々なトランポリンを取り扱う屋内遊戯施設の増加に伴い、公式競技で使用されるような高く跳躍できるトランポリンで、気軽に遊ぶことができるようになりました。
    • しかし、トランポリンは、安全な遊び方を正しく理解していないと、落下や転倒、衝突により骨折や神経損傷等の重大な事故につながることもあり、消費者庁へ「遊戯施設(トランポリン)で遊んでいたところ、トランポリン外に落下し、左肘関節脱臼骨折の重傷」として、トランポリンによる重大事故等が、消費者安全法第12条第1項の規定に基づき、令和2年4月21日に通知される等、複数の事故情報が寄せられています。
    • 消費者へのアドバイス
      • トランポリンで遊ぶときは、遊戯施設の利用規約や注意事項・禁止事項をよく確認し、さらに特に次の点に注意して安全に利用しましょう。
      • トランポリンは、正しく使用しないとけがをする危険性が高まります。施設のルールを守って遊びましょう。
      • トランポリンを初めて利用される方は、安定した姿勢で跳べる、低めの高さから徐々に体を慣らすようにしましょう。いきなり高く跳ぶことや、宙返りなどの危険な技はやめましょう。
      • ジャンプの高さが高くなるほど、衝撃が大きくなり、転落や墜落によるけがの程度が重くなります。公式競技にも使用されるような、高く跳躍できるトランポリンを使用する際は、危険性を理解した上で、無理のない範囲で使用しましょう。
      • 1つのトランポリンは1人ずつ使用しましょう。同時に2人以上で使用すると衝突するなどしてけがにつながる危険性があります。

    国民生活センター リーフレット「くらしの危険」
    ▼【No.358】ホットヨガによるめまい、のぼせ、吐き気、頭痛に注意!
    • 近年、健康維持・増進やダイエットなどの様々な理由でフィットネスクラブ、スポーツジム、スタジオなどが利用されています。国民生活センターで全国の20歳以上の男女にフィットネスクラブ、スポーツジム、スタジオなどでの主なプログラムの経験や体調不良・けがの有無などについてのインターネットアンケート調査を実施したところ、ホットヨガは他のプログラムと比べて体調が悪くなった経験がある人の割合が高い傾向にあることが分かりました。また、PIO-NETや医師からの事故情報受付窓口には、ホットヨガによる危害情報が寄せられていました。
    • 全国の消費生活センター等には、ヨガ専門のスタジオやフィットネスクラブ等でのホットヨガについての危害情報が2015年度以降に165件寄せられています。(2015年4月以降受付、2020年3月31日までの登録分)
    • ホットヨガに関する危害情報
      1. ホットヨガの体験キャンペーンをインターネットで知り、予約して体験を受けた。体験後に「このまま契約をする場合は入会金や事務手数料が不要」などと言われ、申し込んだ。入会後に何度かレッスンを受けたが、湿度が高くて体調が悪くなり、頭痛もひどい。レッスン中は水は頻繁に取っているが、熱中症のような症状である。(受付年月:2018年6月、30歳代、女性)
      2. ホットヨガの体験を受けたが40分ほどで具合が悪くなり、外へ出て休んでいたが嘔吐してしまった。「今日契約しないと安くならない」と言われ、体調が悪く迷ったが、契約した。しかし、具合が悪く翌日から2日ほど寝込んでしまった。(受付年月:2019年8月、60歳代、女性)
      3. テレビのCMを見て、ホットヨガの体験に参加した。体験レッスンの前に既往症の確認はなく、脱水症状など体調不良を起こす可能性についても何も説明はなかった。自分は普段から運動しているが、体験後から2、3日間身体にだるさがありボーっとして力が入らない。(受付年月:2016年6月、40歳代、女性)
      4. 初めてホットヨガを行った時、開始時より両側の耳閉感が現れる。その後も継続して通ったが、レッスン回数を週3回に増やしてから、レッスン後も症状が消えなくなり受診。受診時にはめまいも出現していた。直ちに、一旦ホットヨガを止める指示を出したところ、数週間で速やかに症状が改善した。(受診年月:2019年2月、30歳代、女性)
    • ホットヨガでの体調不良を防ぐために
      1. ホットヨガを行う前にはレッスンの内容や時間の確認を
        • ホットヨガのレッスン環境は、日常生活における熱中症予防指針では「危険」に相当します。
        • ホットヨガを行う前にはレッスンの内容や時間を確認しましょう。
        • 初めて行う場合は短い時間から試してみることもよいでしょう。
        • 特に以下の方は実施を慎重に検討し、事前に医師に相談しましょう。
          • 高齢者
          • 高血圧・心疾患・慢性肺疾患など持病がある人
          • 利尿剤などを服薬している人
          • 熱中症の既往歴がある人など
      2. レッスン中も水分補給をし、途中で涼しいところで休憩するなど体調に気を付けましょう
        • レッスン中は意識してミネラルを含む水分補給を行いましょう。
        • レッスン中に体調の異変を感じた場合には、無理をせずレッスンを止め、涼しいところで休憩しましょう。
        • 発熱、下痢など一時的な体調不良の場合でも熱中症にかかりやすくなります。ホットヨガでの体調不良を防ぐために、体調を管理しましょう。
      3. レッスン後も自分の体調に注意しましょう
        • レッスンを受けてしばらく経ってから体調が悪くなることもあるので注意しましょう。

    国民生活センター 除雪・排雪サービスのトラブルに注意
    • 内容
      • シーズン10回分の除排雪サービスを約4万円で申し込み、5回分は終了した。ところが6回目を依頼し、了承されたのに作業をしてくれない。連絡しても「作業担当者に確認する」と言ったきり、電話にも出ない状態が続いている。(60歳代 男性)
    • ひとこと助言
      • 除雪・排雪サービスを利用する際は、作業回数や具体的な作業内容、事業者が大雪等で現場に来られず作業できなかった場合や、作業時に自宅や近隣施設を破損したときの対応などを事前によく確認しましょう。
      • 契約前に、実際に場所を見てもらったうえで複数社から見積もりを取り、サービス内容を比較、検討することも大切です。契約の際は、契約内容をよく確認し、書面として残しておきましょう。
      • 前払いの契約は、作業が実施されなかった場合などに返金を求めることが難しいこともあるので、慎重に検討しましょう。
      • 困ったときは、早めにお住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。
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