2023/12/04

危機管理トピックス

【省庁別記事(後半)】

【経済産業省】

【2023年11月】

経済産業省 「不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」及び「不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令」が閣議決定されました
  • 本日、「不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」及び「不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令」が閣議決定されました。これらの政令は、不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行期日を定めるとともに、所要の規定を整備するものです。
  • 政令改正の背景
    • 本改正は、第211回通常国会で成立した「不正競争防止法等の一部を改正する法律(令和5年法律第51号。以下「改正法」という。)」の施行期日を定め、不正競争防止法施行令、商標法施行令、商標登録令、特許法等関係手数料令、関税法施行令の関係規定の整備を行うものです。
  • 政令の概要
    • 不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令
      • 公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日(改正法附則第1条本文)
        • 改正法のうち、不正競争防止法改正関連の措置事項、他人の氏名を含む商標に係る登録拒絶要件の見直し、商標におけるコンセント制度(※1)の導入及び中小企業の特許に関する手数料の減免制度の見直しについての施行期日は、令和6年4月1日とすることとします。
          • ※1 先行する登録商標の権利者の同意があれば、類似する商標であっても併存登録を認める制度
      • 公布の日から起算して9月を超えない範囲内において政令で定める日(改正法附則第1条第2号)
        • 改正法のうち、優先権証明書のオンライン提出許容のための規定整備、書面手続のデジタル化のための改正、e-Filing(※2)による商標の国際登録出願の手数料納付方法の見直し及び意匠の新規性喪失の例外規定の適用手続の要件緩和についての施行期日は、令和6年1月1日とすることとします。
          • ※2 世界知的所有権機関(WIPO)の提供するWebサービス
    • 不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令
      • 他人の氏名を含む商標に係る具体的な要件
        • 改正法において、他人の氏名を含む商標の出願があった場合に、出願人側の事情を考慮する要件を課すことができるように規定したところ、政令において、無関係な者による出願や不正の目的を有する出願等の濫用的なものは拒絶できるようにします。
      • e-Filingにより商標の国際登録出願を行う者が納付すべき手数料額
        • 改正法において、e-Filingにより商標の国際登録出願を行う者は、政令で定める額に相当する額をWIPO国際事務局に納付しなければならないとしたところ、政令で定める額を1件につき9000円とします。
      • 特許出願の審査の請求の手数料(審査請求料)の減免制度
        • 改正法において、中小企業等が利用できる特許出願の審査の請求の手数料(審査請求料)の減免制度について、制度趣旨にそぐわない利用がみられる実態を踏まえ、一部件数制限を設けたところ、政令において、その具体的な対象及び上限件数の算出方法を定めます。具体的には、大学やスタートアップ等を件数制限の対象外とし、上限件数は、大企業の平均的な審査請求件数をもとに算出するものとします。
      • その他
        • その他所要の規定の整備を行います。
  • 今後の予定
    • 施行 令和6年1月1日(月曜日)一部令和6年4月1日(月曜日)

経済産業省 産業サイバーセキュリティ研究会「サイバー攻撃による被害に関する情報共有の促進に向けた検討会」の最終報告書等を取りまとめました
▼ サイバー攻撃による被害に関する情報共有の促進に向けた検討会最終報告書概要
  • サイバー被害に係る情報共有の重要性
    • サイバー攻撃が高度化する中、単独組織による攻撃の全容解明は困難となっている。そのため、攻撃の全容の把握や被害の拡大を防止する等の観点からサイバー攻撃に関する情報共有は極めて重要。
    • 情報共有については、短期的には一つの機関だけでは情報量が少ない間に、情報の鮮度がある早期に行うことで効果を最大化することが可能。さらに、中期的、長期的な観点でも情報共有が重要。
    • 情報共有の実施により、①被害組織の観点からは原因究明調査に必要な情報の入手【短期】、②情報共有活動参加組織の観点からは攻撃被害の未然防止【短期】やノウハウの共有【長期】、③専門組織の観点からは被害範囲の把握・原因特定・被害拡大防止【短期】、全容解明による適切な対処【中期】、攻撃グループの動向把握【長期】といったことが可能になる。
  • 各組織間での情報共有の全体像
    • 情報共有については、主に(1)被害組織/標的となる組織同士が行う共有、(2)被害組織と専門組織(専門機関やセキュリティベンダ)間での共有、(3)専門組織同士で行われる共有、さらには(4)官民間での共有などが挙げられる
  • 被害組織からの行う情報共有・公表のメリット・デメリット
    • 被害組織が自ら情報共有や公表を行うことに対しては、レピュテーションリスクを懸念する声が聞かれるものの、情報共有や公表により、被害組織における被害拡大防止や、事案対応コストの軽減につながるといった利点もある。
      • <メリット>
        • ステークホルダーへの説明責任を果たすことができる。
        • 被害組織が情報を公表することで、広報対応等の負荷が軽減され得る
        • 事業者にとって、初動対応の参考や攻撃被害の未然防止につながる情報を入手できる。
      • <デメリット>
        • 被害組織が特定されてしまうおそれがあり、その結果情報の隠蔽を疑われる場合もある。例えば、情報共有より先に被害が意図せずに公表が行われていると、いくら非特定化してもその後に共有された情報と、先の被害公表内容とを突き合わせると、ある程度被害組織が絞り込めてしまう場合がある。
        • データの共有をするためのコストが発生する可能性がある。
  • サイバー被害に係る情報共有ガイダンスの策定と現状の課題
    • 主に被害組織の担当部門向けに、被害組織を保護しながら、如何に速やかな情報共有や目的に沿ったスムーズな被害公表が行えるのか、実務上の参考となるポイントFAQ形式で整理した「サイバー被害に係る情報共有ガイダンス」を令和5年3月に公表。
    • しかし、サイバー攻撃被害組織等における情報共有に関して複数の課題が存在。
  • 問題:被害組織側の調整コスト負担
    • 被害組織が(社会全体の)情報共有のための調整コストを負担している状況にある。被害組織自身の情報共有メリット<公益目的の負担(他の組織のメリットのための負担)+情報共有コストとなってしまっている。
    • 本来、情報共有により様々なメリットを得られるところ、現状は被害組織(あるいは標的となり得る組織)側の対応コスト/調整コストの負担が大きいため、情報共有活動そのものへのハードルが高い状態になっている。
    • インシデント対応や情報共有活動のハブ組織として活動している専門組織同士の情報共有が行えれば、被害組織による情報共有コストを軽減することができるのではないか。
    • 同様に行政機関への情報提供等についても何等かの対応コスト低減が望まれる。
  • 問題:最適者が事案対応を行わない懸念
    • ファーストレスポンダー(「最初に被害組織から相談を受けた組織」や「最初に被害組織にコンタクトした組織」)が当該攻撃に十分な知見を有する事案対処の最適組織とは限らない。
    • ファーストレスポンダーは自組織に知見が不足しているかどうか知ることが難しい(他組織と共有して初めて知ることができる)。事案対処にあたる組織間の情報共有により知見が”補充”されるか、最適な対処組織に“交代”するかの調整/修正が必要。
  • 問題:処理コストのかかる情報提供
    • 本来、情報共有活動に必ずしも流さなくても良い情報も流れることによる受信組織側の対応コストが発生しているおそれがある(セキュリティ製品/サービス側で対応できている状況を情報発信側が把握できていない)。
  • 問題:「被害現場」依存からの脱却の必要性
    • 高度な攻撃の大半は攻撃活動後に認知されるため、その後のタイミングで専門組織が被害現場に情報を取りに行っても、攻撃インフラの全容や攻撃の全容(※最終ペイロードなど)が判明しないケースが多い。
    • かつ、インシデント対応の初動段階で複数の組織が現場に“殺到”することで、被害組織の対外対応コスト負担が増えてしまい、被害組織自身の調査が進まなかったり、各組織との連携による調査・分析が進まず、全体として非効率化する。
    • (製品)検知情報やファーストレスポンダーが得た技術情報の複数(専門)組織間での共有の活用が必要。
  • 専門組織による情報共有活動の重要性:全体像の解明
    • 被害企業においては、セキュリティ監視をしている運用保守ベンダ等により不正通信先やマルウェア等が検知される、もしくは初動対応に当たった段階での調査で、悪用された脆弱性等が把握されることがある。
    • しかし、それらの情報のみでは、被害の原因究明・再発防止に十分な情報を得られているとは限らず、専門組織による情報共有により、他者でも同様の攻撃が起きている状況を把握しながら、被害拡大防止と攻撃の全容が解明されていく必要がある。
  • 専門組織を通じた情報共有の重要性:被害者組織のコスト低減
    • 情報が必要に応じて「非特定化」され、専門組織を通じて他の情報共有活動に提供されることで、被害組織は、情報共有対応コストを軽減できるだけでなく、レピュテーションリスクも低く保ちながらフィードバックを得ることができ、調査に資する情報を得ることができる。その結果、調査が迅速に進められる等、被害拡大防止につながる。
  • 専門組織を通じた情報共有の課題:秘密保持契約(NDA)との関係
    • 専門組織を通じた情報共有は重要であるが、専門組織が共有したい情報が、秘密保持契約上の「秘密情報」扱いとされ、共有できない可能性がある。
  • 専門組織を通じた情報共有の課題:非秘密情報から被害組織を特定/推測するおそれ
    • マルウェアの検体には下記の通り、被害組織を特定や推測できる情報が含まれていることがあるため、そのままでの情報共有は不適切な場合がある。
    • 通信先情報そのものや通信先情報を共有することで通信先を調査する者が増えたことで、被害組織が特定されたり、あるいは推測されたりする状況が発生する。
    • ただし、あくまで推測するに過ぎない情報が大半であるところ、他の情報(攻撃時期/被害分野/当該被害組織固有のシステム/サービスに関する情報等)と組み合わさることでその“精度”が上がることはあるが、あくまで「推測」に過ぎない。
    • 被害組織からの公表が共有より先に行われている場合、非特定化した情報を共有したとしても、先に行われた公表内容と結びつき、被害組織を推測させる場合がある。(※ただし、同種の攻撃被害が複数発生している場合、必ずしも特定になる訳ではない。)
    • Webサーバなどのインターネット検索エンジンに情報が残るシステム等が侵害を受けた場合、過去の検索結果なども紐づき、被害組織の推測に至る場合がある。(※この場合も、上記と同じく、推測でしかないケースが大半。)
    • 公表内容(使用しているシステム/サービスなど)から、当該組織が一意に特定される場合、公表前の速やかな共有や、他にも(非公表)被害組織が存在していないか情報共有活動を通じて情報を得るなどの配慮が必要。
  • 速やかな共有促進の対象となる「攻撃技術情報」について
    • 脅威情報のうち、攻撃技術情報には基本的に被害組織が特定される情報は含まれないため、専門組織の判断で他の専門組織への速やかな情報共有が可能な対象となり得る。ただし、場合によっては被害個社名等を推測可能なケースが想定されるため、留意が必要。
    • 脅威情報は、被害組織から専門組織に提供等される調査対象の「データ」を加工し、技術的に精査等した「情報」を分析したもの。
    • 「攻撃技術情報」とは「脅威情報」のうち、通信先情報やマルウェア情報、TTP情報等、攻撃者による攻撃手法やその痕跡を示すもの。
  • 情報の非特定化加工による情報共有の実現
    • 攻撃技術情報は基本的に個別の被害に関する情報は含まれないが、場合によっては、被害個社名等を推測可能なケースが想定される。
    • このため、上記のような被害個社名等を推測可能な情報を除いた、非特定化した情報であれば、秘密情報の例外として整理できる。
  • 情報共有の目指すべき在り方
    • より専門的知見のある専門組織が、一定程度の信頼関係のある組織が集まったり、必要な安全管理措置を講じるなど、情報の漏えいリスクを軽減しつつ、積極的な情報共有を行うことで、社会全体で効率的な情報の活用がなされ、全体像の解明による被害拡大防止や被害組織の対応コスト軽減に資する。
    • そのためには本報告書・活用手引きに基づき、非特定化加工された攻撃技術情報を整理することにより、既存の情報共有活動の枠組みも活用しながら、更に円滑な情報共有が可能となる。
    • なお、専門組織が情報共有を行った場合には、故意又は重過失による場合を除き、その共有した情報に基づく法的責任を負わないことを合意するなどの対応をすることが望ましい(秘密保持契約に盛り込むべき攻撃技術情報等の取扱いに関するモデル条文案参照)。
    • 今後、社会全体で効率・効果的な被害軽減・防止につながるように情報共有が促進されることを目指し、情報共有の重要性はもとより、本検討会の成果について社会全体の理解促進と活用促進を図るべく、専門組織やユーザー企業の経営層への意識啓発も含めた周知・啓発活動を進めるとともに、関連ガイドラインへの反映等の環境整備に取り組むことが重要。
  • 今後の論点
    • 情報共有に向けた官民連携等について
      • 民間事業者の予防措置や適切な初動対応含め、サイバー攻撃に対して国全体の被害を最小化するためには、専門組織間の情報共有だけではなく、重要事案について被害者情報含めて、適切に情報共有されるような官民での連携が不可欠。具体的に、以下の点について今後検討していくことが必要ではないか。
        1. 行政機関への相談・報告のあり方
          • 被害組織が行政機関に報告する際、行政機関ごとに報告事項が異なるなど、被害組織の負担が大きいため、対応コスト軽減に向けた取組の検討が必要ではないか。
        2. 政府と民間事業者間の情報の共有
          • 民間事業者の予防措置の観点から、政府の役割を明確化し、被害組織の支援等にあたる専門組織(セキュリティベンダやSOC事業者等)から政府への情報共有を促進するとともに、政府が持つ有益な情報等を民間事業者に提供する等、政府と民間事業者間の情報共有をさらに推進することが必要ではないか。
    • サプライチェーンにおけるベンダ等の役割について
      • ユーザーとベンダー間の責任範囲が不明確であることや、両者に情報の非対称性が存在することに起因し、本来早急に対応すべき重大な脆弱性が放置され、結果としてサイバー事故につながってしまう事例が増えてきている。こうした事例を防止する観点から、ベンダーからユーザーへの情報提供のあり方やベンダーの役割の明確化などの検討が必要ではないか。

経済産業省 生成AI基盤モデルの開発支援に向けた公募を開始しました
  • 生成AI基盤モデルの開発力の確保に向け、競争力があり波及効果が大きい基盤モデルの開発を行う企業等を支援するため、本日、NEDOポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業において公募を開始しました。
  • 背景
    • 生成AIは、様々な製品やサービスに組み込まれることでそれらを利用しやすくするとともに、労働力不足などの社会課題の解決にも貢献すると期待されている革新的な技術です。産業活動や国民生活に大きな影響を与えると考えられています。
    • 中でも、様々な用途ごとのAIのベースとなる基盤モデルの開発力は、生成AIのリスクを適切に管理しつつイノベーションを創出する土台となるものです。
    • 基盤モデルは、言語分野を中心に開発や利用が進んでいますが、言語以外の様々な分野のデータを扱えるようにすることや、利用しやすくするように機能を適切に分割することなど、様々な方向性が世界各国で検討されています。こうした黎明期において、日本としても高度なソフトウェア開発人材を涵養し、その開発力を確保することが重要です。
    • このため、NEDOポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業において、競争力があり波及効果が大きい基盤モデルの開発を行う企業等を、一定期間集中的に支援します。
  • 事業内容
    • 基盤モデルを開発する上で特に課題となる高度な計算資源について、速やかに一括調達するとともに、公募及び有識者の審査を経て、競争力や波及効果の面で有望と認められる基盤モデルの開発に対し、計算資源の利用料を補助します(中小企業等は定額補助、大企業は1/2補助)。
    • 計算資源について、今回はGoogle Cloudを利用します。
    • 公募の詳細については、下記掲載のNEDOのサイトを御確認下さい。
    • なお、採択された企業等を中心に、AIモデルの開発力を持つ者や、様々な分野のデータを提供することができる者、AIの利用者などにも参画いただいた形で、相互連携やナレッジシェアを促進するコミュニティ活動も行います。
  • 公募期間
    • 2023年11月10日(金曜日)から2023年12月11日(月曜日)12時

経済産業省 ビジネスケアラー支援に向けて「企業経営と介護両立支援に関する検討会」を開催します
  • 経済産業省は、仕事をしながら家族の介護に従事するビジネスケアラー発生に伴う諸課題への対応として、企業における両立支援の取組を促すガイドライン策定に向けた「企業経営と介護両立支援に関する検討会」を開催します。
  • 背景
    • 超高齢社会の日本において、仕事をしながら家族の介護に従事する、いわゆるビジネスケアラーの数は、ピークを迎える2030年時点で約318万人になると推計されており、労働力人口の減少などに直面する我が国では、きわめて重大な課題です。
    • また、介護発生による労働者の生産性低下等が日本全体に与える経済的損失額は、2030年時点で約9兆円と推計されており、政府として、喫緊の対応が必要となっています。
    • 企業の中で従業員に対して仕事と介護の両立支援を講じていくことは、人的資本投資やダイバーシティ確保の文脈とも整合し、従業員本人や当該企業のみならずステークホルダーに対してもポジティブな影響を持ちうるものです。他方、そうした企業経営と介護両立支援の関係性やステークホルダーに与える影響、企業規模・業種等の企業実態に応じた両立支援の在り方等については、十分に整理されていない状況です。
  • 開催趣旨
    • 経済産業省では、上述した背景を踏まえ、従業員への介護発生による企業経営上の影響や両立支援を講じた場合の効果、企業実態に応じた施策の在り方等について議論・整理を行うことを目的に、「企業経営と介護両立支援に関する検討会」を開催します。
    • 本検討会においては、仕事と介護の両立支援に先進的な企業にとどまらず、より幅広い企業が両立支援に取り組むことを促すため、企業が取り組むべきことを具体的にまとめたガイドラインの策定や政府における支援策の在り方について、検討を行います。
    • なお、本検討会の詳細に関してはこちら
    • で随時情報発信を行う予定です。

経済産業省 「経済安全保障に関する産業技術基盤強化アクションプラン」を取りまとめました
▼経済安全保障に関する産業技術基盤強化アクションプラン(令和5年10月31日時点)
  • アクションプラン策定の背景と位置づけ
    • 国際情勢が厳しさと複雑さを増す中、経済安全保障に関する産業・技術基盤に影響が及ぶ脅威・リスクが拡大している。脅威・リスクから我が国産業・技術基盤を守ることは政府の責務であると同時に、実際に基盤を支える産業界の取組の強化が欠かせない。ルールベースの世界、法に基づく自由で開かれた国際秩序が揺らぎ、力による現状変更を志向する動きが顕在化している。我が国として、改めて世界のルール作りを主導するとともに、国力としての経済力を強化する取組を官民連携で推進しなくてはならない。
    • 政府への施策の協力や活用に加え、産業界自身のリスク管理を円滑化するためには、官民の戦略的対話が欠かせない。経済的威圧を含むリスクがいつ、どの分野で具現化するか不確実だからこそ、幅広い分野で日常的な官民の戦略的な対話を講じていくことが必要である。大企業だけでなく中堅・中小企業が対応していけるように最大限の配慮・対応を行っていく。
    • 本アクションプランは、こうした官民の戦略的対話を本格化するにあたり、経済安全保障に関する産業・技術基盤を強化するための取組の方向性と内容を、経済産業省を事務局にNSS等の協力を得ながらパッケージとしてまとめたものである。国際情勢の変化や官民の取組内容の進捗に併せて追記・改定していくliving documentである。現在は「初版」であり、経済対策等に基づく支援策、産業構造審議会安全保障貿易小委員会で進める貿易管理の強化、日米経済版「2+2」を始めとする同志国との連携の進展・深化、戦略的対話を通じた産業・技術基盤防衛策などを加えていく。NSSを中心とする政府全体の戦略・政策の方向性と併せて、我が国の産業・技術基盤の強化に資することを目指す。
  • 自主的な経済的繁栄等を実現するため、経済安全保障政策を戦略的に進めるとともに、官民連携で、我が国の平和で安定した安全保障環境を実現するための政策の土台となる経済力の強化、エネルギー安全保障、サイバーや宇宙の安全保障に関する政策を推進する。
  • 経済安全保障の推進のための戦略的アプローチ
    • 我が国の自律性の向上、技術等に関する我が国の優位性、不可欠性の確保、国際秩序の維持・強化等に向けた必要な経済施策を総合的、効果的に講じていく。例)サプライチェーンの強靱化、外国による経済的な威圧への効果的取組、データ・情報保護、技術育成・保全
    • 経済安全保障政策を進めるための体制を強化し、同盟国・同志国等との連携を図りつつ、民間と協調して取り組んでいくことが必要。
    • 経済安全保障推進法は、喫緊の課題に対応するため、①重要物資、②基幹インフラ、③先端重要技術、④特許出願非公開に関する制度を措置。同法に基づく、様々な施策(※)を活用して、我が国の自律性、優位性、不可欠性の確保に努める。(※)例えば、重要物資の供給確保に関しては、①補助金や低利融資による投資支援のみならず、②独禁法に係る規制当局との調整、③関税定率法に基づく調査、④国が備蓄や生産を委託し、物資や原材料を事業者に譲渡する、また⑤物資に係る調査を行うことができる。
  • 国力としての経済力の強化、エネルギーや食料等資源の確保等
    • 我が国経済は海外依存度が高いことから、経済・金融・財政の基盤が我が国の安全保障の礎。その強化に不断に取り組むことが必要。経済力の強化は、安全保障政策を継続的かつ安定的に実施していく前提でもある。
    • 国民生活や経済・社会活動の基盤となるエネルギー安全保障、食料安全保障等、我が国の安全保障に不可欠な資源を確保するための政策を進める。
    • その他、サイバー安全保障分野や宇宙安全保障分野での対応力の向上を図る。
  • 政策全体を通じて重視する「3つの切り口」。
    • イノベーション・サプライチェーンを強化するための官民連携
      • 世界情勢が変動する中で事業を継続、強化するために産業界にとって有益であるべき経済安全保障政策が、十分な理解を得られていない。
      • ”Small Yard High Fence”の方針は維持しつつ、経済安全保障に関する産業政策の目的や内容の理解を得て、官民連携の強化につなげていく。
    • 産業支援策と産業防衛策の一体的実施
      • 脅威とリスクから産業・技術基盤を守り、発展させていくという観点から、支援策と防衛策を不可分なものと認識し、整合的に進めていく。
      • また、過剰供給による市場崩壊、経済的威圧によるサプライチェーン寸断から産業を守るため、従来の政策を超えた取組(有志国連携での需要側からの対策)を検討する。
    • 戦略的な有志国・地域との連携
      • 産業・技術基盤強化のための、包括的或いは恒常的な協力関係を構築すべく、日米経済版「2+2」や日欧連携をコアに経済安全保障に関する戦略的対話を進める。
      • フォーラム毎に適したアジェンダを戦略的に提示する。
  • 想定されるリスク
    • 厳しさと複雑さを増す国際情勢の中で、我が国の産業・技術基盤の維持・発展に万全を期すため、パワーバランスの変化や地政学的競争の激化に起因する、当面の脅威とリスク、我が国が抱える構造的な問題を認識し、対応する必要がある。
      1. 当面の脅威とリスク
        • 米中の厳しい対峙、ロシアによるウクライナ侵略、中東での紛争など、足下の国際情勢の直接・間接の波及が産業・技術基盤に与える影響
        • 破壊的技術革新は加速、各国・地域間での技術獲得競争とも相俟って(注)、法に基づく自由で開かれた国際秩序が揺らぎ、特定国による経済・技術・データ・認識の「武器化」への懸念が高まっていることの影響 (注)特にデジタル、グリーン等に関する分野では国際的なルールや規範が発展途上
      2. 構造的課題
        • エネルギー・資源の脆弱性、シーレーン・物流の脆弱性、特定国への依存、経常収支の動向、人的資源の減少傾向が産業・技術基盤に与える影響
  • リスクへの対応方針
    • 地政学的変化の下、産業・技術基盤強化に際しても、先端技術をはじめ、安全保障に直接の影響を与える領域を中心に、特定のサプライチェーンや技術、インフラ、市場において「デリスキング」を強化していく必要がある。
    • 一方、自由貿易と市場経済の後退は、我が国の国力や世界経済にマイナスである。さらに、日本の産業・技術基盤にも悪影響を及ぼす恐れがあるため、リスクマネジメントの観点から、官民のトップが当事者意識を持って、個々の脅威とリスクを想定し、程度に応じた適切な準備・危機管理を前広に行うべき。
    • また、サプライチェーン、研究開発、インフラ整備にはコストと時間がかかることを踏まえ、いずれの領域においても、事態の展開に左右されにくい基盤的取組を進めるべき。
    • 当面の脅威とリスクに対しては、経済安全保障法に基づく取組に加え、他のサプライチェーン・イノベーション強化や貿易管理といった政策についても、脅威とリスクから産業・技術基盤を守り、発展させるために全面的に活用する。構造的課題については経済産業政策の「新機軸」を含めた経済力強化の取組の中で対処していく。
    • こうした原則の下、戦略的自律性、戦略的不可欠性、戦略的対話の三本柱を官民で強化していく。有志国を含めた他国の産業・政策を含めた動向の把握や分析を行いながら推進する。
  • 過去10年間、世界情勢は地政学的対立を背景に不安定化が拡大する傾向にある。産業・技術基盤を取り巻く秩序が変化する中で、経済をめぐる官民の取組も再構成が必要となっている。
  • 破壊的な技術革新が加速的に進む中で、米国やEUの政府高官は、コンピューティング、クリーンテック、バイオテックの3つの技術が安全保障に必須と発言。この3分野は、我が国にとっても経済・社会を支える基盤技術であると同時に、有志国・地域の安全保障環境を改善する上で必要不可欠。
  • 我が国がこれまで築いてきた産業・技術基盤を良い形で活かしながら、官民で連携して、大胆な投資を迅速に行い、基盤強化を図るべき。
  • 技術優位性や比較優位の有無に拘わらず、大規模な政策支援や国内市場の活用、国家統制を組み合わせることで、サプライチェーンや市場が特定の国に依存する構造が生まれつつある。
  • そうした状況が特定の国による「経済的威圧」につながり得る、という認識が、G7をはじめとした同志国間に広がりつつある。
  • 我が国が抱える経済安全保障に関する構造的課題を改善する観点を踏まえつつ、幅広い産業分野で官民が連携した取組を実施し、信頼できるサプライチェーン、公正な市場を構築する必要がある。
  • 地政学的変化に伴うリスクの高まりは、民間主体による経済活動を萎縮させ、経済・社会に悪影響を及ぼす。この間、我が国の産業界において、「適切なリスク管理」を超えた「過度な自粛」を行う傾向が見られる、との声もある。
  • 経済安全保障に関する産業・技術基盤強化のための施策は、国際情勢が厳しさと複雑さを増す中で、技術インテリジェンスを高め、適切なリスク管理を行うツールを用意することで、民間主体の経済活動を活性化するために必要な取組である。一定の規律とガイダンスの下で企業活動を増進させる、自由貿易や市場経済を維持・発展させるための政策である。
  • こうした取組を進めるため、これまでの官民連携の在り方を超えて、官民の「戦略的対話」の確立を、戦略的不可欠性・戦略的自律性と並んで、重要な目標として掲げるべき。
  • 経済安全保障実現に関する取組は、自由貿易と公正な市場を前提に、有志国・地域と連携して進めることが必須。また、米中の厳しい対峙、ロシアによるウクライナ侵略を経て、グローバルサウスとの関係強化がますます必要。
  • その際、首脳レベルでの信頼関係の構築に加え、産業・技術基盤強化に関する上記の考え方を、共有し、協力を進化・具体化させるため、日米の経済版「2+2」のような、閣僚・実務レベルの国際枠組みを推進することが必要。
  • 法に基づく自由で開かれた国際秩序のもと経済安全保障の取組を進めるためには、地政学的変化の中で、課題のある国・地域を含めて、正面から向き合い、対話を重ねていくことが重要である。

経済産業省 取り組もう!リデュース・リユース・リサイクル 10月は3R(リデュース・リユース・リサイクル)推進月間でした
  • 経済産業省を含む3R(リデュース・リユース・リサイクル)関係8省庁※では、3R推進に対する理解と協力を求めるため、毎年10月を「リデュース・リユース・リサイクル推進月間(略称:3R推進月間)」と定め、広く国民の皆様に向けて、普及啓発活動を実施しています。
  • 本年度は、経済産業省及び関係機関において、3R推進に関するイベント等を32件開催しました。
  • 経済産業省では引き続き、これまでの日本の3Rの取組を発展させ、サーキュラーエコノミーの取組を強化していきます。
    • ※関係8省庁:財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、消費者庁
  • 3R(スリーアール)とは
    • Reduce(リデュース)
      • 廃棄物の発生抑制<物を大切に使おう。ごみを減らそう。>画像1
    • Reuse(リユース)
      • 製品・部品の再使用<繰り返し使おう。>
    • Recycle(リサイクル)
      • 再生資源の利用<再び資源として利用しよう。
  • 3R関連イベントを開催
    • 経済産業省を含む3R(リデュース・リユース・リサイクル)関係8省庁では、3R推進に対する理解と協力を求めるため、毎年10月を「リデュース・リユース・リサイクル推進月間(略称:3R推進月間)」と定め、広く国民の皆様に向けて、普及啓発活動を実施しています。
    • 今年度は、全国で32件の3R関連イベントを開催するとともに、全国で広報活動を実施しました(関連資料参照)。
  • 3Rからサーキュラーエコノミーへ
    • 近年では、「環境制約の観点」に加え、資源需要と地政学的なリスクが世界的に高まっていることなどを背景とした「資源制約の観点」からも、資源の効率的・循環的な利用と付加価値の最大化を図る「サーキュラーエコノミーへの移行」が喫緊の課題となってきております。
    • 経済産業省では、このような世界の潮流を踏まえ、これまでの日本の3Rの取組を発展させ、日本の高度な技術力を生かし、産学官で連携しながらサーキュラーエコノミーの取組を強化していきます。
    • 現在、2023年3月に策定した「成長志向型の資源自律経済戦略」を踏まえ、サーキュラーエコノミーの実現のため、「サーキュラーエコノミーに関する産官学のパートナーシップ」に参画する会員の募集も行っておりますので、是非ご参画ください。

【2023年10月】

経済産業省 IAEAによる東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水の海洋放出に関するレビューミッションが行われました
  • 10月24日から27日にかけて、IAEA(国際原子力機関)のリディ・エヴラール事務次長(Lydie Evrard, Deputy Director General and Head of the Department of Nuclear Safety and Security of the International Atomic Energy Agency)、グスタヴォ・カルーソ原子力安全・核セキュリティ局調整官(Mr. Gustavo Caruso, Director and Coordinator, Department of Nuclear Safety and Security)を含む7名のIAEA職員と、9名の国際専門家(アルゼンチン、英国、カナダ、韓国、中国、フランス、ベトナム、ロシア)が日本を訪れ、ALPS処理水の海洋放出に関するレビューミッションが行われました。
  • レビューミッションでは、IAEA職員及び国際専門家は、ALPS処理水の海洋放出の安全性について、IAEA国際安全基準に基づいて、技術的事項を議論しました。会合及び東京電力福島第一原子力発電所の現地調査の概要は、以下のとおりです。
  • 日本政府(経済産業省、原子力規制委員会、外務省等)及び東京電力との会合
    • 今回のレビューミッションでは、日本側から海洋放出開始後のモ二タリングの状況、また、放出設備等の状況について説明を行い、意見交換が行われました。
  • 東京電力福島第一原子力発電所の現地調査
    • 10月25日、IAEA職員及び国際専門家は、東京電力福島第一原子力発電所を訪問し、ALPS処理水の海洋放出の状況や設備の状況の現地確認を行いました。

経済産業省 温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度に基づく令和2(2020)年度温室効果ガス排出量の集計結果を取りまとめました
  • 経済産業省及び環境省は、地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号。以下「温対法」という。)に基づく温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度により事業者から報告のあった令和2(2020)年度の温室効果ガス排出量を集計し、取りまとめました。
  • 報告を行った事業者(事業所)数は、特定事業所排出者が11,904事業者(特定事業所:14,776事業所)、特定輸送排出者が1,307事業者でした。また、報告された特定排出者の温室効果ガス排出量の合計値は5億8,894万t- CO2でした。
  • 経緯
    • 温対法に基づく「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」は、温室効果ガスを相当程度多く排出する者(特定排出者)に、温室効果ガスの排出量を算定し国に報告することを義務付け、国が報告された情報を集計・公表する制度です。
    • 本制度は、温室効果ガスの排出者自らが排出量を算定することにより、自らの排出実態を認識し、自主的取組のための基盤を確立するとともに、排出量の情報を可視化することにより、国民・事業者全般の自主的取組を促進し、その気運を高めることを目指すものです。
    • 経済産業省及び環境省は、令和2(2020)年度の温室効果ガス排出量について、特定排出者から報告のあった排出量を集計し、取りまとめました。
  • 集計結果の概要
    • 報告を行った事業者(事業所)数及び報告された排出量の合計は、下記のとおりです。報告された排出量の合計値は5億8,894万t-CO2でした。(令和2(2020)年度/令和元(2019)年度)
    • 特定事業所排出者
      • 報告事業者数(報告事業所数)11,904事業者(14,776事業所)/12,204事業者(15,035事業所)
      • 報告排出量の合計 5億6,417万t-CO2/6億1,523万t-CO2
      • 調整後排出量 5億4,708万t-CO2/5億8,498万t-CO2
    • 特定輸送排出者
      • 報告事業者数 1,307事業者/1,303事業者
      • 報告排出量の合計 2,477万t-CO2/2,883万t-CO2
    • 特定排出者全体
      • 報告排出量の合計 5億8,894万t-CO2/6億4,406万t-CO2

経済産業省 「地域の社会課題解決促進に向けたエコシステム研究会」を立ち上げます
  • 中小企業庁は、地域課題解決事業推進に向けた基本指針を策定するため、2023年10月30日(月曜日)より「地域の社会課題解決促進に向けたエコシステム研究会」を立ち上げます。
  • 設置趣旨
    • 地域の人口減少に加え地域課題が多様化・複雑化する中で、公的サービスを提供できる領域が縮小していくことが見込まれます。他方、地域でのビッグデータの利活用の促進や全国的な5Gの普及、ロボットやAI等の技術を活用することで、民間事業者が、これまで収益を上げることが難しかった領域や、地方公共団体が担っていた領域において、収益を上げつつ地域課題解決に取り組むことができる可能性が高まっています。
    • 本研究会では、こうした状況を踏まえ、地域課題解決事業が創出され自走化できるエコシステムを実現するため、地域課題解決事業の成長フェーズごとの課題や関係するプレイヤーの果たす役割と社会的インパクトの評価方法を確立するための地域課題解決事業推進に向けた基本指針の策定を目指します。
  • 研究会の主な議題(予定)
    • 本研究会の目指す姿(地域課題解決企業の意義と課題)等
    • エコシステムが持つべき機能と課題解決の方向性
    • 中間支援機能と担うべき役割
    • 地域課題解決事業のエコシステムの在り方

経済産業省 東京電力福島第一原子力発電所増設ALPS建屋における洗浄水の作業員への飛散について
  • 10月25日、東京電力福島第一原子力発電所増設ALPS建屋において、浄化処理途上の汚染水を移送する配管の洗浄作業を行っていた協力企業作業員5名に、配管洗浄水又はミストが飛散しました。
  • 鼻孔検査の結果、いずれの作業員においても、内部取り込みは確認されませんでした。うち1名は、身体汚染が確認されておらず、身体汚染があった4名のうち、2名は、管理区域からの退域基準以下になるまで除染が完了しましたが、うち2名については、管理区域からの退域基準以下になるまでの身体除染作業が発電所構内では困難と判断され、福島県立医科大学附属病院(福島市)に搬送をされております。なお、救急医療室の医師の診断の結果、放射線障害による熱傷の可能性は低いと判断されています。
  • 経済産業省として、東京電力に対し、再発防止を徹底するとともに、作業員の安全も含めて廃炉作業における安全確保に万全を期して取り組むよう指導しました。
  • また、本件について、IAEAへの情報提供を含め、引き続き、透明性高く、情報発信してまいります。

経済産業省 東京電力福島第一原子力発電所増設ALPS建屋において洗浄水が作業員へ飛散した事案に関する状況
  • 10月25日、東京電力福島第一原子力発電所の増設ALPS建屋で、浄化処理途上の汚染水を移送する配管の洗浄作業中に、洗浄水が作業員に飛散するという事案が発生したことについて、作業に関わっていた5名のうち2名の作業員が管理区域からの退出基準まで除染できなかったため、福島県立医科大学附属病院に搬送されていましたが、その2名の作業員が本日退院いたしました。
  • いずれの作業員についても、現時点で体調面に問題はなく、汚染部位においても特に異常は確認されておりません。
  • なお、10月25日に報告していた内容に関して、「協力企業作業員5名に配管洗浄水又はミストが飛散しました」としていましたが、その後の状況の判明により、配管洗浄作業にかかわっていた5名のうち、身体汚染が確認されたのは4名でした。うち、2名は発電所構内にて、管理区域からの退出基準以下になるまで除染が完了し、残り2名が福島県立医科大学附属病院に搬送されておりました。

経済産業省 「東京GXウィーク」を開催しました
  • 経済産業省は、GX(グリーントランスフォーメーション)の実現を目指し、エネルギー・環境関連の国際会議を集中的に開催する「東京GXウィーク」(9月25日から10月5日)を開催しました。合計で約8,000名以上が対面及びオンラインで参加しました。
  • 産業革命以来の化石燃料依存の経済・社会、産業構造から、クリーンエネルギー中心の経済・社会、産業構造へ転換し、脱炭素と経済の成長・発展につなげるGX(グリーントランスフォーメーション)の実現に向け、昨年に続き「東京GXウィーク」を開催しました。
  • また、本年より、各国閣僚が一堂に会する会合として、東京GXウィークプレナリーセッションを開催し、ネット・ゼロにむけた取組を更に加速させるために、我が国の考えを紹介するとともに、各国閣僚から各国の考えや取組など発表を行いました。
  • 今回の東京GXウィークの各会合における議論を受けて、今後も各国と協力しながら、世界規模のGX推進に向けて行動していきます。
    • 東京GXウィークプレナリーセッション(9月25日)
      • 東京GXウィークプレナリーセッションには、ビデオスピーチでの参加を含め、37か国・国際機関が参加しました。
      • G7日本開催やその後のG20での議論を踏まえ、(1)経済成長、(2)エネルギー安定供給、(3)脱炭素化、の3つの同時達成の重要性、カーボンニュートラルという共通のゴールを目指しつつ、各国の事情を踏まえ、多様な道筋の下でエネルギー移行を進めることの重要性、イノベーションを通じた課題の解決やそれを支えるファイナンスの必要性について各国と共有しました。また、各国が有する資源や技術を活かして取り組むだけではなく、国際的に協力して世界規模での脱炭素化に取り組んでいくことの重要性を確認しました。
    • 第3回アジアグリーン成長パートナーシップ閣僚会合(9月25日)
      • 第3回アジアグリーン成長パートナーシップ閣僚会合では、アジアや中東諸国のエネルギー当局や国際機関に加え、日本とシンガポールの金融当局を招き、アジアにおけるトランジション・ファイナンスの重要性について発信を行いました。また、COP28の議長国であるUAEのジャーベル・UAE産業・先端技術大臣兼日本担当特使兼アブダビ国営石油会社(ADNOC)CEOとの間で共同意図表明宣言を締結しました。
      • そして、産業界と金融界、シンクタンクの代表を交えて、パネルディスカッションを実施するとともに、本会合の成果を、議長サマリーとして発表しました。
    • 第6回水素閣僚会議(9月25日)
      • 第6回水素閣僚会議には5名の閣僚を含む23の国・地域・国際機関が参加しました。
      • 会議の成果として、「2030年までに水素需要量を1億5,000万トン、そのうち再生可能及び低炭素水素需要量を9,000万トンとする新たな目標設定」、「水素利活用が、脱炭素の突破口として新産業の創出や80万人規模の新規雇用の創出をもたらすこと」、「炭素集約度に基づいた国際標準・相互認証の開発の加速化」、「新興国におけるファイナンスの支援を加速し、民間投資を引き出し、水素利活用のさらなる拡大を図ること」、を柱とする議長サマリーをとりまとめました。
    • 第3回アジアCCUSネットワークフォーラム(9月27日)
      • 第3回アジアCCUSネットワークフォーラムには、西村康稔経済産業大臣のビデオメッセージをはじめ、吉田宣弘経済産業大臣政務官が現地で挨拶し、アジアCCUSネットワーク参加国13カ国、約600名以上が参加しました。
      • 第3回となる本フォーラムでは、アジアのエネルギートラジションを進める観点から、CCSが果たす役割に関する共同声明の発出や、2030年にアジアにおいてCCUSのハブを構築するために、二酸化炭素の越境輸送に関する覚書(経済産業省、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構、マレーシア国営石油会社ペトロナス)を含む3件の締結文書の調印式を行いました。またパネルディスカッションではCCUSの重要性や世界的な動向、各国のCCS政策ロードマップに関する意見交換、アジア地域のCCUSプロジェクト、CO2の輸出入メカニズムの構築などを議論しました。
    • 第5回カーボンリサイクル産学官国際会議(9月27日)
      • 第5回カーボンリサイクル産学官国際会議では吉田宣弘経済産業大臣政務官が現地で挨拶するとともに、湯崎広島県知事、渡辺東アジア・ASEAN経済研究センター事務総長など、各国の産学官関係者によるパネルディスカッションなどを行いました。議論を通じ、国際的な取組の進展、広島県での活発な取組を共有するとともに、取り組むべき課題について確認し、本年は初めて講演・パネルディスカッションのメッセージを取りまとめた総括文書を公表しました。
    • 第3回燃料アンモニア国際会議(9月29日)
      • 官民の戦略、取組、課題を共有し、国際舞台におけるアンモニアに関する着実な意識向上を目指し、燃料アンモニアの幅広い産業での多用途展開、安定的かつ低廉で柔軟性のある燃料アンモニアバリューチェーン・市場構築、燃料アンモニアの供給拡大への支援等、脱炭素化に寄与する燃料アンモニアの可能性・将来性について議論しました。
    • GGX×TCFDサミット(10月2日)
      • 世界のGXの実現について議論する「国際GX会合(GGX)」とTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言について先進的に取り組む世界の企業や金融機関等のリーダーを集めた「TCFDサミット」の両イベントを統合して開催した「GGX×TCFDサミット」には、世界各国から約1,500名が参加しました。
      • (1)産業の脱炭素化に向けて、(2)企業の「課題解決力」と「削減貢献量」、(3)気候関連情報開示の今後、(4)トランジション・ファイナンスの今後の展望の4つのセッションが行われ、それぞれのテーマについて国内外の有識者から提言をいただいた他、パネルディスカッションでGXの実現に向けて今後必要な取組を議論しました。
    • 東京GXラウンドテーブル(10月3日)
      • 世界中からGX関連分野の有識者が日本に集まる東京GXウィークの機会に合わせて、GXを巡る世界の議論の潮流及び日本の官民の取組を共有するために東京GXラウンドテーブルを開催し、岸田内閣総理大臣及び西村経済産業大臣が参加しました。岸田総理からは、「新しい資本主義」の考えを掲げ、地球温暖化等の社会課題を成長のエンジンとし、官民の投資によって成長を実現していくこと、年内にGXに向けた分野別投資戦略を策定し、大胆な投資促進策を実行していくこと、さらには、こうした取組を通じて世界に対しても貢献していくことについて発言がありました。
    • 第10回ICEF(10月4日・5日)
      • 世界が様々な困難に直面しつつもカーボンニュートラル達成へと進んでいくために鍵となるイノベーションについて議論を行いました(79の国・地域から約1,700名の参加登録)。「Innovation for Just, Secure and Sustainable Global Green Transformation(GX)」をメインテーマとし、エネルギー・環境に関する世界の第一人者だけでなく、2050年に社会の中核となる多くの若手世代が議論に参加しました。そして、これまでのICEFの成果、更なるGX推進に必要な方策、将来に向けた行動及び今回の各セッション等での議論を取りまとめた、ICEF運営委員会によるステートメントの発表、並びにカーボンニュートラル達成に向けて短期的・長期的に貢献する主要な革新的技術の道筋、手法を提言するロードマップ(AIと気候変動緩和)のドラフトの公開をしました。
    • 第5回RD20(リーダーズ・セッション)(10月5日)
      • G20のクリーンエネルギー分野の研究機関のトップが、日本の再生可能エネルギーさきがけの地、福島に集結し、脱炭素化に向けたイノベーション創出のための国際連携の更なる強化の方策について議論を行いました(対面・オンラインで約860名が参加)。産業技術総合研究所(産総研)の主催により、国内を含めた19カ国22機関のトップらが参加し、国際連携の強化や高度人材の育成等に向けた活動の現状や今後の方策に関し議論が行われました。また、本会合に先立って10月4日(水曜日)に専門分野の研究者によるテクニカルセッションが開催されました。

経済産業省 「インド太平洋地域向け日米EU産業制御システムサイバーセキュリティウィーク」を実施しました
  • 経済産業省及び(独)情報処理推進機構(IPA)産業サイバーセキュリティセンター(ICSCoE)外部リンクは、米国政府(国土安全保障省サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁、国務省)及びEU政府(通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局)と連携し、令和5年10月9日から13日まで、日米EUの専門家による制御システムのサイバーセキュリティに関するイベントを東京にて4年ぶりに対面開催しました。
  • インド太平洋地域(招待国・地域:ASEAN加盟国、インド、バングラデシュ、スリランカ、モンゴル、台湾)から招聘した35名の政府機関・産業界の実務者がハンズオン演習及び専門家によるサイバーセキュリティセミナーに参加しました。
  • イベントの概要
    • 経済産業省及びICSCoEは、米国政府(国土安全保障省サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁、国務省)及びEU政府(通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局)と連携し、インド太平洋地域向け日米EU産業制御システムサイバーセキュリティウィークを令和5年10月9日から13日に開催しました。対面での開催は令和元年以来4年ぶりとなります。
    • サイバーセキュリティ対策は一企業や一国の取組では不十分であり、サプライチェーン全体での対策が必要になっています。このため、インド太平洋地域とサプライチェーンを共有する日本は、インド太平洋地域全体でのサイバーセキュリティ能力の向上と各国との連携強化のため、米国と連携して2018年にこのイベントを立ち上げました。その価値を認め、2021年からEUも正式に主催者として参加しています。
    • インド太平洋地域の重要インフラ事業者や製造業者、国のCSIRT(Computer Security Incident Response Team)におけるOT(Operational Technology:制御技術)・IT(Information Technology:情報技術)のサイバーセキュリティ担当者や、関連する政府機関における政策担当者を対象として行われました。
    • 1週間のプログラムの中で、ICSCoEによるAI制御のロボットアームや水位調整のための制御システムの模擬プラントを用いたハンズオン演習の他、各国のサイバーセキュリティ上の課題と政策、標準化、インシデント対応、サプライチェーン・リスクマネジメントの4つのテーマで日米EUの専門家によるセミナーなどが提供され、参加者にとっての知見の取得・能力向上のための貴重な機会となりました。
    • 本イベントは産業制御システムのサイバーセキュリティに関する共通理解の醸成に役立つものであり、また、本プログラムを通じたインド太平洋地域と日米EUの関係強化は、増大するサイバー脅威への対処に向けたさらなる国際協力の基盤となることが期待されます。経済産業省及びICSCoEは、今後も「自由で開かれたインド太平洋」のビジョンの下、サイバーセキュリティ能力の向上、とりわけ重要インフラの対策の強化を進めていきます。

経済産業省 日本風力開発株式会社及び日本風力発電協会に対して指導を行いました
  • 資源エネルギー庁は、日本風力開発株式会社(以下「JWD」という。)に対して、発電事業の実施に当たっての法令遵守の対応等について、指導を行いました。また、一般社団法人日本風力発電協会(以下「JWPA」という。)に対して、同協会の意思決定及び活動の在り方等について、指導を行いました。
  • 資源エネルギー庁は、JWDに対して、発電事業の実施に当たっての法令遵守の対応やコンプライアンス体制等について、中立的かつ客観的な検証等を求める指導を行いました。
  • また、JWPAに対して、同協会の意思決定及び活動の在り方について、第三者の関与の下での検証等を求める指導を行いました。
  • 今後、上記の指導に対する報告を踏まえ、適切に対応してまいります。

経済産業省 2025年度までの新たな自動運転移動サービス実現に向けた「レベル4モビリティ・アクセラレーション・コミッティ」を立ち上げます
  • 経済産業省では、2025年度までの新たな自動運転移動サービス実現に向けた環境整備のため、国土交通省などと連携し、「レベル4モビリティ・アクセラレーション・コミッティ」を立ち上げます。
  • 設置趣旨
    • 政府では、2025年度目途に国内50か所程度で無人自動運転移動サービスの実現を目指しているところ、今後、より大規模かつ複雑な交通環境での新たな自動運転移動サービスの開始が見込まれます。こうしたサービスの早期実現に向けては、事業者及び関係省庁間での適切な情報共有の促進等のための環境整備が必要です。
    • こうした観点から、経済産業省及び国土交通省で進めている自動運転開発・実装プロジェクト「RoAD to the L4」の下に、レベル4モビリティ・アクセラレーション・コミッティ」を新たに設置します。
  • 本コミッティのアジェンダ(予定)※内容に応じて公開・非公開を設定
    • 事業者からの事業概要、スケジュール説明
    • 各関係省庁における課題の論点整理
    • 事業の進捗状況及び各関係省庁の許認可状況の共有 等
  • 本コミッティのメンバー(予定)
    • 経済産業省、国土交通省、警察庁、総務省、関係自治体
  • スケジュール
    • 11月頃から開始予定
  • 直近の議題
    • 本日、合弁会社の設立発表があった本田技研工業株式会社、ゼネラルモーターズ(米国)及びGMクルーズホールディングスLLC(同)の取組を、本コミッティにおける直近の議題とし、今後、関係省庁間での情報共有を図りつつ、新たな自動運転移動サービス実現に向けて、進捗管理を進めてまいります。

経済産業省 「適正な電力取引についての指針」を改定しました
  • 本日、公正取引委員会と経済産業省は、「適正な電力取引についての指針」を改定しました。
  • 本件の概要
    • 公正取引委員会と経済産業省は共同して、平成11年12月、電力市場における公正かつ有効な競争の観点から、独占禁止法又は電気事業法上問題となる行為等を明らかにした「適正な電力取引についての指針」を公表し、これまで制度改正等に伴い、同指針の改定を行ってきました。
    • 総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会電力・ガス基本政策小委員会(以下「小委員会」という。)における「今後の電力政策の方向性について中間とりまとめ(令和5年2月)」において、常時バックアップの今後の在り方や「適正な電力取引についての指針」の改定について方向性が示されたことや、その後の小委員会における詳細な議論を踏まえ、常時バックアップの廃止のための要件等を明確化するとともに、現在の電力市場の状況に即した規定とするため、本指針の改定を行うこととしました。
    • 今回の改定に当たっては、本年8月15日に改定案を公表し、同年9月13日を期限として、関係各方面から広く意見を募集したところ、4件の意見が提出されました。提出された意見の概要及びそれに対する考え方についても、公表することとしました。
    • 公正取引委員会と経済産業省は、電力市場における公正かつ有効な競争を確保するため、本指針を十分に周知し、事業者等による独占禁止法上又は電気事業法上問題となる行為の未然防止等に役立てるとともに、引き続き、両法を適正に運用してまいります。

経済産業省 無人航空機の衝突回避に関する国際規格が発行されました
  • 無人航空機の安全利用のためには、他の航空機や無人航空機との衝突を回避することが喫緊の課題であり、技術開発を進めています。一方で、こうした技術開発に当たっては、「どのような運航手順で、衝突回避のための制御を行うのか」が統一されていない場合、例えば機種が異なると回避が不十分になるおそれもあります。
  • 今回、無人航空機の衝突回避に関し、そのための運航手順を中心とした国際規格の改定を日本が主導し、国際標準化機構(ISO)より国際規格として正式に発行されました。本規格により、ドローンに関わるステークホルダーにおけるグローバルな衝突回避技術の開発や運用実証、事業化検討が促進され、社会実装の加速化が期待されます。
  • 背景
    • 一般にドローンと呼ばれる小型の無人航空機や、より大きなセンサーなどを搭載できる中型の無人航空機は、既に農業分野などで利用が広がっており、さらには災害時の物資運搬や遭難者捜索、物流インフラなどへの用途拡大が大いに期待されています。
    • 一方で、無人航空機とドクターヘリなど有人航空機とのニアミス実例※1が国内で報告されるなど、他の航空機との衝突をいかに回避するかが無人航空機の安全利用における喫緊の課題です。また、無人航空機の社会実装に必要不可欠な「目視外飛行※2」及び「第三者上空飛行※3」を実現する上でも、衝突回避は重要な技術です。
    • 無人航空機の衝突回避に関する技術開発は、これまでも各国で行われてきましたが、衝突回避の手順や手段は国際的に統一されていませんでした。そのため、特定のメーカーの機体同士や限定されたサービスの中でしか回避できず、空の安全が十分に確保できないおそれがありました。
    • こうした中で、経済産業省では、国内外での幅広いドローンの利活用の実現に向け、無人航空機の衝突回避に関する国際規格化提案の支援に取り組んできました。
  • 規格改定の概要
    • 2019年11月に初版が発行された「ISO21384-3」は、無人航空機の運航手順を国際規格化したものでしたが、初版では他の航空機や無人航空機との衝突を回避する手順については規定されていませんでした。2023年10月2日の改定で、衝突回避のCONOPS(Concept of Operations:運用構想)を新たな章として追加し、「対象物の探知」、「ターゲットの認識」、「回避機動」、「回避結果の確認」、「元ルートへの復帰」及び「元ルートでの飛行」の6ステップからなる基本的な手順を規定しました。今後、無人航空機はこの6ステップに従い、統一された回避機動をとることになります。
    • 本規格の改定は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2017年より進めてきた「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト※4」の成果を基に、2021年より株式会社SUBARU、日本無線株式会社、株式会社ACSLが進めてきたものであり、日本が国際標準化機構(ISO)における検討を主導しました。
  • 期待される効果
    • 世界各国のドローンに関わるステークホルダーが、個別に進めてきた無人航空機の衝突回避技術の開発や運用実証、事業化検討などを本規格に基づいて行うことで、グローバルな情報共有や技術開発、社会実装に向けた取組の加速化が期待されます。さらに、衝突回避に関する運航手順が標準化されることで、他の航空機を探知し回避するシステムや、その試験方法などの標準化も促進され、さらなる空の安全確保が期待できます。
  • 注釈
    • ※1 有人航空機とのニアミス実例
      • 「航空機と無人航空機、無人航空機同士の衝突回避策等について(国土交通省航空局、2016年11月8日)」外部リンクの16を参照しています。
    • ※2 目視外飛行
      • 無人航空機の操縦者が、自分の目によって無人航空機の位置や姿勢及び航行の安全性を確認できない飛行のことです。長距離の物流やインフラ点検に必須ですが、その実現には、操縦者の目視に代わる安全措置の実施や、衝突回避技術の実装などが必要になります。
    • ※3 第三者上空飛行
      • 無人航空機の運航に関与しない第三者の上空を飛行することです。市街地などで物流を実施する場合などに必須ですが、その実現には、高い安全性や信頼性を確立する技術が必要になります。
    • ※4 ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト
      • NEDOが2017年より推進する、【1】ロボット・ドローン機体の性能評価基準等の開発、【2】無人航空機の運航管理システム及び衝突回避技術の開発、【3】ロボット・ドローンに関する国際標準化の推進、【4】空飛ぶクルマの先導調査研究の4項目により、省エネルギー社会の実現を目指したプロジェクトです。

経済産業省 海外現地法人四半期調査(2023年4月から6月期)の結果を取りまとめました
  • 経済産業省では、我が国企業の国際展開や、海外での業況を把握することを目的に、我が国企業の製造業海外現地法人の海外事業活動に関する調査を実施し、四半期毎に公表しています。この度、2023年4月から6月期の調査結果を取りまとめました。
  • 我が国企業の海外現地法人における売上高(2023年4月から6月期、ドルベース)は、前年同期比3.0%と3期ぶりの増加となりました。アジアが3期連続で減少したものの、北米が同16.6%と4期連続で増加しました。
  • 結果概要
    • 売上高
      • 売上高(全地域合計)は、前年同期比3.0%と3期ぶりの増加となりました。化学、電気機械などが減少したものの、輸送機械が増加となりました。
      • 地域別(北米、アジア、欧州)にみると、構成比の高いアジア(構成比46.8%)は、中国の輸送機械などの減少により、前年同期比-6.0%と3期連続の減少となりました。北米(同31.9%)は、輸送機械などの増加により、同16.6%と4期連続の増加、欧州(同11.6%)は同7.0%と2期連続の増加となりました。
    • 設備投資額
      • 設備投資額(全地域合計)は、前年同期比-12.3%と5期ぶりの減少となりました。電気機械などが増加したものの、輸送機械などが減少となりました。
      • 地域別にみると、アジア(構成比47.4%)は、前年同期比-7.7%と4期ぶりの減少となりました。北米(同33.2%)は、同-25.6%と2期連続の減少、欧州(同11.9%)は、同9.7%と5期ぶりの増加となりました。
    • 従業者数
      • 従業者数(全地域合計)は、前年同期比-1.0%と3期連続の減少となりました。輸送機械などは増加したものの、電気機械、はん用等機械などが減少となりました。
      • 地域別にみると、アジア(構成比66.6%)は、前年同期比-2.9%と3期連続の減少となりました。北米(同14.6%)は、同4.4%と6期連続の増加、欧州(同9.9%)は、同0.3%と2期連続の増加となりました。

経済産業省 令和5年度「なでしこ銘柄」・「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」の募集を本日より開始します
  • 経済産業省は、東京証券取引所と共同で、女性活躍推進に優れた企業を「なでしこ銘柄」として選定する取組を、平成24年度から実施しています。
  • 企業価値向上につながる女性活躍のために不可欠な、「採用から登用までの一貫したキャリア形成支援」と「共働き・共育てを可能にする男女問わない両立支援」を両輪で進める企業を「なでしこ銘柄」として最大30社程度選定します。
  • また、今年度より、「共働き・共育てを可能にする男女問わない両立支援」に関する取組が特に優れた企業を、新たに「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」として20社程度選定します。
  • なでしこ銘柄とは
    • 女性活躍の推進に優れた企業を「中長期の企業価値向上」を重視する投資家にとって魅力ある銘柄として紹介することを通じて、企業への投資を促進し、各社の取組を加速化していくことを狙いとしています。
    • 人的資本経営重視の流れを踏まえ、企業の女性活躍の取組の多寡だけではなく、経営戦略と結びついた女性活躍推進体制・取組となっているか、また、その取組が企業価値向上につながっているかという点を重視して選定しています。
  • 今年度の実施方針
    • 「採用から登用までの一貫したキャリア形成支援」と「共働き・共育てを可能にする男女問わない両立支援」を両輪で進めることが女性活躍推進に不可欠であると考え、令和5年度の「なでしこ銘柄」では、共働き・共育て支援(男女問わない両立支援)に関する設問を拡充し、こうした取組を進める企業を最大30社程度選定します。
    • また、「なでしこ銘柄」とは別に、「共働き・共育てを可能にする男女問わない両立支援」に関する取組が特に優れた企業を、新たに「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」として20社程度選定します。
    • 「なでしこ銘柄」、「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」については、片方のみの応募、あるいは両方に応募、どちらのパターンでも応募が可能です。(※ただし、「なでしこ銘柄」に選定された企業は、「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」には選定されません。)
    • 「なでしこ銘柄」及び「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」の選定により、企業の女性活躍への取組に対する投資家の注目を高めることで、各社の取組の加速化を目指していきます。

【2023年9月】

経済産業省 日本産業規格(JIS)を制定・改正しました(2023年9月分)
  • 日本産業規格(JIS)とは
    • 日本産業規格(JIS:Japanese Industrial Standards)は、産業標準化法(JIS法)に基づく国家規格であり、製品、データ、サービスなどの種類や品質・性能、それらを確認する試験方法や評価方法などを定めています。
    • JISは、製造事業者やサービス事業者が、品質の良い製品やサービスを生産・提供することや、消費者等が、品質の良い製品やサービスを入手・利用すること等のために用いられています。
    • 関係府省では、技術の進歩や社会的環境の変化等を踏まえ、必要に応じて、JISを制定・改正しています。
    • JISの制定・改正は、経済産業大臣等の主務大臣により、日本産業標準調査会での審議・議決を経て行われます。(認定産業標準作成機関が作成したJIS案については、同調査会の審議を経ずに主務大臣が迅速に制定・改正を行います。)
  • 情報セキュリティのマネジメントシステムに関するJISの改正(JIS Q 27001)
    • 「情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)」の規格が、広く利用されています。2022年に、ISMSを規定する国際規格であるISO/IEC 27001が改訂されたことを受けて、対応するJISであるJIS Q 27001を改正しました。
    • 最新の国際規格とJISの整合が図られることにより、情報セキュリティを取り巻く技術や環境の変化への対応が可能となり、我が国の情報セキュリティの向上に一層寄与することが期待されます。
▼資料2.情報セキュリティのマネジメントシステムに関するJIS改正
  • サイバー攻撃の増加や、リモートワーク、クラウドサービスといった新たなツールの拡大などが進む中で、企業や団体は、新しい情報セキュリティの取組を求められています。そうした取組が十分な水準となり、継続的であることを担保するため、「情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)」の規格が、広く利用されています。2022年に、ISMSを規定する国際規格であるISO/IEC 27001が改訂されたことを受けて、対応するJISであるJIS Q 27001を改正しました。
  • 最新の国際規格とJISの整合が図られることにより、情報セキュリティを取り巻く技術や環境の変化への対応が可能となり、我が国の情報セキュリティの向上に一層寄与することが期待されます。
  • JIS改正の目的
    • 多様化する脅威に対するサイバーセキュリティ対策、クラウドサービスの利用、リモートワークの普及などの情報セキュリティを取り巻く技術や環境の変化を背景として、2022年10月に情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の要求事項を規定するISO/IEC 27001が改訂されたことを受け、これに対応するJISであるJIS Q 27001を改正しました。
    • JIS Q 27001 は、組織がISMSの確立及び実施、維持、継続的な改善を行うための要求事項や組織のニーズに応じた情報セキュリティのリスクアセスメント及びリスク対応を行うための要求事項を規定しています。ISMSは、組織の情報の機密性や完全性、可用性を保護し、事業の継続性を向上させるための基盤として、国内でも多くの組織で導入されており、本規格を認証基準とした、第三者による適合性評価も行われています。今後、改正されたJIS Q 27001に基づき、適合性評価が行われることになります。
  • JIS改正の主なポイント
    • 情報セキュリティ管理策の改正
      • JIS Q 27001 附属書Aで規定されている情報セキュリティ管理策(情報セキュリティに係る対策)を、新たな脅威、技術動向などを踏まえて改正しました。具体的には、以下のとおり、管理策の数は、新規追加や既存の更新・統合によって、改正前の114からの93に変更となり、管理策の分類は、14分類から、組織的管理策及び人的管理策、物理的管理策、技術的管理策の4分類に再整理されました。
    • ISO/IEC 専門業務用指針 第1部 附属書SLの改訂内容の反映
      • JIS Q 27001(本体)に、ISOマネジメントシステム規格(MSS)を作る上でベースとなるISO/IEC専門業務用指針 第1部 附属書SLの2021年の改訂内容を反映しています。
      • 具体的には、情報セキュリティ目的の監視や計画的なISMSの変更、外部から提供されるプロセス・製品・サービスの管理などに関する要求事項が追加されました。
  • 期待される効果
    • 本JISの改正により、国際規格との整合が図られるとともに、多様化する脅威に対するサイバーセキュリティ対策、及び、クラウドサービスの利用やリモートワークの普及など、情報セキュリティを取り巻く技術や環境の変化への対応が可能となります。この規格は、組織自体の情報セキュリティ要求事項を満たす組織の能力を、組織の内部で評価するためにも、外部関係者が評価するためにも用いることができることから、本JISの活用により、組織の情報の機密性、完全性及び可用性の保護、それによる組織の事業継続性の向上、さらには、我が国の情報セキュリティの向上や情報セキュリティ産業の発展等に一層寄与することが期待されます。

経済産業省 「中小M&Aガイドライン」を改訂しました
▼中小M&Aガイドライン(第2版)概要資料
  • 中小M&Aガイドライン(初版)策定から約3年が経過。この間、中小M&Aに関する行政・民間の取組にも一定の進展がみられ、中小M&Aは定着してきた。
  • 他方で、特に仲介・FA(フィナンシャル・アドバイザー)に関して、契約のわかりにくさや、担当者による支援の質のばらつき、手数料体系のわかりにくさ(最低手数料の適用)等の課題が見受けられるようになった。当該課題に対応するため、中小M&Aガイドライン(第2版)においては、特にM&A専門業者向けの基本事項※を拡充するとともに、中小企業向けの手引きとして仲介者・FAへの依頼における留意点等を拡充した。また、行政・民間における取組についても修正。
    • ※M&A専門業者は、マッチング支援やM&Aの手続進行に関する総合的な支援(マッチング支援等)を専門に行う民間業者(主に仲介者・FA)。金融機関、士業等専門家やM&Aプラットフォーマー等がマッチング支援等を行う場合にも、業務の性質・内容が共通する限りにおいて、準拠した対応を想定。
  • 「後継者不在の中小企業向けの手引き」等における改訂箇所
    • 仲介者・FAの選定
      • 仲介業務・FA業務の特徴等の見直し
    • 仲介契約・FA契約の内容
      • 直接交渉の制限に関する条項等、説明すべき重要事項の追加
    • セカンド・オピニオン
      • 類型の整理、セカンド・オピニオンの利点と留意点
    • マッチングにおける支援機関の活用
      • 依頼先の支援機関が単独/複数の場合の比較
      • 適切な候補先の紹介を受けられない場合の対応等
    • 仲介者・FAの手数料の整理
      • 最低手数料に関する事例の追加等
  • 「支援機関向けの基本事項」における改訂箇所
    • 支援の質の確保・向上に向けた取組
      • 契約に基づく義務の履行・職業倫理の遵守の必要性の明記
      • 質の確保・向上のため個々の支援機関・業界に求められる取組
    • 仲介契約・FA契約締結前の書面交付しての重要事項の説明
      • 書面に記載して説明すべき重要事項の項目の見直し
      • 説明の相手方・説明者・説明後の十分な検討時間の確保等
    • 直接交渉の制限に関する条項の留意点
  • 行政・民間における取組の推進
    • 行政の取組
      • M&A支援機関登録制度・情報提供受付窓口の開始
      • 事業承継・引継ぎ支援センターへの発展的改組等
    • 民間の取組
      • 自主規制団体であるM&A仲介協会による苦情相談窓口の開始
      • 表明保証保険等
  • 仲介者・FAの手数料の整理(最低手数料等)
    • 仲介者・FAの手数料については、依頼者である中小企業にとって、手数料(特に成功報酬)の算定方法の複雑さ、最低手数料の適用等の理由から、自己が負担する手数料を適切に把握することは必ずしも容易ではない。
    • 手数料については、レーマン方式によるものが多いが、「基準となる価額」については様々な考え方があり、採用される考え方によって報酬額が大きく変動し得ることから、「基準となる価額」の考え方・金額の目安や報酬額の目安を確認しておくことが重要であるなど、留意点を明記。
    • また、最低手数料を設定する仲介者・FAは多く、手数料に関しレーマン方式と最低手数料を併記し、最低手数料の分布や最低手数料が適用される事例を紹介(なお、本ガイドラインにおいて、仲介者・FAは手数料に係る重要事項を仲介契約・FA契約締結前に、書面交付して説明しなければならない、としている)
  • 支援の質の確保・向上に向けた取組
    • M&A専門業者について担当者によって支援の質にばらつきがあるなどの課題を把握。
    • 支援の質の確保・向上に関し、M&A専門業者には、依頼者との間の契約上の義務(善管注意義務・忠実義務)を履行し、職業倫理を遵守が求められることを明記した。
    • M&A専門業者が契約上の義務を履行し、職業倫理を遵守して支援を行うためには、(1)知識・能力の向上、(2)適正な業務遂行を図ることが重要。個々の支援機関・業界における取組が求められる。
  • 契約上の義務の履行・職業倫理の遵守
    • 善良な管理者の注意(善管注意義務)をもって業務を処理しなければならない。依頼者の利益を犠牲にして自己又は第三者の利益を図ってはならない(忠実義務)。(仲介者の場合)いずれの依頼者に対する関係でも公平・公正でなければならず、一方の利益優先又は一方の利益を不当に害するような対応をしてはならない。
    • 契約上の義務を負うかにかかわらず、職業倫理として、依頼者の意思を尊重し、利益を実現するための対応が求められる
  • 経営トップの意識
    • 代表者は「(1)知識・能力の向上」及び「(2)適正な業務遂行」を通じて質の高い支援をすることが重要である旨のメッセージ発信(例えば、経営理念や経営ビジョンにその趣旨を反映するなど)し、メッセージと整合的な取組を実施する必要がある。
  • 知識・能力の向上(取組例)
    • 必要な知識・能力の水準の明確化→人材育成(人材育成方針の策定・実施。社内研修・社外研修の受講支援。)
    • 知識・能力向上の取組・成果の適切な評価(人事評価の項目化、報酬・給与への反映。)
  • 適正な業務遂行を図ること(取組例)
    • 役員・従業員の適正な業務遂行確保(業務規程・マニュアル等の整備、経験者と共同で業務、社内相談窓口、依頼者からの苦情受付・対応等)
    • 外部委託先の適正な業務遂行確保(委託先の選定基準制定、依頼者の了承取得、委託業務の明確化、委託先への監督・指導、委託元による苦情把握等)
  • 他の支援機関(特に士業等専門家)との連携
    • M&A専門業者ごとの業務の範囲・内容等を踏まえて、他の支援機関と積極的に連携することが望ましい。
  • M&A仲介・FA業界の実務の発展に向けた取組
    • 可能な限り多くの仲介者・FAの積極的な関与の下、支援の質の底上げ等のため業界としての統一的なルール制定・遵守を期待。
    • 自主規制団体であるM&A仲介協会における、より一層の効果的な取組を期待。
  • 仲介契約・FA契約締結前の書面による重要事項の説明
    • 仲介契約・FA契約については、依頼者である中小企業にとって、契約の内容が多岐にわたる複雑なものであるなどの理由から、仲介とFAの違いや契約内容を理解することは必ずしも容易ではない。
    • 依頼者が契約内容を正しく理解した上で、適切な判断の下、仲介契約・FA契約を締結できるよう、M&A専門業者は、契約締結前に、契約に係る重要な事項を記載した書面を交付(電磁的方法による提供も可)して、明確な説明をしなければならない旨、明記した。また、説明すべき重要な事項を見直し、説明を受ける相手方、説明者、説明後の十分な検討時間の確保等も明記した。なお、参考資料として、重要事項説明書のひな形を併せて公表している。
  • 説明すべき重要な事項
    • 仲介者・FAの違いとそれぞれの特徴(仲介者として両当事者から手数料を受領する場合には、その旨も含む。)
    • 提供する業務の範囲・内容(マッチングまで行う、バリュエーション、交渉、スキーム立案等)
    • 手数料に関する事項(算定基準、金額、最低手数料、既に支払を受けた手数料の控除、支払時期等)
    • 手数料以外に依頼者が支払うべき費用(費用の種類、支払時期等)
    • 秘密保持に関する事項(依頼者に秘密保持義務を課す場合にはその旨、秘密保持の対象となる事実、士業等専門家や事業承継・引継ぎ支援センター等に開示する場合の秘密保持義務の一部解除等)
    • 直接交渉の制限に関する事項(依頼者自らが候補先を発見すること及び依頼者自ら発見した候補先との直接交渉を禁止する場合にはその旨、直接交渉が制限される候補先や交渉目的の範囲等)
    • 専任条項(セカンド・オピニオンの可否等)
    • テール条項(テール期間、対象となるM&A等)
    • 契約期間(契約期間、更新(期間の延長)に関する事項等)
    • (契約の解除に関する事項及び依頼者が仲介契約・FA契約を中途解約できることを明記する場合)当該中途解約に関する事項
    • 責任(免責)に関する事項(損害賠償責任が発生する要件、賠償額の範囲等)
    • 契約終了後も効力を有する条項(該当する条項、その有効期間等)
    • (仲介者の場合)依頼者との利益相反のおそれがあると想定される事項
  • 直接交渉制限に関する条項の留意点
    • 依頼者が、M&Aの相手方となる候補先と、M&A専門業者を介さずに直接、交渉又は接触することを禁じる旨(直接交渉制限)の条項における候補先については、基本的には、当該M&A専門業者が関与・接触し、紹介した候補先のみに限定すべきである。
    • また、直接交渉の制限の交渉については、依頼者の通常の事業を阻害しないよう、依頼者と候補先のM&Aに関する目的で行われるものに限定すべきである。
    • さらに、直接交渉の制限の期間については、契約終了後に依頼者が候補先と直接交渉してM&Aを成立させた場合には、テール条項により、M&A専門業者が依頼者に対して手数料を請求し得ること、仮に仲介契約・FA契約が終了した後にも制限が残る場合、(テール条項により発生する手数料を支払うことを覚悟した上で)M&Aを実行するといった、依頼者の自由な経営判断を損なうおそれがあること等を踏まえ、仲介契約・FA契約が終了するまでに限定するべきである。

経済産業省 駐日中国大使館ホームページで掲載された、ALPS処理水の海洋放出に関するコメントについて、中国政府に対して回答を行いました
  • 9月14日、経済産業省は、外務省とともに、9月7日に駐日中国大使館ホームページで掲載された、ALPS処理水の海洋放出に関するコメントについて、中国側に対して回答を行いました。
  • 主旨
    • 9月7日、駐日中国大使館ホームページにおいて、ALPS処理水の海洋放出に関するコメントが掲載されました。これらのコメントには、事実に基づかない内容が含まれています。日本政府としては、これまでも、中国側から直接提起された指摘には、誠意をもって回答してきており、今回のコメントに関しても同様に、本日、中国側に対して以下のとおり回答しました。
    • 日本政府は、今後もALPS処理水について、高い透明性をもって、科学的根拠に基づく丁寧な情報提供を続けてまいります。中国政府による事実関係及び科学的根拠に基づかない発信は、ALPS処理水の海洋放出の安全性に関する誤解や、科学的根拠に基づかない理解に基づき人々の不安をいたずらに高めるものであり、日本側として強く懸念しています。日本政府は、中国政府に対して、正確な情報を発信するよう引き続き求めていきます。
  • 中国側のコメントへの回答
    • 中国側の1つ目のコメントへの回答
      • 駐日中国大使館報道官は、1つ目のコメントとして、日本はIAEA事務局に日本が自ら採取した核汚染水サンプルの分析と実験室比較を一度委託したが、中国側は参加の招待がされなかった旨述べています。
      • この点について、正確な事実は以下のとおりです。
        • IAEAの枠組の下で行われるモニタリングの比較評価において、いかなる国のいかなる分析・研究機関が参加するかは、IAEA自身が、IAEAの放射線分析機関ネットワーク(ALMERA)の中から選定するものであり、日本として、そこに参加する分析・研究機関の選定に関与できるものではありません。
    • 中国側の2つ目のコメントへの回答
      • 駐日中国大使館報道官は、2つ目のコメントとして、日本側が提供したサンプルに基づく実験室比較活動では、日本側の検査結果の信頼性を十分に証明することはできない旨述べております。
      • この点について、正確な事実は以下のとおりです。
        • ALPS処理水の海洋放出に関するモニタリングについては、IAEAが日本側の分析手法の適切性をレビューしており、本年5月に発表されたIAEAの報告書※1において、IAEAと第三国分析・研究機関が分析するALPS処理水のサンプリング手法は、IAEA立ち合いの下で、代表的な試料を得るために必要な適切な基準に従って行われている旨明記されています。その上で、IAEAと第三国分析・研究機関は日本と共同で海域のサンプルを採取し、その分析を行い、日本側モニタリングの適切性を確認しています。このほか、9月8日、IAEAが独立した立場で行った海域のサンプリングの分析結果※2が公表されており、トリチウム濃度が基準を下回ることが確認されています。

経済産業省 東京電力による経営改革の取組等の検証を開始します
  • 経済産業省は、原子力損害賠償・廃炉等支援機構とともに、東京電力による経営改革の取組等の検証を、9月15日開催の同機構の運営委員会より開始します。
  • 福島第一原子力発電所事故に伴う被災者への賠償等を迅速かつ確実に実施するため、東京電力は政府の資金的援助を受けています。
  • 同時に、東京電力は、賠償・廃炉等に必要な資金を確実に捻出できるよう、「総合特別事業計画」を策定し非連続の経営改革に取り組んでいます(現在は、2021年8月に国が認可した「第四次総合特別事業計画」に基づき取組を実施中)。
  • 2022年12月、文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会で「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針第五次追補」が取りまとめられました。これを受け、東京電力は同追補に基づく追加賠償を順次進めていますが、この追加賠償などに伴い、政府から東京電力への資金援助額は累計約13.0兆円(2023年8月末時点)となり、現在の交付国債の発行限度額である13.5兆円に近づきつつあります。
  • こうした中、被災者への賠償等が滞ることのないよう必要な対策を講ずると同時に、東京電力の経営改革の進捗を評価・検証し、事故費用が確実に捻出される見込みを立てることが必要です。
  • このため、経済産業省及び原子力損害賠償・廃炉等支援機構は、東京電力の経営改革の取組等の検証が必要と判断いたしました。今後、同機構の運営委員会において以下の検証作業を開始し、経済産業省も参画の上、議論を進めてまいります。
    • 東京電力に対する資金援助額の今後の推移の見通し
    • 東京電力による経営改革の取組の評価・検証、今後更に必要となる取組
  • 上記検証作業を、9月15日(金曜日)開催の同機構の運営委員会でスタートします。

経済産業省 グリーンイノベーション基金事業「製鉄プロセスにおける水素活用」プロジェクトに関する研究開発・社会実装計画の改定に係る実施可能性調査を行います
  • 現在、グリーンイノベーション基金事業「製鉄プロセスにおける水素活用」プロジェクトを加速させるため、研究開発・社会実装計画の改定について意見募集を行っています。ここでは、意見募集と並行して、改定後の研究開発・社会実装計画に基づく研究開発の実施可能性調査を実施いたします。
  • 概要
    • 我が国鉄鋼業は、日本経済・地域経済の基幹産業として高い競争力を有する生産体制を構築している一方で、製造過程でCO2を多く排出することが課題となっており、実際、産業部門全体の40%ものCO2を排出しています。
    • 鉄鋼業におけるカーボンニュートラル実現のためには、原料や還元剤において化石燃料から脱却するという、製鉄プロセスそのものの抜本的な転換が求められており、グリーンイノベーション基金において、「製鉄プロセスにおける水素活用」プロジェクトを立ち上げ、2040年半ばの社会実装を目指しているところです。
    • 近年、世界各国で水素還元製鉄等の脱炭素化に向けた革新的な技術開発が進められている中、既に推進しているプロジェクトを加速、深化するべく、「製鉄プロセスにおける水素活用」プロジェクトに関する研究開発・社会実装計画を改定することを検討しております。
    • 改定後の研究開発・社会実装計画に基づく研究開発の実施にあたり、研究開発項目1-②、2-①及び2-②の次回ステージゲート後の実証機建設以降の取り組みの部分については、本調査において、既存プロジェクトに取り組む実施者以外の事業者による実施可能性も確認の上、公募の必要性を検討いたします。研究開発・社会実装計画(改定案)、実施可能性調査実施要領、事業要件案に記載する内容・条件において、的確な事業遂行が可能であり、かつ、事業実施者を改めて公募した場合、参加する意思を有する方は、提出先までご登録をお願いいたします。
  • 実施期間
    • 令和5年9月4日から令和5年10月3日

経済産業省 ALPS処理水の海洋放出に関する偽情報について
  • ALPS処理水の海洋放出に関し、「核汚染水」との用語を用いて西村経済産業大臣の8月25日の記者会見動画を加工・改ざんする形で、日本の水産物輸出の取扱いを誤解させるような、事実無根の情報がネット上で発信されています。
  • ALPS処理水海洋放出に関する悪意のある偽情報の拡散は、被災地の復興を妨げ、復興に向け努力する被災地の人々の感情をも大きく傷つけるものです。
  • 日本政府は、今後もALPS処理水について、高い透明性をもって、科学的根拠に基づく丁寧な情報提供を続けるとともに、偽情報やその流布に断固として反対します。

経済産業省 駐日中国大使館ホームページで掲載された、ALPS処理水の海洋放出に関するコメントについて、中国政府に対して回答を行いました
  • 9月1日、経済産業省は、外務省とともに、8月28日に駐日中国大使館ホームページで掲載された、ALPS処理水の海洋放出に関するコメントについて、中国側に対して回答を行いました。
  • 主旨
    • 8月28日、駐日中国大使館ホームページにおいて、ALPS処理水の海洋放出に関するコメントが掲載されました。これらのコメントには、事実及び科学的根拠に基づかない内容が含まれていました。日本政府としては、これまでも、中国側から直接提起された指摘には、誠意をもって、科学的根拠に基づき回答してきており、今回のコメントに関しても同様に、本日、中国側に対して以下のとおり回答しました。
    • 日本政府は、本回答に限らず、今後もALPS処理水について、高い透明性をもって、科学的根拠に基づく丁寧な情報提供を続けていきます。中国政府に対しては、こうした科学的根拠のない発信により人々の不安をいたずらに高めるのではなく、正確な情報を発信するよう引き続き求めます。
  • 中国側のコメントへの回答
    • 中国側の1つ目のコメントへの回答
      • 中国政府は、1つ目のコメントとして、日本側は、トリチウムは希釈・処理されている点を説明する一方で、他の核種については説明していないとしています。また、中国政府は、ALPS処理水には60種類以上の放射性核種が含まれており、トリチウムのほか、多くの核種の有効な処理技術がないとしています。さらに、中国政府は、「基準値を満たすこと」と「存在しないこと」は別であり、ALPS処理水の海洋放出は、海洋環境や人体に予期せぬ被害をもたらす可能性があるとしています。
      • これらの点について、正確な事実は以下のとおりです。
      • ALPS(多核種除去設備)は62の核種を確実に除去するように設計されていますが、半減期を考慮すべきなどのIAEAの指摘を受け、処理前の水に現実的に存在し得る核種は29核種であると考えています。IAEAは、包括報告書において、この選定方法は「十分保守的かつ現実的」と評価しています。また、日本の分析に加え、IAEA及び第三国機関の分析でも、その他の核種は検出されていません。こうした内容については、原子力規制委員会の審査やIAEAのレビューを通じて公開されています。いわゆる「60種類以上の放射性核種が含まれている」とする中国側の主張は、科学的根拠を有するものではなく、IAEAの見解とも異なるものです。
      • これらの核種については、ALPSによる処理を経た後、規制基準未満まで除去します。処理後に検出されたことのある核種は、29核種のうち9核種だけであり、それらも規制基準を十分に下回るまで浄化できています。これまでの運転実績から、ALPSは十分な浄化性能を有することが実証されており、IAEAも、それらのうち多くの核種は検出されることはないほど濃度が低いと評価しています。(注:包括報告書の該当箇所に言及。)
      • ALPS処理水の海洋放出による人及び環境への放射線影響は、国際的な基準及びガイドラインに沿って、海洋拡散、核種の生物濃縮や長期の蓄積も考慮して入念な評価を行った結果、無視できるものです。IAEAは、包括報告書において、この点についても結論として明記しています。いわゆる「海洋環境や人体に予期せぬ被害をもたらし得る」との中国側の主張は、科学的根拠を有するものではなく、IAEAの見解とも異なるものです。
      • 放出される水は、中国側が言うような「汚染水」ではなく、十分に浄化された「ALPS処理水」を更に希釈したものであり、放射性物質の濃度が規制基準を大幅に下回るレベルの水です。IAEAは、公衆の混乱を避けるためには用語への理解が重要であり、用語を区別すべきと指摘しています。日本政府は、中国政府に対し、IAEAの指摘を真摯に受け止め、不適切な表現を行わないよう求めます。
    • 中国側の2つ目のコメントへの回答
      • 中国政府は、2つ目のコメントとして、日本側はすべての核種をモニタリングしているわけではなく、モニタリング対象となる海洋生物の種類も少ないので、日本側が公表しているモニタリングデータだけでは、ALPS処理水の放出が安全で無害とすることはできないとしています。また、中国側は、日本側が発表しているデータの大部分は東京電力自身がサンプリングし、検査し、公表しているものであるが、東京電力が発表したデータは信頼できないとしています。
      • これらの点について、正確な事実は以下のとおりです。
      • 日本は、東京電力福島第一原子力発電所の事故後、政府が定める「総合モニタリング計画」に基づいて、包括的かつ体系的な海域モニタリングを行っています。同計画においては、東京電力のみならず、環境省、原子力規制委員会、水産庁及び福島県がモニタリングを行っており、その結果については各省庁のウェブサイト及び包括的海域モニタリング閲覧システム等において公開されています。放出開始後のモニタリング結果は、ほとんど検出下限値未満であり、検出されたものも極めて低い濃度であり、安全であることが確認されています。ALPS処理水は、計画どおりに放出されています。
      • 東京電力のデータの信頼性については、原子力分野において国際的な安全基準の策定・適用を行う権限のあるIAEAのレビューを受けており、東電の分析能力や信頼できる業務体制を有するか等も含め評価されています。このレビューには中国の専門家も参加しており、中国の専門的知見も踏まえた上で評価されたものです。
      • 海洋放出されるALPS処理水の安全性については、放出前のモニタリングを徹底した上で、海域モニタリングにおいて、海水中のトリチウムの観測点を増やす等の強化を行っているほか、放出開始後は、東京電力のみならず、各機関が、トリチウムの分析を頻度を高めた上で迅速に行い、その結果を速やかに公表しています。
      • また、トリチウム以外の核種についても、例えば、環境省は、上述の29核種を含めた幅広い核種のモニタリングを行うこととしており、特に、海洋放出開始後は、海水中のγ線放出核種を毎週モニタリングし、結果を公表しています。原子力規制委員会は、以前より、定期的に、海水のセシウム134及び137、ストロンチウム90の濃度や全β核種をモニタリングし公表していますが、海洋放出開始後もそれを継続しています。
      • このように、現在のモニタリング制度は、放射性濃度の変動があった場合には速やかにこれを探知し、放出の停止を含め適切な対応をとることが可能なものとなっています。
      • IAEAは、包括報告書において、政府と東京電力のモニタリングに関する活動は国際基準に沿ったものであるとし、政府と東京電力は充実した環境モニタリング計画を実施していると評価しています。
    • 中国側の3つ目のコメントへの回答
      • 中国政府は、3つ目のコメントとして、「IAEAのモニタリングメカニズムには、これまでに他の国や国際機関の現場への参加は行われておらず、これでは、真の国際モニタリングとは言えず、透明性を著しく欠いている」として、日本側に対し、各利害関係者が参加できる長期的モニタリングの国際的取組の立ち上げを積極的に支持すべきとしています。
      • これらの点について、正確な事実は以下のとおりです。
      • ALPS処理水の海洋放出については、これまでIAEAの関与を得ながら、国際基準及び国際慣行に則り、安全性に万全を期した上で進めてきています。海洋放出開始後も、東電福島第一原子力発電所におけるIAEA職員の常駐に加え、同発電所からリアルタイムでモニタリング・データを提供しています。今後とも、IAEAの関与の下、国際社会が利用できるデータを公表します。また、IAEAは、日本のモニタリング活動に関するレビューを継続します。
      • ALPS処理水のモニタリングについては、IAEAレビューの枠組みの下で、IAEA及びIAEAから選定された複数の第三国分析・研究機関が、処理水中の放射性核種を測定・評価するソースモニタリングの比較評価及び環境中の放射性物質の状況を確認する環境モニタリングの比較評価を実施してきています。現在実施されているIAEAによる比較評価には、IAEAの放射線分析機関ネットワーク(ALMERA)から、米国、フランス、スイス及び韓国の分析研究機関が参画しています。IAEAによるモニタリングは、IAEAを中心としつつ、第三国も参加する国際的・客観的なものです。例えば2022年11月7日から14日にかけて、IAEA海洋環境研究所の専門家に加え、フィンランド及び韓国の分析機関の専門家が来日し、現場において試料採取及び前処理を確認しています。
      • したがって、いわゆる「IAEAのモニタリングメカニズムには、これまでに他の国や国際機関の現場への参加は行われておらず、これでは、真の国際モニタリングとは言えず、透明性を著しく欠いている」という中国側の主張は、事実とは異なるものです。
      • IAEAは、原子力分野において、関連安全基準を策定・適用する権限を有しており(注1)、関係国際機関及び中国を含む全IAEA加盟国との協議を経て、人・環境への影響に関するIAEA安全基準を策定し、様々なレビューを実施してきています(注2)。政治的な目的によってIAEAの活動を貶めることは受け入れられません。また、IAEAの権威・権限を否定することは、IAEAの安全基準に依拠して設定された中国の安全基準さえも否定するものであり、原子力の平和的利用の促進を阻害する極めて無責任な主張です。

経済産業省 電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました
  • 経済産業省は、「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」を実施し、日本の電子商取引市場の実態等について調査結果を取りまとめました。
  • 調査結果概要
    • 国内電子商取引市場規模(BtoC及びBtoB)
      • 令和4年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、22.7兆円(前年20.7兆円、前々年19.3兆円、前年比9.91%増)に拡大しています。また、令和4年の日本国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は420.2兆円(前年372.7兆円、前々年334.9兆円、前年比12.8%増)に増加しました。
      • また、EC化率※1は、BtoC-ECで9.13%(前年比0.35ポイント増)、BtoB-ECで37.5%(前年比1.9ポイント増)と増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展しています。
      • また、BtoC-EC市場規模を分野別にみると、下表のとおりとなります。
        • 物販系分野
          • 物販系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「食品、飲料、酒類」(2兆7,505億円)、「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」(2兆5,528億円)、「衣類・服装雑貨等」(2兆5,499億円)、「生活雑貨、家具、インテリア」(2兆3,541億円)の割合が大きく、これらの上位4カテゴリーが2兆円を超過するとともに、物販系分野の73%を占めています。
          • EC化率については、「書籍、映像・音楽ソフト」(52.16%)、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」(42.01%)、「生活雑貨、家具、インテリア」(29.59%)において高い値となっています。
        • サービス系分野
          • サービス系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「旅行サービス」(2兆3,518億円)が大きな割合を占めています。令和4年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により大幅に落ち込んでいた旅行サービス、飲食サービス、チケット販売が外出需要の増加と共に大きく回復しました。
        • デジタル系分野
          • デジタル系分野のBtoC-EC市場規模の内訳をみると、「オンラインゲーム」(1兆3,097億円)が大きな割合を占めていますが、市場規模は前年比マイナス18.79%と減少しています。
    • 国内電子商取引市場規模(CtoC)
      • 近年、ECチャネルの一つとして個人間EC(CtoC-EC)が急速に拡大していることを踏まえ、平成28年から、CtoC-EC市場規模※2推計を実施しています。
      • 令和4年のCtoC-ECの市場規模は2兆3,630億円(前年比6.8%増)と推計されました。
    • 日本・米国・中国の3か国間における越境電子商取引の市場規模
      • 令和4年において、日本・米国・中国の3か国間における越境ECの市場規模は、いずれの国の間でも増加しました。なお、中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は2兆2,569億円(前年比5.6%増)、米国事業者からの越境EC購入額は2兆7,499億円(前年比6.7%増)であり、昨年に引き続き増加しています。
  • 電子商取引に関する市場調査について
    • 本調査は、電子商取引市場動向や利用者実態を調査したものであり、平成10年度から毎年実施し、今回で25回目となります。
    • 日本国内のBtoC-EC、BtoB-EC、CtoC-ECの市場規模に加え、越境ECの消費者向け市場動向(日本、米国及び中国相互間)について、調査を実施しております。

経済産業省 「企業買収における行動指針」を策定しました
  • 経済産業省は、「公正な買収の在り方に関する研究会」における議論等を踏まえて、今般、「企業買収における行動指針」を策定しましたので、公表します。
  • 背景・趣旨
    • 経済産業省は、公正なM&A市場における市場機能の健全な発展により、経済社会にとって望ましい買収が生じやすくなることを目指し、買収を巡る両当事者や資本市場関係者にとっての予見可能性の向上や、ベストプラクティスの提示に向けた検討を進めるべく、2022年11月に「公正な買収の在り方に関する研究会」(座長:神田秀樹学習院大学大学院法務研究科教授)を立ち上げました。
    • 同研究会では、諸外国における法制度や実務、国内外の関係者から提供された意見等も踏まえつつ、我が国におけるM&Aを健全な形で更に発展させていく観点から、買収に関する当事者の行動の在り方等について検討を行ってきました。
    • 経済産業省は、同研究会における議論等を踏まえて、我が国経済社会において共有されるべきM&Aに関する公正なルールとして、「企業買収における行動指針」を新たに策定しました。
  • 企業買収における行動指針について
    • 本指針は、上場会社の経営支配権を取得する買収を巡る当事者の行動の在り方を中心に、M&Aに関する公正なルール形成に向けて経済社会において共有されるべき原則論及びベストプラクティスを提示することを目的としています。
    • 本指針は、第1章「はじめに」において、その位置づけや対象等を明らかにした上で、第2章「原則と基本的視点」において、上場会社の経営支配権を取得する買収一般において尊重されるべき3つの原則を明らかにしています。
    • その上で、第3章「買収提案を巡る取締役・取締役会の行動規範」において、経営支配権を取得する買収提案を巡る取締役・取締役会の行動規範について、局面に応じた考え方の整理を行い、第4章「買収に関する透明性の向上」において、買収者及び対象会社の双方の観点から、買収に関する透明性の向上の在り方を提示しています。
    • また、第5章「買収への対応方針・対抗措置」において、買収への対応方針・対抗措置に関する基本的な考え方(総論)等を提示しています。
    • そのほか、指針本体の詳細の内容を別紙として提示しています。
  • パブリックコメントの結果について
    • 経済産業省では、「企業買収における行動指針(案)」について、令和5年6月8日(木曜日)から同年8月6日(日曜日)までの60日間公表し、広く意見の募集を行いました。
    • その結果、内外の50の個人及び団体からご意見をいただきました。本件についてご検討いただいた皆様には、ご協力いただきありがとうございました。
    • 本件に関してお寄せいただいた主なご意見の概要及びご意見に対する経済産業省の考え方については、関連資料3「パブリックコメントの結果」をご覧ください。

【厚生労働省】

【2023年11月】

厚生労働省 令和4年派遣労働者実態調査の概況
▼ 概況版
  • 就業の有無
    • 令和4年10月1日現在の事業所について、派遣労働者が就業している割合は12.3%となっている。
    • これを産業別にみると、「製造業」が23.6%と最も高く、次いで「情報通信業」23.1%、「金融業,保険業」21.0%となっている。また、事業所規模別にみると、「1,000人以上」83.9%、「300~999人」66.8%、「100~299人」47.8%、「30~99人」26.9%、「5~29人」8.4%と規模が大きいほど派遣労働者が就業している事業所の割合が高くなっている。
  • 派遣労働者数階級別の割合及び派遣労働者数の産業別構成
    • 派遣労働者が就業している事業所について、就業している派遣労働者数階級をみると、「1~4人」が68.1%と最も高くなっている。
    • 令和4年10月1日現在の全労働者数に対する派遣労働者の割合は4.0%となっている。
    • 産業別にみると、「サービス業(他に分類されないもの)」が11.5%と最も高く、次いで「情報通信業」9.5%、「製造業」7.8%となっている。一方「宿泊業,飲食サービス業」が0.6%と最も低く、次いで「鉱業,採石業,砂利採取業」0.7%、「複合サービス事業」1.1%となっている。
  • 派遣労働者を就業させる理由
    • 派遣労働者が就業している事業所について、派遣労働者を就業させる主な理由(複数回答3つまで)をみると、「欠員補充等必要な人員を迅速に確保できるため」が76.5%と最も高く、次いで「一時的・季節的な業務量の変動に対処するため」37.2%、「軽作業、補助的業務等を行うため」30.9%となっている
  • 派遣労働者を受け入れない理由
    • 派遣労働者が就業していない事業所について、派遣労働者を受け入れない主な理由(複数回答3つまで)をみると、「今いる従業者で十分であるため」が56.2%と最も高く、次いで「費用がかかりすぎるため」29.4%、「派遣労働者を受け入れるより他の就業形態の労働者を採用しているため」21.7%となっている
  • 派遣労働者に対して行った教育訓練・能力開発の実施状況
    • 派遣労働者が就業している事業所について、過去1年間(令和3年10月1日~令和4年9月30日、以下同じ。)に派遣労働者に対する教育訓練・能力開発の実施の有無をみると、「実施した」が69.7%となっている。
    • これを派遣労働者数階級別にみると、派遣労働者数階級が高くなるほど教育訓練・能力開発を実施している割合が高くなっている。
    • また、派遣労働者に対して教育訓練・能力開発を実施している事業所について教育訓練・能力開発の方法(複数回答)をみると、「働きながら行う教育訓練・能力開発(OJT)を行った」が85.1%と最も高くなっている。
  • 派遣労働者を正社員にする制度
    • 事業所について、派遣労働者を正社員に採用する制度がある割合は14.3%で、このうち過去1年間に「正社員に採用したことがある」は1.6%となっている。採用する制度がない事業所は84.4%で、このうち過去1年間に「正社員に採用したことがある」は2.2%となっている。
    • これを派遣労働者が就業している事業所についてみると、派遣労働者を正社員に採用する制度がある事業所の割合は23.9%、このうち過去1年間に「正社員に採用したことがある」は3.8%となっている。
  • 紹介予定派遣制度
    • 事業所について、紹介予定派遣制度を利用したことがある割合は7.1%となっている。
    • 紹介予定派遣制度を利用したことがない事業所で「制度を知っている」は37.1%、「制度を知らない」は53.1%となっている。
    • これを派遣労働者が就業している事業所についてみると、紹介予定派遣制度を利用したことがある事業所の割合は15.3%となっている。
  • 派遣労働者の待遇決定方式
    • 派遣労働者が就業している事業所について、派遣労働者の待遇決定方式(複数回答)をみると、労使協定方式の対象となる派遣労働者を受け入れている事業所が37.0%、派遣先均等・均衡方式の対象となる派遣労働者を受け入れている事業所が29.4%となっている。
    • これを派遣労働者数階級別にみると、派遣労働者を多く受け入れている事業所ほど労使協定方式をとっている派遣労働者を受け入れている割合が高くなっている。
  • 派遣労働者の不合理な待遇格差の解消に必要な情報の提供
    • 派遣労働者が就業している事業所について、派遣労働者の不合理な待遇格差の解消に向けた派遣先労働者の待遇情報及び派遣労働者の派遣先における職務の評価情報の提供について、派遣元事業所から情報の提供が求められ、実際に提供したことがある事業所を提供した情報の種類別にみると、「福利厚生施設(給食施設、休憩室、更衣室)」が46.1%と最も高く、次いで「派遣先が行った派遣労働者の職務の評価情報(働きぶりや勤務態度)」が32.2%、「業務に必要な能力を付与するための教育訓練」が27.6%となっている
  • 派遣料金に関する要望の有無と対応
    • 派遣労働者が就業している事業所について、派遣労働者の不合理な待遇差の解消のため、派遣元から派遣料金に関する要望の有無をみると、「要望があった」が38.0%、「要望が無かった」が60.0%となっている。
    • 要望があった事業所のうち、求めに応じてとった対応(複数回答)をみると、「求めに応じて派遣料金を上げた」が91.4%と大多数の事業所が派遣料金を上げている。
    • これを派遣労働者数階級別にみると、求めに応じて派遣料金を上げた事業所の割合はいずれの規模においてもおおむね9割を超えている。
  • 派遣労働者の属性
    • 派遣労働者について年齢階級別にみると、「45~49歳」と「50~54歳」が15.8%と最も高く、次いで「35~39歳」14.0%となっている。
    • これを性別にみると、男は「35~39歳」が19.4%と最も高くなっている。女は「50~54歳」が20.3%と最も高くなっており、次いで「45~49歳」19.9%となっている。また、派遣労働者の平均年齢は44.3歳となっている
    • 派遣労働者について、生活をまかなう収入源をみると、「自分自身の収入」が最も高く69.1%、次いで「配偶者の収入」25.4%となっている。
    • これを性別にみると、男は「自分自身の収入」が94.5%と最も高く、女は「自分自身の収入」が48.7%、「配偶者の収入」が45.4%となっている。
    • 在学していない派遣労働者について、最終学歴をみると「高校卒」が40.9%と最も高く、次いで「大学卒」26.8%となっている。
    • これを性別にみると、男は「大学卒」が38.9%と最も高く、次いで「高校卒」37.4%、女は「高校卒」が43.8%と最も高く、次いで「高専・短大卒」19.7%となっている。また、在学中の派遣労働者割合は0.5%となっている。
    • 在学していない派遣労働者について、学校卒業後初めて就いた仕事の就業形態をみると、「正社員」が72.4%、「正社員以外」が25.8%となっている
    • 派遣労働者について、従事する派遣の種類をみると、「登録型」が48.6%、「登録型以外」が51.4%となっている。
    • これを性別にみると、男は「登録型」39.2%、「登録型以外」60.8%と「登録型以外」が高く、女は「登録型」56.3%、「登録型以外」43.7%と「登録型」が高くなっている。
    • 「登録型」の派遣労働者が現在登録している派遣元事業所の数をみると、「1か所」が66.1%と最も高く、次いで「2か所」12.8%となっている。
  • これまでの派遣就業の状況
    • 派遣労働者について、これまで派遣労働者として働いてきた通算期間をみると、「10年以上」が28.2%と最も高く、次いで「5年以上10年未満」19.6%、「3年以上5年未満」16.4%となっており、派遣労働者として働いてきた通算期間が3年以上の割合は6割以上を占めている
    • 派遣労働者について、これまで働いてきた派遣先の数をみると、「1か所」の割合が最も高く45.2%、次いで「2か所」23.8%、「4~5か所」11.1%となっている
  • 派遣業務
    • 派遣労働者について、現在行っている派遣業務(複数回答)をみると、「一般事務」が35.2%と最も高く、次いで「物の製造」19.1%となっている。
    • これを性別にみると、男は「物の製造」が27.5%、女は「一般事務」が50.8%と最も高くなっている。
  • 技術・技能の習得方法
    • 派遣労働者について、現在派遣先で就業している業務の技術・技能を習得した主な方法(複数回答3つまで)をみると、「派遣先で就業中の技能蓄積」が48.4%と最も高く、次いで「派遣先の教育訓練」31.9%、「派遣元の教育訓練」25.9%となっている。
    • これを派遣の種類別にみると、いずれも割合が高い順に「派遣先で就業中の技能蓄積」「派遣先の教育訓練」となっているが、それらに次いで登録型は「独学(通信教育を含む)」、登録型以外は「派遣元の教育訓練」となっている。
  • 派遣元との労働契約の期間
    • 派遣労働者について、現在の派遣元との労働契約の期間をみると、「期間の定めはない」が38.4%と最も高く、次いで「2か月を超え3か月以下」17.6%となっている。
    • これを派遣の種類別にみると、登録型は「2か月を超え3か月以下」が21.7%と最も高く、登録型以外は「期間の定めはない」56.4%が最も高くなっている。
  • 派遣先で予定される派遣期間
    • 派遣労働者について、派遣先で予定される派遣期間(派遣元から明示されている「労働者派遣の期間」)をみると、「2か月を超え3か月以下」が31.0%と最も高く、次いで「3か月を超え6か月以下」17.5%、「6か月を超え1年以下」11.9%となっている。
    • これを派遣の種類別にみると、いずれも「2か月を超え3か月以下」が最も高く、登録型は24.1%、登録型以外は37.6%となっている。
  • 時間給
    • 派遣労働者について、現在就業中の賃金(基本給、税込みの時間給換算額をいう。以下同じ。)をみると、「1,250円~1,500円未満」が27.8%と最も高く、次いで「1,000円~1,250円未満」27.1%となっている。
    • 「平均賃金」は1,510円となっており、これを性別にみると、男は1,648円、女は1,400円となっている。また、派遣の種類別にみると、登録型は1,364円、登録型以外は1,650円となっている。(
  • 時間給への評価
    • 派遣労働者について、賃金に対する評価をみると、「満足している」41.1%、「満足していない」38.0%、「どちらとも言えない」19.6%となっている。
    • 「満足していない」派遣労働者について、満足していない理由をみると、「派遣先で同一の業務を行う他の派遣労働者より賃金が低いから」が24.6%と最も高くなっている。
  • 諸手当等、各種制度の支給・実施状況
    • 派遣労働者について、諸手当等、各種制度の支給・実施の状況をみると、通勤手当の「支給がある」は84.4%、賞与・一時金の「支給がある」は31.9%、昇給が「実施されている」は28.2%となっている。
  • 教育訓練の実施状況
    • 派遣労働者について、教育訓練の実施状況をみると、過去1年間に「教育訓練を受けたことがある」は65.5%となっている。受けた教育訓練の内容(複数回答)をみると、「派遣先で受けた教育訓練」37.4%、「派遣元又は派遣先で受けたeラーニング」35.0%、「派遣元で受けた教育訓練」31.2%、「派遣元又は派遣先で受けた社外(業界団体や学校、民間の教育訓練機関等)でのOFF-JT(eラーニングを除く)」5.7%となっている。
    • 「派遣元で受けた教育訓練」では「入職時訓練」の割合が高くなっており、「派遣先で受けた教育訓練」では「OJT」の割合が高くなっている。
  • 派遣元でキャリアコンサルティングを受けるための相談窓口の状況
    • 派遣労働者について、派遣元のキャリアコンサルティングを受けるための相談窓口の状況をみると、「相談窓口が置かれている」46.4%、「相談窓口が置かれていない」7.5%、「わからない」43.9%となっている。
    • 「相談窓口が置かれている」派遣労働者について、その相談窓口(複数回答)をみると、「キャリアコンサルタント(社内)」が60.1%と最も高く、次いで、「営業担当者」53.9%となっている。

厚生労働省 危険ドラッグの成分1物質を新たに指定薬物に指定~指定薬物等を定める省令を公布しました~
  • 厚生労働省は、本日付けで危険ドラッグに含まれる別紙の1物質を新たに「指定薬物」として指定する省令を公布し、令和5年12月2日に施行することとしましたので、お知らせします。
  • 新たに指定された1物質は、昨日(11月21日)の薬事・食品衛生審議会薬事分科会指定薬物部会において、指定薬物とすることが適当とされた物質であるため、早急に指定を行うこととなります。
  • 施行後は、この物質とこの物質を含む製品について、医療等の用途以外の目的での製造、輸入、販売、所持、使用等が禁止されます。
  • この物質は、以下の参考情報のとおり、国内の店舗やインターネットで販売されていることから、消費者の皆様には、購入・使用することがないよう注意喚起いたします。
  • なお、海外でも流通している物質であり、厚生労働省は危険ドラッグが海外から輸入され、乱用されることのないよう水際(輸入)対策を強化していく方針です。
  • 今後、インターネットによる販売も含め、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づく無承認無許可医薬品としての指導取締りも強化していく方針です。
  • 危険ドラッグについては、事業者の皆様には、販売、購入、輸入等をしないよう強く警告いたします。
  • 参考情報
    • 令和5年9月以降、新たに指定された1物質を含むことが疑われる製品を摂取したとされた後に救急搬送された事例が少なくとも全国で8件報告されています。地方厚生局麻薬取締部は警察や自治体と連携して、令和5年11月20日までに、健康被害に遭った方々が摂取したとされる製品を製造・販売した販売店舗等8カ所に対して、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づく立入検査と該当製品に対する検査命令・販売等停止命令を行いました。

厚生労働省 12月は「職場のハラスメント撲滅月間」です~職場におけるハラスメント対策シンポジウム開催~
  • 厚生労働省では、12月を「職場のハラスメント撲滅月間」と定め、ハラスメントのない職場づくりを推進するため、集中的な広報・啓発活動を実施します。
  • その一環として、「職場におけるハラスメント対策シンポジウム」をオンラインで開催します。有識者による基調講演や「企業のカスタマーハラスメント対策の取組事例」と題してパネルディスカッションを行います。
  • また、厚生労働省では、ハラスメント防止対策の取組の参考としていただけるパンフレットや研修動画などを提供しています。詳細はポータルサイト「あかるい職場応援団」をご覧ください。(https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/
  • 職場におけるハラスメント対策シンポジウム
    • 日時
      • 令和5年12月5日(火)13時30分~15時15分(13:00オンライン画面スタート)
    • 会場
      • オンライン配信
    • 内容
      • 基調講演 「企業のカスタマーハラスメント対策について」
        • 講師:齊木 茂人 氏(公益財団法人消費者関連専門家会議(ACAP)専務理事)
      • パネルディスカッション
        • 「企業のカスタマーハラスメント対策の取組事例について」
    • お申込み
  • 広報・啓発
    • 事業主、人事労務担当者及び労働者等が職場におけるハラスメント防止の必要性及び関係 法令の内容への理解を深められるよう、ポスターの掲示やリーフレットの配布、インターネット広告など多様な媒体を活用した広報・啓発を行います。

厚生労働省 新型コロナワクチンの購入に係る第一三共株式会社との合意について
  • 厚生労働省は、第一三共株式会社から新型コロナワクチン(1.5対応型)を、薬事承認が得られた場合に140万回分購入することについて、同社と合意しましたので、お知らせします。
  • これまで、国内企業による新型コロナワクチンの開発については、厚生労働省が実施するワクチン生産体制等緊急整備事業による支援のほか、政府全体で支援を行ってきたところですが、この支援により、国内企業が開発した新型コロナワクチンの初の購入契約となります。
  • 厚生労働省としては、今後の感染症危機を見据え、国産ワクチンを国内において開発・生産できる体制を確立するため、引き続き、必要な支援を行ってまいります。

厚生労働省 第1回 医療機能情報提供制度・医療広告等に関する分科会 資料
▼資料1-1 国民・患者に対するかかりつけ医機能をはじめとする医療情報の提供等に関する検討について
  • かかりつけ医機能をはじめとする医療提供体制を取り巻く状況(概要)
    • 人口動態
      • 2025年に向けて、高齢者人口が急速に増加した後、その増加は緩やかになる一方で、既に減少に転じている生産年齢人口は、2025年以降さらに減少が加速。85歳以上の人口は、2040年に向けて引き続き増加。
      • 二次医療圏でみると、2025年にかけて、多くの地域で、高齢者人口の増加と生産年齢人口の減少。2040年にかけて、高齢者人口が増加する地域(132の医療圏)と減少する地域(197の医療圏)に分かれ、多くの地域で生産年齢人口が急減。
    • 医療需要の変化
      • 全国の入院患者数は、2040年にピークを迎える見込み。65歳以上が占める割合は継続的に上昇し、2040年に約8割。2020年までに90の医療圏がピーク、2035年までには261の医療圏がピークを迎える見込み。
      • 全国の外来患者数は、2025年にピークを迎える見込み。65歳以上が占める割合は継続的に上昇し、2040年に約6割。2020年までに217の医療圏がピークを迎えている。
      • 全国の在宅患者数は、2040年以降にピークを迎える見込み。在宅患者数は多くの地域で増加し、2040年以降に203の二次医療圏がピークを迎える見込み。
      • 85歳以上の人口は、2040年に向けて増加し、医療と介護の複合ニーズを持つ者が一層多くなる見込み。
      • 死亡数は、2040年まで増加し、ピーク時には年間約170万人が死亡する見込に。死因は、悪性新生物・心疾患とともに、老衰が増加傾向。死亡の場所は、自宅・介護施設等が増加傾向。
    • マンパワー
      • 2040年には、日本の就業者数全体が大きく減少する中で、医療・福祉職種の人材は現在より多く必要となる。
      • 病院に従事する医師数は、ここ20年で5.5万人増加しているが、60歳以上の医師が占める割合は15%まで増加し、平均年齢は44.8歳まで上昇。診療所に従事する医師数は、ここ20年で2.0万人増加しているが、60歳以上の医師が占める割合は50%程度で、平均年齢は60.0歳に上昇。

厚生労働省 令和5年11月20日新開発食品評価調査会及び「指定成分等含有食品等との関連が疑われる健康被害情報への対応ワーキンググループ」(第7回)資料
▼資料1 いわゆる「健康食品」との関連が疑われると報告がなされた健康被害情報の取扱いについて(案)
  • 経緯及び現状
    • いわゆる「健康食品」による健康被害発生の未然・拡大防止を目的として、平成14年10月に定めた「健康食品・無承認無許可医薬品健康被害防止対応要領」(以下、「14年通知」という。)に基づき、住民等から保健所に対し、健康食品等が原因と疑われる健康被害の届出があった場合には、都道府県等を通じて厚労省に報告されることになっている。
    • 平成30年の食品衛生法改正により指定された指定成分等含有食品以外の、いわゆる「健康食品」との関連が疑われる健康被害情報(以下、「その他の健康被害疑い情報」という。)については、令和2年6月から令和4年12月の間に厚生労働省に18件報告された。
    • これらの事例に関する薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会 新開発食品調査部会新開発食品評価調査会「指定成分等含有食品等との関連が疑われる健康被害情報への対応ワーキンググループ」(以下「WG」という。)での評価の結果、緊急の対応(注意喚起を含む)が必要な状況ではなく、因果関係の分析のためにはさらなる事例の集積が必要であるとされたが、同時にその他の健康被害疑い情報がより収集されるよう、いわゆる「健康食品」のリスク管理の全体像の見直し及び対応について検討する必要があるとされた。(令和4年12月12日開催新開発食品調査部会等)
    • その他の健康被害疑い情報の収集強化に向け、(1)対象食品の範囲について(2)健康被害情報の報告の要否の確認について(3)健康被害情報の質向上に向けた報告フォーマットの作成(4)その他の健康被害疑い情報に対する対応について(5)情報提供についての5点を検討課題とし、自治体、業界団体等より幅広く意見を伺い検討を行ってきた。(令和5年3月29日開催WG)
  • 検討課題に対する今後の方針(案)
    1. 対象食品の範囲について
      • いわゆる「健康食品」とは、WGの設置要綱において、医薬品以外で経口的に摂取される、健康の維持・増進に特別に役立つことをうたって販売されたり、そのような効果を期待して摂られている食品をいい、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品といった制度上の区分を区別することなく、こうした食品も含まれるとしているところ。
      • 厚生労働省が健康被害情報を収集する指定成分等含有食品以外のいわゆる「健康食品」の対象は、食経験の有無や天然の食品成分組成との相違を考慮し、生鮮食品を除くいわゆる「健康食品」(保健機能食品も含む)とする。
    2. 健康被害情報の報告の要否の確認について
      • 都道府県等から厚生労働省への健康被害情報の報告の要否の判断の目安にするために、いわゆる「健康食品」に関する厚生労働省への報告要否確認シートを活用する。本シートの活用により、医師又は歯科医師の判断が含まれること、健康被害の疑いが相対的に高いと考えられること等、因果関係の評価に資する質の高い情報を収集することが可能となる。
    3. 健康被害情報の質向上に向けた報告フォーマットの作成
      • 均一な情報の収集が可能となるよう、評価に必要な項目等が記載されている指定成分等含有食品以外のいわゆる「健康食品」に関する有害事象受付処理表を用いることとする。本フォーマットでは、都道府県等の業務負荷も考慮し初回の報告に必須な情報を明確にしており、WGへ情報共有をした後、必要に応じて追加の情報収集を都道府県等へ依頼することとする。
    4. その他の健康被害疑い情報に対する対応について
      • 厚生労働省に報告されたその他の健康被害疑い情報に関しては、WGで評価すると共に、関連する情報を継続的に収集・蓄積し、必要に応じて基準策定(食品衛生法第13条)、販売禁止措置(食品衛生法第6、7条)、指定成分措置(食品衛生法第8条)等の対応を検討することとする。対応の検討にあたっては、令和元年5月20日開催薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 新開発食品調査部会での審議結果に示されている情報も参考に、総合的に判断することとする。
    5. 情報提供について
      • 健康食品を安全かつ適切に使用するために、HP、SNS、HF-Net(「健康食品」の安全性・有効性情報)等を活用し、平時から情報の発信に努めるとともに、食品衛生法上の措置(緊急措置又は指定成分等への指定)を行ったものに関しては、都道府県等と連携し迅速に国民へ情報提供を行うこととする。また、消費者及び医療機関等の関係者からの都道府県等への健康被害情報の届出を促すような情報提供を行うよう努める。
  • 今後の予定
    • いわゆる「健康食品」との関連が疑われると報告がなされた健康被害情報の取扱いについては、本日のご意見を踏まえ対応を行い、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会等にて、より幅広い見地からの意見を伺う。
    • 幅広い見地からの意見を伺うために、パブリックコメントを行い、14年通知の改正を行う

厚生労働省 令和5年12月13日から旅館業法が変わります!
  • 旅館業法改正の概要
    1. 宿泊拒否事由の追加
      • カスタマーハラスメントに当たる特定の要求を行った者の宿泊を拒むことができることとされました。
        • 新たな拒否事由に該当するものの例
          • 営業者は、宿泊しようとする者が、宿泊サービスに従事する従業員に対し、以下のような行為を繰り返す場合は、宿泊を拒否することができるようになります。
          • 不当な割引、契約にない送迎等、過剰なサービスの要求
          • 対面や電話等により、長時間にわたり、不当な要求を行う行為
          • 要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が不相当なもの 等
        • 新たな拒否事由に該当しないものの例
          • 以下のような場合は、新たに宿泊拒否できる事由には該当しません。
          • 障害のある方が社会の中にある障壁(バリア)の除去を求める場合
            (※)社会の中にある障壁の除去を求める例
            • フロント等で筆談でのコミュニケーションを求めること
            • 車椅子利用者がベッドに移動する際に介助を求めること
          • 障害のある方が障害を理由とした不当な差別的取扱いを受け、謝罪等を求めること
          • 障害の特性により、場に応じた音量の調整ができないまま従業者に声をかける等、その行為が障害の特性によることが本人やその同行者に聴くなどして把握できる場合
          • 営業者の故意・過失により損害を被り、何かしらの対応を求める場合(手段・態様が不相当なものを除く)等
    2. 感染防止対策の充実
      • 特定感染症が国内で発生している期間に限り、旅館業の営業者は、宿泊者に対し、その症状の有無等に応じて、特定感染症の感染防止に必要な協力を求めることができることとされました。
        • ※特定感染症:
          感染症法における一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症(入院等の規定が準用されるものに限る)及び新感染症。
      • 既存の宿泊拒否事由の1つである「伝染性の疾病にかかっていると明らかに認められるとき」が「特定感染症の患者等であるとき」と明確化されました。
      • 宿泊者名簿の記載事項として、「連絡先」が追加され、「職業」が削除されました。
    3. 差別防止の更なる徹底等
      • 営業者は、感染症のまん延防止対策の適切な実施や特に配慮を要する宿泊者への適切な宿泊サービスの提供のため、従業者に対して必要な研修の機会を与えるよう努めなければならないこととされました。
      • 営業者は、旅館業の公共性を踏まえ、かつ、宿泊しようとする者の状況等に配慮して、みだりに宿泊を拒むことがないようにするとともに、宿泊を拒む場合には、宿泊拒否事由のいずれかに該当するかどうかを客観的な事実に基づいて判断し、及び宿泊しようとする者からの求めに応じてその理由を丁寧に説明することができるようにするものとされました。
      • 営業者は、当分の間、1.又は2.2のいずれかで宿泊を拒んだときは、その理由等を記録するものとされました。
    4. 事業譲渡に係る手続の整備
      • 事業譲渡について、事業を譲り受ける者は、承継手続を行うことで、新たな許可の取得を行うことなく、営業者の地位を承継するものとされました。
      • 都道府県知事等は、当分の間、1の規定により営業者の地位を承継した者の業務の状況について、当該地位が承継された日から6か月を経過するまでの間において、少なくとも1回調査しなければならないものとされました。

厚生労働省 医薬品規制調和国際会議(ICH)総会が開催されました~3ガイドラインが整備されました~
  • 令和5年10月28日から11月1日まで、チェコ・プラハにおいて、医薬品規制調和国際会議(ICH)の管理委員会・総会・各作業部会等が開催されました。本会合では、主に以下の成果がありました。
  • 次回ICH会合は令和6年6月1日~6月5日に福岡で開催されます。
  • 今回の成果(作業部会)
    • 作業部会におけるガイドライン作成の主な進捗(注)として、今回のICH会合までに合意した事項及び今回のICH会合で合意した事項について、ICH総会で報告されました。
      • (注)ICHのガイドライン作成が開始され、ICH規制当局側メンバーの各国・地域で実装されるまでの手続きはステップ1からステップ5の各段階を経て行われます(参考2参照)。
    • ステップ4到達
      • Q2(R2):「分析法バリデーションガイドライン」
      • Q5A(R2):「ヒト又は動物細胞株を用いて製造されるバイオテクノロジー応用医薬品等のウイルス安全性評価ガイドライン」
      • Q14:「分析法の開発ガイドライン」
    • ステップ2到達
      • なし
  • 新規メンバー及びオブザーバー
    • 今般総会では、新たに香港薬剤業及び毒薬管理局(PPBHK)が規制当局オブザーバーに承認されました。これで、ICHはメンバー21団体、オブザーバー37団体となりました。
  • 2024年予算及び2028年までの5か年予算の採択
    • 今般総会では、2024年のICH協会の予算の他、MedDRA購読費を10%削減することなどが承認されました。また、2028年までの5か年予算(見込み)も承認されました。今後はこの予算に基づいて、各活動が行われていくことになります。
  • ICHアワード
    • 今般総会にて2回目となるICHアワード授賞式が行われ、ICHガイドラインの整備に著名な貢献をした専門家6名(うち日本から、当局側1名、業界側1名)に対しICHアワードが贈られました。
  • 国際薬事規制当局プログラム(IPRP)について
    • ICH総会に続いて、11月1日及び2日にIPRP会合(参考3参照)が開催され、リライアンスの推進、AIの活用、各作業部会の活動及び各国の規制状況等について報告・意見交換が行われました。
  • ICH及びIPRP管理委員会副議長について
    • ICH総会及び管理委員会の議長・副議長の任期満了に伴い、選挙が行われました。選挙の結果、安田PMDA執行役員が管理委員会副議長に再選されました。

厚生労働省 感染症対症療法薬等の安定供給に向けた大臣要請資料について
▼資料2_厚生労働省提出資料
  • 製造販売業者の対応状況―医薬品全体(令和5年9月)
    • 製造販売業者の対応状況については、調査対象18,501品目に対し、17,682品目の回答を得た。
    • 結果としては、限定出荷・供給停止が合計23%(4,058品目)であり、限定出荷の要因としては「他社品の影響」によるものが最多であった。
  • 新型コロナ感染症・インフルエンザの感染状況推移
    • 新型コロナウイルス感染症は減少傾向にあるが、これまでは年末年始にかけて増加しており、今後の増加に備える必要がある。
    • インフルエンザは、43週(10月23日~10月29日)の定点当たり報告数は19.68と前週の1.20倍であり、増加傾向にあるとともに、例年よりも早く増加している。
  • 解熱鎮痛薬等の供給相談窓口の運用状況(2023年11月2日現在)
    • 発熱外来や、新型コロナウイルス感染症の患者の診療を行っている医療機関及びこれらからの処方せんを受け付けている薬局が解熱鎮痛薬等を購入できない場合への対応については、国が、HPに掲載した専用フォームで受け付けることにより直接把握し、医薬品卸売業者へ販売依頼の調整を行う。
    • なお、2023年10月10日より、解熱鎮痛薬、トラネキサム酸、鎮咳薬の他に、去痰薬を追加するとともに、地域の医師会や薬剤師会単位で取りまとめた相談についても受け付けることとした。
  • 相談受付状況
    • 相談窓口を開設した2022年12月14日から2023年11月1日までの間で計4,801件の相談を受付。
    • 相談主体は、薬局4,348件、医療機関453件。いずれも小規模施設が中心であるが、一部チェーン薬局からも相談あり。
    • 卸売業者へ対応を依頼したものは、4,768件(11月2日現在)。うち、医療機関・薬局への対応が完了したと報告があったものは、4,058件(11月2日現在)。
    • 医薬品メーカーの出荷調整は続いており、鎮咳薬、去痰薬を中心に需要が増えていることから、事業を継続しているところである
  • 在庫量の確保
    • 卸売販売業者の在庫量のみでは上記数量の追加供給が困難であるため、厚生労働省から各医薬品メーカーに卸売販売業者への追加供給の協力を依頼することにより、各卸売販売業者において、本相談窓口経由での供給依頼に対応するための在庫の確保を行っている。
  • 解熱鎮痛薬等の供給相談窓口の運用状況(2023年11月2日現在)
    • 9月14日~20日の週以降、相談件数は増加していたが、10月26日~11月1日の週は前週よりも減少。※去痰薬の受付を開始した10月10日以降11月1日までの間、去痰薬に関する相談は560件
  • 鎮咳薬・去痰薬等の供給不安への対応の流れ
    • 供給量の増加
      • 業界団体(日本製薬団体連合会)を通じ後発医薬品を含む全ての医薬品についての供給状況を把握した上で、供給量が十分な製品について限定出荷を解除すること
      • 可能な限りの増産を行うこと等の協力を要請。
      • 主要な解熱鎮痛薬については、新型コロナウイルス感染症の流行以前の約1.5倍まで、
      • トラネキサム酸については、約2.3倍までそれぞれ増産されている一方で、
      • 主要な鎮咳薬(咳止め)の供給量については、流行以前の約85%まで生産量が低下しており、
      • また、主要な去痰薬の供給量については、流行以前と同程度ではあるものの、メーカー在庫が減少している状況
    • 需要の適正化
      • 供給状況に係る情報の公表により、先々の見通しを得ていただく
      • 小児用の剤型が不足している場合は、粉砕などの調剤上の工夫を行うよう要請し、診療報酬上も評価
      • 代替薬の使用、買い込みを控えること 等の協力を要請。
      • 需要が逼迫している鎮咳薬・去痰薬に対して、
      • 医療関係者に対して、長期処方を控え、必要とする患者への最少日数での処方に努めていただき、また、その際に残薬の有効活用についても併せて検討いただくこと、
      • 薬局、医療機関に対して、必要な患者に広く行き渡るよう、過剰な発注は控えていただき、当面の供給量に見合う量のみの購入を行っていただくよう周知(9月29日)。
    • 配分の適正化
      • 在庫の偏在への対応として、
      • 医療用解熱鎮痛薬等の安定供給に関する相談窓口(医療用解熱鎮痛薬等110番)の設置(昨年12月開始)。
      • 解熱鎮痛剤110番の対象医薬品として去痰薬を追加
      • 従来、医療機関や薬局から個別に相談をいただいていたことに加え、地域の実情に応じて、地域の医師会や薬剤師会単位で、対象の医薬品の不足について、地域の団体で取りまとめた相談についても受け付ける。
      • また、薬局同士等で、必要に応じて、不足する医薬品を融通していただくことも併せて周知(9月29日)。

厚生労働省 第63回労働政策審議会雇用環境・均等分科会
▼【資料2】これまでの労働政策審議会雇用環境・均等分科会での主な御意見
  • 全般
    • 育児・介護にかかわらず仕事と生活の調和が重要。働き方改革が重要。性別役割分担意識をなくすことが重要。男女ともに育児に関わるには、家事・育児の分担が一方の性に偏ることなく、キャリアを積み上げていけるようにするべき。
    • 支援の拡充は賛同するが、両立支援制度の利用が女性に偏っており、マミートラックに陥ってしまう。賃金差異も懸念している。
    • 職場には、育児以外にも家族の介護や本人の病気の治療など様々な事情で休職や時短勤務をしている者がいることを踏まえ、育児をする職員のみに支援がなされることで、不公平感を生むことにならないようにしてほしい。
    • 仕事と育児の両立支援の推進は、子育て支援に加えて、女性の活躍推進を進めていく上でも極めて重要。
    • 仕事と育児の両立支援制度については、多様なニーズや職種・業態がある中で、それをどのように受け止めるのか、どういう結論を出していけるのか考えていきたい。企業で独自に取り組んでいる制度や取組みがある。それらと提案されている見直しが重なるようであれば、既存の取組みをいかせるような形で議論したい。
    • 仕事と育児の両立支援に対するニーズについては、子の年齢や子や家庭の状況、本人のキャリア形成に対する考え方によって、非常に多様。多様なニーズに最大限対応していこうとすることは非常に重要であるが、その反面、制度が複雑化する懸念がある。深刻な人手不足の中で、中小企業では、労務管理の担当を専任で配置することが非常に難しく、導入に二の足を踏むことにもなりかねない。事業主、労働者にとって分かりやすく利用しやすい、できるだけシンプルな制度設計にしていただくことが重要。両立支援に取り組むことが、企業にとっても、人材確保や定着にメリットがある点を伝えることが重要。
    • 企業や周囲の労働者への支援に関し、中小企業においての最大の課題は人手不足であり、制度導入に手が回らず、本人は休みが取れないという実態がある。従業員数が限られている中小企業においても、育児・介護など理由を問わず休みやすい環境をどうつくるかが課題。省力化やマルチタスク化などを進め、お互いの不在をカバーし合える仕組みが必要。伴走型の支援の拡充をお願いしたい。
    • 働き方の選択肢が多様になることは、両立が可能になるという点だけではなく、企業にとってもメリットがある。
    • 企業や職員への支援について、助成措置を行うだけではなく、職場において時間制約のある社員へのマネジメントルールを設定して運用や周知徹底を行い、期待と役割に応じた仕事ができるようにするマネジメントが重要。
  • テレワークの活用促進
    • テレワークによる両立の在り方については、あくまで保育園に預けて業務に集中できる環境があることが前提。
    • 日本商工会議所の調査によると、テレワークを進めていきたいと考えている企業は少なく、検討されている両立支援策の中で子が3歳になるまでのテレワークの義務化が有効と答えた企業も極めて少ない。業種、業態によって向き不向きがある。こうした状況を踏まえ、努力義務とまでするかどうかについては慎重な検討が必要。
    • セキュリティ対策も大変で、導入できても継続できない。問題点がある中で、活用できるところにおいては、大いに活用するべき。
    • テレワークを全社的に対応できないところも多く、広く努力義務としているのは懸念がある。推進するという方向性について異論はないが、各企業の状況を踏まえていただいて、各企業が自社の状況に応じて、テレワークの措置に対応するという形に御配慮いただきたい。
    • テレワークそのものを追加することに反対ではないが、どうしてもなじまない職種がある中で、どうするのかという議論は必要。
    • 一日中の在宅というわけではなく、一日一時間テレワークを活用するということがなされている。努力義務として導入すべき。
    • テレワークは育児の両立支援という観点からだけではなく、より一般的に、既存の仕事の仕方を見直すことも交えつつ推進を図ることが考えられるものである。両立支援の手段としてもテレワークの推進は望ましいものといえるが、努力義務としてどこまで求めるのかについては、テレワークが有用となる具体的な状況等を踏まえた整理が必要。
  • 現行の短時間勤務制度の見直し
    • 子が3歳未満では短時間勤務のニーズが高いという調査結果は、「女性に関して」ということ。男性については3歳前後にかかわらず多様なニーズがある。3歳未満において、短時間のみを措置義務として、テレワークを努力義務とするのでは、女性の負担を是正できないのでは。
    • 短時間勤務制度については保護者の事情を踏まえた上で労使協議により、他の勤務時間を設定して多様な働き方で育児との両立が可能となるよう、一層促進すべき。所定労働時間が6時間未満の者について、短時間勤務が適用できるようにするべき。短時間勤務が困難な業務である労働者について労使協定で除外する仕組みは廃するべき。
    • 短時間勤務が困難な業務である労働者について、労使協定で除外する仕組みは、現行制度を維持するべき。
    • 現行は3歳未満について努力義務とされている部分を含めて選択的措置義務とし、小学校就学前まで一気通貫で勘案する方向で検討すべき。
    • 3歳以上は選択的措置義務としているが、3歳未満と3歳以上で制度を分ける必要があるのか。出生から小学校就学まで一気通貫で同じ制度にするべきではないか。
    • 子が3歳になるまでの現在の短時間勤務制度について、違った観点から捉え直す必要があるという御発言もあったが、この制度が導入される前の昔に立ち戻るというようなことにもなるのか、その辺りはどうなのかという印象を受ける。
    • 6時間から(短くするというより)所定労働時間までの間の勤務時間の設定を促すべき。すでに自主的に行っている企業もあるが、そうしたことを選択することができるということを明示することも必要ではないか。
    • 短時間勤務をする者について、給与が減っていることが周囲に十分に認知されておらず、周囲のサポートについても管理職や人事が把握して、評価していないことが問題。
  • 心身の健康への配慮
    • 育児と仕事との両立に関わる悩み等も含め、労働者が安心して仕事に従事できるよう、事業者の配慮や労働者のセルフケアを促す仕組みについて、措置をすべき。どのような仕組みにするかについては、業種や職場の実態等様々であるため、労使協議において検討するというふうにすべきではないか。
    • フレックスタイム制やテレワークの利点に柔軟性や自律性があることを踏まえると、過剰に管理することはなじまない。事業主が配慮することとしては、既存の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」の記載に沿い、労働時間について、客観的な記録による把握と自己申告による把握を原則とすることとしてはどうか。
  • 労働者に対する個別の周知等及び環境整備
    • 自社の介護に係る制度を含めた両立支援制度の個別周知、労働者の意向確認を行うとともに、介護保険料の徴収が始まる40歳などにおいて、介護保険制度や介護休業制度等の一律の情報提供を行うべき。
    • 雇用環境の整備について、育児休業と同様に、介護休業に関する研修や相談体制の整備、好事例の収集や提供等の周知を行う必要がある。研修については、全ての労働者に研修をすることが望ましいが、特に管理職に対する研修が必要ではないか。また、女性の活躍・両立支援総合サイト「両立支援のひろば」の拡充と、好事例の情報提供等の一層の強化をすべき。
    • 個別周知や情報提供、研修等の仕組みをつくるのであれば、説明の内容に説明者による個人差が出ないよう、企業が活用できる資料を作成するべき。
    • 40歳というタイミングかどうかはともかく、いつ介護が必要になるかということは分からないので、できるだけ早いタイミングでの一律の情報提供を行うことは必要である。
    • 一律の情報提供の際には、中小企業での説明用の資料として、介護保険サービス等介護関係の施策も合わせて一つのパッケージとした資料を作ってもらいたい。
    • 公的な介護保険制度等については、政府や保険者となる都道府県・市町村が周知を徹底すべきであり、具体策を示していただきたい。
    • 近年、ダイバーシティへの取組やワーク・ライフ・バランスの推進等に関する役員層・管理職層の理解促進が進み、仕事と介護の両立に取り組む企業が増えたため、今のタイミングで周知の取組を進めることは有意義である。
    • 従前、40歳で介護保険被保険者となる時点で介護保険制度の情報提供がされていないことは課題であり、個別の企業の取組以前に、まずは介護に直面する前に一律に介護保険制度の情報を周知することが有効。併せて、事業主に対して介護保険制度に関する研修を行う際のツールなどを提供することも有効。
    • 介護の問題を抱えている従業員の実態把握ができている事業所は、約6割であるが、相談窓口や従業員アンケートで把握している事業所は、1割に満たない状況。これらを積極的に整備することと、研修を併せて実施することを進めることが重要。
    • 介護休業や介護休暇の制度の趣旨や内容の周知、理解促進に向けては、早い段階で従業員に伝わるような仕組みや取組が重要。実際に仕事と介護の両立が必要な状況に直面するまでは関心が低くなりがちであるため、繰り返しの周知とともに、いざそういう状況になったときに、従業員本人や企業が相談できる相談体制の整備を合わせて行うことが重要。
    • 意向確認や意向の聴取、面談等、個別の労働者へのアプローチが検討項目とされているが、目的・実施時期・内容・手段について横断的に整理した上で議論を深めるべき。また、各企業における既存の面談の機会を活用できる柔軟な制度にするべき。
  • 介護休業
    • 介護の必要性に直面してから、介護休業の93日の期間内に施設やサービスを見つけることが容易ではないという実態があることを踏まえれば、介護休業期間を現行の93日から1年に延長するとともに、分割回数についても、3回から増やすべき。
    • 自ら介護するための休業する期間ではなく、介護に係る体制構築のための期間であるという趣旨を明確にするとともに、介護と仕事の両立を一層推進するため、事業主・労働者へ周知を徹底するべき。
    • 介護離職の理由の一つに、自身で介護をし、長引いて離職したことが挙げられる。介護休業は体制を構築するための休業であるのであれば、現行の休業日数や分割回数を変更するよりも、(1)の取組により、制度を利用しやすくするための取組を検討したほうが効果があるのではないか。
    • まずは、介護休業は介護体制をつくるための休業であるという目的を明確にした上で現行の介護休業制度が利用されることが重要であり、代替要員の確保も含めた体制づくりが必要。日本の家族介護は主たる介護者一人に負わせてしまう傾向が非常に強くあることから、介護休業制度を1年以上に延長している企業をヒアリングしても、長期にすることで介護者が介護に専念してしまい、復帰が困難になるという問題がある一方で、長期に休業をしたことで仕事が続けられたというケースはあまり聞かない。
  • 介護休暇
    • 介護休暇について、6か月未満の労働者を労使協定によって対象から除外する仕組みは削除すべき。
    • 介護休暇が有給ではない事業所では、労働者が年次有給休暇を介護のために使っている実態があるが、年次有給休暇を労働者の労働からの解放という本来の目的のために使えないことのないようにしていくべき。
  • 介護期のテレワーク
    • 介護期のテレワークは、育児と同様に労働時間の客観的把握ができるということ、また、業務に集中できる環境が整備されていることを条件とし、努力義務ではなく、選択的措置義務の選択肢の一つに加えるべき。また、育児と同様に複数選択して措置することも考えられる。
    • テレワークについては、業種・業態、部署等によってテレワークが可能とは限らないため、努力義務として追加することは慎重に検討していくべき。
    • テレワークを事業主の努力義務とすることに異論はないが、業種・業態、職種によってはテレワークの実施は難しいことがある。その場合にテレワークができる部署への異動や、新規に職種を作ることまでは求められるものではないということを明確にするべき。
    • テレワークは、遠距離介護が多いことを鑑みると有効性が高い。また、短時間勤務の仕組みの中で、「短日勤務」を使えるようにしている企業もあるが、その有効性を周知していくことも重要ではないか。
  • プライバシーへの配慮
    • 当事者からの申出を前提として、個人の意向を尊重し最大限配慮すべき。
    • プライバシーへの配慮は必要と考えている。意向を伝えることができ、必要な対応を行えることが重要と考えており、それに向けた支援をお願いしたい。
    • プライバシーへの配慮は重要と考えている。検討項目に記載されている内容は、事業主に対して共有範囲に配慮を求める趣旨だと理解しているが、上司・同僚・部下に情報共有をせずに職場での対応を進めるのは困難であるため、共有する範囲や内容などに関する基本的な考え方をあらかじめ明確に示すべき。
    • 労働者本人の意向が最も重要になるが、司法判断の状況も参考にしつつ、情報を共有する客観的な必要性も踏まえて検討する必要がある。社内で情報共有する客観的な必要性を踏まえて共有があり得る範囲の大枠を予め設定しておき、その中で労働者の意向に基づいて具体的な共有のあり方を決定していくことなどが考えられる。労働者が情報共有を望んでいない場合であっても、むしろ一定の範囲で情報を共有しておいた方が両立支援がしやすいという客観的な状況があるのであれば、労働者に説明した上で情報共有を認めてもらうように促すことも必要になると思う。

厚生労働省 令和5年就労条件総合調査 結果の概況
▼概況
  • 1日の所定労働時間は、1企業平均7時間48分(令和4年調査 7時間48分)、労働者1人平均7時間47分(同 7時間47分)となっている。週所定労働時間は、1企業平均39時間20分(同39時間28分)となっており、これを産業別にみると、「金融業,保険業」が38時間02分で最も短く、「宿泊業、飲食サービス業」及び「生活関連サービス業,娯楽業」が39時間35分で最も長くなっている。また、労働者1人平均の週所定労働時間は39時間04分(同39時間08分)となっている。
  • 主な週休制の形態をみると、「何らかの週休2日制」を採用している企業割合は85.4%(令和4年調査83.5%)となっており、さらに「完全週休2日制」を採用している企業割合は53.3%(同48.7%)となっている。「完全週休2日制」を採用している企業割合を企業規模別にみると、「1,000人以上」が68.1%、「300~999人」が60.0%、「100~299人」が52.2%、「30~99人」が52.5%となっている。
  • 週休制の形態別適用労働者割合をみると、「何らかの週休2日制」は86.2%(令和4年調査86.7%)となっており、さらに「完全週休2日制」は61.2%(同59.8%)となっている
  • 令和5年調査における令和4年1年間の年間休日総数の1企業平均は110.7日(令和4年調査107.0日)、労働者1人平均は115.6日(同115.3日)となっている。1企業平均年間休日総数を企業規模別にみると、「1,000人以上」が116.3日、「300~999人」115.7日、「100~299人」が111.6日、「30~99人」が109.8日となっている。
  • 令和4年の1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除く。)をみると、労働者1人平均は17.6日(令和4年調査17.6日)、このうち労働者が取得した日数は10.9日(同10.3日)で、取得率は62.1%(同58.3%)となっており、昭和59年以降過去最高となっている。取得率を産業別にみると、「複合サービス事業」が74.8%と最も高く、「宿泊業,飲食サービス業」が49.1%と最も低くなっている。
  • 年次有給休暇の計画的付与制度がある企業割合は43.9%(令和4年調査43.1%)となっており、これを計画的付与日数階級別にみると、「5~6日」が72.4%(同71.4%)と最も高くなっている。
  • 夏季休暇、病気休暇等の特別休暇制度がある企業割合は55.0%(令和4年調査58.9%)となっており、これを特別休暇制度の種類(複数回答)別にみると、「夏季休暇」37.8%(同41.5%)、「病気休暇」21.9%(同22.7%)、「リフレッシュ休暇」12.9%(同11.8%)、「ボランティア休暇」4.4%(同4.2%)、「教育訓練休暇」3.4%(同4.0%)、「左記以外の1週間以上の長期の休暇」14.2%(同15.1%)となっている。
  • 変形労働時間制を採用している企業割合は59.3%(令和4年調査64.0%)となっており、これを企業規模別にみると、「1,000人以上」が77.3%、「300~999人」が68.6%、「100~299人」が67.9%、「30~99人」が55.3%となっている。また、変形労働時間制の種類(複数回答)別にみると、「1年単位の変形労働時間制」が31.5%、「1か月単位の変形労働時間制」が24.0%、「フレックスタイム制」が6.8%となっている。
  • 変形労働時間制の適用を受ける労働者割合は51.7%(令和4年調査52.1%)となっており、これを変形労働時間制の種類別にみると、「1年単位の変形労働時間制」は18.7%、「1か月単位の変形労働時間制」は22.0%、「フレックスタイム制」は10.6%となっている。
  • みなし労働時間制を採用している企業割合は14.3%(令和4年調査14.1%)となっており、これをみなし労働時間制の種類(複数回答)別にみると、「事業場外みなし労働時間制」が12.4%、「専門業務型裁量労働制」が2.1%、「企画業務型裁量労働制」が0.4%となっている。
  • みなし労働時間制の適用を受ける労働者割合は8.9%(令和4年調査7.9%)となっており、これをみなし労働時間制の種類別にみると、「事業場外みなし労働時間制」が7.6%、「専門業務型裁量労働制」が1.1%、「企画業務型裁量労働制」が0.2%となっている。
  • 勤務間インターバル制度の導入状況別の企業割合をみると、「導入している」が6.0%(令和4年調査5.8%)、「導入を予定又は検討している」が11.8%(同12.7%)、「導入予定はなく、検討もしていない」が81.5%(同80.4%)となっている。
  • 勤務間インターバル制度の導入予定はなく、検討もしていない企業について、導入予定はなく、検討もしていない理由(複数回答)別の企業割合をみると、「超過勤務の機会が少なく、当該制度を導入する必要性を感じないため」が51.9%(令和4年調査53.5%)と最も高くなっている。また、「当該制度を知らなかったため」の全企業に対する企業割合は19.2%(同17.1%)となっている。
  • 時間外労働の割増賃金率を「一律に定めている」企業割合は86.4%(令和4年調査85.3%)となっており、このうち時間外労働の割増賃金率を「25%」とする企業割合は94.3%(同92.8%)、「26%以上」とする企業割合は4.6%(同6.1%)となっている。時間外労働の割増賃金率を「26%以上」とする企業割合を企業規模別にみると、「1,000人以上」が19.2%、「300~999人」が12.5%、「100~299人」が6.5%、「30~99人」が2.9%となっている。
  • 時間外労働の割増賃金率を定めている企業のうち、1か月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を定めている企業割合は33.4%(令和4年調査30.0%)となっており、このうち時間外労働の割増賃金率を「25~49%」とする企業割合は33.3%(同44.7%)、「50%以上」とする企業割合は64.5%(同54.0%)となっている。1か月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を定めている企業割合を中小企業該当区分別にみると、「中小企業」が29.6%、「中小企業以外」が56.6%となっている。
  • 退職給付(一時金・年金)制度がある企業割合は74.9%となっている。企業規模別にみると、「1,000人以上」が90.1%、「300~999人」が88.8%、「100~299人」が84.7%、「30~99人」が70.1%となっている。産業別にみると、「複合サービス事業」が97.9%と最も高く、次いで「鉱業,採石業,砂利採取業」が97.6%、「電気・ガス・熱供給・水道業」が96.4%となっている。退職給付制度がある企業について、制度の形態別の企業割合をみると「退職一時金制度のみ」が69.0%、「退職年金制度のみ」が9.6%、「両制度併用」が21.4%となっている。
  • 退職一時金制度がある企業について、支払準備形態(複数回答)別の企業割合をみると、「社内準備」が56.5%、「中小企業退職金共済制度」が42.0%、「特定退職金共済制度」が9.9%となっている。
  • 退職年金制度がある企業について、支払準備形態(複数回答)別の企業割合をみると、「厚生年金基金(上乗せ給付)」が19.3%、「確定給付企業年金(CBPを含む)」が44.3%、「確定拠出年金(企業型)」が50.3%となっている。
  • 退職一時金制度について、過去3年間に見直しを行った企業割合は7.9%となっている。過去3年間に見直しを行った企業について、退職一時金制度の見直し内容(複数回答)別の企業割合をみると、「新たに導入又は既存のものの他に設置」が30.0%と最も高くなっている。退職一時金制度について、今後3年間に見直しを行う予定がある企業割合は6.7%となっている。今後3年間に見直しを行う予定がある企業について、退職一時金制度の見直し内容(複数回答)別の企業割合をみると、「新たに導入又は既存のものの他に設置」が34.2%と最も高くなっている。
  • 退職年金制度について、過去3年間に見直しを行った企業割合は4.0%となっている。過去3年間に見直しを行った企業について、退職年金制度の見直し内容(複数回答)別の企業割合をみると、「新たに導入又は既存のものの他に設置」が37.6%と最も高くなっている。退職年金制度について、今後3年間に見直しを行う予定がある企業割合は3.8%となっている。今後3年間に見直しを行う予定がある企業について、退職年金制度の見直し内容(複数回答)別の企業割合をみると、「新たに導入又は既存のものの他に設置」が41.3%と最も高くなっている。
  • 退職給付(一時金・年金)制度がある企業について、令和4年1年間における勤続20年以上かつ45歳以上の退職者がいた企業割合は、29.2%となっている。退職給付(一時金・年金)制度がある勤続20年以上かつ45歳以上の退職者がいた企業について、退職事由別の退職者割合をみると、「定年」が56.5%、「定年以外」では「会社都合」が6.1%、「自己都合」が31.7%、「早期優遇」が5.7%となっている。
  • 退職給付(一時金・年金)制度がある勤続20年以上かつ45歳以上の退職者がいた企業について、令和4年1年間における勤続20年以上かつ45歳以上の退職者に対し支給した又は支給額が確定した退職者1人平均退職給付額(以下、「退職給付額」とする。)を退職事由別にみると、どの学歴においても「早期優遇」が最も高くなっている。退職事由のうち「定年」退職者の退職給付額を学歴別にみると、「大学・大学院卒(管理・事務・技術職)」1,896万円、「高校卒(管理・事務・技術職)」1,682万円、「高校卒(現業職)」1,183万円となっている。
  • 退職給付(一時金・年金)制度がある勤続20年以上かつ45歳以上の退職者がいた企業について、令和4年1年間における勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者に対して支給した又は支給額が確定した退職給付額を退職給付制度の形態別にみると、「大学・大学院卒(管理・事務・技術職)」では「退職一時金制度のみ」が1,623万円、「退職年金制度のみ」が1,801万円、「両制度併用」が2,261万円となっている。「高校卒(管理・事務・技術職)」では、「退職一時金制度のみ」が1,378万円、「退職年金制度のみ」が1,613万円、「両制度併用」が2,145万円となっている。「高校卒(現業職)」では、「退職一時金制度のみ」が956万円、「退職年金制度のみ」が1,451万円、「両制度併用」が1,469万円となっている。
  • 「勤続35年以上」についてみると、「大学・大学院卒(管理・事務・技術職)」では「退職一時金制度のみ」が1,822万円、「退職年金制度のみ」が1,909万円、「両制度併用」が2,283万円となっている。「高校卒(管理・事務・技術職)」では、「退職一時金制度のみ」が1,670万円、「退職年金制度のみ」が1,710万円、「両制度併用」が2,254万円となっている。「高校卒(現業職)」では、「退職一時金制度のみ」が1,321万円、「退職年金制度のみ」が1,600万円、「両制度併用」が1,610万円となっている。

厚生労働省 令和5年度「テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰(輝くテレワーク賞)」の受賞者を決定しました~11月27日開催の「『働く、を変える』テレワークイベント」で地方創生担当大臣表彰、総務大臣表彰と併せて表彰式を実施~
  • 厚生労働省では、このほど、令和5年度「テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰(輝くテレワーク賞)」の受賞者を決定しました。
  • この賞は、テレワークの活用によって、労働者のワーク・ライフ・バランスの実現を図るとともに、他社の模範となる取組を行っている企業・団体に授与されるものです。今年度の表彰は、「優秀賞」に1社、「特別奨励賞」に4社を決定しました。
  • 表彰式は、テレワーク月間の一環として11月27日に御茶ノ水ソラシティ(東京都千代田区)で開催される「『働く、を変える』テレワークイベント」の中で行い、地方創生担当大臣賞及び総務大臣賞の表彰式と合同で実施します。また、受賞企業による取組紹介も行います。
  • 今年度の表彰式は、会場及びオンラインでの参加が可能です。
  • 「優秀賞」受賞企業 取組が総合的に優れていると認められる企業・団体に対する表彰です。
    • 東洋ハイテック株式会社
  • 「特別奨励賞」受賞企業(五十音順) 取組が優れていると認められる企業・団体に対する表彰です。
    • キャップクラウド株式会社
    • 株式会社JSOL
    • 株式会社ZENKIGEN
    • 大鵬薬品工業株式会社
  • 表彰にあたり、「輝くテレワーク賞」を受賞した企業が、テレワークの活用によりワーク・ライフ・バランスの実現を図っていることがアピールできるようにするため、認定マークを作成しました。

厚生労働省 令和5年度健康危機における保健活動会議 資料
▼【資料6】東日本大震災の経験を踏まえた保健活動の体制構築(宮城県)
  • 東日本大震災以降の保健活動 (主な被災者健康支援事業の推移)
    • 復興の進捗状況に応じて必要な事業を実施。
    • 被災者健康支援会議では、地域における健康課題を明確化。有識者から必要な対策、取組等について助言を得ながら,健康支援施策を展開した。心のケアに関する一部事業、保健師確保対策事業は現在も継続して実施中。
  • 被災者健康支援のための組織体制づくりとマネジメント(保健所)
    • 保健所は地区担当保健師により被災市町の状況を把握。この情報は保健所被災者生活支援チーム会議で、すべての職種で共有され、管内市町の健康課題解決に向けての検討が行われた。
    • 県庁保健福祉部被災者生活支援調整会議では、被災地保健所だけではなく、全保健所が招集され、有識者から助言を受けながら、支援者支援も含めた健康支援施策の検討が行われた。
  • 東日本大震災以降の保健活動 心のケア
    • 健康調査で発見されるハイリスク者を中心に、被災沿岸地区でアウトリーチ(訪問支援)が行われた。フェーズが進むにつれ、相談内容に変化。多問題、自死、ひきこもり、アルコール等、関係者連携や調整を要する課題が増加している。
    • フェーズに応じたハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチのバランスが大事であった。保健所を中心として市町村、みやぎ心のケアセンター、精神保健福祉センターと、被災者支援の活動から地域精神保健活動への包含に向けた取組について協議を重ね、「令和3年度以降の心のケア取組方針」を策定し、取組みを始動。
  • 気仙沼で震災を契機に生まれ、現在も継続している多職種連携の活動
    • 東日本大震災における他職種連携による地域に根差した活動は、現在も継続中。精神障害も含めた地域包括ケアシステムの構築に繋がる活動となっている。
    • 住民の健康を支えるための課題解決に向けた意見交換、顔の見える関係は、コロナ禍における様々な困難も、協力体制で乗り越えていける基盤となっていた。
  • 災害時公衆衛生活動ガイドライン・マニュアルの策定
    • 震災後の保健活動と並行して、東日本大震災の直前に完成した「宮城県災害時保健活動マニュアル」を参考に、各保健所で検証作業を実施。
    • 検証結果から得られた教訓を踏まえ、庁内各課、保健所副所長、総括保健師からなるワーキンググループで内容を検討。
    • 人と生活環境をトータルでみる「公衆衛生活動」の視点を持った保健所活動の強化等を明記した
    • 被災市町村が早期に初動体制を構築できるよう、災害時公衆衛生活動コーディネーター(リエゾン保健師)を派遣するしくみ、県庁と保健所が応援職員や・派遣職員の調整役割を担うこと、被災地保健所に対するカウンターパートによる広域支援体制について明記した。
  • 県内:市町村保健師・防災担当職員等との平時からの連携
    • 災害時公衆衛生コーディネーター(リエゾン保健師)は、年度当初に担当地区に出向き、市町村の総括保健師・地区担当保健師や防災担当職員と顔合わせをする
    • 保健所のリエゾン保健師の役割等を含む保健所体制を説明
    • 発災時の集合場所、被害想定区域等の説明を受ける
    • 市町村の防災訓練に参加する
    • 圏域研修(災害研修・訓練含む)について、市町村の要望を確認し共同で企画する
    • 市町村防災計画改定案の照会がきたら、市町村保健師が活動がしやすくなるよう、保健所としての意見を述べる
  • 災害派遣(公衆衛生活動チーム)とDHEAT候補者
    • 県外の災害発生時に迅速に公衆衛生活動チーム(保健師2名+事務職1名)が派遣できるよう、年度当初に保健師2名(総括保健師+班長クラス保健師)の輪番票を作成し周知する。(事務職はその都度調整)
    • DHEAT派遣の輪番表はないが、基礎編修了者のリストは毎年更新している。災害が発生するたびに、保健福祉総務課から情報が与えられることにより当事者意識を持つ。派遣実績はまだないが、今年から県内被災地保健所にDHEAT派遣を想定した訓練を実施。
  • 東日本大震災を経験した保健師の減少
    • 県の保健師数130人のうち、東日本大震災以降の採用者は89人(約7割)
    • 役割意識=「東日本大震災」時に応援を受けた事への「恩返し」 全国被災地に積極的に出向く役割
  • 震災の記憶・教訓の伝承
    • 東日本大震災からの復旧・復興過程で得られた職員等の経験や教訓等をとりまとめることで,県内のみならず,他の自治体においても,有事の際の災害対応等での活用ができるようにするもの。
    • 具体的には,災害対策本部の設置・運営や応急仮設住宅の整備などの各テーマに関し,その業務に従事した職員のインタビュー調査を実施。現担当者や若手職員の聴講者を広く募集し,直接の伝承を推進している。保健師は避難所活動や、心のケア等を語った。
    • 災害時における保健師の役割や活動内容についての周知・理解促進にも役立つ。
  • 総括技術次長等会議の設置
    • 被災者生活支援調整会議で、総括保健師が定期的に招集されたこと、気仙沼保健所に一度に4名の新人保健師が配置されたこと等が契機となり、総括保健師同志の交流が活発化。
    • 保健福祉事務所長連絡協議会で、「人材育成プログラム策定」を目的に総括保健師が招集された。
    • その後「保健福祉事務所長等会議保健・医療専門部会分科会」として正式に設置。現在は「総括技術次長等会議」として、定期的に開催している。
    • R2年度からWEB会議、R4年度からチャットを開始。
  • 震災後より強固になった宮城県保健師のネットワーク
    • 保健師の人材育成(災害関係の研修や訓練含む)ついては、保健所や支所の総括保健師が中心となり、市町村の統括的役割を担う保健師と一緒に、企画・運営を行う。
    • 保健所の技術総括会議や、チャットを通じ、保健師人材育成研修等の情報交換・情報共有を行う
    • 保健師の研修内容の重複を避けたり、共通する内容は共同開催する目的で、職能団体の長は、常にメール等で情報交換を行っている
  • 保健師確保対策事業
    • 被災地を含む市町では、保健師確保に苦慮していた。県内自治体、保健師養成校、関係団体の連携により、保健師志望者に県内各自治体の特色や魅力が伝わる体制を整えることが必要と判断。
    • 県内各自治体保健師を育成する体系を整え、県内自体保健師の人材育成及び確保・定着を推進する施策を検討するため、H29年に「宮城県保健師育成検討会」を設置。
    • 人事担当や新任期保健師向け実態調査、ガイドブック作成、合同就職説明会の開催、PR動画の配信を開始。→就職志望動機に「災害時保健活動」をあげる保健師志望者がみられるようになった。
  • 東日本大震災の災害時保健活動の経験が台風19号対応に生されたこと
    • 災害医療支援チームと円滑な連携がされていたこと
      • H23:保健所の被災や役割機能の共有が図られておらず、保健所は調整機能が担えなくなった
      • R 1:平時から災害医療関係者と行政が保健所(保健福祉事務所)単位で会議体があるほか、災害時には連日、定例ミィーティングを実施することで、災害医療チームと行政が乖離せずに活動が行えた
    • 被災保健所の統括保健師への支援体制があったこと
      • H23:市町村保健活動支援がメインで、統括的役割を担う被災保健所の支援は薄かった
      • R 1:統括保健師が調整する所内体制・受援体制・被災市町村応援体制構築に対して支援された
    • 在宅避難者等の健康調査が迅速に行われたこと
      • H23:避難行動要支援者名簿はなかった。避難所にいない避難者の健康調査は時間がかかった。
      • R1 :県外派遣保健師の応援は、避難所支援のみならず初期から避難所以外の在宅の避難行動要支援者に目をむけ安否確認を含めた訪問調査が開始された
    • 避難所環境が向上しフレイル予防・感染対策がなされたこと
      • H23:被害が甚大だったこともあるが、避難所の環境整備が不十分であった
      • R1 :段ボールベッドの導入、衝立等のプライバシーの確保、食事や集会スペースの設置や動線の確保、手指消毒薬や感染予防に必要な物品が早期から整備された
  • 災害時公衆衛生活動ガイドラインの改訂と災害対応訓練の推進
    • 東日本大震災後、熊本地震をはじめ各地の豪雨災害が発生。宮城県の保健師は、東日本大震災の経験を踏まえ「寄り添い型支援」を心掛けた。国の制度改正等も踏まえ、災害時公衆衛生活動ガイドライン・マニュアルを改訂(R5.6)。
    • 保健福祉部(県庁)災害基礎研修や、各保健所の初動訓練、市町村や医療機関等関係機関と合同の訓練を企画・推進していく。
  • まとめ
    • 東日本大震災により失ったものは計り知れないが、地域の状況を把握しながら、多職種と連携し、地域に根差した活動を継続することで、新たな取組が生まれ、新型コロナウイルス感染症を含む様々な困難にも対応できる地域となった。
    • 総括技術次長等会議の設置により、各保健所間の情報共有、連携強化や、各種マニュアル等の整備がなされた。災害時活動の推進や保健師人材育成には、統括的役割を担う保健師の配置と共に、それらの保健師達がネットワークでつながることの重要性を再認識した。
    • 災害時保健活動を推進するためには、マニュアルは策定で終わりではなく、災害時の活用、訓練や研修での活用、多職種への説明資料としての活用等を通じて、改訂すること、それらを継続すること。また、平時の保健活動や人材育成との連動で実効性が高まるものである。

【2023年10月】

厚生労働省 性的マイノリティに関する理解増進に向けて~厚生労働省の取組~
  • 全ての人がお互いの人権や尊厳を大切にし、多様な人々が活躍でき、誰もが生き生きとした人生を享受できる社会の実現を目指し、厚生労働省ではLGBT等を含めた性的マイノリティに関して、国民の理解増進を図るため、厚生労働省の取組や関連する制度についてまとめています。
  • 重要なお知らせ
    • 令和5年6月23日に「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」が公布・施行されました。
    • 性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解が必ずしも十分でない現状に鑑み、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する施策の推進に関し、基本計画の策定その他の必要な事項を定めることにより、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に寛容な社会の実現に資することを目的としています。
    • 公布・施行を踏まえ、内閣府から各自治体等に対して施行通知が発出されました。
▼(通知)性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律の施行について
  • 施策紹介
    • 厚生労働省の性的マイノリティに関する理解増進に向けた主な取組としては、職場での理解増進に向けた労働者や事業主への普及啓発や、職場でのトラブルが生じた場合における総合労働相談コーナーでの相談の受付を行うとともに、生きづらさを感じている方への、生活上の悩みも含めた電話相談窓口を設置しております。その他、医療保険制度において、性同一性障害を有する方について、保険者の判断により被保険者証の性別や氏名の表記方法を工夫して差し支えないことを示しているほか、性別適合手術について保険適用としています。
  • 性的マイノリティに関する理解増進に向けた取組について
    • 公正な採用選考に向けて
      • 採用の際に公正な選考が行われるよう、LGBT等の性的マイノリティなどの特定の人を排除しない旨、記載した事業主向けの啓発パンフレットを作成し、事業主への周知を行っております。
▼公正採用選考について
  • ハラスメントのない職場に向けて
    • セクハラ防止指針やパワハラ防止指針に、職場における性的指向・性自認に関する侮辱的な言動についても、ハラスメントに当たる一例であることを明記しています。また、労働者からの相談体制などを整備することについても、事業主の雇用管理上の措置義務の対象とし、事業主向けのパンフレットを作成し、周知を行っております。
▼職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント)
  • 企業の取組事例等の調査・公表
    • 性的指向・性自認に関する企業の取組事例について令和元年度に調査を行い、報告書や事例集等 を取りまとめております。
▼職場におけるダイバーシティ推進事業について
  • 性的マイノリティに関する悩みや困り事等の相談について
    • 労働者や事業主からの相談窓口
    • 全国の労働局などに設置している総合労働相談コーナーにおいて、性的指向・性自認に関連する労働問題の相談も受け付けており、相談者の希望に応じて、様々な紛争解決制度の案内も行っております。
▼総合労働相談コーナーのご案内
  • よりそいホットラインについて(無料の電話相談窓口)
    • 生活上の様々な悩みを抱える方々の相談先として、24時間365日無料の電話相談窓口を設置しています。窓口には、性的マイノリティの方向けの専用ダイヤルも設置し、必要に応じて対面による相談や各専門機関に相談する際に同行する等の支援を行っております。
▼よりそいホットライン
  • その他の取組について
    • 被保険者証の取扱いについて
      • 性同一性障害を有する方の被保険者証の取扱いについては、医療保険制度全体の統一的な対応として、やむを得ない理由があると保険者が判断した場合には、戸籍上の性別を裏面のみに記載して差し支えない旨の通知を平成24年9月21日付で、戸籍名を裏面に記載した上で通称名を記載する等の表記方法の工夫をして差し支えない旨の通知を平成29年8月31日付で発出しました。
    • 性別適合手術の保険適用について
      • 性同一性障害に対する性別適合手術については、中央社会保険医療協議会における議論を踏まえ、平成30年度診療報酬改定において、「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」に基づき、一定の施設基準を満たす施設において実施される場合について、保険適用としました。
    • 宿泊施設における配慮について
      • 旅館業法上、宿泊拒否事由に該当する場合を除き宿泊を拒んではならないとされており、性的指向や性自認等を理由に宿泊拒否がなされないよう、平成30年1月31日付けで、旅館業における衛生等管理要領を改正し、「宿泊者の性的指向、性自認等を理由に宿泊を拒否することなく、適切に配慮すること」を追記しました。
    • 性同一性障害に関する相談体制について
      • 都道府県・指定都市に設置している精神保健福祉センターにおいて、性同一性障害を含めた精神保健福祉全般にわたる相談を実施しております。
▼全国精神保健センター一覧

厚生労働省 トラック運転者の長時間労働改善に向けて「荷主どうし」の共同配送に興味のある荷主企業を募集します(令和5年度)
  • 厚生労働省は、「荷主連携マッチング~あい積づみミーティング~」※と題して、共同配送に興味のある荷主企業の皆さまを対象に、物流生産性の向上とトラック運転者の長時間労働改善に向けた意見交換を行うオンラインミーティングを、11月からテーマごとに隔月で開催します。
  • 今回は、「関東地方」「中部地方」「関東・中部地方間」に注目した共同配送をテーマとして、オンラインミーティングに参加する荷主企業を募集しています。
  • 荷主連携マッチング~あい積(づみ)ミーティング~とは?
    • 「荷主どうし」の連携は、トラック運転者の長時間労働改善のための有効な取り組みです。
    • ともに取り組む荷主企業との出会いを支援する場が、「あい積ミーティング」です。
    • 日頃、出会うことのない他の荷主の方々と物流生産性向上に向けた意見交換をすることで、「共同配送」などの新たな仕組み等を考えるきっかけとなる場です。
  • 開催の背景
    • トラック運転者は、他業種の労働者と比べて長時間労働の実態にあります。その背景には、荷主や配送先の都合により、長時間の荷待ち時間(貨物の積み込みや荷下ろしの順番を待つ時間)や、手荷役(手作業での貨物の積み込みや荷下ろし)が発生するなど、貨物運送における取引慣行などからトラック運送事業者の努力だけでは改善が困難な問題が存在しています。
    • 重要な社会インフラである物流が滞らないようにするために、そしてトラック運転者の長時間労働を改善していくためには、荷主企業とトラック運送事業者の双方が歩み寄り、そして協力しあって、取引環境の適正化に取り組むことが必要不可欠です。
    • このオンラインミーティングでは、トラック運転者の長時間労働改善のための有効な取組である「荷主どうし」の連携のうち、共同配送に興味のある荷主企業の出会いの場を提供します。
  • あい積ミーティング参加企業から頂いた感想(一部抜粋)
    • 物流生産性向上について異業種を含めて他の荷主企業と出会える場は、ほとんどない。この取組を是非とも続けて欲しい。
    • 荷主各社が個別に他の運送会社へ依頼するだけでは生産性は向上しない。また機会があれば参加したい。
    • 同一業界のメーカーであり競争するところは競争するが、物流は共に手を組み改善すべき。
    • 困りごとがあり、補い合える荷主同士で会話ができたところが非常に良かった。
    • トラック運転者の長時間労働は、日本全国の課題。こういった連携の”きっかけ”創りの場があることはありがたい。

厚生労働省 「看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的指針」が告示されました
  • 保健師、助産師、看護師及び准看護師(以下「看護師等」という。)は、療養上の世話又は診療の補助、保健指導、助産等の実施を通じて、国民の保健医療の向上に大きく貢献してきている。
  • その看護師等は、就業者数を見ると、令和2年(2020年)で約173.4万人と我が国医療関係職種の中で最も多数を占めており、チーム医療の中において、大きな役割を果たしてきているが、高齢化の進行に伴う看護ニーズの増大を受け、需要の増大が見込まれる。一方、我が国においては、少子高齢化が進行しており、令和22年(2040年)に向けて、生産年齢人口(15歳から64歳までの人口をいう。以下同じ。)が急減していく。
  • このように、現役世代(担い手)が急減する中で、増大し、多様化する看護ニーズや24時間体制の勤務に対応していくためには、新規養成、復職支援及び定着促進を柱に、看護師等の確保を推進していくとともに、生涯にわたって看護師等の業務を継続できるよう、看護師等個人の資質の向上を図っていくことが重要となる。
  • また、看護師等に係る需給の状況については、都道府県及び二次医療圏ごとに不足又は充足の状況が異なっているとともに、訪問看護に従事する看護師等の需要が増大しているなど、地域・領域別に差異がある。このため、地域・領域の課題に応じた看護師等の確保対策を講じていくことが必要である。
  • あわせて、令和2年(2020年)に発生した新型コロナウイルス感染症への対応に際しては、重症患者の診療に当たって、専門性の高い看護師を確保する必要性が特に高くなるとともに、感染症に的確に対応できる看護師等を迅速に応援派遣することが必要になった。今後の新興感染症(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号。以下「感染症法」という。)第6条第7項に規定する新型インフルエンザ等感染症、同条第8項に規定する指定感染症及び同条第9項に規定する新感染症をいう。以下同じ。)等の発生に備えて、専門性の高い看護師の養成を推進するとともに、新興感染症等の発生に的確に対応できる看護師等の迅速な確保を図るための体制整備を推進することが必要となる。
  • これらの課題に対応し、求められるニーズに対応できる看護師等の確保を進めるためには、中長期的視点に立って、養成、処遇の改善、資質の向上、就業の促進等について、関係者が一体となり総合的に進めることが必要である。
  • この指針は、国、地方公共団体、病院等(看護師等の人材確保の促進に関する法律(平成4年法律第86号。以下「法」という。)第2条第2項に規定する病院等をいう。以下同じ。)、看護師等、そして国民がそれぞれの立場において取り組むべき方向を示すことにより、少子高齢社会における保健医療を担う看護師等の確保を図り、国民に良質かつ適切な医療の提供を図ることを目的とするものである。
  • なお、看護ニーズの多様化に伴って、病院等以外で就業する看護師等が増加していることに鑑み、病院等以外の施設・事業所においても、看護師等の業務内容や支援策の状況等を踏まえつつ、病院等に準じた取組の実施が望まれる。
  • また、医療提供体制に係る見直しの状況等を踏まえて、必要に応じこの指針の見直しを行うものとする。
  • 病院等に勤務する看護師等の処遇の改善に関する事項
    • 夜勤等の業務負担の軽減及び業務の効率化
    • 給与水準等
    • 看護業務の効率化・生産性向上
    • 勤務環境の改善
    • 職場における雇用管理体制の整備及びハラスメント対策
  • 研修等による看護師等の資質の向上に関する事項
    • 生涯にわたる研修等による資質の向上
    • 新人看護職員研修の推進
    • 新規就業以降の看護師等の資質の向上
    • 看護管理者の資質の向上
    • 特定行為研修の推進
  • 看護師等の就業の促進に関する事項
    • 新規養成、復職支援及び定着促進を三本柱にした取組の推進
    • 職業紹介事業、就業に関する相談等の充実
    • スキルアップ支援の充実
    • 地域の課題に応じた看護師等の確保
    • 領域の課題に応じた看護師等の確保
    • 生涯にわたる看護師等の就業推進
  • 新興感染症や災害等への対応に係る看護師等の確保
    • 専門性の高い看護師の養成・確保
    • 新興感染症や災害に的確に対応できる看護師等の応援派遣
    • 都道府県ナースセンター等における潜在看護師等の就業支援等
  • その他看護師等の確保の促進に関する重要事項
    • 国民の理解の向上
    • 調査研究の推進
    • 看護師等の確保を図るための看護補助者による業務実施の推進

厚生労働省 「個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会」の報告書を公表します
▼別添2(報告書別添1)論点の整理
  • 第1回検討会の議論を踏まえ、以下の3つに分けて今後議論を進めてはどうか。
    • 危険有害作業に係る個人事業者等の災害を防止するための対策① (個人事業者自身、注文者等による対策)
      • <検討の論点>
        • 検討の基礎となる災害の実態の深掘り
        • 個人事業者自身による措置やその実行性を確保するための仕組みのあり方
        • 個人事業者以外も含めた災害防止のための発注者による措置のあり方
        • 発注者以外の災害原因となるリスクを生み出す者等による措置のあり方
        • 個人事業者や小規模事業者に対する支援のあり方
    • 危険有害作業に係る個人事業者等の災害を防止するための対策② (事業者による対策)
      • <検討の論点>
        • 労働者について危険有害性が確認され、また災害が発生した実態等を踏まえ、現在労働者保護規定が設けられている機械、作業等については、同じ機械、作業等に係る個人事業者等にも同様の危険有害性があること等から、その安全確保の観点からも、当該保護規定を踏まえた規制等を検討する必要があるのではないか。
          • ※最高裁判決においても、物の危険性及び場の危険性に着目した規制は、労働者以外も保護する規定と判示。(物の危険性、場所の危険性に着目した規制としては、安衛法20条等がある。)
    • 危険有害作業以外の個人事業者等対策(過重労働、メンタルヘルス、健康管理等)
      • <検討の論点>
        • 検討の基礎となる災害の実態の深掘り
        • 過重労働等の健康障害防止のための措置及びその実行性を確保するための仕組みのあり方
        • 個人事業者や小規模事業者に対する支援のあり方
▼別添3(報告書別添2)対策の検討に当たっての基本的な考え方
  • 安衛法の規制体系と最高裁の判断
    • 労働安全衛生法は、労働災害を防止するため、直接の雇用関係のみを前提とする規制以外にも幾つかの規制(統括管理、流通規制、機械等貸与者に対する規制等)を設けている。
      • ※労働安全衛生法は労働者以外の者(個人事業者等)を普遍的に保護対象としているものではない。
    • 建設アスベスト訴訟最高裁判決では、石綿の規制根拠である安衛法第22条は、労働者だけでなく、同じ場所で働く労働者でない者も保護する趣旨との判断がなされている。
  • 上記を踏まえた対策の方向性
    • 労働者と同じ場所で就労する者は、労働者以外の者であっても同じ安全衛生水準を享受すべきであり、その実現のため以下の対策を講じる。
      • 作業場所を管理する者(事業者)が当該場所で就労する者を保護する
      • 労働者と同じ場所で就労する者(個人事業者、その他の作業者)は、自身の安全衛生確保に加え、同じ場所で就労する者に危害が生じないよう、必要な事項を実施する(上記① に対応した措置等)
    • 個人事業者が労働者とは異なる場所で就労する場合であっても、労働者と同じ安全衛生水準を享受すべきであり、その実現のため以下の対策を講じる。
      • 個人事業者自ら、作業に伴う安全衛生や自身の心身の健康を確保する
      • 注文した仕事に係る作業場所や作業方法から生ずる災害リスクを管理することが可能である注文者が災害リスクに応じた措置を講ずる
        • ※上記以外にも、安衛法の既存の枠組みの拡充(統括管理の対象拡大、機械等貸与者による措置の対象機械拡大等)やガイドラインの策定も検討

厚生労働省 株式会社メディファーマによるGCP違反について
  • 厚生労働省は、SMO(治験施設支援機関)である株式会社メディファーマ(代表取締役 三原 酉木、本社 東京都港区芝5丁目31番19号)及び関係医療機関に対して、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第80条の2第7項及び第80条の5第1項の規定に基づき、8月29日、30日及び9月4日に立入検査を実施しました。
  • 立入検査の結果、株式会社メディファーマが医療機関から受託した治験業務において、データ改竄等のGCP違反を確認しました。厚生労働省は、実施中の試験について、被験者保護を最優先に適切な対応を実施するよう株式会社メディファーマ及び治験依頼者に指示しました。なお、現時点で健康被害等の報告はありません。
  • 主な違反の概要
    • 治験データの改竄
    • 呼吸機能検査の不適切な実施
    • 医師・施設スタッフ・CRCのIDパスワード共有、トレーニング代理受講
    • 治験薬保管不備の隠蔽

厚生労働省 11月は「過労死等防止啓発月間」です~過労死等防止対策推進シンポジウムや過重労働解消キャンペーンなどを実施~
  • 厚生労働省では、11月を「過労死等防止啓発月間」と定め、過労死等をなくすためにシンポジウムやキャンペーンなどの取組を行います。この月間は、「過労死等防止対策推進法」に基づくもので、過労死等を防止することの重要性について国民の自覚を促し、関心と理解を深めるため、毎年11月に実施しています。
  • 月間中は、国民への周知・啓発を目的に、各都道府県において「過労死等防止対策推進シンポジウム」を行うほか、「過重労働解消キャンペーン」として、長時間労働の是正や賃金不払残業などの解消に向けた重点的な監督指導やセミナーの開催、一般の方からの労働に関する相談を無料で受け付ける「過重労働解消相談ダイヤル」などを行います。
  • 「過労死等」とは・・・
    • 業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡
    • 業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡
    • 死亡には至らないが、これらの脳血管疾患、心臓疾患、精神障害
  • 「過重労働解消キャンペーン」概要
    1. 労使の主体的な取組を促します
      • 過重労働解消キャンペーンの実施に先立ち、使用者団体や労働組合に対し、厚生労働大臣名による協力要請を行います。
    2. 労働局長によるベストプラクティス企業との意見交換を実施します
      • 都道府県労働局長が管内企業の経営トップとの意見交換により、長時間労働削減に向けた積極的な取組事例を収集・紹介します。
    3. 重点監督を実施します
      • 長時間労働が行われていると考えられる事業場等に対して重点的な監督指導を行います。
    4. 過重労働相談受付集中期間を設定します
      • 11月1日(水)から11月7日(火)を過重労働相談受付集中期間とし、都道府県労働局及び労働基準監督署において、過重労働に係る相談と労働基準関係法令違反が疑われる事業場の情報を積極的に受け付けます。
      • また、労働条件相談ほっとラインでも、平日17:00~22:00、土日祝日9:00~21:00に相談をお受けします。
        • ※11月4日(土)、5日(日)は、労働条件相談ほっとラインのみの受付となります。
    5. 特別労働相談を実施します
      • 11月3日(金・祝日)に下記相談窓口にて電話による特別労働相談を実施します。
        • 過重労働解消相談ダイヤル
          • [電話番号]:0120(794)713(フリーダイヤル なくしましょう 長い残業)
          • 令和5年11月3日(金・祝日)9:00~17:00
            • ※労働基準監督官が相談に対応します。
        • 労働条件相談ほっとライン【委託事業】
          • [電話番号]:0120(811)610(フリーダイヤル はい!労働)
          • 令和5年11月3日(金・祝日)9:00~21:00
    6. 過重労働解消のためのセミナーを開催します
      • 企業における自主的な過重労働防止対策を推進することを目的として、10月~1月に、オンライン又は会場開催により、「過重労働解消のためのセミナー」(委託事業)を実施します。(無料でどなたでも参加できます。)
▼専用ホームページ

厚生労働省 第62回労働政策審議会雇用環境・均等分科会
▼(参考資料1-2)いわゆる「年収の壁」への当面の対応について
  • はじめに
    • 「こども未来戦略方針~次元の異なる少子化対策の実現のための「こども未来戦略」の策定に向けて~」(令和5年6月13日閣議決定)では、持続的な成長を可能とする経済構造を構築する観点から「成長と分配の好循環」(成長の果実が賃金に分配され、セーフティネット等による暮らしの安心の下でそれが消費へとつながる)等の実現を目指すこととされている。
    • 今年は30年ぶりの高い水準での賃上げであった。また、地域別最低賃金額の全国加重平均は1004円となり、政府目標1000円を達成した。
    • こうした中、中小企業・小規模事業者も含め賃上げしやすい環境の整備に取り組むとともに、フルタイム労働者だけではなく、短時間労働者にもこのような賃上げの流れを波及させていくためには、本人の希望に応じて可能な限り労働参加できる環境が重要である。
    • 併せて、我が国では、2040年にかけて生産年齢人口が急減し、社会全体の労働力確保が大きな課題となる。既に、企業の人手不足感は、コロナ禍前の水準に近い不足超過となっており、人手不足への対応は急務である。
    • 本人の希望に応じて可能な限り労働参加できる環境づくりは、こうした人手不足への対応にもつながるものである。
  • 現状と課題解決の方向性
    • 労働者の配偶者で扶養され社会保険料の負担がない層のうち約4割が就労している。その中には、一定以上の収入(106万円または130万円)となった場合の、社会保険料負担の発生や、収入要件のある企業の配偶者手当がもらえなくなることによる手取り収入の減少を理由として、就業調整をしている者が一定程度存在する。
    • こども未来戦略方針においても、「いわゆる106万円・130万円の壁を意識せずに働くことが可能となるよう、短時間労働者への被用者保険の適用拡大、最低賃金の引上げに引き続き取り組む。」、「こうした取組と併せて、人手不足への対応が急務となる中で、壁を意識せずに働く時間を延ばすことのできる環境づくりを後押しするため、当面の対応として、(中略)支援強化パッケージを本年中に決定した上で実行し、さらに、制度の見直しに取り組む。」とされている。
    • このため、当面の対応として、本年10月から、
      • 106万円の壁への対応(1キャリアアップ助成金のコースの新設 2社会保険適用促進手当の標準報酬算定除外)
      • 130万円の壁への対応(3事業主の証明による被扶養者認定の円滑化)
      • 配偶者手当への対応(4企業の配偶者手当の見直し促進)
        を進め、年収の壁を意識せずに働くことのできる環境づくりを後押しするとともに、さらに、制度の見直しに取り組む。
    • このほか、設備投資等により事業場内最低賃金の引上げに取り組む中小企業等に対する助成金(業務改善助成金)の活用も促進する。
  • 具体策
    • 106万円の壁への対応
      • キャリアアップ助成金のコースの新設
        • 短時間労働者が、被用者保険に加入して働き続けることは、当該労働者の処遇改善や本人のキャリアアップにつながり得るとともに、当該労働者が就業調整をせず働くことで企業の人材確保にもつながる。実際、企業独自に年収の壁を超える際の労働者負担分の保険料の補助を実施することを契機として、短時間労働者の業務の幅が広がり、より基幹的な労働者として活躍し、企業の生産性向上につながった例も存在する。
        • このため、キャリアアップ助成金を拡充し、短時間労働者が新たに被用者保険の適用となる際に、労働者の収入を増加させる取組を行った事業主に対して、複数年(最大3年)で計画的に取り組むケースを含め、一定期間助成(労働者1人当たり最大50万円)を行うこととする。
        • 助成対象となる労働者の収入を増加させる取組には、賃上げや所定労働時間の延長のほか、被用者保険の保険料負担に伴う労働者の手取り収入の減少分に相当する手当(社会保険適用促進手当)の支給も含めることとする。また、支給申請に当たって、提出書類の簡素化など事務負担を軽減する。
      • 社会保険適用促進手当の標準報酬算定除外
        • 短時間労働者への被用者保険の適用を促進する観点から、被用者保険が適用されていなかった労働者が新たに適用となった場合に、事業主は、当該労働者に対し、給与・賞与とは別に「社会保険適用促進手当」を支給することができることとする。
          • ※当該手当などにより標準報酬月額・標準賞与額の一定割合を追加支給した場合、キャリアアップ助成金の対象となり得る。
        • また、被用者保険の適用に係る労使双方の保険料負担を軽減する観点から、社会保険適用促進手当については、被用者保険適用に伴う労働者本人負担分の保険料相当額を上限として、最大2年間、当該労働者の標準報酬月額・標準賞与額の算定に考慮しないこととする。
          • ※同一事業所内において同条件で働く他の労働者にも同水準の手当を特例的に支給する場合には、社会保険適用促進手当に準じるものとして、同様の取扱いとする。
    • 130万円の壁への対応
      • 事業主の証明による被扶養者認定の円滑化
        • 被用者保険の被扶養者の認定に当たっては、認定対象者の年間収入が130万円未満であること等が要件とされているが、一時的に収入が増加し、直近の収入に基づく年収の見込みが130万円以上となる場合においても、直ちに被扶養者認定を取り消すのではなく、総合的に将来収入の見込みを判断することとしている。
        • 被扶養者認定においては、過去の課税証明書、給与明細書、雇用契約書等を確認することとしているところ、一時的な収入の増加がある場合には、これらに加えて、人手不足による労働時間延長等に伴う一時的な収入変動である旨の事業主の証明を添付することで、迅速な認定を可能とする。
    • 配偶者手当への対応
      • 企業の配偶者手当の見直し促進
        • 収入要件がある配偶者手当の存在が、社会保障制度とともに、就業調整の要因となっている。その見直しに向けては、労働契約法や判例等に留意した対応が必要であるとともに、企業等が見直しの必要性・メリット・手順等の理解を深めることが必要。
        • このため、令和6年春の賃金見直しに向けた労使の話合いの中で配偶者手当の見直しも議論され、中小企業においても配偶者手当の見直しが進むよう、見直しの手順をフローチャートで示す等わかりやすい資料を作成・公表する。
        • 収入要件のある配偶者手当が就業調整の一因となっていること、配偶者手当を支給している企業が減少の傾向にあること等を各地域で開催するセミナーで説明するとともに、中小企業団体等を通じて周知する。

厚生労働省 令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます
▼リーフレット 2024年4月から労働条件明示のルールが変わります
  • 労働条件明示の制度改正のポイント
    • 全ての労働者に対する明示事項
      • 就業場所・業務の変更の範囲の明示【労働基準法施行規則第5条の改正】
        • 全ての労働契約の締結と有期労働契約の更新のタイミングごとに、「雇い入れ直後」の就業場所・業務の内容に加え、これらの「変更の範囲」についても明示が必要になります。
    • 有期契約労働者に対する明示事項等
      • 更新上限の明示【労働基準法施行規則第5条の改正】
        • 有期労働契約の締結と契約更新のタイミングごとに、更新上限(有期労働契約2の通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容の明示が必要になります。
      • 更新上限を新設・短縮する場合の説明【雇止め告示の改正】
        • 下記の場合は、更新上限を新たに設ける、または短縮する理由を有期契約労働者にあらかじめ(更新上限の新設・短縮をする前のタイミングで)説明することが必要になります。
          • 最初の契約締結より後に更新上限を新たに設ける場合
          • 最初の契約締結の際に設けていた更新上限を短縮する場合
    • 無期転換後の労働条件の明示【労働基準法施行規則第5条の改正】
      • 「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごと※3に、無期転換を申し込3むことができる旨(無期転換申込機会)の明示が必要になります
    • 無期転換後の労働条件の明示【労働基準法施行規則第5条の改正】
      • 「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換後の労働条件の明示が必要になります。
      • 均衡を考慮した事項の説明【雇止め告示の改正】
        • 「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換後の賃金等の労働条件を決定するに当たって、他の通常の労働者(正社員等のいわゆる正規型の労働者及び無期雇用フルタイム労働者)とのバランスを考慮した事項(例:業務の内容、責任の程度、異動の有無・範囲など)について、有期契約労働者に説明するよう努めなければならないこととなります。

厚生労働省 「令和5年版 過労死等防止対策白書」を公表します~睡眠と疲労、うつ傾向及び主観的幸福感などの関係について調査分析~
  • 政府は、本日、過労死等防止対策推進法に基づき、「令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況」(令和5年版 過労死等防止対策白書)を閣議決定しました。
  • 「過労死等防止対策白書」は、過労死等防止対策推進法の第6条に基づき、国会に毎年報告を行う年次報告書です。8回目となる今回の白書の主な内容は以下のとおりです。
  • 厚生労働省では、「過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会」の実現に向け、引き続き過労死等防止対策に取り組んでいきます。
▼全体版
  • 我が国の労働者1人当たりの年間総実労働時間は、長期的には緩やかに減少しており、令和4年は、前年と同じ時間であった。総実労働時間を所定内労働時間、所定外労働時間の別にみると、所定内労働時間は長期的に減少傾向が続いている一方、所定外労働時間は、平成22年以降増加傾向であったが、平成26年及び平成27年をピークとして減少傾向に転じており、令和2年に大きく減少した後、令和3年と令和4年は前年を上回った。
  • 一般労働者とパートタイム労働者の別にみると、令和4年の一般労働者の総実労働時間は4年連続で2,000時間を下回って1,948時間となり、またパートタイム労働者の総実労働時間は4年連続で1,000時間を下回って955時間となった。なお、パートタイム労働者比率の増加傾向が継続していることから、労働者1人当たりの年間総実労働時間の中長期的な減少は、パートタイム労働者比率の増加の寄与もあると考えられる
  • 主要産業別にみると、「運輸業,郵便業」、「建設業」、「製造業」及び「情報通信業」の労働時間が全産業平均よりも長くなっている。また、「運輸業,郵便業」及び「製造業」の労働時間は前年に続き増加している。
  • 総務省「労働力調査」で月末1週間の就業時間別の雇用者の割合の推移をみると、1週間の就業時間が60時間以上である雇用者の割合は、平成15、16年の12.2%をピークとして減少傾向にあるが、令和4年は5.1%と前年より0.1ポイント増加した。また、月末1週間の就業時間が60時間以上である雇用者数は298万人と前年より約8万人増加した。
  • 月末1週間の就業時間が60時間以上の就業者の割合の推移を性別、年齢層別にみると、男性については、平成27年以降、40歳代の割合が最も高く、令和4年は10.8%となった。一方、女性については、20歳代の割合が最も高く、令和4年で2.6%となった。月末1週間の就業時間が60時間以上の雇用者の割合について性別、年齢層別にみても、40歳代の男性の割合が高く、令和4年は10.3%であった。
  • 「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(令和3年7月30日閣議決定。以下「大綱」という。)において数値目標の対象とされている、月末1週間の就業時間が40時間以上である雇用者のうち、その就業時間が60時間以上である雇用者の割合をみると、平成15年をピークとして、長期的には緩やかな減少傾向を示しており、令和4年は8.9%と3年連続で10%を下回った。なお、大綱において、令和7年までに、週労働時間40時間以上の雇用者のうち、週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下とすることを目標としている。
  • 就業者について、月末1週間の就業時間が40時間以上である就業者のうち、その就業時間が60時間以上である就業者の割合の推移を性別、年齢層別にみると、就業者全体に占める割合(月末1週間の就業時間が40時間以上である就業者以外も含む。)と同様、男性については、平成27年以降、40歳代の割合が最も高くなっている。また、女性については、60歳以上の割合が最も高くなっている。
  • 厚生労働省「就労条件総合調査」により、年次有給休暇の状況をみると、取得日数は、平成9年から平成19年まで微減傾向が続き、平成20年以降増減しながらも微増傾向にあり、令和3年は10.3日と、3年連続で10日を上回った。また、取得率は、平成12年以降5割を下回る水準で推移していたが、平成29年には5割を上回り、令和3年は58.3%と、前年より1.7ポイントの増加となった。
  • 労働者1人当たりの平均年次有給休暇取得率を企業規模別にみると、平成22年以降は規模が大きいほど、年次有給休暇の取得率は高い傾向にある。また、平成26年以降、すべての企業規模で増加傾向となっており、「1,000人以上」では平成31年以降60%を超え、それ以外の企業規模でも、平成31年以降50%を超えている。
  • 勤務間インターバル制度(終業時刻から次の始業時刻までの間に一定時間以上の休息時間を設けること)について、制度を導入している企業(就業規則又は労使協定等で定めているもの)の割合は、令和4年で5.8%と前年の4.6%から1.2ポイントの増加となった。一方、「制度を知らない」と回答した企業は全体で17.1%であった。また、制度の導入の予定はなく、検討もしていない企業のうち、導入していない理由として「制度を知らなかったため」と回答した企業の割合は、令和4年で21.3%であった。制度の導入の予定はなく、検討もしていない企業のうち、導入していない理由として「制度を知らなかったため」と回答した企業の産業別割合をみると、「建設業」、「生活関連サービス業,娯楽業」、「宿泊業,飲食サービス業」、「運輸業,郵便業」の順に高く、「金融業,保険業」、「電気・ガス・熱供給・水道業」、「学術研究,専門・技術サービス業」の順に低い。さらに、令和3年と令和4年の「制度を知らなかったため」と回答した企業を産業別に比較すると、「卸売業,小売業」、「サービス業(他に分類されないもの)」及び「鉱業,採石業,砂利採取業」以外の業種では、その割合が増加している。なお、大綱において、令和7年までに勤務間インターバル制度を知らなかった企業割合を5%未満とすること、同制度を導入している企業割合を15%以上とすることを目標としている
  • 仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合は、令和4年は82.2%であった。大綱では、第14次労働災害防止計画(以下「14次防」という。)において新たな数値目標が設定された場合には、その目標の達成に向けた取組を推進するとされているところ、令和5年3月に14次防が策定され、令和9年までに自分の仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み又はストレスがあるとする労働者の割合を50%未満とすることを目標として取り組むこととしている
  • 「仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じる」とした労働者のうち、その内容をみると、「仕事の量」(36.3%)が最も多く、次いで「仕事の失敗、責任の発生等」(35.9%)、「仕事の質」(27.1%)となっている
  • 現在の自分の仕事や職業生活でのストレスについて「相談できる人がいる」とする労働者の割合は91.4%となっており、「相談できる人がいる」とする労働者が挙げた相談相手は、「家族・友人」(68.4%)が最も多く、次いで「同僚」(68.0%)となっている。また、家族・友人等を除き、職場の事業場外資源(事業場外でメンタルヘルス対策の支援を行う機関及び専門家)を含めた相談先がある労働者の割合は79.8%である。
  • メンタルヘルス対策の取組内容をみると、「ストレスチェックの実施」(63.1%)が最も多く、次いで「メンタルヘルス不調の労働者に対する必要な配慮の実施」(53.6%)となっている。
  • 我が国の自殺者数は、平成10年以降14年間連続して3万人を超えていたが、平成22年以降は減少傾向にある。しかしながら、令和4年は21,881人と前年より874人の増加となった。勤務問題を原因・動機の1つとする自殺者の数は、令和4年は2,968人となっている。また、令和4年の原因・動機別の自殺者数及び自殺者総数に対する割合は、健康問題が12,774人(58.4%)、家庭問題が4,775人(21.8%)、経済・生活問題が4,697人(21.5%)であり、勤務問題はこれに次ぐ。
  • 勤務問題を原因・動機の1つとする自殺者数の推移を年齢層別にみると、令和4年は、「40~49歳」(27.5%)、「50~59歳」(25.1%)、「30~39歳」(18.2%)、「20~29歳」(17.4%)の順となっている。
  • 業務における過重な負荷により脳血管疾患又は虚血性心疾患等(以下「脳・心臓疾患」という。)を発症したとする労災請求件数は、平成14年度に800件を超えて以降、700件台から900件台前半の間で推移しており、令和4年度は803件で、前年度より50件の増加となった。労災支給決定(認定)件数は、平成14年度に300件を超えて、平成19年度に392件に至ったが、近年は減少傾向にあったところ、令和4年度は194件で、前年度より22件の増加となっている。なお、令和4年度において、新型コロナウイルス感染症に関連(請求人が業務で新型コロナウイルス感染症に関連する出来事などがあったと申し立てたもの。)する脳・心臓疾患の労災支給決定(認定)件数は3件であった。
  • 業務における強い心理的負荷による精神障害を発病したとする労災請求件数は、増加傾向にあり、令和4年度は2,683件で、前年度より337件の増加となっている。労災支給決定(認定)件数は、平成24年度以降500件前後で推移していたところ、令和2年度に600件を超え、令和4年度は710件となり、前年度より81件の増加となっている。なお、令和4年において、新型コロナウイルス感染症に関連(請求人が業務で新型コロナウイルス感染症に関連する出来事などがあったと申し立てたもの。)する精神障害の労災支給決定(認定)件数は18件であった。
  • 令和4年度は、労災支給決定(認定)事案、労災不支給決定(業務外)事案、メディア業界の労災支給決定(認定)事案、教育・学習支援業の労災支給決定(認定)事案(地方公務員等の公務災害事案は含まない)のうち精神障害事案について分析した。
    • 労災支給決定(認定)事案の傾向は、脳・心臓疾患事案、精神障害事案ともに、昨年までの結果から大きな変化はみられず、発症時年齢階層は、脳・心臓疾患事案では50歳代が最も多く、次いで40歳代であった。精神障害事案では40歳代が最も多く、次いで30歳代、29歳以下と続いていた。都道府県別では、脳・心臓疾患事案、精神障害事案ともに、大都市部を抱える都道府県に多くみられる傾向はあるものの、脳・心臓疾患事案は東京と大阪が突出しているのに比べ、精神障害事案は東京のみ突出し、大阪と神奈川が僅差となっているなど、若干の違いがみられた。
    • 労災不支給決定(業務外)事案は、平成28年度以来の分析であるが、総じて、脳・心臓疾患事案、精神障害事案ともに、各年度で大きな変化はみられなかった。
      • 脳・心臓疾患事案について、業種別にみると、平成28年度の分析では「建設業」が最も多く、次いで「運輸業,郵便業」であったが、令和4年度の分析では「運輸業,郵便業」が最も多く、次いで「建設業」であった。発症前の時間外労働時間数の平均は、いずれも30時間を下回っていた。なお、労災不支給決定(業務外)事案には、労働者性が認められなかったもの、対象疾病でなかったもの、労災請求の時効を迎えていたものが含まれる。
      • 精神障害事案について、業種別にみると、平成28年度の分析では、「製造業」が最も多く、次いで「卸売業,小売業」と「医療,福祉」が同数で2番目に多かったが、令和4年度の分析では「製造業」が最も多く、次いで「医療,福祉」、「卸売業,小売業」の順に多かった。また、「運輸業,郵便業」は、平成28年度の分析では5番目に多かったが、令和4年度の分析では4番目となっていた。出来事をみると、男性はおおむね同様の割合で推移しているものの、女性は「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」の割合が増加傾向であった。
    • メディア業界の労災支給決定(認定)事案は、近年、脳・心臓疾患事案は減少傾向であるが、精神障害事案は増加傾向となっていた。発症時年齢でみると、29歳以下の若年層での精神障害事案が最多となっている。業種別では「広告」が最も多く、次いで「映像」であった。職種別では「販促・広告制作」が最も多く、次いで「画像・映像制作」、「デザイナー」、「ディレクター・現場指揮」、「アシスタント」であった。精神障害事案の出来事をみると、男女とも「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」が最も多かった。
    • 教育・学習支援業の労災支給決定(認定)事案のうち精神障害事案をみると、総数は各年おおむね10件前後で推移し、男女別では、近年は女性が男性より多くなっていった。教員・非教員の別では、近年は教員が非教員より多かった。教員の内訳では、高等学校教員が最も多く、次いで大学教員及び学習塾講師であった。出来事をみると、男性は「上司とのトラブルがあった」、女性は「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」が最も多かった。また、男女の合計で最も多かった「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」の内容を見ると、男女ともに上司による「暴言」が最も多く、また、女性では、生徒からの「暴力」や生徒家族からの「暴言(クレーム)」もみられた。
  • 以上の労災支給決定(認定)事案及び労災不支給決定(業務外)事案の分析結果も踏まえて、それぞれの業界及び業所管官庁が中心となり、業界特有の労働環境等に合わせた過労死等防止対策を検討、実施していくことが必要である
  • 男女別にハラスメント等の経験をみると、男女とも「上司から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」が最も多く、男性5.0%、女性6.6%であった。次いで「上司とのトラブルがあった」が、男性4.5%、女性4.1%であった。
  • カスタマーハラスメントの経験を業種別にみると、「電気・ガス・熱供給・水道業」が5.6%で最も多く、次いで「生活関連サービス業、娯楽業」が3.9%、「複合サービス事業」が3.7%であった。

厚生労働省 「荷主特別対策担当官」は「トラックGメン」による発着荷主等に対する「働きかけ」等に参加します~「トラックGメン」設置に伴う国土交通省との連携強化~
  • 厚生労働省は、令和4年12月23日に都道府県労働局において「荷主特別対策チーム」を編成し、「荷主特別対策担当官」を中心に、トラック運転者の方の長時間労働の是正のため、発着荷主等に対して、長時間の荷待ちを発生させないことなどについての要請とその改善に向けた働きかけを行っています。
  • 一方、国土交通省では、貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号。以下「トラック法」といいます。)に基づく発着荷主等への「働きかけ」等が行われてきたところですが、新たに本省・地方運輸局・運輸支局に「トラックGメン」が設置され、発着荷主等への監視体制の緊急強化が図られました。
  • 厚生労働省では、トラックGメンの設置に伴い、国土交通省との連携を強化し、トラック運転者の労働条件の改善と取引環境の適正化に努めてまいります。
  • トラックGメンの設置に伴う国土交通省との連携強化の概要
    • 発着荷主等の情報を国土交通省に提供します
      • トラックGメンによる働きかけ等の対象選定に活用されるよう、厚生労働省ホームページ「長時間の荷待ちに関する情報メール窓口」に寄せられた発着荷主等の情報や労働基準監督署が監督指導時に把握した情報に加え、労働基準監督署が要請を実施した発着荷主等の情報を、広く国土交通省に提供します。
    • 「荷主特別対策担当官」が、トラックGメンによる「働きかけ」等に参加します
      • 地方運輸局・運輸支局のトラックGメンが、長時間の恒常的な荷待ちを発生させていること等が疑われる発着荷主等に対して実施する働きかけ等に、荷主特別対策担当官も参加します。
    • 労働基準監督署は、発着荷主等への要請の際、「標準的な運賃」も周知します
      • 労働基準監督署が、発着荷主等に対する要請の際、標準的な運賃(※)も併せて周知します。 ※トラックドライバーの労働条件を改善し、ドライバー不足の解消を図り、安定した輸送力を確保するため、法令を遵守して持続的に事業を行ううえで参考となる運賃を国が示したもの。
▼(別紙1) 「トラックGメン」設置に伴う国土交通省との連携強化
  • 荷主情報提供の運用強化
    • 現行の国土交通省への荷主情報提供に加え、荷待ちを発生させている疑いがあることを労働基準監督署が把握し、「荷主への要請」を実施した荷主の情報を、広く国土交通省に提供し、「トラックGメン」による「働きかけ」等の対象選定に活用
  • トラック法に基づく「働きかけ」の連携強化
    • 荷主企業に対し、新たに、
      • 国土交通省のトラックGメン+関係省庁が連携して、トラック運送事業者への配慮を「働きかけ」
      • 長時間の恒常的な荷待ちを発生させていること等が疑われる事案については、都道府県労働局の「荷主特別対策担当官」も「働きかけ」に参加
  • 「標準的な運賃」の周知強化
    • 労働基準監督署が実施している「荷主への要請」の際、トラック法に基づく「標準的な運賃」も周知

厚生労働省 第2回外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会 資料
▼資料2 外国人介護人材支援に係る取組と令和6年度概算要求等について
  • EPA介護福祉士候補者への支援事業について
    • 経済連携協定(EPA)などに基づく外国人介護福祉士候補者等について、その円滑かつ適正な受入れのため、介護導入研修を行うとともに、受入施設に対する巡回指導・相談、受入施設の研修担当者に対する説明会等を行う。
    • また、外国人介護福祉士候補者の国家試験合格に向け、インドネシア、フィリピン及びベトナムの候補者を対象とした集合研修、通信添削指導及び資格を取得できずに帰国した者の母国での再チャレンジ支援等を行う。
  • 「介護技能評価試験」「介護日本語評価試験」の合格者数推移
    • 「介護技能評価試験」「介護日本語評価試験」の累計合格者数は、両試験とも約6万人となっている。
    • 令和3年度と令和4年度を比較すると、国内での合格者は微減である一方で、海外での合格者は約2倍となっている。
  • 外国人介護人材受入施設等環境整備事業について
    • 外国人介護人材の受入れを検討するにあたりコミュニケーションや文化・風習への配慮等に不安がある、また、外国人介護人材に学習支援や生活支援ができる体制が不十分であるといった実態が介護施設等においてみられる。
    • こうした実態を踏まえ、本事業では、介護施設等の不安を和らげるとともに外国人介護人材が介護現場で円滑に就労・定着できるようにするため、介護施設等において外国人介護人材を受け入れるための環境整備等にかかる費用の一部を助成する。
  • 外国人介護人材研修支援事業
    • 本事業は、介護職種における技能実習生及び介護分野における1号特定技能外国人の介護技能を向上するための集合研修等を実施することにより、当該外国人介護人材が日本国内の介護現場において円滑に就労・定着できるようにすることを目的とする。
  • EPAに基づく介護福祉士候補者の累計受入れ人数は7,000人超。
  • 在留資格「介護」の在留者数は、受入を開始した平成30年以降、継続して増加。直近の令和4年12月末の在留者数は約6,284人であり、過去最多となっている。
  • 介護職種の技能実習計画の新規認定件数は、認定を開始した平成30年度以降の5年間で累計3万9,000件ほど。令和2年度の1万2,068件をピークに毎年8,000件程度の認定がある。第3号の技能実習計画の認定件数は500件弱となっている。
  • 介護分野の特定技能外国人在留者数は、受入を開始した令和元年以降、継続して増加。直近の令和5年6月末の在留者数は約2万2,000人であり、過去最多となっている。
  • 外国人留学生への奨学金の給付等に係る支援事業
    • 介護福祉士の資格取得を目指す外国人留学生の確保を図るため、留学生に対して、就労予定先の介護施設等(受入介護施設等)が介護福祉士養成施設等の奨学金等を給付する場合に、その費用の一部を助成する事業を実施。
    • 昨今、諸外国と人材確保の競争が激しくなっており、外国人留学生が安心して学習・就労を行うための更なる環境整備を図ることが重要であることから、外国人介護人材確保に資する成果を上げている受入介護施設等の負担軽減を図り、受入環境整備の取組みを更に支援することが必要となっている。
    • このため、こうした介護人材の確保等に積極的に取り組む受入介護施設等について、その公費補助の割合を1/3から1/2に引き上げることにより、受入介護施設等による奨学金給付の充実を通じて、留学生の就学期間中のより一層の支援を図る。
  • 外国人介護福祉士資格取得支援指導者養成研修等事業
    • 外国人介護人材については、介護保険部会の意見書において「日本語学習や生活相談の支援とともに介護福祉士の資格取得支援等を推進することが必要である」とされており、介護福祉士の資格取得に向けた支援が重要となっている。
    • しかしながら、技能実習生や1号特定技能外国人は、介護福祉士資格取得を目指した制度ではないため、就労しながら資格取得するまでの具体的な道筋や、学習支援の手法が明確ではなく、受入施設の方針次第で学習方法等が大きく異なっている状況にある。
    • そのため、どの施設で勤務していても、適切な学習支援等が行われるよう、都道府県内の関係機関が連携して、①適切な指導法に関する知識・技能を有する指導者の養成を行うとともに、②養成した指導者を各受入施設に派遣し、施設の教育担当職員や外国人介護人材本人に向けた学習支援体制・指導方法・学習方法などについて助言を行う事業を実施することとする。
  • 介護の日本語学習支援等事業
    • 本事業は、外国人介護人材が、介護の日本語学習を自律的に行うための環境整備を推進するための支援等を行うことにより、外国人介護人材が国内の介護現場において円滑に就労・定着できるようにすることを目的とする。
      • 介護の日本語WEBコンテンツの運用等
        • 外国人介護人材が介護の日本語学習を自律的かつ計画的に行うことができるようにするためのWEBコンテンツの運用・機能追加等を行う。
        • WEBコンテンツの活用状況(学習進捗状況や学習時間等)を適切に管理し、学習効果の分析を行う。
      • 学習教材の作成等
        • 外国人介護人材が介護現場において円滑に就労できるよう、介護の日本語等に関する学習教材の作成・改訂を行う。また、教材は海外でも活用できるよう複数の国の言語に翻訳する。
        • 自治体がオンライン研修を実施する場合に活用できる動画教材や、オンライン研修の実施における留意点等をまとめたマニュアルを作成。
      • 外国人介護人材受入施設職員を対象にした講習会の実施
        • 技能実習生を円滑に受入れることができるよう、技能実習指導員を対象にした講習会を開催する。
        • 外国人介護人材の日本語学習を効果的に支援するための知識・技術を修得させるための講習会を開催する。 など
      • 介護福祉士国家試験対策向けの講座の開催【新規】
        • 外国人介護人材の介護福祉士資格の取得を促進するため、国家試験直前期、当該年度の国家試験受験予定である外国人介護人材に対して、講義(座学・録画放映)及び演習(模試・グループワーク)等を行う。

厚生労働省 第2回健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会
▼【資料1】健康づくりのための睡眠指針の改訂について(案)
  • 成人版
    • 毎日の睡眠時間を6時間以上確保することを推奨。
    • 「睡眠休養感」の確保のため、適正な生活習慣や睡眠環境を整備すること等を推奨。(例:食習慣の見直し(朝食をとる、就寝間際の夜食を控える)、寝室の環境整備、嗜好品の見直し)
    • 交替制勤務の場合、夜間勤務中の仮眠や昼間に睡眠をとる場合の遮光等の睡眠環境を整備することを推奨。
    • 睡眠の不調や睡眠休養感の低下の背後に疾患が潜んでいる場合があることについての注意を喚起。(例:閉塞性睡眠時無呼吸、更年期障害等)
  • こども版
    • 1-2歳児は11-14時間、3-5歳児は10-13時間、小学生は9-12時間、中学・高校生は8-10時間の睡眠時間を確保することを推奨。
    • 夜更かしや朝寝坊に対する注意を喚起。
    • 生活習慣における注意点を提示。
    • 起床後から日中にかけて太陽の光をたくさん浴びる。
    • 朝食をしっかりとる。
    • スクリーンタイムを減らし、体を動かす。
    • 寝床ではデジタル機器の使用を控える
  • 高齢者版
    • 個人の体調や生活状況に合わせた睡眠時間、床上時間を見つけることを推奨。
    • 昼間の仮眠(昼寝)は短時間にすることを推奨。
    • 「睡眠休養感」の確保も重要であり、睡眠環境や生活習慣等を見直しても睡眠休養感の低下が改善しない場合は、医師に相談することを推奨。
  • からだと健康のための睡眠について
    • 睡眠時間が7時間前後の場合に、生活習慣病やうつ病の発症及び死亡リスクが、最も低いとの報告あり。
    • 適正な睡眠時間に加え、睡眠休養感を得ることも、健康増進と健康寿命の延伸に効果的との報告あり。
  • 良質な睡眠のための環境づくりについて
    • 日中にできるだけ日光を浴びることで夜間のメラトニン分泌量が増加し、入眠が促進されるとの報告あり。
    • 寝室にはスマートフォンやタブレット端末を持ち込まず、できるだけ暗くして寝ることが効果的との報告あり。
    • 寝室の温度設定や就寝1~2時間前の入浴の睡眠に対する効果を紹介。
    • 静かな睡眠環境の確保の重要性を紹介。
  • 運動、食事等の生活習慣と睡眠について
    • 適度な運動習慣は、入眠の促進、中途覚醒の減少、睡眠時間の増加により、睡眠の質を高めるとの報告あり。
    • ライフステージに合わせた運動のタイプ、強度、タイミングや頻度を紹介。
    • 体内時計の調整における朝食の重要性や、就寝前の夜食や間食が体内時計の調整に及ぼす悪影響について紹介。
    • 就寝前にはリラックスし、無理に寝ようとするのを避けることが効果的との報告あり。
  • 睡眠と嗜好品について
    • カフェインの摂取量は、1日400mgを超えないようにとの報告あり。
    • カフェイン含有飲料(コーヒー、紅茶、エナジードリンク等)中のカフェイン量について紹介。
    • アルコールは一時的には寝つきを促進するが、睡眠後半の眠りの質を顕著に悪化させるとの報告あり。
    • たばこに含まれるニコチンは覚醒作用を有しており、睡眠の質を悪化させるとの報告あり。
  • 睡眠障害について
    • 睡眠に関連する症状は「睡眠環境、生活習慣、嗜好品」に起因するものと「睡眠障害」に起因するものがある。
    • 睡眠障害には、不眠症、閉塞性睡眠時無呼吸、むずむず脚症候群、過眠症等がある。
    • 睡眠障害が疑われる場合は、早期の医療機関への受診を推奨。
  • 妊娠・子育てと睡眠健康について
    • 女性の睡眠は、ホルモンバランスによる影響を受ける。
    • 妊娠中の睡眠不足や睡眠障害による睡眠の質の低下は、胎児の健康リスクとなる可能性があるとの報告あり。
    • 養育者にとって、子育て期の睡眠の確保は健康維持・増進のために重要であることを紹介。
  • 就業形態と睡眠の課題について
    • 交替制勤務は体内時計の機能に逆らって生活せざるを得ないため、身体に負担の掛かる業務形態であることから、
    • 不眠や睡眠休養感の低下等により、生活に支障を来たしている場合は医療機関の受診を推奨。
    • 勤務中の眠気、仕事の効率低下、事故防止に対する対応策を紹介。(例:夜勤勤務中に適切に仮眠ができる環境整備、カフェイン含有飲料の活用、サングラスの活用等)

厚生労働省 10月は「年次有給休暇取得促進期間」です~ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて年次有給休暇の取得を促進~
  • 厚生労働省では、年次有給休暇(以下「年休」)を取得しやすい環境整備を推進するため、毎年10月を「年次有給休暇取得促進期間」として、集中的な広報を行っています。
  • 「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(令和3年7月30日閣議決定)などにより、令和7年までに年休の取得率を70%とすることが、政府の目標に掲げられています。一方で、令和3年に年休の取得率は58.3%と過去最高となったものの、目標には届いていない状況です。
  • 働く人のワーク・ライフ・バランスの実現のためには、企業等が自社の状況や課題を踏まえ、年休を取得しやすい環境づくりを継続して行っていくことが重要です。
  • そのための取組として、(1)計画的な業務運営や休暇の分散化に資する年休の計画的付与制度(年休の付与日数のうち5日を除いた残りの日数について、労使協定を結ぶことにより計画的に年休の取得日を割り振れる制度)を導入すること、(2)働く人の様々な事情に応じた柔軟な働き方・休み方に資する時間単位年休(年休の付与は原則1日単位だが、労使協定を結ぶことにより年5日の範囲内で時間単位の取得ができるもの)を活用することなどが考えられます。
  • 厚生労働省では、こうした各企業等における取組を推進するため、年次有給休暇取得促進期間を通じて、年休の取得促進に向けた機運の醸成を図っていきます。
  • 実施事項
    • 年次有給休暇取得促進特設サイト、月刊誌「厚生労働」、「人事労務マガジン」での情報発信
    • インターネット広告
    • ポスターの駅貼り
    • 都道府県労働局による周知
    • 都道府県、全国規模の労使団体に対する周知依頼 など

厚生労働省 第61回労働政策審議会雇用環境・均等分科会
▼【資料1-3】雇用環境・均等分科会にて検討すべき2023年度の年度目標一覧(案)
  • 女性活躍推進法に基づく認定を受けた企業数1,712社(2021年度)、2,176社(2022年度)2,300社(2023年度目標値)
  • 次世代育成支援対策推進法に基づく認定(くるみんマーク取得)企業数3,801社、4,131社、4,200社
  • 男性の育児休業取得率13.97%、17.13%、28%
  • 2023年度目標値の設定の考え方
    • 女性活躍推進法に基づく認定を受けた企業数
      • 第5次男女共同参画基本計画(令和2年12月25日閣議決定)において定められた、2025年までに2,500社という目標及び2022年度の実績値(2,176社)を踏まえ、2,300社を目標としたもの。
        • ※2,176+(2,500-2,176)/3=2,284≒2,300社
    • 次世代育成支援対策推進法に基づく認定(くるみんマーク取得)企業数
      • 少子化社会対策大綱(令和2年5月29日閣議決定)及び第5次男女共同参画基本計画に定められた、2025年までに4,300社という目標及び2022年度の実績値(4,131社)を踏まえ、4,200社を目標としたもの。
        • ※4,131+(4,300-4,131)/3=4,187≒4,200社
    • 男性の育児休業取得率
      • こども未来戦略方針で示された、2025年までに50%を目指すという方針及び2022年度の実績値(17.13%)を踏まえ、28%を目標としたもの。
        • ※17.13+(50-17.13)/3=28.086666・・・≒28%
  • 直近の実績値データ出所
    • 女性活躍推進法に基づく認定を受けた企業数
      • 【雇用環境・均等部(室)による法施行状況調べ】
        • ※女性活躍推進法に基づく行動計画を策定・実施し、厚生労働大臣による認定を受けた全国の企業数(令和5年3月末時点)
    • 次世代育成支援対策推進法に基づく認定(くるみんマーク取得)企業数
      • 【雇用環境・均等部(室)による法施行状況調べ】
        • ※次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画を策定・実施し、厚生労働大臣による認定を受けた全国の企業数(令和5年3月末時点)
    • 男性の育児休業取得率
      • 【厚生労働省「令和4年度雇用均等基本調査」】
        • ※5人以上規模事業所で2020年10月1日から2021年9月30日までの1年間に配偶者が出産した者に占める育児休業取得者(2022年10月1日までに育児休業を開始した者)の割合

厚生労働省 10月は中小企業退職金共済制度の「加入促進強化月間」です~掛金の一部を国が助成する「安心・簡単・有利」な中小企業のための退職金制度~
  • 厚生労働省所管の独立行政法人勤労者退職金共済機構は、毎年10月を中小企業退職金共済制度※の「加入促進強化月間」とし、この制度への加入促進や広報活動などを行います。
  • 中小企業退職金共済制度は、退職金制度を単独で備えることが難しい中小企業のために設けられた国の退職金制度で、中小企業の事業主同士が掛金を拠出しあう仕組みと、国の援助で成り立っています。掛金の一部を国が助成し、管理も簡単で、税制上の優遇措置が受けられるなどのメリットがあり、令和5年6月末時点で、約56万の中小企業が加入しています。
  • 制度を運営する勤労者退職金共済機構は、この月間中、中小企業退職金共済制度の加入促進活動や広報活動を積極的に実施するとともに、制度に関する個別相談や説明会を実施します。また、この活動を後援している厚生労働省では、都道府県労働局における周知・広報、都道府県に対する制度の周知依頼など、さまざまな活動に取り組みます。
    • ※中小企業退職金共済制度には、一般の中小企業を対象とする「一般の中小企業退職金共済制度(中退共)」と、期間雇用従業者を対象とした「特定業種退職金共済制度」があります。「特定業種退職金共済制度」には「建設業退職金共済制度(建退共)」、「清酒製造業退職金共済制度(清退共)」、「林業退職金共済制度(林退共)」があります。詳細は、勤労者退職金共済機構のウェブサイトをご覧ください。
  • 主な取り組み内容
    • 独立行政法人勤労者退職金共済機構
      • ポスター・パンフレットの配布など
        • 中退共、建退共、清退共、林退共の各制度のポスター・パンフレットを作成し、市役所やハローワークといった公共の場所にポスター掲示を依頼します。また、関係機関や事業主団体を通じて事業主などへパンフレットを配布します。
      • マスメディアなどを通じた広報の強化
        • テレビ・ラジオ・新聞などのマスメディア、インターネット、地方公共団体・関係団体などの発行する広報紙(誌)による広報を強化します。
      • 事業主団体などを通じた周知・啓発、協力要請
        • 事業主団体や関係団体などに、各制度の周知・啓発の協力要請をします。
        • 建退共に加入していることを示す「建退共現場標識」の掲示を要請します。
    • 厚生労働省
      • 都道府県労働局でポスター掲示などの周知・広報を実施します。
      • 都道府県に対し、制度の周知に関する協力などを依頼します。
      • 各行政機関、事業主団体などに、勤労者退職金共済機構の実施する加入促進活動への協力を要請します。

厚生労働省 「令和5年版 労働経済の分析」を公表します~分析テーマは「持続的な賃上げに向けて」~
▼【概要】令和5年版 労働経済の分析
  • 「令和5年版 労働経済の分析」のポイント
    • 2022年の労働経済の推移と特徴
      • 我が国の雇用情勢は、経済社会活動が徐々に活発化する中で持ち直している。雇用者数については、女性の正規雇用者数が堅調に増加したほか、「宿泊業,飲食サービス業」「生活関連サービス業,娯楽業」では減少から増加に転じた。
      • 人手不足感はコロナ前の水準まで戻りつつある中、転職者は、「より良い条件の仕事を探すため」が牽引し、3年ぶりに増加に転じた。
      • 名目賃金は全ての月で前年同月を上回り、民間主要企業の賃上げ率は、2.20%と4年ぶりに前年の水準を上回った。一方で、円安の進行等に伴う物価上昇により、実質賃金は減少した。※実質賃金:前年比▲1.0%(2021年+0.6%、2020年▲1.2%)
    • 賃金の現状と課題
      • 賃金は、1970年から1990年代前半まではほぼ一貫して増加していたが、1990年代後半以降、それまでの増加トレンドから転換し、減少又は横ばいで推移している。
      • 1990年代後半以降、物価の影響も考慮すると、一人当たりの実質労働生産性は他の主要先進国並みに上昇しているものの、実質賃金は伸び悩んでいる。我が国においては、労働時間の減少や労働分配率の低下等が賃金を押し下げている。
      • 我が国の賃金の伸び悩みには、企業の利益処分、労使間の交渉力、雇用者の構成等の変化や、日本型雇用慣行の変容、労働者のニーズの多様化が寄与した可能性がある。
    • 賃上げによる企業・労働者や経済等への好影響
      • 賃上げは、企業にとっては、求人の被紹介確率を上昇させるとともに離職率を低下させる等の効果が、労働者にとっては、仕事の満足度を高める等の効果がある。
      • 賃上げは、経済全体でみると、消費や生産等を増加させる効果がある。また、賃上げや雇用の安定は、希望する人の結婚を後押しする観点からも重要。 ※全労働者の賃金が1%増加した場合に見込まれる効果:生産額 約2.2兆円、雇用者報酬 約0.5兆円
    • 企業と賃上げの状況について
      • 売上総額や営業利益等が増加した企業や、今後増加すると見込む企業ほど、賃上げを行う傾向がある。
      • 価格転嫁ができている企業ほど賃上げする傾向がある。価格転嫁できない理由は、「価格を引き上げると販売量が減少する可能性がある」が最多。
    • 持続的な賃上げに向けて
      • スタートアップ企業等の新規開業と賃金の関係
        • OECD諸国についてみると、開業率と労働生産性・賃金上昇には正の相関がみられる。
        • スタートアップ企業等における賃上げ率や、成長見通しは、創業15年以上の企業よりも高く、賃上げにも積極的な傾向がある。
          • ※スタートアップ企業は、通常創業10年以内の非上場企業とされるが、データの制約から15年未満の企業について分析。
      • 転職によるキャリアアップや正規雇用転換と賃金の関係
        • 転職を経ると2年後に転職前と比べて年収が大きく増加する確率が高まる。
        • また、非正規雇用労働者が正規雇用に転換すると、年収が大きく増加するだけではなく、安定した雇用に移ることで、キャリア見通し、成長実感が改善し、自己啓発を行う者の割合も高まる傾向がある。
    • 政策による賃金への影響(最低賃金制度、同一労働同一賃金)
      • 最低賃金が近年大きく上昇している中で、最低賃金近傍のパートタイム労働者割合は高まっている。最低賃金の引上げは、最低賃金+75円以内のパートタイム労働者の割合を大きく上昇させ、時給が低い(下位10%)パートタイム労働者の賃金を大きく引き上げる可能性がある。
      • 同一労働同一賃金の施行は、正規・非正規雇用労働者の時給差を約10%縮小させ、非正規雇用労働者への賞与支給事業所割合を約5%上昇させた可能性がある。
  • 雇用情勢の動向
    • 我が国の雇用情勢は、経済社会活動が徐々に活発化する中で、持ち直している。
    • 雇用者数については、男女ともに非正規雇用労働者は回復に弱さがみられるが、女性の正規雇用労働者は堅調に増加している。産業別にみると、「宿泊業,飲食サービス業」「生活関連サービス業,娯楽業」は減少から増加に転じたほか、「医療,福祉」「情報通信業」では引き続き増加がみられた。
    • 雇用の過不足の状況をみると、2021年12月以降は全ての産業において「不足」超となっているなど、人手不足感はコロナ前の水準まで戻りつつある。
    • 民間職業紹介事業について、「介護サービスの職業」「歯科医師、獣医師、薬剤師」等では、常用求人数が新規求職申込件数の2倍以上となった一方、「一般事務の職業」では、新規求職申込件数を大きく下回った。
    • 前職を離職した理由別に転職者数の前年差をみると、2022年は「より良い条件の仕事を探すため」が3年ぶりに増加に転じている。
  • 労働時間・賃金の動向
    • 労働時間をみると、感染症の影響による2020年の大幅減から2年連続で増加した。
    • 名目賃金(現金給与総額)は、前年比で全ての月において増加した。2022年の民間主要企業の賃上げは、賃上げ率が2.20%となっており、4年ぶりに前年の水準を上回った。
    • 一方で、円安の進行や輸入原材料の価格の高騰に伴う物価上昇がみられ、実質賃金は減少した。
  • 持続的な賃上げに向けて賃金の現状と課題
    • 賃金については、1970年からおおむね1990年代前半までは、ほぼ一貫して増加している一方で、1990年代後半以降、それまでの増加トレンドから転換し、減少又は横ばいで推移している。(※)1970年代~1990年代前半までは、名目労働生産性と名目賃金がどちらもほぼ一貫して増加しており、両者は極めて強く連動していたが、1990年代後半以降、生産性の上昇ほどは賃金が増加しづらい状況が継続している。
  • 主要先進国の賃金の動向
    • 一人当たり名目労働生産性・名目賃金は、我が国では25年間ほぼ横ばいで推移している。
    • 物価の影響も考慮した実質でみると、一人当たり実質労働生産性は他国並みに上昇しているものの、一人当たり実質賃金は伸び悩んでいる。
    • 我が国においては、労働時間の減少や労働分配率の低下等が一人当たり賃金を押し下げている。
  • 我が国において賃金が伸び悩んだ背景
    • 我が国の労働時間は、他国と比べても大きく減少している。この背景には、フルタイム・パートタイム労働者それぞれの労働時間の減少だけではなく、パートタイム労働者比率の上昇が大きく寄与している。
    • また、労働分配率は一貫して低下傾向であり、1996~2000年から2016~2020年までの労働分配率の低下幅はOECD諸国の中でも大きい。
      1. 企業の利益処分の変化
        • 企業の内部留保は付加価値額の増加等を背景に増加している。先行きの不透明感等、将来見通しの低さが企業をリスク回避的にさせ、企業が賃上げに踏み切れなかった可能性。
      2. 労使間の交渉力の変化
        • 企業の市場集中度が高く、また、労働組合加入率が低いほど、賃金水準が低い傾向がある。労働組合組織率の低下等、労使間の交渉力の変化が賃金を下押しした可能性。
      3. 雇用者の構成変化
        • 雇用者の構成(産業構成・勤続年数・パート比率等)割合を1996年で固定した試算値や、賃金の寄与度分解をみると、雇用者の構成変化が賃金に影響している可能性。
      4. 日本型雇用慣行の変容
        • 同一企業に勤め続ける「生え抜き正社員」割合は低下傾向で推移している。大企業では、「生え抜き正社員」の昇進の遅れも賃金を下押しした可能性がある。
      5. 労働者のニーズの多様化
        • ここ25年で就業者に占める女性や高年齢層の男女の割合が上昇している。女性や高年齢層では、希望賃金が低い傾向があり、また、相対的に求人賃金の低い事務的職業や運搬・清掃等の職業を希望する割合が高い。
  • 賃上げによる企業や労働者への好影響(ミクロの視点)
    • 近年、企業の人手不足は企業規模にかかわらず深刻化しているが、高い求人賃金や完全週休2日、ボーナスあり、時間外労働なし等の条件が加わると、求人の被紹介確率が上昇する。
    • 賃上げは、企業にとっては、既存の社員のやる気向上や離職率の低下等の効果があり、増加額が高いほど、仕事への満足度の向上や、生き生きと働けるようになる等の効果がある可能性がある。
  • 賃上げによる経済等への好影響(マクロの視点)
    • フルタイム労働者の定期・特別給与が1%増加すると、各々0.2%、0.1%消費を増加させる効果がある。
    • 全労働者の賃金が1%増加すると、生産額が約2.2兆円、雇用者報酬が約0.5兆円増加すると見込まれる。
    • 相対的に年収が高い層ほど、結婚確率が高くなる効果がみられる(正規雇用も結婚確率を引き上げる効果がある)。若年層の賃上げや雇用の安定は、希望する人の結婚を後押しする観点からも重要。
  • 企業と賃上げの状況について(アンケート調査による分析)
    • 売上総額等が3年前と比べて「増加」した企業ほど、賃上げを実施している傾向がある。また、売上総額等が「増加」すると見込む企業において、賃上げを実施した企業の割合が高い。
    • 価格転嫁は、8割以上転嫁できている企業は1割強にとどまる一方、全く転嫁出来ていない企業が3割にのぼる。価格転嫁ができている企業ほど賃上げできている傾向。価格転嫁できない理由は、「価格を引き上げると販売量が減少する可能性がある」が約34%と最多。
  • スタートアップ企業等の新規開業と賃金の関係
    • OECD諸国についてみると、開業率と労働生産性・賃金には正の相関がみられる。
    • スタートアップ企業等は、創業15年以上の企業よりも賃上げ率や成長見通しが高い。※定期給与増加率の比較は、企業業績が何らかの形で改善している企業に限っている。
    • 収益増を見通すスタートアップ企業等は、ベースアップにも積極的な傾向がある。
  • 転職によるキャリアアップや正規雇用転換と賃金の関係
    • 転職等希望者に占める転職者の割合は2020年以降低下しており、感染拡大期において、転職へのニーズが実現出来ていなかった可能性がある。一方で、転職を経ると2年後に転職前と比べて年収が大きく増加する確率は高まる。
    • 非正規雇用労働者が正規雇用転換すると、年収が大きく増加するだけではなく、安定した雇用に移ることで、キャリア見通し、成長実感が改善し、自己啓発を行う者の割合も高まる傾向がある。
  • 政策による賃金への影響 最低賃金引上げ
    • 最低賃金が近年大きく上昇している中で、最低賃金近傍のパートタイム労働者割合は高まっている。
    • 最低賃金引上げは、最低賃金+75円以内のパートタイム労働者の割合を大きく上昇させる可能性がある。
    • 最低賃金引上げは、パートタイム労働者下位10%の賃金を0.8%程度、中位層においても0.7%程度引き上げる可能性がある。
  • 政策による賃金への影響 同一労働同一賃金~雇用形態間の賃金差~
    • 正規雇用労働者と非正規雇用労働者の時給比は、勤続年数が長くなると拡大する傾向がある。
    • 同一労働同一賃金の施行は、正規・非正規雇用労働者の時給差を約10%縮小させ、非正規雇用労働者への賞与支給事業所割合を約5%上昇させた可能性がある。

厚生労働省 新しい時代の働き方に関する研究会 第14回資料
▼資料1 新しい時代の働き方に関する研究会 報告書(案)
  • 企業を取り巻く環境の変化)
    • 経済のグローバル化、急速なデジタル化の進展により国際競争が激化しており、国際政治環境の不安定化やウィズコロナ・ポストコロナ社会の到来などにより世界的に物価基調の変化が生じ、金融市場・商品市場が不安定化している。
    • また、Web3.0をはじめとする次世代インターネット概念の普及や、ChatGPT等の大規模言語モデルの発展が著しく、これらを基に新たなビジネスモデルが創出されていくことが見込まれ、これまで以上に、企業環境が大きく変化していくことが予測されている。デジタル技術の革新は、事業活動に大きな恩恵をもたらすものであると同時に、市場や競争環境を劇的に変え、事業活動に非連続的な変化を引き起こす可能性があり、企業が直面する不確実性を生む要因の一つとなっている。
  • 労働市場の変化
    • 人口減少等に伴う労働市場の構造変化の中で深刻な人手不足が起こっている。我が国では少子高齢化が急速に進み、既に人口減少局面にあり、今後は15~64歳の現役世代の減少が更に進む見込みである。さらに、女性・高齢者の労働参加が進んだことから、近年増加してきた労働力人口・就業者数も令和元(2019)年を転機に減少傾向2に転じている。人手不足の状況は新型コロナウイルス感染症の影響下で一時的に緩和されたものの、その後は産業間で差が見られつつも再び深刻化し、その傾向は令和4(2022)年に入り強まる状況3にある。こうした状況は、豊富な労働力供給を前提とした雇用管理に転換を迫るものである。
    • また、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展は労働需要(必要なスキル・人材)の変化を引き起こしており、業種や職種を超えて広範に企業の人材戦略に影響を及ぼしている
  • 働く人の意識の変化、希望の個別・多様化
    • 職業人生の長期化・複線化が進む中で、仕事に対する価値観や、生活スタイルが個別・多様化し、仕事に対する価値観や生活スタイルに応じて働く「場所」、「時間」、「就業形態」を選択できる働き方を求める人が増加している。
    • また、新型コロナの影響下でのテレワークの進展を契機に、「働く場所」を選ぶ働き方が広がるとともに、オンラインを通じてジョブマッチングが行われるプラットフォームワーカーが増加するなど、個別・多様化する働く意識や希望する働き方とキャリアに合わせて、勤務場所や勤務時間を選び、それぞれのワークスタイルに合った働き方を採ることが普及している。
    • こうした働き方の変化は、雇用契約の当事者である「労働者」いわゆる「正規雇用」「非正規雇用」にとどまらず、フリーランス等を含む「働く人」全体に見受けられる。
  • 本研究会でのヒアリング結果
    • 集団・個別双方の労使コミュニケーションを行いながら、雇用管理・労務管理を実施している。
      • 全社員リモートワーク・バーチャルオフィスという会社もあれば、オフィスワークのメリットを再評価しているところ、人材育成と人材定着のため、長期雇用を再評価し、社内労働市場で流動化を図るところなど様々である。
      • ポストごとの職務・必要能力等を明確化し、社員とのコミュニケーションを行いつつキャリア形成を支援していた企業もあった。
      • ビジネスミッション・必要な人材像を共有し、人事部局と社員とのコミュニケーションで人材配置を実施していた企業もあった。
      • 企業においては、過半数労組・過半数代表者に限らない労使コミュニケーションを積極的に活用している様子が見られた。以下はその具体例である。
      • 睡眠時間やメンタルヘルスの状況、労働者の仕事の満足度、人間関係、健康状態などをアプリ等で直接把握し、雇用管理・労務管理に活かす企業
      • 経営陣と従業員有志との議論を経て人事制度改革を行い、制度導入後の状況を人事担当が全国の事業所に直接訪問して把握しPCDAに活かす等といった労使対話を行う企業
      • 労働組合が組織されていないため過半数代表者を法定要件を満たす必要から選出しているものの労使コミュニケーションを行うにあたっては実効的ではないため、労働者の働くニーズや就労の状況を個別の労使コミュニケーションにより把握する企業
      • 企業は、労働時間と成果がリンクしない働き方をしている労働者に対して、労働時間を厳格に管理しつつ生産性を向上させることに課題を持っている。
      • 多様で主体的なキャリアの実現、拡大する新たな働き方等に対応できるよう、労働者とコミュニケーションを図り同意を得た上で労働時間制度をより使いやすく柔軟にしてほしいという希望も見受けられた。
    • 健康管理・職場環境改善を重視し、社員とのコミュニケーションを踏まえて改善を図っている。
      • 法定の健康管理を超えて、職場環境改善のための取組みを積極的に実施していた。以下は、その具体例である。
      • 社員アンケートをもとに職場環境の状況を見える化したうえで課題を発見し、職場環境の改善を行う企業
      • 身体の健康、こころの健康を維持・増進するためには、健康経営を掲げた上で実年齢と健康年齢の差を縮めることを目標に施策を講じる企業
      • 個々の働く人の、睡眠時間やメンタルヘルスの状況をアプリ等で把握し、個人と組織の働き方の課題を分析することで労働生産性向上を図る企業
      • 全社員リモートワークの企業においても、勤怠管理・健康診断等の健康管理は重視しており、健康マネジメントを必要に応じて実施していた。
      • 企業は、労働者の健康管理を行うに当たって、労働者の健康に係る情報を業務遂行に直接かかわる部分を超えてどこまで把握してよいかについて課題感を持っていた。
  • 希望する働き方について
    • 労働者の希望する将来の働き方は多様であり、その中で「なりゆきに任せたい」「わからない」とする労働者(56.5%)が一定存在しており、自らの働き方について明確な意思を持っていない層が多いことがうかがえる。
    • 仕事の裁量については、手順(53.3%)、時間配分(54.4%)、場所(47.2%)ともに自らの裁量を増やしたい6という層が一定存在する。さらに、それを職種別に見ると、例えば仕事時間の裁量については管理的職業7(74.3%)や専門的技術的職業8(63.2%)においてその割合が高く、年収が高ければ高いほどその傾向が高まっている(300万円未満:45.6%、1000万円以上:71.5%)。
    • また、リモートワークの希望については、希望しない層(60.6%)が一定存在しており、また、業種によって傾向も異なる。情報通信業(70.3%)、金融・保険業(52.2%)、学術研究、専門・技術サービス業(52.1%)など特定の業種でリモートワークを希望する層が多い一方、運輸・郵便業(74.0%)、宿泊業・飲食サービス業(74.2%)、医療・福祉業(74.7%)については希望しない層が多く、業種によってリモートワークへの希望は多様であることがうかがえる。
    • 希望する労働時間制度については、通常の労働時間制度(61.8%)、フレックスタイム制度(53.2%)を希望する層が多いが、変形労働時間制度(37.3%)、みなし労働時間制度(30.8%)、労働時間制度の対象としない働き方(27.4%)を希望する層も一定存在し、労働者のニーズは多様である。
    • 労働時間の長さについては、現状維持を望む層(59.2%)が一定存在している一方、増やしたいと回答した割合は14.5%、減らしたいと回答した割合は26.3%である。
    • 一つの企業で長く働くことをこれまで以上に重視する層(57.9%)が一定存在しており、安定志向がうかがえる。
    • 今後仕事よりも仕事以外の生活を大切にすると回答した層は74.3%を占め、多くの方が仕事以外の生活を大事にしたいと考えていることが分かる。
  • 個人と組織の関係性
    • 個人について
      • 長期雇用の下で上司の指示どおりに着実に業務をこなす等、これまでと同様の働き方が馴染む労働者が多く存在する一方、仕事に対する価値観や生活スタイルの個別・多様化を背景にして、自発的なキャリア形成と、ライフステージ・キャリアステージにあわせた多様な働き方を求める労働者が増えている。
      • そのため、企業に対してライフステージ・キャリアステージの変化に応じて多様な働き方14をとることができることや、能力を高め、発揮し、豊かなキャリアを形成できる機会の提供を求める者が増加している。
    • 組織について
      • 企業を取り巻く環境、労働市場の変化に対応するためには、企業にとって長期的な視点に立って優れた人材を確保し活用することが重要である。
      • そのため企業では、長期雇用(雇用の安定が確保された中で働くこと)や企業内キャリア形成を重視しつつ、労働者の能力や成果を評価し、処遇や人材配置などに反映していく仕組みが広がっている。こうしたことから、働く人の多様で主体的なキャリア形成を支援しつつ、パーパス(企業の存在意義)経営を推進するために、エンゲージメントを高める、求める人材像や能力の見える化を図る、1on1などにより労働者とのコミュニケーションを図る等の取組みを重視する企業がでてきている。
    • 個人と組織の関係性について
      • こうした個人と組織が求められることの変化を背景にして、新しい個人と17企業の関係の構築を指向するケースが増加している。
      • そこでは、企業には、働く人に対して、正規雇用・非正規雇用等の従来型の雇用形態にとらわれず、全ての働く人が働き方を柔軟に選択し、能力を高め発揮できる環境を提供することが、働く人には、自発的に働き方とキャリアを選択した上で能力を発揮することが、求められている。
  • これからの労働基準法制の検討の基礎となる視点
    • 「守る」と「支える」の二つの視点
      • これからの労働基準法制の在り方を考えるに当たっては、「守る」と「支える」という2つの視点が重要であり、その視点を実現するためにどのような法制が必要かという視点で検討を進めていく必要がある。
    • 「守る」について
      • 心身の健康の重要性は全ての働く人に共通である。従来から労働基準行政が果たしてきた労働者を「守る」役割は、引き続き確保されるべきである。
      • 全ての働く人が心身の健康を維持しながら幸せに働き続けることのできる社会を実現するためには、労働基準法制において、変化する経済社会の下でも変わらない労働憲章的な規定や基本原則、封建的な労働慣行を排除するための規定を、全ての労働者にとって変わることのない「守る」べき考え方としてこれからも堅持すべきものである。
      • この考え方を前提として、労働基準法制における具体的な制度設計においては、労働者の心身の健康をしっかりと「守る」ものとして検討される事が必要である。
      • 変化する経済社会の中で、働く人の働き方に・キャリア形成に関する希望の個別化・多様化は急速に進んでいる。加えて、一人の労働者の中でも、育児や介護を含めたライフステージ・キャリアステージの移り変わりの中で、働き方に対する希望は変化を続ける。
      • こうした環境下において、労働基準法制として「どのような働き方をする働く人」について「どのように守るのか」、すなわち働く人の「守り方」について、今後の働き方の変化に対応して再検討していくことが必要である。
      • 「守り方」の再検討に当たっては、まず労働者の健康を確保するに十分な制度であることが大前提であり、これに加えて、個々の労働者の多様な希望や事情に応じた柔軟な活用ができるものであることが求められる。
      • また、後述の「支える」視点においても、健康確保は生命に関わる大切なことであるとともに、仕事の質や働きがいを向上させることにつながるものであるため、働く人の健康が害されることがないようにすることが必要である。
    • 「支える」について
      • 人は、よりよい職業生活を送り、人生を豊かにすることを目指して日々働いている。そして、変化する経済社会の中でより良い職業生活を実現していくために、ライフステージ・キャリアステージや自らの望むワークスタイルに合わせて、また自己の成長やキャリア形成を実現するために柔軟に働くことを希望する労働者が増えている。
      • 労働基準法制が、心身の健康が確保され、人たるに値する生活を営むための必要を満たす労働条件を「守る」にとどまらず、働く人の働き方やキャリア形成の希望を叶え、より良い職業生活を送ることができるよう「支える」ことについて、労働基準法制が適切に効力を発揮するよう見直すことが必要である。具体的には、対等な労使コミュニケーションの下で、働く人が多様な働き方を選択できることや、自発的な能力開発と成長を促し、その目的の達成に向けた働き方を実現すること等、「支える」ことが重要になろう。
      • 「守る」視点で述べた、変わることのない原則や、労働者の健康確保を堅持することは前提である。
      • その上で、労働基準法制は、自らの希望やキャリアを踏まえて自発的に働き方を選択しようとする人の妨げにならないよう、また働く人の自発的な選択と希望の実現を「支える」ことができるよう、「多様性尊重の視点」に立って整備されていくことが重要である。
      • そうした「多様性尊重の視点」に立った整備が実効あるものになるためには、自発的な選択を行った人が、意図せず不利な状況に陥ることを防ぐため、労使の適正なコミュニケーションがはかられるような労働基準法制とすることが求められる。経営者が労働者を雇用する以上、経営者が労働者より強い立場にあるため、労働条件や制度の決定に経営側の都合のみが優先され、働く人の選択や希望が反映されないといったことにならないようにすべきである。
  • 「守る」「支える」ための具体的な制度設計に向けた考え方
    • ここまで述べた「守る」「支える」を実現するための労働基準法制について、具体的な制度設計を検討するに当たって、押さえるべき考え方を以下のとおり整理する。
      • 変化する環境下でも変わらない考え方を堅持すること
      • 個人の選択にかかわらず、健康確保が十分に行える制度設計
      • 個々の働く人の希望をくみ取り、反映することができる制度設計
      • ライフステージ・キャリアステージ等に合わせ、個人の選択の変更が可能な制度設計
      • 適正で実効性のある労使コミュニケーションの確保
      • シンプルでわかりやすく実効的な制度設計
      • 労働基準法制における基本的概念が実情に合っているかの確認
      • 従来と同様の働き方をする人が不利にならない制度設計
    • また、経済社会の変化に対応して変わりゆく労働基準法制の適切な履行を確保するためには、労働基準監督署による事業場の臨検監督を主たる手法としてきた労働基準監督行政の在り方について検討する必要がある。
  • 変化する経済社会の下でも変わらない考え方
    • 労働基準法において、労働条件は労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならず、同法で定める労働条件は最低のものであり、労働条件の向上を図るよう努めるべきこととされている。
    • また、基本原則として、労使対等の原則、均等待遇、男女同一賃金原則、強制労働の禁止や中間搾取の排除、年少者、妊産婦等に関する規定が設けられており、これらの考え方や規定は、企業を取り巻く環境が変化したり、働く人の選択や希望が個別・多様化する中においても、全ての労働者にとって変わることのない基盤である。
    • 加えて、現場においては、不当な条件の下で働く者や長時間労働により健康上の支障が生じる者がおり、もとよりこのような方々を保護することは当然のことであるが、今後、新しい時代に即した労働基準法制の方向性を検討していく中でも、このような方々を如何にして保護していくかという労働保護の精神は忘れてはならない基本的価値観である。
  • 個々の働く人の選択・希望の変化を踏まえた制度
    • 全ての働く人が心身の健康を維持しながら働き続けることができるよう、これまで同様、強制力のある規制により労働者の権利利益の保護を行うべきである。
    • 一方、企業においては労働時間と成果がリンクしない働き方をしている労働者については、労働者の多様で主体的なキャリア形成のニーズや、拡大する新たな働き方に対応できるよう、労働者とコミュニケーションを図り同意を得た上で労働時間制度をより使いやすく柔軟にしてほしいという希望も見受けられた。そのほか、テレワークや副業・兼業のように職場の概念が変わり、従来の雇用管理では対応が難しくなっている場合や、フリーランスなど雇用によらない働き方をする者など、従来の労働基準法制のみでは有効に対応できない場合、労働基準監督署による事業場への臨検を前提とした監督指導が馴染まない場合など、働く人の働き方の変化に伴い、労働基準法制定当時では想定されなかった新たな課題が起きているので、それらのことも念頭に、それぞれの制度の趣旨・目的を踏まえ、時代に合わせた見直しが必要である。
    • また、その際には雇用形態の違いなどに関わらず、あらゆる働く人の健康と安全を「守る」ことを保障した上で、働く人の個別・多様化する働き方・キャリア形成の希望の実現を「支える」という配慮が求められる。
  • 適正で実効性のある労使コミュニケーションの確保
    • 働き方・キャリア形成に関する働く人の希望が個別・多様化し、企業も、多様性を重視する人材マネジメントを採る傾向を強めている。そのため、人材マネジメントは画一的・集団的管理から個別管理の傾向を強め、賃金・待遇等の格差が拡大することが想定されるので、労働者間の公平性・納得性の確保も課題となる。
    • こうしたことに対応するには、個々の労働者と使用者との間には情報や交渉力の格差があることを踏まえると、集団的労使コミュニケーションの役割はこれまでと以上に重要である。この点で、労働者が団結して賃金や労働時間などの労働条件の改善を図る上で、労働組合の果たす役割は引き続き大きい。
    • 一方で、企業においては、過半数労組・過半数代表に加えて様々な形での労使コミュニケーションを積極的に活用している様子も見受けられた。例えば、
      • 働く人の仕事の満足度、人間関係、睡眠時間やメンタルヘルスの状況などをアプリ等で直接把握し、雇用管理・労務管理に活かす企業、
      • 経営方針や人事施策等の検討に従業員の意見を反映させ、制度導入後の状況を人事担当が全国の事業所に直接訪問してPCDAに活かす等といった労使対話を行う企業、
      • そのほか、労働組合が組織されていないため、過半数代表制を法定要件を満たすため選出しているが、労使コミュニケーションを行うにあたっては実効的ではないため、働く人のニーズや就労の状況を個別の労使コミュニケーションにより把握する企業等があった。
    • また、上述したとおり、労働者の多様なキャリア形成のニーズや、拡大する新たな働き方に対応できるよう、労働者とコミュニケーションを図り同意を得た上で労働時間制度をより使いやすく柔軟にしてほしいという希望も見受けられる。さらに、働き方の個別・多様化が進む、非正規雇用労働者が増加する、労働組合組織率が低下する等の状況を踏まえると、企業内等において、多様な働く人の声を吸い上げ、その希望を労働条件の決定に反映させるためには、現行の労働基準法制における過半数代表者や労使委員会の意義や制度の実効性を点検した上で、多様・複線的な集団的な労使コミュニケーションの在り方について検討することが必要である。その際、労働基準法制については、労使の選択を尊重し、その希望を反映できるような制度の在り方を検討する必要がある。
  • 企業に期待すること
    • ビジネスと人権の視点
      • 経営活動のネットワーク化や国際化が進む中で、企業は自社内はもちろんのこと、企業グループ全体やサプライチェーン全体で働く人の人権尊重や健康確保を図っていくという視点(いわゆる「ビジネスと人権」の視点)を持って、企業活動を行っていくことが重要になっている。
      • そのため、最近では、自社・グループ会社及びサプライヤー等における人権侵害等を特定した上で、それらを防止・軽減し、その取組の実効性を評価し、どのように対処したのかを説明、情報開示していく人権デュー・ディリジェンスに取り組む企業も見られる。
    • 主体的なキャリア形成の支援
      • (人的資本投資への取り組み)
        • 働く人の主体的なキャリア形成を促していくためには、法制度において「支える」のみならず、使用者である企業による支援も重要となる。企業は人材を「人的資本」として捉え、積極的に投資(人的資本投資)して行くことが期待される。
        • 一方、人的資本投資が諸外国に比べて少ないといった指摘がある中、経営環境の変化に対して主体的・能動的に行動できる人材を必要としている我が国の企業は、その確保の観点からも、人的資本投資を増やすことが求められている。
        • 人的資本投資は、能力開発への投資にとどまらず、労働条件の改善、主体的なキャリア形成への支援への投資も含み、人材の価値、企業価値の向上とともに、個人の健康や幸福感の向上をもたらすことが期待される。
      • (働く人への情報提供)
        • 全ての働く人が価値創造の担い手である。したがって、企業は雇用形態や属性にかかわらず人的資本投資に取組み、全ての働く人の主体的な能力開発とキャリア形成を行う上で必要な情報や機会、例えば働く人が安心して学べるように、スキルアップ研修を受講するための時間の確保やその時間に対する賃金の保障などを働く人に提供することが重要である。
        • また、働く人に提供する機会と情報に格差が生じないよう、労使コミュニケーションを活用したサポートが重要である。
        • 加えて、企業内における情報提供はもちろんのこと、企業外にも情報発信、特にその企業が求める人材像や能力・スキルを示すことにより、その企業に合った人材が就職や転職を検討しやすくなるということも期待できる。
    • 働き方・キャリア形成への労使の価値観の共有
      • 企業は、働く人の自発的なキャリア形成を支援しつつ、働く人が高いエンゲージメント意識をもって働ける、人材マネージメントを実現することが求められている。
      • そのためには企業はパーパスを明確にし、ビジネスの将来像を明確にした上で求める人材像を可視化し、双方向のコミュニケーションを図ることにより、それを働く人と共有化することが大切である。
      • こうしたことにより、働く人は企業の求める方向を念頭に置いて能力を高めキャリアを形成することが、また企業は人材を確保し活用することが可能になる。
  • 働く人に期待すること
    • 働く人が幸せな職業人生を実現するためには、働き方を自ら選択し自由で豊かな発想や創造性・専門性をもって働き、自発的にキャリアを形成することが重要である。
    • そのためには、働き方が多様化するので、業務遂行の面でも健康管理の面でも自己管理能力(セルフマネジメント力)を高めることが求められている。
    • また、働く人は企業あるいは労働市場においてどのような人材が求められているか、自らの望む働き方や、キャリアに求められる能力は何かを明確にした上で、自主的に能力開発に取り組むことが求められている。
    • さらに働く人にとって、労働基準法制を正しく理解し活用すること、そのために国、企業等による教育や情報提供を活用して法制度の理解を深めることが大切である。
    • 加えて、働く人が自らのキャリアについてより適切に判断していくために、また、現在働いている職場の環境をよりよいものとしていくために、働く人がこうしたことについて自律的に考えるとともに、企業との交渉という側面だけでなく情報収集という観点からも、働く人同士のネットワークを構築していくことも有効と考えられる。こうしたつながりは、労働組合を活用しても良いし、もっと緩やかなつながりで行うことも考えられる。

【2023年9月】

厚生労働省 麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動の実施について~薬物乱用の根絶に向けた啓発を強化します~
  • 厚生労働省は、都道府県と共催して、10月1日(日)から11月30日(木)までの2か月間、「麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動」を実施します。
  • 令和4年の我が国の大麻事犯の検挙人員は5,546人で、過去最多を更新した令和3年に続く高い水準であり、「大麻乱用期」の渦中にあると言えます。このうち、30歳未満の若年層が約7割を占めており、若年層における乱用の拡大に歯止めがきかない状況です。
  • 麻薬、覚醒剤、大麻、危険ドラッグ等の薬物の乱用は、乱用者個人の健康上の問題にとどまらず、さまざまな事件や事故の原因になるなど、公共の福祉に計り知れない危害をもたらします。一度でも薬物に手を出さない・出させないことは極めて重要であり、国民一人ひとりの理解と協力が欠かせません。
  • この「麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動」は、薬物の危険性・有害性をより多くの国民に知っていただき、一人ひとりが薬物乱用防止に対する意識を高めることにより、薬物乱用の根絶を図ることが目的です。
  • 「麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動」の概要
    • 実施期間
      • 令和5年10月1日(日)から11月30日(木)までの2か月間
    • 実施機関
      • 主催:厚生労働省、都道府県
      • 後援:警察庁、こども家庭庁、法務省、最高検察庁、財務省税関、文部科学省、海上保安庁、公益財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センター
    • 主な活動
      • 厚生労働省と都道府県の共催による麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動
      • 地区大会の開催
      • 正しい知識を普及するためのポスター、パンフレット等の作成・掲示
      • 薬物乱用防止功労者の表彰

厚生労働省 G20保健大臣会合/G20財務大臣・保健大臣合同会合(2023年)
  • 2023年8月18・19日にG20保健大臣会合、8月19日にG20財務大臣・保健大臣合同会合が開催されました。
  • 8月18・19日にG20保健大臣会合、8月19日にG20財務大臣・保健大臣合同会合がインド・ガンディーナガルにて開催され、加藤勝信厚生労働大臣が出席しました。
  • 今回のG20保健大臣会合では「健康危機への予防・備え・対応」「安全で、有効な、質の高い感染症危機対応医薬品等へのアクセス」「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)と保健サービス向上のためのデジタルヘルス」の3つの議題について、議論が行われました。
  • 加藤厚生労働大臣は、G7長崎保健大臣会合とG7財務大臣・保健大臣合同会合の成果を踏まえ、世界中の人々の「より健康な未来に向けた協働」のために平時にも有事にも資するUHCを世界全体で達成できるよう、そのための取り組みをさらに進める必要があること、G20とG7の取り組みを連携させていくことが重要であることについてスピーチしました。

厚生労働省 第25回 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」(資料)
▼(参考資料1)参考資料(「生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに関するこれまでの議論の整理(中間まとめ)」において示された検討事項への対応状況等について)
  • 自立相談支援機関における新規相談受付件数・自立支援計画(プラン)作成件数について、令和3年度の新規相談件数は前年に比べ減少しているものの、プラン作成件数は増加している。
  • 関係機関の狭間で適切な支援が行われないといった事例の発生を防止するとともに、深刻な困窮状態にある世帯など支援を必要とする人を早期に把握し、確実に相談支援につなげるため、平成30年改正法で「支援会議」を創設。一方、支援調整会議は、個々の生活困窮者の支援プランの決定等を行い、継続的な支援を行うことを目的とするものであり、目的や対象者の範囲等が異なる。
  • 平成30年改正で新設された支援会議については、設置済み・設置予定ありの自治体は増加傾向にあり、令和3年度においては約4割の自治体が設置済み・設置予定ありの状況。
  • 支援会議の設置率については、増加傾向であり、令和5年度に5割を超える見込み。就労準備支援事業及び家計改善支援事業の実施予定率については、令和6年度に約9割となる見込み。一時生活支援事業及び子どもの学習・生活支援事業については、微増しているものの、増加率は鈍化傾向。
  • 支援会議を設置しない理由として、「支援会議を設置せずとも既存の体制で関係機関との連携が取れている」ことを(最大の)理由として挙げている自治体が多い。潜在的な支援会議の活用場面については、約8割の自治体が「あった」と回答。このような場合においては、「会議の場以外の通常業務における情報交換等の中」や「支援調整会議」において対応している場合が多い。
  • 他方、このような支援会議以外の方法で対応した場合、約2割の自治体が「関係機関との連携等について困難や課題を感じたことがあった」と回答。その具体的な内容としては、本人同意が得られない場合には支援が困難、関係機関の協力を得ることや役割分担が難しい、機関によって認識や対応に差異がある、連携に時間を要する等が挙げられた。
  • 支援会議を設置するために必要な国・都道府県からの支援については、「ガイドライン等の文書による設置方法の明確化」や「ノウハウや事例の提供」との回答が多い。具体的なノウハウ・事例の中身については、「支援会議の立ち上げ時における具体的な検討・調整過程の事例」が最も多い。
  • 国・都道府県からの必要な支援がある場合、支援がある場合、約8割の自治体が支援会議の設置について「設置の意向がある」又は「検討したい」と回答。
  • 自立支援プログラムは、福祉事務所設置自治体の897自治体(99.0%)で策定している。そのうち、経済的自立に関するプログラムを策定している自治体数及び策定プログラム数は894自治体(全福祉事務所(906自治体)に占める割合98.0%、3,104プログラムとなっている一方で、日常生活自立・社会生活自立に関するプログラムを策定している自治体数及び策定プログラム数は経済的自立に関するものと比べ少ない状況。
  • 令和4年度(7月時点)の就労準備支援事業の実施自治体数は695自治体で、全体の約8割が実施している。事業を実施しない理由として、「利用ニーズが少なく事業化しにくい」ことを(最大の)理由として挙げている自治体が多い。事業化したいが何らかの課題により事業を実施しないことを最大の理由として挙げている自治体は約3割。
  • 潜在的な事業の対象者については、約76%の自治体が「いた」と回答。このような者に対しては、「自立相談支援事業における就労支援」や「他の支援事業・支援機関につないだ」ことで対応している場合が多い。他方、このような就労準備支援事業以外の方法で対応した場合、約半数の自治体が「支援内容や支援効果等について困難や課題を感じたことがあった」と回答。その具体的な内容としては、対象者像にあった適切な支援ができなかった、思うように効果が得られなかった、支援に時間と専門的な知識を要する等が挙げられた。
  • 事業未実施自治体のうち、約9割の自治体は広域実施の検討を行っていない。その理由としては、単独実施を想定している自治体を除けば、「近隣に連携できる自治体があるかどうか分からない」「事業運営や費用等に係る自治体間の調整等が困難」「広域実施の方法が分からない」等の回答が多い。
  • 事業を実施するためには、ノウハウ・事例の提供や委託先の開拓・調整等に関する支援を求める回答が多い。具体的なノウハウ・事例の内容については、「実施要綱や仕様書等の例」や「事業の立ち上げ時における具体的な検討・調整過程の事例」「近隣自治体における実施のノウハウや事例」の回答が多い。
  • 国・都道府県からの必要な支援がある場合、約8割の自治体が就労準備支援事業の実施について「実施する意向がある」又は「検討したい」と回答。
  • 令和4年度(7月時点)の家計改善支援事業の実施自治体数は712自治体で、全体の約8割が実施している。
  • 事業を実施しない理由として、「自立相談支援事業で対応可能」であることを(最大の)理由として挙げている自治体が最も多く、続いて「利用ニーズが少なく事業化しにくい」と回答している自治体が多い。事業化したいが何らかの課題により事業を実施しないことを最大の理由として挙げている自治体は約35%。
  • 潜在的な事業の対象者については、約85%の自治体が「いた」と回答。このような者に対しては、「自立相談支援事業」や「他の支援事業・支援機関につないだ」といった対応を行っている場合が多い。他方、このような家計改善支援事業以外の方法で対応した場合、半数以上の自治体が「支援内容や支援効果等について困難や課題を感じたことがあった」と回答。その具体的な内容としては、対象者像にあった適切な支援ができなかった、思うように効果が得られなかった、支援に時間と専門的な知識を要する等が挙げられた。
  • 事業未実施自治体のうち、約9割の自治体は広域実施の検討を行っていない。その理由としては、単独実施を想定している自治体を除けば、「近隣に連携できる自治体があるかどうか分からない」「事業運営や費用等に係る自治体間の調整等が困難」「広域実施の方法が分からない」等の回答が多い。
  • 事業を実施するためには、ノウハウ・事例の提供や事業実施の法的根拠の明確化(必須事業化)を求める回答が多い。具体的なノウハウ・事例の内容については、「実施要綱や仕様書等の例」や「事業の立ち上げ時における具体的な検討・調整過程の事例」「近隣自治体における実施のノウハウや事例」の回答が多い。
  • 国・都道府県からの必要な支援がある場合、約8割の自治体が家計改善支援事業の実施について「実施する意向がある」又は「検討したい」と回答。
  • 令和4年度(7月時点)の子どもの学習・生活支援事業の実施自治体数は712自治体で、全体の約66%が実施している。
  • 一時生活支援事業については、巡回相談等により、路上生活者や終夜営業店舗等にいる住居に不安を抱えた生活困窮者へアウトリーチを実施し、自立相談支援機関と連携の上、シェルター利用中に、課題の評価・分析を実施し、就労支援等を行うとともに、一定期間内に限り、衣食住に関する支援を行う。
  • 令和4年度(7月時点)のシェルター事業の実施自治体数は346自治体で、全体の約4割が実施している。令和4年度(7月時点)の地域居住支援事業の実施自治体数は54自治体。
  • 事業を実施しない理由として、「利用ニーズが少なく事業化しにくい」であることを(最大の)理由として挙げている自治体が最も多く、続いて「利用ニーズが不明」と回答している自治体が多い。事業化したいが何らかの課題により事業を実施しないことを最大の理由として挙げている自治体は約15%。
  • 事業を実施しない理由として、「利用ニーズが少なく事業化しにくい」であることを(最大の)理由として挙げている自治体が最も多く、続いて「利用ニーズが不明」「自立相談支援事業で対応可能」と回答している自治体が多い。事業化したいが何らかの課題により事業を実施しないことを最大の理由として挙げている自治体は約1割。
  • 事業未実施自治体のうち、9割以上の自治体は広域実施の検討を行っていない。その理由としては、「近隣に連携できる自治体があるかどうか分からない」「事業運営や費用等に係る自治体間の調整等が困難」「広域実施の方法が分からない」等の回答が多い。
  • 事業未実施自治体のうち、9割以上の自治体は広域実施の検討を行っていない。その理由としては、「近隣に連携できる自治体があるかどうか分からない」「事業運営や費用等に係る自治体間の調整等が困難」「広域実施の方法が分からない」等の回答が多い。
  • 事業を実施するためには、ノウハウ・事例の提供や委託先の開拓・調整等に関する支援等を求める回答が多い。具体的なノウハウ・事例の内容については、「事業の立ち上げ時における具体的な検討・調整過程の事例」や「実施要綱や仕様書等の例」「近隣自治体における実施のノウハウや事例」の回答が多い。
  • 事業を実施するためには、ノウハウ・事例の提供や委託先の開拓・調整等に関する支援等を求める回答が多い。具体的なノウハウ・事例の内容については、「事業の立ち上げ時における具体的な検討・調整過程の事例」や「実施要綱や仕様書等の例」「近隣自治体における実施のノウハウや事例」の回答が多い。
  • 国・都道府県からの必要な支援がある場合、約7割の自治体が一時生活支援事業の実施について「実施する意向がある」又は「検討したい」と回答。国・都道府県からの必要な支援がある場合、約8割の自治体が地域居住支援事業の実施について「実施する意向がある」又は「検討したい」と回答。
  • 支給決定件数について、平成27年度~令和元年度は、約4,000~7,000件で推移していたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響等により、令和2年度は約135,000件に急増、令和3年度は約46,000件、令和4年度は約24,000件。また、特例措置である再支給決定件数について、令和2年度は約5,000件、令和3年度は34,000件、令和4年度は約13,500件となり、生活困窮者の生活の下支えとして大きな役割を果たした。
  • 住居確保給付金の受給事由は、令和2年度は「休業等」が約64%を占めていたが、令和3年度は「離職・廃業」の割合が増加し約55%となった。
  • 生活保護法上、都道府県知事は、市町村長に対して、保護の実施等のため必要な助言その他の援助を行うことができることとなっている。他方、現状は、都道府県は市町村に対して、医療扶助の運用等に係る疑義照会があった際の回答対応に留まっているといった声が聞かれるところ。
  • 指定医療機関に対する個別指導は、関係機関からの情報提供や、社会保険診療報酬支払基金から提供される診療報酬請求データ等の分析結果等から得られる指定医療機関の特徴等を総合的に勘案し、個別に内容審査した上で対象医療機関を選定することとしている。このうち、診療報酬請求データについては、請求全体に占める被保護者に関する請求割合が高いことや、被保護者以外と比較して被保護者の診療報酬明細書等の1件あたりの平均請求点数が高いこと等を例示している。

厚生労働省 働き方改革PR動画「はたらきかたススメ」シリーズ第4弾を公開~俳優・小芝風花さんを起用し、 建設業で働く方やドライバーへの時間外労働の上限規制の適用に向けて制作
  • 厚生労働省は、このたび、俳優の小芝風花さんを起用した働き方改革PR動画シリーズ「はたらきかたススメ」の第4弾を公開しました。
  • この動画シリーズは、2024年4月から開始する建設業で働く方やドライバーへの時間外労働の上限規制の適用に向けて制作したものです。今回公開した第4弾では、建設業で働く方の働き方改革を進めるにあたって、工事を発注する方々をはじめ、皆さまに知っていただきたいことを取り上げています。
  • 厚生労働省では、今後も、働く方が働きやすい環境で、健康に働き続けられるよう、働き方改革を推進してまいります
  • 動画掲載先
  • ▼はたらきかたススメ特設サイト

    ▼厚生労働省YouTube(2分43秒)

厚生労働省 第60回労働政策審議会雇用環境・均等分科会
▼【資料2】仕事と育児・介護の両立支援制度等の見直しについて
  • 子の年齢に応じた両立支援に対するニーズへの対応
    1. 子が3歳になるまでの両立支援の拡充
      • テレワークの活用促進
        • テレワークを事業主の努力義務に追加することについてどのように考えるか。
      • 現行の短時間勤務制度の見直し
        • 柔軟な勤務時間の設定に対するニーズとして、原則1日6時間とする措置以外に、他の勤務時間も併せて設定することを一層促すことについてどのように考えるか。
        • 短時間勤務制度を講ずることが困難な場合の代替措置(育児休業制度に準ずる措置、始業時刻の変更等の措置)に、テレワークを追加することについてどのように考えるか。
    2. 子が3歳以降小学校就学前までの両立支援の拡充
      1. 柔軟な働き方を実現するための措置
        • 短時間勤務や、柔軟な働き方を活用しながらフルタイムで働くことのニーズに対応する観点から、事業主が各職場の事情に応じて、2以上の制度を選択して措置を講じる義務を設けることについてどのように考えるか。
          • 事業主が選択する措置を以下とすることについてどのように考えるか。また、その他の措置として何か考えられるか。
            • a)始業時刻等の変更
            • b)テレワーク(所定労働時間を短縮しないもの)
            • c)短時間勤務制度(育児のための所定労働時間の短縮措置)
            • d)保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与(ベビーシッターの手配及び費用負担等)
            • e)新たな休暇の付与(労働者が就業しつつ当該子を養育することを容易にするための休暇)
          • 仮にこの仕組みを創設する場合、上記の選択する措置については、それぞれどのような内容とするべきか。
            • a)始業時刻等の変更
              • フレックスタイム制又は始業・終業の時刻の繰り上げ・繰り下げとすることについてどのように考えるか。
            • b)テレワーク(所定労働時間を短縮しないもの)
              • 仕事と育児の両立に資するといえる環境とするため、頻度等に関する基準を設けることについてどのように考えるか。その場合、どのような基準とするべきか。
            • c)短時間勤務制度(育児のための所定労働時間の短縮措置)
              • 所定労働時間を原則1日6時間とする措置を含むものとすることについてどのように考えるか。
            • d)保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与(ベビーシッターの手配及び費用負担等)
            • e)新たな休暇の付与(労働者が就業しつつ子を養育することを容易にするための休暇)
              • 付与する休暇の日数(時間単位の取得可)等についてどのような基準とするべきか。
          • 職場の労働者のニーズの把握のため、事業主が措置を選択する場合に、意見聴取の機会を設けることについてどのように考えるか。
          • この仕組みを創設する場合、3歳以降小学校就学前までの子を養育する労働者に関する措置として事業主に課せられている始業時刻変更等の措置等に関する既存の努力義務との関係をどのように考えるか。
      2. 所定外労働の制限(残業免除)
        • 3歳になるまでの子を育てる労働者と同様、3歳以降の子を育てる労働者の権利として残業免除を請求できることとすることについてどのように考えるか。仮に引き上げる場合、子の対象年齢を小学校就学前までとすることについてどのように考えるか。
    3. 子の看護休暇制度の見直し
      • 取得事由の見直しの範囲について、子の行事参加や学級閉鎖等を対象とすることについて、どのように考えるか。仮に見直しを行う場合、制度の名称の在り方についてどのように考えるか。
      • 子の対象年齢を引き上げることについてどのように考えるか。仮に引き上げる場合、子の対象年齢を小学校3年生までとすることについてどのように考えるか。
      • 子の病気のために利用した各種休暇制度の取得日数の状況等に鑑み、取得可能日数を引き続き1年間に5日(子が2人以上の場合は10日)とすることについてどのように考えるか。
      • 子の看護等のニーズは、勤続期間にかかわらず存在することから、労働移動に中立的な制度とする等の観点からも、継続して雇用された期間が6か月未満の労働者を労使協定によって対象から除外する仕組みを廃止することについてどのように考えるか。
    4. 育児期の両立支援のための定期的な面談について
      • これまでより制度利用期間が延びることで、制度の利用期間中に労働者の仕事と育児の状況やキャリア形成に対する考え方等も変化することが想定されることから、事業主が定期的な面談等を行うことについてどのように考えるか。特に、3歳以降小学校就学前の子を育てる労働者が、2.で事業主が措置した制度を利用する場合における面談等を行うことについてどのように考えるか。
    5. 心身の健康への配慮
      • 仕事と育児の両立のためにフレックスタイム制やテレワークなどを活用する際に、夜間の勤務や長時間労働等を理由に心身の健康の不調が生じることのないよう、事業主の配慮や労働者のセルフケアを促すことについてどのように考えるか。
  • 仕事と育児の両立支援制度の活用促進
    • 制度の活用をサポートする企業や周囲の労働者に対する支援
      • 育児休業や柔軟な働き方を支える体制整備を行う中小企業に対する助成措置についてどのように考えるか。
      • その他、両立支援制度の活用促進のための企業の支援として、職場の業務量の見直しや体制の整備などに関するノウハウの共有などができるようにすることについてどのように考えるか。
    • 育児休業等取得状況の公表
      • 男性の育児休業の更なる取得促進のため、常時雇用する労働者数1,000人超の事業主に対して義務付けられている男性の育児休業等取得率の公表義務の対象を、300人超の事業主に拡大することについてどのように考えるか。仮に拡大する場合、拡大された企業の規模を考慮した公表の仕方として、2年に1度の頻度にすることや社内の状況について説明できる仕組みを設けるなどの配慮をすることについて、どのように考えるか。
  • 次世代育成支援に向けた職場環境の整備
    • 次世代育成支援対策推進法(平成15年法律第120号)の期限(令和7年3月末)を延長することについてどのように考えるか。
    • 一般事業主行動計画について、数値目標の設定やPDCAサイクルの確立を法律上の仕組みとして位置付けることについてどのように考えるか。数値目標として男性の育児休業等取得率のほか何が考えられるか。
    • 「男女とも仕事と子育てを両立できる職場」という観点から、一般事業主行動計画に盛り込むことが望ましい事項についてどのように考えるか。
    • 政府の男性育休取得率の目標の引上げ等を踏まえ、「トライくるみん」、「くるみん」及び「プラチナくるみん」の認定基準の見直しについて、仕事と育児の両立支援の観点からどのように考えるか。
    • その他、仕事と子育ての両立をさらに進めていくために、必要な見直し事項はあるか。
  • 介護離職を防止するための仕事と介護の両立支援制度の周知の強化等
    • 労働者に対する個別の周知等及び環境整備
      • 両立支援制度を利用しないまま介護離職に至る者が多いという現状を踏まえ、介護離職を防止するために、以下の仕組みをつくることについてどのように考えるか。
        • 介護の必要性に直面した労働者に対し、仕事と介護の両立支援制度等に関する情報を個別に周知し、必要な制度が選択できるよう労働者の意向を確認することについてどのように考えるか。
        • 介護に直面するより早期に仕事と介護の両立支援制度等に関する情報を一律に提供することについてどのように考えるか。
        • 仕事と介護の両立支援制度の利用が円滑に行われるようにするために、研修の開催や相談窓口の設置等の雇用環境の整備を行うことについてどのように考えるか。
    • 介護休業
      • 現行の介護休業制度について、介護の体制を構築するために一定期間休業するものという制度の目的に照らすと、休業できる期間や分割回数について、現時点でさらに見直しが必要な状況は確認できないとすることについて、どのように考えるか。
      • 介護休業制度の目的に関する理解を促進するために、制度の趣旨を明確に示していくことについてどのように考えるか。
    • 介護休暇・介護期のテレワーク
      • 介護休暇
        • 日常的な介護のニーズは、勤続期間にかかわらず存在することから、労働移動に中立的な制度とする等の観点からも、継続して雇用された期間が6か月未満の労働者を労使協定によって対象から除外する仕組みを廃止することについてどのように考えるか。
      • 介護期のテレワーク
        • 介護期の働き方としてテレワークを活用できるようにするため、テレワークを事業主の努力義務に追加することについてどのように考えるか。
  • 個別のニーズに配慮した両立支援
    • 障害児等に係る現行の仕事と介護の両立支援制度の運用の見直し
      • 障害等がある子についても要件を満たせば介護休暇等の制度を利用できることや、現在事業主に必要な措置を講ずる努力義務があることの周知を強化することについてどのように考えるか。
      • 障害がある子に適用する際の現行の要介護状態の判断基準についてどのように考えるか。
    • 仕事と育児の両立に係る労働者の個別の意向の聴取と尊重
      • 事業主が、個々の労働者の意向を聴取して、当該意向を尊重するために、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)第21条第1項による本人又は配偶者の妊娠・出産等の申出時の育児休業取得に関する意向確認の際に、個別の意向を聴取することについてどのように考えるか。その場合、意向を聴取する時期や、聴取した意向への尊重の在り方について、どのように考えるか。
  • 仕事と育児・介護との両立支援に当たって必要な環境整備
    • 両立支援制度を安心して利用できる方策の検討
      • 両立支援制度を充実する際も、制度の利用申出や利用により不利益な取扱いを受けることがないようにすることについてどのように考えるか。
      • 両立支援制度の利用中・利用後の労働条件に関する事項等についてあらかじめ定め、これを周知するための措置を講ずる事業主の努力義務について引き続き周知することについてどのように考えるか。
    • プライバシーへの配慮
      • 妊娠・出産等や家族の介護に関する情報の社内での共有範囲に対する配慮を事業主に求めることについてどのように考えるか

厚生労働省 令和5年「老人の日・老人週間」の実施について 9月15日は「老人の日」、15日から21日は「老人週間」
  • 2023年は老人福祉法の制定から60年を迎える節目の年です。
  • 「みんなで築こう 健康長寿と共生社会」を標語に掲げ、全国社会福祉協議会、内閣府、消防庁などの11機関・団体とともに要綱を定めてさらにキャンペーンを推進していきます。
  • 今年度のキャンペーンでは、すべての高齢者が安心して自立した生活ができるまちづくり、高齢者の生きがい・健康作り、介護予防等への取り組み推進、安心と活力のある健康長寿社会の実現など6つの目標を設定し、全国各地でさまざまな取り組みを行います。
  • 老人福祉法では、「国民の間に広く老人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促す」ため、9月15日を「老人の日」、9月15日から21日までを「老人週間」と定めています。

厚生労働省 「令和4年度使用者による障害者虐待の状況等」の結果を公表します~通報・届出件数は横ばい、虐待が認められた事業所数・障害者数は増加、認められた虐待種別では「経済的虐待」が引き続き最多
  • 厚生労働省は、このたび、「令和4年度使用者による障害者虐待の状況等」を取りまとめましたので、公表します。
  • 都道府県労働局では、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」(以下「障害者虐待防止法」という。)に基づき、都道府県などの地方公共団体と連携し、障害者※1を雇用する事業主や職場の上司など、いわゆる「使用者」による障害者への虐待の防止や、虐待が行われた場合の関係法令に基づく是正指導などに取り組んでいます。
  • 厚生労働省では、今回の取りまとめ結果を受けて、引き続き、地方公共団体との緊密な連携を図りながら、使用者による障害者虐待の防止のために取り組んでいきます。
  • ポイント
    • 通報・届出のあった事業所数・対象となった障害者数
      • 通報・届出のあった事業所数※2は、前年度と同数の1,230事業所。
      • 通報・届出の対象となった障害者数は、前年度と比べ0.1%増加し、1,433人。
    • 虐待が認められた事業所数・障害者数
      • 虐待が認められた事業所数※2は、前年度と比べ9.7%増加し、430事業所。
      • 虐待が認められた障害者数は、前年度と比べ30.7%増加し、656人。
    • 認められた虐待の種別
      • 認められた虐待の種別※3では、経済的虐待が600人(87.3%)で最多。
        • ※1障害者とは、「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害および社会的障壁により継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」(障害者基本法第2条第1号)としており、障害者手帳を取得していない場合も含まれる。
        • ※2事業所数は、通報・届出の時期、内容が異なる場合には、重複計上している。
        • ※3ひとりの被虐待者に複数の虐待が認められた場合は、重複計上している。虐待の種別については、「虐待の定義」参照。

厚生労働省 こどもの自殺対策の推進のために
  • 自殺対策については、平成18年に自殺対策基本法が成立し、その後、国、地方公共団体、民間団体等が一丸となって総合的な取り組みを行ってきた結果、当時3万人を超えていた自殺者数は、直近では約2万人まで減少してきており、着実に成果をあげてきているものと考えます。一方で、令和4年の年間自殺者数は21,881人と前年を上回り、男性は中高年を中心に13年ぶりに増加し、小中高生の自殺者数は過去最多の514人となりました。
  • 昨年10月に策定した新たな自殺総合対策大綱では、こども・若者の自殺対策の更なる推進・強化を図ることとされており、本年6月2日には、「こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議」において、「こどもの自殺対策緊急強化プラン」が取りまとめられました。自殺総合対策大綱及び同プランに基づき、今後も引き続き、関係省庁が連携して、こども・若者の自殺防止に向けた取り組みを推進してまいります。
  • このような状況を踏まえ、今般、国と地方公共団体の連携を強化し、こどもの自殺対策を一層推進していくため、加藤厚生労働大臣、永岡文部科学大臣、小倉こども政策担当大臣から、都道府県知事、指定都市市長、都道府県議会・指定都市議会議長、都道府県・指定都市教育長、市区町村長、市区町村議会議長、市区町村教育長宛に別添のとおりメッセージを発出しました。
▼都道府県知事、指定都市市長、都道府県議会・指定都市議会議長、都道府県・指定都市教育長 宛
  • 政府としても、地方自治体や教育委員会への支援をしっかりと行っていく所存であり、来年度予算概算要求においても、様々な各予算を要求しています。主なものを2点、ご紹介します。
    • 自殺リスクの高い児童生徒への対応といった観点で、都道府県及び指定都市が、多職種の専門家により構成される「こども・若者の自殺危機対応チーム」を設置し、学校や市区町村を支援する際に活用いただける予算を大幅に拡充して計上しています。
    • 自殺リスクの早期発見の観点では、1人1台端末等を活用した「心の健康観察」の全国の学校での導入を推進するための予算を新たに計上しています。
  • 是非、都道府県及び指定都市におかれましては、児童生徒の自殺リスクを早期に発見すると同時に、「こども・若者の自殺危機対応チーム」を通じて、学校と地域が連携して、こどもの命を守るための取組を強化していただきますようお願いいたします。
  • また、自殺対策では、悩んでいる人に寄り添い、関わりを通して「孤独・孤立」を防ぎ、必要な支援につなげることが重要です。1人でも多くの方に、このような役割を担う「ゲートキーパー」としての意識を持っていただき、専門性の有無にかかわらず、それぞれの立場でできることから行動を起こしていただければと考えています。そのため、今般、国において、「ゲートキーパー」に関するe-ラーニング教材を作成しました。
  • 9月10日から9月16日までの1週間は自殺予防週間です。我々も受講する予定ですが、各自治体のトップの皆様にもぜひ受講していただき、全庁的な取組として地域の自殺対策を推進するため、関係部署等の職員の皆様にも受講を勧めていただきますようお願いいたします。
  • こどもが自殺に追い込まれることのない社会の実現に向けて、国と地方が力を合わせて取り組んでいきたいと考えておりますので、引き続きのお力添えをお願いいたします。

厚生労働省 医療DX推進に関する意見交換会資料について
▼(資料1)医療DXのメリット
  • 医療DXのメリット【乳幼児期~青年期】
    • マイナンバーカードかスマートフォン一つで、受診や薬の受け取りができる
    • 自分の健診結果やライフログデータを活用し、自ら生活習慣病を予防する行動等につなげることができる
    • 医療情報を二次利用することで、新たな医薬品等の研究開発が促進 よりよい治療や的確な診断が可能に
    • 同じ成分の重複した薬や飲み合わせの良くない薬を受け取ることがなくなる
    • 救急時に、検査状況や薬剤情報等が把握され、迅速に的確な治療を受けられる
    • 診断書等の自治体への提出がオンラインで可能に
    • 子どもの健診結果や予防接種歴等をスマホ一つで確認でき、医療機関の受診の際、内容を確実に伝えることができる
    • 予診票や接種券がデジタル化され、速やかに接種勧奨が届くのでスムーズな接種ができる 接種忘れも防止
    • かかりつけ医以外の医療機関にかかっても、必要な電子カルテ情報が共有され、スムーズに診療が受けられる
    • 電子カルテが普及し、どの医療機関等でも情報共有が可能に
  • 医療DXのメリット 【成人期~高齢期】
    • 医療・介護関係者で状況が共有され、より良いケアを受けられる
    • 心肺蘇生に関する自分の意思が関係者に共有され、自らや家族が望む終末期医療を受けることができる
    • 電子カルテが普及し、どの医療機関等でも情報共有が可能に
    • 医療情報を二次利用することで、新たな医薬品等の研究開発が促進 よりよい治療や的確な診断が可能に
    • 救急時に、レセプト情報から受診や服薬の状況が把握され、迅速に的確な治療を受けられる
    • 診断書等の自治体への提出がオンラインで可能に
    • 同じ成分の重複した薬や飲み合わせの良くない薬を受け取ることがなくなる
    • 予診票や接種券がデジタル化され、速やかに接種勧奨が届くのでスムーズな接種ができる 接種忘れも防止
    • 処方箋を電子的に受け取れるため、オンライン診療やオンライン服薬指導をより受けやすくなる
    • 自分の健診結果やライフログデータを活用し、自ら生活習慣病を予防する行動等につなげることができる
    • 過去の検査状況が閲覧可能となり、負担の大きい検査を何度も受ける必要がなくなる
    • 生活習慣病等に関連する検査結果をいつでも自分で確認できる
  • 医療DXのメリット【医療・介護従事者、保険者・ベンダー等関係者】
    • 医療・介護関係者で状況が共有され、より良い治療やケアを提供できる
    • 医療機関と薬局での情報共有が進み、薬局の事務負担が軽減されるとともに、質の高い服薬指導を提供できる
    • 救急時に、レセプト情報から受診や服薬の状況が把握でき、迅速に的確な治療の提供や医療費の削減が期待できる
    • 医療情報を二次利用することで、新たな医薬品等の研究開発の環境が整備される
    • 医療機関等・自治体関係者の事務負担が順次軽減され、魅力ある職場を実現する
    • 医療機関等やベンダーにおけるシステム運用の人的・財政的コストが削減できる
    • 次の感染症危機への対応力強化につながライフケア産業等の産業振興が加速
    • 患者の過去の検査結果や薬剤の閲覧、重複投薬等のチェックが可能となることにより、負担の大きい重複検査や重複投薬等が削減され、効率的な医療の提供や医療費の削減が期待できる
    • 医療情報システムのクラウド化により、システム改修の負担が軽減され、セキュリティも確保
    • 家庭内測定の血圧をはじめライフログデータを、診療で活用することが可能に

厚生労働省 9月10日から9月16日は「自殺予防週間」です~関係府省庁等と連携し、さまざまな取り組みを実施します~
  • 厚生労働省は、毎年9月10日から9月16日の「自殺予防週間」において、自殺防止に向けた集中的な啓発活動を実施しています。このたび、関係府省庁、自治体、関係団体における、令和5年度の取り組みをまとめましたので公表します。
  • 昨年の自殺者数は前年を上回り、特に小中高生の自殺者数が過去最多となるなど深刻な状況となっています。
  • 自殺予防週間では、電話やSNSによる相談支援体制の拡充や、主にこども・若者に向けて、ポスターや動画による相談の呼びかけなど集中的な啓発活動を実施します。
  • また今年は、自殺予防週間に先立ち、こども・若者の自殺防止に向けた取り組みを強化するため、こども家庭庁、文部科学省、内閣官房孤独・孤立対策担当室と連携し、8月1日からこども・若者に向けた集中的な啓発活動を実施しています。
▼参考URL
  • 引き続き「誰も自殺に追い込まれることのない社会」の実現に向け、自殺対策を推進していきます。
  • また、自殺に関する報道は、その報じ方によっては自殺を誘発する可能性があるため、各メディアの皆様は、WHOの『自殺報道ガイドライン』を踏まえた報道を行っていただくよう、自殺対策へのご協力をお願いします。

厚生労働省 令和4年度 医療費の動向-MEDIAS-
▼(参考資料)医療費の動向 令和4年度の状況
  • 令和4年度の概算医療費は46.0兆円、対前年同期比で4.0%の増加、対令和元年度比で5.5%の増加。なお、対令和元年度比の5.5%の増加は3年分の伸び率であり、1年当たりに換算すると1.8%の増加。令和4年度の受診延日数は、対前年同期比で2.0%の増加、1日当たり医療費は2.0%の増加。令和4年度の診療種類別では、いずれの診療種類別も対前年同期比でプラス、対令和元年度比でもプラスとなった。
  • 令和3年度に引き続き令和2年度の減少の反動や、新型コロナウイルス感染症の患者が増えた影響等があり、令和4年度の概算医療費は46.0兆円、金額で1.8兆円、伸び率で4.0%の増加となっている。また、その内訳を見ると受診延日数は2.0%の増加、1日当たり医療費は2.0%の増加となっている。新型コロナウイルス感染症の影響の少ない令和元年度と比べると、医療費は5.5%の増加となっており、その内訳を見ると、受診延日数は▲3.6%と減少し、1日当たり医療費は9.4%増加している。
  • 令和4年度の医療費の伸び(対前年同期比。以下同じ。)を診療種類別に見ると、全ての診療種類別で増加となっている。受診延日数について、入院外、調剤で増加となる一方、入院、歯科で減少となっている。1日当たり医療費について、調剤が▲2.6%となる一方、入院・入院外・調剤は+2.0%~+4.0%の増加を示している。
  • 年齢階層別に1人当たり医療費の状況を見ると、未就学者では10%を超える増加となっている。75歳以上では、1日当たり医療費の増加が1人当たり受診延日数の減少を上回り、増加となっている。
  • 入院外医療費、医科診療所の主たる診療科別の医療費の伸び率を見ると、内科、小児科、産婦人科、耳鼻咽喉科の増加幅は、他の診療科に比べ大きい。1日当たり医療費については、産婦人科が40%を超える増加となっている。
  • 都道府県別に令和4年度の伸び率を見ると、全ての都道府県で増加を示しており、東京都、愛知県、滋賀県、大阪府、佐賀県が比較的増加幅が大きくなっている。データの散らばりの度合いを表す分散を見ると、前年度よりも小さくなっており、診療種類別では入院のみ前年度より大きくなっている。
  • 入院は0歳以上20歳未満、65歳以上はプラスとなっており、20歳以上65歳未満でマイナスとなっている。入院外は全ての年齢階級でプラスとなっており、特に0歳以上45歳未満の増加幅が大きい。
  • 疾病分類別の入院医療費の伸び率を見ると、概ね全ての疾病分類でプラスとなり、マイナスは「耳及び乳様突起の疾患」「妊娠、分娩及び産じょく」となっている。医療費全体の伸び率に対する影響度で見ると、COVID-19を含む「特殊目的用コード」のプラスの影響が最も大きい。
  • 疾病分類別の入院外医療費の伸び率を見ると、概ね全ての疾病分類でプラスとなり、「特殊目的用コード」を除けば「呼吸器系の疾患」の増加幅が大きい。医療費全体の伸び率に対する影響度を見ると、COVID-19を含む「特殊目的用コード」のプラスの影響が1.9%と最も大きく、次いで「呼吸器系の疾患」のプラスの影響が1.5%と大きい。
  • 診療内容別に入院医療費の伸び率を見ると、医療費の構成割合が高い「入院基本料、特定入院料等」が4.4%の増加、「DPC包括部分」が1.6%の増加となっている。医療費全体の伸び率に対する影響度で見ると、「入院基本料、特定入院料等」が1.6%と過半を占めており、「手術・麻酔」「DPC包括部分」「薬剤料」がプラスの影響、「リハビリテーション」が▲0.2%とマイナスの影響を示している。
  • 診療内容別に入院外医療費の伸び率を見ると、「初診」「医学管理」「手術・麻酔」「放射線治療」が大きく増加する一方、「注射」が▲22.3%と大きく減少している。医療費全体の伸び率に対する影響度で見ると、「医学管理」「検査・病理診断」のプラスの影響が大きい。
  • 歯科医療費(電算処理分)の動向
    • 年齢階級別に1人当たり医療費の伸び率を見ると、10歳から20歳未満、30歳以上はプラスとなっている。
    • 診療内容別に医療費の伸び率を見ると、「検査・病理診断」「歯科矯正」が大きく増加している。
    • 医療費全体の伸び率に対する影響度で見ると、「検査・病理診断」が1.3%、「医学管理」が1.0%とプラスの影響、「処置」が▲0.5%とマイナスの影響を示している。
  • 調剤医療費(電算処理分)の動向
    • 令和4年度の調剤医療費(電算処理分)の伸び率は1.7%と増加しており、影響度の内訳をみると、技術料で1.5%、薬剤料で0.1%のプラスの影響となっている。
    • 薬剤料について、処方箋枚数の4.4%の増加に対し、処方箋1枚当たり薬剤料の伸び率が▲4.1%となっており、結果として0.1%の増加となっている。
    • 薬効分類別に薬剤料の伸び率を見ると、「腫瘍用薬」「抗生物質製剤」「化学療法剤」「生物学的製剤」の増加幅が大きい一方で、「ビタミン剤」などマイナスで推移する薬効分類もある。
    • 伸び率への影響を見ると、「循環器官用薬」「中枢神経系用薬」などがマイナスに影響している一方、「腫瘍用薬」「化学療法剤」「その他の代謝性医薬品」はプラスに影響している。なお、「化学療法剤」の伸びは新型コロナウイルス感染症に係る治療薬の影響が大きい。
    • 後発医薬品割合(数量ベース、新指標)は、令和4年度末(令和5年3月)時点で83.7%。
    • 令和4年6月から7月に、12月から令和5年1月にかけて下がっているが、後発医薬品の収載により「後発医薬品のある先発医薬品」が増えたことが要因と考えられる。
    • 後発医薬品割合(数量ベース、新指標)を都道府県別に見ると、令和4年度末(令和5年3月)時点では沖縄県が90.4%で最も大きく、東京都が80.2%で最も小さい。
    • 前年度末からの差異を見ると、和歌山県が2.3%で最大、沖縄県が1.1%で最小となった。

厚生労働省 心理的負荷による精神障害の労災認定基準を改正しました
  • 厚生労働省では「心理的負荷による精神障害の認定基準」を改正し、本日9月1日付で厚生労働省労働基準局長から都道府県労働局長宛てに通知しました。
  • この改正は、近年の社会情勢の変化等に鑑み、最新の医学的知見を踏まえて「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」において検討を行い、今年7月に報告書が取りまとめられたことを受けたものです。
  • 厚生労働省では、業務により精神障害を発病された方に対して、改正後の本基準に基づき、一層迅速・適正な労災補償を行っていきます。
  • 認定基準改正のポイント
    1. 業務による心理的負荷評価表※の見直し
      • 具体的出来事「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」(いわゆるカスタマーハラスメント)を追加
      • 具体的出来事「感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事した」を追加
      • 心理的負荷の強度が「強」「中」「弱」となる具体例を拡充(パワーハラスメントの6類型すべての具体例の明記等)
        • ※実際に発生した業務による出来事を、同表に示す「具体的出来事」に当てはめ負荷(ストレス)の強さを評価
    2. 精神障害の悪化の業務起因性が認められる範囲を見直し
      • 悪化前おおむね6か月以内に「特別な出来事」がない場合でも、「業務による強い心理的負荷」により悪化したときには、悪化した部分について業務起因性を認める
    3. 医学意見の収集方法を効率化
      • 専門医3名の合議により決定していた事案について、特に困難なものを除き1名の意見で決定できるよう変更

厚生労働省 新しい時代の働き方に関する研究会 第13回資料
▼資料1 報告書(骨子案)
  • 企業を取り巻く環境の変化
    • 経済のグローバル化、急速なデジタル化の進展により国際競争が激化
    • 国際政治環境の不安定化やウィズコロナ・ポストコロナ社会の到来などにより世界的に物価基調の変化が生じ、金融市場・商品市場が不安定化
    • デジタル技術の発展により事業活動に恩恵を得ると同時に、市場や競争環境を劇的に変え、事業活動に非連続的な変化を引き起こし、企業が不確実性に直面
  • 労働市場の変化
    • 人口減少等に伴う労働市場の構造変化の中で深刻な人手不足
    • 高齢化に伴う医療・福祉ニーズの増大やデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展による情報処理や開発、情報通信の分野での労働需要の変化→企業の人材戦略に影響
  • 働く人の意識の変化、希望の個別・多様化
    • 職業人生の長期化・複線化が想定される中で、仕事に対する価値観や、育児や介護等のライフイベントによる生活スタイルの個別・多様化→個々の価値観や生活スタイルに応じて働く「場所」、「時間」、「就業形態」を選択できる働き方を求める人が増加
    • 働く人が勤務場所・勤務時間を選ぶ自由度を持ち、それぞれのワークスタイルに合った働き方を採ることが普及・新型コロナの影響下でのテレワークを契機に、「働く場所を選ぶ働き方」も可能であることが広く認識
      • オンラインを通じてジョブマッチングが行われるプラットフォームワーカーの増加
      • 働く意識や、希望する働き方とキャリアの個別・多様化
  • 組織と個人の関係性
    • これまでと同様の環境で働くことを望む人が多く存在する一方、企業に対して、多様な働き方を採ることができ、能力を高め、発揮し、豊かなキャリアを形成できる機会の提供を求める者も増加
    • 個人と企業の関係において、働く側と企業がよりイーブンな関係を築き、働く人がキャリアや働き方を企業任せにしない関係を築くケースが増加
    • 働き方が多様化する中、チームワークの重要性が高まる。一方そのためのスキルはより複雑・高度化
    • 人口減少下において優れた人材の中長期的な確保が重要
    • 長期雇用や企業内キャリア形成は引き続き重視される。
    • 労働者の能力や成果を評価し、処遇や人材配置などに反映していく仕組みが広がっていく。
    • 企業がビジネスの内容や必要な人材像・能力の情報を働く人と共有
    • 働く人の多様で主体的なキャリア形成を支援する企業が増加
    • 多様性の受容によりイノベーションを高め、一人一人が個性を発揮しながら企業の総合力につなげていくことが求められる。
  • 変化する企業と個人の関係性
    • 企業主導、組織一括の労務管理やキャリア形成を行う伝統的な働き方(これまでの画一的な労務管理)が必要とされる場面は引き続き存在する。
    • 一方、個人の自発的なキャリア形成と働き方の個別・多様化が強まる。
    • 我が国企業が活力を維持・向上させていくためには、組織と個人の関係性の変化も踏まえ、働く人が働き方を柔軟に選択し、能力を高め発揮できる環境を整備し、これを支える仕組みとして、働く人の多様なニーズをくみ取り、それを労働条件や職場環境に反映するための仕組みが必要
  • これまでの労働基準法制の特徴と課題 検討課題
    • 経済社会の潮流、技術革新等の働き方を取り巻く環境の変化、働く人のニーズの変容により、テレワークや副業・兼業等により、事業場での時間や場所の管理から解放された働き方が拡大し、労働基準法制が想定していなかった状況が広く現れている。
    • 働き方の個別・多様化が急速に進行
    • 育児や介護等の様々な事情や仕事外の活動を通じた自己実現等と両立できる柔軟な働き方への要請は年齢や性別を問わず高まる。
    • 仕事を通じて自身の価値を高めるため、心身の健康を確保しつつ、能力を存分に向上させ、発揮できる柔軟な働き方を求める働く人も増加
    • 同じ場所で画一的な働き方をすることを前提としない状況が拡大していることを踏まえれば、これからの企業の雇用管理・労務管理においては、「画一的」なものだけではなく、「多様性を生かす」、そして、主体的なキャリア形成が可能となるような環境が必要。こうした問題意識を念頭に、大局的な視点を持って労働基準法制の在り方を改めて考えることが必要
  • 「守る」視点
    • 変化する環境の下で、働き方・キャリア形成に関する希望は個別・多様化
    • 一方で多くの働く人が、不安を抱えながら企業から与えられた環境の下で働いている。
    • 心身の健康の重要性は全ての働く人に共通
    • 従来から労働基準行政が果たしてきた労働者を「守る」役割は引き続き確保されるべき。
    • 後述の「支える」視点においても、健康確保は生命に関わる大切なことであるとともに、仕事の質や働きがいを向上させることに繋がるものであるため、働く人の健康が害されることがないようにすることが必要
  • 「支える」視点
    • 自らの望むワークスタイルに合わせて柔軟に働きたい人、自己の成長やキャリア形成のために柔軟に働きたい人等
    • 労働基準法制が適切に効力を発揮するよう見直すとともに、対等な労使コミュニケーションの下で、働く人が多様な選択をすることを可能とすることや、自発的な能力開発と成長を促し、その希望の実現を「支える」ことができるものとしていくことが必要
  • 働く人の求める多様性尊重の視点
    • 働く人の選択や希望は、家族の育児や介護等、ライフステージによって変わるものであり、変化を続ける環境の中で、働く人一人一人が、やりがいを感じながら活躍するためには、どう働くかについては働く人の考えを尊重することが大切
    • 個別・多様化する個人の価値観に対応することが可能な労働基準法制としていくことが時代の要請と考えられる。
  • 多様性尊重の中での「守る」視点
    • 働く人の健康確保や最低限の労働条件などは、変化する環境下においても守るべき基盤であることを念頭に置くべき。
    • 経営者が労働者を雇用する以上、経営者が労働者より強い立場にある
    • 労働条件や制度の決定に経営側の都合のみが優先され、働く人の選択や希望が反映されないといったことにならないようにすべき。
  • 多様性尊重のための「支える」視点
    • 厳しい環境変化に対応していくために、企業は経営のパーパス(存在意義)の明確化・浸透を図り、職場のエンゲージメントを高める人材マネジメントを採っていくと考えられる。
    • 労使コミュニケーションの中で、働く側の選択と希望を反映させる「働く人の求める多様性尊重の視点」に立った仕組みを整備することが重要。
    • 労働基準法制についても、働く人自らが希望する働き方・キャリア形成を支え、働く人の選択や希望が尊重されるものとなることが重要
  • 企業に期待すること
    1. ビジネスと人権の視点
      • 企業による経済活動のネットワーク化や国際化が進む中においては、企業内における働く人の人権尊重や健康確保を行うことはもちろんのこと、企業グループ全体で、サプライチェーンの中で働く人の人権尊重や健康確保を図っていくという視点(いわゆる「ビジネスと人権」の視点)を持って、企業活動を行っていくことが重要である。
    2. 人的資本投資への取り組み
      • 企業には変化に対して主体的・能動的に行動できる人材が必要
      • 人材を「人的資本」と捉え、企業はそれへの投資(「人的資本投資」)を増やすべき。(日本の企業による人的資本投資は諸外国に比べて少ないといった指摘もある)
        • 人的資本投資の例
          • 労働条件の改善・能力向上機会の確保・主体的なキャリア形成への支援
          • 人的資本投資により、人材の価値を最大限に高め引き出すことで、企業価値の向上とともに、健康状態の改善、個人の幸福感の向上、チームワークの向上をもたらすことが期待される。
          • 働く人は就業形態や属性にかかわらず、価値創造の担い手であり、企業はこうした属性にかかわらず人的資本投資に取組むことが必要
    3. 働き方・キャリア形成への労使の価値観の共有
      • 働く人:自らキャリア形成できる者とそうでない者が存在
        • 企業による一定のサポートが必要
      • 企業がパーパスを明確にし、社内に浸透させた上で、エンゲージメントを高める、さらには社内外の人的つながりを構築するための人事施策を取り入れることは、キャリア形成の促進についても有効
      • パーパスだけでなく、企業が自らのビジネスの将来像や、それに適した人材像を可視化し、働く人と共有していく(双方向のコミュニケーションを図る)ことで、働く人が自らのキャリアを形成していく上で、企業の求める方向性と合致した能力を高めていく選択が容易になる。
        • 企業は必要な専門的能力の高い人材を、中長期的に確保しやすくなり働く人はより効果的・効率的に自らの価値を高めていくことが期待
  • 働く人に期待すること
    • (1)積極的な自己啓発・自己管理
      • 働く人が働き方を自ら選択すること
      • 働く人が、自らの心身の健康の保持増進にも努めることが重要
      • 働く人が、労働基準法制を正しく理解・活用できることが重要
      • 働く人が企業、社会、国等による教育や周知啓発等を通して自ら法制度について知ることが必要
      • 多様な働き方・場所→企業・上司による直接管理が小さい働き方が拡大
      • 従来以上に、自己管理能力(セルフマネジメント力)を高めることが必要(業務遂行・健康管理の双方の観点から)
      • 自らの望む働き方や、将来行う・行いたい仕事に求められる能力を開発することに、自主的・積極的に取り組むこと
    • (2)企業の目的・事業への積極的なエンゲージメント
      • 企業のパーパスや、ビジネスの将来像、それに適した人材像などについて、働く人の側からの積極的な情報収集・価値観共有
      • 働く人がより効果的・効率的に自らの価値を高め、その企業内で中長期的に価値の高いキャリア形成を行うことが可能
    • (1)(2)のような取り組みを通して、働く人一人一人が心身の状態を良好に保ち、創造的なアイデアを生み出し、仕事のパフォーマンスを上げ、職業人生を充実させることができる

【国土交通省】

【2023年11月】

国土交通省 「海上運送法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」及び「海上運送法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令」を閣議決定
  • 本年5月12日に公布された海上運送法等の一部を改正する法律(令和5年法律第24号)の施行期日を定める政令及び当該施行に伴う関係政令の規定の整備等を行う政令が、本日、閣議決定されました。
  • 背景
    • 旅客船の総合的な安全・安心対策を講じることにより海上旅客運送の安全を図ること等を目的とした海上運送法等の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)が本年5月12日に公布されました。今般、改正法の一部の施行期日を定めるとともに、当該施行に伴う関係政令の規定の整備等を行うための政令を制定することとします。
  • 概要
    • 海上運送法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令
      • 以下の事項に係る改正法の施行期日を、令和6年4月1日とする。
        • 船舶使用停止処分の導入
        • 旅客不定期航路事業許可更新制度の創設
        • 安全統括管理者及び運航管理者の資格者証制度の創設
        • 船長要件の強化(事業用操縦免許の厳格化、初任教育訓練)
        • 旅客名簿の備置き義務の見直し
    • 海上運送法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令
      • 海上運送法施行令関係
        • 安全統括管理者及び運航管理者に係る資格者証の交付等に係る国土交通大臣の職権を地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)に委任する。
      • 船舶職員及び小型船舶操縦者法施行令関係
        • 小型旅客船の船長に必要な事業用操縦免許を取得するための講習の実施機関について、登録の有効期間を3年とする。
        • 事業用操縦免許に履歴限定(※)が付されている場合、その限定をされた区域のみを航行するときでなければ、小型旅客船の船長として乗船できないこととする。
          • ※乗船履歴が一定要件を満たさない場合に、船長として乗船できる航行区域を限定するもの。
      • 改正法の経過措置関係
        • 改正法による経過措置期間(施行より3年間)中に既存の小型船舶旅客不定期航路事業者が安全人材確保計画等を提出し認可を受けようとする場合の、当該認可に係る国土交通大臣の権限を地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)に委任する。

国土交通省 “防災・減災対策強化へ” 76億円配分~災害の対策や防災・減災対策を推進するため緊急的に予算を配分します~
  • 国土交通省は、「防災・減災対策等強化事業推進費」の令和5年度 第2回配分として、国及び地方公共団体が実施する34件の公共事業(河川・道路・治山・海岸)に対し、76億円の予算配分を決定しました。
  • 「防災・減災対策等強化事業推進費」は、大雨による浸水被害等が発生した地域において再度の被災を防止するために緊急的に実施する対策や、大雨等による災害を未然に防ぐ事前防災対策であって、用地の確保など地域等における課題が解決し事業の実施環境が新たに整った場合などに年度途中に機動的に予算を配分し、防災・減災対策を強化する予算です。
  • 配分事業の概要(34件 76.47億円(国費))
    • 被災地域での災害対策
      • 洪水・浸水等対策(河川)20件、58.60億円
      • 崖崩れ・法面崩壊等対策(道路、治山)12件、15.16億円
      • 盛土緊急対策(治山)1件、1.76億円
    • 災害が起きる前に被害を防止する事前防災対策
      • 津波対策(海岸)1件、0.95億円

国土交通省 重量超過等違反車両の『首都圏大規模同時合同取締』を実施しました~違反車両17台に対し行政指導を実施~
  • 昨日、国土交通省、警察、高速道路株式会社等が合同で、首都圏に流入・通過する重量超過等違反車両を一斉に取り締まる合同取締を1都8県、予定していた21箇所のうち荒天等のため中止した箇所を除く16箇所で実施し、計測車両51台のうち道路法違反車両17台に対し指導警告等を行いました。
  • 重量超過等の悪質な違反は、深刻な事故の原因となるとともに、道路を劣化させる原因となるため、引き続き違反車両の抑止を図り、大型車両の通行適正化を推進してまいります。
  • 実施日 令和5年11月7日(火)10:00~11:30、13:30~15:00
  • 場所 首都圏16箇所(詳細は別紙のとおり)
  • 取締結果 計測台数51台 うち違反台数17台
    • 道路法違反
      • 指導警告 12台
      • 措置命令 5台
        • ※指導警告:違反の程度が軽微であり、直ちに措置を講ずるまでの必要がないと認められる場合に行う注意喚起
        • ※措置命令:積載物の軽減措置や違反車両に高速道路外への退出措置等を命ずるもの
      • 措置命令を行った違反の具体例
        • 車両総重量35t(制限値22tを13t超過)の車両に対し、道路管理者から違反者に措置命令書を発出し、減載場所まで移動し、当該車両の諸元を車両制限令に規定する制限値以下にすることを命令
    • 道路運送車両法違反
      • 整備命令 引込台数30台 違反車両なし(トラクタ・トレーラ別計上)

国土交通省 道路法施行令及び建築基準法施行令の一部を改正する政令が閣議決定されました
  • 高速道路において水素等のガソリン以外の動力源を自動車に供給するための施設(以下「水素等供給施設」という。)の整備を行いやすい環境を整えるため、「道路法施行令及び建築基準法施行令の一部を改正する政令」が、本日、閣議決定されました。
  • 改正の概要
    • 近年、気候変動に伴い自然災害が激甚化・頻発化するため、地球温暖化対策に早急に取り組む必要性が生じており、電気自動車、水素自動車等のクリーンエネルギー自動車の利便性を確保するためのインフラ整備を支援していく必要性が高まっています。
    • 高速道路のサービスエリア・パーキングエリア(以下「SA・PA」という。)においても、今後、ガソリンスタンド(以下「給油所」という。)に代わって、クリーンエネルギー自動車の動力源を供給する施設を設置するニーズが高まることが想定されるところ、以下のとおり関係政令の改正を行います。
      • 道路法施行令(昭和27年政令第479号)の改正関係
        • 道路法(昭和27年法律第180号)第32条第1項の規定により、道路管理者の許可を受ければ、道路の機能を阻害しない範囲内で占用物件を設け、継続して道路を使用(道路の占用)できるところ、高速自動車国道又は自動車専用道路のSA・PAにおいて設置が可能な占用物件として、既に許可の対象となっている給油所と同様に、水素等供給施設を規定します。
      • 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)の改正関係
        • 建築基準法(昭和25年法律第201号)第44条第1項第4号の規定により、安全上、防火上及び衛生上他の建築物の利便を妨げ、その他周囲の環境を害するおそれがないと特定行政庁が認めて許可した建築物については、道路内の建築制限を適用しないこととしているところ、高速自動車国道又は自動車専用道路のSA・PAに設けられる建築物として、既に許可の対象となっている給油所と同様に、水素等供給施設を規定します。
  • スケジュール
    • 公布日:令和5年11月10日(金) 施行日:令和6年4月1日(月)

国土交通省 トラックGメンによる荷主等への監視体制をさらに強化~「集中監視月間」スタート!~
  • 国土交通省では、「トラックGメン」創設(本年7月)以降、トラック事業者への積極的な情報収集のほか、貨物自動車運送事業法に基づく「働きかけ」などを全国で実施しています。
  • 9月~10月にかけて実施した全トラック事業者を対象にした調査では、長時間の荷待ちや運賃・料金の不当な据置きなどを強いる荷主等の情報が多数寄せられました。
  • これらを基に、11月・12月を「集中監視月間」と位置付け、悪質な荷主等に対して、「要請」「勧告・公表」を実施し、監視を強化してまいります。
  • 集中監視月間における取組
    • 悪質な荷主等の監視強化
      • 全トラック事業者を対象にした調査結果(速報)やこれまで入手した情報を基に、悪質な荷主等に対し、「要請」「勧告・公表」を行い、早急な是正を促してまいります。
    • 関係行政機関との連携強化
      • 厚生労働省の荷主特別対策担当官や中小企業庁の下請Gメン等と連携し、荷主やトラック事業者への合同ヒアリングを実施してまいります。
    • 情報収集の強化
      • これまでの「要請」事例を示しつつ、プッシュ型情報収集を実施し、全国のトラック事業者や労働組合、地方適正化事業実施機関からの悪質な荷主等に係る情報収集を強化してまいります。
  • 参考 トラックGメンの活動実績(令和5年10月末時点)
    • 貨物自動車運送事業法附則に基づく「働きかけ」を251件(166件)、「要請」を10件(6件)実施
    • ( )内の数字は、トラックGメン発足後(R5.7.21~)の累積実績件数。月当たりの平均実施件数は、発足前の1.8件から57件と大幅に増加

国土交通省 国土交通省所管事業における対応指針の改正について~障害を理由とする差別の解消の一層の推進を図ります~
  • 国土交通省では、来年4月に施行される障害者差別解消法及び同法に基づく基本方針の改正を踏まえて、所管事業における対応指針を改正しましたので、お知らせいたします。
  • 主な改正内容
    • 障害者差別解消法の主な改正内容である「事業者における合理的配慮の提供の義務化」や基本方針の改正内容、意見交換会・パブリックコメントの結果を踏まえて、不当な差別的取扱いや合理的配慮の提供の具体例等を追加しました。
  • 背景・経緯
    • 平成28年4月に施行された障害者差別解消法では、障害を理由とする差別を解消するための措置として、民間事業者に対して「不当な差別的取扱いの禁止」及び「合理的配慮の提供」を求めており、その具体的な対応のあり方として対応指針を策定し、所管事業者に対し周知・啓発を行って参りました。
    • こうしたなか、改正法が令和3年6月に公布され、令和6年4月に施行されます。また、基本方針についても令和5年3月に改正されました。
    • 国土交通省では、対応指針の改正に向け、障害者団体及び事業者団体等で構成される意見交換会を開催して関係者間で議論を進めてきました。意見交換会での議論を踏まえて取りまとめを行い、パブリックコメントを実施することで広く意見募集を行いました。

国土交通省 国土交通省における対応要領の改正について~障害を理由とする差別の解消の一層の推進を図ります~
  • 国土交通省では、来年4月に施行される障害者差別解消法及び同法に基づく基本方針の改正を踏まえて、当省における対応要領を改正しましたので、お知らせいたします。
  • 主な改正内容
    • 基本方針の改正内容や意見交換会・パブリックコメントの結果を踏まえて、不当な差別的取扱いや合理的配慮の提供の具体例等を追加しました。
  • 背景・経緯
    • 平成28年4月に施行された障害者差別解消法では、障害を理由とする差別を解消するための措置として、行政機関等に対して「不当な差別的取扱いの禁止」及び「合理的配慮の提供」を求めており、その具体的な対応のあり方として対応要領を策定し、当省職員に対し周知・啓発を行って参りました。
    • こうしたなか、改正法が令和3年6月に公布され、令和6年4月に施行されます。また、基本方針についても令和5年3月に改正されました。
    • 国土交通省では、対応要領の改正に向け、障害者団体及び事業者団体等で構成される意見交換会を開催して関係者間で議論を進めてきました。意見交換会での議論を踏まえて取りまとめを行い、パブリックコメントを実施することで広く意見募集を行いました。

【2023年10月】

国土交通省 施工体制の点検を実施します!~公共工事の施工体制に関する全国一斉点検~
  • 国土交通省では、公共工事のより一層の適正な施工体制の確保と徹底を図るため、稼働中の国土交通省直轄工事を対象に、今年度も10月から12月までに「施工体制に関する全国一斉点検」を実施します。
  • 公共工事を適切に実施するためには、受注者による適正な施工体制の確保が重要です。「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(以下、「適正化法」という)」や「公共工事の品質確保の促進に関する法律(以下、「品確法」という)」においては、施工体制の適正化や安全衛生、その他の労働環境の改善の配慮が謳われており、より一層の適正な施工体制の確保と徹底が求められています。
  • 国土交通省では、施工体制の点検要領等を定め、各工事を担当する監督職員によって日頃から施工体制の点検を行っているところですが、適正化法や品確法の趣旨の徹底をより一層図るため、平成14年度より稼働中の国土交通省直轄工事を対象に「施工体制に関する全国一斉点検」を実施しています。
  • 今年度も10月から12月までを全国一斉点検期間として22回目となる本点検を実施することとしましたのでお知らせします。

国土交通省 ダンピング対策の取組状況についての個別ヒアリング・働きかけ結果について~調査基準価格等の算定水準が不明又は低い団体に対し個別にヒアリングと働きかけを実施~
  • 本年5月に公表したダンピング対策の取組状況についての追加調査・分析の結果を踏まえ、調査基準価格等の算定式の水準が不明又は低い地方公共団体(人口10万人以上)27団体を対象に個別にヒアリングを実施した結果、22団体が平成28年中央公契連モデル以前の水準であることが判明しました。
  • そこで、算定式の改定について個別に働きかけを実施した結果、全22団体から今年度中に改定について検討する旨の回答が得られました。
  • 背景
    • 入札契約適正化法では、公共工事の入札契約適正化の基本事項にダンピング受注の防止が明記されており、国土交通省では、毎年度実施する入札契約適正化法等に基づく調査(以下「入契調査」という。)において、地方公共団体のダンピング対策の取組状況を把握しています。
    • 本年3月に公表した令和4年度の入契調査の結果※2では、調査基準価格又は最低制限価格(以下「調査基準価格等」という。)の算定式の水準が不明確な地方公共団体(人口10万人以上)が73団体ありました。
    • 当該73団体を対象として追加の調査や分析を行ったところ、27団体において調査基準価格等の算定式の水準が不明又は平成28年中央公契連モデル以前の水準にとどまることが判明しました。
  • 個別ヒアリングと働きかけの結果概要
    • 上記の27団体を対象として個別にヒアリングを実施したところ、22団体において調査基準価格等の算定式が平成28年中央公契連モデル以前の水準にとどまることが判明したため、当該22団体に対して算定式の改定について個別に働きかけを実施した結果、全ての団体から今年度中に検討を行う旨の回答が得られました。

国土交通省 建設業の担い手の確保及び育成に積極的に取り組む企業・団体を 国土交通大臣から表彰します!
  • 国土交通省と建設産業人材確保・育成推進協議会(事務局:(一財)建設業振興基金)では、昨年度より、「建設産業の担い手の確保及び育成」に向けて顕著な功績を挙げている企業等を「建設人材育成優良企業」として表彰することとしております。この度、第2回目の国土交通大臣賞、不動産・建設経済局長賞及び優秀賞を決定いたしました。なお、国土交通大臣賞は、国土交通大臣より表彰予定、不動産・建設経済局長賞及び優秀賞は各地方整備局等にて表彰予定です。
  • 受賞者
    • 国土交通大臣賞
      • 成友興業株式会社
      • 株式会社 竹中工務店
      • 伊田テクノス株式会社
      • 平岩塗装株式会社
    • 不動産・建設経済局長賞
      • 株式会社サカイエステック
      • 川田建設株式会社
      • 戸田建設株式会社 + 一般財団法人戸田みらい基金
      • 株式会社昭建
  • 表彰の概要(詳細は別添2を参照ください)
    • 建設キャリアアップシステムの活用をはじめとして、技能や経験に応じた給与の引き上げや、キャリアパスに基づいた計画的な人材育成、これらを可能とするための環境整備など、「建設産業の担い手の確保及び育成」に向けて、顕著な功績を挙げている企業等を表彰し、その努力を讃えることにより、担い手の育成及び確保に向けた取組を推進するもの。
▼建設業の担い手の確保及び育成に積極的に取り組む企業・団体を国土交通大臣から表彰します!

国土交通省 地方公共団体等のための「グリーンインフラ実践ガイド」を公表します!
  • グリーンインフラの実践に興味がある地方公共団体をはじめとした多様な地域主体の方々に向け、行政計画へのグリーンインフラの位置づけや、官民連携・分野横断による事業の実施手法等のプロセスを豊富な事例とともに分かりやすく示した「グリーンインフラ実践ガイド」を公表します。
  • 国土交通省では、令和5年「グリーンインフラ推進戦略2023」を公表し、官と民が両輪となって、あらゆる分野・場面においてグリーンインフラをビルトインすることを目指しています。
  • 本ガイドでは、グリーンインフラの実践を目指す地方公共団体をはじめとした多様な地域主体に向け、グリーンインフラの基本的な考え方や主な取組、まちづくり・公園・道路・河川・港湾・海岸などの様々な場面における実践のポイントを解説しています。
  • 本ガイドにより、地方公共団体の各分野の担当部局が横断的に、グリーンインフラのビルトインに向けて一層取り組むことができるような基盤づくりを行っていきます。
  • 実践ガイドの主な内容
    • 基本編:グリーンインフラの基本的な考え方や取組手法を解説しました。
    • 実践編:国土交通分野の社会資本整備・土地利用事業が展開される空間に着目して、グリーンインフラ実践のポイントを豊富な事例で解説しました。
    • 資料編:各事業分野の指針・ガイドライン、グリーンインフラの取組に活用可能な国等の支援制度など、実務に役立つ情報を掲載しました。
▼「グリーンインフラ実践ガイド」本編

国土交通省 一人親方が安心して働ける環境整備への第1歩~オンライン形式で一人親方の適正な働き方に関する説明会を開催~
  • 国土交通省では、建設技能者の処遇改善のために社会保険加入促進に取り組んでおり、令和2年度からは社会保険の加入が建設業許可の要件となりました。
  • しかし、社会保険の加入を逃れるために、本来雇用されるべき技能者を、社会保険の適用除外である一人親方とする規制逃れの進行が懸念されています。
  • これらを踏まえて、令和5年度は、規制逃れを目的とした一人親方に関する取組を周知するために、今年度は、全国10都市の会場で一人親方の適正な働き方に関する説明会を開催しました。全国10都市の会場の開催においては、ご参加いただけなかった方もいらっしゃいましたので、11月は、夜間や休日の日程も含めて、オンライン形式において開催します。

国土交通省 安全に取り組む優良な貸切バス事業者を新たに認定しました~ 安全な貸切バスを選ぶことができます!~
  • 貸切バス事業者安全性評価認定委員会において新たに102者が認定され、貸切バス全事業者の半数以上(57.3%)の2,036者が認定事業者となりました。
  • 公益社団法人日本バス協会において実施している「貸切バス事業者安全性評価認定制度」に基づき、安全確保への取組状況が優良な貸切バス事業者が新たに認定されました。
  • 認定の概要
    • 認定年月日 令和5年9月29日(金)
    • 新規認定事業者 102者【全て一ッ星★】
    • 全認定事業者 2,036者(2,065者(前年比1.5減))
      • 三ッ星★★★ 915者(761者(〃20.2%増))
      • 二ッ星★★ 344者(434者(〃20.8%減))
      • 一ッ星★ 777者(870者(〃10.7%減))
  • 認定事業者及び制度の概要
    • 「認定事業者一覧」及び「貸切バス事業者安全性評価認定制度の概要」は別添のとおり。
    • 詳細は、日本バス協会ホームページをご覧ください。
      https://www.bus.or.jp/safety/

国土交通省 「リスク管理型の水資源政策の深化・加速化について」提言
▼「リスク管理型の水資源政策の深化・加速化について」提言 概要
  • 社会のニーズ
    • 人口減少、産業構造の変化、気候変動等による農業用水需要の変化に応じた水供給
    • 2050年カーボンニュートラルに向けた水力発電の推進
    • 上下水道施設の集約・再編・動植物の生息環境の維持や良好な河川景観の形成
    • 地下水の適正な保全と利用
    • 大規模災害・事故時の最低限の水の確保
    • 水災害の激甚化
    • 頻発化への対応 等
  • 将来の水資源政策
    • 治水、利水、環境、エネルギー等の観点から、流域のあらゆる関係者が水に関して一体的に取り組む、総合的な水のマネジメントへの政策展開を目指す
    • まずはその第一歩として、リスク管理型の水資源政策の深化・加速化により、顕在化する気候変動や社会情勢の変化等のリスクに速やかに対応
  • 流域のあらゆる関係者が連携した既存ダム等の有効活用等による総合的な水のマネジメントの推進
    • 水需給バランス評価等を踏まえた流域のあらゆる関係者が連携した枠組みの構築
      • 流域のあらゆる関係者が有機的に連携し、流域の総合的な水のマネジメントの推進を図るため、関係者間のより円滑な調整を可能にするための枠組みの構築が必要
      • 水需給バランス評価手引きの作成
      • 流域のあらゆる関係者が連携した情報共有等を図る枠組みの構築
        • 流域の水運用を含めた水道の集約・再編の検討
        • 水系管理の観点から流域における増電の検討
    • 気候変動リスク等を踏まえたダム容量等の確保・運用方策の検討
      • 既存ダム等を最大限かつ柔軟に有効活用する方法について速やかに検討する必要。その際、水力発電の推進と洪水調節との両立なども併せて一体的に検討する必要。
      • 気象予測技術を活用し、多目的な用途に柔軟に活用できるダム容量等を確保・運用する方策
        • その際、事前放流をより効果的に行うための放流機能の強化等の施設整備
        • 観測の強化、気象・水象予測技術の高度化
        • 不特定容量の活用の検討
      • 気候変動による渇水リスクの検討の加速化
  • 大規模災害・事故による水供給リスクに備えた最低限の水の確保
    • 施設機能の保全に万全を期すとともに、不測の大規模災害・事故時においても最低限の水を確保できるよう、平時から検討を進め備えを強化する必要
    • 大規模堰等において、施設管理者と利水者が連携し、大規模災害・事故による水供給リスクに備えた応急対応を検討
      • 利水者において、最低限の水供給の目標設定、浄水場間の水融通などを検討
      • 必要に応じて、流域のあらゆる関係者が平時より連携・協力し、緊急的な水融通などを検討
    • 上記を実施したとしても被害が想定される場合、投資効果も考慮した施設のリダンダンシー確保を検討
    • パイロット的な検討を進め、他施設でも検討できるよう、検討手順等を示すガイドラインを作成
  • 水資源政策の深化・加速化に向けた重要事項
    • デジタル技術の活用の推進
      • 遠隔操作等の導入によるダムや堰等の管理の高度化、省力化
      • デジタル技術の活用による水管理の効率化、維持管理・更新の効率化
      • 気象予測の渇水対応への活用
    • 将来の危機的な渇水等に関する広報・普及啓発
      • エンドユーザーにおける渇水リスク、持続可能な水利用や節水の重要性などの認知度向上
        • 受益地域と水源地域の相互理解・交流の推進
      • 渇水の生活や社会経済活動への影響について、効果的な手法による広報・普及啓発
    • 2050年カーボンニュートラルの実現に向けた水インフラの取組の推進
      • 徹底した省エネルギー化に向けて、水インフラの管理運営においては、2050年カーボンニュートラルの観点から施設・設備の更新、施設の集約・再編を検討

国土交通省 指定確認検査機関等の処分について
  • 令和5年10月3日付けで、国土交通大臣から国土交通大臣指定の指定確認検査機関に対し、建築基準法(以下「法」という。)第77条の30第1項に基づく監督命令を行いました。
  • また、令和5年10月2日付けで、関東地方整備局長から当該指定確認検査機関の処分に関連する建築基準適合判定資格者(確認検査員)に対し、法第77条の62第2項に基づく業務禁止の処分を行っていますので、併せてお知らせいたします。
  • ▼報道用資料
  • 株式会社J建築検査センター(国土交通大臣指定第28号)
    • 処分内容
      • 監督命令:確認検査の業務において著しく不適当な行為がなされたことに鑑み、当該行為が発生した原因を分析した上で、同様の不十分な確認審査を再発させないよう、審査マニュアルの改善及び審査体制の整備等の具体的な改善措置を含む業務改善計画書を令和5年10月23日までに提出すること。
      • なお、当該計画の提出の日から一年間、当該計画を確実に実施するため、その実施状況について同機関内に設置された監視委員会等の審議を経た上で、四半期ごとに国土交通大臣に報告すること。
    • 処分事由の概要
      • 兵庫県内1件の建築物の計画の確認審査において、その業務に従事する確認検査員が過失により法第53条第1項の規定に適合しない(建蔽率は、同項各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める数値を超えてはならないにもかかわらず、これに適合しない)ことを見過ごし、指定確認検査機関として確認済証を交付した。
    • 関連する建築基準適合判定資格者(確認検査員)の処分
      • 資格者名 橋本 重信 (登録番号:第4232号)
      • 処分日 令和5年10月2日
      • 処分権者 関東地方整備局長
      • 処分内容 業務禁止20日(令和5年10月19日から令和5年11月7日まで

国土交通省 令和4年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について
  • 令和4年度における宅地建物取引業法に基づく国土交通大臣及び都道府県知事による免許・立入調査・監督処分・行政指導の実施状況、都道府県知事による宅地建物取引士登録者数についてとりまとめました。
  • 主な動向
    • 宅地建物取引業者数は9年連続で増加。
    • 監督処分件数は減少傾向、勧告等の行政指導件数は令和4年度において減少に転じたものの、両方とも件数は依然として多い。
    • 宅地建物取引士の新規登録者数は近年増加傾向であり、総登録者数は約115万人。
  • 宅地建物取引業者の状況
    • 令和4年度末(令和5年3月末)現在の宅地建物取引業者数は、129,604業者(大臣免許が2,922業者、知事免許が126,682業者)。
    • 対前年度比では、大臣免許が146業者(5.3%)、知事免許が861業者(0.7%)増加し(全体では1,007業者(0.8%)の増加)、9年連続の増加となった。
  • 監督処分・行政指導の実施状況
    • 令和4年度において、宅地建物取引業法の規定に基づき国土交通大臣又は都道府県知事が行った宅地建物取引業者に対する監督処分・行政指導の件数は、以下のとおりである。 ※( )内は対前年度比
      • 免許取消 63件(▲30件、32.3%減)
      • 業務停止 38件(+11件、40.7%増)
      • 指示 38件(▲4件、9.5%減)
      • 合計 139件(▲23件、14.2%減)
      • 行政指導 528件(▲99件、15.8%減)
  • 宅地建物取引士登録者数の状況
    • 令和4年度においては、新たに29,491人が都道府県知事へ宅地建物取引士の登録をしており、これにより総登録者数は1,154,979人となっている。

国土交通省 第4回グリーンインフラ大賞の募集を開始~グリーンインフラに関する優れた取組・計画事例を表彰します~
▼(別紙2)グリーンインフラ大賞の募集 概要
  • 事業主旨
    • 新たな『グリーンインフラ推進戦略2023(令和5年9月公表)』では、「グリーンインフラのビルトイン」により、人々が社会において、自然を守り育てるとともに、自然から持続的にその恩恵を受けながら、その中で様々な活動を行う「自然と共生する社会」の実現を目指しており、これを体現する取組事例を会員の皆さまから募集します。
    • 第4回グリーンインフラ大賞の募集は、第1回~第3回において対象とした実施済みの事例だけでなく、グリーンインフラのビルトインに向けた企画・計画についても対象とします。
    • 応募された事例のうち優れた取組事例は、グリーンインフラ大賞として選定し、表彰を行うとともに、事例集の発行、WEBサイトへの掲載などにより広く情報発信し、グリーンインフラへの取組の周知を図ります。
    • 以上を通じて「自然と共生する社会」の実現を目指したグリーンインフラへの社会実装を加速化します。
  • 募集対象とする取組事例
    • グリーンインフラに関する実施済みの事例、及びグリーンインフラのビルトインに向けた企画・計画に関する事例を対象とします。
    • グリーンインフラに関する取組全般を対象とします。
    • 企画・計画、施工中の事業も対象とします。
    • 企画・計画、施工中の事業で応募される場合の例
      • 流域圏、都道府県、市区町村等、広域圏や行政単位において、グリーンインフラの導入を推進する計画
      • 地区計画、区画整理事業等、一定の区域においてグリーンインフラの導入を推進する計画
      • 道路・公園等の個別の都市施設の整備事業計画、再開発事業のランドスケープ計画等、個別の事業において具体のグリーンインフラの導入を図るための企画・計画
        • ※2022年度まで実施しておりました「防災・減災部門」「生活空間部門」「都市空間部門」「生態系保全部門」の区分は、2023年度の応募においては行いません。
  • 審査方法
    • グリーンインフラに関して専門的知見を有する有識者で構成する審査会を設置
    • 審査会による審査により、国土交通大臣賞、特別賞、及び優秀賞を選定
      • グリーンインフラに関する取組において「国土交通大臣賞」に値する特に優れたものを2件選定し、表彰 また、「国土交通大臣賞」に準ずる優れたものを「特別賞」として最大4件選定し、表彰
      • 国土交通大臣賞、特別賞以外の事例から、優秀賞を数件選定し、表彰
      • 「国土交通大臣賞」、「特別賞」、「優秀賞」の全表彰件数は第1回~第3回グリーンインフラ大賞の国土交通大臣賞、優秀賞の表彰件数と同程度を予定。
    • 審査会審査委員は、各賞の決定まで非公表
  • 応募資格
    • 「グリーンインフラ官民連携プラットフォーム」の会員であること。
    • 応募時点で会員でない場合は、必ず10月31日の応募〆切までにグリーンインフラ官民連携プラットフォームHPより会員登録を行ってください。連名で応募する団体、個人を含め全ての方・団体が対象となります。
  • グリーンインフラ大賞に関して
    • 評価の主な視点
      • グリーンインフラ推進戦略2023の「自然と共生する社会」に合致
      • 地域の複合的な課題が明示され、その解決を目的
      • 関係者との連携した取組、連携を念頭においた企画・計画
      • 多面的な効果がある取組、多面的な効果を目標とした企画・計画
      • 効果を発揮させるための工夫
      • 面的な広がりが期待
    • 応募・受賞のメリット
      • 国土交通大臣賞受賞者には表彰状と盾、特別賞受賞者・優秀賞受賞者には表彰状を進呈
      • 受賞事例のPR支援
      • グリーンインフラ事例集への掲載
    • 来年度以降も新たな取組や工夫を追加していただき再応募できます。
    • 広く事例を収集するため、グリーンインフラに取り組んでいる事業者や地方公共団体の他部署への展開等にご協力をお願いします。

【2023年9月】

国土交通省 担い手確保の取組を加速し、持続可能な建設業を目指すために 建設産業の諸課題に対して早急に講ずべき具体策がとりまとめられました~建設業法等の改正も視野に、基本問題小委員会で中間とりまとめ~
▼【別紙2】中間とりまとめ(概要)
  • 建設業が持続的に発展していくには、新規入職を促進し、将来の担い手の確保・育成を図っていくことが不可欠。
  • 同時に、現下の課題である資材価格高騰や時間外労働規制に適切に対応しつつ、適正な請負代金・工期が確保された請負契約の下で、適切に建設工事が実施される環境づくりも欠かせない。
  • こうした問題意識の下、(1)請負契約の透明化による適切なリスク分担、(2)適切な労務費等の確保や賃金行き渡りの担保、(3)魅力ある就労環境を実現する働き方改革と生産性の向上、などの分野について、建設業法等の改正も視野に早急に講ずべき施策を取りまとめ。
  • 請負契約の透明化による適切なリスク分担
    • 発注者が、請負代金の中に含まれる予備的経費等の内容を詳細に把握することは困難であり、受発注者間で情報の非対称が生じている。
    • 価格変動等に対してどのようにリスク管理を行っていくかが契約上不透明な場合、受発注者間に認識の齟齬が発生。
    • 適切なリスク分担がなされない場合、契約当事者のみならず、その下請業者なども含めた建設生産システム全体に経営悪化や不良工事の発生といった悪影響が及ぶおそれがある。
      • 契約における非対称性の解消
        • 受注者によるリスク情報提供の義務化
          • 見積り時等に、建設工事に関するリスク情報の受注者から注文者への提供を義務化
        • 請負契約に予備的経費等に関する事項を明記
        • オープンブック・コストプラスフィー方式の標準請負契約約款の制定
      • 価格変動等への対応の契約上での明確化
        • 請負代金の変更について規定された民間工事標準約款の利用促進
        • 価格変動に伴う請負代金の変更条項を契約書上明確化
          • 法定記載事項として「価格変動等が生じた場合に請負代金額等をどのように変更するかについての定め」を明記
      • 当事者間のコミュニケーションと請負契約の適正化
        • 当事者間での誠実協議
          • 請負代金や工期に影響を及ぼす事象が生じた場合に契約の当事者間で誠実に協議を実施
        • 民間事業者への勧告等
          • 不当に低い請負代金での契約締結について、国土交通大臣等の勧告対象に、公共発注者だけでなく民間事業者も含める
          • 不適切な契約是正のため許可行政庁の組織体制を整備
  • 適切な労務費等の確保や賃金行き渡りの担保
    • 労務費等の見積りが曖昧なまま工事を受注した場合、適切な賃金の原資を確保できないおそれがある。また、技能労働者の賃金を能力や経験が反映された適正な水準に設定しようとしても、相場感が分からず取組が進まない。
    • 労務費は、短期的な市況の影響を受けやすく、累次の下請契約等が繰り返される中で、適切な工事実施に必要で、かつ、中長期的にも持続可能な水準の労務費が確保されにくい。この結果、現場の技能労働者への行き渡りも徹底されにくい。
      • 標準労務費の勧告
        • 適切な工事実施のために計上されるべき標準的な労務費を中央建設業審議会が勧告
      • 受注者における不当に低い請負代金の禁止
        • 労務費を原資とする廉売行為の制限のため、受注者による不当に低い請負代金での契約締結を禁止し、指導、勧告等の対象とする
      • 適切な水準の賃金等の支払い確保のための措置
        • 建設業者に、労働者の適切な処遇確保に努めるよう求める
        • 標準約款に賃金支払いへのコミットメントや賃金開示への合意に関する条項を追加
  • 魅力ある就労環境を実現する働き方改革と生産性向上
    • 適切な工期が確保されない場合、技能労働者の就労環境が悪化するおそれがあるのみならず、施工品質や安全面にも影響が生じる可能性がある。また、週休2日の実現や令和6年4月から適用される罰則付き時間外労働規制への対応が急務。
    • 働き方改革の推進には、事務作業等の効率化が不可欠であるが、これに効果を発揮する情報通信技術の活用が十分に進んでいない。このことは、施工体制管理のさらなる徹底を図る上でも課題。
      • 適正な工期の確保
        • 受注者による著しく短い工期の禁止
        • WLBを実現する働き方改革に関する施策検討
          • 工期に関する基準等の周知に加え、先進的取組の普及方策を検討
      • 生産性の向上
        • 建設工事現場を適切に管理するための指針の作成
          • ICTの活用等による現場管理のための指針を国が作成、特定建設業者に同指針に即した現場管理に努めることを求める
        • 監理技術者等の専任制度等の合理化

国土交通省 二輪自動車の後面衝突警告表示灯等の国連基準を導入します~道路運送車両の保安基準等及び保安基準の細目を定める告示等の一部改正について~
  • 後続車に衝突の危険を知らせる機能として、これまで四輪自動車に導入されている「後面衝突警告表示灯」について、我が国も参加する国連WP29での議論を経て、新たに二輪自動車等においても備付けを可能とする国連基準の改正が成立したところ、当該基準を国内の保安基準に導入するための所要の法令等の整備を行います。
  • 自動車局では、自動車の安全・環境基準等について、社会や技術の変化を踏まえ、国際的な整合を図りつつ、順次、拡充・強化等を進めています。
  • 今般、国際連合欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(WP29)において、「二輪自動車等の灯火器の取り付けに関する国連協定規則(第53号)」の補足改訂等が採択され、新たに二輪自動車等においても後面衝突警告表示灯の備付けが可能となったことから、我が国においても、改正された国連協定規則を保安基準に反映させることなどを目的として、保安基準の改正等を行います。
  • 主な改正の概要
    • 後面衝突警告表示灯(衝突するおそれがあることを、後続車両に知らせるために使用される灯火)について、二輪自動車及び二輪の一般原動機付自転車への備付けを可能とし、備えた場合の要件を規定する。
    • バックカメラシステムについて、認証の選択肢を拡げ、検査における手続きを簡素化し、安全なバックカメラシステムの普及をより一層図るため、国連協定規則(第158号)と調和させつつカメラ及びモニターの取付範囲の指定等を規定し、装置単位での認証を可能とする。併せて、車両後面に設置するカメラ等について、安全上支障が無く車体から突出するものについては車両寸法に含めないこととする。(別紙参照)
  • 公布・施行
    • 公布:令和5年(2023年)9月22日
    • 施行:令和5年(2023年)9月24日(1.(2)の装置認証については公布の日)

国土交通省 ビッグモーター店舗前の街路樹の調査結果について(直轄国道)
  • 国土交通省が管理する直轄国道において、ビッグモーター店舗前の街路樹に枯死の発生が確認された箇所について、土壌調査を実施しておりましたが、調査結果がとりまとまりましたのでお知らせします。
  • 調査結果 地方整備局等による調査結果
    • 店舗前の街路樹に枯死の発生が確認された10店舗のうち、8店舗前で、除草剤成分(グリホサート等)が検出されました。
      • 福井店前(国道8号)★福井県福井市大土呂付近
      • 越前店前(国道8号)★福井県越前市塚町付近
      • 松本店前(国道19号)長野県松本市渚2丁目付近
      • 高松国分寺店前(国道11号)香川県高松市国分寺町付近
      • 平井店前(国道11号)★愛媛県松山市平井町付近
      • 松前店前(国道56号)★愛媛県伊予市下吾川付近
      • 飯塚店前(国道201号)★福岡県飯塚市堀池字古川付近
      • 多良見店前(国道34号)長崎県諫早市多良見町市布付近
        • ★:9/12までにビッグモーターから除草剤使用等の連絡があった店舗
    • また、上記調査の後、追加で枯死の発生が確認されたと報告があった1店舗前からも除草剤成分(グリホサート等)が検出されました。
      • 宇部店前(国道190号)★山口県宇部市東須恵付近
        • ★:9/12までにビッグモーターから除草剤使用等の連絡があった店舗
  • 今回、除草剤成分が検出された箇所については、所轄の警察署に被害届を提出します。
  • 今後、上記箇所については、国の方で適切に原状回復を行い、原因者が特定された箇所から順次、原因者に対して損害賠償等を請求する予定です。
  • 引き続き、関係機関と相談・調整し必要な対応を進めてまいります。

国土交通省 改正建築物省エネ法等の一部を施行し、省エネ対策の加速化を推進します
  • 令和4年6月に公布された「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第69号)」の一部の施行期日を定める政令及び施行に必要な規定の整備等を行う政令が、本日、閣議決定されました。
  • 背景
    • 令和4年6月、建築物の省エネ性能の一層の向上を図る対策の抜本的な強化等のための「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」(以下「改正法」という。)が公布されました。改正法においては、建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示の強化、建築物再生可能エネルギー利用促進区域制度の創設、防火規制の合理化などに係る規定について、公布の日から2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとされています(※)。
    • 今般、これら規定の施行期日を定めるとともに、施行に必要な政令の整備を行います。
      • ※原則全ての新築住宅・非住宅への省エネ基準適合の義務付け等のその他の改正については、公布の日から3年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとされており、今後、施行に必要な政令等の整備を行う予定です。
  • 政令の概要
    • 脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令
      • 令和6年4月1日から施行することとする。
    • 脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令
      • 建築基準法施行令
        • 耐火建築物とすべき建築物について、部分的な木造化を可能とする要件を規定
          • 当該木造部分が、周囲への延焼を有効に防止できる性能の床又は壁等で区画されていること
          • 当該木造部分を経由しないで避難できるものであること
        • 防火規制上、別棟扱いを認める「壁等」の要件を規定
          • 通常の火災による火熱が加えられた場合に、構造耐力上支障のある損傷を生じないこと
          • 火災発生側以外の面の温度が一定以上に上昇しないこと 等
  • スケジュール
    • 公布:令和5年9月13日(水)
    • 施行:令和6年4月1日(月)

国土交通省 マンション標準管理委託契約書を改訂しました~マンションの管理の適正化に向けて~
  • マンション管理適正化法等の改正、担い手確保・働き方改革、居住者の高齢化・感染症のまん延等、近年のマンション管理業を取り巻く環境の変化を踏まえ、「マンション標準管理委託契約書」及び「マンション標準管理委託契約書コメント」を改訂しましたので、公表します。
  • 改訂の概要
    • 以下の規定を整備する等の改訂を行いました。
      • 書面の電子化及びIT総会・理事会等DXへの対応
      • 担い手確保・働き方改革に関する対応
      • マンション管理業の事業環境の変化(居住者の高齢化、感染症のまん延等)への対応 等
    • 改訂後のマンション標準管理委託契約書及び同コメントについて
▼別添1 改訂の概要
  • 書面の電子化及びIT総会・理事会等DXへの対応
    • 書面の電子化やITを活用した説明等を可能とする規定等の整備
    • 理事会・総会をWEB会議で開催する場合の機器の調達、貸与及び設置に関する業務範囲や費用負担の明確化
  • 担い手確保・働き方改革に関する対応(カスタマーハラスメント、管理員・清掃員の休暇取得等)
    • カスタマーハラスメントへの対応に関する規定等の整備
    • 管理員・清掃員の計画的な休暇、やむを得ず勤務できない場合の休暇、勤務時間外の対応の明確化
  • マンション管理業の事業環境の変化(居住者の高齢化、感染症のまん延等)への対応
    • マンション内で、感染症の流行により組合員等の共同生活に影響を及ぼすおそれがある場合や、組合員等に認知症の兆候がみられ、管理事務の適正な遂行等に影響を及ぼすおそれがあると認められる場合等に、協議により相手方への通知事項の対象としうることや、通知を受けた際の対応をコメントに記載
    • 孤立死(孤独死)等、専有部分における事件・事故の際の対応についてコメントに記載
  • その他
    • (逗子のマンション法面崩落事案を踏まえ)管理業者の受託する管理業務の範囲が明確に規定されるよう、契約締結に際し、その内容を双方が明示的に確認すべきことをコメントに記載
    • 個人情報保護等に関する規定の充実
    • 宅地建物取引業者等への提供・開示事項の拡充(長期修繕計画等の写しの提供、点検・検査・調査の有無、管理員業務や清掃の内容等の開示)

国土交通省 国土交通月例経済(令和5年9月号)
▼記者発表資料(概況)
  • 建設工事の受注高
    • 6月の受注高は9兆6,910億円(前年同月比9.1%減)となった。そのうち、元請受注高は6兆6,307億円(前年同月比11.0%減)、下請受注高は3兆604億円(前年同月比4.6%減)であった。元請受注高のうち公共機関からの受注高は2兆1,162億円(前年同月比1.5%増)、民間等からの受注高は4兆5,145億円(前年同月比15.8%減)であった。
  • 住宅着工
    • 7月の新設住宅着工は、68,151戸(前年同月比6.7%減)となった。そのうち、持家は20,689戸(前年同月比7.8%減)、貸家は30,170戸(前年同月比1.6%増)、分譲住宅は16,979戸(前年同月比17.6%減)であった。
  • バス・タクシー
    • 全国
      • 2023年5月のバス(全国の乗車定員11名以上の乗合バス)の輸送人員は、32,359万人(前年同月比6.8%増)、タクシー(全国の乗車定員10名以下の営業用乗用車)の輸送人員は、8,205万人(前年同月比9.6%増)、実車率は45.0%となった。
    • 東京
      • 2023年6月のバス(東京均一制区間を運行する乗合事業者(10社))の輸送人員は、4,528万人(前年同月比4.7%増)、2023年6月のタクシー(東京都(島しょを除く)の全社)の輸送人員は、1,986万人(前年同月比2.8%減)、実車率は48.1%となった。
  • 鉄道
    • 2023年5月のJRの輸送人員は、72,897万人(前年同月比7.5%増)となった。そのうち、定期は43,999万人(前年同月比3.9%増)、定期外は28,899万人(前年同月比13.6%増)であった。
    • 2023年5月の民鉄の輸送人員は121,549万人(前年同月比8.2%増)となった。そのうち、定期は67,026万人(前年同月比5.2%増)、定期外は54,522万人(前年同月比12.2%増)であった。
  • フェリー
    • 2023年7月の長距離フェリーの輸送人員は23万人(前年同月比26.6%増)、自動車航送台数は15万台(前年同月比4.5%増)となった。
  • 航空
    • 2023年6月の国内線の輸送人員は、843万人(前年同月比34.9%増)となった。そのうち、幹線は359万人(前年同月比30.2%増)、ローカル線は483万人(前年同月比38.6%増)であった。
    • 2023年6月の国際線の輸送人員は、137万人(前年同月比133.6%増)となった。
  • 貨物輸送
    • 自動車
      • 2023年6月の貨物営業用自動車の輸送量は、20,731万トン(前年同月比8.2%減)となった。そのうち、貨物営業用自動車(普通車)は16,084万トン(前年同月比10.6%減)であった。
      • 2023年7月の宅配便貨物の取扱事業者(大手3社)による宅配便貨物取扱個数は、41,917万個(前年同月比0.8%減)となった。
    • 鉄道
      • 2023年6月の鉄道の輸送量は、314万トン(前年同月比4.9%増)となった。そのうち、車扱は147万トン(前年同月比16.6%増)、コンテナは167万トン(前年同月比3.7%減)であった。
    • 海運
      • 2023年6月の内航海運の輸送量は、貨物船1,569万トン(前年同月比3.1%減)、油送船922万トン(前年同月比0.9%増)となった。
      • 2023年6月の外航海運(外貿コンテナ)の輸送量は、輸出72万TEU(前年同月比6.1%減)、輸入71万TEU(前年同月比8.2%減)となった。
      • 2023年7月の国際海上貨物(価額ベース)は、輸出6.2兆円(前年同月比5.4%増)、輸入6.4兆円(前年同月比17.0%減)となった。
    • 航空
      • 2023年7月の航空の輸送量は、国内線4.7万トン(前年同月比2.1%増)、国際線12.8万トン(前年同月比10.4%減)となった。
      • 2023年7月の国際航空貨物(価額ベース)は、輸出2.5兆円(前年同月比12.4%減)、輸入2.3兆円(前年同月比2.6%減)となった。
  • 観光分野
    • 訪日外客数、出国日本人数、宿泊者数
      • 2023年7月の訪日外客数は、232万人(前年同月比1,505.1%増)となった。そのうち、韓国、台湾、中国からの訪日外客数はそれぞれ63万人(前年同月比2,975.0%増)、42万人(前年同月比10,604.7%増)、31万人(前年同月比2,016.5%増)であった。
      • 2023年7月の出国日本人数は、89万人(前年同月比220.8%増)となった。
      • 2023年7月の延べ宿泊者数は、5,282万人泊(前年同月比32.5%増)となった。そのうち、外国人延べ宿泊者数は、1,063万人泊(前年同月比1,408.6%増、外国人シェアは20.1%)であった。
    • 主要旅行業者の旅行取扱状況
      • 2023年6月の主要旅行業者(43社)の取扱額は、国内旅行1,938億円(前年同月比11.6%増)、海外旅行747億円(前年同月比214.8%増)、外国人旅行取扱額153億円(前年同月比790.5%増)となった。そのうち、旅行商品ブランド(募集型企画旅行)の取扱額は、国内旅行549億円(前年同月比47.8%増)、海外旅行54億円(前年同月比4,435.0%増)であった。
      • 「主要旅行業者の旅行取扱状況速報」(観光庁)によると、国内旅行取扱額には旅行に付随する受託事業等の取扱額も含まれており、契約の都合上、2022年3月及び2023年3月の年度末等に国内旅行取扱額を押し上げたと考えられる。
  • 倉庫
    • 2023年6月の普通倉庫の入庫高は、237万トン(前年同月比4.5%減)、保管残高は536万トン(前年同月比0.9%増)、回転率44.8%となった。
  • 自動車新車登録台数、軽自動車販売台数
    • 2023年7月の自動車新車登録台数は、26万台(前年同月比18.1%増)となった。そのうち、旅客車登録台数22万台(前年同月比18.9%増)、貨物車登録台数3万台(前年同月比12.7%増)であった。
    • 2023年7月の軽自動車販売台数は、13万台(前年同月比6.9%減)となった。
  • 自動車保有車両数
    • 2023年6月の自動車保有車両数は、8,273万台(前年同月比0.4%増)となった。
  • 高速道路通行台数
    • 2023年6月の高速道路通行台数は、15,213万台(前年同月比1.8%増)となった。そのうち、大型車通行台数は、3,374万台(前年同月比1.7%増)、東名高速道路通行台数は、1,260万台(前年同月比0.5%増)であった。
  • 鉄道車両
    • 2023年7月の鉄道車両(新造)の生産両数及び生産金額は、それぞれ109両、156億円となった。
  • 造船
    • 2023年7月の造船(竣工)の隻数、トン数及び船価は、それぞれ18隻、1,080,961G/T、1,304億円となった。
  • 旅客輸送の2019年同月比について
    • バス・タクシー
      • 2023年6月のバス(東京均一制区間を運行する乗合事業者(10社))の2019年同月比は89.8%となった。
      • 2023年6月のタクシー(東京都(島しょを除く)の全社)の2019年同月比は78.3%となった。
    • 鉄道
      • 2023年6月のJRの2019年同月比は86.8%となった。
      • 2023年6月の民鉄の2019年同月比は88.4%となった。
    • フェリー
      • 2023年7月の長距離フェリーの2019年同月比は92.9%となった。
      • 2023年7月の自動車航送台数の2019年同月比は100.8%となった。
    • 航空
      • 2023年7月の国内線の2019年同月比は96.6%となった。
      • 2023年7月の国際線の2019年同月比は71.1%となった。

国土交通省 グリーンインフラの推進を通じて「自然と共生する社会」の実現に取り組みます~「グリーンインフラ推進戦略2023」を策定しました!~
  • 国土交通省では、ネイチャーポジティブ等の世界的潮流を踏まえ、官と民が両輪となり、グリーンインフラをあらゆる分野・場面で実装(ビルトイン)することを目指し、新たに「グリーンインフラ推進戦略2023」を策定しました。
  • 「グリーンインフラ官民連携プラットフォーム」や経済団体と連携した国民運動を展開していきます。
    • 国土交通省では、令和元年に「グリーンインフラ推進戦略」を策定し、グリーンインフラの普及・推進に取り組んできました。(※グリーンインフラ:社会資本整備や土地利用等のハード・ソフト両面において、自然環境が有する多様な機能を活用し、持続可能で魅力ある国土・都市・地域づくりを進める取組)
    • 策定から4年が経過し、グリーンインフラの概念が定着して本格的な実装フェーズへの移行が求められるとともに、ネイチャーポジティブやカーボンニュートラル等の世界的潮流を踏まえ、今般、グリーンインフラ懇談会でのご議論を踏まえて前戦略を全面改訂し、新たな「グリーンインフラ推進戦略2023」を策定しました。
    • 本戦略では、新たにグリーンインフラの目指す姿(「自然と共生する社会」)や、取組に当たっての視点を示すとともに、官と民が両輪となって、あらゆる分野・場面でグリーンインフラを普及・ビルトインすることを目指し、国土交通省の取組を総合的・体系的に位置づけました。
    • 今後、「グリーンインフラ官民連携プラットフォーム」や経済団体と連携した国民運動を展開していきます。
▼【別添2】グリーンインフラ推進戦略2023の概要

国土交通省 スカイマーク株式会社に対する厳重注意について
  • スカイマーク株式会社において、以下のとおり整備士による不適切な行為が認められましたので、国土交通省航空局(以下「当局」という。)は本日付けで同社に対して別添のとおり厳重注意を行い、必要な再発防止策を検討の上、令和5年9月19日までに報告するよう指示しましたのでお知らせします。
  • 事案の概要
    • 令和5年6月19日、福岡空港において同社所属の確認主任者(整備士)が、整備規程及び業務規程に定める運航前整備作業開始前の法定アルコール検査を未実施のまま、整備業務を実施した旨、同日に同社から当局に対し報告があった。
    • 当局は同社からの報告を受け、随時監査を含む調査を行った結果、法定アルコール検査の未実施に加え、整備責任者による検査実施確認の方法が不適切であったことを確認した。
    • これらの行為は、航空法に基づき認可を受けた同社の整備規程及び業務規程に違反するものであった。
  • 国土交通省航空局としては、同社において再発防止が確実に図られ、安全運航のための体制が維持されるよう、引き続き厳格に指導監督を行ってまいります。

国土交通省 マンション管理業者への全国一斉立入検査結果(令和4年度)
  • 国土交通省では、令和4年10月から概ね3ヶ月、全国119社のマンション管理業者へ立入検査を実施し、うち24社に是正指導を行いました。
  • 引き続き、立入検査等を通じてマンション管理業全般の適正化に向けた指導等を行って参ります。
  • マンション管理業者は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「適正化法」という。)に基づき適正にマンション管理業を営むことが必要です。
  • このため、令和4年度においても、適正化法に基づき、全国119社に対して立入検査を行うとともに、24社に対して是正指導を行いました。是正指導の割合は令和3年度より減少したものの、一部のマンション管理業者において適正化法の各条項に対する理解不足がみられる結果となりました。
  • なお、24社すべてにおいて是正等がなされたことを確認しています。
  • 国土交通省としては、引き続き、立入検査等を通じた指導を行い、悪質な適正化法違反に対しては、適正化法に基づき厳正かつ適正に対処して参ります。
  • また、関係団体に対しても、研修活動等を通じて、マンション管理業全般の適正化に向けた指導等を図るよう本日付で要請しております。

国土交通省 「地域公共交通の活性化及び再生の促進に関する基本方針」を公表
  • 本年4月28日に公布された「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律」(令和5年法律第18号)の施行に向けて、「地域公共交通の活性化及び再生の促進に関する基本方針」を変更し、本日公表しました。
  • 背景
    • 地域の関係者の連携・協働(共創)を通じ、利便性・持続可能性・生産性の高い地域公共交通への「リ・デザイン」(再構築)を進めるための「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律」が、本年4月28日に公布されました。今般、同法の施行に向けて、地域公共交通の活性化及び再生の意義・目標や、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律(平成19年法律第59号)に関する基本的な事項等を定める「地域公共交通の活性化及び再生の促進に関する基本方針」について、変更を行いました。
  • 概要
    • 主な変更点は以下のとおりです。詳細は別紙をご参照ください。
      • 「連携と協働」の促進のため必要な事項の追加、まちづくりとの連携に関する記載の充実
      • 地域公共交通利便増進事業の留意事項の追加
      • 鉄道事業再構築事業の定義変更及び留意事項の追加
      • 再構築方針の作成に関する基本的な事項の追加

国土交通省 流域治水の推進に向けた普及施策の行動計画をとりまとめました~「水害リスクを自分事化し、流域治水に取り組む主体を増やす流域治水の自分事化検討会」とりまとめの公表~
  • 激甚化・頻発化する水災害から命を守り、被害を最小化するためには、住民や企業等が自らの水害リスクを認識し、自分事として捉え、主体的に行動することに加え、さらに視野を広げて、流域全体の被害や水災害対策の全体像を認識し、自らの行動を深化させることで、流域治水の取り組みを推進していく必要があります。
  • このため国土交通省では、令和5年4月に「水害リスクを自分事化し、流域治水に取り組む主体を増やす流域治水の自分事化検討会(委員長 国立研究開発法人土木研究所水災害・リスクマネジメント国際センター長 小池 俊雄)」を設置し、これまで3回の議論を重ねてきました。
  • 今般、住民や企業等のあらゆる関係者による、持続的・効果的な流域治水の取り組みの推進に向け、行政の働きかけに関する普及施策の体系化と行動計画をとりまとめました。
  • 今後、行動計画に基づき、具体的な施策を進めてまいります。
  • とりまとめのポイント
    • 自らに降りかかる水災害への取り組みから、さらに視野を広げて、流域全体の水災害への取り組みへと自らの行動を深化させていくことで、流域治水の取り組みを推進していきます。
    • 知ることと行動することのギャップを埋めるには、自分事として捉えることが重要であり、各自が行動の可能性や有効性を考える素材や機会を提供する施策を推進していきます。
    • 行動計画では、伝え方の工夫や自分事化のための手段、主体的な取り組みが進むための環境整備や持続的に進めるためのポイントなど、普及施策を進めていく上での着眼点と具体策を盛り込んでいます。

国土交通省 令和4年度 プレジャーボート全国実態調査の結果を公表します~前回(平成30年度)の調査結果と比べて、放置艇は約1.4万隻の減少~
  • 国土交通省は、水産庁と合同で、港湾・河川・漁港における令和4年時点のプレジャーボートの実態を把握するため、「プレジャーボート全国実態調査」を実施しました。調査の結果、適切な手続きを行わずに係留・保管している船舶である放置艇は約5.6万隻(プレジャーボート全体の約39%)であり、前回(平成30年度)の調査結果と比べて、約1.4万隻減少しました。
  • 放置艇は、景観の悪化、船舶の航行障害、洪水・高潮・津波等の自然災害時の船舶の流出による被害などをもたらすものであり、引き続き、対策の検討が必要であることから、国土交通省では、水産庁と連携し、令和5年9月4日に「令和5年度プレジャーボートの放置艇対策の推進に向けた検討会」を設置し、関係者の協力を得て今後の放置艇対策の方向性を検討してまいります。
  • プレジャーボート全国実態調査について
    • プレジャーボートを利用したレクリエーション活動が盛んになるにつれて、放置艇が多く見受けられるようになり、公共空間の適正管理を実現するうえで、その解消が求められています。
    • 本調査は、放置艇の解消に向けて、全国のプレジャーボートの実態を網羅的に把握するため、港湾・河川・漁港において、平成8年度、14年度、18年度、22年度、26年度、30年度に実施しており、今回が7回目の調査となります。
  • 結果概要
    • 添付資料「令和4年度プレジャーボート全国実態調査結果概要」のとおり
▼令和4年度プレジャーボート全国実態調査 結果概要

【文部科学省】

※現在、該当の記事はありません。

【農林水産省】

※現在、該当の記事はありません。

【総務省】

【2023年11月】

総務省 誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ(第11回)配布資料
▼ 資料1誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ とりまとめ骨子(案)
  • プラットフォーム事業者の対応の迅速化に係る規律
    • プラットフォーム事業者の誹謗中傷等を含む情報の流通の低減に係る責務を踏まえ、法制上の手当てを含め、プラットフォーム事業者に対して以下の具体的措置を求めることが適当ではないか。
      1. 措置申請窓口の明示
        • プラットフォーム事業者に、削除申請の窓口や手続の整備を求めることが適当ではないか。
        • その際、被害者等が削除の申請等を行うに当たって、日本語で受け付けられるようにすること(申請等の理由を十分に説明できるようにすることを含む。)や、申請等の窓口の所在を明確かつ分かりやすく示すこと等、申請方法が申請者に過重な負担を課するものとならないようにすることが適当ではないか。
      2. 受付に係る通知
        • プラットフォーム事業者が申請等を受けた場合には、申請者に対して受付通知を行うことが適当ではないか。
        • その際、「(4)申請の処理に関する期間の定め」において、原則として一定の期間内に対応が求められることを踏まえ、プラットフォーム事業者が当該申請等を受け付けた日時が申請者に対して明らかとなるようにすることが適当ではないか。
      3. 運用体制の整備
        • プラットフォーム事業者は、自身が提供するサービスの特性を踏まえつつ、我が国の文化・社会的背景に明るい人材を配置することが適当ではないか。
        • プラットフォーム事業者の自主性や負担に配慮し、前述の人材配置は、日本の文化・社会的背景を踏まえた対応がなされるために必要最低限のもののみを求めることが適当ではないか。
      4. 申請の処理に関する期間の定め
        • 基本的には、プラットフォーム事業者に対し、一定の期間内に、削除した事実又はしなかった事実及びその理由の通知を求めることが適当ではないか。
        • その際、事業者による的確な判断の機会を損なわないよう、発信者に対して意見等の照会を行う場合や専門的な検討を行う場合、その他やむを得ない理由がある場合には、一定の期間内に検討中である旨及びその理由を通知した上で、一定の期間を超えての検討を認めることが適当ではないか。
        • なお、以下「(5)判断結果及び理由に係る通知」のとおり、プラットフォーム事業者が一定の期間を超えた検討の後に判断を行った際にも、申請者に対して対応結果を通知し、削除が行われなかった場合にはその理由をあわせて説明することが適当ではないか。
        • 「一定の期間」の具体的な日数については、アンケート結果によれば、プラットフォーム事業者による不対応が一週間より長い期間続いた場合に許容できないとする人の割合が8割超に上ること、楽天チュッパチャプス事件(知財高判平成24年2月14日判タ1404号217頁)において訴状の送達により商標権侵害の事実を知ったときから8日間での削除は合理的な期間内での是正であると判断されたこと等を踏まえれば、一週間程度とすることが適当ではないか。
        • ただし、刻々と変化する情報通信の技術状況に鑑みれば、期間を定めるに当たっては、一定の余裕を持った期間設定が行われることが適当ではないか。
      5. 判断結果及び理由に係る通知
        • プラットフォーム事業者が判断を行った場合には、申請者に対して対応結果を通知し、削除を行わなかった場合にはその理由をあわせて説明することが適当ではないか。
        • その際、申請件数が膨大となり得ることも踏まえ、過去に同一の申請が行われていた場合等の正当な理由がある場合には、判断結果及び理由の通知を求めないことが適当ではないか。
      6. 対象範囲対象とする事業
        • 「1.プラットフォーム事業者の対応の迅速化に係る規律」の対象とする事業者の範囲については、違法・有害情報が流通した場合の被害の大きさ(拡散の速度や到達する範囲、被害回復の困難さ等)、事業者の経済的活動(特に新興サービスや中小サービスに生じる経済的負担の問題)や表現の自由に与える影響、削除の社会への影響等を踏まえ、権利侵害情報の流通が生じやすい不特定者間の交流を目的とするサービスのうち、一定規模以上のものに対象を限定することが適当ではないか。
        • 定性的な要件については、権利侵害情報の流通の生じやすさから、不特定者間の交流を目的とすることに加えて、他のサービスに付随して提供されるサービスではないことも考慮することが適当ではないか。
        • 規模については、サービスによっては必ずしも利用者登録を要しないことを踏まえて、アクティブユーザ数や投稿数といった複数の指標を並列的に用いて捕捉することが適当ではないか。
        • このような指標の具体的なデータの取得に当たっては、第一次的には事業者から直接報告を求めることが適当ではないか。しかしながら、事業者からの報告が望めない場合等においては、他の情報を基に数値を推計することが適当ではないか。
        • また、内外無差別の原則を徹底する観点から、エンフォースメントも含め、海外事業者に対しても国内事業者と等しく規律が適用されるようにすることが適当ではないか
      7. 対象範囲 対象とする情報
        • 本WGにおいて誹謗中傷等を念頭に議論が進められてきたことを踏まえれば、「1.プラットフォーム事業者の対応の迅速化に係る規律」の対象となる情報の範囲には、誹謗中傷等の権利侵害情報を含めることが適当ではないか。
        • 個別の行政法規(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、職業安定法等)に抵触する情報については、行政法規については行政機関でなければその適用の可否の判断が困難であるとともに、個別具体的な行政法規の立法過程において保護法益と特定の情報の流通を制限する利益との衡量が図られるべきではないか。
        • 受信者の属性や文脈によって外延が変化する有害情報については、法律上の定義が困難であること等から、法的な枠組の中で規律の対象として位置付けることは慎重であるべきではないか。
        • これらを踏まえ、「1.プラットフォーム事業者の対応の迅速化に係る規律」については、その対象となる情報の範囲を誹謗中傷等の権利侵害情報に限定することが適当ではないか。
  • プラットフォーム事業者の運用状況の透明化に係る規律
    • 「1.プラットフォーム事業者の対応の迅速化に係る規律」と同様に、「2.プラットフォーム事業者の運用状況の透明化に係る規律」についても、プラットフォーム事業者の誹謗中傷等を含む情報の流通の低減に係る責務を踏まえ、法制上の手当てを含め、プラットフォーム事業者に対して以下の具体的措置を求めることが適当ではないか。
      1. 削除指針
        • 利用者にとっての透明性、実効性の観点から、削除等の基準について、海外事業者、国内事業者を問わず、投稿の削除等に関する判断基準や手続に関する「削除指針」を策定し、公表させることが適当ではないか。
        • また、新しい指針や改訂した指針の運用開始に当たっては、事前に一定の周知期間を設けることが適当ではないか。
        • 「削除指針」の策定、公表に当たっては、日本語で、利用者にとって、明確かつ分かりやすい表現が用いられるようにするとともに、日本語の投稿に適切に対応できるものとすることが適当ではないか。
        • また、プラットフォーム事業者が自ら探知した場合や特定の者からの申出があった場合等、削除等の対象となった情報をプラットフォーム事業者が認知するに至る端緒の別に応じて、できる限り具体的に内容が記載されていることが適当ではないか。
        • 過度に詳細な記載までは求めないことが適当ではないか。
        • ただし、個人情報の保護等に配慮した上で、実際に削除指針に基づき行われた削除等の具体例を公表することで、利用者に対する透明性を確保することが適当ではないか。
      2. 発信者に対する説明
        • プラットフォーム事業者が投稿の削除等を講ずるときには、対象となる情報の発信者に対して、投稿の削除等を講じた事実及びその理由を説明することが適当ではないか。
        • 理由の粒度については、削除指針におけるどの条項等に抵触したことを理由に削除等の措置が講じられたのか、削除指針との関係を明らかにすることが適当ではないか。
        • また、過去に同一の発信者に対して同様の通知等の措置を講じていた場合や、被害者の二次的被害を惹起する蓋然性が高い場合等の正当な理由がある場合には、発信者に対する説明を求めないことが適当ではないか。
      3. 運用状況の公表
        • プラットフォーム事業者の説明責任を確保する観点から、諸外国の取組も踏まえつつ、事業者の取組や削除指針に基づく削除等の状況を含む運用状況の公表を求めることが適当ではないか。
        • 公表の対象とする事項については、上記の「1.プラットフォーム事業者の対応の迅速化に係る規律」及び「2.プラットフォーム事業者の運用状況の透明化に係る規律」のうち「(1)削除指針」及び「(2)発信者に対する説明」が利用者にとって重要性が高い事項について一定の措置を求めていることを踏まえ、これらの運用状況の公表を求めることが適当ではないか。
      4. 運用結果に対する評価
        • 運用結果に対する評価に当たっては、個人情報や秘匿性の高い情報に対して配慮した上で、外部からの検証可能性を確保し、客観性や実効性を高めることが望ましいのではないか。
      5. 取組状況の共有
        • 違法・有害情報の全体の流通状況やプラットフォーム事業者をはじめとする各ステークホルダーにおける取組状況については、引き続き継続的かつ専門的に把握・共有することが望ましいのではないか。
        • その際、情報の取扱いについて、個々の投稿の内容を扱う場合、当該情報が個人情報保護法上の「個人情報」に該当する可能性があることや、その内容によってはプライバシーの問題が生じること等に留意する必要があるのではないか。
      6. 対象範囲 対象とする事業者
        • 「2.プラットフォーム事業者の運用状況の透明化に係る規律」についても、「1.プラットフォーム事業者の対応の迅速化に係る規律」の「(6)①対象とする事業者」における整理が妥当することから、その対象事業者の範囲は「1.プラットフォーム事業者の対応の迅速化に係る規律」と同じ範囲に限定することが適当ではないか。
      7. 対象範囲 対象とする情報
        • 本WGでは誹謗中傷等を念頭に議論が進められてきたことを踏まえれば、「2.プラットフォーム事業者の運用状況の透明化に係る規律」の対象となる情報の範囲には、誹謗中傷等の権利侵害情報を含めることが適当ではないか。
        • 加えて、利用者のサービス選択や利用に当たっての安定性及び予見性を確保する観点からは、情報の種類如何に関わらず、プラットフォーム事業者が削除等の措置を行う対象となる情報について、プラットフォーム事業者の措置内容を明らかにすることが適当ではないか。
        • 以上を踏まえて、「2.プラットフォーム事業者の運用状況の透明化に係る規律」において対象とする情報の範囲については、削除等の対象となる全ての情報とすることが適当ではないか。
  • プラットフォーム事業者に関するその他の規律
    1. 個別の違法・有害情報に関する罰則付の削除義務
      • しかしながら、このような個別の情報に関する罰則付の削除義務を課すことは、この義務を背景として、罰則を適用されることを回避しようとするプラットフォーム事業者によって、実際には違法・有害情報ではない疑わしい情報が全て削除されるなど、投稿の過度な削除等が行われるおそれがあることや、行政がプラットフォーム事業者に対して検閲に近い行為を強いることとなり、利用者の表現の自由に対する制約をもたらすおそれがあること等から、慎重であるべきではないか。
    2. 個別の違法・有害情報に関する公的機関等からの削除要請
      • しかしながら、この要請に応じて自動的・機械的に削除することをプラットフォーム事業者に義務付けることについては、公的機関等からの要請があれば内容を確認せず削除されることにより、利用者の表現の自由を実質的に制約するおそれがあるため、慎重であるべきではないか。
      • なお、プラットフォーム事業者が、法的な位置付けを伴わない自主的な取組として、通報に実績のある機関からの違法・有害情報の削除要請や通報を優先的に審査する手続等を設け、公的機関等からの要請をこの手続の中で取り扱うことは考えられる。その場合でも、違法・有害情報に関する公的機関等からの削除要請に関しては、その要請に強制力は伴わないとしても、事後的に要請の適正性を検証可能とするために、公的機関等及びプラットフォーム事業者双方においてその透明性を確保することが求められる。
    3. 違法情報の流通の監視
      • プラットフォーム事業者に対して違法情報の流通に関する網羅的な監視を法的に義務付けることは、行政がプラットフォーム事業者に対して検閲に近い行為を強いることとなり、また、事業者によっては、実際には違法情報ではない疑わしい情報も全て削除するなど、投稿の過度な削除等が行われ、利用者の表現の自由に対する実質的な制約をもたらすおそれがあるため、慎重であるべきではないか。
      • しかしながら、プラットフォーム事業者に対し、特定のアカウントを監視するよう法的に義務付けることは、「違法情報の流通の網羅的な監視」と同様の懸念があるため、慎重であるべきではないか。
      • 繰り返し多数の違法情報を投稿するアカウントの停止・凍結等を行うことを法的に義務付けることは、ひとたびアカウントの停止・凍結等が行われると将来にわたって表現の機会が奪われる表現の事前抑制の性質を有しているため、慎重であるべきではないか。
    4. 権利侵害情報に係る送信防止措置請求権の明文化
      • 人格権を侵害する投稿の削除を求める権利は、判例法理によって認められているため、一定の要件の下で、権利侵害情報の送信防止措置を請求する権利を明文化することも考えられる。
      • 当該権利の明文化によるメリットとしては、(1)被害者が削除を請求できると広く認知され、請求により救済される被害者が増えること、(2)特に海外事業者に対して、削除請求に応じる義務の存在が明確化され、対応の促進が図られること、(3)人格権以外の権利利益(例:営業上の利益)が違法に侵害された場合であっても請求が可能であることが明確化されることが指摘されている。
      • 一方で、デメリットとして、(1)裁判例によれば、特定電気通信役務提供者が送信防止措置の作為義務を負う要件は、被侵害利益やサービス提供の態様などにより異なるため、請求権を明文化するとしても抽象的な規定とならざるを得ず、期待される効果は生じないのではないか、(2)安易な削除請求の乱発を招き、表現の自由に影響を与えるのではないか、(3)安易な削除請求の乱発の結果、削除請求の裁判の実務に混乱が生じるのではないか、(4)著作権法第112条や不正競争防止法第3条などの個別法における差止請求の規定との整合性に課題があるのではないかといった点が指摘されている。
      • なお、かかるメリット及びデメリットを示した上で実施したアンケートによれば、法律での明文化に対する考え方として、全体の半数弱(47.7%)は「メリット・デメリットがそれぞれに複数あることから、慎重な議論が必要である」との回答であった
      • 上記メリット及びデメリット並びにアンケート結果を踏まえて、権利侵害情報の送信防止措置を請求する権利を明文化することについては、引き続き慎重に議論を行うことが適当ではないか
    5. 権利侵害性の有無の判断の支援
      • 既に、プロバイダ責任制限法3条2項2号の規定により発信者から7日以内に返答がないという外形的な基準で、権利侵害性の有無の判断にかかわらず、責任を負うことなく送信防止措置を実施できることや、内容にかかわらない自動的な削除が表現の自由に与える影響等を踏まえれば、ノーティスアンドテイクダウンの導入については、慎重であるべきではないか。
      • これらの機関が法的拘束力や強制力を持つ要請を行うとした場合、これらの機関は慎重な判断を行うことが想定されることや、その判断については最終的に裁判上争うことが保障されていることを踏まえれば、必ずしも、裁判手続(仮処分命令申立事件)と比べて迅速になるとも言いがたいこと等から、上述のような第三者機関を法的に整備することについては、慎重であるべきではないか。
      • 裁判外紛争解決手続(ADR)については、憲法上保障される裁判を受ける権利との関係や、裁判所以外の判断には従わない事業者も存在することも踏まえれば、実効性や有効性が乏しいこと等から、ADRを法的に整備することについては、慎重であるべきではないか。
    6. その他
      • 特に、相談のたらい回しを防ぎ、速やかに迅速な相談を図る観点からは、違法・有害情報相談機関連絡会(各種相談機関ないし削除要請機関が参加している連絡会)等において、引き続き、関連する相談機関間の連携を深め、相談機関間の相互理解による適切な案内を可能にすることや知名度の向上を図ることが適当ではないか。
      • 現行の発信者情報開示制度は、情報が拡散され被害が際限なく拡大するおそれがあることに着目して不特定の者に受信されることを目的とする通信を対象とする規定となっているものであり、根本的な見直しを必要とする事情等があるか否かについて、生じる被害の法的性質も考慮しながら、引き続き状況の把握に努めることが適当ではないか。
      • 炎上事案については、法解釈等の観点から課題が存在していることから、人格権侵害の成否を巡る議論の動向に注視しつつ、引き続きプラットフォーム事業者の自主的取組を促進することが適当ではないか。
      • 「3.プラットフォーム事業者に関するその他の規律」において義務付け等をすることは慎重であるべきとされた事項についても、プラットフォーム事業者が、利用規約等に基づいて、適切な場面において自主的に行うことは、妨げられないと考えられるのではないか

総務省 デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会(第2回)配付資料
▼ 参考資料2-1構成員からのこれまでの主なご意見
  • デジタル空間における情報流通に関する現在の課題
    • 【アテンション・エコノミー、フィルターバブルやエコーチェンバーが引き起こす課題】
      • 情報流通の健全性を脅かしている「構造的要因」に着目すべき。構造的な要因として、プラットフォームのビジネスモデルといわれる「アテンション・エコノミー」のひろがりがある。アテンション・エコノミーの下では、どれだけユーザーのアテンション(エンゲージメント)を奪えるかが非常に重要(死活問題)となるため、ユーザーの選好、政治的信条、認知傾向等に合った情報が強くレコメンドされる傾向にある。それによって、フィルターバブル、エコーチェンバーといった問題が先鋭化・増幅する。また、この「構造」では、アテンションを得やすい、刺激的な偽情報や憎悪的表現などが優位性を獲得しやすい(逆に、刺激に乏しい「真実」は流通しにくい)。このような構造を無視して、「モグラたたき」をしてもあまり実効性がない。モグラが出やすい「土壌」(環境)を改善しない限り、モグラは次々と出てくる(認知戦についても、戦いやすい「構造」に対処していかないと有効なカウンターとならない)。【山本構成員】
      • 現在のデジタル空間においては、情報とかサービスがユーザーの目から見ると非常に多種多様かつ大量にあり過ぎて、まさにジャングルの中にいるような状態。そこで、情報やサービスの一部をレコメンドというか、優先的に表示してもらうことによって、我々は取捨選択ができるようになっているが、アテンション・エコノミーが背景にあることによって、そうした優先順位づけでアテンションを稼ぐものが表示されやすくなっている。【水谷構成員】
      • 情報流通の健全化に際しては、アテンション・エコノミーとの関連でも、偽情報やそのほかの有害情報を発信する情報発信者の背景にある経済的インセンティブ(主として広告収入)にどのように対応していくかについても議論した方がよい。その場合、PF側によるデマネタイゼーション、デプラットフォームのみならず、PFに広告を出稿する広告主・代理店の「ブランドセーフティ」を高める必要もある。【水谷構成員】
      • 本検討会の中心的な課題は偽情報への対策だが、現に生じた現象への事後的な対策だけでなく、偽情報の流通を容易にし、偽情報に社会を破壊しうる大きな力をもたせることになった要因、すなわち、フィルターバブルやエコーチェンバーのような状況を生み出すプラットフォーム事業者等のレコメンドシステムや、さらにはそれを可能にしている大量のデータ収集の問題など、プラットフォーム事業に起因する問題にも向き合う必要。【森構成員】
      • 事後の対応としてのコンテンツ・モデレーションだけでなく、偽情報に破壊力をもたせてしまう要因への対処も考えていく必要。例えば、DSAではレコメンドの透明性確保や、特別なカテゴリー情報を用いたターゲティング広告の禁止、未成年者に対するターゲティング広告の禁止なども義務づけており、これらは我が国の制度設計においても参考になる。【森構成員】
      • 消費者はフィルターバブルによって繰り返し同種のトラブルに遭っている。エコーチェンバーによる考え方の偏りが特に若年層には多いのではないか。【増田構成員】
    • 【情報環境における偽・誤情報問題の深刻化】
      • 情報環境において偽・誤情報問題は深刻化している。過去の調査でも、偽・誤情報に出会った人、見聞きした人の中で77.5%の人が誤っていると気づいていないという結果が出ており、政治だとこれが87%で、ほとんどの人がだまされてしまうということが分かっている。また、中高年以上の方がだまされやすいということも分かっており、若者だけの問題ではない。【山口構成員】
      • 偽・誤情報に出会った後に拡散している人というのが15~35%おり、拡散手段として最も多いのが直接の対話であり、インターネットだけの問題ではない。【山口構成員】
      • 偽・誤情報を信じている人や、メディアリテラシーや情報リテラシーの低い人、こういう人の方が偽・誤情報を拡散する傾向にある。しかも、その確率が非常に高く、そういう偽・誤情報を信じていたり、リテラシーの低い人が大量に拡散しているのが今の我々が接している情報環境である。さらに、偽・誤情報は、政治において弱い支持層の考えを変えやすいということが分かっており、この弱い支持層というのは支持層の中でも人数の多い層であり、選挙や民主主義に大きな影響がある。【山口構成員】
    • 【情報通信技術の進展の速さ】
      • 情報技術の進化に伴って重要な社会構造の変化が生じている部分について見ていくことが重要。以前は有体物を信頼してという状態であったが、どうしても無体物、データ、アルゴリズムなどが中心になってくるような部分が出てくる。判断の主体が、以前は人がほぼ判断をしていたという状況であったのが、AIなどを含めたシステムの影響も非常に大きくなってきている。どうしても予測可能性だったり、統制がどこまでできるのかという領域が出てくる。今回の健全性については、サイバーフィジカル空間の融合による社会構造の変化がSociety5.0となる中、かなりサイバー側に寄っている部分もあり、世の中のフィジカルな実態と組合せをしてデジタル化をしていく分野よりは、より一層早い取組が求められる領域であると思われるため、まず、リスク認識がどこにあるのかを考え、これを理解していくことが重要。【落合構成員】
      • 技術の進化のスピードはとても速い。それに対して、しっかり法制度をつくっていただくというのは大事だが、そこにどうしても対応の速度の差があるが、その差を覚悟することが重要。【後藤構成員】
    • 【情報やデータのトラストを得るためのコストの増加】
      • 巧妙な偽・誤情報の生成・拡散、メタバースの問題、情報流通・データ利用のグローバル化・広域化とスピード、それに伴う国際的な協調の必要性などのリスク増に伴って、情報やデータのトラストを毎回確認しなければいけない。このためのコスト増が本当に大きくなっていて、社会活動、これは個人でもコミュニティでも企業でも、全てにおいて質の劣化、効率の劣化が避けられない状況。【後藤構成員】
    • 【生成AI技術・ディープフェイク技術の進展に伴うリスクへの対応】
      • 生成AIについては、学習済みのAPIが広く公開されており、誰もが最新の生成AIを使ってコンテンツを創作できる状況になりつつある。国内でも面白半分で偽・誤情報を作成、共有し、関係各所に大きな混乱を招いたケースだけではなく、明確な意図を持って視聴者を誤解させる目的で作成したケースも出てきている。このような脅威に対し、偽・誤情報の自動検知について、国内でも実導入に向けた動きがある。【越前構成員】
      • 特に生成AIを用いて創作される偽・誤情報の拡散を技術的な手段でどのように防ぐか。生成AIが生成する画像、映像、音声、文書のクオリティーは日々進化している状況であり、一部の偽・誤情報は人間が見たり聞いたりしてもリアルなのかフェイクなのか全く判別がつかなくなっている状況。【越前構成員】
      • リスク認識については、定性的だけではなく、定量的なものや、研究として実際どういう実態があるのかを把握していくことが重要。その中で、データの利用や、生成AI等のAIがどういうふうに利用されているのかの実態を見ていく。自動判定技術による対応可能性、これもどうしても後追いになるところがあるが、今後も継続的に基礎資料となるような材料を集めていくことが必要。【落合構成員】
      • 生成系AIの普及によるコンテンツ爆発の影響は、偽情報にも及んでおり、AIによって生成される偽情報の問題や、AIによる偽情報判定の問題も、本検討会の中心的課題。【森構成員】
      • AIとプラットフォームとデータの3つは重要で密接不可分なものである中、生成AIや基盤モデルの開発者・提供者の役割が非常に重要視されてくる。そこで作られた偽動画等が流通するのは、SNS等のプラットフォーム上であることが多い。デジタルサービス法の中では、AI規則とは別に、リスク軽減措置の中で行動規範の形で、生成AIコンテンツに対しプラットフォーム上でのラベリングを求める議論がある。生成AIとそれを流通させるプラットフォーム、それぞれの責務・役割というのは何なのかという両面から考えていく必要がある。この検討会がプラットフォームの問題と、そして生成AIなどの新しい技術を併せて取り扱う枠組みができていることは大変適切。【生貝構成員】
      • 生成AIとプライバシー保護に関する国内外の動向を踏まえると、イタリアの監督機関がChatGPTを一時停止したという事案が有名だが、各国の規制機関が調査を行ったり、国際的な議論の場でも情報発信を数多く行っている。入力するデータ、出力する結果について、それぞれ正確性の問題が出てくるというのは、プライバシーの問題でもあると同時に、偽・誤情報対策ともつながる部分であろう。【石井構成員】
      • 生成AIが普及してディープフェイクの大衆化、又は、世論工作の大衆化が起こり、世論工作をビジネスにするような動きもかなり活発になっている。さらに、近い将来、AIが作った情報やコンテンツの量が人の作った量を超えるということも予想され、そういった中で、どのように情報に接すればいいかというのが喫緊の課題。【山口構成員】
    • 【認知的・社会的バイアス】
      • 訂正情報を提示した後、ユーザーがそれを読み、その訂正情報を記憶していても、なお誤情報を信じ続けるというような現象も確認され、心理学の分野では欧米を中心に「誤情報持続効果」という名称でメカニズムの研究が進められている。また、繰り返し誤情報に接触すると、情報処理の流動性が高まるがために、誤情報が正しく感じられるというような認知バイアス(真実錯覚効果)があり、もしこのメカニズムが訂正情報にも働けば、訂正情報も同じように繰り返せば誤情報の影響を緩和できるかと言ったら実はそうではなく、誤情報の3倍の頻度で訂正情報を出しても誤情報の影響が取り除けないというような非対称性というものも確認されている。こういったものは一度信じられた誤情報を事後的に訂正することの難しさの一因となっている。【田中構成員】
      • 認知的バイアスが社会的判断にもたらす問題は、ある程度知見も蓄積されつつあり、誤情報・虚偽情報がなぜ広まるのか、なぜ信じるのかといった問題。これらの研究成果が示していることは、自分の信念や態度に沿った情報であれば、根拠がなくても信じやすいということ。それから情報の検証など、面倒なことをコストをかけて行う人は必ずしも多くないということ。こうした事実は、社会心理学では、認知的バイアスとして古くから指摘されたことではあるが、これが情報収集の段階、推論の段階、記憶の段階、全てにおいて影響することに注意する必要。情報収集の段階では、例えば、自分の態度に沿った情報に注目しやすい確証バイアス、推論の段階では、共変性、何と何が一緒に起きて因果関係や関連があるのかといった判断が上手ではないということや、因果帰属において目立ったものに原因帰属をしやすいバイアスがある。記憶の段階では、後から与えられた情報で記憶がゆがんでしまうという記憶の段階のバイアスがある。【安野構成員】
      • 認知的バイアスを一因として、政治や社会に関する私たちの知識が一般的に乏しいということも過去の研究で繰り返し指摘。さらに、先行研究では、学歴だけでなく、人種や所得、性別などにおいて不利な状況にある人ほど政治知識が乏しいという格差も指摘。日本のデータで分析しても、男性、大卒、しかも貯蓄などの資産がある人ほど政治知識を持っている。メディア接触をコントロールしても、このような結果となる。認知的バイアスと社会的バイアス(政治的知識の乏しさ、社会的属性による知識の格差)、この2点を前提とする必要があり、デジタル空間において正しい情報を提供できてさえいればよいとは言い切れない。正しい情報を提供する努力をしても届かない層が存在する可能性を前提とする必要。【安野構成員】
      • 虚偽情報・誤情報の拡散が人々の認識に影響を与えてしまうという懸念。繰り返し接触すると正しい知識を持っている人もillusory truthの影響を受け、誤った情報も正しく見えてしまう。認知的な処理が簡単になることで正しく見えてしまい、しかも、知識があってもだまされてしまうことがあるということも重要な問題。一方、正しさを意識すると、興味深さを意識した場合よりも影響を受けにくいという指摘があるが、成AIを用いたサービスなど、作成又は拡散の責任が曖昧な虚偽情報・誤情報が拡散する中で、そのような情報にたくさん触れてしまった場合、正誤の判断が私たちにはますます難しくなっていくことが今後の課題。【安野構成員】
      • 私たち人間は基本的に認知的に怠け者であり、自分視点でしか判断していないということを全員が前提とする必要。【安野構成員】
    • 【消費者における対応の困難性、情報の受け手としての個人の脆弱性】
      • ダークパターン等による詐欺サイト・定期購入・デジタル勧誘等に関する消費生活相談からのまとめとしては、消費者は、情報の真偽を確かめることができず、ネットの情報を信用する傾向があり、真偽を確かめる方法を知らない。インターネット上の細かい規約を確認できていない。デジタル契約について法律が追いついていないなどの問題があり、情報流通の健全性確保は喫緊の課題。【増田構成員】
      • 情報選択等において個人が合理的に判断するということには限界が実はあるということがかねてから指摘をされており、私たち個人には刺激に弱い脆弱性がある。こういったことを前提に議論を進める必要。【水谷構成員】
    • 【情報生成・発信の在り方】
      • 大学のゼミでビデオジャーナリズムとファクトチェックを教えている。ビデオジャーナリズムとは、学生が自分で、カメラを持ち、相手を口説いて撮影し、ナレーションやテロップを入れる。どこの誰が来たというところから始めるため、公開を前提にした取材は、学生にとってはかなりの関門。あなたの行いや言葉が世の中にこういう役に立つから、あなたをさらし者にしに来たと言って相手を口説かなければいけない。このようなニュースが何のためにあるのかを学生が言語化するきっかけになるワークショップが、この会合でもヒントになることもある。【奧村構成員】
      • デジタル・ストーリーテリングとかファクトチェックの能力というのはメディアにとってプラスアルファで、ぜいたくと言われるもの(ニュースラグジュアリー)だが、そうやって手間暇かけたニュースは、ジャーナリスティック・エンタープライズと呼ばれる形で、説得力のある情報になる。表現のオプションとしてネットになると、テキスト・写真・映像・CG等に境界がなくなると、表現の豊かさが情報の説得力にもつながる。そうした情報をどのようにしてメディアが発することができるかというのは、これからの大きな課題になっていく。【奥村構成員】
      • 「The Elements Of Journalism」のようにジャーナリズムのルール・目的・ミッションをニュースの消費者が分かるような言葉で表現し、日本はニュースメディアであるだけで信頼等された社会であったが、民主主義におけるニュースとは何かを考え直す必要。【奥村構成員】
      • 私たちが今扱っている映像というようなものも改めて考える必要が出てくる。例えば首から下しか映っていないインタビューというのがどういう意味を持つのかというようなことは、もう少しちゃんと考えられていいことだと思っている。【奥村構成員】
      • 信頼できる社会の基本情報を取材・編集、ストーリーテリングできる事業者・人材の確保と育成、そしてそのために必要であると考えるのが効果的なオーディオビジュアル表現であるテレビ的手法、ノウハウの還元。【脇浜構成員】
    • 【人材育成の在り方】
      • デジタル空間は決して健全オンリーのものではない。界隈性や猥雑性があってこその魅力があるが、健全に過ごせる公園のような空間も分かりやすく確保することは必要で、その際、情報の受け手としての守りの強化として、ファクトチェックやオリジネーター・プロファイル等とともに健全な情報を生み出す人材というのをできるだけ多く育成する攻めの施策が重要。健全だけでは人は見てくれない。健全で面白い、魅力的な情報を生み出す人材を育てる、そこにリソースをつぎ込むべきではないか。【脇浜構成員】
    • 【リテラシー教育・啓発活動の在り方】
      • 誤情報対策は主にプレバンクとデバンクに分けられることが多いが、プレバンクは誤情報が拡散する前の備えのことを指して、リテラシー向上などはこれに該当。【田中構成員】
      • デジタル空間における情報流通の健全性確保と言ったときに、このようなユーザー側の認知的特徴(誤情報持続効果や真実錯覚効果等)が健全性の確保にどのように関わってくるのかについて、リテラシーの向上と併せて検討すべき。【田中構成員】
      • 消費者において、表現の自由、知る権利についての理解ということも、正しい情報の見極め、情報発信の責任ということも同時に身に付ける必要。【増田構成員】
      • ICTリテラシーの向上、インターネットの基本的な仕組みについての教育や啓発(フィルターバブルによって、繰り返し同種のトラブルに遭う、エコーチェンバーによる考え方の偏りなど)というのも非常に重要。【増田構成員】
      • メディア情報リテラシー教育の拡充が大事。教材を作るだけでは圧倒的に不足している。例えば、これまでのベストプラクティスという意味では、ユーチューブクリエーター、インフルエンサーと組んでキャンペーンをやったところ、ものすごく効果があったこともあり、そういったキャンペーンと、教材、講座、ほかの手段も含めていろいろなことを検討して、多様な手段で啓発していくのが大事。【山口構成員】
      • リテラシー教育や啓発活動は、サイバーセキュリティ対策としても取り組んでいるが、簡単な話ではなく、いつも若年層や高齢者層、ビジネス面、いろいろなところでそれぞれの啓発活動が要ると悩んでいるところ、情報の流通の健全性においても同じ。【後藤構成員】
      • 高齢者層については、今から教育と言っても困るため、実被害を避ける取組や、被害を受けてしまったときの救済策が要る。一方、若年層に向けては、静止画と音声の録音さえあれば、3次元のおしゃべりするビデオが作れてしまい、中高生のスキルで使えるレベルまで、使いやすくなってしまっている中、最新のツールの利用を止めても仕方ないので、積極的に情報合成ツール等を活用してリテラシー向上させ、偽画像が簡単にできてしまうことを肌身で感じてもらったほうが早いのではないか、という議論もある。今後、5年後、10年後には、個人差の拡大や、年齢層がだんだんシフトすることもあるので、それにどう対応していくのかということが大事。【後藤構成員】
      • AI等最新テクノロジーを地域コンテンツ制作にも活かしていけるのではないか。例えば、AI無人カメラでのスポーツの試合の中継など、コストを削減しつつ、地域コンテンツ流通を増やしていける可能性を感じた。ICT活用のためのリテラシー向上に関するロードマップにあった言葉で言うと、デジタルコンテンツの作成・編集に関する能力。【脇浜構成員】
      • 食品表示法は、特定の食品の摂取を禁止するのではなく、食品に関する基本情報を表示させることで、食品の安全性を確保し、食品摂取に関する消費者の自主的かつ合理的な選択の機会を確保するもの。情報の摂取についても同様の試みが必要。「情報的健康」のためには、どのような情報を「食べているのか」、「食べさせられているのか」をユーザー自身が知ることが重要。何を「食べている」のかを理解するためには、情報・コンテンツの作成者等のわかりやすい表示や、レコメンダーシステムの透明性が重要。【山本構成員】
    • 【技術・研究開発の在り方】
      • AIを活用したコンテンツ・モデレーションには、偽・誤情報に対するAIを用いた自動検知や自動ファクトチェックが提案されているが、課題もある。自動検知は、新たな生成AIで生成された偽・誤情報は高頻度で出現・拡散されているが、AIは未知の手法で生成された偽・誤情報の検出は苦手であり、学習する定期的なデータセットのアップデートや、モデル学習又は追加学習等が必要であるが、モデル学習とのこれまでの手法で生成された偽・誤情報の検知精度を確保する必要があり、この調整が最も難しい。そもそも自動検知モデルが学習するデータセットや評価用のベンチマークは、研究レベルでは様々なものが提案されているが、実際に現実の環境を反映していないものが極めて多いため、産学連携の促進は極めて重要。また、自動ファクトチェックは、クエリ情報と真贋を比較するために参照する「信頼できる情報源」が重要だが、誰がどのように収集し、新しい情報をどのように取り組みながら維持していくのかが課題。【越前構成員】
      • 私どもの大学でも、情報の健全性に取り組んでいる研究や学生がおり、この5年ぐらい非常に盛ん。例えば、グローバル・ディスインフォメーション・キャンペーンという国際法的な問題というグローバルな安全保障上の問題の観点、次に、情報セキュリティ心理学の観点でどう分析できるのか、それから、情報の拡散実態を実際に調べる技術とその報告など、多角的に研究開発が進められている。つまり、1つの技術ではなくて、いろいろな研究開発が必要だろう。【後藤構成員】
      • 技術が起こした問題はできる限り技術で解決する必要。しかし、技術は、実はそれ自体が開発の段階又は利用の段階で何らかの考え方、思想をはらんでいる可能性が十分ある。アメリカの憲法学者ローレンス・レッシグのアーキテクチャ論でも定義されているが、これを野放しにしてしまうと、いわゆる言論規制の道具、ないしは自由で公正な経済活動を阻害するリスクというものを技術自体が強く内包してしまうという可能性がある。こういった問題をできるだけ回避していくということが最終的に世の中に普及させていく、イノベーションを広げていくときに重要。技術の使い方及び自律的な自由に基づく価値の最大化を目指して、どのように我々はこれを手なづけていけばいいのか。抑制したり、守ったりするような技術についても、どのようにそれを位置づけていけばいいのかを考えていくことが重要。【クロサカ構成員】
      • 信頼できる情報源の確保という観点から、技術の利用をどうできるのか。オリジネーター・プロファイリングのほか、海外のメーカーやプラットフォームなども情報発信源の特定などに関して取組をしている。検証可能性をどう確保していくかは重要だが、国際的な相互運用性、国際議論の中でどういうふうに役割を果たしていくのかも非常に重要。また、サイバーセキュリティの関係で、意図的な攻撃者が存在するということを念頭に置いて対策をしていくことが重要。【落合構成員】
      • オリジネーター・プロファイル、AIが作ったものかどうか判断する技術、偽・誤情報の検知技術、そういった対抗技術への研究開発の投資はもっともっとしていく必要。また、研究開発を進めるというだけではなく、その技術を、例えば、メディア企業やファクトチェック組織が使え、さらに、一般の人々が手軽に使える、又は、分かる状況にしていくことが大事。例えば、SNS上の投稿された画像がAIが作った確率は何%か分かるなどの状況が望ましい。【山口構成員】
      • AIなどの技術の文脈に応じた論点の整理と議論を行うこと。【江間構成員】
    • 【ファクトチェックの在り方】
      • この誤情報対策は主にプレバンクとデバンクに分けられることが多いが、誤情報が拡散した後の事後対応はデバンクと呼ばれており、ファクトチェックによる誤情報の訂正などはこのデバンクに該当。【田中構成員】
      • ファクトチェックの認知度が他国と比べて低いというような総務省の調査報告がある。また、別の調査ではアクティブなファクトチェックサイトの数が、例えば、アメリカは70件以上、インドは30件以上に対し、日本は5件という現状。これらの指標が即座に日本のファクトチェック行動そのものが弱いということを導くものではないかもしれないが、こういった違いが生じているのかを詳しく検討する必要。日本のデジタル空間が誤情報に対してどの程度脆弱性をはらんでいるのかについて、もう少し詳細かつ客観的に理解する必要。【田中構成員】
      • 認知科学の観点からは、デバンクにおけるユーザーの認知バイアスの影響が気になるところ、最近行った実験では、誤情報を信じているかどうかでファクトチェック記事のクリック行動が異なるという結果が出ている。具体的には、4割ほどの実験参加者は、誤りだと既に知っているような情報のファクトチェック記事はクリックするのに対して、誤情報を信じている場合はファクトチェック記事を選択的に避けるというような行動傾向も見られる。つまり、ファクトチェックの取組を充実させていくことが期待される一方で、訂正情報をデジタル空間で広くアクセス可能にするということと、誤情報が人々の認知に及ぼす悪影響に対処するということを区別することが重要。研究結果からは、これらの間に心理的なハードルがあるということが示唆。【田中構成員】
      • 情報元の信頼性について消費者は確認できる方策を知らないので、やはりファクトチェック機関への支援や、偽サイトへの対応というのが必要。【増田構成員】
      • 優先順位をしっかりつけ、例えば、災害、選挙、医療や健康といった優先順位の高いものからしっかりとファクトチェックして、それを人々に届ける仕組みもつくっていくことが大事。【山口構成員】
      • ミス・ディスインフォメーション対策について、日本ではやっと国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)のシグナトリーが誕生した。他の先進国並みに、情報を検証できるような総合的な社会的な仕組み、特にプラットフォームとメディア同士のコラボレーションがどのように進んでいくのか。ファクトチェッカーは非常に少ないという非常にバランスが悪い状況が起きている。今までは競争していたメディアがいかに協力できるのか、どこで一緒に仕事ができるのかという価値観の変換が必要になる。【奥村構成員】
    • 【情報の正確性の担保や世の中から信用される仕組みの在り方】
      • 世の中で流通する情報の中で重要な部分を出しているニュースというものを中心にして、情報の正確さというものがどのように担保されているのかや、世の中の人に信用してもらうためにどのような仕組みがあるのかについて、インプリケーションがある。【奧村構成員】
      • 虚偽情報・誤情報に関する訂正、打ち消し報道が効果を持つためには、その発信元への信頼の獲得が重要。【安野構成員】
    • 【情報の真正性・確からしさの向上】
      • オリジネーター・プロファイル(OP)はその情報を誰が発信したのかをユーザーの求めに応じて検証(ベリフィケーション)できる技術的仕組みであり、具体的には、記事を発信する主体及び記事そのものに対して、言わば電子透かしのような識別子を埋め込み、これをまた電子証明技術を用いて鍵をかけていく技術的方法を用いて、途中の改ざんが困難な存在証明を発信主体と記事そのものに付与していくことにより、発信元とその情報を発信したという事実、これを確認していくということを実現。いわゆる情報の真正性、確からしさを高めるということを目指した技術。当初OPは、デジタル言論空間の情報流通の適正化を出発点として考えており、参画されている方々、例えば、メディア企業や通信企業が割と多いが、今般、生成AIがかなり台頭した時代においては、教師データや生成AIが生成したものについての取扱いについても、OPは一定の有効性があるのではないかと御指摘をいただいており、こういった可能性も踏まえて、今、開発中。直近ではオープンインターネット上での、非公開ではあるが、組合員をメンバーとした実証実験を既に開始しており、第1フェーズはおおむね終了しつつあり、一応作って動いたというような段階。【クロサカ構成員】
      • 情報元の信頼性について消費者が確認できる方策が必要。【増田構成員】
      • 取材等に基づく信頼できる情報・コンテンツを作成・流通させることへのインセンティブの設計・強化(その前提として、真正性が担保された情報・コンテンツなのかどうかをユーザーが認識できることが重要。こうした技術の1つとしてOP)。【山本構成員】
    • 【対症療法と根治療法】
      • 偽情報・誤情報は、様々な課題が絡み合っている複合問題。対症療法と根治療法の両方を並行して考える必要があり、こういった観点でできることを最大化するということを目指すということが望まれていることではないか。【クロサカ構成員】
    • 【有事におけるレジリエンス確保】
      • デジタル空間における悪意ある外部からの攻撃(偽情報・サイバー攻撃も含む)に対し安全保障も含めた対策をいかに構築できるか。
    • 【江間構成員】
      • 大規模災害や国家的危機等の緊急事態時におけるレジリエンスを検討しているか(特に人-技術システムの関係が複雑に関係しあっている場合、インシデント対応と復旧に向けた論点整理ができているかどうか)。【江間構成員】
      • 情報流通については、いわゆる平時の場合と、自然災害や国際的紛争といった状況をはじめとする緊急事態、その両方をある程度区別しながら、両方を視野に入れた議論をしていくことが重要。例えば、集中的な偽情報・誤情報などの事象が生じた場合に、関係事業者に法に基づかないインフォーマルな対応のお願いをするのか、又は、法で枠組みをつくって、民主的なプロセスの中で対応の要請をしていくのか。そのどちらが望ましいのかは、国際的にも議論が分かれているが、そうした場合を含めて、多様なステークホルダーが関われる形でのレジリエンス確保の仕方というものが重要。【生貝構成員】
      • 緊急時の対応について、欧州のDSAは、イスラエル・ハマス紛争という国際事案で、それに関わる情報の健全性対応として、デジタルサービスコーディネーターに関する指定が急遽、来年2月の期限から4ヶ月前倒しになり、EUがMetaやTikTokに対して指示を出したというニュースもある。悩ましい話ではあるが、時にはこういう有事の対応ということで制度的にも動いて頂く必要。【後藤構成員】
    • 【国際的な連携・協力の必要性】
      • 欧州AI規制法案、欧州評議会AI条約、G7広島AIプロセス等を含め、国際的な指針や行動規範、法令等の履行状況の確認、情報共有の仕組み等をいかに構築していくか。特に国際的に相互に確認できるような評価法をいかに確立できるか。【江間構成員】
      • 情報技術の進化に伴って重要な社会構造の変化が生じ、地理的にもグローバルというのと国内というので以前は分けることができていた部分もあったように思うが、国際的な影響というのも直ちに受けるような可能性が高まっている。【落合構成員】
      • 法制度と技術開発という観点において、技術進化のスピードはとても速く、それに対し、しっかり法制度をつくるのは大事だが、そこにどうしても対応の速度の差があり、その差を覚悟することが重要となる中、デジタルサービスの事業者にとっても法制度の裏づけは必須だが、法制度の対応には非常に時間がかかってしまう。せめて、国や地域の差が少なければという本音があり、企業からは、GDPR対応として、個人情報やプライバシーが国や地域によって異なり微妙な差が出て、この差への対応がすごく大変。巨大プラットフォーマーも個別対応しているが、日本のデジタルサービス事業者には個別対応のリソースがなく、グローバル競争上も不利になるという課題。【後藤構成員】
    • 【データ保護の在り方】
      • モデレーション、レコメンデーションといったものは、個人データを処理したプロファイリングなどの活動と密接不可分。全ての事業者に適用される個人情報保護法などの規範は重要であり、デジタル空間における情報流通という文脈の中での情報保護、データ保護の在り方もよく検討していく必要がある。【生貝構成員】
      • 国際的にはGDPRの議論に即したものが非常に多く、最近の情報発信としては、世界プライバシー会議(GPA)で採択された生成AIに関する声明がある。これによると、開発段階、運用段階、導入段階のそれぞれに分け、いわゆるGDPR的な諸原則がうたわれているが、中でもAIシステムが個人に関する意思決定を行ったり、意思決定を支援したりするような場合には、生成AIを使うことに慎重な姿勢が示されていることや、学習データに個人情報を利用する場合には、事前にプライバシー影響評価にかけるよう求めている。これはプライバシー・バイ・デザインが強くうたわれる傾向にある中で、どう実装するかというときにプライバシー影響評価を行いなさいとなっている。また、不正確なデータを取り除くためのガバナンスの手続を取ること、児童のデータ処理を行うときの権利保障に注力することが挙げられており、日本における議論でも留意しておいた方がよい事項が最近の国際的な動向から見て取れる。生成AIの問題は、今、議論するべきインターネット上のデジタル空間の健全な情報流通に係る論点を浮き彫りにするという面でも注目しておく課題。【石井構成員】
      • 偽情報が、その影響を受けやすい人物のもとにピンポイントで届けられ、人心操作(マインドハッキング)が行われる可能性があることは、ケンブリッジアナリティカ事件によって広く知られるようになった。フェイスブック利用者の大量のデータを入手したケンブリッジアナリティカ社が同データを詳細に分析し、「陰謀論に傾きやすい」などとプロファイリングされたグループに集中的に政治広告などを送り、2016年米大統領選や英国のブレグジットにおける世論操作を試みたとされる事件。現在、プラットフォームによって大量に収集された利用者のデータを使って操作対象者を選び、プラットフォーム事業者がターゲティング広告の配信のために作り出したシステムを使って操作対象者に偽情報を含むメッセージを容易に届けることが可能になっている。偽情報はプラットフォーム事業者のビジネスモデルを利用して、その破壊力を強めており、プラットフォームのビジネスモデルによって生じる各種の問題は、偽情報の悪影響の要因分析として重要。【森構成員】
      • レコメンドに使われるのはオンライン上で集められたユーザーのデータであり、データ収集の方法・態様とプロファイリングに代表されるその利用方法についても留意する必要。【森構成員】
  • デジタル空間における情報流通の「健全性」
    • 【表現の自由・民主主義】
      • 効果を急ぐと、とかく私を含め技術に感心がある方はできるからやろうというところに行ってしまうところがある。しかしながら、今起きている問題は非常に複雑で、立場によって見解が大きく異なる。その中で、世の中で起きている問題をまずきちんと定義し、分解し、対応していくのかという冷静さが必要。直近でも、ディープフェイクを用いた偽情報の流通の問題提起が行われているところだが、こういった社会の安全・民主主義を脅かすというものに対処していくためにも理念や手続が可能な限り民主的なもの、ないしは立法がどうしても必要ということであれば、立法事実を明確化する、特定していくということが必要。【クロサカ構成員】
      • 今後の対応にあたっての基本的な考え方として、情報受領者(国民)の「自由に、さまざまな意見、知識、情報に接し、これを摂取する機会」(最大判昭和58年6月22日民集37巻5号793頁)、特に信頼性の高い情報へのアクセス保障が重要。【水谷構成員】
      • デジタル空間の情報流通の健全性の確保は、現代社会における民主主義の維持や自由な言論の場の確保に不可欠。【森構成員】
      • 誰もが自由に情報発信できるという民主主義の実践機会を増やして、その質の向上(信頼できる取材手法、飽きさせない編集、引きつける語り、最新テクノロジー活用など)を図ることが、結果的に情報流通の健全性確保につながるのではないか。【脇浜構成員】
    • 【情報的健康】
      • 現在の「構造」下では、アテンションを奪うための強力なレコメンダーシステム(UX)によって、他律的に情報を「偏食」させられているような状況が拡大(さまざまな情報を主体的に摂取できるという「知る自由」の実質的な制約)。この「偏食」によって、偽情報等に対する「免疫」も低下しているとすれば、「情報的健康」というコンセプトを打ち出し、情報摂取行動の大切さを意識できるようなリテラシー教育を行うことが重要(意識変化の重要性)。【山本構成員】
    • 【デジタル立憲主義】
      • この検討の基本理念として、ヨーロッパの憲法学者を中心にデジタル立憲主義というような概念が論文等で議論をされているところであり、既存の憲法学が培ってきたある種の価値などをデジタル空間の技術等々に合わせて翻訳し、それを目標に制度設計を行っていくということと理解。例えば、EUのデジタルサービス法や、民主主義行動計画といった環境形成におけるある種の基本理念になっている。この点、我が国では、国民の、又は、情報受領者の知る自由とか、知る権利という概念にポイントが置かれる。この検討会の主軸でもあるが、やはり信頼性の高い情報へどうやってこのジャングルの中でアクセスを保障していくかということが重要。【水谷構成員】
    • 【透明性・アカウンタビリティ】
      • 偽情報とされるものの中には、意図的に作られた偽情報だけでなく、悪意はないが間違っている情報や、事実関係は間違っていないが異なる文脈で使われることで誤った印象を植え付けるものなどが含まれており、その境界はしばしば不明確であり、何が偽情報で何がそうでないかを判別することは容易ではない。そのような状況で、①何を削除するか、②どのくらいの数を削除するか、といったことについて法制度を作ったり、統一的な基準を設けたりすることは必ずしも適当ではない。プラットフォーム事業者に過度の削除圧力をかけることは、当該プラットフォームに情報を投稿する利用者の表現の自由とプラットフォーム事業者自身の表現の自由を共に脅かすことにつながる。ただし、プラットフォーム事業者の偽情報対策についての透明性と説明責任の確保については求めていく必要。この点は、プラットフォームサービス研究会のコンセンサスであった。【森構成員】
      • EUのデジタルサービス法(DSA)のように、コンテンツ・モデレーションのポリシーの公表や、モデレータに実施している訓練内容や、AIによる自動処理のエラー率などの記載を求めていくことも一案。また、削除やアカウント停止などの対象になったユーザーに具体的に理由を説明することや、判断が間違っていた場合の対応など苦情処理体制の整備も求めていく必要。【森構成員】
      • 課題として思っているのが、具体的に何をどういうふうに透明性を確保して、それをどういうふうに活用するかというところの具体を詰められていないんじゃないか、並びに、それを外資系の企業も含めてどのように実行していくか。さらに、日本ローカルの透明性をどのように持たせていくか。また、TikTokのような、今すごく伸びているサービスも対象にする必要。【山口構成員】
      • デジタル空間における情報流通の健全性について、特にAIを活用したコンテンツ・モデレーションにおいては、透明性や説明責任の確保が重要。ただし、AIは原則ブラックボックスであるため、たとえソースコードを公開したとしても、どのように説明責任を確保するのか、難しい状況。また、さらに透明性を確保するために、AIが学習したデータセットを公開することやベンチマークの公開が考えられるが、その情報を逆手に取って自動検知を迂回するような偽・誤情報の生成手法が出現する可能性もある。【越前構成員】
      • 透明性を高めることで、アテンションの獲得“だけ”を狙って、偽情報を放置したり、エコーチェンバーを放任したりするような企業(情報的健康を無視するような企業)が市場において適切に批判されるようになれば、ビジネスモデル自体(=構造)が変化していく可能性がある。【山本構成員】
    • 【個人の権利保護】
      • 個人の権利保護の観点で、例えば、関係者への開示・訂正・削除等の権限など個人に対しどういう権限が確保できるようにするかも重要。また、意図的な発信者に対してはどう対応していくのか。リテラシー向上は、個人の権利確保の前提になってくる。【落合構成員】
      • 生成AIのデータの正確性は偽・誤情報対策にも重なる部分はあるが、プロファイリングにせよ、偽・誤情報にせよ、個人が自由に行えるはずの選択をゆがめるという行為に対しいかに対策を講じるのかという点が情報流通の健全性を支える重要な考え方。【石井構成員】
    • 【児童・青少年の保護、利用者の保護】
      • 児童のデータの保護の重要性も国外でよく聞くところであり、日本の法制度上、やや手当が薄い部分であるというのは否めない。ヨーロッパはGDPRの中に児童の保護に配慮した規定などがあるし、デジタルサービス法の中でもオンラインプラットフォーム事業者に対する義務の中でプロファイリングに基づく広告を児童に対して行ってはならないことや、イギリスのチルドレンズ・コード、アメリカでもカリフォルニア州の法令などがある。こうした動向を踏まえて、日本も法的な対応を検討するという余地はあるのではないか。【石井構成員】
      • 青少年保護、利用者保護は非常に重要。【増田構成員】
      • DE&I(Diversity, Equity and Inclusion)の立場から、特定の状況において不利益を被る人がいないかどうかを検討すること(状況によっては情報にアクセスができない人たちが出てくる可能性があるなど、前提条件として置かれている事項を想定すること。例えばスマートフォンを持っていることが想定されていないか、日本語が読めない場合があることを想定しているか等)。【江間構成員】
    • 【サイバーセキュリティ対策との近似性】
      • 健全性の確保は非常に重要。ただ、形は違っても、この問題は過去から将来にわたってずっとあるもので、永遠の課題に取り組んでいるという意識も必要。よく言うシルバーバレットがない、つまり、簡単に決着できるものではないということを覚悟する必要。健全性の確保のためには、社会の変化、つまり、サービスも技術も教育の中身も変わっていく変化にはじめから対応しながら、できたら将来の変化を先取りした取組の継続がすごく大事。1回の取組で解決できるものではなく、継続し続けなければならないという覚悟が必要。多角的かつスパイラル的に取組を継続する社会的な仕組みづくりが重要。法制度、教育・研究・メディア、政策、プラットフォーマー、それぞれが相互に少しずつ、タイミングに合った取組をして全体で連携・協調しながら解決に当たるという姿勢が一番に大事で、皆でうまく知恵を出し合う場が非常に大事。アジャイル・ガバナンスや、技術だけでは解決できないなど、この辺りはサイバーセキュリティ対策と同じ。【後藤構成員】
      • サイバーセキュリティ対策では、1つの技術や1つの法制度で解決できると思っている方はいない。長期戦覚悟で取り組み続けている。この中で、例えば、社会的な仕組み、いろいろな企業のCSIRTや、NICTやIPAの研究開発や情報の収集活動、幅広い人材育成、研究開発、また、それをビジネスにする取組、そういうものが、全体として必要ということをみんなで認識し、それに関して、政府・省庁も戦略面、対策面で政策を出しているという状況。そういう意味で情報の健全性確保とサイバーセキュリティ対策は似ている。【後藤構成員】
    • 【他の法政策領域との協調・相互作用】
      • 健全な情報流通というイシューは、情報通信政策、メディア政策、消費者保護、知的財産権保護、経済安全保障などを含めて様々な方領域、政策領域が交わる領域。例えばプラットフォームや大規模AIのような議論は、ほかにも競争政策、情報通信分野の公正な競争という側面も切って切り離せない。本検討会における検討の主題というところからは必ずしも中心ではなく、周辺にあるものであっても、そうした様々な法政策の領域との協調、相互作用というものを念頭に置きながら議論をしていけると良い。【生貝構成員】
    • 【基本理念同士の関係整理】
      • 様々な基本理念同士がトレードオフ関係にある時に、どのような対応を各ステークホルダーが取ればよいか(あるいは議論すればよいか)の方針が定まっていること。【江間構成員】
    • 【各ステークホルダーが共有すべき方向性】
      • 情報流通の健全性を脅かしている「構造」を揺さぶるために有効な施策を検討すべき。【山本構成員】

総務省 消費者保護ルールの在り方に関する検討会(第51回)
▼資料1-1 日々の生活をより豊かにするためのモバイル市場競争促進プランの全体像
  • 基本方針
    • モバイルは、技術革新のスピードが速くイノベーションが生じやすく、そして、何よりも国民の日々の生活に密着した不可欠なもの。⇒このため、モバイルが納得感のある料金で良質なサービスとなれば、日々の生活はより豊かになる。
    • 一方、寡占的な市場環境を踏まえると、料金・サービス本位の競争につながる環境整備を一層進めることが重要。⇒このため、年内の制度改正、利用者に合った料金プラン選択促進のための広報等を順次実施。フォローアップとともに更なる競争促進化策を検討開始
  • 納得感のある料金・良質なサービスの実現
    • 端末の廉売競争から、通信料金・サービス競争へのシフト
      • 通信料金・端末料金の分離の徹底2019年法改正
    • 端末流通市場の活性化
      • 中古端末の安心・安全な流通の促進(中古端末の利用者情報の処理方法等の明確化)
    • 代理店による不適正な営業の見直し
      • 代理店の届出制度導入
    • 「1円端末」販売等につながる過度な割引を規制(→転売ヤー等の防止) 年内に省令改正
    • 中古端末の安心・安全な流通の促進(マイナンバーカード機能の処理方法の明確化) 民間事業者団体による自主ガイドライン改正を促進(年内に議論開始)
    • MNOによる代理店の指導強化 年内にガイドライン改正
  • 事業者間の乗換えの円滑化の加速
    • 事業者を乗り換えるための費用(スイッチングコスト)の低廉化
      • 違約金上限を規定(1000円) 2019年法改正
      • SIMロックの原則禁止 2021年ガイドライン改正
      • MNPの無料化・ワンストップ化 2020・2023年ガイドライン改正
    • 新料金プランの移行の検討促進のための広報 順次実施(補正予算要求)
    • MNPワンストップ化の推進 対応事業者の拡大推進
  • 事業者間の公正な競争環境の整備の促進
    • 事業者間の公正な競争環境の整備の促進
      • MNOとMVNOとの間の卸協議の円滑化 2022年法改正
      • MVNOのネットワーク使用料(接続料・卸料金)の低廉化 2020年省令改正
    • 通信・端末分離規制の基準値の引き上げ(→独立系MVNOを規制の対象から除外) 年内に省令改正
    • 周波数の追加割当て プラチナバンド:10月に割当て 4.9GHz帯:年度内目途に技術的条件取りまとめ
    • 接続料の更なる低廉化 データ接続料:約3割減
  • 実施状況のフォローアップに加え、更なる競争促進化策の検討を開始(来年夏を目途に取りまとめ)

総務省 労働力調査(詳細集計) 2023年(令和5年)7~9月期平均結果
▼労働力調査(詳細集計)2023年(令和5年)7~9月期平均結果の概要
  • 正規、非正規の職員・従業員
    • 役員を除く雇用者5750万人のうち、正規の職員・従業員は3617万人と、前年同期に比べ31万人の増加。2期連続の増加。非正規の職員・従業員は2133万人と、13万人の増加。7期連続の増加
    • 非正規の職員・従業員について、現職の雇用形態についた主な理由別にみると、「自分の都合のよい時間に働きたいから」とした者が728万人と、前年同期に比べ33万人の増加。「家計の補助・学費等を得たいから」とした者が379万人と、2万人の増加。「正規の職員・従業員の仕事がないから」とした者が183万人と、28万人の減少
  • 失業者(失業期間別)
    • 失業者は203万人と、前年同期に比べ3万人の増加。失業期間別にみると、失業期間が「3か月未満」の者は78万人と、1万人の増加、「1年以上」の者は61万人と、3万人の減少
  • 非労働力人口(就業希望の有無別)
    • 非労働力人口は4031万人と、前年同期に比べ27万人の減少。このうち就業希望者は226万人と、2万人の減少
    • 就業希望者について、求職活動をしていない理由別にみると、「適当な仕事がありそうにない」とした者は77万人と、前年同期に比べ5万人の減少
  • 未活用労働
    • 就業者6768万人のうち、追加就労希望就業者は193万人と、前年同期に比べ19万人の増加
    • 非労働力人口4031万人のうち、潜在労働力人口は39万人と、前年同期に比べ3万人の増加
    • 未活用労働指標の中で、最も包括的に未活用労働を捉えた未活用労働指標4(LU4)は6.2%と、前年同期に比べ0.3ポイントの上昇

総務省 小森総務大臣政務官の英国AI安全性サミットへの参加結果
  • 令和5年11月1日(水)及び2日(木)、英国(ブレッチリーパーク)において英国AI安全性サミットが開催され、総務省からは小森総務大臣政務官が出席しました。同会合には、各国政府、関係国際機関、民間企業、研究者などが参加し、AIにおける安全性等について議論を行いました。
  • 開催日
    • 令和5年11月1日(水)及び2日(木)
  • 主な参加者
    • 【各国政府】
      • オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、アイルランド、イスラエル、イタリア、日本、ケニア、サウジアラビア、オランダ、ニュージーランド、ナイジェリア、韓国、フィリピン、ルワンダ、シンガポール、スペイン、スイス、トルコ、ウクライナ、UAE、米国
    • 【国際機関】
      • 欧州評議会、欧州委員会、GPAI、ITU、OECD、UNESCO、国際連合
    • 【民間企業】
      • Alibaba、Amazon Web Services、Anthropic、ARM、Cohere、Google DeepMind、Google、IBM、Inflection AI、Meta、Microsoft、Naver、Nvidia、OpenAI、Salesforce、Samsung Electronics、Sony、Tencent 等
      • その他、学術界、市民社会からも多数が参加。
  • 開催概要
    • AI安全性サミットは、AIの急速な発展を踏まえ、AI技術の安全な開発と使用に関する会合として本年英国が立ち上げた会合です。最先端AIのリスク、特に開発におけるリスクの理解の促進を図り、国際的に協調した行動を通じてそれを軽減する方途等について議論が行われ、首脳級、閣僚級でそれぞれ会合が行われました。
    • 総務省からは「フロンティアAIのリスクについての共通理解と将来の協力の構築」、「AIのグローバルな機会の共有」等を議題とする閣僚級会合に小森総務大臣政務官が出席し、国立研究開発法人情報通信研究機構が開発した多言語音声翻訳アプリ「VoiceTra」を活用した言語の壁のない社会の実現に向けた取組の共有等を通じて、議論に貢献しました。
  • バイ会談の概要
    • 本会合の機会を捉え、小森総務大臣政務官は、以下の閣僚等とバイ会談を実施し、広島AIプロセスの今後の進め方等、各相手方と共有する政策上の課題等について対話を深めました。
    • 英国 ミシェル・ドネラン 科学・イノベーション・技術省大臣 カムローズ子爵 科学・イノベーション・技術省政務次官
    • イタリア アドルフォ・ウルソ 企業・メイドインイタリー大臣
    • 米国 ナサニエル・フィック 国務省大使
    • オーストラリア エド・ヒューシック 産業科学大臣

総務省 11月はテレワーク月間です-テレワークの普及促進に向けた取組を集中的に行います-
  • テレワーク月間実行委員会(内閣官房内閣人事局、内閣府地方創生推進室、デジタル庁、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、観光庁、一般社団法人日本テレワーク協会、日本テレワーク学会)では、11月を「テレワーク月間」として、テレワークの普及促進に向けた取組を集中的に行います。
  • 総務省ではテレワーク月間中に、関係府省庁や団体等と連携し、テレワークの先駆的な取組を行っている企業の選定及び表彰、テレワークの一層の普及を目的としたイベント等を行います。
  • 時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方であるテレワークの更なる普及・定着のため、テレワーク月間を機に、テレワークの積極的な活用を改めて全国に呼びかけてまいります。主な取組の概要は別紙PDFをご参照ください。
  • また、テレワーク月間の取組の1つとして、総務省は、内閣官房、内閣府、デジタル庁、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、観光庁と共に、都道府県、政令指定都市及び経済団体等に対して、「テレワーク月間」への協力依頼を行います。
  • テレワーク月間では、テレワークに関する活動を実施している個人や団体等を募集しています。テレワーク月間サイトで配布しているテレワーク月間のロゴマークや別添PDFのポスターを広く活用いただき、テレワーク月間活動にご参加ください。また、テレワーク月間サイトから活動登録をすると、実施者名・実施団体名がサイトに表示されますので、積極的な登録をお待ちしております。

総務省 誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ(第10回)配布資料
▼資料1-1インターネット上の違法・有害情報に関する流通実態アンケート調査【誹謗中傷等】((株)三菱総合研究所)
  • 過去1年間の利用(閲覧)経験は、YouTube、Twitter(現:X)、Amazon、Instagram、楽天、Googleマップなどが多い。【複数回答】 過去1年間の利用(書き込み)経験は、Twitter(現:X)、Instagram、YouTube、Facebookなどが多い。【複数回答】Twitter(現:X)、Instagram、YouTube、LINE(OpenChat)、TikTokといったサービスは利用(閲覧)頻度が高い傾向にある。
  • 「利用規約に目を通さずに利用している」、「知らなかった」という人が4割弱(37.9%)を占める。
  • 「他人を傷つけるような投稿(誹謗中傷)」について、65.0%が目撃している。投稿を目撃したサービスは、Twitter(現:X)が最も多く、YouTube、Yahoo!コメント(ニュース)がこれに続く。【複数回答】 サービス利用者(閲覧者)の多さ(6)と誹謗中傷の投稿の目撃経験には関連がみられる
  • 過去1年間にSNS等を利用した人の2割弱(18.3%)が「他人を傷つけるような投稿(誹謗中傷)」の被害に遭っている。「誹謗中傷」の被害経験を年代別にみると、20代(23.9%)と30代(22.3%)で多く、10代(19.3%)と40代(19.2%)がこれに次いでいる。50代(14.6%)、60代以上(10.6%)は相対的に少なかった。
  • 誹謗中傷の投稿をされたことがあるサービスは、Twitter(現:X)が最も多く、以下、Facebook、Instagram、2ちゃんねる、YouTubeがこれに続く。【複数回答】
  • 被害を受けた際に想定する対処方法として、「自らブロックやミュート、コメント非表示などを行う」が最も多く45.4%であった。次いで、「SNS等の運営事業者が用意する窓口に自ら削除等の申請を行う」が多く、34.8%だった。【複数回答】 被害を受けた際の実際の対処方法としては、「自らブロックやミュート、コメント非表示などを行う」が最も多く、50.0%であった。想定する対処方法と実際の対象方法との乖離は少なかった。【複数回答】 対処方法の選択理由としては、「迅速に対処が可能だと思ったから」が最も多く、43.2%であった。【複数回答】
  • ミュートやブロックなどの安心・安全機能について、「機能を利用したかったが、利用方法が分からなかった」、「機能があることを知らなかった」という人が35.3%いる。他方、被害経験のある人では、53.9%が「機能を理解した上で利用している」と回答している。
  • プロバイダ責任制限法の改正について、「制度改正の内容について知っている」+「改正自体は知っているが内容は知らない」という人は、43.8%であった。年代別にみると、20代(50.6%)と30代(51.0%)で多かった。
  • 年代別に、プロバイダ責任制限法の改正についての認知度(制度改正の内容について知っている+改正自体は知っているが内容は知らない)とSNSの利用(閲覧)経験を比較したところ、15~19歳を除くと、認知度と利用率には相関があるとみられた。
  • 相談窓口について、「利用したかったが、分からなかった」・「知らなかった」という人が半数強(56.2%)だった。また、「知っており、利用したことがある」人は9.1%であった。年代別にみると、相談窓口の利用経験がある人は、10代(15.6%)で最も多かった。
  • 年代別に、相談窓口の認知度と「他人を傷つけるような投稿(誹謗中傷)」の被害経験を比較したところ、認知度の高さと被害経験には相関があるとみられた。
  • 被害経験の有無ごとに相談窓口の利用経験をみたところ、すべての年代において、被害経験のある方が相談窓口の利用率が高かった。
  • 具体的な相談窓口についての認知度について尋ねたところ、「みんなの人権110番」が相対的に高かった。(相談窓口の存在を知っている人では、6割程度が知っている。)年代別にみると、いずれの年代においても「みんなの人権110番」の認知度が最も高かった。また、10~30代では「誹謗中傷ホットライン」が、40代以上では「地方自治体の各種相談窓口」が、それぞれ2番目に高かった。
  • 違反申告や報告について、「わからなかった」・「知らなかった」という人が3割弱(29.1%)であった。違反申告・報告方法、連絡先の見つけやすさについて、「難しかった」・「やや難しかった」という人が33.6%であった。申告フォームについて、「申告理由に近い選択肢もなかったので、適当に選んだ」・「フォームに選択肢が設けられておらず、自由記入だった」・「適切な選択肢がないので選べなかった(その結果、申請自体できなかった)」という人は25.6%であった。
  • 申請フォームの文章記入欄について、「文字数制限等があり、主張を十分に記入できなかった」・「文章記入欄がなかった」という人は59.7%であった。申請フォームに証拠(不適切な投稿のスクリーンショットなど)を添付することについて、「添付することができたがやりづらかった」・「添付することができなかった」という人は35.4%であった。
  • 違反申告や報告をした後に、一部又は全部のサービスで受領連絡を受け取ったことがない人は、46.0%であった。違反申告や報告をした場合に、サービス提供事業者により対応(投稿の削除、アカウント削除等)されたことがある人は、34.1%であった。
  • 一度だけ申告・報告をしたことがある人では、違反申告・報告への対応までの日数が「24時間以内」だったとの回答が17.1%、「1週間以内」だったとの回答が80.8%、「2週間以内」だったとの回答が88.6%であった。複数回の申告・報告をしたことがある人では、対応までの最短日数が「24時間以内」だったとの回答が48.4%、「1週間以内」だったとの回答が90.1%、「2週間以内」だったとの回答が94.4%であった。また、最長日数については、「24時間以内」だったとの回答が26.9%、「1週間以内」だったとの回答が73.2%、「2週間以内」だったとの回答が83.9%であった。
  • 一度だけ申告・報告をしたことがある人では、対応までの日数を「早い」・「やや早い」と感じた人は72.8%であった。複数回の申告・報告をしたことがある人では、対応までの最短日数を「早い」・「やや早い」と感じた人は83.8%、最長日数を「早い」・「やや早い」と感じた人は66.3%であった。
  • 一度だけ申告・報告をしたことがある人では、対応までの日数を「早い」・「やや早い」と感じた人は72.8%であった。複数回の申告・報告をしたことがある人では、対応までの最短日数を「早い」・「やや早い」と感じた人は83.8%、最長日数を「早い」・「やや早い」と感じた人は66.3%であった。
  • 深刻な誹謗中傷等を含む権利侵害(名誉毀損、プライバシー侵害、著作権侵害等)の被害に遭った場合に、事業者による対応(投稿の削除、アカウントの削除等)が行われるまでの期間として、1週間より長い期間では許容できないとする人が8割強(83.1%)であった。また、2週間より長い期間では許容できないとする人は9割(90.0%)であった。
  • 許容できる期間(ある期間内に対応されればよい)の回答と比較すると、実際にその期間内に対応された比率の方が少なく、また期間が短いほどその差が大きい傾向がみられた。※複数回申告時の最短日数の場合は逆に多い。
  • サービス事業者の体制整備について、「人数(サービスの規模に応じた人数)及び能力を有しているべきであると思う」と考える人は57.2%であった。
  • サービスを利用するなかで、サービス提供事業者から投稿の削除等の対応をされたことがある人は4割程度(41.2%)であった。【複数回答】
  • サービスを利用するなかで、サービス提供事業者から投稿の削除等の対応をされたサービスは、「Twitter(現:X)(44.3%)」が最も多く、次いで「Instagram(16.9%)」や「Facebook(14.6%)」、「YouTube(13.9%)」が多い。【複数回答】
  • 多くのサービスにおいて、約1割~3割の回答者が、対応をされた際にサービス提供事業者から通知や理由の説明がなかったと回答した。
  • 多くのサービスにおいて、約4割~6割の回答者が、意見表明の機会があったと回答した。その後の対応についての満足度は、サービスによってバラつきがあった。
  • 対応に関する通知や意見表明機会についての案内は、日本語で行われるケースが多く、半数以上(サービスにより異なるが、7~9割強)は日本語が用いられている。また、日本語以外の言語ではほとんどが英語で行われている。
  • サービス事業者からの対応時における通知や理由の説明について、7割強(71.8%)の回答者は通知と説明を求めている。また、「通知は必要であるし、理由についても、担当者と会話し、納得がいくまで説明してほしい」と考える人は27.2%であった。全体の8割以上(83.8%)の回答者は、少なくとも通知が必要であると考えている。

【2023年10月】

総務省 安心・安全なメタバースの実現に関する研究会(第1回)
▼資料1-2 事務局資料
  • メタバースは今後もその市場拡大やユーザ数の増加が予測されている。令和5年版情報通信白書によると、世界のメタバース市場は、2022年の655.1億ドルから、2030年には9365.7億ドルで拡大すると予測。同白書によると、日本のメタバース市場は、2022年度に1,825億円(前年度の245.3%)となる見込みで、2026年度には1兆42億円まで拡大すると予測。
  • 世界のメタバースユーザ数は、2022年の年間約2億人から、2030年には約7億人まで拡大するとの予測がある。日本のメタバースユーザ数は、2022年の年間約450万人から、2030年には約1,750万人まで拡大するとの予測もある。
  • VRやAR向けのデバイスも普及の進展が見込まれる。日本のHMD・スマートグラスの出荷台数は、2022年の38万台から、2025年には101.9万台まで拡大すると予測。世界のVRヘッドセットの出荷台数は、2022年には1,253万台となっており、2026年には2,598万台まで増加すると予測されている。
  • ChatGPTに代表される生成AIの普及がめざましく、AIの活用はより一層進むことが予測される。メタバースにおいても、生成AIによるコンテンツ制作や、AIによるアバター操作等、様々な形でのAIの利用が見込まれる。SNS等のプラットフォームサービス上では、フィルターバブルやエコーチェンバー等による「情報の偏り」や、アテンション・エコノミーの広まりに伴う偽・誤情報の拡散等の問題も指摘されている。メタバースにおいても、ユーザの増加が見込まれる中、こうした点に留意が求められる可能性があるのではないか。
  • 今年4月に開催されたG7群馬高崎デジタル・技術大臣会合、5月に開催されたG7広島サミットにおいても、成果文書において、加盟国が、信頼できる安全で安心な、民主的価値に沿ったメタバースに向けて継続的に取り組む必要性が明記された。
  • 欧州委員会では、「EUがWeb4.0および仮想世界において先駆となるための戦略」を公表した(2023年7月)。仮想世界やWeb4.0に対して欧州委員会が取るべき10のアクションを、人材とスキル、ビジネス、政府、ガバナンスの観点から記載している。
  • 中国工業情報化部(MIIT)では、「メタバース産業のイノベーション発展のための3カ年アクションプラン」を公表した(2023年9月)。2025年までに世界的な影響力を持つメタバース関連企業を3-5社育成し、3-5の産業集積地域を建設することを目標とし、5つの優先課題を記載している。
  • OECDでは、マルチステークホルダーによる技術に関する議論の場としてGlobal Forum on Technology (GFT)が2022年に発足した。3つの重点分野の一つとして「没入型技術」が挙げられ、今後、専門家による議論が行われる予定である。
  • 総務省「Web3時代に向けたメタバースの利活用に関する研究会」(以下「前研究会」という。)(座長:小塚荘一郎 学習院大学教授)(2022年8月~)では、メタバース等の仮想空間の利活用に関して、ユーザの理解やデジタルインフラ環境などの観点から、様々なユースケースを念頭に置きつつ情報通信行政に係る課題を整理することを目的として、事業者や有識者からのヒアリングを中心に幅広い議論を実施(全12回)。2023年7月に公表した報告書では、「メタバース空間内に係る課題」及び「メタバース空間外と関連する課題」を整理し、課題解決の方向性を提示。
  • 本研究会の目的及び論点
    • 目的
      • メタバースはまだ黎明期であり、将来的に市場規模及びユーザ数が大幅に増加することを見据え、ユーザにとってより安心・安全なメタバースの実現に向け、民主的価値に基づく原則等を検討するとともに、メタバースに係るサービスが国境を越えて提供されることを踏まえ、国際的なメタバースの議論にも貢献することを目的とする。
      • また、本研究会は、「Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会」(以下「前研究会」という。)報告書において提示されたメタバース等の発展に向けた課題と課題解決の方向性のうち、継続的なフォローアップが必要とされたものについて、引き続き検討を行うものとする。
    • 検討ポイント
      • メタバースの民主的価値に基づく原則等に関連する事項
      • 国際的なメタバースの議論に関連する事項
      • 前研究会報告書に関連する事項
      • (1)から(3)に掲げる事項のほか、メタバース等に関連する事項
    • 当面の主な論点
      • 今後もメタバース市場が拡大しユーザの増加が見込まれる中、ユーザにとって安心・安全なメタバースの実現に向けて、「民主的価値に基づく原則等」に求められる事項及び内容はどのようなものか。
      • 「民主的価値に基づく原則等」の検討にあたり、考慮すべき新たな課題や国内外の動向はあるか。
      • 今後、物理空間と仮想空間の連動が更に進展することが想定される中、メタバース等における事象が物理空間に影響を及ぼす可能性として、どのようなことが推測されるか。 等
  • 民主的価値に基づく原則等の例
    • 目的
      • 今後のメタバースの発展を念頭に、民主的価値に基づく包括的な原則及びメタバースの信頼性及び利便性の向上のための個別具体的な論点を検討し、ユーザにとってより安心・安全なメタバースを実現することを目的とする。
    • 構成
      • 「民主的価値に基づく原則」及び「信頼性・利便性の向上を図る観点からの論点」により構成される。
        • 自由とルールの適正なバランス
          • 行動履歴の適正な取り扱い(プライバシーの観点を含む)を踏まえたメタバースの運営
          • 子ども・未成年ユーザへの対応
        • 個人の尊厳
          • ユーザとアバターとの紐付けにおけるプライバシーの尊重
          • アバターの肖像の尊重
          • 他のユーザやアバターに対する誹謗中傷及び名誉毀損の抑制
        • 参加機会の公平性
          • メタバースへの公平な参加機会
          • 誰もが使えるユーザビリティの確保
        • 多様性・物理空間の制約にとらわれない自己実現・自己表現
          • 障がい者等の社会参画の手段としての有効性
          • 多様な発言等やユーザの主体性の確保(フィルターバブル、エコーチェンバーといった問題が起きにくいメタバース)
        • 透明性
          • ユーザからみて何がデータとして保存されているか(期間、内容等)の明示
          • ユーザからみてプラットフォーマー等がどのデータを利用するのか(ユーザはオプトイン、オプトアウトが可能か)の明示
        • 個人情報保護
          • メタバースの利用に際してのデータ取得、メタバースの構築に際しての映り込み等への法令遵守等による対処
          • 実在する人物の姿を利用したアバター(リアルアバター)やユーザの個人情報の保護
        • 説明責任
          • メタバースの特性の説明
          • メタバースの利用に際してユーザへの攻撃的行為や不正行為への対応の説明
          • ユーザ間トラブル防止や不利益を被ったユーザのための取組
          • ユーザ等との対話を通じたフィードバックを踏まえた改善
        • セキュリティ
          • メタバースのシステムのセキュリティ確保(外部からの不正アクセスへの対処等)
        • 相互運用性
          • メタバース内のアバター、コンテンツ等について他ワールドでの相互運用性の確保等によるメタバース全体の持続可能性の向上
        • リテラシー
          • ユーザ同士の協調によるコミュニティの維持・改善
          • ユーザのメタバースに対する理解
          • ユーザのICTリテラシー向上

総務省 今後発生が想定される南海トラフ地震発生時の応援職員派遣に係るアクションプラン策定のためのワーキンググループ(第2回)
▼資料1各種応援制度における応援対象業務の確認・整理
  • 基本方針
    • 「応急対策職員派遣制度」の主な支援対象業務である災害マネジメント支援や、避難所運営、罹災証明書の交付業務を基本対象業務としつつ、南海トラフ地震発生時においては、基本対象業務以外の業務について必要な協力が求められることもあり得ることから、求めに応じて可能な範囲で柔軟に対応ができるよう、基本対象業務以外に想定される業務について整理・確認を行う。
  • 東日本大震災における職員派遣の状況
    • 全体として、発災から1ヶ月間はDMATや医療救護班、避難所等における保健衛生活動など、医療・健康・衛生対策に関する業務が占める。
    • 発災3日目以降は、災害対策本部業務支援や災害応急対策支援(施設の応急復旧支援、給水支援等)、避難所管理運営支援などの派遣も増加。
    • 発災1ヶ月以降も、医療・健康・衛生対策支援の派遣が最も多く、避難所管理運営支援や義援金・災害弔慰金・被災者生活再建支援金の支給など、被災者の生活再建に係る業務支援の派遣も増加。
    • 発災3ヶ月目になると、各種施設復旧業務支援の派遣が増加(復旧・復興に向けた動きが本格化)。
    • 全国知事会が調整を行った派遣は、発災1ヶ月経過後からの避難所管理運営支援業務に関する派遣が大部分を占める。
    • 「人的支援調整方針」において「国において派遣調整が行われていない分野について被災県の要請内容を踏まえ積極的に調整する」との方針に基づき、それまで広域的な調整が行われていなかった避難所管理運営支援業務や業務について調整を行った結果である。
    • 「個別調整」は、全国知事会を経由せず、直接被災県と調整が行われた派遣。その数は発災1ヶ月を経過した後から、医療・健康・衛生対策業務のほか、避難所管理運営支援や義援金・災害弔慰金・被災者生活再建支援金の支給などの被災者の生活再建に係る業務支援などに派遣。
    • 国は、発災3日目~1週間までの間に約4千人日の職員派遣を行っているが、その殆どが甚大な被害により行政機能が喪失した市町村への災害対策本部業務支援。発災2週間目以降になると、医療・健康・衛生対策業務に関する支援の割合も大幅に増加。
    • 調整主体が「その他」であるものの大部分が、各タームを通して医療・健康・衛生対策に関する業務であり、その多くは、医師会や病院協会、地元大学医学部等が調整を行った派遣。
  • 熊本地震における職員派遣状況(熊本市除く)
    • 職員派遣のピークは発災から約3週間後の5/9
    • 避難所運営は初期段階から多数派遣
    • 発災初期は物資仕分けに多数派遣
    • 発災約2週間後、罹災証明業務(受付・調査)に職員派遣。その後増加
  • 熊本地震における職員派遣状況(熊本市)
    • 職員派遣のピークは発災から約2週間後の4/27
    • 避難所運営、水道関係は初期段階から多数派遣
    • 宅地・建築物危険度判定は発災1週間~2週間後が大きな山
    • 災害ごみは発災当初から派遣あり、その後、逓増
  • 一般行政職員数の状況
    • 一般行政職員数は、重点受援県が約16万人、即時応援県が約28万人、被害確認後対応県が約49万人。全国の一般行政職員数に占める割合は、重点受援県が17%、即時応援県30%、被害確認後対応県53%。
  • 各種応援制度における応援対象業務の確認・整理
    • 「応急対策職員派遣制度」における対象業務(要綱)
      • 災害応急対策を中心とした災害対応業務のうち、避難所の運営及び罹災証明書の交付のほか、本制度以外の仕組み等において対象としていない業務を支援すること。ただし、本制度以外の仕組み等と必要な連携を図るものであること。(対口支援)
      • 被災市区町村の長への助言、幹部職員との調整、被災市区町村における応援職員のニーズ等の把握、被災都道府県をはじめとする関係機関及び総務省との連携等を通じて、被災市区町村が行う災害マネジメントを総括的に支援すること。(災害マネジメント支援)
    • 市町村のための人的応援の受入れに関する受援計画作成の手引きにおける受援対象業務例(内閣府資料)
      • 災害マネジメント
      • 避難所運営
      • 支援物資に係る業務
      • 災害廃棄物の処理
      • ー1住家の被害認定調査ー2罹災証明書の交付
      • 被災者支援・相談業務
    • 南海トラフ地震の特徴を踏まえた検討の視点
      • 南海トラフ地震発生時には大半の地方公共団体が被災するため、即時に応援可能な人的資源に限りがある。
      • 特に、発災直後の支援においては、限られた人的資源のなか、他の応援に係る仕組み等の存在も踏まえ、対象業務の緊急性の程度を判断し支援を行う必要があるのではないか。
    • 南海トラフ地震アクションプランにおける対象業務(案)
      • 災害マネジメント支援
        • 被災市区町村の長への助言、幹部職員との調整、被災市区町村における応援職員のニーズ等の把握、被災都道府県をはじめとする関係機関及び総務省との連携等を通じて、被災市区町村が行う災害マネジメントを総括的に支援する。
      • 避難所運営・住家被害認定調査等支援
        • 災害応急対策を中心とした災害対応業務のうち、避難所の運営及び住家の被害認定調査・罹災証明書の交付業務を中心に支援する。
        • また、避難所運営の衛生管理等の観点から、応急対策職員派遣制度以外の仕組み等と必要な連携を図る。
      • その他の業務支援
        • 上記以外の支援であって、応急対策職員派遣制度以外の仕組み等において対象としていない業務についても、業務の緊急性に応じて支援に努める。

総務省 インターネット・ガバナンス・フォーラム京都2023の開催結果
  • 令和5年10月8日(日)から12日(木)まで、国連主催のインターネット・ガバナンス・フォーラム(IGF)が国立京都国際会館(京都府京都市)で開催されました。
  • IGFは、インターネットに関する諸課題について、政府、民間、技術・学術コミュニティ、市民社会等のマルチステークホルダーが対等な立場で対話を行うインターネット政策の分野で最も重要な会議の1つです。今般、日本がホスト国として2023年会合を開催しました。
  • 主なイベントとして、オープニングセレモニー及びAI特別セッションにて岸田総理大臣による開会の挨拶及びキーノートスピーチ、また、同セッションにおいて、鈴木総務大臣がパネリストとして登壇し、冒頭のプレゼンテーション及び締めくくりの発言を行いました。さらに、クロージングセレモニーにおいて渡辺総務副大臣による閉会の挨拶を行いました。
  • 本会合の開催結果
    • 開催概要
      • 日時:2023年10月8日(日)~10月12日(木)(5日間)
      • 場所:国立京都国際会館(京都府京都市)
      • 参加者:9,279人以上(うち現地参加=6,279人※、オンライン=3,000人以上(国連発表))(※)現地参加者数は史上最多
      • メインテーマ:「The Internet We Want-Empowering All People」(「私たちの望むインターネット―あらゆる人を後押しするためのインターネット―」)
      • 主な参加者:岸田文雄内閣総理大臣、鈴木淳司総務大臣、渡辺孝一総務副大臣、小森卓郎総務大臣政務官、河野太郎デジタル大臣、浮島智子衆議院総務委員長、リー・ジュンファ国際連合事務次長、ドリーン・ボグダン=マーティン国際電気通信連合(ITU)事務総局長、ベラ・ヨウロヴァー欧州委員会副委員長、ウルリック・ベスタガード・クヌッセン経済協力開発機構(OECD)事務次長、各国閣僚、国際機関幹部、民間企業幹部 等
      • <サブテーマ>
        • (1)AI・先端技術(2)インターネットの分断回避(3)サイバーセキュリティ、サイバー犯罪、オンラインの安全性(4)データガバナンス・トラスト(5)デジタルデバイド・包摂性(6)グローバルデジタルガバナンス・協力(7)人権及び自由(8)持続可能性・環境
    • 主なイベントの概要
      • オープニングセレモニー
        • 岸田総理大臣の開会の挨拶のほか、アントニオ・グテーレス国連事務総長のビデオメッセージが投影されました。
        • 岸田総理大臣から、民主主義社会の基盤としてのインターネットの重要性について強調するとともに、インターネットの恩恵を最大化するために、負の側面への対応を含め、「マルチステークホルダーアプローチの議論」を支持・コミットすることを力強く表明しました。
      • AI特別セッション
        • 日本が議論をリードしている広島AIプロセスについて、広く国際社会に発信しました。
        • 岸田総理大臣のキーノートスピーチでは、「グローバルサウスを含む国際社会全体が、安心・安全・信頼できる生成AIの恩恵を享受し、更なる経済成長や生活環境の改善を実現できるような国際的なルール作りを牽引」していくことを力強く表明しました。
        • 鈴木総務大臣から、「AI開発者向けの国際的な指針及び行動規範」の議論の状況について紹介したほか、今後も様々な関係者の意見を伺う取組を続ける旨を表明しました。
        • G7以外も含めた各国政府、産業界、国際機関、学術界などのマルチステークホルダーのパネリストから、広島AIプロセスへの賛同や期待の表明がありました。
      • ハイレベルリーダーズセッション
        • AI特別セッション以外に、下記4つのハイレベルリーダーズセッションが行われ、日本からも閣僚や有識者がパネリストとして参加しました。
          • DFFT(Data Free Flow with Trust)(河野太郎デジタル大臣)
          • 偽情報(山本龍彦慶應義塾大学教授)
          • WSIS+20(村井純慶應義塾大学教授)
          • SDGs(近藤勝則APT事務総長、石戸奈々子慶應義塾大学教授)
      • 総務省主催セッション
        • 総務省として、10個のセッションを主催し、多様なテーマについて議論しました。
        • 【テーマ】Beyond 5G、HAPS、レジリエンス、セキュリティ、メタバース、AI、偽情報、DFI、O-RAN、WSIS (注)
        • (注)それぞれ、HAPS:High Altitude Platform Station, DFI: Declaration for the Future of the Internet, O-RAN: Open Radio Access Network, WSIS:World Summit on the Information Society(世界情報社会サミット)の略称。
      • パーラメンタリートラック円卓会議
        • 浮島衆議院総務委員長が、キーノートスピーカーとして登壇。セッションのテーマである“Digital Trust”について、国会議員が集う本セッションにおける議論や、今後の各国における貢献への期待を表明しました。
      • クロージングセレモニー
        • 渡辺総務副大臣による閉会の挨拶のほか、門川京都市長による挨拶、また、リー国連事務次長、フランシス国連総会議長のビデオメッセージ及び2024年ホスト国であるサウジアラビア作成のビデオが投影されました。渡辺総務副大臣からは、国連や参加者に対する御礼、今後の継続的な交流への期待を表明しました。
        • (参考)本会合の開催結果は、以下のリンク先(国連ホームページ(英語))からもご覧いただけます。
          https://www.intgovforum.org/en/content/igf-2023-outputs
  • バイ会談及び表敬の概要
    • 本会合の機会を捉え、鈴木総務大臣と小森総務大臣政務官はIGF参加国等とのバイ会談を実施するとともに、民間企業からの表敬を受けました。また、ジョージア及びインドネシアとの間では、ICT協力覚書に署名をしました。

総務省 インターネット・ガバナンス・フォーラム京都2023における偽情報対策既存プラクティス集「Existing Practices against Disinformation(EPaD)」の公表等
  • 令和5年4月29日(土)及び30日(日)に開催されたG7群馬高崎デジタル・技術大臣会合の閣僚宣言において、民間企業や市民団体を含む関係者による偽情報対策に関する既存プラクティス集「Existing Practices against Disinformation(EPaD)」を収集・編集し、IGF京都2023で公表等することが宣言されました。この宣言を受け、今般、G7議長国の日本政府として、総務省においてEPaDを取りまとめました。
  • EPaDには、偽情報に対処するために、市民社会・ソーシャルメディアプラットフォーム・研究機関・政府を含む幅広いステークホルダーが実施する既存のプラクティスが含まれています。
  • IGF京都2023のDay0(10月8日(日))に開催された、総務省主催のセッション「Sharing “Existing Practices against Disinformation(EPaD)”」においてEPaDが公表され、EPaDを踏まえ、今後のマルチステークホルダーによる連携・協力や国際的な連携・協力について議論されました。
▼別紙1 セッション概要
  • 偽・誤情報対策について、生成AIによる影響、これまでの取組を踏まえた教訓、被害をうけるコミュニティを守るための対応、規制上の課題、情報の生産者・消費者としての在り方について議論されました。
  • 偽・誤情報による影響として、例えば、次が挙げられました。
    • 認知過程への浸食、自由な意思の喪失、感情の兵器化
    • 女性、難民、人種的・民族的少数者、LGBTQ+等に対するヘイト
    • 社会の分極化、選挙プロセスの操作、民主主義への脅威
  • 偽・誤情報対策として、例えば、次の必要性が示されました。
    • 「デジタル立憲主義」や表現の自由等の人権保護等による共通の原則や価値の共有
    • 国際的な規範
    • エコシステム全体や構造的問題としての対応
    • マルチステークホルダーによる連携・協力、国際的な連携・協力
    • ファクトチェックの推進、国際機関とファクトチェック機関の連携
    • メディアやジャーナリストの役割
    • 「情報的健康」等を通じたリテラシーの向上、市民社会のエンパワーメント
    • 「Originator Profile」等、デジタル署名・電子透かし等による来歴管理等の技術的な対応
    • 「Digital Service Act」等の行動規範や法制等によるAIやデジタルプラットフォームにおける透明性の確保等のための規制枠組み
  • 2024年には、複数の民主主義国家において選挙が実施されるなど、今後、偽・誤情報対策は一層重要になっていくとの認識が共有されました。
▼別紙2 セッション概要
  • モデレータにより、EPaDが紹介され、G7各国等における偽・誤情報対策に関する民間企業や市民団体を含むマルチステークホルダーによる既存プラクティスが共有されました。
  • 各パネリストにより、偽・誤情報対策に関する取組として、「MAFINDO’s Role in Today’s Information Ecosystem」(アリボウォ氏)、Rapplerによる「Fighting Disinformation:Spreading the value of truth-telling」(チャイ氏)、Microsoftによる取組(マデリン氏)、「Misinformation and Disinformation in Our Society」(山口氏)について発表されました。
  • 偽・誤情報対策として、例えば、次の必要性が示されました。
    • 情報エコシステムにおけるプラットフォーム事業者・メディア・個人や政府等のステークホルダー間の連携・協力、市民社会やジャーナリズムとテック企業との連携
    • デバンキングのみならず、偽・誤情報が出現する前の未然の取組であるプリバンキング
    • 調査能力や人材共有等によるジャーナリストやニュースルームの強化
    • メディアによるファクトチェック、市民社会によるメッシュ、アカデミアによるリサーチ、法律家によるアカウンタビリティの4層によるファクトチェック・ファクトベースの報告
    • ファクトチェックを広げるための地方メディアとの連携、ファクトチェックの拡散の提供
    • メディア情報リテラシー教育、こども等情報の受け手側への対応
    • 漫画やインフルエンサー等による若年層へのリーチ等オーディエンスや時代に合わせた取組
    • 民間のテック企業による貢献・責任として、テクノロジーの提供やラベル付け等による信頼できるニュースの発信、EUの行動規範等に基づくコンテンツモデレーション、そして、ゲーム等を通じたリテラシー教育等による開かれた民主主義プロセスの保護や情報エコシステムの提供
    • インターネットを超えた社会全体の情報生態系の問題として捉えた対応
    • 生成AIの普及により誰もが偽・誤情報を作成・拡散できる時代が到来し、人の目によるチェックでは限界がある状況における技術による対応
    • グローバルだけでなくローカルな透明性の確保
    • 偽情報の作成者に収入が入らないようにすること
    • このセッションのようなグローバルなコラボレーション
    • ファクトチェック機関の国際的な協調
    • 各国におけるベストな情報やトレーニングの共有
    • 偽・誤情報を生成等するAIに関する国際的なルール作り
  • 偽・誤情報対策において、プラットフォーム事業者やテック企業等の民間企業、メディア・ジャーナリスト・ファクトチェック機関、法律家、アカデミア、個人・市民社会や政府等のマルチステークホルダーによる地域や国境を越えた連携・協力の重要性が共有されました。

総務省 総務省総合通信局の職員を名乗る不審電話にご注意ください
  • 総務省総合通信局の職員を名乗り、国民の方々に対して、「あなたの携帯電話から迷惑メールが大量に送付されており、手続きをしないと電話を止める」など、不安をあおって、個人情報を尋ねたり、金品を要求したりする不審電話が全国で確認されています。
  • (10月13日現在、東北総合通信局、関東総合通信局、信越総合通信局、北陸総合通信局、東海総合通信局、近畿総合通信局及び中国総合通信局の職員を名乗る不審電話が確認されています。)
  • 総務省総合通信局では、電話の利用に関して、個人情報を尋ねたり、金品を要求したりすることは、一切ありません。
  • このような不審電話に関するお問合せは、以下の連絡先又は最寄りの総務省総合通信局へご連絡ください。
  • また、被害が疑われる場合には、警察にご相談ください。

総務省 消費者保護ルールの在り方に関する検討会(第50回)
▼資料1-3消費者保護ルールの在り方に関する検討会報告書2023(概要)
  • 第1章 令和元年改正電気通信事業法(消費者保護ルール関係)の施行状況と評価
    • 電気通信事業者・販売代理店の勧誘の適正化
      • 事業者・販売代理店の勧誘の適正化についての制度改正は、通信市場全般の苦情等の動向を踏まえると一定の効果が出ているものと評価できるため、現時点において、直ちに追加の制度改正を講じる必要性は低い。
      • しかしながら、一定数の苦情は未だに継続していることを踏まえると、引き続き、これらの不適切事例についての執行強化や事業者のさらなる自主的取組を促すことで法遵守の徹底を図るべき。
      • 加えて、定期的なモニタリングを続け、事業者・販売代理店の勧誘の適正化等の苦情の動向、新たな苦情の動向を把握し、必要に応じて執行の工夫、追加の制度改正を検討するべき。
    • 販売代理店への届出制度の導入
      • 総務省による販売代理店の情報等の把握及び法執行等の円滑化という観点から効果が出ていること、利用者による情報の把握に有効であることから、届出制度そのものを抜本的に見直す必要はない。
      • 一方で、これまでに明らかになった課題(一部販売代理店のリテラシー不足、代理店起因の相当数の苦情、変更届出等の不徹底、行政の維持管理コストの増大)等を踏まえ、代理店指導監督義務のうち、デジタル化が進む中での電気通信事業者の代理店に必要な能力等の具体化や委託状況を把握するための措置の徹底、また、届出情報の公表内容に例えば「媒介等の業務に係る電気通信役務」及び「媒介等の業務に係る電気通信役務を提供する電気通信事業者」の情報を加える等、制度・運用面での改善を図る必要がある。
    • 利用者の利益の保護のため支障を生ずるおそれがある行為の禁止
      • 省令による禁止行為の追加については、令和4年夏に関係省令が施行されたところであり、施行の状況や苦情の動向の把握を続けるべき。
      • 所要の額を超える金額を請求することを禁止する規定(施行規則第22条の2の13の2第2号)の既往契約への適用に係る経過措置について、実態を検証し、必要に応じて所要の措置を講じるべき。
  • 第2章 「「消費者保護ルールの在り方に関する検討会報告書2021」を踏まえた取組に関する提言」関係
    • MNOの販売代理店における業務の適正性の確保
      • 総務省は、適合性の原則に反する、類似の違反行為を販売代理店が広汎に行っていることが認められる場合等については、携帯電話事業者各社の指導等措置義務(事例に応じた媒介等業務の適切かつ確実な遂行を確保するための措置を講じる等)が適切に講じられているかが問題になりうることをガイドライン等で明示すべき。
      • 携帯電話事業者各社は、販売代理店の業務状況、利用者からの苦情等を定期的に把握して、実態の改善のために必要な対応を講じ、指導等措置義務が充足されているかを定期的に確認すべき。その他、携帯電話事業者各社と販売代理店間の実質的なコミュニケーション改善のために、携帯電話事業者各社は協議の仕組みの更なる改善(例:情報共有の更なる前倒し、携帯各社の施策に反映された意見の代理店等への共有、意見集約の仕組みのさらなる改善等)を検討すべき。
      • 全携協は、業界団体として積極的な役割を果たす余地がないか検討すべき。
      • 上記について、対応の状況を事後的に検証し、実態の改善状況、更なる深掘りの必要性について検討する。
    • 苦情相談の処理における体制の強化
      • 各事業者団体において、「苦情相談処理体制の在り方に関するタスクフォース」報告書を踏まえた検討会提言等に基本的に沿う形で検討等がなされており、まずは各事業者団体における取組の状況及び効果を注視し、今後、期待する効果が得られるか、中立的かつ透明なプロセスでの効果検証を行うことが今後必要である。更に、事例の蓄積と効果の検証を通じ、電気通信分野の苦情相談処理体制のあるべき姿を見出すことが期待される

総務省 プラットフォームサービスに関する研究会(第49回)配付資料
▼資料5 利用者情報の取扱いに関するモニタリング 意見とりまとめ案
  • 「1.取得する情報の内容、取得・使用の条件の提示」の確認項目については、事業者は、利用者に対し、利用者情報の取扱いの概要をわかりやすく説明する工夫を行っており、概ね評価できる。一方で、利用者情報の取扱いを定めたプライバシーポリシーにおいては、個別の記載事項の中には一般の利用者にとってわかりにくいものもあるため、記載方法について改善の余地がある。その他、主に、アカウントを取得していない利用者やログインしていない利用者への説明の在り方、第三者を通じた利用者情報の取得に係る利用者への説明の在り方について構成員から意見があり、今後更なる検討が必要である。
  • 「2.ターゲティング広告を実施する旨及び事前の設定の機会やオプトアウト機会の提供についての開示」の確認項目については、概ね、広告設定に関するツールが設けられており、利用者自身で利用者情報を活用した広告の表示に関する設定を行うことができるようになっている点は評価できる。一方で、利用者情報の取扱いについて、利用者が設定・コントロールできることはよいが、全てを理解して設定するのは難しいため、説明方法や設定支援など工夫の余地がある。
  • 「3.消費者がデータの取得・利用を拒否した場合の、サービスを利用するオプション提供の可否の開示」及び「4.データ・ポータビリティの可否・方法の開示」の確認項目については、当面問題として把握できる点は見受けられなかった。
  • 構成員等からの主なご意見
    • プライバシーセンターなどにより分かりやすく説明されており、通知や公表すべき事項はプライバシーセンターでほぼ網羅されている。(対ヤフー)
    • アドパーソナライズセンターなどの取組は先進的でわかりやすく、一般の方でも自分で設定できるようなものになっており、よい取組。(対ヤフー)
    • ヤフーのプライバシーセンターはベストプラクティスとしてよく紹介している。アドパーソナライズセンターのような取組もより日本で普及していけたらと思っている。(対ヤフー)
    • 総じてプライバシーセンターの記述は、分かりやすく、本人によるコントロール可能性を高めるための工夫が随所にこらされているという感想を持った。(対ヤフー)
    • 位置情報の取得状況の確認機能について、削除できるのは過去1年分となっているが、1年以上前のデータについても内部的には使用されているのであれば、そのことも利用者にしっかり説明すべきではないか。(対ヤフー)
    • プライバシーセンターの記載は充実している一方で、プライバシーポリシーにはあまり必要事項が書かれていないように感じる。利用者がプライバシーセンターとプライバシーポリシーのどちらを見るかが分からないので、プライバシーポリシーにもしっかりと記載いただいたほうが良いのではないかと思う。LINEヤフーの統合後のプライバシーポリシーについては、網羅的に記載されていた。(対ヤフー)
    • プライバシーセンターについて、真摯に取り組んでいると思うが、プライバシーへの感度の高い人にはわかるものの、一般ユーザからは難しいのではないか。(対ヤフー)
    • 外部送信先のプライバシーポリシーを見ると、英語のままのものある。一般人が見てもわからないと思うので、改善の余地があると思う。(対ヤフー)
  • 利用者からすると、IDを作ると自身のデータを差し出すことになるように思えることからIDを取得していない人もいると思うが、先ほどの話では、IDを取得していない方も利用規約に同意したことになり、データが蓄積されているとのこと。
  • IDを取得して利用したほうが自身でプライバシーの設定をすることができるようになり、かえってきちんと保護されるようにも思えるので、そのあたりを利用者にわかりやすくお示しいただけるとよい。(対ヤフー)
    • 利用者情報の取得の観点では、自社のサイトやアプリ、サービスを通じた取得については利用者からもわかりやすいが、プラットフォーム事業者として、SDKやタグ・ソーシャルプラグインによりパートナーのサイトやアプリを通じて直接取得しているもの、第三者から提供受けているものについては、利用者の大半は認知できていないのではないかと思う。利用者情報を取得する際の前提として、そもそもどういう構造で情報を取得しているのかが理解できるような形で対応していただけるとよい。(対ヤフー)
    • SDKやタグによるデータの取得に加えて、「オーディエンスリスト」や「Yahoo! Data Xross」など、第三者から提供を受けるパーソナルデータについては、プラットフォーマーの膨大なデータと突合が行われることは、利用者が認知しにくい、かつプライバシーインパクトが高いと考えられるため、丁寧に目立つように説明を行うことが必要。(対ヤフー)
  • 取得する情報の内容、取得・使用の条件の開示
    • プライバシーポリシーについて、日本の法律に合わせてまとめられたページが設けられている点は評価できる。(対Google)
    • 者から見ればユーザの情報を販売していることと変わらない印象を持つのではないか。広告主との契約やその内容を示し、広告主へのデータ提供と個人情報の販売の違いを明確に示すべきではないか。(対Google)
    • Googleのアカウントを持っていない人が、Google以外のパートナーのサイトを閲覧しているときにも閲覧履歴が収集されているのではないかという点について懸念している。(対Google)
    • プライバシーポリシーにおいて、Metaが利用者から取得する情報は冒頭にわかりやすく列挙されている一方で、プロファイリングによる情報など、直接取得した情報以外については、ポリシーの後半にしか現れていない。そのような情報についても、プライバシーポリシーに目立つ形で記載するべきではないか。(対Meta)
    • プライバシーセンターに必要なことは概ねまとまっていると思うが、PCのFacebookのトップページからプライバシーポリシーのページへ遷移すると英語のままであったり(Instagramは日本語化されている)、全体的に他のページへの参照が多く、参照後の戻りページが不適切であったりするなど、全体の構造がわかりにくく、ユーザが迷子になりやすい点を改善していただきたい。(対Meta)
    • データやプライバシーの取り扱いについては、しっかりと読めば、ソーシャルプラグインやカスタムオーディエンス等の利用者にわかりにくい仕組みについても記載されていることがわかるが、利用者には、どのような仕組みの何について説明されているのかがわからないと思う。利用者への説明では、こういったMetaの製品の仕組みついての理解が前提として必要になるため、その仕組みに関する説明と、データやプライバシーの取扱いに関する説明を連携させてほしい。(対Meta)
  • ターゲティング広告を実施する旨及び事前の設定の機会やオプトアウト機会の提供についての開示
    • プライバシーセンターは非常にわかりやすく、行動ターゲティングの広告の設定などについてもわかりやすく説明されており、ベストプラクティスだと思う。オプトアウトもきめ細かく設定できるようになっており、過去の行動履歴を消せるようになっている点もよい。(対ヤフー)
    • 設定画面について、それぞれの機能は充実しているが、その設定画面にたどり着くために手間かかる状況であり、一般の利用者が気づかないこともあると思うので、もう少しまとめて周知を図るとよいのではないか。(対ヤフー)
    • ヤフーのサービスに関しては登録しなくても利用でき、相当数がログインしないで利用していると考えられるところ、登録していない人は利用したら承諾したものとみなすという対応は、国内最大規模のプラットフォームとしては、さまざまなサービスでの横断的な情報の連携や、第三者への提供や情報の突合等が行われていることを鑑みると、もう少し分かりやすくオプトアウトの方法等を画面上で通知をしたりする対応が求められるのではないかと思う。(対ヤフー)
    • 個人情報に該当しないパーソナルデータについて、アドパーソナライズセンターをはじめとするデータの取扱い設定ができないのは、ヤフーID登録を促しているようでもあり、個人情報を登録したくないユーザーのプライバシーに対する配慮が不足している印象。ヤフーID登録がなくても、広告表示のパーソナライズ設定機能を提供するのが望まれる。(対ヤフー)
    • ユーザが自身の情報についてコントロールできるようになっているところはありがたい点だが、ユーザが全てを理解して管理することは大変であるため、ユーザのリクエストに応じて、自動でそれに沿った設定がなされるような機能があると良い。(対Google)
  • 「電気通信事業における個人情報等の保護に関するガイドライン」に基づき、デジタル広告分野に限らず利用者情報の取扱いについて、継続的にモニタリングを行うべきである。
    • 上記のモニタリングを行うにあたり、総務省において安定的な枠組みを作ることが必要である。
    • 上記のモニタリングを行うにあたっては、特に利用者保護の観点に立ち、プラットフォーム事業者における情報取得の方法等、利用者情報の取扱いについて確認していく必要がある。
    • 上記のモニタリングを行うにあたっては、プラットフォーム事業者が、アカウントを取得していない利用者やログインしていない利用者からも情報を取得していること、第三者や、第三者のウェブサイトを通じて情報を取得していることに関し、利用者保護の観点から、対応を行うべき点がないかについて確認することが必要である。

総務省 情報通信審議会 電気通信事業政策部会 ユニバーサルサービス政策委員会 ブロードバンドサービスに関するユニバーサルサービス制度における交付金・負担金の算定等に関するワーキンググループ(第2回)配布資料・議事概要
▼資料1 第1回会合における主な意見(事務局資料)
  • 事業者・自治体からのヒアリングの必要性
    • 制度自体の効率性ということだけで論点に答えを出すのは難しい。事業者だけでなく、それぞれの実情を抱える自治体からの意見、特に未整備地域の現状、公設設備の自治体負担の在り方などについて耳を傾け、裏側にある本当の困窮や実情を聴取する必要。
    • 今回はユニバ義務が課されていない中で、事業者も複数であり、町字単位の区分判定など様々な課題あり。人口密度が低いところでブロードバンドの普及を支援するため、その実態に係る事業者や自治体からの意見が非常に役立つ。
    • 未整備地域の住民が、今どういう不便を抱えているのかを承知したい。自治体からの意見や情報提供が必要。自治体や事業者の意見を聴取したい。
    • 電話ユニバと比べて事業者の数が増えると思われ、よく似てはいても、電話ユニバ制度に修正を加えなければいけない。事業者、自治体の意見を拝聴して進めていく必要。
  • ヒアリングで聴取したい追加的な論点
    • 未利用芯線がどの程度あり、どの程度維持管理コストが掛かるのか。また、世帯カバー率が高まるほど未利用芯線が増えるのではないか。未整備地域をなくすに従って、未利用芯線の数も指数関数的に上がっていくのか。未利用芯線に関わる説明を聴取したい。
    • 公設民営型等において、ブロードバンドに対する投資がどうしても後手になりやすいという嫌いはあると思う。水道管破裂や寝たきりの方へのケアが優先順位が高くなると思う。よって、初期投資は行ったが、更新予算が付かないといったケースもあるのではないか。
    • 民設移行する際の円滑な手続についても検討しなければいけない。
    • 事業者にブロードバンドサービスの提供に手を挙げていただかなければいけない。
  • 広報啓発活動の必要性
    • 日本中のブロードバンドを安定的に整備・維持していくことはとても大切。そのため、国民の理解もとても大切。早い段階から分かりやすく伝えていく努力が大切。急にブロードバンドユニバが始まります、負担がこうなりますという風にならない仕組みを考える必要。
    • ワイヤレス全体を対象にするのか、一部分のワイヤレスサービスのみを対象にするのか、分かりにくい部分もある。やはり細かい部分は、どうしても全体に伝わりきらない面がある。
    • 今回、光ブロードバンドに限定した議論をすることの理解は共有しているつもりだが、ワイヤレス(共用型)を除外することについても広報等が必要。
  • 事務局資料の修正
    • (第1回ワーキンググループで事務局が提出した資料のうち)検討事項(2)で、宣伝費についてという部分の言葉が足りない。ブロードバンドユニバーサルサービス制度の宣伝について原価として算入してよいかというように加筆すべき。その方が誤解は少なくなる

総務省 民間事業者におけるマイナンバーカードの利活用- イツモスマイル株式会社及び一般社団法人鹿児島地域医療介護ネットワークによる空き領域の利用 -
  • 本日、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行令(平成26年政令第155号。以下「番号法施行令」という。)第18条第2項第4号の規定に基づき、イツモスマイル株式会社及び一般社団法人鹿児島地域医療介護ネットワークがマイナンバーカード(ICチップ)の空き領域にアプリケーションを搭載して行う事務について、以下のとおり告示を行いました。
    • 空き領域利用の概要
      • 民間事業者は、マイナンバーカード(ICチップ)の空き領域にアプリケーションを搭載することにより、様々な事務でマイナンバーカードを活用することが可能です。
      • このためには、番号法施行令第18条第2項第4号の規定に基づき、事務の実施者及び事務の内容について、内閣総理大臣及び総務大臣による告示を受けることが必要となります。
    • 大臣が定める事務の実施者
      • イツモスマイル株式会社
      • 一般社団法人鹿児島地域医療介護ネットワーク
    • 大臣が定める事務の内容
      • イツモスマイル株式会社に使用される事務所等の入退館及び入退室の管理に係る事務、イツモスマイル株式会社が管理するアプリケーションを使用する権限を有する者であることの識別及び認証等に係る事務
      • 介護業界では専門職/高齢者等、デジタル活用に抵抗や苦手意識があるユーザーが多い。同ユーザー層でもデジタル活用ができるよう、マイナンバーカードの認証機能を活用する。
      • 一般社団法人鹿児島地域医療介護ネットワークが管理する医療情報データベースに登録されている者であることの識別及び認証等に係る事務

総務省 プラットフォームサービスに関する研究会(第48回)配付資料
▼参考資料1 第47回会合における構成員等からの主なご意見・事業者等への質疑応答
  • 今後のモニタリングについて
    • 透明化法の規制対象となる事業の内容は「Yahoo!広告」を通じて「Yahoo!JAPAN(Yahoo!検索含む)」に広告を表示する事業というように事業が限定されており、その他のパーソナルデータの取扱いについてもモニタリング対象とすべき。例えばヤフーもYahooデータソリューションとして、必ずしも広告の表示を目的とせずにプラットフォームのもつデータを第三者が活用するサービスが提供されており、昨今ではデータクリーンルームと呼ばれるようなものもプラットフォームが提供していたりするため、「広告の表示」に限らずマーケティング等全般に対するパーソナルデータのデータ活用に対しても明確にモニタリング対象とすべき。【太田先生】
    • 利用者情報WGが閉会したため、今回はプラットフォーム研究会でモニタリングを行っているが、安定した仕組みとはいえない。透明化法はBtoBの競争法の一種であり、パーソナルデータの取扱いについては、一部重なる部分があるにせよ、すべては重ならない。モバイルエコシステムの議論もモバイルOSに特化しているため、今後どのような枠組みでこの取組を続けていくかについては考えたほうがよい。透明化法は法的な枠組みなので海外事業者も対応せざるを得ないところだが、この取組については必ずしも答えてもらえるかが分からないので、まずは安定的な枠組みを作ることが宿題として残っていると思う。【板倉先生】
    • モニタリングの位置づけについては、板倉先生に同意。広告を中心とするパーソナルデータの取扱いについて、透明化法はあくまでBtoBの観点に立つものなので、ユーザ保護の観点から見ていく必要がある。外部送信規律により、ファーストパーティーが協力してサードパーティが取得する部分についての透明化は図られているが、そこだけできていればよいということではない。外部送信規律の背後には、通信に係るプライバシーは通秘等により保護をしてきたが、Webの閲覧やアプリの利用に伴うプライバシー保護というテーマがあるはず。ファーストパーティの外部送信によりサードパーティがデータを取得する場面、サードパーティにおいてどのようにデータを結合して利用しているかについても問題になるものであり、プラットフォーム研究会の宿題であると認識している。【森構成員】
    • ログインしていない人への説明、透明性の確保について、サードパーティとして取得した人がどのように対応すべきかという問題意識だと思う。モニタリングを継続して、透明化法ではなく利用者保護の観点でモニタリングしていく必要がある。外部送信規律により間口の部分は規律したものの、取得した後サードパーティによってどのように利用されるかについても、なんらか法制度を検討することが重要ではないか。【森構成員】
  • 利用者への周知・同意取得について
    • ポリシーの重要な変更に当たっては、アプリの場合はプッシュ通知やメール等により行っていると思うが、アプリを使用していない人や、IDを取得していない人にはどのように知らせているのか。また、重要なプライバシーポリシーの改訂とは、どういうものをいうのか。【小林先生】
      • ヤフーは最初にメールアドレスを登録いただいているので、プライバシーポリシーの改訂時にはメールでお知らせしている。また、直近ではプライバシーポリシーの統合の際、ヤフーのトップページにお知らせの形で掲載していた。重要な改訂については、形式的なものではない、中身にかかわるような改訂を指している。改訂の内容が一部サービスにしか影響しない場合は、サービス内での周知にとどまり、全体への周知をしないこともある。
    • プライバシーセンターについて、真摯に取り組んでいると思うが、プライバシーへの感度の高い人にはわかるものの、一般ユーザからは難しいのではないか。また、外部送信に関する記載が取得に関する項目でよいのかが気になる。また、パーソナルデータの連携のところで、パートナー企業との連携については、どこが取得の主体で、どこに提供しているかの理解が難しい。【石井先生】
      • 正確性を期すると記載が長くなってしまい、一般ユーザが理解しづらくなってしまう。一般ユーザーが理解しやすいように心がけて引き続き改善を検討したい。外部送信に関する記載については、ヤフーが取得するものとは記載を分けたほうが良いということで、トップの部分に項目を設けているが、導線としてパーソナルデータの取得のところからも行けるようになっている。
      • また、プライバシーセンター内では「提供」という文言は使用せず、連携という言葉に統一している。グループ企業への連携が元々の表現で、記載箇所によって表現がばらけると混乱するので、連携に統一した。
    • サービス利用開始前の利用者への通知・同意取得について、ID取得時に利用規約に承諾いただいているとのことだが、IDを取得しない方についてはどのように承諾を得ているのか。また、アドパーソナライズセンターはどのようにコントロールできるのか。【太田先生】
      • プライバシーポリシーは利用規約の一部なので、サービス利用をもって同意とみなしている。ID未取得ユーザの情報はヤフー内では個人情報に当たらないこともあり、このような整理をしているが、社内ではパーソナルデータとして個人情報に準じて保護している。また、ID未取得ユーザは引き続き従来の広告オプトアウトによるコントロールが可能。
    • ヤフーが受け取るデータの中に、オーディエンスリストなど、広告主から個人情報を受領してマッチングし、広告を表示させるようなものがあると思うが、プライバシーセンターにはそのような第三者からの情報の提供に関する説明が見当たらないことについて、お考えを伺いたい。また、クッキーの代替手段での情報取得に関する動きについて、ヤフーデータクロスという取組があると思うが、こちらもプライバシーポリシーに記載がないと思われるところ、お考えを伺いたい。【太田先生】
      • 一般の利用者がプライバシーセンターから見つけるのは難しいと思うので、今後対応していく。ヤフーデータクロスについてはプレスリリースなどで説明しているが、よりユーザへの説明が充実するようにできればと考えている。
    • プライバシー設定について定期的に確認のメール送っているとのことで、よい取り組みだと思うが、定期的というのはどういうタイミングか。【木村構成員】
      • 基本的には1年に1回送付しているが、プライバシーセンターのリニューアルやアドパーソナライズセンターのローンチなど、イベントに合わせて送付しているものもあるので、定期的にと記載している。変更の都度何回もメールが送られてしまうと煩わしいということもある。
  • 広告主への対応について
    • 他アプリ提供者やサイト運営者に対してどのような同意取得や通知を促しているかについて、広告主に広告データ利用基準の遵守を求めているとのことだが、どのような方法で遵守を求めているのか。また、遵守できているかどうかについて確認をしているのか。【太田先生】
      • 広告のクライアントとのやり取りの中で遵守を求めている。遵守されているかどうかに関する確認については、網羅的に実施できているわけではないが、モニタリングの試みを行っており、基準違反があれば指摘をしている。
    • 外部送信規律に関する他アプリ提供者やサイト運営者への情報提供について、広告主の問い合わせに応じて案内をしているとのことだが、なぜ公開されていないのか。【太田先生】
      • Webサイトで公表はしており、追加情報が必要な場合には問い合わせをいただいて説明している。
    • 行動履歴を消すことに伴い、ターゲティング広告の精度が落ちることについて、広告主から懸念は示されていないか。行動履歴の消去まで行う利用者は少ないので広告への影響は小さいのか、あるいは透明性の高い運用をすることで広告主側も歓迎しているのか。【沢田先生】
      • 広告主の懸念については、そういう声もありうるとは思うが、ユーザアンケートを取ったところ、若い世代を中心に興味関心のない広告が出るよりは、自分のデータを使ってもらって自分に合った広告が出る方がよいと考える人の方が多いという結果もあった。興味関心のある広告が出るようになっていること、ユーザが細かく選択できるようになっていることがヤフーの広告品質になっている点もある。
  • その他
    • パーソナルデータの取扱いについて、対外的な説明以外に、社内やグループ企業に対しては、どのように説明・周知を行っているのか。【佐藤先生】
      • DPOとは別にCDOが設置されており、そちらがデータの取扱い等に関する社内周知等を行っている。ガイドラインやルールの策定や、eラーニングや社内通知を通じた周知を実施し、データディレクターにはしっかりと伝わるよう、毎週DD会という場を設けている
    • どのような位置情報を取得しているかを確認できる機能について、過去1年間分のみを確認できるとのことだが、これは1年以上古いデータは削除しているということなのか、あるいは利用者からは1年間分しか見えない形としているのか、いずれか。【佐藤先生】
      • 1年でデータを削除するわけではなく、確認できる期間が1年だけとなっている。それ以上を確認したい場合には、開示請求をしていただくことになる。開示請求の際のニーズが概ね1年以内のところにあるので、このような形としている。
    • 利用者からすると、IDを作るとデータを差し出すことになるように思えることからIDを取得していない人もいると思うが、先ほどの話ではIDを取得していない方も利用規約に同意したことになり、データが蓄積されているとのこと。IDを取得せずに利用していた方が新たにIDを取得した場合、IPアドレスなどを用いてデータが統合されるのか。【木村構成員】
      • ユーザがIDを取得していない場合であっても、ユーザは自身のデータが保護されることを期待していることは間違いない。利用規約に同意したこととみなすといったが、社内では個人情報に限らないパーソナルデータとして保護することとしており、しっかりと安全管理措置を取っている。途中でIDを取得した人については、IDを取得する前のクッキーや端末識別子により連携されることになる。
    • どのような位置情報を取得しているかを確認できる機能について、過去1年間分のみを確認できるとのことだが、これは1年以上古いデータは削除しているということなのか、あるいは利用者からは1年間分しか見えない形としているのか、いずれか。【佐藤先生】
      • 1年でデータを削除するわけではなく、確認できる期間が1年だけとなっている。それ以上を確認したい場合には、開示請求をしていただくことになる。開示請求の際のニーズが概ね1年以内のところにあるので、このような形としている。
    • 透明化法のデジタル広告市場について、商品等提供事業者と一般利用者はそれぞれ誰になるのか。一般消費者は入るのか。また、ヤフーでは透明化法に関する対応のコーナーが設けられているところ、一般ユーザのデータはこのように使う等の記載があるが、これは、一部は透明化対応の一環として、一部は一般消費者への情報提供として記載しているということか。一般消費者に関する議論を行うことは透明化法に係る対応に重なる部分あると思うが、どのような整理なのか。【板倉先生】
      • メディア一体型にについては、広告を見るいわゆる一般消費者を指しており、仲介型については、主に広告主が一般利用者となる。
      • ヤフーはメディア一体型で指定しており、一般利用者は一般消費者となっているので、一般利用者向けに掲載しているものかと思う。
      • 透明化法は基本的にBtoBの観点で見ており、総務省はパーソナルデータの関係でBtoCの観点で見ていると思う。BtoCで消費者の懸念が解消されることで、BtoBの取引においても有益に働くということで、連携しながらモニタリングしているものである

総務省統計局 労働力調査(基本集計) 2023年(令和5年)8月分結果
▼労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)8月分結果の概要
  • 就業者
    • 就業者数は6773万人。前年同月に比べ22万人の増加。13か月連続の増加
    • 雇用者数は6088万人。前年同月に比べ44万人の増加。18か月連続の増加
    • 正規の職員・従業員数は3637万人。前年同月に比べ48万人の増加。2か月ぶりの増加。非正規の職員・従業員数は2114万人。前年同月に比べ7万人の減少。3か月ぶりの減少
    • 主な産業別就業者を前年同月と比べると、「卸売業,小売業」、「宿泊業,飲食サービス業」などが増加
  • 就業率(就業者/15歳以上人口×100)
    • 就業率は61.4%。前年同月に比べ0.1ポインの上昇
    • 15~64歳の就業率は79.2%。前年同月に比べ0.4ポイントの上昇
  • 完全失業者
    • 完全失業者数は186万人。前年同月に比べ9万人の増加。2か月連続の増加
    • 求職理由別に前年同月と比べると、「勤め先や事業の都合による離職」が3万人の減少。「自発的な離職(自己都合)」が11万人の増加。
    • 「新たに求職」が2万人の減少
  • 完全失業率(完全失業者/労働力人口×100)
    • 完全失業率(季節調整値)は2.7%。前月と同率
  • 非労働力人口
    • 非労働力人口は4056万人。前年同月に比べ30万人の減少。18か月連続の減少
  • 完全失業者数は186万人。前年同月に比べ9万人(5.1%)の増加。2か月連続の増加。男性は109万人。前年同月に比べ5万人の増加。女性は77万人。前年同月に比べ4万人の増加
  • 完全失業者のうち、「勤め先や事業の都合による離職」は24万人と、前年同月に比べ3万人の減少、「自発的な離職(自己都合)」は83万人と、前年同月に比べ11万人の増加、「新たに求職」は45万人と、前年同月に比べ2万人の減少
  • 男性の完全失業者数は、「25~34歳」、「35~44歳」及び「65歳以上」の年齢階級で、前年同月に比べ増加。女性の完全失業者数は、「25~34歳」、「45~54歳」及び「65歳以上」の年齢階級で、前年同月に比べ増加
  • 就業者数は6750万人。前月に比べ5万人(0.1%)の増加。雇用者数は6091万人。前月に比べ14万人(0.2%)の増加
  • 完全失業者数は185万人。前月に比べ1万人(0.5%)の増加。内訳をみると、「自発的な離職(自己都合)」は6万人(8.1%)の増加、「新たに求職」は2万人(4.1%)の減少、「非自発的な離職」は6万人(12.2%)の減少
  • 完全失業率は2.7%。前月と同率。男性は2.9%と、前月に比べ0.2ポイントの上昇。女性は2.4%と、前月に比べ0.2ポイントの低下
  • 男性の完全失業率は、「15~24歳」、「25~34歳」及び「35~44歳」の年齢階級で、前月に比べ上昇。女性の完全失業率は、「15~24歳」、「25~34歳」、「35~44歳」及び「55~64歳」の年齢階級で、前月に比べ低下
  • 非労働力人口は4085万人。前月に比べ9万人(0.2%)の減少

【2023年9月】

総務省 統計局 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-
  • 高齢者の人口(人口推計、World Population Prospects)
    • 高齢者人口は1950年以降初めての減少。一方、総人口に占める高齢者人口の割合は29.1%と過去最高
    • 75歳以上人口が初めて2000万人を超える。10人に1人が80歳以上となる
    • 日本の高齢者人口の割合は、世界で最高(200の国・地域中)
  • 高齢者の就業(労働力調査、就業構造基本調査、Stat)
    • 高齢就業者数は、19年連続で増加し912万人と過去最多
    • 就業者総数に占める高齢就業者の割合は、13.6%と過去最高
    • 65~69歳、70~74歳の就業率は過去最高に
    • 日本の高齢者の就業率は、主要国の中でも高い水準
    • 高齢雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は76.4%と前年に比べ0.5ポイント上昇、一方で65~69歳では3年連続低下
    • 「医療,福祉」の高齢就業者は10年前の約2.7倍に増加
    • 高齢の就業希望者のうち、希望する仕事の種類は、男性は「専門的・技術的職業」が最も多く、女性は「サービス職業」が最も多い
    • 高齢者の有業率は、男性は山梨県が最も高く、女性は福井県が最も高い

総務省 令和5年8月の熱中症による救急搬送状況
  • 令和5年8月の全国における熱中症による救急搬送人員は34,835人でした。これは、8月の調査を開始した平成20年以降8月としては3番目に多い搬送人員となっています。
  • 全国の熱中症による救急搬送状況の年齢区分別、初診時における傷病程度別等の内訳は次のとおりです。
    • 年齢区分別では、高齢者が最も多く、次いで成人、少年、乳幼児の順となっています。
    • 初診時における傷病程度別にみると、軽症が最も多く、次いで中等症、重症の順となっています。
    • 発生場所別の救急搬送人員をみると、住居が最も多く、次いで道路、公衆(屋外)、仕事場(道路工事現場、工場、作業所等)の順となっています。
  • 熱中症は正しい知識を身につけることで、適切に予防することが可能です。予防対策として、エアコンや扇風機をためらわずに使用すること、こまめに水分補給を行うこと、屋外では帽子をかぶることなどに心がけてください。
  • 特に、こどもや高齢者は熱中症になりやすいため注意が必要です。こどもは大人に比べて暑さに弱いため、周りにいる大人が気をつけましょう。また、高齢者は暑さに対する感覚機能や体の調節機能が低下しますので、特に気をつけてください。
  • 消防庁では、熱中症予防啓発のコンテンツとして、「予防啓発動画」「予防啓発ポスター」「予防啓発イラスト」「予防広報メッセージ」「熱中症対策リーフレット」「予防啓発取組事例集」を消防庁ホームページ熱中症情報サイトに掲載しています。
  • 全国の消防機関をはじめ、熱中症予防を啓発する関係機関にも御活用いただけるよう、以下の消防庁ホームページに掲載していますので、是非御活用ください。
  • https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/post3.html#heatstroke04

  • 医療機関での初診時における傷病程度別の救急搬送人員
    • 軽症(外来診療)が最も多く23,456人(67.3%)、次いで中等症(入院診療)10,408人(29.9%)、重症(長期入院)768人(2.2%)の順となっています
  • 発生場所別の救急搬送人員
    • 住居が最も多く14,602人(41.9%)、次いで道路5,378人(15.4%)、公衆(屋外)4,386人(12.6%)、仕事場3,996人(11.5%)の順となっています

総務省 プラットフォームサービスに関する研究会(第47回)配付資料
▼資料1 利用者情報の取扱いに関するモニタリングについて
  • モニタリングの進め方
    • 具体的なモニタリングの進め方は、特に、昨年度の利用者情報WGにおけるヒアリング項目のうち、「デジタル広告市場の競争評価 最終報告」において確認するとされた項目等を中心にヒアリングを実施し、各事業者の取組状況の確認を行う。
    • 具体的には、事前に配布したヒアリングシートの回答を踏まえつつ、下記の項目についてヒアリングを実施。
  • 以下の各項目について、デジタル広告の観点における各社の取組について記載。
    1. 利用者情報の取扱いの状況について
      • 取得される利用者情報と取得場面
      • 取得した情報の加工・分析・利用
      • 利用者情報の第三者提供
      • 広告ビジネスモデルへの利用者情報の活用
      • 利用者情報に基づくプロファイリングセグメント化
    2. 利用規約・プライバシーポリシーについて
      • 利用者情報の取扱いに係るプライバシーポリシー
        • 利用者情報の取扱いに係るプライバシーポリシー
        • サービス開始前の通知公表・同意取得(導線・掲載)
        • プライバシーポリシーの変更に係る周知・同意取得
        • 利用開始後にも定期的に通知を行うなどの工夫
      • 透明性確保のための工夫
        • 透明性確保のための工夫や対処(ユーザーテスト実施他)
        • 同意取得や通知に当たっての具体的な工夫(階層的アプローチ、ダッシュボード、ジャストインタイム、アイコン等)
      • オプトアウト
        • オプトアウトを設けているか(方法・対象範囲等)
        • オプトアウトをしてもサービス利用継続が可能か
        • ダッシュボード等を設けているか(方法・対象範囲等)
        • オプトアウトに関する通知事項、導線
      • データポータビリティ
        • データポータビリティの取組(方法・対象範囲等)
        • 対象情報、方法、提供フォーマット、提供先、相互運用性等
        • 電磁的開示請求への対応、開示方法、提供フォーマット等
    3. 他アプリやサイトを経由した情報収集の状況
      1. 他アプリやサイトを経由した情報収集の状況
      2. 他アプリ提供社やサイト運営者に対する情報提供
      3. 情報収集モジュールやJavaScriptによる外部送信
      4. 3の場合の、他アプリ提供者やサイト運営者に対する情報提供
      5. 情報収集モジュールやJavaScriptについて、送信される情報の内容や送信先の変更等
      6. 複数の他アプリやサイトから収集した情報の管理
    4. 他社へのデータ提供、他社との連携の状況
      • 他社に対するデータ提供の状況
      • 他社との連携、留意点(利用者説明、安全管理等)
    5. サードパーティによる情報収集への対応
      • サードパーティによる情報取得に関する方針
      • クッキーの代替手段の情報取得の動きへの考え方
    6. PIA・アウトカムについての考え方
      • PIAの導入状況
      • 利用者情報の取扱いに関するアウトカムに係る検討
      • 利用者にPIAの結果やアウトカムを説明しているか
    7. 個人情報保護管理者の設置
      • 設置状況
      • 名称等
      • 業務内容

総務省 墓地行政に関する調査-公営墓地における無縁墳墓を中心として-<結果に基づく通知>
▼概要
  • 調査の背景
    • 墓地は、全国で約87万区域存在し、うち地方公共団体が経営する公営墓地は、約3万区域存在 ※墓地・納骨堂の経営には、都道府県知事等の許可が必要であり、経営主体は、その永続性及び非営利性の確保の観点から、地方公共団体が原則とされている
    • 人口減少・多死社会の進展や家族観の多様化等に伴い、管理する者がいなくなった無縁墳墓等が増加し、不十分な管理による支障が懸念されるが、その発生実態は不明
      →公営墓地における無縁墳墓等の発生状況や、その解消のための課題等を調査(書面調査:全市町村<1,231市町村が回答>、実地調査:88市町村)
  • 主な調査結果
    • 公営墓地・納骨堂で無縁墳墓等(死亡者の縁故者がない墳墓又は納骨堂のことをいう)が発生しているのは58.2%(445/765市町村)
    • 無縁墳墓の発生により、公営墓地の荒廃や不法投棄の温床になっており、中には、市町村で樹木の伐採や墓石の倒伏防止のための手間と費用を要した例もあり
    • 無縁墳墓等の発生抑制に重要である縁故者情報を把握している市町村は少数(把握率2割未満が80.7%)。他方で、事前に電話番号等まで把握していた市町村あり
      →時の経過とともに、縁故者情報の把握には手間と時間を要し、その把握が進まないと、将来の市町村の負担が増加するおそれ。
    • 無縁改葬(無縁墳墓等に埋葬された死体又は埋蔵され、若しくは収蔵された焼骨を他の墓(合葬墓等)に移管することをいい、墓地、埋葬等に関する法律(以下「墓埋法」という。)等に基づく手続が必要)を行うに当たっての懸念として、無縁改葬後の墓石の取扱いが不明確なことにより、市町村が墓石を処分すべきか、保管すべきか、一時保管の場合の保管期間について迷うなど対応に苦慮
      →無縁改葬が進まず、無縁墳墓が解消しないおそれ。
  • 無縁墳墓等による支障
    • 背景・制度等
      • 使用者が所在不明となっている無縁墳墓等は十分な管理が行われず、荒廃していくおそれ。
      • 墓地行政に関係する唯一の経年的なデータである「衛生行政報告例」においても、無縁墳墓等の発生実態は把握されていない。
    • 調査結果
      • 公営墓地・納骨堂を有すると回答した765市町村のうち、公営墓地・納骨堂において無縁墳墓等が発生している市町村の割合は、58.2%(445/765市町村)
      • 長期間にわたり十分な管理がされておらず無縁墳墓等と見受けられる例があり、これらは、近隣の使用者とのトラブルとなりかねない。
        →市町村において、樹木の伐採や墓石の倒伏防止のための手間と費用を要した例もあり
  • 無縁墳墓等の発生抑制(縁故者情報の事前把握)
    • 背景・制度等
      • 墓地・納骨堂の管理者は、墓埋法施行規則の規定に基づき、使用者の住所及び氏名を記載した帳簿を備え付けなければならないこととされている。
      • 墓地・納骨堂の使用者が所在不明となった場合は、墓地・納骨堂の管理者は、戸籍謄本等により縁故者を探索し、承継意向を確認することとなるが、無縁墳墓等の発生を抑制するためには、使用者が所在不明となった場合に備えて、次代の承継候補となり得る縁故者情報の早期把握が重要
  • 調査結果
    • 公営墓地・納骨堂における使用者以外の縁故者情報を把握している市町村は少数
      • 縁故者情報の把握状況:把握率20%未満の市町村は80.7%(71/88市町村)
    • 縁故者情報を把握していなかったことにより、市町村の中には、縁故者の承継意向の確認に膨大な追跡調査を要した例(約1万区画の確認に約10年を要した例)あり
    • 一方で、縁故者の住所や電話番号をあらかじめ把握している市町村は10.2%(9/88市町村)
      • その一例を挙げると、墓地使用許可申請時等に
        • 縁故者の連絡先の記載を求めている例
        • 縁故者の連絡先が分かる添付書類を求めている例
      • 縁故者の連絡先をあらかじめ把握していたことで、使用者が所在不明となった場合にも、当該縁故者を通じて速やかな所在確認につながった例あり
      • 縁故者情報を事前に把握する方法に関し、他市町村の状況を情報提供してほしいとする市町村あり
  • 望まれる取組
    • 無縁墳墓等の発生を抑制する観点から、縁故者に係る情報を事前に把握している事例を整理し提供するなど、地方公共団体に対して必要な支援を行うこと。
  • 無縁墳墓の解消(無縁改葬後の墓石の取扱い)等
    • 背景・制度等
      • 無縁墳墓の解消を図るためには、墓地経営者は、調査を尽くして使用者その他の縁故者がないことを確認した上で、墓埋法及び同法施行規則に基づき、使用者その他の縁故者に対して1年以内に申し出る旨を官報に掲載するなど、必要な手続を行い、市町村長の改葬許可を得て無縁墳墓の焼骨を合葬墓等に移管(無縁改葬を実施)する必要あり
      • 無縁改葬の実施後は、無縁墳墓の墓石を撤去することが必要だが、墓石の取扱いについては、墓埋法等には規定されていない。
    • 調査結果
      • 過去5年間(平成28年度~令和2年度)に、公営墓地・納骨堂において、無縁墳墓等の解消を図るため、無縁改葬や墓石の撤去に着手した実績があると回答した市町村の割合は、6.1%(47/765市町村)
      • 今後、無縁改葬の実施意向があると回答した市町村の割合は、22.1%(169/765市町村)
      • 市町村における無縁改葬後の墓石の取扱いを調査したところ、以下の例がみられた。
        • 無縁改葬の縁故者調査結果だけでは、ほかに縁故者が存在する可能性があるとして、墓石の撤去をためらい、無縁改葬自体も慎重な判断を要するとする例
        • 墓石の保管場所が確保できないとして、今後の無縁改葬の実施を懸念している例
        • 過去に墓石の処分実績がある市町村であっても、今後は即時処分か一時保管か、また、保管期間の判断に迷っているため、国が判断基準を示してほしいとする例
      • 他方、市町村が墓石を占有した時点でその所有権を取得するとの無主物先占の考え方により、墓石を処分している例あり
    • 望まれる取組
      • 無縁墳墓の解消を図る観点から、無縁改葬後の墓石の取扱いについて、保管期間や処分の考え方に係る事例を整理し提供するなど、地方公共団体に対して必要な支援を行うこと。
      • 今後も社会環境の変化が進むこと、個人や集落等が経営する墓地も課題となることなどを踏まえ、地域の宗教的感情や慣習にも配慮しながら、まずは地方公共団体における取組事例や対応に苦慮している事例を収集しつつ、その状況を踏まえながら、今後の墓地行政の在り方を検討していくことが望まれる。

総務省 「プラットフォームサービスに関する研究会 誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ 今後の検討の方向性」及び再意見募集の結果の公表
▼別紙2 プラットフォームサービスに関する研究会 誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ 今後の検討の方向性
  • プラットフォーム事業者が果たすべき積極的な役割(監視、削除請求権、削除要請等)
    1. 個別の違法・有害情報に関する罰則付の削除義務
      • 違法・有害情報の流通の低減のために、プラットフォーム事業者に対して、大量に流通する全ての情報について、包括的・一般的に監視をさせ、個別の違法・有害情報について削除等の措置を講じなかったことを理由に、罰則等を適用することを前提とする削除義務を設けることも考えられる。
      • しかしながら、このような個別の情報に関する罰則付の削除義務を課すことは、この義務を背景として、罰則を適用されることを回避しようとするプラットフォーム事業者によって、実際には違法情報ではない疑わしい情報が全て削除されるなど、投稿の過度な削除等が行われるおそれがあることや、行政がプラットフォーム事業者に対して検閲に近い行為を強いることとなり、利用者の表現の自由に対する制約をもたらすおそれがあること等から、慎重であるべきと考えられる。
    2. 個別の違法・有害情報に関する行政庁からの削除要請
      • 現状、法務省の人権擁護機関や警察庁の委託事業であるインターネット・ホットラインセンター等の行政庁から、プラットフォーム事業者に対して、違法・有害情報の削除要請が行われており、また、かかる要請を受けたプラットフォーム事業者は、自らが定めるポリシーの条項への該当性や違法性の判断に基づき投稿の削除等の対応を行っており、これには一定の実効性が認められると考えられる。
      • しかしながら、この要請に応じて削除することをプラットフォーム事業者に義務付けることについては、行政からの要請があれば内容を確認せず自動的・機械的に削除されることにより、利用者の表現の自由を実質的に制約するおそれがあるため、慎重であるべきと考えられる。
      • なお、プラットフォーム事業者が、法的な位置付けを伴わない自主的な取組として、通報に実績のある機関からの違法・有害情報の削除要請や通報を優先的に審査する手続等を設け、行政機関からの要請をこの手続の中で取り扱うことは考えられる。その場合でも、違法・有害情報に関する行政庁からの削除要請に関しては、その要請に強制力は伴わないとしても、事後的に要請の適正性を検証可能とするために、その透明性を確保することが求められる
    3. 違法情報の流通の監視
      • 違法情報の流通の網羅的な監視
        • プラットフォーム事業者に対し、違法情報の流通に関する網羅的な監視を法的に義務づけることは、違法情報の流通の低減を図るうえで有効とも考えられる。
        • しかしながら、行政がプラットフォーム事業者に対して検閲に近い行為を強いることとなり、また、事業者によっては、実際には違法情報ではない疑わしい情報も全て削除するなど、投稿の過度な削除等が行われ、利用者の表現の自由に対する実質的な制約をもたらすおそれがあるため、慎重であるべきと考えられる。
        • なお、プラットフォーム事業者が、自主的に監視をすることは、妨げられないと考えられる。
      • 繰り返し多数の違法情報を投稿するアカウントの監視
        • インターネット上の権利侵害は、スポット的な投稿によってなされるケースも多い一方で、そのような投稿を繰り返し行う者によってなされているケースも多く、違法情報の流通の低減のために有効との指摘がある。
        • しかしながら、プラットフォーム事業者に対し、特定のアカウントを監視するよう法的に義務付けることは、「①違法情報の流通の網羅的な監視」と同様の懸念があるため、慎重であるべきと考えられる。
        • なお、プラットフォーム事業者が、自主的に監視をすることは、妨げられないと考えられる。
      • 繰り返し多数の違法情報を投稿するアカウントの停止・凍結等
        • 繰り返し多数の違法情報を投稿するアカウントへの対応として、アカウントの停止・凍結等を行うことを法的に義務づけることも考えられるが、このような義務付けは、ひとたびアカウントの停止・凍結等が行われると将来にわたって表現の機会が奪われる表現の事前抑制の性質を有しているため、慎重であるべきと考えられる。
        • なお、プラットフォーム事業者が、利用規約等に基づいて、自主的にアカウントの停止・凍結等をすることは、妨げられないと考えられる。
    4. 権利侵害情報に係る送信防止措置請求権の明文化
      • 人格権を侵害する投稿の削除を求める権利は、判例法理によって認められているため、一定の要件の下で、権利侵害情報の送信防止措置を請求する権利を明文化することも考えられるが、被害者が送信防止措置を求めることが可能であると広く認知される等のメリットがある一方、権利の濫用や過度な削除が行われるおそれ等のデメリットも考慮して慎重に検討を行う必要がある。
    5. 権利侵害性の有無の判断の支援
      • 権利侵害性の有無の判断を伴わない削除(いわゆるノーティスアンドテイクダウン)
        • プラットフォーム事業者において権利侵害性の有無の判断が困難であることを理由に、外形的な判断基準を満たしている場合、例えば、プラットフォーム事業者において、被害を受けたとする者から申請があった場合には、原則として一旦削除する、いわゆるノーティスアンドテイクダウンを導入することが考えられる。
        • しかしながら、既に、プロバイダ責任制限法3条2項2号の規定により発信者から7日以内に返答がないという外形的な基準で、権利侵害性の有無の判断にかかわらず、責任を負うことなく送信防止措置を実施できることや、内容にかかわらない自動的な削除が表現の自由に与える影響等を踏まえれば、ノーティスアンドテイクダウンの導入については、慎重であるべきと考えられる。
      • プラットフォーム事業者を支援する第三者機関
        • プラットフォーム事業者の判断を支援するため、公平中立な立場からの削除要請を行う機関やプラットフォーム事業者が違法性の判断に迷った場合にその判断を支援するような第三者機関を法的に整備することが考えられる。
        • これらの機関が法的拘束力や強制力を持つ要請を行うとした場合、これらの機関は慎重な判断を行うことが想定されることや、その判断については最終的に裁判上争うことが保障されていることを踏まえれば、必ずしも、裁判手続(仮処分命令申立事件)と比べて迅速になるとも言いがたいこと等から、上述のような第三者機関を法的に整備することについては、慎重であるべきと考えられる
      • 裁判外紛争解決手続(ADR)
        • 裁判外紛争解決手続(ADR)については、憲法上保障される裁判を受ける権利との関係や、裁判所以外の判断には従わない事業者も存在することも踏まえれば、実効性や有効性が乏しいこと等から、ADRを法的に整備することについては、慎重であるべきと考えられる。
        • なお、プラットフォーム事業者が、自主的にADR機関を創設し利用することは、妨げられないと考えられる

総務省 広島AIプロセス閣僚級会合の開催結果
▼G7広島AIプロセスG7デジタル・技術閣僚声明(仮訳)
  1. 前文
    • 我々G7デジタル・技術担当大臣とOECD及びAIに関するグローバルパートナーシップ(GPAI)を含むパートナーは、G7首脳によって創設されたG7広島AIプロセスの一環として、2023年9月7日にオンラインで会合を開催し、基盤モデルと生成AIを中心とする高度な人工知能(AI)システムの機会と課題について議論した。4月29-30日に開催されたG7デジタル・技術大臣会合での責任あるAIとAIガバナンスに関する議論及びG7広島AIプロセスでの作業を踏まえ、我々は、以下の取組を支持し、今後G7首脳に提示する。(1)G7広島首脳コミュニケで強調された優先事項に基づき、生成AIの優先的なリスク、課題、機会をまとめたOECDによる報告書、(2)すべてのAI関係者に適用可能な国際的な指針の策定、(3)高度なAIシステムを開発する組織向けの行動規範の策定、(4)責任あるAIツールとベストプラクティスの開発を支援するプロジェクトベースの協力。
    • 我々は、民主主義、人権、法の支配、そして我々が共有する民主主義の価値と利益の促進に向け、新興国や発展途上国を含む世界中の公益のために、信頼できるAIシステムが設計、開発、導入される環境を促進することにコミットすることを再確認する。我々は、民主主義の価値を損ない、表現の自由を抑圧し、人権の享受を脅かすような方法でのAIの誤用・濫用に反対する。我々は、イノベーションを可能にする信頼できるAIのための国際標準と相互運用可能なツールの開発と導入を促進するというコミットメントを再確認する。これらの目的のため、我々は、OECD AI勧告に基づき、人間中心で信頼できるAIを促進するというコミットメントを再確認する。
    • 我々は、最も迅速かつ緊急に、個人、社会、民主主義の価値に対する新たなリスクと課題を管理し、高度なAIシステム、特に技術が急速に進歩している基盤モデル及び生成AIがもたらす利益と機会を活用する必要性を認識する。我々は、人権の尊重を促し、包摂性を促進し、リスクを軽減し、気候危機や持続可能な開発目標(SDGs)の達成を含む社会最大の課題の解決に貢献する、安全、安心で信頼できる高度なAIシステムの開発及び導入にコミットする。我々は、高度なAIシステムの設計、開発、導入及び責任ある利用の促進には、リスクに基づいた適切なガードレールと、新興国や発展途上国を含む同志国との国際協力が必要であるという認識を共有する。
    • これらの目的を達成するため、我々は、高度なAIシステムを開発する組織向けの指針と国際的な行動規範を策定し、G7首脳に提示することにコミットする。
    • 我々は、AIエコシステムにおける全てのAI関係者に向けた全体的な指針を含む包括的な政策枠組みを年内に策定することを目指す。この包括的な枠組みは、責任あるAIイノベーションを支援し、それぞれの国内アプローチに沿った規制とガバナンス体制の整備の指針となるとともに、ステークホルダーへの働きかけと協議による恩恵を受けるだろう。指針を含む包括的な政策枠組みは、技術の発展に照らして、継続的に更新・補完され得る生きた文書とみなされるべきである。ステークホルダーへの働きかけと協議を行うことにより、新興国や発展途上国を含む世界中の主要なステークホルダーによる指針の精緻化と実践が担保されることになるだろう。
    • 我々は、安全、安心で信頼できるAIシステムが、民主主義、人権、法の支配、そして我々が共有する価値観と利益を促進する公益のために開発及び導入される環境を促進することを約束する。
  2. OECD報告書に基づく優先的なリスク、課題、機会の理解
    • OECDが2023年7月から8月にかけて取りまとめ起草した報告書に基づき、優先事項として、また、生成AIに関する共同作業を含め、共通の理解、立場、今後の行動に関する検討の基礎として、さまざまなリスクと機会が特定された。例えば、当該報告書において、G7メンバー間で懸念される主要な分野として、透明性、偽情報、知的財産権、プライバシーと個人情報保護、公正性、セキュリティと安全性等が特定された。また、生産性の向上、イノベーションと起業家精神の促進、ヘルスケアの改善、気候危機の解決への貢献等の機会も特定された。報告書で特定されたリスクと機会は、高度なAIシステムに関するG7の今後の取組に役立つだろう。我々は、学術界、市民社会、政府、産業界のステークホルダーとも関わり、作業の一環としてこれらの問題についての彼らの意見を求める予定である。
    • 我々は、このような複雑な課題については、更なる作業とマルチステークホルダーの関与が必要であること、また、テクノロジーとリスク状況の進化に適応できるアプローチを構築するためには段階的なプロセスが必要であることを認識している。
    • その第一歩として、我々は、OECD事務局がG7広島AIプロセス作業部会からのインプットに基づき策定した「生成AIに関するG7の共通理解に向けたOECDレポート」を歓迎する。
  3. 高度なAIシステムの開発者向けの国際的な指針及び行動規範
    • 我々は、AIエコシステムにおける様々なAI関係者が、既存及び新たなAIリスクに対処する責任を共有しており、AIの開発者、導入者、利用者を含む全てのAI関係者に向けた指針を策定することの重要性を認識している。特に、我々は、基盤モデル及び生成AI等の高度なAIシステムを開発する組織は、現時点において重要な役割を担っているものと認識しており、これらの技術の急速な進歩のペースに鑑みると、高度なAIシステムを開発する組織向けの行動規範の策定はグローバル社会にとって最も緊急の優先事項の一つである。
    • この観点から、我々は、高度なAIシステム、特に基盤モデル及び生成AIを開発、導入、利用する組織に向けた指針の策定にコミットする。これらの指針は、高度なAIシステムの開発者向けの国際的な行動規範の基礎となるだろう。また、我々は、これらの指針の一環として、著作権保護等の知的財産権に関する課題や、データ保護に関する課題についても引き続き検討していく。高度なAIシステム開発向けの指針には以下の事項が含まれ得るが、これらに限定されるものではない。
      1. 適切な安全対策の実施及び市場投入を含む導入前の社会的リスクの考慮
      2. 市場投入を含む導入後の脆弱性の特定と低減に向けた努力
      3. 十分な透明性を確保する形での、モデルの能力、限界、適切・不適切な利用領域の公表
      4. AI開発者と政府、市民社会、学界との間での責任ある情報共有に向けた取組
      5. プライバシーポリシー及びAIガバナンスポリシーを含むリスク管理計画及び低減手法の開発及び開示
      6. サイバーセキュリティ及びインサイダー脅威対策を含む強固なセキュリティ管理措置への投資
      7. 電子透かし技術等のAIが生成したコンテンツを利用者が識別できる仕組みの開発及び導入社会、環境、安全のリスクを軽減するための研究及び投資の優先的な実施
      8. 気候危機、グローバルヘルス、教育等の世界最大の課題に対処するための高度なAIシステムの優先的な開発
      9. 国際的に認知された技術標準の開発及び整合性確保の推進
    • 高度なAIシステムの導入と利用のための指針は、G7広島AIプロセスを通じて策定される。
    • 法的枠組みから自主的なコミットメントその他のさまざまな手段、あるいはそれらを組み合わせに至るまで、国や地域によってこれらの指針に対して独自のアプローチをとることができる。
  4. プロジェクトベースの協力
    • 我々は、エビデンスに基づく政策議論を進める上で、OECD、GPAI、UNESCO等の国際機関と協力してプロジェクトベースの取組を推進することを計画している。このようなプロジェクトベースの取組には、AIに対する信頼を高め情報環境を支援するために、外国からの情報操作を含むAIを活用した偽/誤情報を識別するための最先端の技術的能力に関する研究と理解を進めること等、OECDの生成AIに関するG7の共通理解に向けた報告書の中でG7メンバーによって特定されたものが含まれうる。
    • 我々は、今年後半に開始される生成AI時代の信頼に関するグローバル・チャレンジの策定も歓迎する

総務省 防災拠点となる公共施設等の耐震化推進状況調査結果(令和5年9月1日)
▼報道資料
  • 調査結果の概要
    • 耐震性が確保されている※防災拠点となる公共施設等の割合は、昨年度から0.6ポイント上昇し、96.2%となった。
    • 災害対策本部設置庁舎の耐震率は市町村で1.4ポイント上昇し89.7%となった。また、同庁舎又は災害対策本部の代替庁舎が耐震化されている市町村の割合は0.6ポイント上昇し99.7%となった。
    • 耐震率は着実に上昇しているものの、災害時の業務継続性確保の観点から、未耐震となっている防災拠点となる公共施設等の耐震化に早急に取り組む必要がある。
  • 消防庁の対応
    • 本日、地方公共団体に対し、以下の取組等を進めるよう通知を発出。
    • 防災拠点となる公共施設等について、耐震化に係る更なる取組の推進を図ること。
    • 特に、消防本部・消防署所や災害対策本部設置庁舎について、地方公共団体の業務継続性確保の観点から、速やかに耐震化に取り組むこと。
    • 耐震化に係る費用には緊急防災・減災事業債の充当が可能であること。
    • さらに、新たに地方公共団体の未耐震の本庁舎の建替に併せて災害対策本部等を整備する場合、当該整備に要する費用にも同事業債の充当が可能となったことから、その活用も検討し、早急かつ計画的に耐震化に取り組むこと。

総務省 ヤフー株式会社に対する行政指導
  • 総務省は、本日、ヤフー株式会社(代表取締役社長 小澤 隆生)に対して、検索関連データの提供に関する利用者周知及び安全管理措置の実施について、文書により行政指導を行いました。
  • 経緯等
    • ヤフー株式会社(以下「ヤフー社」といいます。)は、Yahoo!JAPANの検索エンジン技術の開発・検証の観点から、NAVER Corporation(以下「NAVER社」といいます。)に対して、令和5年5月18日(木)から同年7月26日(水)までの間の検索関連データの提供を試験的に行っており、その際、慎重な取扱いが求められる情報である位置情報等(約756万のユニークブラウザ分の検索クエリ等(うち、位置情報は約410万のユニークブラウザ分))を利用者に対して事前の十分な周知を行うことなく、NAVER社へ提供し利用させていたほか、当該位置情報等について十分な安全管理措置がとられていなかったことが判明しました。
  • 措置の内容等
    • 総務省では、本日、ヤフー社に対して、以下の事項の実施等を求めるとともに、その実施状況について報告を行うよう、文書により行政指導を行いました。
      • 利用者に対する十分な事前周知
      • 安全管理措置に関する事項の実施
▼別紙
  1. NAVER社への検索関連データの提供に関し、以下の各事項のとおり実施されたい。
    1. 利用者周知に関する事項
      • 提供する位置情報及びその利用目的について、利用者が事前に十分に理解できるよう適切な方法で周知を行うこと。
      • 試験運用において、(ア)の対応が未実施だったことを踏まえ、貴社組織における利用者の利益の保護に係るガバナンスの在り方について見直しを行うこと。
      • 利用者に対し、位置情報の提供に同意しない手段を用意することが望ましいと考えられるため、当該手段について検討を行うこと。
    2. 安全管理措置に関する事項
      • NAVER社による位置情報のコピー等が物理的に不可能な状態となる措置(VDIの導入等)か、それと同等の措置を講ずること。
      • 貴社において、NAVER社による安全管理措置の実施状況の監査を行う体制の構築等を図ること。
  2. 本事案が発生したことや、貴社が利用者の利益に及ぼす影響が大きい電気通信役務を提供していることを踏まえ、当該役務の高い信頼性を保持し、利用者が安心・安全で信頼できるサービスを選択できるよう、貴社が提供する電気通信役務に関し、特定利用者情報規律※に係る以下の対応を行うことが望ましい。※電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第27条の6及び同法第27条の8
    1. 次に掲げる事項の公表
      1. 取得する特定利用者情報の内容(当該特定利用者情報を取得する方法を含む。)に関する事項
      2. 特定利用者情報の利用の目的及び方法に関する事項
      3. 特定利用者情報の安全管理の方法に関する次の事項
        • 安全管理措置の概要
        • 外国に所在する第三者に特定利用者情報の取扱いを委託する場合における、当該外国の名称及び当該特定利用者情報の適正な取扱いに影響を及ぼすおそれのある当該外国の制度の有無
      4. 利用者からの苦情又は相談に応ずる営業所、事務所その他の事業場の連絡先に関する事項
      5. 過去10年間に生じた電気通信事業法第28条第1項第2号イ及びロに掲げる事故の時期及び内容の公表に関する事項
    2. 次に掲げる事項の総務省への報告
      1. 特定利用者情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の当該特定利用者情報の安全管理に関する次に掲げる事項
        • 組織的安全管理措置に関すること。
        • 人的安全管理措置に関すること。
        • 物理的安全管理措置に関すること。
        • 技術的安全管理措置に関すること。
        • 特定利用者情報の適正な取扱いに影響を及ぼすおそれのある当該外国の制度の把握の体制に関すること。
      2. 特定利用者情報の取扱いを第三者に委託する場合における当該委託を受けた者に対する監督に関する次に掲げる事項
        • 委託先の選定の方法に関すること。
        • 委託契約において定める特定利用者情報の取扱いに関すること。
        • 委託先における特定利用者情報の取扱状況の把握の体制及び方法に関すること。
      3. 情報取扱方針の策定及び公表に関する事項
      4. 電気通信事業法第27条の9の規定による評価に関する次に掲げる事項
        • 当該評価の実施並びに当該評価の結果の情報取扱規程及び情報取扱方針への反映の体制に関すること。
        • 当該評価を行う項目、方法及び頻度に関すること。
      5. 特定利用者情報を取り扱う従事者に対する監督に関する事項

【消防庁】

【2023年10月】

総務省消防庁 令和5年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況
  • 令和5年5月から9月の全国における熱中症による救急搬送人員の累計は91,467人でした。これは、調査開始以降で過去最多となった平成30年の95,137人に迫り、過去2番目に多い搬送人員となりました。令和5年は非常に厳しい暑さが長期間にわたって続き、5月から7月及び9月がそれぞれの月で過去2番目、8月が過去3番目の搬送人員となりました。
  • 高齢者(満65歳以上)が最も多く50,173人(54.9%)、次いで成人(満18歳以上満65歳未満)30,910人(33.8%)、少年(満7歳以上満18歳未満)9,583人(10.5%)、乳幼児(生後28日以上満7歳未満)796人(0.9%)の順となっています。
  • 軽症(外来診療)が最も多く61,456人(67.2%)、次いで中等症(入院診療)27,545人(30.1%)、重症(長期入院)1,889人(2.1%)、死亡107人(0.1%)の順となっています。
  • 住居が最も多く36,541人(39.9%)、次いで道路15,186人(16.6%)、公衆(屋外)11,742人(12.8%)、仕事場① 9.324人(10.2%)の順となっています。

総務省消防庁 令和5年9月の熱中症による救急搬送状況
  • 熱中症による救急搬送人員について、令和5年9月の確定値を取りまとめましたので、その概要を公表します。
    • 令和5年9月の全国における熱中症による救急搬送人員は9,193人でした。
    • これは、9月の調査を開始した平成20年以降9月として最も多い搬送人員となった令和元年に次いで、2番目に多い搬送人員となっています。
    • 全国の熱中症による救急搬送状況の年齢区分別、初診時における傷病程度別等の内訳は次のとおりです。
      • 年齢区分別では、高齢者が最も多く、次いで成人、少年、乳幼児の順となっています。
      • 初診時における傷病程度別にみると、軽症が最も多く、次いで中等症、重症の順となっています。
      • 発生場所別の救急搬送人員をみると、住居が最も多く、次いで道路、公衆(屋外)、仕事場(道路工事現場、工場、作業所等)の順となっています。
  • 令和5年9月の全国における熱中症による救急搬送人員は9,193人でした。これは、9月の調査を開始した平成20年以降9月としては1番多い搬送人員となった令和元年の9,532人と比べると339人少なくなっていますが、これまでで2番目に多い搬送人員となっています。
  • 高齢者(満65歳以上)が最も多く4,597人(50.0%)、次いで成人(満18歳以上満65歳未満)3,269人(35.6%)、少年(満7歳以上満18歳未満)1,231人(13.4%)、乳幼児(生後28日以上満7歳未満)94人(1.0%)の順となっています。
  • 住居が最も多く2,802人(30.5%)、次いで道路1,535人(16.7%)、公衆(屋外)1,525人(16.6%)、仕事場892人(9.7%)の順となっています。

【その他省庁】

※現在、該当の記事はありません。

【裁判所】

※現在、該当の記事はありません。

【東京都】

※現在、該当の記事はありません。

【その他(国内)】

【2023年11月】

関東財務局 株式会社ビッグモーター、株式会社ビーエムホールディングス及び株式会社ビーエムハナテンに対する行政処分について
  • 関東財務局は、本日、株式会社ビッグモーター(本社:東京都多摩市、法人番号:9250001011590)、株式会社ビーエムホールディングス(本社:東京都多摩市、法人番号:9120001183229)及び株式会社ビーエムハナテン(本社:東京都多摩市、法人番号:6120001183462)(以下、3社を合わせ「BMグループ」という。)に対し、保険業法第307条第1項第3号の規定に基づき、下記のとおり行政処分を行う旨の命令を発出した。
  • 行政処分の内容
    • 保険業法第307条第1項第3号の規定に基づき、令和5年11月30日をもって、損害保険代理店としての登録を取り消す。
      • 株式会社ビッグモーター
      • 株式会社ビーエムホールディングス
      • 株式会社ビーエムハナテン
  • 処分の理由
    • 保険業法第305条第1項の規定に基づく立入検査において認められたBMグループにおける以下の状況は、保険業法第307条第1項第3号に規定する「この法律又はこの法律に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき」及び「その他保険募集に関し著しく不適当な行為をしたと認められるとき」に該当するものと認められる。
      1. 経営管理態勢(ガバナンス)
        • 株式会社ビッグモーター(以下、「BM」という。)は、株式会社ビーエムホールディングス及び株式会社ビーエムハナテンを子会社として有しているが、両社は役員が社長1名のみであり、本社組織も有していないことから、業務執行の意思決定は実質上BMの取締役会が担うなど、BMが両社を含めたBMグループを運営している。
        • こうした中、BMは、会社法に定める取締役会設置会社かつ大会社に区分される株式会社として、会社法の規定に即して定款及び社内規程を策定の上、取締役会が業務執行方針を決定し、代表取締役社長ほか取締役等が業務を執行する経営管理態勢としている。
        • しかしながら、BMは、実質上、創業者である前代表取締役社長及び前取締役副社長(以下、「前社長・前副社長」という。)のオーナー会社であることから、取締役の役割や権限が明確化されておらず、業務執行の決定や承認は実質上、前社長・前副社長による非公式な役員間協議等を通じて行われてきた。
        • このような経営実態の中にあって、前社長・前副社長は、会社経営には利益の拡大が最重要であるとの信念及び自己の思うとおりに経営したいという意欲が過剰であったことから、法令等遵守態勢をはじめ、大会社であれば当然に整備すべき経営管理態勢の構築を怠った。また、社内規程等が存在するにもかかわらず、自らが中心となって策定した「経営計画書」により、社員の行動や実務レベルの業務運営を直接「統制」する経営を進めてきた。
        • このため、BMの経営管理態勢は、以下のとおり、会社法が求める機能を発揮しているとは認められない実態にある。また、取締役会、代表取締役、取締役及び監査役(以下、「取締役会等」という。)は、適切な保険募集管理体制の前提でもある経営管理態勢を正常化させるための取組みを怠っている。
          • 会社法において、取締役会設置会社の取締役は業務執行状況を3か月に1回以上、取締役会に報告することが規定されているにもかかわらず、平成28年10月から令和5年7月までの約7年間、令和2年12月の1回を除き、取締役会が開催された事実は確認できず、会社法等に定める各種の決議も行われていない。
          • 取締役会は、法令等遵守に責任を負う役員の選任、所管部署の設置等の法令等に適合することを確保するための体制を整備していないほか、内部統制の妥当性・有効性等を検証・評価する内部監査部門も設置していないなど、業務の適正を確保するために会社法及び法務省令において規定されている内部統制システムの整備を行っていない。また、会社法や定款の規定に反して、組織再編により登記申請上必要となる場合を除き、決算公告を行っていない。
          • 取締役会は、社内規程において、経営会議等を設置し経営管理全般に関する業務の協議等を行うと規定しているが、これらの会議体は少なくとも令和2年度以降、開催された事実が確認できない。また、社内規程について法令や経営方針等の変化に応じて見直す体制を構築していないため、経営管理等の重要な規程が、平成27年9月以降改定されないまま放置され、形骸化している。
          • 監査役は、会社法において求められる会計監査及び業務監査について、少なくとも令和2年度以降、会計監査を実施しておらず、意見交換等を通じて取締役の職務執行を確認するなどの業務監査も行っていない。
          • 代表取締役社長は、「経営計画書」において、苦情対応について「スピード感をもって苦情対応すること」や「どんな小さな苦情でも社長に報告すること」等を規定しているにもかかわらず、苦情管理担当役員や統括部署の設置、管理規程等の策定等の体制整備を怠っている。このため、受け付けた苦情の全貌が把握できないうえ、苦情管理や対応の状況を確認することができない実態にある。
        • また、BMグループでは、前社長・前副社長が社内に醸成したいびつな価値観やそれに基づく評価制度・給与体系等を受け入れられない多くの社員が毎年大量に退職する一方で、店舗網の拡大により要員拡充が必要であったことから、毎年、大量の社員を採用せざるをえない状況にあった。
        • したがって、BMグループでは、大量に採用した社員に対して保険販売を含めた業務の体系的・統一的な質の高い教育・研修を行う必要があったが、習熟度の高い人材を育成することが極めて困難な実態にあった。
        • しかしながら、取締役会等は対策を講じていない。
      2. 適正な保険募集を確保するための体制整備
        • BMグループの保険募集及び保険管理業務を所管する保険部は、平成28年5月に施行された改正保険業法において、顧客に対する情報提供義務、意向把握・確認義務及び保険募集人の体制整備義務等が導入されたことに伴い、平成29年より保険募集人に対する教育・指導及びモニタリング等の「品質向上取組」を開始した。
        • また、代表取締役、取締役、監査役等の経営陣(以下、「経営陣」という。)は、「品質向上取組」に必要な人的リソースを確保するため、保険会社からの出向者の受入れを大幅に拡大し、保険部や各店舗に配置して保険募集品質の向上に向けた指導・支援、モニタリング業務及び苦情分析等を行わせることとしたほか、保険部への自社人員の配置も増やすなど増強を図った。
        • しかしながら、経営陣は、令和2年以降の新型コロナウィルスの感染拡大等の影響により、中古車販売台数が大幅に減少したことを契機として、主に前取締役副社長の指示の下、収益を生まない事業や取組みの徹底的な排除や人的リソースの見直しを行うなど、利益至上主義の経営に舵を切り、保険募集業務においても営業推進に注力した。
        • 一方で、以下のとおり、けん制機能等の収益を生まない事業や取組みを軽視し、適正な保険募集を確保するための体制整備義務を放棄しており、かかる実態は保険業法第294条の3第1項(体制整備義務)に違反するものと認められる。
          • 経営陣は、令和2年6月、苦情対応コールセンター事業を前取締役副社長の「コストに見合った利益を生まない事業」との判断により廃止し、さらに同年7月、保険部による各店舗への指導・教育等の取組を中止した。また、保険会社からの出向者を含む廃止事業等の要員を各店舗の営業支援等に振り分けた結果、保険部は、令和2年9月には23名体制から12名体制となり、募集人の指導・教育等の必要最小限の管理体制の維持に必要なリソースやスキルを失った。
          • 令和2年10月、上記の経緯を背景に「品質向上取組」を主導してきた保険部長が辞職した際に、経営陣がコスト削減のため後任者の配置を行わなかったことなどから同取組が停止した。また、経営陣が営業本部の部長を事実上の保険部責任者としたことにより、保険部による営業部門へのけん制機能が不全となった。
          • さらに経営陣は、令和3年2月、コストに見合う効果を得られていないとして、各店舗内で保険募集の管理・指導を行う保険推進委員も廃止したため、BMグループでは組織的な募集人への教育・管理・指導が行われない状況となった。
          • なお、保険募集に関する内部監査については、「組織規程」上、営業部門から独立した内部監査室が実施すると規定しているが、同室は実際には設置されておらず、同室による内部監査も行われていない。
        • 立入検査において、BMグループにおける保険募集の実態等を検証したところ、以下のとおり、保険業法第300条第1項各号に抵触する事例や保険業法に照らして不適切な事例が多数認められている。
          • 保険募集システムにおいて、極めて短時間に契約締結手続き等を行ったことが記録されている契約148件を抽出して確認したところ、122件について、募集人が網羅的な重要事項の説明を行っていない実態が認められたほか、実地調査において重要事項説明書を交付していない募集人等も認められるなど、保険業法第300条第1項第1号に反する募集行為が常態化している蓋然性が高い。
          • 他社からBMグループで販売する保険に乗り換えた契約を担当した募集人1,079人に確認したところ、延べ9名の募集人において、保険加入を条件に車両価格を値引くなど、保険業法第300条第1項第5号で禁止する特別利益の提供を行っている旨の回答等が認められた。
          • 立入検査において、経営陣より、募集人や下請業者にBMグループで保険加入させるよう指示等が行われている実態が判明したことを踏まえ、募集人の保険契約88件を抽出し確認したところ、店長等から圧力を受け加入させられたなど、不適切な募集行為が行われていた契約14件が認められた。また、下請業者の保険契約149件を抽出しBMに確認を求めたところ、121件について圧力による保険加入と判断されるなど、下請業者に対しても不適切な募集行為が行われていたと認められた。
        • なお、これらのBMグループにおける不適切な事象の根本原因は、(1)で述べた経営管理態勢の重大な欠陥・問題を背景として、自己の収入を増やすあるいは高い給与水準を維持するという「動機」、利益拡大を過度に重視する経営姿勢により、利益を上げるためには不正も許容されるという誤った認識を「正当化」させかねないいびつな組織風土、及び社内外の不正・不備を検知・検証する態勢の機能不全により、不正行為を実行する「機会」が存在したことにあると考えられる。
        • したがって、BMグループは、過去の成功体験に基づく利益優先の会社運営やカリスマ的な経営者を前提とした独裁的な個人経営から脱却し、法令等を遵守し、顧客を含めた幅広いステークホルダーの期待に応える会社となるために、経営管理態勢と人材育成を根本から作り直す必要がある。その上で、適切な経営管理態勢と質の高い人材のもと、法令を遵守し、かつ顧客本位の業務運営を徹底的に志向する保険募集管理体制を構築した保険代理店に生まれ変わるべきであるが、一連の保険金不正請求を端緒とする保険会社出向者の引上げにより、体制整備に必要な知識を有する人的リソースを喪失したことに加え、本年11月30日までに全ての保険会社が代理店委託契約を解約する方針であるなど、体制を整備するための保険会社からの支援も期待できず、再建への道筋は極めて困難である。

内閣官房 デジタル行財政改革会議(第2回)議事次第
▼ 資料2 規制改革推進会議提出資料
  • 規制改革推進会議における地域交通に関するヒアリング(自治体・DMOの指摘)
  • 鈴木・行方市長
    • 高齢化に伴いタクシーやスクールバスなど二種免許を取得したドライバーが減少。自家用有償旅客運送は、地方公共交通協議会では境界を越えた運送はできないと整理されており、利用者が不便。タクシー・バス会社と連動して、運転手確保を行うとともに、道路運送法7第8条3号を整理をしていくことで市外市内への移動展開をしていかなければ、本当に人口減少・過疎化が加速する。
  • 中山・京丹後市長
    • 自家用有償旅客運送について、運行主体・区域制限の緩和、観光客等の市外への降車を可能にしてほしい。一方で、大切なのはタクシー等事業者との調整。この制度環境として地域公共交通会議での合意を前提に、自家用有償旅客運送の実施主体を地域のタクシー・バス会社まで可能な形に緩和いただき、タクシー・バス会社が自らの判断で第2のビジネスモデルとして参画できるようにしてはどうか。その場合、法78条2号の改正以外に、同3号の運用でも実施可能であれば、地域公共交通会議での合意を前提にやれる地域からやっていくこともあり得るのではないか。
  • 黒田・平戸市長
    • 深夜帯や外国人対応は、逆に(自家用有償旅客運送の)料金を上げないと成り立たない。区別化することでタクシーと共存の理解を図られ、むしろ、タクシー会社がそういう別のサービス、セカンドステージに着手できるよう門戸を広げた方がいいのでは。できるところからやってください、と地方に任せるぐらいの規制緩和の理念でいかないとまとまらない。
  • 大岸・歩くまち京都推進室長
    • 京都では、車の渋滞が「観光による課題」のはじまり。市としては車に過度に依存しないまちづくりを進めてきた。今日では、京都駅に非常に人が集中し、バスがいっぱいで乗れない、タクシー待ちの行列が発生といったことも。交通事業者の担い手不足もこれを助長。コロナ禍の影響で、密を避けた車による観光が進む恐れも。早期から、的確なタイミングで効果的な情報発信を行い、観光客の行動変容の促進、駅前空間のスムーズな運用を支援することでタクシーの効率的な利用を促進していく。交通事業者の担い手は非常に厳しい状況。特に定時定路線で運行するバスで深刻。道路事情が厳しい京都では、鉄道・バスの輸送力を活かすことが重要。特に交通局等では、大幅な臨時増便や、観光客向けの急行バス路線を運行しているが、こういった取組の強化も必要。
  • 長井・ニセコプロモーションボード事務局長代行
    • (ニセコにおいて、)宿泊者、事業者、住民、ありとあらゆる人が2本ぐらいしかない大きい道路に集中してしまい、道路渋滞が発生。冬の時期だと、地域内にある2つの信号の間約2キロが、渋滞で車がつながるということも生じている。このような現状が進み、エリアの魅力が低下し、宿泊・入込人数・投資が少なくなってしまい、結果的に地域の稼ぎの低下、地域としての魅力がなくなることを懸念。宿泊施設による自社送迎サービスの商品化、有料化を可能にしたらどうか。道路事情もあり、これ以上車が単純に増えることは望ましくない一方で、交通の足が足りないのも事実。個人運行をたくさん走らせるというよりも、個人と比べるとブランドを背負っているような宿泊施設、一流企業であれば、ある程度運行の安全性もちゃんとできるのではないか。
  • 高島・福岡市長
    • 福岡は時間帯の交通空白地。ライドシェアの定義のほか、万が一の際にはプラットフォーマーとドライバーが補償する、これを明確に規定することが肝要。早急に会社、プラットフォーマー、ドライバーの要件の制度化が必要。タクシーにもしっかり規制緩和をしていくことで、イコールフッティングにすることが不可欠。ライドシェアを考えるのであれば、タクシー会社がビジネスをできるような規制緩和が大事。
    • ステークホルダーが多い場所においては、地域公共交通会議を開いても合意を得ることは極めて困難であり、道路運送法の運用拡大だけでは、郊外部の議論は進むかもしれないが、都市部の議論が進みにくい。法改正の準備と同時並行で、早急な道路運送法の運用拡大の実施が肝要。ライドシェアの安全性やタクシー業界との共存といった課題については、各地域の会議等に任せるのではなく、全国で統一的なルールを作って、それぞれ議論をすることがないよう進めることが、都市部の交通の課題解決においても大事。
    • 二種免許がないとどう危ないのかも含めて、何をもって安全か、地方に任せるのではなく国としての統一見解を出していただきたい。
    • 毎回地域公共交通会議の中で時間帯を区切って限定的に許可するのは、現実的ではない。
  • 土屋・軽井沢町長
    • 夜の時間帯は観光客だけでなく、別荘に静養に訪れる人たちも飲食店などでタクシーを利用。新幹線での来訪者も多く、需要が供給が上回る状態となっている。
    • 運転者不足の解消に向けてタクシー会社において幅広い募集活動や二種免許の取得、補助も行っているが、中々追いつかない状況。回遊性を向上させるにも交通事情を解決して地域経済の発展にもつなげたく、町としては様々な組み合わせによる全体の交通計画を考えている。

内閣官房 GX実行会議(第8回)
▼資料4 我が国のグリーントランスフォーメーション実現に向けて(西村GX実行推進担当大臣兼経済産業大臣提出資料)
  • エネルギー価格高騰の中、電気・ガス等の価格に対する激変緩和措置に万全を期すとともに、くらし関連分野のGXを進め、その果実を国民が実感でき、くらしの質が向上するよう、各家庭の光熱費低減や、快適性向上につなげる。GX推進による果実を国民が実感できるよう、必要な投資促進策を講じていく。
  • 具体的には、断熱性能に優れた窓改修、高効率給湯器(ヒートポンプ等)、次世代自動車等の導入支援など、強力なGX投資促進策を講じる。
    1. 断熱窓 断熱性能に優れた窓改修支援
      • 住宅の熱の出入りの7割は窓。断熱窓導入は光熱費低減の鍵であり、引き続き断熱投資を支援。
      • 公営住宅等の賃貸集合住宅向けは、自治体と協力して重点支援
    2. 給湯 高効率給湯器(ヒートポンプ等)の購入支援
      • 既築住宅における高効率給湯器等の導入を支援。
    3. 自動車 クリーンエネルギー自動車購入支援
      • 次世代乗用車に対して最大85万円の補助。
      • バス等の電動化について従来車との差額の2/3等を支援。
    4. 建築物のゼロエミッション化等
      • 教育施設、病院、商業施設などの建築物のゼロエミッション化等を支援し、暮らしの質を向上。
    5. ZEH ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の購入・リフォーム支援
      • 子育て世帯・若者夫婦世帯に対し、ZEH住宅の購入を支援。
      • また、壁・床の断熱改修等のリフォームに対し、工事内容に応じて一定額を支援。
    6. 太陽光・蓄電池 家庭用蓄電池やV2H等の導入
      • 家庭用太陽光発電、蓄電池等の導入に対して1/3の補助率で支援。
      • 家庭におけるV2Hの普及をはじめ、充電インフラの整備を支援。
    7. 省エネ家電
      • 臨時交付金を積み増し、自治体による冷蔵庫等の省エネ家電買い替え支援策の活用を促進。
  • 米インフレ削減法、EUグリーンディール産業計画など、世界各国で新たな投資促進政策の動きが加速。
  • 我が国としては、これまで海外に向かっていた企業の成長投資を再び国内に戻すことで、賃上げ・良質な雇用の拡大につなげていくことが重要。そこで、以下の通り、国内投資支援措置を抜本強化。
    • 蓄電池 車載用蓄電池等
      • 米インフレ削減法をはじめ、各国で強力な投資促進策が講じられているところ、更なる支援措置を講じ、国内投資を進める。
    • 次世代パワー半導体など 次世代パワー半導体・世界初ガラス製パッケージ基盤・AI半導体
      • 従来型と比べ消費電力7割減となる次世代パワー半導体に対して追加支援を行うとともに、世界初ガラス製パッケージ基盤の量産化やAI半導体についても投資促進策を措置。
    • 先進省エネ 工場・生産ラインの先進
      • 中小企業や多排出産業等の工場・生産ラインにおける先進的な省エネ投資の促進に向け、追加支援を措置し、GX投資を加速。
  • その他の分野への対応
    • 現在、専門家WGや関係審議会等で議論中の分野別投資戦略を踏まえ、年末までに、排出削減が困難な産業の製造プロセス転換投資支援や、水素・アンモニアのサプライチェーン構築のための価格差に着目した支援等、来年度予算事業として具体
  • GX経済移行債については、世界初の国によるトランジション・ボンド(個別銘柄)発行に向けて、発行体である日本政府は、ICMA(国際資本市場協会)の国際基準に基づき、資金使途等をまとめた「フレームワーク」を策定。その基準への準拠について、外部評価機関からセカンドパーティオピニオン(SPO)を取得する必要がある。
  • 今般、評価機関からの審査も踏まえつつ、「GX経済移行債発行に関する関係府省連絡会議」においてフレームワークを策定し、これに対して、DNV(海外)とJCR(国内)の2つの評価機関よりSPOを取得。
  • 今後、本フレームワークに基づき、今年度内の「クライメート・トランジション・ボンド」の初回発行に向けた発行条件等を決定した上で、官民での協力体制を構築して、国内外の投資家へIRなどを実施予定
  • グリーンボンド原則やクライメート・トランジション・ハンドブック等国際基準に整合する形で、フレームワークにて移行戦略や調達資金の使途、レポーティングの考え方等整理。
  • 資金使途については、「GX推進戦略」に定められた取組の中から、民間のみでは投資判断が真に困難な事業であって、排出削減と産業競争力強化・経済成長の実現に貢献する分野への投資に優先順位をつけて、資金使途の対象としていく。
  • フレームワークの概要
    • 移行戦略
      • 2030年度の温室効果ガス46%削減(2013年度比)、2050年カーボンニュートラル実現という国際公約の実現、及び我が国の産業競争力強化・経済成長実現に向けて、本年7月に、GX推進法に基づき、GX推進戦略を策定。
    • 調達資金の使途
      • GX推進戦略に基づき、省エネルギーの推進、製造業の構造転換、再生可能エネルギーの主力電源化等「適格クライテリア」及び「代表的な資金使途」に分類。詳細は次ページ。
    • レポーティング
      • 発行後、(1)充当レポーティング(調達資金のGX予算事業への充当状況をまとめるもの)、(2)インパクトレポーティング(環境改善効果や導入事例等をまとめるもの)を年次で報告する。なお、(2)については事業結果・効果が判明するまでに時間を要するため発行から2年以内に行うものとする。
  • DNVとJCRの二つの評価機関からSPOを取得。評価機関は、グリーンボンド原則等国際基準が定める要件への適合性等について確認・評価を実施。双方の機関からは下記のコメントあり。
  • 評価機関の概要
    • DNV:1864年に設立(本社ノルウェー・オスロ)。日本含め世界100カ国、300事務所ある国際的な評価機関。トランジション社債の評価実績は最多。
    • JCR(日本格付研究所):1985年に設立(本社東京)。日本有数の評価機関。2017年よりグリーンボンド等ESG債の第三者評価業務を開始し、トランジション社債の評価実績は多数。
  • 評価結果の概要
    • DNV
      • 発行体のフレームワークは、資金使途特定型のトランジション・ボンドとして、「クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック」や「グリーンボンド原則」の各要件と整合していることを確認。
      • 同フレームワークは、環境への利益をもたらす新規又は既存プロジェクトのための資本調達や投資を可能とし、トランジション・ファイナンスが透明性と信頼性を持って実行されるために必要な投資の機会を提供するものと評価。
      • 発行体のトランジション戦略は、2050年カーボンニュートラル実現を長期目標、2030年度46%削減を中期目標とする、パリ協定に整合し、科学的根拠を有する移行戦略となっていると評価。
      • 調達資金を他の勘定と区別して管理して行われる等、資金管理も適切に行われると評価。
    • JCR
      • 総合評価:Green 1(T)(F)(最高評価)
      • 【グリーン/トランジション性評価:gt1(F)、管理・運営・透明性評価:m1(F)】
      • 発行体のフレームワークは、「グリーンボンド原則」「クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック」等求められる項目について基準を満たしている。
      • 本フレームワークで資金使途としたGX推進策は、いずれも日本の2050年カーボンニュートラル達成及び2030年の中間目標実現のために等)重要な施策であり、日本の脱炭素社会実現に大きく資すると評価。
      • 発行体は、(1)今後10年間の道行きのブラッシュアップ、(2)先行き5カ年アクションプランの策定など、透明性は高いと評価

デジタル庁 マイナンバー情報総点検本部(第4回)
▼資料
  • 各々の機関の事情に配慮しながら、原則11月末までに、個別データの点検(マイナンバー+基本4情報データの抽出⇒照合⇒不一致データについて登録されたマイナンバーが本人のものか確認)を実施。
  • 9月末、10月末、11月末に進捗状況を取りまとめ、翌月に総点検本部を開催し、公表。12月の総点検本部では、事務ごとの個別データの点検数・誤紐付けの数・継続確認の数を報告。
  • 紐付け作業の実態把握の調査等を踏まえ、個別データの点検対象を整理
  • 個別データの点検で必要な作業のうち2段階目の照合の作業省力化のため、一部自治体の協力を得て、デジタル庁において点検支援ツールを開発。点検対象機関である自治体に対して、本ツールを提供(9月29日)。15自治体において点検支援ツールを活用
  • 紐付け実施機関に対して、点検対象の事務ごと(点検対象機関数単位)に、いずれの段階にあるか調査。
    1. マイナンバー+基本4情報データの抽出作業中
    2. 照合作業中
    3. 照合が終了し、不一致データの一部についてマイナンバーが本人のものか確認する作業に着手
    4. 不一致データの全てについてマイナンバーが本人のものか確認する作業に着手済み
    5. 確認作業終了
  • 各制度の申請時においては、必ずしもマイナンバーの記載を求めることが明確になっておらず、申請者からのマイナンバーの提供がない場合に、紐付け実施機関側で申請者のマイナンバーを取得する必要があり、その際に、紐付け誤りが生じることもあった。
  • 再発防止対策の一環として、マイナポータルで閲覧可能な情報に係る事務のうち、利用者の申請が必要なもの全てについて、申請時にマイナンバーの記載を求める旨を明確化する省令改正(一部、事務によっては、省令改正ではなく、通知の発出や要領の改正で対応)を行った(9月末までに施行済)。

内閣官房 全世代型社会保障構築会議(第15回)議事次第
▼資料1 前回の会議における主なご意見
  • 働き方に中立的な社会保障制度等の構築について
    • 次期年金制度改正に向けて、まずは短時間労働者への被用者保険の適用に関する企業規模要件の撤廃と、常時5人以上を使用する個人事業所の非適用業種の解消が最も重要な課題。
    • 勤労者皆保険は、マルチワークや副業社会に対応できると同時に、格差の是正や分配のゆがみを解消するといった大きな取組みであることを認識し、実現に向けて議論すべき。
    • 106万円の基準については、週20時間の基準の引下げ、標準報酬月額下限の引下げが議論されているが、いずれも被用者保険の仕組みの根幹に関わるもの。雇用保険も含めた総合的な検討も求められる。別途時間をかけて総合的、専門的に検討する必要。
    • 週20時間未満の短時間労働者に適用を拡大することで、新たな労働者の発生や、企業側が「多様な正社員」としてスキルの高い者を雇用することが期待できるのではないか。
    • フリーランスについても、短時間労働者の問題にかかる抜本的な制度的対応の中で、将来的な方向性を見据えた何らかの議論をすべき。
    • 130万円の基準に関して、社会(労働法制・市場、夫婦の在り方、働き方等)が大きく変化していることを踏まえ、第3号被保険者制度の在り方など、更なる抜本的な改革を検討する必要があるのではないか。
    • 健康保険や厚生年金保険の保険料の徴収事務は、労働保険と比べると大変複雑かつ事務負担が非常に大きいので、手続きの簡素化と就労状況や所得を簡単に把握できるようにすべき。全社報告書記載のとおり、マイナンバー制度を含めたデジタル技術の積極的な活用が有効であるので、早急に議論を進めるべき。
    • 年金制度について、現在の制度に関する誤解を把握し、的を射た制度説明や周知の努力をし、正確な理解を促すべき
  • 医療・介護制度の改革
    • かかりつけ医制度、地域医療構想も重要であるが、入院医療費の更なる包括化など、さらに踏み込んだ議論をしていく必要。
    • 人材確保、ロボット化やICTの活用など、引き続き生産性向上に向けた取組みを加速化させることに加え、医療、介護、福祉各分野において、1人が複数の分野の専門的知識を習得できるような工夫、複数分野の資格の取得も促し、中高年の参加の促進などの検討を早急に進めるべき。
    • 医療・介護現場において、AI、デジタルツールを取り込む観点は重要。労働力不足やデジタル化に対する障壁がでてくる可能性があるため、プライバシーに関する考え方自体もある程度緩和する必要があるのではないか。介護やヤングケアラー問題、労働問題は、より繊細なデータを使用する医療現場などよりは導入しやすいのではないか。
    • DXやデジタル人材の導入に関して、デジタル事業者や、スタートアップ企業などに対する窓口支援、もしくは導入支援よりも、現場のスタッフがいかにして容易にデジタルツールに慣れ親しみ、労働力不足を補う形で使えるかが重要。リ・スキリングにはデジタルを使う・含むという方針を打ち出し、事業者がリ・スキリングを導入するためのインセンティブとなるようにすべきではないか。
    • (医療の現場からすると、)医療DX改革による医療の効率化により、ポリファーマシー問題などが解消し、医療費上昇への抑制期待があるが、1~2年では実現しない。長期収載品の自己負担の在り方の見直しなどにも取り組むべき。
    • かかりつけ医と地域医療構想といった改革を進めていく上で、データにしっかり基づいた議論が行われるべき。例えば、各法人の資産の状況等を踏まえた医療機関の経営状況の見える化を行い、得られたデータをしっかりと評価した上で具体的な政策に活用して行くべき。
    • 過疎地域のみならず、現状医師が多い都市部のような選択の余地が多い地域の住民も、かかりつけ医の選択が保障・明確化される制度設計が早急に必要。かかりつけ医機能が明確化されれば、総額として医療費を制御しながら、多くの諸外国と同様に自己負担についても柔軟に考えることが可能になるのではないか
    • 地域医療構想について、都道府県の責務の明確化等に関し、必要な法制上の措置を行うべき。また、2026年以降の枠組みも議論する必要がある。
    • 医療提供体制は効率的で質の高い制度にしていくという視点が重要。
    • 介護の給付と負担の見直しについては年末までの議論となるが、必ず制度見直しを行う必要がある。
    • 平均賃金が低い保険者のもとで働いている方の手取りの増加につながる側面があり、賃上げの取組みとの整合性もあるため、財政調整制度の見直しによって、被用者保険者間の格差の是正は引き続き進める必要がある。
  • 地域共生社会の実現
    • 住まい支援システム構築に向けた取組みを進める中で、省庁横断的な住宅セーフティネットと入居時および入居後の双方における相談支援の仕組みを、来年の改正を目指して推進するべき。
    • 本格的な日常生活支援のためには、日常身元保証から死後事務に至るまでの日常生活支援の展開が必要であり、令和6年の重層的支援体制整備事業の見直し等に合わせて大きな施策展開を検討すべきではないか。
    • 単純に保育所や相談窓口の機能などの整備だけでなく、居心地のいい空間や、街づくりのデザイン性など、若い世代の方たちが自分の特性や適性を知り、それを実現できるような場を用意できる環境を整えていくのが、次世代育成、国、地域が持続可能なのかを考える上でとても重要。もちろん所得もベースとして非常に重要だが、こういった観点からの支援策や対応を省庁横断的に考えるべき。
    • 居住支援だけでなく、地域共生社会の実現に関わる様々な政策と、社会保障、福祉分野、子育てとの連携について、今後、専門職などの人材確保の課題など体制整備も含めて、横串で議論していくべき
  • その他
    • 少子化対策は、現在の労働力と将来の労働力を確保するということならば、企業は受益者であり、企業から一定の拠出を求められるのではないか。民族としての持続可能性という観点からは、全ての国民が等しく関与するという意味で、高齢者も含めて全ての人が負担するような財源を用意するということではないか。
    • (少子化対策については、)現金給付ではなく、明らかに出生率向上効果がある現物給付を中心に考えるべき。
    • 制度への信頼という観点からは財源の確保が最も重要な論点。加速化プランとの関係での財源だけでなく、子育て政策の財源について、長期的な見通しも含めて、できるだけ具体的に国民に分かりやすい形で方針を積極的に示すべき。その際、財源の確保、そのための歳出改革が、政府や社会保障に対する信頼を揺るがさないよう、慎重な配慮と全体的に整合的な改革とするべき。
    • こどもをめぐる施策について、今回提案されている様々な支援が期待された効果を持つには、施策が一定の長期的なスパンで継続されること、あるいは将来的に改善されていくことへの国民の信頼が必要。また、逆に暫定的、短期的なものであることが予想されている支援については、そのことが十分に明示され、理解されることも必要。
    • 少子化対策として多様な支援が展開され、施策の体系的な整理が難しくなってきている面もあるが、こども・子育て政策の全体像と費用負担の見える化を進める際に、様々な施策のそれぞれについて、意味や目的などを改めて整理するべき。
    • 共育てについては、職場の理解・協力も必要だが、こどもの頃からの教育、意識改革が必要。日本人男性の意識改革から始めるべきではないか。
    • 新たな支援金制度について、事業主のみならず、後期高齢者を含む幅広い国民からも拠出を求める観点からは、年金ではなく医療保険の仕組みを活用するということには充分合理性があるが、新たな支援金制度について事業者負担との兼ね合いで対象とする事業の理由付けを明確にする必要。
    • 支援金は内容、規模、法的性格について、国民に対して全体像を明確に示すべき。支援金がどのように分配されるのか、見通しも含めて早く示すべき。
    • 支援金の法的性格については、租税とは異なる性質を有しており、形式的に税として規定することにはなじまないのではないか。

外務省 岸田総理大臣の英主催AI安全性サミットへの参加について(結果概要)
  • 11月2日、英国主催によるAI安全性サミットが開催され、岸田文雄内閣総理大臣がオンライン形式で参加しました。
    • 岸田総理大臣は、AI安全性サミットを主催したスナク英国首相の力強いリーダーシップに敬意を表するとともに、生成AIを始めとする最先端AIシステムは、極めて大きな潜在性を有すると同時に、リスクもはらんでおり、人類の英知を結集して、適切なAIガバナンスを国際的に確立することが重要である旨述べました。
    • 岸田総理大臣は、日本が、G7議長国として、5月のG7広島サミットで立ち上げを主導した広島AIプロセスにおいて、生成AIを始めとする高度なAIシステムの国際的なルール作りに取り組んでおり、それがグローバルなAIのルールの共通の基盤となると確信していると述べつつ、10月30日に、広島AIプロセスに関するG7首脳声明を発出し、生成AIを含む高度なAI開発者向けの「広島プロセス国際指針」と「広島プロセス国際行動規範」に合意したことを紹介しました。また、今後、年末にかけて「広島AIプロセス包括的政策枠組」の策定に向けた作業を更に加速させるとともに、広島AIプロセスを更に前進させるための作業計画も年末までに策定する予定である旨述べました。
    • 岸田総理大臣は、今後、G7以外の国・地域の政府や民間セクター等との協議も進め、幅広い意見を取り入れて、グローバルサウスを含む国際社会全体が、安心・安全・信頼できる高度なAIの恩恵を享受し、更なる経済成長や生活環境の改善を実現できるような国際的なルール作りを牽引していきたい旨、また、広島AIプロセスはAI安全性サミットの取組とも相互補完的であると考えており、引き続き緊密に連携していきたい旨述べました。
  • (参考)英主催AI安全性サミット
    • AIの急速な発展を踏まえ、AI技術の安全な開発と使用に関し、11月1日~2日に英が主催した初の会合。最先端AIのリスクの理解の促進を図り、国際的に協調した行動を通じて、リスクを軽減する方途等について議論。ハリス米副大統領、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長、メローニ伊首相、トルドー加首相を始めとするG7を含む各国首脳・閣僚級のほか、国際機関、主要なAI企業、有識者等が参加。

【2023年10月】

内閣官房 新しい資本主義実現会議(第23回)
▼資料1 基礎資料
  • OECDによると、我が国の潜在成長率は、平均して0.5%強である。本年度から3年間の「変革期間」を通じて、少なくとも他の先進国と同等の1%程度の潜在成長率を目指すべきではないか。
  • 消費者物価指数は2022年以降増加傾向にあり、直近の2023年9月では、最低賃金の審議等で用いる「持ち家の帰属家賃を除く総合」は3.6%の上昇率であり、かなり高い。
  • 1950年から2019年までの期間の各国のデータを分析すると、労働者1人当たりの資本ストックの変化率やイノベーションの向上率(全要素生産性)の変化率が高いと、インフレ率(GDPデフレーター)の変化率が低下するとの相関関係が確認される。サプライサイドを強化する政策はインフレ率の緩和と相関があると言える。
  • 日本企業の海外企業への研究開発の委託の比率はこの10年間で大きくなっており、我が国の研究開発能力の低下が危惧される。
  • イノベーション(パテント)ボックス税制(特許権や著作権のあるソフトウェア等の知的財産から生じる所得(ライセンス所得、譲渡所得、知的財産を用いた製品の売却益)のうち、国内で自ら行った研究開発の成果に相当する額に対して、法人税を優遇する減税制度)の存在する国では、同税制の適用を受ける所得について、25%程度の法人税の実効税率が10%以下まで引き下げられている。
  • WIPO(世界知的所有権機関)によると、英国では、2013年にイノベーション(パテント)ボックス税制を導入して以降、出願人の居住地が英国の特許件数の方が、居住地が英国以外の特許件数よりも増加した。
  • TSMCの子会社であるJASMが熊本県に整備する半導体製造拠点(2024年稼働予定)は1,700名を雇用予定。熊本県における2022年から10年間の雇用増への波及効果も電子デバイス産業全体で10,700人と推計されている。
  • 英国の独立系民間調査会社によると、IRA法(Inflation Reduction Act)やCHIPS法(Creating Helpful Incentives to Produce Semiconductors and Science Act)の可決後、米国での関連製造業の投資は他国と比較して増加。IRA法は、投資段階のみならず生産段階に対する直接的な支援があり、10年間の支援が法律で規定されていることなどから、他国の支援と比較しても優れており、今後も米国製造業の投資が拡大すると予測。
  • 8月時点における全職業の平均有効求人倍率は1.17倍。建設・採掘従事者は5.32倍で最も高い。
  • 中小企業の68%が人手不足。コロナ前(2019年)を上回る水準。
  • 過半の企業は採用増に頼っており、省人化投資を行っている企業は2割未満で少ない。特に、運輸業・郵便業、生活関連サービス業・娯楽業、医療福祉、宿泊業・飲食サービス業で省人化投資を行う企業割合が低い。中小・小規模企業の省人化投資の抜本強化が期待される。
  • 定年年齢を尋ねたところ、60歳定年が69.8%、65歳定年が21.2%、定年なしは3.4%で、人手不足にも関わらず、60歳定年が多数を占める。
  • 何歳まで働き続けたいかを尋ねたところ、70歳以上の年齢まで働き続けたいと回答した者は、50代で25.1%、60代で41.4%、存在する。
  • 10年間の追跡データを解析した結果、就労など社会との多様なつながりを持つほど、認知症発症リスクが減少する(「配偶者がいる」「同居家族と支援のやりとりがある」「友人との交流がある」「地域のグループ活動に参加している」「何らかの就労をしている」の5種類のつながりを持つ人は、社会とのつながりが全くない、又は上記のうち1種類だけの人、に比べて認知症発症リスクが54%になる)。
  • 定年後再雇用者の過半は、年収が50%以上減少している。他方で、定年後再雇用者の50%以上は、「定年前とほぼ同様の業務」を行っていた。
  • シニア層の個人のパフォーマンスを3層に分け、パフォーマンスの高さと定年後再雇用による年収の減少割合を見たところ、パフォーマンスが高いほどわずかに年収の減少割合が小さいが、概して差は小さい。
  • YKKグループは2021年度から定年制度を廃止。その結果、半数以上の社員が65歳以降の就業継続を希望し、外部労働市場からの専門性のある人材の獲得にも貢献している。
  • 定年制度を廃止した企業は、中小企業(常時雇用者21~300人)の4.2%、大企業(常時雇用者301人以上)の0.6%で、中小企業が多い。70歳以上まで定年のない企業も、中小企業(常時雇用者21~300人)で6.4%、大企業(常時雇用者301人以上)で1.2%で、中小企業が多い。
  • ミドル・シニア就業者(35歳~64歳の就業者)の中で、仕事やキャリアに関して継続的に学習を行っている層(「リ・スキリング層」)は14.4%。趣味の学習だけをしている層(「趣味学習層」)は8.2%。学び直す意欲はあるが学んでいない層は29.8%。
  • 「学び直し」が多い職種は、「情報処理・通信技術職」「商品開発・研究職」「専門・技術職」。逆に、「学び直し」が少ない職種は、「配送・物流・運輸職」「事務職」「生産工程・管理・製造」。人手不足の職種においてこそ、省人化・省力化投資とそれに合わせた従業員のリ・スキリングが大切。
  • 週当たり勤務時間が長いほど、逆に「リ・スキリング層」が多い傾向。週60時間以上働いている層が、時間のゆとりがないなか、最もリ・スキリングを行っている。
  • 学生時代の学習態度は、ミドル・シニア就業者のリ・スキリング努力と関連。学生時代に「自主的に勉強していた」集団では、「リ・スキリング層」が多く35%を占める。逆に、テスト前だけ勉強していた就業者では、「リ・スキリング層」が11%と少ない。
  • 年収が高い就業者ほど、「リ・スキリング層」が多く、「不活性層」が少ない傾向。
  • 「リ・スキリング層」のうち、費用補助を受けていると回答した比率は少ない。有期雇用社員は正社員に比べると、国、自治体、勤務先からの補助を受けていない傾向。
  • 学び直していないミドル・シニア就業者(正社員)と同質のグループが学び直しをしていたと仮定し、学び直していない場合との年収の差を推定したところ、年収が高まることが確認された。
  • 世界のコンテンツ市場規模の推移を見ると、日本は世界第3位。2021年は12.9兆円。中国は、2013年に日本を抜き世界第2位へ。2021年時点で日本の2倍の市場規模(27.2兆円)。
  • 日本の市場規模は第3位だが、2011年~2021年の平均成長率は2%で大きくない。1人当たりの年間コンテンツ消費額は、日本は10万円、米国は17万円、中国は1万5千円。
  • 世界のコンテンツ市場の規模は、石油化学産業、半導体産業よりも大きい。日本由来コンテンツの海外売上は、鉄鋼産業の輸出額より大きく、半導体産業の輸出額に迫る規模。
  • 日本のコンテンツの海外売上のジャンル別の割合は、ゲームが63%、アニメが30%、出版が6%、映画・テレビが2%。
  • 日本はアニメ、家庭用ゲームの海外収入では中国、韓国に勝り、実写映像の海外収入では韓国を下回る。PC・スマートフォン向けゲームでは中国・韓国を下回る。
  • 創造性の研究で高名な米国のペリー・スミス教授(エモリー大学ビジネススクール)の研究では、アイディアの源を生み出す段階では、他者とのつながりにおいて、オープンで接触回数の少ない「弱いつながり」が有効。他方で、アイディアを作り込む段階では、組織内で接触回数の多い「強いつながり」が有効としている。我が国では、会社を中心とした「強いネットワーク」の人間関係には秀でているが、今後、革新的なコンテンツの創造活動を行っていくためには、我が国でも、オープンで広い人的ネットワークのエコシステムを形成する必要がある。
  • 世界のコンテンツ市場は、今後もデジタルコンテンツが成長を牽引する見通し。日本は、分野により、デジタル化に遅れ気味。
  • 日本のゲームは、225億ドルの海外収入があり、中国、韓国に勝る。PCオンライン、スマホ向けゲームにおいては韓国は82億ドル、日本は韓国の1/4の20億ドル。成長しているPCオンライン、スマホ向けゲームで弱く、将来について、不安あり。
  • アニメ制作会社の海外売上高は、増加傾向(659億円)。海外の地上波放送や有料チャンネル放送において、「ドラゴンボール」、「ポケットモンスター」等が継続して放送されていることが理由。
  • 日本各地にアニメの聖地巡礼地が存在。インバウンド観光客のうち聖地巡礼者数は115万人、アニメ関連グッズの購入額は350億円。潜在的な聖地巡礼者の需要は260万人と見込まれ、4,000億円の国内消費支出が期待されている。
  • 映像による海外収入は、米国が一番大きく、144億ドル。日本の映像による海外収入は、9.7億ドルでアニメが8割。韓国の映像による海外収入は、8.7億ドルでテレビ番組が8割。
  • 雑誌の販売金額は、1997年以降右肩下がりで、2021年には3分の1まで縮小。一方で電子出版の市場規模は、大きく増加。スマホで読める等の電子コミックの増加分が大半。
  • メディアミックス展開がなされた原作の売上総合計は、日本の国内市場で、原作売上を1とした場合、最大7.95倍に達する。
  • キャラクターが誕生してからの累積収入(USドルベース)ランキングでは、世界のTOP25の約半分にポケモン、ハローキティ、マリオ等の日本発コンテンツがランクインしている。
  • 世界興行収入が高い作品ほど、制作費が高い傾向が見られる。
  • テレビの東京キー局すべてにおいて、過去6年間で、広告収入が減少し、これと相関して、番組制作費も減少。
  • オンライン広告が伸長し、2.7兆円、地上波・新聞・雑誌・ラジオの合計2.2兆円を上回る。新聞・雑誌広告は10年間でほぼ半減。
  • 世界のNetflixの会員数と売上高は年々拡大。2020年時点で世界売上は250億ドル。日本のテレビ局4局の制作費を合計しても、Netflixの制作費の4分の1。
  • 世界の音楽市場は縮小から2015年以降デジタル化(特にストリーミング)により反転し、260億ドル規模に。日本の音楽市場は、音楽ソフト(CD等)が66%、音楽配信(ストリーミング等)が34%であり、デジタル化が遅れている。
  • 音楽・出版による海外収入は、英国、米国が大きく、日本は1.6億ドルと小さい。
  • 日髙 光啓(SKY-HI)氏は、日本の音楽ビジネスの仕組みが、数十年間変わっておらず、CD販売中心(ストリーミングの遅れ)、所属事務所による垣根の存在などの現状に問題意識を持ち、アーティストが創作活動に集中でき、良い作品を産み続けられる環境を作ること等を目的にスタートアップ企業(BMSG)を起業。自費でオーディションを主宰するなど、新たな枠組みでのアーティストのプロデュースを行っている。

外務省 ガザ地区における人道状況の悪化を受けた緊急無償資金協力
  • 10月24日、日本政府は、パレスチナのガザ地区における人道状況が悪化していることを踏まえ、1,000万ドルの緊急無償資金協力を実施することを決定しました。
    • 今回の協力では、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)及び赤十字国際委員会(ICRC)を通じ、食料、水、医療等の人道支援を実施します。
    • 日本政府として、引き続き、現地の情勢を深刻な懸念をもって注視していくとともに、事態の早期沈静化及びガザにおける人道状況の改善に向け、各国・国際機関とも連携しつつ、関係者への働きかけなどに積極的に取り組み、また、現地のニーズに沿った支援を、スピード感を持って検討していきます。
  • (参考)支援実施機関、支援分野及び拠出額内訳
    • 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA):食料、水等(700万ドル)
    • 赤十字国際委員会(ICRC):医療・保健、保護等(300万ドル)

内閣官房 「防災・減災、国土強靱化効果発揮事例」に令和5年の大雨等における効果発揮事例を掲載しました。
▼防災・減災、国土強靱化の効果発揮事例
  • 国指定重要文化財における対策事例(史跡の老朽化対策)災害時の効果発揮事例
    • 効果概要
      • 史跡 津山城跡では、排水対策を含む石垣の老朽化対策を実施。令和4年台風第14号で、城内の他の箇所の被害(復元建物である備中櫓の漆喰壁剥落等)が発生した一方、老朽化対策実施済の「二の丸東側石垣」では被害が生じなかった。また、令和5年台風第7号においても被害が生じなかった。
      • 津山城跡では、平成30年7月豪雨にて法面が崩落するなどの被害が発生。
      • 本事業は令和5年3月に完了したものではあるが、令和4年の台風14号上陸時には概ね整備できていたため、城内の他の箇所の被害(復元建物である備中櫓の漆喰壁剥離等)が発生した一方、「二の丸東側石垣」では被害が生じなかった。
      • また、令和5年の台風7号においては、隣町に所在する文化財において遊歩道が破損する被害が発生したが、津山城跡の整備済の石垣に被害は生じなかった。
  • 高規格道路のミッシングリンク解消及び4車線化、高規格道路と直轄国道とのダブルネットワーク化等による道路ネットワークの機能強化対策(宮崎県宮崎市~日南市)
    • 対策概要
      • 激甚化、頻発化する災害から速やかに復旧・復興するためには、道路ネットワークの機能強化が必要。発災後概ね1日以内に緊急車両の通行を確保し、概ね1週間以内に一般車両の通行を確保することを目標として、災害に強い国土幹線道路ネットワークの機能を確保するため、高規格道路のミッシングリンクの解消及び暫定2車線区間の4車線化、高規格道路と代替機能を発揮する直轄国道とのダブルネットワークの強化等を推進。
      • 令和5年梅雨期の大雨において、日南市伊比井地区では、規制基準を超える連続雨量194mmを記録し、国道220号は約13時間の全面通行止めを行ったが、令和5年3月25日に開通した東九州自動車道 清武南IC~日南北郷IC間が迂回路となり、代替機能を発揮した
  • 砂防堰堤整備により土砂・流木を捕捉し、土砂災害を防止(福岡県朝倉市)
    • 対策概要
      • 筑後川水系赤谷川流域では、甚大な被害を受けた平成29年7月九州北部豪雨災害以降、令和5年6月までに直轄砂防事業にて砂防堰堤等を集中的に整備し、福岡県に施設移管を行った。令和5年7月10日出水では大量の土砂・流木が発生したが、それらの施設が効果を発揮し、土石流及び土砂・洪水氾濫による被害を防いだ。
      • 令和5年7月の梅雨前線豪雨では、赤谷川流域に甚大な被害を及ぼした平成29年7月九州北部豪雨と同規模の雨量を観測し、流域全体で大量の土砂・流木が発生したが、直轄事業にて整備した砂防堰堤のうち計19箇所で約10万m3の土砂・流木を捕捉して土石流被害を防止するとともに、赤谷川本川への土砂流出を軽減し、そして権限代行(県に代わり国が整備)により整備した河道にて安全に流下させることで、家屋浸水被害を防いだ。
      • また、事業実施中にも、平成30年7月豪雨や令和2年7月豪雨による土砂・流木を捕捉し、繰り返し効果発現を確認
  • 排水機場の新設による湛水被害の防止(福岡県久留米市)
    • 効果概要
      • 近年の豪雨により排水不良が生じ、湛水被害が頻発したが、排水機場の新設により排水機能を強化することで令和5年7月の大雨では湛水被害は発生しなかった。
      • 久留米市浮島地区は筑後川とその支流に囲まれた低平地であり、地形的な特質から令和2年7月豪雨(48.0mm/h)などの大雨時に排水が効かず湛水している状況であった。
      • このため、令和5年4月に排水機場を新設し、排水機能を強化し、湛水被害の解消を図った。その結果、令和5年7月豪雨(51.0mm/h)では湛水被害が発生せず、農地及び宅地への湛水被害を未然に防止するとともに、地域の安全・安心の確保に寄与した。
  • 治山事業による事前防災効果(長野県下伊那郡天龍村)
    • 効果概要
      • 長野県下伊那郡天龍村内においては、令和5年6月梅雨前線に伴う大雨により山地災害が発生したが、5か年加速化対策により治山対策を実施した地区については、流木・土石流対策を行っていたため、山地災害の発生を未然に防止し、事前防災効果を発揮した。
      • 長野県下伊那郡天龍村では、令和5年6月梅雨前線に伴う大雨により山地災害が発生したが、5か年加速化対策により設置した流木止工が既存治山施設と相まって流下してきた土砂及び流木を捕捉し、下流域への被害を未然に防止した。
      • また、下伊那郡天龍村全体では、令和2年7月豪雨の際にも山地災害が発生しており、令和5年6月梅雨前線の大雨も同程度の降水量だったものの、これまでの治山対策の進捗により、山地災害による被害額は少なかった

こども家庭庁 こどもの性的搾取等に係る対策に関する関係府省連絡会議(第14回)
▼資料1 こどもの性被害防止対策に関する取組
  • 加害を防止する強化策
    • 改正刑法等の趣旨・内容を広く国民に周知、厳正な対処 全国で取締りを強化
      • 7月、法務省ホームページに改正刑法等の趣旨・内容周知のためのページを公開し、広報を推進【法務省】
      • 7月、都道府県警察に対し、改正刑法等による厳正な対処、取締りの強化を指示【警察庁】
    • 刑法改正等に伴い「匿名通報事業」の対象を変更・拡大し、一層の周知を図る
      • 10月から対象を変更・拡大し、運用【警察庁】
    • 日本版DBS導入に向け、早期の法案提出を目指し、検討を加速
      • こども関連業務従事者の性犯罪歴等確認の仕組みに関する有識者会議の報告書の取りまとめ(9月)と更なる検討【こども家庭庁】
      • 教育、保育等を提供する場における性被害の防止等の取組の促進【こども家庭庁、経済産業省、文部科学省】
        • 業界における取組を横断的に促進するための先進事例の把握・指針のひな型作成
        • 周知・啓発するためのコンテンツの作成・広報
    • 保育所等における虐待防止のため、通報義務に関し児童福祉法改正を検討
      • 保育所等児童福祉施設、幼稚園・特別支援学校における性犯罪防止対策に係る設備等支援【こども家庭庁、文部科学省】
        • パーテーション等の設置によるこどものプライバシー保護
        • 保護者からの確認依頼等に応えるためのカメラによる記録等
    • 学校で性被害防止等を教える「生命(いのち)の安全教育」を全国展開 小学生・未就学児等を対象にプライベートゾーン等の啓発キャンペーン活動を実施
      • 「生命(いのち)の安全教育」の動画コンテンツの作成・活用【文部科学省】
        • 新たに取り組む学校等が容易かつ効果的に授業を実施しやすいよう、指導過程を解説した動画を作成し、周知するとともに、webに掲載し活用を促進。
      • 9月、全国の自治体に、「生命(いのち)の安全教育」の教材の活用等により、プライベートゾーン等について分かりやすい啓発の実施を通知し、啓発を推進【こども家庭庁】
  • 相談・被害申告をしやすくする強化策
    • 相談窓口の周知広報の強化、SNS等による相談の推進
      • 被害者が相談しやすい環境整備の推進【内閣府、こども家庭庁】
        • 性暴力被害者のためのSNS相談等の推進、夜間休日に相談可能なコールセンターの実施
        • 児童相談所におけるSNSを活用した相談支援体制の構築
        • 相談窓口の周知広報の強化
    • 子育て支援の場等を通じた保護者に対する啓発
      • 9月、保護者として身に付けることが望ましい知識(性被害のサイン、「記憶の汚染」を避ける、相談先)等に関する啓発資料等を作成し、保育所、地域子育て支援拠点事業所、母子保健等の子育て支援の場等を通じた保護者への啓発を自治体に通知し、全国的な取組を推進【こども家庭庁、内閣府】
    • 男性・男児のための性暴力被害者ホットラインの開設
      • 9月、「男性のための性暴力被害ホットライン」及び「男の子と保護者のための性暴力被害ホットライン」を開設【内閣府】
      • ワンストップ支援センター等における男性・男児の被害者への支援を推進【内閣府】
  • 被害者支援の強化策
    • ワンストップ支援センター等の地域における支援体制の充実
      • ワンストップ支援センター等における被害者支援を強化【内閣府】
        • こども・若者や男性等の多様な被害者への支援や相談対応に係る体制強化を促進
    • 児童相談所における相談、保護、通報等の適切な対応
      • 8月、全国の児童相談所に対し、性犯罪・性暴力の相談があった際には適切に対応するよう通知【こども家庭庁】
    • 学校等における支援の充実
      • 9月、「学校における教育相談体制充実に係る連絡協議会」を開催し、教育委員会の担当者やスクールカウンセラー等に対して、性的な被害を受けた児童生徒への対応に係る留意点等を周知【文部科学省】
    • 医療的支援の充実
      • ワンストップ支援センター等と医療機関等の関係機関との連携を強化【内閣府】
      • 性犯罪被害者に対し適切な治療・ケアのできる人材を養成する「PTSD対策専門研修」(犯罪・性犯罪被害者コース)を実施【厚生労働省】
    • 法的支援の充実
      • 9月、「文化芸術活動に関する法律相談窓口」を開設【文部科学省】
      • 法テラスにおける犯罪被害者支援の実施【法務省】
  • こども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージ(概要)
    • 解決すべき課題
      • こども・若者の未熟さ・立場の弱さを利用した性加害が繰り返されている
      • こどもが長く過ごす場での性被害の未然防止・早期発見が必要
      • こどもは、被害にあっても性被害と認識できず、どう対応すればよいか分からない
      • 保護者も、こどもの被害に気付くことや適切な対応が難しい
      • 男性への相談支援の知見が十分に蓄積されておらず、相談もしにくい
      • 文化芸術分野で活動する際、契約関係の明確化や安心・安全な環境が必要
    • 弱い立場に置かれたこども・若者が、性犯罪・性暴力被害に遭う事案が後を絶たない
    • こども・若者は、被害に遭っても、それを性被害であると認識できない、声を上げにくく適切な支援を受けることが難しい
      • 「すべてのこども・若者が安心して過ごせる社会の実現」のためには、対策の一層の強化が喫緊の課題
    • 三つの強化策の確実な実行
      • 加害を防止する強化策
        • 改正刑法等による厳正な対処、取締りの強化
          • 性犯罪に係る改正刑法等及びその趣旨・内容の周知、改正後の刑法等の関係法令を踏まえた厳正な対処
          • 加害者の被害者に対する強い影響力を利用した事犯(親族関係、雇用関係、師弟関係等)などについて、全国で取締りを強化
          • 「匿名通報事業」に係る対象の変更・拡大及び一層の周知
        • 日本版DBSの導入に向けた検討の加速
        • 保育所等での虐待防止のための児童福祉法改正の検討
        • 児童・生徒等への教育啓発の充実
          • 学校における「生命(いのち)の安全教育」の全国展開
          • 小学生等を対象にプライベートゾーン等の啓発キャンペーン
          • 中高生等を対象とする学校現場での改正刑法等の周知徹底
          • 外部講師の活用等による性と健康に関する教育等の実施
          • eネットキャラバンの講座に係る情報提供の実施
      • 相談・被害申告をしやすくする強化策
        • 相談窓口の周知広報の強化
        • SNS等による相談の推進
          • SNS相談「Cure time(キュアタイム)」
          • こどもの人権相談
          • 親子のための相談LINE等を通じた児童相談所による支援実施
        • 子育て支援の場等を通じた保護者に対する啓発
          • 保護者として身に付けることが望ましい知識について周知・啓発(こどもの性被害のサイン、「記憶の汚染」を避ける、相談先等)
        • 男性・男児のための性暴力被害者ホットラインの開設
        • 相談・被害申告への適切な対応のための体制整備
          • 児童からの聴取に係る体制等の整備
          • 医師に対する協力謝金の拡充の検討や泌尿器科、肛門科、小児科を含む証拠採取の環境整備
      • 被害者支援の強化策
        • ワンストップ支援センター等の地域における支援体制の充実
        • 学校等における支援の充実
          • 児童生徒から相談を受けた際の養護教諭を含む教職員の対応のポイント等の周知
          • 児童館や放課後児童クラブにおける対応・支援の充実
        • 医療的支援の充実
          • 受診可能な医療機関リストを整備し関係機関において共有する等の取組の促進、医療機関におけるワンストップ支援センターの認知度向上
        • 法的支援の充実
          • 犯罪被害者等支援弁護士制度の創設に向けた取組○文化芸術分野の契約、ハラスメントを含むトラブル等に関する相談窓口
    • 緊急啓発期間の実施
      • 政府を挙げた啓発活動を集中実施(本年8月~9月)
        • 加害の抑止(改正刑法等の周知)
        • 相談窓口の周知
        • 被害に気付いた者の適切な対応
    • 被害実態等の的確な把握と実証的な政策立案
      • 被害当事者や支援者等の意見を継続的に聴取、調査分析等による知見を共有→的確な被害実態等の把握
      • 不断の検討により、加えて実施すべき施策があれば、果断に実行

内閣官房 デジタル行財政改革会議(第1回)議事次第
▼資料4 デジタル行財政改革について
  • 新たな時代環境
    • 生産年齢人口の減少(2020年:約7,500万人⇒2040年:約6,200万人、▲約1,300万人減少)
    • 少子高齢化(高齢化率:2020年:28.6%⇒2040年:34.8%)
    • 地域の人口密度の低下により公共サービス等(公共サービスに加えて公共性が高い民間の事業を含む)の生産性が低下し、必要な公共サービス等の提供が困難になることが想定
    • 個人のニーズの多様化
    • AI・5G・クラウドなどデジタル技術の進展
  • 急激な人口減少社会に対応するため、利用者起点で我が国の行財政のあり方を見直し、デジタルを最大限に活用して公共サービス等の維持・強化と地域経済活性化を図り、社会変革を実現することが必要。
  • これにより、一人ひとりの可能性を引き出し、新たな価値と多様な選択肢が生まれる豊かな社会を目指す
  • デジタル行財政改革の基本的考え方
    • 地域を支える公共サービス等に関し、システムの統一・共通化等で現場負担を減らすとともに、デジタルの力も活用してサービスの質も向上。
    • あわせて、デジタル活用を阻害している規制・制度の徹底的な見直しを進め、社会変革を起動。
    • EBPMの手法も活用し、KPIや政策効果の「見える化」を進め、予算事業を不断に見直し。
    • これらによって、デジタルの力を活用して、豊かな社会・経済、持続可能な行財政基盤等を確立する。
  • デジタル行財政改革会議を司令塔とする一体的な推進体制
    • デジタル行財政改革会議は、規制改革・デジタル改革・行政改革・デジタル田園都市国家構想及び各府省庁の改革の司令塔。
    • 総理のリーダーシップの下で方針決定を行い、デジタル行財政改革を国・地方を通じて一体的かつ強力に推進。
  • 取組方針(1)~主な改革への取組に着手
    • 「人口減少・高齢化・過疎化・人手不足への対応」、「経済成長・スタートアップ支援」、「行政の効率化・不便の解消」の観点から、主な改革への取組に着手。その成果を活かし更に展開。
    • 教育
      • デジタル教育環境の自治体間格差
      • 教師の不足・長時間勤務
      • 児童生徒のニーズ・特性の多様化
      • デジタル教材の共通利用基盤構築、GIGA端末・校務支援システムの活用促進(更新時の広域での統一・共同調達)、多様な人材活用による教師不足への対応、オンライン教育の活用、EdTechベンチャー活用 等
    • 交通
      • 地域交通の担い手不足
      • 移動の足が不足
      • 自動運転・ドローンの活用の遅れ
      • タクシー・バス等のドライバーの確保、不便の解消に向けた地域の自家用車・ドライバーの活用、自動運転・ドローン配送の事業化(インフラ整備・手続簡素化等)、移動関係の需給の可視化基盤 等
    • 介護等
      • 介護等の人材不足
      • 介護・医療等におけるデジタル技術の活用の遅れ
      • 制度の持続可能性
      • デジタル技術の活用の加速化(ICT導入支援、介護報酬・人員配置、運営協働化・大規模化、伴走支援、人材育成等)、介護の効果の計測、医療アプリ・機器・システムの開発促進、オンライン診療の拡充・展開、医療・介護テックベンチャーの活用 等
    • 子育て・児童福祉
      • 子育て世代等の負担
      • サービスの質の確保
      • プッシュ型子育て支援、保育DXによる保育現場の負担軽減(ICT導入支援等)、児童福祉等の相談窓口のマルチチャネル化、施設・自治体・国のデータ連携/AI活用相談支援、子育てアプリベンチャー等の活用、地域の関係者が連携し、妊産婦が安心して出産・子育てをできる環境の整備 等
    • 防災
      • 避難所等における多様なニーズの把握と対応
      • マイナンバーカードを活用した発災時対応のためのインフラ、要配慮者等を含む被災者対応の高度化(多様な民間ITソリューションを利用可能とする基盤整備、調達改革)、防災テック等ベンチャーの活用 等
    • インバウンド・観光
      • 外国人が利用するサービス改善
      • 観光客増加に対応した手続の総点検、インバウンドの利便性向上、外国人による金融機関の利用や少額の外国送金の円滑化、訪日外国人の民間医療保険加入の在り方 等
    • スタートアップ
      • スタートアップの成長促進 スタートアップ設立円滑化のための公証人による定款認証に関す
  • 利用者起点での「課題発掘対話」の開始 有識者からあげられた主な課題
    • 「デジタル環境を整える」
      • 校務のデジタル化に自治体間格差がある
      • 自治体によりクラウド活用を制約するルールが存在
    • 「デジタル環境を使う」
      • 教師の勤務環境が厳しすぎて改善が必要
      • 配慮が必要なこどもに教師が向き合う時間が足りない
      • AIでは代替できない能力の育成に手が回らない
      • デジタル教材活用の意欲・ノウハウにバラツキ
    • 「効果を測る」
      • 業務が可視化されておらず非効率業務が解消されない
      • デジタル端末の活用実績を高めていくことが必要
      • 議論の前提となる教育効果などのデータが不足
  • 取組方針(2)~国・地方等のデジタル基盤の統一化・共通化の加速
    • 国・地方等のデジタル基盤の統一化・共通化を加速し、低コストで多様なサービスを提供可能に
  • 取組方針(3)~EBPMや「見える化」による予算事業の政策効果向上
    • 事業に適切なKPIを設定し、EBPM手法も活用して、政策効果を向上。
    • DX推進に関するEBPMの手法を確立し、政策効果の可視化や不断の見直しにつなげる。
    • 予算の総額やタイトルに注目が集まり、内容や執行時・執行後の効果の検証が不十分
      • 行政事業レビューシートにIDを付して、データベース化やダッシュボード化などを進め、更なる「見える化」を推進。
    • 政策立案が当局の知識経験や関係者の声に依存し、データ活用が不十分。
      • 不十分なKPI設定や期限設定の改善などを通じて、コロナ以降に拡大した事業・基金を見直し、政策効果を向上。
    • DX関係の事業について、効果がわかりにくく、実証どまりで、好事例が全国展開しづらい。
      • DX関係の事業について、政策の各段階(デジタル基盤の構築・活用、成果発現)において、進捗管理や効果測定、事業見直しなどを行う手法を確立し、政策効果を高める。
  • 目指す社会に向けて早期に着手する主な施策
    • デジタル行財政改革が目指す社会課題の解決に向けて、規制・制度改革等と組み合わせてデジタル技術の社会実装等を進めるための支援策等を検討。
    • 交通:自動運転・ドローンの事業化、AIオンデマンド交通
    • 介護等:事業所のデジタル活用による生産性向上支援(ICTの導入、経営の協働化等)
    • 子育て:保育ICT導入支援
    • 教育:GIGA端末の更新・活用支援等
    • 防災:防災アプリの活用
    • 社会変革につながるような取組:デジタル田園都市国家構想交付金による支援
    • 自治体標準化・ガバメントクラウド移行の推進
    • デジタルマーケットプレイス(スタートアップ等の調達多様化等)
    • ベースレジストリの整備(法人、不動産等)
    • デジタル認証・署名アプリの整備(マイナンバーカードによる本人確認の汎用モバイルアプリ等)

内閣官房 花粉症に関する関係閣僚会議(第3回)議事次第
▼資料1 花粉症対策 初期集中対応パッケージ(案)(概要)
  • 未だ多くの国民を悩ませ続けている花粉症問題の解決に向け、来年の花粉の飛散時期を見据えた施策のみならず、今後10年を視野に入れた施策も含め、花粉症解決のための道筋を示す「花粉症対策の全体像」を取りまとめ(本年5月30日)。
  • 来年の花粉の飛散時期が近づく中、「花粉症対策の全体像」に基づき、発生源対策、飛散対策及び発症・曝露対策について、「全体像」の想定する期間の初期の段階から集中的に実施すべき対応を本パッケージとして取りまとめ、その着実な実行に取り組む。
  • 発生源対策
    • スギ人工林の伐採・植替え等の加速化【林野庁】
      • 本年度中に重点的に伐採・植替え等を実施する区域を設定し、次の取組を実施
      • スギ人工林の伐採・植替えの一貫作業の推進
      • 伐採・植替えに必要な路網整備の推進
      • 意欲ある林業経営体への森林の集約化の促進
    • スギ材需要の拡大【林野庁・国土交通省】
      • 木材利用をしやすくする改正建築基準法の円滑な施行(令和6年4月施行予定)
      • 本年中を目処に、国産材を活用した住宅に係る表示制度を構築
      • 本年中を目処に、住宅生産者の国産材使用状況等を公表
      • 建築物へのスギ材利用の機運の醸成、住宅分野におけるスギ材への転換促進
      • 大規模・高効率の集成材工場、保管施設等の整備支援
    • 花粉の少ない苗木の生産拡大【林野庁】
      • 国立研究開発法人森林研究・整備機構における原種増産施設の整備支援
      • 都道府県における採種園・採穂園の整備支援
      • 民間事業者によるコンテナ苗増産施設の整備支援
      • スギの未熟種子から花粉の少ない苗木を大量増産する技術開発支援
    • 林業の生産性向上及び労働力の確保【林野庁】
      • 意欲ある木材加工業者、木材加工業者と連携した素材生産者等に対する高性能林業機械の導入支援
      • 農業・建設業等の他産業、施業適期の異なる他地域や地域おこし協力隊との連携の推進
      • 外国人材の受入れ拡大
  • 飛散対策
    • スギ花粉飛散量の予測
      • 来年の花粉飛散時期には、より精度が高く、分かりやすい花粉飛散予測が国民に提供されるよう、次の取組を実施
      • 今秋に実施するスギ雄花花芽調査において民間事業者へ提供する情報を詳細化するとともに、12月第4週に調査結果を公表【環境省・林野庁】
      • 引き続き、航空レーザー計測による森林資源情報の高度化、及び、そのデータの公開を推進【林野庁】
      • 飛散が本格化する3月上旬には、スーパーコンピューターやAIを活用した、花粉飛散予測に特化した詳細な三次元の気象情報を提供できるよう、クラウド等を整備中【気象庁】
      • 本年中に、花粉飛散量の標準的な表示ランクを設定し、来年の花粉飛散時期には、この表示ランクに基づき国民に情報提供されるよう周知【環境省】
    • スギ花粉の飛散防止
      • 引き続き、森林現場におけるスギ花粉の飛散防止剤の実証試験・環境影響調査を実施【林野庁】
  • 発症・曝露対策
    • 花粉症の治療
      • 花粉飛散時期の前に、関係学会と連携して診療ガイドラインを改訂【厚生労働省】
      • 舌下免疫療法治療薬について、まずは2025年からの倍増(25万人分→50万人分)に向け、森林組合等の協力による原料の確保や増産体制の構築等の取組を推進中【厚生労働省・林野庁】
      • 花粉飛散時期の前に、飛散開始に合わせた早めの対症療法の開始が有効であることを周知
      • 患者の状況等に合わせて医師の判断により行う、長期処方や令和4年度診療報酬改定で導入されたリフィル処方について、前シーズンまでの治療で合う治療薬が分かっているケースや現役世代の通院負担等を踏まえ、活用を積極的に促進【厚生労働省】
    • 花粉症対策製品など
      • 本年中を目処に、花粉対策に資する商品に関する認証制度をはじめ、各業界団体と連携した花粉症対策製品の普及啓発を実施【経済産業省】
      • 引き続き、スギ花粉米の実用化に向け、官民で協働した取組の推進を支援【農林水産省】
    • 予防行動
      • 本年中を目処に、花粉への曝露を軽減するための花粉症予防行動について、自治体、関係学会等と連携した周知を実施【環境省・厚生労働省】
      • 「健康経営優良法人認定制度」の評価項目に従業員の花粉曝露対策を追加することを通じ、企業による取組を促進中【経済産業省】

外務省 アルメニア及びアゼルバイジャンにおけるナゴルノ・カラバフの避難民等に対する緊急無償資金協力
  • 10月6日、日本政府は、アルメニア及びアゼルバイジャンにおけるナゴルノ・カラバフの避難民等に対して、総額200万ドルの緊急無償資金協力を実施することを決定しました。
    • 9月19日のアゼルバイジャンによる軍事活動の結果、10万人以上の避難民が発生していることを踏まえ、日本政府は、赤十字国際委員会(ICRC)及び国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を通じて、アルメニア及びアゼルバイジャンにおけるナゴルノ・カラバフの避難民等に対し、生活必需品、保健、保護、水等の分野で、200万ドルの緊急無償資金協力を行います。
    • 日本政府は、引き続き、両国際機関と連携して、人々に寄り添った支援を実施していきます。
  • 参考 支援実施機関、支援分野及び拠出額内訳
    • 赤十字国際委員会(ICRC):100万ドル 保健、保護、水等
    • 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR):100万ドル 生活必需品等

デジタル庁 マイナンバー情報総点検本部(第3回)
▼資料
  • 各々の機関の事情に配慮しながら、原則11月末までに、個別データの点検(マイナンバー+基本4情報データの抽出⇒照合⇒不一致データについて登録されたマイナンバーが本人のものか確認)を実施。
  • 9月末、10月末、11月末に進捗状況を取りまとめ、翌月に総点検本部を開催し、公表。12月の総点検本部では、事務ごとの個別データの点検数・誤紐付けの数・継続確認の数を報告
  • 総点検マニュアルの送付
    • 個別データの点検手順等を示した総点検マニュアルを全自治体に送付し(8月25日)、自治体向けにオンライン説明会を実施(8月29日)。
    • 全自治体が点検対象となった障害者手帳に係る事務についても、全自治体向けにマニュアル案を作成し、オンライン説明会を実施(9月8日)。自治体からの意見等を踏まえ、確定版のマニュアルを配布(9月15日)。
    • マイナンバー情報総点検に関する自治体からの意見・質問等は、「デジタル改革共創プラットフォーム」を活用し、他の自治体からも見えるかたちで、意見交換・回答を行っている。
  • 点検支援ツールの提供
    • 個別データの点検で必要な作業のうち2段階目の照合の作業省力化のため、一部自治体の協力を得て、デジタル庁において点検支援ツールを開発。点検対象機関である自治体に対して、本ツールを提供(9月29日)。
    • 本ツールを活用することで、点検対象となる業務の対象者データについて、業務システム等の抽出データと住基ネットの抽出データをツール上で照合し、その結果として、「A確認不要(完全一致)」、「B要確認(入力ミス等による不一致の可能性があるもの)」、「C優先確認(別人への紐付けの可能性が高いもの)」をデータごとに表示。
  • 点検費用に対する財政支援
    • 障害者手帳に関する事務(237自治体・3事務)
      • 紐付けを行う全ての自治体において一律に点検を実施することとしているため、国費で補助
    • 障害者手帳に関する事務以外の事務(113自治体・20事務)
      • 自治体の財政負担に十分配慮するため、特別交付税措置
  • 個別データの点検に係る進捗状況について
    • 紐付け実施機関に対して、点検対象の事務ごと(点検対象機関数単位)に、下記のいずれの段階にあるか調査。
      • マイナンバー+基本4情報データの抽出作業中
      • 照合作業中
      • 照合が終了し、不一致データの一部についてマイナンバーが本人のものか確認する作業に着手
      • 不一致データの全てについてマイナンバーが本人のものか確認する作業に着手済み又は確認作業終了
  • 横断的なガイドラインの策定について
    • ガイドライン策定の趣旨
      • これまで、マイナンバーの登録方法の統一的なガイドラインを示してこなかったことから、新規に紐付け誤りが生じないよう、再発防止対策の一つとして各紐付け実施機関向けにマイナンバーの登録に係る横断的なガイドラインを策定。
      • 本ガイドラインでは、各紐付け実施機関が正確なマイナンバー登録を行うために(1)各制度の申請時にマイナンバーの取得を原則とすること、(2)住基ネット照会を行う際には原則基本4情報(氏名・生年月日・性別・住所)で照会を行うことなどを記載。
    • ガイドラインの主な内容
      • マイナンバー登録事務について
        • 申請時のマイナンバー取得の原則化
          • 各制度の申請時には、紐付け実施機関から申請者にマイナンバーを記載するよう明確化
        • 本人確認の手段
        • 住基ネット照会について
          • 氏名・生年月日・性別・住所の基本4情報で住基ネット照会を行うようシステムを改修中(事務によっては氏名・生年月日・住所の3情報による照会。)
        • 住基ネット照会において複数の者が該当した際の本人を特定する方法
          • 本人から追加情報又は業務システムにて保有する情報により基本4情報から本人を特定
      • 定期的・体系的な入力誤りの発見(総点検終了後の取組)
      • マイナンバー登録事務における実施体制について
      • 安全管理措置
      • 副本登録について

財務省関東財務局 三木証券株式会社に対する行政処分について
  • 三木証券株式会社(東京都中央区、法人番号6010001058023)(以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の問題が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた(令和5年9月15日付)。
    • 適合性原則に抵触する業務運営の状況
      • 当社は、顧客層の高齢化により口座数が減少傾向にあったことなどもあり、平成29年3月期から令和2年3月期まで4年連続の営業赤字となっていた。そのような中、米国市況が好調であったことを踏まえ、令和2年4月以降、経営陣主導の下、主に米国株式の販売に注力していた。
      • こうした状況を踏まえ、当社の業務運営状況を検証したところ、以下の問題が認められた。
        1. 適合性原則に抵触する勧誘が行われている状況
          • 当社は、少なくとも顧客18名に対し、会話がかみ合わない、数分前の会話を覚えていないなどといった顧客の様子から、顧客が少なくとも外国株式取引を行えるほどの認知判断能力を持ち合わせていないと認識していたにもかかわらず、外国株式のリスク等について、顧客属性に照らして顧客に理解されるために必要な方法及び程度による説明を行うことなく金融商品取引契約を締結する行為を行っていた。このような外国株式取引の勧誘を長期的・継続的に行っている状況が認められた。
          • また、当社は新興国のテクノロジー関連企業へ投資する投資信託の勧誘に際し、少なくとも顧客1名に対し、当該商品の概要やリスク等について、顧客属性に照らして顧客に理解されるために必要な方法及び程度による説明を行うことなく金融商品取引契約を締結する行為を行っている状況が認められた。
        2. 適合性原則を遵守するための態勢が不十分な状況
          1. 営業推進態勢が不適切な状況
            • 当社は、令和元年6月に営業員評価制度の見直しを行い、当社の収益の向上に貢献した営業員をこれまで以上に高く評価する仕組みを導入して、手数料収入実績をダイレクトに評価に反映させ重視することとした。さらに令和4年1月には、評価項目から法令違反行為や顧客本位に欠ける営業を行った営業員の評価を下げるといったコンプライアンス項目を削除するなど、手数料収入額が多い営業員がさらに高く評価される報酬体系へと変更することで、手数料収入に偏った不適切な投資勧誘行為を助長するものになっていた。また、経営陣主導で主に米国株式の販売に注力する中で、取締役営業本部長を中心とした経営陣からは、各部支店長に対して、顧客の適合性を軽視した営業優先の指示が行われるなど、経営陣から収益達成への過剰な圧力がかけられていた。これらの結果、当社には顧客の適合性を軽視した極端な営業優先の企業風土が形成されており、営業推進態勢は不適切な状況であった。
          2. 法令等遵守態勢が不適切な状況
            • 当社では、極端な営業優先の企業風土のもと、営業部門に対し異論を述べた結果、営業本部が主導する形で就業規則に基づかずに降格させられた者がいるなど、コンプライアンス上の問題点を声に出しづらい社風となっていた。
            • また、赤字体質からの脱却と継続的な黒字化を図るため、代表取締役社長自らが主導して、コンプライアンス部門の人員を削減しているところ、平成30年に行われた自主規制機関の検査においてコンプライアンス部門の人員不足を指摘されていたにもかかわらず、コンプライアンス部門の人員を平成30年当時と比較しても半数以下にまで削減しており、適切な人員の確保すら行われていない状況にあった。
            • このような状況にあったため、自主規制機関が定める高齢顧客ガイドラインで求められている確認事項に関しても、役席者は挨拶程度の短い会話を行うのみで、高齢顧客の健康状態や商品の理解度などについてほとんど確認しておらず、承認手続きは形骸化していた。また、内部管理責任者によるモニタリングも営業を優先するあまり形式的な確認にとどまっており、さらに、内部監査によるモニタリングも、部支店に対し、指摘対象となった具体的な取引、営業員、役席者を特定して伝達することなく、指摘事例について今後は適切に面談を実施すべき旨を形式的に指導するにとどめているなど、不十分なものであった。
            • 内部管理統括責任者自身が、モニタリングや内部監査の実効性に疑問を持ちながらも、やらないよりはやった方が良い程度の認識でモニタリングや内部監査を続けていたと述べるとおり、当社のモニタリング及び内部監査は形骸化しており、実効性のある検証は行われておらず、当社の法令等遵守態勢は不適切な状況であった。
          3. 経営管理態勢が不適切な状況
            • 金融商品取引業者は、法令等遵守態勢の整備に努め、投資者保護に欠けることのないように経営を行うことが求められているところ、代表取締役社長をはじめ経営陣は、極端な営業推進を行う中で、法令等遵守及び内部管理態勢の確立・整備が後回しとなり、営業に物が言えない、経営陣に実態を正確に報告できないといった脆弱な内部管理態勢を看過しているなど、当社の経営管理態勢は不適切な状況であった。
            • 上記(1)の行為は、金融商品取引法第38条第9号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第1号の「顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして当該顧客に理解されるために必要な方法及び程度による説明をすることなく、金融商品取引契約を締結する行為」に該当すると認められる。
            • 上記記(1)(2)の状況は、適合性原則に抵触する不適切な業務運営を継続的に行っていたものと認められ、当社における勧誘販売状況は、金融商品取引法第40条第1号の「顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行って投資者の保護に欠けることとなっており、又は欠けることとなるおそれがあること」に該当すると認められる。
  • 以上のことから、本日、当社に対し、金融商品取引法第52条第1項及び同法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。
    • 業務停止命令
      • 令和5年10月6日から同年11月5日までの間、外国株式の売買等業務のうち、新規の勧誘を伴う業務の停止。
    • 業務改善命令
      • 本件に係る根本的な原因の分析に基づき、再発防止に向けて、以下の点を含む実効性のある業務改善計画を速やかに策定し、着実に実施すること。
        • 今回の処分を踏まえた本件に係る経営陣を含む責任の所在の明確化
        • 法令等遵守に取り組むよう経営姿勢を刷新し、適合性原則を踏まえた顧客への勧誘及び説明が適切に行われる業務運営態勢、経営管理態勢、並びに内部管理態勢の構築及び強化
        • 法令等の遵守及び適正かつ健全な業務運営を前提としたビジネスモデルの構築
        • 本件行政処分の内容についての顧客に対する適切な説明
      • 上記の対応・実施状況について、令和5年11月6日までに書面で報告するとともに、その後の進捗状況を四半期末経過後(初回を令和5年12月末基準とする。)15日以内を期限として当面の間、書面で報告すること。

財務省関東財務局 合同会社honey b.に対する行政処分について
  • 合同会社honey b.(東京都渋谷区、法人番号2011003007789、適格機関投資家等特例業務届出者。金融商品取引業の登録はない。以下「当社」という。)について、以下の問題が認められた。
    • 業務改善命令に違反している状況
      • 適格機関投資家等特例業務届出者は、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。以下「金商法」という。)
      • 第63条の4第2項の規定に基づき、事業年度ごとに事業報告書を作成し、毎事業年度経過後3ヶ月以内に関東財務局に提出しなければならないにもかかわらず、当社は、期限までに事業報告書を提出しておらず、同項に違反する事実が認められた。
      • そのため、関東財務局は、当社に対し、金商法第63条の5第1項の規定に基づき、令和5年6月14日付で業務改善命令(以下「本件業務改善命令」という。)を発出し、直ちに事業報告書を提出すること、同年同月28日までに再発防止策等の改善策を実施し、関東財務局へ報告することを命じた。
      • しかしながら、当社は、現時点においても事業報告書を提出していないほか、上記期限までに、本件業務改善命令の実施状況について報告しておらず、本件業務改善命令に違反している。
      • このため、本日、当社に対し、下記1.については金商法第63条の5第3項の規定に基づき、下記2.については同条第1項の規定に基づき、以下の行政処分を行った。
        • 業務廃止命令
          • 適格機関投資家等特例業務を廃止すること。
        • 業務改善命令
          1. 適格機関投資家等特例業務に関して関与した全てのファンドについて、ファンド持分を取得した全ての出資者に対し、行政処分の事実及び理由について速やかに説明を行うこと。
          2. ファンド財産の運用・管理の状況を把握し、出資者保護に万全の措置を講ずること。
          3. 出資者間の公平に配慮しつつ、ファンド財産の返還等に関する方針を速やかに策定し、実施すること。
            • 上記1から3の対応・実施状況について、完了までの間(改善策が策定・実施され次第随時)、書面により報告すること。
        • 投資家の皆様へのお知らせ
          • 適格機関投資家等特例業務届出者は、基本的にいわゆるプロ投資家を相手に業務を行う者です。プロ投資家以外の出資者の範囲を原則として国・地方公共団体、金融商品取引業者・特例業者、上場会社等に限定し、一般個人の出資は原則として禁止となっています(平成27年改正法)。
          • ただし、個人であっても、投資性金融資産(有価証券等)の合計額が1億円以上であり、かつ、証券口座開設後1年を経過している者などは、出資者の範囲に含まれます。
          • 適格機関投資家等特例業務を行う旨の届出が提出されていることをもって関東財務局が届出者の信頼性を保証するものではありません。また、関東財務局は、届出者が取り扱う商品を保証する立場にはありませんので、投資を検討される際には、投資家自身がリスク等を十分理解した上で、慎重に判断されることをお勧めします。

内閣官房 こども未来戦略会議(第7回)議事次第
▼資料2 こども未来戦略方針に基づき既に実施している主な取組
  • 経済的支援の強化や若い世代の所得向上に向けた取組
    • 出産等の経済的負担の軽減
      • これまで実施してきた幼児教育・保育の無償化に加え、支援が手薄になっている妊娠・出産期から2歳までの支援を強化する。令和4年度第二次補正予算で創設された「出産・子育て応援交付金」(10万円)について、制度化に向けて検討することを含め、妊娠期からの伴走型相談支援とともに着実に実施する。
    • 出産等の経済的負担の軽減
      • 本年4月からの出産育児一時金の大幅な引上げ(42万円→50万円)及び低所得の妊婦に対する初回の産科受診料の費用助成を着実に実施するとともに、出産費用の見える化について来年度からの実施に向けた具体化を進める。
    • いわゆる「年収の壁(106万円/130万円)」への対応
      • 人手不足への対応が急務となる中で、壁を意識せずに働く時間を延ばすことのできる環境づくりを後押しするため、当面の対応として、被用者が新たに106万円の壁を超えても手取り収入が逆転しないよう、労働時間の延長や賃上げに取り組む企業に対し、複数年(最大3年)で計画的に取り組むケースを含め、必要な費用を補助するなどの支援強化パッケージを本年中に決定した上で実行し、さらに、制度の見直しに取り組む。
  • 全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の拡充
    • 妊娠期からの切れ目ない支援の拡充 ~伴走型支援と産前・産後ケアの拡充~
      • 妊娠期から出産・子育てまで、身近な場所で相談に応じ、多様なニーズに応じた支援につなぐ「伴走型相談支援」について、地方自治体の取組と課題を踏まえつつ、継続的な実施に向け制度化の検討を進める。その際、手続等のデジタル化も念頭に置きつつ制度設計を行う。
    • 妊娠期からの切れ目ない支援の拡充 ~伴走型支援と産前・産後ケアの拡充~
      • 退院直後の母子に対して心身のケアや育児のサポートなどを行い、産後も安心して子育てができる支援体制の確保を図る産後ケア事業については、利用者負担の軽減措置を本年度から全ての世帯に対象を拡大して実施するとともに、支援を必要とする全ての方が利用できるようにするための提供体制の確保に向けた取組を進めるなど、子育て家庭の産前・産後の心身の負担軽減を図る観点から実施体制の強化等を行う。
    • 全ての子育て家庭を対象とした保育の拡充~「こども誰でも通園制度(仮称)」の創設~
      • 全てのこどもの育ちを応援し、こどもの良質な成育環境を整備するとともに、全ての子育て家庭に対して、多様な働き方やライフスタイルにかかわらない形での支援を強化するため、現行の幼児教育・保育給付に加え、月一定時間までの利用可能枠の中で、就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる新たな通園給付(「こども誰でも通園制度(仮称)」)を創設する。具体的な制度設計に当たっては、基盤整備を進めつつ、地域における提供体制の状況も見極めながら、速やかに全国的な制度とすべく、本年度中に未就園児のモデル事業を更に拡充させ、2024年度からは制度の本格実施を見据えた形で実施する。あわせて、病児保育の安定的な運営に資するよう、事業の充実を図る。
  • こども・子育てにやさしい社会づくりのための意識改革
    • こどもや子育て世帯を社会全体で支える気運を醸成するため、優先案内や専門レーンを設置するなどの取組が国立博物館など国の施設において今春にスタートしており、利用者のニーズを踏まえつつ、こうした取組を他の公共施設や民間施設にも広げていくとともに、公共インフラのこども向け現場見学機会の増加など、有意義な体験の場を提供する。
    • 本年5月には「こどもまんなか宣言」の趣旨に賛同する企業・個人・地方自治体などに「こどもまんなか応援サポーター」となっていただき、「今日からできること」を実践し、取り組んだ内容を自らSNSなどで発表する「こどもまんなか応援プロジェクト」の取組が始まっている。

内閣官房 我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議
▼配布資料
  • 物流革新緊急パッケージ(案)
    • 物流産業を魅力ある職場とするため、働き方改革に関する法律が来年4月から適用される一方、物流の停滞が懸念される「2024年問題」に直面。何も対策を講じなければ、2024年度には14%、2030年度には34%の輸送力不足の可能性。このため、本年6月に「物流革新に向けた政策パッケージ」を策定。
    • 今般、2024年が迫る中、賃上げや人材確保など、早期に具体的な成果が得られるよう可及的速やかに各種施策に着手するとともに、2030年度の輸送力不足の解消に向け可能な施策の前倒しを図るべく、以下の事項について、必要な予算の確保も含め緊急的に取り組むこととする。
    • この他、中長期計画の策定など、政策パッケージの施策を着実に実施し、進捗の管理を行う。
  • 物流の効率化
    • 即効性のある設備投資・物流DXの推進
      • 物流事業者や荷主企業の物流施設の自動化・機械化の推進、効率化・省人化やドローンを用いた配送により人手不足へ対応
      • 港湾物流効率化に向けた「ヒトを支援するAIターミナル」の深化や港湾物流手続等を電子化する「サイバーポート」を推進等
      • 高速道路での自動運転トラックを対象とした路車協調システム等の実証実験等
    • モーダルシフトの推進
      • 鉄道(コンテナ貨物)、内航(フェリー・RORO船等)の輸送量・輸送分担率を今後10年程度で倍増
      • 31ftコンテナの利用拡大を優先的に促進しつつ、中長期的に40ftコンテナの利用拡大も促進
    • トラック運転手の労働負担の軽減、担い手の多様化の推進
      • 荷役作業の負担軽減や輸送効率化に資する機器・システムの導入等により、快適で働きやすい職場環境の整備を促進
      • 労働生産性の向上に資する車両を運転するための免許の取得等のトラック運転手のスキルアップを支援
    • 物流拠点の機能強化や物流ネットワークの形成支援
      • 農産品等の流通網の強化(中継輸送等の推進)
      • 物流施設の非常用電源設備の導入促進等による物流施設の災害対応能力の強化等の推進
      • モーダルシフト等に対応するための港湾施設の整備等を推進
      • 高規格道路整備や渋滞対策、IC・空港・港湾等へのアクセス道路の整備に対する支援による物流ネットワークの強化
      • トラックドライバーの確実な休憩機会の確保のため、SA・PAにおける大型車駐車マスの拡充や駐車マス予約制度の導入などの取り組みの推進
    • 標準仕様のパレット導入や物流データの標準化・連携の促進
    • 燃油価格高騰等を踏まえた物流GXの推進(物流拠点の脱炭素化、車両のEV化等)
    • 高速道路料金の大口・多頻度割引の拡充措置の継続
    • 道路情報の電子化の推進等による特殊車両通行制度の利便性向上
  • 荷主・消費者の行動変容
    • 宅配の再配達率を半減する緊急的な取組
      • ポイント還元を通じ、コンビニ受取等柔軟な受取方法やゆとりを持った配送日時の指定等を促す仕組みの社会実装に向けた実証事業を実施
    • 政府広報やメディアを通じた意識改革・行動変容の促進強化
  • 商慣行の見直し
    • トラックGメンによる荷主・元請事業者の監視体制の強化(「集中監視月間」(11~12月)の創設)
      • 荷主による違反原因行為の調査を踏まえた「要請」等の集中実施、国土交通省及び荷主所管・法執行行政機関による連携強化
    • 現下の物価動向の反映や荷待ち・荷役の対価等の加算による「標準的な運賃」の引き上げ(年内に対応予定)
    • 適正な運賃の収受、賃上げ等に向け、次期通常国会での法制化を推進
      • 大手荷主・物流事業者の荷待ちや荷役時間の短縮に向けた計画作成の義務付け、主務大臣による指導・勧告・命令等
      • 大手荷主に対する物流経営責任者の選任の義務付け
      • トラック事業における多重下請け構造の是正に向け下請状況を明らかにする実運送体制管理簿の作成、契約時の(電子)書面交付の義務付け

内閣官房 デジタル行財政改革 課題発掘対話(第1回)
▼投影資料(戸ヶ崎教育長)
  • 利用者視点
    • ゴール
      • すべての子どものウェルビーイングと自己実現が確保され、社会的に包摂されること。
      • 社会経済的環境に起因する教育格差が是正され、社会的公正が実現されること。
    • 実現を阻む・阻んでいる要因
      • 子どもたちの多様な発達、アクティブラーナーにはなっていない子ども、様々な困難を抱える子ども(特別な配慮が必要な子ども、社会的経済的に厳しい環境にいる子ども、外国にルーツがある子ども等)の存在と教師による伴走的支援の必要性。
      • 上記の支援の難しさと教育予算の不足。
      • 教育DXの観点からは、ストレスフリーのWi-Fi環境等のハード面の未整備等、その学校間・地域間格差
  • 人口減少、人手不足
    • ゴール
      • 居住地等に関わらず、安心して学べる良質な公教育がすべての子どもに保障されること。
      • 公教育の担い手(教師等)が、十分に確保・処遇され、働きやすさと働きがいを両立されることで、そのウェルビーイングが担保されること。
      • 公教育の担い手に新たな学びが保障されることで、それを子どもに還元できるような好循環を生むこと。
    • 実現を阻む・阻んでいる要因
      • 勤務環境の課題:教員・支援スタッフの予算の不足、多すぎる業務、既存役割からの撤退への納得性調達の困難性。
      • 教師の勤務状況改善へ向けたデジタルの活用において、自治体間格差が存在(例:セキュリティが過剰に厳しい、クラウドの使用が認められない等)。
      • 環境のデジタル化が進んでおらず、教員が専門性の本丸である授業で勝負しきれない状況。
      • 校務システムが自治体間で異なることから、異動後の対応に苦慮する教員。
      • 教員が作成した指導案や教材等の共有と流通が、学校内、自治体内等で閉じており、十分に進んでいない実情。
  • デジタルでの社会変革
    • ゴール
      • 学齢期から一生涯にわたるオーダーメイドの学びの実現→自ら学び続ける人材。
      • テクノロジーを用いた学びとリアルな学び(含:自由で多様な実体験)、個別の学びと協働での学びのベストミックスによる新たな学びの実現。
      • 教師による専門的知見からの質的評価と、収集されたデータによる定量的評価を両輪として利活用することによる、個々の学びの充実。
    • 実現を阻む・阻んでいる要因
      • 学齢期に閉じ込められる学びの姿、労働市場との関係性。
      • ベストミックスによる新たな学びに必要なハード面の未整備等、その学校間・地域間格差。
      • データの不足。
      • データ利活用人材の不足と地域間格差。
      • 「やってみる」という試行錯誤土壌の欠如と格差←社会の目。

公安調査庁 国際テロリズム要覧2023
▼国際テロリズム要覧2023のポイント
  • 「国際テロリズム要覧2023」発行に当たって
    • ロシアによるウクライナ侵略やアフリカ各地で発生するクーデターに加え、各国による重要技術の確保に向けた取組等、国際社会が安全保障上重視すべき対象が拡大。国際テロの脅威も依然として世界各地に存在
    • 国連安保理制裁委員会においても、「コロナ禍」での各種制限の解除に伴う広範囲にわたる人的活動の再開による国際テロの脅威に対処することの重要性を指摘。こうした状況下、国際テロ組織等の活動が活発化する兆候が見受けられるほか、サイバー空間・先端技術を活用することにより、様々な場面でテロの脅威が存在
    • 「国際テロリズム要覧2023」では、専門用語等を脚注で詳しく説明するとともに、図表を効果的に活用することで、より一層読みやすさと分かりやすさの向上につながるようにして、最近のテロの情勢や脅威について国民の理解を深め、テロに対する危機意識を高めるよう情報発信
    • 日本人が海外でテロ被害に遭わないようにするため、国連安保理制裁委員会による制裁決議の対象である国際テロ組織等を網羅的に掲載し、組織の概要のほか、最近のテロや活動状況を記載
  • 2022年の国際テロ情勢
    • アフガニスタンが国際テロの起点となることへの懸念が継続
    • 世界各地で国際テロの脅威が継続
  • “二大国際テロ組織”の動向
    • ISILは、最高指導者の死亡が相次ぐも、組織の結束が維持されていることを誇示。アフリカの関連組織の勢力拡大も援護
    • 「アルカイダ」は、「タリバン」によるアフガニスタンの実権掌握後に声明等の発出件数を増加。影響力の維持・拡大を企図
  • 幹部の死亡が相次ぐ国際テロ組織のすう勢とその脅威
    • 国際テロを取り巻く環境が変化する中、2022年はISILと「アルカイダ」の最高指導者が共に死亡したとされる初めての年に。しかしながら、組織の解体に至らず。最高指導者死亡の影響については限定的との指摘
    • 米軍等のアフガニスタン撤退や各国の政情不安、ドローンやSNS等の技術を活用することによる活動空間の多様化等、国際テロ組織にとって、活動範囲を拡大し得る状況が新たに生じるなど、今後も様々な環境に適応しながら活動を続けていく状況
  • アフガニスタンが国際テロの起点となることへの懸念が継続
    • アフガニスタンにおいては、「タリバン」が2021年8月に実権を掌握して以降も、様々な国際テロ組織が活動を継続していると指摘
    • 「アルカイダ」については、協調する「タリバン」が、「アルカイダ」に自由に活動できる環境をもたらしているとの指摘
    • 「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)関連組織「ホラサン州」が、アフガニスタンを拠点に活動しており、国際テロ実行のための能力を向上させる可能性が指摘
  • 世界各地で国際テロの脅威が継続
    • 世界各地では、ISIL、同関連組織、「アルカイダ」関連組織等によるテロが継続
    • アフリカのサヘル諸国、ソマリア等では、ISIL及び「アルカイダ」の両関連組織がテロを頻発させ、治安の更なる悪化が懸念
    • イラク及びシリアでは、ISILが治安部隊や市民を狙ったテロを継続的に実行
    • アフガニスタンやパキスタンでは、「ホラサン州」が耳目を引くテロを実行
    • 東南アジア地域では、ISIL関連組織が、取締りを受けながらも、従来から拠点とするフィリピン南部を中心に活動を継続
    • 欧州では、ノルウェー首都オスロで、イスラム過激主義者とされる男によるテロが発生
  • 「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL):最高指導者の死亡が相次ぐも、組織の結束が維持されていることを誇示。アフリカの関連組織の勢力拡大も援護
    • 2022年中に2人の最高指導者が死亡するも、いずれも翌月に新最高指導者就任を発表。メンバーによる忠誠表明時の画像を公開
    • 最高指導者死亡に対する報復を呼び掛けた際(4月)には、自組織及び関連組織によるテロが一時的に増加
    • 度々呼び掛けてきた刑務所等襲撃によるメンバーの解放が各地で行われるなど、関連組織に対する影響力を維持していることを示したほか、アラビア語週刊誌で、アフリカの関連組織の活動を頻繁に取り上げ、その活動ぶりを称賛
    • イスラム教徒に対し、初めてアフリカへの移住を呼び掛け
  • 「アルカイダ」:「タリバン」のアフガニスタン実権掌握後に声明等の発出件数を増加。影響力の維持・拡大を企図
    • 協調関係にある「タリバン」がアフガニスタンの実権を掌握した2021年8月以降、減少傾向にあった声明等の発出件数を増加
    • 米国が、首都カブールの空爆により最高指導者アイマン・アル・ザワヒリを殺害したと発表(8月)。その後、声明等の発出は続くも、同人の生死に言及しない状態が継続
    • 機関誌では、ソマリアを拠点とする関連組織「アル・シャバーブ」の活動を称賛
  • 国際テロを取り巻く環境が変化する中、2022年は「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)と「アルカイダ」の最高指導者が死亡したとされる初めての年
    • 2021年、駐留米軍等がアフガニスタンから撤退。2022年には、駐留フランス軍がマリから撤退し、各国の国際テロ対策が、現地における直接的な対応から一部変化しつつある状
    • こうした国際テロを取り巻く環境が変化する中、ISILと「アルカイダ」の最高指導者を始めとする幹部が相次いで死亡したとされることは、各国の国際テロ対策の成果と評価
  • ISIL等は、組織の解体に至らず、依然各地でテロを継続。最高指導者死亡の影響については限定的との指摘
    • 最高指導者が死亡したとされる事態に対し、ISILは、関連組織に対して報復を呼び掛けるとともに、新最高指導者への忠誠表明を要求するなど、組織内の結束を維持しようとする動き。ISILによるテロは、報復の呼び掛けに呼応する形で一時的に増加。一方、「アルカイダ」は、最高指導者の生死に言及せずに宣伝活動を継続
    • 最高指導者が死亡したとされる中にあっても、両組織の関連組織は、テロを従前どおり実行。ISIL及び「アルカイダ」並びに各関連組織の活動への影響は限定的との指摘
  • ISIL等にとっては、活動範囲を拡大し得る状況が新たに生まれるなど、様々な環境に適応しながら活動を続けていく状況
    • アフガニスタンでは、「ホラサン州」が、駐留米軍等の撤退によって生まれた安全保障上の空白を利用。アフガニスタン発の国際テロの脅威を強める可能性も指摘。「アルカイダ」も、活動上の自由を享受
    • アフリカでは、ISILや「アルカイダ」の関連組織が、政情不安に起因する緊張を利用。ソマリアでは、警備が厳重な地域でのテロを実行するなど、テロ実行能力の高さを誇示。駐留フランス軍が撤退したマリでは、治安当局等へのテロを継続。両組織の指導部は、アフリカへの関心の高さを示し、関連組織による勢力拡大を援護
    • サイバー空間では、ISIL等の思想に共感しつつ自律的に宣伝活動を行う個人やグループが、テロ手法を始めとする各種の手法を指南
    • 固定翼型ドローンを用いた攻撃、NFT(非代替性トークン)を始めとするブロックチェーン技術を用いた資金調達活動等、先端技術の利用拡大が懸念されるとの指摘

内閣官房 新しい資本主義実現会議(第22回)
▼資料1 新しい資本主義の推進についての重点事項(案)
  • 経済対策
    • 以下の点を中心に、経済対策を立案する。
      • 足元の急激な物価高から国民生活を守るための対策
      • 地方・中堅中小企業等を含めた持続的賃上げ、所得向上の実現
      • 成長力の強化・高度化に資する国内投資促進
      • 人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革の起動・推進
      • 地方の成長を図る国土強靭化など国民の安全・安心の確保
    • 足元の急激な物価高から国民生活を守るための対策
    • 地方・中堅中小企業等を含めた持続的賃上げ、所得向上の実現
      • 減税措置
        • 中小企業等についての賃上げ税制について、繰越控除・措置の期限の在り方等減税措置の強化を検討する。
      • 予算その他の措置
        • 「年収の壁」を乗り越えるための支援を新たな最低賃金が動き出す来月から実施するとともに、正しい制度理解、認識の周知を図る。
        • 最低賃金については、さらに着実に引き上げを行っていく必要がある。政府としては、引き続き、公労使三者構成の最低賃金審議会で、毎年の賃上げ額についてしっかりと議論いただき、その積み上げにより2030年代半ばまでに全国加重平均が1,500円となることを目指す。
        • 中小・小規模企業の賃金引上げ及び人手不足解消のため、省人化(人手不足解消)・省力化(高いエネルギーコストの節約)投資への簡易で、即効性がある支援措置を実施する。
        • 地方においても賃上げが可能となるよう、中小・中堅企業が工場等の拠点を新設する場合、又は、大規模な設備投資を図る場合について、支援措置を実施する。
        • 最低賃金の継続的な引上げのため、事業再構築や業務改善等の中小・小規模企業向けの支援措置を充実する。
        • 保証料の上乗せ負担とこれに対する支援措置の検討を含め、経営者保証を不要とする信用保証制度の創設を、年度内に前倒しして実施する。
        • 内閣官房及び公正取引委員会は、労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針を年内に策定する。具体的には、
          • 労務費について取引価格に転嫁する取組方針を、発注者側は経営トップまで上げて決定し、その取組状況を定期的に経営トップに報告すること
          • 定期的に労務費の転嫁について受注者側との協議の場を設けること
          • 受注者側が準備する根拠資料は、負担にならないよう、当該地域の最低賃金の上昇率、春闘の妥結額の平均上昇率など公表資料を可能な限り用いること
            等により、取引適正化に向けた取組を強化する。
        • 同一労働・同一賃金制について、労働基準監督署による調査結果を踏まえ、基本給・賞与の差の根拠の説明が不十分な企業などについて、文書で指導を行い、経営者に対応を求めるなど、その施行を徹底する。
        • 職務給の導入のため、ジョブの整理・括り方、人材の配置・育成・評価方法、ポスティング制度、リ・スキリングの方法、従業員のパフォーマンス改善計画(PIP)、賃金制度、労働条件変更と現行法制・判例との関係、休暇制度等について事例を整理し、年内又は年度内に取りまとめる。この際、企業の実態に合った改革が行えるよう、自由度を持ったものとするとともに、中小・小規模企業等の導入事例も紹介する。
        • 職種別・エリア別に、賃金相場の前年との比較、求人数等について官民の求職・求人情報の共有化を本年度内に実施。処遇のよい職に助言できるよう、キャリアコンサルタント等へ情報共有を図るとともに、更にその充実を図る。
        • 非正規雇用労働者の正規化を加速化するため、有期雇用労働者等を正社員化する場合の支援措置を強化するとともに、対象となる有期雇用労働者の雇用期間の制限を緩和する。
        • 在職中の非正規雇用労働者のリ・スキリング支援を創設する。
        • 教育訓練給付の拡充策等について、年末までに結論を得る。
        • 省エネ効果の高い住宅の新築・リフォームや断熱窓・高効率給湯器への改修を支援する。
        • 資産運用業及びアセットオーナーシップの改革、並びに、資産運用業への新規参入と競争の促進等のため、資産運用立国にかかる政策プランを年内に策定する。
      • 成長力の強化・高度化に資する国内投資促進
        • 減税措置
          • 国内投資促進について、初期投資コスト及びランニングコストが高いため、民間として事業採算性に乗りにくいが、特段に国として戦略的に長期投資が不可欠となる投資を選んで、減税制度の創設を検討する。
          • 我が国においても、海外と比べて遜色なく民間による無形資産投資を後押しする観点から、特許権等の知的財産から生じる所得に対して優遇する減税制度の創設を検討する。
          • スタートアップのストックオプション関連の法制度や税制を早急に使い勝手のよいものとするため、株主総会から取締役会への委任内容の拡大等、会社法の特例を規定した法案の国会への提出を図る。また、ストックオプション税制の権利行使額の上限額の引き上げ等、減税措置の充実を検討する。
          • 企業の参入・退出を促進するため、親族や長く勤めた従業員が事業を承継する場合の事業承継税制について、減税措置に係る特例承継計画の申請期限の延長等を検討する。
        • 予算その他の措置
          • 全ての金融債権者の同意を必要とせず、多数決により金融債務の減額を可能にする事業再構築法案を早期に国会に提出する。
          • 社会的起業家を育成するため、インパクトスタートアップの認証制度における企業選定を年内早期に実施する。
          • AI用の計算資源や学習データが不足している状況に鑑み、その確保を図るとともに、利用・開発の促進を図る。
          • 民間企業・大学等による複数年度にわたる宇宙分野の先端技術開発や技術実証、商業化を支援する枠組みを設け、関連法案を早期に国会に提出する。
          • 認知症等のプロジェクト、先端半導体・蓄電池等の製造基盤の更なる拡大を進めるとともに、フュージョンエネルギー(核融合)についての支援措置を検討する。
      • 人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革の起動・推進
      • 地方の成長を図る国土強靭化など国民の安全・安心の確保
  • 本年6月16日に閣議決定した「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」で決定した事項の変革期間における早期かつ着実な実施
    • 人への投資・構造的賃上げと三位一体の労働市場改革
      • 三位一体の労働市場改革
        • ①リ・スキリングによる能力向上支援、②個々の企業の実態に応じた職務給の導入、③成長分野への労働移動の円滑化、の三位一体の労働市場改革を行い、構造的に賃金が上昇する仕組みを作っていく。
      • 目標
        • 同じ職務であるにもかかわらず、日本企業と外国企業の間に存在する賃金格差を、国ごとの経済事情の差を勘案しつつ、縮小することを目指す。また、転職により賃金が増加する者の割合が減少する者の割合を上回ることを目指す。
      • リ・スキリングによる能力向上支援
        • 国の在職者への学び直し支援策について、5年以内を目途に、過半が個人経由での給付が可能となるようにする。教育訓練給付に関しては、高い賃金が獲得できる分野、高いエンプロイアビリティの向上が期待される分野(IT、データアナリティクス、プロジェクトマネジメント、技術研究、営業/マーケティング、経営・企画、観光・物流等)について、補助率や補助上限の拡充について年末までに結論を得る。
        • 雇用調整助成金について、在職者によるリ・スキリングを強化するため、30日を超えるような雇用調整となる場合には、教育訓練を求めることを原則とし、例外的にその日以降に休業によって雇用調整を行う場合は助成率を引き下げる等の見直しを検討する。
      • 個々の企業の実態に応じた職務給の導入
        • 職務給の導入のため、ジョブの整理・括り方、人材の配置・育成・評価方法、ポスティング制度、リ・スキリングの方法、従業員のパフォーマンス改善計画(PIP)、賃金制度、労働条件変更と現行法制・判例との関係、休暇制度等について事例を整理し、年内又は年度内に取りまとめる。この際、企業の実態に合った改革が行えるよう、自由度を持ったものとするとともに、中小・小規模企業等の導入事例も紹介する。(再掲)
      • 成長分野への労働移動の円滑化
        • 失業給付制度について、自己都合で離職する場合は、求職申込後2か月ないし3か月は失業給付を受給できない。失業給付の申請時点から遡って例えば1年以内にリ・スキリングに取り組んでいた場合等について会社都合の場合と同じ扱いとする等、自己都合の場合の要件を緩和することとし、年末までに結論を得る。
        • 退職所得課税について、異なる企業への転職者が不利にならないよう、制度変更に伴う影響に留意しつつ、見直しを行う。
      • 適切な価格転嫁対策や下請取引の適正化の推進
        • 中小・小規模企業の賃上げ原資の確保のための適正な価格転嫁の慣行を定着させるため、公正取引委員会による特別調査の結果の公表など、取引適正化に向けた取組を一層強化する。
      • 国家公務員の育成・評価に関する仕組みの改革
    • GX・DX等への投資
      • レジリエンス上の日本の優位性と国内企業立地促進・高度外国人材の呼び込み
        • 国内企業立地促進の考え方と戦略分野
          • 半導体・蓄電池・バイオものづくり・データセンターといった戦略分野を中心とした投資を推進する。
        • 高度外国人材の呼び込み
          • 高度外国人材呼び込みに向けて、制度面も含めた課題の把握・検討を行い、必要な対応を行う。
      • GX・エネルギー安全保障
        • 「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略」に基づき、GXの実現を通して、エネルギー安定供給、産業競争力強化・経済成長、脱炭素を同時に実現するための取組を進める。
          • エネルギー安定供給の確保を大前提としたGXに向けた脱炭素の取組
          • 「成長志向型カーボンプライシング構想」の実現・実行
          • 国際展開戦略
          • 社会全体のGXの推進
        • 市場のライフサイクル全体で資源を効率的・循環的に有効利用する循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行を産官学で連携して進める。
      • 食料安全保障
        • 「食料・農業・農村政策の新たな展開方向」に基づき、食料・農業・農村基本法の改正法案を本年度中に国会へ提出することに向け、見直しの作業を加速する。
          • 「平時から」の食料安全保障の確立
          • 農林水産業の「グリーン化」
          • 農林水産物・食品の「輸出拡大」
          • 「スマート」農林水産業
      • AI
        • 国際的な議論とリスクへの対応
          • 個人情報の不適切な利用、セキュリティに関する不安、偽情報・誤情報による混乱、著作権侵害のおそれ等、AIに関する多様なリスクに関して、検討し対応する。
        • AIの利用の促進
          • 政府機関での生成AIの活用は、機密情報漏洩等のリスクがある一方で業務効率化等に有効な可能性もあり、試験的な利用等を開始し、知見を集積し、共有する。
      • DX
        • Web3.0の推進に向けた環境整備を図るとともに、ポスト5G、6Gの実現を図る。
        • 地理空間情報を用いた建築・都市のDXの加速等、DX投資促進に向けた環境整備を図る。
      • 官民連携による科学技術・イノベーションの推進
        • 量子技術
          • 量子コンピュータ、量子暗号通信、それらの基盤技術についての研究開発等。
        • 健康・医療
          • 認知症等の脳神経疾患の発症・進行抑制・治療法の開発。また、ゲノム創薬をはじめとする次世代創薬の推進。
        • フュージョンエネルギー(核融合)
        • 国立研究機関による研究開発力の強化
        • 大学ファンドによる支援
        • 国際的な人的ネットワークや研究成果へのアクセスの確保
        • 博士課程学生・若手研究者への支援等
      • クリエイターへの支援
        • アニメ・ゲーム・エンターテイメント・漫画・映画・音楽・放送番組等の分野について、来春に向けて、慣行是正を含め、官民連携で一体的な施策の検討を行う。
    • 企業の参入・退出の円滑化とスタートアップ育成5か年計画の推進
      • スタートアップ育成5か年計画の推進
        • スタートアップへの投資額に着目し、「スタートアップ育成5か年計画」の実施により、5年後の2027年度に10倍を超える規模(10兆円規模)とすることを大きな目標に掲げて、①スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築、②スタートアップのための資金供給の強化と出口戦略の多様化、③オープンイノベーションの推進、の3本柱の取組を官民一体で進める。
        • メンターによる支援事業の拡大・横展開、海外における起業家育成、グローバルスタートアップキャンパス構想等を進める。
        • ベンチャーキャピタルへの出資機能の強化等を行う。
        • オープンイノベーション促進税制の適用期間延長等の検討、副業・兼業の推奨等を行う。
      • 事業不振の場合の総合的な支援策
        • 企業経営者が、事業不振の際に、M&A・事業再構築・事業承継・廃業等の幅広い選択肢について、早い段階から専門家に相談できる体制を、全国にある中小企業支援実施機関の体制整備も含めて、構築する。あわせて、事業承継税制の延長・拡充を検討する。
    • 社会的課題を解決する経済社会システムの構築
      • インパクトスタートアップの認証制度の創設と認定企業への公共調達での優遇措置の導入、インパクト投資の手法等を具体化するコンソーシアムの設置等、インパクトスタートアップへの総合的な支援策の推進。
      • 競争当局のアドボカシー(唱導)機能の強化。
      • コンセッション(PPP/PFIを含む)の強化。
    • 資産所得倍増プランと分厚い中間層の形成
      • 資産所得倍増プランの推進
        • 第一に、投資経験者の倍増を目指す(5年間で、NISA総口座数(一般・つみたて)を1,700万から3,400万へと倍増させることを目指して制度整備を図る)。第二に、投資の倍増を目指す(5年間で、NISA買付額を28兆円から56兆円へと倍増させる)。
        • 新しいNISA制度(来年1月)の開始に向けた対応を進める。
        • 消費者に対して中立的で信頼できるアドバイスの提供を促すための仕組みの創設をすすめる。
        • 金融経済教育の充実。
        • 世界に開かれた国際金融センターの実現。
      • 資産運用立国に向けた取組の促進
    • 経済社会の多極化
      • デジタル田園都市国家構想の実現
        • デジタル田園都市国家の実現に向けた基盤整備・中山間地の生活環境改善
          • 規制・制度の一括改革、光ファイバ・5G等のデジタルインフラの整備、中山間地の生活環境改善等を行う。
        • デジタル田園都市国家を支える地域交通、ヘルスケア、教育の整備
          • 自動運転・ドローン等の社会実装、地域公共交通のリ・デザイン、地域包括ケアシステムの整備、GIGAスクール構想の推進等。
        • デジタル田園都市国家構想の前提としての安心の確保
          • 広域交通インフラの整備、持続可能な地域経済社会の実現等を行う。
    • 日本の魅力を活かしたインバウンドの促進
      • 観光立国推進基本計画に基づき、2025年より早期にインバウンド消費5兆円、国内旅行消費額20兆円を達成する。また、狭義の観光に加え、文化芸術、スポーツでの取組を進める。
    • 個別分野の取組
      • 宇宙
      • 海洋
      • 対外経済連携の促進
      • グローバルヘルス(国際保健)
      • 福島をはじめ東北における新たな産業の創出

内閣官房 全世代型社会保障構築本部(第9回)議事次第
▼資料1 いわゆる「年収の壁」への当面の対応について(別紙)年収の壁・支援強化パッケージ
  • はじめに
    • 「こども未来戦略方針~次元の異なる少子化対策の実現のための「こども未来戦略」の策定に向けて~」(令和5年6月13日閣議決定)では、持続的な成長を可能とする経済構造を構築する観点から「成長と分配の好循環」(成長の果実が賃金に分配され、セーフティネット等による暮らしの安心の下でそれが消費へとつながる)等の実現を目指すこととされている。
    • 今年は30年ぶりの高い水準での賃上げであった。また、地域別最低賃金額の全国加重平均は1004円となり、政府目標1000円を達成した。
    • こうした中、中小企業・小規模事業者も含め賃上げしやすい環境の整備に取り組むとともに、フルタイム労働者だけではなく、短時間労働者にもこのような賃上げの流れを波及させていくためには、本人の希望に応じて可能な限り労働参加できる環境が重要である。
    • 併せて、我が国では、2040年にかけて生産年齢人口が急減し、社会全体の労働力確保が大きな課題となる。既に、企業の人手不足感は、コロナ禍前の水準に近い不足超過となっており、人手不足への対応は急務である。
    • 本人の希望に応じて可能な限り労働参加できる環境づくりは、こうした人手不足への対応にもつながるものである。
  • 現状と課題解決の方向性
    • 労働者の配偶者で扶養され社会保険料の負担がない層のうち約4割が就労している。その中には、一定以上の収入(106万円または130万円)となった場合の、社会保険料負担の発生や、収入要件のある企業の配偶者手当がもらえなくなることによる手取り収入の減少を理由として、就業調整をしている者が一定程度存在する。
    • こども未来戦略方針においても、「いわゆる106万円・130万円の壁を意識せずに働くことが可能となるよう、短時間労働者への被用者保険の適用拡大、最低賃金の引上げに引き続き取り組む。」、「こうした取組と併せて、人手不足への対応が急務となる中で、壁を意識せずに働く時間を延ばすことのできる環境づくりを後押しするため、当面の対応として、(中略)支援強化パッケージを本年中に決定した上で実行し、さらに、制度の見直しに取り組む。」とされている。
    • このため、当面の対応として、本年10月から、
      • 106万円の壁への対応((1)キャリアアップ助成金のコースの新設(2)社会保険適用促進手当の標準報酬算定除外)
      • 130万円の壁への対応((3)事業主の証明による被扶養者認定の円滑化)
      • 配偶者手当への対応((4)企業の配偶者手当の見直し促進)
        を進め、年収の壁を意識せずに働くことのできる環境づくりを後押しするとともに、さらに、制度の見直しに取り組む。
    • このほか、設備投資等により事業場内最低賃金の引上げに取り組む中小企業等に対する助成金(業務改善助成金)の活用も促進する。
  • 具体策
    • 106万円の壁への対応
      • キャリアアップ助成金のコースの新設
        • 短時間労働者が、被用者保険に加入して働き続けることは、当該労働者の処遇改善や本人のキャリアアップにつながり得るとともに、当該労働者が就業調整をせず働くことで企業の人材確保にもつながる。実際、企業独自に年収の壁を超える際の労働者負担分の保険料の補助を実施することを契機として、短時間労働者の業務の幅が広がり、より基幹的な労働者として活躍し、企業の生産性向上につながった例も存在する。
        • このため、キャリアアップ助成金を拡充し、短時間労働者が新たに被用者保険の適用となる際に、労働者の収入を増加させる取組を行った事業主に対して、複数年(最大3年)で計画的に取り組むケースを含め、一定期間助成(労働者1人当たり最大50万円)を行うこととする。
        • 助成対象となる労働者の収入を増加させる取組には、賃上げや所定労働時間の延長のほか、被用者保険の保険料負担に伴う労働者の手取り収入の減少分に相当する手当(社会保険適用促進手当)の支給も含めることとする。また、支給申請に当たって、提出書類の簡素化など事務負担を軽減する。
      • 社会保険適用促進手当の標準報酬算定除外
        • 短時間労働者への被用者保険の適用を促進する観点から、被用者保険が適用されていなかった労働者が新たに適用となった場合に、事業主は、当該労働者に対し、給与・賞与とは別に「社会保険適用促進手当」を支給することができることとする。
        • 当該手当などにより標準報酬月額・標準賞与額の一定割合を追加支給した場合、キャリアアップ助成金の対象となり得る。
        • また、被用者保険の適用に係る労使双方の保険料負担を軽減する観点から、社会保険適用促進手当については、被用者保険適用に伴う労働者本人負担分の保険料相当額を上限として、最大2年間、当該労働者の標準報酬月額・標準賞与額の算定に考慮しないこととする。
          • ※同一事業所内において同条件で働く他の労働者にも同水準の手当を特例的に支給する場合には、社会保険適用促進手当に準じるものとして、同様の取扱いとする。
    • 130万円の壁への対応
      • 事業主の証明による被扶養者認定の円滑化
        • 被用者保険の被扶養者の認定に当たっては、認定対象者の年間収入が130万円未満であること等が要件とされているが、一時的に収入が増加し、直近の収入に基づく年収の見込みが130万円以上となる場合においても、直ちに被扶養者認定を取り消すのではなく、総合的に将来収入の見込みを判断することとしている。
        • 被扶養者認定においては、過去の課税証明書、給与明細書、雇用契約書等を確認することとしているところ、一時的な収入の増加がある場合には、これらに加えて、人手不足による労働時間延長等に伴う一時的な収入変動である旨の事業主の証明を添付することで、迅速な認定を可能とする。
    • 配偶者手当への対応
      • 企業の配偶者手当の見直し促進
        • 収入要件がある配偶者手当の存在が、社会保障制度とともに、就業調整の要因となっている。その見直しに向けては、労働契約法や判例等に留意した対応が必要であるとともに、企業等が見直しの必要性・メリット・手順等の理解を深めることが必要。
        • このため、令和6年春の賃金見直しに向けた労使の話合いの中で配偶者手当の見直しも議論され、中小企業においても配偶者手当の見直しが進むよう、見直しの手順をフローチャートで示す等わかりやすい資料を作成・公表する。
        • 収入要件のある配偶者手当が就業調整の一因となっていること、配偶者手当を支給している企業が減少の傾向にあること等を各地域で開催するセミナーで説明するとともに、中小企業団体等を通じて周知する

内閣官房 第1回 インボイス制度円滑実施推進に関する関係閣僚会議 議事次第
▼資料1 登録申請の状況等(財務省提出資料)
  • 課税事業者(約300万者)の約97%(約292万者)が申請。免税事業者も111万者程度が申請
  • 課税事業者300万者
    • 約97%がインボイス発行事業者として登録申請済み(システム対応や取引先との調整等も進捗)
    • BtoC取引の場合、買手(消費者)はインボイス不要(売手はインボイス発行事業者の登録不要)
    • 登録をしていない課税事業者の大半は飲食・小売等といったBtoC事業者が占めている
  • 簡易課税事業者(課税事業者の4割弱)はインボイスなしで仕入税額控除が可能(買手としての対応は不要)
  • 免税事業者460万者
    • 農協が事業者に代わってインボイスを発行可能(免税事業者のままで可
    • BtoC取引の場合、買手(消費者)はインボイス不要(売手は免税事業者のままで可)
    • 課税転換する免税事業者の税負担を売上税額の2割に軽減 ※売上500万円の場合、初年度の税負担は2.5万円程度に軽減される。
    • IT導入補助金や持続化補助金(50万円上乗せ)による支援
    • 公取等による監視(課税転換を求める場合、明示的な価格交渉が必要。一方的な価格の据え置きは独禁法等に違反)
    • 相手が簡易課税事業者(売上5千万円以下)や免税事業者の場合、インボイス不要
    • 免税事業者から仕入れた場合でも、当面は8割の仕入税額控除が可能
    • 公取等による監視(課税転換の強要、一方的な値下げや取引の停止等は、独禁法等に違反)
    • 免税事業者に対し、「登録を必要としない、これまで通りの条件で取引を継続する」と表明する企業も(住宅、保険、出版、スポーツクラブ等)
  • インボイス制度への移行に当たっての事業者支援策
    • 相談体制の強化
      • 事業者の相談に対して丁寧に対応できるよう、インボイスコールセンターを設置
      • 中小企業へ経営支援を行っているよろず支援拠点、商工会議所、商工会等の支援機関の経営相談体制を抜本的に強化し、相談対応を実施
      • 免税事業者からの相談受付窓口を設置し、相談内容に応じ、税理士(税務相談)や、支援機関等(経営相談、補助金の案内)が対応する枠組みを、中企庁補助事業にて立ち上げ
      • 税務署において、各事業者の事業実態を聴取し、登録要否の検討をサポートする相談会を開催
      • 関係各省庁において、所管業界に対する周知広報計画を策定の上、きめ細かく事業者をサポート
      • 地銀、信金、信組において、取引先企業に対するセミナーの開催
    • 税制措置
      • 課税転換する免税事業者の税負担を売上税額の2割に軽減(R5改正)
      • 少額取引に係る事務負担軽減策(1万円未満はインボイス不要)を措置(R5改正)
      • 免税事業者から仕入れた場合でも、当面は8割の仕入税額控除が可能
    • 予算措置
      • IT導入補助金:大企業も含む発注者が取引先の中小企業等に受発注ソフトを利用させる場合にも対象拡大
      • 持続化補助金:課税転換した場合に50万円上乗せ
    • 取引環境の整備
      • 独禁法等のQ&Aの公表、6,000を超える業界団体への法令遵守要請を実施
      • 下請けGメンや書面調査による状況把握や発注者側への注意喚起等を実施

【2023年9月】

警視庁 あなたの街の少年犯罪
  • 令和5年6月末における都内での刑法犯認知件数は、4万1,533件で、前年同期と比べて4,870件(13.3パーセント)増加しています。
  • また、刑法犯少年の検挙・補導人員は、1,592人で、前年同期と比べて161人(11.3パーセント)増加しました。
  • 街頭犯罪の認知件数は、1万4,012件で、3,000件(27.2パーセント)増加し、街頭犯罪における少年の検挙・補導人員は、219人で、33人(17.7パーセント)増加しました。
  • 特に街頭犯罪のうち、少年の検挙・補導人員の占める割合が高い罪種は、オートバイ盗(84.8パーセント)、部品ねらい(50.0パーセント)でした。
  • 検挙・補導人員における少年の割合(令和5年6月末)
    1. 刑法犯罪
      • 刑法に規定する罪のことで、殺人・強盗・恐喝・窃盗・詐欺・性犯罪などを計上しています。
      • 総検挙 11,213人
      • 成人 9,621人(85.8パーセント)
      • 少年 1,592人(14.2パーセント)
    2. 街頭犯罪
      • 街頭で発生する犯罪のうち、「路上強盗・ひったくり・自動車盗・オートバイ盗・自転車盗・車上ねらい・部品ねらい・自動販売機ねらい」を計上しています。
      • 総検挙 602人
      • 成人 383人(63.6パーセント)
      • 少年 219人(36.4パーセント)
    3. 刑少年
      • 20歳に満たない者をいいます(男女の別は問いません)。
  • 少年犯罪の状況
    • 刑法犯少年の検挙・補導人員は、平成22年以降、減少傾向で推移していたところ、令和4年から増加傾向に転じ、令和5年6月末の時点では、ひったくり等の街頭犯罪についても増加傾向にあります。オレオレ詐欺等の特殊詐欺については、令和5年6月末の時点で検挙・補導された少年は49人で、前年同期比26人減少し、少年が占める割合も13.7パーセントと減少してはいるものの、闇バイトへの少年の関与が大きな社会問題となっています。最近の特異な検挙事例としては、以下のようなものがあります。
      • 息子の先輩を装って現金190万円が入った紙袋をだまし取った詐欺事件
      • ガムテープで両手首、両足首を拘束して金庫を奪い取ろうとした強盗未遂事件
      • カッターナイフを使用するなどして脅迫し、現金を奪った強盗事件
      • 高級腕時計店に侵入して脅迫するなどし、腕時計などを奪った強盗・邸宅侵入事件
      • 医療費還付金を名目に現金を振り込ませ、だまし取るなどした電子計算機使用詐欺・窃盗事件
      • 休業支援金・還付金を少年などに不正申請させ、現金をだまし取った詐欺事件
      • 異性との交際を巡るトラブルで知人を殴るなどした傷害事件
      • 通行中の男性に対して因縁を付けて殴る蹴るなどした傷害事件
      • 自動二輪車で走行中の男性らに因縁を付けて現金などを脅し取った恐喝事件
      • 営利目的で大麻を所持した大麻取締法違反事件
      • 暴力を加えて脅迫し、海へ飛び込ませた強要事件
      • 警察署に対し消火剤を噴射するなどした建造物損壊・威力業務妨害事件
    • 警視庁では、こうした犯罪の発生警察署に本部の捜査員を派遣して、集中的な取締りを行うとともに、少年被疑者の立ち直りに対する支援を推進しています。
  • 令和5年6月末現在の主な検挙事例
    • 特殊詐欺関連
      • 息子の先輩を装って現金190万円が入った紙袋をだまし取った少年らを検挙
        • 赤坂署は、静岡県静岡市内所在の男性方に息子を装って電話をかけ、至急現金が必要である旨のうそを言い、息子の先輩になりすまして被害者宅において、現金190万円が入った紙袋をだまし取るなどした少年3人(無職2人、会社員1人)を詐欺罪及び詐欺未遂罪で検挙しました。
    • 凶悪犯
      • ガムテープで両手首、両足首を拘束して金庫を奪い取ろうとした成人を検挙
        • 小松川署は、江戸川区所在の被害者宅玄関を破壊して侵入した後、被害者に「金庫はどこにある。」などと脅迫し、ガムテープで両手首、両足首を拘束して金庫を奪い取ろうとした成人1人(アルバイト・犯行時少年)を強盗未遂罪で検挙しました。
      • カッターナイフを使用するなどして脅迫し、現金を奪った少年らを検挙
        • 深川署、東京湾岸署、杉並署、向島署は、江東区内居住の被害者を呼び出して車に乗せて走行するなどしながら、「お前には選択肢がある、友達から金借りるか、家族や女さらうか、ヤミ金から20万借りるか、ぶっとばされるか。」などと脅迫し、さらにカッターナイフを突き付けるなどして、現金合計9万円を奪った少年4人(無職2人、アルバイト1人、会社員1人)を強盗罪で検挙しました。
      • 高級腕時計店に侵入して脅迫するなどし、腕時計などを奪った少年らを検挙
        • 築地署、赤坂署は、中央区内所在の高級腕時計店において、店員らに対し、ナイフ様のものを示して「伏せろ、殺すぞ。」などと脅迫し、所持していたバール様のものでショーケースを叩き割り、腕時計など74点(販売価格合計3億856万4,000円相当)を奪って逃走した後、港区内のマンション内に侵入した少年4人(無職2人、アルバイト1人、高校生1人)を強盗罪及び邸宅侵入罪で検挙しました。
    • 詐欺犯
      • 医療費還付金を名目に、現金を振り込ませるなどした成人らを検挙
        • 新宿署、池袋署は、医療費の還付金名目で金銭をだまし取ろうと考え、市役所職員などになりすまして電話で指示し、福岡県福岡市内に設置された現金自動預払機から被疑者らが管理する預金口座に49万8,568円を振込送金する操作を行わせ、更に同日台東区内に設置された現金自動預払機で現金合計295万6,000円を引き出して盗んだ成人2人(無職1人、会社員1人・犯行時少年)を電子計算機使用詐欺罪及び窃盗罪で検挙しました。
      • 休業支援金・還付金を少年などに不正申請させ、現金を振り込ませた成人らを検挙
        • 立川署は、厚生労働省が所管し、東京労働局が給付する新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金名目で金銭をだまし取ろうと考え、少年などを受給請求者として利用して不正申請させ、現金合計293万5,900円を振り込ませた成人2人(無職1人、飲食店従業員1人)を詐欺罪で検挙しました。
    • 粗暴犯
      • 異性との交際を巡るトラブルで知人を殴るなどした少年らを検挙
        • 西新井署は、足立区内の公園内に呼び出して正座をさせた上、「ヤキを入れるから手を出して。」などと脅し、腕にたばこの火を押し付け、更に顔面などを多数回にわたって平手打ちするなどの暴行を加え、全治不明の両上肢熱傷及び14日間の通院加療を要する左頬部打撲、左下顎部打撲などの傷害を加えた少年5人(高校生4人、無職1人)を傷害罪で検挙しました
      • 通行中の男性に対して因縁を付けて殴る蹴るなどした少年らを検挙
        • 小金井署は、小金井市内の歩道などを通行中の被害者に対し、「おい、何見てんだよ。」などと因縁を付けた後、左足を足蹴りして腹部を殴るなどの暴行を加え、走って逃げた被害者を追いかけて捕まえ、顔面、腹部などを殴る蹴るなどした上、更に走って逃げた被害者を追いかけて首を絞めるなどの暴行を加え、全治2週間程度を要する顔面打撲、左眼球打撲傷などの傷害を加えた少年2人(無職1人、高校生1人)を傷害罪で検挙しました。
      • 自動二輪車で走行中の男性らに因縁を付けて現金などを脅し取った少年らを検挙
        • 浅草署、池袋署、下谷署、蔵前署、荒川署、亀有署、小岩署は、台東区内の路上を走行中の被害者らに対し、「どこ走ってるのかわかってんのか。」などと因縁を付け、手拳やヘルメットで被害者らの顔面を数発殴打するなどの暴行を加えた上、自動二輪車や財布などを差し出すよう要求し、現金合計1万2,000円及び自動二輪車7台など62点(時価合計241万3,800円相当)を脅し取った少年5人(無職2人、清掃業2人、内装工1人)を恐喝罪で検挙しました。
    • その他
      • 営利目的で大麻を所持した少年らを検挙
        • 千住署、綾瀬署、蔵前署、南千住署は、埼玉県さいたま市内のアパート内において、営利目的で大麻を含有する乾燥植物片約58グラムを所持した少年6人(無職2人、アルバイト1人、契約社員1人、高校生1人、大学生1人)を大麻取締法違反で検挙しました。
      • 暴力を加えて脅迫し、海へ飛び込ませた少年らを検挙
        • 品川署は、品川区内の公園内において、被害者の胸や腹などに暴行を繰り返した上、「タイマンするか、海に入るか選べ。」などと脅迫し、海に入ることを選択させて飛び込ませ、義務のないことを行わせた少年3人(高校生3人)を強要罪で検挙しました。
      • 警察署に対し消火剤を噴射するなどした少年らを検挙
        • 昭島署は、警察署の正面玄関付近において、消火器の消火剤を噴霧した後、打ち上げ花火数発を連続で発射し、更に1階正面玄関自動ドアに消火器を投げ付けて強化透明ガラス1枚を割って壊し、警察官に付近一帯の警戒活動を行わせて業務の妨害をした少年3人(飲食店従業員1人、アルバイト1人、解体工1人)を建造物損壊罪及び威力業務妨害罪で検挙した。

財務省関東財務局 FTX Japan株式会社に対する行政処分について
  • FTX Japan株式会社(本社:東京都千代田区、法人番号:7010401115356、以下「当社」という。)に対して令和5年6月9日付で発出した資産の国内保有命令の期限が令和5年9月9日に到来するものの、当社は、親会社であるFTX Trading LimitedによるFTXグループ会社に係る米国連邦破産法第11章手続の対象に含まれている状況であり、当社の資産が国外の関連会社等に流出し、投資者の利益が害されるといった事態を招かぬよう、引き続き、万全を期する必要がある。
    • 当社のこうした状況は、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。以下「法」という。)第56条の3に定める「公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認める場合」に該当するものと認められる。
  • 以上のことから、本日、当社に対し、法第56条の3の規定に基づき、下記のとおり行政処分を行った。なお、令和4年11月10日付で命じた法第51条の規定に基づく業務改善命令は継続している。
  • 資産の国内保有命令
    • 令和5年9月10日から令和5年12月9日まで、各日において、当社の貸借対照表の負債の部に計上されるべき負債の額(保証債務の額を含む)から非居住者に対する債務の額を控除した額に相当する資産を国内において保有すること(公益又は投資者保護の観点から問題がないものとして、当局が認めた場合を除く)。

内閣官房 新しい資本主義実現会議(第21回)
▼資料1 基礎資料
  • 2023年4-6月期GDP1次速報値によれば、実質国内総生産(GDP)は、前期比1.5%、年率換算6.0%増で3四半期連続の成長。内容的には、民間最終消費支出が物価高の影響等で前期比-0.5%と弱含み。民間企業設備投資も前期比0.0%で横ばい。4-6月期を牽引したのは外需(半導体の供給制約が緩和された自動車の輸出増とインバウンド(訪日外国人)の回復(輸出に分類される)がプラスに働き、前期比で3.2%プラス。輸入は、原油などの鉱物性燃料やコロナワクチン等の医薬品、携帯電話の減少が貢献し4.3%マイナスで、対前期比+1.8%の寄与度)。内需主導の経済への移行が鍵。
  • 我が国経済は、コロナ禍からの回復傾向にあり、潜在GDPと実際のGDPの差であるデフレギャップは縮小傾向にある(2023年1-3月期のデフレギャップは0.7%(4兆円、内閣府公表))。
  • 連合の調査によると、2023年の賃上げ率は3.58%、中小企業に限った賃上げ率は3.23%となった。
  • 経団連の調査によると、2023年の大手企業(従業員500人以上)の賃上げ率は3.99%となった。
  • 厚生労働省の調査によると、2023年の民間主要企業の賃上げ率は3.60%となった
  • 消費者物価指数は2022年以降増加傾向にあり、直近の2023年7月では、最低賃金審議会の議論等で用いる「持ち家の帰属家賃を除く総合」は3.9%の上昇率である。
  • 企業間で売買される物品の価格変動を示す指標である企業物価指数については、2023年に入ってから、資源価格の下落等を背景に、前年同月比の上昇率が縮小し、2023年7月には3.6%となった。
  • 2022年は名目雇用者報酬は増加しているものの、消費者物価も増加した結果、名目雇用者報酬と実質雇用者報酬の差が拡大した。足下の2023年4~6月期では、実質雇用者報酬が四半期ベースの対前期比で0.6%増加しており、2021年7~9月期以降、7四半期ぶりのプラスの増加率になった。来年以降も消費者物価上昇に負けない名目雇用者報酬増が必要。
  • 名目賃金・実質賃金の推移を見ると、1991年から2020年にかけて、名目賃金については、米国は2.79倍、英国は2.66倍の上昇に対し、日本は1.11倍。実質賃金については、米国は1.47倍、英国は1.44倍の上昇に対し、日本は1.03倍。
  • 2023年度の最低賃金額(全国加重平均)は1,004円(引上げ額は43円で、引上げ率は4.5%)になった。目指していた「全国加重平均1,000円」を達成。43円は、過去最高の引上げ額(2022年度の31円も過去最高)。中央最低賃金審議会は1,002円の目安(A:41円、B:40円、C:39円)を示していたが、目安額を上回る引上げを行った県が24県あり+1円。2021年国勢調査(2023年6月27日公表)の結果による、全国加重平均の算定に用いる都道府県別の労働者数の更新により+1円となり、1,004円となった。
  • 購買力平価で実質化した最低賃金額を比較すると、我が国は、2022年に8.5ドルまで上昇したが、欧州諸国や韓国より低い水準にある
  • 民間企業設備投資については、名目値は2020年度以降伸びる傾向にあるものの、実質値の伸び率はさほど高くない。
  • 米国バイデン政権は、インフレ抑制法を2022年8月に成立させた。戦略分野の技術の製造投資に対し、稼働後10年間にわたって毎年の生産量等に応じて一定額を税額控除する等の措置を実施。EUでも、同様にフォン・デア・ライエン欧州委員長がEU国家補助規制改正等を提示し、グリーンディール産業計画を公表。
▼資料2 論点案
  • 我が国の実質国内総生産は4-6月期の速報値で年率換算6%の成長率。3四半期連続の成長であり、コロナ禍からの回復傾向にある。他方で、内容的には、消費が物価高の影響等でー0.5%と弱含み。民間企業設備投資も前期比0.0%で横ばいであり、内需が不安定な状況。新しい資本主義との関係では、春闘及び構造的賃上げによる実質雇用者報酬の改善の継続と、これによる消費拡大を見込む民間設備投資の向上を中心とした民需主導の経済への移行が鍵ではないか。
  • デフレギャップが縮小しつつあることを考えると、供給力の向上が重要ではないか。すなわち、(1)いかに能力を勘案した投入労働を上昇させるか((1)リ・スキリングによる能力向上、(2)新たな人材マネジメントへの改革、(3)成長分野への労働移動の円滑化)、(2)いかに投入資本を上昇させるか((1)国内民間投資促進、(2)社会インフラの整備)、加えて、(3)いかに生産性を上昇させるか=イノベーションを進めるか((1)スタートアップ振興・労働移動円滑化など企業の参入・退出円滑化、(2)創造性を喚起するエコシステムへの構造改革)といった点が論点になるのではないか。
  • 労働力については、第一に、人口減少による労働供給の不足が日本経済の成長を制約しつつあるのではないか。我が国の労働生産性=就業1時間あたりの付加価値は5,006円で、米国の6割弱、OECD38か国中27位。これを改善するため、人への投資を促進するとともに、中小企業の省力化投資を支援していく必要があるのではないか。
  • 第二に、我が国の労働者のエンゲージメント(労働者の士気・熱意)は他の主要国と比較して低い水準にある(士気・熱意がある従業員の割合は世界平均20%に対して日本は5%)。若手も適材適所で抜擢される、ベテランも、50歳後半での役職定年、60歳以降の継続雇用といった年齢による一律の雇用制度から、やる気とスキルさえあれば、活躍の機会が得られるよう、ジョブ型の人材マネジメントなどへと改革していく必要があるのではないか。
  • 第三に、消費を回復させるためには低迷してきた我が国の実質賃金水準を引き上げていく必要があるのではないか。またDXやGXなどの潮流が労働需要や必要とされるスキルを大きく変化させ、産業の入れ替わりのサイクルも短期化することも勘案し、生涯を通じて新たなスキルの獲得に努めれば、やりがいのある仕事と高い賃金を得られる社会に移行する必要があるのではないか。その際、リ・スキリングについては、離職期間中だけではなく、働きながら取り組む制度や慣習を定着させていく必要があるのではないか。
  • 最低賃金については、本年、全国加重平均1,000円を達成したところ(1,004円)。最低賃金法に定める3要件の状況を公労使三者構成の審議会で毎年審議しながら、国際的な水準等にも鑑み、更なる引上げを行っていく必要があるのではないか。
  • 賃金・最低賃金の引き上げについては、中小・小規模企業の労務費の転嫁が1つの鍵になるため、政府・公正取引委員会は実態調査の結果をとりまとめ、年内に詳細な労務費の転嫁指針を公表すべきではないか。また、人手不足の中小・小規模企業の労働生産性向上のため、省力化・省人化投資の支援の強化が必要ではないか。
  • 物価上昇の中で、特に処遇水準が低い方々のため、非正規雇用労働者の正規化促進を図るとともに、このための支援制度を強化すべきではないか。
  • 国内投資促進について、米国・欧州等では、初期投資コスト及びランニングコストが高いが国として戦略的に長期投資が必要となる分野について、国内立地・投資を促進するため、インフレ抑制法(米国)やグリーンディール産業計画(EU)といった制度を設けつつある。我が国においても、国として戦略的に重要な分野であるにも関わらず、初期投資コスト・ランニングコストが高いため民間での事業採算性に乗りにくい分野の中で、特段に国として不可欠な投資を選んで、税制等で集中的に支援する制度を検討すべきではないか。
  • 併せて、賃上げのためにも、地方で中小企業・スタートアップ等による工場立地を加速するため、支援制度の充実や規制制度の見直しについて検討すべきではないか。
  • AIの利用・開発の促進や先端半導体等の製造基盤の更なる拡大を進めていくべきではないか。サーキュラーエコノミーへの移行を進めていくべきではないか。
  • イノベーションを加速するため、スタートアップのストックオプション関連の法制度や税制を早急に使い勝手の良いものにすることが必要ではないか。
  • 利益の源泉たるイノベーションについても国際競争が進んでいる。ヨーロッパ等では、研究開発拠点の国内立地を促進するため、特許権やソフトウェアといった知的財産から生じる所得について優遇税制を適用する制度を導入しており、OECDも、自国で研究開発が行われたものであれば、知的財産から生じる所得に対する税制優遇を許容している。我が国においても、海外と比べて遜色なく民間による無形資産投資を後押しする観点から、知的財産の創出に向けた研究開発投資を促すための税制面の検討をすべきではないか。
  • 企業の参入・退出を促進するため、親族や長く務めた従業員が事業を承継する場合の事業承継税制について、延長・拡充を検討すべきではないか。また、M&A・事業承継等の幅広い選択肢について、早い段階から相談・支援できる体制を整えるべきではないか。
  • 社会的起業家を育成するため、インパクトスタートアップの認証制度における企業選定を年内早期に実施すべきではないか。
  • アニメ・ゲーム・エンターテイメント・漫画・映画・音楽・放送番組等の分野について、慣行是正を含め、官民連携で一体的な施策を立案すべきではないか

外務省 北朝鮮の核その他の大量破壊兵器及び弾道ミサイル関連計画その他の北朝鮮に関連する国際連合安全保障理事会決議により禁止された活動等に関与する者に対する資産凍結等の措置の対象者の追加について
  • 我が国は、令和5年8月24日に北朝鮮が我が国の上空を通過する形で、「衛星」打ち上げのために、弾道ミサイル技術を使用した発射を行ったこと等を踏まえ、北朝鮮をめぐる問題の解決を目指す国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、主要国が講じた措置の内容に沿い、閣議了解「外国為替及び外国貿易法に基づく北朝鮮の核その他の大量破壊兵器及び弾道ミサイル関連計画その他の北朝鮮に関連する国際連合安全保障理事会決議により禁止された活動等に関与する者に対する資産凍結等の措置について」(令和5年9月1日付)を行い、これに基づき、外国為替及び外国貿易法による次の措置を実施することとした。
    1. 措置の内容
      • 外務省告示(令和5年9月1日告示)により資産凍結等の措置の対象者として指定された北朝鮮の核その他の大量破壊兵器及び弾道ミサイル関連計画その他の北朝鮮に関連する国際連合安全保障理事会決議により禁止された活動等に関与する者(3団体・4個人)に対し、(1)及び(2)の措置を実施する。
        • 支払規制
          • 外務省告示により指定された者に対する支払等を許可制とする。
        • 資本取引規制
          • 外務省告示により指定された者との間の資本取引(預金契約、信託契約及び金銭の貸付契約)等を許可制とする。
    2. 上記資産凍結等の措置の対象者
      • 別添参照
▼(参考)別添 資産凍結等の措置の対象者

【その他(海外)】

※現在、該当の記事はありません。

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