2022/06/27

危機管理トピックス

【省庁別記事(後半)】

【経済産業省】

【2022年6月】

経済産業省 ウクライナ情勢に関する外国為替及び外国貿易法に基づく措置を実施します(輸出貿易管理令の一部を改正)
  • ウクライナをめぐる現下の国際情勢に鑑み、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、今般、主要国が講ずることとした措置の内容等を踏まえ、ロシアへの輸出禁止措置を実施するために令和4年6月10日(金曜日)に閣議決定された輸出貿易管理令の一部を改正する政令を公布・施行します。
  1. 概要
    • ウクライナを巡る国際情勢に鑑み、この問題の解決を目指す国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、令和4年6月7日に、外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号。以下、外為法という。)によるロシアの産業基盤強化に資する物品(貨物自動車等)の輸出禁止措置を導入することが閣議了解されました。これらを踏まえ、本日、輸出貿易管理令(昭和24年政令第378号)の一部を改正する政令が閣議決定され、当該措置を6月17日より実施します。
  2. 改正された政令の概要
    • 対象となる品目
      • 木材及びその製品の一部
      • 鉄鋼製の貯蔵タンクその他これに類する容器
      • 手工具用又は加工機械用の互換性工具、機械用又は器具用のナイフ及び刃
      • 機械類並びにこれらの部分品及び附属品の一部
      • 電気機器及びその部分品の一部
      • 鉄道用機関車、鉄道の保守用の車両等
      • 輸送用の機械及びその部分品の一部
      • 測定機器及び検査機器並びにこれらの部分品等
  3. 今後の予定
    • 令和4年6月10日(金曜日) 公布
    • 令和4年6月17日(金曜日) 施行

経済産業省 ウクライナ情勢に関する外国為替及び外国貿易法に基づく措置を実施します
  • ウクライナをめぐる現下の国際情勢に鑑み、この問題の解決を目指す国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、主要国が講ずることとした措置の内容を踏まえ、閣議了解「ロシア連邦の特定銀行に対する資産凍結等の措置等について」(令和4年6月7日付)を行い、これに基づき、外国為替及び外国貿易法による次の措置を実施することとしました。
  1. 措置の内容
    1. 資産凍結等の措置
      • 外務省告示(6月7日公布)により資産凍結等の措置の対象者として指定されたロシア連邦の特定銀行(2団体)及びベラルーシ共和国の特定銀行(1団体)に対し、(ⅰ)及び(ⅱ)の措置を実施する。
        • 支払規制
          • 外務省告示により指定された者に対する支払等を許可制とする。
        • 資本取引規制
          • 外務省告示により指定された者との間の資本取引(預金契約、信託契約及び金銭の貸付契約)等を許可制とする。
          • (注)資産凍結等の措置の対象となるロシア連邦の特定銀行及びベラルーシ共和国の特定銀行として新たに指定された団体に対する資産凍結等の措置は令和4年7月7日から実施する。
    2. ロシア連邦の産業基盤強化に資する物品の輸出の禁止措置
      • ロシア連邦の産業基盤強化に資する物品の輸出の禁止措置を導入する。
  2. 関連URL

経済産業省 「令和3年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)」 が閣議決定されました
▼令和3年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2022)(概要)
  • 世界的なエネルギー価格の高騰
    • 2021年、世界各地で電力需給が逼迫。その要因は、2015年以降、原油価格下落で化石投資が停滞し、脱炭素の流れも重なって供給力不足が深刻化したこと。また、新型コロナからの経済回復で各国需要が増大する中で悪天候・災害が重なって風力等の再エネが期待通り動かなかったこと等がある。
    • 新型コロナからの経済回復の過程で、世界のガス火力依存度は上昇。こうした中で、欧州では2021年初頭の寒波で暖房需要が増加、域内ガス在庫を取り崩し(例年比2割減)。欧州が世界で天然ガス、さらに原油、石炭を買い求めたこと等により価格は急上昇。ロシアのウクライナ侵略で価格上昇はさらに加速。
  • ロシアのウクライナ侵略によるエネルギーへの影響
    • 欧州は、化石燃料をロシアに大きく依存(天然ガス:ドイツが約50%依存、石油:オランダが約100%依存等)。ロシアのウクライナ侵略は、欧州のエネルギーにとりわけ大きく影響。
    • 量について、2021年中頃から年末にかけて露国営企業ガスプロムの欧州向け天然ガス輸出量が減少。
    • 価格について、ガスプロムの長期契約の価格決定方法は、天然ガスのスポット価格連動が大半。このため、天然ガスのスポット価格の高騰が欧州の長期契約分の高騰に直結(なお、日本の天然ガス長期契約は、油価連動が多い)。
  • 世界的な資源高と各国における影響
    • 新型コロナからの経済回復に、世界的な天候不順、災害、化石資源への構造的上流投資不足が複合的に重なり、天然ガスを始め化石燃料価格が急上昇。ロシアのウクライナ侵略で、価格上昇が加速。
    • 化石燃料の輸入価格も急上昇(英、蘭、独で2倍超。一方、日本はいずれの資源も2倍以下にとどまる)。
    • エネルギーの消費者価格も、世界的に上昇しているが、日本は相対的に上昇幅が低い。
  • 脱炭素を巡る世界の動向
    • 期限付カーボンニュートラル宣言国は、2021年11月のCOP26終了時に154か国・1地域に拡大(世界のCO2排出量の79%、GDPの90%)。気候変動対策は、高い目標を競うだけでなく、いかに目標達成するかの実行段階に突入。
    • 金融面では、気候変動情報開示を上場企業等に法的に求める「ルール化」が進展(英・米・日、TCFD準拠)。政策面では、脱炭素社会のエネルギー構造(①電化+電力の脱炭素化、②水素化、③CCUS)に各国が支援具体化。
    • エネルギーを巡る情勢は各国で千差万別(日本・中国は「産業」、欧州は「民生」、米国は「運輸」政策を強化)。各国の事情を踏まえた現実的な脱炭素の取組が、世界全体の実効的な気候変動対策にもつながる。
  • エネルギー政策を進める上での原点 ~原子力災害からの福島復興~
    • 東京電力福島第一原発の廃炉の完遂と福島の復興は経済産業省の最重要課題。
    • 事故後11年が経ち、一歩一歩取組は進展するも、中長期的な対応が必要な残された課題に、国が前面に立って着実に取り組んでいく必要。

経済産業省 デジタル時代のグローバルサプライチェーン高度化研究会(第1回)を開催しました
▼事務局説明資料
  • 企業のサプライチェーンを取り巻く複雑化・不安定化している。サプライチェーンの途絶に繋がるようなリスク要因が増大していることに加え、サプライチェーン構造の脆弱性も指摘されるようになっている
  • サプライチェーンの変動に対応するためには、データドリブンでサプライチェーンの変化を捕捉して、迅速に対応をとることができるような能力の強化が必要になっており、データを起点とした連携の重要性が増している
  • 但し、多くの企業にとって、サプライチェーン構造の多層化・サプライヤーのデジタル化遅れ・データ共有を忌避する文化などの背景によって、企業レベルでの取組として、上流・下流を含めたサプライチェーンデータを取得するハードルは依然として高い
  • 更に、サプライチェーンにおけるデータ連携は、その先で新たな産業を生み出す契機にもなる
    1. サプライチェーンリスク拡大による不安定化
      • グローバル規模の疾病・天災に加え、米中対立・軍事侵攻などの地政学的リスクも拡大
      • 消費者ニーズも短サイクル化し、変動しやすくなっている
    2. サプライチェーンの複雑化
      • デジタルの拡大に伴うチャネルや顧客サービスの多様化などによってサプライチェーンへの要求が複雑化
      • 加えて、人権・環境・気候変動などの社会価値への対応を求める声も拡大
    3. 単線化・集約化による脆弱性
      • 経済合理性を重視する中で、サプライチェーン構造を集約化してしまい、脆弱性を抱えるケースも多く存在
      • 産業のデジタル化によって、半導体・電子デバイスなど産業共通の部材がボトルネック化
    4. 連鎖しやすいネットワーク構造
      • 産業のグローバル分業によって各地のサプライチェーン機能が連鎖反応を引き起こしやすくなっている
  • サプライチェーンの不安定要素・リスクは、近年増加している。人権・サステナビリティなど、新たな社会価値への対応も重要アジェンダとなっている。特性の異なるサプライチェーン間での連関性が高まることで、需要と供給の混乱に繋がりやすい構造になっている。
  • サプライチェーンの変動に対して、サプライチェーン全体の変化を捕捉、意思決定の上、迅速に対応する能力が必要となる
  • 企業におけるサプライチェーン可視化のスコープは拡大し、上流・下流跨った可視化が求められる
  • サプライチェーン変動に対してデータドリブンで需要予測・計画策定、及び、部門横断・タイムリーな意思決定を実施することが重要となる
  • 意思決定に追随して柔軟・迅速なオペレーションを実現するために、技術や業務プロセスの見直しが必要となる
  • 欧米の先進企業と比べてE2Eサプライチェーンの可視化の実現レベルが低いのが現状
  • 日本企業において、データドリブンでのサプライチェーンマネジメントの阻害要因として、戦略・ケイパビリティ・エコシステム面での課題を挙げる声が多い
  • データドリブンでのサプライチェーン連携モデルは、新たな産業を生み出す契機にもなる
  • データ連携を起点に、上流・下流を取り込んだビジネスモデルを展開するプレーヤーが出ている
  • アパレルにおけるSPAモデルのように、サプライチェーン横断でのデジタル化・機能連携により、既存ビジネスモデルを変革している企業も存在
  • 強力なサプライチェーンを持つECプラットフォーマーにおいて、自社ビジネスで培った自社のサプライチェーン機能を他社にサービスとして外販化する動きも活性化してきている
  • 自社PFで膨大な顧客データを収集しているプレイヤーは、これを活用して商品の企画・開発、マーケティング・セールスまで踏み込むようになっており、製造業化してきている
  • データ連携を起点に、従来は現地で実施されていた業務オペレーションを遠隔から支援するなど、新たなビジネスモデルを実現するプレーヤーも出現
  • 日系海外現地法人のアジアからの調達は48.9兆円と、日本とアジアのサプライチェーン上の結びつきは強い。また、アジアに立地する日系製造現地法人の調達先は日系企業以外の現地企業が増えている。
  • 各国は、自らのデジタルプラットフォームを、他地域・新興国へ展開することも狙っている

経済産業省 「令和3年度ものづくり基盤技術の振興施策」(ものづくり白書) を取りまとめました
▼2022年版ものづくり白書(概要)
  • 業況は、2020年下半期から2021年にかけ大企業製造業を中心に回復基調にあったが、2022年に入り、大企業製造業・中小製造業ともに減少に転じた。製造事業者の営業利益は、コロナ禍等の影響で減少傾向にあったが、2021年度は半数近くの企業で回復に転じた。今後3年間の営業利益も、約半数の企業で増加する見込み。
  • 鉱工業生産は、2020年5月に底を打った後は回復基調にあったが、2021年後半には世界的な半導体不足等の影響を受けて悪化。事業に影響を及ぼす社会情勢の変化として、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に加え、原材料価格の高騰や、半導体などの部素材不足などの影響が大きくなっている。
  • 設備投資額は、2020年前半に大きく落ち込んだ後、足下では回復傾向にある。今後3年間の国内外の設備投資も、増加する見込み。
  • 財務情報を用いて、日本企業の営業利益率と企業行動の関係を分析すると、2017年度から2020年度の平均値で、営業利益率が高い企業では積極的に有形・無形の設備投資や研究開発投資を行っており、低い企業では、設備投資は少ないが借入金増加率が高い。
  • 財務情報を用いて、日本と米国、EUの製造業企業を比較すると、営業利益率は米国、EUの方が高い水準にある。また、無形固定資産や研究開発への投資についても米国、EUの方がより積極的。
  • ウクライナ情勢の緊迫により、元々上昇傾向にあった原油価格が更に高騰し、その影響は、素材系の業種を中心に生産コストの増加につながっている。政府として、エネルギーの安定供給の確保や適切な転嫁に向けた取組を実施。
  • 原油価格高騰による我が国製造業への影響
    • 2022年には、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクの高まりなどにより原油先物価格は高騰し、その代表的な指標のひとつである米国産WTI原油は同年2月には約7年半ぶりに1バレル100ドル超を記録。
    • 原油の大半を海外から輸入している日本にとって、原油価格高騰は生産コストの増加に繋がり、中でも、直接的に原材料として使用している素材系業種の生産コスト増加率が高い。
    • 一方で、仕入れ価格の製品価格への転嫁の度合いを示す交易条件指数は2021年以降下落基調にあり、生産コストの増加分が価格転嫁されていない。
    • 今後、限界利益率が交易条件指数に追随して低下することが見込まれ、生産コストの増加による企業の利益の圧迫などが想定される。
  • 2021年から様々な部素材不足が発生し、特に半導体不足の影響は、加工組立製造業だけでなく、基礎素材製造業まで幅広く及んだ。部素材不足が国民生活や経済活動に悪影響を及ぼすことがないよう、重要物資などの需給動向を注視しつつ、国内製造拠点の整備などの支援を実施。
  • 2021年に生じた主な部素材不足
    • 2021年は、様々な要因により、部素材が価格高騰または不足。
    • 特に半導体については、製造業が確保する半導体の製品在庫量は、2019年の40日から2021年には5日未満に減少したことで半導体不足が顕在化し、グローバルサプライチェーンの混乱を招いた。
    • その要因については、半導体需要が2020年以降拡大を続ける一方、供給面では需要過多や輸出管理規制の強化、災害や事故などによる混乱が生じ、供給不足の深刻化の懸念が指摘されている。
    • 我が国製造業事業者への影響は、約65%にマイナスの影響があったが、約9%にはプラスの影響もあった。業種別では、自動車、電機・電子等の加工組立製造業に加え、石油・ゴム製品、非鉄金属等の基礎素材製造業までマイナスの影響が出ており、我が国製造業の幅広い業種への影響があったことがうかがえる。
  • 製造業のIT投資は横ばいだが、IT投資で解決したい課題は「働き方改革」、「社内コミュニケーション強化」から、「ビジネスモデルの変革」に移行するなど、経営者の意識の変化がうかがえる。
  • 中小企業も含めたサプライチェーン全体のサイバーセキュリティ対策が重要性を増している一方、ウイルス対策ソフト等、既存の対策では脅威を防ぎきれていないのが実態。中小企業が無理なく導入できるサービスの普及促進など、官民一体の取組を促進。
  • 中小企業におけるサイバーセキュリティ対策の動向
    • 製造現場のDXが進む中、中小企業も含めたサプライチェーン全体のサイバーセキュリティ対策の重要性が増している。
    • 中小企業における対策の現状は、「重要なシステム・データのバックアップ」(37.5%)に次いで、「セキュリティ対策を特に実施していない」が約3割(30.0%)に上る。
    • また、(独)情報処理推進機構は、2019年度から2年にわたり中小企業のセキュリティ対策等の相談に対応するとともに、インシデント対応等の技術的支援を行う実証事業を実施し、全国からのべ2,181社の中小企業が参加。同機構は本事業の報告書において、「業種や規模を問わず不審な通信等の脅威にさらされており、ウィルス対策ソフト等の既存の対策では防ぎきれていない実態が明らかとなった。」とした。
    • このような結果を踏まえ、同機構では、中小企業のセキュリティ対策に必要不可欠な、システムの異常監視、緊急時の対応支援、簡易サイバー保険、相談窓口といったサービスをワンパッケージで安価に提供することを要件としてまとめ、これを満たす民間のサービスを「サイバーセキュリティお助け隊サービス」として登録・公表している(2022年3月31日現在12サービス)。
  • IT人材の不足感が量・質ともに高まる中、社会人を対象に、IT分野の高い専門性習得を支援。さらに、人材獲得競争が激しい半導体分野においても、産学官が連携し、即戦力人材の育成に向けた、基礎から実用まで一貫したカリキュラム開発を推進。
  • サプライチェーンにおける人権尊重について、欧米を中心に法整備も含めた動きが進む。我が国でも、上場企業等を対象に実施した調査結果も踏まえ、企業のサプライチェーンにおける人権尊重のための業種横断的なガイドライン策定に向けた検討を開始。
  • 「ビジネスと人権」に関する国内外の動向
    • 欧米諸国を中心に、企業活動における人権への負の影響を特定し、それを予防、軽減させ、情報発信をする人権デュー・ディリジェンス(DD)に関する具体的な動きが進展。
    • EUでは、2022年2月、欧州委員会が、EU域内の大企業(域内で事業を行う第三国の企業も含む)に対して人権及び環境に関するDDを義務化する「企業持続可能性デュー・ディリジェンス指令案」を公表。また、ドイツでは、企業に人権DD等を義務付けるサプライチェーン法が2023年1月から施行予定。
    • 米国では、2021年12月、中国の新疆ウイグル自治区で一部なりとも生産等された製品等の輸入を原則禁止する「ウイグル強制労働防止法」が成立。
    • 我が国では、2021年11月、経済産業省と外務省が、企業のビジネスと人権への取組状況に関する調査の結果を公表。売上規模や海外売上比率が大きい企業は人権に関する取組の実施率が高い傾向にあるが、全体としては、人権DDの実施率は約5割程度にとどまっているなど、日本企業の取組にはなお改善が必要であることが明らかになった。
    • さらに、2022年3月、経済産業省が企業のサプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドラインを2022年夏頃までに策定すべく、検討会を立ち上げ。
  • 2021年に開催されたCOP26等、カーボンニュートラルの実現に向けた国際的な議論が進展・具体化し、150を越える国・地域がカーボンニュートラルを宣言。産業部門でカーボンニュートラルとその市場形成に向けた民間企業主導の取組が進められている。
  • サプライヤーも含めたサプライチェーン全体の脱炭素化やCO2排出量・削減量を可視化する取組が国内でも拡大。中小企業においても、Scope3を含めた排出量削減の取組がみられ始めている。
  • 素材産業における2050年カーボンニュートラルの実現に向けては、生産プロセスの革新や燃料の転換などが必要であり、そのための技術開発や設備投資の資金の確保が課題。このような脱炭素に伴う追加コストの負担のあり方も課題。素材産業の将来像を共有し、素材に限らない様々な分野での変革を全体最適で進めるべく、有識者会議での検討を進めている。製造業の就業者数は、約20年間で157万人の減少。全産業に占める製造業の就業者割合も、約20年間で3.4ポイントの低下。製造業における若年就業者数は、約20年間で121万人減少。製造業の全就業者に占める若年就業者の割合は、2012年頃から25%程度とほぼ横ばいで推移。製造業における高齢就業者数は、約20年間で33万人増加。製造業の全就業者に占める高齢就業者の割合は、2018年頃から9%弱とほぼ横ばいで推移。
  • 製造業における女性就業者数は、2002年の403万人から2021年で313万人と、約20年間で90万人減少。製造業における女性就業者の割合は、2009年頃から約30%と横ばいで推移(2021年は30.0%)。製造業における正規の職員・従業員の割合は、全産業の正規の職員・従業員の割合に比べて15.1ポイント高くなっている。
  • 製造業において計画的なOJT及びOFF-JTを実施した事業所の割合は、正社員、正社員以外とも、直近の2019年度から20年度にかけて低下した。人材育成の問題(2020年度)としては、「指導する人材が不足している」とした事業所が6割を超える。こうした中で、技能継承のため、「退職者の中から必要な者を選抜して雇用延長、嘱託による再雇用を行い、指導者として活用している」が約6割となっている。
  • ものづくり企業におけるデジタル技術について、「活用している」とした企業が67.2%にのぼり、そのうち、5割を超える企業が「生産性の向上」との効果が出ていると回答。デジタル技術の活用に向けたものづくり人材確保の取組としては、「自社の既存の人材に対してデジタル技術に関連した研修・教育訓練を行う」が約5割。また、人材育成等の取組については、「作業標準書や作業手順書の整備」、「OFF-JTの実施」と回答した企業がそれぞれ約4割。
  • ものづくり現場において、デジタル技術の導入・活用により、省力化や職人技術の継承に成功している先進的な事例を紹介。
  • 数理・データサイエンス・AI教育のモデルカリキュラムや各大学等の取組を全国へ普及・展開させるためのコンソーシアム活動や、大学院教育におけるダブルメジャー等を推進。産業人材育成を担う専門高校においては、絶えず進化する最先端の職業人材育成システムを構築し、成果モデルを示すことで、全国各地で地域特性を踏まえた取組を加速。大学・専門学校等が企業や自治体等と連携して、DX等成長分野に関してリテラシーレベルの能力取得・リスキリングを実施する社会のニーズに合ったプログラムを支援。
  • 我が国の競争力を支えるものづくりの次世代を担う人材を育成するため、ものづくりへの関心・素養を高める小学校、中学校、高等学校における特色ある取組の実施や、大学における工学系教育改革、高等専門学校における人材育成など、ものづくりに関する教育の一層の充実が必要。大学における工学関係学科、高等専門学校、専門高校(工業に関する学科)、専修学校においては、我が国のものづくりを支える高度な技術者などを多数輩出している。
  • 人生100年時代に対応するため、社会人の学び直しなど生涯現役社会の実現に向けた取組が必要であるが、現時点では大学などにおける社会人の学びは進んでいない状況。社会人向けの教育プログラムの充実や学習環境の整備に取り組む。
  • 我が国の女性研究者の割合は年々増加傾向にあるものの、先進諸国と比較すると依然として低い水準。女性がものづくりや理数系分野への関心を高めることができるような取組や、女性研究者などが自らの力を最大限に発揮できるような環境整備を実施。
  • 文化財保護法を改正し、無形文化財及び無形民俗文化財の国登録制度等を新設。また、文化財の持続可能な保存・継承体制の構築を図るための5か年計画(2022年度~2026年度)として、「文化財の匠プロジェクト」を決定。文化財の保存に係る人材養成への支援や伝統工芸の体験活動などにより、文化芸術資源から生み出される新たな価値と継承を図る。
  • 国内外における情勢変化と新型コロナウイルス感染症拡大の中、科学技術・イノベーション政策については、Society 5.0の前提となる研究環境等のデジタル化が十分進んでいない。Society 5.0の実現に向け、第6期科学技術・イノベーション基本計画に基づき、総合知やエビデンスを活用しつつ、バックキャストにより政策を立案し、イノベーションの創出により社会変革を進めていく。革新的な人工知能、ビッグデータ、IoT、マテリアル、光・量子技術、環境・エネルギーなどの未来社会の鍵となる先端的研究開発の推進が必要。
  • 省庁横断的プロジェクト「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」や「官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)」などの取組により、官民連携による基盤技術の研究開発とその社会実装を着実に推進。

【2022年5月】

経済産業省 2021年(1月~12月)工場立地動向調査結果を取りまとめました
  • 経済産業省は、工場を建設する目的で2021年(1月~12月)に1,000㎡以上の用地を取得した製造業、ガス業、熱供給業、電気業の事業者を対象に「工場立地動向調査」を実施し、結果を取りまとめました。
  • 製造業等の工場立地件数は858件(前年比3%増)、工場立地面積は1,283ha(前年11%増)となりました。※1ha=10,000㎡
  • 業種別の工場立地の動向は、立地件数については、食料品製造、金属製品製造業、輸送用機械製造等の件数が増加したものの、化学工業、生産用機械製造等の件数が減少しました。立地面積については、食料品製造、金属製品製造、はん用機械製造、輸送用機械製造等で増加しました。
  • 立地地点の選定理由は、「本社・自社工場への近接性」がトップであり、「地価」が2番目に多くなっています。その結果、本社と同じ県内に立地する件数(県内立地件数)は、全立地件数の6~7割で推移しています。

経済産業省 ロシアによるウクライナ侵略を非難する共同プレスリリースを発出しました
  • APEC貿易担当大臣会合後、豪州、カナダ、チリ、韓国、ニュージーランド、米国と共に、ロシアによるウクライナ侵略を非難する共同プレスリリースを発出しました。
▼APEC貿易担当大臣会合共同プレスリリース(仮訳)
  • 我々は、APECに対する確固とした支持を表明するとともに、2022年APECが成功裏に終えるよう、議長であるタイをサポートすることに全面的にコミットする。
  • 我々は、地域の平和及び安定の確保と国際法を遵守するという決意のもと連帯し、これらがAPECの目指す包摂的かつ持続可能な経済成長の前提条件であることを認識する。
  • 我々は、ロシアによるウクライナに対するいわれのない侵略戦争を最も強い言葉で非難する。
  • 我々は、ロシアの行為により引き起こされた人道的状況の悪化と、世界の食料及びエネルギー安全保障に対する脅威に対し深刻な懸念を表明する。ロシアの行為は、世界経済と世界のサプライチェーンを更に不安定化させているとともに、新型コロナウイルス感染症から回復する能力を弱体化させている。
  • 我々は、エネルギー市場の不安定性について懸念を表明するとともに、APEC地域におけるエネルギー強靱性、アクセス、安全保障を促進する必要性を強調する。
  • 同様に、我々は、人々の健康と幸福、そして経済の成功にとって重要である、適切に機能する食料システムに対する我々のコミットメントを確認する。ロシアの侵略による食料不安の高まりは、世界中で、特に不均衡に最も脆弱な層の人々に感じられている。
  • 開かれた、ダイナミックで、強靱かつ平和なアジア太平洋地域を支えるルールに基づいた国際秩序の重要性を再確認し、我々は、ロシアに対し、直ちにその武力行使を停止し、ウクライナから完全及び無条件にその全ての軍隊を撤退させることを強く要求する

経済産業省 「工業用水道事業におけるBCP策定ガイドライン」を取りまとめました
▼工業用水道事業におけるBCP策定ガイドライン(概要)
  • ガイドラインの目的
    • 近年、地震、台風や豪雨等による自然災害の頻発化や激甚化、新型コロナウイルス感染拡大等により、工業用水道事業者の業務継続に支障が生じるおそれが認識されるなど、工業用水道事業を取り巻く環境に不確実性が増加してきています。
    • 工業用水道施設が甚大な被害を受け、工業用水の供給に支障を生じた場合、ユーザー企業の操業に影響を与えてしまうことはもちろん、我が国産業にも大きな影響を与えかねません。
    • そのため、工業用水道事業者では、ユーザー企業における事業継続も考慮しながら、施設の強靱化等の事前対策を含む事業継続計画(BCP)を策定するとともに、これに基づき、平常時から取り組むことが重要です。⇒ BCPの早急な策定や改善の一助となるよう、ガイドラインを策定
  • ガイドラインの位置づけ
    • 地方公共団体においても、災害時の応急・復旧業務や優先度の高い通常業務を執行するため、優先的に継続すべき業務や体制について定めた全庁BCPが策定されています。
    • しかしながら、発災時には応急対応に必要な職員や資機材に相当の制約が生じることも想定され、地域防災計画等をより実効的にした計画として、工業用水道事業単独又は工業用水道事業を管理する部局においてBCPが策定されることが重要です。
  • ガイドラインの構成
    • 内閣府ガイドライン(令和3年4月公表)では、『BCPの策定や維持・更新、事業継続を実現するための予算・資源の確保、事前対策の実施、取組を浸透させるための教育・訓練の実施、点検、継続的な改善等を行う平常時からのマネジメント活動』を、事業継続マネジメント(BCM)と定義し、責任者が主体的に関わり、BCMを実践する中で、BCPの実効性を維持、向上させることを求めています。
    • 工業用水道BCPにおいても、災害時の対応だけでなく、平常時から事前対策や教育・訓練を通じた継続的な見直し・改善によりBCPの実効性を高めていくよう、本ガイドラインではBCMの考え方を取り入れています。
    • 初めから完璧なものを目指して、BCP策定に躊躇するのではなく、できることから取組を開始し、その後、継続的に見直し・改善に取り組みながら、より実効性のあるBCPとしていくことが重要です。
  • ガイドラインで対象とする発生事象
    • 工業用水道BCPは、「どのような危機的な発生事象」に直面しても、工業用水道事業を継続又は早期に復旧し、工業用水の供給を継続する、という目的を持って策定していくことが必要です。
    • 近年の自然災害の頻発化や激甚化に加え、新たな懸念として新型コロナウイルス感染拡大なども含め、本ガイドラインでは、工業用水の供給停止をもたらす全ての可能性を考慮し、あらゆる事象を対象としています。
    • なお、あらゆる発生事象を想定したとしても想定を超える事象(不測の事象)は発生し得るものであり、発生事象(災害等)だけでなく、結果事象(被害)から対応策を整理しておくことで、想定外の事態を含む幅広い発生事象に対しても有効となり得ます。
  • 方針の策定
    • BCP策定に当たっては、公営企業管理者等(責任者)は、職員等の身体・生命の安全確保や二次災害の防止を最優先しつつ、我が国産業を支えるインフラとして工業用水道事業が果たすべき役割や重要性について改めてよく理解し、事業継続の目的や達成する目標、対象とする事業や事業所の範囲など、基本方針を明確にします。
    • また、関係部門全てが参画したBCP策定体制を構築するとともに、策定後には継続的な見直し・改善に取り組まれるよう、BCP策定体制は平常時における運用体制へと移行し、BCPの中で明確にすることが必要です。
  • 分析・検討
    • 工業用水道施設が被害を受けた場合、ユーザー企業の事業継続の必要性や被災施設による二次災害の発生防止等も考慮し、事業継続又は早期復旧に必要不可欠な施設から優先して対応が必要となります。
    • BCPでは、あらゆる発生事象による被害を想定し、非常時における対応や体制、それを実現するために事前に実施すべき対策について計画することが重要です。
    • そのため、地域において想定される発生事象による事業中断の可能性や影響について分析し、優先する施設を慎重に判断し、目標とする復旧時間や復旧レベルとその実現に必要な人員や資機材等を把握していきます。
    • 初めから完璧なものを目指して、BCP策定に躊躇するのではなく、できることから取組を開始することが重要であり、地域防災計画やハザードマップ等で想定する発生事象を対象に策定し、その後の見直し・改善を通じ、より実効性のあるBCPとしていきます。

経済産業省 大学発ベンチャー実態等調査の結果を取りまとめました
  • 経済産業省では、「令和3年度大学発ベンチャー実態等調査」を取りまとめました。2021年10月時点での大学発ベンチャー数は3,306社と、2020年度で確認された2,905社から401社増加し、過去最高の伸びを記録しました。
  1. 目的・背景
    • 大学発ベンチャーは、大学等における革新的な研究成果をもとに、経済社会にイノベーションをもたらす担い手として期待されています。本調査は、大学発ベンチャーの設立状況を定点観測するとともに、事業環境やニーズ等を調査し、その成長に寄与する要因等を分析することで、今後の政策展開に活用するため実施しています。
  2. 調査の結果概要
    1. 大学発ベンチャー数の推移
      • 2021年度調査において存在が確認された大学発ベンチャーは3,306社でした。2020年度で確認された2,905社から401社増加し、企業数及び増加数ともに過去最高を記録しました。
    2. 大学別ベンチャー企業数
      • 大学別の大学発ベンチャー企業数では引き続き東京大学が最も多いものの、京都大学、筑波大学、慶應義塾大学等他大学の伸びも目立ち、多くの大学がベンチャー創出に力を入れていることがうかがえます。
      • 順位(前年度)大学名 2019年度 2020年度 2021年度
        1. (1) 東京大学 268 323 329
        2. (2) 京都大学 191 222 242
        3. (3) 大阪大学 141 168 180
        4. (4) 筑波大学 114 146 178
        5. (10) 慶應義塾大学 85 90 175
        6. (5) 東北大学 121 145 157
        7. (7) 東京理科大学 30 111 126
        8. (6) 九州大学 117 124 120
        9. (8) 名古屋大学 94 109 116
        10. (9) 東京工業大学 75 98 108
      • ※企業数は当該調査年度時点で把握した数であり、前年度との差分は必ずしも新規設立数ではないことに留意が必要。
    3. コロナ禍の影響に関する分析
      • 大学発ベンチャーにおける新型コロナウイルスの影響について昨年との比較について聞いたところ、「変化なし」との回答が最も多いものの、プラス面よりマイナス面の影響が大きいのは「施設利用・他社連携」、「事業計画」、「投資」との回答がありました。
    4. 大学発ベンチャーにおける博士人材の活躍状況に関する分析
      • 大学発ベンチャー企業の従業員に占める博士人材の比率は、特に研究成果ベンチャーや技術移転ベンチャーにおいて、一般企業の研究職に比べて高く、大学発ベンチャーでは博士人材が積極的に活用されていることがうかがえます。
  3. 大学発ベンチャーデータベース
    • 大学発ベンチャーの企業情報を公開している「大学発ベンチャーデータベース」についても、本年度の調査結果を踏まえて更新しておりますので御覧ください。

経済産業省 ウクライナ情勢に関する外国為替及び外国貿易法に基づく措置を実施します(輸出貿易管理令の一部を改正)
▼政令条文・理由
  • 【2022年5月13日報道発表資料一部追加】ロシアへの先端的な物品等の輸出禁止等措置について規制対象となる貨物等の詳細を追加しました。
  • ウクライナをめぐる現下の国際情勢に鑑み、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、今般、主要国が講ずることとした措置の内容等を踏まえ、ロシアへの輸出禁止措置を実施するために令和4年5月13日(金曜日)に閣議決定された輸出貿易管理令の一部を改正する政令を公布・施行します。
    1. 概要
      • ウクライナを巡る国際情勢に鑑み、この問題の解決を目指す国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、令和4年5月10日に、外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号。以下、外為法という。)によるロシアを仕向地とする先端的な物品等(量子コンピュータ、3Dプリンター等)の輸出等の禁止措置を導入することが閣議了解されました。これらを踏まえ、本日、輸出貿易管理令(昭和24年政令第378号)の一部を改正する政令が閣議決定され、当該措置を5月20日より実施します。
      • これに併せ、本日付で関連する省令等を改正することにより、規制対象となる具体的な貨物等を定め運用面の整備を行います。また、外国為替令第18条第3項の規定に基づく経済産業省告示の改正により、上記輸出禁止措置に係る役務取引についても規制対象とします。(輸出貿易管理令の一部改正と同日付施行・適用)。
    2. 改正された政令の概要
      • 対象となる品目
        • 石油精製用の触媒
        • 量子計算機その他の量子の特性を利用した装置及びその附属装置並びにこれらの部分品
        • 電子顕微鏡、原子間力顕微鏡その他の顕微鏡及びこれらの顕微鏡とともに使用するように設計した装置
        • 造形用の装置(3Dプリンター)並びにこれに用いられる粉末状の金属及び金属合金
        • 有機発光ダイオード、有機電界効果トランジスター及び有機太陽電池の製造用の装置
        • 微小な電気機械システムの製造用の装置
        • 水素(太陽光、風力その他の再生可能エネルギーを利用して製造するものに限る。)を原料とする燃料及び変換効率の高い太陽電池の製造用の装置
        • 真空ポンプ及び真空計(量子技術関連)
        • 極低温用に設計した冷却装置及びその附属装置並びにこれらの部分品(量子技術関連)
        • 集積回路から蓋及び封止材料を除去するための装置
        • 量子収率の高い光検出器(量子技術関連)
        • 工作機械及びその部分品並びに工作機械用の数値制御装置
        • 電磁波による探知を困難にする機能を向上させる材料(メタマテリアル)、ほぼ等しい割合の複数の元素で構成された合金(高エントロピー合金)その他の先端的な材料(一部は量子技術関連)
        • 導電性高分子、半導電性高分子及び電界発光の性質を有する高分子
    3. 今後の予定
      • 令和4年5月13日(金曜日) 公布
      • 令和4年5月20日(金曜日) 施行

経済産業省 オープンソースソフトウェアの利活用及びそのセキュリティ確保に向けた管理手法に関する事例集を拡充しました
  • 経済産業省では、オープンソースソフトウェア(OSS)を利活用するに当たって留意すべきポイントを整理し、そのポイントごとに参考となる取組を実施している企業の事例等を取りまとめた「OSSの利活用及びそのセキュリティ確保に向けた管理手法に関する事例集」を拡充しましたので、公開します。
  • 背景・趣旨
    • 経済産業省では、令和元年9月5日に産業サイバーセキュリティ研究会ワーキンググループ1(WG1)分野横断サブワーキンググループの下に、サイバー・フィジカル・セキュリティ確保に向けたソフトウェア管理手法等検討タスクフォース(ソフトウェアタスクフォース)を設置し、適切なソフトウェアの管理手法、脆弱性対応やライセンス対応等について検討を行ってきました。
    • ソフトウェアタスクフォースでは、多くの企業がOSSを含むソフトウェアの管理手法、脆弱性対応等に課題を抱えている現状に対し、産業界での知見の共有が有効であるとの認識に至りました。そこで、OSSの管理手法等に関して参考になる取組を実施している企業へのヒアリング等の結果を取りまとめ、令和3年4月21日に、OSS利活用するに当たって留意すべきポイントを整理し、そのポイントごとに各種事例を取りまとめた「OSSの利活用及びそのセキュリティ確保に向けた管理手法に関する事例集」を公開しました。
    • 引き続き、令和3年度においても、OSS利活用に関するヒアリング等を実施し、その結果等を取りまとめ、「OSSの利活用及びそのセキュリティ確保に向けた管理手法に関する事例集」を拡充しました。本事例集を参考に、OSSの留意点を考慮しながら適切なOSS利活用が進み、産業界においてOSSのメリットを享受することで競争力向上につながることを期待しています。
  • 関連資料

経済産業省 「人材版伊藤レポート2.0」を取りまとめました
▼1. 人的資本経営の実現に向けた検討会 報告書(人材版伊藤レポート2.0)
  • 人材版伊藤レポート2.0の策定に寄せて
    • 2020年9月に経済産業省の「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」の成果として「人材版伊藤レポート」を公表した。お蔭様で同レポートは、想定を超えて多くの経営者や人事担当者等の皆さんの目に止まった。私の知っている少なからぬ経営者から、「読みました。レポートを人事部門に回して、よく読むように言っておきました」という趣旨の反応を異口同音に寄せていただいた。
    • 印象的だったのは、2022年1月に開かれたある政府の会議で、参加メンバーの一人が、同レポートに触れて、次のように発言したことだった。「企業経営者や人事部門の方たちと会っていると、人材版伊藤レポートの話がよく出てくる。その影響力はすさまじく、“破壊力”といってもいいくらいのインパクトを与えている。」
    • 同レポートが「破壊力」を持っているかどうかは別として、多くの関係者の皆さんにインパクトを与えたのであれば、嬉しい限りである。そういえば公表後、レポートが強調した「人的資本」「人的資本経営」とう言葉が頻繁に使われるようになったとの印象を持っているのは私だけではないだろう。
    • 「企業は人なり」「人材は石垣」、わが国には人を大事にする言葉やことわざが色々ある。とはいえ、人材の一人ひとりと向き合い、その価値を見出し伸ばす経営を実践してきたかが、いま真に問われている。日本企業は総じて社員を本当に大事にしてきただろうか。「人に優しい」との評判は「都市伝説」だったのか。確かに不条理に社員を辞めさせることはなかったが、、、。
    • 日本企業は社員を大事にし、長期雇用するスタイルが競争力の源泉だとして世界から注目された時代も現にあった。それは、かつて「日本的経営」として称賛された。しかし、時代が変わり、経営環境が変わり、人々の価値観も変わる中で、日本企業の是とされた人材施策は様々なほころびを露呈した。
    • こうした問題意識から、2019年に上記の研究会が組成され、それが「人材版伊藤レポート」へとつながった。座長を任された私は、従来のパラダイムを引きずった議論は生産的ではないし、エキサイティングでもないと判断し、新たな視点を持ち込むことにした。
    • 第1は、コーポレート・ガバナンス改革の文脈で捉えること。日本は2010年代に入りガバナンス改革を進めてきた。人事・人材戦略もそうした大きな枠組みの中で議論する必要があった。
    • 第2は、持続的な企業価値創造という文脈で議論すること。今や企業価値の決定因子は有形資産から無形資産に移行した。その無形資産の中核が紛れもなく人材である。したがって、人材の価値を高めれば,無形資産の価値が高まり、それが企業価値を持続的に押し上げることになる。
    • 第3は、人事・人材変革を起こすのに、資本市場の力を借りようと試みた。なぜなら先進的な投資家は近年、人事・人材戦略に強い関心を寄せている。その証拠に人事部門の責任者(CHRO)と直接対話を始めている機関投資家も少なくない。今まで見られなかった光景である。こうした観点から、代表的な投資家の方たちに研究会のメンバーになっていただいた。
    • 叱責されるのを覚悟であえて言えば、これまでの人事・人材をめぐる議論は人事部門の世界に終始し過ぎてきたのではなかったか。「管理思考」の議論の域をどれだけ出ていただろうか。経営変革、人材変革、企業文化変革というもっと広い文脈で議論してきただろうか。
    • 人材は「管理」の対象ではなく、その価値が伸び縮みする「資本」なのである。
    • 企業側が適切な機会や環境を提供すれば人材価値は上昇し、放置すれば価値が縮減してしまう。人材の潜在力を見出し、活かし、育成することが、今まさに求められている。
    • こうした視点を内包した人材版伊藤レポートでは、「3P・5Fモデル」を提唱し、3つの視点と5つの共通要素を提示した。なかでも「経営戦略と人材戦略が同期しているか」という視点を強調した。一見当たり前のように実践されていると思っていたことが、実はそうではなかった。不都合な現実が次々と浮かび上がってきた。多くの人事部門の方たち、CHROが自己反省と悶絶を始めた。
    • 自社の企業文化が果たして組織や個人の行動変容を促すようなものになっているか。「メンバー」である社員の間の「一体感」を楽観し、企業文化の変革を断行してきただろうか。
    • 中長期的な経営戦略と現有人材との間のギャップを可視化してきただろうか。
    • 感覚的には分かっていても、可視化しなければ確かなる手は打てない。そうしたギャップを埋めるために、「リスキル」を推奨した。従来、戦略的なリスキルの場や機会を企業は社員に本気で提供してきただろうか。
    • レポートは2021年6月に公表された「コーポレートガバナンス・コード」の改訂に反映された。同改訂で、「人的資本への投資と開示」が強調されるに至ったのである。
    • 人材版伊藤レポートはパラダイム変化を迫るための問題提起をした。しかし、問題を受け止めただけでは、人材価値は高まらないし、企業価値も高まらない。
    • 多くのセミナーで参加者から、具体策について質問を多く受けた。「具体策は自分たちでどうぞ考え抜いてください」と言い放つのはもちろん可能であるが、皆さんの人事改革に何とか着手したいという問題意識と真摯さに突き動かされるように、私たちは再び2021年7月に「人的資本経営の実現に向けた検討会」を立ち上げ、より議論を深め、皆さんを実践的にガイドするようなアイディアや施策や視点を提示することにした。それとともに、先進的な取り組みをしている企業の事例集も盛り込もうということになった。それが「人材版伊藤レポート2.0」として結実した。
    • 9回にわたる検討会は毎回、2時間があっという間に過ぎるほどエキサイティングで内容が濃かった。委員の皆さんの多様性と専門性の高さと経験の深さが、議論の醍醐味を生み出した。検討会の多様性は、ある意味で企業組織にも通ずる象徴的なものとなった。やはり新機軸は多様性と専門性の掛け算によって生まれる。それを体感した検討会だった。
    • 人的資本の価値の最大化には、従来の雇用慣行やパラダイムから脱却することが求められる。個人も主体的に、そして自律的に変わり、会社も社員一人ひとりと丁寧に向き合い、多様性を大事にし、更に高めるための支援や施策を推し進めていただきたい。そうしてこそ個人と組織が互いに選び選ばれる関係が構築できる。
    • 本レポートが日本における本格的な人的資本投資と経営変革の触媒になってほしいと願うばかりである。
  • 今回のレポートの狙い
    • 人的資本情報の開示に向けた国内外の環境整備の動きが進む中で、人的資本経営を本当の意味で実現させていくには、「経営戦略と連動した人材戦略をどう実践するか」と、「情報をどう可視化し、投資家に伝えていくか」の両輪での取組が重要となる。
    • 後者の「情報をどう可視化し、投資家に伝えていくか」という点については、内閣官房の「非財務情報可視化研究会」、経済産業省の「非財務情報の開示指針研究会」、金融庁の金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」等において、開示に当たっての考え方や開示の枠組みが議論されているところであり、これらを参考としながら、各企業において取組が進められることを期待したい。
    • 一方、前者の「経営戦略と連動した人材戦略をどう実践するか」という点については、先述のように、「人材版伊藤レポート」が、変革の方向性や、3つの視点と5つの共通要素からなる考え方を提示した。
    • 本報告書は、「人材版伊藤レポート」が示した内容を更に深掘り・高度化し、特に「3つの視点・5つの共通要素」という枠組みに基づいて、それぞれの視点や共通要素を人的資本経営で具体化させようとする際に、実行に移すべき取組、及びその取組を進める上でのポイントや有効となる工夫を示すものである。
    • ただし、各企業が、この報告書の中で挙げる全ての項目にチェックリスト的に取り組むことを求めるものではない。企業によって、その事業内容や置かれた環境は様々であり、外形的に当てはめて行動することは、必ずしも意味をなさない。ここで挙げた内容以外の取組が有効な打ち手となることも考えられ、各企業が主体的に、人的資本経営をどのように実践すべきか考えていくことが求められる。
    • この報告書の中で「何が最も重要なのか」と問われれば、それは、とりもなおさず3つの視点の1つ目である「経営戦略と人材戦略を連動させるための取組」である。「一度に多くのことはできない」、「何から手を着けたら良いか分からない」といった企業には、本報告書の「1.」に掲げる取組に着手することが第一歩となる。
    • 特に、「経営戦略と人材戦略を連動させるための取組」の中でも、「CHROの設置」及び「全社的経営課題の抽出」が、最も重要なステップとなる。経営トップと人材戦略の責任者を中心に、対話を深め、課題を抽出することが両戦略の連動につながる。
    • いずれにせよ、人材に関する取組は、息の長いものとなる。その意味でも、最初から「100点」の結果を生むことはない。各企業の経営理念の下、経営戦略の実現に向けた課題を特定し、優先順位を付け、その効果を見極めて改善を重ねていく絶え間ないサイクルが求められる。これにより具現化した、人的資本経営の実践の内容こそが、投資家に伝えていくべき本質的なメッセージである。
    • 本報告書は、「人的資本が重要」という認識を超えて、人的資本経営という変革を、どう具体化し、実践に移していくかを主眼としている。経営陣がこの変革を主導するに際し、各企業において重要となる課題を特定し腰を据えて取り組むに当たって、参考となるアイディアの引き出しとして提示するものである。
    • こうした変革を通じて、日本社会で働く個人の能力が十二分に発揮されるようになることも、本報告書は期待している。それはとりもなおさず、今でも社会の一部に根強く残る、画一的な雇用システムから個人が解放され、社会全体として、個人のキャリアがますます多様化することでもある。そうした社会では、リスキルや学び直しの価値が社会全体としても評価されていくだろう。日本社会がより一層、キャリアや人生設計の複線化が当たり前で、多様な人材がそれぞれの持ち場で活躍でき、失敗してもまたやり直せる社会へと転換していく。それにより、結果として、企業の付加価値につながる変革やイノベーションが起こっていく。本報告書は、そうしたきっかけになることも期待している
  • エグゼクティブサマリー
    • 本報告書は、「人的資本」の重要性を認識するとともに、人的資本経営という変革を、どう具体化し、実践に移していくかを主眼とし、それに有用となるアイディアを提示するものである。
    • 本報告書の全ての項目にチェックリスト的に取り組むことを求めるものではない。事業内容や置かれた環境によって、有効な打ち手は異なる。
    • 最も重要な視点は、「経営戦略と人材戦略の連動」であり、まずは、「1.」に掲げる取組に着手することが第一歩となる。
    • 人材に関する取組は息が長い。課題を特定し、優先順位を付け、改善を重ねていく絶え間ないサイクルが求められる。
    • 本報告書をアイディアの引き出しとし、経営陣が人的資本経営へと向かう変革を主導していくことが期待される。
  1. 経営戦略と人材戦略を連動させるための取組
    • 経営環境が急速に変化する中で、持続的に企業価値を向上させるためには、経営戦略と表裏一体で、その実現を支える人材戦略を策定し、実行することが不可欠である。
    • このような自社に適した人材戦略の検討に当たっては、経営陣が主導し、経営戦略とのつながりを意識しながら、重要な人材面の課題について、具体的なアクションやKPIを考えることが求められる。
      1. CHROの設置
        • CHROとは、経営陣の一員として人材戦略の策定と実行を担う責任者であり、社員・投資家を含むステークホルダーとの対話を主導する人材を指す。
        • CHROは、人材戦略を自ら起案し、CEO・CFO等の経営陣、取締役と定期的に議論する。CHROが実効的な人材戦略を策定する上では、本社での戦略スタッフの経験とともに、事業側で成果責任を担った経験が有効となる。
      2. 全社的経営課題の抽出
        • CEO・CHROは、「価値協創ガイダンス」等の統合的なフレームワークも活用しながら、経営戦略実現の障害となる人材面の課題を整理し、経営陣や取締役と議論する。その際、特に自社固有の優先課題と対応方針を示すとともに、改善の進捗状況も共有する。
      3. KPIの設定、背景・理由の説明
        • CEO・CHROは、入念に考え抜いてKPIを設定するとともに、経営環境の変化を踏まえて見直す。
        • その際には、当該KPIを設定又は見直しをした背景及び理由を達成状況と併せて社内外に説明する。
      4. 人事と事業の両部門の役割分担の検証、人事部門のケイパビリティ向上
        • CEO・CHROは、企業価値全体及び事業ごとの価値のそれぞれの向上を両立させるため、人事と事業の両部門の役割分担の在り方を検証し、取締役会に報告すべきである。
        • その際の考え方として、企業価値全体の最大化を目的とするような、経営人材の育成や企業文化の浸透等の全社レベルで行う人事施策については、人事部門が行うべきものである。これに対し、事業単位の価値の最大化を目的とするような、外部からの採用や部門内の再配置は、事業部門が責任を負うものであり、人事部門はこれを支援する。
        • 人事部門による支援を有効なものとするため、事業部門経験を持つ人事部門の社員の育成に平時から努める。
      5. サクセッションプランの具体的プログラム化
        1. 20・30代からの経営人材選抜、グローバル水準のリーダーシップ開発
          • CEO・CHROは、経営者としての潜在能力が高い20・30代の社員を早期に選抜し、当該社員が経営者・リーダーとして厳しいミッションに挑戦する機会を準備できるよう、取締役会・指名委員会と連携する。
        2. 候補者リストには経営者の経験を持つ者を含める
          • CEO・CHROは、将来の経営環境の変化を見据え、経営陣の経営能力向上を目指し、自社以外のグループ内外の企業で経営者としての経験を持つ人材をサクセッションの候補者に含める。なお、経営者としての経験には、事業や拠点に関する財務・人事等の経営責任を全て担う経験を含む。
      6. 指名委員会委員長への社外取締役の登用
        • CEO・CHROは、将来の自社の経営を担う資質を持った人材が後継者として選ばれているか、社外取締役が適切に検証できるよう、十分な責任感を持った社外取締役を指名委員会委員長に登用することを検討し、取締役会・指名委員会と連携する。
      7. 役員報酬への人材に関するKPIの反映
        • CEO・CHROは、人的資本経営の推進を経営陣の最重要ミッションの一つと認識し、経営陣に対する報酬の支給額の一部が、人材に関するKPIに連動する制度の導入を検討した上で、取締役会・報酬委員会と連携する。
  2. 「As is – To be ギャップ」の定量把握のための取組
    • 経営戦略実現の障害となる人材面の課題を特定した上で、課題ごとにKPIを用いて、目指すべき姿(To be)の設定と現在の姿(As is)とのギャップの把握を定量的に行うことは、人材戦略が経営戦略と連動しているかを判断し、人材戦略を不断に見直していくために重要である。
      1. 人事情報基盤の整備
        • CEO・CHROは、人材関連の改善KPIについての情報や、社員のスキル・経験等の特性を示す情報を常に整備し、人材戦略の実現に関するタイムリーな意思決定を支える。
        • その際、CHROは、人事部門がデータを効率的に収集・分析できるよう、人事部門の社員の育成を図る。
      2. 動的な人材ポートフォリオ計画を踏まえた目標や達成までの期間の設定
        • CEO・CHROは、各KPIで目標とする状態や、達成までの期間を定め、現状とあるべき状態のギャップを適時把握し、経営陣・取締役と定期的に議論することで、迅速に対策を講じる。
      3. 定量把握する項目の一覧化
        • CEO・CHROは、全社的経営課題の改善に向けたKPIをはじめ、人材に関するKPIを明確に定めて経営陣・取締役と議論すべく、まずは重要なものに絞り、その目標と進捗状況を常に一覧化しておく。
  3. 企業文化への定着のための取組
    • 持続的な企業価値の向上につながる企業文化は、所与のものではなく、人材戦略の実行を通じて醸成されるものである。そのため、人材戦略を策定する段階から、目指す企業文化を見据えることが重要である。
      1. 企業理念、企業の存在意義、企業文化の定義
        • CEO・CHROは、自社が社会・環境にどのようなインパクトをもたらすべきか、という観点から、企業理念や企業の存在意義を再考する。また、自社事業の成功につながる社員の行動や姿勢を企業文化として定義し、浸透を図ることで、企業の競争力向上に貢献する。
      2. 社員の具体的な行動や姿勢への紐付け
        • CEO・CHROは、企業として重視する行動や姿勢が社員に浸透するよう、社員の任用・昇格・報酬・表彰等の仕組みを検討する。その際には、現場の管理職・マネージャーがコミュニケーションスキルを養い、各社員の仕事上の動機や意向に耳を傾け、自発的な行動を促す。
      3. CEO・CHROと社員の対話の場の設定
        • 経営陣・社員それぞれが企業文化をどのように体現し、定着させるべきかを考える契機として、CEO・CHROが、維持すべき文化や見直すべき文化等について、社員と直接対話する。
  4. 動的な人材ポートフォリオ計画の策定と運用
    • 経営戦略の実現には、必要な人材の質と量を充足させ、中長期的に維持することが必要となる。
    • このためには、現時点の人材やスキルを前提とするのではなく、経営戦略の実現という将来的な目標からバックキャストする形で、必要となる人材の要件を定義し、人材の採用・配置・育成を戦略的に進める必要がある。
      1. 将来の事業構想を踏まえた中期的な人材ポートフォリオのギャップ分析
        • CEO・CHROは、中期的な経営戦略の実現に向け、各事業が中期的に必要とする人材の質と量を整理し、現状とのギャップを明確にした上で、人事施策を立案する。
      2. ギャップを踏まえた、平時からの人材の再配置、外部からの獲得
        • CEO・CHROは、人材ポートフォリオのギャップに基づき、可能な限り早期に、社員の再配置や外部人材の獲得を検討し、実行する。また、社員が社外で有効な経験を積んで自社に戻ることを奨励し、アルムナイネットワークの活用等を検討する。
      3. 学生の採用・選考戦略の開示
        • CEO・CHROは、新卒一括採用に限定しない学生採用方針を策定し、学生に開示することで、国内外の留学やギャップイヤーでの自己研鑽等を経た学生の入社を容易にする等、中期的な人材ポートフォリオの充実につながる採用・選考戦略を策定・開示する。
      4. 博士人材等の専門人材の積極的な採用
        • CEO・CHROは、イノベーション創出や事業の変革に貢献する人材として、博士人材のような、高度な専門性と、自ら課題を設定し解決する独自の構想力を持つ人材を活用する方策を検討する。
  5. 知・経験のダイバーシティ&インクルージョンのための取組
    • 中長期的な企業価値向上のためには、非連続的なイノベーションを生み出すことが重要であり、その原動力となるのは、多様な個人の掛け合わせである。このため専門性や経験、感性、価値観といった知と経験のダイバーシティを積極的に取り込むことが必要となる。
      • このように、同質性の高いチームから多様なチームへと変わるに当たっては、社内外の協働の在り方を見直す必要がある。
      • 知と経験のダイバーシティ&インクルージョンは、多様な属性を持つ人材のみならず、社員全員に関わるテーマである。時代の変化に伴って、ダイバーシティの意味合いも変化する中で、人によって与える機会に制限をかけない、ということが重要となる。
        1. キャリア採用や外国人の比率・定着・能力発揮のモニタリング
          • CEO・CHROは、イノベーションの創出やグローバル展開の加速に向けて、女性活躍を促すことに加え、多様な知・経験を持ったキャリア採用者、外国人材を取り込む。その際、登用すべき地位・役職のレベルについても、その能力が最も発揮されるよう検討を行う。
          • また、必要な範囲においてKPIを活用し、当該人材の定着や能力発揮の状況を定期的に把握し、多様な人材が活躍しやすい風土を醸成する。
        2. 課長やマネージャーによるマネジメント方針の共有
          • CEO・CHROは、「知と経験のダイバーシティ&インクルージョン」の実現に向け、課長・マネージャーが、多様な人材を受け入れて組織を運営する能力を高める。当該スキルの養成に向け、各課長・マネージャーが互いのマネジメント方針を参照し、優れた工夫を相互に学び合う環境を整備する。
  6. リスキル・学び直しのための取組
    • 経営環境の急速な変化に対応するためには、社員のリスキルを促す必要がある。また、社員が将来を見据えて自律的にキャリアを形成できるよう、学び直しを積極的に支援することが重要である。
    • なお、自律的なリスキル・学び直しを促す際には、それぞれの社員が自身の過去の経験やスキル、キャリア上の意向、強い意欲をもって取り組める学習領域などを理解するプロセスが重要であり、会社がそのプロセスを支援することが肝要となる。
      1. 組織として不足しているスキル・専門性の特定
        • CEO・CHROは、経営戦略実現の障害となっているスキル・専門性を特定し、社員のリスキル・学び直しを主導する。その際は、そのスキル・専門性の向上が社員にとってどのような意義を持つのか、丁寧にコミュニケーションを行う。
      2. 社内外からのキーパーソンの登用、当該キーパーソンによる社内でのスキル伝播
        • CEO・CHROは、自社に不足するスキル・専門性を有するキーパーソンを社内外で特定し登用するだけでなく、当該人材にスキルの伝播を任せることで、周囲の人材のリスキル・学び直しも誘導することを検討する。
      3. リスキルと処遇や報酬の連動
        • CEO・CHROは、組織に不足するスキル・専門性の獲得を社員に促すに当たって、学ぶことや、失敗に終わったとしても学び挑戦をする姿勢そのものを称える企業文化の醸成の観点からも、その成果に応じ、キャリアプランや報酬等の処遇に反映できるよう、制度の見直しも含めて検討する。その際、組織のニーズのみに限定されない社員の自主的な学び直しにも配慮する。
      4. 社外での学習機会の戦略的提供(サバティカル休暇、留学等)
        • CEO・CHROは、社員が社外で学習する機会を戦略的に提供し、リスキル・学びを促す。
        • その際、一定期間職場を離れて学習等に活用するための長期休暇(サバティカル休暇)の導入や、国内外の大学・大学院での留学等、様々な方策が考えられるが、既存の学習支援制度を含めて、自社にとっての意味合いを見直す。
      5. 社内起業・出向起業等の支援
        • CEO・CHROは、社員の知識・経験を多様化し、周囲も含めた人材育成効果を高めるため、社内での起業や、出向という形での起業に挑戦する機会を、選択肢として社員に提供する。
  7. 社員エンゲージメントを高めるための取組
    • 経営戦略の実現に向けて、社員が能力を十分に発揮するためには、社員がやりがいや働きがいを感じ、主体的に業務に取り組むことができる環境の整備が重要である。その際、企業の理念、存在意義及び文化の浸透度合いから、ダイバーシティ&インクルージョンの達成状況に至るまで、様々な要素が複合的に関係するため、取組と検証を繰り返していくことが期待される。
    • 特に、企業や事業の成長と多様な個人の成長の方向性を一致させていく必要があり、画一的なキャリアパスではなく、多様な就業経験や機会の提供を行うことが求められる。
      1. 社員のエンゲージメントレベルの把握
        • CEO・CHROは、中期的な組織力の維持・向上を目指し、自社にとって重要なエンゲージメント項目を整理し、社員のエンゲージメントレベルを定期的に把握する。
      2. エンゲージメントレベルに応じたストレッチアサインメント
        • CEO・CHROは、エンゲージメントレベルが高い社員に対して、社員のキャリアプランと会社のニーズを一致させる形で、成長に資するアサインメントを提案することで、エンゲージメントの更なる向上につなげる。
        • また、エンゲージメントレベルが高くない社員に対して、キャリア上の意向を確認し、より適したアサインメントの提案を行うことで、組織の成果を高めながら、エンゲージメントの向上を狙うことも可能となる。
      3. 社内のできるだけ広いポジションの公募制化
        • CEO・CHROは、社員の異動又は退職するポジションについて、可能な限り公募を行い、社員が自律的にキャリアを形成し、高いエンゲージメントレベルで働ける環境を整備する。
      4. 副業・兼業等の多様な働き方の推進
        • CEO・CHROは、社員が企業・社会に貢献しようとする主体的な意思を最大限に尊重し、社内外の副業・兼業を含む多様な働き方を選択できるよう、環境を整備する。
      5. 健康経営への投資とWell-beingの視点の取り込み
        • CEO・CHROは、社員の健康状況を把握し、継続的に改善する取組を、個人と組織のパフォーマンスの向上に向けた重要な投資と捉え、健康経営への投資に戦略的かつ計画的に取り組む。その際、社員のWellbeingを高めるという視点も取り込んでいく。
  8. 時間や場所にとらわれない働き方を進めるための取組
    • いつでも、どこでも、働くことができる環境を整えることは、事業継続の観点からも必要性が高まっている。他方で、働き方に対する人々の意識が多様化する中で、マネジメントの在り方や、業務プロセスの見直しを含め、組織としてどう対応できるかが重要となっている。
      1. リモートワークを円滑化するための、業務のデジタル化の推進
        • CEO・CHROは、自社事業の生産性を維持・向上すべく、コロナ禍を契機に加速したリモートワークを今後も円滑に行えるよう、業務のデジタル化を継続的に行う。
      2. リアルワークの意義の再定義と、リモートワークとの組み合わせ
        • CEO・CHROは、リモートワークの推進と同時に、自社の事業にとって、社員がオフィスに集まって仕事を進めることの意義や有効性を再考し、リアルワークとリモートワークの最適な組み合わせを実現する

経済産業省 春の大型連休に向けて実施いただきたいサイバーセキュリティ対策について注意喚起を行います
  • 昨今のサイバー攻撃事案のリスクの高まりを踏まえ、政府においては、2月下旬以降3度の注意喚起を行っております。
  • このような情勢下での春の大型連休においては、連休の間隙を突いたセキュリティインシデントの発生などが懸念されることから、サイバーセキュリティ対策の強化について、関係4省庁から改めて注意喚起を行います。
  • 概要
    • 昨今においてはサイバー攻撃被害のリスクが高まっており、こうした情勢を踏まえ、今年3月には、関係府省庁の連名にて「現下の情勢を踏まえたサイバーセキュリティ対策の強化について(注意喚起)」等の注意喚起を発出しましたが、その後も、ランサムウェアによるサイバー攻撃被害が国内外の様々な企業・団体等で続いています。また、エモテットと呼ばれるマルウェアへの感染を狙う攻撃メールについては、知り合いのメールアドレスをそのまま使うなどにより知り合いからのメールであると信じ込ませたり、本文が業務上開封してしまいそうな正規のメールの返信を装うなど巧妙化が進み、国内の企業・団体等へ広く感染の被害が広がっていると考えられます。さらに、ブロードバンドルータ、無線LANルータ、監視カメラ用機器類、コピー機をはじめとするネットワークに接続された機器・装置類がマルウェアに感染したことに起因する攻撃通信が、増加傾向にあります。
    • このように依然として厳しい情勢の下での春の大型連休においては、連休の間隙を突いたセキュリティインシデント発生の懸念が高まるとともに、連休明けに電子メールの確認の量が増えることで偽装のチェックなどがおろそかになるといった感染リスクの高まりが予想されます。さらに、大型連休中は、通常と異なる体制等により、予期しない事象が生じることが懸念されます。
    • こうした春の大型連休における長期休暇期間がサイバーセキュリティに与えるリスクに鑑み、政府機関や重要インフラ事業者をはじめとする各企業・団体等は、適切な管理策によるサイバーセキュリティの確保について、別紙の対策を講じるようお願いいたします。
    • あわせて、不審な動き等を検知した場合は、早期対処のために速やかに所管省庁、セキュリティ関係機関に対して連絡していただくとともに、警察にもご相談ください。

経済産業省 2022年版中小企業白書・小規模企業白書をまとめました
▼2022年版中小企業白書・小規模企業白書の概要
  • 2年に及ぶ新型コロナウイルス感染症の流行や原油・原材料価格の高騰、部材調達難、人材不足といった供給面の制約もある中で、中小企業は引き続き厳しい状況にある。こうした中でも、中小企業を取り巻く需給構造の変化や、デジタル・グリーン化の進展等を踏まえ、事業再構築などに取り組みながら、必死に生き残りを図りつつ、次の成長に向けた取組を進めようとしている中小企業もある。
  • 今回の白書では、事業者の自己変革をテーマに、ウィズコロナ、アフターコロナの各フェーズにおいて、事業者にとって必要な取組を取り上げた。より具体的には、短期・中長期のスパンで中堅企業への成長やサプライチェーンの中核的存在を目指す中小企業(スケールアップ型企業)と持続的成長を志向し、地域経済を支える小規模事業者(パワーアップ型企業)のそれぞれが新たな挑戦を行うために、事業再構築をはじめ、どのような取組が必要なのかについて分析。
  • 中小企業の業況判断DIは、2020年4-6月期にリーマンショック時を下回る水準まで急激に悪化。足下では、持ち直しの動きも見られるが、依然として厳しい状況。
  • 2022年2月時点においても、新型コロナウイルス感染症は、引き続き多くの中小企業に影響を与えている。
  • 宿泊業、外食業を中心に、2020年の売上高は多くの企業が新型コロナウイルス感染症流行前を大きく下回った。
  • 我が国の倒産件数は、2009年以降は減少傾向で推移。2021年は資金繰り支援策などの効果もあり、6,030件と57年ぶりの低水準となった。一方で、新型コロナウイルス関連破たんの件数は、昨年9月から4ヶ月連続で月別件数として過去最多を更新するなど、月別件数は増加傾向にある。
  • 昨年の休廃業・解散件数は、前年から減少したものの、民間調査が開始された2000年以降で過去3番目の高水準となっている。
  • 持続化給付金:都道府県別では、東京都、大阪府、神奈川県の順に、全国に占める給付比率が高い。業種別では、建設業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業の順に、全業種に占める給付比率が高い。
  • 家賃支援給付金:都道府県別では、東京都、大阪府、神奈川県の順に、全国に占める給付比率が高い。業種別では、宿泊業、飲食サービス業・卸売業・小売業、建設業の順に、全業種に占める給付比率が高い。
  • 感染症流行後では、いずれの金融機関においても貸出残高が増加しており、実質無利子・無担保融資制度を活用しながら、積極的な融資が行われている状況がうかがえる。
  • 宿泊業をはじめとする各業種において感染症流行前と比べて借入金月商倍率が上昇しており、借入金の返済余力が低下している可能性がうかがえる。
  • 中小企業の人手不足感は、感染症流行の影響により一時的に弱まったものの、依然として人手不足の状況が見られる。
  • 技能実習および資格外就労(留学)の在留資格における外国人労働者数は、足下で減少。(就労業種の内訳を見ると、技能実習では、製造業、建設業が約7割、資格外就労(留学)では、宿泊業・飲食サービス業、卸売業・小売業が約6割を占めている。
  • 最低賃金は継続的に引き上げられており、2020年を除き、近年は引上げ幅も大きくなっている。中規模企業における労働分配率について、2009~2018年度は、人件費の減少に対して付加価値額は増加し、低下した。これに対して、2018~2020年度は、人件費の減少率を上回る形で付加価値額が減少したことから、上昇した。
  • 中小企業の製造業は、約6割が感染症によるサプライチェーンへの影響を受けていると回答。感染症流行による影響を受けた業務は、営業・受注が最も多いものの、生産活動や部材調達といった供給面に影響を受けた業務も一定数存在。
  • 足下では、ウクライナ情勢の緊迫化している中で、燃料や非鉄金属などの取引価格が上昇傾向にある。足下では、木材・鋼材といった資材や電力価格も上昇傾向にある。 交易条件指数は、仕入価格DIの上昇が販売価格DIの上昇より大きいため、悪化の傾向にある。
  • 原油先物価格(WTI石油先物)は、感染症流行前の2019年12月末時点から約8割上昇。同様に、原油等の輸入価格が8割上昇したと仮定した場合、石油・石炭製品部門では約5割、電力・ガス・熱供給部門では約3割といった度合いで、原油等の投入が多い部門において産出価格が上昇すると推計される。
  • 前頁で取り上げた産出価格の上昇率の高い10部門に対応する中小企業について、従業者数や付加価値額が中小企業全体に占める割合を見ると、従業者数で12.5%、付加価値額で15.1%と一定の割合を占める。
  • 中小企業におけるBCPの策定状況を見ると、策定している企業は3年間でわずかに増加しているものの、依然として半数近くが策定していない。事業継続計画(BCP)の策定は、リスクへの意識が高まるだけでなく、策定プロセスを通じて自社の事業を見直すきっかけにもなる観点から重要。
  • 来街者数が「減った」と回答した商店街は、全体の約7割を占め、前回調査(3年前)から10ポイント以上増加。特に「減った」要因について、「魅力ある店舗の減少」や「地域の人口減少」等の回答割合が低下した一方、「集客イベント等の未実施」の回答割合が、10ポイント以上増加。
  • 年齢の高い経営者の比率は高まっており、事業承継は引き続き社会的な課題となっている。経営者年齢が若い企業では、試行錯誤を許容するなど新たな取組に果敢にチャレンジする傾向にあり、事業承継を適切に実施し、次世代の後継者に引き継いでいくことが重要。
  • 中小企業におけるM&Aは、近年増加傾向。後継者不在企業の割合は低下しており、経営者の事業承継に対する意識の変化が見られる。既存の経営資源を活かし、後継者が新たな取組や販路開拓に積極的に取り組む企業も存在。
  • 近年、中小企業においても、SDGsの取組への意識が高まってきている。
  • 感染症流行前から現在に至るまで毎年徐々に優先順位は高まっており、事業方針におけるデジタル化の優先順位が高い又はやや高いと考える企業は2割以上増えている。
  • 中小企業においては、今後の経営上の不安要素として、「原材料価格・燃料コストの高騰」や「人材不足・育成難」を挙げる割合が上昇。経営基盤の強化に向けた注力分野としては、「人材の確保・育成」などの割合が上昇。こうした中で、不安要素として、「国内の消費低迷、販売不振」は引き続き上位に位置している。(注力する分野として、「営業・販売力の強化」を挙げる企業も一定数存在。)
  • 事業再構築は各業種で実施されているが、特に感染症の影響の大きい宿泊業・飲食サービス業で実施割合が高い。
  • 感染症下において事業再構築を行い、既に売上げ面での効果を実感する企業も存在。また、早期に取り組んだ企業ほど既に効果を実感している。
  • 事業再構築に取り組む企業は、売上げ面の効果だけでなく、既存事業とのシナジー効果(新規開拓した販路の既存事業への活用等)も実感している。
  • 新たな市場に、新たな商品・サービスを提供する事業再構築に取り組み、実際に既存事業とのシナジー効果を感じる企業も存在。
  • 企業の成長(付加価値向上)を促す方法として、労働力の確保や有形資産投資の増加も挙げられるが、人的資本・研究開発・IT資本等への投資をはじめとする無形資産投資の増加も成長を促す方法の一つ。無形資産投資は、イノベーションをよりもたらす等の経済的特性から近年注目を集めている。無形資産投資の増加が有形資産投資と比べて生産性をより向上させるとの分析があることも踏まえ、今回着目。
  • 無形資産投資の一つであるブランド構築は、オリジナルの付加価値を有し、適正価格を付けられる価格決定力を持つことが考えられる。ブランドの構築・維持を図る取組を行っている企業は、自社ブランドが取引価格へ寄与している割合が高い。
  • ブランドの構築・維持のための取り組みとしては、自社のブランドの発信だけでなく、ブランドコンセプトの明確化や従業員への浸透などを行うことも必要。自社のブランドコンセプトの見直しを行い、改めてブランドコンセプトを明確化したことで、ブランド力が高まり、販路の拡大などにつながっている企業も存在。
  • 中小企業が重視する経営資源は「ヒト」であり、従業員の仕事に対する意欲向上の観点からも、従業員の能力開発に取り組むことが重要。
  • 計画的なOJT研修、OFF-JT研修いずれも実施している企業では、売上高増加率が最も高い。計画的なOJT研修やOFF-JT研修を実施し、従業員の能力開発を進めることが重要。従業員に継続的に学びの機会を提供していたことで、感染症流行による影響を受けながらも、従業員の工夫で急回復している企業も存在。
  • 中小企業においても、2016年以降、越境ECを利用している企業の割合は増加傾向。越境ECを利用している企業でも、販売先に関する情報不足や自社ブランド認知度向上の難しさなどの課題を抱えている。JAPANブランド育成支援等事業やJETROの新輸出大国コンソーシアムなど、自社の課題に合わせて国の支援制度を活用し、海外展開を進める企業も存在。
  • 脱炭素化に向けた具体的な取組では、エネルギー効率の高い機器・設備の導入や、太陽光発電設備の設置、電化の促進などが実施されている。脱炭素化を進めることで、多くの企業はコスト削減効果を感じており、企業によっては市場における競争力強化につながっていると実感。脱炭素化に取り組んだことで、新たな取引先の創出や企業価値の向上につながっている企業も存在。
  • 起業家の多くが、起業において、身近な起業家の影響を受けているが、日本では、こうした起業家が身近にいる人の割合が他国と比べて低い。また、「失敗に対する危惧」や「学校教育」も日本で起業が少ない要因として挙げられ、こうした環境の整備が求められる。
  • 日本におけるスタートアップ向けの投資額は増加傾向にあるものの、米国と比較すると依然として大きな差があり、スタートアップの資金調達環境の整備が求められる。
  • 2021年の売上高は、宿泊業・飲食サービス業を中心に、多くの小規模事業者が感染症流行前の水準に戻っておらず、厳しい経営環境に直面している。
  • 組織形態や資本金の多寡によらず、小規模事業者は積極的に事業見直しに取り組んでいる。
  • 事業見直しは、対象とする市場と提供する商品・製品・サービスの2つの軸で、市場浸透、新商品開発、新市場開拓、多角化の4つに分類することができる。感染症による売上げへの影響があった小規模事業者の約7割は、市場浸透に取り組んでいる。
  • 具体的取組の実施状況を見ると、既存の市場、既存製品・商品・サービスの下で情報発信の強化や商品・サービスの向上に取り組む小規模事業者が多い。
  • 小規模事業者は、事業見直しに取り組むにあたって、知識・ノウハウの不足や販売先の開拓・確保、資金調達、人材の確保といった課題に直面している。
  • 支援機関は、自信を持って助言ができる経営資源として、人材や取引先(仕入れ先・販売先網)を上位に挙げ、小規模事業者が事業見直し時に様々な課題に直面する中、支援機関による助言は重要な役割を担う。
  • 事業見直し時に支援機関を活用した小規模事業者は、活用していない小規模事業者と比べて今後の売上げへの期待度が高い。実際に、売上げの減少を契機として、支援機関の支援を受けながら事業見直しに取り組み、業績の回復を図る企業が存在。
  • 売上げの減少以外を契機として事業見直しに取り組んだ小規模事業者では、今後の市場動向を見据え、中長期的な事業見直しに取り組む者も存在。
  • 他の事業者との共同の商品開発などの取組により、新たな取引の創出や取引先との関係強化といった経営上の効果が高まることが期待される。商工会の支援やバイヤーとの連携で、新たな取引の創出や販路開拓につながった企業も存在。
  • 地域の課題解決に向けた中心的な役割を担う存在として、小規模事業者への期待は大きい。小規模事業者による地域課題解決にあたっては、事業者が単独ではなく、他の事業者と互いの経営資源等を共有する場合が考えられる。支援機関は、事業者に対して具体的な連携先の紹介や連携方法に関する助言を行っているため、事業者が他の事業者との協業を行う際には、支援機関が有するネットワークやノウハウの活用も有効。自地域にはないインフラを提供することで、地域課題解決に向けた連携をより効率的に進めている企業も存在する。
  • エネルギー価格・原材料価格の高騰への対応だけでなく、中小企業における賃上げといった分配の原資を確保する上でも、取引適正化は重要。業種別に価格転嫁の実施状況を見ると、金属等において進展。
  • 販売先との交渉機会が設けられていない企業では、「価格転嫁できなかった」とする割合が6割超と高く、価格転嫁に向けては、販売先との交渉の機会を設けることが重要。
  • パートナーシップ構築宣言を行った企業について、取引先への周知方法を確認すると、約4割の大企業がHP掲載を行っており、周知方法として最も多い。こうした中で、宣言文配布やメールにより、個別の取引先に丁寧に周知を行っている企業も一部存在。
  • パートナーシップ構築宣言を行った企業について、自社内の調達・購入担当への周知方法を確認すると、企業規模を問わず、会議や打合せ等で周知している割合が高い。中には、社員教育や研修等に組み入れている例もある。一方で、周知を行っていない企業も一部存在。
  • パートナーシップ構築宣言の宣言文では、サプライチェーン全体の付加価値向上に取り組むこととされている。大企業ではグリーン化支援が最も多く、健康経営等に関する取組の支援、EDI導入支援、働き方改革に関する取組の支援、BCP策定支援と続く。一方で、特に行っていない企業も一部存在。
  • パートナーシップ構築宣言の宣言文ひな形では、価格協議の申し入れがあった場合は協議に応じることとしている。企業規模によらず、申し込みを受けた都度協議を実施している企業が多数だが、申し入れがあった場合でも協議を「実施していない」企業も一部存在。
  • 感染症の流行前後で、デジタル化により業務効率化などに取り組む事業者(段階3)は増加している。一方で、依然として紙や口頭による業務が中心の事業者(段階1)が一部存在するとともに、デジタル化によるビジネスモデルの変革など、DXに取り組めている事業者(段階4)も約1割にとどまる。
  • 取組段階が進展するにつれて、営業力・販売力の維持・強化をはじめとする個々の効果を実感する事業者の割合は高くなる。引き続き、デジタル化の進展に取り組み、最終的には新たなビジネスモデルの確立につながる段階への到達を目指すことが重要。感染症流行下で、外部専門家からの指導・支援により、業務プロセスの効率化や社内の情報共有から取り組む意義に気づき、デジタル化の取組を進展させた企業も存在。
  • 経営者自らが自己変革を進めるためには、支援機関との対話を通じて、経営課題を設定することが重要。そのためには、第三者である支援者・支援機関が、経営者等との信頼関係を築き、対話を重視した伴走支援を行うことが有効。
  • 経営環境が激変する時代に中小企業の「自己変革力」を高めるためには、経営課題解決だけではなく、「経営力そのもの」に迫る的確な課題「設定」が重要。実際に支援機関による伴走支援を受け、経営力を向上させた企業も存在。

経済産業省 「ウイルス感染症対策」において日本はmRNAワクチン等の最新技術で出遅れ-令和3年度特許出願技術動向調査の結果について-
  • 特許庁は、令和4年4月27日に、将来の市場創出・拡大が見込める最先端分野である「ウイルス感染症対策」の技術テーマについて、特許情報等を調査・分析した特許技術動向調査の報告書を取りまとめました。
  • 調査の結果、予防・治療技術のモダリティ、検出・診断技術の検出対象に関して、日本と他国との間で全体的な傾向に大きな違いはありませんでしたが、mRNAワクチンや次世代シーケンシングによる検出・診断といったCOVID-19流行開始後に実用化が進んだ最新技術に関しては、日本で出遅れていることが分かりました。
  • 新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)への対策が世界的に喫緊の課題である中、COVID-19をはじめとしたウイルス感染症への対策のための技術開発が必要とされています。本調査では、ウイルス感染症対策のうち、(1)予防・治療技術(抗ウイルス剤、ワクチン、付随する症状を緩和・抑制する医薬)、(2)検出・診断技術(核酸分析技術、抗原分析技術、抗体分析技術等)を調査対象としました。
  • 本調査における特許動向の解析から、日米欧中韓への出願(ファミリー件数)は、出願人国籍・地域別の割合では中国籍、米国籍、欧州籍、韓国籍、日本国籍の順に多いことが分かりました。欧州を国別に分けて見ると、日本はファミリー件数では4位、PCT出願では3位であり、ある程度の技術開発力を有しているといえます。
  • 技術分野別では、予防・治療技術のモダリティ、検出・診断技術の検出対象に関して、日米欧中韓で全体的な傾向に大きな違いはありませんでしたが、mRNAワクチンや次世代シーケンシングによる検出・診断といったCOVID-19流行開始後に実用化が進んだ最新技術に関しては、日本国籍からの特許出願はほとんど見られませんでした。一方で、これらの最新技術については種々の改良すべき点が存在しており、様々なアプローチからの対処が考えられます。日本がこれまで培ってきた強みとなる技術を活用して、各種技術の完成度を向上していくことが望まれます。
    1. 対象技術・背景
      • 新型コロナウイルスによる感染症への対策が世界的に喫緊の課題である中、新型コロナウイルスをはじめとしたウイルス感染症への対策のための技術開発が必要とされている。
      • 本調査では、ウイルス感染症対策のうち、下記の技術を調査対象とした。
        • 予防・治療技術(抗ウイルス剤、ワクチン、付随する症状を緩和・抑制する医薬)
        • 検出・診断技術(核酸分析技術、抗原分析技術、抗体分析技術等)
    2. 調査結果:全体動向
      • ファミリー件数(出願年:2013年6月~2019年12月)が最も多いのは中国籍の15,990件で、全体の65.4%を占めている。次いで、米国籍が3,810件(15.6%)、欧州籍が1,993件(8.1%)、韓国籍が1,127件(4.6%)、日本国籍が790件(3.2%)。
      • 日米欧州籍出願人の自国・地域への出願が総件数の約35%~50%であるのに対して、中国籍出願人は自国への出願が約93%、韓国籍出願人は約68%であり、自国への出願が多い。
    3. 調査結果:予防・治療技術に関する動向
      • 出願人国籍・地域別に技術区分ごとのファミリー件数を見ると、抗ウイルス剤、ワクチンともに日米欧中韓で全体的な傾向に大きな違いは見られず、特に日本が遅れている技術はない。
      • 「抗ウイルス剤」について、いずれの出願人国籍・地域でも出願の中心は「低分子」である。
      • 「ワクチン」について、中国・韓国籍の出願では「弱毒化・不活化ワクチン」の比率が他国・地域より高い。
    4. 調査結果:検出・診断技術に関する動向、出願人国籍・地域別出願件数
      • mRNAワクチン、次世代シーケンシングといったCOVID-19流行開始後に実用化が進んだ最新技術に関し、日本国籍からの特許や論文はほとんど見られなかった。
      • 日本国籍出願人はファミリー件数では韓国籍に次いで4位、PCT出願件数では中国籍に次いで3位であり、一定の技術開発力は有している。
      • mRNAワクチンや次世代シーケンシングといった技術も完成には至っていない。
      • 日本が培ってきた技術力を各種技術の完成度の向上に生かすことが望まれる。

経済産業省 「教育分野における情報通信技術の活用」において中国の出願が増加、中韓では人工知能の利用に関する出願が急増-令和3年度特許出願技術動向調査の結果について-
  • 特許庁は、令和4年4月27日に、将来の市場創出・拡大が見込める最先端分野である「教育分野における情報通信技術の活用」の技術テーマについて、特許情報等を調査・分析した特許技術動向調査の報告書を取りまとめました。
  • 調査の結果、中国籍出願人による出願の近年の伸びが顕著であること、及び、「人工知能の利用」に関する出願は、2017年以降に急増しており、特に中国籍出願人、韓国籍出願人からの出願が増加していることが分かりました。
  • 我が国においては、GIGAスクール構想に基づき「1人1台端末」等、学校におけるICT環境の整備が着実に進められています。諸外国においてもSTEAM教育やICTを活用した教育への注力がなされており、ICT環境を基盤とした先端技術や教育ビッグデータを活用した新たな学習として“EdTech”分野への関心が全世界的に高まっています。
  • 特許出願の全体動向についてみると、当該分野の特許出願件数は増加しています。特に中国籍出願人による出願の近年の伸びが顕著ですが、その多くは中国国内への出願となっています。日本国籍出願人、韓国籍出願人による出願も増加傾向にある一方で、米国籍出願人による出願は減少傾向にあります。
  • 教育分野における情報通信技術の活用として、学習の個別最適化や指導者支援に関する技術が注目されており、これらの技術において人工知能を利用した開発が進んでいます。そこで、「人工知能の利用」に着目して分析を行いました。
  • 「人工知能の利用」に関する出願は、2017年以降に急増しており、特に中国籍出願人、韓国籍出願人からの出願が増加しています。また、人工知能に用いられているログについて分析すると、成績や学習経過の記録等の「スタディログ(学習記録)」に関する出願件数が多く、その一方で、「アシストログ(指導記録)」に関する出願は多くはないことが分かりました。
  • 今後も、教育分野における情報通信技術の活用として、特に人工知能を利用した出願の増加が予想されるところ、我が国はGIGAスクール構想等により教育ICTのハード面での基盤が整ってきています。この基盤を有効に活用するための技術開発が期待されます。例えば、アシストログは、指導の内容と効果を紐付けて分析することにより、効果的な指導が可能になることから、人工知能を用いてアシストログを分析・活用する技術の開発に注力すれば、我が国が市場で優位に立てる可能性があります。
    1. 対象技術・背景
      • 我が国においては、GIGAスクール構想に基づき「1人1台端末」等、学校におけるICT環境の整備が着実に進められ、諸外国においてもSTEAM教育やICTを活用した教育への注力がなされており、“EdTech”分野への関心が全世界的に高まってきている。
      • 教育ICTについて、学びの観点から、「学習者」、「指導者・協力者(手段)」、「学習コンテンツ」、「学習形態」、「学習・指導の記録」の5つの概念に分類し、技術の観点から、「ソフトウェアにおける技術的特徴」と「ハードウェアにおける技術的特徴」の2つの概念に分類して解析した。
    2. 調査結果:全体動向
      • 特許出願件数は増加しており、特に中国籍出願人の近年の伸びが顕著。
      • 出願人国籍・地域別で最も多いのは中国籍の8,059件で、全体の48.1%を占めている。
      • 出願人ランキングでは、上位20者中5者を日本の企業が占めている。
    3. 調査結果:効果的に利活用可能な「学習基盤」を構築する技術
      • 教育分野における情報通信技術の活用として、人工知能の導入が進んでいる。そこで、「人工知能の利用」及び「学習・指導の記録」に着目して分析した。
      • 「人工知能の利用」に関する出願は、2017年以降に急増しており、特に中国籍出願人、韓国籍出願人からの出願が増加している。
    4. 調査結果:効果的に利活用可能な「学習基盤」を構築する技術
      • 「人工知能の利用」及び「学習・指導の記録」をクロス分析したところ、いずれの国籍・地域の出願人においても、「スタディログ(学習記録)」に関する出願件数が多く、一方で、「アシストログ(指導記録)」に関する出願件数は多くないことが分かった。
      • 我が国は、GIGAスクール構想等により、教育ICTのハード面での基盤が整ってきており、この基盤を有効に活用するための技術開発が期待される。例えば、指導の内容と効果を紐付けて分析することにより、効果的な指導が可能になることから、人工知能を用いてアシストログを分析・活用する技術の開発に注力すれば、我が国が市場で優位に立てる可能性がある。

【厚生労働省】

【2022年6月】

厚生労働省 第87回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年6月8日)
▼資料1 直近の感染状況等の分析と評価
  • 感染状況について
    • 全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約97人となり、今週先週比は0.70と減少が続いている。また、年代別の新規感染者数は全ての年代において減少が続いている。
    • 全国の新規感染者数の減少に伴い、療養者数及び重症者数は減少が続くとともに、横ばいで推移していた死亡者数も減少に転じている。
    • 実効再生産数 : 全国的には、直近(5/22)で0.91と1を下回る水準となっており、首都圏、関西圏ともに0.92となっている。
  • 地域の動向 ※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値。
    1. 北海道 新規感染者数は今週先週比が0.65と1を下回り、約127(札幌市約140)。30代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率は1割強。
    2. 北関東 茨城の新規感染者数は今週先週比が0.66と1を下回り、約56。30代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率は1割弱。栃木、群馬でも今週先週比がそれぞれ0.71、0.65と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約48、54。病床使用率について、栃木では1割未満、群馬では約1割。
    3. 首都圏(1都3県) 東京の新規感染者数は今週先週比が0.72と1を下回り、約95。30代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は1割強、重症病床使用率は2割弱。埼玉、千葉、神奈川でも今週先週比がそれぞれ0.63、0.67、0.68と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約59、54、70。病床使用率について、埼玉では1割強、千葉では1割弱、神奈川では約1割。
    4. 中京・東海 愛知の新規感染者数は今週先週比が0.72と1を下回り、約106。20代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は1割強。岐阜、静岡、三重でも今週先週比がそれぞれ0.80、0.70、0.69と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約132、81、79。病床使用率について、岐阜では3割弱、静岡では約1割、三重では2割弱。
    5. 関西圏 大阪の新規感染者数は今週先週比が0.71と1を下回り、約114。30代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率、重症病床使用率はいずれも1割強。滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山でも今週先週比がそれぞれ0.56、0.58、0.68、0.72、0.69と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約81、96、93、77、69。病床使用率について、滋賀、京都、兵庫、和歌山では1割強、奈良では1割未満。
    6. 九州 福岡の新規感染者数は今週先週比が0.65と1を下回り、約124。20代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は1割強。佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島でも今週先週比がそれぞれ0.65、0.91、0.77、0.65、0.71、0.83と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約97、152、140、110、153、171。病床使用率について、佐賀では約1割、長崎では1割強、熊本では2割強、大分、宮崎では2割弱、鹿児島では3割弱。
    7. 沖縄 新規感染者数は今週先週比が0.88と1を下回り、約590と全国で最も高い。30代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率は4割弱、重症病床使用率は1割強。
    8. 上記以外 青森、岩手、広島、山口の新規感染者数はそれぞれ約105、88、122、103。病床使用率について、青森、広島、山口では約2割、岩手では2割強。
  • 今後の見通しと必要な対策
    1. 感染状況について
      • 新規感染者数について、全国的には概ね全ての地域で報告数の減少傾向が続いている。地域別に見ると、直近1週間の移動平均について、首都圏、愛知県、大阪府や福岡県などの大都市部に加え、一部の地方都市では昨年夏のピーク時を下回る状況となっている。一方、沖縄県では全国で最も高い状況が続いているものの、直近の約3週間は減少がほぼ継続している。
      • 年代別の新規感染者数では全ての年代で減少が継続しており、地域別で見ても概ね同様の傾向が継続している。
      • 新規感染者の感染場所について、高齢者福祉施設、保育所等、事業所及び飲食店における割合が高止まりしている。また、足下の数日では、学校等、病院及び障害者福祉施設における割合が増加基調となっている。
      • 新規感染者数については、GW明けに一旦増加傾向となったが、その後、減少傾向が継続している。今後の感染状況について、大都市部の短期的な予測では減少傾向の継続が見込まれるが、(1)ワクチンの3回目接種と感染により獲得された免疫は徐々に減衰していくこと、(2)6月は梅雨の時期であり、人流は比較的抑制される傾向にあるが、7月以降は夏休みの影響もあり、接触の増加等が予想されること、(3)オミクロン株の新たな系統への置き換わりの可能性もあること等から、夏頃には感染者数の増加も懸念されるところであり、医療提供体制への影響も含めて注視していく必要がある。
    2. 感染の増加要因と抑制要因について
      • 感染状況には、以下のような感染の増加要因と抑制要因の変化が影響するものと考えられる。
        1. 接触パターンについて
          • 夜間滞留人口について、1週間ごとに増減を繰り返す地域もあれば、継続して増加する地域もある。これらの中には、昨年末のピークを超える地域もあるため、今後の感染状況への影響に注意が必要。
        2. 流行株について
          • 2系統へ概ね置き換わっており、BA.1系統が優位であった時期と比較すると、減少スピードが遅れる一要因となりうる。また、BA.2.12.1系統とBA.5系統が国内でも検出されており、モニタリングの継続が必要。
        3. ワクチン接種等について
          • 3回目接種が進んでいるが、3回目接種から一定の期間が経過することに伴い、感染予防効果は、より早く接種を受けた人から今後減弱していくことが予想され、留意が必要。また、これまでの感染により獲得した免疫についても、今後徐々に減弱することが予想される。
        4. 気候要因について
          • 気温が上昇する時期は、換気を行いやすい気候条件になる。しかし、気温の上昇やこれから梅雨の時期に入ると、降雨によって屋内での活動が増える場合もある。
    3. 医療提供体制について
      • 沖縄県では、入院者数、病床使用率や重症病床使用率は減少が続いている。全国的にも、新規感染者数の減少傾向が続いていることに伴い、概ね全ての地域で病床使用率が減少となるとともに、全ての地域で自宅療養者・療養等調整中の者も減少。
      • 救急搬送困難事案については、非コロナ疑い事案、コロナ疑い事案ともに地域差が見られるが、全国的に減少傾向が続いている。
    4. オミクロン株による感染拡大を踏まえた取組
      1. サーベイランス等
        • 発生動向把握のため、実効性ある適切なサーベイランスの検討が必要。また、変異株について、ゲノムサーベイランスで動向の監視を継続することが必要。さらに、重症例やクラスター事例等では、変異株PCR検査や全ゲノム解析による確認が求められる。
      2. 自治体における取組
        • 自治体では、オミクロン株の特徴を踏まえた対応強化を図るべく、診療・検査体制や保健所体制の点検も必要である。
        • 地域の感染状況に基づき、必要な医療提供体制の構築に引き続き取り組むことが必要。
        • 高齢者施設等に対する医療支援体制の強化・徹底にあたっては、医療関係部局と介護関係部局が連携し、地域の関係者とも協議しつつ進めていくことが重要。
        • 健康観察等の重点化や患者発生届の処理の効率化など事務連絡に基づき、効率的に保健所業務を実施するとともに、地域に
        • 必要な保健所機能を維持するため、外部委託や本庁での一元化による体制を確保することが重要。
      3. ワクチン未接種者、3回目及び4回目接種者への情報提供等
        • 自治体では、ワクチン接種に関する情報提供を進めることが重要。未接種者へのワクチン接種とともに、3回目及び4回目接種を着実に実施していくことも必要。また、ワクチンの初回接種者においては症状が遷延するリスクが低いとの報告がある。さらに、今回、長崎大学による「新型コロナワクチンの有効性に関する研究」の中で、ワクチンの2回接種完了と3回接種完了の有効性の評価が示された。
        • 3回目接種の主な目的は発症予防・重症化予防である。3回目接種率について、6月7日公表時点で65歳以上高齢者では約89%、全体では約60%となった。対象者への3回目の接種を今後も着実に実施し、希望する方にはできるだけ多く接種していただくことが求められている。4回目接種については、重症化予防を目的として、60歳以上の者と、重症化リスクの高い基礎疾患を有する者、その他重症化リスクが高いと医師が認める方を対象として特例臨時接種として5月25日から開始された。また、同日から新たなワクチンを1~3回目接種用として接種開始できるようになった。このワクチンは、従来の新型コロナワクチンとは異なる種類であり、ワクチンの多様性を確保できるとともに、国内で製造が行われることからワクチン供給の安定性の確保につながるものである。
        • 5歳から11歳までの子どもへのワクチン接種については、特例臨時接種として実施されているが、その際、努力義務の規定はこれらの小児について適用しないことを踏まえ、接種を進めていくことが必要。また、小児への感染予防を期待して、保護者や周囲の大人がワクチンの3回目接種を行うことも重要。
      4. 水際対策
        • 海外及び国内の現在の流行状況なども踏まえて水際対策の段階的な見直しを検証していく必要がある。また、出国前検査は継続して求めつつ流入リスクに応じた対応を行うとともに、入国時検査での陽性者は、海外における流行株監視のため、全ゲノム解析を継続させることが必要。
    5. オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底
      • 感染が広がっている場面・場所において、オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底が求められる。
        • 学校・幼稚園・保育所等においては、児童・生徒の感染リスクが高まる場面を職員や子ども・保護者等と共有しつつ、子どもの感染対策はもとより、教職員や保育士などに対する積極的なワクチンの接種促進も含め感染対策を徹底する。その上で、できるだけ教育活動や社会機能などの継続に取り組むことが必要。子どもや職員が少しでも体調が悪い場合は、休暇を取得できる環境を確保することが重要。あわせて、家庭内での感染対策の徹底も求められる。また、2歳未満の児童についてはマスク着用は推奨しないこと、2歳以上の就学前児については、熱中症のリスクや表情が見えにくくなることによる影響も懸念されることから、マスク着用を一律には求めず、無理に着用させないことについて、保育所等に対し周知・徹底することが必要。学校においては、体育の授業・運動部活動や登下校の際にはマスク着用が必要ないことを学校現場に周知・徹底することが必要。
        • 高齢者の感染を抑制するため、介護福祉施設における対策の徹底が必要。このため、従業者等へは積極的な検査を実施する。また、重症化予防のため、入所者に対するワクチンの4回目接種を進める。さらに、施設等における感染管理や医療に関して外部からの支援体制を確保し、施設で感染が確認された際には早期に迅速な介入が重要。
        • 職場においては、社会機能維持のため、業務継続計画の活用に加え、テレワークの活用や休暇取得の促進等の取組が求められる。また、従業員の体調管理を徹底し、少しでも体調が悪い場合には休暇を取得できる環境を確保することが必要。さらに、職域におけるワクチンの3回目接種を積極的に進めるべきである。
    6. 現在の感染状況を市民や事業者の皆様と広く共有して、感染拡大防止に協力していただくことが不可欠
      • 全国的には昨夏のピークより低い状況となっているが、地方都市を中心に全国の半数以上の地域では未だに高い状況が続いている。このため、基本的な感染対策と日頃の体調管理を徹底し、感染リスクの低減に向けた取組にご協力いただくことが必要。
        1. ワクチン接種について
          • ワクチンの3回目接種は、その種類に関わらず、時期が来れば、早めに受けていただくことが重要。新型コロナウイルス感染症に罹患すると、若年者でも重症化することがあり、また、遷延症状が見られる場合もあることから、重症化リスクの高い高齢者はもとより、若年者も自らの健康を守るために接種していただくことが求められる。あわせて、これまで1・2回目接種できていない方々にも改めて接種を検討していただくことが重要。
        2. 感染対策の徹底
          • オミクロン株においても基本的な感染防止策は有効であることから、不織布マスクの正しい着用、手指衛生、換気などの徹底を継続することが必要。また、三つの密(密集、密閉、密接)が重なるところは最も感染リスクが高いが、一つの密であってもできるだけ避けることが必要。
        3. 外出等に際して
          • 混雑した場所や換気が悪く大人数・大声を出すような感染リスクの高い場面・場所を避けることが必要。行動はいつも会う人と少人数で。飲食は、できるだけ少人数で黙食を基本とし、飲食時以外はマスク着用の徹底が必要。一方で、屋外については、近距離で会話する場合を除き、マスク着用は必要ない。特に、夏場については、熱中症予防の観点から屋外ではマスクを外すことを推奨する。
        4. 体調管理について
          • 軽度の発熱、倦怠感など少しでも体調が悪ければ外出を控えるとともに、自治体等の方針に従って受診や検査をすることが必要。特に、高齢者をはじめ、重症化リスクの高い方と会う機会がある場合には注意が必要。
    7. オミクロン株の特徴に関する知見
      1. 感染性・伝播性
        • オミクロン株はデルタ株に比べ、世代時間が約2日(デルタ株は約5日)に短縮、倍加時間と潜伏期間も短縮し、感染後の再感染リスクや二次感染リスクが高く、感染拡大の速度も非常に速いことが確認されている。なお、報告されているデータによれば、これまでの株と同様に発症前の伝播は一定程度起きていると考えられる。
      2. 感染の場・感染経路
        • 国内では、多くの感染がこれまでと同様の機会(換気が不十分な屋内や飲食の機会等)で起きており、感染経路もこれまでと同様、飛沫が粘膜に付着することやエアロゾルの吸入、接触感染等を介していると考えられている。
      3. 重症度
        • オミクロン株による感染はデルタ株に比べて相対的に入院のリスク、重症化のリスクが低いことが示されているが、現時点で分析されたオミクロン株による感染の致命率は、季節性インフルエンザの致命率よりも高いと考えられる。また、肺炎の発症率についても限られたータではあるが季節性インフルエンザよりも高いことが示唆されているが、今後もさまざまな分析による検討が必要。今回の感染拡大における死亡者は、昨年夏の感染拡大と比べ、80歳以上の占める割合が高くなっている。感染前の状況として、医療機関に入院中の方や高齢者施設に入所中の方が多いことが示された。侵襲性の高い治療を希望されない場合や基礎疾患の悪化等の影響で重症の定義を満たさずに死亡する方など、新型コロナウイルス感染症が直接の死因でない事例も少なくないことが報告されており、基礎疾患を有する陽性者でコロナ感染による肺炎が見られなくても感染により基礎疾患が増悪することや、高齢の感染者が心不全や誤嚥性肺炎等を発症することにより、入院を要する感染者の増加に繋がることにも注意が必要。
      4. ウイルスの排出期間
        • オミクロン株感染症例におけるウイルスの排出は、時間の経過とともに減少する。有症状者では、発症日から10日目以降において、排出する可能性が低くなることが示された。なお、無症状者では、診断日から8日目以降において排出していないことが示された。
      5. ワクチン効果
        • 初回免疫によるオミクロン株感染に対する感染予防効果や発症予防効果は著しく低下する。入院予防効果については、半年間は一定程度保たれているものの、その後50%以下に低下することが報告されている。一方で、3回目接種によりオミクロン株感染に対する感染予防効果、発症予防効果や入院予防効果が回復することや、3回目接種後のワクチン効果の減衰についても海外から報告されている。
      6. BA.2系統
        • 海外ではBA.2系統への置き換わりがある中で、感染者数の増加が見られたが、現在は世界的に減少傾向となっている。国内におけるオミクロン株は、当初BA.1とBA.1.1の海外からの流入がともにあったものの、その後BA.1.1が多数を占めた。現在は、BA.2系統へ概ね置き換わった。なお、BA.2系統はBA.1系統との比較において、実効再生産数及び二次感染リスク等の分析から、感染性がより高いことが示されている。BA.2系統の世代時間は、BA.1系統と比べ15%短く、実効再生産数は26%高いことが示された。BA.1系統とBA.2系統との重症度の比較については、動物実験でBA.2系統の方が病原性が高い可能性を示唆するデータもあるが、実際の入院リスク及び重症化リスクに関する差は見られないとも報告されている。また、英国の報告では、ワクチンの予防効果にも差がないことが示されている。
      7. XE、BA.4、BA.5及びBA.2.12.1系統
        • オミクロン株のXE系統は、オミクロン株のBA.1系統とBA.2系統の組換え体であり、XE系統について、検疫で検出されている。WHOレポートによれば、BA.2系統に比べて市中での感染者の増加する速度が10%程度高いと報告されている。
        • また、BA.4系統、BA.5系統及びBA.2.12.1系統は検疫で検出されており、このうちBA.5系統及びBA.2.12.1系統については国内でも検出されている。米国CDCによれば、BA.2.12.1系統は、BA.2系統と比べて感染者の増加する速度が25%程度高いと報告されている。一部の国や地域ではBA.4系統、BA.5系統及びBA.2.12.1系統の検出割合が増加し、BA.2系統からの置き換わりが進んでおり、感染者の増加の優位性が示唆されている。国立感染症研究所によれば、感染力や重症度等に大きな差が見られるとの報告は現時点ではないものの、ウイルスの特性について、引き続き、諸外国の状況や知見を収集・分析するとともに、ゲノムサーベイランスによる監視を続けていくことが必要としている。

厚生労働省 労働政策審議会障害者雇用分科会意見書~今後の障害者雇用施策の充実強化について~
▼労働政策審議会障害者雇用分科会意見書(概要)
  1. 雇用の質の向上に向けた事業主の責務の明確化
    • 障害者の活躍促進のため、事業主に対し、キャリア形成の支援を含め、適正な雇用管理をより一層積極的に行うことを求める。
  2. 雇用施策と福祉施策の更なる連携強化
    1. アセスメントの強化
      • ハローワークは、障害者総合支援法の新たな就労アセスメント(※1)を利用した障害者に対し、その結果を参考に職業指導等を実施する。
    2. 障害者就労を支える人材の育成・確保等
      • 障害者の就労支援(就労系福祉サービスを含む)に従事する人材に対して、福祉分野と雇用分野(※2)の知識・スキルを横断的に付与する基礎的研修を実施するなど、専門人材の育成を強化する。
      • 地域障害者職業センターは、基礎的研修を実施するなど、これまで以上に障害者就労を支える人材の育成に努め、地域の就労支援の基盤整備を図ることとするなど、地域の就労支援機関の役割分担を整理する。
      • (※1)就労系福祉サービスの利用意向のある障害者を対象とした、就労アセスメント(本人の就労能力や適性の客観的な評価を行うとともに、本人と協同して就労に関するニーズ、強みや職業上の課題を明らかにし、就労に当たって必要な支援や配慮を整理すること)を実施するもの
      • (※2)労働関係法規、企業に対する支援、雇用管理・定着支援等に関する知識・スキル
  3. 多様な障害者の就労ニーズを踏まえた働き方の推進
    1. 障害者雇用率制度における週所定労働時間10時間以上20時間未満の障害者の扱い
      • 雇用義務の対象となっていない週所定労働時間10時間以上20時間未満の重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者の就労機会の拡大のため、これらの障害者を事業主が雇用した場合に、特例的な扱いとして、実雇用率において算定できるようにする。
      • 当該措置により、週所定労働時間20時間以上の就業が困難な者に対する就業機会の拡大を直接的に図ることが可能となるため、特例給付金(※3)は廃止する。
      • (※3)週所定労働時間10時間以上20時間未満の障害者を雇用する事業主に対して、その雇用障害者数に応じて、1人当たり月額7千円(常用労働者100人以下の事業主にあっては月額5千円)を支給するもの。
    2. 障害者雇用率制度における精神障害者の算定特例の延長
      • 精神障害者の雇用促進のため、週所定労働時間20~30時間未満の精神障害者の算定特例を延長する。
      • ※障害者雇用率制度における障害者の範囲等(障害者手帳を所持していない精神障害者・発達障害者・難病患者の取扱い、就労継続支援A型の利用者の扱い、精神障害者に係る重度の扱い)は、引き続き検討。
  4. 障害者雇用の質の向上の推進
    • 障害者雇用納付金財政について、財政の安定的運営を図るとともに障害者雇用の質の向上を推進するため、障害者の数で評価する障害者雇用調整金等による支出増加を抑制し、その分を助成金に充て、企業が実施する職場定着等の取組を支援する。
      1. 障害者雇用調整金、報奨金による対応
        • 調整金を受給している企業が一定の人数(10人)を超えて、調整金の対象となる障害者を雇用している場合、当該超過人数分の調整金について単価を引き下げる。(1人当たり月額2万7千円を半額)
        • また、報奨金(※4)を受給している企業が一定の人数(35人)を超えて、報奨金の対象となる障害者を雇用している場合、当該超過人数分の報奨金について支給しないこととする。
      2. 障害者雇用を推進する企業の取組に対する支援
        • 中小企業のノウハウ不足という課題に対処するため、障害者雇用に関するコンサルティングを行う民間事業者から相談支援を受けることで障害者雇用を促進する企業に対して助成する。
        • 中高年齢者の障害者の雇用継続のために企業が実施する取組に対して助成する。
        • 常用労働者100人以下の企業に対する納付金の適用範囲拡大は、これらの企業における障害者雇用の進展等を踏まえ、引き続き検討。
        • (※4)納付金の納付義務のない常用労働者100人以下の事業主が、法定雇用率を超えて障害者を雇用しており、かつ、一定の要件を満たす場合、障害者雇用を奨励等することを目的に、その超過している雇用障害者数に応じて、1人当たり月額2万1千円を支給するもの。
  5. その他
    1. 在宅就業障害者支援制度の活用促進
      • 在宅就業障害者支援制度(※5)の更なる活用を促進するため、在宅就業支援団体の新規登録が促進されるよう、登録要件の緩和(団体登録に必要な在宅就業障害者の人数要件を10人から5人に引き下げる)等を行う。
      • (※5)在宅就業障害者に仕事を発注する企業に対し、発注額に応じて特例的な調整金(発注額等/35万円×2万1千円)を支給するもの
    2. 有限責任事業組合の算定特例の全国展開
      • 事業協同組合のスキームを活用して複数の中小企業の実雇用率を通算できる算定特例については、現在、国家戦略特区内においてのみ有限責任事業組合(LLP)(※6)が対象として認められているが、これを全国においても認める。
      • (※6)有限責任組合契約に関する法律により認められる事業体
    3. 除外率の引下げによる障害者雇用の促進
      • 平成14年の障害者雇用促進法改正で廃止されたものの、当分の間存置されている除外率について、一律に10ポイント引き下げる。

厚生労働省 第49回労働政策審議会雇用環境・均等分科会
▼【資料1】女性活躍推進法に基づく男女の賃金の差異の情報公表について
  • 情報開示は、連結ベースではなく、企業単体ごとに求める。ホールディングス(持株会社)も、当該企業について開示を行う。
    • 女性活躍推進法のスキーム
      • 雇用面における男女間の様々な格差について、女性活躍推進法は、個々の事業主=企業に、女性活躍に関する状況把握、計画策定・目標設定、情報公表を義務づけている。
      • 「男女の賃金の差異」については、女性活躍推進法に基づき、情報公表すべき項目として位置付けるもの。
      • 女性活躍推進法のスキームの適用となるため、企業単体ごとの男女間賃金格差の開示を求めることとなる。
  • 男女の賃金の差異は、全労働者について、絶対額ではなく、男性の賃金に対する女性の賃金の割合で開示を求めることとする。加えて、同様の割合を正規・非正規に分けて、開示を求める。(注)現在の開示項目として、女性労働者の割合等について、企業の判断で、更に細かい雇用管理区分(正規雇用を更に正社員と勤務地限定社員に分ける等)で開示している場合があるが、男女の賃金の割合について、当該区分についても開示することは当然、可能とする
    • 「男女の賃金の差異」:絶対額ではなく、男性の賃金に対する女性の賃金の割合で開示を求める。(注)英仏も、労働市場の情報開示法制においては、男女賃金格差は、実額ではなく、割合や指数で公表している。
    • 開示を求める区分:「全労働者/正規雇用労働者/非正規雇用労働者」を必須とする。
    • (注)従来、男女間賃金格差の国際比較などにおいては、常用労働者ないしフルタイム労働者の男女間賃金格差を用いることが通常。これは、非正規雇用労働者を含めると、非正規雇用労働者の人数の男女比の差異が大きく影響してしまうため。しかし、正規雇用・非正規雇用間の不合理な待遇格差の是正を進めている中で、正規雇用労働者の男女間賃金格差のみの開示で足りるとすることは不適当。従って、上記3区分を必須とするもの。
    • なお、企業の判断で、女性活躍推進法に基づいて既に女性労働者割合の把握などに用いている更に細かい雇用管理区分(正規雇用を更に正社員と勤務地限定正社員に分ける等)についても開示することは可能。
    • 必須項目であり、その比較可能性を担保する必要性が高いことから、計算方法は、全企業で共通の方法を採用。
  • 男女の賃金の差異の開示に際し、説明を追記したい企業のために、説明欄を設ける。
    • 前述したとおり、「男女の賃金の差異」の開示は、求職活動に資する情報公表、つまり、比較可能な情報公表が必要である。
    • 全企業共通の算定方法で男女の賃金の差異を開示した上で、この差異の状況について、個々の企業において追加的な説明を付した情報公表を行うことが可能、ということ。
    • 対象事業主は、常時雇用する労働者301人以上の事業主とする。101人~300人の事業主については、その施行後の状況等を踏まえ、検討を行う。
    • 金融商品取引法に基づく有価証券報告書の記載事項についても、女性活躍推進法に基づく開示の記載と同様のものを開示するよう求める。
  • 本年夏に、制度(省令)改正を実施、施行する。初回の開示は、他の情報開示項目とあわせて、今年7月の施行後に締まる事業年度の実績を開示する。
    • 情報公表に関して、現行法令の規定では、「おおむね年1回以上」とされている。
    • 女性活躍推進法の制定時・改正時は、施行日に事業主の義務が果たされていることが必要としてきている。
    • 今回、男女の賃金の差異の情報公表について、本年7月に施行することとされているが、初回の適用(公表)について、対象企業が実施できるスケジュールとなるよう、必要な措置を講ずる、ということ。
      • 事業年度が4月~翌3月の場合は、令和4年4月~令和5年3月分を令和5年4月以降に開示、事業年度が7月~翌6月の場合は、令和4年7月~令和5年6月分を令和5年7月以降に開示本年夏に、制度(省令)改正を実施し、施行する。初回の開示は、他の情報開示項目とあわせて、今年7月の施行後に締まる事業年度の実績を開示する。

厚生労働省 障害者のテレワーク雇用に向けた企業向けコンサルティングを実施します~誰もが挑戦でき、活躍できる社会へ~
  • 厚生労働省は、障害者のテレワーク雇用に向けた企業向けコンサルティングを実施しています。障害者をテレワークで雇用するにあたり生じる個別具体的な課題について、電話・メール・事業所訪問・オンラインで最大5回まで無料でご相談いただけます。
  • テレワークは、障害者の多様な働き方のひとつであり、自宅でも働くことができる機会として大きな可能性があるとともに、企業の方にとっても、全国から優秀な人材を確保することができるというメリットがあります。こうしたことを踏まえ、昨年度は支援機関や企業での事例の紹介等を行う全国フォーラム(※1)、障害者雇用におけるテレワークの具体的な導入に向けた手順等について説明する企業向けガイダンスを開催しました(※2)。
  • さらに今般、障害者をテレワークで雇用することを検討している企業、障害者をテレワークで雇用しているものの課題を抱えている企業等に対して、コンサルティングを実施します。各企業の課題や取組状況、雇用する障害者の特性等に応じて、専門アドバイザーが課題解決策の提案等を行います。障害者雇用におけるテレワークの導入に向けて情報収集中である、相談事項が明確になっていないといった状況であっても、他社事例の提供や課題整理に向けた支援等を行いますので、お気軽にご相談ください。
  • 当コンサルティングの詳細及びお申し込み先については、別添の「コンサルティングリーフレット」及びホームページをご参照ください。

    厚生労働省 「『ダメ。ゼッタイ。』普及運動」を6月20日から実施します~薬物乱用防止のためのキャンペーンと国連支援募金運動を全国各地で実施~
    • 6月26日は国連の「国際麻薬乱用撲滅デー」(*)です。これを踏まえ、厚生労働省、都道府県および(公財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターでは、6月20日(月)から7月19日(火)までの1カ月間、「『ダメ。ゼッタイ。』普及運動」を実施します。この運動は、国民一人一人の薬物乱用問題に関する認識を高めるため、正しい知識の普及、広報啓発を全国的に展開するもので、平成5年から毎年行っています。
    • 日本における薬物情勢は、依然として覚醒剤が薬物事犯の半数を占めていますが、大麻の検挙者数が増加しており、5年連続で過去最多を更新しています。特に、若年層の大麻乱用が顕著で、30歳未満が大麻検挙者数の約7割を占めています。よって、増加が懸念される若年者の大麻の乱用防止に重点を置きつつ、薬物乱用が疑われる時は一人で悩まずに近隣の相談窓口で相談し適切な治療・支援につながるよう啓発していきます。
    • 厚生労働省、都道府県、(公財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターでは、内閣府や警察庁をはじめとする関係機関や日本民営鉄道協会などの民間団体に協力を呼びかけ、官民一体となった薬物乱用防止普及運動を積極的に展開していきます。
    • なお、今年度は、昨今の新型コロナウイルスの影響により、地域の実情に配慮した上で実施します。
      • (*)国連が1987年にウィーンで開催した「国際麻薬閣僚会議」の終了日である6月26日を、「国際麻薬乱用撲滅デー」とすることが決定。国連加盟各国では、麻薬撲滅に向けた様々な取り組みを行っています。
    • 「『ダメ。ゼッタイ。』普及運動」概要
      • 実施期間:令和4年6月20日(月)から7月19日(火)まで
      • 実施機関:主催 厚生労働省、都道府県、(公財)麻薬・覚せい剤乱用防止センター
      • 協賛 国際連合(国連薬物犯罪事務所)、
      • 後援 内閣府、警察庁、総務省、法務省、最高検察庁、外務省、財務省税関、文部科学省、経済産業省、国土交通省、海上保安庁
      • 国連支援募金:(公財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターでは、国連や関係団体の協賛、関係省庁の後援により国連支援募金運動を行います。この募金運動を通じて、地球規模での薬物乱用防止に関する理解と認識を高めるとともに、寄せられた善意の募金は、開発途上国で薬物乱用防止活動に従事する民間団体(NGO)の活動資金として国連に寄付されるほか、国内の啓発事業にも役立てられます。

    厚生労働省 第75回WHO総会結果(概要)
    1. 概要
      • 期間:2022(令和4)年5月22日(日)~5月28日(土)
      • 対面会議
      • 日本政府代表団:後藤茂之厚生労働大臣、日下英司国際保健福祉交渉官等
      • 本会議では、7日間にわたり、全72議題について協議。18の決議と18の決定を採択。
      • WHO総会は、全加盟国代表で構成される最高意思決定機関。毎年5月に開催され、保健医療に関する重要な政策決定を行う。
    2. 政府代表発言
      • WHO総会では、後藤茂之厚生労働大臣がビデオメッセージにて政府代表演説を行い、
        • 健康をもたらす持続的な開発とユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進は平和と不可分であること
        • ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす行為であり、保健医療環境の確保が困難な状況を強く懸念すること
        • 現在および将来の健康危機に対応するために、より強力で包括的な健康危機への備えと対応に取り組むこと
        • 多様化する健康課題への対応において、世界保健機関(WHO)が中心的な役割を果たすために、持続可能な財政が必要と認識していること等を述べた。
    3. 主な成果
      1. 次期事務局長選挙:現職のテドロス事務局長の再任が決定した。任期は2022年8月16日~2027年8月15日。
      2. ウクライナ関連決議:議題「健康危機におけるWHOの取り組み」の下、ウクライナ及びロシアがそれぞれ決議案を提出した。それぞれの決議案について投票が行われ、ロシアのウクライナ侵略と医療機関など保健関連施設への攻撃を非難するウクライナ提案の決議案は賛成多数で採択された一方、ロシアが提出した決議案は否決された。
      3. 台湾のWHO総会へのオブザーバー参加:日本から、国際的な感染症対応においては、台湾のような公衆衛生上の成果を上げた地域を参考にすることや、特定の地域が取り残されることによる地理的空白を生じさせないことが、世界全体の感染拡大防止の目的に適うとの考えを表明した。
      4. 健康危機:2024年5月のWHO総会でのIHR改正案の採択に向け、交渉を行う加盟国作業部会及びIHR再検討委員会の設立を決定した。また、IHR第59条の改正に関する決定案が全会一致で採択された。
        • ※IHR(International Health Regulations: 国際保健規則)は、世界保健機関(WHO)憲章第21 -22条に基づく国際規則であり、その目的は、国際交通に与える影響を最小限に抑えつつ、疾病の国際的伝播を最大限防止することである。
      5. 持続可能な財政:WHOの持続可能な財政の確保のため、WHOの財務規律やガバナンス改革の進捗と併せ、遅くとも2030-2031年予算までに、予算に占める分担金の割合を段階的に50%まで引き上げることを決定した。また、WHOの予算、プログラム、資金調達のガバナンス強化を検討する加盟国タスクグループの設置が決定した。
        • ※2020-2021年予算に占める分担金の割合は16%である。

    厚生労働省 第87回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年6月8日)
    ▼資料1 直近の感染状況等の分析と評価
    • 感染状況について
      • 全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約97人となり、今週先週比は0.70と減少が続いている。また、年代別の新規感染者数は全ての年代において減少が続いている。
      • 全国の新規感染者数の減少に伴い、療養者数及び重症者数は減少が続くとともに、横ばいで推移していた死亡者数も減少に転じている。
      • 実効再生産数 : 全国的には、直近(5/22)で0.91と1を下回る水準となっており、首都圏、関西圏ともに0.92となっている。
    • 地域の動向 *新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値。
      1. 北海道 新規感染者数は今週先週比が0.65と1を下回り、約127(札幌市約140)。30代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率は1割強。
      2. 北関東 茨城の新規感染者数は今週先週比が0.66と1を下回り、約56。30代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率は1割弱。栃木、群馬でも今週先週比がそれぞれ0.71、0.65と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約48、54。病床使用率について、栃木では1割未満、群馬では約1割。
      3. 首都圏(1都3県) 東京の新規感染者数は今週先週比が0.72と1を下回り、約95。30代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は1割強、重症病床使用率は2割弱。埼玉、千葉、神奈川でも今週先週比がそれぞれ0.63、0.67、0.68と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約59、54、70。病床使用率について、埼玉では1割強、千葉では1割弱、神奈川では約1割。
      4. 中京・東海 愛知の新規感染者数は今週先週比が0.72と1を下回り、約106。20代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は1割強。岐阜、静岡、三重でも今週先週比がそれぞれ0.80、0.70、0.69と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約132、81、79。病床使用率について、岐阜では3割弱、静岡では約1割、三重では2割弱。
      5. 関西圏 大阪の新規感染者数は今週先週比が0.71と1を下回り、約114。30代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率、重症病床使用率はいずれも1割強。滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山でも今週先週比がそれぞれ0.56、0.58、0.68、0.72、0.69と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約81、96、93、77、69。病床使用率について、滋賀、京都、兵庫、和歌山では1割強、奈良では1割未満。
      6. 九州 福岡の新規感染者数は今週先週比が0.65と1を下回り、約124。20代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は1割強。佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島でも今週先週比がそれぞれ0.65、0.91、0.77、0.65、0.71、0.83と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約97、152、140、110、153、171。病床使用率について、佐賀では約1割、長崎では1割強、熊本では2割強、大分、宮崎では2割弱、鹿児島では3割弱。
      7. 沖縄 新規感染者数は今週先週比が0.88と1を下回り、約590と全国で最も高い。30代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率は4割弱、重症病床使用率は1割強。
      8. 上記以外 青森、岩手、広島、山口の新規感染者数はそれぞれ約105、88、122、103。病床使用率について、青森、広島、山口では約2割、岩手では2割強。
    • 今後の見通しと必要な対策
      1. 感染状況について
        • 新規感染者数について、全国的には概ね全ての地域で報告数の減少傾向が続いている。地域別に見ると、直近1週間の移動平均について、首都圏、愛知県、大阪府や福岡県などの大都市部に加え、一部の地方都市では昨年夏のピーク時を下回る状況となっている。一方、沖縄県では全国で最も高い状況が続いているものの、直近の約3週間は減少がほぼ継続している。
        • 年代別の新規感染者数では全ての年代で減少が継続しており、地域別で見ても概ね同様の傾向が継続している。
        • 新規感染者の感染場所について、高齢者福祉施設、保育所等、事業所及び飲食店における割合が高止まりしている。また、足下の数日では、学校等、病院及び障害者福祉施設における割合が増加基調となっている。
        • 新規感染者数については、GW明けに一旦増加傾向となったが、その後、減少傾向が継続している。今後の感染状況について、大都市部の短期的な予測では減少傾向の継続が見込まれるが、(1)ワクチンの3回目接種と感染により獲得された免疫は徐々に減衰していくこと、(2)6月は梅雨の時期であり、人流は比較的抑制される傾向にあるが、7月以降は夏休みの影響もあり、接触の増加等が予想されること、(3)オミクロン株の新たな系統への置き換わりの可能性もあること等から、夏頃には感染者数の増加も懸念されるところであり、医療提供体制への影響も含めて注視していく必要がある。
      2. 感染の増加要因と抑制要因について
        • 感染状況には、以下のような感染の増加要因と抑制要因の変化が影響するものと考えられる。
          1. 接触パターンについて
            • 夜間滞留人口について、1週間ごとに増減を繰り返す地域もあれば、継続して増加する地域もある。これらの中には、昨年末のピークを超える地域もあるため、今後の感染状況への影響に注意が必要。
          2. 流行株について
            • BA.2系統へ概ね置き換わっており、BA.1系統が優位であった時期と比較すると、減少スピードが遅れる一要因となりうる。また、BA.2.12.1系統とBA.5系統が国内でも検出されており、モニタリングの継続が必要。
          3. ワクチン接種等について
            • 3回目接種が進んでいるが、3回目接種から一定の期間が経過することに伴い、感染予防効果は、より早く接種を受けた人から今後減弱していくことが予想され、留意が必要。また、これまでの感染により獲得した免疫についても、今後徐々に減弱することが予想される。
          4. 気候要因について
            • 気温が上昇する時期は、換気を行いやすい気候条件になる。しかし、気温の上昇やこれから梅雨の時期に入ると、降雨によって屋内での活動が増える場合もある。
      3. 医療提供体制について
        • 沖縄県では、入院者数、病床使用率や重症病床使用率は減少が続いている。全国的にも、新規感染者数の減少傾向が続いていることに伴い、概ね全ての地域で病床使用率が減少となるとともに、全ての地域で自宅療養者・療養等調整中の者も減少。
        • 救急搬送困難事案については、非コロナ疑い事案、コロナ疑い事案ともに地域差が見られるが、全国的に減少傾向が続いている。
      4. オミクロン株による感染拡大を踏まえた取組
        1. サーベイランス等
          • 発生動向把握のため、実効性ある適切なサーベイランスの検討が必要。また、変異株について、ゲノムサーベイランスで動向の監視を継続することが必要。さらに、重症例やクラスター事例等では、変異株PCR検査や全ゲノム解析による確認が求められる。
        2. 自治体における取組
          • 自治体では、オミクロン株の特徴を踏まえた対応強化を図るべく、診療・検査体制や保健所体制の点検も必要である。
          • 地域の感染状況に基づき、必要な医療提供体制の構築に引き続き取り組むことが必要。
          • 高齢者施設等に対する医療支援体制の強化・徹底にあたっては、医療関係部局と介護関係部局が連携し、地域の関係者とも協議しつつ進めていくことが重要。
          • 健康観察等の重点化や患者発生届の処理の効率化など事務連絡に基づき、効率的に保健所業務を実施するとともに、地域に必要な保健所機能を維持するため、外部委託や本庁での一元化による体制を確保することが重要。
        3. ワクチン未接種者、3回目及び4回目接種者への情報提供等
          • 自治体では、ワクチン接種に関する情報提供を進めることが重要。未接種者へのワクチン接種とともに、3回目及び4回目接種を着実に実施していくことも必要。また、ワクチンの初回接種者においては症状が遷延するリスクが低いとの報告がある。さらに、今回、長崎大学による「新型コロナワクチンの有効性に関する研究」の中で、ワクチンの2回接種完了と3回接種完了の有効性の評価が示された。
          • 3回目接種の主な目的は発症予防・重症化予防である。3回目接種率について、6月7日公表時点で65歳以上高齢者では約89%、全体では約60%となった。対象者への3回目の接種を今後も着実に実施し、希望する方にはできるだけ多く接種していただくことが求められている。4回目接種については、重症化予防を目的として、60歳以上の者と、重症化リスクの高い基礎疾患を有する者、その他重症化リスクが高いと医師が認める方を対象として特例臨時接種として5月25日から開始された。また、同日から新たなワクチンを1~3回目接種用として接種開始できるようになった。このワクチンは、従来の新型コロナワクチンとは異なる種類であり、ワクチンの多様性を確保できるとともに、国内で製造が行われることからワクチン供給の安定性の確保につながるものである。
          • 5歳から11歳までの子どもへのワクチン接種については、特例臨時接種として実施されているが、その際、努力義務の規定はこれらの小児について適用しないことを踏まえ、接種を進めていくことが必要。また、小児への感染予防を期待して、保護者や周囲の大人がワクチンの3回目接種を行うことも重要。
        4. 水際対策
          • 海外及び国内の現在の流行状況なども踏まえて水際対策の段階的な見直しを検証していく必要がある。また、出国前検査は継続して求めつつ流入リスクに応じた対応を行うとともに、入国時検査での陽性者は、海外における流行株監視のため、全ゲノム解析を継続させることが必要。
      5. オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底
        • 感染が広がっている場面・場所において、オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底が求められる。
          • 学校・幼稚園・保育所等においては、児童・生徒の感染リスクが高まる場面を職員や子ども・保護者等と共有しつつ、子どもの感染対策はもとより、教職員や保育士などに対する積極的なワクチンの接種促進も含め感染対策を徹底する。その上で、できるだけ教育活動や社会機能などの継続に取り組むことが必要。子どもや職員が少しでも体調が悪い場合は、休暇を取得できる環境を確保することが重要。あわせて、家庭内での感染対策の徹底も求められる。また、2歳未満の児童についてはマスク着用は推奨しないこと、2歳以上の就学前児については、熱中症のリスクや表情が見えにくくなることによる影響も懸念されることから、マスク着用を一律には求めず、無理に着用させないことについて、保育所等に対し周知・徹底することが必要。学校においては、体育の授業・運動部活動や登下校の際にはマスク着用が必要ないことを学校現場に周知・徹底することが必要。
          • 高齢者の感染を抑制するため、介護福祉施設における対策の徹底が必要。このため、従業者等へは積極的な検査を実施する。また、重症化予防のため、入所者に対するワクチンの4回目接種を進める。さらに、施設等における感染管理や医療に関して外部からの支援体制を確保し、施設で感染が確認された際には早期に迅速な介入が重要。
          • 職場においては、社会機能維持のため、業務継続計画の活用に加え、テレワークの活用や休暇取得の促進等の取組が求められる。また、従業員の体調管理を徹底し、少しでも体調が悪い場合には休暇を取得できる環境を確保することが必要。さらに、職域におけるワクチンの3回目接種を積極的に進めるべきである。
      6. 現在の感染状況を市民や事業者の皆様と広く共有して、感染拡大防止に協力していただくことが不可欠
        • 全国的には昨夏のピークより低い状況となっているが、地方都市を中心に全国の半数以上の地域では未だに高い状況が続いている。このため、基本的な感染対策と日頃の体調管理を徹底し、感染リスクの低減に向けた取組にご協力いただくことが必要。
          1. ワクチン接種について
            • ワクチンの3回目接種は、その種類に関わらず、時期が来れば、早めに受けていただくことが重要。新型コロナウイルス感染症に罹患すると、若年者でも重症化することがあり、また、遷延症状が見られる場合もあることから、重症化リスクの高い高齢者はもとより、若年者も自らの健康を守るために接種していただくことが求められる。あわせて、これまで1・2回目接種できていない方々にも改めて接種を検討していただくことが重要。
          2. 感染対策の徹底
            • オミクロン株においても基本的な感染防止策は有効であることから、不織布マスクの正しい着用、手指衛生、換気などの徹底を継続することが必要。また、三つの密(密集、密閉、密接)が重なるところは最も感染リスクが高いが、一つの密であってもできるだけ避けることが必要。
          3. 外出等に際して
            • 混雑した場所や換気が悪く大人数・大声を出すような感染リスクの高い場面・場所を避けることが必要。行動はいつも会う人と少人数で。飲食は、できるだけ少人数で黙食を基本とし、飲食時以外はマスク着用の徹底が必要。一方で、屋外については、近距離で会話する場合を除き、マスク着用は必要ない。特に、夏場については、熱中症予防の観点から屋外ではマスクを外すことを推奨する。
          4. 体調管理について
            • 軽度の発熱、倦怠感など少しでも体調が悪ければ外出を控えるとともに、自治体等の方針に従って受診や検査をすることが必要。特に、高齢者をはじめ、重症化リスクの高い方と会う機会がある場合には注意が必要。
      7. 参考:オミクロン株の特徴に関する知見
        1. 感染性・伝播性
          • オミクロン株はデルタ株に比べ、世代時間が約2日(デルタ株は約5日)に短縮、倍加時間と潜伏期間も短縮し、感染後の再感染リスクや二次感染リスクが高く、感染拡大の速度も非常に速いことが確認されている。なお、報告されているデータによれば、これまでの株と同様に発症前の伝播は一定程度起きていると考えられる。
        2. 感染の場・感染経路
          • 国内では、多くの感染がこれまでと同様の機会(換気が不十分な屋内や飲食の機会等)で起きており、感染経路もこれまでと同様、飛沫が粘膜に付着することやエアロゾルの吸入、接触感染等を介していると考えられている。
        3. 重症度
          • オミクロン株による感染はデルタ株に比べて相対的に入院のリスク、重症化のリスクが低いことが示されているが、現時点で分析されたオミクロン株による感染の致命率は、季節性インフルエンザの致命率よりも高いと考えられる。また、肺炎の発症率についても限られたデータではあるが季節性インフルエンザよりも高いことが示唆されているが、今後もさまざまな分析による検討が必要。今回の感染拡大における死亡者は、昨年夏の感染拡大と比べ、80歳以上の占める割合が高くなっている。感染前の状況として、医療機関に入院中の方や高齢者施設に入所中の方が多いことが示された。侵襲性の高い治療を希望されない場合や基礎疾患の悪化等の影響で重症の定義を満たさずに死亡する方など、新型コロナウイルス感染症が直接の死因でない事例も少なくないことが報告されており、基礎疾患を有する陽性者でコロナ感染による肺炎が見られなくても感染により基礎疾患が増悪することや、高齢の感染者が心不全や誤嚥性肺炎等を発症することにより、入院を要する感染者の増加に繋がることにも注意が必要。
        4. ウイルスの排出期間
          • オミクロン株感染症例におけるウイルスの排出は、時間の経過とともに減少する。有症状者では、発症日から10日目以降において、排出する可能性が低くなることが示された。なお、無症状者では、診断日から8日目以降において排出していないことが示された。
        5. ワクチン効果
          • 初回免疫によるオミクロン株感染に対する感染予防効果や発症予防効果は著しく低下する。入院予防効果については、半年間は一定程度保たれているものの、その後50%以下に低下することが報告されている。一方で、3回目接種によりオミクロン株感染に対する感染予防効果、発症予防効果や入院予防効果が回復することや、3回目接種後のワクチン効果の減衰についても海外から報告されている。
        6. BA.2系統
          • 海外ではBA.2系統への置き換わりがある中で、感染者数の増加が見られたが、現在は世界的に減少傾向となっている。国内におけるオミクロン株は、当初BA.1とBA.1.1の海外からの流入がともにあったものの、その後BA.1.1が多数を占めた。現在は、BA.2系統へ概ね置き換わった。なお、BA.2系統はBA.1系統との比較において、実効再生産数及び二次感染リスク等の分析から、感染性がより高いことが示されている。BA.2系統の世代時間は、BA.1系統と比べ15%短く、実効再生産数は26%高いことが示された。BA.1系統とBA.2系統との重症度の比較については、動物実験でBA.2系統の方が病原性が高い可能性を示唆するデータもあるが、実際の入院リスク及び重症化リスクに関する差は見られないとも報告されている。また、英国の報告では、ワクチンの予防効果にも差がないことが示されている。
        7. XE、BA.4、BA.5及びBA.2.12.1系統
          • オミクロン株のXE系統は、オミクロン株のBA.1系統とBA.2系統の組換え体であり、XE系統について、検疫で検出されている。WHOレポートによれば、BA.2系統に比べて市中での感染者の増加する速度が10%程度高いと報告されている。また、BA.4系統、BA.5系統及びBA.2.12.1系統は検疫で検出されており、このうちBA.5系統及びBA.2.12.1系統については国内でも検出されている。米国CDCによれば、BA.2.12.1系統は、BA.2系統と比べて感染者の増加する速度が25%程度高いと報告されている。一部の国や地域ではBA.4系統、BA.5系統及びBA.2.12.1系統の検出割合が増加し、BA.2系統からの置き換わりが進んでおり、感染者の増加の優位性が示唆されている。国立感染症研究所によれば、感染力や重症度等に大きな差が見られるとの報告は現時点ではないものの、ウイルスの特性について、引き続き、諸外国の状況や知見を収集・分析するとともに、ゲノムサーベイランスによる監視を続けていくことが必要としている。

    厚生労働省 テレワークに関する労務管理とICT(情報通信技術)の双方について、ワンストップで相談できる窓口を設置しました
    • 厚生労働省では、適切な労務管理下における「良質なテレワーク」の導入・定着促進のため、令和3年3月にテレワークガイドラインの改定を行ったところです。
    • また、同年4月より「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」を創設し、中小企業事業主が、テレワーク用通信機器等の導入・運用等を実施することで、従業員の離職率の低下について効果をあげた場合に当該経費の助成を行っています。
    • さらに、このたび、「テレワーク・ワンストップ・サポート事業」として総務省と連携し、テレワークに関する労務管理とICT(情報通信技術)の双方について、ワンストップで相談できる窓口をテレワーク相談センターに設置し、テレワークを導入しようとする企業等に対し、ワンストップでの総合的な支援を行うことになりました。
    • 「労務管理」から「ICT活用」まで、テレワークに関するご相談、コンサルティングにワンストップで対応し、「良質なテレワーク」の導入・定着の支援を行います。
    • テレワーク・ワンストップ・サポート事業の概要
      1. 支援内容
        • 相談対応
          • テレワークの導入・実施時の労務管理やICT(情報通信技術)に関する課題について、電話や電子メールにより相談対応いたします。
        • コンサルティングの実施
          • 専門的知識を有するテレワークマネージャーが、企業等からの要望に応じ、具体的な導入支援を行うコンサルティングを実施します。
      2. ホームページ
      3. 問い合わせ先
        • テレワーク相談センター
          • 電話 0120-861009
          • メール sodan@japan-telework.or.jp
          • 受付時間 9時00分~17時00分(土・日・祝日除く)

    厚生労働省 第86回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年6月1日)
    ▼資料1 直近の感染状況等の分析と評価
    • 感染状況について
      • 全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約138人となり、今週先週比は0.73と減少が続いている。また、年代別の新規感染者数は全ての年代において減少している。
      • 全国の新規感染者数の減少に伴い、療養者数及び重症者数は減少が続いている一方、死亡者数は横ばいとなっている。
      • 実効再生産数 : 全国的には、直近(5/15)で0.98と1を下回る水準となっており、首都圏、関西圏ともに0.98となっている。
    • 地域の動向 ※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値。
      1. 北海道 新規感染者数は今週先週比が0.67と1を下回り、約196(札幌市約230)。30代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率は約2割。
      2. 北関東 茨城の新規感染者数は今週先週比が0.69と1を下回り、約86。30代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は1割強。栃木、群馬でも今週先週比がそれぞれ0.54、0.69と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約67、83。病床使用率について、栃木では1割弱、群馬では2割弱。
      3. 首都圏(1都3県) 東京の新規感染者数は今週先週比が0.76と1を下回り、約131。30代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床・重症病床使用率はいずれも1割強。埼玉、千葉、神奈川でも今週先週比がそれぞれ0.81、0.76、0.76と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約94、80、102。病床使用率について、埼玉では2割弱、千葉では約1割、神奈川では1割強。
      4. 中京・東海 愛知の新規感染者数は今週先週比が0.75と1を下回り、約147。20代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は2割弱。岐阜、静岡、三重でも今週先週比がそれぞれ0.83、0.66、0.74と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約164、116、115。病床使用率について、岐阜では3割強、静岡では1割強、三重では約2割。
      5. 関西圏 大阪の新規感染者数は今週先週比が0.74と1を下回り、約161。30代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は約2割、重症病床使用率は1割強。滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山でも今週先週比がそれぞれ0.81、0.72、0.76、0.78、0.60と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約145、163、136、107、99。病床使用率について、滋賀、京都、兵庫では1割強、奈良では約1割、和歌山では約2割。
      6. 九州 福岡の新規感染者数は今週先週比が0.74と1を下回り、約191。20代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率は約2割。佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島でも今週先週比がそれぞれ0.71、0.78、0.75、0.76、0.72、0.75と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約150、168、181、168、214、206。病床使用率について、佐賀、大分では1割強、長崎では2割弱、熊本では3割強、宮崎では2割強、鹿児島では約3割。
      7. 沖縄 新規感染者数は今週先週比が0.72と1を下回り、約670と全国で最も高い。30代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率は5割弱、重症病床使用率は約2割。
      8. 上記以外 青森、岩手、秋田、福島、長野、広島、山口、高知の新規感染者数はそれぞれ約124、113、83、83、98、192、135、142。病床使用率について、青森、岩手、福島、長野、広島では2割強、秋田、山口、高知では約2割。
    • 今後の見通しと必要な対策
      1. 感染状況について
        • 新規感染者数について、全国的には、ほとんどの地域で報告数の減少傾向が続いている。地域別に見ると、直近1週間の移動平均について、首都圏、愛知県や大阪府などでは昨年夏のピーク時を下回る状況にある一方、沖縄県では全国で最も高い状況が続いているものの、直近の約2週間は減少がほぼ継続している。また、多くの地域で、発症日のエピカーブからも急激な増加傾向は見られない。
        • 年代別の新規感染者数では全ての年代で減少しており、地域別で見てもおおむね同様の傾向が見られるが、一部の地域では、80代以上で増加傾向が見られることから、引き続き、高齢者の感染状況を注視していく必要。
        • 新規感染者の感染場所について、学校等、事業所及び高齢者福祉施設における割合が高止まりしている。また、足下の数日では飲食店における割合が増加基調となっており、特に、20代から60代ではその傾向が見られる。
        • 今後の感染状況について、大都市部の短期的な予測では減少傾向の継続が見込まれるが、引き続き注視が必要。
      2. 感染の増加要因と抑制要因について
        • 感染状況には、以下のような感染の増加要因と抑制要因の変化が影響するものと考えられる。
          1. 接触パターンについて
            • 夜間滞留人口について、引き続き、全国の半数以上の地域で増加傾向が見られる。1週間ごとに増減を繰り返す地域もあれば、継続して増加する地域もある。これらの中には、昨年末のピーク時に迫るほど増加する地域もあるため、今後の感染状況への影響に注意が必要。
          2. 流行株について
            • BA.2系統へ概ね置き換わっており、BA.1系統が優位であった時期と比較すると、新規感染者の増加や減少スピードが遅れる一要因となりうる。
          3. ワクチン接種等について
            • 3回目接種は高齢者で進むとともに、若年層でも接種が進んでいるが、3回目接種から一定の期間が経過することに伴い、感染予防効果は、より早く接種を受けた人から今後減弱していくことが予想され、留意が必要。また、これまでの感染による免疫保持については、地域の発生動向に影響する可能性もある。
          4. 気候要因について
            • 気温が上昇する時期は、換気を行いやすい気候条件になる。しかし、気温の上昇やこれから梅雨の時期に入ると、降雨によって屋内での活動が増える場合もある。
      3. 医療提供体制について
        • 沖縄県では、入院者数、病床使用率や重症病床使用率は、ほぼ横ばい。全国的には、新規感染者数の減少傾向が続いていることに伴い、半数以上の地域で病床使用率が減少となるとともに、ほぼ全ての地域で自宅療養者・療養等調整中の者も減少。
        • 救急搬送困難事案については、非コロナ疑い事案、コロナ疑い事案ともに減少傾向が続いているが、感染者数の増減に関わらず増加している地域もあり、地域差が見られる。
      4. オミクロン株による感染拡大を踏まえた取組
        1. サーベイランス等
          • 発生動向把握のため、実効性ある適切なサーベイランスの検討が必要。また、変異株について、ゲノムサーベイランスで動向の監視を継続することが必要。さらに、重症例やクラスター事例等では、変異株PCR検査や全ゲノム解析による確認が求められる。
        2. 自治体における取組
          • 自治体では、オミクロン株の特徴を踏まえた対応強化を図るべく、診療・検査体制や保健所体制の点検も必要である。
          • 地域の感染状況に基づき、必要な医療提供体制の構築に引き続き取り組むことが必要。
          • 高齢者施設等に対する医療支援体制の強化・徹底にあたっては、医療関係部局と介護関係部局が連携し、地域の関係者とも協議しつつ進めていくことが重要。
          • 健康観察等の重点化や患者発生届の処理の効率化など事務連絡に基づき、効率的に保健所業務を実施するとともに、地域に必要な保健所機能を維持するため、外部委託や本庁での一元化による体制を確保することが重要。
        3. ワクチン未接種者、3回目及び4回目接種者への情報提供等
          • 3回目接種の主な目的は発症予防・重症化予防である。3回目接種率について、5月31日公表時点で65歳以上高齢者では約89%、全体では約59%となった。対象者への3回目の接種を今後も着実に実施し、希望する方にはできるだけ多く接種していただくことが求められている。4回目接種については、重症化予防を目的として、60歳以上の者と、重症化リスクの高い基礎疾患を有する者、その他重症化リスクが高いと医師が認める方を対象として特例臨時接種として5月25日から開始された。
          • 自治体では、ワクチン接種に関する情報提供を進めることが重要。未接種者へのワクチン接種とともに、3回目及び4回目接種を着実に実施していくことも必要。また、ワクチンの初回接種者においては症状が遷延するリスクが低いとの報告がある。
          • 5歳から11歳までの子どもへのワクチン接種については、特例臨時接種として実施されているが、その際、努力義務の規定はこれらの小児について適用しないことを踏まえ、接種を進めていくことが必要。また、小児への感染予防を期待して、保護者や周囲の大人がワクチンの3回目接種を行うことも重要。
        4. 水際対策
          • 海外及び国内の現在の流行状況なども踏まえて水際対策の段階的な見直しを検証していく必要がある。また、出国前検査は継続して求めつつ流入リスクに応じた対応を行うとともに、入国時検査での陽性者は、海外における流行株監視のため、全ゲノム解析を継続させることが必要。
      5. オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底
        • 感染が広がっている場面・場所において、オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底が求められる。
          • 学校・幼稚園・保育所等においては、児童・生徒の感染リスクが高まる場面を職員や子ども・保護者等と共有しつつ、子どもの感染対策はもとより、教職員や保育士などに対する積極的なワクチンの接種促進も含め感染対策を徹底する。その上で、できるだけ教育活動や社会機能などの継続に取り組むことが必要。子どもや職員が少しでも体調が悪い場合は、休暇を取得できる環境を確保することが重要。あわせて、家庭内での感染対策の徹底も求められる。また、2歳未満の児童についてはマスク着用は推奨しないこと、2歳以上の就学前児については、熱中症のリスクや表情が見えにくくなることによる影響も懸念されることから、マスク着用を一律には求めず、無理に着用させないことについて、保育所等に対し周知・徹底することが必要。学校においては、体育の授業・運動部活動や登下校の際にはマスク着用が必要ないことを学校現場に周知・徹底することが必要。
          • 高齢者の感染を抑制するため、介護福祉施設における対策の徹底が必要。このため、従業者等へは積極的な検査を実施する。また、重症化予防のため、入所者に対するワクチンの4回目接種を進める。さらに、施設等における感染管理や医療に関して外部からの支援体制を確保し、施設で感染が確認された際には早期に迅速な介入が重要。
          • 職場においては、社会機能維持のため、業務継続計画の活用に加え、テレワークの活用や休暇取得の促進等の取組が求められる。また、従業員の体調管理を徹底し、少しでも体調が悪い場合には休暇を取得できる環境を確保することが必要。さらに、職域におけるワクチンの3回目接種を積極的に進めるべきである。
      6. 現在の感染状況を市民や事業者の皆様と広く共有して、感染拡大防止に協力していただくことが不可欠
        • 全国的には未だに昨年夏のピークよりも高い状況が続いている。このため、基本的な感染対策と日頃の体調管理を徹底し、感染リスクの低減に向けた取組にご協力いただくことが必要。
          1. ワクチン接種について
            • ワクチンの3回目接種は、その種類に関わらず、時期が来れば、早めに受けていただくことが重要。新型コロナウイルス感染症に罹患すると、若年者でも重症化することがあり、また、遷延症状が見られる場合もあることから、重症化リスクの高い高齢者はもとより、若年者も自らの健康を守るために接種していただくことが求められる。
          2. 感染対策の徹底
            • オミクロン株においても基本的な感染防止策は有効であることから、不織布マスクの正しい着用、手指衛生、換気などの徹底を継続することが必要。また、三つの密(密集、密閉、密接)が重なるところは最も感染リスクが高いが、一つの密であってもできるだけ避けることが必要。
          3. 外出等に際して
            • 混雑した場所や換気が悪く大人数・大声を出すような感染リスクの高い場面・場所を避けることが必要。行動はいつも会う人と少人数で。飲食は、できるだけ少人数で黙食を基本とし、飲食時以外はマスク着用の徹底が必要。一方で、屋外については、近距離で会話する場合を除き、マスク着用は必要ない。特に、夏場については、熱中症予防の観点から屋外ではマスクを外すことを推奨する。
          4. 体調管理について
            • 軽度の発熱、倦怠感など少しでも体調が悪ければ外出を控えるとともに、自治体等の方針に従って受診や検査をすることが必要。特に、高齢者をはじめ、重症化リスクの高い方と会う機会がある場合には注意が必要。
    • 参考:オミクロン株の特徴に関する知見≫
      1. 感染性・伝播性
        • オミクロン株はデルタ株に比べ、世代時間が約2日(デルタ株は約5日)に短縮、倍加時間と潜伏期間も短縮し、感染後の再感染リスクや二次感染リスクが高く、感染拡大の速度も非常に速いことが確認されている。なお、報告されているデータによれば、これまでの株と同様に発症前の伝播は一定程度起きていると考えられる。
      2. 感染の場・感染経路
        • 国内では、多くの感染がこれまでと同様の機会(換気が不十分な屋内や飲食の機会等)で起きており、感染経路もこれまでと同様、飛沫が粘膜に付着することやエアロゾルの吸入、接触感染等を介していると考えられている。
      3. 重症度
        • オミクロン株による感染はデルタ株に比べて相対的に入院のリスク、重症化のリスクが低いことが示されているが、現時点で分析されたオミクロン株による感染の致命率は、季節性インフルエンザの致命率よりも高いと考えられる。また、肺炎の発症率についても限られたデータではあるが季節性インフルエンザよりも高いことが示唆されているが、今後もさまざまな分析による検討が必要。今回の感染拡大における死亡者は、昨年夏の感染拡大と比べ、80歳以上の占める割合が高くなっている。感染前の状況として、医療機関に入院中の方や高齢者施設に入所中の方が多いことが示された。侵襲性の高い治療を希望されない場合や基礎疾患の悪化等の影響で重症の定義を満たさずに死亡する方など、新型コロナウイルス感染症が直接の死因でない事例も少なくないことが報告されており、基礎疾患を有する陽性者でコロナ感染による肺炎が見られなくても感染により基礎疾患が増悪することや、高齢の感染者が心不全や誤嚥性肺炎等を発症することにより、入院を要する感染者の増加に繋がることにも注意が必要。
      4. ウイルスの排出期間
        • オミクロン株感染症例におけるウイルスの排出は、時間の経過とともに減少する。有症状者では、発症日から10日目以降において、排出する可能性が低くなることが示された。なお、無症状者では、診断日から8日目以降において排出していないことが示された。
      5. ワクチン効果
        • 初回免疫によるオミクロン株感染に対する発症予防効果は著しく低下する。入院予防効果については、半年間は一定程度保たれているものの、その後50%以下に低下することが報告されている。一方で、3回目接種によりオミクロン株感染に対する感染予防効果、発症予防効果や入院予防効果が回復することや、3回目接種後のワクチン効果の減衰についても海外から報告されている。
      6. BA.2系統
        • 海外ではBA.2系統への置き換わりがある中で、感染者数の増加が見られたが、現在は世界的に減少傾向となっている。国内におけるオミクロン株は、当初BA.1とBA.1.1の海外からの流入がともにあったものの、その後BA.1.1が多数を占めた。現在は、BA.2系統へ概ね置き換わった。なお、BA.2系統はBA.1系統との比較において、実効再生産数及び二次感染リスク等の分析から、感染性がより高いことが示されている。BA.2系統の世代時間は、BA.1系統と比べ15%短く、実効再生産数は26%高いことが示された。BA.1系統とBA.2系統との重症度の比較については、動物実験でBA.2系統の方が病原性が高い可能性を示唆するデータもあるが、実際の入院リスク及び重症化リスクに関する差は見られないとも報告されている。また、英国の報告では、ワクチンの予防効果にも差がないことが示されている。
      7. XE 、BA.4、BA.5及びBA.2.12.1系統
        • オミクロン株のXE系統は、オミクロン株のBA.1系統とBA.2系統の組換え体であり、XE系統について、検疫で2件確認されている。 WHOレポートによれば、BA.2系統に比べて市中での感染者の増加する速度が10%程度高いと報告されている。また、BA.4系統、BA.5系統及びBA.2.12.1系統は検疫で検出されており、このうちBA.5系統及びBA.2.12.1系統については国内でも検出されている。米国CDCによれば、BA.2.12.1系統は、BA.2系統と比べて感染者の増加する速度が25%程度高いと報告されている。一部の国や地域ではBA.4系統、BA.5系統及びBA.2.12.1系統の検出割合が増加し、BA.2系統からの置き換わりが進んでおり、感染者の増加の優位性が示唆されている。国立感染症研究所によれば、感染力や重症度等に大きな差が見られるとの報告は現時点ではないものの、ウイルスの特性について、引き続き、諸外国の状況や知見を収集・分析するとともに、ゲノムサーベイランスによる監視を続けていくことが必要としている。

    厚生労働省 令和3年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)を公表します~WBGT値を実測して備え、体調不良時には直ちに対応を~
    • 厚生労働省では、令和3年の「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)を取りまとめましたので、公表します。
    • 令和3年における職場での熱中症※1による死傷者(死亡・休業4日以上)は、561人(前年比398人・41%減)であり、全体の約4割が建設業と製造業で発生しています。入職直後や夏季休暇明けで明らかに暑熱順化が不足しているとみられる事例、WBGT※2 を実測せず、その結果としてWBGT基準値に応じた必要な措置が講じられていなかった事例等も見られています。
    • また、熱中症による死亡者数は20人(前年比2人・10%減)であり、死亡災害の発生は8月に集中しており、建設業(11人)や商業(3人)で発生しています。死亡災害には、「休ませて様子を見ていたところ容態が急変した」、「倒れているところを発見された」など、管理が適切になされておらず被災者の救急搬送が遅れた事例が含まれています。
    • それぞれの作業場では、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を踏まえ、「初期症状の把握から緊急時対応までの体制整備」、「暑熱順化※3 が不足していると考えられる者の把握」、「WBGT値の実測とその結果を踏まえた対策の実施」を重点的に取り組んでください。なお、新型コロナウイルス感染症対策のためのマスクの着用の考え方については、別添3のリーフレットをご参照ください。
      • ※1 熱中症とは
        • 高温多湿な環境下において、体内の水分と塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして、発症する障害の総称。めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感、意識障害・痙攣(けいれん)・手足の運動障害、高体温などの症状が現れる。
      • ※2 WBGT値とは
        • 気温に加え、湿度、風速、輻射(放射)熱を考慮した暑熱環境によるストレスの評価を行う暑さの指数。
      • ※3 暑熱順化の不足とは
        • 暑熱環境下での作業に身体の体温調節や循環の機能が慣れていないこと。入職直後や夏季休暇明けの者は暑熱順化の不足が疑われ、熱中症の発症リスクが高い。

    【2022年5月】

    厚生労働省 第85回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年5月25日)
    ▼資料1 直近の感染状況等の分析と評価
    • 感染状況について
      • 全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約188人となり、今週先週比は0.91と減少に転じている。
      • 年代別の新規感染者数は、10歳未満の増加が継続する一方、その他の年代は微減又は減少している。
      • 全国の新規感染者数が減少に転じていることに伴い、療養者数は減少傾向。一方、重症者数は減少が続き、死亡者数は横ばい。
      • 実効再生産数:全国的には、直近(5/8)で1.04と1を上回る水準となっており、首都圏では1.02、関西圏では1.06となっている。
    • 地域の動向 ※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値。
      1. 北海道 新規感染者数は今週先週比が0.81と1を下回り、約291(札幌市約309)。20代以下が中心。10歳未満のみ増加し、その他の年代では微減又は減少。病床使用率は約2割。
      2. 北関東 茨城の新規感染者数は今週先週比が0.89と1を下回り、約123。20代以下が中心。10歳未満及び70代以上で増加又は微増となる一方、その他の年代では微減又は減少。病床使用率は約1割。栃木、群馬でも今週先週比がそれぞれ0.88、0.93と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約124、120。病床使用率について、栃木では1割強、群馬では2割弱。
      3. 首都圏(1都3県) 東京の新規感染者数は今週先週比が0.92と1を下回り、約172。20代以下が中心。10歳未満及び80歳以上で増加又は微増となる一方、その他の年代では微減又は減少。病床・重症病床使用率はいずれも1割強。埼玉、千葉、神奈川でも今週先週比がそれぞれ0.82、0.90、0.91と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約116、105、135。病床使用率について、埼玉では2割弱、千葉では約1割、神奈川では1割強。
      4. 中京・東海 愛知の新規感染者数は今週先週比が0.95と1を下回り、約195。20代以下が中心。10歳未満で増加するとともに、30代及び60代で微増。その他の年代では微減又は減少。病床使用率は2割弱。岐阜、静岡、三重でも今週先週比がそれぞれ0.99、0.93、0.98と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約198、176、157。病床使用率について、岐阜では3割弱、静岡では1割強、三重では2割強。
      5. 関西圏 大阪の新規感染者数は今週先週比が0.92と1を下回り、約219。20代以下が中心。10歳未満のみ増加し、その他の年代では微減又は減少。病床使用率は2割強、重症病床使用率は1割強。京都、兵庫、奈良、和歌山でも今週先週比がそれぞれ0.99、0.91、0.83、0.85と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約228、180、136、166。滋賀では今週先週比が1.02と1を上回り、新規感染者数は約179。病床使用率について、滋賀、兵庫では2割弱、京都、奈良では1割強、和歌山では3割弱。
      6. 九州 福岡の新規感染者数は今週先週比が0.95と1を下回り、約259。20代以下が中心。10歳未満及び80歳以上で増加又は微増となる一方、その他の年代では微減又は減少。病床使用率は2割強。佐賀、長崎、大分、宮崎、鹿児島でも今週先週比がそれぞれ0.87、0.97、0.97、0.88、0.96と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約209、215、223、298、276。熊本では今週先週比が1.03と1を上回り、新規感染者数は約243。病床使用率について、佐賀では1割強、長崎、宮崎では2割強、熊本、鹿児島では約3割、大分では約2割。
      7. 沖縄 新規感染者数は今週先週比が0.91と1を下回り、約931と全国で最も高い。30代以下が中心。10歳未満及び70代以上で増加となる一方、その他の年代では微減又は減少。病床使用率は5割弱、重症病床使用率は2割強。
      8. 上記以外 青森、岩手、秋田、山形、福島、石川、鳥取、広島、山口、香川、高知の新規感染者数はそれぞれ約180、129、106、118、151、289、132、280、159、235、226。病床使用率について、青森、秋田、石川、山口、香川では2割強、岩手、福島、広島では3割弱、山形、鳥取、高知では約2割。
    • 今後の見通しと必要な対策
      1. 感染状況について
        • 新規感染者数について、GW後半以降の増加傾向は継続せず、全国的には一部の地域を除いて減少傾向が続いているが、発症日のエピカーブからは感染者数が再び増加する可能性も懸念されるため、今後の動向を注視していく必要がある。地域別に見ると、直近1週間の移動平均について、首都圏などでは昨年夏のピーク時を下回る状況にある一方、沖縄県や宮崎県などでは直近1週間の移動平均が昨年末からのピークを上回っている。特に、沖縄県における新規感染者数は、減少傾向が見られるものの全国で最も高い状況が続いている。それ以外の地域においても、今後の感染者数の推移に引き続き注意が必要。
        • 年代別の新規感染者数では、10歳未満の増加が継続する一方、その他の年代は微減又は減少している。特に増加が継続している10歳未満は、多くの地域で顕著な増加が見られる。また、沖縄県では、特に10歳未満の増加が顕著であるとともに、70代以上でも増加が見られることから、引き続き、高齢者の感染状況を注視していく必要。
        • 新規感染者の感染場所について、学校等や保育所・幼稚園等における割合が高止まりする一方、飲食店における割合は減少傾向となっている。
        • 今後の感染状況については、BA.2系統へ概ね置き換わった状況などの感染の増加要因と、ワクチンの3回目接種等による抑制要因に影響されるものと考えられる。
      2. 感染の増加要因と抑制要因について
        • 感染状況には、以下のような感染の増加要因と抑制要因の変化が影響するものと考えられる。
          1. 接触パターンについて
            • 夜間滞留人口について、全国の半数以上の地域で増加傾向が見られる。昨年末のピーク時に迫るほど増加する地域もあり、今後の感染状況への影響に注意が必要。
          2. 流行株について
            • BA.2系統へ概ね置き換わっており、BA.1系統が優位であった時期と比較すると、新規感染者の増加や減少スピードが遅れる一要因となりうる。
          3. ワクチン接種等について
            • 3回目接種の主な目的は発症予防・重症化予防である。3回目接種は高齢者で進むとともに、若年層でも接種が進んでいるが、これから若年層がさらに接種対象になることで一層接種率が向上することが期待される。しかし、3回目接種から一定の期間が経過することに伴い、感染予防効果は、より早く接種を受けた人から今後減弱していくことが予想され、留意が必要。また、これまでの感染による免疫保持については、地域の発生動向に影響する可能性もある。
          4. 気候要因について
            • 気温が上昇する時期は、換気を行いやすい気候条件になる。しかし、気温の上昇やこれから梅雨の時期に入ると、降雨によって屋内での活動が増える場合もある。
      3. 医療提供体制について
        • 沖縄県では、入院者数や病床使用率について減少傾向に転じる一方、重症病床使用率は2割台で横ばい。全国的には、新規感染者数の減少傾向が続いていることに伴い、半数近くの地域で病床使用率の減少傾向が見られる。
        • 救急搬送困難事案については、非コロナ疑い事案、コロナ疑い事案ともに減少傾向となったが、感染者数の増減に関わらず増加している地域もあり、地域差が見られる。
      4. オミクロン株による感染拡大を踏まえた取組
        1. サーベイランス等
          • 発生動向把握のため、実効性ある適切なサーベイランスの検討が必要。また、変異株について、ゲノムサーベイランスで動向の監視を継続することが必要。さらに、重症例やクラスター事例等では、変異株PCR検査や全ゲノム解析による確認が求められる。
        2. 自治体における取組
          • 自治体では、オミクロン株の特徴を踏まえた対応強化を図るべく、診療・検査体制や保健所体制の点検も必要である。
          • 地域の感染状況に基づき、必要な医療提供体制の構築に引き続き取り組むことが必要。
          • 高齢者施設等に対する医療支援体制の強化・徹底にあたっては、医療関係部局と介護関係部局が連携し、地域の関係者とも協議しつつ進めていくことが重要。
          • 健康観察等の重点化や患者発生届の処理の効率化など事務連絡に基づき、効率的に保健所業務を実施するとともに、地域に必要な保健所機能を維持するため、外部委託や本庁での一元化による体制を確保することが重要。
        3. ワクチン未接種者、3回目接種者への情報提供の再強化等
          • 3回目接種率について、5月24日公表時点で65歳以上高齢者では約89%、全体では約58%となった。対象者への3回目の接種を今後も着実に実施し、希望する方にはできるだけ多く接種していただくことが求められている。4回目接種については、重症化予防を目的として、60歳以上の者と、重症化リスクの高い基礎疾患を有する者、その他重症化リスクが高いと医師が認める方を対象として特例臨時接種として5月25日から開始されることとなった。
          • 自治体では、ワクチン接種に関する情報提供を進めることが重要。未接種者へのワクチン接種とともに、3回目及び4回目接種を着実に実施していくことも必要。また、ワクチン接種者においては症状が遷延するリスクが低いとの報告がある。
          • 5歳から11歳までの子どもへのワクチン接種については、特例臨時接種として実施されているが、その際、努力義務の規定はこれらの小児について適用しないことを踏まえ、接種を進めていくことが必要。また、小児への感染予防を期待して、保護者や周囲の大人がワクチンを接種することも重要。
        4. 水際対策
          • 海外及び国内の現在の流行状況なども踏まえて水際対策の段階的な見直しを検証していく必要がある。また、出国前検査は継続して求めつつ流入リスクに応じた対応を行うとともに、入国時検査での陽性者は、海外における流行株監視のため、全ゲノム解析を継続させることが必要。
      5. オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底
        • 感染が広がっている場面・場所において、オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底が求められる。
          • 学校・幼稚園・保育所等においては、児童・生徒の感染リスクが高まる場面を職員や子ども・保護者等と共有しつつ、子どもの感染対策はもとより、教職員や保育士などに対する積極的なワクチンの接種促進も含め感染対策を徹底する。その上で、できるだけ教育活動や社会機能などの継続に取り組むことが必要。子どもや職員が少しでも体調が悪い場合は、休暇を取得できる環境を確保することが重要。あわせて、家庭内での感染対策の徹底も求められる。
          • 高齢者の感染を抑制するため、介護福祉施設における対策の徹底が必要。このため、従業者等へは積極的な検査を実施することが必要。また、重症化予防のため、入所者に対するワクチンの4回目接種を進めることも必要。また、施設等における感染管理や医療に関して外部からの支援体制を確保し、施設で感染が確認された際には早期に迅速な介入が重要。
          • 職場においては、社会機能維持のため、業務継続計画の活用に加え、テレワークの活用や休暇取得の促進等による出勤者数の削減や、接触機会の低減に向けた取組が求められる。また、従業員の体調管理を徹底し、少しでも体調が悪い場合には休暇を取得できる環境を確保することが必要。さらに、職域におけるワクチンの3回目接種を積極的に進めるべきである。
      6. 現在の感染状況を市民や事業者の皆様と広く共有して、感染拡大防止に協力していただくことが不可欠
        • 全国的には未だに昨年夏のピークよりも高い状況が続いており、今後も感染の増加要因と抑制要因が続くことにより、リバウンドの可能性も懸念される。このため、基本的な感染対策と日頃の体調管理を徹底して呼びかけた上で、できるだけ新規感染者数の継続的な増加が起こらないよう、引き続き、市民や事業者には感染リスクの低減に向けた取組にご協力いただくことが必要。
          1. ワクチン接種について
            • ワクチンの3回目接種は、その種類に関わらず、時期が来れば、早めに受けていただくことが重要。新型コロナウイルス感染症に罹患すると、若年者でも重症化することがあり、また、遷延症状が見られる場合もあることから、重症化リスクの高い高齢者はもとより、若年者も自らの健康を守るために接種していただくことが求められる。
          2. 感染対策の徹底
            • 行政・事業者・市民の皆様には、オミクロン株においても基本的な感染防止策は有効であることから、不織布マスクの正しい着用、手指衛生、換気などの徹底を継続していただくことが必要。また、三つの密(密集、密閉、密接)が重なるところは最も感染リスクが高いが、オミクロン株は伝播性が高いため、一つの密であってもできるだけ避けることが必要。
            • 一方、マスクの着用について、屋外で周囲の人と距離が十分に確保できるような場面であったり、屋外で周囲との距離が十分に取れない場面でも、周囲で会話が少ない(又はほとんどない)ようであれば、これまでどおり、マスク着用は必ずしも必要ない。ただし、屋外でも人混みでは適宜着用することが必要。また、未就学児についてはマスク着用を一律には求めず、無理に着用させないこと等について、周知内容をより明確にした上で、幅広く周知・徹底を行っていくことが必要。
          3. 外出等に際して
            • 混雑した場所や換気が悪く大人数・大声を出すような感染リスクの高い場面・場所を避けることが必要。行動はいつも会う人と少人数で。飲食は、できるだけ少人数で黙食を基本とし、飲食時以外はマスク着用の徹底が必要。
          4. 体調管理について
            • ご自身やご家族の命を守るため、同時にオミクロン株による感染拡大防止のためにも、軽度の発熱、倦怠感など少しでも体調が悪ければ外出を控えるとともに、自治体等の方針に従って受診や検査をすることが必要。特に、高齢者をはじめ、重症化リスクの高い方と会う機会がある場合には注意が必要。
      7. 参考:オミクロン株の特徴に関する知見
        1. 感染性・伝播性
          • オミクロン株はデルタ株に比べ、世代時間が約2日(デルタ株は約5日)に短縮、倍加時間と潜伏期間も短縮し、感染後の再感染リスクや二次感染リスクが高く、感染拡大の速度も非常に速いことが確認されている。なお、報告されているデータによれば、これまでの株と同様に発症前の伝播は一定程度起きていると考えられる。
        2. 感染の場・感染経路
          • 国内では、多くの感染がこれまでと同様の機会(換気が不十分な屋内や飲食の機会等)で起きており、感染経路もこれまでと同様、飛沫が粘膜に付着することやエアロゾルの吸入、接触感染等を介していると考えられている。
        3. 重症度
          • オミクロン株による感染はデルタ株に比べて相対的に入院のリスク、重症化のリスクが低いことが示されているが、現時点で分析されたオミクロン株による感染の致命率は、季節性インフルエンザの致命率よりも高いと考えられる。また、肺炎の発症率についても限られたデータではあるが季節性インフルエンザよりも高いことが示唆されているが、今後もさまざまな分析による検討が必要。今回の感染拡大における死亡者は、昨年夏の感染拡大と比べ、80歳以上の占める割合が高くなっている。感染前の状況として、医療機関に入院中の方や高齢者施設に入所中の方が多いことが示された。侵襲性の高い治療を希望されない場合や基礎疾患の悪化等の影響で重症の定義を満たさずに死亡する方など、新型コロナウイルス感染症が直接の死因でない事例も少なくないことが報告されており、基礎疾患を有する陽性者でコロナ感染による肺炎が見られなくても感染により基礎疾患が増悪することや、高齢の感染者が心不全や誤嚥性肺炎等を発症することにより、入院を要する感染者の増加に繋がることにも注意が必要。
        4. ウイルスの排出期間
          • オミクロン株感染症例におけるウイルスの排出は、時間の経過とともに減少する。有症状者では、発症日から10日目以降において、排出する可能性が低くなることが示された。なお、無症状者では、診断日から8日目以降において排出していないことが示された。
        5. ワクチン効果
          • 初回免疫によるオミクロン株感染に対する発症予防効果は著しく低下する。入院予防効果については、半年間は一定程度保たれているものの、その後50%以下に低下することが報告されている。一方で、3回目接種によりオミクロン株感染に対する感染予防効果、発症予防効果や入院予防効果が回復することや、3回目接種後のワクチン効果の減衰についても海外から報告されている。
        6. BA.2系統
          • 海外ではBA.2系統への置き換わりがある中で、感染者数の増加が見られたが、現在は世界的に減少傾向となっている。国内におけるオミクロン株は、当初BA.1とBA.1.1の海外からの流入がともにあったものの、その後BA.1.1が多数を占めた。現在は、BA.2系統へ概ね置き換わった。なお、BA.2系統はBA.1系統との比較において、実効再生産数及び二次感染リスク等の分析から、感染性がより高いことが示されている。BA.2系統の世代時間は、BA.1系統と比べ15%短く、実効再生産数は26%高いことが示された。BA.1系統とBA.2系統との重症度の比較については、動物実験でBA.2系統の方が病原性が高い可能性を示唆するデータもあるが、実際の入院リスク及び重症化リスクに関する差は見られないとも報告されている。また、英国の報告では、ワクチンの予防効果にも差がないことが示されている。英国の報告では、BA.1系統ウイルス感染後におけるBA.2系統ウイルスに再感染した事例は少数あり、主にワクチン未接種者であると報告されている。
        7. XE、4、BA.5及びBA.2.12.1系統
          • オミクロン株のXE系統は、オミクロン株のBA.1系統とBA.2系統の組換え体であり、XE系統について、検疫で2件確認されている。WHOレポートによれば、BA.2系統に比べて市中での感染者の増加する速度が10%程度高いと報告されている。また、BA.4系統、BA.5系統及びBA.2.12.1系統は検疫で検出されており、このうちBA.5系統及びBA.2.12.1系統については国内でも検出されている。一部の国や地域ではBA.4系統、BA.5系統及びBA.2.12.1系統の検出割合が増加し、BA.2系統からの置き換わりが進んでおり、感染者の増加の優位性が示唆されている。国立感染症研究所によれば、感染力や重症度等に大きな差が見られるとの報告は現時点ではないものの、ウイルスの特性について、引き続き、諸外国の状況や知見を収集・分析するとともに、ゲノムサーベイランスによる監視を続けていくことが必要としている。

    厚生労働省 第180回労働政策審議会職業安定分科会資料
    ▼【資料1】ウクライナ避難民への就労分野での支援について
    • 出入国在留管理庁を中心に、相談窓口やハローワークによる就労支援のほか利用可能な支援メニューを情報提供。また、身寄りのない避難民向けに一時滞在施設を提供し、生活費・医療費の支給等を実施。なお、身寄りのある避難民には、日本財団において生活費等の支援を実施。
    • 就労分野でのこれまでの主な対応
      • 3月18日:全国の労働局、ハローワークにウクライナ避難民に係る特定活動の付与について周知
      • 4月15日:ウクライナ避難民への支援申出企業の労働局、ハローワークへの提供
      • 4月19日:ウクライナ避難民に対し、ハローワークの相談窓口を日・英・ウで周知
      • 4月21日:緊急全国安定部長会議を開催・各都道府県労働局に指示。全国の自治体向け説明会において、ハローワークでの対応について周知
    • ウクライナ避難民の状況
      • ウクライナ避難民 995名
      • うち特定活動 694名 ※ 5月18日時点・出入国在留管理庁による集計。特定活動には、子どもなど就労不可の者を含む。
    • 東京(5/19~)、大阪(5/20~)の外国人雇用サービスセンターにおいて、ウクライナ語通訳を配置した、避難民支援窓口を設置。
    • 今後の対応
      • あらゆる機会を捉えたハローワークの周知広報:自治体等との情報連携及び協力体制の構築
      • 企業側への働きかけ:
        • 地元の外国人雇用に慣れた企業や支援申出企業との求人化に向けた調整
        • 本件を契機に初めて外国人を雇い入れる企業へのアドバイザーの派遣
      • 避難民に対するマッチング支援:
        • 地方入管、自治体、一時滞在施設等での出張相談
        • メールによる双方向支援の実施(就労希望の把握及び希望者へのプッシュ型の情報送付を含む。)
      • 避難民を雇用する企業への支援:避難民を特定求職者雇用開発助成金及びトライアル雇用助成金の対象に追加
      • 避難民が職業訓練を受講しやすくするための見直し:訓練委託費が高い定住外国人向けの公共職業訓練の対象に避難民を追加、職業訓練受講給付金の支給手続の柔軟化
    • ウクライナ避難民を雇用する事業主への支援について
      • 目的
        • 就労を希望するウクライナ避難民の就労支援については、ハローワークを中心として行われるところ。ハローワーク等の紹介により、ウクライナ避難民を継続雇用または試行雇用する事業主に対して、特定求職者雇用開発助成金またはトライアル雇用助成金を支給する。これにより、ハローワークの就労支援に加え、当該助成措置によるウクライナ避難民の更なる雇用機会の増大や創出を図る。
      • 支給対象者追加について
        • 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)新たに支給対象者を省令改正により追加し、支給要領(局長通知)を改正。※65歳以上の方については、同助成金の生涯現役コースにより対応。
        • トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)・・・・・トライアル雇用の対象者を追加する旨の局長通知の発出。
      • 助成金の対象となる「日本に避難を余儀なくされたウクライナの住民」について
        • 出入国在留管理庁発行の「ウクライナ避難民証明書」及び就労可能な在留資格を所有する者
      • 施行 令和4年5月30日(予定)

    厚生労働省 小児の原因不明の急性肝炎について(令和4年5月27日)
    ▼小児の原因不明の急性肝炎について(令和4年5月27日報道発表)
    • 世界各国において小児における原因不明の急性肝炎が継続して報告されています。世界保健機関(WHO)では、この急性肝炎の原因特定を目的として、暫定的な症例定義を定め、各国に症例定義に該当するケースの報告を求めています。
    • 厚生労働省ではこうした事案について、令和4年4月20日に自治体等に対し、注意喚起及び情報提供依頼、4月27日に当該事例の感染症サーベランス及び積極的疫学調査についての事務連絡を発出しているところです。
    • 暫定症例定義(※)に該当する2021年10月1日から2022年5月26日10時までの累積報告症例数を別添の通り公表します。今後も、定期的に症例報告の状況をとりまとめて公表していきます。
    • 厚生労働省としては、引き続き、各国政府やWHO、専門家等とも連携しつつ、諸外国の感染状況を注視しながら、情報収集に努めてまいります。
    • 報道機関各位におかれましては、ご本人やご家族などが特定されないよう、個人情報保護にご配慮下さい。
      • ※暫定症例定義は以下のとおりとする。「欧州及び米国における小児の原因不明の急性肝炎の発生について(協力依頼)」(令和4年4月27日付厚生労働省健康局結核感染症課事務連絡)
      • 2021年10月1日以降に診断された原因不明の肝炎を呈する入院例のうち、以下の1、2、3のいずれかを満たすもの:
        1. 確定例 現時点ではなし。
        2. 可能性例 アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)又はアラニントランスアミナーゼ(ALT)が500 IU/Lを超える急性肝炎を呈した16歳以下の小児のうちA型~E型肝炎ウイルスの関与が否定されている者。
        3. 疫学的関連例 2の濃厚接触者である任意の年齢の急性肝炎を呈する者のうち、A型~E型肝炎ウイルスの関与が否定されている者。

    厚生労働省 サル痘について
    • サル痘は、1970年にザイール(現在のコンゴ民主共和国)でヒトでの初めの感染が確認された、オルソポックスウイルス属のサル痘ウイルスによる感染症で、中央アフリカから西アフリカにかけて流行しています。国内では感染症法上の4類感染症に指定されています。
    • 日本では感染症発生動向調査において、集計の開始された2003年以降、輸入例を含めサル痘患者の報告はありません。
    • 2022年5月以降、従前のサル痘流行国への海外渡航歴のないサル痘患者が欧州、米国等で報告されています。
    • サル痘とは?
      1. 病原体 ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属のサル痘ウイルス
      2. 感染経路 アフリカ生息するリスなどの齧歯類をはじめ、サルやウサギなどウイルスを保有する動物との接触によりヒトに感染する。また、ヒトからヒトに感染することがあり、主に接触感染、飛沫感染をするとされている。
      3. 世界での発生状況 2022年5月21日13時時点の、サル痘の非流行国における発生状況は以下のとおり(略)このほか、2021年12月15日から2022年5月1日までの期間に、カメルーン(25例)、中央アフリカ共和国(6例)、コンゴ民主共和国(1238例)、ナイジェリア(46例)において、サル痘患者の発生が確認されている。
      4. 潜伏期 6~13日(最大5~21日)
    • 治療と診断
      1. 臨床症状:
        • 発熱、頭痛、リンパ節腫脹などの症状が0-5日程度持続し、発熱1-3日後に発疹が出現。
        • 皮疹は顔面や四肢に多く出現し、徐々に隆起して水疱、膿疱、痂皮となる。
        • 多くの場合2-4週間持続し自然軽快するものの、小児例や、あるいは曝露の程度、患者の健康状態、合併症などにより重症化することがある。
        • 皮膚の二次感染、気管支肺炎、敗血症、脳炎、角膜炎などの合併症を起こすことがある。
      2. 診断:
        • 主に水疱や膿疱の内容液や蓋、あるいは組織を用いてPCR検査で遺伝子を検出することが有用である。
        • その他、ウイルス分離・同定や、ウイルス粒子の証明、蛍光抗体法などの方法が知られている。
      3. 治療:
        • 対症療法
    • 予防法
      • 天然痘ワクチンによって約85%発症予防効果があるとされている。
      • 流行地では感受性のある動物や感染者との接触を避けることが大切である。

    厚生労働省 第110回ILO総会の開催
    • 今般、国際労働機関(ILO)の第110回総会が、下記のとおり、スイス国ジュネーブで開催されます。
    • ILO総会は、原則毎年1回行われ、ILO加盟187か国の政府、労働者、使用者からなる代表団が一堂に会する最高意思決定機関であり、ILO条約などの国際労働基準の策定を含め、労働問題に係る議論が行われます。
      1. 会期:
        令和4年5月27日(金)~6月11日(土)
      2. 主な議題:
        1. 理事会議長及び事務局長の報告
          • 理事会議長及び事務局長の報告に対して、各国政労使のハイレベル出席者が演説を行う。
        2. ILOの財政
          • 2021年12月末締め予算年度の財政報告について検討、採択等を行う。
        3. 条約・勧告の適用状況
          • 各国における条約・勧告の適用状況等に関する議論を行う。
        4. 徒弟制度(アプレンティスシップ)
          • 質の高い徒弟(見習い研修)制度のための枠組みに関して、新たな国際労働基準の策定について議論を行う。
        5. 雇用に関する周期的議論
          • 「公正なグローバル化のための社会正義に関するILO宣言」の戦略目標の1つである「雇用」について、
          • ILO及び各国政労使による取組の進展と課題を検討し、今後のフォローアップについて議論を行う。
        6. 社会的連帯経済(SSE)とディーセント・ワーク
          • ディーセント・ワークと労働生活を通して人々が直面するその時々の課題に対する社会的連帯経済の貢献度や用語の普遍的な定義等に関して議論を行う。
        7. ILOの労働における基本的原則及び権利の枠組みの中に労働安全衛生を含める議論
          • 労働安全衛生に関する労働基準を「ILOの労働における基本的原則及び権利」の枠組みに含める提案に関して議論を行う。

    厚生労働省 第6回がんとの共生のあり方に関する検討会(資料)
    ▼資料2 相談支援現場からみたがん患者・家族等の心配・悩み等の実態と対応策について
    • 社会保障制度上の課題(270)
      1. 実態としてあげられたこと
        • 高額で長期にわたる治療も増えているが、治療費負担への保障制度が乏しい。
        • 治療により減収、離職した場合に生活費を保障する制度が乏しい。
        • 40歳未満の患者の場合、介護保険制度も使えず、必要な介護支援が受けにくい。
        • ウィッグ等、療養上必要な資材・サービス等についての支援制度が自治体によりばらつきがある。
        • 治療と就労の両立、再就職支援等をするにあたっても、困難なケースは多く、社会経済の悪化でますます困難になっている。
        • ひとり親の患者、精神疾患のある患者、身寄りのない患者など、サポートを受けにくい人は支援できる制度がほとんどない、却ってサービスが利用できない場合さえある(独居で認知症がある場合に在宅サービスが受けられないなど)。
      2. 対応案
        • 支援制度の利用については、単身世帯、高齢者のみ世帯の急増など、現状の社会状況にあわせて、必要な支援サービスを利用しやすくするような運用が望まれる。
        • 地方自治体による支援制度が異なることは地方自治の観点からもやむを得ないが、がん患者が必須とするような支援については全国で利用可能となることが望ましい。
        • がん相談支援センターが対応する相談の中には、住居のない方のがん治療継続支援においては、法務的知識を必要とする場合もあるなど、さまざまな領域の専門職・専門機関との連携を促す枠組みが求められている。
    • 医療体制自体の課題、医療の変化・ひずみにより生じている課題(233)
      1. 実態としてあげられたこと
        • 医療資源が偏在しており、治療の選択肢が限られる地域がある(がん医療、緩和ケア、在宅医療、生殖医療など)。
        • 医療情報の変化が早く十分に情報が提供されていない、誤った情報も氾濫しており正しい情報が探せない人が増えている。
        • 医療者と患者、家族が充分に意思疎通がはかれていないことによる問題が現在も生じ続けている。
        • 選択肢を提示された後、それを選択することへのサポートが必要な患者が診療場面では十分にケアされていない。
        • 日本語でのコニュニケーションが難しい人が治療説明について十分に理解できるような情報提供ができていない。
        • 治療による副作用や後遺症についての対応が十分にはできていない、現在の医療で対応できない場合もある。
        • 病状や治療について受容できない場合の対応が困難である。
        • 治療・医療には限界があること、緩和ケアやACP(アドバンス・ケア・プランニング)の必要性について市民が理解する必要がある。
      2. 対応案
        • 患者中心の医療の実現には、患者の希望や状況を十分に確認し、意思疎通をはかるための人的資源の投入は不可避であることを医療機関の中で根付かせていく必要がある。
        • 在宅医療など、地域を問わず必要とされる医療資源については、既存の医療機関(診療所等)との連携により提供される仕組みづくりがこれまで以上に求められる。
        • また、生殖医療等、高度かつ一時的に必要とされる医療については、遠隔地への受診等も含めて選択肢として十分に提供でるよう、施設間の連携や情報共有が必要である。
        • 地域のどこにどのような資源があるか、また遠隔地の医療資源も含めた情報共有は重要であり、都道府県がん診療連携協議会、行政、地域の保健医療福祉従事者等が協働して情報集約と情報公開を進めていく必要がある。
        • 医療は進歩したとはいえ、限界があることについて、また、その状況を迎えたときにどうしたいのか、市民が本質的な理解を深めることも必要である。
    • がん相談支援センターのアクセス・周知に関わる課題(87)
      1. 実態としてあげられたこと
        • 相談室の場所がわかりにくい、立ち寄りにくい場所にある。
        • 利用のハードルが高い(平日日中のみしか利用できない、入りやすさの雰囲気)。
        • 本人が困っていると声を挙げなければ相談につながらない、医療者がニーズを十分に拾い上げられていない、がん相談支援センターとの連携が不十分な診療科・部署がある、がん相談支援センターの院内周知が不十分。
        • どんな相談ができる場所なのかについての周知が不十分、AYA・妊孕性などの相談ができることが知られていない。
        • 多重な困りごとのある人の継続的な支援ができない(主介護者が患者である場合、患者の家族が認知症や精神疾患あるが家族外のケアの必要性を受け入れられない場合等)。
        • 地域住民、市民へのがん相談支援センターの周知が不足している。
      2. 対応案
        • 院内医療者への周知:院内患者・家族への周知が進まない一因として、院内医療者ががん相談支援センターの役割・活動内容を十分認識していないこと(どのような時期や状況にある患者・家族の場合にがん相談支援センターにつなぐか、つなぐ際は誰がどのように紹介・案内するか等の取り決めが病院全体として行われていないこと)が挙げられる。中でも主治医が利用を促す効果は極めて高い。主治医ががん相談支援センターの利用を促すこと、その他、院内で構築すべき体制とその評価指標については、整備指針上でより具体的に記述していくことが必要である。
        • 患者や家族への周知:患者や家族には、患者や家族自身が必要な時に利用しようと実感できる情報(名前だけでなく、どのような相談ができるのか、相談によりどのような問題が解決できるのか)を含めた周知が必要である。
        • 市民への周知:院外患者・家族、市民、医療者向け周知については、行政との協働しながら工夫していくことが必要である。ただ、これまで一定程度取り組みが行われてきたものの認知度が十分でない現状があり、効果的な周知方法について、社会実験的な手法を含めた検討が必要ではないか。
    • がん相談支援センターの業務上の困難や院内での機能・立場に関わる課題(171)
      1. 実態としてあげられたこと
        1. 院内でがん相談支援センターの意義・役割が十分に認知されていない
          • 院内で十分な連携・協力体制が築けていない。
          • がん相談支援センターの原則(匿名相談や相談記録へのアクセスの管理、中立の立場で相談に応じること等)について指定要件等に明記してほしい。
        2. 提供できる情報資源に関する課題
          • セカンドオピニオンや院内で実施している治験、地域内の妊孕性温存療法等々、院内外の情報収集が十分にできない、できる体制がない
          • 制度情報、治療情報を含め、広範な情報を十分にアップデートできない。
          • 地域での取り組みなどの情報収集が体系的にできない。ネットワーク構築など自らが情報資源をつくっていく側面もあるが、手が回らない。
        3. 人材・人員不足、人材育成に関する課題
          • もともと業務内容が多岐にわたるうえ、整備指針の改定のたびに対応すべき業務が拡大され、高度な専門知識を必要とする相談も増えているが、対応できる人材(職種、経験、研修受講等)が十分に配置されていない、その必要性が上層部に理解してもらえない。
          • 異動や退職が防げず、計画的な育成も困難である。
          • 相談の質の担保が求められており、相談を録音・評価する取り組みが必要になっているが、設備や時間の制約からなかなか取り組めない。
        4. がん相談支援センターの対応範囲が広がる中、施設として取り組むべき課題の体制が足りない
          • AYA支援や仕事と治療の両立支援などが、組織的なしくみとなっていない。
          • 医師とのコミュニケーションに問題がある場合等、他部署が関係する支援例について、具体的な結果のフィードバックを受けられず、対応の評価が困難である。
          • がんに関する広範なニーズに対応するため、連携、対応すべき調整も多岐にわたる。相談員の頑張り・使命感に支えられて表面上は対応可能であるが、実際には多重兼務で、職場環境改善が必要である。
      2. 対応案
        1. がん相談支援センターの意義・役割の可視化について
          • 活動が正当に評価されるためにも、がん相談支援センターがもつ基本的な姿勢や役割(院内外問わず、無料で、誰もが、必要に応じて匿名でも相談できる窓口)を病院幹部をはじめ、他部門の医療者にも広く理解される必要がある。
        2. 情報の収集と継続的な学習機会の確保について
          • 院内情報が迅速かつ継続的に収集できる仕組みを施設ごとに、地域情報については都道府県単位で継続的な情報収集・更新ができる体制が必要である。
          • 「標準治療等一般的な医療情報の提供」に必要な情報(診療ガイドラインや解説書等)の整備を病院組織として行う必要がある。
          • 病院が施設の責務として、相談員に必要な継続学習を促す体制が必要である。
          • 利用者からのフィードバックによる質の担保に加えて、質保証の取り組み(実際の相談対応を録音し、自ら評価するなど)を促進させる必要がある。
        3. がん相談支援センターに配置する人材の強化について
          • 治療から生活、ゲノム医療等まで広範かつ専門的な対応をするためにも、相談現場に看護職、福祉職の両職種の配置、がん医療に携わる医師の配置(兼任可)、業務量に見合った人材配置基準が必要である。
        4. がんに関わるすべての相談に対応する広範な役割を支える院内体制の構築について
          • 各専門部門が協力して病院全体として情報提供・相談支援に取り組む体制の強化が必要である。
          • がん相談支援センターで把握された課題を病院全体で検討し、改善していく取り組みも必要である。
    • 面会制限等による患者・家族・医療者間の情報共有の困難さから生じる相談の増加、対応に苦慮している(177)
      • 患者と家族が会えないために双方の不安が募る、お互いの思いが伝わりにくい、高齢患者の認知機能が低下する。
      • 家族が医療者から話を聞く機会がなくなり、医療者への不信感が生じる、 等
    • 面会や県外移動の制限、病床削減等により、望ましい意思決定や治療療養環境が確保できない(229)
      • 面会が可能な療養先、在宅希望が増えたが、資源が不足している場合もある。
      • 終末期ですら面会や付き添いを制限せざるを得ない。
      • 県外の家族が帰省した際に、PCR検査の結果待ちが必要となり、在宅サービスの開始が遅れる。
      • 他県への通院・転院や他県でのセカンドオピニオンや治験治療が受けにくくなり、治療の選択肢が限られる。
      • 緩和ケア病棟がコロナ病床に転換され、療養の場の選択肢が減った。
      • コロナ病床への転換で手術や入院までの待ち時間が長くなることに対して不安を感じる患者がいる。
      • 帰省控え、在宅サービス・介護サービスの利用控えが生じ、支援が手薄な人が出ている。
    • コロナ感染症へのがん患者ならではの不安が大きく、それに伴い孤立や病状悪化が生じている(81)
      • 受診控えにより治療のタイミングを逃す人がいる、状態が悪化してから相談に来る人が増えた。
      • 治療中にワクチン接種をしてよいか、したほうがよいか等の問い合わせが多い。
      • 外出を控え、孤立している様子がある、相談したい人も相談できていない様子がある。
    • コロナにより、経済状況が悪化したこと、制約が多いことによる治療や健康への影響(33)
      • コロナ禍による失業、減収など、生活が困窮している、医療費が支払えない、治療を断念したい等の相談が増えた。
      • 治療と仕事の両立がより困難になっている。
      • 外出等ができないなどの生活上の制約、家族がずっと家にいることなどの生活変化で生じるストレスに対処ができず、メンタルヘルスに変調をきたしている人がいる。
    • 病院のコロナ対応により、がん相談支援センターが築いてきた望ましい支援方法がとれない(217)
      • カンファレンス等ができないため、十分な情報入手やアセスメントができない、院外機関との連携が不十分な状態で支援をするケースがある。
      • 対面相談が望ましいケースでも電話相談となり、十分な情報提供ができていないと感じる。
      • 本人、家族を交えて共通理解を図りたい場面でも実施が困難。
      • 患者会、患者サロン、ピアサポート活動が十分にできず、ニーズに応えられない。再開を望む患者、家族の声は多いが、オンライン対応をするにも院内リソースが整わない、参加者側の状況が整わないなど困難が多い。
      • ウィッグやアピアランスケアの提供、情報コーナーを閉鎖するなど通常提供するサービスを中断している。
      • 市民向けイベントが実施できず、がん相談支援センターの周知の手段が限られる。
      • 万一の感染時の対応のため、名前と連絡先を聞くことになり、匿名での相談が受けられない。
    • コロナ禍の影響で増加した相談や課題 対応案
      • 患者は家族や医療者、また家族も患者や医療者との情報共有が困難になっている。患者会等の開催も困難で、患者や家族の孤立を防ぐ手立てが一層必要である。
      • 患者の状態に応じた面会・来院制限の緩和や、積極的なオンライン手法の活用など、取り得る工夫や事例の共有が求められている。
      • コロナ診療によるがん診療、緩和ケア病床の縮小・転用等の影響で、治療病院やセカンドオピニオン先、療養の場の選択などにおいても課題を抱えており、病院や地域としての情報共有が必要である。

    厚生労働省 これからの労働時間制度に関する検討会 第13回資料
    ▼資料3 勤務間インターバル制度について
    • 「勤務間インターバル制度」とは、終業時刻から次の始業時刻の間に一定時間以上の休息時間(インターバル時間)を確保する仕組み。
    • 働き方改革関連法において、労働時間等設定改善法(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法)が改正され、勤務間インターバル制度を導入することが事業主の努力義務となった(施行日:平成31年4月1日)。
      • 注)「労働時間等設定改善法」は、事業主等に労働時間等の設定の改善に向けた自主的な努力を促すことで、労働者がその有する能力を有効に発揮することや、健康で充実した生活を実現することを目指した法律。
    • この仕組みの導入を事業主の努力義務とすることで、労働者の十分な生活時間や睡眠時間を確保しようとしているもの。
    • 限度時間を超えた労働者への健康・福祉確保措置
      1. 労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針
        • 時間外・休日労働の限度時間(月45時間、年360時間)を超えて労働させる労働者に対し、労使協定で定める健康・福祉確保措置を実施。→労使協定で定める措置について、望ましいものとして、下記を指針で規定。
          1. 医師による面接指導
          2. 深夜業の回数制限
          3. 一定時間以上の休息時間確保
          4. 代償休日又は特別な休暇の付与
          5. 健康診断の実施
          6. 連続した年次有給休暇の取得促進
          7. 心とからだの健康相談窓口の設置
          8. 適切な部署への配置転換
          9. 産業医等による助言指導又は保健指導
      2. 高度プロフェッショナル制度の対象労働者への選択的措置
        • 労働基準法
          • 高度プロフェッショナル制度の対象労働者に以下の措置を実施。((1)(2)を実施していない場合は、当該労働者への制度の適用が無効)
            1. 年間104日以上、かつ、4週当たり4日以上の休日取得
            2. 以下4つの選択肢から労使委員会の決議で選択した措置
              • 勤務間インターバルの確保(11時間以上)+深夜業の回数制限(1か月に4回以内)
              • 健康管理時間の上限措置(1週間当たり40時間を超えた時間について、1か月について100時間以内又は3か月について240時間以内とすること)
              • 1年に2週間連続の休暇取得(本人が請求した場合には1年に1週間連続を2回)
              • 臨時の健康診断(1週間当たり40時間を超えた時間が月80時間を超えた場合又は本人から申出があった場合)
            3. (2)で選択した措置に加え、以下の健康管理時間の状況に応じた健康・福祉確保措置のうち、労使委員会の決議で選択した措置
              • (2)のいずれかの措置(②において決議で定めたもの以外)
              • 医師による面接指導
              • 代償休日又は特別な休暇の付与
              • 心とからだの健康相談窓口の設置
              • 適切な部署への配置転換
              • 産業医等による助言指導又は保健指導
    • メリハリを持った勤務間インターバル制度の活用:日本型の勤務間インターバル制度を作り上げる必要性
      • 毎日、勤務間インターバルを確保することは理想だが、例えば、規定されたインターバル時間よりも短い日が月何回以上あった者は配慮する。
      • KDDI方式では、PDCAサイクルを回して、月5日以上、11時間未満のインターバルであった者は個別に健康指導や産業医面談を実施または平均で月のインターバルが11時間未満の従業員を産業医面談を実施する
      • 通常よりも労働負担の高い働き方をした場合、インターバルの時間を長く確保できるように配慮する。
      • 夜勤や長距離運転等の後を配慮する
      • 一律、何時間としてインターバルを規定するよりも、個々の職場の実情に合わせて例えば職場の安全衛生委員会等でインターバル時間や運用方法を議論し、就業規則等に明記させるやり方

    厚生労働省 第84回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年5月19日)
    ▼資料1 直近の感染状況等の分析と評価
    • 感染状況について
      • 全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約203人で、今週先週比は1.07となっているが、この数日における直近1週間の移動平均は減少傾向にあり、減少傾向が継続していたGW前の水準よりも低くなっている。GWによる数値への影響もあるため、今後の動きに注視が必要。
      • 年代別の新規感染者数は、全ての年代で微増又は増加しており、特に20代で顕著な増加が見られる(5月第2週と第1週の比較)。
      • 全国の新規感染者数が増加に転じていることに伴い、療養者数は増加傾向。一方、重症者数は減少が続き、死亡者数は横ばい。
      • 実効再生産数:全国的には、直近(5/1)で0.97と1を下回る水準となっており、首都圏では0.94、関西圏では0.97となっている。
    • 地域の動向 ※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値。
      1. 北海道 新規感染者数は今週先週比が1.07と1を上回り、約346(札幌市約402)。20代以下が中心。全ての年代で増加しており、特に20代の増加が顕著。病床使用率は約2割。
      2. 北関東 茨城の新規感染者数は今週先週比が1.08と1を上回り、約134。20代以下が中心。特に20代の増加が顕著。病床使用率は約1割。栃木、群馬では今週先週比がそれぞれ0.89、0.92と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約135、128。病床使用率について、栃木では1割強、群馬では約2割。
      3. 首都圏(1都3県) 東京の新規感染者数は今週先週比が1.0となり、約184。20代以下が中心。全ての年代で微増又は増加しており、特に20代の増加が顕著。病床・重症病床使用率はいずれも1割強。千葉でも今週先週比が1.0となり、新規感染者数は約112。神奈川では今週先週比が1.08と1を上回り、新規感染者数は約144。埼玉では今週先週比が0.97と1を下回り、新規感染者数は約136。病床使用率について、埼玉では約2割、千葉では約1割、神奈川では2割弱。
      4. 中京・東海 愛知の新規感染者数は今週先週比が1.13と1を上回り、約206。20代以下が中心。全ての年代で増加しており、特に10-20代の増加が顕著。病床使用率は約2割。岐阜、静岡、三重でも今週先週比がそれぞれ1.09、1.32、1.08と1を上回り、新規感染者数はそれぞれ約200、190、161。病床使用率について、岐阜では約3割、静岡では1割強、三重では2割弱。
      5. 関西圏 大阪の新規感染者数は今週先週比が1.06と1を上回り、約236。20代以下が中心。全ての年代で増加しており、特に20代以下の増加が顕著。病床使用率は約2割。滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山でも今週先週比がそれぞれ1.19、1.13、1.13、1.22、1.06と1を上回り、新規感染者数はそれぞれ約181、233、194、159、188。病床使用率について、滋賀、京都、奈良では1割強、兵庫では約2割、和歌山では3割弱。
      6. 九州 福岡の新規感染者数は今週先週比が1.01と1を上回り、約269。20代以下が中心。全ての年代で微増又は増加しており、特に20代の増加が顕著。病床使用率は約2割。熊本、宮崎でも今週先週比がそれぞれ1.11、1.13と1を上回り、新規感染者数はそれぞれ約238、325。佐賀、長崎、大分、鹿児島では今週先週比がそれぞれ0.80、0.94、0.99、0.97と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約230、215、226、288。病床使用率について、佐賀、長崎、熊本、宮崎では2割強、大分では約2割、鹿児島では3割強。
      7. 沖縄 新規感染者数は今週先週比が1.13と1を上回り、約1014と全国で最も高い。30代以下が中心。全ての年代で増加しており、特に30代以下の増加が顕著。病床使用率は5割強。重症病床使用率は2割強。
      8. 上記以外 岩手、秋田、福島、石川、長野、岡山、広島、山口、香川、高知の新規感染者数はそれぞれ約151、140、182、300、146、252、301、164、252、267。病床使用率について、岩手、秋田、石川、長野、岡山、山口、香川、高知では2割強、福島では3割強、広島では約3割。
    • 今後の見通しと必要な対策
      1. 感染状況について
        • 新規感染者数について、この数日における直近1週間の移動平均は、一部の地域を除き、減少傾向となっている。しかし、GWによる数値への影響もあるため、感染状況の正確な評価は難しい状況が続いている。地域別に見ると、直近1週間の移動平均について、首都圏では昨年夏のピーク時を下回る状況にある一方、沖縄県や宮崎県などでは直近1週間の移動平均が昨年末からのピークを上回っている。特に、沖縄県における新規感染者数は全国で最も高く、また過去最高の状況となっており、増加傾向は現在も続いている。それ以外の地域においても、今後の感染者数の推移に引き続き注意が必要。
        • 年代別の新規感染者数では、全ての年代で微増又は増加しており、特に20代では全国的に、また多くの地域で顕著な増加が見られる。また、沖縄県では、全ての年代で新規感染者数が増加が継続しており、特に30代以下の若い世代の増加が顕著であるとともに、60代以上の高齢者についても大きく増加している。他の地域でも高齢者の感染状況を注視していく必要。
        • 新規感染者の感染場所について、GW終了後、学校等における割合が増加している。また、疫学調査の重点化もあり、飲食の場での感染の増加傾向は必ずしも明らかではないが、若い世代の感染者が増加しているため注意が必要である。
        • 今後の感染状況については、GWで人の動きが活発であったことや、BA.2系統へ概ね置き換わった状況などの感染の増加要因と、ワクチンの3回目接種等による抑制要因に影響されるものと考えられる。また、若い世代の感染者数増加が継続していることも踏まえ、引き続き、今後の動向を注視する必要。
      2. 感染の増加要因と抑制要因について
        • 感染状況には、以下のような感染の増加要因と抑制要因の変化が影響するが、今後しばらくは感染状況を注視する必要がある。
          1. 接触パターンについて
            • 夜間滞留人口について、大都市圏を中心にGW後に増加に転じる地域がある一方、GW期間中に昨年末のピーク時を超えて急増したがGW後には減少に転じる地域もあり、地域差がみられる。また、GWで人の動きの活発化と接触の増加による今後の感染状況への影響に注意が必要。
          2. 流行株について
            • BA.2系統へ概ね置き換わっており、BA.1系統が優位であった時期と比較すると、新規感染者の増加や減少スピードが遅れる一要因となりうる。
          3. ワクチン接種等について
            • 3回目接種の主な目的は発症予防・重症化予防である。3回目接種は高齢者で進むとともに、若年層でも接種が進んでいるが、これから若年層がさらに接種対象になることで一層接種率が向上することが期待される。しかし、3回目接種から一定の期間が経過することに伴い、感染予防効果は、より早く接種を受けた人から今後減弱していくことが予想され、留意が必要。また、これまでの感染による免疫保持については、地域の発生動向に影響する可能性もある。
          4. 気候要因について
            • 気温が上昇していく時期に入り、換気を行いやすい気候条件になる。しかし、気温の上昇や降雨によって屋内での活動が増える場合もある。
      3. 医療提供体制について
        • 沖縄県では、入院者数や病床使用率について増加が継続するとともに、重症病床使用率は2割台で横ばい。また、その他の地域でも、一部を除いて病床使用率や自宅療養者・療養等調整中の数が増加している。
        • 救急搬送困難事案については、全国合計では昨年夏のピークを下回ったが、下げ止まりの傾向が見られる。感染者数の増減に関わらず増加している地域もあり、地域差が見られる。
      4. オミクロン株による感染拡大を踏まえた取組
        1. サーベイランス等
          • 発生動向把握のため、実効性ある適切なサーベイランスの検討が必要。また、変異株について、ゲノムサーベイランスで動向の監視を継続することが必要。さらに、重症例やクラスター事例等では、変異株PCR検査や全ゲノム解析による確認が求められる。
        2. 自治体における取組
          • 自治体では、オミクロン株の特徴を踏まえた対応強化を図るべく、診療・検査体制や保健所体制の点検も必要である。
          • 地域の感染状況に基づき、必要病床数と医療従事者の確保や自宅療養者に対する訪問診療やオンライン診療体制の構築に引き続き取り組むことが必要。高齢者や基礎疾患のある者など、重症化リスクのある患者を対象とする経口治療薬や中和抗体薬を迅速に投与できる体制の確保も引き続き求められる。また、新型コロナウイルス感染症に罹患しても、基礎疾患の治療が継続できるような体制を整えることが必要。
          • 高齢者施設等における迅速な医療支援体制の強化・徹底が求められる。医療支援体制の構築にあたっては、医療関係部局と介護関係部局が連携し、地域の関係者とも協議しつつ進めていくことが重要。
          • 健康観察等の重点化や患者発生届の処理の効率化など事務連絡に基づき、効率的に保健所業務を実施するとともに、地域に必要な保健所機能を維持するため、外部委託や本庁での一元化による体制を確保する。また、濃厚接触者の特定や待機については、地域の感染状況に応じて、適切な感染対策を行うことを原則としつつ、オミクロン株の特徴や感染拡大の状況を踏まえ、医療機関や高齢者施設などにおける感染事例に重点化することが必要。あわせて、少しでも体調が悪い場合には職場・学校を休める環境を確保することも重要。
          • 今年1月以降の自宅での死亡事例においては、同時期の死亡者全体の傾向と同様、70歳以上の者が約8割を占め、新型コロナ以外の要因により死亡する事例も多いことが示唆される。また、こうした死亡事例におけるワクチン接種率は、日本国内の接種の進展により、2回目接種が完了していた者も一定数確認された。自治体においては、重症化リスクの高い感染者への連絡の迅速化等の取組が進められており、引き続き、自宅療養者に必要な医療が提供されるよう努めることが重要。
        3. ワクチン未接種者、3回目接種者への情報提供の再強化等
          • 3回目接種率について、5月18日公表時点で65歳以上高齢者では約89%、全体では約57%となった。高齢者の接種が進展したことにより重症化や死亡のリスク低減が期待される。重症者・死亡者を最小限にするため、また同時に、できるだけ発症者を減らすためにも、対象者への3回目の接種を今後も着実に実施し、希望する方にはできるだけ多く接種していただくことが求められている。4回目接種については、重症化予防を目的として、60歳以上の者と、重症化リスクの高い基礎疾患を有する者、その他重症化リスクが高いと医師が認める方を対象として特例臨時接種として5月下旬から実施することとなったことを踏まえ、適切に接種の案内を実施することが必要。
          • 自治体では、ワクチン接種に関する情報提供を進めることが重要。未接種者へのワクチン接種とともに、初回接種から6か月以降の3回目接種によりオミクロン株に対してもワクチンの有効性が回復するため、3回目接種を着実に実施していくことも必要。また、ワクチン接種者においては症状が遷延するリスクが低いとの報告がある。
          • 5歳から11歳までの子どもへのワクチン接種については、特例臨時接種として実施されているが、その際、努力義務の規定はこれらの小児について適用しないことを踏まえ、接種を進めていくことが必要。また、小児への感染予防を期待して、保護者や周囲の大人がワクチンを接種することも重要。
        4. 水際対策
          • 海外及び国内の現在の流行状況なども踏まえて水際対策の段階的な見直しを検証していく必要がある。特に、直近の東アジア地域における流行状況には注視が必要。また、入国時検査での陽性者は、海外における流行株監視のため、全ゲノム解析を継続させることが必要。
        5. オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底
          • 感染が広がっている場面・場所において、オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底が求められる。
            • 学校・幼稚園・保育所等においては、児童・生徒の感染リスクが高まる場面を職員や子ども・保護者等と共有しつつ、子どもの感染対策の徹底はもとより、教職員や保育士などに対する積極的なワクチンの接種促進も含め感染対策の再確認と徹底を図った上で、できるだけ教育活動などの継続に取り組むことが必要。子どもや職員が少しでも体調が悪い場合は、休暇を取得できる環境を確保することが重要。また、分散登校やリモート授業などの組み合わせによる教育機会の確保や社会機能維持にも配慮する必要がある。あわせて、家庭内での感染対策の徹底も求められる。
            • 高齢者の感染を抑制するため、介護福祉施設における対策の徹底が必要。このため、入所者及び従事者に対するワクチンの3回目接種を進めるとともに、従業者等へは積極的な検査を実施することも必要。また、施設等における感染管理や医療に関して外部からの支援体制を確保し、施設で感染が確認された際には早期に迅速な介入が重要。
            • 職場においては、社会機能維持のため、業務継続計画の活用に加え、企業におけるテレワークの活用や休暇取得の促進等により、出勤者数の削減に取り組むとともに、接触機会を低減することが求められる。また、従業員の体調管理を徹底し、少しでも体調が悪い場合には休暇を取得できる環境を確保することが必要であることに加え、職域におけるワクチンの3回目接種を積極的に進めるべきである。
        6. 現在の感染状況を市民や事業者の皆様と広く共有して、感染拡大防止に協力していただくことが不可欠
          • 現在の感染状況については、GWの影響もあり正確な評価が難しい時期ではあるが、全国的には未だに昨年夏のピークよりも高い状況が続いている。このため、基本的な感染対策と日頃の体調管理を徹底して呼びかけた上で、できるだけ新規感染者数の継続的な増加が起こらないよう、引き続き、市民や事業者の方々には感染リスクの低減に向けた取組にご協力いただくことが必要。
            1. ワクチン接種について
              • ワクチンの3回目接種は、その種類に関わらず、時期が来れば、早めに受けていただくことが重要。新型コロナウイルス感染症に罹患すると、若年者でも重症化することがあり、また、遷延症状が見られる場合もあることから、重症化リスクの高い高齢者はもとより、若年者も自らの健康を守るために接種していただくことが求められる。
            2. 感染対策の徹底
              • 行政・事業者・市民の皆様には、オミクロン株においても基本的な感染防止策は有効であることから、不織布マスクの正しい着用、手指衛生、換気などの徹底を継続していただくことが必要。また、三つの密(密集、密閉、密接)が重なるところは最も感染リスクが高いが、オミクロン株は伝播性が高いため、一つの密であってもできるだけ避けることが必要。
              • 一方、マスクの着用について、屋外で周囲の人と距離が十分に確保できるような場面であったり、屋外で周囲との距離が十分に取れない場面でも、周囲で会話が少ない(又はほとんどない)ようであれば、これまでどおり、マスク着用は必ずしも必要ない。ただし、屋外でも人混みでは適宜着用することが必要。また、未就学児についてはマスク着用を一律には求めず、無理に着用させないこと等について、周知内容をより明確にした上で、幅広く周知・徹底を行っていくことが必要。
            3. 外出等に際して
              • 混雑した場所や換気が悪く大人数・大声を出すような感染リスクの高い場面・場所を避けることが必要。行動はいつも会う人と少人数で。飲食は、できるだけ少人数で黙食を基本とし、飲食時以外はマスク着用の徹底が必要。
            4. 体調管理について
              • ご自身やご家族の命を守るため、同時にオミクロン株による感染拡大防止のためにも、軽度の発熱、倦怠感など少しでも体調が悪ければ外出を控えるとともに、自治体等の方針に従って受診や検査をすることが必要。特に、高齢者をはじめ、重症化リスクの高い方と会う機会がある場合には注意が必要。
        7. 参考:オミクロン株の特徴に関する知見
          1. 感染性・伝播性
            • オミクロン株はデルタ株に比べ、世代時間が約2日(デルタ株は約5日)に短縮、倍加時間と潜伏期間も短縮し、感染後の再感染リスクや二次感染リスクが高く、感染拡大の速度も非常に速いことが確認されている。なお、報告されているデータによれば、これまでの株と同様に発症前の伝播は一定程度起きていると考えられる。
          2. 感染の場・感染経路
            • 国内では、多くの感染がこれまでと同様の機会(換気が不十分な屋内や飲食の機会等)で起きており、感染経路もこれまでと同様、飛沫が粘膜に付着することやエアロゾルの吸入、接触感染等を介していると考えられている。
          3. 重症度
            • オミクロン株による感染はデルタ株に比べて相対的に入院のリスク、重症化のリスクが低いことが示されているが、現時点で分析されたオミクロン株による感染の致命率は、季節性インフルエンザの致命率よりも高いと考えられる。また、肺炎の発症率についても限られたデータではあるが季節性インフルエンザよりも高いことが示唆されているが、今後もさまざまな分析による検討が必要。今回の感染拡大における死亡者は、昨年夏の感染拡大と比べ、80歳以上の占める割合が高くなっている。感染前の状況として、医療機関に入院中の方や高齢者施設に入所中の方が多いことが示された。侵襲性の高い治療を希望されない場合や基礎疾患の悪化等の影響で重症の定義を満たさずに死亡する方など、新型コロナウイルス感染症が直接の死因でない事例も少なくないことが報告されており、基礎疾患を有する陽性者でコロナ感染による肺炎が見られなくても感染により基礎疾患が増悪することや、高齢の感染者が心不全や誤嚥性肺炎等を発症することにより、入院を要する感染者の増加に繋がることにも注意が必要。
          4. ウイルスの排出期間
            • オミクロン株感染症例におけるウイルスの排出は、時間の経過とともに減少する。有症状者では、発症日から10日目以降において、排出する可能性が低くなることが示された。なお、無症状者では、診断日から8日目以降において排出していないことが示された。
          5. ワクチン効果
            • 初回免疫によるオミクロン株感染に対する発症予防効果は著しく低下する。入院予防効果については、半年間は一定程度保たれているものの、その後50%以下に低下することが報告されている。一方で、3回目接種によりオミクロン株感染に対する感染予防効果、発症予防効果や入院予防効果が回復することや、3回目接種後のワクチン効果の減衰についても海外から報告されている。
          6. BA.2系統
            • 海外ではBA.2系統への置き換わりがある中で、感染者数の増加が見られたが、現在は世界的に減少傾向となっている。国内におけるオミクロン株は、当初BA.1とBA.1.1の海外からの流入がともにあったものの、その後BA.1.1が多数を占めた。現在は、BA.2系統へ概ね置き換わった。なお、BA.2系統はBA.1系統との比較において、実効再生産数及び二次感染リスク等の分析から、感染性がより高いことが示されている。BA.2系統の世代時間は、BA.1系統と比べ15%短く、実効再生産数は26%高いことが示された。BA.1系統とBA.2系統との重症度の比較については、動物実験でBA.2系統の方が病原性が高い可能性を示唆するデータもあるが、実際の入院リスク及び重症化リスクに関する差は見られないとも報告されている。また、英国の報告では、ワクチンの予防効果にも差がないことが示されている。英国の報告では、BA.1系統ウイルス感染後におけるBA.2系統ウイルスに再感染した事例は少数あり、主にワクチン未接種者であると報告されている。
          7. XE、4、BA.5及びBA.2.12.1系統
            • オミクロン株のXE系統は、オミクロン株のBA.1系統とBA.2系統の組換え体であり、XE系統について、検疫で2件確認されている。WHOレポートによれば、BA.2系統に比べて市中での感染者の増加する速度が10%程度高いと報告されている。また、BA.4系統については検疫で1件、BA.5系統については検疫で2件それぞれ確認されている。一部の国や地域ではBA.4系統、BA.5系統及びBA.2.12.1系統の検出割合が増加し、BA.2系統からの置き換わりが進んでおり、感染者の増加の優位性が示唆されている。国立感染症研究所によれば、感染力や重症度等に大きな差が見られるとの報告は現時点ではないものの、ウイルスの特性について、引き続き、諸外国の状況や知見を収集・分析するとともに、ゲノムサーベイランスによる監視を続けていくことが必要としている。

    厚生労働省 小児の原因不明の急性肝炎について(令和4年5月13日)
    • 世界各国において小児における原因不明の急性肝炎が継続して報告されています。世界保健機関(WHO)では、この急性肝炎の原因特定を目的として、暫定的な症例定義を定め、各国に症例定義に該当するケースの報告を求めています。
    • 厚生労働省ではこうした事案について、令和4年4月20日に自治体等に対し、注意喚起及び情報提供依頼、4月27日に当該事例の感染症サーベランス及び積極的疫学調査についての事務連絡を発出しているところです。
    • 暫定症例定義(※)に該当する2021年10月1日から2022年5月12日10時までの累積報告症例数を別添の通り公表します。今後も、定期的に症例報告の状況をとりまとめて公表していきます。
    • 厚生労働省としては、引き続き、各国政府やWHO、専門家等とも連携しつつ、諸外国の感染状況を注視しながら、情報収集に努めてまいります。
    • 報道機関各位におかれましては、ご本人やご家族などが特定されないよう、個人情報保護にご配慮下さい。
      • ※暫定症例定義は以下のとおりとする。「欧州及び米国における小児の原因不明の急性肝炎の発生について(協力依頼)」(令和4年4月27日付厚生労働省健康局結核感染症課事務連絡)
    • 2021年10月1日以降に診断された原因不明の肝炎を呈する入院例のうち、以下の1、2、3のいずれかを満たすもの:
      1. 確定例 現時点ではなし。
      2. 可能性例 アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)又はアラニントランスアミナーゼ(ALT)が500 IU/Lを超える急性肝炎を呈した16歳以下の小児のうちA型~E型肝炎ウイルスの関与が否定されている者。
      3. 疫学的関連例 2の濃厚接触者である任意の年齢の急性肝炎を呈する者のうち、A型~E型肝炎ウイルスの関与が否定されている者。

      厚生労働省 転倒防止・腰痛予防対策の在り方に関する検討会 第1回資料
      ▼資料4 職場における転倒・腰痛等の減少を図る対策の在り方について(提言)【概要】
      1. 提言1 転倒・腰痛等を取り巻く課題や背景要因の的確な把握
        • 転倒・腰痛等の予防対策の基礎となる課題やニーズを的確に把握するとともに、対策が効果的に推進されるよう後ろ盾となるエビデンスの収集を推進する。
          • 課題
            1. 発生した労働災害情報の深掘り
            2. 職場において転倒・腰痛等の予防の取組が進まない要因や企業・労働者が求めるニーズの把握
            3. 転倒・腰痛等の予防に効果がある取組のエビデンスの収集
              といった把握や収集を効果的に推進するための調査・研究が十分に行われていない。
          • 提言
            • 転倒・腰痛等の予防対策の普及を効果的にするため、物理的要因や心理的・内的要因なども含む災害情報に基づくリスク要因の深掘りや、災害予防を促進する要因・阻害する要因の把握など、エビデンス等を収集・調査研究すべき。
              1. 転倒・腰痛等の予防の取組を普及させるには、説得力のあるエビデンスがあるとよい。その収集と調査研究を充実させる必要がある。
              2. 現状の仕組み(労働者死傷病報告)に加え、つまずき、滑りなどの物理的要因や心理的・内的要因なども含めて、包括的・網羅的に収集することが重要。
              3. 転倒リスクや腰痛リスクの「見える化」を進めることも有効。
              4. 高年齢労働者の災害予防について研究する際、生活者としての高年齢者の体力データを活用するなど、職域の研究領域を超えた活動が有効。
              5. 効果的に普及するには、(1)転倒・腰痛等の予防の取組について効果のあった好事例、(2)企業経営へのメリット・デメリットに関わるデータの収集も有効。
              6. 企業・労働者の主体的な取組を進めるため、取組が促進される要因、逆に取組が阻害される要因など、労使双方のニーズを正確に把握する必要がある。
      2. 提言2 企業・労働者の行動変容を促すための情報発信と関係者との連携について
        • 企業・労働者の行動変容を促すため、必要となる取組の意義を明らかにした上でステークホルダーに理解されやすい形で情報を発信するとともに、関係機関・団体を含む関係者と連携による効果的なアプローチを図る。
          1. 課題
            1. 「労働災害防止」の切り口だけでは企業や労働者の行動変容を促すことが難しい。企業にとっては転倒・腰痛等防止に取り組むメリット・デメリットがわかりづらく、企業価値を生み出すイメージがない。また、働く人にとっても、職場での受動的な取組として捉えられやすい。
            2. 小規模な介護施設やスーパーなどが自力で取組を推進することは困難である。現状では、関係者間の繋がりも弱く、効果的にアプローチする専門家がいないため、取組の推進力となる主体がいない。
            3. 行政の視点が「指導」に偏重しており、企業の自主的な取組を促しにくい。
          2. 提言
            1. 現状分析とその周知を十分に行った上で、ポジティブなキーワードを用いて転倒・腰痛等予防の取組を推進すべき(安全衛生対策を経営上のコストと捉えている企業にも経営に有効であることを認識・経営に反映してもらうことが必要。)。
              1. 「転倒・腰痛等」防止の取組を広げていくためのわかりやすいキーワード・メッセージを検討し、発信することが必要。
              2. 「健康づくり」を切り口とした他の行政施策との連携は有効。
              3. 企業価値の創出というメリットを企業に示すことが必要。
              4. 労働災害が経営に与えるデメリットを事業者に理解してもらうための労働損失の提示や、同業種の先行企業が取り組んでいることの周知・多くの企業が取り組みに参加することのメリットの発信も有効。
              5. 労働者が自分事として認識していくためのマインドセットの推進と、被災者自身に責任を負わせないための環境づくりを進めることが必要。このように、差別や偏見の防止、社会的弱者、ハイリスクと同定された方達の労働者の権利を守る観点も踏まえて取り組んでいくことも重要である。
              6. 従業員が安全で健康に働くことが、労使双方及び事業の利用者にもメリットを生む仕組みを検討するとよい。法令のバックグラウンドを明示するとともに、法令遵守することを通じて、企業は何を実現することができるのかについて、従業員と会社がコミュニケーションできる打ち出し方を示していくことが重要。
              7. 対象の属性に応じたアプローチ手法を採用することが必要。
            2. 関係機関・関係団体との連携を強化するとともに、周知啓発に協力してもらえる専門家を育成・活用することが必要である。
              • 連携先の拡大と、各取組を一つに束ねて企業に届ける仕組みの検討が必要。
              • 企業全体の風土を即座に変えることのできるトップダウンと、アプローチをPDCAに乗せるためのボトムアップの双方の手法を活用しつつ、効果的なアプローチに不可欠な専門家を育成・活用することが必要。
              • 腰痛で困ったときの相談先の確保とその発信が必要。
            3. 行政機関の意識を「指導」から「育成」にシフトしていく意識改革が必要。
              • 行政機関が個別企業にアプローチする際の視点を「指導」から「育成」へのシフト。
              • 企業の取組の動機付けになるような災害発生状況やリスクを評価するシステムの構築とそれを活用した育成支援。
              • 行政機関特有の資料による説得だけではなく、企業の課題に寄り添い、一緒に解決策を模索することによる行動変容の促進。
      3. 提言3 企業、労働者、関係団体の主体的な取組の促進と、必要な制度等の見直しと新たな切り口による取組について
        • 企業、労働者、関係団体が自主的に取組を進めることができるような仕組みを作るとともに、効果的な取組の推進に必要な制度等の見直しと新たな切り口による取組を図る。
          • 課題
            • 行政の今までの取組は、プロセスや手法に問題があり、うまくいっていない。企業の立場だとメリットがないと取り組まない。
            • 労働安全衛生法令が現下の状況にキャッチアップしていない。
            • いろいろツールを作っても、どのように普及するかという視点が欠けており、活用されていない。労働者には届いていない。
          • 提言
            1. これまでの行政における取組状況と効果を検証し、転倒・腰痛予防対策を効果的、実効的に推進するために、効果のあった取組については継続しつつ、低調なものについては見直しを推し進めるべき。
              1. これまでに作成してきた安全衛生教育教材ツール(標準安全作業マニュアル、リーフレット、ガイドラインなどの効果的な活用と、前述の3(2)(提言②の(2))も踏まえて、現状での取組の効果が低調な関係機関・関係団体との連携の強化、周知啓発に協力する専門家の育成・活用が必要。
              2. 優良な取組を行った企業に対して国が関与した認証や表彰の制度を更に拡充し、水平展開を通じた業界全体のレベルアップを図るべき。
            2. 現場の実態に即した、企業の主体的取組による災害予防の取組や効果の高い予防対策が促進されるよう、安衛法令をはじめ現行制度の見直しを検討すべきではないか。
              1. 事業場(店舗)が小規模分散し、事業場単位でできる取組が限られている小売業などにおいて、企業単位での安全衛生管理の役割のあり方を検討すべき。
              2. 腰痛予防について、国際的な規制の動向も踏まえつつ、より自主的な管理を促す方向にシフトすべき。
              3. 転倒予防に効果的と考えられる設備的対策についての規制のあり方を検討すべき。
              4. 高年齢労働者等が安全で働きやすい職場環境の整備を推進するため、高年齢労働者等に対する個別の保健指導や就業上の配慮を検討してはどうか。
            3. 企業の自主的な取組を促進させる支援、インセンティブ制度を拡充させるべき。
              1. 安全衛生対策に有効な機器の導入支援、関係者の連携を積極的に促すなどによる企業や団体への支援、企業へのインセンティブを拡充させるべき。
            4. 具体的かつ効果的な普及啓発の在り方を検討し、推進していくべき。
              1. 各種安全衛生教育教材(テキスト、動画)、作業マニュアル、リーフレットといったツールが労働者まで確実に届くような仕組みを構築すべき。
              2. 国と業界が協力して効果的なツールを作成するなど、業界団体の自主的な取組を促してはどうか。
              3. 健康状況の測定と運動・栄養指導等を、高齢者等に配慮しながら事業場における労働者の健康保持増進のための指針(THP指針)といった既存のスキームを活用するなど効果的に組み合わせていってはどうか。なお、健康状況の測定の活用に当たっては、高リスク者の排除に繋がらないように留意が必要である。
              4. 安全・健康の思考を自然に誘発していく広い意味での環境整備のあり方を検討すべき。
            5. その他
              • ここに掲げる事項のほか、今後検討を深める中で更に必要となる事項も出てくると思われる。厚生労働省においては、上記2(提言1)において提言された課題把握に基づき、積極的に見直しや推進を図っていくべきである
      ▼資料5 職場における転倒・腰痛等の減少を図る対策の在り方について【提言】
      • 転倒・腰痛等の予防対策の普及を効果的にするため、物理的要因や心理的・内的要因なども含む災害情報に基づくリスク要因の深掘りや、災害予防を促進する要因・阻害する要因の把握など、エビデンス等を収集・調査研究すべき。
        1. 転倒・腰痛等の予防の取組を普及させるには、説得力のあるエビデンスがあるとよい。その収集と調査研究を充実させる必要がある。
        2. 現状の仕組み(労働者死傷病報告)に加え、つまずき、滑りなどの物理的要因や心理的・内的要因なども含めて、包括的・網羅的に収集することが重要。
        3. 転倒リスクや腰痛リスクの「見える化」を進めることも有効。
        4. 高年齢労働者の災害予防について研究する際、生活者としての高年齢者の体力データを活用するなど、職域の研究領域を超えた活動が有効。
        5. 効果的に普及するには、①転倒・腰痛等の予防の取組について効果のあった好事例、②企業経営へのメリット・デメリットに関わるデータの収集も有効。
        6. 企業・労働者の主体的な取組を進めるため、取組が促進される要因、逆に取組が阻害される要因など、労使双方のニーズを正確に把握する必要がある。
      • 現状分析とその周知を十分に行った上で、ポジティブなキーワードを用いて転倒・腰痛等予防の取組を推進すべき(安全衛生対策を経営上のコストと捉えている企業にも経営に有効であることを認識・経営に反映してもらうことが必要。)。
        1. 「転倒・腰痛等」防止の取組を広げていくためのわかりやすいキーワード・メッセージを検討し、発信することが必要。
        2. 「健康づくり」を切り口とした他の行政施策との連携は有効。
        3. 企業価値の創出というメリットを企業に示すことが必要。
        4. 労働災害が経営に与えるデメリットを事業者に理解してもらうための労働損失の提示や、同業種の先行企業が取り組んでいることの周知・多くの企業が取り組みに参加することのメリットの発信も有効。
        5. 労働者が自分事として認識していくためのマインドセットの推進と、被災者自身に責任を負わせないための環境づくりを進めることが必要。このように、差別や偏見の防止、社会的弱者、ハイリスクと同定された方達の労働者の権利を守る観点も踏まえて取り組んでいくことも重要である。
        6. 従業員が安全で健康に働くことが、労使双方及び事業の利用者にもメリットを生む仕組みを検討するとよい。法令のバックグラウンドを明示するとともに、法令遵守することを通じて、企業は何を実現することができるのかについて、従業員と会社がコミュニケーションできる打ち出し方を示していくことが重要。
        7. 対象の属性に応じたアプローチ手法を採用することが必要。
      • 関係機関・関係団体との連携を強化するとともに、周知啓発に協力してもらえる専門家を育成・活用することが必要である。
        1. 連携先の拡大と、各取組を一つに束ねて企業に届ける仕組みの検討が必要。
        2. 企業全体の風土を即座に変えることのできるトップダウンと、アプローチをPDCAに乗せるためのボトムアップの双方の手法を活用しつつ、効果的なアプローチに不可欠な専門家を育成・活用することが必要。
        3. 腰痛で困ったときの相談先の確保とその発信が必要。
      • 行政機関の意識を「指導」から「育成」にシフトしていく意識改革が必要。
        1. 行政機関が個別企業にアプローチする際の視点を「指導」から「育成」へのシフト。
        2. 企業の取組の動機付けになるような災害発生状況やリスクを評価するシステムの構築とそれを活用した育成支援。
        3. 行政機関特有の資料による説得だけではなく、企業の課題に寄り添い、一緒に解決策を模索することによる行動変容の促進。
      • これまでの行政における取組状況と効果を検証し、転倒・腰痛予防対策を効果的、実効的に推進するために、効果のあった取組については継続しつつ、低調なものについては見直しを推し進めるべき。
        1. これまでに作成してきた安全衛生教育教材ツール(標準安全作業マニュアル、リーフレット、ガイドラインなどの効果的な活用と、前述も踏まえて、現状での取組の効果が低調な関係機関・関係団体との連携の強化、周知啓発に協力する専門家の育成・活用が必要。
        2. 優良な取組を行った企業に対して国が関与した認証や表彰の制度を更に拡充し、水平展開を通じた業界全体のレベルアップを図るべき。
      • 現場の実態に即した、企業の主体的取組による災害予防の取組や効果の高い予防対策が促進されるよう、安衛法令をはじめ現行制度の見直しを検討すべきではないか。
        1. 事業場(店舗)が小規模分散し、事業場単位でできる取組が限られている小売業などにおいて、企業単位での安全衛生管理の役割のあり方を検討すべき。
        2. 腰痛予防について、国際的な規制の動向も踏まえつつ、より自主的な管理を促す方向にシフトすべき。
        3. 転倒予防に効果的と考えられる設備的対策についての規制のあり方を検討すべき。
        4. 高年齢労働者等が安全で働きやすい職場環境の整備を推進するため、高年齢労働者等に対する個別の保健指導や就業上の配慮を検討してはどうか。
      • 企業の自主的な取組を促進させる支援、インセンティブ制度を拡充させるべき。
        • 安全衛生対策に有効な機器の導入支援、関係者の連携を積極的に促すなどによる企業や団体への支援、企業へのインセンティブを拡充させるべき。具体的かつ効果的な普及啓発の在り方を検討し、推進していくべき。
      • 具体的かつ効果的な普及啓発の在り方を検討し、推進していくべき。
        1. 各種安全衛生教育教材(テキスト、動画)、作業マニュアル、リーフレットといったツールが労働者まで確実に届くような仕組みを構築すべき。
        2. 国と業界が協力して効果的なツールを作成するなど、業界団体の自主的な取組を促してはどうか。
        3. 健康状況の測定と運動・栄養指導等を、高齢者等に配慮しながら事業場における労働者の健康保持増進のための指針(THP 指針)といった既存のスキームを活用するなど効果的に組み合わせていってはどうか。なお、健康状況の測定の活用に当たっては、高リスク者の排除に繋がらないように留意が必要である。
        4. 安全・健康の思考を自然に誘発していく広い意味での環境整備のあり方を検討すべき。

      厚生労働省 個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会 第1回資料
      ▼資料2 建設アスベスト訴訟最高裁判決を踏まえた一人親方等の保護に関する法令改正について
      • 安衛法の規定とこれまでの考え方
        • 安衛法は、職場における労働者の安全と健康を確保することを目的としており、これまでこの法律により保護すべき対象は、事業者に雇用されている「労働者」と位置付け、運用してきた。
      • 最高裁の判断
        • 建設作業で石綿(アスベスト)にばく露し、肺がん等に罹患した元労働者や一人親方が、国を相手取り、規制が十分であったかが争われた「建設アスベスト訴訟」の最高裁判決において、石綿の規制根拠である安衛法第22条は、労働者だけでなく、同じ場所で働く労働者でない者も保護する趣旨との判断がされた。
      • 最高裁判決の論拠
        • 第1条の目的規定には、「快適な職場環境の形成を促進」とされており、その対象は労働者に限定していないこと。
        • 石綿等の有害物に対する措置を事業者に義務付けている第22条では、その保護対象を労働者に限定していないこと。
      • 建設アスベスト訴訟の最高裁判決(令和3年5月17日)において、以下の点について国の規制権限の不行使を違法とする判断が出された。
        1. 一人親方等の安全衛生対策
          • 安衛法57条は、これを取り扱う者に健康障害を生ずるおそれがあるという物の危険性に着目した規制であり、その物を取り扱うことにより危険にさらされる者が労働者に限られないこと等を考慮すると、所定事項の表示を義務付けることにより、その物を取り扱う者であって労働者に該当しない者も保護する趣旨のものと解するのが相当。
          • 安衛法は、その1条において、職場における労働者の安全と健康を確保することを目的として規定しており、安衛法の主たる目的が労働者の保護にあることは明らかであるが、同条は、快適な職場環境(平成4年法律第55号による改正前は「作業環境」)の形成を促進することをも目的に掲げているものであるから、労働者に該当しない者が、労働者と同じ場所で働き、健康障害を生ずるおそれのあるものを扱う場合に、安衛法57条が労働者に該当しない者を当然に保護の対象外としているとは解し難い。
          • 本件掲示義務規定(注:特化則38条の3(安衛法第22条に基づく規定))は、特別管理物質を取り扱う作業場という場所の危険性に着目した規制であり、その場所において危険にさらされる者が労働者に限られないこと等を考慮すると、特別管理物質を取り扱う作業場における掲示を義務付けることにより、その場所で作業する者であって労働者に該当しない者も保護する趣旨のものと解するのが相当。
          • 労働大臣が上記の(安衛法第22条等に基づく)規制権限を行使しなかったことは、安衛法第2条第2号において定義された労働者に該当しない者との関係においても、安衛法の趣旨、目的や、その権限の性質等に照らし、著しく合理性を欠くものであって、国家賠償法1条1項の適用上違法。
        2. 有害性の警告表示の義務付け
          • 省令を制定して、事業者に対し、石綿含有建材を使う建設現場における警告表示(掲示)の内容として、石綿により引き起こされる石綿関連疾患の具体的内容及び症状等、並びに防じんマスクを着用する必要があることについて、より具体的に記載することを義務付けるべきであった
      • 省令改正の基本方針
        1. 「安衛法第22条は労働者と同じ場所で働く労働者でない者も保護する趣旨」とした最高裁の判決を踏まえ、同条に基づく省令の規定について、以下の方針で改正する。
          • 危険有害な作業を行う事業者は、以下の措置を講じなければならないこととする。
            1. 労働者以外の者にも危険有害な作業を請け負わせる場合は、請負人(一人親方、下請業者)に対しても、労働者と同等(事業者は、一人親方等に対して指揮命令関係にないことなどから、同一の措置は困難な場合、それに代わる措置を求めることとする。)の保護措置を実施すること。
            2. 同じ作業場所にいる労働者以外の者(他の作業を行っている一人親方や他社の労働者、資材搬入業者、警備員など、契約関係は問わない)に対しても、労働者と同等の保護措置を実施すること。
        2. 安衛法第22条に基づいて規定されている計11の省令(石綿障害予防規則、有機溶剤中毒予防規則、特定化学物質障害予防規則など)を改正する。
      • 具体的な改正方針
        1. 安全確保のための設備設置関係の規定の改正
          • 安全確保のための設備を設置することについては、労働者が作業に従事する時点で義務づけられており、現行制度のままでも、労働者以外の者も含め効果が得られることから改正は必要ない。
          • ただし、設置した設備を作業時に稼働させる等の当該設備による作業環境の改善のための措置については、請負人のみが作業を行うとき等には、状況に応じて、取り得る方策が他にもありうることから、必要に応じ配慮規定を設ける。
        2. 作業方法、保護具使用等の作業実施上の安全確保に係る規定の改正
          • 安全確保のために省令で規定されている特定の作業方法の遵守や保護具の使用等は、作業を行うに当たって必ず実施すべき措置であるが、当該作業を請け負わせる請負人に対しては指揮命令関係がないため、これらの措置が必要なことについての周知義務を設ける。
          • また、作業に従事する者に限定された措置ではなく、特定の場所について、全ての労働者に保護具の使用等を求めている規定については、当該作業場で(他の)作業に従事する者全員を周知対象とする。
        3. 場所の使用・管理権原等に基づく安全確保(退避、立入禁止等)に係る規定の改正
          • 指揮命令関係に基づくものではなく、場所の使用・管理権原等に基づく立入禁止、特定行為の禁止、退避、入退室管理等の措置は、労働者以外の者(請負人や当該場所で(他の)作業に従事する者)も措置対象に追加することとする。この際、立入禁止及び特定行為の禁止については、事業者が当該作業場で管理・監督等を行っているとは限らないことから、表示による禁止も可能であることを明確にする。
        4. 有害物の有害性等を周知するための掲示に係る規定の改正
          • 有害物の有害性等を周知するための掲示については、「掲示」という行為により労働者以外にも周知効果は得られることから、労働者以外の者(請負人や当該場所で(他の)作業に従事する者)も措置対象に追加することとする。
          • 有害物の有害性等を周知するための掲示の規定は、石綿則、有機則、特化則にはあるが、鉛則、四アルキル鉛則、粉じん則、安衛則(ダイオキシン関係)には規定されていない。しかし、これらの物質について有害性等を周知しなくても良いとする合理的理由はないことから、これらの省令においても、同様の規定を新たに設けることとする。
        5. 労働者以外の者による遵守義務
          • 特定行為の禁止、退避、立入禁止等の措置について、労働者に遵守義務が設けられているものについて、労働者以外の者にも遵守義務(ただし罰則の対象にはならない)を設けることとする。
          • 労働者以外の者に対して事業者が行う「周知」については、周知を受けた者において採るべき措置が一義的に決まっているものではなく、何を以て遵守したと判断するか困難であることから、労働者以外の者に対する遵守義務は設けない。

      厚生労働省 第83回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年5月11日)
      ▼資料1 直近の感染状況等の分析と評価
      • 感染状況について
        • 全国の新規感染者数(報告日別)は、今週先週比が0.98となり、直近の1週間では10万人あたり約175人と減少が継続しているが、GWによる検査や診療への影響もあることに加え、GWにおける人の動きや2系統へ概ね置き換わった状況などもあり、今後の動きに注視が必要。
        • 年代別の新規感染者数は、20代では増加が見られる一方、その他の年代では横ばい又は減少が続いている。
        • 全国の新規感染者数の減少に伴い、療養者数、重症者数及び死亡者数は減少が継続している。
        • 実効再生産数:全国的には、直近(4/24)で0.94と1を下回る水準となっており、首都圏では0.90、関西圏では0.94となっている。
      • 地域の動向 ※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値。
        • 北海道 新規感染者数は今週先週比が0.92と1を下回り、約302(札幌市約313)。20代以下が中心。特に20代の増加が顕著。病床使用率は2割弱。
        • 北関東 茨城の新規感染者数は今週先週比が0.83と1を下回り、約121。20代以下が中心。特に20代の増加が顕著。病床使用率は1割強。栃木、群馬でも今週先週比がそれぞれ0.83、0.94と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約134、132。病床使用率について、栃木では1割強、群馬では3割弱。
        • 首都圏(1都3県) 東京の新規感染者数は今週先週比が0.88と1を下回り、約171。30代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床・重症病床使用率はいずれも1割強。埼玉、千葉、神奈川でも今週先週比がそれぞれ0.85、0.78、0.82と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約132、105、127。病床使用率について、埼玉では2割強、千葉では1割強、神奈川では2割弱。
        • 中京・東海 愛知の新規感染者数は今週先週比が1.02と1を上回り、約162。20代以下が中心。20代で増加、その他の年代では微減又は減少。病床使用率は2割強。岐阜、静岡でも今週先週比がそれぞれ1.09、1.15と1を上回り、新規感染者数はそれぞれ約163、126。三重では今週先週比が0.98と1を下回り、新規感染者数は約136。病床使用率について、岐阜では2割弱、静岡、三重では1割強。
        • 関西圏 大阪の新規感染者数は今週先週比が1.03と1を上回り、約198。20代以下が中心。20代で増加、その他の年代では微減又は減少。病床使用率は2割弱。奈良、和歌山でも今週先週比がそれぞれ1.09、1.06と1を上回り、新規感染者数はそれぞれ約128、158。滋賀、京都、兵庫では今週先週比がそれぞれ0.99、0.97、0.98と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約146、188、158。病床使用率について、滋賀、兵庫では約2割、京都では2割弱、奈良では1割強、和歌山では2割強。
        • 九州 福岡の新規感染者数は今週先週比が0.96と1を下回り、約251。20代以下が中心。20代で増加、60代で微増だがその他の年代では微減又は減少。病床使用率は約2割。長崎、熊本、大分でも今週先週比がそれぞれ0.90、0.99、0.98と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約213、191、212。佐賀では今週先週比が1.0となり、新規感染者数は約263。宮崎、鹿児島では今週先週比がそれぞれ1.05、1.01と1を上回り、新規感染者数はそれぞれ約250、281。病床使用率について、佐賀、長崎、鹿児島では2割強、熊本、大分では約2割、宮崎では2割弱。重症病床使用率について、宮崎では約2割。
        • 沖縄 新規感染者数は今週先週比が1.19と1を上回り、約797と全国で最も高い。20代以下が中心。全ての年代で増加し、特に10-20代の増加が顕著。病床使用率は4割強。重症病床使用率は2割強。
        • 上記以外 青森、岩手、秋田、福島、石川、長野、広島、香川、高知の新規感染者数はそれぞれ約174、146、175、166、228、121、232、224、209。病床使用率について、青森、香川、高知では約2割、岩手、秋田、福島、石川、長野、広島では2割強。
      • 今後の見通しと必要な対策
        1. 感染状況について
          • GW中は診療や検査数が少なくなっているため、現時点において感染状況を正確に評価することは難しいという点に留意が必要。
          • 新規感染者数について、全国的に見れば、首都圏を中心に大都市圏では減少が続いている。一方、それ以外の地域では増加と減少を繰り返している。また、沖縄県では横ばいの時期を挟みながら増加が継続しており、感染状況の推移に差が生じている。次に、地域別に見ると、直近1週間の移動平均について、首都圏などでは昨年夏のピーク時を下回る状況にある一方、沖縄県や鹿児島県などでは直近1週間の移動平均が昨年末からのピークを上回っている。
          • なお、1週間の移動平均ではないことに留意が必要となるが、直近3日間(日曜日~火曜日)の全国の感染状況について、連休前である2週間前の同曜日とそれぞれ比較すると、増加傾向が見られる。また、連休中の移動先での接触機会や夜間滞留人口の増加による感染機会の増加の影響で、翌週以降の報告数が上積みされることも想定する必要がある。
          • 年代別の新規感染者数では、20代では増加が見られる一方、その他の年代では横ばい又は減少が続いている。首都圏では全ての年代で横ばい又は減少している一方、沖縄県や宮崎県など複数の地方都市では20代の増加が見られる。また、沖縄県では全ての年代で新規感染者数が増加しており、特に10代の増加が顕著であるとともに、高齢者の増加も続いている。
          • 新規感染者の感染場所について、20代では飲食の割合が約6%と増加傾向にあり(全年齢では約2%)、この年代の増加が今後の感染拡大につながるか注視するとともに、高齢者の感染状況と医療への影響を注視していく必要がある。
          • 今後の感染状況については、GWで人の動きが活発であったことや、2系統へ概ね置き換わった状況などの感染の増加要因と、ワクチンの3回目接種等による抑制要因に影響されるものと考えられ、引き続き、今後の動向を注視する必要。
        2. 感染の増加要因と抑制要因について
          • 感染状況には、以下のような感染の増加要因と抑制要因の変化が影響するが、今後しばらくは感染状況を注視する必要がある。
            1. 接触パターンについて
              • 夜間滞留人口は、大都市圏を中心に減少する地域がある一方、一部の地方都市では昨年末のピーク時を超えて急増する地域もあった。また、GWで人の動きの活発化と接触の増加による今後の感染状況への影響に注意が必要。
            2. 流行株について
              • 2系統へ概ね置き換わっており、新規感染者の増加や減少スピードが遅れる一要因となりうる。海外でもBA.2系統への置き換わりが進み、感染の拡大に伴って死亡者も増加した国もあり(例:英国)、十分な注意が必要。
            3. ワクチン接種等について
              • 3回目接種の主な目的は発症予防・重症化予防である。3回目接種は高齢者で進むとともに、若年層でも接種が進んでいるが、これから若年層がさらに接種対象になることで一層接種率が向上することが期待される。オミクロン株に対する感染予防効果はデルタ株に比較しても低く、しかも持続期間が短いことに留意が必要。3回目接種の感染予防効果も時間経過に伴い今後減弱していくことが予想。また、これまでの感染による免疫保持については、地域の発生動向に影響する可能性もある。
            4. 気候要因について
              • 気温が上昇していく時期に入り、換気を行いやすい気候条件になる。しかし、気温の上昇や降雨によって屋内での活動が増える場合もある。
        3. 医療提供体制について
          • 沖縄県では、GW中も入院者数や病床・重症病床使用率が増加している。一方、その他の地域では、一部を除いて病床使用率や自宅療養者・療養等調整中の数が減少している。
          • 救急搬送困難事案については、全国合計では昨年夏のピークを下回ったが、下げ止まりから微増傾向となった。非コロナ疑い事案が微増している。感染者数の増加に伴い増加している地域もあり、地域差が見られる。
        4. オミクロン株による感染拡大を踏まえた取組
          1. サーベイランス等
            • 発生動向把握のため、実効性ある適切なサーベイランスの検討が必要。また、変異株について、ゲノムサーベイランスで動向の監視を継続することが必要。さらに、重症例やクラスター事例等では、変異株PCR検査や全ゲノム解析による確認が求められる。
          2. 自治体における取組
            • 自治体では、オミクロン株の特徴を踏まえた対応強化を図るべく、診療・検査体制や保健所体制の点検も必要である。
            • 地域の感染状況に基づき、必要病床数と医療従事者の確保や自宅療養者に対する訪問診療やオンライン診療体制の構築に引き続き取り組むことが必要。高齢者や基礎疾患のある者など、重症化リスクのある患者を対象とする経口治療薬や中和抗体薬を迅速に投与できる体制の確保も引き続き求められる。また、新型コロナウイルス感染症に罹患しても、基礎疾患の治療が継続できるような体制を整えることが必要。
            • 高齢者施設等における迅速な医療支援体制の強化・徹底が求められる。医療支援体制の構築にあたっては、医療関係部局と介護関係部局が連携し、地域の関係者とも協議しつつ進めていくことが重要。
            • 健康観察等の重点化や患者発生届の処理の効率化など事務連絡に基づき、効率的に保健所業務を実施するとともに、地域に必要な保健所機能を維持するため、外部委託や本庁での一元化による体制を確保する。また、濃厚接触者の特定や待機については、地域の感染状況に応じて、適切な感染対策を行うことを原則としつつ、オミクロン株の特徴や感染拡大の状況を踏まえ、医療機関や高齢者施設などにおける感染事例に重点化することが必要。あわせて、少しでも体調が悪い場合には職場・学校を休める環境を確保することも重要。
            • 今年1月以降の自宅での死亡事例においては、同時期の死亡者全体の傾向と同様、70歳以上の者が約8割を占め、新型コロナ以外の要因により死亡する事例も多いことが示唆される。また、こうした死亡事例におけるワクチン接種率は、日本国内の接種の進展により、2回目接種が完了していた者も一定数確認された。自治体においては、重症化リスクの高い感染者への連絡の迅速化等の取組が進められており、引き続き、自宅療養者に必要な医療が提供されるよう努めることが重要。
          3. ワクチン未接種者、3回目接種者への情報提供の再強化等
            • 3回目接種率について、5月10日公表時点で65歳以上高齢者では88%、全体では約55%となった。高齢者の接種が進展したことにより重症化や死亡のリスク低減が期待される。重症者・死亡者を最小限にするため、また同時に、できるだけ発症者を減らすためにも、対象者への3回目の接種を今後も着実に実施し、希望する方にはできるだけ多く接種していただくことが求められている。4回目接種については、重症化予防を目的として、60歳以上の者と、重症化リスクの高い基礎疾患を有する者、その他重症化リスクが高いと医師が認める方を対象として特例臨時接種として5月下旬から実施することとなったことを踏まえ、適切に接種の案内を実施することが必要。
            • 自治体では、ワクチン接種に関する情報提供を進めることが重要。未接種者へのワクチン接種とともに、初回接種から6か月以降の3回目接種によりオミクロン株に対してもワクチンの有効性が回復するため、3回目接種を着実に実施していくことも必要。また、ワクチン接種者においては症状が遷延するリスクが低いとの報告がある。
            • 5歳から11歳までの子どもへのワクチン接種については、特例臨時接種として実施されているが、その際、努力義務の規定はこれらの小児について適用しないことを踏まえ、接種を進めていくことが必要。また、小児への感染予防を期待して、保護者や周囲の大人がワクチンを接種することも重要。
          4. 水際対策
            • 海外及び国内の現在の流行状況なども踏まえて水際対策の段階的な見直しを検証していく必要がある。特に、直近の東アジア地域における流行状況には注視が必要。また、入国時検査での陽性者は、海外における流行株監視のため、全ゲノム解析を継続させることが必要。
        5. オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底
          • 感染が広がっている場面・場所において、オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底が求められる。
            • 学校・幼稚園・保育所等においては、児童・生徒の感染リスクが高まる場面を職員や子ども・保護者等と共有しつつ、子どもの感染対策の徹底はもとより、教職員や保育士などに対する積極的なワクチンの接種促進も含め感染対策の再確認と徹底を図った上で、できるだけ教育活動などの継続に取り組むことが必要。子どもや職員が少しでも体調が悪い場合は、休暇を取得できる環境を確保することが重要。また、分散登校やリモート授業などの組み合わせによる教育機会の確保や社会機能維持にも配慮する必要がある。あわせて、家庭内での感染対策の徹底も求められる。
            • 高齢者の感染を抑制するため、介護福祉施設における対策の徹底が必要。このため、入所者及び従事者に対するワクチンの3回目接種を進めるとともに、従業者等へは積極的な検査を実施することも必要。また、施設等における感染管理や医療に関して外部からの支援体制を確保し、施設で感染が確認された際には早期に迅速な介入が重要。
            • 職場においては、社会機能維持のため、業務継続計画の活用に加え、企業におけるテレワークの活用や休暇取得の促進等により、出勤者数の削減に取り組むとともに、接触機会を低減することが求められる。また、従業員の体調管理を徹底し、少しでも体調が悪い場合には休暇を取得できる環境を確保することが必要であることに加え、職域におけるワクチンの3回目接種を積極的に進めるべきである。
        6. 現在の感染状況を市民や事業者の皆様と広く共有して、感染拡大防止に協力していただくことが不可欠
          • 現在の新規感染者数は全国的には減少傾向にあるが、未だに昨年夏のピークよりも高い状況が続いている。したがって、基本的な感染対策と日頃の体調管理を徹底して呼びかけた上で、できるだけ新規感染者数の継続的な増加が起こらないよう、引き続き、市民や事業者の方々には感染リスクの低減に向けた取組にご協力いただくことが必要。
            1. ワクチン接種について
              • ワクチンの3回目接種は、その種類に関わらず、時期が来れば、早めに受けていただくことが重要。新型コロナウイルス感染症に罹患すると、若年者でも重症化することがあり、また、遷延症状が見られる場合もあることから、重症化リスクの高い高齢者はもとより、若年者も自らの健康を守るために接種していただくことが求められる。
            2. 感染対策の徹底
              • 行政・事業者・市民の皆様には、オミクロン株においても基本的な感染防止策は有効であることから、不織布マスクの正しい着用、手指衛生、換気などの徹底を継続していただくことが必要。また、三つの密(密集、密閉、密接)が重なるところは最も感染リスクが高いが、オミクロン株は伝播性が高いため、一つの密であってもできるだけ避けることが必要。
            3. 外出等に際して
              • 混雑した場所や換気が悪く大人数・大声を出すような感染リスクの高い場面・場所を避けることが必要。行動はいつも会う人と少人数で。飲食は、できるだけ少人数で黙食を基本とし、飲食時以外はマスク着用の徹底が必要。
            4. 体調管理について
              • ご自身やご家族の命を守るため、同時にオミクロン株による感染拡大防止のためにも、軽度の発熱、倦怠感など少しでも体調が悪ければ外出を控えるとともに、自治体等の方針に従って受診や検査をすることが必要。特に、高齢者をはじめ、重症化リスクの高い方と会う機会がある場合には注意が必要。
      • 参考:オミクロン株の特徴に関する知見
        1. 感染性・伝播性
          • オミクロン株はデルタ株に比べ、世代時間が約2日(デルタ株は約5日)に短縮、倍加時間と潜伏期間も短縮し、感染後の再感染リスクや二次感染リスクが高く、感染拡大の速度も非常に速いことが確認されている。なお、報告されているデータによれば、これまでの株と同様に発症前の伝播は一定程度起きていると考えられる。
        2. 感染の場・感染経路
          • 国内では、多くの感染がこれまでと同様の機会(換気が不十分な屋内や飲食の機会等)で起きており、感染経路もこれまでと同様、飛沫が粘膜に付着することやエアロゾルの吸入、接触感染等を介していると考えられている。
        3. 重症度
          • オミクロン株による感染はデルタ株に比べて相対的に入院のリスク、重症化のリスクが低いことが示されているが、現時点で分析されたオミクロン株による感染の致命率は、季節性インフルエンザの致命率よりも高いと考えられる。また、肺炎の発症率についても限られたデータではあるが季節性インフルエンザよりも高いことが示唆されているが、今後もさまざまな分析による検討が必要。今回の感染拡大における死亡者は、昨年夏の感染拡大と比べ、80歳以上の占める割合が高くなっている。感染前の状況として、医療機関に入院中の方や高齢者施設に入所中の方が多いことが示された。侵襲性の高い治療を希望されない場合や基礎疾患の悪化等の影響で重症の定義を満たさずに死亡する方など、新型コロナウイルス感染症が直接の死因でない事例も少なくないことが報告されており、基礎疾患を有する陽性者でコロナ感染による肺炎が見られなくても感染により基礎疾患が増悪することや、高齢の感染者が心不全や誤嚥性肺炎等を発症することにより、入院を要する感染者の増加に繋がることにも注意が必要。
        4. ウイルスの排出期間
          • オミクロン株感染症例におけるウイルスの排出は、時間の経過とともに減少する。有症状者では、発症日から10日目以降において、排出する可能性が低くなることが示された。なお、無症状者では、診断日から8日目以降において排出していないことが示された。
        5. ワクチン効果
          • 初回免疫によるオミクロン株感染に対する発症予防効果は著しく低下する。入院予防効果については、半年間は一定程度保たれているものの、その後50%以下に低下することが報告されている。一方で、3回目接種によりオミクロン株感染に対する感染予防効果、発症予防効果や入院予防効果が回復することや、3回目接種後のワクチン効果の減衰についても海外から報告されている。
        6. 2系統
          • 海外では2系統への置き換わりがある中で、感染者数の増加が見られたが、現在は世界的に減少傾向となっている。国内におけるオミクロン株は、当初BA.1とBA.1.1の海外からの流入がともにあったものの、その後BA.1.1が多数を占めた。現在は、BA.2系統への置き換わりが進んでいる。このため、今後、感染者数の増加(減少)速度に影響を与える可能性がある。なお、BA.2系統はBA.1系統との比較において、実効再生産数及び二次感染リスク等の分析から、感染性がより高いことが示されている。BA.2系統の世代時間は、BA.1系統と比べ15%短く、実効再生産数は26%高いことが示された。BA.1系統とBA.2系統との重症度の比較については、動物実験でBA.2系統の方が病原性が高い可能性を示唆するデータもあるが、実際の入院リスク及び重症化リスクに関する差は見られないとも報告されている。また、英国の報告では、ワクチンの予防効果にも差がないことが示されている。英国の報告では、BA.1系統ウイルス感染後におけるBA.2系統ウイルスに再感染した事例は少数あり、主にワクチン未接種者であると報告されている。
        7. XE、4、BA.5及びBA.2.12.1系統
          • オミクロン株のXE系統は、オミクロン株の1系統とBA.2系統の組換え体であり、XE系統について、検疫においてこれまでに採取された検体から2件確認されている。WHOレポートによれば、BA.2系統に比べて市中での感染者の増加する速度が10%程度高いと報告されている。また、一部の国や地域ではBA.4系統、BA.5系統及びBA.2.12.1系統の検出割合が増加し、BA.2系統からの置き換わりが進んでおり、感染者の増加の優位性が示唆されている。国立感染症研究所によれば、感染力や重症度等に大きな差が見られるとの報告は現時点ではないものの、ウイルスの特性について、引き続き、諸外国の状況や知見を収集・分析するとともに、ゲノムサーベイランスによる監視を続けていくことが必要としている。

      厚生労働省 第173回労働政策審議会労働条件分科会(資料)
      ▼資料No.1 「多様化する労働契約のルールに関する検討会」報告書について
      1. 無期転換ルールに関する見直し
        1. 総論
          • 制度活用状況を踏まえると、無期転換ルール(※)の導入目的である有期契約労働者の雇用安定に一定の効果が見られる。
            • ※無期転換ルール:労働契約法(以下「法」という。)に基づき、有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約に転換できるルール
          • また、通算年数などによる更新上限の導入は、無期転換ルール導入前と比べて大きく増加していない。他方、制度の十分な活用への課題や、望ましくない雇止め、権利行使を抑止する事例等も見られる。
          • 現時点で無期転換ルールを根幹から見直さなければならない問題が生じている状況ではないが、各企業における有期労働契約や無期転換制度について、労使双方が情報を共有し、企業の実情に応じて適切に活用できるようにしていくことが適当。
          • なお、今後、制度の更なる活用に伴い、引き続き状況を注視し、必要に応じて改めて検討する機会が設けられることが適当。
        2. 無期転換を希望する労働者の転換申込機会の確保
          • 労使とも無期転換ルールの認知度に課題があり、更なる周知が必要。
          • 労働者が無期転換ルールを理解した上で申込みを判断できるよう、無期転換申込権が発生する契約更新時に、労働基準法の労働条件明示事項として、転換申込機会と無期転換後の労働条件について、使用者から個々の労働者に通知することを義務づけることが適当。
        3. 無期転換前の雇止め等
          • 無期転換前の雇止め等について、法や裁判例等に基づく考え方を事例に応じて整理し、周知するとともに、個別紛争解決制度による助言・指導で活用していくことが適当。
          • 紛争の未然防止や解決促進のため、更新上限の有無及びその内容の明示の義務づけ並びに最初の契約締結より後に更新上限を新たに設ける場合には労働者の求めに応じた上限設定の理由説明の義務づけを措置することが適当。
          • 無期転換申込みを行ったこと等を理由とする不利益取扱い(解雇、雇止め、労働条件の引下げ等)はその内容に応じて司法で救済されうるものであり、現行法等の周知徹底が適当。また、権利行使の妨害抑止につながるような方策を検討することが適当。
        4. 通算契約期間及びクーリング期間
          • 通算契約期間及びクーリング期間(通算契約期間をリセットする規定)について、制度が実質的に適用されてから長くなく、特に変えるべき強い事情もないことから、制度の安定性も勘案し、現時点で枠組みを見直す必要は生じていないと考えられる。法の趣旨に照らして望ましいとは言えない事例等の更なる周知が適当。
        5. 無期転換後の労働条件
          • 無期転換後の労働条件について、有期契約時と異なる定めを行う場合の法令や裁判例等に基づく考え方を整理し、周知することが適当。また、正社員登用やキャリアコースの検討など企業内での無期転換後の労働条件の見直しの参考になる情報提供を行うことが適当。
          • 無期転換者と他の無期契約労働者との待遇の均衡について、法3条2項を踏まえて均衡考慮が求められる旨の周知や、法4条を踏まえて使用者に無期転換後の労働条件について考慮した事項の労働者への説明を促す措置を講じることが適当。
          • 無期転換後も、パート・有期労働法に基づき短時間・有期契約労働者等の処遇の見直しが行われる際には、フルタイムの無期転換者についても、併せて法3条2項も踏まえて見直しを検討することが望ましい旨を周知していくことが考えられる。
        6. 有期雇用特別措置法に基づく無期転換ルールの特例
          • 特例が知られていない現状があるため、更なる周知を行うことが適当。
      2. 多様な正社員の労働契約関係の明確化等
        1. 総論
          • 職務、勤務地又は労働時間を限定した多様な正社員については、以下の観点から、労使双方にとって望ましい形での普及・促進が必要。
            • いわゆる正社員と非正規雇用の労働者の働き方の二極化緩和
            • 労働者のワーク・ライフ・バランス確保や自律的なキャリア形成
            • 優秀な人材の確保や企業への定着
          • また、労働契約が多様化する中、従来からの統一的・集団的な労働条件決定の仕組みの下では勤務地限定等の個別的な労働契約内容が曖昧になりやすいことに起因する労使紛争の未然防止や、労使双方の予見可能性の向上に加え、労使間の情報の質・量の格差是正や契約に係る透明性の確保を図ることが必要。
          • こうした観点から、労使自治や契約自由の原則の大前提として、法令上の措置も含め、労働契約関係の明確化を検討することが適当。
          • なお、労働契約関係の明確化は、多様な正社員のみならず、全労働者に対して有益であるため、労働者全般を対象に検討することが適当。
        2. 労働契約関係の明確化
          • <労働契約締結時の労働条件の確認>
            • 現行法上、労働基準法15条の労働条件明示(以下「15条明示」という。)では、雇入れ直後の就業の場所及び従事すべき業務を明示することとされており、勤務場所や業務内容の変更範囲までは求められていないが、予見可能性の向上等の観点から、多様な正社員に限らず労働者全般について、15条明示の対象に就業場所・業務の変更の範囲を追加することが適当。
          • <労働条件が変更された際の労働条件の確認>
            • 15条明示は、契約締結に際し行われるものであり、労働条件が変更された際にまでは義務付けられていないが、以下より、労働条件の変更時も15条明示の対象とすることが適当。
            • 個別合意による変更の場合に書面明示が保障されていないほか、仮に15条明示の対象に就業場所・業務の変更範囲を追加する場合に変更後の労働条件を明示しなければ当該変更前の労働条件が存続しているものと誤解したままとなるリスクがあること
            • 具体的には、変更後の労働条件の書面確認の必要性に鑑み、多様な正社員に限らず労働者全般について、労働契約締結時に書面で明示することとされている労働条件が変更されたとき(就業規則の変更等により労働条件が変更された場合及び元々規定されている変更の範囲内で業務命令等により変更された場合を除く。)は、変更の内容を書面で明示する義務を課す措置が考えられる。
            • 本措置に併せて、就業規則について労働者が必要なときに容易に確認できるような方策や中小企業への支援の検討が必要。
            • なお、就業場所・業務に限って本措置の対象とすべきとの意見、就業規則の新設・変更による場合も明示の対象とすべきとの意見、本措置に関する電子的な方法の明示も検討すべきとの意見もあった。
          • <労働契約関係の明確化を図る場合の留意点>
            • 労働契約関係の明確化を図る場合に留意すべき点として、労働条件の変更や、多様な正社員の勤務地等の変更、事業所廃止等を行う場合の考え方について、裁判例等を整理して周知することが適当。
        3. 労使コミュニケーション等
          • 無期転換制度等を定める際に、無期転換者・有期契約労働者の意見が反映されるよう、労使コミュニケーションを促すことが適当。
          • 多様な正社員の働き方を選びやすくするためにも、いわゆる正社員自体の働き方の見直しを含め、労使コミュニケーションを促すことが適当。
          • また、無期転換や多様な正社員に係る制度等については、労働者全体に関わるものであるほか、雇用形態間の待遇の納得感が得られるようにするため、個々の労働者の意見を吸い上げるとともに、労働者全体の意見を調整することも必要。その上で、過半数代表者に関する制度的担保や新たな従業員代表制の整備を含め、多様な労働者全体の意見を反映した労使コミュニケーションの促進を図る方策も中長期的な課題。
      ▼資料No.3 「解雇無効時の金銭救済制度に係る法技術的な論点に関する検討会」報告書について
      1. 形成権構成及び形成判決構成について
        • 本制度の骨格について、「無効な解雇がなされた場合に、労働者の請求によって使用者が労働契約解消金を支払い、当該支払によって労働契約が終了する仕組み」を念頭に置き、このような仕組みを制度的に構築する場合の選択肢として、以下の2つの構成(以下「両構成」という。)について検討した。
        • 形成権構成:要件を満たした場合に労働者に金銭救済を求め得る形成権(以下「金銭救済請求権」という。)が発生し、それを行使した効果として、(1)労働者から使用者に対する労働契約解消に係る金銭債権(以下「労働契約解消金債権」という。)が発生するとともに、(2)使用者が当該労働契約解消金を支払った場合に労働契約が終了するとの条件付き労働契約終了効が発生するとの構成。
        • 形成判決構成:労働者の請求を認容する判決が確定した場合、その効果として上記①、②の効果が発生するとの構成であり、要件を満たした場合に労働者に判決によるこのような法律関係の形成を求める権利が発生するとするもの。労働審判によって同様の効果を生じさせることも法技術上可能。
      2. 権利の法的性質等
        1. 対象となる解雇・雇止め
          • 無期労働契約における無効な解雇(禁止解雇を含む)と、有期労働契約における無効な契約期間中の解雇(禁止解雇を含む)及び労働契約法19条に該当する雇止めを対象とすることが考えられる。
        2. 権利の発生要件等
          • 当事者間に労働契約関係が存在すること、使用者による解雇の意思表示がされたこと、当該解雇が無効であること、が考えられる。なお、ここでの検討は、主張立証責任についての現在の裁判実務を変更する趣旨のものではない。
        3. 権利行使の方法
          • 形成権構成の場合であっても、当面は、権利行使の方法は訴えの提起及び労働審判の申立てに限ることが考えられる。
        4. 債権発生の時点
          • 労働契約解消金債権が発生する時点については、形成権構成の場合は形成権の行使時点、形成判決構成の場合は判決等の確定時点であるが、両構成ともに、判決等の確定時に弁済期が到来し、その前に支払がされてもその効果(労働契約終了効)は生じないとすることが考えられる。
        5. 権利行使の意思表示の撤回等
          • 判決等の確定時まで、形成権構成における形成権行使の意思表示の撤回及び形成判決構成における訴え取下げ等は可能であるとすることが考えられる。
        6. 権利放棄
          • 権利放棄については、解雇の意思表示前は仮に双方の合意によるものであったとしても公序良俗に反し無効と考えられるが、解雇の意思表示後は労働者の自由意思に基づくものと評価できるのであれば認められるものと考えられる。
        7. 相殺・差押えの禁止
          • 労働契約解消金債権を相殺・差押禁止とするか否かについては、法技術的にはいずれの措置も可能であると考えられ、労働契約解消金の性質等も踏まえた検討を行った上で、その要否及び範囲について判断することが適当。
        8. 権利行使期間
          • 少なくとも2年程度は確保する必要があると考えられるが、具体的な期間については種々の選択肢があり得、政策的に判断すべき。
        9. 権利の消滅等
          • 訴え提起等の前に労働契約解消金の支払以外の事由により労働契約が終了した場合、本制度の適用は認められないと解される。
          • 訴え提起等の後の場合は、形成権構成の場合は発生していた労働契約解消金債権が消滅し、形成判決構成の場合は労働契約解消金の支払請求は認められないとすることが考えられるが、政策的判断としては、労働契約が終了した事由の性質の違いに着目し、取扱いを異ならせることもあり得る(例えば、辞職については、労働者の再就職を阻害しないよう、労働契約解消金債権の帰趨に影響はないものとの措置を講じることが考えられる。)。
        10. 解雇の意思表示の撤回
          • 使用者が解雇の意思表示をした後に、解雇が無効であることを争わないとしてそれを撤回したとしても、労働契約解消金の支払請求を妨げる事由とはならないとすることが考えられる。
      3. 労働契約解消金の性質等
        1. 労働契約解消金の定義
          • 無効な解雇がなされた労働者の地位を解消する対価、無効な解雇により生じた労働者の地位をめぐる紛争について労働契約の終了により解決する対価、といったものが考えられるところ、定義をどのように定めるかは、その性質や考慮要素等の検討とも関連しており、本制度の機能等も考慮した上で政策的に判断すべき。
        2. 労働契約解消金の構成及び支払の効果
          • 労働契約解消金債権は、バックペイ債権とは別個の債権であると整理することが考えられるが、労働契約解消金の支払のみによって労働契約が終了する構成だけでなく、バックペイの履行確保の観点から、労働契約解消金に加えてバックペイの支払もなされたときに労働契約が終了するという構成も考えられ、いずれの構成にするかについては、政策的に判断すべき。
      4. 各請求との関係について
        • 労働契約解消金は、バックペイ、不法行為による損害賠償、退職手当の各債権とは別個のものと整理し得るため、それぞれの請求や地位確認請求と併合して訴え提起等をすることができるほか、バックペイについては、解雇から労働契約解消金支払時まで発生すると解することが原則であり、1回の訴訟で認められる範囲については一般的にみられる判決確定時までとの判断を変更する特段の規定を設ける必要はないと考えられる。
      5. 労働契約解消金の算定方法等
        1. 労働契約解消金の算定方法・考慮要素について
          • 算定方法については、予見可能性を高めるために一定の算定式を設けることを検討する必要がある一方で、個別性を反映するために個別事情を考慮するとすることも考えられる。
          • 考慮要素については、定型的なものである給与額、勤続年数、年齢、ある程度定型的な算定をし得るものである合理的な再就職期間、評価的なものである解雇に係る労働者側の事情、解雇の不当性、といったものが考えられる。
          • 算定方法や考慮要素の検討に当たっては、労働契約解消金の定義(上記3(1))や、労働契約解消金によって補償すべきもの(契約終了後の将来得べかりし賃金等の財産的価値のほか、当該職場でのキャリアや人間関係等の現在の地位に在ること自体の非財産的価値も含まれると考えることもできる。)は何かといった点と相互に関連させた上で、政策的に判断すべき。
        2. 労働契約解消金の上限・下限について
          • 労働契約解消金の算定に当たっての上下限につき、法技術的には様々な設定方法が考えられるが、設定の有無及びその具体的な内容については、政策的に判断すべき。
        3. 労使合意による別段の定めについて
          • 事前の集団的労使合意によって労働契約解消金の算定方法に企業独自の定めを置くことを認めるかについては、政策的に判断すべき。
        4. 労働契約解消金の算定の基礎となる事情の基準時点について
          • 法技術的には、無効な解雇の意思表示の時点、金銭救済請求権の行使の時点(形成権構成の場合のみ)、口頭弁論終結の時点、が考えられるが、いずれの考慮要素についても3つ目と整理することが考えられる。
      6. 有期労働契約の場合の契約期間中の解雇・雇止め
        • 権利の発生要件等は、有期労働契約期間中の解雇の場合には、当事者間に有期労働契約関係が存在すること、使用者による解雇の意思表示が契約期間の途中でなされたこと、当該解雇が無効であることが、雇止めの場合には、当事者間に有期労働契約関係が存在すること、当該労働契約につき、労契法19条1号又は2号のいずれかの要件を満たすこと、当該労働者により契約期間中又は当該契約期間満了後遅滞なく更新の申込みの意思表示がされたこと、使用者が契約更新を拒絶したこと(雇止め)、当該更新拒絶が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないことが、それぞれ考えられる。なお、ここでの検討は、主張立証責任についての現在の裁判実務を変更する趣旨のものではない。
        • その他、有期労働契約の場合に特に考慮するべき論点として、権利の消滅等(上記2(9))の検討に関して再度期間が満了した場合等の取扱いや、労働契約解消金の算定方法等(上記5)の検討に関して残りの契約期間等を考慮要素とするかなどといったものがある。
      7. 本制度の対象となる解雇等の捉え方(略)
      8. その他(略)

      厚生労働省 第82回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年4月27日)
      ▼資料1直近の感染状況等の分析と評価
      • 感染状況について
        • 全国の新規感染者数(報告日別)は、今週先週比が0.91となり、直近の1週間では10万人あたり約226人と減少が継続している。
        • 大都市圏を中心に減少が続く一方、北海道や沖縄県など増加が続く地域もある。年代別の新規感染者数は全ての年代で減少傾向が続いており、20代の減少が顕著である一方、10代以下では減少幅が小さい。
        • 全国の新規感染者数の減少に伴い、療養者数、重症者数及び死亡者数は減少が継続している。
        • 実効再生産数:全国的には、直近(4/10)で0.97と1を下回る水準となっており、首都圏では0.94、関西圏では0.97となっている。
      • 地域の動向 ※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値。
        1. 北海道 新規感染者数は今週先週比が1.12と1を上回り、約353(札幌市約392)。20代以下が中心。特に10代以下の増加が顕著。病床使用率は1割強。
        2. 北関東 茨城の新規感染者数は今週先週比が0.81と1を下回り、約197。20代以下が中心。10代で増加傾向。病床使用率は1割強。群馬では今週先週比が1.0となり、新規感染者数は約169。栃木では今週先週比が1.13と1を上回り、約239。病床使用率について、栃木では2割弱、群馬では3割強。
        3. 首都圏(1都3県) 東京の新規感染者数は今週先週比が0.84と1を下回り、約266。20代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率は2割強、重症病床使用率は約2割。埼玉、千葉、神奈川でも今週先週比がそれぞれ0.87、0.84、0.79と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約221、196、211。病床使用率について、埼玉では2割強、千葉では1割強、神奈川では2割強。
        4. 中京・東海 愛知の新規感染者数は今週先週比が0.96と1を下回り、約208。20代以下が中心。病床使用率は2割強。岐阜、静岡、三重でも今週先週比がそれぞれ0.98、0.90、0.83と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約201、143、183。病床使用率について、岐阜では2割強、静岡では1割強、三重では約2割。
        5. 関西圏 大阪の新規感染者数は今週先週比が0.87と1を下回り、約239。20代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は2割強、重症病床使用率は2割弱。滋賀、兵庫、奈良、和歌山でも今週先週比がそれぞれ0.79、0.80、0.68、0.83と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約168、193、139、176。京都では今週先週比が1.0となり、新規感染者数は約229。病床使用率について、滋賀、兵庫では2割強、京都では2割弱、奈良では1割強、和歌山では3割強。
        6. 九州 福岡の新規感染者数は今週先週比が0.98と1を下回り、約307。20代以下が中心。10代以下で増加傾向、その他の年代では減少。病床使用率は3割弱。佐賀、熊本、宮崎でも今週先週比がそれぞれ0.95、0.96、0.76と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約397、240、289。長崎、大分、鹿児島では今週先週比がそれぞれ1.17、1.07、1.21と1を上回り、新規感染者数はそれぞれ約263、238、343。病床使用率について、佐賀では約3割、長崎、大分、宮崎では2割強、熊本では3割弱、鹿児島では約4割。
        7. 沖縄 新規感染者数は今週先週比が1.0となり、約644と全国で最も高い。30代以下が中心。特に10代以下の増加が顕著。一方、80代以上では減少。病床使用率は5割弱。
        8. 上記以外 青森、岩手、宮城、秋田、福島、新潟、石川、山梨、長野、岡山、広島、山口、香川、愛媛の新規感染者数はそれぞれ約215、195、171、191、213、158、193、130、190、221、235、108、242、142。病床使用率について、青森、岩手、宮城、秋田、石川、長野、岡山、山口、香川では2割強、福島、山梨では3割強、新潟では約2割、広島では約3割、愛媛では2割弱。
      • 今後の見通しと必要な対策
        1. 感染状況について
          • 新規感染者数は、全国的に見れば、大都市圏を中心に減少が続く一方、北海道や沖縄県などでは増加が続いており、感染状況の推移に差が生じている。また、地域別に見ると、岩手県、秋田県、福島県、島根県、宮崎県及び鹿児島県では、直近1週間の移動平均が昨年末からのピークを上回っており、地方における感染拡大にも注意が必要。
          • また、年代別の新規感染者数では、全ての年代で減少傾向にあるが、10代以下では減少幅が小さく、人口当たりの新規感染者数が最も多い。首都圏では一部を除き、全ての年代で減少傾向が続いているが、一方で、北海道や沖縄県では10代以下で新規感染者数の増加が継続している。また、沖縄県では80代以上で減少が見られるものの、60代及び70代では横ばいの状況。引き続き、他の地域でも高齢者の感染状況を注視していく必要。
          • 感染場所として、引き続き、学校等における割合が増加傾向にある。
          • 現在の感染状況としては、大都市圏を中心に新規感染者数の全国的な減少が続いているものの、北海道や沖縄など一部の地域では新規感染者数の増加が続いている。全ての地域で昨年夏のピークよりも高い状況が未だに続いていることや、特に増加と減少を繰り返す地域が多いことも踏まえ、引き続き、今後の動向を注視する必要。
        2. 感染の増加要因と抑制要因について
          • 感染状況には、以下のような感染の増加要因と抑制要因の変化が影響するが、直近までの感染者数増加には接触機会の増加と、BA.2系統への置き換わりが強く影響していると考えられる。また、足下で見られる減少傾向には、ワクチン接種等による免疫の獲得状況や、感染リスクの高い場所・場面を回避しようとする市民の努力等が影響しているものと考えられる。
            1. 接触パターンについて
              • 夜間滞留人口については、全国の半数以上で増加傾向が見られる。時間帯によっては、昨年末の夜間滞留人口のピークに迫る地域や、ピークを超える地域もある。また、GWに向けて移動や接触が増加する可能性があり、今後の感染状況への影響に注意が必要。
            2. 流行株について
              • BA.2系統への置き換わりが全国で約9割まで進んでいるものと推定されており、新規感染者の増加の一要因となりうる。海外でもBA.2系統への置き換わりが進み、感染の拡大に伴って死亡者も増加している国もあり(例:英国)、十分な注意が必要。
            3. ワクチン接種等について
              • 3回目接種の主な目的は発症予防・重症化予防である。3回目接種は高齢者で進むとともに、若年層でも接種が進んでいるが、これから若年層がさらに接種対象になることで一層接種率が向上することが期待される。オミクロン株に対する感染予防効果はデルタ株に比較しても低く、しかも持続期間が短いことに留意が必要。3回目接種の感染予防効果も時間経過に伴い今後減弱していくことが予想。また、これまでの感染による免疫保持については、地域の発生動向に影響する可能性もある。
            4. 気候要因について
              • 気温が上昇していく時期に入り、換気を行いやすい気候条件になる。屋内で過ごすことが減ることも感染者抑制には一定の効果があると考えられるが、昨年のこの時期に感染が拡大したことには留意が必要。
        3. 医療提供体制について
          • 沖縄県では入院者数と病床使用率が高止まりの状況。また、その他にも病床使用率が3割を超える地域や、自宅療養者・療養等調整中の数が増加を続けている地域もある。
          • 救急搬送困難事案については、昨年夏のピークを下回り、非コロナ疑い事案及びコロナ疑い事案ともに減少が続いている。しかし、一部には増加している地域もある。
        4. オミクロン株による感染拡大を踏まえた取組
          1. サーベイランス等
            • 発生動向把握のため、実効性ある適切なサーベイランスの検討が必要。また、変異株監視体制について、BA.1系統からBA.2系統への置き換わりに関し、ゲノムサーベイランスで動向の監視を継続することが必要。さらに、重症例やクラスター事例等では、変異株PCR検査や全ゲノム解析による確認が求められる。
          2. 自治体における取組
            • 自治体では、オミクロン株の特徴を踏まえた対応強化を図るべく、診療・検査体制や保健所体制の点検も必要である。
            • 今年1月以降の自宅での死亡事例においては、同時期の死亡者全体の傾向と同様、70歳以上の者が約8割を占め、新型コロナ以外の要因により死亡する事例も多いことが示唆される。また、こうした死亡事例におけるワクチン接種率は、日本国内の接種の進展により、2回目接種が完了していた者も一定数確認された。自治体においては、重症化リスクの高い感染者への連絡の迅速化等の取組が進められており、引き続き、自宅療養者に必要な医療が提供されるよう努めることが重要。
            • 地域の感染状況に基づき、必要病床数と医療従事者の確保や自宅療養者に対する訪問診療やオンライン診療体制の構築に引き続き取り組むことが必要。高齢者や基礎疾患のある者など、重症化リスクのある患者を対象とする経口治療薬や中和抗体薬を迅速に投与できる体制の確保も引き続き求められる。また、新型コロナウイルス感染症に罹患しても、基礎疾患の治療が継続できるような体制を整えることが必要。
            • 高齢者施設等における迅速な医療支援体制の強化・徹底が求められる。医療支援体制の構築にあたっては、医療関係部局と介護関係部局が連携し、地域の関係者とも協議しつつ進めていくことが重要。
            • 健康観察等の重点化や患者発生届の処理の効率化など事務連絡に基づき、効率的に保健所業務を実施するとともに、地域に必要な保健所機能を維持するため、外部委託や本庁での一元化による体制を確保する。また、濃厚接触者の特定や待機については、地域の感染状況に応じて、適切な感染対策を行うことを原則としつつ、オミクロン株の特徴や感染拡大の状況を踏まえ、医療機関や高齢者施設などにおける感染事例に重点化することが必要。あわせて、少しでも体調が悪い場合には職場・学校を休める環境を確保することも重要。
            • 地方においても足下で感染者数が増加している地域がある。いずれの地域においても、上述のような体制整備が必要である。
          3. ワクチン未接種者、3回目接種者への情報提供の再強化
            • 3回目接種率について、4月26日公表時点で65歳以上高齢者では約87%、全体では約51%となった。高齢者の接種が進展したことにより重症化や死亡のリスク低減が期待される。重症者・死亡者を最小限にするため、また同時に、できるだけ発症者を減らすためにも、対象者への3回目の接種を今後も着実に実施し、希望する方にはできるだけ多く接種していただくことが求められている。
            • 自治体では、ワクチン接種に関する情報提供を進めることが重要。未接種者へのワクチン接種とともに、初回接種から6か月以降の3回目接種によりオミクロン株に対してもワクチンの有効性が回復するため、3回目接種を着実に実施していくことも必要。また、ワクチン接種者においては症状が遷延するリスクが低いとの報告がある。
            • 5歳から11歳までの子どもへのワクチン接種については、特例臨時接種として実施されているが、その際、努力義務の規定はこれらの小児について適用しないことを踏まえ、接種を進めていくことが必要。また、小児への感染予防を期待して、保護者や周囲の大人がワクチンを接種することも重要。
          4. 水際対策
            • 海外及び国内の現在の流行状況なども踏まえて水際対策の段階的な見直しを検証していく必要がある。特に、直近の東アジア地域における流行状況には注視が必要。また、入国時検査での陽性者は、海外における流行株監視のため、全ゲノム解析を継続させることが必要。
        5. オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底
          • 感染が広がっている場面・場所において、オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底が求められる。
            • 学校・幼稚園・保育所等においては、子どもの感染対策の徹底はもとより、教職員や保育士などに対する積極的なワクチンの接種促進も含め感染対策の再確認と徹底が必要。子どもや職員が少しでも体調が悪い場合は、休暇を取得できる環境を確保することが重要。また、分散登校やリモート授業などの組み合わせによる教育機会の確保や社会機能維持にも配慮する必要がある。あわせて、家庭内での感染対策の徹底も求められる。
            • 高齢者の感染を抑制するため、介護福祉施設における対策の徹底が必要。このため、入所者及び従事者に対するワクチンの3回目接種を進めるとともに、従業者等へは積極的な検査を実施することも必要。また、施設等における感染管理や医療に関して外部からの支援体制を確保し、施設で感染が確認された際には早期に迅速な介入が重要。
            • 職場においては、社会機能維持のため、業務継続計画の活用に加え、企業におけるテレワークの活用や休暇取得の促進等により、出勤者数の削減に取り組むとともに、接触機会を低減することが求められる。また、従業員の体調管理を徹底し、少しでも体調が悪い場合には休暇を取得できる環境を確保することが必要であることに加え、職域におけるワクチンの3回目接種を積極的に進めるべきである。
        6. 現在の感染状況を市民や事業者の皆様と広く共有して、感染拡大防止に協力していただくことが不可欠
          • 現在の新規感染者数は昨年夏のピークよりも高い状況が続いている。また、GWが近づき、旅行など行楽やイベント・買い物などの移動や外出の機会が増える季節となる。これまでも年中行事などで普段会わない人との接触が増加して感染拡大のきっかけとなった。したがって、基本的な感染対策と日頃の体調管理を徹底して呼びかけた上で、できるだけ新規感染者数の継続的な増加が起こらないよう、引き続き、市民や事業者の方々には感染リスクの低減に向けた取組にご協力いただくことが必要。また、GW明けの通学や通勤などを再開する際は、体調管理を心がけることも必要。
            1. ワクチン接種について
              • ワクチンの3回目接種は、その種類に関わらず、時期が来れば、早めに受けていただくことが重要。新型コロナウイルス感染症に罹患すると、若年者でも重症化することがあり、また、遷延症状が見られる場合もあることから、重症化リスクの高い高齢者はもとより、若年者も自らの健康を守るために接種していただくことが求められる。
            2. 感染対策の徹底
              • 行政・事業者・市民の皆様には、オミクロン株においても基本的な感染防止策は有効であることから、不織布マスクの正しい着用、手指衛生、換気などの徹底を継続していただくことが必要。また、三つの密(密集、密閉、密接)が重なるところは最も感染リスクが高いが、オミクロン株は伝播性が高いため、一つの密であってもできるだけ避けることが必要。
            3. 外出や旅行等に際して
              • 混雑した場所や換気が悪く大人数・大声を出すような感染リスクの高い場面・場所を避けることが必要。行動はいつも会う人と少人数で。飲食は、できるだけ少人数で黙食を基本とし、飲食時以外はマスク着用の徹底が必要。また、移動中は基本的な感染対策を徹底し、移動先では感染リスクの高い行動を控えることはもとより、旅行や帰省等で移動する場合は、事前にワクチンの3回目接種又は検査を受けることが求められる。
            4. 体調管理について
              • ご自身やご家族の命を守るため、同時にオミクロン株による感染拡大防止のためにも、軽度の発熱、倦怠感など少しでも体調が悪ければ外出を控えるとともに、自治体等の方針に従って受診や検査をすることが必要。特に、高齢者をはじめ、重症化リスクの高い方と会う機会がある場合には注意が必要。
        7. 参考:オミクロン株の特徴に関する知見
          1. 感染性・伝播性
            • オミクロン株はデルタ株に比べ、世代時間が約2日(デルタ株は約5日)に短縮、倍加時間と潜伏期間も短縮し、感染後の再感染リスクや二次感染リスクが高く、感染拡大の速度も非常に速いことが確認されている。なお、報告されているデータによれば、これまでの株と同様に発症前の伝播は一定程度起きていると考えられる。
          2. 感染の場・感染経路
            • 国内では、多くの感染がこれまでと同様の機会(換気が不十分な屋内や飲食の機会等)で起きており、感染経路もこれまでと同様、飛沫が粘膜に付着することやエアロゾルの吸入、接触感染等を介していると考えられている。
          3. 重症度
            • オミクロン株による感染はデルタ株に比べて相対的に入院のリスク、重症化のリスクが低いことが示されているが、現時点で分析されたオミクロン株による感染の致命率は、季節性インフルエンザの致命率よりも高いと考えられる。また、肺炎の発症率についても限られたデータではあるが季節性インフルエンザよりも高いことが示唆されているが、今後もさまざまな分析による検討が必要。今回の感染拡大における死亡者は、昨年夏の感染拡大と比べ、80歳以上の占める割合が高くなっている。感染前の状況として、医療機関に入院中の方や高齢者施設に入所中の方が多いことが示された。侵襲性の高い治療を希望されない場合や基礎疾患の悪化等の影響で重症の定義を満たさずに死亡する方など、新型コロナウイルス感染症が直接の死因でない事例も少なくないことが報告されており、基礎疾患を有する陽性者でコロナ感染による肺炎が見られなくても感染により基礎疾患が増悪することや、高齢の感染者が心不全や誤嚥性肺炎等を発症することにより、入院を要する感染者の増加に繋がることにも注意が必要。
          4. ウイルスの排出期間
            • オミクロン株感染症例におけるウイルスの排出は、時間の経過とともに減少する。有症状者では、発症日から10日目以降において、排出する可能性が低くなることが示された。なお、無症状者では、診断日から8日目以降において排出していないことが示された。
          5. ワクチン効果
            • 初回免疫によるオミクロン株感染に対する発症予防効果は著しく低下する。入院予防効果については、半年間は一定程度保たれているものの、その後50%以下に低下することが報告されている。一方で、3回目接種によりオミクロン株感染に対する感染予防効果、発症予防効果や入院予防効果が回復することや、3回目接種後のワクチン効果の減衰についても海外から報告されている。海外では一部の国で4回目接種が始まっている。有効性・安全性の情報を収集し、国内での4回目接種の必要性や対象者、開始時期等について検討する必要がある。
          6. BA.2系統
            • 海外ではBA.2系統による感染が拡大している。国内におけるオミクロン株は、当初BA.1とBA.1.1の海外からの流入がともにあったものの、その後BA.1.1が多数を占めた。現在は、BA.2系統への置き換わりが進んでいる。このため、今後、感染者数の増加(減少)速度に影響を与える可能性がある。なお、BA.2系統はBA.1系統との比較において、実効再生産数及び二次感染リスク等の分析から、感染性がより高いことが示されている。BA.2系統の世代時間は、BA.1系統と比べ15%短く、実効再生産数は26%高いことが示された。BA.1系統とBA.2系統との重症度の比較については、動物実験でBA.2系統の方が病原性が高い可能性を示唆するデータもあるが、実際の入院リスク及び重症化リスクに関する差は見られないとも報告されている。また、英国の報告では、ワクチンの予防効果にも差がないことが示されている。英国の報告では、BA.1系統ウイルス感染後におけるBA.2系統ウイルスに再感染した事例は少数あり、主にワクチン未接種者であると報告されている。
          7. XE系統
            • オミクロン株のXE系統は、オミクロン株のBA.1系統とBA.2系統の組換え体であり、1月に英国で初めて確認されて以降、これまでに1,500例以上確認されている。また、WHOレポートによれば、BA.2系統に比べて市中での感染者の増加する速度が10%程度高いと報告されている。XE系統について、検疫において3月26日に採取された検体から1件確認された。国立感染症研究所によれば、感染力や重症度等に大きな差が見られるとの報告は現時点ではないものの、ウイルスの特性について、引き続き、諸外国の状況や知見を収集・分析するとともに、ゲノムサーベイランスによる監視を続けていくことが必要としている。

      厚生労働省 アフターコロナ期の産業別雇用課題に関するプロジェクトチーム(第1回)会議資料
      ▼資料3 足下の雇用情勢と人手不足感等について
      • 足下の雇用情勢は、求人に持ち直しの動きがみられ、求人が求職を上回って推移しているものの、求職者が引き続き高水準にあり、厳しさがみられる。有効求人倍率が1倍を下回る地域がある等、新型コロナウイルス感染症が雇用に与える影響に、より一層注意する必要がある。
      • なお、リーマン・ブラザーズの経営破綻(2008年9月15日)後には、完全失業率は10ヶ月で4.0%→5.5%にまで悪化し、有効求人倍率は11ヶ月で0.83倍→0.42倍に低下した。
      • 2022年2月の有効求人数(季調値)は、前月比0.2%減少と14か月ぶりの減少となった。新規求人数も減少に転じているが、新規求人数の3か月移動平均で基調をみると、12か月で連続しており、持ち直しの動きがみられる。
      • 2022年2月の有効求職者数(季調値)は、前月比1.4%減少と7か月ぶりの減少となった。都道府県労働局からは、オミクロン株の感染拡大により求職活動を控える方や3回目のワクチン接種が終わるまでは様子をみる求職者がみられる一方で、事業所の休業等により収入減となった在職者が、ダブルワークを希望して求職活動を行う動きもみられたといった情報がある。
      • 業種別に業況判断I.をみると、製造業については、2022年3月調査で「良い」が「悪い」を上回っているが、先行きは悪化が予測されている。非製造業については、2022年3月調査で「悪い」が「良い」を上回っており、先行きも悪化が予測されている。
      • 企業規模別に業況判断I.をみると、製造業(大企業・中堅)、非製造業(大企業)は、2022年3月調査で「良い」が「悪い」を上回っている。製造業(中小)、非製造業(中堅・中小)は、先行きにおいて悪化が予測されている。
      • より詳細な業種別に足下の業況判断I.をみると、製造業については、2022年3月調査で、「はん用・生産用・業務用機械」「電気機械」で「良い」が「悪い」を上回っている一方、「輸送用機械」では「悪い」が「良い」を上回っている。
      • 非製造業については、2022年3月調査で、「情報通信」「建設」で「良い」が「悪い」を上回っている一方、「宿泊・飲食サービス」「運輸・郵便」「卸・小売」では「悪い」が「良い」を上回っている。
      • 業種別に雇用人員判断I.をみると、製造業では、2020年6月調査で「過剰」が「不足」を上回ったものの、2021年3月調査以降では「不足」が「過剰」を上回っている。非製造業では、製造業と比べて人手不足感が高くなっており、足下でも更なる人手不足感の高まりが予測されている。
      • 企業規模別に雇用人員判断I.をみると、中堅企業や中小企業では、大企業に比べて、人手不足感が高い傾向にあるが、足下では、いずれの規模も、製造業・非製造業ともに「不足」が「過剰」を上回っており、2022年3月調査でも、製造業の中堅企業を除いて、今後更なる人手不足感の高まりが予測されている。
      • 製造業の足下の雇用人員判断I.をみると、輸送用機械は、2020年6月調査で「過剰」が「不足」を大きく上回ったものの、その後、過剰感が徐々に解消し、2021年9月調査で再び「不足」が「過剰」を上回り、その後も引き続き人手不足感が高まっている。
      • 非製造業の足下の雇用人員判断I.をみると、宿泊・飲食サービスについては、2020年6月調査で「過剰」が「不足」を上回り、人手の過剰感が高い状況にあったが、2021年12月調査・2022年3月調査では「不足」が「過剰」を上回り、今後も更なる不足感の高まりが予測される。
      ▼資料4 雇用調整助成金及び産業雇用安定助成金の支給動向について
      • 雇用調整助成金の支給決定額は令和3年夏以降、減少傾向にある。1件あたりの支給決定額も減少傾向にある。
      • コロナ禍の累計支給決定額上位業種の中心はサービス関連であり、従来の不況期における製造業を中心とした業種と違いが見られる。1件あたりの支給決定額の上位は、必ずしも累計支給決定額の上位と一致していない。累計支給決定額の大きい業種は飲食店、宿泊業だが、1件あたり支給決定額でみると大分類:運輸業に属する業種が大きい。
      • 累計支給決定額上位業種や、1件あたり支給決定額上位業種をみたところ、全産業の1件あたり支給決定額は低下傾向にある中、飲食店、宿泊業、道路旅客運送業は、令和4年に入り多少上昇も見られる。輸送用機械器具製造業は、昨秋以降高まりが見られるが、再び減少。航空運輸業は高水準で推移。
      • 累計支給決定額上位業種や、1件あたり支給決定額上位業種をみたところ、支給決定件数は飲食店が突出して多い。宿泊業、道路旅客運送業も月ごとの増減の動きが近い。航空運輸業の支給決定件数は相対的に少ない。
      • 産業雇用安定助成金を活用した在籍型出向の実施状況は、出向労働者ベースで11,658人。出向元を業種(大分類)別に見ると、最多は運輸業、郵便業(4,763人)、以下、製造業(1,680人)、宿泊業、飲食サービス業(1,610人)、生活関連サービス業、娯楽業(1,281人)、卸売業、小売業(734人)、サービス業(他に分類されないもの)(729人)と続く。出向先を業種(大分類)別に見ると、最多はサービス業(他に分類されないもの)(2,271人)、以下、製造業(2,196人)、卸売業、小売業(1,602人)と続く。出向労働者数の多い業種では同業種への出向が多いが、全体では異業種への出向が約6割を占める。
      • 産業雇用安定助成金の申請状況について、月別の出向労働者数を出向元の業種(大分類)別に見ると、令和4年3月の最多は運輸業、郵便業(2,779人)、以下、生活関連サービス業、娯楽業(1,099人)、製造業(986人)、宿泊業、飲食サービス業(787人)、サービス業(他に分類されないもの)(451人)、卸売業、小売業(437人)と続く。雇用調整助成金の月別支給額が減少傾向であるのに対し、産業雇用安定助成金の月別出向労働者数は横ばいで推移している。※雇用調整助成金の総支給額は約5兆円、産業雇用安定助成金の総支給額は約60億円であり、そもそもの規模に大きな相違があることに留意。
      • 個社で見ると、産業雇用安定助成金の活用に伴い雇用調整助成金が減少している事業所もあれば、そうでない事業所もある。※雇用調整助成金は、複数月分まとめて支給申請も可能なため「ゼロ」となっている月がある。
      • 以上のデータから
        • 雇用調整助成金の全体の支給件数や1件あたり支給決定額(≒1社1か月あたり)は令和3年夏以降、徐々に低下傾向にある。しかし、航空運輸業や一部のサービス業(宿泊業、飲食業など)の分野では、足下(令和4年1月以降)でも依然として支給額が大きい。
        • 全産業の1件あたり支給決定額は低下傾向にあり、感染者数の推移と支給額の相関関係は薄れつつあるように見える一方、飲食店、宿泊業、道路旅客運送業は、令和4年に入り支給額に多少上昇が見られる。
        • 1件あたり支給決定額は産業分野によって約30倍の差がみられた。(航空運輸業約2,400万円、飲食店約76万円)
        • 1件あたり支給決定額が高い分野で長期化の割合も高い傾向が一部に見られた。
        • 航空運輸業、道路旅客運送業など運輸業を中心に長期継続受給事業所(1年を超えて本年2月まで継続受給していると考えられる事業所)の割合が高い。
        • 産業雇用安定助成金を活用した在籍型出向の申請状況は、運輸業、郵便業(注:大分類)での出向労働者が全体の約41%を占める。コロナ禍で雇用調整助成金を多く利用している業種の属する大分類で産業雇用安定助成金の活用が多い。
        • 個社で見ると、産業雇用安定助成金の活用に伴い、雇用調整助成金の受給が減少している事業所もあれば、そうでない事業所もある。
      • ヒアリングに向けた視点
        1. 雇用調整助成金の活用が多い分野は、どのような職種の者を対象としているのか。雇用調整助成金の活用が多い産業において、職種の構成や職種別の賃金水準の特徴は何か。
        2. 休業対象者はどのように休業させているか。そのような休業を余儀なくされる理由は何か。新型コロナウイルス感染症以外に見込まれる休業原因があるか。
        3. 受給をやめた(又は受給額が大幅に減少した)企業にはどういった背景があったのか。企業にとっての受給メリット、デメリットは何か。
        4. 産業雇用安定助成金を雇用調整助成金と併用している企業について、併用している理由。
        5. アフターコロナ期における需要回復に向けた人材確保上の課題は何か。業界又は個社における取組状況。
        6. コロナ以外にどのような産業特有の要因があるのか(又はないのか)
        7. 上記(5)及び(6)に対応するため、どのような産業政策を活用しているのか(又はいないのか)

      厚生労働省 ホームレスの実態に関する全国調査(生活実態調査)結果について
      • 厚生労働省では、昨年11月、ホームレスの自立の支援等に関する施策の策定及び実施に資するため、「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」(平成14年法律第105号。以下「法」という。)第2条に規定するホームレスを対象とする調査「ホームレスの実態に関する全国調査(生活実態調査)」を実施し、その調査結果をとりまとめましたので公表します。
      • 本調査は、法に基づき、概ね5年毎に地方公共団体の協力を得て実施し、今回で5回目となります。
      • 厚生労働省は、今回の調査結果を踏まえつつ、今後、法に基づく「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」(平成30年7月厚生労働省・国土交通省告示第2号)の見直しを行う予定です。
      • 調査結果のポイント
        1. 年齢分布
          • 65~69歳 20.0%(前回比 ▲3.1)
          • 70歳~ 34.4%(前回比 +14.7)
            • 平均年齢 63.6歳(前回比 +2.1歳)
        2. 路上生活期間
          • 10年以上 40.0%(前回比 +5.4)
        3. 路上生活を行うようになった理由
          • 新型コロナウイルス感染拡大によるもの 6.3%

      厚生労働省 ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)結果について
      • 今般、令和4年1月に実施したホームレスの実態に関する全国調査(目視による概数調査)結果がまとまりましたので、別紙のとおり公表します。本調査は、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法(平成14年法律第105号)等に基づき、ホームレスの自立の支援等に関する施策の策定及び実施に資するため、毎年、各自治体の協力を得て行っているものです。
      • 調査結果のポイント
        1. ホームレスが確認された地方公共団体は、246市区町村であり、前年度と比べて4市区町村(▲1.6%)減少している。
        2. 確認されたホームレス数は、3,448人(男性3,187人、女性162人、不明99人)であり、前年度と比べて376人(▲9.8%)減少している。
        3. ホームレス数が最も多かったのは大阪府(966人)である。次いで多かったのは東京都(770人)、神奈川県(536人)である。なお、東京都23区及び指定都市で全国のホームレス数の8割弱を占めている。
        4. ホームレスが確認された場所の割合は、前年度から大きな変化は見られなかった。(「都市公園」24.6%、「河川」24.0%、「道路」21.3%、「駅舎」5.7%、「その他施設」24.3%)

      厚生労働省 「生活困窮者自立支援のあり方等に関する論点整理」を公表します
      ▼論点整理とりまとめ(概要)
      1. 総論
        1. 法施行後の状況
          • 生活困窮者自立支援法(以下「法」という。)は、理念として「生活困窮者の自立と尊厳の確保」及び「生活困窮者支援を通じた地域づくり」という2つの目標と、包括的・個別的・早期的・継続的・分権的・創造的な新しい支援のかたちを掲げ、全国で様々な実践が重ねられてきた。
          • 新規相談者数や継続的に支援した人数は年々増加し、その多くに自立に向けた変化が見られるなど、着実に効果が現れている。
        2. 新型コロナウイルス感染症の影響
          • 令和2年春から続くコロナ禍は、社会の脆弱性を照らし出し、その影響は世代・属性を超えて非常に広範囲に及んだ。自立相談支援機関の相談窓口における新規相談受付件数や緊急小口資金等の特例貸付、住居確保給付金の申請件数は急増し、とりわけ個人事業主やフリーランス、外国人、若年層などこれまで生活困窮の相談窓口にあまりつながっていなかった新たな相談者層からの相談が増加した。
          • こうした状況に対して、支援現場においては、感染防止対策を講じつつ急増する相談・申請等に連日対応し、新たな相談者層の支援ニーズに対応するため、試行錯誤を重ねてきた。こうした取組により、コロナ禍において法が生活困窮者の生活の下支えとして大きな役割を果たしたこと、すなわち法が必要不可欠なものであることが改めて認識された。
          • 一方で、コロナ禍においては、従来法が想定していなかった特例的な給付・貸付事務に対応した結果、従来の伴走型支援の実践が難しくなり、法の理念が揺らいでいるのではないかとの声も聞かれる。
          • また、コロナ禍における法と生活保護法の関係についても、検証を行う必要。
        3. 地域共生社会や関連施策との関係について
          • 地域共生社会は、法の考え方と他の福祉分野や政策領域の考え方を合わせて共通理念化したものであり、令和3年度から施行された重層的支援体制整備事業(以下「重層事業」という。)は、この理念を実現するための1つの仕組みである。法において積み重ねられた実践は、地域共生社会の実現に向けて、市町村の包括的な支援体制の整備における重要な基盤となり得るものである。
          • 法施行以降も、様々な関連施策がとりまとめられている。生活困窮者を取り巻く施策の多様化という良い面がある一方、法の目指す包括的な支援を実現するためには、生活困窮者支援の分野として、そうした施策との連携体制の構築が必要。
      2. 個別論点(現状の評価と課題・主な論点)
        1. 活困窮者自立支援のあり方
          • 特例貸付、住居確保給付金の特例措置等の経済支援策は、コロナ禍における生活困窮者の生活の下支えに大きな役割を果たした。
          • 一方で、支援現場への負荷が高まり、法の理念に基づく相談支援が困難となった。
          • 法施行以降、特定の属性・状況に着目した支援策や地域共生社会の実現に向けた重層事業が施行。
          • 相談支援という法の理念を堅持するとともに、給付を含めた経済的支援のあり方については、相談支援とは切り分けた上で、法の枠組みを超えた社会保障制度全体の枠組みの中での検討が必要。
          • コロナ禍における経済支援策の分析・評価をした上で、今後の緊急時の政策のあり方を検討する必要。
          • 地域共生社会の推進、孤独・孤立対策等の新たな施策と法との関係性の整理・連携が必要。
        2. 自立相談支援のあり方
          • コロナ禍において、自立相談支援機関では、以下の遂行に困難を感じる。
            • 個人事業主やフリーランス、外国人、若年層といった新たな相談者層が顕在化。
            • 急増した相談・申請対応により、9割以上の自治体が業務
            • フードバンク等関係機関との連携強化を実施。
          • 関係機関間の情報共有の円滑化のための支援会議は約6割の自治体で未設置。
          • 新たな相談者層に対応するため、自立相談支援機関の機能強化や、経営相談等他の公的支援等との連携が必要。
          • 質の高い支援を行うため、地域特性も考慮した適切な人員配置基準の設定を含めた自立相談支援機関の人員体制強化の検討や、質を評価した委託先の選定が重要。
          • フードバンク、社会福祉法人の「地域における公益的な取組」や社会福祉協議会との連携の強化が必要。
          • 相談者の抱える課題が複雑化・複合化している実態を踏まえ、支援会議を活用し、早期に関係機関間で情報共有を行い、支援を行うことが重要。
        3. 就労支援のあり方
          • 就労準備支援事業は、約6割の自治体で実施。利用件数も増加傾向。自立意欲向上等の効果が現れている。
          • 認定就労訓練事業は、利用件数が低調。効果が十分に発揮されていないとの指摘。
          • 労働行政の支援策のさらなる活用や、ハローワーク以外の商工労働施策等との連携を積極的に進めていくことが重要。
          • 就労準備支援事業を必須事業化すべき。効果的な支援のあり方を分析し、予算や研修のあり方を検討すべき。小規模自治体でも実施できるよう、国や都道府県が自治体の主体性を活かしながら広域実施に関与すべき。
          • 認定就労訓練事業について、仕事づくりや事業者育成まで含めたスキームに見直すとともに、直接的な支援を含め、利用者や企業へのインセンティブが必要。
          • 求職者支援訓練について、コロナ禍での柔軟な運用を継続すべき。特定求職者雇用開発助成金について、利用しやすくするための更なる工夫が必要。
        4. 家計改善支援のあり方
          • 家計改善支援事業は、約6割の自治体で実施。コロナ禍において利用件数も増加。
          • 本事業の活用により、債務・滞納の解消や世帯への包括的支援等の効果が現れている。
          • 令和5年1月から特例貸付の償還開始。返済と連携し支援が重要。
          • 家計改善支援事業を必須事業化すべき。効果的な支援のあり方を分析し、予算や研修のあり方を検討すべき。小規模自治体でも実施できるよう、国や都道府県が自治体の主体性を活かしながら広域実施に関与すべき。
          • 生活福祉資金貸付の際に家計改善支援事業の利用を条件化するなど、家計改善支援事業の強化が必要。
          • 家計改善支援事業による特例貸付の償還免除等のフォローアップ支援が必要。
        5. 居住支援のあり方
          • 一時生活支援事業について、実施自治体数の伸び率は低く、他の任意事業に比べ低い水準。自治体における潜在的な支援ニーズの把握が進んでいない。
          • 居住不安定者等に対するソフト面の支援は重要だが、地域居住支援事業の実施自治体数は極めて少ない。
          • 住居確保給付金について、コロナ禍において支給対象者の追加や支給要件の緩和等の措置を実施。利用件数は急増。住まいの安定確保に一定の役割を果たした一方で、求職活動要件等の課題も見られる。
          • 全世代において「住まいの不安定」問題が顕在化。住宅分野の政策との連携を含め、地域共生社会づくりの視点からの居住支援の議論が必要。
          • 一時生活支援事業や地域居住支援事業における支援、緊急的な一時支援を居住支援事業として再編した上で必須事業化すべき。
          • 居住支援の強化を図るため、ホームレス状態や一時宿泊施設を経由せずとも、地域居住支援事業において支援できるようにすべき。
          • 属性や課題を問わず、緊急対応が可能な施設や支援が必要。
          • 住居確保給付金について、様々な特例措置を恒久化すべき。個人事業主については、個別性・柔軟性の高い支援が求められ、求職活動要件の見直しが必要。
        6. 貧困の連鎖防止等
          • 子どもの学習・生活支援事業について、「生活支援」を行っている自治体は全体の約7割、「教育及び就労」は約5割であり、学習支援と比べ実施は低調。
          • 学校等の教育機関・福祉部局との連携を進め、より効果的な支援の展開に向け、他の事業やフードバンク、民間団体等との連携が一層重要。
          • 子どもの学習・生活支援事業について、学習支援だけでなく生活支援を併せて実施することが重要であり、学習支援が保護者の支援につながるような包括的な支援を展開していく必要。また、委託先の選定における地域における活動状況等の地域要件も考慮する必要。
          • 子どもの学習・生活支援事業を地域の共有財として位置付けることや、地域において福祉と教育(学校、スクールソーシャルワーカー等)が連携することが重要。
        7. 生活保護制度との連携のあり方
          • 生活困窮者自立支援制度・生活保護制度の就労準備支援事業・家計改善支援事業については、運用上一体的な支援が進んでいる。
          • 両制度間の更なる連携強化に向け、相互の制度理解の深化や顔の見える関係性の構築等による連携が重要。
          • 生活困窮者自立支援制度と生活保護制度の「重なり合う支援」の議論を深めるとともに、就労準備支援事業、家計改善支援事業等について、被保護者が様々な支援を受けられるよう、より一層の連携方策を検討すべき。また、支援プランと援助方針の様式の共有、支援会議の活用などスキームの共有により円滑な支援体制の引継ぎを行うことなどを検討すべき。
          • 両制度間の相互理解を深め、共通する理念の下で支援を実施する必要。
        8. 自立支援に関する諸課題
          • 自治体においては、地域づくり・居場所づくりや、他分野や民間団体等の取組との連携強化が図られている。
          • 自立相談支援機関においては、身寄りがないことが理由で支援が困難な事例も確認されている。
          • 制度で支えるのみならず、地域で生活していく上でのつながりの構築が重要。法においてキャッチした課題を、法に基づく支援だけでなく、他分野や他制度、関係機関、地域住民等と連携して解決することが必要。
          • 身寄りのない人の支援にあたっては、家族が持つ「機能」の社会化が重要。
        9. 支援を行う枠組み
          • 人材養成研修は、主に初任者を対象とした国・都道府県による研修、自治体職員向け研修等を実施。
          • 都道府県間で市町村支援に差が生じている。
          • 帳票・統計システムは、入力に係る事務負担やデータの効果的な活用等の課題も見られる。
          • 一時生活支援事業、子どもの学習・生活支援事業の従事者に対する研修や、現任者を対象とした階層別の研修、支援員等へのスーパーバイズが必要。
          • 都道府県による他分野との連携・協働を通じた市町村支援や、行政と支援現場の間で地域に合わせた支援体制の構築を支援する中間支援の機能が重要。
          • 帳票・統計システムについて、支援現場の実態を踏まえた見直しが必要 等

      【国土交通省】

      【2022年6月】

      国土交通省 道路の移動等円滑化に関するガイドラインを改定しました~踏切道での安全対策~
      ▼別紙1 改訂の概要
      • 国土交通省では、踏切道での安全対策のため、「道路の移動等円滑化に関するガイドライン」を改定しました。
      • 本年4月、奈良県内において視覚に障害のある方が踏切内で列車に接触してお亡くなりになる痛ましい事故が発生しました。
      • 今般、視覚障害者団体、学識経験者のご意見を伺い、「道路の移動等円滑化に関するガイドライン」を改定しましたのでお知らせします。
      • 具体的な改定内容としては、以下のとおり位置付けることとしました。
        • 踏切手前部での視覚障害者誘導用ブロックの設置を標準的な整備内容
        • 踏切内での表面に凹凸のある誘導表示等の設置を望ましい整備内容

      国土交通省 「令和3年度交通の動向」及び「令和4年度交通施策」(交通政策白書)について
      ▼「令和3年度交通の動向」及び「令和4年度交通施策」(要旨)
      • 我が国の都市における今後のまちづくりは、人口の急激な減少と高齢化を背景として、高齢者や子育て世代にとって、安心できる健康で快適な生活環境を実現すること、財政面及び経済面において持続可能な都市経営を可能とすることが大きな課題となっている。こうした課題に対しては、医療・福祉施設、商業施設や住居等がまとまって立地し、高齢者をはじめとする住民が公共交通によりこれらの生活利便施設等にアクセスできるなど、福祉や交通なども含めて都市全体の構造を見直し、「コンパクト・プラス・ネットワーク」の考え方でまちづくりを進めていくことが重要となっている。
      • 行政と住民や民間事業者が一体となってコンパクトなまちづくりを促進するため、立地適正化計画制度が整備されている。現在、全国の市町村において立地適正化計画の作成の動きが本格化しており、国はそうした動きに関する財政面・技術面での支援の充実を進めている。
      • 2016年3月、内閣総理大臣を議長とする「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」は「明日の日本を支える観光ビジョン」をとりまとめた。同ビジョンに基づき、すべての旅行者が、ストレスなく快適に観光を満喫できる環境を目指し、交通分野では、新幹線、高速道路などの高速交通網を活用した「地方創生回廊」の完備、地方空港のゲートウェイ機能強化とLCC就航促進、クルーズ船受入の更なる拡充、公共交通利用環境の革新等が推進されている。また、コロナ禍の取組方針としては、2020年12月3日の観光戦略実行推進会議において「感染拡大防止と観光需要回復のための政策プラン」を策定し、安心・安全な旅行ができるよう、宿泊・旅行・交通・空港など観光関係事業者においては業種別ガイドラインを遵守するとともに、旅行者にも2021年11月に最新の状況等を踏まえて改訂した「新しい旅のエチケット」を周知するなど、事業者と旅行者の双方において感染拡大防止策を徹底することとした。さらに、交通事業者等が行うキャッシュレス決済対応等の受入環境整備等の取組が進められている。
      • 我が国の国内旅客輸送量(人ベース)(自家用車によるものを除く。)は、1991(平成3)年度をピークに2004年度まで減少した後、緩やかな増加に転じた。その後、リーマンショックが発生した2008年度を境に減少に転じ、2011年度から再度緩やかな増加に転じたが、2019年度より、新型コロナウイルス感染症の影響により再び減少に転じた。2020年度の各公共交通モードの分担率は、鉄道が81.8%、乗合バスが14.4%、タクシーが3.4%、航空は0.2%、旅客船は0.2%である。
      • 2020年(令和2年)の運輸・郵便業(以下「交通事業」という。)の国内総生産は23.4兆円であり、我が国の国内総生産全体の4.3%を占めている。2000年からの推移を見ると、交通事業の国内総生産は、2007年までは全体の国内総生産を上回る伸びを見せたものの、リーマンショックの発生した2008年に大きく落ち込んだ。その後再び全体の国内総生産を上回る伸びを見せたものの、2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響で大きく落ち込んでいる。
      • ホームドアの設置番線数は、2020年度末時点、全国で2,192番線(943駅)と整備が進んできており、1日の平均的な利用者数10万人以上の駅では851番線(154駅)中334番線(103駅)となっている。
      • 2020年度の我が国の二酸化炭素排出量は10億4,400万トンであるが、そのうち運輸部門におけるエネルギー起源二酸化炭素排出量は1億8,500万トンで、二酸化炭素排出量全体の17.7%を占めている。さらに、運輸部門におけるエネルギー起源二酸化炭素排出量の内訳を見ると、自動車が87.6%(我が国の二酸化炭素排出量全体の15.5%)を占め、そのうち、自家用乗用車を中心とする旅客自動車が48.4%(同8.6%)、貨物自動車(トラック)が39.2%(同6.9%)を排出している。
      • 2022年3月16日に福島県沖を震源とする最大震度6強の地震が発生した。この地震により東北新幹線の車両が脱線したほか、電柱被害や架線断線等のさまざまな設備の損傷が生じた。この地震による被害に伴い、東北新幹線は2022年4月14日まで一部区間で運転を見合わせた。東北新幹線の復旧に当たって、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構から電化柱等の資材提供を行い迅速な復旧を支援するとともに、代替輸送の情報について国土交通省HP等で発信することを通じ、利用者の利便性の確保を行った。
      • 2020年2月に時差出勤・テレワークの実施等の呼びかけを開始して以後、JR、大手民鉄の主なターミナル駅におけるピーク時間帯の利用が落ち込んでいる。特に、2020年4月及び2021年7月に発令された緊急事態宣言期間中の落ち込み幅が大きい。2022年2月下旬以後も、首都圏は概ね2割~4割減少、関西圏は概ね2割~3割減少した水準で推移している。
      • 二人以上の世帯におけるネットショッピング支出額は、2020年以降に急増しており、特に2021年12月は、2019年12月の約1.5倍にまで増加している。コロナ禍が長期化したことにより、非対面・非接触といった新しい生活様式が広がりつつあるといえる。宅配便の個数は、増加傾向であり、2019年から2020年にかけての伸び率も大きくなっている。2019年同月比で見ると、宅配便の個数は、概ね1~2割程度上回る傾向で推移している。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う巣ごもり消費の拡大等の影響も受け、EC市場の規模が拡大していることが要因と考えられる。
      • 2020年以降、再配達率が減少しており、初回の緊急事態宣言が発出された2020年4月の再配達率は8.5%まで減少した。新型コロナウイルス感染症の感染拡大前と比較し、再配達率が減少している要因としてテレワークの普及や外出自粛により在宅している人が増加している影響があると考えられる。しかし、2020年10月以降の再配達率はやや増加傾向が見られており、引き続き再配達を減らす取組が求められる。
      • 新型コロナウイルス感染症の感染拡大が始まった後の2020(令和2)年5月と2022年1月とを比較すると、コロナ禍収束後もテレワークを継続したいと考える人は増加している。テレワークに関するアンケート調査を見ると、新型コロナウイルス感染収束後のテレワーク継続意向について「継続意向あり」という人の割合は84.0%と高く、今後もテレワークが新しい働き方として定着する兆しが見られる。一方、「継続意向なし」という人の割合は16.0%であり、その理由は「仕事に支障が生じる」が40.5%、「会社の機器が不十分」が6.5%、「テレワーク実施場所の環境が不十分」が14.2%であり、仕事のしやすさの観点での回答が半数以上を占める。新たな生活様式の定着により、コロナ禍収束後もテレワークを行いたいと考える人も増加しており、人流はコロナ前に戻らない可能性が示唆されている。
      • 地方移住に関するアンケート調査を見ると、移住に関心のある人の割合は、東京圏出身者が37%、東京圏外出身者が43%となっており、東京圏外出身者の方が移住への関心が高い。また、移住を検討する場合の引っ越し先については、関東圏外を含めて検討したいという回答の割合が東京圏外出身・東京圏在住者の方が東京圏出身・在住者よりも高い。テレワークやネットショッピングの拡大とも相まって、暮らし方についても、新たなスタイルが拡大していく可能性が示唆される。
      • 我が国の物流をめぐる環境は、労働力不足の深刻化、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う社会・経済環境の変化、AI・IoT等の最新技術の進化等、様々な変化が生じており、このような中、2021年6月に閣議決定された「総合物流施策大綱(2021年度~2025年度)」においても、取り組むべき施策として「物流DXや物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化(簡素で滑らかな物流の実現)」が挙げられたところである。
      • 国土交通省では、危機に瀕する地域交通について、感染症を契機に人々のくらしをめぐる環境や価値観も大きく変わる中、地域交通の持つ価値や役割を見つめ直し、移動サービスの質・持続性を向上させるため、地域の多様な関係者による「共創」を推進する研究会を開催した。感染症による交通事業者の経営悪化やニューノーマルにおける利用者のライフスタイルの変化を踏まえ、地域交通が地域で果たすべき役割や、より持続可能性を高めるための方法について、コミュニティ、ガバナンス、ファイナンスという切り口から、官民や分野に捉われない「共創」を交通分野で一層進展させていくための手法を議論し、2022年3月に、中間整理として取りまとめたところである。

      国土交通省 令和4年版「土地白書」の公表について
      ▼令和4年版土地白書について
      • 地価公示の推移
        • 全国全用途平均・住宅地・商業地のいずれも2年ぶりに上昇。全体的に昨年からは回復傾向。
      • 土地取引件数の推移
        • 土地取引件数は、ほぼ横ばいで、2年前の水準で推移
      • 土地の資産性に対する国民の意識
        • 「預貯金や株式などに比べて有利」とする割合が低下傾向。
      • 人口減少・高齢化の進展とそれに伴う相続件数の増加、土地利用ニーズの低下と所有意識の希薄化を背景に、所有者不明土地の増加が見込まれることから、平成30年の所有者不明土地法の制定以降、様々な取組や関連施策を推進。
      • 所有者不明土地の利用の円滑化の取組事例
        1. 地域福利増進事業の活用
          • 知事の裁定により、所有者不明土地を公共的目的に使用できる制度(地域福利増進事業)を活用
          • 高台にある所有者不明土地を避難場所(防災広場)として整備予定【新潟県粟島浦村】
        2. 収用手続の合理化
          • 知事の裁定により、所有者不明土地を取得できる制度を活用
          • 高速道路の整備予定地で、通常の土地収用法の裁決手続きに比べて約4カ月短縮【茨城県潮来市】
        3. 所有者探索の合理化
          • 土地所有者等の探索のため、固定資産課税台帳などを利用できる制度を活用
          • 所有者不明と思われた土地の所有者を見つけることができ、広場整備のため権利を取得予定【山口県山口市】
        4. 所有者不明森林の活用
          • 森林の経営管理権を市町村に集積する制度(森林経営管理法)を活用
          • 町が所有者(共有者)不明森林に自らの経営管理権設定し、適正に管理【鳥取県若桜町】
      • 所有者不明土地の発生抑制の取組事例
        • 地籍調査の促進
          • 地籍調査の円滑化・迅速化のため新たな調査手続等を活用
          • 山村部の地籍調査において、航空レーザ測量により作成した筆界案を土地所有者が集会所で確認し、成果に基づき登記【栃木県大田原市】
        • 低未利用土地の活用
          • 県・市・地元住民等が協働し、専門家と連携しながら市内の低未利用土地の利用・管理の促進を図る推進法人を設立予定【広島県三原市】
      • 所有者不明土地法の一部を改正する法律
        • 「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律」が成立し、公布された【令和4年5月9日】
        • 地域福利増進事業の対象事業の拡充等による利用の円滑化の促進
        • 勧告・命令・代執行制度等による災害等の発生防止に向けた管理の適正化
        • 協議会制度・所有者不明土地利用円滑化等推進法人等による推進体制の強化
      • 新たな国土計画の検討
        • 国土審議会において、令和3年6月にとりまとめた「国土の長期展望」と「国土の管理構想」を踏まえて、同年9月から計画部会において新たな国土計画の検討に着手
      • デジタル技術を活用した土地取引の円滑化
        • 土地・不動産分野の情報一元化を行うポータル・サイト「土地・不動産情報ライブラリ」を構築し、不動産取引の活発化、探索コストの低減等を図る【R6年度運用開始を目指して構築】
        • 不動産の共通コードに係るルールの運用を順次開始し不動産関連情報の連携・蓄積・活用の促進を図る【R4年度運用開始】

      国土交通省 令和4年版「首都圏白書」をとりまとめました(令和3年度首都圏整備に関する年次報告)
      ▼首都圏整備に関する年次報告(要旨)
      • 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の「IPCC1.5度特別報告書」によれば、世界の気温上昇を工業化以前と比較して1.5℃に抑えることは、2℃に抑える場合に比べて気候に関するリスクが大きく異なり、その目標達成には、令和32(2050)年近辺でのカーボンニュートラル実現が必要とされている。令和3(2021)年11月の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)の「グラスゴー気候合意」においても、1.5℃に抑える努力の継続への決意が盛り込まれ、世界各国でカーボンニュートラルに向けた動きが進んでいる。
      • こうした中、我が国では、令和32(2050)年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「2050年カーボンニュートラル」が令和2(2020)年10月に宣言された。また、令和3(2021)年4月の地球温暖化対策推進本部では、中期目標として令和12(2030)年度に平成25(2013)年度比で温室効果ガス排出量を46%削減し、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けることが示された。
      • 全国の温室効果ガス排出量は近年減少傾向にあり、首都圏でもCO2排出量が平成25(2013)年度から継続して減少しているが、令和元(2019)年度で292百万t-CO2を排出しており、国内の3割程度と大きな割合を占めている(図表1-1-1)。その内訳を見ると、都市活動に起因する部門の割合(業務、家庭、運輸の合計)が約60%と全国(約55%)に比べて高くなっている。
      • また、首都圏においても地球温暖化の進展に伴う気候変動が進んでおり、関東地方の平均気温は50年当たり1.2℃のペースで上昇している。東京圏を中心に都市化の影響によるヒートアイランド現象も見られることから、これらの環境変化に対応するとともに、都市の特徴や都市活動の動向を踏まえて、脱炭素化に向けた取組を実施する必要がある。
      • カーボンニュートラルの実現に当たっては、水力、太陽光、バイオマス等の再生可能エネルギーの導入拡大が必要不可欠である。電気事業者による首都圏の再生可能エネルギー発電量は、令和2(2020)年度において16,736百万kWhと着実に増加傾向にあり(全国シェア約13%)、水力発電が占める割合が最も高く、太陽光発電やバイオマス発電についても、近年増加傾向にある。エリア別に見ると、周辺4県において発電量の約8割が集中している。
      • 固定価格買取制度(FIT)による首都圏の再生可能エネルギー導入量も増加傾向で、令和2(2020)年度までに1,628万kW(全国シェア約23%)となっており、太陽光発電が1,511万kWと9割以上を占めている。太陽光発電の導入量のうち非住宅が1,179万kWで、周辺4県の占める割合が高い一方、住宅が332万kWとなっており、東京圏の割合が6割を超えている温室効果ガスの削減にあたっては、再生可能エネルギーの導入に加え、設備の省エネ化や未利用熱の活用などによる資源の有効活用を図り、エネルギー消費量全体の削減を進めていく必要がある。
      • 首都圏における最終エネルギー消費量は平成19(2007)年度以降は漸減傾向で推移し、令和元(2019)年度には約3,915PJ(全国の約3割)となり、人口千人当たりのエネルギー消費量については、全国に比べて低い水準となっている(図表1-1-8)。また、我が国の経済の中心を担う首都圏においては、エネルギー消費を効率化しながら経済成長を続けていく必要があり、首都圏のエネルギー生産性(エネルギー消費量当たりの総生産)は、近年上昇傾向で全国に比べて高い水準であるが、今後も更なる向上が求められる
      • 令和元(2019)年度以降新型感染症が拡大する中で、首都圏では東京圏を中心にテレワークの導入が大きく進み、令和3(2021)年度の首都圏全体におけるテレワーカー率(当該年度までにテレワークを経験した就業者の割合)1)は38.9%(令和元(2019)年度17.6%)となり、各圏域で前年度に続いて増加した(図表1-2-1)。国際エネルギー機関(IEA)によれば、世界でテレワーク可能な人が自宅でテレワークをした場合、家庭でのCO2増加に比べ、通勤などの個人の移動が減少することによるCO2削減量が大きいとされている2)。令和2(2020)年度の全国の温室効果ガス排出量については、令和元(2019)年度比5.1%減と大きく減少しており、各部門(産業・運輸・業務その他・家庭・エネルギー転換)におけるエネルギー起源CO2は運輸部門の減少率(10.2%)が最も大きい。
      • 令和3(2021)年度の首都圏におけるテレワーカー率は約4割となっており、職種別に見ると、管理職、研究職、専門・技術職、事務職、販売・営業(以下「テレワーカー率の高い職種」という。)で高くなっている。また、テレワークを実施したことのない就業者も含めた今後のテレワーク実施意向3)に基づく場合、テレワーカー率は首都圏全体で約5割に達し、職種別では管理職の一部を除き、令和3(2021)年度実績よりも概ね増加が見込まれ、テレワーカー率の高い職種で見ると、特に事務や販売・営業部門での増加が大きくなっている。また、首都圏のテレワーク実施場所は自宅が多く、今後のテレワーク実施意向に基づく場合も含めて、いずれの圏域においても9割を超えている
      • 令和3(2021)年度のテレワーカー率(実績ベース)を基に、各市区町村の職業別就業者人口割合4)から、市区町村別の自宅テレワーカー率を推計したところ、特に東京都区部で高く、40%を超える地域もあり、25%以上となる地域は、概ね都心から60km圏内に含まれる。また、就業者の今後の自宅テレワーク実施意向に基づく自宅テレワーカー率(実施意向ベース)については、周辺4県も含め、30%以上の地域が首都圏で全体的に広がっている。
      • 首都圏における通勤等の実態として、市区町村別の自家用車分担率は、周辺4県を中心に高くなっている。また、自家用車分担率と通勤等の平均距離より推計した「就業者1人当たりの平均自動車通勤距離」は、ばらつきが大きいエリアがあるものの、概ね都心からの距離に応じて増加傾向を示している。令和3(2021)年度の自宅テレワーカー率による削減量(実績ベース)は、首都圏全体で約2,337t-CO2(削減率9.7%)となっており、埼玉県や千葉県が大きい。また、就業者の今後の自宅テレワーク実施意向に基づくCO2削減量(実施意向ベース)は、実績ベースと比較して各都県で大幅に増加し、首都圏全体で約4,554t-CO2(削減率18.9%)となる。なお、削減量を就業者1人当たりに換算すると、実績・実施意向ベースともに、周辺4県(特に茨城県、栃木県、群馬県)が大きくなる首都圏のうち周辺4県は、既に人口の減少局面を迎えており、都市機能や居住機能の集約により、コンパクトなまちづくりを進めていく必要がある。都市のコンパクト化を実現するベースとなる立地適正化計画については、首都圏の30%(令和3(2021)年12月末時点)の市町村で作成され、周辺4県の割合が高く、積極的な取組が見られている。
      • 首都圏では、圏域内での再生可能エネルギーの創出や効率的な消費に当たり、モビリティやオープンスペースの有効活用が進められている。首都圏における再生可能エネルギーが利用できるモビリティの普及実態として、東京圏を中心に電気自動車(EV)の導入が増加傾向で、全国の約3割を占め、電源施設についても10km圏内の充電施設の多いエリア(11施設以上)が広く分布している。また、空間やモノなどの資産をインターネット上のプラットフォーム等を介して他者も利用可能とする「シェアリングエコノミー」の普及が近年進んでいる。首都圏では東京圏を中心にカーシェアリング導入車両台数やステーション数が増加傾向で、全国でも半数以上のシェアを占める中、EV利用に特化したサービスも見られている。
      • 近年、気候変動に伴う災害の頻発化・激甚化等を受け、自然環境が有する多様な機能を活用し、持続可能な国土・都市・地域づくりを図るグリーンインフラの取組が進められている。都市の緑化は、ヒートアイランド現象の緩和により、空調のエネルギー負荷を低減するCO2排出抑制や、樹木等の生長に伴うCO2吸収の効果を持ち、脱炭素に寄与することが期待される。首都圏では、1人当たりの都市公園面積が全国と比較して小さく、海外の主要都市との比較においても、東京都区部における緑地の充実度は低いとされている。そのため、首都圏におけるヒートアイランド現象の緩和やCO2吸収源の確保に当たっては、公園を含め様々なスペースを有効活用して、都市の緑化を進めていく必要がある。
      • 緑地の確保に当たり、首都圏では、官民の連携により、都市開発プロジェクトにより創出される公開空地等や、建築物の屋上及び壁面を活用した取組が積極的に進められており、令和2(2020)年までの屋上緑化及び壁面緑化の累計施工面積は、全国の50%以上のシェアを占めている。また、路面緑化技術の開発に伴い、従来長期的な緑化の維持が困難な駐車場や車路、歩行者空間等を芝生で緑化する等、活用が困難であった箇所に緑地空間を創出する事例が見られる。首都圏の総人口は、昭和50(1975)年以降一貫して増加していたが、令和3(2021)年で減少に転じ、令和3(2021)年10月1日現在で4,437万人(全国の35.4%)となっている。圏域別の人口を見ると、東京都は平成7(1995)年以降、近隣3県は昭和50(1975)年以降増加傾向であったが、共に令和3(2021)年は前年と比較して減少した。また、周辺4県は、平成13(2001)年をピークに減少している。人口動態を見ると、出生数から死亡数を引いた「自然増減」は、近年全国及び首都圏の全圏域で減少が続いている。また、転入者数から転出者数を引いた「社会増減」は、新型感染症の拡大した令和2(2020)年以降、全国で減少が続いており、首都圏の圏域別に見ると、周辺4県を除いた圏域において同様の傾向である。国勢調査によれば、平成27(2015)年から令和2(2020)年の人口増減率は、平成22(2010)年から平成27(2015)年に比べ、東京都の増加率上昇が大きく、周辺4県の減少率は引き続き全国に比べて高い。また、市町村の階級別人口増減率(平成27(2015)年~令和2(2020)年)では、東京都と近隣3県でも人口減少となる市町村が半数以上を占めている。
      • 都市のイノベーション創出環境に関する指標である全国のスタートアップ企業の資金調達状況を見ると、令和2(2020)年を除いて増加傾向にある。このうち、東京都の企業が全国の8割以上を占めており、令和3(2021)年の調達額は6,531億円となっている。また、1企業当たりの調達金額は、平成24(2012)年以降継続して増加しており、令和3(2021)年には東京都では約4.66億円となっている。
      • 首都圏の令和3(2021)年の保育所等施設数は約1.3万箇所で、利用定員数は約96万人となっており、保育の受皿の整備が進んでいる。また、令和3(2021)年の待機児童は、全国で約5.6千人、首都圏では約2.1千人と前年を大きく下回っており、東京都では、平成29(2017)年から令和3(2021)年にかけて約9割減少している。
      • 首都直下地震対策特別措置法(平成25年法律第88号)に基づき、「政府業務継続計画(首都直下地震対策)」(平成26(2014)年3月)及び「首都直下地震緊急対策推進基本計画(以下、「基本計画」という。)」(平成27(2015)年3月)が閣議決定された。基本計画には、定量的な減災目標として、平成27(2015)年度から今後10年間で、想定される最大の死者数を約2万3千人から概ね半減、想定される最大の建築全壊・焼失棟数を約61万棟から概ね半減させることが掲げ
      • られている。令和3(2021)年5月には、基本計画に基づき、人命救助に重要な72時間を意識したタイムラインと目標行動の設定等を示す「首都直下地震における具体的な応急対策活動に関する計画」が改定された。改定に当たっては、災害対策に当たる職員や避難所等における感染症対策が盛り込まれるとともに、訓練等を踏まえた進出拠点等の見直しなどが行われている。また、中央省庁は政府業務継続計画(首都直下地震対策)を踏まえ、業務継続計画を定めているが、令和4(2022)年3月に内閣府において、「中央省庁の業務継続ガイドライン」が改定され、水害等の他の災害で活用可能な情報の説明やテレワークを踏まえた体制確保の記載など、新たな視点が示された。
      • 老朽化した木造住宅が密集し、細街路が多く公園等のオープンスペースの少ない密集市街地では、防災上多くの課題を抱えており、早急な整備改善が課題になっている。密集市街地については、令和3(2021)年3月に閣議決定された「住生活基本計画(全国計画)」において、「地震時等に著しく危険な密集市街地」を令和12(2030)年度までに概ね解消することとしている。首都圏では、同密集市街地が令和3(2021)年度末時点で466ha(前年度より198ha減)となっており、都県別に見ると、東京都と神奈川県が首都圏の9割近くを占めている。また、本計画において、同密集市街地における地域防災力の向上に資するソフト対策の実施率を令和7(2025)年度までに全国で100%とすることとしており、首都圏では、令和3(2021)年度末までに全ての地区でソフト対策が完了した。
      • 首都圏においては、大都市周辺における渋滞ボトルネック箇所への集中的対策等に資する首都圏3環状の整備の推進とともに、高速道路ネットワークがつながっておらず地域サービスへのアクセスもままならない地域や災害に脆弱な地域等において、国土のミッシングリンクの早期解消に向けた取組が進められている。また、令和3(2021)年7月には、安定した物流を確保するため、高規格道路を含む道路交通ネットワークの中長期的な整備・管理や道路交通マネジメントの基本となる「新広域道路交通計画」が関東ブロック1)で策定され、空港・港湾等へのアクセス強化などが基本戦略として示されている。
      • 国内では、5Gの利用可能エリアが広がるなど、インターネットの利用に係るデジタルインフラの整備が進められている。総務省の令和2年通信利用動向調査によれば、首都圏のインターネット利用者の割合は約86%となっている(全国では約83%)。利用目的は、電子メールの送受信、情報検索、ソーシャルネットワーキングサービスの利用、商品・サービスの購入・取引で6割を超えている。また、地域活性化や災害時の通信手段として、総務省の「防災等に資するWi-Fi環境の整備計画」を基に地方公共団体の公的拠点(博物館、都市公園等)や防災拠点等においてWi-Fi環境が整備され、首都圏では9割以上が整備済みとなっている(令和3(2021)年10月1日時点)。さらに、クラウドサービスの利用も広がっており、地方公共団体の情報システムにおいても導入が進められ、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県では、全国に比べて高い導入水準となっている。
      • 我が国の社会資本ストックは、高度経済成長期等に集中的に整備されており、今後急速に老朽化することが懸念される。高速道路における天井板落下事故を始めとして、社会資本の維持管理・更新に係る問題が各方面で顕在化している。社会資本の大部分は地方公共団体が管理しており、国のみならず、地方公共団体等も含めた大きな課題である。例えば、首都圏の道路橋梁(橋長2m以上)については、令和3(2021)年3月末時点で、9割以上が地方公共団体の管理であり、予防保全や措置を講ずべき段階の橋梁も多く存在し、約3割から5割の施設で修繕等措置に着手している。また、首都高速道路については、交通量が多く過酷な使用状況にあり、老朽化に対して長期の安全・安心を確保するため、維持管理上の問題等を精査しながら、大規模更新・大規模修繕が実施されている。真に必要な社会資本整備とのバランスを取りながら、いかに戦略的に維持管理・更新等を行っていくかが問われている。

      国土交通省 「不正改造車を排除する運動」の強化月間が始まります~車の不正改造は、事故や環境悪化を引き起こす犯罪です~
      • 国土交通省では『不正改造車を排除する運動』として、関係省庁・団体と連携し、不正改造を「しない」・「させない」ための啓発活動を行っております。
      • その一環として、各地方運輸局等が定める「強化月間」が6月1日から始まり、街頭検査の実施など、安全・安心な車社会形成のための徹底した取組みを行います。
      • 不正改造を「しない」・「させない」ための啓発活動
        • 政府広報ラジオCMにおける啓発。※JFN系全国38局ネットで放送予定
        • ポスター及びチラシ等の貼付、配布及びSNS等への掲載等により、積極的に広報を実施。
        • 全国のバス事業者の協力による、バス車両前面への広報横断幕の掲示。
      • 不正改造車を排除するための街頭検査の実施
        • 警察機関、独立行政法人自動車技術総合機構、軽自動車検査協会等と連携した街頭検査を全国各地で実施し、違反車両に対して整備命令を発令。
      • 不正改造車に関する情報収集等
        • 運輸支局等に「不正改造車・迷惑黒煙情報提供窓口」を設置し、通報があった情報をもとに、不正改造車ユーザーへ改善・報告を求める。

      国土交通省 国土交通省は農林水産省とともに、条件不利地域を支援する「地方応援隊」に取り組みます!~ 霞が関の若手職員による市町村の課題解決支援~
      • 国土交通省国土政策局では、若手職員が条件不利地域の小規模市町村の課題解決等を支援する「地方応援隊」の取組を行っているところですが、今般、農林水産省農村振興局と連携して本取組を行うこととなりました。
        1. 概要
          • 条件不利地域(離島、半島、豪雪地帯等)の振興等を所掌する国土交通省国土政策局(以下、国政局という。)は、若手職員が条件不利地域の市町村の課題対応を支援する「地方応援隊」の取組を令和2年度より開始しており、本年3月には令和4年度の対象市町村の公募を行ったところです。
          • 農林水産省農村振興局(以下、農振局という。)では、農業の生産条件が不利な「中山間地域等」の振興を所掌しており、「条件不利地域の振興」という国政局と共通の目的を持つことから、今般、農振局においても「地方応援隊」を編成し、国政局とともに条件不利地域の市町村をサポートします。
        2. 取組の目的
          • 当該市町村における地域課題を具体的に整理し、その解決に向けた取組の方向性を市町村に提示するとともに、市町村職員との人脈を形成し、国に対する身近な相談窓口になることを目指して活動を行います。
        3. 取組内容
          • 係長級の若手を中心とした職員2名程度で1市町村を担当し、課題に関する調査や解決に向けた方策の提案等を行います。
          • 隊員は、現地訪問及びWEB会議等でのやり取りにより、市町村職員や関係者と地域の課題をともに考え、腹を割った話ができる間柄の構築に努めるとともに、全国事例や他省庁を含めた国の施策など、国職員ならではの情報提供や、若手目線の様々なアプローチを提案します。
          • 活動期間については、原則、応募年度より2年を目安とします。

      【2022年5月】

      国土交通省 「入契法適正化指針」の一部変更について(閣議決定)
      • 共同企業体の類型としての復旧・復興JV、建設発生土の適正処理の推進のための取組、資材価格の高騰を踏まえた適切な契約変更の実施などの内容を盛り込んだ「入契法適正化指針」の一部変更が、本日、閣議決定されました。
      1. 背景
        • 公共工事の発注にあたっては、激甚化・頻発化する災害への対応力の強化、建設発生土の適正処理の推進、資材等の価格高騰への対応のための公共工事の受発注者間の適切な価格転嫁、ダンピング対策等の取組の徹底などが急務となっています。
        • こうした背景を踏まえ、公共工事の発注者が講ずべき具体的な措置について定める「公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針」(入契法適正化指針・平成13年3月9日閣議決定、令和元年10月18日最終変更)について所要の変更を行いました。
      2. 概要
        1. 復旧・復興JV、建設発生土の適正処理
          • 大規模災害の被災地域における施工体制の確保を図るため、共同企業体の類型として被災地域内外の建設企業で構成される復旧・復興JVを追記
          • 建設発生土の適正処理の推進のため、指定利用等の取組や適切な費用負担の徹底に向け
            • 設計図書に明示するなどして関係者間で共有すべき情報の例示に建設発生土の搬出先に関する情報を明記
            • 予定価格の設定に当たり適正な積算を行うべきものの例示に建設発生土等の運搬・処分等に要する費用を明記
        2. 適切な契約変更
          • 受発注者間で適切な価格転嫁が行われるよう、契約変更の必要性が生じうる事情の例示に資材等の価格の著しい変動、納期遅れ等を明記
        3. その他
          • ダンピング対策の理由として、公共工事を実施する者の適正な利潤の確保について追記
          • ダンピング対策の徹底を図るため、低入札価格調査基準等を適正な水準で設定することについて追記
          • 技能労働者の育成及び確保に資する労働環境の整備を図るため、国・発注者によるCCUS活用促進の取組について追記

      国土交通省 「小型旅客船の緊急安全対策」~小型船舶による旅客輸送の安全対策を緊急に実施します~
      ▼(別紙)小型旅客船の緊急安全対策について
      • 運航基準の遵守指導
        • 国土交通省は、事故発生を受けて4月25日より幅広く安全確保の観点から全国の旅客船事業者に対して実施している「緊急安全点検」において、特に運航基準の遵守に着目した下記指導を5月25日まで実施する。
        • 具体的には、厳しい海象条件下を航行する小型旅客船を皮切りに、運航労務監理官が全国の小型旅客船事業者に対し、安全管理規程に定められた運航基準の遵守を指導する。
        • 【主な指導事項】
          • 船長・運航管理者による気象・海象情報の確実な把握と適正な判断
          • 悪天候の場合の運航管理者による船長への運航中止の確実な指示と記録
          • 船舶の出港から帰港までの間の運航管理者又は運航管理補助者の常駐
          • 船長から事業所への定点連絡の確実な実施と記録
      • 携帯電話に係る検査の確実な履行
        • 日本小型船舶検査機構(JCI)では、航路の一部が通信エリアでカバーされていない携帯電話を事業者の申告に基づき通信設備として認めていたところ、「常時通信可能」との船舶安全法の規則に立ち返って検査を確実に履行する。
        • 具体的には、JCIが各事業者の携帯電話の通信エリアを確認してカバーされていない場合には、常時通信可能な通信設備へ速やかに変更するよう各事業者に要請し、万一、変更に応じない事業者がいる場合は、国土交通省から事業者に対し、直接変更を求め、5月25日までに変更を完了する。

      国土交通省 災害復旧事業の体制・経験・ノウハウが不足する市町村の災害対応力の底上げを支援します~ガイドラインの策定と説明会の開催~
      • 市町村において、平時より、
        • 大規模災害発生時に必要となる支援をピックアップし、
        • 活用できる支援内容やその連絡先を確認し、
        • 大規模災害発生時には躊躇なく各種支援制度の活用を検討できるよう、
        • 既存の支援方策・取組、好事例を示したガイドラインをとりまとめました。
      • ガイドラインの概要
        • 近年、地方公共団体の土木関係職員は減少し慢性的に不足している状況です。また、約4割の市町村では過去10年間で災害復旧事業を実施した経験が1回以下であり、災害対応に対する経験を積む機会は限られています。
        • 大規模災害が発生した際には、支援制度に関する認識が不足していたり、応援を受け入れた経験がないことから、外部からの支援を円滑に活用できなかった場合が散見されます。
        • そのため、令和3年12月に「市町村における災害復旧事業の円滑な実施のためのガイドライン検討会」を設置し、市町村が災害協定の締結や訓練といった平時からの取組をすすめ、非常時に手に取って理解できるよう、以下のとおり、既存の支援方策・取組、好事例等を分かりやすく示したガイドラインを策定しました。
          • 大規模災害時の災害復旧事業の流れ
          • 被災状況把握や復旧方針・工法の助言など、多くの機関における被災地方公共団体を支援する制度の概要・連絡先
          • 先進技術の活用や民間事業者のノウハウの活用など、全国の先進事例・好事例
        • 引き続き、アンケート等により市町村からのご意見を伺い、ガイドラインの改善を図って参ります。

      国土交通省 JR貨物及びJR西日本に対する保安監査の結果について
      ▼資料2 国内外の動向及び国際的な議論の動向
      • 国土交通省は、令和3年12月28日に山陽線でJR貨物が列車脱線事故を発生させたことから、JR貨物に対して、令和4年1月24日から1月26日まで保安監査を実施しました。また、列車脱線時のJR西日本の指令における対応状況を確認するため、JR西日本に対して、1月25日に保安監査を実施しました。その結果、改善を要する事項が認められたことから、4月27日付けで、鉄道局長からJR貨物及びJR西日本の代表取締役社長あてに改善措置を講ずるよう指示しました。
      • 改善指示の概要
        1. JR貨物
          1. コンテナの積荷の偏り(偏積)の防止のため、以下を指示。
            • 偏積防止のために策定された「コンテナへの積付けガイドライン」について、積み込みを行った会社まで周知すること。さらに、改正後の貨物運送約款について、その内容を利用運送事業者等が着実に実施することを担保するような効果的な運用方法を検討すること。
            • 偏積が確認された際に原因究明及び再発防止策を講じること。
            • コンテナ内部を撮影した写真等を用いた偏積のサンプル調査では、実際に積み込みを行ったコンテナと写真等とを突き合わせるなど効果的な調査を行うこと。
            • ポータブル重量計や輪重測定装置の増備などのハード対策について、それぞれを組み合わせるなどより効果的な整備方策を検討するとともに、整備計画を策定すること。
          2. 列車脱線時の運転取扱いについて、当該運転士は、他の列車を停止させる措置(列車防護)等を行っていなかったことから、教育及び訓練の方法等の検証を指示。
        2. JR西日本
          • 列車無線について、指令員は、列車無線が使用できない箇所を把握していなかったため、機関車の運転士との連絡に支障を来していたことから、同装置が使用できない個所を調査し、必要な措置を講ずるよう指示。

      国土交通省 「知床遊覧船事故対策検討委員会」の設置について~小型船舶での旅客輸送における安全対策を総合的に検討します~
      • 令和4年4月23日に北海道知床で発生した遊覧船事故を踏まえ、小型船舶を使用する旅客輸送における安全対策を総合的に検討するため、標記会議を設置いたします。
        1. 設置の趣旨
          • 令和4年4月26日の岸田総理による指示(※)を受け、小型船舶を使用する旅客輸送における安全対策を総合的に検討するため、本日、海事法制、舶用工学、船員養成等の有識者から構成される「知床遊覧船事故対策検討委員会」を設置いたします。
            • ※総理指示の内容:今般の事故を受け、徹底的な安全対策について考えていくことが重要であるため、国土交通省に対して、法的規制のあり方も含めて、安全対策のあり方について検証あるいは検討を行う検討会を立ち上げ、徹底的な安全対策を講じていくよう指示
        2. 検討事項
          • 令和4年4月23日に北海道知床で発生した遊覧船事故を踏まえ、小型船舶を使用して旅客輸送を行う事業について、法的規制のあり方も含めた以下の事項に関する安全対策を検討します。
          • なお、現在実施中の特別監査の内容や、委員会における議論等を踏まえつつ、検討事項の追加・変更を行います。
            • 事業参入の際の安全確保に関するチェックの強化(役員・運航管理者の資質の確保 等)
            • 安全管理規程の実効性の確保 (気象・海象を踏まえた運航可否判断の適正化 等)
            • 監査・行政処分のあり方
            • 船員の技量向上(船長になるための運航経験 等)
            • 船舶検査の実効性の向上(検査内容の重点化 等)
            • 設備要件の強化(無線・救命設備 等
      • その他
        1. スケジュール(予定)
          • 令和4年5月9日の週 第1回委員会の開催 ※以後、数回開催
          • 今夏 中間とりまとめ

      【文部科学省】

      【2022年6月】

      文部科学省 令和4年版 科学技術・イノベーション白書
      ▼令和4年版科学技術・イノベーション白書 本文
      • 科学技術・イノベーションの創出は、我が国及び人類社会の将来の発展をもたらす源泉であり、我が国は、例えば、青色発光ダイオードの発明によるLED照明の実用化、ヒトiPS細胞の樹立による再生医療の実用化への展開など、科学技術・イノベーションに関わる多くの分野で世界に誇れる数多くの成果を上げています。
      • 一方で、近年、研究力を測る主要な指標である論文指標については、国際的な地位の低下が続いており、研究力の低下が懸念される状況です。国際比較において、論文数は、20年前(1997-1999年の平均)は米国に次ぐ第2位でしたが、直近(2017-2019年の平均)は第4位、また、注目度の高い論文数(Top10%補正論文)は、20年前は第4位でしたが、直近は第10位になっています。
      • 岸田内閣総理大臣の下、政府では「成長と分配の好循環」をコンセプトに「新しい資本主義」の実現を目指しています。成長を目指すことは極めて重要であり、その実現に向けて全力で取り組むとともに、成長の果実を、しっかりと分配することで、次の成長を実現するものです。「成長も、分配も」実現するため、あらゆる政策を総動員します。
      • 「新しい資本主義」実現のための成長戦略について、岸田総理大臣は、令和3年10月の所信表明演説で、「成長戦略の第一の柱は、科学技術立国の実現」であることを表明しました。また、分配戦略について、「人への投資の抜本強化」を柱に据えています。
      • 「新しい資本主義」、「科学技術立国」の実現に向け、科学技術分野の人材育成、世界最高水準の研究大学を形成するための大学ファンドや先端科学技術への大胆な投資、スタートアップへの徹底支援などを推進します。
      • ICT、AI、ゲノム編集技術など科学技術の急速な進展によって、科学技術・イノベーションと人間や社会の在り方は密接不可分の関係となっています。現代の複雑な諸課題に対峙していくためには、人間や社会の在り方を研究対象とする人文・社会科学の「知」も含めた「総合知」を活用した科学技術・イノベーションの振興が必要です。こうした背景を踏まえ、令和2年、科学技術基本法の改正が行われ、「イノベーションの創出」が柱の一つに据えられるとともに、従来、同法の対象とされていなかった人文・社会科学(法では「人文科学」と記載)のみに係るものが対象に加えられました。
      • 我が国では、科学技術・イノベーション基本法に基づき、科学技術・イノベーション基本計画(以下「基本計画」という。)を5年ごとに策定しており、令和3年4月より、現在の第6期基本計画が開始されました。同計画では、Society 5.0の実現のため、多様性や卓越性を持った「知」を創出し続ける、世界最高水準の研究力を取り戻すことが規定されています
      • 近年、我が国の研究力の低下が指摘されています。今世紀における我が国の自然科学系ノーベル賞受賞者数は米国に次ぐ世界第2位ですが、この受賞者数が、必ずしも現在の我が国の研究力を示しているわけではありません。研究力を測る主要な指標である論文指標については、2000年代前半より、国際的な地位の低下が続いている状況です。定量的な指標のみをもって研究力を判断することはできませんが、このような状況は深刻に受け止めるべきです。
      • 平成14年から5年に1度、大学等教員の職務活動時間割合を調べるため、「大学等におけるフルタイム換算データに関する調査1」を実施しています。本調査によると、平成14年度調査に比べ、平成30年度調査では、研究時間割合や研究時間は減少しています。また、研究パフォーマンスを高める上での制約として、最も回答割合が高かったのは、研究時間でした。研究力向上の観点から、研究者の研究時間割合の確保が重要な課題です。
      • 日本の研究者数は、世界第3位の規模ですが、研究時間割合を考慮した研究者数は、2000年代以降多くの主要国が増加する中、横ばいです。また、大学の本務教員については、40歳未満の若手の割合が一貫して低下しており、大学院博士課程の入学者数は、2003年度をピークに減少傾向です。また、我が国の女性研究者割合は、年々増加傾向にありますが、諸外国と比較すると、なお低い水準にあります。研究時間割合を考慮した研究者数、中でも若手研究者や女性研究者の確保が重要な課題です。
      • 日本は、他の主要国と比較して、研究開発費(研究機関が実際に使用した研究費)や科学技術予算の対GDP比は高い水準にありますが、近年、大学部門、公的機関部門、企業部門の研究開発費は停滞しています。
      • 日本においても国際共著論文の割合は増えていますが、英独仏と比べると、その割合は低い状況です。また、海外派遣研究者数については、6か月以内の短期派遣者数は増加傾向ですが、中・長期派遣者数は停滞しています。さらに、米国における博士号取得者数は直近10年で半減しています。
      • パテントファミリー数について、日本は1位を維持しています。ハイテクノロジー産業(医薬品、電子機器、航空・宇宙)の貿易収支比は、日本は入超、ミディアムハイテクノロジー産業の貿易収支比は、日本は出超です。また、我が国の大学等が民間企業等と共同研究等を行った額及び件数は増加傾向です。
      • 近年の論文指標低下の大きな要因は、安定したポストの減少を含め、若手研究者を取り巻く厳しい環境にあります。若手研究者が腰を据えて研究に取り組める環境の確保や、博士後期課程学生の処遇の向上等が喫緊の課題です。また、我が国は、他国に比べ、女性研究者割合が低く、研究力強化のためには、女性研究者の育成と活躍促進が重要です。
      • 新型コロナウイルス感染症を契機として、社会全体のデジタル化とともに、研究活動のデジタル・トランスフォーメーション(研究DX)の流れが加速しています。より付加価値の高い研究成果を創出するため、研究DXについて、ソフト・ハードの両面から取り組む必要があります。ソフト面として、研究プロセスで生まれるデータを戦略的に収集・共有・活用するとともに、ハード面として、研究施設・設備のリモート化・スマート化、さらに、次世代デジタルインフラの整備などに取り組んでいます。
      • 我が国が抱える課題として、研究開発の成果が現実の課題の解決や社会実装に結びつかない場合があることが指摘されます。このため、例えば、府省連携による分野横断的な取組を、産学官連携で、基礎研究から実用化・事業化までを見据えて一気通貫で推進する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP1)などを推進しています。また、複雑化する社会課題に対応するため、人文・社会科学と自然科学を含むあらゆる「知」の融合による「総合知」を活用した取組を推進しています。
      • 科学技術・イノベーションが国家間の覇権争いの中核となる中、人工知能や量子など、安全保障にも影響し得る先端的な重要技術が出現し、主要国は、国及び国民の安全保障上の対策として、鍵となる技術の把握や情報収集、技術流出問題への対処、先端的な重要技術の研究開発等を強力に推進しています。安全保障と経済を横断する領域で、国家間の競争が激化しており、我が国の科学技術・イノベーション政策においても、経済安全保障を念頭に置いた対応が必要です。我が国が技術的優位性を高め、国際社会における不可欠性の確保につなげていくためには、国が強力に重要技術の研究開発を進め、育成していくことが必要であり、国及び国民の安全・安心の実現のため、科学技術の多義性を踏まえつつ、総合的な安全保障の基盤となる科学技術力を強化することが必要です。
      • 第6期基本計画が目指すSociety 5.0の実現に向け、サイバー空間とフィジカル空間を融合し、新たな価値を創出できることを目指している。具体的には質の高い多種多様なデータによるデジタルツインをサイバー空間に構築し、それを基にAIを積極的に用いながらフィジカル空間を変化させ、その結果をサイバー空間へ再現するという、常に変化し続けるダイナミックな好循環を生み出す社会へと変革することを目指すこととしている。
      • 2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、2050年カーボンニュートラルを実現するとともに、健全で効率的な廃棄物処理及び資源の高度な循環経済を実現に向けた対応をすることで、グリーン産業の発展を通じた経済成長へとつながることで経済と環境の好循環が生み出されるような社会を目指している。
      • 頻発化・激甚化する自然災害に対し、レジリエントな社会の構築を目指している。あわせてサイバー空間等の新たな領域における攻撃や、新たな生物学的な脅威から、国民生活及び経済社会の安全・安心を確保するとともに、先端技術の研究開発を推進し、適切な技術流出対策の実施も行っていくこととしている。
      • 社会のニーズを原動力として課題の解決に挑むスタートアップを次々と生み出し、企業、大学、公的研究機関等が多様性を確保しつつ相互に連携して価値を共創する新たな産業基盤が構築された社会を目指している。
      • 可能性を発揮しつつ新たな価値を創出し続けることができる多様で持続可能な都市や地域が全国各地に生まれることで、あらゆるステークホルダーにとって人間としての活力を最大限発揮できるような持続的な生活基盤を有する社会を目指している。
      • 知のフロンティアを開拓する多様で卓越した研究成果を生み出すため、研究者が一人ひとりに内在する多様性に富む問題意識に基づき、その能力をいかんなく発揮し、課題解決へのあくなき挑戦を続けられる環境の実現を目指している
      • 昨今、ビッグデータ等の多様なデータ収集や分析等が容易となる中、シミュレーションやAIを活用したデータ駆動型の研究手法が拡大している。このことは、社会全体のデジタル化や世界的なオープンサイエンスの潮流により、研究そのもののデジタルトランスフォーメーション(研究DX)が求められているといえる。さらには、新型コロナウイルス感染症を契機として世界的にも研究DXの進展が加速しており、我が国においても重要なキーワードとなる研究データの管理・利活用促進や研究DXを支えるインフラストラクチャ―の整備を進めるなど、研究DXがもたらす新たな社会の実現に向けた研究システムの構築に取り組んでいる。
      • 多様な知の結節点であり、最大かつ最先端の知の基盤である大学はSociety 5.0を牽引する役割を求められている。不確実性の高い社会を豊かな知識基盤を活用することで乗りきるため、個々の強みを伸ばし、各大学にふさわしいミッションを明確化することで、多様な大学群の形成を目指している。

      【農林水産省】

      【2022年5月】

      農林水産省 令和3年度 食料・農業・農村白書(令和4年5月27日公表)
      ▼令和3年度 食料・農業・農村白書の概要
      • 新型コロナウイルス感染症による影響が継続
        • 新型コロナウイルス感染症は、2021年においても、我が国の経済・社会に大きな影響
        • 2021年の外食産業全体の売上高は、緊急事態宣言が解除された直後の10月以降にやや回復傾向を示すも、2022年1月にまん延防止等重点措置が適用され再び減少傾向。特にパブ・居酒屋で売上は大きく減少
        • 外食需要を始めとした業務用需要の減少の影響が様々な品目で継続。生乳については、生産が好調な一方、外食やお土産等の業務用需要が回復しておらず、需給緩和が継続。年末年始等に、乳製品工場をフル稼働させても処理不可能な生乳の発生のおそれがあったが、消費拡大に向けた業界を挙げた取組と消費者の協力により回避
        • 花きについては、全体として需要は回復傾向にあるが、イベント等の中止・縮小等により、業務用を中心に需要の減少が継続
        • 米については、中食・外食向け需要が減少している状況が継続
        • 砂糖については、国内消費量が減少傾向の中、外食、インバウンド需要の減少により影響
        • 外国からの渡航者への入国制限措置により、外国人技能実習生等の入国者数は大幅に減少する中、国内の技能実習生の在留延長等により、外国人材の総数は前年とほぼ同じ水準
      • みどりの食料システム戦略に基づく取組が本格始動
        • 我が国の食料・上と持続性の両立をイノベーションで実現させるため、2021年5月に「みどりの食料システム戦略」を策定
        • 14の数値目標(KPI)を掲げ、その実現に向けて、行動変容、革新的な技術・生産体系の開発等と社会実装を、時間軸を持って進めていくことが重要
        • 全国各地で意見交換を実施するとともに、2021年9月の国連食料システムサミットにおいて、持続可能な食料システムの構築を進めていく旨を発信
        • 戦略実現に向け、食の幅広い関係者が一堂に会する官民円卓会議を設置するとともに、「環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案(みどりの食料システム法案)」を2022年2月に国会に提出
      • 農林水産物・食品の輸出額が1兆円を突破
        • 2021年の農林水産物・食品の輸出額は、前年に比べ25.6%増加の1兆2,382億円となり、初めて1兆円を突破。品目別では、外食需要が回復し、またEC販売が好調だった牛肉・日本酒や、贈答用・家庭食需要が増加したりんごの輸出が増加。国・地域別では、ホタテ貝や日本酒・ウイスキー等のアルコール飲料の輸出が増加した中国向け等が増加
        • 2021年度は、福島第一原発事故に伴う輸入規制措置がシンガポール、米国で撤廃、EU、台湾等で緩和。動植物検疫協議では、ベトナムが日本産うんしゅうみかんの輸入を解禁等
        • 日本の生産額に占める輸出額の割合は他国と比較しても低い分、輸出増のポテンシャルは高い。2025年に2兆円、2030年に5兆円の輸出額目標の達成に向けて、マーケットインの体制整備が不可欠であり、輸出にチャレンジする産地・事業者の支援、オールジャパンでの輸出の取組や海外での支援体制が不十分であること等が課題
        • 2021年12月に改訂した輸出戦略に基づき、米や青果物など品目ごとに、生産から販売までに至る関係者が連携し、輸出促進を図る法人を「品目団体」として認定する制度の創設、輸出事業に必要な設備投資への金融・税制の支援拡充等を含む「農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律等の一部を改正する法律案」を2022年3月に国会に提出
      • スマート農業・農業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進
        • 農業・食関連産業のDXを進めるため、2021年3月に公表した「農業DX構想」に基づき、農業・食関連産業の「現場」、農林水産省の「行政実務」、現場と農林水産省をつなぐ「基盤」の整備について、39の多様なプロジェクトを推進
        • 2019年度から全国182地区で先端技術を活用したスマート農業実証プロジェクトを実施。労働時間の削減効果が確認される
        • 一方で、実証での課題を踏まえ、「スマート農業推進総合パッケージ」に基づき、農業支援サービスの育成、農地インフラの整備、学習機会の提供等を推進
        • 2021年度から農林水産省共通申請サービス(eMAFF)による行政手続のオンライン化の本格的な運用を開始。2022年度末までに3,000を超える行政手続の全てをオンライン申請できるよう目指す
      • 新たな国民運動「ニッポンフードシフト」を開始
        • 2021年度から、食と農のつながりの深化に着目した官民協働で行う新たな国民運動「食から日本を考える。ニッポンフードシフト」を開始
        • 次代を担う1990年代後半から2000年代生まれの「Z世代」ターゲットとして、全国各地の農林漁業者の取組や、地域の食や農山漁村の魅力を発信。賛同する企業・団体等の推進パートナーとともに官民一体となって国民運動を推進
        • 高校生参加型のテレビ番組企画、47都道府県の新聞社と連携した広告企画、吉本興業株式会社と連携した動画の発信、食や農にまつわる雑誌の特集、ファッションやマンガ等を切り口にしたイベントの開催等、多様な角度から国民運動を展開
      • 加工食品の国産原料使用の動きが拡大
        • 食品製造事業者において、加工食品の原料に国産を使用する動きが拡大
        • 全ての加工食品を対象とした原料原産地表示制度の経過措置期間が終了し、2022年4月から義務化。輸入原料から国産原料への切替えを後押し・消費者を対象とした調査によると、割高でも国産品を選ぶと回答した割合は5割。食品製造事業者による国産原料使用の広がりが期待
      • 半農半Xなど多様な農業への関わり方が展開
        • 地方公共団体や農協等により、ここ数年、都市から農村に移住し農業と別の仕事を組み合わせた「半農半X」や、農業を組み合わせたワーケーション、労働力募集アプリを活用した1日単位での農業アルバイト等、多様な農業への関わり方が展開
        • 今後、このような新たな動きが更に広がり、農業現場での短期的な労働力不足の解消に寄与するとともに将来的な就農にもつながっていくことが期待
      • 変化する我が国の農業構造 今後に向けて
        • 我が国農業の持続的な発展のためには、若年層等の農業従事者の確保・定着と併せ、農業従事者1人1人がより大きな役割を担っていくことが必要
        • 経営耕地面積に占める主業経営体と法人経営体の割合が増加傾向で、大規模層では農業所得も大きくなっていることなどから、法人化・規模拡大の取組は今後とも重要。一方で、経営耕地面積に占める65歳以上の農業従事者の割合は依然として大きく、地域農業を維持する観点から、これら農業従事者の果たす役割は引き続き大きい
        • 品目構成においては米の割合が減少し、畜産や野菜の割合が増加傾向で、若年層の割合が畜産や野菜部門で高く、1経営体当たりの生産農業所得は米以外の産出額が大きい県の方が大きいことから、需要の変化に応じた生産の取組は今後とも重要
        • このようなこれまでの変化の傾向は、現場の取組が反映されたものであり、今後の持続可能な農業構造の実現に向けての大きな方向性を示す道標となると考えられる
      • 食料の安定供給の確保
        • 2020年度の食料自給率は、供給熱量ベースでは米の消費が減少したこと等から、前年度に比べ1ポイント低下し37%。生産額ベースでは鶏肉、豚肉、野菜、果実等の生産額が増加したこと等から、前年度に比べ1ポイント上昇し67%
        • 供給熱量ベースの食料国産率(飼料自給率を反映しない)は前年度同の46%。飼料自給率も前年度同の25%
        • 食料の潜在生産能力を表す食料自給力指標は、いも類中心の作付けでは推定エネルギー必要量を上回る一方、米・小麦中心の作付けでは下回る水準
        • 食料自給率の向上に向け、担い手の育成・確保や農地の集積・集約化等による国内生産基盤の強化とともに、国産飼料の増産・利用拡大による飼料自給率の向上、加工・業務用需要や海外需要への対応、食育や地産地消等の消費面の取組も推進
        • 食料自給力指標も長期的に低下傾向にあり、農地・労働力の確保、単収・生産性の向上に取り組み食料自給力を維持向上
        • 穀物等の国際価格は、主要輸入国における需要の増加等により上昇傾向で推移。特に小麦については、北米での不作等に加え、ロシアのウクライナ侵略により、2022年3月に過去最高値を記録
        • FAO(国際連合食糧農業機関)が公表している食料価格指数は、2022年2月に食料品全体で141.4を記録し、前年同月比で21%上昇
        • この他にも、海上運賃等の上昇等、様々な要因の影響を受け、食料の輸入価格は上昇傾向
        • 世界的な食料価格の上昇は、国内の食料価格にも影響。国内における食用油や小麦粉等の食料の消費者物価指数は上昇傾向で推移。
        • ロシアによるウクライナ侵略等も踏まえ、国内への影響を注視していく必要
        • 我が国の主要農産物の輸入構造は、少数の特定の国への依存度が高く、輸入相手国との良好な関係の維持・強化等を通じた輸入の安定化や多角化、国内の農業生産の増大に向けた取組が重要
        • 食料供給を脅かす新たなリスクに適切に対応するため、緊急事態食料安全保障指針を改正。「早期注意段階」を新設し、情報の収集・分析・発信を強化
      • 災害からの復旧・復興や防災・減災、国土強靱化等
        • 地震・津波災害からの復旧対象農地1万9,660haでは除塩や畦畔の修復等が進められ、2022年3月末時点で95%の農地で営農再開が可能
        • 地震・津波災害からの復旧に併せ、農地の大区画化を実施
        • 原子力被災12市町村では約6,577haの農地で営農を再開。営農再開の加速化に向けて、市町村に農林水産省職員を派遣するとともに、福島復興再生特別措置法による特例措置等を活用した農地の利用集積、生産・加工等が一体となった高付加価値生産を展開する産地の創出を支援
        • 放射性物質を理由に福島県産品の購入をためらう人の割合は7%。風評の払拭に向け「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」に基づいて情報を発信
        • 近年は毎年のように日本各地で大規模な自然災害が発生。我が国の農林水産業では農作物や農地・農業用施設等に甚大な被害が発生
        • 令和2年7月豪雨により被災した東北・東海・九州地方などの農地・農業用施設については順次復旧工事が進み、2022年2月時点で、災害復旧事業の対象の約6割が完了。被災した農業用機械や農業用ハウスについては、同年3月時点で約9割が復旧が完了
        • 2021年の農林水産関係の被害額は1,955億円。同年7月に発生した「令和3年7月1日からの大雨」や同年8月に発生した「令和3年8月の大雨」により、広範囲で河川の氾濫による被害が発生
        • 令和3年7月1日からの大雨等の災害に対しては、早期の激甚災害指定により、農地・農業用施設の災害復旧事業について、地方公共団体や被災農業者等の負担を軽減
        • 国土強靱化対策を推進するため、2020年12月に閣議決定した「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に基づき、2021年度から2025年度までの5か年を対象に、農業水利施設等の耐震化、排水機場の整備・改修等のハード対策とともに、ハザードマップ作成等のソフト対策を適切に組み合わせ、防災・減災対策を推進
        • 農業者自身が自然災害等のリスクに備えるため、農業共済と収入保険への加入を促進
        • 園芸施設共済について、メニューの見直しを行い農業者の加入を推進した結果、2020年度の加入率は66%。更に農業者の加入を促進
        • 農業者自身による農業版BCP(事業継続計画書)の策定につながるよう、チェックリストと農業版BCPのフォーマットを作成し、普及を推進

      【総務省】

      【2022年6月】

      総務省 偽・誤情報に関する啓発教育教材「インターネットとの向き合い方~ニセ・誤情報に騙されないために~」等の公表
      • 総務省では、メディア情報リテラシー向上の総合的な推進に資する目的で、メディア情報リテラシー向上施策の現状と課題等に関する調査を実施するとともに、偽・誤情報に関する啓発教育教材等を開発しました。
      • 今般、本調査の結果を取りまとめた報告書及び開発した偽・誤情報に関する啓発教育教材とその講師用ガイドラインを公表します。
      • 経緯・内容
        • 偽・誤情報(害を与える意図で作られた虚偽の情報及び意図性のない誤った情報)の流通の問題の顕在化をはじめとする、インターネット上で流通する違法有害情報の問題については、こうした情報を発信する側に対する対応のみでは十分ではなく、受信するユーザーの側のメディア情報リテラシー(メディアリテラシーと情報リテラシーを統合した概念であり、ニュースリテラシーやデジタルリテラシーといった他の様々な関連するリテラシーの概念を包含する)の向上を促すことが必須とされています。
        • こうした課題に対処するため、総務省では、関連する海外の政策動向等を調査した上で、関連する知見を有する有識者の参画を得て、我が国における偽・誤情報対策を中心としたメディア情報リテラシー向上施策の課題と解決策や、メディア情報リテラシー向上施策のあるべき方向性について検討を行いました。また、有識者による議論も踏まえ、偽・誤情報に関する啓発教育教材とその効果検証手法を開発し、これらを用いた講座をモデル的に実施しました。
      ▼別紙1 メディア情報リテラシー向上施策の現状と課題等に関する調査結果報告
      • OECDが発行する「PISA in Focus 2021/113(May)」では、「Are 15-year-olds prepared to deal with fake news and misinformation?」をテーマに、OCED諸国において生徒が偏った情報を見抜く方法を学校で学ぶ機会があること(横軸)と、事実と意見を区別することに関する評価の正答率(縦軸)に強い関連があることが示されている。
      • 日本は、偏った情報を見抜く方法を学校で学ぶ機会はOECD平均より高い。事実と意見を区別することに関する評価の正答率はOECD平均程度であった。
      • 有識者からは、偽情報を取り巻く情報環境、教育現場の状況、目的・学習目標について、対象層、教材、実施方法等、多岐にわたる意見を得ることができた。
      • このうち偽情報を取り巻く環境の現状と課題として、「情報生態系全体が汚染されており、ミスインフォメーション、ディスインフォメーション、マルインフォメーションが混然一体となり、大量に流れていること。」、「学校の先生も困っているが「何をやればよいかわからない」状況にあること」、「米国では図書館でリテラシー講座を開催したり、学校で図書館と連携してリテラシー教育を実施していること」、「受講を考えていない人に、いかに受講してもらうかが課題であること」等が指摘された。
      • また教材に関連するものとして、「日本の情報の生態系を理解する必要があること」、「自らの情報摂取の偏り状態をまず知ること」等の意見を得た。
      • 東京大学の鳥海不二夫教授から「自分が情報的な意味で健康状態にあるかを把握できるようにすることが重要である」との発言があった。このことについて、鳥海教授が作成した「エコーチェンバー可視化システムβ版」が参考となる。本ツールで分析をおこなうと、自身がTwitterでどこのコミュニティに属しており、どのくらい偏りがあるかを知ることができる。「あなたはこういう状況です」ということを伝え、利用者がどうするべきか自己判断できるようにすることを目的として開発された。
      • 構成員、ゲストスピーカーから、教育現場の状況、対象層、方向性、啓発教育教材、教材内で扱う事例、教育手法、効果測定手法、展開方策等の点から多くの示唆を得ることができた。例えば、教材の方向性では「受講者が知っているレベルに到達し、社会機運を広めることがゴールとなること」や、「到達目標をきちんと定めることが大切であること」や、「自分も間違える可能性があることを理解する重要さ」について議論がなされた。また、「受講して自信を持ち、大丈夫と思われてしまうことが危ない」と、留意すべき点がある旨意見が出された。啓発教育教材では「騙される・騙されないという二分法ではなく、グレーゾーンの情報がたくさんあること」を伝えることになった。
      • 有識者からは、「意識の高い人は情報を探して受講するだろう。そうではない人にいかに受講してもらうようにするかは課題。目につく場所への講座情報の提示が必要ではないか」との意見が出された。英国「Online Media Literacy Strategy」では従来のメディアリテラシーの取組にあまり関心がなく、従来チャネルを通じてリーチが難しい対象者へリーチすることが難しいことを課題視しており、対策の必要性について認識を有する。仏国「Information Manipulation: A Challenge for Our Democracies」においては、テレビを含む様々なメディアを活用することに言及している。具体的には、YouTubeの動画の前に啓発メッセージを流したり、SnapchatやInstagramなどのデジタルプラットフォームからプライベートメッセージとして送信したりすることを例示していた。
      • (全体)「過去に自分が誤った情報を発信していたかもしれないと感じた」を除いて、全て「やや当てはまる」以上の人が90%を超えており、講座によって大きく意識が変化したことが分かる。発信に関して相対的に少ないのは、そもそもソーシャルメディアで発信していない人も少なくないことが影響していると考えられる。「今後注意できそうだと感じた」「判別能力を伸ばしたいと感じた」は特に多かった。(グループ別)学生と成人に大きな違いはない。強いて挙げると、相対的に、学生は過去のこと(誤った情報を信じていたかもしれない・発信していたかもしれない)の項目で「当てはまる」がやや少なく、今後のこと(注意できそうだ・能力を伸ばしたい)は「当てはまる」が多かった。
        1. 成熟したICT利活用が行われる社会の実現に向けた取組への展
          • 偽・誤情報対策等の「ICT利活用の負の側面」に着目したメディア情報リテラシー教育の必要性は論じるまでもない。近年欧米では、ICTの利活用を前提としてメリットとデメリットを評価しつつ、ICTを最大限活用しようとする「デジタル・シティズンシップ」の考え方に基づく取組が進められている。
          • デジタル・シティズンシップとは、ユネスコでは次のように定義している。「情報を効果的に見つけ、アクセスし、利用、創造する能力であり、他の利用者ととともに積極的、批判的、センシティブかつ倫理的な方法でコンテンツに取り組む方法であり、そして自分の権利を意識しつつ、オンラインおよびICT環境に安全かつ責任を持って航行する能力である。」
          • デジタル・シティズンシップは欧米において2010年頃から普及してきた。昨今の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う家庭学習においてICTの利用機会が増えたことや、オンライン上で偽・誤情報が増加したことを受けて、改めて注目が集まっている。
          • なお、本調査において開発した啓発教育教材で扱ったメディア情報リテラシーは、デジタル・シティズンシップを構成する要素の一つに位置づけられている。
          • 我が国でも、この考え方を踏まえて、情報を効率的に収集・作成するため情報端末等の様々なデジタルツールを自らの判断で使いこなして、学び、創造し、社会に参加できるようになる必要があるであろう。
        2. マルチステイクホルダーの参加による取組
          • 先行事例をみると、学術研究機関や、NPO、民間事業者(プラットフォーマー)等の各主体がリテラシー向上のための講座を作成して実施者になっているケースが見られた。今後我が国においても、様々なステイクホルダーが集まり、共同でメディア情報リテラシーの意義や重要性を情報発信して雰囲気を醸成しつつ、取組を展開することが望ましいであろう。
          • 産学官民による多様な視点により講座が企画・検討されることでバランスの取れた内容となる。また、教育機関においてリテラシー講座の実施を検討する際にも、事業者単独で作られた講座よりも、多様な主体による講座の方が関わりやすい(例:導入したり、参加したりする)と思われる。
          • なお、様々な主体が集まり協働を進めるため、事前に、取組の目的や推進に当たっての考え方(例:事業者主体での推進を政府が支援する)等を示すことが重要である。こうすることで、各主体は取組目的や自らの役割について検討・理解した上で参加できるようになる。
          • また、取組を継続的に展開していくうえで担い手やコスト負担をどのようにするのかも議論が必要である。先行事例をみると、政府などの公共部門が国民への教育としてコスト負担する場合や、プラットフォーマーが自主的にコストを負担し取組を支える場合があった。
        3. 幅広い世代等を対象としたメディア情報リテラシー向上施策の充実
          • 偽・誤情報の対策にはリテラシーの向上のための教育が重要であり、本調査においては、生活の中でインターネットを活用する高校生以上の若年層から成人世代までを対象とした啓発教育教材の開発を行った。
          • 偽・誤情報やネット詐欺等は、若年層・成人世代のみが騙されるものではなく、例えば、高齢層も騙されるものであるため、幅広い世代を対象とした施策の充実が不可欠である。
          • ICT分野の新技術・サービス等が次々と出現して利活用が進むと、それに伴い社会・経済・生活も変化する。新たなICTに関する知識やスキルを習得し続けることによって変化に適用しやすくなると言われている。義務教育や基礎教育の修了後にも学ぶことができるリカレント教育の必要性が指摘されており、各世代等が必要に応じてメディア情報リテラシーを学び直すことができる環境を整備することが重要であろう。
        4. 対象者別に接しやすい実施環境・方法の提供
          • 居住する地域にかかわらず、全国で全世代がインターネットを利用するようになっている現状を踏まえれば、メディア情報リテラシー向上施策は、プラットフォーマーなどの民間事業者等によるリーチが届きやすく、かつ、取組に積極的な学校等が所在している都市圏のみでの取組だけでは不十分であり、公的なサイトを通じたオンラインによる講座の提供等により、町村部も含め全国でメディア情報リテラシー向上施策にアクセスできるようにすべきであろう。
          • 先行事例をみると、メディア情報リテラシーをオンラインを通じて自主学習できるようにしていたり、教材情報が一元化されているケース等が確認できた。
          • 一方で、オンライン実施のみに限定するのではなく、オンラインへのアクセスが難しい人々にとってもなじみやすい場所や方法で講座が提供されるべきであろう。
          • 例えば、大人や高齢者等に接点のある図書館や地域公共施設(公民館、福祉施設等)や民間事業者の店舗等、身近でアクセスしやすい既存施設を実施会場とした、対面型の講座の開催もありうるであろう。
          • そのためには、まずは次年度以降、こうした既存施設を用いて、メディア情報リテラシーの向上に資する施策の実証等の取組を進めていくべきではないか。
          • また、できるだけ多くの受講希望者がメディア情報リテラシーを学ぶことを目標とした場合、金銭的負担が難しい人や、機器を操作することが難しい人でも学べるような環境・方法を用意することで受講数拡大に寄与する可能性がある。
          • 対象者にあった実施環境・方法について十分な検討を行うべきである。
        5. SNS等の運営事業者からの講座企画者にむけたデータ提供
          • 今後もSNS等の新たなサービスが市場に提供され、利用されることが考えられる。これらの変遷を踏まえた講座内容にすることも重要である。
          • 講座内容の検討にあたっては、対象とするSNS等の利用のされ方等、データに基づく実態把握が基本となる。そのため、SNSを運営する事業者から講座企画者に対し、実態を理解するのに役立つデータが提供されることが望ましいであろう。

      総務省 「消費者保護ルールの在り方に関する検討会 苦情相談処理体制の在り方に関するタスクフォース」報告書の公表
      ▼別添2 報告書概要
      • 新たな苦情相談処理体制についての考え方
        1. スコープ
          • 基本的な考え方
            • 新たな苦情相談処理体制に期待されることは、業界として対応することによる効果的な事案の解決。
            • 取り扱う事案の範囲は、①複数の事業者で起こり得る事案であること、かつ②一定の客観的な判断が可能な事案であることが適当。
            • 具体的には、解約忘れ・解約の誤認、心当たりのない料金請求、MNPを利用した際の電話番号喪失など
          • 隣接領域に関する事案
            • 隣接領域(端末やアプリ、コンテンツ等)は、電気通信事業法の適用が及ぶ範囲を除き基本的には取り扱わないことが適当。
            • ただし、可能な範囲で通信・端末・アプリ等の責任の切り分けまでは行うことが適当。
            • 事案を扱うことが適切と考えられる他機関の把握ができた場合には、必要に応じて当該機関と連携して事案の解決に当たることも検討。
          • 法令等違反行為を含む事案
            • 主たる争点が法令違反の有無である事案については、取り扱わず総務省へ情報提供することが適当。
            • 主たる争点が料金の減免や返金額等である事案については、取り扱うことが適当。
            • 苦情相談が寄せられた段階では、必ずしも主たる争点が明らかではない場合も多いことに留意して対応。
        2. 機能
          1. 基本的な考え方
            • 新たな苦情相談処理体制に期待されることは、既存の仕組みの隙間を埋め、電気通信サービスの利用者の利益をより適切に確保すること。
            • 求められる機能は、当事者の間に入っての調整や解決のモデルケース(典型的な事案の解決例)の提示等。
            • 電気通信事業者協会から、(a)個別事案における調整・提案、(b)業界全体の改善に向けた検討への貢献、(c)類似事例の対応時に参照できる事例の公表を自主的な取組として実施する旨提案。
            • この提案は、新たな苦情相談処理体制の機能として適当。
          2. 事例の公表
            • 機能の実効性確保のためには、事例の公表が必要。
            • 事業者の営業秘密の保護等に留意しつつ、相場観や判断要素(例: 解約忘れのケースにおける返金基準や返金結果)が明らかになるよう工夫することが適当。
          3. 実効性の確保
            • 電気通信事業法第27条において既に一定の苦情等処理義務が課せられているため、更なる義務の導入等の必要性は、一定の事例の蓄積を待って判断することが適当。
            • 当面は現行制度を前提とした手法(例:紛争処理に応じない事業者の公表等の措置)によることが適当。
        3. 体制
          1. 基本的な考え方
            • 迅速に設置可能で運営も柔軟に見直せるため、まずは業界団体に閉じた体制とすることが適当。
            • 具体的な事案解決の積み重ねの中で、必要があれば業界横断的な体制とすることについて検討。
          2. 販売代理店との間に生じたトラブルの扱い
            • 電気通信事業者は、少なくとも契約締結に係る説明義務等の履行においては、販売代理店の行為についての責任が生じ得る。また、電気通信事業法第27条の4により電気通信事業者は販売代理店に指導等の措置を講じる義務がある。
            • 基本的には、販売代理店との間で生じた電気通信サービスに関するトラブルも当該販売代理店の契約の媒介等によるものに関しては、電気通信事業者との間に生じたトラブルとして取扱うことが可能。
          3. 中立性・公正性の確保
            • 人員の規模・構成、費用負担方法、運用方法等は、事業者団体の裁量に任せることが適当だが、他方で、中立性・公正性の確保が重要。
            • 苦情相談処理体制の構成員等に、中立・公正な立場の第三者が参画。
            • 監督当局に定期的に実施状況や課題等を報告し、監督当局がモニタリングを実施。
          4. その他の留意事項
            • 消費者の申立手数料は基本的に無料が望ましい。
            • 申立件数が過剰になることを防ぐ観点から、消費者の直接申立ではなく、例えば、苦情相談の受付者により対象となり得るか判断することや、予め明確化した事案類型に該当する場合に紹介するなど、申立件数のコントロールも一案。
        4. 他機関との連携等
          • 電気通信事業分野におけるトラブルの適切かつ効果的な解決の観点からは、関係各機関が相互にトラブルの解決に向けた連携を図ることが重要。
          • 寄せられた苦情相談を取扱対象外と整理した場合の適切な相談先への紹介や、特定の苦情相談が急増した場合等の情報提供のため、関係各機関と円滑な連携のための具体的な手順等を検討することが適当。
          • 電気通信事業分野に関する技術、法制度、紛争事例等について、関係各機関との勉強会の実施等による情報共有が望まれる。
      • 今後の進め方
        1. 試行的取組(トライアル)としての開始
          • 試行的な取組(トライアル)として開始し、期待する効果が得られるかを検証することが適当。
          • ただし、苦情相談処理の実施とその効果検証を踏まえて体制を適切に強化し、必要かつ十分な事案を取り扱うようにすることが適当。
          • 新たな苦情相談処理体制は、個別事案の円滑な解決が主目的ではあるものの、事例の蓄積を通じて政策形成等にも寄与することも期待。
          • 同様の紛争が多数見込まれる事案や、多くの事業者において生じ得る事案であって争点や解決の程度を明確に示せるものを少数取り上げて深く考察することが適当。
        2. 自主的な取組としての開始
          • 事業者団体の自主的な取組という形で開始し、事例の蓄積と効果の検証を通じ、あるべき姿を見出すことが適当。
        3. 中立的かつ透明なプロセスでの効果検証
          • トライアルについては、広く国民に周知のうえ、その実施状況や効果・課題等について、「消費者保護ルールの在り方に関する検討会」等の場において継続的に検証することが適当。
          • 十分に効果的に機能していない場合やその要因として制度的課題があることが判明した場合には、ガイドライン等で解釈を示すことや法令自体の見直しを含め、必要な措置を検討することが適当

      総務省 販売代理店の業務の適正性確保に向けた措置の実施等に係る要請
      • 総務省は本日、株式会社NTTドコモ(代表取締役社長 井伊 基之)、KDDI株式会社(代表取締役社長 髙橋 誠)、ソフトバンク株式会社(代表取締役社長執行役員兼CEO 宮川 潤一)及び楽天モバイル株式会社(代表取締役社長 矢澤 俊介)並びに一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会(会長 金治 伸隆)に対して、携帯電話の販売代理店の業務の適正性確保に向けた措置の実施等について要請を行いました。
      • 電気通信事業法(昭和59年法律第86号。以下「事業法」という。)第27条の3では、モバイル市場の公正な競争環境を確保するため、通信料金と端末代金の完全分離等を内容とする規律を定めており、携帯電話事業者及び販売代理店においてその遵守が求められています。
      • 昨年、総務省において、株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社及びソフトバンク株式会社の販売代理店を対象に、事業法第27条の3の規律の遵守状況に関する実態調査を実施したところ、相当程度の販売代理店において、規律の趣旨に反する端末販売拒否が確認されました。これを踏まえ、令和3年5月25日に3社及び一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会に対して、また同年9月17日に3社に対して、所要の要請を行いました。
      • 本年も同様の調査を実施したところ、昨年の調査結果と比較して全体的に改善傾向は見られるものの、上記3社の販売代理店において、事業法第27条の3の違反と判断される又は違反が疑われる事案が確認されました。
      • また、新たに調査の対象とした楽天モバイル株式会社の販売店及び販売代理店においても、事業法第27条の3の違反と判断される事案が確認されました。
      • 電気通信事業者の販売店及び販売代理店においてこのような不適切な行為が行われた場合、公正な競争の促進や利用者利益の保護に著しい支障を来すおそれがあります。
      • このため、本日、総務省では、株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社、ソフトバンク株式会社及び楽天モバイル株式会社並びに一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会に対して、販売代理店の業務の適正性確保に向けた措置の実施等について要請を行いました。

      総務省 サイバーセキュリティタスクフォース(第39回)
      ▼資料39-1 「ICTサイバーセキュリティ総合対策2022」(案)
      • 社会に大きな影響を与えたサイバー攻撃事例としては、2021年11月に公立病院がランサムウェアに感染して電子カルテシステムが一時使用できなくなった事例や、2022年2月に大手自動車メーカーのサプライチェーンに属する部品メーカーがランサムウェアに感染して当該大手自動車メーカー全体の工場稼働が停止した事例等が挙げられる。我が国全体として、地域や業種、事業規模を問わず、サイバー攻撃のリスクが高まっていると言える。
      • 世界全体でも、ロシアによるウクライナ侵略等の国際社会における安全保障を巡る状況の緊迫化に伴って、各国で政府機関や重要インフラを狙った攻撃が多く発生している。米国及びEU等は、2022年2月に、ロシアがウクライナ侵略と同時に、欧州にある米国企業が管理する通信衛星用の地上アンテナ等に対してサイバー攻撃を行ったとして、同年5月に、ロシア政府を非難する共同声明を発表した。
      • また、米国では、2021年5月にパイプライン企業がランサムウェアに感染してパイプラインを一時停止した事例などを受けて、10月に、日本を含む30か国以上が参加するランサムウェアの脅威に対するための国際会議を開催し、ランサムウェアを「世界的な脅威」であるとする共同声明を発表した。
      • こうした状況を踏まえ、総務省を含む関係省庁では、重要インフラ事業者や地方公共団体等に対して、2022年2月23日、3月1日、3月24日、4月25日の4度にわたって、リスク低減のための措置、インシデントの早期検知、インシデント発生時の適切な対処・回復などを内容とするサイバーセキュリティ対策の強化を求める注意喚起を行った。政府機関や重要インフラ事業者、地方公共団体をはじめとする企業・団体等においては、引き続き、サイバー攻撃の脅威に対する認識を深めるとともに、適切な対策を講じることが求められる
      • 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を背景として、テレワークやクラウドサービスの利用が更に拡大し、また、ネットワークに接続されるIoT機器数も引き続き増加している中、我が国のインターネット上を流通するトラヒックの推定量はここ3年で2倍以上に増加しており、社会全体のデジタル活用(依存)がますます進展している。
      • 上述のとおり、今やサイバー空間があらゆる主体が利用する公共空間となる中、国民生活や経済活動の基盤として、デジタル化を支える情報通信ネットワークの重要性は更に高まっている。2021年10月に大手携帯キャリアにおいて通信サービス障害が発生して、延べ約1290万人が影響を受けた事例、同年9月に大手クラウドサービスにおいて障害が発生し、金融機関や航空会社のサービスが影響を受けた事例に見られるように、情報通信ネットワークの機能に支障が生じた場合には、社会・経済に多大な影響が及ぶ状況となっている。
      • また、前述した国際情勢の変化に伴い、サイバー空間自体が、国家間の競争・衝突の場となる中で、情報通信ネットワークは、サイバー攻撃の標的や経路、偽情報(Disinformation)を流布する場にもなり得るとともに、市民の間でリアルタイムに情報を共有するためのツールにもなり得るものである。このような状況のもと、情報通信ネットワークの安全性・信頼性を確保することは一層重要となっている
      • サイバー空間を支える情報通信ネットワークは、国民生活や経済活動の基盤となるものであり、デジタル活用の進展とともに、その重
      • 要性が増している。「サイバーセキュリティ戦略」においても、国民が安全で安心して暮らせるデジタル社会の実現のため、「安全かつ信頼性の高い通信ネットワークを確保するための方策を検討する」こととされている。総務省では、これまでも、情報通信ネットワークのサイバーセキュリティ対策を推進してきたが、サイバー攻撃の大規模化・巧妙化・複雑化も踏まえ、今後、電気通信事業者を通じたネットワーク側の対策及び利用者を通じた端末(IoT)側の対策を中心として、施策を充実させることが求められる。また、広く普及が進むクラウドサービスや5Gサービスのセキュリティ確保、国内各地域において構築が進みつつあるスマートシティのセキュリティ確保、放送設備のセキュリティの確保に加えて、これらを横断する課題としてのサプライチェーンリスク対策などの取組を強化することが必要である。
      • 今後の取組
        1. サイバー攻撃に対する電気通信事業者の積極的な対策の推進
          • 2022年度に実施する、電気通信事業者による積極的なサイバーセキュリティ対策に関する実証事業については、以下のとおり、成果を踏まえて新たな内容を盛り込みつつ、2023年度も引き続き実証事業を継続することが適当である。
          • フロー情報分析によるC&Cサーバ検知の手法については、検知精度の高度化を図るとともに、検知結果の電気通信事業者間の共有の実証を行う。
          • 悪性Webサイトの検知技術・共有手法については、悪性Webサイト情報の収集・分析を継続するとともに、収集・分析結果を実際のセキュリティサービス等に活用した際の効果検証を行う。
          • RPKI、DNSSEC、DMARC等のネットワークセキュリティ技術については、我が国では広く電気通信事業者等に普及するには至っていない状況にあるところ、実証事業によって、技術的な観点にとどまらない普及の方策等を検討する。
          • また、通信の秘密に配慮しつつ、より迅速な電気通信事業者によるサイバー攻撃対策を実現するために、今後、既存の法的整理に関する現状及び課題や諸外国における法制度の状況を整理した上で、制度改正の必要性も含め検討を行うことが適当である
        2. 電気通信事業者におけるガバナンス確保
          • 電気通信事業ガバナンス検討会等における議論を踏まえ、現在国会審議中の「電気通信事業法の一部を改正する法律案」が成立した場合には、必要な下位法令の整備を行う。
        3. 5Gセキュリティガイドラインの普及等
          • 2022年4月に公表した「5Gセキュリティガイドライン第1版」について、国内の5Gオペレータへの普及を図り、5Gネットワークのセキュリティの確保を進めるべきである。その際、オペレータ等によるデューデリジェンスを促し、ベンダーをはじめとする5G技術サプライヤを含め、5Gサービスのサプライチェーン全体のセキュリティ確保に取り組むことが適当である。また、ITU-TSG17における標準化対象の一つとして、同ガイドラインをベースとした勧告化の提案を進めていくべきである。さらに、NICTに構築された5Gセキュリティ検証環境については、今後もNICTや我が国の産業界において活用がなされるよう、検討を進めていくことが重要である。これらの推進にあたっては、国際的にも進展のみられる基地局設備のインターフェースのオープン化や基地局設備自体の仮想化(いわゆるOpenRANやvRAN)、コアやMECを含めたクラウド(IaaS)利用も念頭に置くことが適当である。
        4. 5Gのセキュリティの促進のための政策的措置
          • 引き続き5Gの制度面において、サイバーセキュリティ上のサプライチェーンリスク対策等の、安全性・信頼性等の確保された5Gの導入促進を行うことが必要である。
        5. 情報通信分野におけるSBOM導入の可能性の検討
          • Apache Log4jなど広く利用されているソフトウェアの構成部品の脆弱性への対処が重要となる中、ソフトウェア製品の構成部品を管理して脆弱性に迅速に対応することを可能とする仕組みであるSBOM(Software Bill of Materials)について、情報通信分野における導入の可能性を検討していくことが適当である。また、広く普及する通信用アプリケーション等に関する利用上の注意の在り方を検討していくことが適当である。
      • サイバー空間と実空間が高度に融合したSociety5.0の実現のためには、「誰が」、「何を」、「いつ」という実空間の構成要素を正しくサイバー空間でも再現することが必要であり、データの改ざんや送信元のなりすまし等を防止する仕組みであるトラストサービスの重要性が高まっている。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、あらゆるやりとりをデジタル完結する要請が高まる中、データを安心・安全に流通できる基盤の構築が不可欠であり、トラストサービスが重要な役割を果たすことがより一層期待されているところである
      • サイバーセキュリティは国家の基幹を守るもので、国際競争力の強化のほか、経済安全保障の観点からもサイバーセキュリティ産業の強化・育成は必須である。他方、我が国のサイバーセキュリティ製品・サービスは、海外製品や海外由来の情報に大きく依存しており、国内のサイバー攻撃情報等の収集・分析等が十分にできていない。そのため、製品・サービスの開発に必要なノウハウや知見の蓄積が困難となっている。また、我が国のサイバーセキュリティ人材は質的にも量的にも不足しており、人材育成を全て国で実施することは困難であるため、民間事業者や教育機関等における自立的な人材育成が求められる。しかしながら、演習用の環境構築やシナリオ開発には高度な知識や技術力、そして基盤となる計算機環境が必要であり民間企業・教育機関のみでは十分に対応できていない。これらについては、「サイバーセキュリティ戦略」においても、「こうした状況を打破する取組の一環として、サイバーセキュリティに関する情報を国内で収集・蓄積・分析・提供していくための知的基盤を構築」、「社会全体でサイバーセキュリティ人材を育成するための共通基盤を構築し(中略)産学に開放する。」と記載がなされている。これらの状況を踏まえ、我が国の企業を支えるセキュリティ技術が過度に海外に依存する状況を回避・脱却し、我が国のサイバー攻撃への自律的な対処能力を高めるためには、国内でのサイバーセキュリティ情報生成や、人材育成を加速するエコシステムの構築が必要である。
      • サイバー空間は国境を越えて利用される領域であることから、サイバーセキュリティの確保のためには国際連携の推進が必要不可欠である。そのため、各国政府・民間レベルでの本分野における情報共有や国際標準化活動への積極的な関与を進めていく必要がある。また、国際的なサイバーセキュリティ上の弱点を減らし、日本を含む世界全体のリスクを低減させる等の観点から、インド太平洋地域を含む開発途上国に対する能力構築支援を行い国際的な人材育成への貢献を図るほか、国内企業のサイバーセキュリティ分野における国際競争力の持続的な向上を図る取組も推進することが重要である。
      • 事業者向けの普及啓発としては、サイバーセキュリティに関する予算、人材、知見が不足する傾向がある「中小企業等」や、都市部と比べサイバーセキュリティに係る人材育成や情報共有の機会が少ないと考えられる「地域」を主なターゲットとして、テレワークにおけるサイバーセキュリティの確保の推進や、地域におけるセキュリティコミュニティの強化を進める必要がある。また、サイバー攻撃被害を受けた組織における適切な情報の取扱いに資するため、サイバー攻撃被害に係る情報の共有・公表に関して、実務上の参考となるガイダンスの策定に向けた取組等を引き続き推進することが求められる。

      総務省 プラットフォームサービスに関する研究会(第37回)配布資料
      ▼資料1 プラットフォームサービスに係る違法・有害情報(誹謗中傷、偽情報)への対策に関する主な論点(案)
      • 今後の取組の方向性
        1. 違法・有害情報対策全般
          • インターネット上の誹謗中傷や偽情報といった違法・有害情報の流通に関しては、依然としてSNS等のプラットフォームサービスの影響が大きく、プラットフォーム事業者を中心とした対応が求められる。
          • しかしながら、現在のインターネット環境においては、CDN事業者によるコンテンツのキャッシュや、ホスティング事業者によるコンテンツのホストなど、ネット環境の担い手が多岐にわたっており、情報の削除や発信者特定など、違法・有害情報対策の実務では、これらのネット環境の複雑化に伴う実効性の低下等が問題となっている。また、プラットフォームサービス以外の、中小の掲示板や、まとめサイト等のミドルメディアにおける違法・有害情報も問題となっている。
          • したがって、プラットフォームサービス以外の、CDN・ホスティング(クラウドサービス)・アプリマーケット・ミドルメディア等も射程に含め、コンテンツ流通メカニズム全体を踏まえながら、引き続き違法・有害情報対策に関する検討を行っていくことが必要ではないか。
          • さらに、ヘイトスピーチ・部落差別・性被害・自殺誘引等、様々な類型の違法・有害情報が問題となっていることから、これらの誹謗中傷や偽情報以外も含む違法・有害情報全般について対策を行っていくことが必要ではないか。
          • インターネット上の誹謗中傷や偽情報といった違法・有害情報の流通に関しては、プラットフォーム事業者において、自社サービス上でどのような違法・有害情報が流通しているのか、自ら実態把握とリスク評価を行うことが必要ではないか。
          • 総務省は、誹謗中傷といった違法・有害情報の流通について、相談機関等における相談件数や相談内容に関する傾向の把握や、目撃経験や被害経験に関するユーザ調査等を通じ、実態把握を継続して行うことが必要ではないか。
          • ユーザ自らが望ましいと判断する情報環境を目指すための環境整備が重要ではないか。
          • 個人がデジタルを通じて自身が触れる情報の自律的なコントロールを可能にするための環境整備が重要ではないか。
            1. 鳥海教授発表(第35回会合)
              • アテンションエコノミーの経済圏においては、プラットフォーマ側からみるとより多くのユーザのアクセスを集め、ユーザ側からみると欲しい情報の収集の効率化につながるため、短期的には双方にメリットが生じるが、長期的・社会的には、エコーチェンバーやフィルターバブルの発生によって、インフォデミックやフェイクニュースの拡散、社会的分断といった問題を生じる。
              • この状況について、食をアナロジーに捉え、自らを律して健康的な食事を実現することで長期的な健康維持のために短期的な欲望に勝つように、情報についても、自らが摂取する情報について長期的な利得のための短期的なアテンションに勝つという、情報的健康を考えることができるのではないか。
              • どのような状態が情報的健康であるかについて定義は容易ではなく、どのモデルケースを目指すかは個人の自己判断であるが、複数のモデルケースが提示可能ではないか。また、個人がそのモデルケースを目指すためにも、例えば、情報カロリー表示*1や情報ドック*2といった個人が今どのような状態にあるかを可視化することなどを通じた支援が必要であり、個人が摂取する情報に関する自分自身の状況を理解することが必要となる。
              • *1 情報のメタ情報の提示。例えば、新聞社やメディアの透明性などの評価を提示する機能やニュースがSNS上でどのように理解されているかを提示する機能。
              • *2 人間ドックのような情報的健康度の可視化。例えば、エコーチェンバー可視化システムやYahoo!ニュース検診。
              • この実現のためには、プラットフォームが有するデータの活用が不可欠である。多様な情報をみるユーザの方がサービス継続率が高い可能性があることなども踏まえ、プラットフォーマーによる協力が期待される。
            2. 山本構成員発表(第35回会合)
              • 憲法の「知る権利(知る自由)」は、(1)「さまざまな」意見等に接し、これを摂取する自由であると解されており、また、(2)「さまざまな」意見を摂取する自由の目的は人格発展と民主主義の原理の実現とされている。情報的健康は「さまざまな」情報をバランス良く摂取することでフェイクニュース等に対する免疫を獲得している状態と暫定的に定義づけられるが、「さまざまな意見、知識、情報」を摂取することを、国家に強制されてはならない。国家が、何が健康的な情報で何が不健康な情報かを定義してはならず、国家に求められるのは、多様な情報へのアクセスの機会を保障することであり、コンテンツに立ち入らないことが重要。
              • フィルターバブルやエコーチェンバーは、ユーザが、フィルターバブルに他律的に閉じ込められると、自己決定の機会や人格発展の機会がそがれ、民主主義や国家安全保障にも関わる問題を生じうる。大規模なプラットフォーム事業者には、フィルターバブルによる弊害を防止する措置をとることが期待される。また、ファクトチェック団体との緊密な連携とファクトチェック記事の効果的な表示が期待される。さらに、コンテンツの表示順位を決定するアルゴリズムやパラメータの透明化が必要である。この透明化を図ることで、悪質なアルゴリズムを用いていることが判明した事業者はユーザ市場やメディア等の記事配信・提供先から淘汰されることが期待される。
              • その他、経営とコンテンツの編成の間にファイアウォールを設けることで、コンテンツの提供・配信等について、経営側や社外のステークホルダーによる不当な干渉を阻止することが期待できるのではないか。また、個人データの収集やUIなどにユーザの基本的人権を侵害する不適切なものがないかをチェックする多様な分野の専門家から構成される倫理審査委員会を設置するべきではないか。配信元の妥当性などを監督するコンテンツ審査委員会の設置も期待される。
              • また、自社サービス上で発生している問題の実態を適切に把握する必要があり、調査の結果は営業秘密に抵触しない限り定期的に公表し、生データを含む詳細は報道機関や研究者と共有されるべきではないか。
              • これらの取組をどこまで法律で強制するかは慎重な議論が必要だが、少なくともプラットフォーム間の競争に委ねるための前提となる、当該プラットフォームの取組に関する透明性(情報開示)については、法律で要請する必要がある。その他の取組は基本的にプラットフォームの自主性を尊重しつつその効果等を外部から検証・監査する共同規制的アプローチが考えられる。
            3. ユーザに対する情報モラル及びICTリテラシーの向上のための啓発活動
              • それぞれのユーザが他人を個人として尊重し、SNSを始めとするインターネット上での自らの書き込みに対して他人が傷つく可能性を想像し、誹謗中傷を行わないよう心がけるなど、ユーザ自身の情報モラルが最も重要である。誰もが誹謗中傷の加害者になり得るし、誰もが偽情報を拡散する可能性があることを認識することが重要である。
              • 実態把握や分析結果に基づき、産学官民が連携し、引き続きICTリテラシー向上施策が効果的となるよう取り組み、体系的で多元的なリテラシー啓発を実施することが必要ではないか(分析結果の例:ごく少数の者がネット炎上によるネット世論を作る、書き込む動機は正義感、多くの人は自分が誹謗中傷を書いていると気づいていない、等)。
              • 総務省は、これまでのe-ネットキャラバン等の青少年向けの取組に加え、大人も含め幅広い対象に対してICTリテラシー向上のための取組を実施することを検討していくことが必要ではないか。様々な主体により行われている既存リテラシー施策について整理し、様々な主体の連携を促進することが必要ではないか。こうした総務省及び各ステークホルダーによる取組状況を把握し評価を行うことが必要ではないか。
              • 普及啓発を実施するにあたっては、ユーザのどのような行動変容を促すのかといった目標の設定と効果分析の仕組みを設けることが重要ではないか。
              • 個人が自分自身の触れる情報について自覚的になることへの支援が重要ではないか。その際、国が個人に対して、どのような情報が健康的であるかといった内容を押しつけることがあってはならない。
            4. 違法・有害情報全般に共通する対応
              • 誹謗中傷や偽情報以外も含む違法・有害情報全般(ヘイトスピーチ・部落差別・自殺誘引等)に共通する対応として、まず、違法な情報に対して、プラットフォーム事業者をはじめとするサイト運営者は、プロバイダ責任制限法による免責規定や民間団体が策定するガイドラインを踏まえ、迅速に削除等の対応を行うことが求められるのではないか。
              • 法務省人権擁護機関等の関係機関からの削除要請を受けた場合には、それらの手続の正当性や専門性も踏まえ、迅速に削除等の対応を行うことが求められることから、プラットフォーム事業者は、要請された内容に関するポリシーに基づく措置や我が国におけるトラステッドフラッガーの仕組みの導入などについて検討することが望ましいのではないか。
              • プラットフォーム事業者・総務省・法務省人権擁護機関による実務者検討会の継続的な開催等により、削除に関する違法性の判断基準・判断方法や個別の事業者における削除実績等について関係者間で共有し、行政側・事業者側双方の削除に関する対応についての透明性を向上させ、円滑な削除対応を促進することが必要ではないか。
              • 個別の書き込みが違法な情報か有害な情報かの判断が難しい場合も多いこと等を前提に、違法ではないが有害な書き込みについては、自らのポリシーや約款に基づき、適切に削除等の対応を行うことが求められるのではないか。
              • 削除以外にも、それぞれのサービスの特性に応じた、アーキテクチャ上の工夫による違法・有害情報対策を進めることが期待されるところ、ヒアリング結果を踏まえ、特に一定の短期間に大量の誹謗中傷が集まった場合に、既存の機能・取組において効果的な対応が可能なのかという点について自ら検証を行い、仮に効果が見られない場合には、更なるアーキテクチャ上の工夫の導入について検討を行うことが望ましいのではないか。
            5. プラットフォーム事業者による取組の透明性・アカウンタビリティの向上
              • ヒアリングによると、プラットフォーム事業者の誹謗中傷への対応に関する透明性・アカウンタビリティ確保状況は、前回ヒアリング状況から一部進展が見られるものの、一部項目において、依然、透明性・アカウンタビリティの確保が十分とは言えない状況ではないか。
              • 我が国において、コンテンツモデレーションが過不足なく実施されているかに関する透明性・アカウンタビリティ確保が図られていない事業者に関しては、特に透明性・アカウンタビリティ確保の取組を進めることが強く求められるのではないか。
              • 国は、引き続きプラットフォーム事業者等による自主的な削除等の対応を促進すべきではないか。ただし、プラットフォーム事業者等に対して削除義務を課すことや、個別のコンテンツを削除しなかったことに対して罰則等を設ける法的規制を導入することは極めて慎重な検討を要するのではないか。
              • 総務省は、プラットフォーム事業者によるコンテンツモデレーションが過不足なく行われているかに関する検証可能性を確保する観点から、行動規範の策定及び遵守の求め又は法的枠組みの導入等の行政からの一定の関与を検討することが必要ではないか。
              • 自由放任モデル、伝統的規制モデル、共同規制モデルについて、実効性や表現の自由の侵害のおそれなどの観点から比較したとき、共同規制モデルを基本に透明性確保のための枠組みを検討するのが最も適切ではないか。
              • (1)リスクベースアプローチに基づく検討、(2)特に、リスクの大きい巨大プラットフォームサービスについて、自らのサービスのリスク評価の実施及び結果の公表、(3)リスクを低減するための合理的・比例的・効果的な対応の実施とその結果及び効果の公表、(4)政府及び外部研究者等による継続的なモニタリング、(5)モニタリングを可能とするデータ提供、といった大枠としての共同規制的枠組みの構築を前提に検討を進めることが適当ではないか。
              • 総務省は、プラットフォーム事業者による自らのサービスに関するリスク評価やその低減のための措置と効果、結果等に関して、プラットフォーム事業者の取組状況に対する政府及び外部研究者による継続的なモニタリングを可能にするための枠組みを設ける必要があるのではないか。
              • 総務省は、継続的に国際的な法的規制枠組みの検討状況を把握し、国際的対話を深めていくことが適当ではないか。グローバルにサービスを提供するプラットフォーム事業者における適切な対応について、諸外国の情報通信担当部局等と連携しながら、実効的な対応を検討していくことが必要ではないか。G7における成果文書等も踏まえ、グローバルにサービスを提供するプラットフォーム事業者の透明性・アカウンタビリティ確保に関して、海外政府や国際機関における議論と協調して実施することが重要ではないか。
              • プラットフォームサービス以外のサービス(CDN・ホスティング(クラウド)・アプリストア等)における違法・有害情報対策に係る取組についても、必要に応じて今後ヒアリングを行い、透明性・アカウンタビリティ確保を求めていくことが望ましいのではないか。また、その必要性を判断するための実態の把握が必要ではないか。
              • ヒアリング結果によると、AIの活用に関して、各社において深層学習を用いた自然言語処理モデルを活用した違法・有害情報への対応がすでに進められていることから、引き続き、これらの取組を進めることが有用ではないか。他方で、AIの活用によるオーバーブロッキング等の懸念もあることから、AIの活用に関して具体的な透明性・アカウンタビリティ確保を図っていくことが望ましいのではないか。
              • 具体的なモニタリング事項や法的枠組みの検討に関しては、既存のヒアリングシートを基本として、プラットフォーム事業者と対話を行いながら検討することが適当ではないか。より適切な指標や項目があると考えられる場合には、プラットフォーム事業者は、自らのサービスの特性を踏まえ、代替案となる指標や取組を積極的に示すことが望ましいのではないか。
            6. 発信者情報開示関係
              • 改正プロバイダ責任制限法の施行に向けて、関係者及び総務省の間で、具体的な運用に関する協議を継続することが必要ではないか。
              • その際、現在のインターネット環境においては、CDN事業者によるコンテンツのキャッシュや、ホスティング事業者によるコンテンツのホストなど、ネット環境の担い手が多岐にわたっており、情報の削除や発信者特定など、違法・有害情報対策の実務では、これらのネット環境の複雑化に伴う実効性の低下等が問題となっていることを踏まえ、プラットフォームサービス以外の、CDN・ホスティング(クラウドサービス)事業者等も含めた協議を継続するべきではないか。
              • 円滑な発信者情報開示制度の運用にむけて、プラットフォーム事業者は、2.(2)に記載の透明性・アカウンタビリティ確保の取組の中で、削除件数以外にも、我が国における発信者情報開示に関する請求や開示件数等について集計・公開することが望ましいのではないか。また、総務省は、法務省や裁判所等と連携し、行政側でも現行制度及び新制度に関する発信者情報開示の件数等を把握することが求められるのではないか。
            7. 相談対応の充実
              • 違法・有害情報相談センターにおいて、引き続き被害者救済のための運用を着実に行うとともに、ユーザビリティに資するシステム更新等を随時検討していくことが望ましいのではないか。
              • 総務省は、複数の相談機関間における連携強化を一層深めていくことが必要ではないか。
              • また、相談を必要としている被害者に対して違法・有害情報相談センター等の必要とされる相談機関の相談窓口に関する情報が届くよう、複数の相談窓口の案内図について広く周知を行うなど、引き続き、被害者にとって相談窓口を分かりやすく示すための取組を行うことが必要ではないか。
            8. 透明性・アカウンタビリティ確保の重要性について
              • 多くのユーザが自由な情報の発信・受信を可能にするプラットフォーム事業者は、自社サービス上で誹謗中傷や偽情報といった違法・有害情報も多く流通する中、情報が流通している状況を覚知した場合には、削除やアカウントの停止、ラベルの付与等のコンテンツモデレーションを実施するなど、情報流通の適正について一定の責任を果たすことが期待されるのではないか。一方で、プラットフォーム事業者は、ユーザによる表現を預かる立場でもあり、ユーザの表現の自由の尊重について一定の責任を果たすことが期待されるのではないか。
              • また、プラットフォーム事業者は、サービスの特性や誹謗中傷等の情報がユーザに与えるリスクを分析した上で、文化的、社会的、政治的背景を踏まえた、コンテンツモデレーションの実施に係るポリシーの設定とその実施に必要な体制の構築をはじめとするリソースの確保や、自社サービス上で生じた紛争解決のための発信者情報開示などの裁判手続きへの適切な協力などが期待されるのではないか。こうしたコンテンツモデレーションについては、削除以外の手法による対応も含め、事業者による自律的な創意工夫による対応が行われることが望ましいのではないか。
              • すでに大規模なプラットフォーム事業者では、誹謗中傷等の不適切な情報への措置を講じる必要性が認識されており、あらかじめ対応方針や基準となるポリシーを自主的に設定し、投稿の削除やアカウントの停止等のコンテンツモデレーションを行っている例が見られる。こうした措置については、措置の対象とされるべき情報に対して確実に措置が行われることが望ましい一方で、行過ぎた措置や恣意的な措置といった不適切な運用によってユーザの表現の自由が損なわれることがないよう、過不足なく実施される必要があるのではないか。
              • 違法・有害情報への対応が、対応されるべき情報が適切に対応されるとともに、ユーザの表現の自由に対する過度な制約とならないように、過不足なく行われるためには、ポリシーの設定状況やその運用状況、対応結果といった項目に関する透明性を確保し、「言論空間のガバナンスに対するガバナンス」、プロセスの透明性を確保することが必要ではないか。
              • その透明性の確保にあたっては、大規模なプラットフォームサービスが情報流通について公共的役割を果たしていることからも、当該サービスのユーザだけではなく、すべての者からの検証可能な環境が確保される必要があるのではないか。
              • また、透明性の確保にあたっては、サービス上における誹謗中傷の発生件数等の流通実態やその抑制のための対策とその効果に関する総量的な数値等の把握というマクロの観点と、個別具体の誹謗中傷等の情報に対する権利回復のための裁判手続きへの対応や、十分に措置が行われないケースや行過ぎた措置が行われたケースが発生した場合の反論や異議申し立ての機会の確保とその対応状況の把握というミクロの観点の両面から、ユーザ及びユーザ以外の者からの検証可能性の確保が必要ではないか。
              • プラットフォーム事業者は、G7における成果文書やサンタクララ原則のような国際的な議論を参考に、国別の数値やモデレーション実施に関する体制の確保などについて、透明性を確保することが望ましいのではないか。なお、サンタクララ原則は行政による規律のひな形ではないと言及されていることに留意する。
              • 透明性・アカウンタビリティ確保のための枠組みの方向性
              • これまで当研究会が実施してきた、大規模なプラットフォーム事業者に対する透明性・アカウンタビリティ確保に関する任意での回答の求めには、その回答状況には一部で進展が見られるものの、プラットフォーム事業者によるコンテンツモデレーションが過不足なく行われているかを判断するという観点からは、透明性・アカウンタビリティの確保について不十分な点があるのではないか。
              • 研究会において実施したモニタリングにおいて、プラットフォーム事業者による透明性・アカウンタビリティ確保の取組には進展が見られるところ、引き続きその取組に期待するとともに、透明性が確保されることが望ましい事項を明確化することが望ましいのではないか。また、プラットフォーム事業者による透明性・アカウンタビリティの確保について、一過性のものではなく継続的に行われることが担保されることが必要ではないか。
              • また、プラットフォーム事業者に対して対応状況等に係る透明性確保や報告を求めることについては、プラットフォーム事業者側からの予見可能性確保の観点からも、行動規範の策定及び遵守の求めや法的枠組みなどの根拠に基づき行われる必要があるのではないか。
              • プラットフォーム事業者による透明性に関する報告等について、コンテンツモデレーションが過不足なく実施されているかを把握するために透明性が十分確保されているか、ユーザやユーザ以外の者にとって判断可能な内容となっているか、ユーザがリスクを十分に理解・受容した上でサービスを利用できる環境が整っているか、継続的に把握し、評価する仕組みが必要ではないか。
              • 以上を踏まえ、コンテンツモデレーションが過不足なく行われていることがユーザやユーザ以外の者に対しても明らかになるように、総務省は、透明性・アカウンタビリティの確保方策に関する行動規範の策定及び遵守の求めや法的枠組みの導入等の行政からの一定の関与について、具体的に検討を行うことが必要ではないか。
              • この際、表現の自由や検閲の禁止といった規定に十分に留意する必要があるのではないか。また、国は、ユーザやプラットフォーム事業者に対して投稿の削除を義務づけることについて、過剰削除の懸念から表現の自由の萎縮の観点から、引き続き、極めて慎重であるべきではないか。
              • プラットフォーム事業者によるコンテンツモデレーションが過不足なく行われているかの検証可能性を確保するためには、
              • 1 誹謗中傷等に関するポリシー
              • 2 一般ユーザからの申告や削除要請に対応する部署・チームや日本国内の拠点・責任者
              • 3 削除等への苦情等対する苦情受付態勢及び苦情処理プロセス
              • 4 日本における削除要請件数や削除件数
              • 5 発信者情報開示の件数
              • 6 取組の効果分析
              • 7 透明性レポートの公開
              • といった要素について、当研究会において実施したヒアリングシートの項目を中心に、海外における透明性確保に係る議論において対象とされる情報などを参考にしつつ、透明性を確保すべき対象情報について、プラットフォーム事業者の自主的な取組を尊重しながら、透明性・アカウンタビリティが確保されるべき最低限の項目が示される必要があるのではないか。
              • 透明性が確保すべき情報については、機械可読な形で、標準化され相互運用性のある形で透明性が報告されることが重要ではないか。
              • G7における成果文書等も踏まえ、グローバルにサービスを提供するプラットフォーム事業者においては、グローバルのみならず我が国における透明性・アカウンタビリティ確保が行われることが重要ではないか。
            9. 水谷准教授発表(第31回会合)
              • デジタル革命以降、万人が公平に利用可能な情報発信、受信のインフラが登場したものの、思想内容から刺激の競争を背景に情報資本主義、アテンションエコノミーが到来し、それまで憲法学と親和的であったはずの思想の自由市場は機能不全に至り、民主主義を支える熟議が機能しにくくなっている。
              • デジタルプラットフォーム事業者(DPF)は、自身のユーザに対して、心地よく場を利用してもらうため、ひいては自らの経済的な利益のために場の管理等を行い、ユーザが「知るべき」よりもユーザが「知りたい」情報をDPFが「設計した場」に流通させている。ユーザの自由は、DPFの「手のひらの上の自由」となっている。近年、DPFは、自身が定めるルールとその実行組織などを備えた、オンライン言論の新たな統治者(the New Governors)と評されている。
              • DPFは、コンテンツモデレーションについて、その規模の大きさとツールの問題から、AIを用いた自動化と、個人の権利よりもリスクと利益を重視する確率論とシステミックな発想に基づいて実施する。こうしたシステミックな手法においては、必然的に生じるエラーを許容した上でガバナンスの設計に組み込むことが重要。
              • これらを踏まえ、今後、憲法学においても、「オンライン言論ガバナンスに対するガバナンス」が重要であり、特に、プロセスの透明性を高め、その設計がユーザにとって正統性を有するものかと問う、DPFに対するデュープロセス的観点が重要となる。その観点からの国際的な議論としては、市民団体や学識者によるマニラ原則とサンタクララ原則が策定されており、DPFが果たすべき透明性と説明責任に関する基本原則が議論されている。
              • 現代においても政府による発信者に対するコンテンツ規制の対象拡大や厳罰化には慎重を期すべきであり、デジタルプラットフォーム事業者に対する特定のコンテンツ削除義務を課す手法についても、デジタルプラットフォームの「検閲代理人化」とオーバーブロッキングの懸念がある。
              • DPFによるオンライン言論ガバナンスは、削除に限らない様々な手法を駆使できる利点があり、事業者の機能的な「自律性」を認めつつ、政府はDPFのプロセスの透明性や適正性の実現を促進し、ひいてはDPFによるユーザの統治の「正統性」を確保するためのルール形成に注力するべきである。また、政府自身もDPF規制に関しての透明性を確保しなければならない。
            10. 曽我部教授発表(第35回会合)
              • SNS事業者は、情報流通の媒介者であり社会的責任として、利用者の表現の自由の尊重が求められる一方で、違法・有害情報の流通も当然想定される中での情報流通の適正について一定の責任が求められる立場である。また、基本権や憲法上の権利の主体でもあり、SNS事業者に規制を課す場合には法律の根拠を有する。
              • 規律の構想にあたっては、国家・事業者・個人の三面関係を踏まえることを要する。(国民は国家とPFに対する表現の自由を主張しうる立場、PFは国民に対する利用規約やアーキテクチャによる規制等と国家に対する表現の自由と営業の自由を主張しうる立場、国家は国民に対する一般法に基づくPF上の行動の規制とPFに対する削除義務などの直接的な義務づけ等の規律を主張しうる立場)
              • 誹謗中傷対策には、総量を減らすというマクロの視点と、個別の被害救済というミクロの視点がある。このマクロの視点には3つのモデルが考えられる。
                1. 自由放任モデル:特段の規律を設けず、一般法(民法、刑法など)の規律に委ねる。
                2. 伝統的法規制モデル:(監視義務や)削除義務を課し、その違反には責任を問う。
                3. 共同規制(規律された自主規制)モデル:情報流通の適正確保の義務を課し、透明性の確保等を通じ担保。
              • 自由放任モデルには、違法・有害情報も含む情報の拡散力の飛躍的向上やアテンションエコノミーの発生、法執行の困難性、思想の自由市場のフィクション性の顕現による国家の介入による自由な言論空間の確保の必要性などの観点から課題がある。伝統的法規制モデルには、行政による表現内容への介入のおそれや執行リソースの大きさや、判断の困難性と過剰削除のおそれや削除以外の対応という事業者の創意工夫の余地を阻害する点から課題がある。
              • 共同規制(規律された自主規制)モデルでは、透明性・説明責任の義務を通じて、情報流通の適正確保の義務の担保を図る。通報窓口や異議申し立てなどの体制の整備など、具体的な取組に関して義務づけるか事業者の創意工夫に委ねるかについては、事業者に対する予測可能性や過剰・過少削除のおそれの観点からバランスを図る必要がある。近年の欧州の立法などをみても透明性確保による情報流通の適正確保はトレンドといえる。透明性の確保は、国民による監視機能の強化や義務違反の制裁の容易化の効果があり、政府による評価はこれを補助する。放送法における番組準則を各事業者が定める規律に、共同規制モデルは一定の類似性がある。
        2. 偽情報
          1. 自主的スキームの尊重
            • 民間による自主的な取組を基本とした対策を進めていくとともに、総務省はモニタリングと検証評価を継続的に行っていくことが必要ではないか
          2. 我が国における実態の把握
            • PF事業者の認識や実態把握と調査結果とのギャップが生じていることから、プラットフォーム事業者は、自らのサービス上で生じている我が国における偽情報の問題について適切に実態把握を行い、研究者が分析を行うために必要な情報の無償で情報提供が行われることが望ましいのではないか
          3. 多様なステークホルダーによる協力関係の構築
            • 「Disinformation対策フォーラム」 「Innovation Nippon」等において継続的に議論・研究が行われることが望ましいのではないか
          4. プラットフォーム事業者による適切な対応及び透明性・アカウンタビリティの確保
            • プラットフォーム事業者は、リスク評価に基づき偽情報への対応を適切に行い、それらの取組に関する透明性・アカウンタビリティ確保を進めていくことが求められるのではないか
            • 総務省は、これらの取組に関するモニタリングと検証評価を継続的に行っていくことが必要ではないか。どのような方法や情報により偽情報への適切な対応が図られているかどうかを評価することが可能かについて引き続き検討が必要ではないか
            • 国は、引き続きプラットフォーム事業者等による自主的な削除等の対応を促進することとし、プラットフォーム事業者等に対して削除義務を課すことや、個別のコンテンツを削除しなかったことに対して罰則等を設ける法的規制を導入することは極めて慎重な検討を要するのではないか。
          5. 利用者情報を活用した情報配信への対応
            • 広告の種類・対応に応じてリスクや問題の差異を分析したうえで、特に、偽情報を内容とする広告の配信やターゲティング技術の適用については、そのリスクを踏まえ、より注意深い対応と、それに伴う透明性・アカウンタビリティ確保が求められるのではないか
          6. ファクトチェックの推進
            • プラットフォーム事業者・ファクトチェッカー・ファクトチェック推進団体・既存メディア等が連携し、取組がさらに進められることが期待さ
            • れるのではないか
            • 我が国におけるファクトチェック結果を積み重ねて分析を行うことにより、偽情報の傾向分析やそれを踏まえた対策の検討が行われ
            • ることが望ましいのではないか
          7. 情報発信者側における信頼性確保方策の検討
            • 現代のメディア環境に対応した情報の信頼性の確保の在り方について、既存メディア・ネットメディア・プラットフォーム事業者など関
            • 係者の間で検討を深めていくことが望ましいのではないか
            • ミドルメディアを中心とした偽情報の生成・拡散・流通メカニズムに関する実態把握と分析も踏まえ、検討を深めていくことが望ましいのではないか
          8. ICTリテラシー向上の推進
            • 偽情報の特徴を踏まえながら引き続きICTリテラシー向上施策が効果的となるよう取り組むことが必要ではないか
          9. 研究開発の推進
            • ディープフェイク等に対抗にするための研究開発や事業者の対応が進められることが望ましいのではないか
          10. 国際的な対話の深化
            • 偽情報に関する政策について国際的な対話の深化を深めていくことが望ましいのではないか

      総務省 消費者保護ルールの在り方に関する検討会(第40回)
      ▼資料1 販売代理店に関する調査結果及び事業者ヒアリングを踏まえた検討の方向性について
      • 「キャリアショップ店員に対するアンケート調査」(2022年1月実施)では、2021年6月以降も不適切な勧誘が広く行われていることが伺える結果となった。
        • 2021年6月以降、利用実態に合わない、あるいは利用実態を確認せずに上位の料金プラン等を推奨したことがあると回答した者は3割、不要と思われるようなオプションやアクセサリを推奨したことがあると回答した者はそれぞれ3割、2割であった一方、こうした勧誘を強く行ったことはないと回答した者は4割に満たなかった。
      • また、こうした行為は、行為を行った者の判断に基づき行われるケースは少なく、外的な圧力(携帯各社や販売代理店の営業目標、店長等の指示)に起因して行われるケースが大半を占めていることが伺える結果となった。
        • こうした営業の背景について確認したところ、店長や上司からの指示(5割)、販売代理店の経営層からの営業目標(6割)、キャリアからの営業目標(4割)が、自己判断(1割)を大きく上回った。
        • (自由記述において見られた声の例)
          • 営業目標を期限内に達成しないと店の存続ができなくなる。
          • 毎朝の朝礼で個人の目標達成具合が読み上げられる。自分だけ契約を取っていないと居場所がなくなる。
      • 販売代理店における適切な営業の確保に向けては、携帯各社において指導や監督が行われているほか手数料体系上も一定の対応がなされている。また、販売代理店においても、動画等を用いた研修が定期的に実施されたり、携帯各社と全国携帯電話販売代理店協会との間で定期的に苦情縮減会議が開催されたりするなど、一定の対策が講じられている。
      • 総務省に寄せられた情報を踏まえると、現行の手数料や評価の体系では、利用者の利益よりも、契約の獲得を優先せざるを得ないといった声があった一方、携帯各社からは、利用者の意向に沿った営業を促す一定の仕組みを設けているとの回答があった。
        • 【情報提供窓口等に寄せられた情報】
          • お客様満足度を上げてもポートインを上げないと代理店あて支援費は入らない。ポートインを上げてれば、満足度がどんなに低くても表彰され、代理店あての運営支援金も多くもらえる。
          • オプション等の加入率の評価指標が設定されている。この指標が不十分だと、キャリアから代理店に指導が入り、インセンティブを決める指標が下がるため、利用者ニーズに合わないオプション等を案内するしかない。
      • オプションサービスについて、利用者の関心等を踏まえて提案すること自体は望ましいが、関心がある消費者が必ずしも有料で契約する意思があるとは限らないことに留意する必要がある。
        • 【情報提供窓口等に寄せられた情報】
          • とあるコンテンツが好きかどうかという質問に対し、好きと答えたら同コンテンツの有料配信サービス(月額料金あり)に加入させられていた。
      • また、目標値が高すぎるという声が寄せられた一方、目標値を設定している事業者からは、当該目標値は過去実績や直近の市場環境等を踏まえて適正に設定している旨の回答があった。
        • 【情報提供窓口等に寄せられた情報】
          • キャリアから求められるポートイン評価指標が高くなっている。達成しないとショップに入る支援費が減ってしまう。ショップの運営を継続するには、利用者ニーズを逸脱した提案をせざるを得ない。
          • 行き過ぎた目標が設定され、お客様に意図しない提案や販売をお断りするケースがまだまだ散見される。
      • 出張販売は、店舗販売と比較して不意打ち的な販売になりやすい面があると考えられる。また、イベント会社から派遣される応援スタッフが不適切な営業を行う事例があるなど、店舗販売とは異なる類型の事案が発生すると考えられる。
        • 【情報提供窓口等に寄せられた情報】
          • 家族(高齢者)が、出張店舗で、携帯を無料で新しくするとだけ言われたとのことで機種変更をしてきた。後日、キャリアに確認したところ、料金が2倍以上になっていることが分かったが、料金増等の説明はなかった。
          • お客様が「追加で新規契約はしたくない」と頑なに断っているのにも関わらず、イベントで入っている業者が無理矢理契約させており、それを私達が登録している。毎週末、複数台、このような契約をさせられている。
      • 検討の方向性
        • 販売代理店において消費者保護ルールに違反する営業が行われないようにするため、携帯各社等においてはこれまで累次にわたる措置を講じてきた。しかし、こうした取組にもかかわらず、アンケートにおいて未だに広く不適切な行為が行われているという結果になったことを踏まえると、こうした状況を十分に改善するためには、これまでも行われてきた販売代理店に対する啓発や指導等の取組や、評価指標における従来の対応だけでは必ずしも十分と言えないのではないか。
          • ⇒ 携帯各社においては、新規契約の獲得だけでなく契約内容に対する利用者の満足度やその結果(例:継続利用率等)も大きく評価されるよう評価指標を見直すなど、販売代理店が適合性の原則に則って契約を締結することが十分に促される仕組みにする必要があるのではないか。
        • 目標値の適正性・合理性について、携帯各社と販売代理店との間の認識にギャップがあるのではないか。
          • ⇒ 携帯各社からは、販売代理店に対して丁寧な説明を行い理解を得ることが重要と考えている旨の回答があった。携帯各社においては、販売代理店との間の実質的なコミュニケーションを強化し、目標値の適正性・合理性について販売代理店の十分な納得を得るというプロセスが形式的なものにならないようにする必要があるのではないか。
        • 出張販売は、店舗販売と比較して消費者保護ルールに違反する営業が行われやすい形態であることを認識すべきではないか。
          • ⇒ 出張販売については、その特性を踏まえ、携帯各社においては販売代理店が丁寧に営業できるよう適切な支援を行うとともに、販売代理店においては適合性の原則に則った営業を行うよう取り組むべきではないか。
        • 上記について、効果的な取組が行われたかを事後的に検証することが適当ではないか。
          • ⇒ これまで実施したアンケート調査や情報収集について改善すべき点はあるか。また、適切な検証に向けて追加すべき調査はあるか

      【2022年5月】

      総務省 テレワークセキュリティに関する手引き(チェックリスト)第3版の公表
      • 総務省では、企業等がテレワークを実施する際のセキュリティ上の不安を払拭し、安心してテレワークを導入・活用していただくための指針として「テレワークセキュリティガイドライン」を策定しています。
      • また、中小企業等におけるシステム管理担当者を対象として、テレワークを実施する際に最低限のセキュリティを確実に確保してもらうための手引き(チェックリスト)等を策定しています。
      • 今般、より中小企業等のセキュリティ担当者等が活用しやすい文書・資料を目指し、(1)ユニバーサルデザインを意識して読みやすいデザイン・文言となるようチェックリストを改定するとともに、(2)従業員の方々が実際に活用可能な「従業員向けハンドブック」等を付録として作成いたしましたのでお知らせします。
      ▼中小企業等担当者向けテレワークセキュリティの手引き(チェックリスト)
      ▼従業員向けハンドブック(令和4年5月)
      ▼緊急時対応カード(A4版、10面ラベルシート用)(令和4年5月)
      ▼緊急時対応カード(A4版、12面ラベルシート用)(令和4年5月)

      総務省 サイバーセキュリティタスクフォース(第38回)
      ▼資料38-2 「ICTサイバーセキュリティ総合対策2022(仮)」の骨子(案)
      • 政府内におけるサイバーセキュリティに関する動向
        • 「サイバーセキュリティ戦略」の閣議決定(2021年9月)
          • “Cybersecurity for ALL”をコンセプトに、(1)DXとサイバーセキュリティの同時推進、(2)公共空間化と相互連関・連鎖が進展するサイバー空間全体を俯瞰した安全・安心の確保、(3)安全保障の観点からの取組強化を柱として策定されており、総務省として同戦略を踏まえた取組の推進が求められる。また、同戦略に基づき、重要インフラ行動計画の改定に向けた議論が進んでいる。
        • デジタル庁の設置(2021年9月)
          • 「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(2021年12月閣議決定)では「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」を進めることとされており、デジタル化の基本戦略の1つとしてサイバーセキュリティの確保を含む「安全・安心の確保」が掲げられている。
      • サイバーセキュリティ全般を巡る動向
        1. 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の終了
          • 大会運営に支障を生じるようなサイバー攻撃は確認されなかったが、本大会の教訓を踏まえ、我が国全体としてサイバー攻撃への対処能力の向上を図ることが重要。
        2. サイバー攻撃リスクの拡大
          • ランサムウェアやフィッシング報告件数の増加、NICTER観測のサイバー攻撃関連通信数の増加傾向、Emotet再拡大、ロシアによるウクライナ侵略などの国際社会における安全保障を巡る状況の緊迫化等、サイバー攻撃リスクは拡大している。政府としても、2022年2月23日、3月1日、同月24日、4月25日にサイバーセキュリティ対策の強化を求める注意喚起を行っている。こうした動向を踏まえ、政府機関や重要インフラ事業者をはじめとする企業・団体等においては、サイバー攻撃の脅威に対する認識をより一層深めるとともに、適切な対策を講じることが求められる。
        3. 情報通信ネットワークの重要性の更なる高まり
          • 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を背景としたテレワークの利用の拡大・定着など、デジタル活用がますます進展し、サイバー空間があらゆる主体が利用する公共空間となるとともに、国際社会における安全保障を巡る状況の緊迫化に伴い、国家間の競争・衝突の場となる中、情報通信ネットワークは、国民生活や経済活動の基盤としてその重要性が高まっていると考えられる。このような状況のもと、情報通信ネットワークの安全性・信頼性を確保することは一層重要となっている。
      • CYNEX(サイバーセキュリティ統合知的・人材育成基盤)等の推進
        • 我が国の企業を支えるセキュリティ技術について過度に海外に依存する状況を回避・脱却し、我が国のサイバー攻撃への自律的な対処能力を高めるべく、国内でのサイバーセキュリティ情報生成や人材育成を加速するエコシステムの構築を進めることとしてはどうか。
          1. 情報収集・分析
            • 取得情報の効果的な共有と適切な管理、育成人材の質の担保等にも留意しつつ、早期の本格稼働に向けて、システム基盤構築・運営環境整備をサイバーセキュリティタスクフォースに報告しつつ引き続き進める。
            • 産学官の関係性を深め、コミュニティの形成を積極的に推進し、これらの組織がより深い関係性と信頼を築けるよう運営する。
            • 国内のマルウェア感染状況について、利用者等からもリアルタイムかつ横断的な集約を可能とし、その分析結果を当該利用者等に対して迅速に通知するとともに、分析結果は国内のベンダー等がIoT機器やセキュリティ製品の開発に活かせる国内循環型のセキュリティ情報フレームワークについて検討する。
          2. 人材育成
            • 演習の実施に必要なデータセット、計算機リソース等を総合的にカバーするオープン型の新たな人材育成プラットフォームや、産学官の連携により当該プラットフォームを積極的に活用するためのコミュニティの支援も踏まえつつ、自立的な人材育成に向けた取組を進める。
      • 研究開発の推進
        1. NICTにおける研究開発
          • 巧妙化・複雑化するサイバー攻撃に対応した攻撃観測・分析・可視化・対策技術などの研究開発を引き続き実施する。
          • 耐量子計算機暗号等を含む新たな暗号・認証技術や高機能暗号技術の研究開発を実施し、成果普及を図る。
        2. 大学や民間企業における研究開発の支援等
          • 暗号技術に関し、主に安全性評価の観点から、2022年度末目途に予定されているCRYPTREC暗号リストの10年に一度の全面改定に向けた検討を進めるとともに、耐量子計算機暗号、軽量暗号や高機能暗号のガイドライン作成を行う。
          • Beyond 5G等の中長期的な技術トレンドを視野に入れつつ、以下のように、安全保障の観点を含む、
      • 国際連携の推進
        • 各国政府・民間レベルでのサイバーセキュリティ分野における情報共有や国際標準化活動への積極的な関与を進めるとともに、国際的なサイバーセキュリティ上の弱点を減らし、日本を含む世界全体のリスクを低減させる等の観点から発展途上国に対する能力構築支援を行うほか、国内企業のサイバーセキュリティ分野における国際競争力の持続的な向上を図る取組も推進することとしてはどうか
          1. 二国間連携
            • 総務省主催のICT政策対話等の経験を踏まえ、引き続き、情報の自由な流通という理念を共有する国を中心に、連携強化を図る。
          2. 多国間連携
            • 2023年のG7及びIGF(インターネットガバナンスフォーラム)の国内開催、Quadを通じた日米豪印の連携や、日ASEANサイバーセキュリティ政策会議を通じたASEANとの関係強化を踏まえ、引き続き、情報の自由な流通という理念を共有する国を中心に、連携強化を図る。
          3. ISAC間連携
            • ICT-ISACと米国IT-ISAC間でより効果的な情報共有の在り方を引き続き模索するとともに、EUをはじめとする他の国・地域のISAC関連組織との連携を促進する。
            • 日ASEAN情報セキュリティワークショップの経験を踏まえ、民間の脅威情報共有基盤を活用したASEAN地域のISP向けワークショップの在り方について検討を進める。
          4. 能力構築支援
            • 2018年設立の日ASEANサイバーセキュリティ能力構築センター(AJCCBC)におけるCYDER 等を引き続き実施する。
            • 「サイバーセキュリティ分野における開発途上国に対する能力構築支援に係る基本方針(サイバーセキュリティ戦略本部決定)」の方針に則り、AJCCBCが実施する研修参加者のすそ野拡大や、ASEAN以外のインド太平洋地域における能力に係る構築支援について検討を進める。
          5. 国際標準化
            • 「IoTセキュリティガイドライン」の国際標準化に向けた活動に引き続き貢献していくほか、 「自由、公正かつ安全なサイバー空間」という我が国の基本的理念に必ずしも整合的でない動きに積極的な対処ができるよう連携体制の強化に取り組む。
          6. 国際展開支援
            • ASEAN諸国を中心とした海外展開支援に係る調査等を踏まえ、「ICT国際競争力強化パッケージ支援事業」等の取組を通じ、我が国の成功事例の海外展開や製品・サービスの海外プロモーションを推進する。

      総務省 プラットフォームサービスに係る利用者情報の取扱いに関するワーキンググループ(第14回)
      ▼参考資料2 第12回会合における構成員からの主なご意見
      1. 利用者情報に関する技術動向及び業界団体による自主ルール等の状況
        • 位置情報に関しては、GPS・ビーコン・基地局情報以外にも、例えばQRコード決済やBluetoothそのものを使うケース等様々な方法があるため、今後追加の調査を検討いただきたい。【佐藤構成員】
        • Third Party Cookieの問題点は、人知れず自分の履歴が管理されて広告に使われているようなことだと思っている。その意味でも、世の中で様々進んでいる中で、かなり複雑なやり方や仕組みというものが、少しでも明るみに出たことは大きな成果だと思う。【高橋構成員】
        • 利用者情報の保護という観点から、データ処理の適切性が問われる。技術内容やガバナンスを継続的に見ていく必要がある。総務省の定期的なモニタリングという姿勢は重要。【高橋構成員】
        • Cookieの話でいうと、もちろん利用者情報の適切さということが狭義であるが、広い意味でいうと、結局ウェブ等々でどのようなエクスペリエンスが提供されるか、本人にいうどういう広告・コンテンツが見せられるのか、本人がどう関与できるか、目的は何か(ターゲティング・効果測定等)、個人として扱われるのか集団として扱われるのか、複雑な仕組みの中で誰が関与しているのか(ブラウザの情報を留めるのは本当に良いことなのか、データクリーンルームはどういう形でクリーンなのか)等、さらに明らかにするべき。【高橋構成員】
        • 位置情報について、スマートフォンの中でとても複雑なことが行われていることが明らかになった。測位の手段が多岐にわたり、電池の持ちやデベロッパの使い勝手も踏まえてスマートフォンでよしなに処理している。検索サービスなどの基本的サービスにも使われている。AppleやGoogleに邪悪な点は見受けられないが、スマートフォンによる位置情報の管理がプラットフォーム事業者に委ねられているため技術内容とガバナンスの双方から見ていく必要があると思う。【高橋構成員】
        • Google Analyticsの通知を行っているところはわずかということだが、十分な通知・公表を行っているベストプラクティスはあるのか。Googleサイドでウェブサイト管理者から通知・公表状況について報告を受けて改善につなげるなどの仕組みはあるのか。【古谷構成員】
        • ヨーロッパは常識的な範囲を超えて厳しいところがあるので、恐らく欧州司法裁判所までやると思われるので、最後まで見てから我が国も対応を考えたほうが良い、決定のレベルであまり振り回されないほうが良いと思う。【板倉構成員】
      2. プライバシーポリシー等のベストプラクティス及び通知同意取得方法に関するユーザー調査結果
        • 資料1-2の内容については、本当にすばらしいもので、最近行動経済学を利用した分野では自己効力感を利用されているが、恐らくここまで丁寧に調べていただいた資料はなく、特に自己効力感をパラメーターにとった点と、説明することによって利用者の利用有無を判断するだけではなく、企業への信頼・信用についても調査をしていただいた点は高く評価をするところ。ぜひこの結果を、本ワーキンググループだけではなく、様々な方法で社会に伝えていただくことが世の中のためになると思う。【佐藤構成員】
        • すばらしい調査であるため、情報通信白書への掲載なり情報処理学会などで論文にするなりして詳細を残してはどうか。事業者が懸命にやってきた努力を肯定するもの。効力感の高い人への効果とともに、自己効力感が高く、抵抗感が弱い人に工夫の効果が低かったので、どう対応していくべきかの示唆も得られた【高橋構成員】
        • ユーザーのタイプを分けているところが画期的である。ベストプラクティスはいっぱいあるわけで、プライバシーポリシーとその周辺をどうするかについての工夫というのもいっぱいあるわけだが、その中からどういうものを積極的に採用して、どういうものを工夫していくかを考えるときに、自分のサービスやコンテンツがどのようなユーザーを獲得しているのかにより、どのような施策をとるべきか作戦を考えられる点で、資料1-2の調査は有意義である。【森構成員】
        • タグと情報収集モジュールの認知度についての結果をお示しいただき、よく知っていると何となく知っていると合わせて全体で約3割ということだった。改めて低い認識。しかし、これはこういった調査の公表や法改正を通じてより広く知っていただき、議論をアップデートすべき。【森構成員】
        • 認知度の3割を今後どの程度上げられるのかが問題である。【石井構成員】
        • 実際に起こっていることと利用者が認識していることのギャップが大きい分野。事業者がどんなに工夫して説明しても利用者に判りにくいのは、主語が事業者だからではないか。利用者を起点にして、「あなたがWebサイトにアクセスすると、自分でアクセスしたと思っているWebサイト以外にも情報が行っている場合がある。それはどうすれば確認でき、止める方法はこう」など、利用者の身に起こっていることを理解してもらう工夫が必要であると思う。消費者庁が作成している「共創社会の歩き方 シェアリングエコノミー」のように、行政と業界とで協力し、本調査結果も活用して、利用者目線で、消費者相談員や学校の先生など相談を受ける立場の方が理解して説明できるようなレベル感の資料を作成してはどうか。【沢田構成員】
        • 調査結果についてのコメントだが、見方によっては自己効力感が低く抵抗感が弱い人に関して注目をすると、開示請求できる画面があろうが、同意のダッシュボードが提供されようが、それに対する利用意向も低く、企業に対する信頼度も上がらないという結果に見えてしまい、例えばそこだけを見ると、「こういうものを提供したところで意味ない」みたいなことを言ってしまう人もいるのではないかと思う。それをそのまま受け取ってしまうのは良くないというのは御説明の中でもあったが、恐らく自己効力感も低く抵抗感が弱い人というのは、データ利用を自分ごとにできていないのではないか。例えば、内定辞退問題の当事者になるといきなり抵抗感が強い人になるなど、対象者になった際にどう感じるかを踏まえておく必要がある。ただ、自己効力感が強くて抵抗感が強い人は、開示やコントロール、信頼性向上に意味があるということを示すことができたことは重要な示唆かと思う。【太田構成員】
        • 資料1-2の81ページ目について、外部サービスの名称を示すところで、外部サービスの名称を示すだけでは理解度や信頼度が上がらないという結果は、一覧で表示するだけではなく、オプトアウトの導線を示してコントローラビリティを持たせれば違う結果だったのではないか。【太田構成員】
        • 自己効力感が低く抵抗感が弱い方が、企業が工夫をすると結果的にはかえってマイナスになっている場合もあるということは、しっかりと原因を究明する必要があるのだろうと思う。感覚的にはそういった方たちにとっては余計なもの、うざいもの、かえってだまされているのではないかと思うとか、そういったことも想定されるような気はする。しかし、本当にそうなのかというところもきちんと調べておく必要があるのではないか。その上で、ここでの議論は関心が高い方を対象とした検討が中心になっていた。自己効力感が低くて抵抗感の弱い方についても議論を続けいただきたい。【寺田構成員】
        • 資料1-2の63ページにあるとおり、皆さんが工夫してきたことというのは効果があるものと思われる。これらの工夫をすることは、信頼性に寄与し、やることはむだではないということはガイドラインに入れても良いと思う。【板倉構成員】
        • どんな形で通知公表させるのか、並べるだけでは意味がないのではないか。見てもほぼ分からない、知らない事業者ばかりにならないか。せっかく入れたわけだから、効果的なものとする必要がある。【板倉構成員】
      3. スマートフォン上のアプリケーションにおける利用者情報の取扱いに係る調査・分析
        • アプリケーションのプライバシバシ-ポリシーについて、まだ低いレベルのところがある。ベストプラクティスの紹介だけではなく、底辺を上げる仕組みを検討する必要がある。国として指針を示す部分と、プラットフォーム事業者がアプリ事業者に指導する部分がある。プラットフォーム事業者にどう協力を求めるかも議論する必要がある。【佐藤構成員】
        • GoogleとAppleで、例えばアプリの事業者に対して、規制ではないが方針を示すことによって改善されていった、またそのアプリの先を先行していたというお話があったが、国として指針を示す部分と、プラットフォーマーがアプリ事業者なり、ほかのそこに関わるエコシステム上に指導していくところもあり得るため、我々がプラットフォーマーに対してどう改善を求めていくのか、規制する対象というよりは、ある意味規制を行う手段としてプラットフォームを捉えることも当然できるわけで、そのプラットフォーマーに対する我々に対する要望というものも、今後議論していかなければいけないと非常に痛感したところ。【佐藤構成員】
        • 実際にアプリ事業者が見ていて拘束力があるのはGoogleやAppleのデベロッパーガイドラインである。実際に何が動いているのかということは、消費者と事業者との間でギャップがあるが、プラットフォーム事業者は通知公表などをアプリ提供者に任せている。国として、アプリ事業者とともに、プラットフォーム事業者にも働きかけていく必要がある。【小林構成員】
        • 小林構成員からもあったように、それぞれ独自にチェックがある。弁護士が見たプライバシーポリシーをGoogleやAppleに出すと、謎の直され方をしたりする。言うことを聞かないと絶対通らないので直すわけだが、そこがどうなっているのかというのはよく分からないため、次年度以降もし定性的に聞ける機会があったら、GoogleやAppleとどのようなやり取りがあったかであったり、どんなことをどんなふうに直したかが情報として集積されると良いのではないか。別にすごく理不尽なことを言われるわけではないが、「それ、直すの?」みたいなのも入ったりして、よく分からない。全体的に見ると厳しくはなっていて、調べていただいたとおり様々な項目を書けということになっているとともに、ポケモンGOのようなものも、御説明には出なかったが、資金決済法や特定商取引法もできたところ、恐らくそれはGoogleやAppleが出せと言ったのだと思う。そういう意味では、来年以降プラットフォーム事業者からどのような修正が入ったか調査できると良いのではないか。【板倉構成員】
        • 最初からチェックマークがついているのは問題であり、日本語以外の言語のプライバシーポリシーは掲載していないのと同じになると思う。プラットフォーム事業者はこれらを問題として認識しており対応しているのか。プラットフォーム側でできないのであれば何らかのルール化が必要ではないか。【古谷構成員】
        • 2012年のSPIから10年に渡ってやっている重要な定点調査。アプリプラポリの掲載率は上がってきているが、自己申告と実態の乖離もあるという話だったので、今後もSPOとして定点調査してほしい。2012年より、総務省として、アプリの外部送信についてウェブの外部送信に先行して取り組んできた。SPOは拘束力のないガイドラインであったため、プラットフォーム事業者に先んじられてしまったところがあるが、10年越しでようやく電気通信事業法改正で法制化される。【森構成員】
        • 今後もこの調査はずっと続けいただければと思う。今後次の段階としてはダークパターンの調査が必要になると思われるが、そのためにはダークパターンの定義を日本でも明確にする必要がある。ボタンの場所、あらかじめのチェックマークなどダークパターンは何かという議論が日本ではほとんどまだ行われていない。【寺田構成員】
        • 第一段階としてスマホアプリを意識した記載をすることをルール化する、何のために、どんな情報を取得し、どこに外部送信しているのか、止めたい人は止められるようにするといったことが必要ではないか。【太田構成員】
        • 新しく電気通信事業法の法改正案も出ていることもあり、それも含めて1度、両OS事業者と、「このようにSPOを進めてきたけれども、そこでこのような数字が出ているが、どう思うか」などについて、事務局とやり方を相談しながらコミュニケーションをさせていただくと有意義なことになるのかと思った。【宍戸主査】

      総務省 プラットフォームサービスに関する研究会(第36回)配布資料
      ▼資料1 令和3年度国内外における偽情報に関する意識調査
      • 日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、韓国で比較すると下記のような特徴がみられた。
        • 関連用語の認知状況は、日本は対象国中最も低い。ただし、日本での認知度は年々上昇傾向にある
        • 情報の真偽を見分ける地震は、日本は対象国中最も低い。日本の年代別では、10代のみ「自信がある」を上回る結果
        • フェイクニュースを見かける頻度(週1回以上)は、日本は3割台となり、対象国中最も低い
        • フェイクニュース対策に取り組むべき主体として最も期待されるのは日本、アメリカ、イギリス、フランスで「報道機関、放送局、ジャーナリスト」
        • 新型コロナウイルスに関する情報やニュースを取得する方法は、日本は「民間放送局(テレビ・ラジオ・ウェブサイトなど)」が最も高い
        • 新型コロナウイルスに関する情報について特に信用するのは、日本、イギリス、フランス、韓国は「自国の政府機関のウェブサイトや情報配信」
        • 情報の真偽について「調べるか」についてみると、日本と韓国は、欧米の対象国より低い結果
        • 情報の真偽を確かめる方法で最も高いのは、日本、フランス、、韓国では「自国の政府機関の情報」
        • 新型コロナウイルスに関する情報についての意見を聞くと、日本を含めた全対象国において、積極的なファクトチェックの実施や、ファクトチェック結果をSNS事業者がユーザーへ届けることが高い結果となった

      総務省 2021年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果の公表
      ▼2021年度「青少年のインターネット・リテラシーに関する実態調査」 報告書
      • リスクの大分類別については、「3プライバシー・セキュリティリスク」(66.6%)が比較的低い。リスクの中分類別については、「不適切利用リスク」(79.6%)、「2a.不適切接触リスク(78.3%)は高く、「2b.不適正取引リスク」(60.2%)、「3a.プライバシーリスク」(64.7%)が低い傾向である。
      • 全体の正答率(70.6%)は、過去6年間の平均を上回っており、過去6回で最も高かった2020年度(72.0%)に次いで高かった。項目別の正答率について、「不適正取引リスク」は7つのリスク分類の中で正答率(60.2%)が最も低い。2015年からの変化で見ると、「1a.違法情報リスク」と「3b.セキュリティリスク」の正答率は上昇傾向にある。(違法情報リスク(著作権、肖像権、出会い系サイト等):72.9%(2015年度)→75.9%(2021年度)となっており、3.0ポイント上昇。セキュリティリスク(ID・パスワード、ウイルス等):65.3%(2015年度)→68.5%(2021年度)となっており、3.2ポイント上昇)
      • 男女別では、男性68.9%、女性72.5%と、女子の方が高く、この傾向は例年と同様である。学校所在地別では、総合正答率は政令市(特別区含む)が71.3%、中核市等70.0%、その他70.6%で、大きな差は見られない
      • 高校生の98.6%がインターネット接続機器として「スマートフォン」を保有している。そのほかでは、「携帯/固定ゲーム機」(49.1%)、「タブレットPC」(41.6%)が多い。「タブレットPC」は2020年度から急増した。減少傾向にあった「ノート/デスクトップPC」も、2020年度以降増加して、2021年度には34.7%となった。「携帯音楽プレイヤー」「携帯電話/PHS」は引き続き減少傾向にある。保有するインターネット接続機器のうちで最もよく利用する機器として、高校生の92.9%がスマートフォンをあげている。
      • インターネットを自由に使い始めた時期について聞くと、「中学1年生」が全体の27.1%で最も多いが、中学入学前(小学6年生以下)の回答が41.1%を占める。インターネットを自由に使い始めた時期に使い方を主に教えてもらった人は「保護者」が46.1%と最も多い(男性41.9%、女性50.7%)が、「誰にも教わらなかった/特に調べなかった」は全体の21.5%を占める。
      • スマートフォンやSNSを利用する際の家庭でのルールの有無を聞くと、「ある」は全体の53.4%で、女性では58.5%と男性の48.9%と比較して多い。ルールがある場合、その具体内容を複数回答で聞くと、「情報公開(個人情報)の制限」(43.7%)、「使用できるサービス・アプリの制限」(39.1%)が4割前後と多い。
      • インターネットの危険について教えられた経験については、74.9%が通常授業の中で、49.2%が外部の講師等による特別授業の中で教えてもらっている。学校で教えてもらったことがある場合、教えられた内容については、「ネットいじめ」(88.8%)、「個人情報・プライバシー」(85.0%)、「ネット依存」(83.7%)が多い。
      • トラブル遭遇経験を聞くと、「トラブルにあったことはない」は全体の62.5%、男性では68.0%に対し、女子は56.3%だった。女性の方がトラブル遭遇率が高いといえる。遭遇したトラブル内容については、「迷惑メール」(28.7%)が最も多く、「ウイルスに感染した・不正アクセスを受けた」(5.5%)が続く。なお、男性については「違法・有害情報に遭遇した」がやや多い傾向にある(5.2%)
      • スマートフォンを利用している高校生のうち79.8%(「よく知っている」が32.4%、「多少知っている」が47.4%)が一定程度フィルタリングを認知し、2020年度(79.5%)よりも増加している。一定程度フィルタリングを認知している高校生のうち、44.3%がフィルタリングを利用し、18.3%が以前利用していたが、今は利用していない。なお、フィルタリングについてあまり知らない高校生のフィルタリング利用率は15.9%である。
      • スマートフォン保有者について、インターネット利用開始時期と現在のフィルタリング利用状況の関連をみると、小学2年生までに利用開始したケースでは「利用していない」が3割と多い。小学5年生以降では、インターネット利用開始時期が遅いほど、フィルタリング利用率が高い
      • フィルタリングを認知している高校生の77.8%は、フィルタリングを「有害なサイトやアプリの閲覧を制限し、安心にインターネットを使うことを可能にしてくれるもの」と肯定的に捉えている一方、9.7%が「使いたいサイトやアプリを利用できなくする邪魔なもの」と否定的に捉えている。フィルタリングを肯定的に捉えている高校生の48.7%、否定的に捉えている高校生のそれぞれの35.1%がフィルタリングを利用している。一方で、「フィルタリングをそもそもよく知らない」層では23.9%と低い。
      • 現在フィルタリングを利用していない理由については、「特に必要を感じない」が最も多く(38.3%)、次いで「閲覧したいサイトまたはアプリが使用できなかったから」(26.8%)、「使用したところ使い勝手が悪かった」(23.1%)の順で高い。「特に理由はない」は29.4%を占めた。
      • 一定程度フィルタリングを認知している高校生のうち、フィルタリングのカスタマイズ機能により一部のSNSを利用できることを認知しているのは47.3%であった。カスタマイズ機能を認知している場合、カスタマイズ機能を利用している人は35.2%だった。カスタマイズ機能を認知している場合のフィルタリング利用率は49.6%であり、認知していない場合のフィルタリング利用率(39.6%)と比較して高い。
      • フィルタリングを利用している高校生については、スマートフォンの平日1日当たりの平均利用時間が、フィルタリングを利用していない層に比べて2時間未満が多くなっている(25.5%)。平日ほど顕著ではないものの、スマートフォンの休日1日当たりの平均利用時間は、フィルタリングを利用している高校生は、利用していない高校生に比べて、2時間未満が多くなっている。
      • スマートフォンを保有し、一定程度フィルタリングを認知している高校生のうち、ペアレンタルコントロール機能について、61.3%は「スマートフォンの使い過ぎの防止等に役立つもの」と肯定的に捉えているが、10.5%は「保護者に利用時間を管理・制限されてしまう邪魔なもの」という否定的に捉えている。ペアレンタルコントロール機能を肯定的に捉えている高校生の48.2%、否定的に捉えている高校生のが40.3%がフィルタリングを利用している。一方、「ペアレンタルコントロールをそもそもよく知らない」高校生のフィルタリング利用率は37.3%である。
      • スマートフォンを保有し、一定程度フィルタリングを認知している高校生のうち、学校におけるSNS等のインターネット利用についてルールがある場合、フィルタリング利用率は46.0%であり、ルールがない場合の利用率(41.3%)と比較して高い。家庭におけるSNS等のルールがある場合、フィルタリング利用率は56.0%であり、ルールがない場合の利用率(29.8%)と比較して著しく高い。
      • スマートフォンの平日1日当たりの平均利用時間は、2~3時間未満の割合が最も多く(24.1%)、他の機器に比べて利用時間が長い。また、56.1%がスマートフォンを3時間以上利用している。スマートフォンの利用時間別の正答率では平均利用時間1時間未満が最も高く(73.0%)、利用時間が長いほど正答率が低下する傾向にある。
      • スマートフォンの休日1日当たりの平均利用時間は、6時間以上の利用が最も多く(31.9%)、他の機器に比べ利用時間が長い。また、45.2%がスマートフォンを5時間以上利用している。スマートフォンの利用時間別の正答率では平均利用時間1時間未満が最も高い(72.7%)が、平均利用時間1時間以上では、利用時間の長さと正答率に相関関係が確認できない。
      • インターネットを自由に利用し始めた時期とILASの正答率については、小学3年生までに自由に利用し始めた高校生の正答率が72~74%台と若干高い傾向にある
      • スマートフォンを保有し、一定程度フィルタリングを認知している高校生のうち、フィルタリングを利用している高校生(正答率:73.6%)の方が、フィルタリングを利用していない高校生(正答率:71.5%)に比べ正答率が高い。家庭でのルールがある高校生(正答率:71.8%)の方が、ルールがない高校生(正答率:69.5%)に比べ正答率が高い。家庭でのルール有無及びフィルタリング利用の有無との関係については、スマートフォンを保有し、一定程度フィルタリングを認知している高校生のうち、「家庭でのルールあり」かつ「フィルタリング利用あり」の場合が74.2%と最も高く、いずれも「なし」の場合が71.1%と最も低い。
      • 学校でのインターネット利用についてのルールの有無別では、正答率に大きな違いはない。学校でインターネット利用上の危険について、「通常授業の中で教えてもらった」(正答率:71.2%)、「外部の講師等による特別授業の中で教えてもらった」(72.6%)の正答率は高く、「教えてもらっていない」(正答率:62.3%)と比較すると大きな差がある。
      • 本調査結果からは、青少年のスマートフォン(インターネット)の安全・安心な利用に関しては、利用時間の管理、フィルタリングやペアレンタルコントロール機能に係る適切な情報の周知・普及、家庭でのインターネット利用に係るルールづくり等が重要な課題であると考えられます

      総務省 AIネットワーク社会推進会議(第21回)AIガバナンス検討会(第17回)合同会議
      ▼資料2 国内外の動向及び国際的な議論の動向
      1. 欧州議会 デジタル時代の人工知能に関する特別委員会 最終勧告を採択
        • 欧州議会 デジタル時代の人工知能に関する特別委員会は、2022年3月22日に、「デジタル時代の人工知能の報告書草案を最終勧告として採択(今後、同年5月に本会議で採決される予定)。
          • AIの利活用に関する公的な議論は、この技術が人間を補完する大きな可能性を持っていることに焦点を当てるべき旨を提言。
          • AI技術が倫理的・法的な問題を引き起こす可能性があること、責任を持ってAIを利活用するための最低基準について国際社会でコンセンサスを得るという課題等が強調されている。
      2. 欧州委員会 「文化・クリエイティブ分野におけるAIの機会と課題に関する研究」及び「著作権と新技術に関する研究:著作権データ管理とAI」報告書の公表
        • 欧州委員会は、2022年3月16日に、デジタル化の10年間(Digital Decade)における文化・クリエイティブ分野の推進のため、「文化・クリエイティブ分野におけるAIの機会と課題に関する研究」及び「著作権と新技術に関する研究:著作権データ管理とAI」と題する報告書を公表。
          • 「文化・クリエイティブ分野におけるAIの機会と課題に関する研究」
          • 欧州の文化的コンテンツ(建築、出版、映画、音楽、ニュース)の流通におけるAI利活用の可能性と、その妨げとなり得る課題として、言語の多様性、AIへの過依存、雇用構造の変化等を挙げるとともに、課題への対策として、システムの相互運用性やAIスキルに係る教育等が新しく資金注入すべき領域であると提言。
          • 「著作権と新技術に関する研究:著作権データ管理とAI」
          • 文化・クリエイティブ分野における権利メタデータの管理、ライセンス供与、報酬と分配における技術の役割を確認しつつ、著作権データ管理の課題を示し、権利メタデータの重要性を訴えるとともに、分野間の権利メタデータの相互運用性を高めるための手段を提示。
          • 4つの分野(ビジュアルアート、音楽、動画、ゲーム)におけるAI利活用のユースケースを挙げ、AIのサプライチェーンの入力と出力の観点から、AI利活用によって提起される著作権関連の課題を考察。
      3. 米国 標準技術研究所(NIST) AIリスク管理フレームワーク初期ドラフトを公表
        • 米国 標準技術研究所(NIST)は、2022年3月17日に、信頼でき、責任あるAIの開発・利用の促進を目的とするAIリスク管理フレームワークの初期ドラフトを公表。
          • 2021年12月に発表されたコンセプトペーパー等に寄せられた意見をもとに、AIシステムに関連する事業者や社会のリスクに対する理解を深め、リスク管理を支援するために作成されたもの。
          • AIシステムに関するステークホルダ、ライフサイクル、各種概念の定義を行い、AIに係るリスクの特性を分類した上で、リスクの管理に必要な4機能(マッピング、測定、管理、ガバナンス)を整理。
          • 同フレームワークについて、同年4月29日まで意見募集を行うとともに、第2次ドラフトを作成中。
      4. 米国 標準技術研究所(NIST) AIにおけるバイアスに関するレポート(改訂版)を公表
        • 米国 標準技術研究所(NIST)は、2022年3月15日に、AIにおけるバイアスに関するレポートの改訂版を公表。
          • 2021年夏に公表されたドラフト版に対して寄せられた意見を反映したもの。
          • AIシステムにおけるバイアスが生み出す有害な影響を特定・管理する能力を向上するための一歩として、バイアスの原因を調べる範囲を、AIソフトウェアの学習に使用される機械学習プロセスやデータ以外の技術の開発方法により大きな影響を及ぼす幅広い社会的要因まで拡大することを提言。
          • 本レポートの著者であるシュワルツ氏は、改訂版では寄せられた意見を踏まえ、AIシステムが使用される社会的状況でバイアスがどのように現れるかを新たに強調し、AIシステムが単独で動作するものでない以上、全体のコンテキストに着目すべきとしている。また、本レポートの著者はこのような問題に対処する上で、AIがより広範な社会的文脈の中で動作していること、バイアスの問題を解決するためには純粋に技術的な努力だけでは不十分であること等を認識する「社会技術的」アプローチを提唱。
      5. 中国 通信院 人工知能白書2022を公表
        • 中国 通信院は、2022年4月12日に、「人工知能白書2022」を公表。
          • 世界におけるAIの政策、技術、実装、ガバナンスに関する最新動向を包括的にレビューして、包括的に課題の整理を行ったもの。
          • AIの近時の発展を踏まえて、AIの持続可能かつ健全な発展が目指されていることが指摘されている。
          • 「イノベーション、運用化、信頼ができること」という3方向で発展をしていること、ガバナンスやセキュリティへの取り組みの進展が紹介されている
      6. GPAI(Global Partnership on AI)
        • 総務省及び経済産業省は、2022年2月9日に、共催によりGPAIシンポジウムを開催。
          • 「AI倫理の国際動向」、「理論から実践」、「国内外のステークホルダーへの期待」といったテーマについて、GPAIに参加する委員の有識者を含め産学のAI専門家による意見交換等を実施。
          • 400名超の聴衆の参加があり、その多くから、GPAIの活動内容やAI原則の実践についての理解が深まったという評価があった。
        • WG3「Future of Work(仕事の未来)」 日本チームは、2022年3月15日に、「GPAI仕事の未来:日本調査からの報告と提案」を公表。
          • AIが仕事に与える影響及び実態把握を問題意識とし、既に海外おいて先行調査されているものをベースに日本の状況に合わせた調査項目等を検討し、企業や地方公共団体にインタビュー調査(11件)を行った結果を取りまとめ、公表。
          • 人材不足やサービス品質の向上などAI利活用の目的が類型化され、ガバナンス体制の構築や人材育成等の取組がなされている。
          • AI利活用の課題として、透明性や公平性等の技術的な課題のみならず、AIと人間の役割分担の再定義、AIと人間の信頼関係の構築、AIへの過度な依存など利用する人間側の課題が挙げられている。
      7. OECD
        • AIに関する専門家ネットワーク(ONE AI)の3つのワーキンググループの1つである「AI政策に関するWG」(WG on AI policies)が、デジタル経済政策委員会(CDEP)のAIガバナンス作業部会(WP AIGO)に移行。
          • AIによる社会的・経済的影響及びリスクの分析・評価、AIに関する取組を情報共有するためのオンラインプラットフォーム(AIオブザーバトリー)の更なる開発等を議論
          • 2022年5月24日~25日に、初回会合が開催される予定。
      8. 日EU ICT政策対話【2022年2月7日】
        • AIセッションにおいて、日EU双方からAI原則に関する見解を説明し、国際連携等の取組やこれらに関する類似点・相違点等について意見交換を実施。
          • EU側から、価値観は日EUで共通しているが、ソフトローでは不十分で信頼を得るには法的な枠組みが必要である旨のコメント。
          • 日本側から、OECD、GPAI、UNESCO等の国際的な情勢を説明するとともに、本推進会議の取組状況や「報告書2021」を紹介し、日EUで目指す方向性は一致しており、アプローチの違いについては継続的に密に連携して取り組んでいく旨をコメント。
      9. 日EU ICT戦略ワークショップ【2022年4月8日】
        • AIセッションにおいて、多国間会合の場における日EU協力の重要性が指摘され、意見交換と議論を継続していくこととすることで合意。
          • EU側から、AI規制やAI原則に向けた取組の状況に関する説明とともに、政策レベルでの協力の重要性、AIに係る理解・共有の重要性などについて説明。
          • 日本側から、G7やG20などのAI原則に係る国際場裡における議論の経緯や今後の取組(特に、2022年に日本が議長を務めるGPAIに関する取組、人間中心のAIを実現するための取組)について説明
      10. 日独 ICT政策対話【2022年3月23日】
        • グローバルデジタルガバナンスのセッションの一環として、AIネットワーク社会やデータ利活用の推進に向けた取組に関する議論を実施。
          • 日本側から、本推進会議の取組状況や「報告書2021」に記載の事業者の取組事例等を紹介。
          • ドイツ側から、EUのデジタルサービス法案やデータ法案に関するドイツ国内の対応等を紹介。

      【消防庁】

      ※現在、該当の記事はありません。

      【その他省庁】

      ※現在、該当の記事はありません。

      【裁判所】

      ※現在、該当の記事はありません。

      【東京都】

      ※現在、該当の記事はありません。

      【その他(国内)】

      【2022年6月】

      内閣官房 ビジネスと人権に関する行動計画の実施に係る関係府省庁施策推進・連絡会議
      ▼第4回 結果概要
      • 6月14日、「ビジネスと人権に関する行動計画の実施に係る関係府省庁施策推進・連絡会議」の局長級第四回会合が開催されました。
        1. 今回の会合には、中谷元内閣総理大臣補佐官(国際人権問題担当)出席の下、滝崎内閣官房副長官補を議長とし、関係府省庁の代表者(局長級)が出席しました。
        2. 会合では、外務省から、「ビジネスと人権」に関する行動計画に係る「1年目レビュー政府報告」について説明があり、本会議において承認しました。次に、経済産業省からは、本年3月に立ち上げた検討会で策定に向けて取り組んでいる「サプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン」の進捗状況について、説明がありました。中谷総理大臣補佐官からは、行動計画の二年目にあたる本年も、より一層の着実な実施に向け、歩みを進める必要があり、引き続き関係府省庁の協力を得て取り組んでいきたいとの発言がありました。
        3. 政府としては、引き続き行動計画を着実に実施し、省庁横断的に取組を進めていく考えです。
      • [参考1]「ビジネスと人権」に関する行動計画
        • 我が国は、2016年に行動計画の策定を決定。2018年6月に閣議決定された「未来投資戦略2018―『Society 5.0』『データ駆動型社会』の変革―」や、「SDGs実施指針改定版」等にその旨盛り込まれている。
        • 2018年、行動計画策定の第一段階として現状把握調査を実施し、「ビジネスと人権に関する行動計画に係る諮問委員会」及び「ビジネスと人権に関する行動計画に係る作業部会」での議論やパブリックコメントを踏まえて、2020年10月に、「ビジネスと人権に関する関係府省庁連絡会議」において、企業活動における人権尊重の促進を図るため、本行動計画を策定及び公表。
        • 本行動計画においては、「ビジネスと人権」に関して、今後政府が取り組む各種施策が記載されているほか、企業に対し、人権デュー・ディリジェンスの導入促進への期待が表明されている
      • [参考2]ビジネスと人権に関する行動計画の実施に係る関係府省庁施策推進・連絡会議
        • 昨年10月に策定した「ビジネスと人権に関する行動計画」に基づく取組を進めるに当たり、関係府省庁間の連携を図る仕組みとして、令和3年3月に「ビジネスと人権に関する行動計画の実施に係る関係府省庁連絡会議」を設置した。令和3年12月に同連絡会議を「ビジネスと人権に関する行動計画の実施に係る関係府省庁施策推進・連絡会議」に改組した。
      • [参考3]人権デュー・ディリジェンス
        • 国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」において、「人権デュー・ディリジェンス」は、人権への悪影響を特定し、予防し、軽減し、対処し、情報発信を継続的に実施するプロセスとしている。

      内閣サイバーセキュリティセンター サイバーセキュリティ戦略本部 第34回会合(令和4年6月17日)
      ▼サイバーセキュリティ2022
      • 2021年においては、前年に引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対応を余儀なくされ、人々のデジタル技術の活用は更に拡大し、いわゆる「ニューノーマル」の定着が進んだ。サイバー空間が量的に拡大・質的に進化するとともに、実空間との融合が進み、あらゆる国民、企業等にとって、サイバー空間はある種の「公共空間」として、より一層の重みを持つようになっている。
      • また、2021年9月には、デジタル庁が発足し、デジタル社会の形成に向けてデジタル改革を推進していくための政府の体制が整備された。また、地方からデジタルの実装を進め、デジタル改革を推進していくことを目指し、「デジタル田園都市国家構想」の実現に向けた取組も進められている。現在、既に地方におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展や、中小企業を含めたサプライチェーンの拡大等、サイバー空間の「公共空間化」が加速しており、「デジタル田園都市国家構想」が描く未来が現実のものとなりつつある。
      • さらに、海外においては、2022年に入ってから、例えば、ウクライナの政府機関等のウェブサイトの改ざんや閲覧障害等が発生したほか、米国の衛星通信事業者が提供する衛星通信サービスに対するサイバー攻撃により、ウクライナを含むヨーロッパでシステム障害が発生するなどしている。また、これらの事案については、ロシアによるウクライナ侵略との関連性が指摘されるなど、国家間の争いのサイバー空間へのシフトも顕著になっており、我が国においても、サイバー空間での活動が活発化しているといえる。
      • また、こうした情勢の変化も受けて、国内では多様なインシデントが生じている。ランサムウェアによる被害事例については、2021年に入り大幅に増加しており、例えば、2021年における全国の都道府県警察から警察庁への報告件数は146件となっており、前年と比較可能な7~12月だけで4倍と大幅に増加しているほか、2022年に入ってからも、例えば、大手自動車メーカーの取引先企業や家電メーカーの海外子会社など、多くの被害事例が報告されている。
      • また、マルウェア「Emotet(エモテット)」については、2021年11月から攻撃活動が再開され、2022年2月から急増しており、2022年3月には「Emotet」に感染しメール送信に悪用される可能性のある.jpドメイン数が2020年の感染ピーク時の約5倍以上に急増している。
      • このようにサイバー空間での被害が拡大し、脅威が高まっている状況を踏まえて、政府機関や重要インフラ事業者のみならず、広く産業界において適切なサイバーセキュリティ対策が講じられるよう、2022年に入ってから累次にわたって関係省庁が連携して注意喚起を実施し、サイバー攻撃に対する防護に取り組んでいる。
      • サイバー空間の「公共空間化」の進展は様々な恩恵をもたらす一方、国民生活や社会経済活動におけるデジタル技術への依存度が急速に高まることに伴い、インシデントが発生した場合にはその影響が広範囲に及ぶようになっている。また、第1章に記載した現下の情勢を踏まえると、サイバー空間における脅威の高まりは国外に限った話ではなく、我が国においても、昨今の状況の中でサイバー空間での活動が活発化しており、それが継続している状況にあると考えられる。社会のデジタル化が広範かつ急速に進展し、あらゆる活動においてサイバー空間への依存度が高まっている中、サイバー攻撃が重大な事態へと発展していくリスクも踏まえると、インシデントが発生した後の復旧や対処が重要であるのは当然のことながら、サイバー防御の強化により、インシデントが発生しないよう未然防止を図っていくことが、これまで以上に重要となっている。
      • インシデントの未然防止の観点から、例えば、具体的に講じるべき措置等に係る関係省庁からの注意喚起等を踏まえて、まずは基本的なサイバーセキュリティ対策の徹底が必要である。また、サイバー攻撃の複雑化・巧妙化が進む中、脆弱性情報や攻撃の痕跡(IoC6)情報のほか、サイバー攻撃への防御に資する情報を適時適切に関係者間で共有し、情報システムの強靭性を高めることが不可欠である。こうした観点を踏まえ、情報収集から、分析・評価、注意喚起等の対処や政策対応等の一連の取組を一体的に推進するための総合調整を担う「ナショナルサート機能」の強化等、官民連携のオールジャパンで推進体制の構築等を図ることが重要な課題となっている。
      • また、国家の安全や社会経済活動の基盤となる重要インフラの安定的な提供を確保する観点から、特に重要インフラ事業者におけるサイバー防御を強化し、インシデントの未然防止による機能保証を図ることの重要性が高まっている。
      • さらに、サプライチェーンの広がりやサイバー空間の「公共空間化」に伴い、脆弱性も拡大していることから、これまで主として取り組んできた政府機関や重要インフラ事業者のサイバーセキュリティの確保に加えて、サイバー空間を支える基盤(以下「サイバーインフラ」という。)を提供するサイバー関連事業者(ソフトウェア開発者、クラウドサービス提供事業者)や重要情報を保有する事業者をはじめとする他の民間部門におけるサイバーセキュリティの確保を図ることも重要となっている。このほか、サイバー空間とフィジカル空間の融合が進み、オープンソースソフトウェア(OSS)の普及やデータのソフトウェア化が進展することに伴い、ソフトウェアに潜在する脆弱性対策の強化も、インシデントの未然防止の観点から重要となっている。
      • デジタル化の進展に伴うサイバー空間の「公共空間化」は、地域や中小企業にも広がっており、地域・中小企業等におけるDXの進展が加速しつつある一方、サプライチェーンの中でセキュリティの脆弱な部分が狙われ、サプライチェーン全体が影響を受ける事例が新たな脅威となっている。特に、地域・中小企業等においては、経営者の認識欠如やサイバー人材不足等に伴うリスクが顕在化している。そのため、地域・中小企業の「DXwithCybersecurity」推進のための経営者の意識改革、経営層へのプラス・セキュリティ知識の補充のための取組を進めるほか、地域・中小企業等のセキュリティ強化・支援に取り組んでいくことが重要な課題となっている。
      • また、デジタル化の進展に伴って、新しいサービスや技術を悪用したサイバー犯罪が増加している。このため、2022年4月に警察庁に新設されたサイバー警察局・サイバー特別捜査隊による官民連携・国際連携の推進により、悪質化・巧妙化するサイバー犯罪に適切に対処し、サイバー空間の安全・安心を確保していくことも重要である。
      • 我が国を取り巻く安全保障環境は、国家の関与が疑われるサイバー攻撃事案が見られるなど、厳しさを増していることを踏まえ、
        • サイバー攻撃から我が国の安全保障上の利益を守るため、サイバー攻撃から国家を防御する力(防御力)
        • サイバー攻撃を抑止する力(抑止力)
        • サイバー攻撃の状況を把握する力(状況把握力)
          をそれぞれ高めつつ、政府全体としてシームレスな対応を抜本的に強化することが課題となっている。
      • また、我が国を取り巻く安全保障環境の変化も増しており、我が国が享受してきた既存の秩序についても不確実性が急速に増している。サイバー空間の健全な発展のため、同盟国・同志国等と連携して対抗し、我が国の安全保障に資する形で、グローバルに「自由、公正かつ安全なサイバー空間」を確保するために、積極的な役割を果たしていく必要がある。
      • こうした観点から、サイバーセキュリティ分野における国際協力・連携の取組強化を進めていくことが重要な課題となっている。サイバーセキュリティ戦略本部(以下「戦略本部」という。)においては、2021年12月に「サイバーセキュリティ分野における開発途上国に対する能力構築支援に係る基本方針」を決定したところであるが、特にASEANを含むインド太平洋地域における能力構築支援を推進することについては、2022年5月の日米豪印首脳会談共同声明及び同声明と併せて公表された「日米豪印サイバーセキュリティ・パートナーシップ:共同原則」において「日米豪印各国は、インド太平洋地域における能力構築プログラムに協力し、クアッド・サイバーセキュリティ・パートナーシップを通じて、その取組を更に強化する」旨にコミットしたところであり、その地政学的な立場からも、重要な意義を有している。
      • 重要インフラの機能停止や知的財産の窃取等、国民の安全・安心の根幹を揺るがすような深刻なサイバー攻撃に対しては、自助、共助の取組だけで対応することは益々困難になっており、国が主体的に関係機関とも連携を図りつつ、攻撃者の視点も踏まえ、持ち得る全ての手段を活用して包括的なサイバー防御を講ずるなど、自助・共助・公助からなる多層的なサイバー防御態勢を構築して対応することが重要である。また、複雑化・巧妙化するサイバー攻撃の脅威により、インシデントが多分野に拡大するとともに、比較的小さなインシデントであっても大きな影響を与えるようになっている中、関係省庁が有機的に連携して適時適切な対処(産業界への的確で横断的な注意喚起など)や政策対応を実現していくことの必要性が高まっている。
      • そのため、情報収集・分析から、調査・評価、注意喚起の実施及び対処等の一連の取組を一体的に推進するための総合的な調整を担う機能としての「ナショナルサート機能」の強化を図る。
      • 具体的には、幅広い関係省庁間の情報共有などの連携体制の強化、国際協力・連携強化、官民間の情報共有の充実や官民間の分析連携等を進めることにより、情報収集力、更に分析力の向上を図り、脅威情報等の適時適切な関係者間での共有によるサイバー防護の向上、攻撃者の特定に資する分析を含め分析結果を踏まえた対応・発信を通じた抑止力の向上、さらに、国の発信力の強化につなげていく。
      • 重要インフラのサイバーセキュリティの確保については、NISC及び各重要インフラ事業所管省庁と重要インフラ事業者がサイバーセキュリティ確保に関して配慮すべき共通の基本的な枠組みを定めた「重要インフラのサイバーセキュリティに係る行動計画」(令和4年6月17日サイバーセキュリティ戦略本部決定)を踏まえ、各重要インフラ事業者において、組織統治の一部として障害対応体制を強化するとともに、重要インフラを取り巻く脅威の変化に適確に対応するため、将来の環境変化を先取りし、サプライチェーンを含めてリスクを明確化し対応する。また、安全基準の策定指針の見直しに向けた検討を進める。さらに、2022年5月の日米豪印首脳会談共同声明及び同声明と併せて公表された「日米豪印サイバーセキュリティ・パートナーシップ:共同原則」において、重要インフラ防護のための政策策定へのアプローチの共有や官民間の脅威情報の共有など、セキュリティ対策の強化にコミットしたところであり、国際パートナーとも協力・連携しつつ、重要インフラのサイバーセキュリティの強化に取り組む。
      • このほか、サイバーインフラが重要インフラ事業者による事業運営・サービス提供を支える基盤としての役割を担うようになっていることを踏まえ、サイバーインフラの強靭性の確保を図る観点から包括的な対応を図っていくほか、基幹インフラ役務の安定的な提供の確保のため、経済安全保障推進法の施行に向けた対応を図っていく。
      • サイバー空間とフィジカル空間が密接に関係していき、サイバー攻撃のリスクが増大する中、これに対応するための考え方を整理したフレームワークを整備し社会実装を進めることで、セキュリティ対策のレベルを向上させることが必要となっている。特に昨今のサプライチェーン攻撃等の事案を踏まえると、OSS事例集をはじめとしたOSSコミュニティの活性化とともに、ソフトウェアの脆弱性管理等のためのソフトウェア部品表(SBOM10)に関する知見の整理、契約モデル等のツールの整備を行うこと等により、安心してソフトウェアを活用できる環境を構築し、様々な産業での生産性向上や新サービスの創出といった付加価値の増大に結びつけていくことが必要となっている。そのため、サイバー・フィジカル・セキュリティ対策フレームワーク(CPSF)を社会実装し、安心してソフトウェアを活用できる環境を構築していく。
      • サプライチェーンの一社へのサイバー攻撃が、サプライチェーン全体へ影響を及ぼす事例が新たな脅威となる中、地域・中小企業のDXと一体でサイバーセキュリティ対策を進めていくこと(「DXwithCybersecurity」の推進)は急務となっている。そのため、地域・中小企業のサイバーセキュリティ対策に取り組む。
      • デジタル化の進展に伴い、サイバー空間は全国民が参画する公共空間へと変貌を遂げつつある一方、新しいサービスや技術を悪用した犯罪が続々と発生し、その手口が悪質化・巧妙化の一途をたどるなど、サイバー空間を巡る脅威は、極めて深刻な情勢が続いている。こうした状況において、サイバー空間の安全・安心を確保していくためには、深刻化するサイバー空間の脅威に適切に対処できる態勢を整備するとともに、国内外の多様な主体と手を携え、社会全体でサイバーセキュリティを向上させるための取組を強力に推進することが必要となっている。そのため、2022年4月に警察庁に新設したサイバー警察局・サイバー特別捜査隊による官民連携・国際連携を推進していく。
      • ASEANを含むインド太平洋地域については、能力構築支援を中心としたこれまでの成果と経験、また、その地政学的な重要性を踏まえ、サイバー分野における外交・安全保障を含めた連携の抜本的な強化を図る観点から、能力構築支援の取組を一層強力に推進していく。
      ▼重要インフラのサイバーセキュリティに係る行動計画
      • 国民生活及び社会経済活動は、様々な社会インフラによって支えられており、その機能を実現するために情報システムが幅広く用いられている。こうした中で、特に情報通信、電力、金融等、その機能が停止又は低下した場合に多大なる影響を及ぼしかねないサービスは、重要インフラとして官民が一丸となり、重点的に防護していく必要がある。その際、民間は全てを政府に依存するのではなく、政府も民間だけに任せるのではない、緊密な官民連携が求められる。このため政府では、重要インフラ防護に係る基本的な枠組みとして、重要インフラにおけるサイバーセキュリティに関して重要インフラ事業者等の自主的な取組の促進その他の必要な施策の実施に責任を有する政府と自主的な取組を進める重要インフラ事業者等との共通の行動計画(以下「行動計画」という。)を策定し、これを推進してきたところである。
      • 重要インフラを取り巻く脅威は年々高度化・巧妙化しており、その一方で、重要インフラ分野ごとにシステムの利用形態が異なることから、各組織における脅威の差異が拡大してきている。かかる状況を踏まえ、「重要インフラのサイバーセキュリティに係る行動計画」(以下「本行動計画」という。)では、「重要インフラの情報セキュリティ対策に係る第4次行動計画」(以下「第4次行動計画」という。)を基本としつつ、重要インフラ分野全体として今後の脅威の動向、システム、資産を取り巻く環境変化に適確に対応できるようにすることで、官民連携に基づく重要インフラ防護の一層の強化を図る。
      • 重要インフラにおいて、任務保証の考え方を踏まえ、重要インフラサービスの継続的提供を不確かなものとする自然災害、管理不良、サイバー攻撃や、重要インフラを取り巻く環境変化等をリスクとして捉え、リスクを許容範囲内に抑制すること、及び重要インフラサービス障害に備えた体制を整備し、障害発生時に適切な対応を行い、迅速な復旧を図ることの両面から、強靱性を確保し、国民生活や社会経済活動に重大な影響を及ぼすことなく、重要インフラサービスの安全かつ持続的な提供を実現することを重要インフラ防護の目的とする
      • 本行動計画に基づく取組によって実現が期待される将来像を示す。
        1. 責務の明確化
          • 重要インフラ防護の目的、各関係主体の責務、実施事項等が明確化され、各関係主体に共通理解として浸透している。
        2. 組織統治
          • 環境変化に対して、重要インフラ防護の目的を組織単位で常に確実に達成できるよう、組織内の責任と権限を明確にし、適切な資源配分が行われ、PDCAサイクルを的確に回せるための組織統治が十全に機能している。
        3. 重要インフラ事業者等における自組織に最適な防護対策の確保
          • 組織及び提供する重要インフラサービスの特性に基づき、経営層がリスクを明確にし、組織内に周知している。
          • 重要インフラサービスの継続的な提供に関する要求事項が明確であり、そのための基準、マニュアル等が制定、維持され、関係者が遵守している状況が評価可能な状況にある。
        4. 脅威への包括的な取組
          • 重要インフラを取り巻く脅威の変化に適確に対応するため、サプライチェーン等を含め、将来の環境変化を先取りした包括的な対応に係る取組が促進されている。
        5. コミュニケーション
          • 自組織内及び各関係主体間それぞれにおいて、重要インフラサービス障害の予防的対策を強化するためのコミュニケーションが日常的に行われている。また、重要インフラサービス障害が発生した場合には、充実したコミュニケーションを通して冷静に対処できるようになっており、更にその経験を確実に将来の対策に活かすための継続的な改善がなされている。
        6. 社会との共存共栄
          • 各関係主体の自主的かつ積極的な取組がサイバーセキュリティ文化の醸成に寄与するとともに、社会の持続的な発展を支えている。
          • 重要インフラサービスの継続的提供がなされるとともに、各関係主体が連携して重要インフラ防護に取り組んでいることが広く国民に知られ、国民に安心感を与えるようになっている。
        7. 定期的な評価・見直し
          • 各関係主体の取組が定期的に評価されるとともに、必要に応じて行動計画が適切に見直されている
      • 本行動計画の要点(エグゼクティブサマリー)
        1. 「重要インフラ防護」の目的
          • 重要インフラにおいて、任務保証の考え方を踏まえ、重要インフラサービスの継続的提供を不確かなものとする自然災害、管理不良、サイバー攻撃や、重要インフラを取り巻く環境変化等をリスクとして捉え、リスクを許容範囲内に抑制すること、及び重要インフラサービス障害に備えた体制を整備し、障害発生時に適切な対応を行い、迅速な復旧を図ることの両面から、強靱性を確保し、国民生活や社会経済活動に重大な影響を及ぼすことなく、重要インフラサービスの安全かつ持続的な提供を実現すること。
        2. 関係主体の責務
          • 関係主体の責務は、サイバーセキュリティ基本法(平成26年法律第104号)を基本とする。
          • 国は、サイバーセキュリティに関する総合的な施策を策定し、及び実施する。
          • 地方公共団体は、サイバーセキュリティに関する自主的な施策を策定し、及び実施する。
          • 重要インフラ事業者は、サービスを安定的かつ適切に提供するため、サイバーセキュリティの重要性に関する関心と理解を深め、自主的かつ積極的にサイバーセキュリティの確保に努める。
          • サイバー関連事業者その他の事業者は、その事業活動に関し、自主的かつ積極的にサイバーセキュリティの確保に努める。
        3. 基本的な考え方
          • 重要インフラを取り巻く情勢は、システム利用の高度化、複雑化、サイバー空間の脅威の急速な高まりを受け、重要インフラ事業者等においては、経営層、CISO、戦略マネジメント層、システム担当者を含めた組織全体での対応を一層促進する。特に、経営の重要事項としてサイバーセキュリティを取り込む方向で推進する。
          • 自組織の特性を明確化し、経営層からシステム担当者までの各階層の視点を有機的に組み合わせたリスクマネジメントを活用し、自組織に最も適した防護対策を実施する。
          • 重要インフラを取り巻く脅威の変化に適確に対応するため、サプライチェーン等を含め、将来の環境変化を先取りした包括的な対応を実施する。
        4. 障害対応体制の強化に向けた取組
          • リスクマネジメントによる事前対応と危機管理の組合せにより、障害対応体制を強化する。
          • 組織におけるサイバーセキュリティに対する経営者と専門組織の関係を経営の重要事項としてサイバーセキュリティを取り込む。
          • サイバーセキュリティの確保には、サイバーセキュリティ基本法第2条の定義を踏まえ、外部からの攻撃のみならず、システム調達、設計及び運用に関係する事象を含め対応できるよう障害対応体制を整備・運用する。

      内閣サイバーセキュリティセンター サイバーセキュリティ戦略本部 第33回会合(持ち回り開催)(令和4年5月30日)
      ▼資料1-1 デジタル社会の実現に向けた重点計画(案)に対するサイバーセキュリティ戦略本部の意見(案)について
      • デジタル社会形成基本法第37条第4項において、内閣総理大臣がサイバーセキュリティ戦略本部の意見を聴いて、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の案(以下「重点計画(案)」という。)を作成し、閣議の決定を求めることが法定されている。意見案は以下のとおり。
        • デジタル化による利便性の向上とサイバーセキュリティの確保を両立して推進することは重要であり、サイバーセキュリティ戦略本部にて策定した「サイバーセキュリティ戦略」(令和3年9月28日閣議決定)においても、サイバー空間の公共空間化が進展する中、デジタル化の動きと呼応し、「誰一人取り残さない」サイバーセキュリティを確保すべく、政府全体として、同戦略を踏まえた施策を着実かつ効果的に実施することとされており、重点計画(案)は同戦略に基づいた内容となっている。
        • 昨今の国際情勢の下、サイバー攻撃が経済社会活動、ひいては国家安全保障に重大な影響を及ぼすリスクが急速に増大していることに鑑み、安全・安心なデジタル社会の構築を図るためには、こうしたリスクに即応したサイバーセキュリティ対策を講じることの重要性がより一層顕在化しており、本重点計画(案)には、こうした趣旨も盛り込まれている。
        • 重点計画(案)の実施に当たっては、サイバーセキュリティ戦略で掲げている「デジタルトランスフォーメーション(DX)とサイバーセキュリティの同時推進」「サイバー空間全体を俯瞰した安全・安心の確保」「安全保障の観点からの取組強化」を通じた「自由、公正かつ安全なサイバー空間」の確保という基本的な理念も踏まえ、デジタル改革を推進していくことを期待。
        • 以上を踏まえた上で、重点計画(案)について異存はない

      内閣官房 経済財政諮問会議(令和4年第8回)・新しい資本主義実現会議(第9回)
      ▼資料1 新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画(案)
      • 新しい資本主義を実現する上での考え方
        1. 分配の目詰まりを解消し、更なる成長を実現
          • 資本主義は、市場メカニズムをエンジンとして、経済成長を生み出してきた。新しい資本主義においても、徹底して成長を追求していく。しかし、成長の果実が適切に分配され、それが次の成長への投資に回らなければ、更なる成長は生まれない。分配はコストではなく、持続可能な成長への投資である。
          • 我が国においては、成長の果実が、地方や取引先に適切に分配されていない、さらには、次なる研究開発や設備投資、そして従業員給料に十分に回されていないといった、「目詰まり」が存在する。その「目詰まり」が次なる成長を阻害している。待っていても、トリクルダウンは起きない。積極的な政策関与によって、「目詰まり」を解消していくことが必要である。
          • 分厚い中間層の形成は、民主主義の健全な発展にとって重要であり、新たな資本主義における経済社会の主要な担い手である中間層が潤うことで、格差の拡大と固定化による社会の分断を回避し、サステナブルな経済社会を実現できる。このため、賃金引上げや中小企業への取引の適正化等のフロー、教育・資産形成等のストック両面から中間層への分配を進めるとともに、今後の人手不足時代に対応したデジタル投資等への支援を通じて持続可能な分配を下支えする。
        2. 技術革新に併せた官民連携で成長力を確保
          • AI・量子等のデジタル技術、クリーンエネルギー・マテリアル技術、バイオテクノロジー・医療の分野でのイノベーションは、多くの社会的課題解決の可能性を秘めるとともに、新時代の競争力の源泉ともなりうることから、各国は、コロナ後の経済・社会システムの再構築を見据えて、大胆な投資を実施している。
          • しかしながら、我が国企業における研究開発投資や設備投資は諸外国に大きく遅れをとっている。
          • 我が国においても、新たな官民連携により、イノベーションを大胆に推進し、我が国の経済・社会システムをバージョンアップしていくことが不可欠であり、コストカットによる競争から付加価値の創造へ大胆に変革していく。
          • また、アイディアが実用化されるスピードが速く、新たな技術が高速でアップデートされ続けるDX・GX時代には、競争力の源泉は、従来型の機械設備等のモノではなく、モノよりコト、有形資産より無形資産が重要になっている。そのような時代においては、創造的なイノベーションと経済成長は、人の力が最大限発揮されることによってもたらされる。女性、若者、高齢者等が、それぞれの能力と経験を生かせる社会を実現するとともに、人への惜しみない投資により、一人ひとりのスキルを不断にアップデートしていくことが重要である。
        3. 民間も公的役割を担う社会を実現
          • 多くの社会的課題を国だけが主体となって解決していくことは、困難である。社会全体で課題解決を進めるためには、課題解決への貢献が報われるよう、市場のルールや法制度を見直すことにより、貢献の大きな企業に資金や人が集まる流れを誘因し、民間が主体的に課題解決に取り組める社会を目指す必要がある。また、社会的課題の解決の担い手も、既存企業のみならず、スタートアップ、社会的起業家、大学やNPO等、多様化していくことが不可欠であり、民間が公的役割を担える社会を実現していく。特に、近年、子育て問題や環境問題等、社会的課題の解決を図る社会的起業家を目指す方が増加している。こうした社会的起業家の取組についても、新たな官民連携の形として全面的にサポートしていく。
          • こうした観点から、従来の「リスク」、「リターン」に加えて「インパクト」を測定し、「課題解決」を資本主義におけるもう一つの評価尺度としていく必要がある。
          • その際、課題解決の一つの鍵になるのは、デジタル技術の活用である。規制・制度をデジタル時代に合致したものにアップグレードすることで、デジタル技術を活用して課題解決を進めることを可能にするとともに、民間の力が最大限発揮できるよう、新しい時代にふさわしい公正な競争を確保する競争政策を推進していくことが重要である。
      • 社会的課題を解決する経済社会システムの構築
        • 個社の短期的収益を重視する視点から、社会的価値を重視する視点への転換を図る。
        • 短期的に企業収益が上がりさえすれば良いという考え方は成り立たない。社会面、環境面での責任(人的資本・人権、気候変動、ダイバーシティ等)を企業が果たすことが、事業をサステナブルに維持していくためには不可欠である。金銭的リスク・リターンに加え社会面・環境面のインパクトを考えるマルチステークホルダー型企業社会を推進する。
        • 課題先進国といわれる我が国において、世界に先んじて社会的課題を成長のエネルギーとして捉え、解決していく仕組みを経済社会の中にビルトインしていく。
          1. 民間で公的役割を担う新たな法人形態・既存の法人形態の改革の検討
            • 社会がより複雑化している中で、孤独・孤立対策や環境保護等に加え、医療、介護、教育等、これまで官が担ってきたサービスにおいても、多様なニーズにきめ細かく対応するため、民間の主体的な関与が期待されている。こうした中、我が国では、社会的課題と経済的成長の二兎を追いたい起業家が増えている。
            • 従来の株式会社では、株主利益の追求が大前提である一方、非営利組織においては、事業実施主体として限界があり、資金調達の柔軟性が低いことから、大規模な課題解決が難しいとの指摘もある。
            • 欧米では、ベネフィットコーポレーション等の新たな法制度が整備されつつある。米国では、2010年から2017年までの間に7,704社のベネフィットコーポレーションが設立されており、全米に広く拡大した。ベネフィットコーポレーションへの投資額も、5年間で6倍に、1件当たりの投資額も4倍に増加している。投資家も、インパクト投資家だけでなく、通常の利益追求型の投資家も投資を行っている。
            • 新たな官民連携の形として、このような新たな法制度の必要性の有無について検討することとし、新しい資本主義実現会議に検討の場を設ける。あわせて、民間にとっての利便性向上の観点から、財団・社団等の既存の法人形態の改革も検討する。
          2. 競争当局のアドボカシー(唱導)機能の強化
            • 競争当局は独占禁止法の施行事務以外に、取引慣行や規制により競争が働いていない分野について調査をし、取引慣行の改善や規制の見直しを提言(アドボカシー)する機能を有している。我が国の公正取引委員会についても、DX等の社会の変革の中でアドボカシー機能に対する期待が強い。
            • ここ数年では、携帯電話料金や銀行間送金手数料、スタートアップの新規株式公開等について競争関係の実態調査を行い、アドボカシー(唱導)を実施してきたが、体制を整備し、アドボカシー機能を抜本的に強化する。
          3. 寄付文化やベンチャー・フィランソロフィーの促進など社会的起業家への支援強化
            • 米国では、成功した起業家をはじめ、幅広い者がビジネスで得た果実等を社会に還元し、社会的課題の解決に貢献する、いわゆるフィランソロフィーの概念が確立している。
            • SDGs実現を含む社会的課題に取り組む民間の活動に対し、休眠預金の活用を検討する。その際、投融資の在り方等について検討を進め、本年度中に結論を得る。また、民間の寄付やクラウドファンディング等の資金・人材を呼び込む社会的ファイナンスの活用を促進するとともに、上述の新たな法人形態の創設、財団・社団等の既存の法人形態の改革を検討する。
            • また、起業家教育に当たっては、社会的起業家を育成するシステムの強化を検討する。
          4. インパクト投資の推進
            • 社会的起業家への投資、官民ファンド等によるインパクト投資(経済的利益の獲得のみでなく社会的課題の解決を目指した投資)を推進する。
            • ソーシャルボンド(調達した資金が社会的課題の解決に貢献するプロジェクトのみに充当される債券)について、プロジェクトの実施による社会的な効果を適切に開示できるようにする。ガイドラインの整備を図り、社会的課題ごとに、発行主体の参考となる指標の例を示す。
          5. 孤独・孤立など社会的課題を解決するNPO等への支援
            • 長引くコロナ禍により、貧困を抱える世帯の生活が厳しくなるとともに、孤独・孤立の問題が深刻な社会問題となっている。困難を抱える方々と行政の橋渡しをするNPOは重要であり、孤独・孤立対策に取り組むNPO等の活動をきめ細かく支援する。
            • 地域の課題解決に向けた自治体と企業・NPO等とのマッチングを促進するため、官民連携プラットフォームの機能強化を図る。
            • また、企業の人材を自治体に派遣する取組を進めるため、企業版ふるさと納税のPRを進める。
          6. コンセッション(PPP/PFIを含む)の強化
            • 公共施設の民間事業者による運営を行うコンセッション(公共施設等運営事業)等を加速する。
            • 空港分野では、運営権対価の最大化を図りつつ、地方管理空港を含め、原則として全ての空港へのコンセッション(公共施設等運営事業)の導入を促進する。
            • 空港容量の拡大等の機能強化が引き続き必要であるため、例えば羽田空港では、2020年3月に導入した都心上空新経路により拡大した空港容量を確保すべく、経路下の地域との調整を着実に進める必要がある。また、成田空港については、まずは第三滑走路の建設を含む機能強化事業を着実に実施する必要がある。
            • 今後、コロナ禍の経験等を踏まえたリスク分担の在り方に加え、空港における機能強化の進捗や地域との関係等を踏まえつつ、コンセッション(公共施設等運営事業)の実施について検討する。
            • 鉄道、バス、タクシー等を接続する公共交通ターミナルである「バスタ」について、コンセッション(公共施設等運営事業)の導入を推進する。スタジアム、アリーナ等についても導入を推進する。
            • 林業分野では、樹木採取権制度に基づき、パイロット的に選定された10か所について、樹木採取権の設定を進める。より大規模・長期間のものも含めた今後の樹木採取権設定に関する具体的方針を本年末までに策定する。
            • また、新たに策定したアクションプランに基づき、PPP/PFIを拡大するため、その導入を自治体が優先的に検討する取組の改善を促す等、取組を強化する。
      • 経済社会の多極集中化
        • デジタル田園都市国家構想の推進により、一極集中から、多極集中への転換を図る。
        • 新しい資本主義の象徴は地方・地域である。これまで、我が国の経済社会は、人々の暮らし、企業活動、国土形成等において一極集中を進めてきた。日本では、総人口のうち、50万人以上の大都市に住んでいる割合が73%にのぼり、65%の米国、56%の英国など欧米各国を上回り、大都市に人口が集中している。
        • しかしながら、コロナの拡大は経済社会の分極化の重要性を再認識させた。コロナ禍以降、大都市において、都心部から周辺部へ人口が移動し、地方移住への関心が高まっている。特に、20代や30代の若者層の関心が高い。理由としては、自然豊かな環境に魅力を感じたこと(31.5%)に加え、テレワークによって地方でも働けるようになったこと(24.3%)を挙げている。
        • デジタル技術の発達(DX)は、一極から多極への転換を可能とする力をもたらした。デジタルサービスは、新しい付加価値を生み出す源泉であり、日本の地方が直面する少子高齢化や、過疎化といった課題を解決するための鍵である。デジタルの力で、物理的距離がマイナス要素ではなくなる中、我が国を支える農山漁村の存在やゆとりある生活など地方・地域の豊かな魅力を核に、新しいライフスタイルの支援を幅広く展開する。小さくともキラリと光る地域でのデジタル実装を数多く生み出し、また発見し、横展開していく。東京・首都圏と地方がウィンウィンとなる関係性を構築する。
        • 多様な地域、企業、人材等が広がりつつネットワーク内でつながり、付加価値を生み出す多極型の経済社会を作っていく。
      • 一極集中管理の仮想空間から多極化された仮想空間へ
        • 様々な社会活動のデジタル化が進む一方、特定のプラットフォームによるデータの囲い込みや勝者総取りによる富の偏在、データの取扱いに対する不安など、結果としてデジタル空間が中央集権型となっていることに伴う問題が顕在化してきている。
        • こうした中、より分散化され、信頼性を確保したインターネットの推進や、ブロックチェーン上でのデジタル資産の普及・拡大等、ユーザーが自らデータの管理や活用を行うことで、新しい価値を創出する動きが広がっており、こうした分散型のデジタル社会の実現に向けて、必要な環境整備を図る。
          1. インターネットにおける新たな信頼の枠組みの構築
            • 特定のサービスに依存せずに、個人・法人によるデータのコントロールを強化する仕組み、やり取りするデータや相手方を検証できる仕組み等の新たな信頼の枠組みをインターネットの上に付加するトラステッド・ウェブ(Trusted Web)の実現に向けて、機能の詳細化を進める。様々な産業分野におけるユースケースの支援・検証を行い、国際標準化に向けた取組を進める。
          2. ブロックチェーン技術を基盤とするNFT(非代替性トークン)の利用等のWeb3.0の推進に向けた環境整備
            • ブロックチェーン技術を基盤とするNFT(非代替性トークン)やDAO(分散型自律組織)等のイノベーションが到来している。ブロックチェーン技術は、自立したユーザーが直接相互につながるなど仮想空間上の多極化を通じ、従来のインターネットの在り方を変え、さらに社会変革につながる可能性を秘めている。Web3.0の推進に向けた環境整備について、検討を進める。
          3. メタバースも含めたコンテンツの利用拡大
            • デジタル化、ネットワーク化を成長の機会とすべく、メタバースも含めたコンテンツの利用に関して、膨大で多種多様な著作物の利用許諾について、簡素で一元的な権利処理を可能とする措置を検討し、来年の通常国会に関連法案の提出を図る。コンテンツ産業等の高度化を図る。
          4. Fintechの推進
            • 事業者のセキュリティトークン(トークンという形でデジタル化された証券:デジタル証券)での資金調達機会を拡大させ、個人投資家を含めた幅広い投資家層に投資機会を提供し資産形成を促す。現在、セキュリティトークンのセカンダリー取引は、証券会社との店頭取引に限られているが、私設取引システムにおいてもセキュリティトークンを取り扱うことができるよう、速やかに制度整備を行う。
            • 暗号資産交換業者が取り扱う暗号資産を新たに追加する際、認定自主規制団体の事前審査に長期間を要している。利用者保護に配慮しつつ、審査基準の緩和を行う。ブロックチェーン上で発行されるデジタルなアイテムやコンテンツ等のうち、同種のものが複数存在する場合、それが暗号資産に該当するかが不明確である。決済手段としての経済機能を有するか否か等を念頭に、解釈指針を示す

      環境省 我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和2年度)の公表について
      1. 令和2年度の食品ロスの発生量の推計結果を公表しましたので、お知らせします。
      2. 令和2年度の食品ロス量は約522万トンと推計されました。
      3. 食品ロスの削減は資源循環と炭素中立型の経済社会を形成する上で重要な課題であり、環境省では、関係省庁、地方自治体及び事業者等と協力して、より一層食品ロス削減のための取組を進めてまいります。
        • 我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和2年度)について
          • 我が国では、食品ロスを含む食品廃棄物等(食品廃棄物及び有価として扱われる物)の発生抑制及び再生利用等を推進するため、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(平成12年法律第116号。以下「食品リサイクル法」という。)」に基づく国、地方自治体及び事業者等による取組や、特に食品ロスについては「食品ロスの削減の推進に関する法律(令和元年法律第19号。以下「食品ロス削減推進法」という。)」に基づき国民運動としての食品ロスの削減の取組が進められているところです。
          • 今般、事業系食品ロスについては食品リサイクル法に基づく事業者からの報告等をもとに、家庭系食品ロスについては市町村に対する実態調査等をもとに、令和2年度の食品ロス量(本来食べられるにも関わらず廃棄されている食品の量)は約522万トンと推計されました。
          • 食品ロスに関しては、平成27年9月25日に国際連合で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で定められている「持続可能な開発目標」(SDGs:Sustainable Development Goals)のターゲットの1つとして、2030年までに世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させることが盛り込まれています。国内では、第4次循環型社会形成推進基本計画(平成30年6月19日閣議決定)及び食品リサイクル法の基本方針(令和元年7月12日公表)において、家庭系及び事業系の食品ロスを2030年度までに2000年度比で半減するとの目標が定められています。また、平成31年3月31日に閣議決定された食品ロス削減推進法に基づく「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」においても、これらの削減目標の達成を目指し、総合的に取組を推進することとされております。
        • 環境省の取組について
          • 環境省では、それぞれの主体が食品ロスに関する正確で分かりやすい情報を得ることができるよう、食品ロスに関する情報を集約した「食品ロスポータルサイト」を作成・更新しています。
          • 本サイトは主に「消費者向け」、「自治体向け」及び「事業者向け」に分類されており、それぞれの主体が必要な情報を簡単に得られるような構成としています。以下のURLから御覧ください。
      • 主な取組
        • モデル事業の支援
          • 環境省では、食品ロス削減と食品リサイクルを実効的に推進するための先進的事例を創出し、広く情報発信・横展開を図ることを目的として、モデルとなる事業の募集・支援を行っています。
          • 本年度は「食品廃棄ゼロエリア創出モデル事業」3件、「mottECO導入モデル事業」2件、「食品リサイクル推進・食品ロス削減モデル事業」2件、「学校給食における食品リサイクル推進・食品ロス削減モデル事業」2件の合計9件の事業を採択しました。
          • 令和3年度に実施したモデル事業について、その概要を食品ロスポータルサイトで公開しています。
        • 「フードドライブ実施の手引き」の公表
          • 環境省では、全国の自治体が自らフードドライブを実施する、もしくは地域の団体等がフードドライブを実施する際に参考としてもらうことを目的に、「フードドライブ実施の手引き」を作成しました。
          • 「フードドライブ実施の手引き」は、食品ロスポータルサイト又は以下URLの報道発表資料から御参照いただけます。
        • 「自治体職員向け食品ロス削減のための取組マニュアル」の公開
          • 環境省では、自治体における食品ロス削減の一層の推進のために、全国の自治体で進められている食品ロスの削減に向けた取組の中から先進的な取組20事例の実施の流れ・ポイントを取りまとめ、食品ロスポータルサイトで公開しています。

      内閣官房 新しい資本主義実現会議(第8回)
      ▼資料1 新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画(案)
      • 市場の失敗の是正と普遍的価値の擁護
        • 1980年代から2000年代にかけて、市場や競争に任せればうまくいくという「新自由主義」と呼ばれる考え方が台頭し、グローバル化が進展することで経済は活力を取り戻し、世界経済が大きく成長した。新自由主義は、成長の原動力の役割を果たしたと言える。
        • 一方で、経済的格差の拡大、気候変動問題の深刻化、過度な海外依存による経済安全保障リスクの増大、人口集中による都市問題の顕在化、市場の失敗等による多くの弊害も生んだ。
        • 特に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、特定国・地域に依存するサプライチェーンでは、国民の健康や国家の経済安全保障が確保できないことを明らかにする等、各国において危機管理リスクが増大している。
        • さらに、今般のロシアによるウクライナ侵攻は、国際経済における地政学的リスクの存在や権威主義的国家による挑戦も顕在化させている。
        • 実際、権威主義的国家資本主義とも呼べる体制を採用する国は、自由経済のルールを無視した、不公正な経済活動等を進めることで、急速な経済成長をなしとげ、国際政治における影響力を拡大してきた。自由と民主主義は、権威主義的国家資本主義からの挑戦にさらされている。
        • また、各国では、デジタル化、最先端技術の開発、グローバルサプライチェーンの再構築等、コロナ後の経済・社会システムの再構築を見据えて、大規模投資を官民一体となって、推進している。
        • 我々日本も、変革を迫られている。
      • 「市場も国家も」による課題解決と新たな市場・成長、国民の持続的な幸福実現
        • 資本主義は過去に2回、大きな転換を遂げた。自由放任主義は、2つの世界大戦を経験する中で、政府による社会保障を重視する福祉国家の考え方に取って代わられた。その後、冷戦構造の中で、競争力を失いつつあった経済を立て直すため、新自由主義の考え方が台頭した。今回は、資本主義の歴史上、3回目の大きな転換の契機であり、新しい資本主義すなわち資本主義の第4ステージに向けた改革を進めなければならない。
        • 資本主義を超える制度は資本主義でしかあり得ない。新しい資本主義は、もちろん資本主義である。
        • しかし、これまでの転換が、「市場か国か」、「官か民か」の間で振り子の如く大きく揺れ動いてきたのに対し、新しい資本主義においては、市場だけでは解決できない、いわゆる外部性の大きい社会的課題について、「市場も国家も」、すなわち新たな官民連携によって、その解決を目指していく。
        • その際、課題を障害物としてではなく、エネルギー源と捉え、新たな官民連携によって社会的課題の解決を進め、それをエネルギーとして取り込むことによって、包摂的で新たな成長を図っていく。
        • 新しい資本主義は一人ひとりの国民の持続的な幸福を実現するものでなければならない。官民連携による社会的課題の解決とそれに伴う新たな市場創造・成長の果実は、多くの国民・地域・分野に広く還元され、成長と分配の好循環を実現していく必要がある。また、気候変動、少子高齢化等の社会的課題への取組を通じて、国民の暮らしにつながる、誰一人取り残さない、持続可能な経済社会システムを再構築し、国際社会を主導する必要がある。
        • 以上のとおり、新しい資本主義を貫く基本的な思想は、(1)「市場も国家も」、「官も民も」によって課題を解決すること、(2)課題解決を通じて新たな市場を創る、すなわち社会的課題解決と経済成長の二兎を実現すること、(3)国民の暮らしを改善し、課題解決を通じて一人ひとりの国民の持続的な幸福を実現すること、である。
        • 特に、資本主義の持続可能性と強靱性を高め、全ての人が成長の恩恵を受けられるようにするためには、人的資本蓄積・先端技術開発・スタートアップ育成という、市場だけでは進みにくい分野に対して、重点的に官民が連携し、大規模に実行を進める必要がある。このことは、少子高齢化の中で今後労働力人口が不足する我が国においては、決定的に重要である。
        • その際、男女間賃金格差の是正等を通じた経済的自立等、横断的に女性活躍の基盤を強化することで、日本経済・社会の多様性を担保し、イノベーションにつなげていくことも重要である。
        • 加えて、「いつでも、どこでも、だれでもが希望する働き方で活躍できる」働き方の改革、子育て支援の充実、少子高齢化を迎えて国民が能力に応じて支え合う社会保障の実現が求められるとともに、権力、資力、資源等が集中しない、Web3.0やブロックチェーン等の分権型の経済社会の追求も重要である。
      • 経済安全保障の徹底
        • 国民を豊かにする新しい資本主義の実現のための基礎的条件は、国家の安全保障である。現下の絶えず変化する国際情勢を背景として、エネルギーや食料を含めた経済安全保障を強化することは新しい資本主義の前提である。
        • 新しい資本主義では、外交・防衛のみならず、持続可能で包摂性のある国民生活における安全・安心の確保を図る。
        • また、権威主義的国家の台頭に対しては、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を重視する国々が団結し、自由で開かれた経済秩序の維持・強化を進め、自由貿易を推進するとともに、不公正な経済活動に対する対応を強化する必要がある。
      • 分配の目詰まりを解消し、更なる成長を実現
        • 資本主義は、市場メカニズムをエンジンとして、経済成長を生み出してきた。新しい資本主義においても、徹底して成長を追求していく。しかし、成長の果実が適切に分配され、それが次の成長への投資に回らなければ、更なる成長は生まれない。
        • 分配はコストではなく、持続可能な成長への投資である。
        • 我が国においては、成長の果実が、地方や取引先に適切に分配されていない、さらには、次なる研究開発や設備投資、そして従業員給料に十分に回されていないといった、「目詰まり」が存在する。その「目詰まり」が次なる成長を阻害している。
        • 待っていても、トリクルダウンは起きない。積極的な政策関与によって、「目詰まり」を解消していくことが必要である。
        • 分厚い中間層の形成は、民主主義の健全な発展にとって重要であり、新たな資本主義における経済社会の主要な担い手である中間層が潤うことで、格差の拡大と固定化による社会の分断を回避し、サステナブルな経済社会を実現できる。このため、賃金引上げや中小企業への取引の適正化等のフロー、教育・資産形成等のストック両面から中間層への分配を進めるとともに、今後の人手不足時代に対応したデジタル投資等への支援を通じて持続可能な分配を下支えする。
      • 技術革新に併せた官民連携で成長力を確保
        • AI・量子等のデジタル技術、クリーンエネルギー・マテリアル技術、バイオテクノロジーの分野でのイノベーションは、多くの社会的課題解決の可能性を秘めるとともに、新時代の競争力の源泉ともなりうることから、各国は、コロナ後の経済・社会システムの再構築を見据えて、大胆な投資を実施している。
        • しかしながら、我が国企業における研究開発投資や設備投資は諸外国に大きく遅れをとっている。
        • 我が国においても、新たな官民連携により、イノベーションを大胆に推進し、我が国の経済・社会システムをバージョンアップしていくことが不可欠であり、コストカットによる競争から付加価値の創造へ大胆に変革していく。
        • また、アイディアが実用化されるスピードが速く、新たな技術が高速でアップデートされ続けるDX・GX時代には、競争力の源泉は、従来型の機械設備等のモノではなく、モノよりコト、有形資産より無形資産が重要になっている。そのような時代においては、創造的なイノベーションと経済成長は、人の力が最大限発揮されることによってもたらされる。女性、若者、高齢者等が、それぞれの能力と経験を生かして活躍できる社会を実現するとともに、人への惜しみない投資により、一人ひとりのスキルを不断にアップデートしていくことが重要である。
      • 民間も公的役割を担う社会を実現
        • 多くの社会的課題を国だけが主体となって解決していくことは、困難である。社会全体で課題解決を進めるためには、課題解決への貢献が報われるよう、市場のルールや法制度を見直すことにより、貢献の大きな企業に資金や人が集まる流れを誘因し、民間が主体的に課題解決に取り組める社会を目指す必要がある。また、社会的課題の解決の担い手も、既存企業のみならず、スタートアップ、社会的起業家、大学やNPO等、多様化していくことが不可欠であり、民間が公的役割を担える社会を実現していく。特に、近年、子育て問題や環境問題等、社会的課題の解決を図る社会的起業家を目指す方が増加している。こうした社会的起業家の取組についても、新たな官民連携の形として全面的にサポートしていく。
        • こうした観点から、従来の「リスク」、「リターン」に加えて「インパクト」を測定し、「課題解決」を資本主義におけるもう一つの評価尺度としていく必要がある。
        • その際、課題解決の一つの鍵になるのは、デジタル技術の活用である。規制・制度をデジタル時代に合致したものにアップグレードすることで、デジタル技術を活用して課題解決を進めることを可能にするとともに、民間の力が最大限発揮できるよう、新しい時代にふさわしい公正な競争を確保する競争政策を推進していくことが重要である。

      内閣官房 デジタル田園都市国家構想実現会議(第8回)議事次第
      ▼資料1 デジタル田園都市国家構想基本方針(案)の全体像
      1. 基本的な考え方~「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を目指して~
        • デジタルは地方の社会課題を解決するための鍵であり、新しい価値を生み出す源泉。今こそデジタル田園都市国家構想の旗を掲げ、デジタルインフラを急速に整備し、官民双方で地方におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を積極的に推進。
          • デジタル田園都市国家構想は「新しい資本主義」の重要な柱の一つ。地方の社会課題を成長のエンジンへと転換し、持続可能な経済社会の実現や新たな成長を目指す。
          • 構想の実現により、地方における仕事や暮らしの向上に資する新たなサービスの創出、持続可能性の向上、Well-beingの増大等を通じて、デジタル化の恩恵を国民や事業者が享受できる社会、いわば「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を目指す。これにより、東京圏への一極集中の是正を図り、地方から全国へとボトムアップの成長を推進する。
          • 国は、基本方針を通じて、構想が目指すべき中長期的な方向性を提示し、地方の取組を支援。特に、データ連携基盤の構築など国が主導して進める環境整備に積極的に取り組む。地方は、自らが目指す社会の姿を描き、自主的・主体的に構想の実現に向けた取組を推進。
      2. 取組方針
        • 解決すべき地方の社会課題
          • 人口減少・少子高齢化 ※出生率 1.45(2015年)→1.33(2020年) ※生産年齢人口 7,667万人(2016年) →7,450万人(2021年)
          • 過疎化・東京圏への一極集中 ※東京圏転入超過数 80,441人(2021年)
          • 地域産業の空洞化 ※都道府県別労働生産性格差 最大1.5倍(2018年) 等
        • デジタル実装を通じて、地域の社会課題解決・魅力向上の取組を、より高度・効率的に推進
        • デジタルの力を活用した地方の社会課題解決(2024年度末までにデジタル実装に取り組む地方公共団体1000団体達成)
          1. 地方に仕事をつくる
            • スタートアップ・エコシステムの確立、中小・中堅企業DX(キャッシュレス決済、シェアリングエコノミー等)、スマート農林水産業、観光DX、地方大学を核としたイノベーション創出等
          2. 人の流れをつくる
            • 「転職なき移住」の推進(2024年度末までにサテライトオフィス等を地方公共団体1000団体に設置)、オンライン関係人口の創出・拡大、二地域居住等の推進、サテライトキャンパス等
          3. 結婚・出産・子育ての希望をかなえる
            • 母子オンライン相談、母子健康手帳アプリ、子どもの見守り支援等
          4. 魅力的な地域をつくる
            • GIGAスクール・遠隔教育(教育DX)、遠隔医療、ドローン物流、自動運転、MaaS、インフラ分野のDX、3D都市モデル整備・活用、文化芸術DX、防災DX等
          5. 地域の特色を活かした分野横断的な支援
            • デジタル田園都市国家構想交付金による支援、スマートシティ関連施策の支援(地域づくり・まちづくりを推進するハブとなる経営人材を国内100地域に展開)等
        • デジタル田園都市国家構想を支えるハード・ソフトのデジタル基盤整備
          • 2030年度末までの5Gの人口カバー率99%達成、全国各地で十数か所の地方データセンター拠点を5年程度で整備、2027年度末までに光ファイバの世帯カバー率99.9%達成、日本周回の海底ケーブル(デジタル田園都市スーパーハイウェイ)を2025年度末までに完成など、「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」の実行等を通じてデジタル基盤整備を推進。
            1. デジタルインフラの整備
            2. マイナンバーカードの普及促進・利活用拡大
            3. データ連携基盤の構築
            4. ICTの活用による持続可能性と利便性の高い公共交通ネットワークの整備
            5. エネルギーインフラのデジタル化
        • デジタル人材の育成・確保
          • デジタル推進人材について、2026年度末までに230万人育成。「デジタル人材地域還流戦略パッケージ」に基づき、人材の地域への還流を促進。
          • 「女性デジタル人材育成プラン」に基づく取組を推進。
            1. デジタル人材育成プラットフォームの構築
            2. 職業訓練のデジタル分野の重点化
            3. 高等教育機関等におけるデジタル人材の育成
            4. デジタル人材の地域への還流促進
        • 誰一人取り残されないための取組
          • 2022年度に2万人以上で「デジタル推進委員」の取組をスタートし、今後更なる拡大を図るなど、誰もがデジタルの恩恵を享受できる「取り残されない」デジタル社会を実現。
            1. デジタル推進委員の展開
            2. デジタル共生社会の実現
            3. 経済的事情等に基づくデジタルデバイドの是正
            4. 利用者視点でのサービスデザイン体制の確立
            5. 「誰一人取り残されない」社会の実現に資する活動の周知・横展開
        • 構想の実現に向けた地域ビジョンの提示)地方の取組を促すため、構想を通じて実現する地域ビジョンを提示。
          • スマートシティ・スーパーシティ
          • 「デジ活」中山間地域
          • 産学官協創都市
          • SDGs未来都市 脱炭素先行地域
          • MaaS実装地域
      3. 今後の進め方
        • デジタル田園都市国家構想総合戦略(仮称)の策定(まち・ひと・しごと創生総合戦略の改訂)
          • 国は、2024年度までの地方創生の基本的方向を定めたまち・ひと・しごと創生総合戦略を抜本的に改訂し、構想の中長期的な基本的方向を提示するデジタル田園都市国家構想総合戦略(仮称)を策定。
          • 地方公共団体は、新たな状況下で目指すべき地域像を再構築し、地方版総合戦略を改訂し、具体的な取組を推進。国は、様々な施策を活用して地方の取組を支援。

      内閣官房 我が国の未来をけん引する大学等と社会の在り方について(第一次提言)
      ▼本文
      • 基本的考え方
        1. 基本理念
          • 日本の社会と個人の未来は教育にある。教育の在り方を創造することは、教育による未来の個人の幸せ、社会の未来の豊かさの創造につながる。
          • 上記①に掲げるような、少子高齢化や第四次産業革命、グローバル競争の激化、地球温暖化といった様々な課題に向き合い、新たな価値を創造しながら、豊かな未来を切り拓いていくためには、一人一人の生産性を高め、生きていく力、柔軟な知を育むことが必要である。
          • また、ジェンダーギャップや貧困等による社会的分断を断ち切り、全ての人が自らの意思で個性と能力を十分に発揮できるようにしていくことも必要である。
          • このため、誰もが、幼少期からその意欲に応じて家庭の経済事情に関わらず学ぶことのできる環境を整備することが重要である。また、高齢になっても意欲があれば社会の支え手として生涯にわたり学び続けることも重要である。生きている限りいつまでも学べる環境を構築していくことが必要であり、働くことと学ぶことのシームレスな連携ができる生涯能力開発社会、生涯学習社会の実現に向けて取り組むなど、教育と社会との接続の多様化・柔軟化を推進する。
          • 教育・人材育成といった人への投資は成長への源泉である。国や企業による個人への投資は、個人の立場に立てば分配の意味を持つ。人への投資を通じた「成長と分配の好循環」を教育・人材育成においても実現し、「新しい資本主義」の実現に資する。
        2. 在りたい社会像
          1. 一人一人の多様な幸せと社会全体の豊かさ(ウェルビーイング)の実現
            • コミュニティ全体として全員で一人一人の多様な幸せ 33と社会全体の豊かさ(ウェルビーイング)の実現を目指し、多様性と包摂性のある持続可能な社会を構築する。
          2. ジェンダーギャップや貧困など社会的分断の改善
            • 国際的にジェンダーパリティ(ジェンダー公正)が進展していく中で、我が国に根強くあるジェンダー不平等の悪循環を断ち切り、ジェンダーギャップの解消を図るとともに、貧困等による社会的分断を改善し、意欲があれば誰もが学び、その個性と能力を十分に発揮できる環境整備に取り組む。
          3. 社会課題への対応、SDGsへの貢献
            • 国民全体のデジタルリテラシーの向上を図るとともに、地球規模の課題である脱炭素社会の構築、再生可能エネルギーの活用、地方創生などの課題解決による価値創造を推進し、Society5.0と持続可能な開発目標(SDGs)達成の双方を実現する「Society5.0 for SDGs」34に向けて取り組む。また、グローバル化の一層の進展への対応を図る。
          4. 生産性の向上と産業経済の活性化
            • 労働生産性の向上による一人一人の稼ぐ力(付加価値創造)の強化により、我が国全体の産業経済の発展を目指すことはもとより、地域の産業・経済の活性化も図る。その際、世界と伍する分野をはじめとして我が国の強みを生かした取組の強化を図る。
          5. 全世代学習社会の構築
            • 誰もが、生涯にわたって意欲があれば学び、スキルを身につけることができる生涯学習社会、生涯能力開発社会(=全世代学習社会)の実現を目指す。
        3. 目指したい人材育成の在り方
          1. 未来を支える人材像
            • 上記2に掲げる「在りたい社会像」を実現していくのは、主体性、創造性、共感力のある多様な人材であり、具体的には、夢を描き、技術を活用しながらそれを形にし、価値創造に繋げられる人材、身近なものから地球規模のものまで様々な社会課題を発見し、横断的な観点から解決していくことのできる人材、文化や美意識等に対する素養を身に付け、エシカルな行動ができる人材、急激な社会環境の変化を受容し、新たな価値を生み出していく精神(アントレプレナーシップ)を備えた人材などが挙げられる。
            • これらは、予測不可能な時代な中で、好きなことを追究して高い専門性や技術力を身に付け、自分自身で課題を設定して、考えを深く掘り下げ、多様な人とコミュニケーションをとりながら、新たな価値やビジョンを創造し、社会課題の解決を図っていくことのできる人材である。
            • こうした人材を育成するために、初等中等教育で育まれた基礎学力や素質を土台として、高等教育においては、リテラシー(数理的推論・データ分析力、論理的文章表現力、語学力・コミュニケーション能力等)、論理的思考力と規範的判断力、課題発見・解決能力、未来社会を構想・設計する力、高度専門職に必要な知識・能力を培うことが求められる。
            • さらに、社会人になってからも、一生涯、何度でも学び直し、自らの能力をアップデートし続けていく意識が必要になる。
          2. 今後特に重視する人材育成の視点
            • デジタル化の加速度的な進展と、「脱炭素」の世界的な潮流は、これまでの産業構造を抜本的に変革するだけではなく、労働需要の在り方にも根源的な変化をもたらすことが予想される。
            • 今後、知的創造作業に付加価値の重心が本格移行する中で、日本企業の競争力をこれまで支えてきたと信じられ、現場でも教え込まれてきた人的な能力・特性だけではなく、むしろそれとは根本的に異なる要素も求められていくと想定される。
            • このことを踏まえ、デジタル化、脱炭素化等のメガトレンドを踏まえた2030年、2050年の産業別・職種別の労働需要の推計や求められるスキル・課題を明らかにした産学官が目指すべき人材育成の大きな絵姿として、「未来人材ビジョン」が検討された。具体的には、多くの産業においてエンジニアが増加する一方で、事務・販売従事者は減少し、特に、製造業や卸売・小売業で大きな変化が予想されることを示した上で、今後重視される「問題発見力」「的確な予測」「革新性」等が強く求められるような職種では労働需要が増加し、相対的に求められない事務・販売従事者のような職種では減少することを示唆されており、産学が一体となってこうしたスキル・能力を備えた人材を多く輩出していくことが求められている。今後の人材育成に当たっては、このような将来の姿をバックキャスティングしながら検討を進めていくことが必要である。
            • その上で、上記(1)に掲げる人材の育成を目指し、特に以下の視点を重視して、大学等の機能強化、学びの支援の充実、学び直し(リカレント教育)促進のための環境整備を産学官が一体となって強力に推し進め、社会変革を促していく。
              • 予測不可能な時代に必要な文理の壁を超えた普遍的知識・能力を備えた人材育成
              • デジタル、人工知能、グリーン(脱炭素化など)、農業、観光など科学技術や地域振興の成長分野をけん引する高度専門人材の育成
              • 現在女子学生の割合が特に少ない理工系などの分野の学問を専攻する女性の増加
              • 高い付加価値を生み出す修士・博士人材の増加
              • 全ての子供が努力する意思があれば学ぶことができる環境整備
              • 生涯、何度でも学び続ける意識、学びのモチベーションの涵養
              • 年齢、性別、地域等にかかわらず誰もが学び活躍できる環境整備
              • 幼児期・義務教育段階から企業内までを通じた人材育成・教育への投資の強化

      警視庁 経済安全保障 狙われる日本の技術
      • 技術情報等の流出防止対策の重要性について
        • 日本の企業、研究機関等が保有する高度な技術情報等は諸外国から情報収集活動の対象になっています。そのため、機微な技術情報等を保有していれば、組織の規模にかかわらず、合法・非合法を問わず狙われる可能性があります。社会全体でデジタル化が加速される中、情報の持出しがかつてよりも容易になっています。
        • 技術情報等の流出の影響は、自社の損失だけでなく、取引先をはじめとする関連企業にも及ぶ上、日本の技術的優位性の低下を招くなどして、日本の独立、生存及び繁栄に影響を与えかねません。また、流出した技術情報等が軍事転用され、世界の安全保障環境に懸念を与えるおそれもあります。
      • 経済安全保障に係る警察の取組み
        • 警察では、産学官連携による技術情報等の流出防止対策を推進するとともに、関係機関との連携を緊密にし、流出に対する情報収集・分析及び取締りを強化することで、先端技術を含む技術情報等の流出を効果的に防止しています。
      • 過去の技術情報流出事例から見た不審な動向等の具体例
        • 展示会や商談以外の場で技術情報等の提供依頼を受けた
        • 何度か一緒に食事等をしたら、技術情報等の提供を求められるようになった
        • 会社の話をしたら、商品や商品券、現金等の謝礼を提示された
        • 会社のサーバに特定の従業員から、大量のアクセスがある又は業務上関係のないデータへのアクセスがある
          など、皆さんが不審な動向や情報等を少しでも把握された場合は、遠慮なく警察に対して相談等を行っていただきますようお願いします。

      デジタル庁 デジタル臨時行政調査会(第4回)
      ▼資料1 デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン(案)について(プレゼン資料)
      • 20年以上、日本の実質GDPは欧米諸国と比べ停滞。所得も伸びず。最大の要因の一つがデジタル化の遅れ
        例)2000年を100とした場合の日米英の2020年実質GDP:日本109.5、米139.9、英124.1(内閣府)
      • 日本は少子高齢化の中で、今後人口減少が進みあらゆる産業・現場で人手不足が進むおそれ
        例)2019年1億2616万人のところ、2030年で1億1912万人(704万人減)、2050年で1億192万人(2424万人減)の予想(国立社会保障・人口問題研究所)
      • デジタル臨調において、これまでにない「3つの特徴」を持つ規制改革を実施
        • 特徴1.「点の改革」のみならず、「面の改革」も
          • 個々の規制をピンポイントで見直すだけでなく、横断的な見直しを実施
        • 特徴2.「要望ベースの改革」のみならず、「テクノロジーベースの改革」も
          • 個別の要望への対応だけでなく、改革の効果である「技術力の向上」についても念頭に置いた見直しを実施
        • 特徴3.「現在の改革」のみならず、「将来の改革」も
          • 現在の法令の見直しだけでなく、将来の法令がその時代の技術に適合できるような仕組みを構築
      • 構造改革のためのデジタル原則
        • 原則1 デジタル完結・自動化原則
        • 原則2 アジャイルガバナンス原則(機動的で柔軟なガバナンス)
        • 原則3 官民連携原則(GtoBtoCモデル)
        • 原則4 相互運用性確保原則
        • 原則5 共通基盤利用原則
      • 本年3月のデジタル臨調で決定された類型・Phaseに基づき、デジタル臨調事務局と各府省庁が連携して、点検・見直しを実施。
      • 第一弾として、約4000条項の見直し方針が既に確定。
        • それ以外の条項(例:効果とコストの検証や民間機関等の実施主体との調整に一定の時間を要するもの、極めて高度な安全・確保が必要であり検証に一定の時間を要するもの等)についても、本年9月末までに各府省庁が工程表を調査会に提出し、年内に方針が確定する予定。
        • 類型ごとの合意数については以下のとおり
          • 目視……………… 1688条項中、1617条項について方針確定
          • 定期検査・点検… 947条項中、877条項について方針確定
          • 実地監査………… 63条項中、59条項について方針確定
          • 常駐・専任……… 894条項中、260条項について方針確定
          • 書面掲示………… 616条項中、339条項について方針確定
          • 対面講習………… 136条項中、91条項について方針確定
          • 往訪閲覧・縦覧… 1010条項中、652条項について方針確定
          • 合計……………… 5354条項中、3895条項について方針確定

      【2022年5月】

      内閣官房 新しい資本主義実現会議(第7回)
      ▼資料1 基礎資料
      • 2018年の雇用の6割を、1940年には存在しなかった新しい職種が占めている。職種は新しいものに入れ替わるので、スキルアップのための不断の人的投資が不可欠。
      • 労働経済学の実証分析によると、人口動態の変化に伴って、1980年から2000年にかけては、ベビーブーム世代が働き盛り世代となったことで、保育士、不動産販売員などの需要が上昇。2000年以降は、ベビーブーム世代が高齢化・退職を迎え、准看護師などの需要が上昇。職業需要は社会状況の変化に伴い変化するため、不断のスキルアップの人的投資が不可欠。
      • 高スキルの労働者は革新的企業においても、非革新的企業においても賃金は概ね同じ水準。他方で、低スキル労働者の賃金については、非革新的企業の労働者よりも革新的企業の労働者の方が賃金が高く、高スキル労働者が付加価値を創造することによる低スキル労働者へのプラスの効果が見て取れる。
      • 英国の経済学者の分析によると、産業内で教育訓練を受けた従業員の割合が1%ポイント増加すると、同じ産業内で労働者一人当たりの労働生産性が0.6%、労働者一人当たりの平均賃金が0.35%上昇する効果がある。
      • キャリアコンサルティングを行った事業所に対して、その効果について問うたところ、労働者の仕事への意欲が高まった(53%)、自己啓発する労働者が増えた(37%)といった効果を感じている事業所が多い。
      • 企業を対象とした調査によると、IT企業でもそれ以外の企業でも、IT人材の「量」「質」ともに不足していると回答する企業が圧倒的に多い。
      • 経営学者の研究によると、副業は新たな取組の試行を可能にし、スキルの蓄積にも資する。雇用者から直接起業した者と、副業を通じて段階的に起業した者の比較では、直接起業する場合の退出する確率を100とすると、副業を通じて起業を行う場合には退出確率が67%に低下する。副業を通じた起業により、実現可能性について判断することができるとともに、起業家としてのスキルを実務を通じて学ぶことができるため。
      • 経済学者の研究によると、副業を実施した労働者は、後に起業家になる確率が1%から2%に上昇し、失業の確率が2.3%から1.9%と低下する。
      • 雇用者に対するアンケート調査によると、企業規模が大きいほど、副業が禁止されている割合が高い。企業が副業を禁止する理由は、「自社の業務に専念してもらいたいから」が50%で最多。条件付きで副業を容認している企業では、副業の業務内容(58%)、副業の活動日(53%)などについて条件を付けている企業が多いため、労働市場に対してその条件を開示する意味がある。
      • 兼業・副業を認める人事制度を導入している企業は、従業員のモチベーションの向上(53%)や定着率の向上・継続雇用につなげること(47%)などを目的に兼業・副業制度を導入している。兼業・副業人材を受け入れている企業は、社内にはない人材を確保することができた(49%)、人手不足を解消することができた(45%)、イノベーションの創発や新事業開発につながった(36%)等の効果を感じている。
      • 1990年から2019年までの5年ごとの世界各地域の女性の所得シェアの水準と推移をみると、中国を除く全ての地域で女性の労働所得シェアが上昇。
      • (正規・非正規雇用の)日本のフルタイム労働者の男女間賃金格差は、他の先進国と比較しても高い水準にある。
      • 日本の管理職に占める女性の割合は、13%。他の先進国と比較して低い水準となっている。日本の女性のパートタイム労働者の比率は、40%。欧米諸国と比較して高い水準となっている。
      • 勤務地限定正社員制度、短時間正社員制度、職種・職務限定正社員制度といった多様な正社員制度がある事業所割合は、2018年から2020年にかけて増加しているが、3割に満たない。
      • 最低賃金の決定については、ILO条約において、「関係のある使用者及び労働者」が同数で、かつ、平等の条件で参加しなければならないこととされている。これに基づき、日本では、最低賃金法が定められており、公労使三者構成の最低賃金審議会において審議し、決定することとなっている。その際、地域における(1)労働者の生計費、(2)賃金、(3)通常の事業の賃金支払能力を考慮し、定めることとなっている。
      • 中小企業の労働生産性は、実質労働生産性が上昇する中、価格転嫁力の低迷が原因で、伸び悩んでいる。
      • 中小企業に対するアンケート調査によると、大企業との取引における課題として、コロナ禍による業況悪化のしわ寄せ、コスト転嫁等を理由とする値上げが認められない、という点が多く指摘されている。
      • 中小企業等が賃上げの原資を確保できるよう、取引事業者全体のパートナーシップにより、労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇分を適切に転嫁できる環境を整備するため、岸田総理の指示の下、2021年12月27日に、「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」を取りまとめ、取組を進めているところ。
      • 公正取引委員会は、取引慣行や規制により競争が働いていない分野を調査し、取引慣行の改善や規制の見直しを提言する(アドボカシー(唱導))機能の強化が重要
      ▼資料2 論点案
      1. 人への投資
        • 産業内で教育訓練を受けた従業員の割合が増えると、労働者一人当たりの労働生産性や一人当たり平均賃金が上昇する効果がある。人への投資の強化は、新しい資本主義及び成長戦略の鍵ではないか。
        • 時代や社会環境の変化に応じて、急速に職種は入れ替わっている。個々の企業内だけでなく、国全体の規模で官民が連携して働き手のスキルアップや人材育成策の拡充を図っていくべきではないか。
        • IT人材が「量」「質」ともに不足しているとの声が多い。スキルアップに当たっては、特にIT人材の強化にウェイトを置くべきではないか。
        • 人への投資について、総理から一般の方にアイディアを募ったところ、財政的な支援策以外に、一般の方が転職やキャリアアップをする時に相談する場所がないという意見が多くあった。転職やキャリアアップについて、一般の方がキャリアコンサルティングを受けることができる場所を政策的に整備していくべきではないか。
        • 従業員1千人以上の大企業では、特に兼業・副業の解禁が遅れている。他方で、副業を通じた起業は失敗する確率が低くなる、副業をすると失業の確率が低くなる、副業を受け入れた企業からは人材不足を解消できた、といった肯定的な声が大きい。成長分野・産業への円滑な労働移動を進めるため、さらに兼業・副業を推し進めるべきではないか。
        • 賃金引上げは、新しい資本主義の核となるものである。引き続き、産業界に対し、賃金引上げを求めるとともに、最低賃金についても、環境整備とともに、その引上げを検討すべきではないか。他方で、最低賃金については、ILO条約でも、使用者及び労働者が同数で、かつ、平等の条件で参加しなければならないとされていることに留意した決定プロセスを経るべきではないか。
        • 正規・非正規雇用の日本の労働者の男女間賃金格差は、他の先進国と比較して大きい。また、日本の女性のパートタイム労働者比率は高い。この問題の解決のため、同一労働同一賃金制度の徹底とともに、短時間正社員制度、勤務地限定正社員制度といった多様な正社員制度の導入拡大を、産業界に働きかけていくべきではないか。
        • 男女の賃金の差異の解消を図っていくため、少なくとも大企業については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合の開示を早急に義務化するべきではないか。
        • 広く高等教育を受ける機会を確保するため、時代の変化に応じた学部の再編とともに、出世払い型奨学金制度などの制度整備を図るべきではないか。
        • 少子高齢化をむかえて、全世代型社会保障構築会議の中間整理を踏まえ、社会保障改革を計画的に進めていくべきではないか。
      2. 取引適正化、競争当局の唱導機能
        • 中小企業の賃金引上げを図るに当たり、コスト転嫁が可能となることが重要である。総理指示による転嫁円滑化施策パッケージをさらに推進するとともに、公正取引委員会が取引慣行の改善や規制改革を提言するアドボカシー(唱導)機能の抜本的強化を図っていくべきではないか。

      内閣官房 「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者懇談会 議事次第
      ▼資料2: 「クリーンエネルギー戦略 中間整理(概要)」(萩生田経済産業大臣提出資料)
      • 2050年カーボンニュートラル、2030年度温室効果ガス排出量46%削減という二つの野心的な目標に向け、グリーン成長戦略、エネルギー基本計画、地球温暖化対策計画、パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略を策定し、今後の進むべき方向性を示してきた。
      • クリーンエネルギー戦略においては、成長が期待される産業ごとの具体的な道筋、需要サイドのエネルギー転換、クリーンエネルギー中心の経済・社会、産業構造の転換、地域・くらしの脱炭素化に向けた政策対応などについて整理。
      • また、今回のロシアによるウクライナ侵略や電力需給ひっ迫も踏まえ、今後進めるエネルギー安全保障の確保と、それを前提とした脱炭素化に向けた対応も整理する。
      • ウクライナ危機・電力の需給ひっ迫を踏まえた対応
        • ロシアによるウクライナ侵略を受け、G7各国はロシアへの制裁強化に向け共同歩調。ロシアからの石炭・石油輸入のフェーズアウトや禁止を含む、ロシア産エネルギーへの依存状態から脱却することをコミット
        • 3月22日、東京電力・東北電力管内において、初めて需給ひっ迫警報を発令。事案の検証と供給力確保、電力ネットワーク整備等の課題への対応が急務
        • 短期的な脱ロシアのトランジション、中長期的な脱炭素のトランジションに向け、「再エネ、原子力などエネルギー安保及び脱炭素効果の高い電源の最大限の活用」など、エネルギー安定供給確保に万全を期し、その上で脱炭素の取組を加速
      • エネルギー政策の今後の方向性
        1. 資源燃料
          • 化石燃料のロシア依存度低減・燃料供給体制の強化
          • レアメタルの安定供給体制強化・メタンハイドレートの商用化に向けた技術開発や、国内海洋における資源確保
        2. 電力の安定供給
          • リスクを踏まえた供給力の確保・電源確保のための市場整備等
          • 需給ひっ迫時の実効性ある需要対策
        3. 省エネ・燃料転換
          • 省エネ投資促進・ヒートポンプなど熱利用の高効率・脱炭素化
          • 住宅・建築物の省エネ規制の強化・電動車・インフラの導入促進
        4. 原子力
          • 再稼働の推進等・バックエンド対策・研究開発、産業基盤の強化
        5. 再エネ
          • 再エネの最大限導入に向けた取組・地域間連系線の増強
          • デジタル化による系統運用の高度化・蓄電池・DRの推進
        6. 水素・アンモニア
          • 大規模サプライチェーンの構築
          • 既存燃料とのコスト差・インフラ整備を踏まえた支援
        7. 港湾
          • カーボンニュートラルコンビナート・ポートの構築推進
        8. CCUS
          • 2030年までのCCS事業化に向けた事業環境整備(国内法整備、政府支援策等)カーボンリサイクルの技術開発や実用化の推進
      • 炭素中立型社会に向けた経済・社会、産業構造変革
        • 脱炭素の実現と同時に、日本経済の成長・発展を実現していく必要。現在のエネルギー需給構造を転換することに加え、産業構造も大幅に転換していくことが重要
        • 2050年カーボンニュートラルに向けては、国内外のビジネス環境(国内のインフラ制約、設備投資、国内外の規制等)、国内外各産業の市場規模を踏まえて、脱炭素手段の需給バランスや競争関係・補完関係の変化を見極めることが重要
        • クリーンエネルギー分野における国際的な大競争を勝ち抜けるよう、水素・アンモニアなどの成長が期待される分野において、投資の予見可能性を確保し、大規模な投資を引き出す
        • 徹底した省エネを追求し、CO2フリーなエネルギー消費へ転換していく方向性は業種横断で共通の考え方。その上で、利用可能な技術、サプライチェーン上の位置づけなどに応じて、カーボンニュートラルへの道筋は異なり、自社の置かれた環境を踏まえて、適切なトランジションを描き、設備投資を進める必要
        • 中小企業については、温室効果ガス排出量の「見える化」の促進、カーボンニュートラルに向けた設備投資の促進のため、地域の金融機関や中小企業団体等の支援人材育成等を図りつつ「プッシュ型」で支援施策を紹介して促進
        • 地域の脱炭素トランジションは、経済社会全体やエネルギーインフラのトランジションの時間軸を俯瞰して推進すべき。地方自治体をはじめとした関係者の主体的な取組を促進する
        • 再エネ含め、各地域の特色ある地域資源を最大限活用し、地域経済を循環させ、防災や暮らしの質の向上など地域課題解決に貢献するよう、Win-Winで進める
        • 消費者の意識・行動の変化も重要、脱炭素に資する製品・サービスの需要を拡大させ、さらなる経済社会変革につなげていく
        • 資源関連産業の発展、生物多様性への負荷低減、気候変動適応の取組を脱炭素と同時に進め、炭素中立型の経済社会への転換に貢献
        • 炭素中立型社会に向けた今回の転換は、産業革命以来の化石燃料中心の経済・社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させるものであり大規模な投資が必要。投資の予見可能性を高めるためのロードマップを含めた「成長志向型カーボンプライシングの最大限活用」と「規制・支援一体型の投資促進策の活用」の基本コンセプトのもと、政策の骨格は次の5本の柱を軸に構成し、年末に向けて更なる具体化を図る。

      内閣官房 第3回 教育未来創造会議 配布資料
      ▼資料1-2: 我が国の未来をけん引する大学等と社会の在り方について(第一次提言)(案)
      1. 基本理念
        • 日本の社会と個人の未来は教育にある。教育の在り方を創造することは、教育による未来の個人の幸せ、社会の未来の豊かさの創造につながる。
        • 少子高齢化や第四次産業革命、グローバル競争の激化、地球温暖化といった様々な課題に向き合い、新たな価値を創造しながら、豊かな未来を切り拓いていくためには、一人一人の生産性を高め、生きていく力、柔軟な知を育むことが必要である。また、ジェンダーギャップや貧困等による社会的分断を断ち切り、全ての人が自らの意思で個性と能力を十分に発揮できるようにしていくことも必要である。
        • このため、誰もが、幼少期からその意欲に応じて家庭の経済事情に関わらず学ぶことのできる環境を整備することが重要である。また、高齢になっても意欲があれば社会の支え手として生涯にわたり学び続けることも重要である。生きている限りいつまでも学べる環境を構築していくことが必要であり、働くことと学ぶことのシームレスな連携ができる生涯能力開発社会、生涯学習社会の実現に向けて取り組むなど、教育と社会との接続の多様化・柔軟化を推進する。
        • 教育・人材育成といった人への投資は成長への源泉である。国や企業による個人への投資は、個人の立場に立てば分配の意味を持つ。人への投資を通じた「成長と分配の好循環」を教育・人材育成においても実現し、「新しい資本主義」の実現に資する。
      2. 在りたい社会像
        1. 一人一人の多様な幸せと社会全体の豊かさ(ウェルビーイング)の実現
          • コミュニティ全体として全員で一人一人の多様な幸せと社会全体の豊かさ(ウェルビーイング)の実現を目指し、多様性と包摂性のある持続可能な社会を構築する。
        2. ジェンダーギャップや貧困など社会的分断の改善
          • 国際的にジェンダーパリティ(ジェンダー公正)が進展していく中で、我が国に根強くあるジェンダー不平等の悪循環を断ち切り、ジェンダーギャップの解消を図るとともに、貧困等による社会的分断を改善し、意欲があれば誰もが学び、その個性と能力を十分に発揮できる環境整備に取り組む。
        3. 社会課題への対応、SDGsへの貢献
          • 国民全体のデジタルリテラシーの向上を図るとともに、地球規模の課題である脱炭素社会の構築、再生可能エネルギーの活用、地方創生などの課題解決による価値創造を推進し、Society5.0と持続可能な開発目標(SDGs)達成の双方を実現する「Society5.0 for SDGs」34に向けて取り組む。また、グローバル化の一層の進展への対応を図る。
        4. 生産性の向上と産業経済の活性化
          • 労働生産性の向上による一人一人の稼ぐ力(付加価値創造)の強化により、我が国全体の産業経済の発展を目指すことはもとより、地域の産業・経済の活性化も図る。その際、世界と伍する分野をはじめとして我が国の強みを生かした取組の強化を図る。
        5. 全世代学習社会の構築
          • 誰もが、生涯にわたって意欲があれば学び、スキルを身につけることができる生涯学習社会、生涯能力開発社会(=全世代学習社会)の実現を目指す。
      3. 目指したい人材育成の在り方
        1. 未来を支える人材像
          • 上記2に掲げる「在りたい社会像」を実現していくのは、主体性、創造性、共感力のある多様な人材であり、具体的には、夢を描き、技術を活用しながらそれを形にし、価値創造に繋げられる人材、身近なものから地球規模のものまで様々な社会課題を発見し、横断的な観点から解決していくことのできる人材、文化や美意識等に対する素養を身に付け、エシカルな行動ができる人材、急激な社会環境の変化を受容し、新たな価値を生み出していく精神(アントレプレナーシップ)を備えた人材などが挙げられる。
          • これらは、予測不可能な時代な中で、好きなことを追究して高い専門性や技術力を身に付け、自分自身で課題を設定して、考えを深く掘り下げ、多様な人とコミュニケーションをとりながら、新たな価値やビジョンを創造し、社会課題の解決を図っていくことのできる人材である。
          • こうした人材を育成するために、初等中等教育で育まれた基礎学力や素質を土台として、高等教育においては、リテラシー(数理的推論・データ分析力、論理的文章表現力、語学力・コミュニケーション能力等)、論理的思考力と規範的判断力、課題発見・解決能力、未来社会を構想・設計する力、高度専門職に必要な知識・能力を培うことが求められる。
          • さらに、社会人になってからも、一生涯、何度でも学び直し、自らの能力をアップデートし続けていく意識が必要になる。
        2. 今後特に重視する人材育成の視点
          • デジタル化の加速度的な進展と、「脱炭素」の世界的な潮流は、これまでの産業構造を抜本的に変革するだけではなく、労働需要の在り方にも根源的な変化をもたらすことが予想される。
          • 今後、知的創造作業に付加価値の重心が本格移行する中で、日本企業の競争力をこれまで支えてきたと信じられ、現場でも・教え込まれてきた人的な能力・特性だけではなく、むしろそれとは根本的に異なる要素も求められていくと想定される。
          • このことを踏まえ、デジタル化、脱炭素化等のメガトレンドを踏まえた2030年、2050年の産業別・職種別の労働需要の推計や求められるスキル・課題を明らかにした産学官が目指すべき人材育成の大きな絵姿として、「未来人材ビジョン」が検討された35。具体的には、多くの産業においてエンジニアが増加する一方で、事務・販売従事者は減少し、特に、製造業や卸売・小売業で大きな変化が予想されることを示した上で、今後重視される「問題発見力」「的確な予測」「革新性」等が強く求められるような職種では労働需要が増加し、相対的に求められない事務・販売従事者のような職種では減少することを示唆されており、産学が一体となってこうしたスキル・能力を備えた人材を多く輩出していくことが求められている。今後の人材育成に当たっては、このような将来の姿をバックキャスティングしながら検討を進めていくことが必要である。
          • その上で、上記(1)に掲げる人材の育成を目指し、特に以下の視点を重視して、大学等の機能強化、学びの支援の充実、学び直し(リカレント教育)促進のための環境整備を産学官が一体となって強力に推し進め、社会変革を促していく。
            • 予測不可能な時代に必要な文理の壁を超えた普遍的知識・能力を備えた人材育成
            • デジタル、人工知能、グリーン(脱炭素化など)、農業、観光など科学技術や地域振興の成長分野をけん引する高度専門人材の育成
            • 現在女子学生の割合が特に少ない理工系などの分野の学問を専攻する女性の増加
            • 高い付加価値を生み出す修士・博士人材の増加
            • 全ての子供が努力する意思があれば学ぶことができる環境整備
            • 一生涯、何度でも学び続ける意識、学びのモチベーションの涵養
            • 年齢、性別、地域等にかかわらず誰もが学び活躍できる環境整備
            • 幼児期・義務教育段階から企業内までを通じた人材育成・教育への投資の強化

      外務省 ウクライナ情勢に関する外国為替及び外国貿易法に基づく措置について
      • ウクライナをめぐる現下の国際情勢に鑑み、この問題の解決を目指す国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、主要国が講ずることとした措置の内容を踏まえ、閣議了解「ロシア連邦関係者に対する資産凍結等の措置等について」(令和4年5月10日付)を行い、これに基づき、外国為替及び外国貿易法による次の措置を実施することとした。
      1. 措置の内容
        1. 資産凍結等の措置
          • 外務省告示(5月10日公布)により資産凍結等の措置の対象者として指定されたロシア連邦の関係者(8個人)、「ドネツク人民共和国」(自称)及び「ルハンスク人民共和国」(自称)の関係者(133個人)に対し、(ⅰ)及び(ⅱ)の措置を実施する。
            1. 支払規制
              • 外務省告示により指定された者に対する支払等を許可制とする。
            2. 資本取引規制
              • 外務省告示により指定された者との間の資本取引(預金契約、信託契約及び金銭の貸付契約)等を許可制とする。
        2. ロシア連邦の特定団体への輸出等に係る禁止措置
          • 外務省告示(5月10日公布)によりロシア連邦の特定団体として指定された71団体への輸出等に係る禁止措置を実施する。
        3. 先端的な物品等の輸出等の禁止措置
          • ロシア連邦への先端的な物品等の輸出等の禁止措置を導入する。
      2. 上記資産凍結等の措置等の対象者

      警視庁 マルウェア「ランサムウェア」の脅威と対策(脅威編)
      • 表(省略)は、2022年3月に独立行政法人情報処理推進機構(通称IPA)から、発表された今年注意を要するサイバー空間における「情報セキュリティ10大脅威2022」の法人部分を抽出したものです。
      • 順位1から10の脅威は、2021年に発生した社会的に影響が大きかったと考えられる情報セキュリティにおける事案から、IPAが脅威候補を選出し、情報セキュリティ分野の研究者、企業の実務担当者などの有識者約150名のメンバーからなる「10大脅威選考会」により選考されたものです。
      • そこでは、法人が一番注意を要するとされている脅威として「ランサムウェア」が1位に挙げられました。
      • 今一度、「ランサムウェア」に関する知識・対策を確認しておきましょう。
      ▼独立行政法人情報処理推進機構「情報セキュリティ10大脅威 2022」(外部サイト)
      • ランサムウェアとは
        • ランサムウェアとは、身代金という意味を持つ英単語の「Ransom(ランサム)」と、コンピュータウイルス等を含むコンピュータに何らかの処理を行うプログラムなどを指す「Software(ソフトウェア)」を組み合わせた造語です。
        • 感染させた端末内のデータを暗号化などによって、利用できない状態にした上で、そのデータを利用できる状態に戻すことと引き換えに身代金(金銭)を要求するマルウェアの名称です。
        • ランサムウェアを使った最初のサイバー犯罪は、1989年(平成元年)に発生した「AIDS Trojan」というトロイの木馬型マルウェアによるもので、当時「暗号化ウイルス恐喝」と呼ばれていました。
        • 以後30年以上にわたり、ランサムウェアと呼ばれるマルウェアは様々な手段・方法を使って姿を変えながら、世界各地で大規模な犯行に使用されています。
        • ランサムウェアによる犯罪の傾向
        • 警察庁により公表されている企業・団体等におけるランサムウェア被害の件数は、年々増加しており、昨年(令和3年)下半期は、一昨年(令和2年)下半期と比べて約4倍になっています。
        • 被害状況を件数別にみると、企業規模を問わず、犯行手口は二重恐喝が82件(85パーセント)であることが分かります。
        • また、感染経路は、テレワーク等の勤務に必要な機器として、社外から社内の端末にアクセスする際に、通信の内容を覗き見られることを防ぐために設置された「VPN機器」や、社外からアクセスする際に利用する「リモートデスクトップ」機能のある機器・システムの脆弱性、強度の弱いパスワード等の利用です。
      ▼警察庁「サイバー空間をめぐる脅威の情勢等」(外部サイト)
      • ランサムウェアによる犯罪の特徴
        • まず、ランサムウェアによる犯行の特徴として、「RaaS(ラーズ、Ransom as a Service)」と呼ばれるビジネスモデルが使われていることです。
        • これは、ソフトウェアを利用する期間に応じて、料金を支払うことで使うことができるパッケージの「SaaS(サーズ、Software as a Service)」のランサムウェア版です。
        • 具体的には、「メールなどを使って端末に侵入」、「端末や端末が繋がっているネットワーク内に保存されているファイルの暗号化」、「暗号化したデータを使えるように復号するための身代金を要求」といったランサムウェア攻撃に必要なものをパッケージ化し、利用期間に応じた料金を支払うことで利用できるサービスのことです。
        • RaaSの提供者に利用料を支払えば、マルウェアや不正アクセスに関する知識や技術が未熟な者でも、簡単にランサムウェアを使うことが可能となり、犯罪者からすればとても便利な商品が用意されているという状況になっています。
        • 次に、「二重恐喝」を仕掛けてくるということです。「二重恐喝」は、2019年末ころから見られるようになった比較的新しい手口です。
        • それ以前の「データの暗号化し、金銭を要求する」という手口では、ランサムウェアによる被害を受けた企業が、暗号化されたデータと別にバックアップデータを保管していた場合、犯罪者は復号に要する身代金の支払いを受けられなくなります。
        • そこで犯罪者が考え出したのが、企業が保有する機密データや個人情報データを事前に盗み出し、暗号化したデータを復号のための身代金を要求するのに加え、支払われない場合には盗んだデータを公開するという脅迫行為を行う手口です。
        • 二重恐喝は、金銭の支払いを要求するだけでなく、企業の保有データを盗むことから、そのRaaSには、ランサムウェアというメインの「データ暗号化マルウェア」の他に「情報窃取型マルウェア」等も同封されており、複合的に犯行が実行でき、金銭を得るための犯行用具まで整った犯罪になっていると言えます。
      • ランサムウェアの感染経路
        • 犯罪者が企業にランサムウェアを感染させるために使用している経路の一つとして、ハードウェアやソフトウェアの脆弱性を悪用したものがあります。
        • 脆弱性を悪用して端末内に侵入し、ランサムウェアに感染させ、身代金を要求したサイバー犯罪に「WannaCry(ワナクライ)」があります。
        • 「WannaCry」は、2017年に日本を含む世界150か国で流行り、23万台ものWindows端末に感染したと言われるランサムウェアです。
        • 「WannaCry」と同様の手法である脆弱性を悪用した犯罪は、今後も新たな脆弱性が発見・公表されれば、犯罪者がそれを悪用してきますので、脆弱な部分の修正・補完をしないまま放置すると、サイバー犯罪の被害に遭うリスクが高まります。
        • この他、脆弱性を悪用した攻撃としては、インターネット上に公開されているWebサイトの改ざんによる乗っ取りや、犯罪者が本物に類似した偽のWebサイトを立ち上げて、そのサイトを閲覧した者にランサムウェアを感染させるという方法が確認されています。
        • 自社でWebサイトを作成・公開している場合、自社サイトを安全に維持するための対策をとらなければなりません。
        • また、Webサイトの開設、ホームページの作成をする事業者の方は、委託者と感染被害後にトラブルにならないようにするために、サポートを含めてより確実な対策をする必要があります。
        • その他の感染経路として、フィッシングメールやスパムメール・なりすましメール等を感染対象者や不特定多数に送りつけるというものがあります。
        • 犯罪者は、金銭の入手を目的として、従業員がメールと一緒に送信されたファイルや、メール本文に表示されたURLを安易にクリックすることを期待して、メールを送信します。
        • そのメールは、取引先の名前を使ったり、興味を引きそうな時事的な内容が使われたりするので、現在のサイバー犯罪に使われるメールの特徴を知らなければ、被害に遭ってしまう確率が高くなることをすべての従業員に周知しなければなりません。
        • 過去には、メールに書かれた日本語の使い方がおかしい、中国語の漢字が使われているなど、犯罪者によるメールか否かを見抜くことができましたが、現在では誤字脱字は見られるものの、正しい日本語が使われたものも多くあり、さらなる注意が必要となります。

      警視庁 マルウェア「ランサムウェア」の脅威と対策(対策編)
      1. ランサムウェア感染を防ぐ対策
        • ランサムウェアによる被害は、大手企業のものが目立っていますが、企業とその取引先のインターネットによるつながりの弱点を狙った「サプライチェーン攻撃」を考慮すると、企業の規模を問わずあらゆる対策が求められます。
        • 被害に遭う前に、できる限りの対策を講じておきましょう。
      2. ランサムウェアによる被害に遭わない、または、被害を最小限に抑える対策
        1. サイバーセキュリティ対策の基本ルールの定着
          • ランサムウェアに限らず、必要なサイバーセキュリティ対策の基本は、様々なセキュリティ関連組織から発せられていますが、この基本が確実にできなければ、高性能なセキュリティシステムを導入しても被害に遭う確率が高まります。
          • 業務としてインターネット等を利用している以上、以下など確実に対応できる基本ルールを準備しておきましょう。
            • ウイルス対策ソフトやセキュリティソフトを導入する
            • OSやアプリケーション、セキュリティソフト等のアップデートは必ず行う
            • 被害に遭っているかもしれないと思ったときの相談先、報告先を周知しておく
        2. メールを悪用した犯罪の手口とその対策に関する注意喚起と啓発
          • ランサムウェアを含むサイバー犯罪の手法は高度化・巧妙化しており、ユーザーの心理的な弱点を狙う手法も頻繁に用いられるようになっています。
          • 従業者に対して、以下など、普段から「人」のセキュリティに対する意識を高めましょう。
          • 取引先からのメールであっても、違和感がある場合は、添付されているファイルは開封しない
          • 興味を引く内容で、アクセスを誘導するURL付きメールを受信した場合、安易にそのURLをクリックしない
          • WordやExcel等のofficeソフトで、簡易なプログラムを組める機能「Macro(マクロ)」が含まれているファイルが添付されたメールを・受信した際、そのファイルを開いた時点で表示される「コンテンツの有効化」ボタンは、安易にクリックしない
        3. 機密データなどのバックアップ
          • データのバックアップに関しては、ランサムウェア対策として、通常のサイバー犯罪対策よりもさらに注意する必要があります。
          • ランサムウェアに感染すると、企業内のネットワークに接続された端末内のデータが暗号化されて使えなくなることもあるため、バックアップデータはネットワークから外した状態で保存しましょう。
          • また、「二重恐喝」による被害に遭い、機密データを犯罪者に盗まれ、お金を払わなければ盗んだデータを全世界に公開すると脅される場合も想定する必要があります。
          • 盗まれたデータを犯罪者に使われにくくするために、バックアップデータに限らず、普段使用している機密データについても暗号化した状態で保存することも検討してください。
        4. 脆弱性の修正
          • 企業で使用するシステムやソフトウェア、そしてWebサイトを使い始めた時点では、不備の無い状態で使えていても、後になってプログラムの不備などの脆弱性が発見されることがあります。
          • この脆弱性が発見されると、製品を開発した事業者から、脆弱性を補完するための修正プログラム「パッチ」が公開されます。
          • 利用者としては、製品に関する脆弱性情報が発表された場合、その修正プログラム「パッチ」をインストールしなければ被害のリスクが高まります。
          • 脆弱性に関する情報は、製品開発事業者の製品情報ページやJVN(JVN iPedia、MyJVN)のサイトで公開されますので、利用者は定期的に情報を確認し、脆弱性情報の発表とともに「パッチ」の公開を認知した場合は、できる限り早く「パッチ」を適用して、不備のない状態を保つようにしましょう。
      ▼警察庁「脆弱性の対策には」(外部サイト)
      ▼MyJVN(外部サイト)
      1. パスワードポリシーの徹底
        1. パスワードを複雑なものに設定しましょう
          • 企業で使用する端末等に、数字の順列やアルファベットの順列によるパスワードを使用することは、犯罪者に推測されやすいパスワードとなるため、ネットワーク内に侵入されランサムウェアなどのマルウェアを仕込まれる確率が高まります。
          • 特に、日常使われている「password」「Administrator」等は、犯罪者に推測されやすいので、使わないようにしましょう。
          • 古いWi-FiルータやVPNなどの機器では、購入時に初期設定のままパスワードの変更を求めないものも数多くありますが、変更が可能であれば、新たなパスワードに設定し直しましょう。
          • また、機器の不具合や使いにくくなったなどの違和感があったときは、マルウェア感染を疑い、念のためパスワードの変更をしましょう。
          • パスワードの設定は、使用している機器やシステムによって仕様(パスワードに使える文字の種類や文字数)が異なりますが、システムで設定されている最大文字数で使用可能な文字を使い、利用者だけが覚えられる複雑な文字列をパスワードとして設定しましょう。
        2. パスワードは、システム・機器ごとに違うものを設定しましょう
          • 1つのパスワードを使い回していると、何らかの原因で、パスワードが犯罪者に知られてしまった場合、そのパスワードを使っている他の端末も不正アクセスされてしまいますので、パスワードは機器ごとに違うものを設定しましょう。
        3. 多要素認証を導入しましょう
          • パスワードだけに頼ることなく、利用可能であれば、システム等にログインする手段に生体認証やワンタイムパスワードなど、パスワード入力と別の要素を取り入れた多要素認証を採用し、犯罪者の侵入を防ぐ対策を取り入れましょう。
          • Windows10の機能には、サインイン時にパスワードの入力を数回連続で間違えた場合に、アカウントに制限をかける「ロックアウト」機能があります。
          • この「ロックアウト」機能を活用することによって、犯罪者がシステム内への不正侵入をするために、パスワードロックを解除できるまであらゆる文字列を入力する「ブルートフォース攻撃(総当たり攻撃)」を回避でき、不正アクセスの被害に遭う確率を下げられます。
          • 企業で使用するメインのシステムや機器においては、犯罪者の不正侵入を困難にする「ロックアウト」機能を備えたシステムや機器の導入も検討しましょう。
      2. その他のセキュリティ対策
        • サイバーセキュリティの基本的対策、設定や「人」に対するセキュリティ意識の醸成だけでは限界があります。
        • 防ぎきれない部分を補うためのセキュリティ対策製品として、以下など、様々なものがあります。
          • 不審なメールを受信しないためのメールフィルタリング
          • 外部からの通信を振り分けるファイアウォール、不審な通信が侵入してきたことを知らせ、また、その侵入を遮断する侵入検知システムや侵入防止システム
          • 上記セキュリティシステムを統合したUTM(Unified Threat Management、統合脅威管理)
          • 端末内に侵入したマルウェアなどが不審な行動をしているかどうかを検知するEDR(Endpoint Detection and Response、端末内における検出と警告)
          • 端末やネットワーク内で、不審な挙動の履歴を確認できるログの取得
          • セキュリティ製品の導入を検討するにあたり、自社業務に必要な対策を社内で検討・判断し、積極的な対策に取り組みましょう。
      3. ランサムウェアに感染したら
        • 被害者が犯罪者に金銭を支払った場合、さらなる被害を招く恐れがあります。
        • 仮に、支払ったとしても、暗号化等によって使えなくなったデータが完全な状態に戻るとは限りません。
        • ランサムウェアに感染してしまった場合は、以下などを適宜実施し、早期復帰に向けた事後対応にあたりましょう。
          1. 感染した端末の電源を切らない
            • 感染した端末内に復号に必要な情報が残っていることがあるため、端末の電源は切らないようにしましょう。
          2. 感染した端末をネットワークから隔離する
            • ランサムウェアは、ネットワーク上に接続されている他の端末にも感染を広げることから、有線LANであればLANケーブルを抜き、無線LANであれば端末を機内モードに設定するか、Wi-Fiルータの電源を落として、ネットワークから隔離しましょう。
          3. セキュリティ担当者に報告する
            • ランサムウェアは、他の端末に感染を広げるため、組織全体で状況を把握することが必要です。
            • 場合によっては、支店や提携会社などにも速やかに報告することが感染拡大を防止することになります。
          4. 都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口に連絡・通報する
            • 犯罪の情報分析の結果から得られた被害企業における対策に必要な情報の助言を得るため、また、事件捜査や国内の他組織に対する同種被害拡大の防止に向けた情報を提供するため、自社を管轄する警察のサイバー犯罪相談窓口に連絡・通報しましょう。
          5. その他
            • セキュリティ担当者が事態を把握する中で、ランサムウェアの種類が判別できたら、「No More Ransom」サイトで、暗号化されたデータが復号可能か否かを確認する
          6. 業種によっては、所管省庁へ報告するほか、取引のあるセキュリティ企業やサイバーセキュリティ対策機関である独立行政法人情報処理推進機構(通称:IPA)やJPCERT/CCに連絡し、事後対応の指示を受け行動する
      ▼No More Ransom(外部サイト)
      ▼警察庁 都道府県警察本部サイバー犯罪相談窓口一覧(外部サイト)
      ▼JPCERT/CC「侵入型ランサムウェア攻撃を受けたら読むFAQ」(外部サイト)
      ▼独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「ランサムウェア対策特設ページ」(外部サイト)

      内閣官房 新しい資本主義実現会議(第6回)
      ▼資料1 基礎資料
      • コロナ禍以降、大都市において、都心部から周辺部へ人口が移動し、分散型にドーナツのような形状が現れる現象がスタンフォード大学の教授等による実証研究で確認されている。「ドーナツ効果」と呼ばれる。
      • テレワークに関する研究によると、14%がテレワークにより業務効率が低下したとしているのに対し、42%がテレワークにより業務効率が上昇したと回答。
      • 研究によると、テレワークによって業務効率が上昇した要因としては、通勤時間の節約が最も大きい。また、業務環境が静かであることや食事・家事・育児の効率の上昇、ミーティングの数・時間の減少といった要因も大きい。
      • 2015年に居住地域の33%であった我が国の少子高齢化地域(面積ベース)は、2050年には56%となると見込まれている。
      • 日本では、総人口のうち、50万人以上の大都市に住んでいる割合は73%。65%のアメリカ、56%のイギリスなど欧米各国を上回り、大都市に人口が集中している。
      • 地方移住への関心は、コロナ前に比べて、高まっている。20代や30代の関心が高い。理由としては、自然豊かな環境に魅力を感じたこと(31.5%)に加え、24.3%がテレワークによって地方でも働けるようになったことを挙げている。
      • 光ファイバの整備率(世帯カバー率)は、2021年3月時点ですべての都道府県において9割以上。千葉県、東京都、神奈川県、三重県、大阪府においては世帯カバー率100%を達成しているが、佐賀県、長崎県はカバー率が95%を下回っている。
      • 2019年4月に5G用周波数が割り当てられて以降、各携帯電話事業者が5Gサービスを開始。2020年度末時点の基盤展開率(10km四方のメッシュに親局が設置されている割合)は16.5%であり、2023年度末までに98%カバーを目指す。また、2020年度末時点で30%台である5Gの人口カバー率は、2023年度末までに95%を目指す。
      • DXに取り組む企業の割合は、都市部より地方部の方が低い。光ファイバや5Gの基盤整備に加え、地域におけるデジタル実装に向けた支援が必要。
      • デジタル技術の進展により、書面や対面といったアナログな技術を代替することが可能となる。
      • デジタル臨時行政調査会では、デジタル化を阻害する規制の点検・見直しを進めている。まずは、7項目のアナログ規制について、集中的に改革を実施する。
        1. 目視規制:現場での点検や調査の際に、人が赴き、目で見て確認を求めている規制
        2. 定期検査・点検規制:定期的に人に特定の場所への点検を求めたり、特定の対象物の確認を求めたりする規制
        3. 実地監査規制:人が現場に赴き、書類や建物を人の目で確認をすることを求めている規制
        4. 常駐・選任規制:人を特定の場所へ常時配置または別の場所での仕事の兼務を禁止している規制
        5. 書面掲示規制:国家資格等、公的な証明書等を対面確認や紙発行で、特定の場所に掲示することを求めている規制
        6. 対面講習規制:国家資格等の講習をオンラインではなく対面で行うことを求めている規制
        7. 往訪閲覧・縦覧規制:公的な情報を得るのにオンラインではなく役所等へ訪問して閲覧・縦覧を課している規制
      • Web3.0とは、ブロックチェーン技術によって、(1)管理者による信用保証が不要、(2)改竄されない、(3)コピーできない、といった特性が実現し、個々人がデータを所有・管理し、一極集中管理の巨大プラットフォーマーを介さずに自由につながり、交流・取引を行う、多極化されたWeb社会のこと。
      • Web3.0の世界においては、ブロックチェーン技術を基盤として、様々な新たなサービスが創出され、市場規模が拡大。例えば、NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)とは、偽造・改ざん不能のデジタルデータ。クリエイターが生み出すデジタル作品等は、NFT化されることによって、取引される。メタバースとは、ブロックチェーン上にあるデジタルの仮想空間。ユーザーは仮想空間の中でアバター(自分の分身)を通して他のユーザーと交流し、暗号資産(仮想通貨)等の決済手段を用いて、仮想のアイテムの取引を行うことができる。
      • 諸外国には、公的な役割を目的とする企業の法制度が存在。米国の場合、ベネフィットコーポレーション法。
      • 2018年の米国を対象とした調査では、ベネフィットコーポレーションに関する最初の法律がメリーランド州において施行された2010年10月から2017年12月までの間に、7704社のベネフィットコーポレーションが設立、または株式会社等から移行。その設立は全米に広く拡大。
      • 実証研究によると、デラウェア州でのベネフィットコーポレーションへの投資額に着目すると、投資額は増加傾向。2014年からの5年間で6倍に。1件当たりの平均投資額も4倍に増加。
      • ベネフィットコーポレーションに対する投資額を分野別に見ると、金融、教育、芸術、食品、農業、アパレル、ITといった企業への投資が上位に来ている。
      • ベネフィットコーポレーションに対する投資家の特徴としては、社会面・環境面のインパクトを重視する投資家だけではなく利益追求型の投資家も投資を行っている。
      • 公的な役割を目的とする企業の法律は、米国以外にも、英国・フランス・ドイツなどでも整備されているが、その内容は国によって異なる。
      • 公共側が対象施設の所有権を有したまま、対象施設の運営等を行う権利を民間事業者に設定するコンセッション事業の新規事業数は、年度により多少増減はあるものの、年間5件程度で推移。
      • コンセッション事業は、空港や下水道などのインフラ事業を中心に実施されている。
      • コンセッション事業のうち全体の37%を空港が占めており、空港はコンセッションの導入が進んでいる。国内全97空港中19空港(20%)がコンセッション事業を導入。
      ▼資料2 論点案
      1. 経済社会の多極化
        1. 多極への転換としてのデジタル田園都市国家構想
          • 日本では、欧米諸国と比較して大都市に人口が集中。他方で、全世界的に、コロナ禍以降、都心部から周辺部への人口移動が実証的に確認されている。都市と地方の格差の是正のため、デジタル田園都市国家構想をどのように進めていくべきか。
          • デジタルの力は、物理的距離をマイナス要素ではなくすことができる。コロナ禍以降、実証研究によれば、テレワークの導入により、業務効率が上昇したとするものがあり、その理由として通勤時間の節約、環境が静か、食事・家事・育児の効率の上昇、といった要因が指摘されている。我が国でも、地方には農山漁村が存在し、ゆとりのある生活が享受できる状況にある。このような地方の魅力を活かすためには都市部と地方のインフラの格差をどのように改善していくか。
          • 現在、一部の県では、光ファイバの世帯カバ-率が95%を下回っている。また、携帯電話の5Gサービスについて、人口カバー率は30%台である。全国津々浦々への光ファイバ・5G・データセンター等の整備を実現するため、通信事業者等に対応を求めるとともに、個社では対応が難しい地域については、共同での整備あるいは必要な支援を検討し、早急に日本全国でデジタルサービスが利用できるようにするべきではないか。また、デジタル社会のパスポートであるマイナンバーカードの普及を加速すべきではないか。
          • デジタル田園都市国家構想を進めるためには、市町村が個性を活かした取組を進めることが必要であるが、DXに取り組む企業の割合は都市部より地方部の方が低い。そして、地方では、実証事業から実装段階に移行することに困難を感じている。実装のための環境整備・支援を検討すべきではないか。
          • 自動運転、自動配送、ドローン配送、遠隔医療など、未来のサービスの社会実装のための規制・制度の一括改革の推進と、これに向けて、既存の規制・制度をデジタル技術で代替するための実証事業の実施が必要ではないか。また、デジタル人材の育成・確保を進めることが必要ではないか。
        2. 一極集中管理から多極化された仮想空間へ
          • 特定のプラットフォーマーへの権限や情報の過度な集中が世界的に問題となる中、Web3.0は仮想空間上の多極化を通じ、社会変革につながる可能性を秘めている。デジタル田園都市国家構想とも親和性があると考えられるが、この分野に政府はどのように関わっていくべきか、あるいは関わるべきでないか。
      2. 民間による公的役割
        • これまでの資本主義が抱える格差の拡大、気候変動問題の深刻化、経済社会の持続可能性の喪失といった社会的課題の解決に向け、民間の主体的な関与が期待されている。その担い手は既存企業のみならず、スタートアップ、社会的起業家、NPOなど多様化が期待されている。欧米では、ベネフィットコーポレーションなどの株式会社制度に加えた新たな法制度が整備されつつある。我が国が提唱する新しい資本主義の中で、このような海外の取組をどのように評価していくべきか。法制度の要否についての検討を開始する必要があるか否か。
        • 営利事業としての活用には限界があるが、民間による公的な役割を果たす既存の法人形態として、財団・社団がある。他方で、手続を複雑化する制度改正の動きがあり、産業界には、利用が更に難しくなるとの声もある。既存の法人形態の改革をどう考えていくべきか。
        • 公共側が対象施設の所有権を有したまま対象施設の運営等を行う権利を民間事業者に設定するコンセッション事業などの民間活力の利用を更に進めるべきではないか。空港などの代表的分野でどのようにこのような考え方を進めていくべきか。
        • 社会的インパクト投資を進めるため、金融システムの在り方をどう考えるべきか

      内閣官房 第3回 孤独・孤立対策推進会議 配布資料
      ▼資料:第3回孤独・孤立対策推進会議説明資料
      • 直接的に孤独感を質問。直接質問の結果、孤独感が「しばしばある・常にある」と回答した人の割合は4.5%、「時々ある」が14.5%、「たまにある」が17.4%であった。一方で孤独感が「ほとんどない」と回答した人は38.9%、「決してない」が23.7%であった
      • 孤独という主観的な感情を間接的な質問により数値的に測定する「UCLA孤独感尺度」に基づく質問。3つの設問への回答を点数化し、その合計スコア(本調査では最低点3点~最高点12点)が高いほど孤独感が高いと評価。間接質問の結果、合計スコアが「10~12点」の人が6.3%、「7~9点」の人が37.1%であった。一方で「4~6点」の人が37.4%、「3点」の人が18.5%であった
      • 年齢階級別の割合は「30歳代」が最も高く、7.9%であった。一方、最も低いのは「70歳代」で1.8%であった
      • これを男女別にみても、男女ともに「30歳代」が最も高く、男性が8.3%、女性が7.3%であった。その割合が最も低いのは男女ともに「70歳代」で男性が2.1%、女性が1.5%であった。
      • 参考として、本調査と英国政府の統計調査(Community Life Survey 2020/21)における年齢階級別孤独感を比較。英国では16~24歳の年齢階級で孤独感が高くなっている。
      • 孤独感が「たまにある」、「時々ある」、「しばしばある・常にある」と回答した人がその状況に至る前に経験した出来事としては、「一人暮らし」、「転校・転職・離職・退職(失業を除く)」、「家族との死別」、「心身の重大なトラブル(病気・怪我等)」、「人間関係による重大なトラブル(いじめ・ハラスメント等を含む)」を選択した人が多かった。
      • 社会的交流について、同居していない家族や友人たちと直接会って話すことが全くない人の割合が11.2%であった
      • 社会参加について、特に参加していない人の割合が53.2%となっている。なお、参加している人については「スポーツ・趣味・娯楽・教養・自己啓発などの活動(部活動等を含む)」への参加を選択する割合が最も高く、29.6%であった。
      • 社会的サポート(他者からの支援)について、支援を受けていない人の割合が89.2%であった。なお、全体では、支援を受けている人の割合が4.4%であるが、80歳以上では男性で8.4%、女性で12.2%とその割合が高くなっている。
      • 社会的サポート(他者への手助け)について、「手助けをしたいと思わない・手助けを必要とする人がいるか分からない」という人の割合が4.3%、「手助けを求める人がいない」が24.8%、「自分にはできない」が10.5%であった。
      • 調査結果を踏まえ、令和3年12月に策定した「孤独・孤立対策の重点計画」の評価・検証、見直しを検討するとともに、令和4年度においても、引き続き、孤独・孤立の実態把握に関する全国調査を実施するなど、継続的に孤独・孤立の実態把握に努める。

      内閣官房 デジタル田園都市国家構想実現会議(第7回)議事次第
      ▼資料3 デジタル田園都市国家構想基本方針(骨子案)
      • コロナ禍で地方を巡る社会経済状況が大きく変化していることに加え、デジタルインフラの飛躍的な整備の進展、テレワークをはじめとしたデジタル技術利活用の浸透など、地方に住みながら様々な情報・サービスを利用できる環境が整いつつあり、デジタル技術を活用する機運が急速に高まっている。
      • デジタルの力を活用して地方創生にかかる取組を一層高度かつ効率的に推進することによる地方活性化を図る環境が整いつつあり、これを機に、デジタル田園都市国家構想の実現を目指す。
      • 国は、基本方針を通じて、構想が目指すべき中長期的な方向性を提示し、地方の取組を支援。特に、データ連携基盤の構築など国が主導して進める環境整備に積極的に取り組む。その際、KPIを設定して進捗管理を行いつつ、取組の着実な推進を図る。地方は、自らが目指す理想像を描き、自主的・主体的に構想の実現に向けた取組を推進。
      • 構想の実現により、地方におけるしごとの創出、暮らしの向上、持続可能性の向上、Well-beingの増大などを通じて、デジタル化の恩恵を国民や事業者が享受できる社会を目指し、地方から全国へとボトムアップの成長とともに、東京圏への一極集中の是正を図る。
      • 解決すべき地方の課題 (地方にこそ、デジタルで解決すべき課題がある)
        • 東京圏への一極集中の是正
        • 少子高齢化への対応
        • 地域経済の活性化
        • 教育の質の維持・向上
        • 適切な医療水準の確保 等
      • これまでの取組
        1. 地方にしごとをつくる
          • (例)地域を支える産業の振興、農林水産業の成長産業化、中小企業の生産性向上、観光振興、地域における脱炭素化等
        2. ひとの流れをつくる
          • (例)地方移住の推進、関係人口創出・拡大、地方への人材支援・インターンシップ推進、政府関係機関の地方移転、魅力ある地方大学の実現、高校生の地域留学等
        3. 結婚・出産・子育ての希望をかなえる
          • (例)女性活躍の推進、少子化対策の推進等
        4. 魅力的な地域をつくる
          • (例)地域交通の維持・確保、医療機能の確保、SDGsを通じた持続可能なまちづくり、地域防災の確保等
      • デジタル実装を通じて、地域の課題解決・魅力向上の取組を、より高度・効率的に推進
      • デジタルの力を活用した地域の課題解決
        1. 地方にしごとをつくる
          • (例)スタートアップ・エコシステムの確立、中小・中堅企業DX、スマート農林水産業、観光DX、地方大学を核としたデジタル実装等
        2. ひとの流れをつくる
          • (例)「転職なき移住」の推進、オンライン関係人口、二地域居住等の推進、サテライトキャンパス等
        3. 結婚・出産・子育ての希望をかなえる
          • (例)母子オンライン相談、母子健康手帳アプリ、子どもの見守り支援等
        4. 魅力的な地域をつくる
          • (例)GIGAスクール・遠隔教育、遠隔医療、ドローン物流、自動運転、MaaS、インフラ分野のDX、3D都市モデル整備・活用、文化芸術DX、防災DX等
      • 地方活性化・地方からのボトムアップの成長
        1. デジタル基盤の整備
          • 2023年度までの5Gの人口カバー率95%達成や、デジタル田園都市スーパーハイウェイの整備など、「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」の実行等を通じてデジタル基盤整備を推進。国主導の下、データ連携基盤等を全国に実装。マイナンバーカードの普及を促進するとともに、利用を拡大。
        2. デジタル人材の育成・確保
          • デジタル技術による地域の課題解決をけん引するデジタル推進人材について、2026年度までに230万人育成。「デジタル人材地域還流戦略パッケージ」に基づき、人材の地域への還流を促進
        3. 誰一人取り残されないための取組
          • デジタル推進委員を全国展開するなど、誰もがデジタルの恩恵を享受できる「取り残されない」デジタル社会を実現
      • 構想の実現に向けた地域ビジョンの提示 国は地方の取組を促すため、構想を通じて実現する地域ビジョンを提示。
        • スマートシティ
        • 「デジ活」中山間地域
        • 産学官協創都市
        • SDGs未来都市
        • 脱炭素先行地域
      • 構想の実現に向けた今後の進め方
        • 5月下旬~ デジタル田園都市国家構想基本方針案のとりまとめ(第8回デジタル田園都市国家構想実現会議) ⇒ 閣議決定
        • 年末 デジタル田園都市国家構想総合戦略(仮称)の策定(まち・ひと・しごと創生総合戦略の改訂)
        • コロナ禍やデジタル技術の浸透・進展など状況の変化を踏まえ、2024年度までの地方創生の基本的方向を定めたまち・ひと・しごと創生総合戦略を抜本的に改正し、構想の中長期的な基本的方向を提示するデジタル田園都市国家構想総合戦略(仮称)を策定。
        • 地方公共団体は、新たな状況下で目指すべき地域像を再構築し、地方版総合戦略を改訂し、具体的な取組を推進。(国は、地方版総合戦略に基づく取組について、交付金などさまざまな施策を活用して支援)

      【その他(海外)】

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