2024/05/13

危機管理トピックス

【省庁別記事(後半)】

【経済産業省】

【2024年5月】

経済産業省 宇宙戦略基金の基本方針及び実施方針(経済産業省計上分)を決定しました
  • 経済産業省は、本日、宇宙戦略基金の事業全体の制度設計を定める「基本方針」を関係府省とともに決定しました。
  • また、経済産業省で実施する技術開発テーマを定める「実施方針(経済産業省計上分)」を内閣府とともに決定しました。
  • 背景・趣旨
    • 経済産業省、内閣府、総務省、文部科学省は、民間企業等による宇宙分野の技術開発を複数年度にわたって強力に支援するため、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)に「宇宙戦略基金」を2024年3月に設置しました。令和5年度補正予算では、経済産業省、総務省、文部科学省の合計で3,000億円、うち経済産業省では、1,260億円を措置しています。
    • この度、本基金について、事業全体の制度設計を定める「基本方針」を関係府省とともに決定しました。
    • また技術開発テーマの目標、内容を定める「実施方針(経済産業省計上分)」を内閣府とともに決定しました。
    • 国際的な宇宙開発競争が激化している中、宇宙関連産業の市場規模も急速に拡大し、世界各国で宇宙開発が「官」中心から「民」主導へと移行しつつあります。我が国としても、宇宙産業市場を拡大していくため、宇宙戦略基金を活用し、我が国の宇宙開発の中核機関であるJAXAを結節点として、民間事業者による宇宙分野におけるビジネス化を支援していきます。
  • 宇宙戦略基金で経済産業省が実施する取組
    • 産業構造審議会 製造産業分科会 宇宙産業小委員会及び内閣府宇宙政策委員会での議論も踏まえ、特に緊要性が高い「衛星コンステレーションビジネスの加速化」、「民間ロケットの輸送能力強化」、「衛星データ利用ビジネスの促進」の3つの課題に対応する、5つのテーマに取り組んでいきます。
      1. 衛星コンステレーションビジネスの加速化のための取組
        • 商業衛星コンステレーション構築加速化
        • 衛星サプライチェーン構築のための衛星部品・コンポーネントの開発・実証
      2. 民間ロケットの輸送能力強化のための取組
        • 固体モータ主要材料量産化のための技術開発
        • 宇宙輸送システムの統合航法装置の開発
      3. 衛星データ利用ビジネスの促進のための取組
        • 衛星データ利用システム海外実証(フィージビリティスタディ)
  • 今後の予定
    • 関係法令及び基本方針、実施方針に基づき、JAXAにおいて公募が行われる予定です。

経済産業省 事業会社からのスタートアップ創出を促すための「起業家主導型カーブアウト実践のガイダンス」を取りまとめました
▼ 起業家主導型カーブアウト実践のガイダンス(概要)
  • 本ガイダンスでは、「カーブアウト」の中でも、事業会社の中で事業化できない技術を活用したスタートアップの創出を「スタートアップ創出型カーブアウト」として整理。
  • スタートアップ創出型カーブアウトのイメージ
    • 「スタートアップ創出型カーブアウト」とは、自社組織(組織OS・組織的能力・資金力・スピード感)の限界により事業化できない技術を事業化するために、事業会社とは別の法人(スタートアップ)を創設することをいう。
    • 創出される事業体は「スタートアップ」であり、VCから資金を調達して、急速な事業成長を目指す。
  • スタートアップ創出型カーブアウトの国としての意義
    • 我が国の民間部門の研究開発投資のうち、約9割が大企業によって担われているものの、事業化されない技術の約6割が消滅。
  • スタートアップ創出型カーブアウトの国としての意義
    • そうした技術をもとにしたスタートアップの創出を促進することで、国として以下のような意義が期待される。
  • スタートアップ創出型カーブアウトの国としての意義
    • 視点(1) 新産業創出
      • 国全体として、将来において競争力を有する事業や産業を創出する手法
    • 視点(2) イノベーション実現
      • 研究開発の成果が死蔵されることなく、製品・サービスとして、顧客や社会に普及・浸透し、「イノベーション」を実現
    • 視点(3) 国の公的投資の活用促進
      • 公的な助成による成果や、大学との共同研究は、国の公的投資を含んだものであり、積極的に活用されるべきもの
    • 視点(4) 起業経験者の増加
      • スタートアップを起業・経営した経験者が増加。起業経験者が事業会社と人事交流することで、事業会社の風土が刷新され、新事業創出が促進
    • 視点(5) スタートアップ・エコシステム成熟
      • スタートアップが増加することに加え、起業経験者が増えることは、スタートアップ・エコシステム全体の成熟に寄与。また、M&A等を通じ、事業会社も含めたイノベーションを促進
  • スタートアップ創出型カーブアウトの事業会社としての意義
    • 事業会社としても、以下の3つの視点から、スタートアップ創出型カーブアウトの実践により長期的なサステナビリティの向上が期待される。
      • 視点(1) 従来の手法では困難な新たな事業の創出
        • 自社の「組織OS」で実現できないイノベーション:既存事業に最適化した自社の組織OS(組織風土・カルチャー)では、速度や自由度の観点で事業化できないイノベーションが実現可能に
        • リスク投資の分散と最大化:事業会社にとって不得手な新領域に対するリスク投資を、自社と異なる主体で実施し、価値最大化に向けたポートフォリオ形成に寄与
        • イノベーションのジレンマの解消:既存事業とのしがらみやカニバリゼーションの回避のために事業化が困難な領域に適合
      • 視点(2) 無形資産の価値
        • ネットワーク的な価値:自社の研究開発成果を基にしたスタートアップのネットワーク化により、価値創出を実現。
        • レピュテーションの向上:イノベーティブな組織文化を育て、レピュテーションが向上
        • 人材獲得への貢献:レピュテーションの向上や組織文化へのプラスの影響により、人材獲得に貢献
        • 技術の価値の顕在化:事業化できていない知財の価値が顕在化するとともに、企業の研究者にとっても研究の方向性にポジティブなフィードバックを獲得
      • 視点(3) 社会的期待への対応
        • 社会へのソリューションの提供:企業の使命は、顧客に課題解決の方法を届けることであると期待されることから、課題解決に向けた仮説を持つ起業家がおり、追加的なリソース提供なく事業化できるなら、その実現を後押しする社会的な期待が存在
        • 大学や国プロジェクトなど公的な知的基盤を活用する企業への期待:とりわけ、公的リソースを活用して研究開発を行った企業は、開発された技術の社会実装に向けた責任が存在
  • 起業家主導型カーブアウトの実践に向けた事業会社のあるべき姿
    • 本ガイダンスでは、「スタートアップ創出型カーブアウト」の中でも、起業家が主導してカーブアウトのプロセスやその後の経営に取り組む「起業家主導型カーブアウト」に着目し、その特徴等を整理して実践的なカーブアウトの手法を提示。
    • 実践に向けた事業会社のあるべき姿や社内での検討や調整におけるつまずきのポイント、事業会社の協力を得た事例集も整理
      1. カーブアウトの自社経営における位置づけ
        • 自社の組織OSや組織能力には限界があることを前提に、スタートアップ創出型カーブアウトが自社の経営に位置付けられている
      2. フローの整備・運用
        • 起業家主導型カーブアウトを連続的に実施していくためのフローが整備され、適切に運用されている
      3. 各種論点の調整
        • 各種論点の調整において、スタートアップの成長を阻害しない条件を設定できている
      4. エンゲージメント
        • カーブアウトのプロセスにおいて支援部署が適切に支援を提供し、創出されたスタートアップに対して対等に接することができている
      5. 基本思想への理解
        • カーブアウトの対象となる技術は「そもそも自社組織の限界により事業化できないもの」であることを認識できており、スタートアップの「事業の成長速度の最大化」を共通言語にできている

経済産業省 サイバー攻撃への備えを!「SBOM」(ソフトウェア部品構成表)を活用してソフトウェアの脆弱性を管理する具体的手法についての改訂手引(案)を公表します
  • 経済産業省は、ソフトウェアサプライチェーンが複雑化する中で、急激に脅威が増しているソフトウェアのセキュリティを確保するための管理手法の一つとして「SBOM」(ソフトウェア部品表)に着目し、企業による利活用を推進するための検討を進めてきました。2023年7月には、ソフトウェアを供給する企業と調達する企業の双方を想定読者として、SBOMを導入するメリットや実際に導入するにあたって認識・実施すべきポイントをまとめた手引書を策定しました。
  • その後もSBOMのより効率的な活用方法等の検討を継続し、今般、本手引書を改訂する予定です。具体的には、(1)ソフトウェアの脆弱性を管理する一連プロセスにおいてSBOMを効果的に活用するための具体的な手順と考え方、(2)SBOM導入の効果及びコストを勘案して実際にSBOMを導入することが妥当な範囲を検討するためのフレームワーク、(3)委託先との契約等においてSBOMに関して規定すべき事項(要求事項、責任、コスト負担、権利等)を追加しています。本改訂案について、2024年4月26日(金曜日)から5月27日(月曜日)までの間、意見を募集します。
  • 背景・趣旨
    • 近年、産業活動のサービス化に伴い、企業において、オープンソースソフトウェア(OSS)を含むソフトウェアの利用が広がっています。例えば、産業機械や自動車等の制御においてソフトウェアの導入が進んでいます。また、IoT機器・サービスや5G技術についても、汎用的な機器でハードウェア・システムを構築した上で、ソフトウェアにより多様な機能を持たせることで、様々な付加価値を創出していくことが期待されています。
    • このように産業に占めるソフトウェアの重要性が高まる一方で、ソフトウェアの脆弱性を突いたサイバー攻撃が企業経営に大きな影響を及ぼすなど、ソフトウェアに対するセキュリティ脅威が増大しています。このため、自社のセキュリティを強化するためにソフトウェアを適切に管理していくことが重要になりますが、ソフトウェアサプライチェーンが複雑化し、OSSの利用が一般化する中で、自社製品において利用するソフトウェアであっても、コンポーネントとしてどのようなソフトウェアが含まれているのかを把握することが困難な状況という課題があります。
    • このようなソフトウェアの脆弱性管理に関し、ソフトウェアの開発組織と利用組織双方の課題を解決する一手法として、「ソフトウェア部品表」とも呼ばれるSBOM(Software Bill of Materials)を用いた管理手法が注目されています。
    • 経済産業省では、「産業サイバーセキュリティ研究会ワーキンググループ1(制度・技術・標準化)サイバー・フィジカル・セキュリティ確保に向けたソフトウェア管理手法等検討タスクフォース」において、有識者や様々な分野の業界団体関係者を交えながら、SBOMの利活用等について実証や議論を行い、企業が適切にソフトウェアを管理するためにSBOMの導入を検討する際に活用できるよう、SBOMの基本的な情報や導入に向けた実施事項、認識しておくべきポイントを整理した「ソフトウェア管理に向けたSBOM(Software Bill of Materials)の導入に関する手引ver1.0」を2023年7月に公表しました。
    • 他方で、SBOMを導入した後に、SBOMをどのように活用してソフトウェアの脆弱性を効率的に管理(ソフトウェアの脆弱性の特定、脆弱性対応の優先度付け、情報共有、脆弱性対応)出来るかが明らかでないといった課題が存在しています。
    • また、ソフトウェア部品の供給者と調達者の立場によって、SBOM作成のコストや脆弱性管理の効率化による便益に偏りが発生しないよう、SBOM導入前に取り決めを明確にしておくことや、SBOMにより特定されるソフトウェア部品の範囲や脆弱性管理の範囲などどこまで対応出来ているか違いを可視化し、分野や用途に応じてSBOMを導入するのに適切な範囲を明らかにすることも重要です。
    • これらの課題を対応し、産業界におけるSBOMの活用をさらに促すべく、同タスクフォースにおいて検討を進め、今般、「ソフトウェア管理に向けたSBOM(Software Bill of Materials)の導入に関する手引ver2.0(案)」を策定し、意見募集を開始しました。
  • 「ソフトウェア管理に向けたSBOM(Software Bill of Materials)の導入に関する手引ver2.0(案)」の概要
    • 「ソフトウェア管理に向けたSBOM(Software Bill of Materials)の導入に関する手引ver2.0(案)」は、ソフトウェアを供給する企業と調達する企業の双方を想定読者としています。2023年7月に公表した「ソフトウェア管理に向けたSBOMの導入に関する手引ver1.0」の内容に加えて、以下の内容を盛り込んでいます。
      • 脆弱性管理プロセスの具体化(第7章)
        • SBOMを活用することで、ソフトウェアの脆弱性管理を通じた脆弱性リスクの低減が効果として見込まれていることから、SBOMを活用するプロセスの中でも、脆弱性管理に関するフェーズが特に重要です。本章では、ソフトウェアの脆弱性を管理する一連プロセスにおいてSBOMを効果的に活用するための具体的な手順と考え方をまとめることで、SBOM活用による効果を高めるための参考情報を提供しています。
      • 「SBOM対応モデル」の追加(8.付録)
        • 本モデルでは、SBOM導入の効果及びコストを勘案して実際にSBOMを導入することが妥当な範囲を検討するためのフレームワークを示しています。当該フレームワークを用いることで、高度な管理を行えるソフトウェア、すなわちセキュアなソフトウェアが市場に適切に評価され、その流通が促進されることが期待できます。
      • 「SBOM取引モデル」の追加(9.付録)
        • 本モデルでは、ソフトウェア部品の受発注において、調達者と供給者の間でSBOMに関して契約に規定すべき事項(要求事項、責任、コスト負担、権利等)について参考となる例を示しています。

経済産業省 知財・無形資産の投資・活用における等身大の悩みや課題を解決!「知財経営への招待~知財・無形資産の投資・活用ガイドブック~」を公開
  • 特許庁は、知財・無形資産の投資・活用の実践及び適切な情報開示に向けて、取り組むべき事項を具体的に取りまとめたガイドブックを公開しました。
  • 今回新たに示す、知財・無形資産を活用していくためのポイントなど、知財・無形資産の投資・活用に悩まれる企業の方に是非読んでいただきたい内容となっています。
  • 本ガイドブックの要旨
    • コーポレートガバナンス・コードの改訂、知財・無形資産ガバナンスガイドライン2.0の策定等を経て、知財・無形資産の投資・活用やその開示の重要性についての認識は広がりつつあるものの、いかに取り組み始めればよいか、悩む声が数多く寄せられてきました。
    • 知財・無形資産の投資・活用を実践するにあたっては、自社の強みについて社内メンバー間で共通認識化することが必要不可欠です。しかし、実践に悩む企業においては、そもそも自社の強みを把握できていないか、把握できていたとしても認識が異なる点がボトルネックになっていることが判明しました。
    • そこで本ガイドブックでは、このようなボトルネックを解消し、知財・無形資産の投資・活用を推進するためのポイント、それを機能させるための知財部門の役割及び知財・無形資産の投資・活用に係る情報開示の重要性や方法論について、具体的かつ多様な事例とともにご紹介しています。
  • 本ガイドブックの構成
    • 知財・無形資産の投資・活用及びその情報開示について、企業が抱える等身大の悩みや課題に対する実践的な取組方法を取りまとめたガイドブックです。
    • 知財・無形資産の投資・活用を推進するためのポイントをコンパクトにまとめ、ポイントを押さえた知財・無形資産の投資・活用の実践の流れを仮想事例として読みやすいストーリー風に記載しています。
    • ストーリーの中で発生した課題を解決するためのTIPS、先進企業の取組事例をまとめたコラム、知財・無形資産の投資・活用を進める企業の経営層・部門長の課題感を取り上げた座談会レポートも収録するなど、盛りだくさんな内容となっています。
    • 知財・無形資産の投資・活用を推進するにあたって、自社の課題を確認するためのチェックリストを掲載しています。
  • 本ガイドブックの想定読者
    • 知財部門を中心に、経営層や経営企画部門、事業部門、研究開発部門、IR部門等、知財・無形資産の投資・活用に関わる全ての皆様を想定読者としています。
  • ダウンロード・冊子の配布
    • 特許庁ウェブサイト「知財経営への招待~知財・無形資産の投資・活用ガイドブック~」外部リンクからダウンロードできます。
    • また、6月下旬以降には、全国47都道府県に設置されている「知財総合支援窓口」や経済産業局の知的財産室等において、冊子版を無料配布する予定です。
▼ 知財経営への招待~知財・無形資産の投資・活用ガイドブック~

経済産業省 「SX銘柄2024」を選定しました
  • 経済産業省と株式会社東京証券取引所(以下、「東証」という)は、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を通じて持続的に成長原資を生み出す力を高め、企業価値向上を実現する先進的企業群を、「SX銘柄」として、選定・表彰することとしています。東証上場企業を対象に、2023年10月2日から11月30日の間に募集を行い、この度、初回となる「SX銘柄2024」に15社を選定しました。2024年5月24日のSXシンポジウム2024においてSX銘柄2024の表彰式等を予定しています。
  • SX銘柄とは
    • SXとは、社会のサステナビリティと企業のサステナビリティを同期化させ、そのために必要な経営・事業変革を行い、長期的かつ持続的な企業価値向上を図っていくための取組です。SXを通じて持続的に成長原資を生み出す力を高め、企業価値向上を実現する先進的企業群を、「SX銘柄」として、選定・表彰します。
    • SX銘柄の公表を通じて、今後、先進的なSX経営の取組が日本の幅広い企業に普及していくとともに、国内外の投資家等との対話やエンゲージメントが一層促進されることで、投資拡大、ひいては資本市場における日本企業に対する評価が向上していくことを期待します。
  • SX銘柄2024選定企業
    • 東京証券取引所上場企業を対象に、2023年10月2日から11月30日の間にSX銘柄2024への募集を行い、応募いただいた企業の中から、SX銘柄評価委員会での審査を経て、以下の15社をSX銘柄2024として選定しました。
      • 食料品2802 味の素株式会社
      • 電気機器 6645 オムロン株式会社
      • 食料品2503 キリンホールディングス株式会社
      • 情報・通信業 9433 KDDI株式会社
      • 医薬品4568 第一三共株式会社
      • 機械 6367 ダイキン工業株式会社
      • 電気機器 8035東京エレクトロン株式会社
      • 化学 4186 東京応化工業株式会社
      • 空運業 9201 日本航空株式会社
      • 電気機器 6501 株式会社日立製作所
      • 化学 4901 富士フイルムホールディングス株式会社
      • ゴム製品 5108株式会社ブリヂストン
      • 卸売業 8031 三井物産株式会社
      • 食料品 2269 明治ホールディングス株式会社
      • 化学 8113 ユニ・チャーム株式会社
  • SX銘柄2024レポート
    • 先進的なSXの取組が、日本の幅広い企業に普及していくこと、国内外の投資家等との対話・エンゲージメントが一層促進されることを目的として、SX銘柄2024の発表とともに、選定企業の取組等を紹介したSX銘柄2024レポートを作成、公表しました。
▼ SX銘柄2024レポート
  • 「SX銘柄2024」事業の趣旨
    • 本事業では、SXを通じて持続的に成長原資を生み出す力を高め、企業価値向上を実現する先進的企業群を、「SX銘柄2024」として選定・表彰し、レポートとともに公表するものである。
    • 「SX」とは、企業が持続的に成長原資を生み出し、企業価値を高めるべく(「企業のサステナビリティ」の向上)、社会のサステナビリティ課題に由来する中長期的なリスクや事業機会を踏まえ(「社会のサステナビリティ」との同期化)、投資家等との間の建設的な対話を通じて資本効率性を意識した経営・事業変革を実行することを指す。
    • 事業を通じた企業価値創造と直接の関係が薄い、いわゆる社会貢献活動とは異なる。
    • 一口に「社会のサステナビリティ課題」と言っても、気候変動や人権など多様化する社会課題に関する国際ルール環境も変化し、さらにサプライチェーン・リスクやサイバーセキュリティ等の経済安全保障関連課題も顕在化するなど、その中身は複雑化している。
    • こうした社会のサステナビリティ課題に由来するリスクや事業機会を踏まえ、長期の時間軸で望ましい事業ポートフォリオや成長投資等の在り方について、経営陣と社内の各事業部門、投資家、取引先など各企業のインベストメント・チェーン上の様々な主体が建設的な対話・エンゲージメントを繰り返し、企業としての価値創造ストーリーを協創し、実行することが期待される。
    • 本事業では、選定企業を「価値創造経営を進める日本企業の象徴」として示すことで、日本企業に対する国内外の投資家による再評価を促すきっかけとするとともに、経済産業省「伊藤レポート」シリーズで発信してきたメッセージを事例分析の形で発信することを通じ、長期的・持続的な企業価値向上に向けた経営・事業変革の実行を日本企業全体に促すことを目的としている。
  • 「SX銘柄」の背景(経済産業省「伊藤レポート」シリーズと「価値協創ガイダンス」)
    • 日本企業の自己資本利益率(ROE)は、一定の改善をしてきたが、依然として欧米企業に水をあけられている。また、株価純資産倍率(PBR)1倍割れ企業の割合が、欧米に比べて非常に高い水準にある。
    • 2014年以来、経済産業省では「伊藤レポート」シリーズを通じ、一貫して「企業のサステナビリティ(自社の長期的・持続的な企業価値)」を向上させること、そのための投資家等との間の建設的な対話・エンゲージメントや開示の重要性、ESGの視点の重要性を提唱してきた。また、SX経営の実践フレームワーク(手引き)として「価値協創ガイダンス」を公表している。
    • 特に、2022年増補編である「伊藤レポート3.0」では、企業のサステナビリティを社会のサステナビリティと同期化させることの重要性が増大する現状を踏まえ、企業の長期的・持続的な価値創造のために、「SX」の重要性を強調している。同時に、SXを実現するためのフレームワークとして価値協創ガイダンスを改訂し、「価値協創ガイダンス2.0」として公表した。

経済産業省 「AIを利活用した創作の特許法上の保護の在り方に関する調査研究」の調査結果を公表します
▼ 要約版
  • 背景
    • AIを利活用した創作については、従前から特許法上の保護の在り方について検討がなされてきた。他方、近年はChatGPTをはじめとする生成系AIが急速に進歩しており、知的財産推進計画2023では、「ChatGPT等の万人が容易に利用可能なAIが出現したことにより、創作過程におけるAIの利活用が拡大することが見込まれ、それによって生まれた発明を含む特許出願が増えることが予想される。そのような発明…の審査において、創作過程でのAIの利活用をどのように評価するかが問題となるおそれがある」点が指摘され、「創作過程におけるAIの利活用の拡大を見据え、進歩性等の特許審査実務上の課題やAIによる自律的な発明の取扱いに関する課題について諸外国の状況も踏まえて整理・検討する」こととされている。
    • また、海外に目を向けると“DABUS”なるAI自体が創作したと主張される特許出願が各国でなされ、米国特許庁、英国特許庁が意見募集を行うなど、諸外国においてもAIを利活用した創作の特許法上の保護の在り方について議論がなされている。
  • 目的
    • 本調査研究では、諸外国の状況も踏まえて、(1)最新のAIの技術水準や、発明の創作過程におけるAIの利活用の状況を調査すること、(2)創作過程におけるAIの利活用の拡大により生じる特許審査実務上の課題を整理・検討すること、(3)AIによる自律的な発明の取扱いに関する課題を整理・検討することで、AIを利活用した創作の特許法上の保護の在り方を検討する上での基礎資料を作成することを目的とする
  • 発明の創作過程におけるAIの利活用状況
    • 生成AIの技術力が突出しているGoogle、Amazon、Meta、Microsoft(Open AIを含む)の4社について、公開情報をもとに開発・提供中のサービスを調査した。また、その他の企業等についても、発明の創作過程におけるAIの利活用の状況を調査した。
      • Google、Amazon、Meta、Microsoft(Open AIを含む)
        • 自社の大規模言語モデル(LLM)を様々な用途に利用している(コーディング支援、検索エンジンの高度化、チャットボット、画像生成、広告生成、音声・音楽生成、動画・アニメーション生成、ロボット行動生成等)。
      • その他の企業等
        • 創薬や材料開発に加えて、近年は飲料レシピの提案、設計案(3D-CAD等)の生成、調達書類の作成、製品の新規用途開発などの多岐に渡る用途で生成AIが利用されている。
        • また、AI開発企業と、サービス提供企業との提携による活用例が複数確認された。
  • AIの利活用の拡大に伴う課題等の分析
    • 発明該当性
      • 現行の特許法又は特許審査実務に対する課題を示す意見は発見されなかった。
    • 進歩性
      • AIの利用による発明の効率化(高速化)を踏まえたAI関連発明特有の課題として「AIを利用した大量の発明を抑制するために、審査基準における『類似/周辺/隣接技術分野』の範囲を広げることで、関連技術分野を広くし、発明を自明/進歩性欠如に導く先行技術が見つけ易くすべき」といった進歩性の水準の向上についての意見が見られた。
    • 記載要件
      • 主にAIの再現性の低さに対する懸念から、実施可能要件やサポート要件を担保するための仕組みとして「机上や虚偽のデータの記載にならないよう、明細書でのデータの信頼性を担保して、効果の真正さを保障すべき」といった明細書等における開示の充実化に関する意見が見られた。
      • 一方で、「記載要件を厳密に要求すると、チューニングの際のノウハウなどまで明細書に開示せざるを得なくなり特許を取得する意味がなくなる」といった明細書等における開示の充実化を懸念する意見も見られた。
    • 発明者
      • 発明者として自然人を想定する意見が多数であった。
  • 各国・地域のAI関連発明に関する審決・判決の分析
    • 米国、欧州、英国、中国、韓国におけるAI関連発明の審決・判決のうち、発明該当性、進歩性、記載要件が争点となったものを中心に以下17件について分析を行った。
      • 発明該当性:3件(米国1件、英国2件)
      • 進歩性:10件(米国2件、欧州4件、英国1件、中国1件、韓国2件)
      • 記載要件:3件(欧州2件、韓国1件)
      • 発明者適格(DABUS判決):1件(英国1件)
    • 英国では発明該当性について、従来の特許審査の運用と異なる高等裁判所の判決があった。AI関連発明は「コンピュータプログラム」に該当し、発明該当性を満たさないと判断される蓋然性が高かったところ、Emotional Perception AI Ltd v Comptroller-General of Patents, Designs and Trade Marks判決([2023] EWHC 2948 (ch))において英国高等裁判所は、基本的に人工ニューラルネットワーク(ANN)はコンピュータプログラムではないため、「コンピュータプログラム」であるという理由で発明該当性を満たさないとは判断されないとの見解を示した。
    • 上述の裁判例以外では、既存の特許審査の運用と大きく乖離した審決・判決は発見されなかった。
    • なお、世界的に注目を集めるDABUS判決については、2023年12月に、英国において、最高裁判所が、英国控訴院による判決に対する上告を棄却する旨の判決及びプレスサマリーをウェブサイトにて公表するという動きがあった。当該公表において、発明者は自然人でなければならないという最高裁の見解が示されている。
  • 国内アンケート調査
    • 発明の創作過程におけるAIの利活用の状況
      • すでに発明の創作過程においてAIを活用している企業(14者)であってもAIの技術水準が十分ではないと考えている企業が多数(11者)。
      • 課題候補、解決手段候補の抽出等にAIを利用しつつも、最終的には人間がその知見に基づき発明を創作しており、完全にAIだけで発明が創作されているという回答は確認されなかった。
    • 特許審査実務上の課題
      • AIの利活用の拡大に伴い進歩性の考え方を変更すべきかについて、変更すべきでない意見(26者)の方が、変更すべきという意見(14者)よりも多かった。
      • 実施可能要件について、発明の創作過程にAIを活用することにより変化が生じるとは考えられないという意見(25者)の方が、変化が生じるという意見(16者)よりも多かった。
      • 明細書等において、化合物等の機能についてMI、BI(※)による予測が示されているに過ぎず、実際にそれを製造して機能を評価した実施例が記載されていない場合について、記載要件を満たすと認めてほしい要望は少なかった(36者が要望はないと回答)。また、そのような実際の製造に基いて機能を評価した実施例の記載は、(実施可能要件を含む)記載要件の担保につながり、技術の発展に資するため、メリットがあるという意見が多かった(13者)。
    • AIによる自律的な発明の取扱い
      • AI自律的発明の特許出願・権利化を国として認めると問題をもたらすおそれがあるかについて、おそれがあるという意見(33者)の方が、おそれはないという意見(7者)よりも多かった。また、問題をもたらすおそれがある理由として、実現性が検証されていない発明が増える、発明の増加と過大な出願により審査が遅れる可能性があるとの意見があった。
  • 国内ヒアリング調査
    • 発明の創作過程におけるAIの利活用の状況
      • マテリアルズ・インフォマティクスについて、現在はAIを利用することによって目的とする材料に数回の試行錯誤で到達することが可能となってきており、新規材料の開発が効率化しているとの意見があった。
      • 現状のAIの技術水準は高くなってはいるものの、発明を創作するためにはまだ人による検証が必要との意見が多く、AIが自律的に発明を創作する事例は確認されなかった。
    • 特許審査実務上の課題
      • AIの利活用拡大に伴う進歩性の考え方については、現行から変える必要がないとの意見が多く聴取された。その理由として当業者が用いる出願時の技術常識や研究開発のための通常の技術的手段等にAIが含まれることにより、AIの進展に伴い自然と当業者の解釈が変化していく(結果として進歩性は否定されやすくなる)ことがあげられた。
      • 創作過程にAIを利用した発明に対し進歩性の考え方を異ならせることについて、出願人側のメリットはなくデメリットのみが想定される旨の意見が多かった。
      • マテリアルズ・インフォマティクスについて、AIによりある機能をもつと推定された物(化合物等)の発明について、記載要件を満たすためには、その物を実際に製造した実験データを明細書に記載することを引き続き求めるべきという意見が多かった。また、将来AIの予測精度があがれば、実現可能性を担保するための実験結果が不要になる可能性があるとの意見が複数みられた。
    • AIによる自律的な発明の取扱い
      • 創作過程にAIが利用された発明について、現状は発明の創作に人間の関与が一定程度必要であることから、発明の技術的特徴部分の具体化に創作的に関与した者を発明者とする現行の発明者要件の考え方で対応可能であるという意見が多かった。
      • 今後AIが更に発展し人間の関与が小さくなったとしても、創作的に関与する者がいる限り、その者を発明者として認定すれば良いという指摘もあった。
      • AI自体に権利の主体を認めることに関しては、自然人を発明者とする現行の整理を維持すべきであるという意見が多く、その理由として「インセンティブを与える必要がないため、AIを権利主体にするメリットはない」、「AI自体には権利能力がないので、AIに権利主体を認めることは法理論上考え難い」、「議論が特許法だけではなく、他法域にも影響する」といった点が挙げられた。
      • AI所有者は発明者にはなりえないとの意見が多くみられた
  • 海外質問票調査
    • 発明の創作過程におけるAIの利活用の状況
      • 発明の創作過程のAIの活用はまだ限定的であり活用率は低いと考えられる。
      • AIの技術水準としては、まだ不十分で誤った出力や矛盾する出力が発生するとの意見があった。
    • 特許審査実務上の課題
      • 発明者の認定については、発明への実質的な貢献・寄与度(関与度)によって判断すべきという意見が多くみられた。
      • AIの利活用の拡大に基づき進歩性の考え方を変更すべきかについては、変更すべきではないとの意見が多かった。
      • 発明の創作過程にAIを利用した発明について、実施可能要件の観点で、従来の出願と比べて明細書の記載内容に変化が生じないとの意見が多かった。
    • AIによる自律的な発明の取扱い
      • AIの普及に伴い発明の創作に人間の関与が小さくなる場合でも、そのように創作された発明を特許権で保護すべきという意見が多かった。
      • AIによる自律的発明に特許権を付与すると、AIにより短期間で大量の特許出願が発生し特許庁に出願を審査する人材が足りなくなる、特許を独占する企業が現れる等の理由で問題をもたらす可能性があるとの意見があった。
  • 海外ヒアリング調査
    • 発明の創作過程におけるAIの利活用の状況
      • 特許事務所におけるAIの使用については、出願書類を作成する上ではセキュリティの面で懸念があるとの意見があった。また、AIを用いて出願書類を作成するツールはあるが内容が十分ではないという意見があった。
    • 特許審査実務上の課題
      • 進歩性については、将来水準が上がる可能性があるとの意見があった。
      • 英国ではAI関連発明の発明該当性について、発明に技術的寄与が必要であり、欧州より厳格であるとの意見があった。
    • AIによる自律的な発明の取扱い
      • AIを発明者としては認めず、自然人のみが発明者であるべきとの意見で共通していた。
  • まとめ
    • 本調査研究の有識者委員会による議論の結果概要は以下のとおり。
      • 現時点において、発明の創作過程におけるAIの利活用の影響により、従来の特許法による保護の在り方を直ちに変更すべき特段の事情は発見されなかった。
      • 一方で、AI関連技術は今後更に急速に発展する可能性があるため、引き続き技術の進展を注視しつつ、必要に応じて適切な発明の保護の在り方を検討することが必要と考えられる。
    • 各調査項目についての結果概要
      • 最新のAIの技術水準や、発明の創作過程におけるAIの利活用の状況
        • マテリアルズ・インフォマティクスにより、新規材料の開発が効率化。
        • 発明の創作過程における生成AIの利用方法が検討され始めている(例:壁打ち等)。
        • 現在のAIの技術水準では、発明の創作に人間の関与が一定程度必要であり、AIが自律的に発明を創作する事例は確認されなかった。
      • 創作過程におけるAIの利活用の拡大により生じる特許審査実務上の課題
        • 進歩性判断への影響について現段階では、当業者が用いる出願時の技術常識や研究開発のための通常の技術的手段等にAIが含まれることを考慮すれば、現行の考え方を維持することが適切。
        • 一方で、今後AIが更に発展することにより、技術分野を超えて発明を組み合わせることが容易になる等、進歩性の動機付け等の実務に影響を与える可能性があるという指摘もあった。AI技術の進展や諸外国の状況を引き続き注視していく必要がある。
      • AIによる自律的な発明の取扱いに関する課題
        • 創作過程にAIが利用された発明について、現状は発明の創作に人間の関与が一定程度必要であることから、発明の技術的特徴部分の具体化に創作的に関与した者を発明者とする現行の発明者要件の考え方で対応可能であるという意見が多数であることが確認された。
        • 今後AIが更に発展し人間の関与が小さくなったとしても、創作的に関与する者がいる限り、その者を発明者として認定すれば良いという指摘もあった。

経済産業省 約束手形等の交付から満期日までの期間の短縮を事業者団体に要請します
  • 中小企業庁では、中小企業の取引適正化の重点課題の1つに「支払条件の改善」を位置づけ、業種別の下請ガイドラインや自主行動計画などを通じ、約束手形、電子記録債権、一括決済方式による下請代金支払のサイト(交付から満期日までの期間)の短縮を推進してきました。2024年11月以降、下請法上の運用が変更され、サイトが60日を超える約束手形や電子記録債権の交付、一括決済方式による支払は、行政指導の対象となります。
  • サイトの短縮は、下請法の適用対象とならない取引も含め、サプライチェーン全体で取り組むことが重要です。中小企業庁では、公正取引委員会と連名で、各事業者団体等に対する要請文を発出しました。
  • 概要
    • 中小企業庁及び公正取引委員会は、1966年以降、業界の商慣習、親事業者と下請事業者との取引関係や金融情勢等を総合的に勘案し、繊維業は90日、その他の業種は120日を超えるサイトの手形等を、下請法が規制する「割引困難な手形」等に該当するおそれのあるものとして指導してきました。
    • こうした長期の手形等が下請事業者の資金繰りの負担となっていることなどを踏まえ、中小企業庁では、中小企業の取引適正化の重点課題の1つに「支払条件の改善」を位置づけ、業種別の下請ガイドラインや自主行動計画などを通じ、手形等による支払期間の短縮を推進してきたところです。・令和3年3月には、下請法の運用の見直しについて、検討を行うこととしていました。
    • そして今般、改めて各業界の商慣行、金融情勢等を総合的に勘案して、意見公募手続を経た上で、サイトが60日を超える手形等が、下請法上の「割引困難な手形」等に該当するおそれがあるものとして、指導の対象とする運用の見直しを、公正取引委員会が公表しました。
  • 新たな運用の適用開始時期
    • 今後は、令和6年11月1日以降に交付された手形等について、新たな運用が適用されることとなります。

【2024年4月】

経済産業省 「AI事業者ガイドライン(第1.0版)」を取りまとめました
▼ 「AI事業者ガイドライン(第1.0版)」
  • 基本理念
    • 「はじめに」で述べたとおり、我が国が2019年3月に策定した「人間中心のAI社会原則」においては、AIがSociety5.0の実現に貢献することが期待されている。また、AIを人類の公共財として活用し、社会の在り方の質的変化及び真のイノベーションを通じて地球規模の持続可能性へとつなげることが重要であることが述べられている。そして、以下の3つの価値を「基本理念」として尊重し、「その実現を追求する社会を構築していくべき」としている。
      • 人間の尊厳が尊重される社会(Dignity)
        • AIを利活用して効率性や利便性を追求するあまり、人間がAIに過度に依存したり、人間の行動をコントロールすることにAIが利用される社会を構築するのではなく、人間がAIを道具として使いこなすことによって、人間の様々な能力をさらに発揮することを可能とし、より大きな創造性を発揮したり、やりがいのある仕事に従事したりすることで、物質的にも精神的にも豊かな生活を送ることができるような、人間の尊厳が尊重される社会を構築する必要がある
      • 多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる社会(Diversity and Inclusion)
        • 多様な背景、価値観又は考え方を持つ人々が多様な幸せを追求し、それらを柔軟に包摂した上で新たな価値を創造できる社会は、現代における一つの理想であり、大きなチャレンジである。AIという強力な技術は、この理想に我々を近づける一つの有力な道具となりうる。我々はAIの適正な開発と展開によって、このように社会の在り方を変革していく必要がある
      • 持続可能な社会(Sustainability)
        • 我々は、AIの活用によりビジネスやソリューションを次々と生み、社会の格差を解消し、地球規模の環境問題や気候変動等にも対応が可能な持続性のある社会を構築する方向へ展開させる必要がある。科学・技術立国としての我が国は、その科学的・技術的蓄積をAIによって強化し、そのような社会を作ることに貢献する責務がある
  • 共通の指針
    1. 人間中心
      • 各主体は、AIシステム・サービスの開発・提供・利用において、後述する各事項を含む全ての取り組むべき事項が導出される土台として、少なくとも憲法が保障する又は国際的に認められた人権を侵すことがないようにすべきである。また、AIが人々の能力を拡張し、多様な人々の多様な幸せ(well-being)の追求が可能となるように行動することが重要である。
        • 人間の尊厳及び個人の自律
          • AIが活用される際の社会的文脈を踏まえ、人間の尊厳及び個人の自律を尊重する
          • 特に、AIを人間の脳・身体と連携させる場合には、その周辺技術に関する情報を踏まえつつ、諸外国及び研究機関における生命倫理の議論等を参照する
          • 個人の権利・利益に重要な影響を及ぼす可能性のある分野においてAIを利用したプロファイリングを行う場合、個人の尊厳を尊重し、アウトプットの正確性を可能な限り維持させつつ、AIの予測、推奨、判断等の限界を理解して利用し、かつ生じうる不利益等を慎重に検討した上で、不適切な目的に利用しない
        • AIによる意思決定・感情の操作等への留意
          • 人間の意思決定、認知等、感情を不当に操作することを目的とした、又は意識的に知覚できないレベルでの操作を前提としたAIシステム・サービスの開発・提供・利用は行わない
          • AIシステム・サービスの開発・提供・利用において、自動化バイアス等のAIに過度に依存するリスクに注意を払い、必要な対策を講じる
          • フィルターバブル12に代表されるような情報又は価値観の傾斜を助長し、AI利用者を含む人間が本来得られるべき選択肢が不本意に制限されるようなAIの活用にも注意を払う
          • 特に、選挙、コミュニティでの意思決定等をはじめとする社会に重大な影響を与える手続きに関連しうる場合においては、AIの出力について慎重に取り扱う
        • 偽情報等への対策
          • 生成AIによって、内容が真実・公平であるかのように装った情報を誰でも作ることができるようになり、AIが生成した偽情報・誤情報・偏向情報が社会を不安定化・混乱させるリスクが高まっていることを認識した上で、必要な対策を講じる
        • 多様性・包摂性の確保
          • 公平性の確保に加え、いわゆる「情報弱者」及び「技術弱者」を生じさせず、より多くの人々がAIの恩恵を享受できるよう社会的弱者によるAIの活用を容易にするよう注意を払う
            • ユニバーサルデザイン、アクセシビリティの確保、関連するステークホルダーへの教育・フォローアップ 等
        • 利用者支援
          • 合理的な範囲で、AIシステム・サービスの機能及びその周辺技術に関する情報を提供し、選択の機会の判断のための情報を適時かつ適切に提供する機能が利用可能である状態とする
          • デフォルトの設定、理解しやすい選択肢の提示、フィードバックの提供、緊急時の警告、エラーへの対処 等
        • 持続可能性の確保
          • AIシステム・サービスの開発・提供・利用において、ライフサイクル全体で、地球環境への影響も検討する
    2. 安全性
      • 各主体は、AIシステム・サービスの開発・提供・利用を通じ、ステークホルダーの生命・身体・財産に危害を及ぼすことがないようにすべきである。加えて、精神及び環境に危害を及ぼすことがないようにすることが重要である。
        • 人間の生命・身体・財産、精神及び環境への配慮
          • AIシステム・サービスの出力の正確性を含め、要求に対して十分に動作している(信頼性)
          • 様々な状況下でパフォーマンスレベルを維持し、無関係な事象に対して著しく誤った判断を発生させないようにする(堅牢性(robustness))
          • AIの活用又は意図しないAIの動作によって生じうる権利侵害の重大性、侵害発生の可能性等、当該AIの性質・用途等に照らし、必要に応じて客観的なモニタリング及び対処も含めて人間がコントロールできる制御可能性を確保する
          • 適切なリスク分析を実施し、リスクへの対策(回避、低減、移転又は容認)を講じる
          • 人間の生命・身体・財産、精神及び環境へ危害を及ぼす可能性がある場合は、講ずべき措置について事前に整理し、ステークホルダーに関連する情報を提供する
            • 関連するステークホルダーが講ずべき措置及び利用規則を明記する
          • AIシステム・サービスの安全性を損なう事態が生じた場合の対処方法を検討し、当該事態が生じた場合に速やかに実施できるよう整える
        • 適正利用
          • 主体のコントロールが及ぶ範囲で本来の目的を逸脱した提供・利用により危害が発生することを避けるべく、AIシステム・サービスの開発・提供・利用を行う
        • 適正学習
          • AIシステム・サービスの特性及び用途を踏まえ、学習等に用いるデータの正確性・必要な場合には最新性(データが適切であること)等を確保する
          • 学習等に用いるデータの透明性の確保、法的枠組みの遵守、AIモデルの更新等を合理的な範囲で適切に実施する
    3. 公平性
      • 各主体は、AIシステム・サービスの開発・提供・利用において、特定の個人ないし集団への人種、性別、国籍、年齢、政治的信念、宗教等の多様な背景を理由とした不当で有害な偏見及び差別をなくすよう努めることが重要である。また、各主体は、それでも回避できないバイアスがあることを認識しつつ、この回避できないバイアスが人権及び多様な文化を尊重する観点から許容可能か評価した上で、AIシステム・サービスの開発・提供・利用を行うことが重要である。
        • AIモデルの各構成技術に含まれるバイアスへの配慮
          • 不適切なバイアスを生み出す要因は多岐に渡るため、各技術要素(学習データ、AIモデルの学習過程、AI利用者又は業務外利用者が入力するプロンプト、AIモデルの推論時に参照する情報、連携する外部サービス等)及びAI利用者の振る舞いを含めて、公平性の問題となりうるバイアスの要因となるポイントを特定する
          • AIシステム・サービスの特性又は用途によっては、潜在的なバイアスが生じる可能性についても検討する
        • 人間の判断の介在
          • AIの出力結果が公平性を欠くことがないよう、AIに単独で判断させるだけでなく、適切なタイミングで人間の判断を介在させる利用を検討する
          • バイアスが生じていないか、AIシステム・サービスの目的、制約、要件及び決定を明確かつ透明性のある方法により分析し、対処するためのプロセスを導入する
          • 無意識のバイアス及び潜在的なバイアスに留意し、多様な背景、文化又は分野のステークホルダーと対話した上で、方針を決定する
    4. プライバシー保護
      • 各主体は、AIシステム・サービスの開発・提供・利用において、その重要性に応じ、プライバシーを尊重し、保護することが重要である。その際、関係法令を遵守すべきである。
        • AIシステム・サービス全般におけるプライバシーの保護
          • 個人情報保護法等の関連法令の遵守、各主体のプライバシーポリシーの策定・公表等により、社会的文脈及び人々の合理的な期待を踏まえ、ステークホルダーのプライバシーが尊重され、保護されるよう、その重要性に応じた対応を取る
          • 以下の事項を考慮しつつ、プライバシー保護のための対応策を検討する
            • 個人情報保護法にもとづいた対応の確保
            • 国際的な個人データ保護の原則及び基準の参照18
    5. セキュリティ確保
      • 各主体は、AIシステム・サービスの開発・提供・利用において、不正操作によってAIの振る舞いに意図せぬ変更又は停止が生じることのないように、セキュリティを確保することが重要である。
        • AIシステム・サービスに影響するセキュリティ対策
          • AIシステム・サービスの機密性・完全性・可用性を維持し、常時、AIの安全安心な活用を確保するため、その時点での技術水準に照らして合理的な対策を講じる
          • AIシステム・サービスの特性を理解し、正常な稼働に必要なシステム間の接続が適切に行われているかを検討する
          • 推論対象データに微細な情報を混入させることで関連するステークホルダーの意図しない判断が行われる可能性を踏まえて、AIシステム・サービスの脆弱性を完全に排除することはできないことを認識する
        • 最新動向への留意
          • AIシステム・サービスに対する外部からの攻撃は日々新たな手法が生まれており、これらのリスクに対応するための留意事項を確認する
    6. 透明性
      • 各主体は、AIシステム・サービスの開発・提供・利用において、AIシステム・サービスを活用する際の社会的文脈を踏まえ、AIシステム・サービスの検証可能性を確保しながら、必要かつ技術的に可能な範囲で、ステークホルダーに対し合理的な範囲で情報を提供することが重要である。
        • 検証可能性の確保
          • AIの判断にかかわる検証可能性を確保するため、データ量又はデータ内容に照らし合理的な範囲で、AIシステム・サービスの開発過程、利用時の入出力等、AIの学習プロセス、推論過程、判断根拠等のログを記録・保存する
          • ログの記録・保存にあたっては、利用する技術の特性及び用途に照らして、事故の原因究明、再発防止策の検討、損害賠償責任要件の立証上の重要性等を踏まえて、記録方法、頻度、保存期間等について検討する
        • 関連するステークホルダーへの情報提供
          • AIとの関係の仕方、AIの性質、目的等に照らして、それぞれが有する知識及び能力に応じ、例えば、以下について取りまとめた情報の提供及び説明を行う
            • AIシステム・サービス全般
              • AIを利用しているという事実及び活用している範囲
              • データ収集及びアノテーションの手法
              • 学習及び評価の手法
              • 基盤としているAIモデルに関する情報
              • AIシステム・サービスの能力、限界及び提供先における適正/不適正な利用方法
              • AIシステム・サービスの提供先、AI利用者が所在する国・地域等において適用される関連法令等
          • 多様なステークホルダーとの対話を通じて積極的な関与を促し、社会的な影響及び安全性に関する様々な意見を収集する
          • 加えて、実態に即して、AIシステム・サービスを提供・利用することの優位性、それに伴うリスク等を関連するステークホルダーに示す
        • 合理的かつ誠実な対応
          • 上記の「(2)関連するステークホルダーへの情報提供」は、アルゴリズム又はソースコードの開示を想定するものではなく、プライバシー及び営業秘密を尊重して、採用する技術の特性及び用途に照らし、社会的合理性が認められる範囲で実施する
          • 公開されている技術を用いる際には、それぞれ定められている規程に準拠する
          • 開発したAIシステムのオープンソース化にあたっても、社会的な影響を検討する
        • 関連するステークホルダーへの説明可能性・解釈可能性の向上
          • 関連するステークホルダーの納得感及び安心感の獲得、また、そのためのAIの動作に対する証拠の提示等を目的として、説明する主体がどのような説明が求められるかを分析・把握できるよう、説明を受ける主体がどのような説明が必要かを共有し、必要な対応を講じる
            • AI提供者:AI開発者に、どのような説明が必要となるかを共有する
            • AI利用者:AI開発者・AI提供者に、どのような説明が必要となるかを共有する
    7. アカウンタビリティ
      • 各主体は、AIシステム・サービスの開発・提供・利用において、トレーサビリティの確保、「共通の指針」の対応状況等について、ステークホルダーに対して、各主体の役割及び開発・提供・利用するAIシステム・サービスのもたらすリスクの程度を踏まえ、合理的な範囲でアカウンタビリティを果たすことが重要である。
        • トレーサビリティの向上
          • データの出所、AIシステム・サービスの開発・提供・利用中に行われた意思決定等について、技術的に可能かつ合理的な範囲で追跡・遡求が可能な状態を確保する
        • 「共通の指針」の対応状況の説明
          • 「共通の指針」の対応状況について、ステークホルダー(サプライヤーを含む)に対してそれぞれが有する知識及び能力に応じ、例えば以下の事項を取りまとめた情報の提供及び説明を定期的に行う
            • 全般
              • 「共通の指針」の実践を妨げるリスクの有無及び程度に関する評価
              • 「共通の指針」の実践の進捗状況
            • 「人間中心」関連
              • 偽情報等への留意、多様性・包摂性、利用者支援及び持続可能性の確保の対応状況
            • 「安全性」関連
              • AIシステム・サービスに関する既知のリスク及び対応策、並びに安全性確保の仕組み
            • 「公平性」関連
              • AIモデルを構成する各技術要素(学習データ、AIモデルの学習過程、AI利用者又は業務外利用者が入力すると想定するプロンプト、AIモデルの推論時に参照する情報、連携する外部サービス等)によってバイアスが含まれうること
            • 「プライバシー保護」関連
              • AIシステム・サービスにより自己又はステークホルダーのプライバシーが侵害されるリスク及び対応策、並びにプライバシー侵害が発生した場合に講ずることが期待される措置
            • 「セキュリティ確保」関連
              • AIシステム・サービスの相互間連携又は他システムとの連携が発生する場合、その促進のために必要な標準準拠等
              • AIシステム・サービスがインターネットを通じて他のAIシステム・サービス等と連携する場合に発生しうるリスク及びその対応策
      • 責任者の明示
        • 各主体においてアカウンタビリティを果たす責任者を設定する
      • 関係者間の責任の分配
        • 関係者間の責任について、業務外利用者も含めた主体間の契約、社会的な約束(ボランタリーコミットメント)等により、責任の所在を明確化する
      • ステークホルダーへの具体的な対応
        • 必要に応じ、AIシステム・サービスの利用に伴うリスク管理、安全性確保のための各主体のAIガバナンスに関するポリシー、プライバシーポリシー等の方針を策定し、公表する(社会及び一般市民に対するビジョンの共有、並びに情報発信・提供を行うといった社会的責任を含む)
        • 必要に応じ、AIの出力の誤り等について、ステークホルダーからの指摘を受け付ける機会を設けるとともに、客観的なモニタリングを実施する
        • ステークホルダーの利益を損なう事態が生じた場合、どのように対応するか方針を策定してこれを着実に実施し、進捗状況については必要に応じて定期的にステークホルダーに報告する
      • 文書化
        • 上記に関する情報を文書化して一定期間保管し、必要なときに、必要なところで、入手可能かつ利用に適した形で参照可能な状態とする
    8. 教育・リテラシー
      • 各主体は、主体内のAIに関わる者が、AIの正しい理解及び社会的に正しい利用ができる知識・リテラシー・倫理感を持つために、必要な教育を行うことが期待される。また、各主体は、AIの複雑性、誤情報といった特性及び意図的な悪用の可能性もあることを勘案して、ステークホルダーに対しても教育を行うことが期待される。
        • AIリテラシーの確保
          • 各主体内のAIに関わる者が、その関わりにおいて十分なレベルのAIリテラシーを確保するために必要な措置を講じる
        • 教育・リスキリング
          • 生成AIの活用拡大によって、AIと人間の作業の棲み分けが変わっていくと想定されるため、新たな働き方ができるよう教育・リスキリング等を検討する
          • 様々な人がAIで得られる便益の理解を深め、リスクに対するレジリエンスを高められるよう、世代間ギャップも考慮した上での教育の機会を提供する
        • ステークホルダーへのフォローアップ
          • AIシステム・サービス全体の安全性を高めるため、必要に応じて、ステークホルダーに対して教育及びリテラシー向上のためのフォローアップを行う
    9. 公正競争確保
      • 各主体は、AIを活用した新たなビジネス・サービスが創出され、持続的な経済成長の維持及び社会課題の解決策の提示がなされるよう、AIをめぐる公正な競争環境の維持に努めることが期待される。
    10. イノベーション
      • 各主体は、社会全体のイノベーションの促進に貢献するよう努めることが期待される。
        • オープンイノベーション等の推進
          • 国際化・多様化、産学官連携及びオープンイノベーションを推進する
          • AIのイノベーションに必要なデータが創出される環境の維持に配慮する
        • 相互接続性・相互運用性への留意
          • 自らのAIシステム・サービスと他のAIシステム・サービスとの相互接続性及び相互運用性を確保する
          • 標準仕様がある場合には、それに準拠する
        • 適切な情報提供
          • 自らのイノベーションを損なわない範囲で必要な情報提供を行う

経済産業省 「電力先物の活性化に向けた検討会」の結果を取りまとめました
  • 経済産業省は、4月15日(月曜日)に、第5回電力先物の活性化に向けた検討会を開催し、電力先物が抱える課題や今後の方向性について取りまとめました。市場参加者の裾野を広げる取組や、電気事業者のヘッジニーズに応える市場運営など、取引活性化に向けた取組を加速させます。
  • 背景・趣旨
    • 電力小売の自由化に伴い、電力価格変動リスクを回避するため、電力先物の取引を開始してから約4年が経ちました。日本の電力先物における取引参加者数及び取引電力量は徐々に増加しており、電力先物は、電力事業者における価格変動リスク回避や電力取引の価格指標として有力なものとなりつつあります。
    • エネルギー政策上も電力先物を維持・活用することが必要であることから、この度、第5回目となる電力先物の活性化に関する検討会(以下「検討会」という。)を開催しました。
  • 電力先物の活性化に向けた検討会のとりまとめ概要
    • 第5回検討会では、これまでに議論してきた様々な取組を含む電力先物の実態や必要性等についての認識を一致させた上で、電力先物の活性化に向けて今後の方向性を提示しました。
      • 今後の電力先物の活性化に向けた方向性
        • 電力先物が果たすべき役割の認識統一
          • 電気事業者は、市場リスクや取引相手の信用リスク等の様々なリスクの他、再生可能エネルギーの拡大や世界的なLNG需給のひっ迫等による経営環境の不確実性の増大という問題に直面しています。
          • 電気事業者のリスクマネジメントに有効なヘッジツールは複数存在しており、それぞれの特徴を踏まえると、電力先物は中長期~短期のリスクヘッジに適すると整理されました。
        • 市場参加者の裾野拡大
          • 電力先物は、電力事業の実態、グローバルな燃料市場、金融実務等の複層的な知識が求められることもあり、電力先物のメリットの理解が進んでいない企業が存在する可能性があります。そのため、取引所等の市場運営者に、電力先物の普及活動を求めました。
        • 新規参入の阻害要因に対する業界の取組
          • 電力先物における新規取引参加者を増加させるために、取引所等の市場運営者に、電力先物を導入する際の優良事例共有等を求めました。
          • 電力先物への参入障壁として、例外的な会計処理であるヘッジ会計の適用が電力先物では認められにくいという声が挙がっていることを踏まえ、電力先物におけるヘッジ会計の適用に向け公認会計士等を巻き込み議論を行うよう、商品取引所に求めました。
        • 現物の商流を踏まえた先物の設計、財務規模の大きい金融機関の清算参加
          • 電力先物が有効なヘッジツールとして電気事業者から選ばれるためには取引市場に流動性が必要です。電力先物の更なる流動性の拡大の主なポイントは、(1)現物の制度や商流を踏まえた先物市場の設計、(2)財務規模の大きい金融機関の清算参加です。
          • 取引所等の市場運営者に電力の先物取引と現物取引の連携深化や金融機関が電力先物市場へ参入しやすい環境整備を求め、金融機関に対し清算機関の清算参加者としての参加を求めました。
▼ 関連資料 電力先物の活性化に向けた検討会とりまとめ関連資料

経済産業省 ルール形成型の市場創出に取り組む企業を公表します
  • 経済産業省では、企業がルール形成に取り組み、新しい市場を創出するといった「ルール形成型の市場創出」を後押ししています。
  • ルール形成に取り組む企業の現状を把握するため、2021年度から2023年度に3回、「市場形成力指標」に基づいた調査を実施しました。調査において、市場形成力指標のスコアが安定的に高い企業と、具体的な取組事例を紹介します。
  • 調査概要
    • 昨今のマーケットでは、規制、標準、業界基準等のルールを自らリード・形成し、市場を創出することが有効です。ルール形成を通じて新たな市場を創出する力を「市場形成力」と定義し、それを可視化する「市場形成力指標」を2021年に開発、2022年3月には「市場形成力指標Ver2.0(企業版、プロジェクト版)」を公表しました。(市場形成力指標の詳細はこちらをご参照ください。)
    • 2021年度から2023年度には、ルール形成に取り組む企業の現状を把握するため、「社会課題解決型の企業活動に関する意識調査」を実施しました。この中では、「市場形成力指標Ver2.0(企業版)」に基づいて、各社の取組を自己申告形式で記載いただくアンケートを実施しています。
  • 市場形成力指標が高い企業(10社、社名50音順)
    • 調査の結果、市場形成力指標のスコアが安定的に高い企業のうち、ルール形成による市場創出の取組が確認できた企業を公表します。
    • 併せて、確認できた取組の概要と、該当する成功パターンを紹介します。
    • 市場形成力指標において、ルール形成による市場創出の成功パターンを、以下の3つに分類しています。
      • 成功パターン(1):政策形成や規制デザインのリード
      • 成功パターン(2):標準化によるイノベーション連携の促進
      • 成功パターン(3):業界コンセンサス形成による新たな「モノサシ」開発
    • IDEC株式会社:成功パターン(2)
      • 自社で開発したスイッチに関する国際標準策定と、それを組み込むロボットやそのシステムの規格改定により、自社優位の国際市場を創出
    • インフロニア・ホールディングス株式会社(1)
      • PFI法への公共施設等運営権の導入に向けた協議に参加し、ルールが未整備だったコンセッション事業の法制度化により国内市場を創出(※ホールディングス体制発足前の前田建設工業株式会社の取組)
    • 川崎重工業株式会社 (2)
      • 技術開発段階からの国際標準化によって他国製品との差別化を図り、日本優位の水素サプライチェーン関連機器市場を創出
    • コニカミノルタ株式会社 (1)
      • ドローン等の機器の使用が制限される「危険区域」の範囲外の検討に貢献し、屋外貯蔵タンク周囲でスマート保安を活用する市場を創出
    • 株式会社小松製作所 (1)
      • 建設現場の生産性向上を図る政府の取組で、ドローン測量やICT建機用工法等の基準整備に貢献し、施工全体でICTを全面活用するソリューション市場を創出
    • 塩野義製薬株式会社 (1)
      • 官公庁の調査事業等に従事し、ルールの策定を推進して、欧米と比べて社会実装が遅れていた下水疫学調査の国内市場を創出
    • 積水化学工業株式会社 (2)
      • 管路更生工法のJISや標準類の制定において、自社が共同開発したSPR工法も準拠するよう位置づけ、公的な認知を獲得して当該工法の市場を創出
    • ダイキン工業株式会社 (1)
      • インドなどにおいて安全規制の改正と省エネ法の基準強化を働きかけ、省エネ基準値が競争指標となるエアコンの市場を創出
    • ヤマハ株式会社 (3)
      • 音響機器業界における影響力を活かしたコンソーシアム設立と共通規格の策定により、新たな技術SoundUDの市場を創出
    • ユニ・チャーム株式会社 (3)
      • 欧米で主流の種類のみを想定し、国内で展開される多様な製品に対応していなかった尿吸収補助具の国際標準を改正、海外市場を創出
  • 各成功パターンにおける取組事例の紹介
    • 企業や投資家等のステークホルダーに、市場形成力指標に対する理解を深めていただき、取組の参考としていただくために、3社の取組事例を紹介いたします。
      • 成功パターン(1)ダイキン工業株式会社
      • 成功パターン(2)積水化学工業株式会社
      • 成功パターン(3)ヤマハ株式会社
▼ 市場形成力指標の各成功パターンにおけるルール形成取組事例

経済産業省 経済安全保障推進法に基づくクラウドプログラムの安定供給確保に係る供給確保計画の認定等について
  • 経済産業省は、経済安全保障推進法第9条第4項の規定に基づき、AIの開発に必要な計算資源の整備に係る取組に対し、5件合計で最大725億円の助成を行うことを決定しました。
  • 概要
    • 社会のデジタル化の進展に伴い、クラウドサービスは、幅広い国民生活・産業活動の情報処理を担う機能として不可欠なものとなっています。
    • こうした中、基盤的なクラウドサービス(基盤クラウド)の国内市場においては、国内に事業基盤を有する事業者のシェアは約3割であり、海外から提供されるサービスへの依存が高まっている状況にあります。
    • 基盤クラウドは、情報処理の根幹を担うものであり、その開発体制を国内で確保できなければ、我が国が自律的に管理すべき重要情報を扱うシステムも含め、完全に他国に依存することになるおそれがあります。
    • また、「クラウドプログラム」の中でも、生成AIは、従来のAIでは不可能だった、様々な創造的な作業を人間に代わって行える可能性があることから、産業活動・国民生活に大きなインパクトを与えると考えられています。そのサービス供給に制約が生じた場合には、我が国に甚大な影響が生じると考えられ、その計算資源を国内に確保することで、我が国における開発基盤の構築・サービス提供体制の強靱化を図ることが重要です。
    • こうした状況を踏まえ、経済安全保障推進法に基づき、「クラウドプログラム」を特定重要物資に指定し、その安定供給確保に向けて、特に生成AIについて幅広い開発者が利用できる計算資源の国内への整備に関する計画を認定し、国として支援することとしました。
    • また、今後、AIが進化していく中で、計算資源の高度化は不可欠です。今回支援決定した事業者や、5年以上にわたり計算資源を提供してきた産業技術総合研究所などからなる検討会を立ち上げ、技術面やビジネスの拡大に向けた課題や、日本として今後取り組むべき方向性を整理していきます。
  • 認定案件
    • GMOインターネットグループ株式会社:AIに関わる計算資源としてのGPUクラウドサービスの提供※最大助成額は約19.3億円:認定日4月15日
    • さくらインターネット株式会社:同上※最大助成額は約501億円4月15日
    • 株式会社RUTILEA/株式会社AI福島(共同申請):同上※最大助成額は約25.6億円 4月19日
    • KDDI株式会社 :上※最大助成額は約102.4億円 4月19日
    • 株式会社ハイレゾ/株式会社ハイレゾ香川(共同申請):同上※最大助成額は約77.0億円 4月19日

経済産業省 第1回 クレジットカード・セキュリティ官民対策会
▼ 資料2 経済産業省の取組について(クレジットカードのセキュリティ対策)
  • クレジットカードの不正利用被害額が急増しており、2023年の被害額は過去最大。不正アクセス等で窃取したクレジットカード番号によるEC取引での不正利用が大部分を占める。
  • クレジットカード番号の窃取は、EC加盟店やPSP等に対するサイバー攻撃のほか、フィッシング技術の巧妙化による消費者側からの窃取も多いと指摘されている。
  • 割賦販売法では、平成20年改正からクレジットカードセキュリティへの対応を措置。EC取引におけるクレジットカード決済の増大にあわせて、平成28年改正、令和2年改正によって対応を強化。
  • 増加する不正利用被害等を踏まえ、2022年8月から検討会を開催し、2023年1月にEMV3DSの導入等を柱とする対策をとりまとめ。
  • EUはカード会社に強力な顧客認証(SCA)を求める決済サービス指令を採択(2016年)。同指令では、EMV3DSを一般的顧客認証手段と位置づけているが、順次、加盟国による国内制度化が行われ、相応の効果を発揮していると推察される。なお、同指令では、リスク度合い等によって、顧客認証を免除する仕組みを採用している。
▼ 資料5 クレジットカード・セキュリティガイドライン【5.0版】の主なポイントについて
  • カード会社(イシュアー)
    • 2025年3月末に向けたEMV 3-Dセキュアの推進
      • 「イシュアーにおけるEMV3-Dセキュア推進ロードマップ」(2023年11月30日)に従って以下の目標を目指すこととしている。
      • EMV3-Dセキュアに必要なカード会員情報について、EC利用会員ベースで80%の登録率
      • 「動的(ワンタイム)パスワード等」による認証方法へ、EMV3-Dセキュア登録会員ベースで100%の移行率
  • 加盟店(EC加盟店)
    • 基本的なセキュリティ対策
      • EC加盟店は、新規加盟店契約申し込み前に、自ら「セキュリティ・チェックリスト」記載の対策を実施し、その状況をアクワイアラーやPSPに申告、アクワイアラーやPSPはEC加盟店からの申告を受けた上で加盟店契約を締結することが求められる。(試行)このEC加盟店によるセキュリティ対策の実施については、2025年4月から新規のみならず全てのEC加盟店に対して求めることとしている。
    • 2025年3月末までに、原則、全てのEC加盟店のEMV3-Dセキュアの導入
    • EMV 3-Dセキュア導入の考え方
      • EMV 3-Dセキュアの導入計画を策定し早期にEMV 3-Dセキュアの導入に着手する。
      • 「不正顕在化加盟店」は既に不正利用が発生し被害が生じている加盟店であることから、即時にEMV 3-Dセキュアの導入に着手する。
  • 決済事業者等・PSP
    • 基本的なセキュリティ対策
      • ※加盟店(EC加盟店)と同様。
      • 「セキュリティ・チェックリスト」に記載されているセキュリティ対策を実施する必要性の周知も合わせて行う。
    • 2025年3月末までに、原則、全てのEC加盟店のEMV3-Dセキュアの導入に向けて働きかける
    • EC加盟店へのEMV 3-Dセキュア導入優先順位の考え方
      • 「加盟店におけるEMV 3-Dセキュアの導入推進ロードマップ」(2023年11月30日)に従って導入計画の策定及び導入を行うよう働きかける。
  • 2025年4月以降のEC加盟店の情報保護対策及び不正利用対策
    • カード情報保護対策 セキュリティ・チェックリストによる不断なセキュリティ対策の改善・強化
      • EC加盟店では、新規加盟店契約の申込み前に、自ら「セキュリティ・チェックリスト」記載の対策を実施し、その状況をアクワイアラーやPSPに申告、アクワイアラーやPSPはEC加盟店からの申告を受けた上で加盟店契約を締結することが求められる。(試行)このEC加盟店によるセキュリティ対策の実施については、2025年4月から新規のみならず全てのEC加盟店に対して求めることとしている。
    • 不正利用対策 決済の場面(決済前・決済時・決済後)を考慮した場面ごとの対策導入
      • 非対面不正利用対策として、今後はより抑止効果を高めるために、決済の場面(決済前・決済時・決済後)を考慮して、それぞれの場面ごとに対策を導入するという、点ではなく線として考える指針の策定が求められる。そのため、加盟店によるEMV 3-Dセキュア導入のみではなく、クレジットカード決済の関係事業者それぞれが実施すべき、これから目指すべき不正利用対策の「線の考え方」である全体像を示した。今後、詳細運用を検討する。
▼ 資料6 セキュリティ対策の進捗状況(クレジット取引セキュリティ対策協議会提出資料)
  • セキュリティ対策の進捗状況
    • EMV3-Dセキュア等導入推進状況 EC加盟店の導入状況
      • 既存加盟店
        • 現在カード会社(アクワイアラー)及びPSPは契約先EC加盟店を対象に「加盟店におけるEMV3-Dセキュアの導入推進ロードマップ」に従って導入計画の策定及び導入を行うよう働きかけを実施。
        • EMV3-Dセキュア導入の優先順位の高い、既に不正が発生しているEC加盟店については、凡そ8割程度に導入働きかけのアプローチ済。
      • 新規加盟店
        • アクワイアラー、PSPがEC加盟店と新規に加盟店契約する際には、2025年3月末までにEMV3-Dセキュアを導入することを説明したうえで契約を進める取組を実施
    • カード会社(イシュアー)における導入、登録、OTP移行状況
      • カード会員における静的パスワード以外(ワンタイムパスワード等)の認証方法への移行については、現在2025年3月末に向けてワンタイムパスワード等への一斉切り替えなども含めた取組を進めている状況。
  • 周知・啓発活動
    • EMV3-Dセキュアの登録推進に係る周知・啓発活動
      • 目的
        • 既にイシュアー各社がカード会員に対して取組んでいる「EMV3-Dセキュアに必要なカード会員情報の登録」及び「静的パスワード以外(ワンタイムパスワード等)の認証方法への移行」に関する周知・啓発活動を後押しするもの。
      • 具体的内容
        • 2025年3月までの期間を以下の2段階に分けて実施する。
        • 第一段階:統一キャンペーン(2024年6月頃)
        • 業界団体、カード会社、関係団体、行政による業界統一的な周知啓発キャンペーンを実施することを想定。具体的には統一メッセージやロゴ等を作成し、様々な媒体を通じ、消費者の認識を高める。
        • 第二段階:継続的な取り組み(2024年6月以降)
        • キャンペーン期間後もキャンペーンで使用した成果物を活用して、各主体が消費者へ継続的な周知啓発を行う。
        • 統一メッセージ:消費者に理解いただきやすいように「本人認証サービス」という文言を用いて、登録等を促す目的であることを主眼に以下を統一メッセージとして作成した「より安全安心なオンラインショッピングのために、本人認証サービスへ登録を!」

経済産業省 令和6年度「知財功労賞」の受賞者を決定しました
  • 日本の知的財産権制度の発展・普及・啓発に貢献した個人及び知的財産権制度を積極的に活用した企業等を表彰する「知財功労賞」の令和6年度受賞者を決定しました。本年度は、経済産業大臣表彰として個人1名と企業等7者、特許庁長官表彰として個人5名と企業等14者を受賞者としました。
  • 「知財功労賞」の概要
    • 経済産業省 特許庁では、毎年、知的財産権制度の発展及び普及・啓発に貢献のあった個人に対して「知的財産権制度関係功労者表彰」、また、制度を有効に活用し円滑な運営・発展に貢献のあった企業等に対して「知的財産権制度活用優良企業等表彰」として、経済産業大臣表彰及び特許庁長官表彰を行っています。両表彰を合わせて、「知財功労賞」と総称しています。
  • 受賞者
    • 本年度は、経済産業大臣表彰として個人1名と企業等7者、特許庁長官表彰として個人5名と企業等14者を受賞者としました。
      • 経済産業大臣表彰
        • 知的財産権制度関係功労者 (50音順)
          • 近藤 健治 氏[株式会社ヨコオ 技術本部・知的財産部顧問]
        • 知的財産権制度活用優良企業等(表彰区分/50音順)
          • 株式会社寺岡精工(知財活用企業(特許))[東京都]
          • 大和合金株式会社・三芳合金工業株式会社(知財活用企業(特許))[東京都・埼玉県]
          • 株式会社サタケ(知財活用企業(商標))[広島県]
          • 株式会社サイフューズ(知財活用ベンチャー)[東京都]
          • 株式会社Splink(知財活用ベンチャー)[東京都]
          • 環境大善株式会社(デザイン経営企業)[北海道]
          • 東洋ステンレス研磨工業株式会社(デザイン経営企業)[福岡県]
      • 特許庁長官表彰
        • 知的財産権制度関係功労者 (50音順)
          • 石埜 正穂 氏[札幌医科大学 教授・弁理士]
          • 木村 一義 氏[株式会社シェルター 代表取締役会長]
          • 小林 誠 氏[株式会社シクロ・ハイジア 代表取締役CEO]
          • 舩曵 崇章 氏[舩曵特許事務所 所長]
          • 満丸 浩 氏[学校法人都築教育学園第一工科大学 工学部長・機械システム工学科/教授]
        • 知的財産権制度活用優良企業等 (表彰区分/50音順)
          • 株式会社オービック(知財活用企業(特許))[東京都]
          • 花王株式会社(知財活用企業(特許))[東京都]
          • 株式会社コーワ(知財活用企業(特許))[愛知県]
          • 株式会社五合(知財活用企業(特許))[愛知県]
          • 株式会社秀峰(知財活用企業(特許))[福井県]
          • 株式会社タンガロイ(知財活用企業(特許))[福島県]
          • 株式会社堀場製作所(知財活用企業(特許))[京都府]
          • 株式会社LIXIL(知財活用企業(特許))[東京都]
          • 八幡化成株式会社(知財活用企業(意匠))[岐阜県]
          • 沖縄県酒造組合(知財活用企業(商標))[沖縄県]
          • 日清食品ホールディングス株式会社(知財活用企業(商標))[大阪府]
          • NTTコミュニケーションズ株式会社(オープンイノベーション推進企業)[東京都]
          • 日本電気株式会社(デザイン経営企業)[東京都]
          • Visional(デザイン経営企業)[東京都]

経済産業省 知財重点支援エリアとして3地域を選定しました
  • 特許庁では、令和6年度から新たにスタートする「知財経営支援モデル地域創出事業」を実施するに当たり、知財重点支援エリアとして、青森県、石川県、神戸市の3地域を選定しました。
  • 概要
    • 令和5年3月に特許庁、独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)、日本弁理士会、日本商工会議所は、知財経営支援ネットワーク(4者連携)を形成し、中小企業等の知財経営支援を強化・充実化させ、地域の稼ぐ力の向上に取り組むことを共同宣言しました。
    • この共同宣言を踏まえ、特許庁では、地域における持続的な知財活用の促進を目指すため、4者連携と自治体・地域の支援機関等が一体となった支援ネットワークの連携強化を図るとともに、その支援ネットワークによる中小企業等への一気通貫の伴走支援等を行う「知財経営支援モデル地域創出事業」を実施します。
    • 本事業を実施するに当たり、知財を活用した地域の企業成長や地域活性化に意欲的な自治体を広く募集し、この度、有識者による選定会議での審査結果を踏まえ、知財重点支援エリアとして3地域(2県、1政令市)を選定しました。
    • 知財重点支援エリアにおける地域の支援ネットワークの更なる強化と地域中小企業等のイノベーション創出を加速させ、持続的な知財活用の促進を目指す知財経営支援のモデル地域を創出します。
  • 選定地域
    • 青森県
    • 石川県
    • 神戸市

経済産業省 日本風力開発株式会社に対して電気事業法に基づく報告を求めました
  • 経済産業省は本日、日本風力開発株式会社(以下「JWD」という。)に対し、特別調査委員会による検証結果に対する認否等について、電気事業法第106条第3項の規定に基づく報告を求めました。
  • 報告事項
    • 資源エネルギー庁は、令和5年10月17日(火曜日)、JWDに対して、発電事業の実施に当たっての法令遵守の対応やコンプライアンス体制等について、中立的かつ客観的な検証等を求める指導を行い、令和6年3月6日(水曜日)、JWDより当該指導に対する報告を受領しました。
    • 当該報告を踏まえ、経済産業省は、本日、JWDに対して、特別調査委員会による検証結果に対する認否、法令等遵守の観点から懸念がある他の事案の有無並びにコンプライアンスの遵守等を徹底するために取り組んできた内容及び今後の計画について、報告するよう求めました。
  • 電気事業法に基づく措置
    • 電気事業法においては、主務大臣の権限として下記のように規定しています。
      • 経済産業大臣は、第一項の規定によるもののほか、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、小売電気事業者等、一般送配電事業者、送電事業者、特定送配電事業者又は発電事業者に対し、その業務又は経理の状況に関し報告又は資料の提出をさせることができる。(法第106条第3項)

経済産業省 第8回「産業サイバーセキュリティ研究会」を開催しました
  • 経済産業省は、4月5日(金曜日)に、第8回産業サイバーセキュリティ研究会を開催し、AI等のデジタル技術の進展や近年の地政学リスクの高まり、米欧等における制度整備の動向等を踏まえた新たなサイバーセキュリティ政策の方向性を提示するとともに、「産業界へのメッセージ」を発出しました。
  • 背景・趣旨
    • 経済産業省では、産業界が目指すべきサイバーセキュリティの方向性について、産業界を代表する経営者やインターネット時代を切り開いてきた有識者等から構成されるメンバーに、大所高所から議論いただくべく、2017年12月に「産業サイバーセキュリティ研究会」(座長:村井純慶応大学教授)を設置し、以降7回にわたり会合を開催してきました。これまで、本研究会では、我が国の産業界が直面するサイバーセキュリティの課題や、関連政策を推進していくためのアクションプランの策定等について議論が行われてきました。経済産業省では、関係省庁とも連携しつつ、本研究会で提示したアクションプラン等に基づき様々な取組を進めてきました。
    • 昨今、急速に普及しつつある生成AIをはじめとするデジタル技術の発展や世界的な地政学リスクの高まり、サイバー攻撃の深刻化・巧妙化などにより、サイバーリスクが高まっています。また、米欧等においても産業界におけるサイバーセキュリティ対策強化に向けた制度整備の動きなどが活発化するとともに、設計段階から安全性を確保する、セキュア・バイ・デザインという概念が国際的に支持を集めるなど、自社が提供する製品のサイバーセキュリティ対策が求められるようになっています。こうした動向を踏まえながら、「『自由、公正かつ安全なサイバー空間』の確保」(サイバーセキュリティ戦略(令和3年9月28日閣議決定))や 「サイバー安全保障分野での対応能力を欧米主要国と同等以上に向上させる」(国家安全保障戦略(令和4年12月16日閣議決定)といった政府全体の目標に貢献していくための産業界におけるサイバーセキュリティ対策の強化に資する政策対応の在り方について議論いただくべく、この度、第8回産業サイバーセキュリティ研究会を開催しました。
  • 第8回産業サイバーセキュリティ研究会の開催概要
    • 2024年4月5日(金曜日)に開催した第8回会合では、上月副大臣も出席し、本研究会で打ち出してきた様々な取組を含むこれまでの施策の進捗についてフォローアップを行った上で、新たなサイバーセキュリティ政策の方向性を提示するとともに、「産業界へのメッセージ」を発出しました。
    • 新たなサイバーセキュリティ政策の方向性
      • サイバーセキュリティ対策の実効性強化
        • 規模や業種等サプライチェーンの実態に応じて企業の適切なセキュリティ対策レベルを評価し可視化する仕組みを検討していく。
        • 一定のセキュリティ基準を満たすIoT製品を認証する制度や、ソフトウェア部品構成表(SBOM)について、政府調達等の要件化に向けて関係省庁との議論を進めるとともに、安全なソフトウェアの自己適合宣言の仕組みを検討する。
        • 中小企業向け補助的施策の一層の強化を図るため、セキュリティ人材の活用促進やサイバーセキュリティお助け隊サービスの拡充・普及等に取り組む。
      • サイバーセキュリティ市場の拡大に向けたエコシステム構築
        • 我が国にとって重要な領域を中心に高品質な国産セキュリティ製品・サービスの供給が強化される状況を目指し、今年度中に、我が国サイバーセキュリティ産業の振興に向けた強化策のパッケージを提示する。
        • サイバーセキュリティ人材の確保・育成に向けて、ユーザー企業における情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)の活用促進や制度の見直しなどを検討していく。登録セキスペの登録人数(2024年4月現在、約2.3万人)として、2030年までに5万人を目指す。
      • 官民の状況把握力・対処能力向上
        • 産業界と様々なチャネルを有する独立行政法人情報処理推進機構(IPA)におけるサイバー情報の集約・分析機能を更に強化し、国家の安全保障・経済安全保障の確保に貢献していく。
    • 「産業界へのメッセージ」
      • 急速に普及しつつある生成AIをはじめとするデジタル化の進展や世界的な地政学リスクの高まり、サイバー攻撃の深刻化・巧妙化などにより、サイバーリスクは高まっている。このようなサイバー攻撃が、国民生活、社会経済活動及び安全保障環境に重大な影響を及ぼす可能性も大きくなっている。また、米欧等においても産業界におけるサイバーセキュリティ対策強化に向けた制度整備の動きなどが活発化しており、我が国においても一層の対策強化が求められる状況。
      • こうした状況を踏まえ、まずは、経済産業省として、デジタル時代の社会インフラを守るとの観点から、NISC等関係省庁との連携の下、これまでの施策の一層の普及・啓発などに取り組みながら、政府調達等への要件化を通じたサイバーセキュリティ対策の実効性強化や、サイバーセキュリティ供給力の強化、官民の状況把握力・対処能力向上に向けた新たな取組も進める。今後も産業界からの御意見を聴くなど、官民の協力関係を維持・発展させつつ、不断に取組を見直していく。
      • 各企業・団体においては、こうした状況も踏まえ、各種ガイドラインや随時の「注意喚起」に沿った対応を前提として、組織幹部のリーダーシップの下、必要な人材の育成や確保・体制の構築を進めながら、以下の対応をお願いしたい。
        • サイバーセキュリティに対する投資を、中長期的な企業価値向上に向けた取組の一環として位置付ける(DX、BCP、サステナビリティ等に紐付ける。)。その上で、その関連性について、投資家を含む利害関係者から理解を得るための活動(対話・情報開示等)を積極的に行う。
        • 自組織のシステム運用に係るリスク管理についてITサービス等提供事業者との役割分担を明確化するとともに、「セキュア・バイ・デザイン」(※1)や「セキュア・バイ・デフォルト」(※2)の製品の購入を優先するなど、ITサービス等提供事業者に対してセキュリティ慣行を求める。併せて、委託元として自組織で判断や調整を行わなければならない事項を把握するとともに、ITサービス等提供事業者に委託した業務の結果の品質を自社で評価できる体制を整備する。
        • サプライチェーン全体での対策強化に向けた意識を徹底する(ASM(※3)の活用や、サプライチェーンに参加する中小企業等への共助(取引先からの要請対応への負担配慮や脆弱性診断などの支援等))。中小企業においては、「サイバーセキュリティお助け隊サービス」などの支援パッケージの活用も検討する。
        • 「サイバー攻撃被害に係る情報の共有・公表ガイダンス」を参照し、有事(サイバー攻撃の被害に遭った場合等)には、適時の専門組織への相談及び所管省庁等への報告等を行う。
      • ITサービス等提供事業者においては、自らの製品・サービスのセキュリティ対策に責任を持ち、「セキュア・バイ・デザイン」や「セキュア・バイ・デフォルト」の考え方に沿った一層の対応(「顧客だけにセキュリティの責任を負わせない」等の基本原則の遵守、SBOMの採用、メモリに安全なプログラミング言語の採用等)をお願いしたい。
      • セキュリティベンダや調査ベンダ、情報共有活動のハブ組織等のサイバー被害組織を直接支援する専門組織においては、「サイバー攻撃による被害に関する情報共有の促進に向けた検討会最終報告書」に沿って、専門組織間で必要な情報を共有することの意義等について被害組織と共通の認識を醸成する努力をお願いしたい。
        • ※ 1「セキュア・バイ・デザイン」:IT製品(特にソフトウェア)が、設計段階から安全性を確保されていること。前提となるサイバー脅威の特定、リスク評価が不可欠。
        • ※ 2「セキュア・バイ・デフォルト」:ユーザー(顧客)が、追加コストや手間をかけることなく、購入後すぐにIT製品(特にソフトウェア)を安全に利用できること。
        • ※ 3 ASM(Attack Surface Management):組織の外部(インターネット)からアクセス可能なIT資産(=攻撃面)を発見し、それらに存在する脆弱性などのリスクを継続的に検出・評価する一連のプロセスをいう。

経済産業省 ウクライナ情勢に関する外国為替及び外国貿易法に基づく措置を実施します(輸出貿易管理令等の一部を改正)
  • 令和6年3月1日付の閣議了解を踏まえ、ウクライナをめぐる現下の国際情勢に鑑み、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、今般、主要国が講ずることとした措置の内容を踏まえ、ロシアへの輸出禁止措置を実施するために本日、輸出貿易管理令の一部を改正する政令が閣議決定されました。
  • また、同閣議了解を踏まえ、ロシアを原産地とする非工業用ダイヤモンドの輸入禁止措置を導入するため、経済産業省告示を改正します。
  • 輸出貿易管理令の一部を改正する政令の閣議決定について
    • 令和6年3月1日、ウクライナを巡る国際情勢に鑑み、この問題の解決を目指す国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号。以下「外為法」という。)によるロシアの産業基盤強化に資する物品の輸出禁止措置を導入することが閣議了解されました。
    • これを踏まえ、本日、輸出貿易管理令の一部を改正する政令が閣議決定されました。当該措置は4月17日より実施します。
    • これに併せ4月10日に関連する省令等を改正することにより、規制対象となる具体的な貨物を定め、運用面の整備を行います。
    • 輸出禁止措置の追加対象貨物
      • 鉱物性燃料及び鉱物油並びにこれらの蒸留物、歴青物質並びに鉱物性ろう(HS 27類の一部)
        • (例)自動車用エンジンオイル
      • 無機化学品並びに貴金属及びその無機又は有機の化合物(HS 28類の一部)
        • (例)塩化水素、水酸化アルミニウム
      • プラスチック及びその製品(HS 39類の一部)
        • (例)ニトロセルロース
      • 鉄鋼製品及びその部分品(HS 73類の一部)
        • (例)油又はガスの輸送に使用する種類のラインパイプ
      • タングステンの粉並びにモリブデン、コバルト、ジルコニウム及びレニウム並びにこれらの製品(HS 81類の一部)
        • (例)レニウムの塊、くず及び粉
      • 卑金属製品(HS 82類の一部)
      • ボイラー及び機械類並びにこれらの部分品及び附属品(HS 84類の一部)
        • (例)グラインダー等電気式手工具、木材・コルク・硬質ゴム・硬質プラスチックを加工する機械
      • 電気機器及びその部分品 (HS 85類の一部)
        • (例)リチウムイオン蓄電池、ニッケル・水素蓄電池
      • ヨットその他の娯楽用又はスポーツ用の船舶、櫓櫂(ろかい)船、カヌー、照明船、消防船、クレーン船その他の船舶、浮きドック及び浮遊式又は潜水式の掘削用又は生産用のプラットホーム(HS 89類の一部)
      • 光学機器、写真用機器、測定機器、検査機器、精密機器並びにこれらの部分品及び附属品(HS 90類の一部)
        • (例)ミクロトーム、サーモスタット
          • ※規制対象となる貨物の詳細は、関連の省令・通達に定められています。貨物の該否の確認にあたっては、必ず貿易管理HPに掲載されている法令等を確認ください。
  • ロシアを原産地とする非工業用ダイヤモンドの輸入に係る禁止措置について
    • 令和6年3月1日、ウクライナを巡る国際情勢に鑑み、この問題の解決を目指す国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、外為法によるロシアを原産地とする非工業用ダイヤモンドの輸入禁止措置を導入することが閣議了解されました。
    • これを踏まえ、経済産業省告示(輸入公表)を改正し、上記に関する輸入禁止措置を実施します(5月10日施行予定)。

経済産業省 スタートアップ等の入札参加資格要件を緩和しました~「技術力ある中小企業者等の入札参加機会の拡大について」の改訂~
  • 経済産業省は、「技術力ある中小企業者等の入札参加機会の拡大について(平成12年10月10日政府調達(公共工事を除く)手続の電子化推進省庁連絡会議幹事会決定)」を改訂し、3月28日付で施行しました。
  • 主な改正事項
    • 技術力ある中小企業者等はものづくりの重要な担い手であるところ、「技術力ある中小企業者等の入札参加機会の拡大について(平成12年10月10日政府調達(公共工事を除く)手続の電子化推進省庁連絡会議幹事会決定)」に基づき、技術力ある中小企業者等の入札参加機会の拡大を図ることとしています。
    • これまで、J-Startup選定企業や株式会社産業革新投資機構の支援対象事業者等であれば、自身が保有する等級よりも上位の等級の入札への参加が認められていたところ、下記についても同様の措置を講じる拡充を行うこととします。この拡充により、より多くのスタートアップが幅広い入札に参加可能となります。
    • 株式会社産業革新投資機構以外の主たる官民ファンド(※)の支援対象事業者等
    • J-Startup地域版選定企業
    • 国立研究開発法人の金銭出資先事業者又は当該出資先事業者(ベンチャーキャピタル等)の出資先事業者
    • 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)及び国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の認定を受けたベンチャーキャピタル等の出資先事業者
    • (※)中小企業基盤整備機構等の、官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議幹事会の検証対象ファンド
    • 詳細については、関連資料をご参照ください。
    • 経済産業省としては、今後もスタートアップからの公共調達が促進されるよう取り組んでまいります。
  • 決定・施行時期
    • 2024年3月28日

経済産業省 「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン【別冊:スマート化を進める上でのポイント】」を策定しました
  • 近年、製造業のビジネス競争力を強化する源泉として「工場のスマート化」に対する注目が集まっています。その一方で、外部ネットワーク接続の増加やサプライチェーンの広がりなど、サイバーセキュリティ上のリスクの増加も懸念されます。こうした背景の下、今般、経済産業省では、工場のスマート化を進める際にセキュリティの観点から留意すべき点や対策のポイントをとりまとめた「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン【別冊:スマート化を進める上でのポイント】」を策定しました。本ガイドラインを参照いただくことにより、企業が臆することなく工場のスマート化を進め、工場における価値創造が一層促進されることを期待しています。
  • 背景
    • デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展等を背景に、工場においてIoT機器を導入する動きが加速し、各種デバイスの稼動データを利活用して新たな付加価値を生み出す取組が進められています。一方で、こうした取組の進展に伴い、従来は分離されていた工場内のネットワークをインターネットや関連企業といった外部に接続する必要性が増加しており、各企業は、サプライチェーンリスクを踏まえてサイバーセキュリティ対策を検討しなければならない状況にあります。また、サイバー攻撃は日々高度化・巧妙化しており、いかなる工場においてもサイバー攻撃を受ける可能性があるため、これまで以上の対策への取組が求められています。
    • こうした課題認識の下、経済産業省では、令和4年11月に、工場システムのセキュリティ対策を実施する上で、参考となるような考え方やステップを示した「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」(以下「ガイドライン本編」といいます。)を策定し、公表しました。
    • ガイドライン本編の策定以降、DXの更なる進展を背景に「工場のスマート化」への注目が集まっています。スマート化された工場は、製造プロセスの効率化・高度化やデータの可視化など、製造業のビジネス競争力を強化する源泉となる一方で、外部ネットワーク接続の増加やサプライチェーンの広がりなど、セキュリティのリスクも増大していきます。
    • このため、経済産業省では、産業サイバーセキュリティ研究会ワーキンググループ1工場サブワーキンググループにおいて、工場セキュリティに関する有識者や様々な分野の業界団体関係者を交えて、工場のスマート化に対応したサイバーセキュリティ対策について議論を進めてきました。
    • 今般、その成果として、ガイドライン本編の拡充版として、スマート化の際に留意すべき点や対策のポイントをまとめた「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン【別冊:スマート化を進める上でのポイント】」(以下「ガイドライン別冊」といいます。)を策定しました。
  • ガイドライン別冊の概要
    • ガイドライン別冊は、主に工場のスマート化を進める企業(IT関係部門、生産関係部門、戦略マネジメント部門、リスク管理部門、DX担当部門等)を読者に想定し、スマート工場の概要とともに、ガイドライン本編に示した各ステップの対策におけるスマート化を進めるにあたっての留意点や具体例を示しています。
    • 具体的には、スマート工場におけるセキュリティ対策として、特に以下の点を考慮する必要性を示しています。
      • ゾーン設定の考え方:
        • スマート化では、目的に応じて業務の追加・高度化を行うため、業務視点での詳細なゾーン(業務の内容や重要度が同等である領域を指すものであり、同じゾーンに存在する保護資産に対しては、同等の水準のセキュリティ対策が必要。)設定がより重要です。
        • ガイドライン本編においてもゾーンの重要性を示していましたが、ガイドライン別冊では、業務視点に基づいたより詳細なゾーン設定における考え方と留意点を記載しています。
      • サプライチェーンの広がりに伴う責任分界や役割分担の考え方:
        • スマート化では、外部機器やサービスの導入、自社の工場間や自社・他社間でのデータ流通が促進され、自社のみで管理できない対象が増える可能性が高いため、対策の責任分界や役割分担がより重要です。
        • ガイドライン本編では、サプライチェーン対策を進める上でのポイントを示していましたが、ガイドライン別冊では、取引先・調達先に求めるセキュリティ要件における考え方を具体的に例示しています。
▼ 「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」【別冊:スマート化を進める上でのポイント】概要資料

経済産業省 「GXスタートアップの創出・成長に向けたガイダンス」を策定しました
  • 経済産業省は、脱炭素と産業競争力強化・経済成長を同時に実現するGX(グリーントランスフォーメーション)に向けて取り組むスタートアップについて、新たな成長モデルの創出に向けたガイダンスを策定しました。
  • GX分野特有の市場リスクを踏まえたLOI(Letter of Intent)等の需要表明手法や、期待収益率を踏まえたスタートアップ・ファイナンスの多様化等について、国内外の活用事例や実務上のポイント、成長ステージ等に応じた複数の「ひな形」などを示しています。
  • 「GXスタートアップの創出・成長に向けたガイダンス」策定の背景と狙い
    • 2050年カーボンニュートラルの達成に向けては、2023年のIEAの分析によると必要な排出削減の約35%は未だ商用段階にない技術によりもたらされると推定されています。排出削減に必要な技術イノベーションを促進し、GX分野の成長市場を早期に取り込み、企業のGXを推進するためにはGX関連分野のスタートアップの創出・成長が必要です。
    • 他方、GXスタートアップは、その技術や事業が確立するまでの研究開発に大規模な資金を要し、事業化までの時間軸が長い等の課題から、その成長に向けては既存のスタートアップとは異なる戦略が求められます。
    • GXスタートアップ成長の大きな壁としては量産化前のミドル期が挙げられ、製品ができないと売上見通しが立たず、売上が見込めなければ資金調達ができないという停滞構造を超える必要があります。この構造を解決する手段として、顧客による需要表明(LOI~オフテイク契約)や、スタートアップによるデットの活用が挙げられます。死の谷を克服する特に上記の2つの手段について、事例分析を元に具体的なメリットや実務上のポイントを広く周知するため本ガイダンスを策定しました。
▼ GXスタートアップの創出・成長に向けたガイダンス
  • 「GXスタートアップの創出・成長に向けたガイダンス」概要
    • 第1章:日本のGXスタートアップの現状と課題
      • 日本のGXスタートアップは、諸外国と比べ、社数・規模ともに大きな後れ。他方、GX分野では日本が一定の技術優位性を有していることを踏まえると、大きな事業機会を有するGX分野での成長ポテンシャルが存在。
      • 資金調達面では、諸外国に比べ、デット調達・コンバーティブルの活用等が低調であり、事業の期待収益・リスクの特性に応じたファイナンス手法の多様化が進んでいない。
      • また、創業者属性の偏り・複数創業者比率が低く、企業組成時の人材プール形成も重要。
    • 第2章:GXスタートアップ成長軌跡からの学び
      • 大規模化に至ったGXスタートアップの多くは、研究開発終了前から需要確保の取組を実施し、デットを含めた多様なファイナンス手法を活用することで事業開発を加速。
    • 第3章:需要創出~LOIやオフテイク契約の活用
      • 法的拘束力を持たない需要表明(LOI)等の手法を活用することで、事業会社の戦略上の課題解決と需要獲得によるGXスタートアップの成長を加速することが重要。
      • 事業開発の段階や技術の希少性等に応じて、異なるLOI等のひな形の活用を推奨。
    • 第4章:ファイナンス多様化~融資の活用~
      • 諸外国のGXスタートアップは、事業の期待収益率に鑑み、コンバーティブル・ボンド、ローン等を活用し、ファイナンス手法を多様化。ファイナンス検討に当たっては、エクイティサイドの関係者や需要家等とのコミュニケーションが重要。
      • GX分野特有の課題解決には、これまでのエクイティプレイヤーに加え、金融機関等によるデットの役割が鍵を握る。

経済産業省 中小企業のPMIを促進する、実践ツール・活用ガイドブック・事例集を公表します!
  • 経済産業省は、M&Aの目的を実現させ、統合の効果を最大化するために必要なプロセスであるPMI(Post Merger Integration)を更に促進するために、実証事業を実施し、PMIを進める際に活用できる実践ツールを策定しました。また、ツール活用の際のポイントや留意点等をまとめた活用ガイドブックも併せて策定しました。
  • 加えて、実証事業に参加した企業・支援機関のPMIの取組事例集を取りまとめました。
    • 概要
      • 中小企業のM&Aが増加している中、譲り受けた事業が円滑に継続し、譲渡側・譲受側双方が更なる成長を遂げるために、M&Aの成立は「スタートライン」に過ぎず、その後の事業や経営の統合作業(PMI:Post Merger Integration)を適切に行うことが重要です。
      • このため、2022年3月に「中小PMIガイドライン」により中小企業のPMIの「型」を提示し、2023年3月には、当該ガイドラインを解説する動画を公表するなど、中小PMIガイドラインの周知・普及に努めてきたところです。
      • しかしながら、中小企業及び支援機関におけるPMIの理解・取組は、依然として十分な状況とはいえません。
      • そこで、実証事業※を実施し、支援機関の支援を受けながら、譲受企業にPMIに取り組んでいただき、その成果を「PMI実践ツール」及び「PMI実践ツール活用ガイドブック」として取りまとめました。
      • あわせて、譲受企業・支援機関の取組を「PMI取組事例集」として取りまとめました。
      • これらのツール、活用ガイドブック及び事例集の活用により、譲受企業・支援機関におけるPMIの理解・取組を促進し、M&Aによる中小企業の成長を目指します。
        • ※「令和4年度補正中小企業活性化・事業承継総合支援事業(小規模案件におけるPMI支援実証事業)」及び「令和4年度補正中小企業活性化・事業承継総合支援事業(中・大規模案件におけるPMI支援実証事業)」
    • PMI実践ツール・PMI実践ツール活用ガイドブックの概要
      • PMI実践ツール
        • 中小PMIガイドラインの標準的なステップ・取組等を踏まえてPMIに取り組むために、(1)PMI分析ワークシート(2)PMIアクションプラン(3)統合方針書の3つのツールを策定・公表しました。
          1. PMI分析ワークシート
            • 「M&Aの目的」と「譲渡側等の現状」を確認し、優先課題と対応方針を整理するツールです。
            • PMIの拠り所となるM&Aの目的及び成功を定義するとともに、様々な分析を通じて譲渡側・譲受側の現状を把握し、優先すべき課題・対応方針を整理するために活用します。
          2. PMIアクションプラン
            • 具体的な取組(ToDo)を計画しスケジュール管理するツールです。
            • PMI分析ワークシートにより整理した優先課題と対応方針を基に、「いつ・誰が・何を行うか」について具体的に計画し、スケジュール・担当者・取組(ToDo)を一覧化し、進捗を管理するために活用します。なお、「計画策定」以降だけでなく、「M&Aの目的確認」・「現状把握」・「方針検討」を含めたPMIプロセス全体の進捗を管理することもできます。
          3. 統合方針書
            • M&Aの目的、PMIでどのようなことに取り組んでいくかを社内外の関係者に説明するツールです。
            • 譲渡側・譲受側におけるM&Aの目的や現状の課題を踏まえた統合基本方針、PMI推進体制、会議体の持ち方等を言語化し、譲渡側・譲受側の社内の関係者(経営者・従業員等)や社外の関係者(取引先等)に共有・説明するために活用します。
      • PMI実践ツール活用ガイドブック
        • 上記3つのPMI実践ツールの使い方や活用のポイント・留意点等、有意義なPMIに取り組むためのポイントを紹介しています。ツールを実際に活用した企業・支援機関の声等も紹介しています。まずはこちらでツール活用のイメージをつかんでいただけますと幸いです。
    • PMI取組事例集の概要
      • PMIの実証事業※に参加した譲受企業・支援機関による55件のPMIの取組を取りまとめた事例集です。M&Aの目的・特色やPMIの取組ごとに事例を検索できるようになっています。PMIのイメージをつかみ、またPMIに取り組む際の参考にしていただけますと幸いです。
        • ※ 令和4年度補正中小企業活性化・事業承継総合支援事業(小規模案件におけるPMI支援実証事業)及び令和4年度補正中小企業活性化・事業承継総合支援事業(中・大規模案件におけるPMI支援実証事業)
▼ PMI取組事例集外部リンク

経済産業省 「大学ファクトブック2024」を取りまとめました 国公私立781大学の産学連携情報を見やすく掲載しています
  • 経済産業省は、一般社団法人日本経済団体連合会及び文部科学省とともに、全国の大学における産学連携の実績等を見える化するため「大学ファクトブック2024」を取りまとめました。
  • 背景
    • 2016年、経済産業省は文部科学省とともに「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」(以下、ガイドライン)を策定しました。加えて、2020年、ガイドラインに基づく体制構築に向けて、大学等においてボトルネックとなっている課題への処方箋や、産業界における課題とそれに対する処方箋を「ガイドライン追補版」として取りまとめ、本取組の一層の加速を促しています。さらに、2023年には産学連携における「知の可視化」を具体的に進めるため、「産学協創の充実に向けた大学等の「知」の評価・算出のためのハンドブック」を取りまとめています。
    • 本ガイドライン等に基づく取組の状況について、各大学の産業界との連携実績などのデータを「見える化」するため、経済産業省では、一般社団法人日本経済団体連合会及び文部科学省とともに、「産学官共同研究におけるマッチング促進のための大学ファクトブック」を公表し、その後毎年更新しています。
  • 「大学ファクトブック2024」
    • 文部科学省が毎年実施する「大学等における産学連携等実施状況について」の調査結果をもとに産学連携の件数等について、「大学ファクトブック2024」として取りまとめております。検索機能を備えることで容易に目的の大学ページを参照いただける内容になっています。
▼ 大学ファクトブック

経済産業省 令和5年中小企業実態基本調査(令和4年度決算実績)速報を取りまとめました
  • 中小企業庁は、中小企業の財務情報、経営情報等を把握するため、業種横断的な実態調査として、中小企業実態基本調査を毎年行っています。この度、「令和5年中小企業実態基本調査(令和4年度決算実績)速報」を取りまとめました。
  • 中小企業実態基本調査の概要
    • 中小企業庁は、中小企業の財務情報、経営情報等を把握するため、業種横断的な実態調査として、中小企業実態基本調査を毎年行っており、今回で20回目の実施となります。
    • 本調査は、「建設業」、「製造業」、「情報通信業」、「運輸業、郵便業」、「卸売業」、「小売業」、「不動産業、物品賃貸業」、「学術研究、専門・技術サービス業」、「宿泊業、飲食サービス業」、「生活関連サービス業、娯楽業」及び「サービス業(他に分類されないもの)」の合計11産業に属する中小企業から調査対象約11万社を抽出して行っています。
    • 今回の調査では、有効回答45,723社(有効回答率41.7%)を基に推計しています。
  • 速報のポイント
    • 1企業当たりの売上高は2.1億円(前年度比15.9%増)、1企業当たりの経常利益は978万円(同12.4%増)。
    • 法人企業の1企業当たりの付加価値額は9,671万円(前年度比9.7%増)。
    • 1企業当たりの従業者数は10.0人(前年度比8.3%増)。
    • 設備投資を行った法人企業の割合は21.9%(前年度差-0.3ポイント減)。新規リース契約を行った法人企業の割合は12.5%(同0.7ポイント増)。
    • 調査結果の詳細は別紙を御参照ください。
▼ 別紙 令和5年中小企業実態基本調査速報(要旨)(令和4年度決算実績)

経済産業省 「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」を公表します
▼ 仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン-入門編-
  • 仕事と介護の両立支援充実に向けて
    • 我が国は少子高齢化が進行し、今後労働人口も減少していくという現状に直面しています。この人口動態は、企業の人手不足を深刻化させ、経済全体に影響を及ぼす可能性があります。
    • そのような労働供給制約社会に突入していく中、仕事と家族の介護を両立される方が増加しています。
    • 従業員一人一人が抱える介護の問題は、その個人だけでなく、企業活動の継続にも大きなリスクを生じさせます。家族の介護が必要となり、従業員が仕事との両立を実現できない場合、結果として、従業員本人のパフォーマンスの低下や介護離職などに繋がり、企業業績に影響を及ぼす可能性があります。
    • 特に中小企業では、人材不足の中で中核人材がビジネスケアラーになった場合、それは企業にとって死活問題となります。中小企業は、限られた人材を最大限に活用することで競争力を維持しています。そのため、中核人材が介護のために仕事を離れると、その影響は企業全体に及びます。
    • 社会的な課題である労働人口の減少に対処するためには、従業員のライフスタイルや希望に応じたキャリア継続が必須となります。
    • 企業が仕事と介護を両立できる環境を整備することで、従業員はキャリアを続けることが可能となるだけでなく、事業継続におけるリスクマネジメントとしても有効であると考えます。また仕事と育児の両立や働き方改革、女性の活躍推進などと同じように、人的資本経営の実現にもつながり、より強固な組織を形成することができると考えます。
    • 本ガイドラインは、企業経営における仕事と介護の両立支援が必要となる背景・意義や両立支援の進め方などをまとめており、主に経営者や経営陣に読んでもらいたいと考えております。
    • 仕事と介護の両立を巡る問題は、我が国の未来を左右する重要な課題であり、その解決には全ての企業の協力が必要となります。
    • 本ガイドラインが、介護に係る企業経営上のアクションを充実させる一助となることを願っています。
  • 仕事と介護を巡るパラダイムシフト
    • 2040年代後半には「団塊ジュニア(約800万人)」が後期高齢者になる一方で、第一線で働く人数の少ない現役世代が、公私にわたって高齢者を支える構造へ。
    • 共働き世帯の増加というライフスタイルの変化と、企業における人材不足が慢性化している中、仕事と介護を巡る認識を今一度改める必要がある
    • 共働き世帯化により、介護の担い手は「実子」へ
    • いずれの企業においても人材の希少性が高まる
    • 仕事と介護を巡るパラダイムの変化が求められている
    • 配偶者と連携して介護負担を家庭で担うなど、介護は従業員個人の範囲で対応可能から働く誰もが介護の担い手になり得る人材不足の中、介護は企業が時代を乗り越える必須アジェンダへ
  • 仕事と介護の両立困難による影響
    • 家族介護の必要性は誰しもに発生し得るライフイベントであるが、予測が困難。
    • 仕事と介護の両立が困難になることにより、従業員の業務パフォーマンスにも影響が生じ、企業活動そのものにも影響が及ぶため、全ての企業が両立支援を行うことを想定すべき
  • 企業経営としての仕事と介護の両立の重要性
    • 企業価値の向上や事業・組織運営のリスクマネジメントを行う観点から、企業経営上、仕事と介護の両立支援を取り組む意義は大きい
    • 企業価値向上に向けて(人的資本経営の実現)
      • 中長期的な企業価値向上に向けて、人的資本経営の一環として、「仕事と介護の両立」についても改めて、経営戦略と連動した人材戦略の一部として位置づけていくことが重要
      • こうした人的資本に関する取組が進むことにより、「健康経営」や「DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)」の文脈においても効果が見込めるものとなる
      • 介護のための施策ではなく、他の経営テーマに介護を含めていく
    • 人材不足に対するリスクマネジメントとして
      • ライフプランが多様化する日本社会においては、従業員の年代構成にかかわらず、仕事と介護の両立支援は全ての企業が取り組むべき重要な課題
      • 今後ますます人材不足が加速する中、人材戦略としてのビジネスケアラー支援は個人のキャリア継続だけでなく、持続的な事業・組織運営におけるリスクマネジメントとなる
      • 特に従業員の40~60代が多い場合、企業活動への影響が大きい
  • 仕事と介護の両立支援が企業に与える影響
    • それぞれの企業が、仕事と介護の両立支援が与える自社への影響を整理・分析することで、自社における仕事と介護の両立支援の意義や重要性が可視化される
  • 仕事をしながら介護に従事する従業員の実情・企業への期待
    • 仕事と介護の両立に関する従業員の実情を認識したうえで、仕事と介護を両立するための適切な施策の検討・取組を講じることで、従業員が自分の能力を最大限に発揮できる環境を提供できる
      • 従業員の実情(主な3つの特徴)
        • 自身の介護状況開示への消極性
          • キャリアへの影響を懸念し、介護状況の開示に抵抗感がある
          • 介護は育児と異なり、緩やかに発生するケースもある。本人の自覚がないまま実質的な介護をしているものの、有給休暇で対応し、開示のタイミングを逃してしまう
        • 介護の状況は多様かつ可変であり、将来予測が困難
          • 認知症等によって生じる心身状態や要介護度は緩やかに経過することもあれば、転倒や持病の悪化により、急激に重度化するケースもあり、介護当事者になる瞬間や、負担の程度は個々人によって状況が異なる
          • 終わりの見通しも立たず、10年以上、仕事と介護の両立が必要となってくる場合もあり、対応について個別具体性が極めて高い
        • 肉体的負担に加えた精神的負担の増加
          • 身体介助の肉体的な負担に加えて、情報収集、介護専門職とのコミュニケーションや見守り、外出の付き添い、医療的介入等における意思決定といった精神的負担も発生している
      • 今後、企業に期待される事項
        • 企業内の実態把握の推進
          • 定期的なアンケートなどを通じて、実態把握を行う
          • 従業員が自身の介護状況を正確に届けられるチャネルを確保する情報発信によるリテラシー向上・個別相談の充実
        • 従業員に向けて、プッシュ型で情報提供を行う
          • 個別具体の対応策を提案できるような相談窓口を設置する
        • 人事労務制度の充実・コミュニティ形成
          • 柔軟な働き方ができる人事労務制度や、福利厚生の一環として経済的支援を充実する
          • 介護に直面している従業員と、これから直面する可能性のある従業員が、相互に知見を共有・対話する場の整備
  • 企業で生じている介護両立支援を巡る負のサイクル
    • 介護は初期的な対応を行うことで、一定程度マネジメント可能な課題であり、早期に対応することでリスク回避でき得るが、企業内では取組が進みづらい構造的課題が存在。
    • 負のサイクルを断ち切るため、まず経営者がコミットメントすることで、組織内の機運を醸成することが重要
  • 企業が取り組むべき介護両立支援のアクション
    • 経営層自身がコミットメントをしつつ、社内で講じられる施策状況等も把握しておくことが必要。
    • また、社内だけではなく、ステークホルダーや地域などの外部との対話・接続も重要

【2024年3月】

経済産業省 令和5年度「なでしこ銘柄」「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」を選定しました
  • 本日、経済産業省は、東京証券取引所と共同で女性活躍に優れた上場企業を「なでしこ銘柄」として合計27社選定しました。また、今回の選定から新たに、「共働き・共育てを可能にする男女問わない両立支援」が特に優れた上場企業を「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」として合計16社選定しました。
  • 「なでしこ銘柄」「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」とは
    • 「なでしこ銘柄」とは、女性活躍推進に優れた上場企業を、中長期の企業価値向上を重視する投資家にとって魅力ある銘柄として紹介することにより、こうした企業への投資家の関心を一層高め、各社の女性活躍推進に向けた取組を一層加速化させていくことを狙いとしています。
    • 選定にあたっては、企業の女性活躍推進に関する実態を把握するための「女性活躍度調査」に御回答いただいた結果を基に評価を行っています。
    • 企業価値向上につながる女性活躍のためには、「採用から登用までの一貫したキャリア形成支援」と「共働き・共育てを可能にする男女問わない両立支援」を両輪で進めることが不可欠であると考え、令和5年度の「なでしこ銘柄」では、「共働き・共育てを可能にする男女問わない両立支援」に関する設問を拡充し、評価の観点に加えました。
    • また、「共働き・共育てを可能にする男女問わない両立支援」が特に優れた企業を、新たに「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」として選定することとしました。
  • 「なでしこ銘柄」「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」選定企業
    • 令和5年度「なでしこ銘柄」および「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」の選定企業は以下のとおりです。
      • 「なでしこ銘柄」選定企業(計27社)
        • 2802味の素株式会社 食品
        • 2502アサヒグループホールディングス株式会社 食品
        • 5019出光興産株式会社 エネルギー資源
        • 5938株式会社LIXIL 建設・資材
        • 4911株式会社資生堂 素材・化学
        • 4922株式会社コーセー 素材・化学
        • 4519中外製薬株式会社 医薬品
        • 4523エーザイ株式会社 医薬品
        • 7259株式会社アイシン 自動車・輸送機
        • 5802住友電気工業株式会社 鉄鋼・非鉄
        • 6289株式会社技研製作所 機械
        • 6301株式会社小松製作所 機械
        • 6645オムロン株式会社 電機・精密
        • 9719SCSK株式会社 情報通信
        • 2181パーソルホールディングス株式会社 サービスその他
        • 9531東京ガス株式会社 電気・ガス
        • 9532大阪ガス株式会社 電気・ガス
        • 9104株式会社商船三井 運輸・物流
        • 9101日本郵船株式会社 運輸・物流
        • 8001伊藤忠商事株式会社 商社・卸売
        • 8252株式会社丸井グループ 小売
        • 2702日本マクドナルドホールディングス株式会社 小売
        • 7182株式会社ゆうちょ銀行 銀行
        • 8381株式会社山陰合同銀行 銀行
        • 8601株式会社大和証券グループ本社 金融(除く銀行)
        • 8750第一生命ホールディングス株式会社 金融(除く銀行)
        • 8801三井不動産株式会社 不動産業
      • 令和5年度「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」選定企業一覧
      • 7912大日本印刷株式会社 サービスその他
      • 7181株式会社かんぽ生命保険 金融(除く銀行)
      • 8604野村ホールディングス株式会社 金融(除く銀行)
      • 5831株式会社しずおかフィナンシャルグループ 銀行
      • 7186株式会社コンコルディア・フィナンシャルグループ 銀行
      • 5333日本ガイシ株式会社 建設・資材
      • 8053住友商事株式会社 商社・卸売
      • 9749富士ソフト株式会社 情報通信
      • 7911TOPPANホールディングス株式会社 情報通信
      • 2501サッポロホールディングス株式会社 食品
      • 2269明治ホールディングス株式会社 食品
      • 7908株式会社きもと 素材・化学
      • 4631DIC株式会社 素材・化学
      • 6869シスメックス株式会社 電機・精密
      • 4543テルモ株式会社 電機・精密
      • 1878大東建託株式会社
  • 令和5年度「なでしこ銘柄」レポート等公表資料
    • 今回のなでしこ銘柄に関する資料として、下記4点を経済産業省HPで公表します。
▼ 経済産業省「女性活躍に優れた上場企業を選定「なでしこ銘柄」」

経済産業省 防衛装備の海外移転の許可の状況に関する年次報告書を取りまとめました
▼ 防衛装備の海外移転の許可の状況に関する年次報告書
  • 防衛装備の海外移転の個別許可に関する状況について
  • 令和4年度に、経済産業大臣が行った防衛装備の海外移転の個別許可は1,179件である。
  • これらを運用指針の類型に沿って分類すると、「平和貢献・国際協力の積極的な推進に資する場合」に該当するものが33件、「我が国の安全保障に資する場合」に該当するものが1,091件、「誤送品の返送、返送を前提とする見本品の輸出、海外政府機関の警察官により持ち込まれた装備品の再輸出等の我が国の安全保障上の観点から影響が極めて小さいと判断される場合」に該当するものが55件となる。
  • 「平和貢献・国際協力の積極的な推進に資する場合」に該当する海外移転は、中国国内での遺棄化学兵器処理事業の実施に伴うものや、シナイ半島でのエジプト・イスラエル間の停戦監視活動に伴うものである。令和4年度では、中国向けに31件、エジプト向けに2件が許可された。
  • 「我が国の安全保障に資する場合」に該当する海外移転は、国際共同開発・生産に関するもの、安全保障・防衛協力の強化に資するもの、自衛隊を含む政府機関の活動に関するものや邦人の安全確保のために必要なものなどの多岐にわたる。このうち、令和4年度では、
    • 国際共同開発・生産に関するものでは、米国向けに38件、英国向けに5件、インドネシア向けに4件、イタリア・英国、イタリア・英国・米国、イタリア・インドネシア・英国・ドイツ向けにそれぞれ2件、シンガポール向けに1件が許可され、
    • 安全保障・防衛協力の強化に資するものでは、米国向けに17件、フィリピン向けに5件、ウクライナ、UAE、英国・米国向けにそれぞれ1件が許可され、
    • 自衛隊を含む政府機関の活動に関するものでは、海外から購入している自衛隊の装備品に関する故障品の交換や修理のための購入元への一時的な輸出や、国内で製造する装備品の加工委託のための輸出等で1,012件が許可された。
  • 「誤送品の返送、返送を前提とする見本品の輸出、海外政府機関の警察官により持ち込まれた装備品の再輸出等の我が国の安全保障上の観点から影響が極めて小さいと判断される場合」に該当する海外移転は、誤送品(誤って我が国に輸出された他国向けの物品)の返送や借用品(国内で一時的に借用していた物品)の返送などで55件が許可されている。
  • 政府はこれまで、防衛装備の海外移転に関して、「武器輸出三原則等によらない」とする例外措置を講じてきた。移転三原則の策定以降は、このような例外措置を講じずに、国家安全保障会議での審議によって移転を認め得ることとした案件の概要を公表している。

経済産業省 「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令」が閣議決定されました
  • 本日、「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令」が閣議決定されました。この政令は、第211回国会で成立した「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」(以下「改正法」といいます。)の一部が令和6年4月1日に施行されることに伴い、関係政令の整備を行うものです。
  • 政令の概要
    • 原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施に関する法律施行令の一部改正
      • 改正後の「原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施及び廃炉の推進に関する法律」(以下「再処理法」といいます。)において政令委任事項としている、廃炉拠出金の延納の手続き等について規定します。
    • その他関係政令の一部改正
      • 改正法による名称変更や条ズレ等の反映といった所要の規定の整備を行います。
    • 経過措置
      • 改正法における経過措置として、改正前の再処理法の規定に基づき既に廃炉の実施に必要な費用に充てるために積み立てた引当金がある実用発電用原子炉設置者等は、改正後の再処理法の規定に基づいて使用済燃料再処理・廃炉推進機構が実施する廃炉推進業務に必要な費用に充てるため、経済産業大臣が定める額の金銭を年度ごとに分割して支払うこととされています。改正法において政令委任事項としている、当該金銭の延納の手続きについて規定します。

経済産業省 DXセレクション2024を公表しました!
  • 経済産業省は、中堅・中小企業等のDX(デジタルトランスフォーメーション)のモデルケースとなるような優良事例を「DXセレクション2024」として選定し、本日、選定された32社を公表しました。
  • DXセレクションについて
    • DXセレクションとは、デジタルガバナンス・コードに沿った取組を通じてDXで成果を残している、中堅・中小企業等のモデルケースとなる優良事例を選定するものです。優良事例の選定・公表を通じて、地域内や業種内での横展開を図り、中堅・中小企業等におけるDX推進及び各地域でのDXの取組の活性化を目的として、2022年より開始した取組です。
    • これまでは、「地方版IoT推進ラボ」に参画している中堅・中小企業等の中から、各ラボが推薦する企業のみを選定対象としていましたが、今年度の「DXセレクション2024」においては、自薦・他薦を通じて全国の中堅・中小企業等からDXに関する優良事例を32社選定しました。
  • 選出方法
    • 応募実施方法
      • DX認定レベルを確認する調査項目への回答とともに関係機関※からの推薦を必要としましたが、応募時点でDX認定を取得済みである企業に限っては、当該調査項目への記載を免除した上で自薦での応募も認め、実施しました。
        • ※推薦者は、地方公共団体(都道府県、市区町村)、経済団体(全国商工会連合会、商工会連合会、商工会、日本商工会議所、商工会議所、全国中小企業団体中央会、都道府県中小企業団体中央会、全国商店街振輿組合連合会、都道府県商店街振興組合連合会)、金融機関(銀行、信用金庫、信用組合、日本政策投資銀行、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、沖縄振興開発金融公庫、農林中央金庫)、独立行政法人、国立研究開発法人、報道機関、その他、被推薦者の地域における事業活動や経営の状況等を把握し、「DXセレクション」として選定されうる事業者を適切に推挙できる者としました。
    • 評価項目
      • DXセレクションの審査にあたっては、デジタルガバナンス・コードの以下の項目に対応する取組を評価しました。
      • 経営ビジョン・ビジネスモデル
      • 戦略
        • 組織づくり・人材・企業文化に関する方策
        • ITシステム・デジタル技術活用環境の整備に関する方策
      • 成果と重要な成果指標
      • ガバナンスシステム
  • DXセレクション2024選定事業者一覧
    • グランプリ
      • 浜松倉庫株式会社 静岡県
    • 準グランプリ
      • 株式会社リノメタル 埼玉県
      • 株式会社トーシンパートナーズホールディングス 東京都
      • 株式会社西原商事ホールディングス 福岡県
      • 山口産業株式会社 佐賀県
    • 優良事例
      • 株式会社高山 宮城県
      • 株式会社ASAHI Accounting Robot研究所 山形県
      • 株式会社髙梨製作所 山形県
      • 福島コンピューターシステム株式会社 福島県
      • 有限会社永井製作所 群馬県
      • 田島石油株式会社 埼玉県
      • 鶴見製紙株式会社 埼玉県
      • 株式会社ヒカリシステム 千葉県
      • 旭工業株式会社 東京都
      • 株式会社ダブルスタンダード 東京都
      • 株式会社NISSYO 東京都
      • 武州工業株式会社 東京都
      • Jマテ.カッパープロダクツ株式会社 新潟県
      • 疋田産業株式会社 石川県
      • 株式会社ヤマサ 長野県
      • 協和工業株式会社 愛知県
      • 三共電機株式会社 愛知県
      • IXホールディングス株式会社 三重県
      • 有限会社ゑびや 三重県
      • 株式会社コムデック 三重県
      • 東邦電気産業株式会社 京都府
      • 日本ツクリダス株式会社 大阪府
      • 株式会社ミヨシテック 大阪府
      • 株式会社エヌエスケーケー 兵庫県
      • オカネツ工業株式会社 岡山県
      • 株式会社広島メタルワーク 広島県
      • 福岡運輸株式会社 福岡県

経済産業省 「健康経営銘柄2024」に53社を選定しました!
  • 経済産業省は、東京証券取引所と共同で、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組む上場企業を「健康経営銘柄」として選定しています。長期的な視点から企業価値の向上を重視する投資家に対して、魅力ある企業として紹介することを通じ、企業による健康経営の取組を促進することを目指しています。
  • 本日、第10回となる「健康経営銘柄2024」に、27業種から53社を選定しました。
  • 健康経営銘柄2024の選定について
    • 「令和5年度健康経営度調査」(企業等が従業員の健康管理を戦略的に行う健康経営の取組状況に関する調査)の回答結果をもとに、健康経営優良法人(大規模法人部門)申請法人の上位500位以内の上場企業から、1業種1社※を基本として選定しました。
      • ※ 1業種1社に加えて、下記選定基準を加味した上で各業種の最高順位の企業の平均より優れている企業についても、健康経営銘柄として選定。
    • 主な選定基準
      • 重大な法令違反等がない。
      • 健康経営優良法人(大規模法人部門)申請法人の上位500位以内である。
      • ROE(自己資本利益率)の直近3年間平均が0%以上または直近3年連続で下降していない企業を対象とし、ROEが高い企業には一定の加点を行う。
      • 前年度回答有無、社外への情報開示の状況についても評価し、一定の加点を行う。
  • 「健康経営銘柄2024」選定企業(27業種53社、業種順)
▼ 「健康経営銘柄2024」選定企業一覧

経済産業省 「はばたく中小企業・小規模事業者300社」の授賞式を開催します
  • 中小企業庁は、経済社会構造の変化に対応して事業変革や新規事業に挑戦し、地域経済や日本経済の成長への貢献が期待できるモデルとなる中小企業を、「事業再構築・生産性向上」、「海外展開」、「GX」、「DX」、「人への投資・環境整備」の5つの分野で優れた取組を行っている中小企業を「はばたく中小企業・小規模事業者300社」として選定し、3月14日(木曜日)に授賞式を開催します。
  • 齋藤経済産業大臣から代表事業者5社へ感謝状を授与する予定です。
  • 授賞式について
    • 日時:令和6年3月14日(木曜日)17:15から18:30
    • 場所:経済産業省講堂(東京都千代田区霞が関1丁目3番1号 地下2階)
  • 代表事業者の概要
    • 事業再構築・生産性向上分野
      • 株式会社アイル(長崎県)
      • 【規格外野菜を用いた地域活性化・新たな付加価値創出】
      • 株式会社アイルは、野菜シート「ベジート」の開発、製造・販売を行う事業者です。規格外として野菜が放置される現状を見て、20年以上前から規格外野菜の活用方法の研究開発を続けて商品化されました。野菜シートの新たな製品価値が国内外で認められ、その取引を拡大しています。
    • 海外展開分野
      • 株式会社山本製作所(広島県)
      • 【海外とのグローバル競争を通じて自社の強みを磨き上げ、成長を実現】
      • 株式会社山本製作所は、業務用洗濯機の専門メーカーです。同社は自社開発化を進め、ほぼ全てを社内で製造し、ユーザーからの多様なニーズに対応できる開発力・生産体制を構築することで滞りのない交換部品の供給力をもっています。顧客が長期間製品を利用できるとして、海外からも「フォーエバーマシン」と評価され、独自の価値を提供しています。
    • GX分野
      • 株式会社誠和(栃木県)
      • 【省エネ・電化・カーボンリサイクルを用いた環境制御によりGXを推進】
      • 株式会社誠和は園芸施設用の設備メーカーです。儲かる農業の実現のため、ハウス内の環境制御用設備の開発とともに、実証用農場を経営されています。高生産量と資源利用効率化を両立させる製品を提供し、省エネ等の技術開発やスマート農業技術の生産現場への普及に率先して取り組まれています。
    • DX分野
      • ベジクル株式会社(東京都)
      • 【デジタルを活用したクラウドサービスによる農産物流通への展開】
      • ベジクル株式会社は「アジアを代表する八百屋になる」を目指して東京都大田区に拠点を構える青果卸売業者です。webマーケティング、ITツールの活用を進め、受発注オペレーションの仕組みを構築、DX化を推進することで、顧客要望への迅速な対応を実現しています。
    • 人への投資・環境整備分野
      • 株式会社モリタ(宮崎県)
      • 【障がい者を積極的に雇用し、多様な人材の受け皿として地域経済にも貢献】
      • 株式会社モリタは産業機械や工作機械などの販売や、樹脂成形部品の製品製造を行う事業者です。近年は航空機分野への取引拡大を進めるとともに、主力製品であるドアミラーは自動車メーカーとの直接取引を開始するなど高い技術力を強みとしています。また身体障がいのある方を個性と捉えつつ、戦力として活躍してもらうなど人材の受け皿としても地域への貢献を実現されています。
      • なお、今般の選定にあたっては、全国中小企業団体中央会、日本商工会議所(海外現地日本人商工会議所を含む)、全国商工会連合会、日本政策金融公庫、商工中金、中小企業基盤整備機構、日本貿易振興機構、国際協力機構、国際協力銀行、全国信用金庫協会、全国信用組合中央協会、情報処理推進機構、産業技術総合研究所及び経済産業局(在外大使館・領事館からの推薦も含む)からそれぞれ推薦をいただき、沼上幹選定委員長(早稲田大学ビジネス・ファイナンスセンター研究院教授)を中心とする外部有識者によって厳正に審査いただきました。
▼ 2023年度はばたく中小企業・小規模事業者300社一覧(リスト)

経済産業省 産業サイバーセキュリティ研究会「サイバー攻撃による被害に関する情報共有の促進に向けた検討会」の最終報告書の補完文書として「攻撃技術情報の取扱い・活用手引き」及び「秘密保持契約に盛り込むべき攻撃技術情報等の取扱いに関するモデル条文」を策定しました
▼ サイバー攻撃による被害に関する情報共有の促進に向けた検討会最終報告書概要
  • 情報共有の重要性と現状の課題
    • サイバー攻撃が高度化する中、単独組織による攻撃の全容解明は困難となっている。そのため、攻撃の全容の把握や被害の拡大を防止する等の観点からサイバー攻撃に関する情報共有は極めて重要。他方で、被害組織自らが情報共有を行うことについては、(1)被害組織側の調整コスト負担、(2)最適者が事案対応を行わない懸念、(3)処理コストのかかる情報共有、(4)被害現場依存の脱却の必要性などの課題が存在。
  • 本検討会における提言
    • 被害組織を直接支援する専門組織を通じた速やかな情報共有の促進が重要。これにより、(1)全体像の解明による被害拡大の防止や(2)被害組織のコスト低減などが実現できる。
    • 他方で、専門組織を通じた情報共有を促進するためには、(1)秘密保持契約による情報共有への制約、(2)非秘密情報からの被害組織の特定/推測の可能性の課題に対応をする必要がある。
    • このため、本検討会では、これらの課題を乗り越え、既存の情報共有活動の枠組みも活用しながら、更に円滑な情報共有を可能とするために、被害者の同意を個別に得ることなく速やかな情報共有が可能な情報の考え方を整理。具体的には、通信先情報やマルウェア情報、脆弱性関連情報等の「攻撃技術情報」から被害組織が推測可能な情報を非特定化加工した情報が対象となり得ると整理。
    • さらに、本報告書の提言を補完する観点から、「攻撃技術情報の取扱い・活用手引き(案)」についてもとりまとめ。本手引きでは、専門組織間で効果的な情報共有を行うために、どのような形で非特定化加工を行えばよいか、またどのように情報共有をおこなえばよいのかなど専門組織として取るべき具体的な方針について整理。
    • 加えて、円滑な情報共有を促進すべく、上記考え方についてユーザー組織と専門組織が共通の認識を持ち、専門組織が非特定化加工済みの攻撃技術情報を共有したことに基づく法的責任を原則として負わないことを合意するための秘密保持契約に盛り込むべきモデル条文案を提示。今後、本検討会の成果の周知・啓発に取り組む。
  • 今後の課題
    • 専門組織同士の情報共有促進だけでは解消されない今後の課題としては、(1)情報共有に向けた官民連携のあり方(行政機関への相談・報告のあり方や政府と民間事業者間の情報の共有など)、(2)サプライチェーンにおけるベンダ等の役割を挙げた

経済産業省 IoT製品に対するセキュリティ適合性評価制度構築に向けた検討会の最終とりまとめを公表し、制度構築方針案に対する意見公募を開始しました
▼ IoT製品に対するセキュリティ適合性評価制度構築方針案(概要説明資料)
  • 制度構築の背景・検討経緯
    • IoT機器の急増に加え、IoT機器を狙った攻撃も多く、IoT機器の脆弱性を狙ったサイバー脅威が高まってきているといえる。
    • 諸外国でもIoT製品のセキュリティ対策に関する制度検討が進んでおり、我が国のIoT製品がグローバルマーケットから弾き出されないよう、諸外国の取組状況を考慮する必要がある。
    • 我が国も、IoT製品のセキュリティ対策を支援するガイドライン等の発表を行ってきたが、IoT製品ベンダーの自主的な取組を求めるものであった。諸外国の取組も踏まえて、共通的な物差しで製品のセキュリティ機能を評価・可視化し、調達者が求めるセキュリティ水準のIoT製品を容易に選定できるようにし、適切なセキュリティ対策が講じられているIoT製品が広まる仕組みの構築が必要である。
    • こうした観点で制度の検討を行うため、経済産業省は、2022年11月より「IoT機器に対するセキュリティ適合性評価制度構築に向けた検討会」を開催し、2024年3月に最終とりまとめを公表した。最終取りまとめを踏まえ、制度構築方針案を作成した。
  • 目的と位置付け
    • IoT製品に対する適合性評価制度を国内で構築し、広く普及させ、そして社会に浸透させるためには、まずは調達者が自身を守るために、求めるセキュリティ水準のラベルが付与された製品を優先的に選択するようになることが必要不可欠である。そのうえで、IoT製品ベンダーの積極的なラベル取得を促すため、以下の三つを主目的として制度を構築する。
      1. 政府機関や企業等で調達する製品について、共通的な物差しでIoT製品のセキュリティを評価・可視化できるようにすることで、各組織の求めるセキュリティ水準を満たしたIoT製品の選定・調達を容易にする。
      2. 特定分野のシステムに組み込まれて調達・利用されるIoT製品に求められるセキュリティ要件を定め、必要な認証・ラベルを各業界団体等で指定できるようにすることで、当該特定分野において求められるセキュリティが確保されたIoT製品のみが採用されるようにする。
      3. 諸外国の制度と協調的な制度を構築し、相互承認を図ることで、IoT製品を海外に輸出する際に求められる適合性評価にかかるIoT製品ベンダーの負担を軽減する。
    • 本制度は、国内の既存制度と将来的な統合や棲み分け・連携の方針を合意しながら、任意制度として構築する。適合性評価を受けた製品に対してセキュリティ要件に応じたラベルを付与することで、製品の付加価値向上に繋げる。
    • 主目的1に関して、まずは政府機関等、重要インフラ事業者、地方公共団体等にラベル付与製品の選定を調達要件に含めることを働きかけ、それらのIoT製品ベンダーに本制度のラベルを取得することを促していき、制度が着実に広まる中で、民間の大企業の調達要件での活用、中小企業や消費者への普及を図る
  • 対象製品と適合性評価レベル
    • インターネットに直接接続されない製品も含め、インターネットプロトコルを使用する通信機能を持つ幅広いIoT製品を制度の対象とする。また、消費者向け、企業・産業向けを問わず対象とする。
    • IoT製品共通の最低限の脅威に対応するための基準(☆1)及びIoT製品類型ごとの特徴に応じた基準(☆2~☆4)を定め、求められるセキュリティ水準に応じた複数の適合性評価レベルを用いた制度とする。
  • セキュリティ要件・適合基準・評価手順
    • 実際のIoT製品(10製品)に対する適合性評価の実証結果も踏まえて、プレ委員会にて議論・策定した☆1(最も低レベルの基準)のセキュリティ要件・適合基準・評価手順の案を引き継ぎ、本制度の技術審議委員会で制度開始時に利用する☆1の適合基準等を定める。
    • ☆2以上のセキュリティ要件・適合基準・評価手順は、2024年度以降に優先度の高い製品類型を特定したうえで、関連する業界団体やワーキンググループと連携しながら、各適合基準検討WGを設置し、具体的な基準等に関して議論・検討を進めて定める。
    • セキュリティ要件は、本制度で対象となるIoT製品において求められ得る要件の全体(全体リスト)であるため、ETSI EN 303 645、NISTIR 8425、EU-CRA等の国内外のセキュリティ要件の集合関係を踏まえ、重ね合わせの関係にあるセキュリティ要件の全体リストを整理した。
    • セキュリティ要件の具体的な記載について、国際的に広く活用されているETSI EN 303 645の記載を参考にしつつ、プレ委員会で挙げられた意見を踏まえ、表現の見直しを行った。なお、今後も国際連携や国際標準の検討を見据え、表現やカテゴリ(大項目)の見直しを行っていく。
    • ☆1で考慮する脅威は、☆1で主に想定する守るべき資産、アタックサーフェスを踏まえ、プレ委員会で整理したものである。
    • 想定脅威に対して、☆1で必要なセキュリティ要件を全体のリストから抽出し、国内外の基準を参照して☆1の適合基準(評価手順としては16項目に集約)を作成している。
  • 適合性評価の主体
    • 制度を広く普及させるため☆1、☆2は自己適合宣言によるラベル付与とし、高い信頼性が求められる☆3以上は独立した第三者による評価を受ける第三者認証とする。
    • ☆1、☆2では、IoT製品ベンダーの自己評価に加え、有資格者(※1)や検証事業者(※2)、評価機関等への評価の委託も可能である。
    • ☆3以上では、ISO/IEC17025に基づく本制度の評価機関認定(※3)を受けた評価機関による評価を求める。
  • ラベルの意味合いと信頼性確保の仕組み
    • 本制度のラベルは、あくまで定められた適合基準への適合を示すものであり、ラベルが付与されているからといって、IoT製品のセキュリティが完全に確保されていることを保証するものではない。
    • 本制度は任意制度であるため、ラベルの表示義務は設けない。製品本体、パッケージ、マニュアル、パンフレット、Webサイト等に掲載する場合は、本制度のロゴ及びラベル付与製品毎の情報提供ページのURLを埋め込んだQRコードを掲載する。
    • 自己適合宣言の有効期限はラベル取得日を起点として最大2年間とし、その後ラベルを継続する場合は自己適合宣言を再度行う。
    • スキームオーナーはラベル付与製品に対して検査やサーベイランスを行える権利を有する。☆1では、コストの観点から定期的なサーベイランスは行わず、基準への適合に疑義が生じた場合に、必要に応じ、証跡提出の要求やサーベイランスの実施を行う。
  • 調達要件への反映に関する働きかけ
    • 政府機関等、重要インフラ事業者、地方公共団体におけるIoT製品調達時に、用途やそのリスクに応じて、本制度のラベル付与製品を選定・調達することを求めていくように、関係者と以下の方向性で調整を進める。
    • 調達時にラベル付与製品が普及しておらず、セキュリティ面以外での比較ができなくなることを避けるため、これらの組織で主に調達されるIoT製品を中心に、その関連団体に対して、本制度との連携や会員企業への積極的なラベル取得の働きかけの賛同を得る。
  • 特定分野のシステムに関する業界団体・WGとの連携
    • 製品単体で比較されず、特定分野のシステムに組み込まれて調達されるIoT製品について、以下の観点で検討優先度の高い特定分野のシステムを選定し、各システム全体のセキュリティを考えている業界団体やワーキンググループと連携し、各システムに組み込まれるIoT製品に求めるセキュリティ要件や☆2以上の適合基準をその必要性も含めて検討を検討する。
    • 意識しないままセキュリティ対策が十分でないIoT製品を利用している中小企業や消費者が多いと考えられる分野のシステム
    • インシデント発生時の社会的な影響が大きい重要インフラ分野のシステム
    • 各分野において、IoT機器を選定する立場の事業者又は当該IoT製品を製造するベンダーから、認証・ラベル制度の整備とその活用について一定割合以上の賛同が得られる場合(業界標準となり得ると判断される場合)、本制度として☆2以上の整備を進める。
    • 各特定分野のシステム全体のセキュリティガイドラインの作成や認証制度等の整備は、各業界団体やワーキンググループで検討し、本制度はオブザーバーの立場で連携する。
  • 諸外国制度との連携
    • 諸外国においても同様のIoT製品の適合性評価制度の検討が進んでいる。国内IoT製品ベンダーの負担を抑えるため、主要国制度の基準も参考にしながら本制度の基準を検討し、相互承認の調整を図る。
    • ☆1開始の正式案内時に制度が既に導入されているシンガポールと英国とは、案内時に相互承認の方向性を提示する予定。正式案内時に制度設計途中の見込みである欧米については、順次方向性を公表する。
  • 制度発展に向けた施策
    • IoT製品ベンダーへのラベル取得促進策
      • IoT製品ベンダーに対する制度に関する説明や、自己適合宣言時に参考となるドキュメント(ベストプラクティス、評価ガイド等)の提供
      • 自己評価を行う際に活用できる自動化ツールの提供
      • 各種補助金制度との連携や申請費用・第三者評価費用の割引キャンペーンの実施
      • 海外のIoT製品ベンダーへの本制度の普及
    • 調達者・利用者への制度普及促進策
      • IoT製品ベンダーや小売り事業者等と連携して、本制度の目的、ラベルの意味合い等を消費者に伝えることによるラベル付与製品の需要喚起
      • 各種補助金制度との連携等による中小企業・小規模事業者等の調達者への需要喚起
    • 評価機関・検証事業者への支援
      • 適切な能力及び体制を整備した事業者を「評価機関」として認定する制度の整備
      • 自己適合宣言における評価機関・検証事業者の活用促進
      • 自己適合宣言の評価に必要な能力や前提条件、想定工数等の提示
      • ラベル付与製品毎の情報提供ページへの第三者評価であることの掲載
      • 中小企業のIoT製品ベンダー向けに、評価機関・検証事業者に委託して自己適合宣言を実施する場合の補助金等の支援
    • リスクに対応するための資源の確保策
      • 事案が発生時に損害を広く分散するため、商品付帯方式サイバー保険との連携
      • 情報セキュリティ早期警戒パートナーシップとの連携やSBOMの活用等による、ラベル付与製品に関わる脆弱性関連情報の適切な共有体制、早期対応の仕組みの構築
    • 制度全体の効率化
      • 審査から登録廃止に至る業務プロセスの効率化・簡素化

経済産業省 「クレジットカード・セキュリティガイドライン」が改訂されました
  • 令和6年3月14日に「クレジット取引セキュリティ対策協議会第11回本会議」が開催され、クレジットカード取引に関わる事業者が実施すべきセキュリティ対策を定めた「クレジットカード・セキュリティガイドライン」が改訂されました。
  • 「クレジットカード・セキュリティガイドライン」について
    • 「クレジットカード・セキュリティガイドライン」とは、安全・安心なクレジットカード利用環境を整備するため、クレジットカード会社、加盟店、PSP(※1)等のクレジットカード決済に関係する事業者が実施すべきクレジットカード情報の漏えい及び不正利用防止のためのセキュリティ対策の取組を取りまとめたものです。
    • 同ガイドラインは、割賦販売法に規定するセキュリティ対策義務の「実務上の指針」として位置づけられています。
      • ※1 Payment Service Providerの略。インターネット上の取引においてEC加盟店にクレジットカード決済スキームを提供し、カード情報を処理する事業者。
  • 主な改訂内容
    • クレジットカード情報保護対策
      • 2025年4月以降、全てのEC加盟店は、「セキュリティ・チェックリスト」記載のぜい弱性対策等のセキュリティ対策を実施することを求める。
      • アクワイアラー(※2)・PSPは、EC加盟店に対して「セキュリティ・チェックリスト」に記載されているセキュリティ対策を実施する必要性を周知する。
        • ※2 クレジットカード加盟店を開拓し、加盟店契約を締結する事業者。
    • 不正利用対策
      • 2025年3月末までの、原則全てのEC加盟店におけるEMV 3-Dセキュア導入に向けて、EC加盟店、アクワイラー・PSP、イシュアー(※3)それぞれの取組を記載
        • EC加盟店
          • EC加盟店は、EMV 3-Dセキュアの導入計画を策定し、早期の導入に着手する。
          • 不正利用が多発している加盟店は、EMV 3-Dセキュアの即時導入に着手する。
        • アクワイアラー・PSP
          • 不正利用が多発している加盟店のEMV 3-Dセキュアの即時導入着手など、不正利用発生リスクに応じた2025年3月末までのEMV 3-Dセキュアの導入計画の策定及び導入を働きかける。
          • EC加盟店と新規に加盟店契約する際は、2025年3月末までにEMV 3-Dセキュアを導入することを説明した上で契約する。
        • イシュアー
          • 自社カード会員に対してEMV 3-Dセキュアの登録を強く推進するための取組を行い、2025年3月末時点においてEC利用会員ベースで80%のEMV 3-Dセキュア登録を目指す。
          • 2025年3月末時点でEMV 3-Dセキュア登録会員ベースで100%の「静的(固定)パスワード」以外の認証方法への移行を目指す。
            • ※3 クレジットカードを発行する事業者。
▼ クレジットカード・セキュリティガイドライン[5.0版](改訂ポイント)

経済産業省 サイバーセキュリティお助け隊サービスの新たな類型(2類)の創設に係るサービス基準の改定版を公開しました
  • 近年、中小企業等においてもサイバー攻撃の脅威にさらされており、セキュリティ対策の実践が急務となっていることを踏まえ、経済産業省は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)を通じて、セキュリティ対策に必要となる各種サービスを安価にワンパッケージで提供する民間のセキュリティサービスを登録し公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービス」制度を運用しています。
  • 今般、中規模以上の中小企業のニーズにも応えられるサービスとなるよう、経済産業省はIPAを通じて、同サービスにつき、現行のサービス(1類)の価格要件を緩和するなど要件を拡充等した新たな類型(2類)を創設することとしました。
  • 背景・趣旨
    • 近年、サイバー攻撃が高度化しており、サプライチェーンを構成する中小企業等においてもサイバー攻撃の脅威にさらされているところ、中小企業等においてもセキュリティ対策の実践が急務となっています。このため、経済産業省では、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)を通じて、中小企業等のサイバーセキュリティ対策を支援するための相談窓口、システムの異常監視、事案発生時の初動対応支援及び簡易サイバー保険等のサービスをまとめて提供する民間のセキュリティサービスを登録する「サイバーセキュリティお助け隊サービス」(以下「お助け隊サービス」という。)制度を2021年度より運用しています。
    • 同制度の運用開始から約2年が経過する中、お助け隊サービス提供事業者として42の事業者が登録され、2,000を超える中小企業等に対する支援が行われてきました。一方で、現行基準の価格範囲内(例えば、ネットワーク監視型であれば1万円/月という価格上限あり。)で提供できるスペックでは、一定規模の端末台数を有する企業への提供が困難であるなど、中規模以上の中小企業に対して十分なサービスが提供できないといった課題が見られたところ、中規模以上の中小企業のセキュリティ対策のニーズに応えるサービスを提供可能として同制度をより普及させるため、IPAにおいて有識者等からなるお助け隊サービス制度検討委員会を設置し、現行のお助け隊サービス(1類)を拡充等した新たな類型(2類)の創設について検討を実施しました。今般、当該検討の結果として、現行のお助け隊サービス(1類)を拡充等した新たな類型(2類)を創設し、そのために必要なお助け隊サービスの審査基準の改定を実施しました。
  • お助け隊サービスの新たな類型(2類)の概要
    • お助け隊サービスの新たな類型(2類)へ登録するための要件として、現行(1類)のお助け隊サービスの価格要件を緩和することにより監視対象端末の増加や異常監視の仕組みや機能の追加等のサービスの拡充を可能とした一方で、お助け隊サービス(1類)の提供事業者としての実績、重大サイバー攻撃に関する情報をIPAと共有すること等を新たに求めています。
    • また、お助け隊サービス提供事業者からIPAに共有された重大サイバー攻撃に関する情報は、IPA内で集約・分析等し、お助け隊サービス提供事業者へ情報共有することで、効果的に中小企業における被害拡大防止等を図っていくことを予定しています。
  • 今後の予定
    • 2024度中にIPAが改定されたサービス基準に沿ってお助け隊サービスの2類の適合性審査を開始する予定です。適合となった2類サービスはIPAへ登録され、お助け隊サービスのWebサイトにおいて公表されます。その公表をもって事業者による当該登録サービスの提供が順次開始される予定です。
▼ サイバーセキュリティお助け隊サービスの概要

経済産業省 外国為替及び外国貿易法違反者に対し警告を行いました
  • 経済産業省は、本日、塩出 悠介による外国為替及び外国貿易法(以下「外為法」という。)違反事件に関し、厳正な輸入管理を求めることを主な内容とする警告を行いました。
  • 事案の概要
    • 塩出 悠介は、令和元年5月4日、北朝鮮を原産地とする酒類を、経済産業大臣の承認を受けずに、自身の手荷物として輸入しました。
  • 当省の対応
    • 本日、貿易経済協力局長名により、塩出 悠介に対し、今後、貿易関連法規に対する理解を深め、厳正な輸入管理を実施するよう求めることを主な内容とする警告を行いました。
    • 警告対象者
      • 塩出 悠介
  • 平成18年10月14日以降、外為法に基づく我が国独自の措置として、北朝鮮を原産地又は船積地域とする全貨物の輸入が禁止されています。

経済産業省 介護関連サービス事業協会が設立されます 業界と連携して介護関連サービスを振興していきます
  • 生活支援サービスや宅食サービスをはじめ、介護保険給付の対象とはならない多様なニーズに対応する公的介護保険外サービス事業等を展開する企業が業種の垣根を超えて集まり、2024年3月5日(火曜日)に「介護関連サービス事業協会(英文表記:Care-related Service Business Association)」設立宣言が行われました。(2024年度協会設立予定)
  • 「介護関連サービス事業協会」は、公的介護保険外サービスの社会的認知度の向上、適切なサービス選択ができる環境づくり、公的介護保険外サービスへの信頼を獲得できる仕組みづくりに向けて、様々な事業を推進することとしています。
  • 経済産業省としても、厚生労働省や同協会と連携しつつ、地域包括ケアシステムの強化に向けて、公的介護保険の補完的役割としての保険外サービスの産業振興に取り組んでまいります。
  • 「介護関連サービス事業協会 設立宣言」について
    • 日時 2024年3月5日(火曜日)15時30分から16時00分
    • 場所 31Builedge霞が関プラザホール
  • 参加企業・出席者(五十音順)
    • イチロウ株式会社 水野 友喜 代表取締役
    • 株式会社クラウドケア 小嶋 潤一 代表取締役CEO
    • 株式会社シニアライフクリエイト 高橋 洋 代表取締役
    • 株式会社シルバーライフ 清水 貴久 代表取締役社長
    • SOMPOケア株式会社 松澤 豊 執行役員CMO
    • 株式会社ダスキン 大久保 裕行 代表取締役 社長執行役員
    • 株式会社チェンジウェーブグループ 佐々木 裕子 代表取締役社長
    • 株式会社ツクイ 高畠 毅 代表取締役社長
    • 株式会社やさしい手 藤宮 貫太 取締役 副社長執行役員
    • ワタミ株式会社 肱岡 彰彦 常務執行役員 宅食事業本部長
  • 当日の様子
    • 主催者挨拶
      • イチロウ株式会社 水野 友喜 代表取締役
        • 公的介護保険外サービス事業を展開する10社にて、「介護関連サービス事業協会」の設立に向けた準備を進めることを、ここに宣言する。
        • 10年以上、施設介護に携わってくる中で、在宅介護を支えるための社会資源の不足によって、在宅介護を諦める姿を多く見てきた。業界全体で、公的介護保険サービスでできないことは家族がやるしかないという考え方から、必要な人にサービスが届かないことや、介護保険外というだけで得体が知れないサービスと見られることが多い状況に課題を感じていた。
        • 「介護関連サービス事業協会」が作っていく未来が、要介護者・介護をする家族の方々へ届き、大きな社会課題を解決していく道標になればと思う。
    • 来賓挨拶(経済産業省)
      • 吉田 宣弘 経済産業大臣政務官
        • 高齢者の多種多様なニーズに応えていくためには、公的介護保険サービスに加え、介護保険外サービスを含む高齢者の日常生活を支える地域資源を充実させていくことが必要である。
        • 介護する立場である家族、いわゆるビジネスケアラーの方々が、仕事と介護を両立するために必要な情報やサービスに適切にアクセスできる環境づくりも重要。
        • 今後は介護関連産業に様々な業界から企業を巻き込み、新たなイノベーションの創出や介護関連産業の成長に向けて、介護保険外サービスの選択肢の充実と、認知度の向上が進んでいくことを期待する。
    • 来賓挨拶(厚生労働省)
      • 厚生労働省 斎須 朋之 審議官(老健、障害保健福祉担当)(社会・援護局併任)
        • 今後更なる高齢者の増加が見込まれる中、高齢者が地域で自立した生活を継続することができるよう、通いの場等による社会参加活動の促進や、生活支援サービスの充実等、地域で様々な取組を行い、高齢者が自らの選択により、これらに参加する、利用できるようにすることが重要。
        • 地域で様々な取組が展開されるにあたっては、民間企業と連携し、その創意工夫に基づいた活動・サービスの普及が求められる。
        • その際、サービスの質を確保する必要があること、また国際的にもサービス基準に対する注目は高まっていることから、この取組に期待したい。

経済産業省 補助金交付等の停止及び契約に係る指名停止等措置を行いました
  • 経済産業省は、以下の事業者に対して、本日、補助金交付等の停止及び契約に係る指名停止等措置を行いました。
    • 対象事業者
      • 中部電力株式会社(法人番号 3180001017428)
      • 中部電力ミライズ株式会社(法人番号 2180001135973)
      • 東邦瓦斯株式会社(法人番号 2180001022387)
    • 補助金交付等停止措置期間及び契約に係る指名停止等措置期間
      • 本日から6ヶ月(令和6年3月5日から令和6年9月4日まで)
    • 本件の概要
      • 公正取引委員会は、特定大口都市ガスの見積り合わせ等に関し、独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)違反があったとして、令和6年3月4日、関係事業者に対して排除措置命令及び課徴金納付命令を行いました。
  • これを受けて、経済産業省は、上記(1)の事業者に対して、「経済産業省所管補助金交付等の停止及び契約に係る指名停止等措置要領」第3条第1項に基づき、補助金交付等停止措置及び指名停止等措置を行いました。

経済産業省 日産自動車株式会社の下請代金支払遅延等防止法違反について
  • 本日、日産自動車より、同社において、下請法が規定する「下請代金の減額の禁止」に違反する行為が認められ、公正取引委員会により勧告を受けたとの報告を受けました。
  • このような違反行為が行われたことは、下請事業者の信頼を損ない、かつ、取引適正化を妨げるものであり、極めて遺憾です。
  • これを踏まえ、経済産業省は、同社に対し、今般の事案を踏まえた今後の取引適正化の徹底等を実施するとともに、取組状況について速やかに報告するよう求めました。
  • 今後、広く産業界に対し、代金減額がないか等の調査を実施し、その結果を踏まえ、問題ある取引慣行については、業界全体での改善に繋げるなど、産業界全体の取引適正化に引き続き取り組みます。
  • 日産自動車からの報告と経済産業省からの指示
    • 日産自動車から、今回の事案について以下の報告がありました。
      • 自社が販売する自動車の部品等の製造委託における下請事業者に対する「割戻金」の運用について、公正取引委員会から、本日付けで、下請代金の減額(下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」)第4条第1項第3号)に該当するものとして、同法第7条第2項の規定に基づく勧告を受けた。
      • 同委員会から、自社が、下請事業者(計36者)に対し、令和3年1月から令和5年4月までの間、下請代金から総額約30億円を減額していたとの事実認定がなされた(なお、本年1月に、当該下請事業者全事業者宛てに返金を実施)。
    • 日産自動車からの報告を踏まえ、同社に対し、当該下請事業者への適切な対応や、今般の事案を踏まえた今後の取引適正化に向けた取組の徹底を指示するとともに、取組の状況について速やかに報告するよう求めました。
  • 取引適正化に向けた経済産業省の対応
    • 物価上昇を上回る賃上げを中小企業でも実現するため、価格転嫁をはじめとする取引の適正化を進めることが重要である中、このような違反行為が行われたことは、下請事業者の信頼を損ない、かつ、サプライチェーン全体の取引適正化を妨げるものであり、本事案を契機に、広く産業界に対し、不合理な原価低減を目的とした下請代金の減額に係る下請法に違反する行為の未然防止に努めるよう要請します。
    • 今後、広く産業界に対し、代金減額がないか等の調査を実施し、その結果を踏まえ、問題ある取引慣行については、業界全体での改善に繋げるなど、産業界全体の取引適正化に引き続き取り組みます。

経済産業省 省エネ法定期報告情報の開示制度本格運用への参加募集を開始します
  • 省エネ法に基づく定期報告書等の情報を、事業者の同意に基づき開示する制度の本格運用を令和6年度に開始するにあたり、本制度の本格運用に参加する事業者を募集します。より多くの事業者に本制度に参加してもらうことで、業界・産業界全体の省エネ・非化石転換の取組の底上げにつなげます。
  • 制度概要
    • エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(省エネ法)では、事業者全体のエネルギー使用量(原油換算)が合計して1,500kl/年以上である事業者を特定事業者等注として指定し、毎年度エネルギーの使用状況等の報告を求めています。
    • (注:日本の最終エネルギー消費のうち、産業部門の約8割、業務他部門の約6割をカバーする約1.2万者)
    • 近年、サステナビリティ投資やその関連情報の開示が進展する中で、事業者の省エネ・非化石エネルギー転換の取組の情報発信を促すため、資源エネルギー庁は、昨年、省エネ法に基づく定期報告書等の情報を、特定事業者等からの同意に基づき開示する制度を創設しました。本制度について、令和5年度は、東証プライム上場企業等を対象に試行運用として実施していましたが、令和6年度からは、全ての特定事業者等を対象に本格運用を開始します。
    • 本制度により、事業者は、業界内の他社の取組を自社の省エネ・非化石転換の取組の参考とすることができ、業界・産業界全体の省エネ・非化石転換の取組の底上げに繋がることが期待されます。また、事業者によるサステナビリティ投資家を含めたステークホルダーへのさらなる情報発信や、エネルギーサービス事業者による新たなサービス開発などに繋がることも期待されます。
    • この度、資源エネルギー庁HPの省エネポータルサイトに宣言フォームを開設し、本制度の本格運用に参加する事業者の募集を開始しました。
  • 受付締切について
    • 令和6年度から本格運用に参加するためには、令和6年10月31日(木曜日)までに、宣言フォームから参加の意思を表明してください。
  • 開示情報の公開時期について
    • 本格運用に参加する各事業者の開示情報(令和6年度報告分)は、令和6年度の秋に速報版として資源エネルギー庁HPに公開します。その後、国において事業者から提出される定期報告の内容に不備がないか確認の上、令和7年に確報版を公開します。

経済産業省 「地域課題解決事業推進に向けた基本指針」を策定しました 地域の社会課題を成長のエンジンに転換していくローカル・ゼブラ企業の創出へ
  • 中小企業庁は、地域の社会課題解決の担い手となるゼブラ企業(「ローカル・ゼブラ企業」)の創出・育成に向けて「地域課題解決事業推進に向けた基本指針」を策定しましたので、公表します。今後、この基本指針の普及を図り、多くのゼブラ企業が創出されていくエコシステムが各地に構築されるよう取り組んでいきます。
  • 概要
    • 社会課題解決と経済成長の両立を目指すゼブラ企業は、社会課題を成長のエンジンに転換していく、地域経済の新しい担い手となり得る事業者です。
    • ゼブラ企業とは、2017年にアメリカで提唱された概念であり、時価総額を重視するユニコーン企業と対比させて、社会課題解決と経済成長の両立を目指す企業を、白黒模様、群れで行動するゼブラ(シマウマ)に例えたものです。
    • 中小企業庁では、地域の社会課題解決の担い手となり、事業を通じて地域課題解決を図り、域内企業等と協業しながら、新たな価値創造や技術の活用等により、社会的インパクト(事業活動や投資によって生み出される社会的・環境的変化)を生み出しながら、収益を確保する企業を「ローカル・ゼブラ企業」と位置づけて、多様な関係者による支援や協業によって取り組む地域課題解決事業について、事業を進める上でのポイントについてまとめました。
    • 今後、この基本指針の普及を図り、多くのゼブラ企業が創出されていくエコシステムが各地に構築されていくよう取り組んでいきます。
  • 基本指針のポイント
    • 地域の社会課題解決の担い手となるローカル・ゼブラ企業は、ビジネスを通じて地域課題解決を図り、多様な関係者と協業しながら、新たな価値創造や革新的な技術・サービスを活用することで、社会的インパクト(事業活動や投資によって生み出される社会的・環境的変化)を生み出しながら、収益の確保に取り組む企業です。
    • この基本指針では、ローカル・ゼブラ企業や地域課題解決事業の重要性と概念を整理し、多様な関係者との協業を実現し、社会的インパクトの可視化を通じて必要な資金や人材が地域に流れ、ローカル・ゼブラ企業を創出・育成するエコシステムを構築するための基本的な考え方をまとめています。
▼ 地域課題解決事業推進に向けた基本指針(中小企業庁)
  • 基本指針の目的 ~地域課題解決事業への理解と合意形成の重要性
    • 地域の包摂的な成長を実現するには、その地域の特性にあった多様な主体や産業がそれぞれの強みを生かして連携し、多様性と連携による地域づくりに取り組むことが重要である。
    • 本基本指針は、地域の未来に希望を見いだし、ビジネスの手法で地域課題の解決にポジティブに取り組み、社会的インパクトを創出する企業(ローカル・ゼブラ企業)や地域課題解決事業の重要性と概念を整理し、多様な関係者との協業を実現し、必要な資金や人材を確保するための考え方や、事業が社会に生み出す社会的インパクトの可視化等、関係者との共通理解を深めるための手段についても整理する。
  • 背景~ゼブラ企業への注目
    • ゼブラ企業は、2017年に4人のアメリカの女性社会起業家が提唱した概念である。時価総額を重視するユニコーン企業と対比させて、社会課題解決と経済成長の両立を目指す企業を、白黒模様、群れで行動するゼブラ(シマウマ)にたとえて命名された。近年、日本でも注目を集めており、その特性に応じたインパクト投融資が行われて潜在力を発揮することで、地域課題の解決につながる可能性がある。
    • 「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」(2023年閣議決定)では、「地域の中小企業から、地域の社会課題解決の担い手となる企業(ゼブラ企業)を創出し、インパクト投融資を呼び込むため、ソーシャルビジネスを支援する地域の関係者を中心としたエコシステムを構築する」こととされている。
  • ゼブラ企業の特徴
    • 事業成長を通じてより良い社会をつくることを目的としている
    • 時間、クリエイティブ、コミュニティなど、多様な力を組み合わせる必要がある
    • 長期的で包摂的な経営姿勢である
    • ビジョンが共有され、行動と一貫している
  • 基本指針の目的 ~有機的な連携
    • 地域の包摂的成長を実現する担い手となるのは、地域に根ざした中小企業・小規模事業者である。中でも、地域の社会課題を解決し、社会に良い変化(社会的インパクト)を生み出すローカル・ゼブラ企業が、良質な雇用や豊かな暮らしの実現に果たす役割は大きい。
    • 創業や第二創業により地域課題解決に取り組む中小企業・小規模事業者が中心となって、地域の多様で複雑な社会課題の解決を目指し、地域中間支援機能や伴走支援者等の多様な関係者と、お互いの強みを生かし有機的に連携して課題解決に取り組むことにより効果が大きくなる。
  • 基本指針の目的 ~エコシステムの創出・育成
    • 地域課題解決事業の意義や、協業の重要性を共通理解として広げていくことで、地域課題解決事業推進の機運を醸成し、事業への共感による資金や人材の流れを生み出し、伴走支援者に支えられながら、地域の包摂的な成長を目指すエコシステムが各地で構築されていくことを期待したい。
  • ローカル・ゼブラ企業 ~ローカル・ゼブラ企業の特徴
    1. 事業を通じて地域課題解決を図り、収益性を確保・継続
      • 地域課題解決を自社のミッションとして掲げる又は課題解決できる手法を特定し、社会的インパクトを創出しながら収益性を担保しつつ、地域に対する持続的な価値提供を目指している。
    2. 新たな価値創造や技術の活用等による革新的なビジネスを構築
      • 1を達成するため、共感による高付加価値化等、価値創造の構造を変えることや、地域連携で共助を活性化させることによる課題解決手法の持続的な展開、新しい技術を活用することで効率的かつ効果的に事業に取り組み、収益化できるビジネスを構築している。
    3. 事業意図の明確化
      • 地域課題解決を目的として、企業として何を達成し、社会にどのような変化・効果(社会的インパクト)を生み出したいかなど自社の事業の意図を明確化し、目標を定めることで関係者からのコミットメントを獲得する。
  • ローカル・ゼブラ企業が事業を推進する際のポイント ~金融
    • ローカル・ゼブラ企業は、課題解決を目的として持続的に成長していくため、創業期ではエクイティによる調達が難しいことも多く、日本政策金融公庫の新規開業資金やソーシャルビジネス支援資金などの低利貸付制度、クラウドファンディングや補助金等の支援策を活用した創業資金の調達が見込める。
    • 最近では、ソーシャルインパクトボンド注1やブレンデッド・ファイナンス注2、インパクト評価を重視するベンチャーキャピタル、休眠預金による支援を受けた地域インパクトファンド等、社会的インパクトを重視した様々な資金調達手段があり、専門家による伴走支援が望まれる。
    • 創業初期から、将来的な事業の主導権を失わないよう、目指す事業と資金調達手段の特性を適切に組み合わせて、戦略的に資金調達を行うことや、その伴走支援や過去・海外の事例を参考にすることが有効である。
  • ローカル・ゼブラ企業が事業を推進する際のポイント ~人材
    • 創業期においては事業の意図を明確にすることで、その理念や意義に賛同・共感し参画する人材を集めることができるが、特に創業初期においては、事業を成長軌道に乗せるためのポイントを見極め、創業支援策等を活用しながら、質の高い外部の専門人材の受け入れやアドバイスを受けることが重要。
    • 成長期以降は、企業の成長に伴い事務・会計等のバックオフィス機能を持つ必要があるが、専門的な知識を持った人材の採用が難しい場合には、地域単位で経理部門や広報等のバックオフィス機能や必要な人材をシェアできるような仕組みを構築し、活用するという選択肢もある。
    • 企業が地方公共団体や地域の企業に人を派遣する動きや、企業の人材が、自身の能力や経験を生かした兼業・副業を行う動きも見られつつある。
  • ローカル・ゼブラ企業が事業を推進する際のポイント ~事業の可視化
    • 創業期から成長期に至るまでを通じて、周囲の経営者等からのアドバイスを受けながら、従業員へのビジョン・ミッションの浸透、関係者に対して、事業の可視化をすすめ、外部からの参加や連携が可能となるよう、透明性のある企業体制の整備に取り組むことが重要である。
  • ローカル・ゼブラ企業が事業を推進する際のポイント~意思決定プロセス
    • 組織の形態により意思決定プロセスが異なるため、法人格の選択に当たっては考慮が必要である。
    • 創業期から、意図する事業に応じた意思決定体制の構築や資本構成を検討し、成熟期に向けて後継者の育成にも取り組む必要がある。
    • また、株式会社であったとしても、議決権に制約がある株式発行、地元資本による株式の持ち合い、利益の分配方法に関する事前合意など、多様な工夫により意図する事業を遂行することができるため、事例を参考にしながら、自社にあった意思決定体制を講ずることが重要である。
  • ローカル・ゼブラ企業が行う社会的インパクトの可視化
    • ローカル・ゼブラ企業としてどのような社会的インパクトを生み出したいのかを可視化し、まずはシンプルでわかりやすい目標を設定して対外的に示すことが重要である。
    • 設定した目標に対し、インパクト測定・マネジメントの手法を適切に用いることで、事業の成果を測り、事業に反映するとともに、事業の進展とともに目標を見直し、その理由とともに対外的に示していくことも重要である。
    • ローカル・ゼブラ企業は、自らの事業意図を明確にし、事業計画と連動したインパクト戦略注1を対外的に示せるようにする必要がある。
    • インパクト戦略を策定することで、事業を通じて生み出そうとする社会的インパクトに対して関係者から共感や理解を得て合意形成を進め、資金や人材の提供や、事業連携等につなげ、より大きなインパクトを生み出すことにつながる。
    • 社会的インパクトの可視化の際には、事業の意図に応じた定性情報と定量情報を組み合わせ、事業のニーズやその成果を適切なデータを用いて示し、その活動や発信内容の説得力を高めることで、域内外の関係者の共感や理解にも繋がっていく。
  • 地域課題解決のエコシステムについて
    • エコシステムは、地域全体が漠然とした危機感を抱いている状態から始まり、解決策を見つけた人や組織を中心に、関係者を巻き込みながら、地域が目指す大きな方向性(地域のビジョン)についての合意形成がはかられ、関係者が役割を見つけ、ポジティブなビジネスによる解決に向けた行動を取り始めることで形成されていく。
    • 地域のビジョンがあることで、ビジョンに共感し役割を見つけた域内外の関係者や地域住民が後から参加することもでき、域内外の資源が有機的に結びついて大きくなっていくことができる。
  • 地域課題解決事業推進に必要な支援
    • 地域課題解決事業を推進するためには、ローカル・ゼブラ企業と地域の関係者をつないで事業を地域に根付かせていく役割(地域中間支援)と、ローカル・ゼブラ企業や地域を専門的な立場から伴走支援する役割(伴走支援)と、の双方が必要である。
    • 地域エコシステム同士で学び合い、ノウハウを共有・横展開していくことも効果的である。
    • 各地域において役割の発揮が期待される主体としては、地域金融機関、地域の中核企業、地方公共団体が挙げられる。
    • これらの3つの主体は、地域経済の発展と自身の事業との関連が強く、将来への危機感を共有し、地域課題解決にコミットするインセンティブがあり、地域が目指す姿(ビジョン)を共有し、ローカル・ゼブラ企業への支援や事業の連携を進める役割を発揮することが期待される。
    • また、普遍的な地域課題の解決に取り組むローカル・ゼブラ企業が、経験や知見を活かして、中間支援機能を持ち、他地域や海外に展開しローカル・ゼブラ企業を発掘・育成・連携するように役割が変化していくこともある。
    • 専門的な立場から、保有する経営支援ノウハウやネットワーク、拠点網、人材等を活用して、ローカル・ゼブラ企業を伴走支援する主体の役割は重要である。
    • 現在の担い手としてはローカル・ゼブラ企業の伴走を先進的に行っている主体が挙げられるが、今後は、地域の金融機関や既存の中小企業支援の担い手が地域課題解決事業を理解した上で、育成や連携に向けた支援を行うことが期待される。
  • まとめ
    • 少子高齢化、人口減少などの課題を抱えた我が国の地域経済にとって、地域の未来に希望を見出し、ビジネスの手法でポジティブに課題解決に取り組む、ローカル・ゼブラ企業は、次の地域経済の担い手となり得る重要な存在である。
    • ローカル・ゼブラ企業を起点として、地域中間支援機能と地域の関係者を巻き込みながら「場」を作り、伴走支援を受けながら課題解決という共通の目的に向かって行くエコシステムが形成されていくことで、多様な関係者がそれぞれの役割を見つけ、強みを発揮し、連携しながら地域の包摂的な成長に向かって行くことができる。
    • こうした多様なエコシステムが各地に形成され、横連携もしていくことで、全国に広がっていくことも期待できる。
    • ローカル・ゼブラ企業を未来の地域経済の担い手に育成するためには、多様な支援機能の中でも、社会的インパクトの可視化を通じて関係者の共感を拡大する効果を持つインパクト投融資の持つ意義は特に大きく、その重要性は増してきている。現時点でも、いくつかの地域金融機関の中にインパクト投融資に取り組もうという動きが見られつつあり、更なる拡大や、主体の多様化が望まれる。
    • 事業の意図の明確化や社会的インパクトの可視化というツールを活用することによって、「共感」による資金や人材の流れを作りだし、「共助」による地域の持続的な発展と豊かな地域経済が作られていくことを期待して、この基本指針をとりまとめた。
    • この基本指針に基づき、各地でローカル・ゼブラ企業が生まれ、地域課題解決事業の取組が始まり、インパクト投融資等を呼び込み、相互に連携しながら、持続的な成長を遂げていくエコシステムが構築されていくことを期待したい。
  • 背景~技術の普及
    • ビッグデータの整備、5Gの普及、自動化、AI等の技術の実装が進むことで、データに基づく精度の高い需要予測・効果的なマーケティング、デジタル技術を活用した市場拡大、自動化・省人化等が可能になった。
    • また、テレワークの定着による地方移住推進、SNS等による共感マーケティングにより関係人口が増加。
    • これにより、これまで市場化することが難しかった領域や地方公共団体が担っていた領域であっても、ビジネスの手法で取り組むことが可能となりつつある。
  • 背景~世界的な潮流
    • 社会・環境的効果と収益性の双方の実現を企図するインパクト投融資は、社会・環境課題の解決に資する技術やサービスを提供する企業・事業に対する投融資を通じて具体的な社会・環境的効果を実現する手法として、世界的に推進の機運が高まっている。
    • 米国や英国では、地域の金融機関が、経済性のみを重視するのではなく、地域コミュニティの強化に資する社会的事業に資金を提供するというファイナンスの在り方が注目されている。

経済産業省 3月は「価格交渉促進月間」です!
  • 3月は「価格交渉促進月間」です。昨年は30年ぶりに高い水準の賃上げを実現しましたが、今年も引き続き高い賃上げ率を実現できるか、デフレからの完全脱却に向けて正念場を迎えています。そしてこの3月は、賃上げ原資の確保に向けた、価格転嫁のための交渉が本格化する極めて重要な時期です。
  • 発注企業・受注企業の皆さん、賃上げ実現が重要な今こそ、サプライチェーン全体で、積極的に価格交渉・価格転嫁を行いましょう。
  • 日本経済の状況と価格交渉・価格転嫁の必要性
    • 日本経済は、過去30年にわたってデフレが続いておりましたが、昨年は30年ぶりに高い水準の賃上げが実現し、今年2月には株価史上最高値を更新するなど、潮目が変わってきています。今年も引き続き、高い水準の賃上げを実現し、デフレから完全に脱却できるかどうか、まさに正念場を迎えています。
    • 高い賃上げ率を実現するには、その原資の確保に向けた価格転嫁を進めることが極めて重要です。一方で、中小企業庁の調査では、中小企業の価格転嫁率は45.7%(2023年9月時点)であり、引き続き転嫁率を上昇させていくことが必要になります。
    • その中で、発注企業と受注企業の間で、しっかりと価格交渉を行うことが、高い価格転嫁率の実現のカギとなります。特に3月は、春闘が山場を迎え、価格交渉が本格化する、極めて大事な時期となります。皆様におかれては、サプライチェーン全体での価格交渉・価格転嫁の促進に向けて、ぜひ、下記の事項にご協力をお願いします。
  • 発注企業・受注企業の皆様へのお願い
    • 発注企業の皆様
      • 下請中小企業振興法に基づく「振興基準」に則り、受注側中小企業からの価格交渉の申出には遅滞なく応じ、または皆様の方から価格交渉の申入れを行っていただく等、価格交渉・価格転嫁を積極的に行い、サプライチェーン全体の競争力向上や、共存共栄の関係の構築に向けてのご対応をお願いします。
      • 「労務費に関する指針(詳細は3.(2)を参照のこと)」に基づいて、受注側中小企業との価格交渉に応じるとともに、当該受注側中小企業に対して、さらにその受注企業に対しても、価格交渉・価格転嫁を行うよう促してください。
      • サプライチェーン全体の価値の向上、共存共栄を目指すことを目的として、政府が推進する「パートナーシップ構築宣言」に未参加の企業におかれては、参加についてご検討ください。既に宣言されている企業におかれては、自社のパートナーシップ構築宣言について、調達担当の方々へ、一層の浸透をお願いします。
    • 受注企業の皆様
      • 発注企業に対し、積極的に価格交渉を申し出るとともに、中小企業庁等が作成するコンテンツや、「下請かけこみ寺」、よろず支援拠点「価格転嫁サポート窓口」といった相談窓口を、ぜひご活用ください(詳細は3.(3)を参照のこと)。
      • 「労務費に関する指針」を、価格交渉の材料として活用してください。
      • 4月以降、受注側中小企業の皆様を対象に、価格交渉・価格転嫁の状況に関するアンケート調査、及び、下請Gメンによる重点的なヒアリングを実施する予定です(詳細は3.(1)を参照のこと)。こちらの結果は、その後の価格転嫁対策に向けた重要な情報源となりますので、対象となった方におかれては、積極的、かつ、正確に回答いただくようお願いします。
  • 価格交渉・価格転嫁の促進に向けた政府の取組
    • 「価格交渉促進月間」フォローアップ調査の実施
      • 各「価格交渉促進月間」終了後に、30万社の中小企業の皆様を対象に、価格交渉・転嫁の状況に関するアンケート調査を実施しています。
      • 上記調査に係る結果をもとに、発注企業ごとの価格交渉・価格転嫁の取組状況を記載したリストを公表しています。
      • 併せて、取組状況が芳しくない企業トップに対する、下請中小企業振興法に基づく、所管大臣名による指導・助言を実施しています。価格交渉促進月間の実施とフォローアップ調査結果
    • 「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」の策定、周知・徹底
      • 労務費を含む価格転嫁を強力に促すため、昨年11月、内閣官房・公正取引委員会において、発注企業・受注企業それぞれがとるべき行動指針を定めた、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を公表しました。労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針外部リンク
      • また、上記「指針」について、約900の経済産業省関連団体に周知したほか、発注企業・受注企業双方に対して、全国8つの地方ブロックでの説明会や、業界団体の会員企業向け説明などを行い、「指針」の周知・徹底に努めています。
    • 受注企業の価格交渉を後押しするコンテンツの作成・相談窓口の設置
      • 価格交渉のポイントをまとめたコンテンツや、コスト上昇状況等のエビデンスとなるデータベースといった、受注企業にとって、価格交渉の材料となる資料を整理するとともに、価格交渉に応じてもらえない等の、取引上のお悩みを相談できる「下請かけこみ寺」や、よろず支援拠点「価格転嫁サポート窓口」を整備しています。

経済産業省 「消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました
  • 本日、「消費生活用製品安全法等(※)の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。現在開会中である第213回通常国会に提出される予定です。(※)消費生活用製品安全法(消安法)、ガス事業法(ガス事法)、電気用品安全法(電安法)及び液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(液石法)
  • 本法律案の趣旨
    • 近年、インターネット取引の拡大に伴い、国内外の事業者がオンラインモール等を通じて国内の消費者に製品を販売する機会が増大しています。こうした環境変化に対応し、海外から直接販売される製品の安全確保や子供用の製品による事故の未然防止を通じ、国内の消費者が製品を安全に使用できる環境を整備するため、以下の措置を講じます。
  • 本法律案の概要
    • インターネット取引の拡大への対応(消安法、ガス事法、電安法、液石法)
      • 海外事業者がオンラインモールを始めとする取引デジタルプラットフォーム(取引DPF)を利用するなどして国内消費者に直接製品を販売する場合、製品の安全性に(法的)責任を有するとしている国内の製造・輸入事業者が存在しないといった課題に対処するため、以下の措置を講じます。
        • 海外事業者が取引DPFを利用するなどして国内の輸入事業者を介さず国内消費者に直接製品を販売する場合、当該海外事業者を消費生活用製品安全法等の製品安全関連の4つの法律において届出を行える主体として明確化するとともに、規制の執行を担保すべく、当該海外事業者に対し、国内における責任者(国内管理人)の選任を求めます。
        • 取引DPFにおいて提供される消費生活用製品等について、国内消費者に危険が及ぶおそれがあると認められ、かつ、その製品の出品者によってリコール等の必要な措置が講じられることが期待できないときは、取引DPFを提供する事業者に対し、当該製品の出品削除を要請できるなどの措置を講じます。
        • 届出事業者や国内管理人の氏名・住所等、法律や法律に基づく命令等に違反する行為を行った者の氏名等について、公表する制度を創設します。
    • 玩具等の子供用の製品の安全確保への対応(消安法)
      • 玩具等の子供用の製品について、海外から流入する製品も含め、子供による安全な使用が適切に確保できていない(事故が起きてから対応)といった課題が存在していることから、子供用の製品による事故を未然に防ぐことができる環境を整備するため、以下の措置を講じます。
        • 子供用特定製品(主として子供の生活の用に供されるものとして対象年齢や使用上の注意を表示することが必要な製品)について、その製造・輸入事業者に対し、国が定める技術基準への適合、対象年齢・使用上の注意の警告表示等を求めます。
        • 子供用特定製品の中古品について、国内消費者に対する注意喚起や安全確保のための体制整備等を条件に、販売を可能とする特例を講じます。

経済産業省 サービス標準化WG「中間取りまとめ」及び「サービス規格作成のための入門ガイド」を公表しました
▼ 中間取りまとめ(概要)
  • サービス分野での標準化の意義
    • 我が国のサービス産業では、安全・丁寧・迅速といったサービス品質の高さに見合った価格設定を行う、同時に労働生産性を高めるといった課題が存在。
    • これら課題に対し、品質の高さを見える化し、業界内でサービス手順を共通化するなど、戦略的な標準化の活用は、有効な方策。
    • そのため、標準化の活用方法を類型として示すと共に、具体的なサービス規格開発促進のためのマニュアルを作成した
  • 標準化の活用類型
    • 市場の成熟度、業界の状況・課題によって、それに対応する標準の活用類型は異なるが、まずは類型D,E,F,G(下段)で市場の基盤・信頼性を確立したうえで、類型A,B,C(上段)で品質の強みや新たな価値を出すために戦略的に活用されていく傾向がある。
      • A)品質の高さを可視化・評価軸に
        • 提供するサービスの品質を適切に管理・評価するため、一定の基準を設ける
      • B)SDGsやエシカル等、新たな評価軸を付加
        • 環境・人権配慮といった、新たな価値軸での取組みを進めているサービスについて、その内容が正しく評価される
      • C)新サービス市場創出
        • 新たなサービスについて、標準の活用により信頼性を高め、市場の創出・発展を促進する
      • D)オペレーション手順等の設定による省コスト化
        • サービス提供者向けのマニュアルや、ステークホルダーとの確認手順、扱うデータの互換性等を標準化することは、自社及び業界全体の生産性の向上に繋がる
      • E)情報の非対称性を解消、消費者の選択を支援
        • 無形のため、顧客が良し悪しを判断しにくく、提供者との間でも認識のずれが生じやすいサービスについて、標準化によるサービス品質・内容の明確化が有効
      • F)安心・安全の担保
        • 安心・安全の面から一定の品質が求められるサービスや、公益性が高い基盤的なサービスは基準の設定が有効
      • G)業界の方向性統一
        • 参入障壁が低く、新規参入者が多くいることから、業界全体をカバーすることが難しいサービスについて、標準化により業界の方向性のすり合わせを促進
  • 入門ガイド(マニュアル)
    • 開発の背景
      • 標準化の活用ポテンシャルにも関わらず、国内ではサービス規格開発の具体的事例が少なく、規格開発経験が無い業界団体も多い。
      • そのため、サービス規格開発に初めて取り組む者が、円滑に原案作成等を進める上で参考となる、サービス規格作成のための入門ガイド(マニュアル)を作成した。
    • 期待される効果
      • JISのサービス規格について、概念・活用類型を示すとともに、その作成の手順を提示。初心者でも標準化の目的を明確化した上で、原案作成に着手できることが期待される。
      • JISのサービス規格の構成要素や、その解説、参考規格(JIS/ISO規格)を提示。必要な構成要素を抽出できると共に、解説や参考規格を参照し、円滑な原案作成の促進が期待される。
  • 標準化・普及促進のポイント
    • 規格活用はあくまで任意のため、実際に社会で普及させることを強く意識して進める必要がある。
    • 規格が広く活用されるために、標準化の各段階で重要なポイントや、中でもJIS化/ISO・IEC規格化のメリット・留意事項をまとめた。
  • 標準化・普及促進のステップ・留意事項
    • 業界の市場状況、課題・ニーズを踏まえた目的設定
      • 標準活用類型も参考に、標準化の目的を明確化(例:新市場での信頼性確保、品質の可視化による差別化等)
    • 関係者間での規格活用に向けた意識共有
      • 事前検討段階から関係者が参加し、関係者間で課題・ニーズへの合致を確認、規格活用の意識を共有
    • 市場成熟度等を踏まえた標準化対象の特定、要求レベルの設定
      • 市場・業界の現状・標準化の進展状況に合致した規格設計(例:市場・業界の信頼性を確立するため、最低限守るべき水準を規格化
      • 更なる品質差別化のため、品質・評価方法を規格化)
    • コストとクオリティを勘案した、実行可能な適合性評価の在り方の検討
      • 想定する認証機関も参画し、実施可能な認証スキーム・要求水準を検討
    • 対象事業者、顧客等への普及促進策の実行
      • 原案作成団体による事業者への広報、表彰制度、コンサルティング
      • 認証マークの活用、消費者向けの情報発信
    • 国・自治体での活用、関係事業者等との連携、国際標準化
      • 法令・ガイドラインでの参照・参考、調達要件への適用、ISO・IEC規格化による海外展開
  • デジュール標準(JIS・ISO・IEC)策定のメリット・注意点
    • メリット
      • JIS化/ISO・IEC規格化のプロセスで広く関係者が規格作成に参画し、意向を反映して、国家規格・国際規格として発行されることで、より信頼性を獲得。
      • 国や地方公共団体等の法令、ガイドライン、調達基準としてJISが使われる傾向。
      • ISO・IEC規格化・活用による、海外市場・事業者・投資家等へのアクセスの向上。
      • JISの実績による円滑なISO・IEC提案の可能性。
      • (デジュール標準に限らないが)規格化に向けた「プロセス」として、課題認識をすり合わせや、コミュニケーションする標準化活動自体の価値。
    • 注意点
      • 座組作りにおいて、JISではサービスの生産者(提供者)・使用者(ユーザー)・中立者の参画・人数バランスが求められ、ISO・IECでも広くステークホルダーの参画が必要。
      • 業界規格とJIS・ISO・IEC規格で構成要素が異なり、修正が必要なケースが大半。
      • 特定の業界団体だけでなく、他の機関が認証できるような規格とする必要あり。
      • 分野によっては、国際市場でISO・IEC規格ではなく、フォーラム・業界規格が中心。

【厚生労働省】

【2024年5月】

厚生労働省 「ヘルスケアスタートアップ等の振興・支援策検討プロジェクトチーム」 の中間とりまとめを公表します
▼ 中間とりまとめ
  • 本中間提言においては、ヘルスケアスタートアップ(ヘルスケアSU)の振興・支援のための基本的方向性及び早期に実施すべき主要な施策をとりまとめた。
    1. 現状:日本は、世界に先んじてヘルスケア領域のイノベーションを生み出す潜在能力があるものの、ヘルスケアSUの活躍が限定的
      • 日本は超高齢化による課題先進国となっており、世界に先んじたヘルスケア領域における課題解決とイノベーションが不可欠である
      • 日本ではヘルスケア領域の研究は非常に注力されており、独自の強み(皆保険下のデータ集積のしやすさ等)も含め、日本の潜在力は高い
      • しかし、現状ヘルスケアSUの数や成功例が限定的であり、ヘルスケアSUを育む仕組みの不足や課題の解決が急務である
    2. 目標:ヘルスケアSUの振興を通じ、日本のヘルスケア水準の向上とヘルスケアSUのグローバル市場での活躍の両方を目指す
      • 国民生活に不可欠なヘルスケア(医療・健康・介護)の質の向上を図り、かつ持続可能なものにする
      • 日本発の新たなサービス・製品の海外市場展開を促進し、グローバルな競争力を有する成長産業にする
    3. 戦略:各ヘルスケア市場の特性を見極め、最適な振興・支援アプローチを選択
      • 世界直行型アプローチ:国内市場と世界市場が構造的に近接。ヘルスケアSUが初期から世界市場を視野に展開するための戦略を構想し、遂行するための支援・環境整備に注力するアプローチ
      • 段階的海外展開型アプローチ:国内市場と世界市場の規制環境などに差異。まずは国内で先駆的な製品・サービスの展開を支援した上で、段階的に海外進出の可能性を模索するアプローチ
      • 国内充実型アプローチ:ヘルスケアSUが国内で不可欠な医療・健康・介護を持続的に提供できるための支援・環境整備を行うアプローチ
    4. 具体策:ヘルスケア主要分野ごとの問題意識と中間提言
      • 主要分野は、総論、バイオ・再生、医療機器・SaMD、医療DX・AI、介護テックの5つ
  • なぜヘルスケア×スタートアップが重要なのか?
    • 日本では超高齢化が世界に先駆けて進行し、医療・健康・介護の分野において豊富なイノベーションニーズがある
    • 日本では国民皆保険と介護保険制度の下で、医療DXとデータ集積が進んでいる
    • ヘルスケア産業は日本の中でもポテンシャルが高い領域と見込まれており、多くの研究開発が行われている
    • しかし年間1,000-1,500社のSUが誕生する中で、ヘルスケアSUの設立数は年間100程度、かつ、年々減少中である
    • また2019年以降、ユニコーン企業は存在せず、100億円以上のM&Aは3件
    • 毎年約100社がIPO、しかしヘルスケア領域はその5%程度。研究開発の規模と比較し、ヘルスケアSUの創業数等が少ないことから、事業化や成長過程に課題があると考えられる
  • 総論及び各タスクフォースからの提言は下記の通り。それぞれが、国力を手厚く投資するべき3種のアプローチに当てはまる内容となっている
    • 総論
      1. ヘルスケアSU関係者からの保険報酬改定等の要望を受け付け、検討を行う新たな一元窓口を設置する【アプローチ2:開発環境】
      2. MEDISOの機能・体制を充実・強化し、より継続的で能動的なSU支援へ拡充・移行する【アプローチ1:ヒト、アプローチ2:開発環境・市場】
      3. マイルストーン型開発支援の活用により、これまで着手が難しかったテーマの創薬や医療機器開発を加速する【アプローチ2:開発環境】
      4. ヘルスケアSUに関する政府支援や申請手続き等の相談対応につき、原則英語対応を可能にする【アプローチ1:ヒト、アプローチ2:開発環境】
      5. ヘルスケア分野でトップクラスのグローバルVCを日本に誘致する【アプローチ1:ヒト・カネ】
      6. 分散型臨床試験(DCT)等の治験DXを積極活用し、上市までの時間・コストの大幅圧縮を実現する【アプローチ2:開発環境】
    • バイオ・再生 タスクフォース
      1. AMEDによる創薬ベンチャーエコシステム強化事業(認定VCによるSUの伴走支援プログラム)の投資出資額要件を緩和し、非臨床ステージのパイプラインを支援し易い運用にする【アプローチ1:ヒト・カネ】
      2. 製造・非臨床・臨床・ライセンスの各領域で、グローバル視点で新規モダリティに対応できる人材を育成する官民協力型の教育プログラムを構築する【アプローチ1:ヒト】
      3. バイオ・再生SUのIPOの障害となりうる日本取引所グループの上場要件の明確化を図る【アプローチ2:市場】
    • 医療機器・SaMDタスクフォース
      1. ハイリスク・ハイリターンな革新的治療機器開発について、臨床エビデンス獲得に対する資金支援、及び協力する臨床研究中核病院等に対する支援を拡充する【アプローチ1:アイデア、アプローチ2:開発環境】
      2. ヘルスケアSUによる海外展開支援に関し、専門人材の育成や薬事規制の国際協調の強化を行う【アプローチ1:ヒト、アプローチ2:市場】
      3. SaMDの開発・事業化の制約となりうる業許可規制及び広告規制等を早急に緩和する【アプローチ2:開発環境】
    • 医療DX・AIタスクフォース
      1. マイナポータル等の医療データの民間事業者との持続的なAPI連携を実現するとともに、連携項目を拡充する【アプローチ2:開発環境】
      2. 医療分野のAI開発促進に向けて、ルールの明確化について今年度中に一定の整理を示すとともに、事業の予見性向上に関する考え方の整理を進める【アプローチ2:開発環境】
      3. 病院や健保におけるSUの製品・サービスの積極導入に関する各種制約(ベンダーロックイン、セキュリティ)の解消に向けた相談窓口や客観的な評価システムを構築する【アプローチ2:開発環境・市場】
    • 介護テック タスクフォース
      1. 介護テックSUを支援する一元的相談窓口として「CARISO(仮称:CARe Innovation Support Office)」(介護版MEDISO)を早期に立ち上げる【アプローチ2:開発環境、アプローチ3:ヒト】
      2. 介護事業所向けのDX支援の拡充により介護テックの導入を促し、深刻化する介護就労者不足の解消を目指す【アプローチ3:カネ】
      3. 在宅事業者・利用者向け介護テック製品の介護保険上の評価を見直し、導入インセンティブを明確化する【アプローチ2:市場】

【2024年4月】

厚生労働省 内部通報に係る調査の状況について
  • 厚生労働省が契約していた委託事業に関し、職員より内部通報があったことを受けて調査を行っていますが、一部に不適切な対応があったことが明らかになったため、公表します。引き続き調査を行い、その結果を踏まえて、必要な対応を行ってまいります。
  • 通報の概要
    • 令和5年9月7日付けで、内部通報窓口において、職員からの内部通報を受理しました。
    • 通報内容の概要
      • 通報者は、人材開発統括官付能力評価担当参事官室の委託事業(※)に関する違反事実と是正を図る必要がある旨報告したにもかかわらず、担当管理職等は、是正措置を講じないばかりか、当該事実を隠蔽している。※若年技能者人材育成支援のための地域における技能振興等に係る周知・広報業務
      • (令和2年度・令和3年度・令和4年度)
    • 【概要】若年技能者人材育成支援事業に関連する周知・広報業務として、技能士展・技能競技大会展等を効果的に実施するため、イベントのロゴ等の企画、特設サイトの作成、SNS等による広報等を実施。
    • 【委託費】令和2年度:54,989,000円、令和3年度:54,989,000円、令和4年度:69,289,000円
    • <通報者の主張する主な違反事実>
      • 精算報告書の記載額と領収書等の額が一致しない。
      • 再委託が禁止されている「総合的な企画業務等」を再委託している。
      • 再委託割合が5割を超え、再委託に係る必要な承認を得ていない。
  • 対応状況
    • 内部通報を受け、令和5年9月より調査を開始し、契約関係資料の精査及び通報対象者へのヒアリング等を実施したところ、現時点で、以下の事項が明らかになりました。
    • 引き続き調査を行い、その結果を踏まえて必要な対応を行ってまいります。
    • 【現時点で明らかになった事項】
      • 担当管理職等の対応の不足等により、会計課長通知(別添)に基づく再委託に係る必要な手続きを行っていなかったこと

厚生労働省 パンフレット仕事と不妊治療の両立
▼ リーフレット「仕事と不妊治療の両立支援のために~働きながら不妊治療を受ける従業員へのご理解をお願いします~」
  • 近年の晩婚化等を背景に不妊治療を受ける夫婦が増加しており、働きながら不妊治療を受ける方は増加傾向にあると考えられます。また、厚生労働省が行った調査によると、仕事と不妊治療との両立ができず、16%の方が離職しています。
  • このように、人材を失うことは、企業にとって大きな損失です。仕事と不妊治療の両立について職場での理解を深め、従業員が働きやすい環境を整えることは、有能な人材の確保という点で企業にもメリットがあるはずです。
  • このリーフレットは、職場内で不妊治療への理解を深めていただくために、不妊治療の内容や職場での配慮のポイント、仕事と治療の両立に役立つ制度などを紹介するものです。
  • 2015年に日本では51,001人が生殖補助医療(体外受精、顕微授精、凍結胚(卵)を用いた治療)により誕生しており、全出生児(1,008,000人)の5.1%に当たります
  • 日本では、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けている)夫婦は、全体で18.2%、子どものいない夫婦では28.2%です
  • 不妊治療について
    • 不妊の原因は、女性だけにあるわけではありません。男性に原因があることもありますし、検査をしても原因がわからないこともあります。また、女性に原因がなくても、女性の体には、治療に伴う検査や投薬などにより大きな負担がかかります。
    • 男性も女性も、検査によって不妊の原因となる疾患があると分かった場合は、原因に応じて薬による治療や手術を行います。
    • 排卵日を診断して性交のタイミングを合わせるタイミング法、内服薬や注射で卵巣を刺激して排卵をおこさせる排卵誘発法、精液を注入器で直接子宮に注入する人工授精などの一般不妊治療では妊娠しない場合に、卵子と精子を取り出して体の外で受精させてから子宮内に戻す「体外受精」や「顕微授精」などの生殖補助医療を行います。
    • 不妊治療は、妊娠・出産まで、あるいは、治療をやめる決断をするまで続きます。年齢が若いうちに治療を開始したほうが、1回あたりの妊娠・出産に至る確率は高い傾向がありますが、「いつ終わるのか」を明らかにすることは困難です。治療を始めてすぐに妊娠する場合もあれば、何年も治療を続けている場合もあります。
  • 不妊治療のスケジュールについて
    • 不妊治療に要する通院日数の目安は、概ね以下の通りです。ただし、以下の日数はあくまで目安であり、医師の判断、個人の状況、体調等により増減する可能性があります。
    • 体外受精、顕微授精を行う場合、特に女性は頻繁な通院が必要となりますが、排卵周期に合わせた通院が求められるため、前もって治療の予定を決めることは困難です。また、治療は身体的・精神的な負担を伴い、ホルモン刺激療法等の影響で体調不良等が発生することがあります。
    • また、診察時間以外に2~3時間の待ち時間があることが一般的です。
    • 月経周期にあわせて一般不妊治療を何回行うかは、年齢や個人の状況によって変わりますが、3~6回が一般的です。
  • プライバシーへの配慮について
    • 不妊や不妊治療に関することは、その従業員のプライバシーに属することです。従業員自身から相談や報告があった場合でも、本人の意思に反して職場全体に知れ渡ってしまうことなどが起こらないよう、プライバシーの保護に配慮する必要があります。
    • また、職場での従業員の意に反する性的な言動(性的な事実関係を尋ねる、性的な冗談やからかい等)は、セクシュアルハラスメントになる可能性がありますので注意が必要です。
  • 不妊治療は、頻繁に通院する必要があるものの、1回の治療にかかる時間は治療内容等によりさまざまです。このため、
    • 通院に必要な時間だけ休暇を取ることができるよう、年次有給休暇を時間単位で取得できるようにする
    • 不妊治療目的で利用できるフレックスタイム制を導入して、出退勤時刻の調整ができるようにするなど、柔軟な働き方を可能とすることによって仕事との両立をしやすくする取組のほか、不妊治療のための休暇(休職)制度を設けたり、治療費の補助や融資を行うなど、独自の取組を行っている企業もあります。 ここに、仕事と不妊治療の両立支援に取り組む企業の取組事例の一部をご紹介します。
      • 不妊治療を目的とした休職・休暇制度
        • 不妊治療休職制度:体外受精、顕微授精を行う場合、最長1年間、休職が可能。休職期間中は無給。利用は1人につき1回限り。
        • 出生支援休職制度:不妊治療を目的として、最長1年間休職が可能。休職期間中の社会保険料は相当額を会社が補助。在職期間中1回に限る。
        • 失効年休の積立休暇制度:失効した年次有給休暇を積み立て、不妊治療等のために特別休暇(有給休暇)として利用できる制度。1日単位/半日単位で利用可能。
      • 不妊治療のための費用の助成制度
        • 不妊治療貸付制度:体外受精・顕微授精・精巣内精子生検採取法などに要する費用を貸し付け、給与天引きの形で返済する制度。
        • こうのとりサポート制度:不妊治療及び養子縁組に要した費用について、12万円/年、最大5年間、合計60万円まで補助する制度。
        • 共済会補助金制度:不妊治療に要した費用が5万円を超えた場合に、5万円まで共済会が拠出する制度。利用は1年度内に1回限り。
      • 不妊治療に特化していないが、両立を支援するための柔軟な働き方に関する制度
        • フレックスタイム制度:1か月以内の一定期間(清算期間)における総労働時間をあらかじめ定めておき、労働者はその枠内で各日の始業及び終業の時刻を自主的に決定し働く制度。1日の労働時間帯を、必ず勤務すべき時間帯(コアタイム)と、その時間帯の中であればいつ出社または退社してもよい時間帯(フレキシブルタイム)とに分け、出社、退社の時刻は労働者が決定する。なお、コアタイムは必ず設けなければならないものではなく、労使協定により決定する。
        • 半日単位・時間単位の年次有給休暇制度:年次有給休暇の半日単位付与:労働者が希望し、使用者が同意した場合、年次有給休暇を半日単位で与えることが可能。年次有給休暇の時間単位付与:労使協定により、年次有給休暇について5日の範囲内で時間を単位として与えることが可能。
        • テレワーク制度:情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間を有効に活用できる柔軟な働き方のこと。就業形態、業務内容等により、利用対象者、運用の方法等は各社で異なる。インターネットなどの技術を活用し、本来勤務する場所から離れ、自宅などで仕事をすることが可能。
      • 不妊治療に特化していないが、従業員からの相談を受ける取組
        • 福利厚生支援制度:従業員のライフプランへの支援、仕事との両立のための制度、サービスなどの各種情報提供や相談窓口として専用のWebサイトを設置しており、本人および2親等以内の家族が利用可能。ハラスメントや健康相談については社外専門機関に匿名での相談も可能。
        • ワーキングサポートダイヤル:従業員のライフイベントと仕事の両立についての相談窓口として社内に設置。
  • 従業員の仕事と不妊治療の両立へのご理解と配慮をお願いします
    • ここにご紹介した以外にも、個別にシフトを調整したり、勤務時間をずらしたり、あるいは一時的な休職や短時間勤務を認めたり、というように、制度化されていなくても柔軟な勤務を認めている企業は多数あります。
    • 仕事と不妊治療の両立を希望する従業員本人とのコミュニケーションをしっかり取ることにより、業務や職場に支障のない範囲で、一次的に柔軟な勤務を認めたり、配慮することは、人材確保の観点からも重要です。

厚生労働省 第4回 かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会 資料
▼ 資料1_かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に向けた論点について
  • 2025年に向けて、高齢者、特に後期高齢者の人口が急速に増加した後、その増加は緩やかになる一方で、既に減少に転じている生産年齢人口は、2025年以降さらに減少が加速する。
  • 構想区域別に、年齢区分別人口の2015年から2025年まで、2025年から2040年までの人口変動をそれぞれみると、特に2025年以降については、地域ごとに状況が大きく異なっている。大都市型では、高齢人口が概ね増加、生産年齢人口は微増~減少。地方都市型では、高齢人口が増加~減少と幅広く、生産年齢人口は微減~大幅減。過疎地域型では、高齢人口が減少している地域が多く、生産年齢人口は概ね大幅減
  • 全国での入院患者数は2040年にピークを迎えることが見込まれる。65歳以上が占める割合は継続的に上昇し、2050年には約8割となることが見込まれる。2次医療圏によって入院患者数が最大となる年は様々であるが、既に2020年までに98の医療圏が、また2035年までには236の医療圏がピークを迎えることが見込まれる。
  • 全国での外来患者数は2025年にピークを迎えることが見込まれる。65歳以上が占める割合は継続的に上昇し、2050年には約6割となることが見込まれる。既に2020年までに218の医療圏では外来患者数のピークを迎えていると見込まれる。
  • 全国での在宅患者数は、2040年以降にピークを迎えることが見込まれる。在宅患者数は、多くの地域で今後増加し、2040年以降に237の二次医療圏において在宅患者数のピークを迎えることが見込まれる。
  • 要介護認定率は、年齢が上がるにつれ上昇し、特に、85歳以上で上昇する。2025年度以降、後期高齢者の増加は緩やかとなるが、85歳以上の人口は、2040年に向けて、引き続き増加が見込まれており、医療と介護の複合ニーズを持つ者が一層多くなることが見込まれる。
  • 死亡数については、2040年まで増加傾向にあり、ピーク時には年間約170万人が死亡すると見込まれる。死因については、悪性新生物・心疾患とともに、老衰が増加傾向にある。死亡の場所については、自宅・介護施設等が増加傾向にある。
  • 2040年には就業者数が大きく減少する中で、医療・福祉職種の人材は現在より多く必要となる。
  • 病院に従事する医師数は、ここ20年で6.2万人増加しているが、60歳以上の医師が占める割合は17%に増加しており、平均年齢は45.1歳まで上昇している。診療所に従事する医師数は、ここ20年で1.9万人増加しているが、60歳以上の医師が占める割合は50%程度で、平均年齢は60.2歳まで上昇している。
  • 単独世帯の認知症高齢者の増加は85歳以上で特に顕著である。2025年には、85歳以上の男性の7%、女性の14%が独居認知症高齢者になる。2015~2040年の25年間で85歳以上の認知症高齢者は男性は2.80倍、女性は2.03倍増加する。
  • 団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される体制(地域包括ケアシステム)の構築を実現。今後、認知症高齢者の増加が見込まれることから、認知症高齢者の地域での生活を支えるためにも、地域包括ケアシステムの構築が重要。人口が横ばいで75歳以上人口が急増する大都市部、75歳以上人口の増加は緩やかだが人口は減少する町村部等、高齢化の進展状況には大きな地域差。地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくことが必要。
  • 「かかりつけ医」とは(定義)
    • なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要なときには専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師。
  • 「かかりつけ医機能」
    • かかりつけ医は、日常行う診療においては、患者の生活背景を把握し、適切な診療及び保健指導を行い、自己の専門性を超えて診療や指導を行えない場合には、地域の医師、医療機関等と協力して解決策を提供する。
    • かかりつけ医は、自己の診療時間外も患者にとって最善の医療が継続されるよう、地域の医師、医療機関等と必要な情報を共有し、お互いに協力して休日や夜間も患者に対応できる体制を構築する。
    • かかりつけ医は、日常行う診療のほかに、地域住民との信頼関係を構築し、健康相談、健診・がん検診、母子保健、学校保健、産業保健、地域保健等の地域における医療を取り巻く社会的活動、行政活動に積極的に参加するとともに保健・介護・福祉関係者との連携を行う。また、地域の高齢者が少しでも長く地域で生活できるよう在宅医療を推進する。
    • 患者や家族に対して、医療に関する適切かつわかりやすい情報の提供を行う。
  • かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に向けた基本的な考え方(案)
    • 複数の慢性疾患、認知症、医療・介護の複合ニーズ等をかかえる高齢者が増加する一方、医療従事者のマンパワーの制約があり、医療従事者の働き方改革を推進する中で、地域の医療機関等や多職種が機能や専門性に応じて連携して、効率的に質の高い医療を提供し、フリーアクセスのもと、必要なときに必要な医療を受けられる体制を確保することが重要ではないか。
    • このため、かかりつけ医機能報告及び医療機能情報提供制度により、
      • 「かかりつけ医機能を有する医療機関」及び当該医療機関のかかりつけ医機能の内容について、国民・患者に情報提供し、明確化することによって、国民・患者のより適切な医療機関の選択に資することが重要ではないか。
      • また、「かかりつけ医機能を有する医療機関」及び当該医療機関のかかりつけ医機能の内容や今後担う意向について、地域の協議の場に報告し、地域での確保状況を確認して、地域で不足する機能を確保する方策(プライマリケア研修や在宅医療研修等の充実、夜間・休日対応の調整、在宅患者の24時間対応の調整、後方支援病床の確保、地域の退院ルール等の調整、地域医療連携推進法人制度の活用等)を検討・実施することによって、地域医療の質の向上を図ることが重要ではないか。
      • その際、地域性を踏まえた多様な「かかりつけ医機能を有する医療機関」のモデルの提示を行い、地域で不足する機能の確保のため、各医療機関が機能や専門性に応じて連携しつつ、自らが担うかかりつけ医機能の内容を強化するように促すことが重要ではないか。
    • 「地域における協議の場」でのかかりつけ医機能に関する協議について、特に在宅医療や介護連携等の協議に当たって、市町村単位や日常生活圏域単位での協議や市町村の積極的な関与・役割が重要ではないか。
    • かかりつけ医機能が発揮されるための基盤整備として、かかりつけ医機能の確保に向けた医師の教育や研修を充実して、患者の生活背景等も踏まえて幅広い診療領域の全人的な診療を行う医師の増加を促していくことが重要ではないか。
    • 地域におけるかかりつけ医機能の実装に向けて、在宅医療・介護連携推進事業による相談支援や在宅医療研修等の取組、地域医療連携推進法人等による病院や診療所等の連携確保、複数医師による診療所、複数診療所でのグループ診療等の推進、都道府県・市町村職員の研修等を充実していくことが重要ではないか。また、医療DXによる医療機関間の情報共有基盤の整備等に取り組むことが重要ではないか。

厚生労働省 性感染症
  • 性感染症(STI; Sexually-transmitted Infections)とは、性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、梅毒及び淋菌感染症など、性的接触を介して感染する可能性がある感染症を指します。
  • 性的接触により、口や性器などの粘膜や皮膚から感染します。
  • オーラルセックス(口腔性交)やアナルセックス(肛門性交)などでも感染します。
  • 性感染症は、かゆみや痛みのような症状が問題であるだけではなく、感染症の種類によっては、もし治療をしなかった場合、不妊の原因となったり、神経や心臓などに深刻な合併症や後遺障害を残したりすることもあります。また、粘膜が傷つくことにより、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染しやすくなるなど、他の感染症に罹りやすくなることもあります。
  • 特に、生殖年齢にある女性が性感染症に罹患した場合には、母子感染(母親から赤ちゃんへの感染)により、先天性の体の障害の原因となり、放置すると障害が残る可能性もあります。
  • 感染しても、比較的軽い症状にとどまる場合や無症状であることもあるため、治療に結びつかないこともあり、感染した人が気付かないままパートナーに感染させてしまうこともあります。このため、不安に感じたら検査を受けることが大切です。
  • なお、現在梅毒の流行が拡大しています。
  • 梅毒について、詳しくはこちらをご覧ください。
    • 一般的な検査について
      • 保健所や医療機関で検査を受けることができます。
      • 不安に感じたら、すぐに検査を受けましょう。検査方法は症状により異なります。主に血液検査や視診、尿検査、おりものを採取した検査となります。
    • 予防方法について
      • コンドームの使用や検査や医療の積極的な受診による早期発見及び早期治療が性感染症の発生の予防及びまん延の防止に有効です。ワクチン接種により防ぐことができるものもあります。
    • 無料匿名検査について
      • 保健所により、匿名・無料でHIVや梅毒などの性感染症の検査を受けることができます。なお、HIV検査は、結果が分かるまでに1週間程度かかる「HIV通常検査」と、当日結果が分かる「HIV即日(迅速)検査」があります。夜間・休日検査やレディース・デーなどが設けられているところもあります。
    • 治療について
      • 性感染症の多くは治療できます。ただし、早期の段階で治療しなければ、合併症や後遺障害が残る可能性があるものもあり、早期発見、早期治療がとても重要です。治療方法は、感染症の種類によって異なります。
    • 感染症法上の届出対象に関して
    • 知っておきたい性感染症の特徴的な症状
      • 性感染症の症状はいろいろで、中には目立った症状がないものもあります。
    • 症状
      • 性器や口の中に小豆から指先くらいのしこりや痛みの少ないただれができる
      • 痛み、かゆみのない発疹が手のひら、足の裏、体中に広がる
      • 上記の症状が消えても感染力が残っているのが特徴である
      • 治療をしないまま放置していると、数年から数十年の間に心臓や血管、脳などの複数の臓器に病変が生じ、時には死にいたることもある
      • 妊娠中の梅毒感染は特に危険
        • 妊娠している人が梅毒に感染すると、母親だけでなく胎盤を通じて胎児にも感染し、死産や早産になったり、生まれてくるこどもの神経や骨などに異常をきたすことがある。
        • 生まれたときに症状がなくても、遅れて症状が出ることもある。

厚生労働省 小林製薬社製の紅麹を含む食品に係る確認結果について
  • 今般、小林製薬社が直接、紅麹原料を卸している企業等から、小林製薬社製の紅麹原料を入手している企業173社に対して、下記のいずれかの事項に該当するかを点検した結果、いずれの企業からも該当する結果は得られませんでした。
    • 小林製薬の3製品に使用された紅麹と同じ小林製薬社製の原材料を用いて製造され、かつ、上記と同等量以上の紅麹を1日あたりに摂取する製品
    • 過去3年間で医師からの当該製品による健康被害が1件以上報告された製品

厚生労働省 規格不適合の墜落制止用器具の使用中止と回収について 皆さまの安全を守るため規格に適合した墜落制止用器具を使用してください
  • 厚生労働省は、高所作業等の際に使用が義務付けられている墜落制止用器具(安全帯)の安全性を確認するため、国内で販売されている製品の構造、性能、強度等の試験を行う買取試験を実施しています。
  • 令和5年度の買取試験※1の結果、一部製品に墜落制止用器具の規格※2(以下「規格」)で定める構造、性能、強度等の要件を満たしていないものが確認されました。規格で定める要件を満たしていない製品が使用された場合には、労働災害等の発生につながるおそれがあることから、厚生労働省では、販売者に対して当該製品の回収を要請するとともに、使用を中止するよう広く注意喚起するため、ウェブサイトでその事実を公表しています。
    • ※ 1フルハーネス型40種、胴ベルト型10種を対象に実施
    • ※ 2墜落制止用器具(安全帯)が具備すべき構造・性能・強度等を定めた告示。平成31年厚生労働省告示第11号。厚生労働省は、墜落制止用器具(安全帯)は一定の高さ以上ではフルハーネス型を使用することとする法令及び規格改正を実施している。規格は令和4年1月1日で経過措置期間が終了し、翌1月2日から全面適用している。
  • これらの規格で定める要件を満たしていない製品は、労働安全衛生法の規定により、高所作業等の際に使用する墜落制止用器具として製造、販売、使用が禁止されています。厚生労働省では、メーカー、ユーザー、販売業者の関係団体に対し、注意喚起の通達を発出し、高所作業等を行う場合は規格に適合した墜落制止用器具を使用するよう呼びかけています。

厚生労働省 死因究明等推進計画検証等推進会議報告書
  • はじめに
    • 死因究明及び身元確認(以下「死因究明等」という。)は、国民が安全で安心して暮らせる社会及び生命が尊重され個人の尊厳が保持される社会の実現に寄与するものであり、高い公益性を有するものである。近年、一層の高齢化の進展に伴う死亡数の増加や新型コロナウイルス感染症にみられたような新興感染症の脅威、大規模災害の発生リスク等に鑑み、死因究明等とその体制強化の重要性は、引き続き高い水準にある。
    • 死因究明等の推進体制については、これまで国において、死因究明等推進基本法(令和元年法律第33号。以下「法」という。)及び死因究明等推進計画(以下「計画」という。)に基づき、大学を通じた死因究明等に係る教育及び研究の拠点整備等の施策を引き続き図るとともに、令和5年2月末までには、全ての都道府県に死因究明等推進地方協議会(以下「地方協議会」という。)が設置されたほか、解剖のための施設や設備整備等の各種補助制度の活用が進むなど、一定の成果が見られた。また、令和6年1月に発生した「令和6年能登半島地震」においては、過去の大規模災害の教訓、現行の計画に基づいた取組等により、関係機関で連携し、必要な検案体制を整えるなどの取組も見られたところである。
    • 一方で、死因究明等に係る人材の育成・確保や体制の効果的な活用などは、引き続き課題となっている。この点、法においては、施策の進捗状況等を踏まえ、3年に1回、計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更しなければならないことと定められている。
    • 死因究明等推進計画検証等推進会議は、法に基づく現行の計画の見直しに当たり、新たな計画に盛り込むべき事項の検討並びに死因究明等に関する施策の実施状況の検証、評価及び監視の補佐を行うため、令和5年度に、5回にわたり、議論を行った。
    • 本報告書は、施策の進捗状況等を踏まえつつ、新たな計画に定めるべきと考えられる事項について取りまとめたものであり、政府においては、本報告書を踏まえて現行の計画を見直し、これに基づいて、引き続き、死因究明等に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図ることを期待する。
  • 現状
    • 我が国における年間死亡数は、人口の高齢化を反映して増加傾向にあり、平成15年に100万人を超え、令和4年には156万9,050人となっている。今後も年間の死亡数は増加傾向を示すことが予想されており、国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、令和22年には約166万5千人にまで増加することが予想されている。
    • また、警察における死体取扱数(交通関係及び東日本大震災の死者を除く。)については、平成25年から令和3年までは年間約16万体から約17万体で推移していたところ、令和4年は19万6,103体、令和5年は19万8,664体と、いずれも19万体を上回っており、今後、我が国の年間死亡数の高まりとともに、さらに増加していく可能性がある。
    • さらに、死亡場所に関して、近年は、医療機関以外の場所における死亡が増加傾向にあり、社会の変化すなわち家族や生活の有り様を反映した傾向の変化を引き続き注視する必要がある。
    • これらの死亡の死因究明等を行う体制については、依然として地域によって差異がある。
    • 都道府県において解剖等を担う大学の法医学教室の人員数については、令和4年5月1日現在5名以下の人員となっている県が31県あり、そのうち常勤の医師が1人以下である県が10県あるなど、人材の不足が顕著に見受けられるところ、あわせて、今後法医学教室の常勤の医師の定年退職者の増加も見込まれている。
    • さらに、死因究明結果の活用についても、監察医解剖が行われている都府県では、監察医施設を中核として衛生行政の一環として死因究明を行った結果の分析や考察が公表されているが、それ以外の地域においては、こうした公衆衛生的観点からの分析等は未だほとんど行われていない状況にある。
    • こうした状況の中、法において、各地方公共団体は、死因究明等に係る施策の推進、検証・評価を行うため、地方協議会を設けるよう努めることが規定されているところ、令和4年度、全ての都道府県に同協議会が設置された。
  • 課題
    • 上述のとおり、死亡数の増加や、家族や生活の有り様の変化等により検案の実施体制への負荷が増大することが見込まれるとともに、近年自然災害が繰り返し発生し、大規模災害も予見されるほか、新型コロナウイルス感染症にみられたような新興感染症の脅威も存在している。しかしながら、我が国では未だに死因究明等の重要性が十分に認識され、充実した体制が取られているとは言い難い。その実施に係る人材の確保や体制整備は引き続き喫緊の課題である。
    • 人材育成等の面においては、医師等による死体の解剖が死因究明を行うための方法として最も有効な方法であるところ、解剖を担う大学の法医学者を始めとした法医学教室の人員確保、検案する医師等の人材育成、確保が急務となっている。とりわけ、各都道府県内の解剖を一手に引き受ける大学の法医学教室について、今後定年退職を迎える法医学者がさらに増えていく見込みの中、未だ常勤の医師が1名のみで、解剖を補助する人材も少ない状況が見受けられるなど、その体制の脆弱性が課題となっている。また、医師の働き方改革に伴い、令和6年4月より医師の時間外・休日労働の上限規制が開始され、大学において臨床医の確保の必要性が高まる中にあっても、法医学教室の人員確保が重要であることを再認識する必要がある。検案する医師についても、裾野の広がりも見られる一方で、広く臨床医等において、死亡診断書と死体検案書の別が未だ十分に理解されているとは言い難く、このため検案する医師の負担の増加も推察されるほか、依然として、検案する医師の高齢化や人員不足に悩まされている地方公共団体も少なくない。こうした死因究明等を担う人材を確保していくためには、死因究明等の公益性・重要性を社会全体で共有するとともに、法医学者や検案する医師等の適切な処遇の確保を推進することや、法医学に携わる者の活躍の場やキャリアパスの確保も重要である。
    • また、死因究明等が適切に実施されるためには、人員の確保とともにその資質の向上も必要であり、検案、死亡時画像診断に関する研修の充実や、大学の医学教育・歯学教育・薬学教育における死因究明等に関する内容の充実が求められる。
    • さらに、我が国の死因究明等の質の向上及び体制強化を図るためには、これらを支える大学の教育・研究体制を充実することが不可欠である。このため、大学間や学部間の連携を強化し、死因究明等に関する教育・研究拠点の整備・拡大を図っていくことも重要な課題である。
    • 地域の体制面については、その実情に応じて、死因究明等の人材が確保され、専門的機能を有する体制が整備されるよう、各地方公共団体において必要な施策が形成されることが求められる。そのためには、全ての都道府県に設置された地方協議会における議論をより活性化するとともに深化させることで、域内の関係者が課題を共有し、課題への迅速かつ的確な対応方策を立案し、連携して実行することが可能な人的な基盤や、地方公共団体による独自の取組を実施する素地を作る必要がある。しかし、現状においては、同協議会の都道府県ごとの活動の差は大きく、全国的な死因究明等に係る質の均てん化の観点からも、この活性化等を促すことは重要な課題である。
    • また、地震・津波・洪水等による大規模災害が発生した際には、検案、身元確認のために、多大な人員を動員することとなるが、そのような状況はいつ、どこにおいても起こり得るものである。既に地方公共団体において地域防災計画が策定されているところであるが、各都道府県は、このような非常時に対応できるよう、地方協議会等を活用して、あらかじめ平素から各都道府県の医師会、歯科医師会を始め、警察、保健所、郡市区等の医師会、歯科医師会等の実務を担う関係者が日頃から顔が見える関係性の構築に努めることも、効果的、効率的な体制の運用につながる必要な取組である。
    • 死因究明において、医師によって解剖・検査等が必要と判断された場合には、その適切な実施が担保される体制が、全ての都道府県において構築される必要がある。現状では、地方公共団体において、公衆衛生の向上・増進等を目的とした、医師によって必要と判断された解剖・検査等が少ない傾向が見られるほか、その実施の状況も地方公共団体によって差が大きく、得られた知見を社会に還元する機能に乏しいといえること等から、地域における死因究明体制が、少なくとも医師によって必要と判断された解剖・検査等が確実に行われる体制となるよう速やかに対応を推進することが必要である。また、解剖によって確実な死因を知ることは、死者及びその遺族等の権利利益の擁護に資するものであることから、公衆衛生の向上・増進等を目的とした解剖の実施は、あくまで医学的見地からの判断に基づきつつも、遺族に寄り添うことで遺族感情に資する側面を有することを勘案する必要もあろう。
    • また、死因究明等の成果が、死者及びその遺族等の権利利益の擁護に資するとともに、公衆衛生の向上・増進等のために活用され、災害・事故・犯罪・虐待等における被害の拡大防止や、予防可能な死亡の再発防止等にも寄与するよう、広く一般に発信、周知されることのほか、関係法令との整合性を図りつつ、検案結果や解剖結果、歯科診療情報等のデータベース化を進め、広く活用できるようにすることが重要である。

厚生労働省 小林製薬社製の紅麹を含む食品に係る確認結果について
  • 今般、小林製薬社が直接、紅麹原料を卸している企業52社に対して、下記のいずれかの事項に該当するかを点検した結果、いずれの企業からも該当する結果は得られませんでした。
    • 小林製薬の3製品に使用された紅麹と同じ小林製薬社製の原材料を用いて製造され、かつ、上記と同等量以上の紅麹を1日あたりに摂取する製品
    • 過去3年間で医師からの当該製品による健康被害が1件以上報告された製品
  • なお、当該企業から小林製薬社製の紅麹原料を入手している企業は173社とされており、こちらの点検につきましては、引き続き継続中である旨を申し添えさせていただきます。

厚生労働省 「求職者等への職場情報提供に当たっての手引」を策定しました
▼ 別添1 「求職者等への職場情報提供に当たっての手引」概要
  • 基本的な考え方
    • 人口減少による労働供給制約の下、個人の働き方へのニーズが多様化する中で、求職者等と企業等のミスマッチを解消し、希望する者の円滑な労働移動を促進するため、職場情報が適切に提供される必要。
    • 求職者等への職場情報の提供は、就職後の早期離職を防止し、企業等における人手不足の解消・生産性の向上に寄与。
    • 企業等における職場情報の提供に当たっての課題・対応策や労働関係法令等において定められている開示項目を整理。
  • 労働関係法令等における開示・提供項目等
    • 労働関係法令等による企業等の情報の開示項目を下記により整理
      • 労働者の募集に当たり開示・提供するもの
        • 労働条件(職業安定法)、募集・採用状況や職業能力の開発・向上及び職場定着の促進に関する取組状況(若者雇用促進法)
      • 労働者の募集の有無にかかわらず定期的な公表が求められるもの又は公表することが望ましいとされているもの
        • 中途採用者数の割合(労働施策総合推進法)、育児休業の取得状況(育児介護休業法)、プラチナくるみん取得企業の次世代育成支援対策の実施状況(次世代育成支援対策推進法)、女性の活躍状況(女性活躍推進法) 等
      • 資本市場において公表する非財務情報(人的資本関係)
        • 人材育成・社内環境整備の方針、女性管理職比率等(企業内容等の開示に関する内閣府令) 等
  • 求職者等が開示・提供を求める情報等
    • 求職者等が開示・提供を求める情報の内容(例示)
      • 企業・業務に関する情報
        • 企業の安定性、事業・業務内容、習得できるスキル、入社後のキャリアパス
      • 環境に関する情報、労働条件等
        • 在宅勤務、テレワーク、副業・兼業の可否、女性の活躍状況、育児休業等の取得状況、短時間勤務等
      • その他
        • 転職者の場合は、経験者採用等割合・離職率、研修制度等 非正規雇用労働者の場合は、就職後のキャリア形成、正社員転換制度の有無・実績等
    • 提供する情報の単位
      • ミスマッチ防止の観点から、所属する予定の部署や担当する予定のプロジェクトチーム単位等での情報であることが望ましい
  • 提供に当たっての課題や対応策
    • 職場情報の提供時期・提供方法
      • ウェブサイト、求人票や募集広告での開示のほか、多様な提供方法がある
        • 企業説明会、選考前の面談等における提供
        • 職業紹介事業者を経由して提供
        • 選考に係る面接の場での提供
        • 所属予定部署職員等との意見交換、職場見学の実施
    • 提供する情報の量
      • 過度に多い情報の提供は、①かえってわかりづらく、②必要以上に応募者を絞り込む可能性がある
      • 情報の性質等に合わせて、上記1の多様な提供方法を活用しながら提供することも有効
    • 資本市場における人的資本に関する情報の活用について
      • 資本市場において開示が進められている人的資本に関する情報を労働市場向けに活用することも有効
    • 数値情報の提供
      • 法令によるものではなく、任意に提供する数値情報は内容が不明確だと求職者等の誤解を招く可能性がある
      • 用いている数値の定義、算出方法を明示
    • 実績が低調な取組等に係る情報の提供
      • 採用活動上、不利な影響をおよぼす可能性が懸念される情報も誠実に提供することが望ましい
      • 情報提供に当たり、取組状況、経年変化、KPI、今後の方針等を併せて提供
    • 情報の正確性
      • 求職者等へ提供する情報は、入社後のミスマッチが可能な限り生じないよう、より実態に近い正確な内容を反映したものである必要があり、定義等があいまいな情報、長期間にわたり更新されていない情報等は見直す必要がある
      • 過度の負荷にならない範囲で情報を更新するとともに更新した時期等を併せて提供。導入している制度等はその有無だけでなく、利用状況等も併せて提供
    • 求職者等への情報提供に係る支援
      • ウェブサイトの更新やウェブサイト構築に係る負担が大きい場合やその他より幅広い情報提供を希望する場合
      • しょくばらぼの活用
    • 中小企業等における情報発信
      • 人材確保に向けた職場環境の整備等に取り組んでいる情報等、積極的な発信が効果的
      • しょくばらぼの活用

厚生労働省 「地域で活躍する中小企業の採用と定着 成功事例集」を作成しました~全国の各地域、多業種の中小企業を対象とした成功事例集~
  • 厚生労働省は、このたび、「地域で活躍する中小企業の採用と定着 成功事例集」を作成しました。
  • 全国的に人手不足感が高まる中、特に地方の中小企業では人材確保が大きな課題となっています。そこで、採用や定着に成功している20社にヒアリングを行い、成功事例として取りまとめました。
  • 課題の解決に向けた各社の取り組みについて、事業戦略の転換や業務内容の見直し、働く環境の整備や採用活動の工夫など、さまざまな角度から掘り下げています。
  • 中小企業が人材確保の取り組みを進めるにあたり、この事例集を活用してもらうため、今後、事業主支援や相談の場で活用したり、SNSなどを通じて積極的に発信していきます。
▼ 「地域で活躍する中小企業の採用と定着 成功事例集」(厚生労働省ウェブサイト)
  • 「地域で活躍する中小企業の採用と定着 成功事例集」のポイント
    • 離島や過疎地域も含め、北海道から沖縄まで全国の事例をバランスよく収集
    • 医療介護、保育、建設、警備、運輸などの人手不足分野に加え、製造、卸小売、飲食、宿泊、情報通信といったさまざまな業種の事例を収集
    • 取り組み内容を「事業戦略の転換」「業務の見直し」「誰もが活躍できる環境整備」「採用活動の工夫・多様化」の4つの観点から整理
    • 採用や定着といった課題ごとの悩みから事例を探すことができる「事例ナビ」も掲載

厚生労働省 労働基準関係法制研究会 第5回資料
▼ 資料1 労働時間制度等に関するアンケート調査結果について(クロス集計等)
  • 各労働時間制度適用者の有無については、多い順に、「1年単位の変形労働時間制」を適用している労働者がいる事業場が21.3%、「管理監督者」を適用している労働者がいる事業場が20.8%、「フレックスタイム制」を適用している労働者がいる事業場が17.7%等となっている。
  • 変形労働時間制、フレックスタイム制、それぞれについて、導入して支障に感じる事項及び導入していない場合の理由は、対象労働者の有無にかかわらず「特にない」が最も多い。対象労働者がいない場合の理由として、変形労働時間制、フレックスタイム制ともに、「労務管理が煩雑である」、「社内コミュニケーションに支障がある」の順に割合が高くなっている。
  • 変形労働時間制の導入有無別で変形労働時間制導入にあたっての支障をクロス集計したところ、導入していない企業について、導入している企業と比較すると、「労働者の生産性が下がる」及び「社内コミュニケーションに支障がある」の項目を選択した割合が高くなっている。
  • フレックスタイム制と通常勤務日を組み合わせる制度は必要だと思うかについて、「必要である、ある方がよい」が23.7%、「不要である、ない方がよい」が18.1%、「どちらでもよい、わからない」が55.7%となっている。
  • フレックスタイム制の適用有無別でフレックスタイム制と通常勤務日を組み合わせる制度が必要かどうかについてクロス集計すると、フレックスタイム制を適用している場合「必要である、ある方がよい」が47.1%、「どちらでもよい、分からない」が44.2%となっている。テレワークを行う労働者の有無別でフレックスタイム制の導入にあたっての支障をクロス集計すると、テレワークをしている労働者がいる場合、「特にない」29.9%で最も多い。なお、テレワークを行っている労働者がいない場合についても、「特にない」が最も多く39.3%となっている。
  • 業種別でフレックスタイム制と通常勤務日を組み合わせる制度が必要かどうかについてクロス集計すると、一部業種でnが少ないため一概に比較はできないが、「必要である、ある方がよい」と回答する割合が高いのは、「情報通信業」であり、比較的低いのは「製造業」、「建設業」、「運輸業、郵便業」となっている。
  • 職種別でフレックスタイム制と通常勤務日を組み合わせる制度が必要かどうかについてクロス集計すると、「必要である、ある方がよい」と回答する割合が比較的低いのは、「建設・採掘の職業」や「生産工程の職業」であり、それぞれ13.0%、13.8%となっている。
  • 「営業等の外勤の労働者」「出張時の労働者」「テレワークの労働者」について、事業場外みなし労働時間制を適用している企業はそれぞれ31.1%、36.7%、23.9%となっている。事業場外みなし労働時間制の対象となっている場合の労働時間管理方法は、「営業等の外勤の労働者」「出張時の労働者」「テレワークの労働者」について、「勤務管理システムに自己申告で入力」が最も多く、それぞれ35.0%、35.4%、40.1%となっている。
  • 営業等外勤や出張労働者について、労働時間を算定しがたい場合について、「該当するときはない(PC、スマートフォン等で労働時間を確認できる)」が35.0%と最も多く、次いで「労働の状況を申告させているが、その真偽を確認することができないとき」が29.9%、「始業・終業が自由であり、外回り等で労働の状況を確認できないとき」15.1%等となっている。テレワークを行っている労働者がいない割合は64.3%で最も高く、テレワークを行っている場合に当該労働者に適用している労働時間制度については、「通常の労働時間制度」が16.8%、「フレックスタイム制」が4.8%、「事業場外みなし労働時間制」が2.0%である。テレワークを行っている労働者がいる事業場に限定して、適用している労働時間制度をみると、「通常の労働時間制度」が最も多く、69.4%となっており、次いで「フレックスタイム制」が19.7%、「事業場外みなし労働時間制」が8.2%等となっている。
  • テレワークを行う労働者について、適用されている労働時間制度ごとに労働時間の管理方法をクロス集計すると、中抜け時間と始業・終業時間のいずれも、管理している場合は、どの労働時間制度であっても「勤怠管理システムに自己申告で入力」が最も多くなっているが、企画業務型・専門業務型裁量労働制、変形労働時間制等については、4割以上が「管理していない」となっている。
  • 勤務間インターバルの導入状況について、「勤務間インターバルを導入していない」企業が54.4%となっており、次いで「十分なインターバルを取れるよう終業時刻を固定している」が23.3%、「フレックスタイム制を用いずに、前日の終業時刻に合わせて、始業時刻を遅らせてインターバルを取らせている」が6.7%等となっている。
  • 適用している労働時間制度別にインターバルの導入状況をクロス集計すると、フレックスタイム制の他に、専門業務型・企画業務型裁量労働制で「フレックスタイム制と併用して労働者にインターバルを取らせている」と回答する割合が高くなっている。
  • 年5日の時季指定義務を運用するに当たって、育児休業取得や休職等の事情がある労働者に関して、取得時季の設定が困難となったケースがあるかについて、「ある」の回答は7.4%となっている。労働者が取り残したまま時効をむかえた年次有給休暇の取扱いについては、「そのまま消滅としている」が63.7%と最も多い。また、「消滅分に対する補償(金銭的補償を含む)をしている」は5.1%となっている。時間単位年休の上限日数が年5日であることについて、「ちょうどいい」が70.1%、「増やした方がよい」が19.6%、「減らした方がよい」が6.4%となっている。
  • 時間単位年休を「導入している」事業場は39.9%、「導入していない」事業場は54.5%となっている。 導入している企業のうち、時間単位で取得できる休暇の上限日数は「6日以上」が45.3%と最も多く、特別休暇等により年5日を超える時間単位年休の取得を可能としている企業が4割以上となっている。時間単位年休を導入していない理由については、「半日単位または1日単位でまとまった休暇を労働者に取らせたいから」が41.2%と最も多く、次いで「労働者のニーズがないから」が25.9%、「労務管理が煩雑だから」17.7%となっている。

厚生労働省 第11回自殺総合対策の推進に関する有識者会議(オンライン開催・ペーパーレス)資料
▼ 資料1 自殺の動向について
  • 令和5年の自殺者数は暫定値で21,818人となり、対前年比63人(約0.3%)減。男女別にみると、男性は2年連続の増加、女性は4年ぶりの減少となっている。また、男性の自殺者数は、女性の約2.1倍となっている。
  • 小中高生の自殺者数は、近年増加傾向が続き、令和5年(暫定値)では507人と、過去最多の水準となっている。
▼ 資料3-1 こどもの自殺対策緊急強化プランについて
  • 近年、小中高生の自殺者数は増加しており、令和4年の小中高生の自殺者数は514人と過去最多となった。
  • 関係省庁連絡会議を開催。有識者・当事者の方々からのヒアリングも踏まえ、こどもの自殺対策の強化に関する施策をとりまとめた。
  • このとりまとめに基づき、自殺に関する情報の集約・分析、全国展開を目指した1人1台端末の活用による自殺リスクの把握や都道府県等の
  • 「若者自殺危機対応チーム」の設置の推進など、総合的な取組を進めていく。
  • 今後、さらにそれぞれの事項についてより具体化を図った上で、こども大綱に盛り込めるよう検討を進める。
  • こどもの自殺の要因分析
    • 警察や消防、学校や教育委員会、地方自治体等が保有する自殺統計及びその関連資料を集約し、多角的な分析を行うための調査研究の実施(自殺統計原票、救急搬送に関するデータ、CDRによる検証結果、学校の設置者等の協力を得て詳細調査の結果等も活用)
    • 学校等における児童生徒等の自殺又は自殺の疑いのある事案についての基本調査・詳細調査の実施。国における調査状況の把握・公表 等
  • 自殺予防に資する教育や普及啓発等
    • すべての児童生徒が「SOSの出し方に関する教育」を年1回受けられるよう周知するとともに、こどものSOSをどのように受け止めるのかについて、教員や保護者が学ぶ機会を設定
    • 「心の健康」に関して、発達段階に応じて系統性をもって指導。「心の健康」に関する啓発資料の作成・周知 等
  • 自殺リスクの早期発見
    • 1人1台端末の活用等による自殺リスクの把握のための、システムの活用方法等を周知し、全国の学校での実施を目指す。科学的根拠に基づいた対応や支援のための調査研究
    • 自殺リスク含む支援が必要なこどもや家庭を早期に把握・支援するため、個人情報の適正な取扱いを確保しながら、教育・保健・福祉などの情報・データを分野を超えた連携に取り組む・公立小学校、中学校等でのスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の配置促進 等
  • 電話・SNS等を活用した相談体制の整備
    • 「孤独ダイヤル」(#9999)の試行事業の実施
    • LINEやウェブチャット・孤立相談等のSNSを活用した相談体制の強化 等
  • 自殺予防のための対応
    • 多職種の専門家で構成される「若者の自殺危機対応チーム」を都道府県等に設置し、自殺未遂歴や自傷行為の経験等がある若者など市町村等では対応が困難な場合に、助言等を行うモデル事業の拡充。その上で、危機対応チームの全国展開を目指す
    • 不登校児童生徒への教育機会の確保のための関係機関の連携体制の整備や、不登校特例校の設置促進・充実 等
    • こども家庭庁の自殺対策室の体制強化、関係省庁と連携した啓発活動
    • 「こども若者★いけんぷらす」によるこどもの意見の公聴、制度や政策への反映(支援につながりやすい周知の方法も含む)
    • 関係閣僚によるゲートキーパー研修の受講及び全国の首長に向けた受講呼びかけメッセージの作成 等こどもの自殺対策に関する関係省庁の連携及び体制強化等遺されたこどもへの支援
    • 地域における遺児等の支援活動の運営の支援 等

厚生労働省 第213回国会(令和6年常会)提出法律案
▼ 生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案の概要
  • 改正の趣旨
    • 単身高齢者世帯の増加等を踏まえ、住宅確保が困難な者への安定的な居住の確保の支援や、生活保護世帯の子どもへの支援の充実等を通じて、生活困窮者等の自立の更なる促進を図るため、(1)居住支援の強化のための措置、(2)子どもの貧困への対応のための措置、(3)支援関係機関の連携強化等の措置を講ずる。
  • 改正の概要
    1. 居住支援の強化のための措置【生活困窮者自立支援法、生活保護法、社会福祉法】
      1. 住宅確保が困難な者への自治体による居住に関する相談支援等を明確化し、入居時から入居中、そして退居時までの一貫した居住支援を強化する。(生活困窮者自立相談支援事業、重層的支援体制整備事業)
      2. 見守り等の支援の実施を自治体の努力義務とするなど、地域居住支援事業等の強化を図り、地域での安定した生活を支援する。
      3. 家賃が低廉な住宅等への転居により安定した生活環境が実現するよう、生活困窮者住居確保給付金の支給対象者の範囲を拡大する。
      4. 無料低額宿泊所に係る事前届出の実効性を確保する方策として、無届の疑いがある施設に係る市町村から都道府県への通知の努力義務の規定を設けるとともに、届出義務違反への罰則を設ける。
    2. 子どもの貧困への対応のための措置【生活保護法】
      1. 生活保護世帯の子ども及び保護者に対し、訪問等により学習・生活環境の改善、奨学金の活用等に関する情報提供や助言を行うための事業を法定化し、生活保護世帯の子どもの将来的な自立に向け、早期から支援につながる仕組みを整備する。
      2. 生活保護世帯の子どもが高等学校等を卒業後、就職して自立する場合に、新生活の立ち上げ費用に充てるための一時金を支給することとし、生活基盤の確立に向けた自立支援を図る。
    3. 支援関係機関の連携強化等の措置【生活困窮者自立支援法、生活保護法】
      1. 就労準備支援、家計改善支援の全国的な実施を強化する観点から、生活困窮者への家計改善支援事業についての国庫補助率の引上げ、生活保護受給者向け事業の法定化等を行う。
      2. 生活困窮者に就労準備支援・家計改善支援・居住支援を行う事業について、新たに生活保護受給者も利用できる仕組みを創設し、両制度の連携を強化する。
      3. 多様で複雑な課題を有するケースへの対応力強化のため、関係機関間で情報交換や支援体制の検討を行う会議体の設置(※)を図る。
        • ※ 生活困窮者向けの支援会議の設置の努力義務化や、生活保護受給者の支援に関する会議体の設置規定の創設など
      4. 医療扶助や健康管理支援事業について、都道府県が広域的観点からデータ分析等を行い、市町村への情報提供を行う仕組み(努力義務)を創設し、医療扶助の適正化や健康管理支援事業の効果的な実施等を促進する。
  • 施行期日
    • 令和7年4月1日(ただし、2(2)は公布日(※)、2(1)は令和6年10月1日)※2(2)は令和6年1月1日から
▼ 雇用保険法等の一部を改正する法律案の概要
  • 改正の趣旨
    • 多様な働き方を効果的に支える雇用のセーフティネットの構築、「人への投資」の強化等のため、雇用保険の対象拡大、教育訓練やリ・スキリング支援の充実、育児休業給付に係る安定的な財政運営の確保等の措置を講ずる。
  • 改正の概要
    • 雇用保険の適用拡大【雇用保険法、職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律】
      • 雇用保険の被保険者の要件のうち、週所定労働時間を「20時間以上」から「10時間以上」に変更し、適用対象を拡大する(※1)。※1 これにより雇用保険の被保険者及び受給資格者となる者については、求職者支援制度の支援対象から除外しない。
    • 教育訓練やリ・スキリング支援の充実【雇用保険法、特別会計に関する法律】
      • 自己都合で退職した者が、雇用の安定・就職の促進に必要な職業に関する教育訓練等を自ら受けた場合には、給付制限をせず、雇用保険の基本手当を受給できるようにする(※2)。※2 自己都合で退職した者については、給付制限期間を原則2か月としているが、1か月に短縮する(通達)。
      • 教育訓練給付金について、訓練効果を高めるためのインセンティブ強化のため、雇用保険から支給される給付率を受講費用の最大70%から80%に引き上げる(※3)。※3 教育訓練受講による賃金増加や資格取得等を要件とした追加給付(10%)を新たに創設する(省令)。
      • 自発的な能力開発のため、被保険者が在職中に教育訓練のための休暇を取得した場合に、その期間中の生活を支えるため、基本手当に相当する新たな給付金を創設する。
    • 育児休業給付に係る安定的な財政運営の確保【雇用保険法、労働保険の保険料の徴収等に関する法律】
      • 育児休業給付の国庫負担の引下げの暫定措置(※4)を廃止する。※4 本来は給付費の1/8だが、暫定措置で1/80とされている。
      • 育児休業給付の保険料率を引き上げつつ(0.4%→0.5%)、保険財政の状況に応じて引き下げ(0.5%→0.4%)られるようにする(※5)。※5(1)(2)により、当面の保険料率は現行の0.4%に据え置きつつ、今後の保険財政の悪化に備えて、実際の料率は保険財政の状況に応じて弾力的に調整。
    • その他雇用保険制度の見直し【雇用保険法】
      • 教育訓練支援給付金の給付率の引下げ(基本手当の80%→60%)及びその暫定措置の令和8年度末までの継続、介護休業給付に係る国庫負担引下げ等の暫定措置の令和8年度末までの継続、就業促進手当の所要の見直し等を実施する。
  • 施行期日
    • 令和7年4月1日(ただし、3(1)及び4の一部は公布日、2(2)は令和6年10月1日、2(3)は令和7年10月1日、1は令和10年10月1日)
▼ 再生医療等の安全性の確保等に関する法律及び臨床研究法の一部を改正する法律案の概要
  • 改正の趣旨
    • 昨今の技術革新等を踏まえ、先端的な医療技術の研究及び安全な提供の基盤を整備し、その更なる推進を図るため、再生医療等安全性確保法の対象拡大及び再生医療等の提供基盤の整備、臨床研究法の特定臨床研究等の範囲の見直し等の措置を講ずる。
  • 改正の概要
    • 再生医療等安全性確保法の対象拡大及び再生医療等の提供基盤の整備【再生医療等安全性確保法】
      • 細胞加工物を用いない遺伝子治療(※1)等は、現在対象となっている細胞加工物(※2)を用いる再生医療等と同様に感染症の伝播
      • 等のリスクがあるため、対象に追加して提供基準の遵守等を義務付けることで、迅速かつ安全な提供及び普及の促進を図る。※1 細胞加工物を用いない遺伝子治療:人の疾病の治療を目的として、人の体内で遺伝子の導入や改変を行うこと。※2 細胞加工物:人又は動物の細胞に培養等の加工を行ったもの。
      • 再生医療等の提供計画を審査する厚生労働大臣の認定を受けた委員会(認定再生医療等委員会)の設置者に関する立入検査や欠格事
      • 由の規定を整備することにより、審査の公正な実施を確保し、再生医療等の提供基盤を整備する。
    • 臨床研究法の特定臨床研究等の範囲の見直し等【臨床研究法、再生医療等安全性確保法】
      • 医薬品等の適応外使用(※3)について、薬事承認済みの用法等による場合とリスクが同程度以下の場合には臨床研究法の特定臨床研究及び再生医療等安全性確保法の再生医療等から除外することにより、研究等の円滑な実施を推進する。※3 薬事承認された医薬品等を承認された用法等と異なる用法等で使用すること(がんや小児領域の研究に多い。)
      • 通常の医療の提供として使用された医薬品等の有効性等について研究する目的で、研究対象者に著しい負担を与える検査等を行う場合は、その研究について、臨床研究法の対象となる旨を明確化することにより、研究対象者の適切な保護を図る。
  • 施行期日
    • 公布の日から起算して1年以内において政令で定める日
▼ 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案
  • 改正の趣旨
    • 男女ともに仕事と育児・介護を両立できるようにするため、子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充、育児休業の取得状況の公表義務の対象拡大や次世代育成支援対策の推進・強化、介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等の措置を講ずる。
  • 改正の概要
    • 子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充【育児・介護休業法】
      • 3歳以上の小学校就学前の子を養育する労働者に関し、事業主が職場のニーズを把握した上で、柔軟な働き方を実現するための措置を講じ(※)、労働者が選択して利用できるようにすることを義務付ける。また、当該措置の個別の周知・意向確認を義務付ける。※始業時刻等の変更、テレワーク、短時間勤務、新たな休暇の付与、その他働きながら子を養育しやすくするための措置のうち事業主が2つを選択
      • 所定外労働の制限(残業免除)の対象となる労働者の範囲を、小学校就学前の子(現行は3歳になるまでの子)を養育する労働者に拡大する。
      • 子の看護休暇を子の行事参加等の場合も取得可能とし、対象となる子の範囲を小学校3年生(現行は小学校就学前)まで拡大するとともに、勤続6月未満の労働者を労使協定に基づき除外する仕組みを廃止する。
      • 3歳になるまでの子を養育する労働者に関し事業主が講ずる措置(努力義務)の内容に、テレワークを追加する。
      • 妊娠・出産の申出時や子が3歳になる前に、労働者の仕事と育児の両立に関する個別の意向の聴取・配慮を事業主に義務付ける。
    • 育児休業の取得状況の公表義務の拡大や次世代育成支援対策の推進・強化【育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法】
      • 育児休業の取得状況の公表義務の対象を、常時雇用する労働者数が300人超(現行1,000人超)の事業主に拡大する。
      • 次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画策定時に、育児休業の取得状況等に係る状況把握・数値目標の設定を事業主に義務付ける。
      • 次世代育成支援対策推進法の有効期限(現行は令和7年3月31日まで)を令和17年3月31日まで、10年間延長する。
    • 介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等【育児・介護休業法】
      • 労働者が家族の介護に直面した旨を申し出た時に、両立支援制度等について個別の周知・意向確認を行うことを事業主に義務付ける。
      • 労働者等への両立支援制度等に関する早期の情報提供や、雇用環境の整備(労働者への研修等)を事業主に義務付ける。
      • 介護休暇について、勤続6月未満の労働者を労使協定に基づき除外する仕組みを廃止する。
      • 家族を介護する労働者に関し事業主が講ずる措置(努力義務)の内容に、テレワークを追加する。 等
  • 施行期日
    • 令和7年4月1日(ただし、2(3)は公布日、1(1)及び(5)は公布の日から起算して1年6月以内において政令で定める日)

【2024年3月】

厚生労働省 第6回外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会 資料
▼ 資料1 訪問系サービスなどへの従事について
  • 訪問介護等
    • ケアの質について
      • 訪問介護は、利用者と介護者が1対1で業務を行うことが基本であることを踏まえ、従事する訪問介護員等に対し、介護職員初任者研修等の研修修了や介護福祉士資格を義務付ける等、有資格者に限定している。また、訪問介護のサービス提供に当たっては、
        • 訪問介護計画の作成、利用申込の調整及び訪問介護員等に対する指示・業務管理等を行うサービス提供責任者(以下「サ責」という。)を利用者数に応じて配置することを基準とし、
        • 初回の訪問月においては、サ責による訪問介護又は訪問介護員等との同行訪問について、報酬上の加算を設けて、取組が進むようする
          など、利用者に対するケアの質を制度上担保する仕組みとしている。
      • さらに、定期巡回・随時対応型訪問介護看護及び夜間対応型訪問介護は、訪問介護と同様、利用者の居宅への訪問に当たって有資格者が従事するなど、利用者に対するケアの質が制度上担保される仕組みとなっている。
      • 外国人介護人材の訪問系サービスの実施の可否を検討するに当たっても、こうした枠組みを前提としつつ、利用者に対するケアの質を担保していかなければならない。
      • サービス提供に当たっては、適切なアセスメントに基づき自立支援に向けて取り組むことが基本となるが、訪問系サービスでは、利用者の個々人の身体状況や居宅での生活実態等に即した対応が求められるため、利用者によって手順や方法が異なり、標準化しにくい支援であるということができる。また、介護は、コミュニケーションを前提として業務を行う対人サービスであり、利用者等と適切にコミュニケーションを行うため、日本語によるコミュニケーション能力が不可欠である。特に訪問系サービスでは、利用者やその家族の生活習慣等に配慮しつつ、家族のほか、ケアマネジャーなどといった多職種と連携しながら支援を行うことが求められる。利用者の意向等を踏まえつつ、支援を行うことについては、語学力と現場でのコミュニケーション能力は必ずしも一致するものでなく、サ責の指導等も受けつつ、現場での経験をつみながらレベルアップしていく側面もある。
      • 実際、介護福祉士資格を取得した外国人介護人材が訪問系サービスに従事している事業所に対してヒアリングした際も、例えば、
        • 利用者の特性(性格や障害の有無等)等も踏まえ、サ責の意見等も参考にしながら、訪問先を判断すること
        • 新人の訪問介護職員には、新規利用者のサービスには入らず、事業所の先輩職員が担当している利用者について同行研修なども行いながら、サービスを引き継ぐこと
        • 調理については、味付けの違いなど文化の差が生じるが、利用者と一緒に取り組んだり、事業所で日本食の味付け研修を実施するなどしていること
        • サ責による同行訪問も、外国人介護人材が積み重ねでスキルが身につくこと等も踏まえつつ、状況に応じて期間を設定すること
        • 業務上で困った内容があれば、訪問先又は訪問先から事業所に戻った際等に報告・相談できる体制を整備し、必要に応じてサ責等から助言・指導を行うことや、定期的な研修(ケーススタディ)を実施することなど事業所としての工夫がさまざまなされていた。
    • キャリアアップ
      • また、受入事業者へのヒアリングからもわかるように訪問系サービスに従事したい外国人介護人材も一定数いることから、日本人と同様に、訪問系サービスを含む多様な業務を経験し、キャリアアップに繋がるようにすることは、外国人介護人材にとって、我が国で長期間就労する魅力が向上することにも繋がりうるものと考えられる。
      • 先進的な受入事業者においては、介護職員初任者研修、実務者研修の受講などを組み込む形で、外国人介護人材のキャリアアップ、国家資格取得に向けた人材育成の取り組みがなされており、外国人介護人材が多様な業務を経験しながらキャリアアップし、日本で長期間働くことができるように事業者が中心となって関係者と連携しつつ、支援していくことも重要である。
      • そのため、日本人と同様に適切な処遇を確保し、日本人労働者の処遇・労働環境の改善の努力が損なわれないようにするとともに、介護福祉士の資格取得に向けた国家試験の受験・合格の後押しや就労環境の整備等の様々な支援について、多様な主体が連携して取り組むべきである。
      • なお、受入事業者へのヒアリング等では、アジア諸国においても、今後、高齢化が見込まれることから、日本における訪問系サービスでのキャリアは、今後母国に帰った後もその概念やサービス内容等が役に立つこともあるといった意見が出された。地域共生社会や地域包括ケアシステムの実現を目指す我が国の介護・福祉サービスをアジア諸国に広めていく上でも、その核となる訪問系サービスに従事してもらうことは重要である。
      • 訪問介護等については、有資格者である訪問介護員等の人材不足が深刻な状況であり、また、訪問介護員等の高齢化も進んでいるところ、必要なサービスを将来にわたって提供できるように対応していくといった視点も重要である。
      • このような状況も踏まえつつ、積極的に外国人介護人材を受け入れ、その希望等も踏まえながら、訪問系サービスを含む多様な業務を経験してもらうことが必要になってくる。この際、外国人介護人材を単なる日本人の穴埋めの労働力として受け入れることは適切ではなく、外国人介護人材のキャリアパス等にも十分留意しつつ、事業所によるきめ細かな支援が求められる。
      • 以上を踏まえると、外国人介護人材の訪問系サービスの従事については、日本人同様に介護職員初任者研修を修了した有資格者等であることを前提に、ケアの質や権利擁護等の観点から、以下のとおり、事業者に対して一定の事項について遵守を求め、当該事項を適切に履行できる体制・計画等を有することを条件として従事を認めるべきであり、国においては、適切な指導体制の確保やハラスメント対応等の観点から、受入事業者の遵守事項の履行体制の確保の確認や、相談窓口の設置、受入環境整備等を行うことが重要である。
    • 事業者に求める措置
      1. 受入事業者に対しては、下記(1)~(5)の事項を適切に履行できる体制・計画等を有することについて、事前に巡回訪問等実施機関に必要な書類の提出を求めることとしてはどうか。また、外国人介護人材の訪問先の選定に当たっては、当該外国人介護人材のコミュニケーション能力や介護の技術の状況、利用者の特性等を踏まえつつ、サ責等の意見も勘案し、判断するとともに、従事に際しては、受入事業者から利用者・家族に対して丁寧な説明を行うことなど、適切な配慮を求めることとしてはどうか。
        • 遵守事項
          1. 受入事業者が行う外国人介護人材への研修については、EPA介護福祉士の訪問系サービスで求める留意事項と同様に、訪問介護の基本事項、生活支援技術、利用者、家族や近隣とのコミュニケーション(傾聴、受容、共感などのコミュニケーションスキルを含む)、日本の生活様式等を含むものとすること。
          2. 受入事業者は、訪問系サービスの提供を一人で適切に行えるように、一定期間、サ責等が同行する等の必要なOJTを行うこと。回数や期間については、利用者や外国人介護人材の個々状況により、受入事業者により適切に判断する。
          3. キャリアアップに向けた支援が重要になるところ、受入事業者等は外国人介護人材の訪問系サービスを実施する際、外国人介護人材の意向等を確認しつつ、外国人介護人材のキャリアパスの構築に向けたキャリアアップ計画を作成すること。
          4. ハラスメント対策の観点から、受入事業所内において、以下等の必要な措置を講ずること。
            • ハラスメントを未然に防止するための対応マニュアルの作成・共有、管理者等の役割の明確化
            • 発生したハラスメントの対処方法等のルールの作成・共有などの取り組みや環境の整備
            • 相談窓口の設置等の相談しやすい職場環境づくり
            • 利用者・家族等に対する周知
          5. 外国人介護人材の負担軽減や訪問先での不測の事態に適切に対応が行えるように備える観点から、介護ソフトやタブレット端末の活用による記録業務の支援、コミュニケーションアプリの導入や日常生活や介護現場での困りごと等が相談できるような体制整備など、ICTの活用等も含めた環境整備を行うこと。
    • 国が行う取り組み
      • また、国においては、適切な指導体制の確保、ハラスメント対策等の人権擁護、キャリアアップ支援の促進等の観点から、以下(1)~(3)の取り組みを行うこととしてはどうか。
        • (1)受入事業者への遵守事項を含めた適切な指導体制の確保の観点から、巡回訪問等実施機関について、必要な体制強化を進めながら、提出された書類に基づいて、受入事業者への巡回訪問等を行うこととし、外国人介護人材の雇用管理状況、OJT等の実施状況、ハラスメント対策の対応状況、キャリアアップ支援の実施状況等、前述の遵守事項が適切に実施されているかどうか、事業管理者やサ責等から、確認すること。
        • (2)ハラスメントを防ぐなど、人権擁護の観点から、第3者による母国語による相談窓口を設けること。あわせて、相談内容やその対応結果を分析し、相談窓口の質の向上を行うこと。
        • (3)キャリアアップ支援の観点から、外国人介護人材が受入事業所で働きながら、介護職員初任者研修を修了しやすくするため、地域医療介護総合確保基金事業等を活用しながら、研修等の受講支援や資格取得支援の取り組みを促すこと。あわせて、介護職員初任者研修を修了しやすい環境整備を行うとともに、事業所等の好事例、課題を収集すること。
  • 訪問入浴介護
    • 制度上、介護職員初任者研修等の修了が求められていない訪問入浴介護については、複数人でのサービス提供が必要なサービスであり、現行認められている施設系サービスと同様、比較的適切な指導体制を確保しやすいが、こうした体制等を確保した上で、外国人介護人材が、職場内で実務に必要な入浴等の研修等を受講し、業務に従事することとする。
  • その他
    • 外国人介護人材の業務の在り方については、各在留資格の制度趣旨・目的に基づき検討され、各在留資格制度の関係法令等により施行がなされてきたところ、訪問系サービスなどへの従事においても、今後、具体的な制度設計が進められていくことになるが、これまでと同様に、制度趣旨・目的等を踏まえつつ、準備ができ次第、順次施行することが考えられる。
    • その中で、技能実習制度については、令和6年2月9日の「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」で政府方針(技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議最終報告書を踏まえた政府の対応)を決定した。これを踏まえて、3月15日には「出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案」が閣議決定された。同法律案では、新たに創設される育成就労制度は、原則3年以内の施行とされていることから、この状況にも留意する必要がある。
    • 現行の技能実習制度では、「本国への技能移転」という制度趣旨に基づき、技能移転の対象となる技能実習生の業務範囲を、必須業務、関連業務及び周辺業務に区分して規定しており、
      • 必須業務として、どの技能実習生も実施する身体介護業務を位置付け、
      • 関連業務及び周辺業務として、身体介護以外の支援等、必須業務に関連する技能の修得に係る業務等を位置付けている。
    • この点に関する見直しの方向性については特に留意する必要があり、仮に、現行の技能実習制度の下で、訪問系サービスなどへの従事に関して、具体的な制度設計を進める場合には、移転すべき技能等既存の制度との整合性について、一定の整理を行う必要がある

厚生労働省 労働災害発生状況
▼ 令和6年における労働災害発生状況について(3月速報値)
  • 死亡災害の発生状況
    • 全体
      • 死亡者数87人(前年同期比 +2人、 2.4%増加)
    • 業種別発生状況
      • 製造業 20人(前年同期比+4人、 25.0%増加)
      • 建設業 27人(前年同期比+2人、 8.0%増加)
      • 林業 3人(前年同期比▲2人、 40.0%減少)
      • 陸上貨物運送事業 13人 (前年同期比▲4人、 23.5%減少)
      • 第三次産業 19人(前年同期比+3人、 18.8%増加)
    • 事故の型別発生状況
      • 墜落・転落26人(前年同期比 +2人、 8.3%増加)
      • はさまれ・巻き込まれ16人(同▲4人、20.0%減少)
      • 交通事故(道路) 10人(同▲2人、16.7%減少)
        • ※ 以下、「激突され」、「転倒」、「崩壊・倒壊」の順
  • 休業4日以上の死傷者数
    • 全体
      • 休業4日以上の死傷者数12,246人(前年同期比▲8人、0.1%減少)
    • 業種別発生状況
      • 製造業 2,641人(前年同期比▲62人、2.3%減少)
      • 建設業 1,321人(前年同期比+2人、0.2%増加)
      • 陸上貨物運送事業 1,632人(前年同期比±0人、増減なし)
      • 第三次産業 5,818人(前年同期比+15人、0.3%増加)
    • 事故の型別発生状況
      • 転倒 3,826人(前年同期▲378人、9.0%減少)
      • 墜落・転落 1,979人(同+74人、3.9%増加)
      • 動作の反動・無理な動作 1,525人(同+137人、9.9%増加)
        • ※ 以下、「はさまれ・巻き込まれ」、「交通事故(道路)」、「切れ・こすれ」の順
        • ※ 令和6年1月1日から令和6年2月29日までに発生した労働災害について、令和6年3月7日までに報告があったものを集計したもの
        • ※ 新型コロナウイルス感染症のり患による労働災害を除いたもの

厚生労働省 第191回労働政策審議会労働条件分科会(資料)
▼ 資料No.2 家事使用人の雇用ガイドライン
  • 一般のご家庭内で職業として行われる家事労働は、個人がそれぞれの事情に合わせて柔軟に働くことができる働き方として、社会的な関心が大きくなっています。
  • その一方で、家事一般に従事する家事使用人は、労働契約法の適用は受けますが、労働基準法の適用を受けないことや、業務内容や就業時間などの基本的な内容が不明確であるために契約をめぐるトラブルが発生するケースが見られること、また、就業中のケガに対する補償が十分ではないことなどの問題が指摘されています。
  • また、家事使用人は、家政婦(夫)紹介所を通じて、それぞれのご家庭のもとで働くケースが多いのですが、家政婦(夫)紹介所はご家庭に家事使用人を紹介し、雇用関係の成立をあっせんする機関であり、あくまでもご家庭が雇い主となります。しかし、雇い主であるという認識が十分ではないケースも一部に見られます。
  • こうした状況を踏まえ、厚生労働省では、家事使用人の就業環境の改善に向けて、雇用主であるご家庭が、家事使用人と労働契約を結ぶ際や、就業中に留意すべき事項を示した、この『家事使用人の雇用ガイドライン』を作成しました。
  • 家事使用人に仕事を依頼するご家庭は、労働契約を結ぶ際、また就業に際してこのガイドラインの内容を踏まえ、家事使用人と十分話し合った上で契約の内容を決め、適正な就業環境の確保に努めることが望まれます。家事使用人の皆さまも、仕事を受ける前に、このガイドラインの内容をよく知っておくことが望まれます。
  • さらに、家事労働においては、家政婦(夫)紹介所がご家庭と家事使用人を仲介することが多いことから、このガイドラインは、家政婦(夫)紹介所が果たすべき役割も示しています。
  • 家事使用人を雇うご家庭・家事使用人・家政婦(夫)紹介所など、関係者全員でこのガイドラインをご参照いただき、家事使用人が働きやすい環境の確保に努めていただくようお願いします。
  • 家事使用人を雇用する際の留意事項
    • 労働契約の条件を明確にしましょう
      • 雇用主は、家事使用人と労働契約を結ぶ際に、家事使用人と話し合った上で、例えば、次の事項(主なもの)を明確にしましょう。労働契約書の記載例を参考にしてください。
      • その際、口頭で伝えるだけではなく、きちんと書面、もしくは電子メールなどで明示することで、雇用主と家事使用人の間のトラブルを未然に防ぐことにつながります。
      • 雇用主は、あらかじめ決めた労働契約は守らなければなりません。労働契約書に記載された内容はお互いによく確認し、労働契約の条件に反することがないようにしましょう。
    • 労働契約の条件を適正にしましょう
      • 報酬の額は、同じような業務に従事する家事使用人の報酬や、仕事の難易度、家事使用人の能力などを考慮して決定しましょう。また、最低賃金を下回るような低い水準となっていないかを確認し、家事使用人と話し合った上で、適切な水準となるようにしましょう。
      • 報酬は、家事使用人に直接支払うことが原則です。なお、支払方法については、家政婦(夫)紹介所とも相談の上、決めることも可能です(紹介手数料は家政婦(夫)紹介所に支払う必要があります)。
      • 泊まり込みの場合は、休憩や食事の時間、入浴や睡眠の時間をいつ取ってもらうのかをあらかじめ決めておきましょう。24時間の対応を依頼する場合でも、就業時間は12時間程度までとし、夜間に何度も対応を要する場合には、昼間に仮眠時間を設けるなど、家事使用人が過重労働とならないよう配慮してください。また、雇用主のご家族を含め、複数人での交替制とすることも検討してください。
      • やむを得ず残業をしてもらう必要がある場合も考えられますので、あらかじめ労働契約書などで、残業の有無と、残業が想定される場合はその時間数を明確にしておきましょう。その上で、実際に残業が発生する場合には、家事使用人の都合を確認し、その同意を得た上で残業してもらうなど、あらかじめどのように対応するかについて決めておきましょう。
      • なお、1週当たり40時間を超えるようなフルタイムで働く方について、さらに残業をさせる場合には、残業時間は月45時間以内となるようにするなど、過重労働とならないよう配慮してください。
      • 同じ人に家事使用人としての業務と介護保険サービスの双方を行ってもらう場合には、家事使用人の過重労働を防止するため、雇用主はできる限り、介護保険サービスにより対応を依頼する時間も含めて、家事使用人としての就業時間が上記で示した就業時間におさまるよう、契約の段階で設定するなど、全体の就業時間を踏まえた就業時間や休憩時間を設定することが望ましいです。
    • 就業環境を整えましょう
      • 雇用主は、家事使用人が業務を行う上で不安に感じることがないよう、労働契約を結ぶ前も結んだ後も話し合いの場を設けるとよいでしょう。特に、業務で求める水準や労働契約の内容に関する事項については、常日頃から家事使用人とコミュニケーションをとることが大切です。
      • 雇用主は、家事使用人の就業日ごとの始業・終業時刻を確認して、記録し、就業時間を適正に管理することが望ましいです。また、記録した就業時間については、家事使用人の認識と齟齬がないか、お互いに確かめるのがよいでしょう。
      • 雇用主は、自身の家庭のどこで、どのような業務をしている時にケガが起きやすいかを考え、就業中のケガが発生しないように家事使用人に対して注意を呼びかけましょう。また、明らかに危険な作業(例えば、高木の剪定、高層マンションの外側の窓拭き、屋根の修理、外壁の塗装)はさせないよう注意しましょう。
      • 家事使用人に業務を依頼する際は、あらかじめ決めた業務内容の範囲を超えないように気をつけましょう。新たに行ってほしい業務が発生した場合は、家事使用人と十分話し合い、必要に応じて労働契約の条件を変更した上で対応してもらうことが適切です。
      • 雇用主は、日頃から話しやすい雰囲気づくりを心がけ、家事使用人が業務に関する相談などをしやすい環境を整えましょう。家事使用人から相談や苦情を受けた場合は、家事使用人と十分に話し合いを行い、雇用主が自主的に解決を図るよう努めましょう。雇用主は、家事使用人が働く上で困った際に、相談するためにふさわしい家庭内の相談者を事前に労働契約書に記載するなどして共有しておくとよいでしょう。
      • 家事使用人に対するパワハラ、セクハラなどのハラスメントは絶対に許されません。トラブルを避けるためにも、金品や貴重品など、触れてはいけないものについては事前に伝え、金庫などの鍵のかかる場所に保管するなどして、雇用主自身で管理しましょう。また、買い物などで財布を預ける場合は、出納簿を作成するなど、お互いが管理状況を確認できるように工夫しましょう。雇用主は、家事使用人が就業場所などでケガなどをした場合、家事使用人とその原因及び補償について十分話し合いましょう。
    • 労働契約の更新・終了の際には適切に対応しましょう
      • 家事使用人を期間の定めのある労働契約(以下「有期労働契約」という)で雇っている場合に、自動更新の労働契約を結んでいなければ、基本的には労働契約の期間の満了日に契約は終了します。
      • ただし、労働契約の期間について5年を超えて更新する際は、家事使用人が希望すれば、期間の定めのない労働契約(以下「無期労働契約」という)にすることができます(無期転換ルール)。有期労働契約の家事使用人が、雇用主(ご家庭)に対して無期転換の申込みをした場合に、無期労働契約が成立し、雇用主は断ることができません。家事使用人から無期転換の希望があった場合に適切に対応できるよう、こうしたルールも理解しておきましょう。
      • 家事使用人の家事能力や性格などに不満があるなど、辞めてもらいたいと思ったときでも、すぐに解雇や雇止めをするのではなく、まずは、家事使用人と十分に話し合った上で円満に解決できるように努めましょう。
    • 保険の加入やケガなどの発生状況について確認しましょう
      • 家事使用人に関係する保険には、大きく分けて以下の2種類が存在します。雇用主は、家事使用人または家政婦(夫)紹介所に対して、どのような保険に加入しているのかを確認しましょう。また、それをお互いに事前に確認し、万が一の場合に備えておきましょう。
      • 損害保険加入の有無 家事使用人が、就業先であるご家庭または第三者に対して、業務に関連して損害を与えた場合に備えるための保険。
      • 災害補償保険(労災保険の特別加入を含む)加入の有無 家事使用人が、業務が原因となって、自身がケガや病気をした場合に備えるための保険。

厚生労働省 第68回労働政策審議会雇用環境・均等分科会
▼ 【資料2-2】雇用の分野における女性活躍推進等に係る閣議決定等関係資料
  • 雇用の分野における女性活躍推進等に係る閣議決定等
    1. 経済財政運営と改革の基本方針2023(令和5年6月16日閣議決定)(抄)
      • 女性版骨太の方針2023に基づき、L字カーブの解消に資するよう、女性活躍と経済成長の好循環の実現に向けて、プライム市場上場企業を対象とした女性役員に係る数値目標の設定やその達成を確保する仕組みの導入など女性登用の加速化、女性起業家の育成・支援等を進めるとともに、多様な正社員の普及促進や長時間労働慣行の是正、投資家の評価を利用した両立支援等の多様で柔軟な働き方の推進、仕事と家庭の両立に向けた男性の育児休業取得の促進やベビーシッター・家事支援サービス利用の普及、男女間賃金格差の更なる開示の検討、女性の視点も踏まえた社会保障制度・税制等の検討、非正規雇用労働者の正規化や処遇改善、女性デジタル人材の育成、地域のニーズに応じた取組の推進、就業支援や養育費の確保を含めたひとり親家庭支援など女性の所得向上・経済的自立に向けた取組を強化する。(略)
    2. 規制改革実施計画(令和5年6月16日閣議決定)(抄)
      • 企業による雇用関係情報の公開に関する方法等の見直し
        • 厚生労働省は、女性の活躍推進企業データベース、両立支援のひろば、職場情報総合サイト(しょくばらぼ)について、企業による更なる情報公表を促すため、これらの利用者像や利用実態等を把握し、その結果を企業等に周知するなど必要な措置を講ずる。
        • 厚生労働省は、労働者がより適切に職業選択を行うため、また、企業にとっては円滑な人材確保を図るため、企業に公表を推奨すべき情報等について検討し、開示の項目や方法を整理した職場情報の開示に関するガイドライン(仮称)を策定するなど、必要な措置を講ずる。
    3. 女性活躍・男女共同参画の重点方針2023(女性版骨太の方針2023)(令和5年6月13日すべての女性が輝く社会づくり本部・男女共同参画推進本部決定)(抄)
      • 地方に多く存在する中小企業において女性活躍が進まない要因として、企業経営者等の無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)の存在が挙げられるが、これを解消して行動の変容を促すため、中小企業を含む企業の経営者等に向けた研修用のコンテンツの開発・普及に取り組む。【厚生労働省】
      • 女性活躍を推進している企業の多くが抱えている「本人が現状以上に活躍したいと思っていない」「社内にロールモデルとなる女性社員が少ない」といった課題に対応するため、メンター制度の導入やロールモデルの育成、地域ネットワーク構築に関するマニュアル及び事例集を作成することで、女性労働者のキャリア形成支援を図る。【厚生労働省】
      • 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)に基づく男女の賃金の差異に係る情報の公表について、常時雇用労働者301人以上の対象企業における適切な情報公表を推進し、各企業における課題の的確な把握・分析とその結果を踏まえた格差の是正に向けた取組を支援する。また、本年夏を目途に本制度の施行状況に係るフォローアップを行い、常時雇用労働者101人から300人の事業主への公表義務の対象拡大の可否について、必要な検討を行う。「女性の活躍推進企業データベース」の機能強化やコンテンツの充実等により、データベースのユーザビリティの向上を図り、更なる「見える化」を行う。【厚生労働省】
    4. 女性活躍・男女共同参画の重点方針2023(女性版骨太の方針2023)(令和5年6月13日すべての女性が輝く社会づくり本部・男女共同参画推進本部決定)(抄)
      • 職場におけるハラスメントを防止するため、パンフレット等の作成・配布等により、テレワークやオンラインの場合も含め、ハラスメントを行ってはならない旨の周知を行うほか、中小企業を含む企業の経営者や人事労務担当者等を対象とする研修動画の配信や、12月の「ハラスメント撲滅月間」に集中的な広報・啓発を行う。
      • 男女雇用機会均等法等及びこれに基づく指針について、事業主が講ずべき措置の内容だけでなく、就職活動中の学生等への対応も含めた望ましい取組の内容を周知するとともに、非正規雇用労働者も含めて活用可能な外部相談窓口についての周知を徹底する。【厚生労働省】
      • 就職活動中の学生に対するセクシュアルハラスメントや教職員が学生に対して行うハラスメント等の防止のため、大学等の関係者が集まる各種会議等において、各大学における取組の好事例の発信や、相談窓口の周知等を一層強化する。【文部科学省、厚生労働省】
      • 女性の就業率が上昇する中、仕事と女性の健康課題等(月経関連症状、医学的に妊娠・出産に適した年齢など妊娠・出産に関すること、更年期症状等)との両立が課題となっている。
      • 働く女性の月経、妊娠・出産、更年期等、女性特有のライフイベントに起因する望まない離職等を防ぎ、女性が活躍し、健やかで充実した毎日を送り、安心して安全に働けるよう、事業主健診(労働安全衛生法に基づく一般定期健康診断)に係る問診に、月経困難症、更年期症状等の女性の健康に関連する項目を追加するとともに、産業保健体制の充実を図る。(中略)加えて、生理休暇の名称の在り方を含め、生理休暇制度の普及促進のための方策について検討するとともに、更年期症状による体調不良時等に対応する休暇制度の導入状況に関する調査を実施し、その結果を踏まえた周知を行うことにより、女性が必要な休暇を取得できるよう環境整備を進める。(略)【内閣官房、厚生労働省、経済産業省、(人事院)】
      • 健康日本21(第三次)に「女性の健康」が盛り込まれたことも踏まえ、女性の健康に関する情報提供サイトの普及啓発を図るとともに、「女性の健康週間」の実施、ホームページやSNS等の様々なコンテンツを活用した情報発信や、好事例の横展開を図る。【文部科学省、厚生労働省】

厚生労働省 第9回雇用政策研究会資料
▼ 【資料4】これまでの研究会における議論の整理
  • 報告書「多様な個人がバックグラウンドに関わらず包摂され、活躍できる労働市場の構築に向けて」骨子
  • コロナ後の社会経済・労働市場の動向
    • 社会経済情勢・雇用情勢の変化
      • 足下では、物価高等の影響も懸念されるものの、人手不足感の高まりを受けて求人数はコロナ前を上回っており、今後は、雇用のミスマッチへの対応や人手不足対策の強化が求められている。
      • 生成AIの活用が進むことで、仕事内容が大きく変化する可能性もあり、新たなテクノロジーを踏まえた対応が求められる。
    • 2040年の労働市場に向けて
      • 総人口は、2070年に現在の7割に減少し、65歳以上人口がおよそ4割を占めるとされており、こうした人口変化は労働力の変化にも影響を与えることが想定される。
      • 経済成長と労働参加が同時に実現した場合には、2040年には労働力人口は6,791万人、就業者数は6,734万人となることが見込まれており、これまで以上に多様なバックグランドの方の労働参加を促すとともに、労働者一人ひとりの労働生産性の向上を図っていくことが重要となっている。
    • 社会経済情勢・雇用情勢の変化
      • コロナの5類への移行後、経済活動再開に向けた動きの中で、雇用情勢の改善がみられている。足下では、物価高等の影響も懸念されるものの、人手不足感の高まりを受けて求人数はコロナ前を上回っており、今後は、雇用のミスマッチへの対応や人手不足対策の強化が求められている。
      • また、技術革新について目を向けると、生成AIのような新たなテクノロジーの職場での活用も進んできており、更なる労働生産性の向上も期待される。一方、技術変化に伴うスキルやタスクの変化が今後も想定されることから、時代に合わせた人的資本投資等が必要となってくる。
      • 人手不足により労働市場がタイトとなっていることを契機に、労働条件の改善を通じた労働参加の促進や、テクノロジーの活用を通じた労働生産性の向上を図ることが重要。
    • 2040年の労働市場に向けて
      • 社人研の「日本の将来推計人口(令和5年推計)」によると、2070年には、総人口は現在の7割に減少し、65歳以上人口がおよそ4割を占めるとされており、こうした人口変化は労働力の変化にも影響を与えることが想定される。
      • 2023年度の労働力需給推計では、女性や高齢者の労働参加が想定を上回って進展したことをうけ、経済成長と労働参加が同時に実現した場合には、2040年には労働力人口は6,791万人、就業者数は6,734万人となることが見込まれている一方、一人あたり実質成長がゼロであり、労働参加も現状から進まない場合には、労働力人口は6,002万人、就業者数は5,768万人となることが想定されている。
      • 人口減少という構造的課題を抱える中、多様な個人がバックグラウンドに関わらず、また自身の希望に応じて自由に労働参加ができ、活躍できる労働市場の構築を図っていく必要がある。このためには、柔軟な働き方を可能とする環境整備を行っていくことに加えて、テクノロジーを活用した労働生産性の向上を図っていくことが求められる。
  • 多様なバックグラウンドの方の労働参加
    • 考え方
      • 人手不足が深刻化する中、より多くの人の労働参加・活躍を促していくことが重要であり、賃金や労働条件の改善を通じた労働参加へのインセンティブ向上や、企業内における多様な人材の活躍に向けた環境整備が重要である。特に、個人の希望やライフサイクルに合わせた柔軟な働き方を選択できるよう、職場環境の整備や雇用慣行の見直し等を図っていくことが求められる。
    • 柔軟な働き方の実現
      • 柔軟な働き方を実現していくためには、まずは「無限定な働き方が評価される」仕組みや基準を変えていく必要がある。これまで働き方改革を契機として長時間労働は減少傾向にあるが、こうした動きを継続することで、育児、介護、健康等の理由で、無限定な働き方が困難である人が所定内の時間で行った成果で公平に評価されることが重要である。
      • 制度面においても、短時間勤務制度やフレックスタイムの導入を進めるとともに、テレワークが行える環境整備等を行い、育児、介護、健康等の個々の事情に合わせて、働き方を選べる職場環境を整えることが重要である。柔軟な働き方が可能であるか否かについては、求職者の関心も高く、人材獲得の観点からも、企業のWLB制度への一層の取組とその見える化が重要である。また、人材獲得にあたっては、仕事を離れていた期間に関わらず、これまでの経験を適切に評価することが重要である。
    • ミドル・シニア世代も含む人材活用
      • 外部からの人材獲得が難しくなる中、企業内の人材活用も重要なテーマであり、企業は自社内の人材の掘り起こしや活用を行っていくことが求められる。
      • 特に、労働者自身の希望を踏まえたシニア人材の活用が重要であり、企業は労働者のエンゲージメントを高めながらミドル人材育成や再雇用者の活用について戦略的に取り組んでいくことが求められる。なお、事業者は、その際、実施可能な高齢者労働災害防止対策に積極的に取り組むよう努めることが求められる。
      • 社会全体においても、シルバー人材センター等を通じた多様な就労機会の提供や、地域の「小さな仕事」の紹介などを通じ、希望する高齢者が活躍できる環境整備を行っていくことが重要。
    • 性別に関わらず希望する働き方が実現できる環境整備
      • これまで育児休業等の両立支援制度の拡充を行ってきたが、制度整備だけでなく、男女共に実際に制度活用が行える環境整備が必要。特に、女性の希望する働き方の実現について、企業は、自社内での性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)やマミートラックを解消するため、女性管理職比率や男女の賃金差異といった指標でモニタリングする他、自社内での小さな労使コミュニケーション等を活用し、数値に現れない課題について洗い出しを行うことが重要である。企業内の慣行を変えていくためには、経営層の意識改革も重要であり、働き方の改善について経営層がメッセージを打ち出していくことも有用。さらに家庭内での家事負担の偏在が、就労に影響を与える可能性を踏まえ、そうした偏在の改善に向けた機運醸成が望まれる。
      • また、女性が特有の健康課題にも配慮した職場を実現していくことも今後重要となる。特に、管理層が女性の健康課題について理解を深め、フェムテック等を活用しながら必要な業務上の配慮を行うことが求められている。企業自身が、女性社員への配慮を十分に行うことは、企業価値を高めることに繋がる他、優秀な人材の獲得にも繋がることが期待される。
    • 個々の事情を乗り越えた労働参加に向けて
      • 就職を希望しているものの一歩を踏み出せない人への対応も重要である。特に、育児・介護等によって職場を離れていた期間が長い方については、これまでのスキル・経験の棚卸し、言語化ができるよう、キャリアコンサルタントによる伴走型の支援を行っていくことが求められる。
      • 生活の困窮、障害、雇用環境が厳しい時代に就職活動を行ったなど、特に手厚い支援を行う必要がある事情の方々には、自治体・NPO等と連携しながら、ハローワークによるアウトリーチも含めた伴走型支援を展開していくことが重要。
      • 就業を望む労働者が労働参加やより長い時間の就業を躊躇することがないよう、引き続きセーフティネットの在り方について、雇用に中立的な在り方から総合的に検討を進めていくことが必要。
    • 地域の人材不足への対応
      • 地域の人手不足対策は、地域の実情にあった処方箋をしていくことが重要。特に、人手不足が深刻化する中、雇用創出よりも、働き方改革やDX化の推進により企業の魅力を高めること、マッチングや地域の人材育成へのニーズが高まっている。
      • 人手不足が深刻化する地域では、東京圏をはじめとする都市部への人口集中が高まる中、地方への労働移動、UIJターンの促進を図ることや、テレワーク、副業・兼業などを通じて地域外との仕事のマッチングを図っていくことが求められる。
      • また、女性や高齢者などの潜在的な労働力の掘り起こしが重要であり、その際には、特に地域の中小・中堅企業において、労働条件・柔軟な働き方への対応などを抜本的に行っていくことが求められる。
    • 外国人労働者への対応
      • 人手不足の進展に伴い、幅広い分野において外国人材が活躍をしており、アジア諸国の中においても、日本での就労ニーズの高まりがみられている。適切な労働条件の下、日本が外国人材にとって魅力的な就労環境となるよう、引き続き雇用管理改善に取り組むことが重要。また、外国人材のスキル形成を図ることで、日本の労働市場での活躍はもちろんのこと、母国を戻った後でも日本での経験を用いて活躍できるように支援していくことが重要。
      • 特に、留学生の卒業後の就職・定着を促すため、関係機関、大学及び企業が連携しつつ、将来的なキャリアアップを見据えた支援が求められる。また、外国人材の包摂という観点から、生活支援も含めたサポートの強化が必要。
  • テクノロジーを活用した労働生産性の向上
    • 考え方
      • 足下では、生成AIの活用が進むなど、新たなテクノロジーが雇用にあたえる影響に注目が集まっている。生成AI・AI等の活用は、煩雑な業務から労働者を解放し、ウェルビーイングを高める効果が期待される一方、仕事内容(タスク)が大きく変わることも予想される。変化に取り残される人がないよう対応し、労働生産性向上のため活用を促進していくことが求められる。
    • 労使コミュニケーションの深化
      • 労使コミュニケーションを活性化させ、労使双方の納得感を高めながら、新たな技術の円滑な導入を行うことが重要。
      • 生成AI・AI等の活用促進のため、社内ポータル等を活用した社内コミュニケーションの深化を図ることや、地域単位、産業単位で情報共有の場を設けることで、技術革新等に対応できない企業や労働者を地域全体で支えることが重要。
    • モニタリング及び情報提供/マッチング機能の向上
      • 新たなテクノロジーの進展により、求められるスキル・タスクが大きく変わる可能性がある。政府はこうした変化を把握するとともに、job tag等において、職業に求められる知識・スキルなどについて広く情報提供を行うことが必要。
      • 技術変化に合わせて、外部労働市場のマッチング機能の向上が必要となる。ハローワークの就労支援機能の充実と、民間人材ビジネス等におけるHRテクノロジーを活用したサービス機能の向上等が期待される。
    • キャリア形成支援・職業訓練の充実
      • 技術変化に即した企業内での人材育成を強化していくと共に、労働者による自律的なキャリア形成を支援することが重要。
      • 加えて、産業界のニーズを踏まえた公的職業訓練の充実、デジタル人材育成のための「実践の場」開拓モデル事業、専門実践教育訓練給付における職業能力向上に資するAIを含むデジタル関係講座の拡大、人材開発支援助成金の活用促進、デジタルスキル標準等の速やかな更新等を通じて、デジタル人材の育成を推し進めていくことが重要。
    • ウェルビーイングの実現に向けたAIの活用促進
      • 生成AI・AI等についての高度な知識・スキルを有していない労働者であっても活用できるよう、ユーザーフレンドリーなユーザーインターフェースが今後開発されていくことが期待される。
      • 生成AI・AI等の効果的な活用が、社会全体で進むよう、生成AI・AI等の活用についての好事例を収集し、横展開していくことが重要。その際、AI等に関する各国の規制状況についても合わせて把握していくことが求められる。
    • テクノロジーに代替されないスキルの深化
      • 労使でのコミュニケーションを通じて、どのようなタスクを人間が担えば付加価値が高いのか、またどのようなタスクをテクノロジーが担えば効率的になるのかを日々検討し、人間が担う付加価値が高いスキル・タスクの深化を図っていくことが求められる。
  • 労働市場におけるインフラ整備等
    • 考え方
      • 社会経済情勢が目まぐるしく変化する中、同一企業内でのキャリア形成に加えて、自身が置かれた状況に応じて、企業外も含めた自律的なキャリア形成を行っていくことが可能な環境整備が求められる。
    • 労働市場の見える化
      • 自身の希望に合わせて職探しや職場探しが円滑に行えるよう、自身にあった職業をみつけられるjob tagや個々の企業の特徴がわかる「しょくばらぼ」といったデータベースの拡充・整備が求められる。
      • 特に、求職者は、ハローワークだけでなく、民間人材紹介ビジネスなど、様々なチャネルを活用した求職活動を行っていることを踏まえ、官民連携した労働市場の情報整備・公開が求められる。その際、職業能力検定等を活用した、キャリアラダーの構築についても検討を進めることが重要。
    • 人的資本投資
      • キャリア形成支援と合わせて、人的資本投資の機会の充実が求められる。企業は、社員の自律的なキャリア形成を支援し、かつ労働生産性の向上を図っていくために、研修プログラムを充実させていくことが望まれる。特に、中小企業では、自社内での研修プログラムを充実させつつ、人材開発支援助成金を活用しながら研修を実施していくことや、産業雇用安定センターを通じた在籍型出向を通じた越境学習を行える環境を整備することが求められる。
      • 企業外においても個人が自律的に学び直しができるよう、教育訓練給付の充実や求職者支援制度の活用促進等を行うことが求められる。
      • 労働者が職場選びの際に、自身のキャリア形成に有用な人的資本投資を行う企業かどうかわかるように、人的資本投資についての情報が広く開示されることが望まれる。
    • キャリア形成支援
      • 企業内でのキャリア形成では、企業側の人材配置戦略と労働者の希望するキャリアの擦り合わせが重要であり、労働者の希望に添った人材配置を行うことが望まれる。また、1on1の実施や労使・労労コミュニケーション、企業内キャリアコンサルティングの活用促進などを図ることで、離職(Exit)ではなく発言(Voice)を行える取組が重要である。
      • さらに、企業内での自律的なキャリア形成と企業側の人材配置を両立していく一つの方策として、職務を明確化した上での、社内公募制の活用等も考えられる。その際には、キャリアを見据えた学び直しの機会の提供なども重要となってくる。
      • 技術変化に即した企業内での人材育成を強化していくと共に、労働者による自律的なキャリア形成を支援することが重要。【再掲】
      • 加えて、産業界のニーズを踏まえた公的職業訓練の充実、デジタル人材育成のための「実践の場」開拓モデル事業、専門実践教育訓練給付における職業能力向上に資するAIを含むデジタル関係講座の拡大、人材開発支援助成金の活用促進、デジタルスキル標準等の速やかな更新等を通じて、デジタル人材の育成を推し進めていくことが重要。【再掲】
      • 企業外も含めたキャリア形成では、例えば、キャリア形成・学び直し支援センターやハローワークでのキャリア相談等の活用を通じ、労働者がキャリアの棚卸しができる機会の充実が求められる。
      • 就職を希望しているものの一歩を踏み出せない人への対応も重要である。特に、育児・介護等によってブランクが長い方については、家事・育児等も含めたこれまでのスキル・経験の棚卸し、言語化ができるよう、キャリアコンサルタントによる伴走型の支援を行っていくことが求められる。【再掲】

厚生労働省 第213回国会(令和6年常会)提出法律案
▼ 生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案(令和6年2月9日提出)概要
  • 単身高齢者世帯の増加等を踏まえ、住宅確保が困難な者への安定的な居住の確保の支援や、生活保護世帯の子どもへの支援の充実等を通じて、生活困窮者等の自立の更なる促進を図るため、(1)居住支援の強化のための措置、(2)子どもの貧困への対応のための措置、(3)支援関係機関の連携強化等の措置を講ずる。
    1. 居住支援の強化のための措置【生活困窮者自立支援法、生活保護法、社会福祉法】
      1. 住宅確保が困難な者への自治体による居住に関する相談支援等を明確化し、入居時から入居中、そして退居時までの一貫した居住支援を強化する。(生活困窮者自立相談支援事業、重層的支援体制整備事業)
      2. 見守り等の支援の実施を自治体の努力義務とするなど、地域居住支援事業等の強化を図り、地域での安定した生活を支援する。
      3. 家賃が低廉な住宅等への転居により安定した生活環境が実現するよう、生活困窮者住居確保給付金の支給対象者の範囲を拡大する。
      4. 無料低額宿泊所に係る事前届出の実効性を確保する方策として、無届の疑いがある施設に係る市町村から都道府県への通知の努力義務の規定を設けるとともに、届出義務違反への罰則を設ける。
    2. 子どもの貧困への対応のための措置【生活保護法】
      1. 生活保護世帯の子ども及び保護者に対し、訪問等により学習・生活環境の改善、奨学金の活用等に関する情報提供や助言を行うための事業を法定化し、生活保護世帯の子どもの将来的な自立に向け、早期から支援につながる仕組みを整備する。
      2. 生活保護世帯の子どもが高等学校等を卒業後、就職して自立する場合に、新生活の立ち上げ費用に充てるための一時金を支給することとし、生活基盤の確立に向けた自立支援を図る。
    3. 支援関係機関の連携強化等の措置【生活困窮者自立支援法、生活保護法】
      1. 就労準備支援、家計改善支援の全国的な実施を強化する観点から、生活困窮者への家計改善支援事業についての国庫補助率の引上げ、生活保護受給者向け事業の法定化等を行う。
      2. 生活困窮者に就労準備支援・家計改善支援・居住支援を行う事業について、新たに生活保護受給者も利用できる仕組みを創設し、両制度の連携を強化する。
      3. 多様で複雑な課題を有するケースへの対応力強化のため、関係機関間で情報交換や支援体制の検討を行う会議体の設置(※)を図る。※生活困窮者向けの支援会議の設置の努力義務化や、生活保護受給者の支援に関する会議体の設置規定の創設など
      4. 医療扶助や健康管理支援事業について、都道府県が広域的観点からデータ分析等を行い、市町村への情報提供を行う仕組み(努力義務)を創設し、医療扶助の適正化や健康管理支援事業の効果的な実施等を促進する。
      5. 単身高齢者世帯の増加等を踏まえ、住宅確保が困難な者への安定的な居住の確保の支援や、生活保護世帯の子どもへの支援の充実等を通じて、生活困窮者等の自立の更なる促進を図るため、(1)居住支援の強化のための措置、(2)子どもの貧困への対応のための措置、(3)支援関係機関の連携強化等の措置を講ずる。
  • 施行期日
    • 令和7年4月1日(ただし、2②は公布日(※)、2①は令和6年10月1日)※2②は令和6年1月1日から遡及適用する
▼ 雇用保険法等の一部を改正する法律案(令和6年2月9日提出)概要
  • 多様な働き方を効果的に支える雇用のセーフティネットの構築、「人への投資」の強化等のため、雇用保険の対象拡大、教育訓練やリ・スキリング支援の充実、育児休業給付に係る安定的な財政運営の確保等の措置を講ずる。
    1. 雇用保険の適用拡大【雇用保険法、職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律】
      • 雇用保険の被保険者の要件のうち、週所定労働時間を「20時間以上」から「10時間以上」に変更し、適用対象を拡大する(※1)。※1 これにより雇用保険の被保険者及び受給資格者となる者については、求職者支援制度の支援対象から除外しない。
    2. 教育訓練やリ・スキリング支援の充実【雇用保険法、特別会計に関する法律】
      1. 自己都合で退職した者が、雇用の安定・就職の促進に必要な職業に関する教育訓練等を自ら受けた場合には、給付制限をせず、雇用保険の基本手当を受給できるようにする(※2)。※2 自己都合で退職した者については、給付制限期間を原則2か月としているが、1か月に短縮する(通達)。
      2. 教育訓練給付金について、訓練効果を高めるためのインセンティブ強化のため、雇用保険から支給される給付率を受講費用の最大70%から80%に引き上げる(※3)。※3 教育訓練受講による賃金増加や資格取得等を要件とした追加給付(10%)を新たに創設する(省令)。
      3. 自発的な能力開発のため、被保険者が在職中に教育訓練のための休暇を取得した場合に、その期間中の生活を支えるため、基本手当に相当する新たな給付金を創設する。
    3. 育児休業給付に係る安定的な財政運営の確保【雇用保険法、労働保険の保険料の徴収等に関する法律】
      1. 育児休業給付の国庫負担の引下げの暫定措置(※4)を廃止する。※4 本来は給付費の1/8だが、暫定措置で1/80とされている。
      2. 育児休業給付の保険料率を引き上げつつ(0.4%→0.5%)、保険財政の状況に応じて引き下げ(0.5%→0.4%)られるようにする(※5)。※5①・②により、当面の保険料率は現行の0.4%に据え置きつつ、今後の保険財政の悪化に備えて、実際の料率は保険財政の状況に応じて弾力的に調整。
    4. その他雇用保険制度の見直し【雇用保険法】
      • 教育訓練支援給付金の給付率の引下げ(基本手当の80%→60%)及びその暫定措置の令和8年度末までの継続、介護休業給付に係る国庫負担引下げ等の暫定措置の令和8年度末までの継続、就業促進手当の所要の見直し等を実施する。
  • 施行期日
    • 令和7年4月1日(ただし、 3(1)及び4の一部は公布日、2(2)は令和6年10月1日、 2(3)は令和7年10月1日、1は令和10年10月1日)
▼ 再生医療等の安全性の確保等に関する法律及び臨床研究法の一部を改正する法律案(令和6年3月5日提出)概要
  • 昨今の技術革新等を踏まえ、先端的な医療技術の研究及び安全な提供の基盤を整備し、その更なる推進を図るため、再生医療等安全性確保法の対象拡大及び再生医療等の提供基盤の整備、臨床研究法の特定臨床研究等の範囲の見直し等の措置を講ずる。
    1. 再生医療等安全性確保法の対象拡大及び再生医療等の提供基盤の整備【再生医療等安全性確保法】
      1. 細胞加工物を用いない遺伝子治療(※1)等は、現在対象となっている細胞加工物(※2)を用いる再生医療等と同様に感染症の伝播等のリスクがあるため、対象に追加して提供基準の遵守等を義務付けることで、迅速かつ安全な提供及び普及の促進を図る。※1 細胞加工物を用いない遺伝子治療:人の疾病の治療を目的として、人の体内で遺伝子の導入や改変を行うこと。※2 細胞加工物:人又は動物の細胞に培養等の加工を行ったもの。
      2. 再生医療等の提供計画を審査する厚生労働大臣の認定を受けた委員会(認定再生医療等委員会)の設置者に関する立入検査や欠格事由の規定を整備することにより、審査の公正な実施を確保し、再生医療等の提供基盤を整備する。
    2. 臨床研究法の特定臨床研究等の範囲の見直し等【臨床研究法、再生医療等安全性確保法】
      1. 医薬品等の適応外使用(※3)について、薬事承認済みの用法等による場合とリスクが同程度以下の場合には臨床研究法の特定臨床研究及び再生医療等安全性確保法の再生医療等から除外することにより、研究等の円滑な実施を推進する。※3 薬事承認された医薬品等を承認された用法等と異なる用法等で使用すること(がんや小児領域の研究に多い。)
      2. 通常の医療の提供として使用された医薬品等の有効性等について研究する目的で、研究対象者に著しい負担を与える検査等を行う場合は、その研究について、臨床研究法の対象となる旨を明確化することにより、研究対象者の適切な保護を図る。
  • 施行期日
    • 公布の日から起算して1年以内において政令で定める日

厚生労働省 令和6年度「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンを全国で実施します~学生アルバイトのトラブル防止のために~
  • 厚生労働省では、全国の大学生等を対象として、特に多くの新入学生がアルバイトを始める4月から7月までの間、自らの労働条件の確認を促すことなどを目的としたキャンペーンを実施します。
  • 本キャンペーンは平成27年度から実施しており、本年で10回目となります。
  • キャンペーン期間中、厚生労働省では、大学等での出張相談や、アルバイトを始める前に知っておいてほしいポイントをまとめたリーフレットの配布などを行いますので、これからアルバイトを始める学生のみなさんはもちろん、既にアルバイトをされている方も、この機会にぜひ、ご自身の労働条件を確かめてみてください。
  • キャンペーンの概要
    • 実施期間
      • 令和6年4月1日から7月31日まで
    • 重点的に呼びかける事項
      • 労働条件の明示
      • シフト制労働者の適切な雇用管理
      • 労働時間の適正な把握
      • 商品の強制的な購入の抑止とその代金の賃金からの控除の禁止
      • 労働契約の不履行に対してあらかじめ罰金額を定めることや労働基準法に違反する減給制裁の禁止
    • 主な取組内容
      • 都道府県労働局による大学等への出張相談の実施
      • 都道府県労働局及び労働基準監督署に設置されている総合労働相談コーナーに「若者相談コーナー」を設置し、学生からの相談に重点的に対応
      • 大学等でのリーフレットの配布等による周知・啓発

厚生労働省 3月は「自殺対策強化月間」です~関係府省庁等と連携し、さまざまな取り組みを実施します~
  • 厚生労働省は、3月を「自殺対策強化月間」として、自殺防止に向けた集中的な啓発活動を実施しています。このたび、関係府省庁、自治体、関係団体における、令和5年度の取り組みをまとめましたので公表します。
  • 昨年の自殺者数は、暫定値ではありますが、総数が21,818人、小中高生の自殺者数が507人であり、いずれも高い水準となっています。
  • 自殺対策強化月間では、電話やSNSによる相談支援体制の拡充や、主に中高年層やこども・若者に向けたポスターや動画による相談の呼びかけなど、集中的な啓発活動を実施します。
  • 引き続き、「誰も自殺に追い込まれることのない社会」の実現に向け、自殺対策を推進していきます。
  • また、自殺に関する報道は、その報じ方によっては自殺を誘発する可能性があるため、各メディアの皆様は、WHOの『自殺報道ガイドライン』を踏まえた報道を行っていただくよう、自殺対策へのご協力をお願いします。
  • 各自治体における取り組みをまとめました。
▼ 各自治体における令和5年度自殺対策強化月間の主な取り組み
  • 厚生労働省の広報の取り組みの詳細については、こちらをご確認ください。
▼ 令和5年度の広報の取り組みについて(自殺対策)

厚生労働省 労働基準関係法制研究会 第3回資料
▼ 資料1 労働基準法における「事業」及び「労働者」について
  • プラットフォーム労働における労働条件改善に関する指令案(EU)
    • 欧州委員会は2021年12月、プラットフォーム労働における労働条件を改善し、EUのデジタル労働プラットフォームの持続可能な成長を支援するため、新たな指令案を提案。2023年6月12日、EUの労働社会相理事会で、議長スウェーデンの妥協案の合意が成立。今後、欧州議会との間で、提案者の欧州委員会も含めて協議が行われる予定。(令和5年12月28日時点)
    • 背景1:EUにおけるプラットフォーム労働の急拡大
      • 域内のプラットフォーム経済による収益は約200億€(2020年)
      • EUで500以上のプラットフォームが存在
      • プラットフォームで働く者は2,800万人(推計)。2025年には4,300万人となる見込み
    • 背景2:従事者の雇用地位の実態
      • 大半は本来の自営業者とみられる
      • 他方で、550万人(約2割)は労働者の可能性
      • 雇用上の地位をめぐり、加盟国で多数の訴訟が発生
    • 指令案の目的
      • プラットフォーム労働従事者に対する正しい雇用上の地位と権利の保障
      • アルゴリズム管理(※)の公平性・透明性・説明責任の確保 ※電子的手段等の自動化されたシステムを使用して、労働の遂行の監視や、労働成果の質の評価等の管理を行う仕組み
      • プラットフォーム労働の透明性・トレーサビリティの確保、法執行の改善
        • ※電子的手段等の自動化されたシステムを使用して、労働の遂行の監視や、労働成果の質の評価等の管理を行う仕組み
    • 基準による雇用関係の法的推定
      • プラットフォーム労働について、以下の判断基準を設定。このうち少なくとも3つを満たす場合、雇用関係があることが法的に推定。
        • デジタル労働PFが報酬の水準の上限を設定
        • デジタル労働PFがプラットフォーム労働遂行者に対し、出席、サービス受領者に対する行為又は労働の遂行に関して、特定の規則を尊重するように要求
        • デジタル労働PFが電子的手段を用いることも含め、労働の遂行を監督
        • デジタル労働PFが、制裁を通じても含め、労働時間や休業期間を選択する裁量を制限
        • デジタル労働PFが、制裁を通じても含め、課業を受諾するか拒否するかの裁量を制限
        • デジタル労働PFが、制裁を通じても含め、再受託者や代替者を使うかの裁量を制限
        • デジタル労働PFが、顧客基盤を構築したり、第三者のために労働を遂行したりする可能性を制限
      • 当該労働者は、雇用上の地位・社会保護の権利が保障される。
        • 【例】(1)最低賃金、(2)労働時間規制、有給休暇、(3)安全衛生措置、(4)失業給付、傷病手当、(5)産休・育休、(6)年金、(7)労災補償
      • 法的推定に異議がある場合、挙証責任はプラットフォーム側に課される。
    • 自動的なモニタリング又は意思決定システムによる管理
      • アルゴリズム管理による監視・評価・決定内容の事前説明・提供
      • アルゴリズム管理を監視する人員の配置
      • アルゴリズム管理による決定に対する異議申立てが可能
    • プラットフォーム透明性の改善による法執行の確保
      • (雇用関係にある場合)プラットフォームは雇用主として加盟国当局へ就労届等を申告、労働者数、契約上・雇用上の地位、契約条件等の必要な情報を適用するように義務付け(原則6箇月ごと)
  • 家事使用人の雇用ガイドライン(2024(令和6)年2月8日策定)
    • 作成趣旨・目的
      • 家事労働に従事する家事使用人は、労働契約法の適用は受けるが、労働基準法の適用を受けないことや、業務内容や就業時間などの基本的な内容が不明確であるため契約をめぐるトラブルが発生するケースが見られること、また、就業中のケガに対する補償が十分ではないことなどの問題が指摘されている。
      • こうした状況を踏まえ、家事使用人の労働契約の条件の明確化・適正化・適正な就業環境の確保などについて必要な事項を示すガイドラインを作成。
    • ガイドラインの主な内容
      • 労働契約の条件の明確化
        • 雇用主は、家事使用人と話し合った上で以下のような労働契約の条件(主なもの)を明確にすること 等
        • 雇用主の情報、就業場所、労働契約の期間、試用期間、業務の内容、就業時間・休憩時間、報酬等、退職に関する事項、休日・休暇
      • 労働契約の条件の適正化
        • 報酬:仕事の難易度や家事使用人の能力などを考慮し、最低賃金を下回るような水準とならないように設定すること 等
        • 就業時間:1日8時間、1週40時間を上限。過重労働への配慮をすること 等
        • 労働契約の期間:労働契約の期間を定める場合は、長くとも3年以内とすることが望ましいこと 等
        • 労働契約の条件の変更:家事使用人との合意が必要。変更する内容と必要性を説明し、十分話し合うこと 等
        • 家事使用人が行うことができる業務:家事使用人に行ってもらう仕事やその水準についてお互いに確認し、仕事で求める水準を合意した上で、仕事の範囲を明確にすること 等
      • 適正な就業環境の確保
        • 雇用主は、家事使用人が業務を行う上で不安に感じることがないよう、就業環境について労働契約締結前・締結後で話し合いの場を設けること
        • 就業時間の管理:始業・就業時刻の記録や管理 等
        • 就業場所の管理:危険な場所で作業をさせないこと、空調管理 等
        • 適切な業務内容と業務量:あらかじめ決めた業務内容の範囲を超えないよう気をつけること 等
        • 介護保険サービスとしての訪問介護と組み合わせて利用する場合の留意点:サービス内容や時間の区分、過重労働への配慮 等
        • 家事使用人からの相談や苦情を受ける担当者の明確化と解決
        • 就業環境に関する留意事項:セクハラ・パワハラは絶対に許されないこと 等
      • 保険の加入状況の確認
        • 雇用主は、家事使用人または家政婦(夫)紹介所に対して、どのような保険に加入しているのか事前に確認し、万が一の場合に備えておくこと
        • 損害保険加入の有無 就業先または第三者に対して、業務に関連して損害を与えた場合に備えるための保険
        • 災害補償保険(労災保険の特別加入を含む)の加入の有無業務が原因となって、自身がケガや病気をした場合に備えるための保険

【国土交通省】

【2024年5月】

国土交通省 株式会社IHI原動機による舶用エンジン等の燃料消費率に関するデータ改ざん事案について
  • 本日、株式会社IHI原動機及び親会社の株式会社IHIより、IHI原動機が製造する舶用エンジン等について、試運転時に行う燃料消費率の測定において、データが改ざんされるという不適切行為があった旨の報告を受けました。
  • このような事態は、ユーザーからの信頼を損なう行為であり、また、船舶の環境・安全性能の確保の観点からも極めて遺憾です。
  • 国土交通省としては、両社に対して、事実関係の詳細な調査及び再発防止策の検討を実施し、速やかに報告するよう指示しました。
  • 引き続き、両社を指導し、船舶の環境・安全性能の確保と再発防止の徹底について、厳正に対処してまいります。
  • IHI原動機及びIHIからの報告概要
    • 舶用エンジンの組立完了後に行う試運転において、実際に測定された燃料消費率(以下「実測値」という。)とは異なる数値を工場試験成績書に記載していた。詳細は以下の通り。
      • 2003年以降に出荷した国内向け舶用エンジン(1,938台)のうち、1,594台において工場試験成績書における燃料消費率のデータ改ざんが行われていた。
      • このようなデータ改ざんにより、796台において実測値が顧客との間の仕様値を満たさないものとなっていた。
      • 実測値を用いたNOx排出量に関する規制の適合性については確認中であるが、海外向けの舶用エンジンで基準を逸脱している恐れのある事例が確認された。
    • 原因究明や再発防止策の策定等を進めるため、外部有識者を中心とした特別調査委員会を設置する。
  • 国土交通省の対応
    • 舶用エンジンの不適切行為に対する国土交通省の対応は以下の通り。
      • 両社の報告を踏まえて、以下の通り両社に指示を行うとともに、今後国土交通省が行う調査を踏まえNOx規制に係る規則の遵守が確認されるまでの間、IHI原動機に対する関連証書の交付は行わない旨を伝達した。
      • 2003年以前の不適切行為の確認も含めた全容の解明と再発防止策を策定すること。それに向けて、まず5月末までにその時点までに判明・措置した事項について報告すること。
      • 関係事業者への丁寧な説明や対応に努めること。
      • 不適切行為のあったエンジンを搭載している船舶について他の関係規則への適合に影響する可能性があるかどうかを確認すること。
    • 他の舶用エンジンメーカーに対して、環境・安全に関する規則遵守の徹底と適切な業務運営に関する注意喚起を行った。
    • 今後、IHI原動機に対し、速やかに調査を実施し、事実確認を行った上で、厳正に対応する。

国土交通省 「地域公共交通計画」の実質化に向けた検討会 中間とりまとめについて~モビリティ・データを活用した、無理なく、難しくなく、実のある計画に向けたアップデート~
  • 国土交通省では、「地域公共交通計画」(令和6年3月現在、全国1021件)について、令和5年12月より「地域公共交通計画の実質化に向けた検討会」(座長:中村文彦・東京大学大学院教授)において、同計画に係る課題整理や官民関係者が取り組むべき事項の検討をいただいてまいりました。この度、中間とりまとめが行われましたので、公表します。
  • 中間とりまとめ 概要
    • 地域交通は、長期的な需要の減少や運転者等の人手不足により、多くの地域で深刻な状況にあり、「地域公共交通計画」には、司令塔機能やデータ活用の強化・拡張など、実質化に向けたアップデートが必要。
    • 2027年までにトップランナー100を創出。現行の地域公共交通計画が更新期を迎える
    • 2030年頃までに地方都市を中心に全自治体におけるアップデート※を推奨 ※今後、国が提案するアップデートのガイダンスに沿った改訂等
    • 地域公共交通計画のアップデートに向け、市町村による以下の取組を推奨。
      • モデルアーキテクチャ(標準構造)に基づく計画
        • 「公共交通軸の充実・保証」、「移動制約者(高齢者・こども等)の足の確保」の2大目標の設定等の『シンプルで一貫性ある構成への見直し』や『適材適所の施策・事業の集中展開』、『具体的なPDCAスケジュールの設定』
      • 機動的・横断的な実行体制
        • 自治体・交通事業者等による信頼とデータに基づく『モニタリングチームの組成』、『多様な関係者の実質的参画』、『専門人材の確保・育成』
      • モビリティ・データの利活用
        • 自治体、交通事業者等の間で共有の目的・範囲・条件等を明確化した『データ共有体制の確立』、『他分野データの活用』、『データも活用した計画策定・実行』
        • 都道府県においては、以下の観点から、市町村の牽引・伴走を期待。
          • ヒト&プレイス(人材育成、ネットワーキングの場)
          • データ(データ共有枠組みの構築)
          • リ・デザイン(実証運行、新技術等を先導)
        • 国においては、「アップデート・ガイダンスの提供」、「ポータルサイトの整備」、「対話型支援」、「官民デジタル化」、「専門人材の確保・養成」の5つの施策により、各地における地域公共交通計画のアップデートを推進。
▼ 中間とリまとめ本文等

【2024年4月】

国土交通省 令和7年4月1日から省エネ基準適合の全面義務化や構造関係規定の見直しなどが施行されます!!
  • 令和4年6月に公布された「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第69号)」の施行期日を定める政令及び施行に必要な規定の整備等を行う政令が、本日、閣議決定されました。
  • 背景
    • 令和4年6月、建築物の省エネ性能の一層の向上を図る対策の抜本的な強化等のための「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」(以下「改正法」という。)が公布されました。改正法においては、原則全ての新築住宅・非住宅への省エネ基準適合の義務付け、構造規制の合理化などに係る規定について、公布の日から3年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとされています。
    • 今般、これら規定の施行期日を定めるとともに、施行に必要な政令の整備を行います。
  • 政令の概要
    1. 脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令
      • 令和7年4月1日から施行することとする。
    2. 脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令
      • 省エネ基準への適合を求めない建築の規模を、床面積が10㎡以下の建築物の建築とする(建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律施行令関係)。
      • 建築物における省エネ基準への適合義務の対象拡大に関連して、高い断熱性能を有する、太陽光パネルを備えるなど、様々な仕様の木造建築物が増えることを踏まえ、建築物の仕様等に応じて求める「柱の太さや壁の量」等に係る構造関係規定を整備する(具体的な内容は告示に委任)(建築基準法施行令関係)。
      • その他、都道府県と市町村における建築主事の事務の整理を行う等、所要の改正を行う(建築基準法施行令等関係)。
  • スケジュール
    • 公布:令和6年4月19日(金)
    • 施行:令和7年4月 1日(火)

国土交通省 公共工事の施工体制の点検結果を公表します!~令和5年度公共工事の施工体制の全国一斉点検の結果~
  • 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に基づき、国土交通省直轄工事を対象に「公共工事の施工体制の全国一斉点検」を実施した結果、多くの工事において適切な施工体制が確保されていることが分かりましたのでお知らせします。
  • 背景
    • 公共工事を適切に実施するためには、点検等を通じて施工体制を適正なものとすることが重要であることから、国土交通省では平成14年度から毎年直轄工事を対象に「公共工事の施工体制の全国一斉点検」を実施しており、令和5年度も10月から12月に稼働している550件の直轄工事を対象に実施しました。
  • 点検結果の概要
    • 点検(1)
      • 主任技術者・監理技術者に関する点検
      • 理技術者・主任技術者の専任配置について、全て適切に配置されていることを確認しました。また、建設業法改正に伴い令和2年度から技士補の配置に関しても、適切に配置されていることを確認しました。
    • 点検(2)
      • 下請負人との契約や支払いに関する点検 点検した全ての工事において、元請負人が建設業許可を受けている適切な下請負人と契約していることを確認しました。一方で、下請との工事契約内容で指摘事項が見られました。
    • 点検(3)
      • 施工体制台帳に関する点検 点検した全ての工事において、施工体制台帳が作成されていることが確認できました。一方で、施工体制台帳に記載すべき内容の未記入により不備となった工事があり、改善を行っています。
    • 点検(4)
      • 下請負人への点検 下請負人の主任技術者資格については、点検した全ての工事において、適正に配置されていることを確認しました。また、元請負人と下請負人との資機材の取引については、点検した全ての工事において適正に取引されていることを確認しました。

国土交通省 グリーンスローモビリティの車両導入を支援します!~グリーンスローモビリティ導入促進事業の追加公募について~
  • 環境への負荷が少なく、狭い路地も通行可能で、高齢者の移動手段の確保や観光客の周遊に資する新たなモビリティとして期待されているグリーンスローモビリティの車両導入補助事業について、執行団体である一般社団法人地域循環共生社会連携協会から追加公募が開始されますので、お知らせします。 ※環境省の令和5年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(地域の公共交通×脱炭素化移行促進事業)のうち、
  • グリーンスローモビリティ導入促進事業の一環として、環境省と国土交通省が連携して行います。
  • 概要
    • 本事業は、地域交通の脱炭素化と地域課題の同時解決を目的として、グリーンスローモビリティ(時速20km未満で公道を走ることができる電動車を活用した小さな移動サービス)の導入を、環境省と国土交通省が連携して支援するものです。
  • 公募期間
    • 令和6年4月8日(月)~同年5月10日(金)まで(17時必着)

国土交通省 「道の駅」の機能強化にコンテナ活用へ~「道の駅」における高付加価値コンテナ活用ガイドラインを策定~
  • 国土交通省では、平常時の地域活性化や災害時の防災機能の強化を狙いとした高付加価値コンテナ(※)の活用に向け、その特徴や活用用途のイメージ、設置や移動の留意点をとりまとめたガイドラインを策定しました。 ※ 高付加価値コンテナとは、本ガイドラインにおいて、運用場所を柔軟に変更できるよう可動性を備え、従来の活用方法を超えた新たな価値を付加し、平常時・災害時に有効活用できる空間としてのコンテナとして定義するもの。
  • 能登半島地震では、被災地支援として可動式のコンテナが多く活用されましたが、こうしたコンテナを「道の駅」において活用することで、平常時には「道の駅」のサービス向上や個別課題の解決、災害時には機動的な災害支援のための有効な手段となることが期待されます。
  • 本ガイドラインは国土交通省ホームページ(以下)にて公表しております。
▼ 「道の駅」における高付加価値コンテナ活用ガイドライン

国土交通省 G7交通大臣会合の結果について
  • G7交通大臣会合の結果について
    • 4月11日~13日、イタリア・ミラノにおいてG7交通大臣会合が行われ、我が国からは斉藤国土交通大臣が出席しました。
    • 会合では、「交通の未来~不確実な世界での連結性の確保~」をテーマに、ショックへの耐性がある交通、海上における連結性、ウクライナとの連携について活発な議論を行いました。
    • その結果、強靱な交通の実現につながる「交通サプライチェーンに関するG7ワーキンググループ」を設置すること、ホーシー派による紅海等における行動を強く非難すること、G7がウクライナを継続的に支援すること等を内容とするG7交通大臣宣言を発することを合意しました。
    • また、会合において、斉藤大臣からは、昨年のG7三重・伊勢志摩交通大臣会合で作成を合意した、「全ての地域で誰もがアクセス可能な交通の提供に関するG7各国の政策集」を発表しました。
    • 結果概要
      • 特別セッション:ウクライナとの連携
        • G7が、ロシアの侵略を最も強い言葉で非難すると共に、様々な枠組みにおいてウクライナを支援していくことを合意しました。
        • 我が国は、本年2月に東京で開催された「日・ウクライナ経済復興推進会議」において締結された国土交通省とウクライナの地方・国土・インフラ発展省の「インフラ復旧・復興に関する協力覚書」に基づき、事務レベルで打ち合わせを開始しており、引き続きウクライナの復興を支援していくこと等を発表しました。
      • セッション1:ショックへの耐性がある交通
        • G7が、地政学的衝突、パンデミック、サイバー攻撃、気候変動等の混乱に対して強靱な交通を実現するため、各国がそれぞれの知見を共有すると共に、昨年の大臣宣言において検討を合意した「交通サプライチェーンに関するG7ワーキンググループ」の設置に合意しました。
        • 我が国は、昨年の大臣宣言において作成を合意した「全ての地域で誰もがアクセス可能な交通の提供に関するG7政策集」を発表すると共に、本年2月に我が国が主催した「G7バリアフリー実務者会合」を報告しました。また、より一層インクルーシブな交通の実現のため、今年、「ジェンダーと交通に関するセミナー」をITF(国際交通フォーラム)と連携して東京で開催予定であること等を発表しました。
      • セッション2:海上における連結性
        • G7が、ホーシー派による紅海等における行動による各国の影響を共有するとともに、こうした行動を一致して強く非難しました。
        • 我が国は、G7各国とも協調し、船舶及び乗組員の早期解放を実現していきたい旨、船舶の自由かつ安全な航行を阻害するいかなる行為も許容できず、断固非難する旨を発言しました。また、昨年10月に海上保安庁と日本財団が開催した海上保安機関長官級会合について報告し、法の支配、自由で開かれた秩序の維持に貢献していくことを報告しました。
  • 添付資料
    • G7交通大臣宣言
    • 「全ての地域で誰もがアクセス可能な交通の提供に関するG7各国の政策集」について
      • 昨年のG7三重・伊勢志摩交通大臣会合の大臣宣言に基づき、人口が減少する地方を含む全ての地域の人々のアクセスを向上させるため、効率的、持続可能、手頃、公平、利用可能かつ便利な移動方法の提供について解決策を共有し、ベストプラクティスを促すため、今回、日本が中心となって、G7各国の政策をとりまとめ、G7交通大臣会合にて、斉藤大臣より報告及び発表を行いました。本報告書は、各国交通政策当局等の政策立案の際の参考資料となることを想定しています。

国土交通省 令和6年度国土交通省関係予算の配分について
  • 配分方針
    • 令和6年度国土交通省関係予算では、「国民の安全・安心の確保」、「持続的な経済成長の実現」、「個性をいかした地域づくりと分散型国づくり」を3本柱として、令和5年度補正予算と合わせて切れ目なく取組を進めることとしている。
    • また、社会資本整備については、ストック効果の最大化に取り組みつつ、既存施設の計画的な維持管理・更新・利活用を図りながら、上記の3本柱の実現に資する波及効果の大きなプロジェクトを戦略的かつ計画的に展開していく必要がある。
    • 以上のような点を踏まえ、一般公共事業等予算の配分に当たっては、
      • 気候変動による水害や土砂災害の激甚化に対抗する「流域治水」の加速化・強化
      • インフラ老朽化対策等による持続可能なインフラメンテナンスの実現
      • 地域における総合的な防災・減災対策、老朽化対策等に対する集中的支援(防災・安全交付金)
      • 効率的な物流ネットワークの早期整備・活用
      • 国際コンテナ戦略港湾の機能強化
      • 成長の基盤となる社会資本整備の総合的支援(社会資本整備総合交付金)
      • コンパクトでゆとりとにぎわいのあるまちづくりの推進
      • 多様な世帯が安心して暮らせる住宅セーフティネット機能の強化
      • 国民保護・総合的な防衛体制の強化等に資する公共インフラ整備
        などについて、地域の実情や要望、事業の必要性や緊急性に基づき、配分を行う。
    • なお、東日本大震災からの復興関係予算については、「第2期復興・創生期間」における東日本大震災からの復興・再生に向け、復興庁が定める実施に関する計画に従い、着実に執行する。
  • 事業別配分額総括表

国土交通省 電気自動車のバッテリーを長持ちさせるには!?~ 電気自動車の適切な充電方法のポイント等をまとめた動画を公開します ~
  • 電気自動車のバッテリーを長持ちさせるためには、[1]常時満充電にしない、[2]頻繁に急速充電を行わない、[3]長期間充電をせずに放置しないなど、バッテリーの特性を踏まえた適切な充電方法や管理方法を理解することが重要です。
  • 国土交通省では、電気自動車の適切な充電方法やバッテリーの容量不足(電欠)を防ぐポイント等をまとめた動画を作成し、本日YouTube国土交通省公式アカウントに公開します。
  • 電気自動車の適切な充電方法、管理方法のポイント
    • 常時満充電にしない
    • 頻繁に急速充電を行わない
    • 長期間充電せずに放置しない
      • 駆動用バッテリーには寿命があり、充電できる容量が徐々に減少していきます。常時満充電の状態や、必要以上の急速充電の繰り返しは、バッテリーの劣化を早めるおそれがあります。
  • 電欠を防ぐには/電欠になってしまった場合には
    • 電気自動車は、冷暖房の使用や高速走行などにより、電力消費量が大きく変動します。
    • バッテリーの容量不足(電欠)を防ぐには、航続距離等を考慮して、事前に充電スタンドの位置を確認し、余裕を持って充電することが重要です。
    • バッテリーの残量が著しく低下すると、メーター内に警告灯やメッセージが表示されるとともに、出力が制限され、アクセルを踏んでも速度が上がらなくなるので、注意が必要です。
    • 電欠になってしまった場合には、まずは安全な場所に停車して安全を確保しましょう。

国土交通省 「働きやすい職場認証制度」令和5年度認証事業者公表のお知らせ~「三つ星」事業者を初めて認証しました~
  • 自動車運送事業における労働条件や労働環境に対する求職者のイメージ刷新を図り、運転者への就職を促進することを狙いとする、「働きやすい職場認証制度」について、令和5年度に申請のあった認証事業者878社が公表されましたのでお知らせします。
  • また、自動車運送業分野の特定技能制度を活用する際に、本制度の認証を受けることが条件として設定されたことをあわせてお知らせします。
  • 概要
    • 国土交通省では、自動車運送事業(トラック・バス・タクシー事業)の運転者不足に対応する施策の一環として、事業者による職場環境改善の取組を国が認証し「見える化」することにより、自動車運送事業における労働条件や労働環境に対する求職者のイメージ刷新を図り、運転者への就職を促進することを狙いとする「働きやすい職場認証制度」を令和2年度に創設しました。
    • 今般、本制度の認証事務を担う一般財団法人日本海事協会にて、令和5年度申請事業者について審査が完了し、認証事業者として878社(「一つ星」628社、「二つ星」206社、「三つ星」44社)が公表されました。なお今回、制度創設以来初となる「三つ星」の認証も実施しております。今後も本制度の推進を通じて更なる職場環境改善を促進し、自動車運送事業者の安定的な人材確保に繋げてまいります。
    • また、「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針の一部変更について」(令和6年3月29日付閣議決定)により特定技能の在留資格に係る制度に「自動車運送業分野」が追加され、同分野における特定技能所属機関に課される条件として本制度の認証を取得することが設定されました。
  • 認証事業者数(※令和6年4月5日時点)
    • 令和5年度の認証結果を反映した、現在の認証事業者数は以下のとおり。
トラック バス タクシー 合計
一つ星 1,520 194 525 2,239
二つ星 948 142 362 1,452
三つ星 34 3 7 44
合計 2,502 339 894 3,735

国土交通省 第1回「自動車の型式指定に係る不正行為の防止に向けた検討会」を開催します
  • ダイハツ工業等による近年の自動車の型式指定申請における不正事案を踏まえ、メーカーの不正行為を根本から防止するための対策を検討するため、外部有識者を含めた「自動車の型式指定に係る不正行為の防止に向けた検討会」を設置し、第1回「自動車の型式指定に係る不正行為の防止に向けた検討会」を下記のとおり開催します。
  • 自動車の型式指定制度については、過去の不正事案を踏まえ、行政処分や罰則の強化等の対策を実施してきましたが、近年も相次いで自動車メーカー等による型式指定に係る不正行為が明らかとなっており、さらなる不正行為の防止策の検討が必要です。
  • 審査・監査の強化をはじめとした不正行為の抑止、早期発見のための手法等、メーカーの不正行為を根本から防止するための対策について検討する
    • 日時:令和6年4月9日(火)10:30~12:00
    • 場所:中央合同庁舎第3号館8階 特別会議室
    • 議題:近年の不正事案と国土交通省の取組、必要な不正防止策の方向性 等

国土交通省 テレワーカーの割合は減少、出社と組み合わせるハイブリットワークが拡大~令和5年度のテレワーク人口実態調査結果を公表します~
  • 国土交通省では、テレワーク関係府省(内閣官房、内閣府、デジタル庁、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省)と連携して、テレワークの普及促進に取り組んでおり、今後の促進策に役立てることを目的として、「テレワーク人口実態調査」を実施しています。
  • 今年度調査における雇用型テレワーカーの割合は、昨年度調査から1.3ポイント減少し、24.8%となりました。
    • テレワーク実施状況の変化
      • 雇用型就業者のテレワーカー(雇用型テレワーカー)(雇用型就業者のうち、これまでテレワークをしたことがある人)の割合は、全国で24.8%(1.3ポイント減)となった。全国的に減少傾向である一方で、コロナ禍以前よりは高い水準を維持している。特に首都圏では、R4年度調査よりも1.9ポイント減少となったものの約4割の水準を維持している。
      • コロナ禍以降の直近1年間のテレワーク実施率(雇用型就業者のうち、各調査年度において直近1年間にテレワークを実施しているテレワーカーの割合)は、全国どの地域においても減少傾向であったが、コロナ流行前よりは高水準であると推測される。
      • テレワーク実施頻度については、直近1年間のうちにテレワークを実施した雇用型テレワーカーにおいては、週1~4日テレワークを実施する割合が増えており、コロナ禍を経て出社とテレワークを組み合わせるハイブリッドワークが拡大傾向にあると言える。
    • テレワークは生活満足度を上げるのか下げるのか
      • テレワーク普及による個人や社会への影響について、よい影響としては、「通勤の負担が軽減される」といった声が多く、悪い影響としては、「運動不足になる、外出が減る」という声が多くみられた。
      • また、テレワークをするようになってからの生活満足度の変化を東京都市圏(東京都市圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県南部))居住者に質問したところ、約4割が生活全体の満足度が上がったと回答した。個別項目においては、「子育てのしやすさ」や「心の健康」への満足度が上がった割合が約3割と高かった。
    • テレワークが日常の生活行動や都市に与える影響
      • 現在もテレワークを継続している人(東京都市圏居住者(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県南部)のうち、現在も週1日以上テレワークを実施し、東京区部又は業務核都市に勤務するテレワーカー)は、テレワークをするようになってから、食料品・日用品の買い物について、勤務地の近くでの買い物頻度が減少傾向であり、自宅の近くやオンラインでの頻度が増加していることがわかった。
      • そのほかに、食事・飲み会や趣味・娯楽、運動等について同様に調査を行った。その結果、勤務地の近くではどの種類の活動も頻度が減少し、オンラインではすべての活動頻度が増加傾向であることがわかった。また、自宅の近くでは、食料品・日用品の買い物の他に、散歩・運動等の頻度が増加し、食事・飲み会と趣味・娯楽の頻度が減少傾向となった。
▼ 令和5年度テレワーク人口実態調査-調査結果(概要)

国土交通省 令和5年度の流域治水の取組の進展について~令和6年度からの流域治水のさらなる加速化に向けて~
  • 令和5年度においても流域治水の取組が全国で進展しています。令和6年度からの予算制度の拡充や水災害リスクを自分事化し流域治水の取組主体を増やすための取組等、流域治水の現場レベルでの実践をさらに加速化していきます。
  • 流域治水の取組の進捗
    • 一級水系において、指標として見える化した7つの代表的な取組内容が進捗しました。
  • 流域治水に係る予算制度の拡充
    • 令和6年度から、浸水や土砂災害の危険が高い地域における流域対策を一層推進するため、河川、砂防、下水道、まちづくり等のあらゆる分野において流域治水の取組に資する予算制度を拡充します。
  • 特定都市河川の指定拡大
    • 令和5年度には、肱川水系、鳴瀬川水系、高城川水系、石狩川水系、一宮川水系、利根川水系、最上川水系、甲突川水系、新川水系、稲荷川水系及び阿武隈川水系の11水系159河川が特定都市河川に指定され、また、特定都市河川指定等の予定時期を示すロードマップを全国の27水系で公表しました。
  • 水災害リスクを自分事化し、流域治水に取り組む主体を増やすための取組
    • 住民や企業等のあらゆる関係者による、持続的・効果的な流域治水の取組の推進に向け、行政の働きかけに関する普及施策の体系化と行動計画をとりまとめました。この行動計画に基づき、流域治水ロゴマークの決定等の普及施策の取組を進めてきました。今後、更なる水災害リスクの自分事化を図るとともに、流域治水に取り組む主体を増やすための取組を推進していきます。
  • 流域治水における河川環境の保全・創出の取組強化
    • 今後の河川環境施策を着実に進めていくために、令和6年2月から「生物の生息・生育・繁殖の場としてもふさわしい河川整備及び流域全体としての生態系ネットワークのあり方検討会」を開催し、3月に提言案)を公表しました。
      (URL:https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/seitai_network/index.html
  • 土砂災害リスクを踏まえた防災まちづくりの推進
    • 居住誘導区域等における防災まちづくりと連携した砂防関係施設の重点的な整備に向けて、まちづくり連携砂防等事業が新たに逗子市、雲南市、長崎市で開始されました。
  • 関係省庁、流域関係者との連携強化

国土交通省 「復興まちづくりのための事前準備」の着手率、約66%~平時の備えが、いざという時の復興まちづくりを支えます~
  • 国土交通省では、「復興まちづくりのための事前準備ガイドライン」を平成30年7月に公表し、自治体における「復興まちづくりのための事前準備※」の取組を推進しています。 ※地震や津波等で被災した際に早期かつ的確な復興まちづくりを行えるよう、平時から復興まちづくりを想定して、体制や手順、目標の事前検討、訓練の実施等を行うもの
  • 昨年度に引き続き、ガイドラインに基づく復興事前準備の取組状況について、全国の都道府県及び市区町村を対象に実施した調査結果をとりまとめました。
  • 調査結果のポイント
    • 半数以上の自治体が取組に着手。昨年度比+1%の約66%(参考:R4.7時点65%)。
    • 一方で、市町村に対して様々な支援や情報提供を行っている都道府県管内では、83%の市町村が取組に着手しており、都道府県による支援の取組の効果が高い。
    • 復興事前準備の取組についてとりまとめる「事前復興まちづくり計画」について、30自治体が策定済、20自治体が策定作業中、全自治体の21%が策定を検討しており、引き続き「事前復興まちづくり計画策定のためのガイドライン」の周知を通じて、計画策定の推進を図る。
  • 令和6年能登半島地震の発生も踏まえ、被災した際に早期かつ的確な復興まちづくりを行えるよう、事前復興まちづくり計画の策定をはじめとした復興事前準備の取組がますます重要となると考えられることから、今後も、自治体の取組を積極的に推進してまいります。

国土交通省 工期に関する基準の実施を勧告~建設工事の適正な工期の確保をするための基準の見直し~
  • 適正な工期による請負契約の締結を促し、働き方改革を促進するため、中央建設業審議会において工期に関する基準を改定し、その実施が勧告されました。
  • 背景
    • 工期に関する基準は、適正な工期による請負契約の締結を促し、働き方改革を促進するため、令和2年7月20日に開催された中央建設業審議会での内容の審議を経て、作成・勧告されました。
    • 今般、令和6年4月から、建設業においても罰則付き時間外労働規制が適用されることも踏まえ、規制の遵守の徹底を図るべく、工期に関する基準の見直しについて、令和6年3月27日に開催された中央建設業審議会で審議され、同日その実施が勧告されました。
  • 基準の概要
    • 今回の改定の主な内容は以下のとおりです。
      • 工期設定における受発注者の責務について
        • 変更契約時も含め、本基準を踏まえた適正な工期設定の必要性を明記・受注者において、契約締結前又は変更契約が必要となる際に、時間外労働規制を遵守した適正な工期が確保された見積りを提出することを努力義務として位置づけ
        • 受発注者間のパートナーシップの意義を記載
        • 発注者において、受注者やその下請負人が時間外労働規制を遵守できる工期設定への協力及び当該規制への違反を助長しないよう留意する旨を記載(元下間も同様)
        • 発注者において、受注者から契約締結前又は変更契約が必要となる際に、時間外労働規制を遵守した適正な工期が確保された見積りが提出された場合、内容を確認し、尊重する旨を記載
      • 工期全般・工程別に考慮する事項について
        • 技能労働者やオペレーターの移動時間等も労働時間に含まれうる旨や、運送業者が物品納入に要する時間等を考慮する必要性を追記
        • 自然要因として、猛暑日における不稼働に関する内容を追記
        • 工期確保や交代勤務制の実施、労働者確保等に必要な経費を請負代金の額に適正に反映させる必要性を明記
        • 有効な取組例として、勤務間インターバル制度の導入に関して記載

国土交通省 公共交通機関の「移動等円滑化整備ガイドライン」等を改訂しました
  • 国土交通省では、公共交通機関における高齢者、障害者等の更なる移動等の円滑化を進めるため、「移動等円滑化整備ガイドライン」、「接遇ガイドライン」及び「接遇研修モデルプログラム」を改訂しました。
  • 国土交通省では、高齢者、障害者等をはじめとした多様な利用者の多彩なニーズに応えることができるよう、旅客施設及び車両等の整備及びそれらを使用した役務の提供の方法のあり方を具体的に示した「公共交通機関の旅客施設・車両等・役務の提供に関する移動等円滑化整備ガイドライン」(以下「公共交通機関の移動等円滑化整備ガイドライン」という。)を公表しています。この度、学識経験者、障害当事者、公共交通事業者等で構成する検討会での議論等を踏まえ、「公共交通機関の移動等円滑化整備ガイドライン」を改訂しました。
  • また、公共交通機関における一定水準の接遇を全国的に確保し、障害のある人等への接遇を的確に行うことで、高齢者、障害者等の移動等の円滑化を推進するため、公共交通事業者による研修の充実及び適切な接遇の実施を推進するための指針となる「公共交通事業者に向けた接遇ガイドライン、同ガイドライン(認知症の人編)」及び「接遇研修モデルプログラム(改訂版)」を改訂しました。
  • 【主な改訂内容】
    • 公共交通機関の移動等円滑化整備ガイドライン
      • 障害者差別解消法改正を踏まえた国土交通省所管事業における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針の改正内容の反映
      • 障害者のための国際シンボルマーク(いわゆる車椅子マーク)の表現の見直し
    • 公共交通事業者に向けた接遇ガイドライン等
      • 障害者差別解消法改正に伴う関係記載の見直し
      • 多機能トイレ等からバリアフリートイレ等への表現の見直し

【2024年3月】

国土交通省 「流域治水」ロゴマークを決定しました~ 流域のみんなが水害対策を取り組むきっかけに~
  • 国土交通省では、気候変動の影響により水災害の激甚化・頻発化が懸念される中、河川管理者が主体となって行う河川整備等の事前防災対策を加速化させることに加え、流域に関わるあらゆる関係者が協働して、様々な施策を総動員し水害対策を行う「流域治水」を進めています。
  • このたび、一人でも多くの方々に「流域治水」への理解や親しみをもっていただくことを目的に、公募作品の中から、流域治水のシンボルとなるロゴマークを決定しました。
  • 決定したロゴマークは、全国各地で流域治水を広く周知・PRするための広報活動に活用してまいります。
  • デザインメッセージ
    • 日本はどこに行っても川があり、水に囲まれています。資源でもありますが、災害も引き起こす川と共存して行かなければなりません。
    • 中央の図形は、多様な地域同士が行政界を超えて流域で連携していくイメージを重なりで表現しています。その周囲を囲むような円は、水災害対策により流域を守っていくことを、円の端の手は、このような対策は長年多くの人の手により進められてきたことや、これからも地域同士、住民同士が手を取り合って水災害に立ち向かっていこうという意志を表したものです。
    • また、さまざまな水滴の円は、協働して水害に対して備えていく国、自治体、団体、住民を表しています。

国土交通省 日本全国の道路異状の通報がLINEアプリから可能となります~全国の道路を対象にLINEによる道路緊急ダイヤル(#9910)の運用を開始します~
  • 道路利用者が道路の異状等を発見した場合に、直接道路管理者に通報することができる道路緊急ダイヤル(#9910)について、令和6年3月29日から、全国の道路を対象にLINEアプリによる通報を開始します。
  • 道路緊急ダイヤル(#9910)では、道路の穴ぼこ、路肩の崩壊などの道路損傷、落下物や路面の汚れなどの道路異状を24時間受け付けています。
  • 令和5年11月より関東甲信地方において、LINEによる道路緊急ダイヤル(#9910)の運用をしていましたが、この度、令和6年3月29日から、全国の道路を対象にした運用を開始します。
  • 聴覚や発話に障がいがあり、音声による通報が困難な方であっても、LINEによる通報が可能となります。通報の流れは、別紙を参照してください。
    • 開始日時
      • 令和6年3月29日(金)正午
    • 使用方法
      • スマートフォンアプリケーション「LINE」に「国土交通省道路緊急ダイヤル(#9910)」の友だち追加をしてご利用ください。(友だち追加は右記の二次元コード読み取りからも可能です。)
    • 対象エリア
      • 全国の道路(高速道路、国道、都道府県道、市町村道など)
        • ※道路以外の通報や、私道など私有地の通報は対象外です。
    • その他
      • 電話による道路緊急ダイヤル(#9910)も引き続きご利用できます。
      • アプリの利用は無料です。ただし、通信方法によっては、別途通信料がかかります。

国土交通省 新たなトラックの標準的運賃を告示しました~運賃水準を8%引き上げるとともに、荷役の対価等を新たに加算~
  • 令和2年4月に告示したトラックの標準的運賃について、運賃水準を8%引き上げるとともに、荷役の対価等を加算した、新たな運賃を告示しました。今後、関係省庁・産業界とも連携し、実効性の確保に努めるとともに、あらゆる手段を講じて、ドライバーの賃上げ原資の確保に向けて取り組んでまいります。
  • 背景
    • トラック運送業については、間近に迫る「2024年問題」も踏まえ、ドライバーの賃上げの原資となる適正運賃を収受できる環境の整備が急務です。
    • こうした中、昨年6月にとりまとめられた「物流革新に向けた政策パッケージ」において、トラックの標準的運賃について、荷主等への周知・徹底を強化するとともに、荷待ち・荷役に係る費用、燃料高騰分、下請けに発注する際の手数料等も含めて、荷主等に適正に転嫁できるよう、所要の見直しを図ることとされました。
  • 概要
    • 今般の見直しにあたっては、国土交通省において、昨年8月より、「標準的な運賃・標準運送約款の見直しに向けた検討会」を計3回開催し、同年12月、[1]荷主等への適正な転嫁、[2]多重下請構造の是正等、[3]多様な運賃・料金設定等を見直しの柱とする提言を公表しています。当該提言を踏まえた告示の見直し案について、本年1月10日付けで運輸審議会へ諮問しました。
    • 同審議会における審理及び2月29日付けの同審議会からの答申を踏まえ、本日、新たな運賃を告示したところです。
    • 今後、関係省庁・産業界とも連携し、実効性の確保に努めるとともに、あらゆる手段を講じて、ドライバーの賃上げ原資の確保に向けて取り組んでまいります。

国土交通省 まるっと減らそう、再配達!!~4月は「再配達削減PR月間」!受け取りは1回で!~
  • 昨年6月に取りまとめた「物流革新に向けた政策パッケージ」では、令和6年度の再配達率を半減することとしております。このため、昨年に引き続き、本年4月を「再配達削減PR月間」とし、関係省庁や宅配事業者、EC事業者等と連携し、再配達削減に向けた取組みを強力に推進して参ります。
  • 近年、多様化するライフスタイルとともに電子商取引(以下EC)が急速に拡大し、令和4年度には、EC市場が全体で22.7兆円規模、物販系分野で13.9兆円規模となっています。また、ECの拡大に伴い宅配便の取扱個数は約50億個(令和4年度)となっています。
  • 国土交通省としては、宅配・EC事業者や関係省庁と連携し、消費者の意識改革と行動変容を通じ、再配達率半減に向けた取組が進むよう、スピード感を持って対応して参ります。
    • 関係省庁の取組【国土交通省・消費者庁・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・環境省】
      • 政府広報PR動画(https://www.gov-online.go.jp/useful/202402/video-278763.html)
      • HPやSNS等を通じた消費者への再配達削減の呼びかけ
      • 事業者や業界団体を通じた再配達削減の呼びかけ
      • 参加事業者のリストと取組内容を国土交通省HPに掲載
      • デジタルサイネージを活用した関連動画の放映
    • 宅配便・EC・通販事業者等の取組
      • 計50事業者以上が参画(3/19時点。別添参照)
      • HPに再配達削減PR月間の共通バナーを掲載
      • HPやSNSを通じ、消費者に対し再配達削減を呼びかけ
    • 呼びかける内容
      • 時間帯指定の活用(ゆとりある日時指定)
      • 各事業者の提供しているアプリ等の活用
      • コンビニ受取や置き配など、多様な受取方法の活用
      • 発送時に送付先の在宅時間を確認 など

国土交通省 今年春に引越をご予定の皆様へ~予約状況のお知らせ~
  • 今年春に引越をご予定の皆様に向けて、「3月~4月の引越予約状況」をとりまとめましたので、是非ご参考にして下さい。
  • 引越予約状況カレンダー(別紙)をご参考にして頂き、引き続き、混雑時期をできるだけ避けた早めのご依頼をお願い致します。特に、4月中旬以降は、比較的余裕がある状況ですので、是非、引越時期の分散(分散引越)に向けてご検討・ご協力をお願い致します。
  • 国土交通省としては、引き続き、経済団体等を通じて、引越時期の分散に向けた取組を実施していくとともに、本プレスリリースの内容についても、幅広く周知して参ります。
  • 分散引越をされた方々からの声
    • 『3月末の土日の引越と比べて、引越代金が安くなった』
    • 『会社の従業員の引越に係るコストを抑えることができた』
    • 『3月の最終週から引越時期をずらすことで、予約が取りやすくなった』
▼ 引越時期の分散に向けたお願い
  • 引越時期の分散について
    • 例年、引越事業においては、3月から4月にかけて依頼が集中しているため、国土交通省では、引越時期の分散に向けて昨年から経済団体等を通じて利用者の方々に呼びかけを行っているところです。
    • 引越時期の分散にご協力いただいた結果、一定程度引越時期の分散が進んでいるところですが、依然として3月・4月に依頼が集中しています。つきましては、本年の引越におかれましても、ピーク時期の引越を避けるなどのご協力・ご検討をお願い致します。
  • 国土交通省における新たな取組
    • 国土交通省では、引越時期の分散に向けて、新たに以下のような取組を実施します。
      • 経済団体等への要請_経済団体を通じて、民間企業の異動時期分散化の検討要請
      • 国土交通省職員の異動_4月期の人事異動に伴う引越を行う職員のいわゆる「赴任期間」の活用
      • その他_全国の地方運輸局における引越のトラブル等に関する情報提供窓口の設置

国土交通省 「特定タンカーに係る特定賠償義務履行担保契約等に関する 特別措置法施行令の一部を改正する政令」を閣議決定
  • イラン産原油を輸送するタンカーを対象とした損害保険契約等に係る、保険金額の下限、担保上限金額の算定基礎金額及び納付金額を変更する政令改正が、本日閣議決定されました。
  • 背景
    • 平成24年7月以降、EUによる対イラン制裁で再保険の引き受けが禁じられたことから、イラン産原油を輸送するタンカーは、十分な保障契約の締結が困難となりました。
    • 我が国は、引き続きイラン産原油を輸入する必要があったことから、同年、「特定タンカーに係る特定賠償義務履行担保契約等に関する特別措置法」を制定し、この状況に対応することとしました。
    • 具体的には、イラン産原油を輸送するタンカーを対象として、タンカー所有者と保険者が締結する特定損害保険契約及び特定賠償義務履行担保契約に基づき、政府がタンカー所有者との間で、交付金を交付する契約(特定保険者交付金交付契約)を締結できることとし、事故発生時の損害について、一定金額を上限に保険者に対して交付することとしています。
    • 損害保険契約の保険金額の下限、担保上限金額の算定基礎金額や政府への納付金額については、タンカーに係る保険契約の保険金額の国際的な水準等を勘案し同法施行令で定めているところ、令和6年4月1日以降の特定保険者交付金交付契約の締結のため、同法施行令を改正する必要があります。
  • 政令の概要
    • 特定損害保険契約の保険金額の下限の変更
      • 13億7,000万円(現行)→13億9,000万円
    • 特定賠償義務履行担保契約の担保上限金額の算定の基礎となる金額の変更
      • 1兆1,733億2,918万9千円(現行)→1兆2,235億1,245万9千円
    • 特定保険者交付金交付契約の納付金の金額の変更
      • 2,100万円(現行)→2,000万円
  • スケジュール
    • 公布:令和6年3月21日(木)
    • 施行:令和6年4月 1日(月)

国土交通省 インフラDXに関する優れた取組を行った24団体を表彰します!~令和5年度「インフラDX大賞」授与式を開催~
  • インフラDXに係る優れた取組を行った「インフラDX大賞」の受賞者に対し、国土交通大臣が表彰状を授与する授与式を3月6日(水)に開催します。
  • 「インフラDX大賞」とは
    • 国土交通省は、建設現場の生産性向上に関するベストプラクティスの横展開に向けて、平成29年度より「i-Construction大賞」を実施してきました。
    • また、令和4年度からは、「インフラDX大賞」と改称し、インフラの利用・サービスの向上といった建設業界以外の取組へも募集対象を拡大しています。
    • 加えて、インフラ分野におけるスタートアップの取組を支援し、活動の促進、建設業界の活性化へつなげることを目的に、「スタートアップ奨励賞」を設置しております。
  • 表彰状授与式
    • 日時:令和6年3月6日(水)15:00~
    • 場所:東京都千代田区霞が関2-1-3 中央合同庁舎3号館10階共用会議室
    • 出席者:国土交通大臣※、受賞者(※大臣の予定は公務の都合上変更となる場合があります。)
  • 受賞者
    • 24団体(国土交通大臣賞3団体、優秀賞20団体、スタートアップ奨励賞1団体)

国土交通省 安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン
▼ 資料2-1 改定版ガイドラインの素案について(概要版)
  • 質の高い自転車通行空間の整備促進
    • 限られた道路空間の中で、現地状況に応じた柔軟な再配分や分離を行うことにより、自転車道や自転車専用通行帯の整備を検討する手法を例示。
    • 実務担当者の理解が進むよう、都市部に比較的多い幅員(16m、22m、25m、30m、40m)の道路を例示。
    • 将来的には完成形態での面的な自転車ネットワーク計画の整備を目指すことを基本としつつ、 一部暫定形態を選定する場合の段階的段階的な整備手順のイメージを例示。
    • 特に自転車利用の多い施設間を結ぶ区間や自転車関連事故が多い区間において、完成形態で整備が可能なところは完成形態で、それが困難なところも暫定形態で整備を進め、面的な自転車ネットワークを構築。
    • 次いで、自転車利用の多い区間、郊外の住宅地と中心市街地を結ぶ区間、市町村の自転車活用推進計画において優先する施策に関連する区間等を暫定形態も含めてネットワーク化するとともに、初期段階において暫定形態で整備した区間を、順次完成形態に再整備。
    • 完成形態での整備を完了し、自転車ネットワークを概成。なお、整備後の交通状況や自転車関連事故発生状況等を踏まえて評価を行い、計画の見直し・再整備等を行う。
    • 車道混在は自動車の速度の低い道路において、自転車と自動車が同一の空間を共用する概念であることを明確化。
    • 自転車がどのように通行してよいのかわかりにくいような複雑な交差点について、通行ルールの表示方法を例示。
      • 折れ脚交差点(交差点内で直進方向が屈曲している交差点)
      • くい違い交差点(交差する道路の一方が他方とくい違っている交差点)
    • 整備の機会を逃さないよう、他の道路事業との円滑な連携を進めることについて手順を記載。
    • 無電柱化の設計時には、地上機器を自転車通行空間整備の支障とならないよう配置するための調整が必要
  • 自転車専用通行帯における路上駐停車対策の強化
    • 路上駐停車により自転車専用通行帯の機能を損われないよう、交通管理者と道路管理者が連携して対策を強化する。
      • 原則
        • 自転車の安全かつ円滑な通行空間の確保のため、自転車専用通行帯の整備箇所には、原則として駐車は認めない。
      • 取締り
        • 地域住民の意見・要望等を踏まえて違法駐車の取締りに係るガイドラインを策定、公表、見直しし、悪質性・危険性・迷惑性の高いものに重点を置いて取締りを行い、特に自転車専用通行帯をふさぐ違法駐車についての取締りを積極的に推進する。
      • 停車帯等
        • 自転車の安全かつ円滑な通行の確保に支障がないよう、貨物の積卸や人の乗降等といった駐停車需要に応えるため、必要に応じて停車帯等を設置。(路外駐車場などの沿道状況や地域における駐車施策等との整合性に配意)
      • 利用ルールの徹底
        • 自転車通行空間の整備形態別に道路管理者、都道府県警察が特に注意しなければならない通行ルールについて解説。
      • 新技術やデータの活用の促進
        • シェアサイクルやスマートフォンの移動履歴から自転車プローブデータを分析し、地域の状況を把握することの有効性について例示。

国土交通省 「防災拠点自動車駐車場」を指定します
  • 災害時において、広域的な災害応急対策を迅速に実施するための拠点を確保することが重要であることを踏まえ、地域防災計画等に位置づけられた「道の駅」の自動車駐車場について、「防災拠点自動車駐車場」として指定します。
  • 令和3年3月に道路法等が改正され、広域災害応急対策の拠点となる防災機能を有する「道の駅」や高速道路のサービスエリア・パーキングエリアの自動車駐車場について、国土交通大臣が防災拠点自動車駐車場として指定する制度が創設され、令和4年3月に、道の駅332箇所、サービスエリア・パーキングエリア146箇所を初めて指定し、令和5年3月に道の駅22箇所を追加指定しています。
  • 今般、道の駅の新規登録や地域防災計画の改定などを踏まえ、新たに道の駅12箇所の自動車駐車場を防災拠点自動車駐車場として指定し、全国の防災拠点自動車駐車場は、512箇所(道の駅366箇所、サービスエリア・パーキングエリア146箇所)になります。
▼ 報道用資料
  • 広域災害応急対策の拠点となる防災機能を有する「道の駅」等について、国土交通大臣が防災拠点自動車駐車場として指定する制度
  • 地域防災計画等に位置付けがある「道の駅」やSA・PAを対象として、令和4年3月、全国478箇所を指定(「道の駅」332箇所、SA・PA146箇所)
  • 令和5年3月、「道の駅」22箇所を追加指定(「道の駅」354箇所、SA・PA146箇所)
  • 今回、道の駅の新規登録や地域防災計画の改定などを踏まえ、12箇所で追加指定
  • 全国の防災拠点自動車駐車場512箇所(「道の駅」366箇所、SA・PA146箇所)
  • 道路駐車場(防災拠点自動車駐車場に指定)
    • 災害時に防災拠点としての利用以外を禁止・制限が可能
    • 災害時に有用な施設等の占用基準を緩和
  • 地域振興施設等
    • 道路管理者が隣接する地域振興施設等の所有者と協定を締結し、災害時には一体的に活用可能

国土交通省 「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定~建設業の担い手を確保するため、契約取引に係るルールを整備~
  • 本日、「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案」が閣議決定され、建設業の担い手を確保するため、労働者の処遇改善に向けた賃金原資の確保と下請事業者までの行き渡り、資材価格転嫁の円滑化による労務費へのしわ寄せ防止、さらには、働き方改革や現場の生産性向上を図るための措置が盛り込まれました。
  • 背景
    • 建設業は、他産業より賃金が低く、就労時間も長いため、担い手の確保が困難。
    • 建設業が「地域の守り手」としての役割を将来にわたって果たしていけるよう、時間外労働規制等にも対応しつつ、処遇改善、働き方改革、生産性向上に取り組む必要。
  • 概要
    • 労働者の処遇改善
      • 建設業者に対して労働者の処遇確保を努力義務化するとともに、国は当該処遇確保に係る取組状況を調査・公表。
      • 労務費等の確保と行き渡りのため、中央建設業審議会が「労務費の基準」を作成・勧告することとし、受注者及び注文者の双方に対して著しく低い労務費等による見積り書の作成や変更依頼を禁止(違反発注者には国土交通大臣等が勧告)。
      • 併せて、受注者における不当に低い請負代金による契約締結を禁止。
    • 資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止
      • 資材高騰など、請負代金や工期に影響を及ぼす事象(リスク)がある場合、請負契約の締結までに受注者から注文者に通知するよう義務化する。また、資材価格変動時における請負代金等の「変更方法」を契約書の記載事項として明確化。
      • 注文者に対し、当該リスク発生時は、誠実に協議に応ずることを努力義務化。
    • 働き方改革と生産性向上
      • 長時間労働を抑制するため、受注者における著しく短い工期による契約締結を禁止。
      • ICT活用等を要件に、現場技術者に係る専任規制や、公共工事における施工体制台帳提出義務を合理化。
      • ICT活用による現場管理の「指針」を国が作成し、特定建設業者や公共工事受注者に対し、効率的な現場管理を努力義務化。

国土交通省 「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律等の一部を改正する法律案」を閣議決定~安心して居住できる環境を整備するため、住宅セーフティネット法等を改正~
  • 高齢者や低額所得者など住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進及びその居住の安定の確保を一層図るための「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律等の一部を改正する法律案」が、本日、閣議決定されました。
  • 背景
    • 単身世帯の増加、持ち家率の低下などにより、今後、高齢者や低額所得者などの住宅確保要配慮者(以下「要配慮者」という。)の賃貸住宅への円滑な入居に対するニーズが更に高まることが見込まれます。一方で、賃貸人の中には、孤独死や死亡時の残置物処理、家賃滞納等に対して懸念を持っている方が多くいます。
    • この法律案は、こうした状況を踏まえ、要配慮者に対して入居前や入居後の支援を行う居住支援法人※などの地域の担い手の協力を得ながら、要配慮者が安心して居住できる環境を整備するため、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(住宅セーフティネット法)等を改正するものです。 ※要配慮者の入居支援(物件の紹介等)、入居後の見守りや相談等を行う法人(都道府県知事指定)
  • 法律案の概要
    • 大家が賃貸住宅を提供しやすく、要配慮者が円滑に入居できる市場環境の整備
      • 終身建物賃貸借※の利用促進 ※賃借人の死亡時まで更新がなく、死亡時に終了する(相続人に相続されない)賃貸借
      • 居住支援法人による残置物処理の推進
      • 家賃債務保証業者の認定制度の創設
    • 居住支援法人等が入居中サポートを行う賃貸住宅の供給促進
      • 居住サポート住宅※の認定制度の創設(福祉事務所を設置する自治体による認定) ※法律上は「居住安定援助賃貸住宅」
    • 住宅施策と福祉施策が連携した地域の居住支援体制の強化
      • 国土交通大臣及び厚生労働大臣が共同で基本方針を策定
      • 市区町村による居住支援協議会※設置を促進(努力義務化) ※地方公共団体の住宅部局・福祉部局、居住支援法人、不動産関係団体、福祉関係団体等を構成員とした会議体

国土交通省(株)豊田自動織機の不正事案に係る基準適合性等の検証結果について
  • 国土交通省では、豊田自動織機による型式指定申請における不正行為が確認されたエンジンについて、順次、道路運送車両法の基準適合性等に関する検証を行っています。
  • 本日、検証が終了した自動車用エンジン3機種について、結果を公表します。
  • 経緯
    • 令和6年1月29日に豊田自動織機から型式指定申請における不正行為の報告を受け、国土交通省において、立入検査等により事実関係の確認を行った結果、産業機械用の現行エンジンの全機種(5機種)及び自動車用の現行エンジン3機種において不正行為が行われていたことを確認した。また、産業機械用の現行エンジンのうち建設機械用1機種について、基準不適合であることを確認した。
    • 国土交通省は、産業機械用の現行エンジン2機種※及び自動車用の現行エンジン3機種について、道路運送車両法の基準適合性に関する確認試験などの技術的な検証を速やかに行い、結果の出たエンジンから順次公表することとしている。
      • ※産業機械用の現行エンジンのうち残り2機種は既に基準不適合を確認済み。
  • 検証結果
    • 別紙の自動車用の現行エンジン3機種について、道路運送車両法の基準に適合していること等を確認した。
    • このため、当該3機種については、出荷停止の指示を解除する。
  • 今後の対応
    • 産業機械用の現行エンジン2機種についても、基準適合性の検証を行い、結果の出たものから順次公表する。
    • なお、検証結果については、順次、国土交通省ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk8_000021.html)に掲載する。

国土交通省 バリアフリー政策・課題等についてG7各国間で情報を共有~G7バリアフリー実務者会合を開催~
  • 昨年6月に開催されたG7三重・伊勢志摩交通大臣会合において採択されたG7交通大臣宣言に基づき、令和6年2月29日(木)、G7バリアフリー実務者会合を開催し、G7各国との意見交換を実施しました。同会合では、G7各国におけるバリアフリーに係る政策、課題、ベストプラクティスに関する情報共有・議論を行うとともに、G7各国間のネットワークを維持し、必要な情報共有等を行うことで一致しました。
  • 開催日時
    • 令和6年2月29日(木)21:00~23:15(日本時間、オンライン形式)
  • 出席国及び出席者(G7等)(議長国順)
    • フランス:ポーリン・デルマス 政策担当官
    • 米国:ジュリー・エイブラハム 国際運輸・貿易室長
    • 英国:リズ・ウィルソン 副次長
    • ドイツ:ダイアナ・ハスター 参事官
    • 日本:田中賢二 バリアフリー政策課長
    • イタリア:アントニオ・エラリオ 国際規制部門長
    • カナダ:ジェニス・フェスタ課長
    • EU:アンドラス・モギョロ法務担当官
  • 議論の概要
    • 会合では、G7各国における政策、課題、ベストプラクティスに関する情報共有を行うとともに、意見交換を実施しました。
    • 日本からは、車いす使用者用駐車施設等に関する適正利用を推進する制度(パーキングパーミット制度)・バリアフリートイレの機能分散・心のバリアフリーの推進(適正利用キャンペーン等)の3つのテーマについてプレゼンテーションを行いました。
    • 各国からは、これらのテーマに限定されず、重点的に取り組まれているテーマ(鉄道や航空におけるバリアフリーの取組や車いす使用者用駐車施設の確保に向けた取組等)について発表がなされました。
    • また、G7各国における交通のバリアフリーを推進するため、今後もG7各国間のネットワークを維持し、必要な情報共有等を行うことで一致しました。

【文部科学省】

※現在、該当の記事はありません。

【農林水産省】

※現在、該当の記事はありません。

【総務省】

【2024年5月】

総務省 我が国のこどもの数-「こどもの日」にちなんで-(「人口推計」から)
  • 2024年4月1日現在におけるこどもの数(15歳未満人口。以下同じ。)は、前年に比べ33万人少ない1401万人で、1982年から43年連続の減少となり、過去最少となりました。
  • 男女別では、男子が718万人、女子が683万人となっており、男子が女子より35万人多く、女子100人に対する男子の数(人口性比)は105.0となっています。
  • こどもの数を年齢3歳階級別にみると、12~14歳が317万人(総人口に占める割合2.6%)、9~11歳が305万人(同2.5%)、6~8歳が288万人(同2.3%)、3~5歳が257万人(同2.1%)、0~2歳が235万人(同1.9%)となっています。
  • これを中学生の年代(12~14歳)、小学生の年代(6~11歳)、未就学の乳幼児(0~5歳)の三つの区分でみると、それぞれ317万人(同割合2.6%)、593万人(同4.8%)、491万人(同4.0%)となっています。
  • こどもの割合(総人口に占めるこどもの割合。以下同じ。)は、1950年には35.4%と総人口の3分の1を超えていましたが、第1次ベビーブーム期(1947年~1949年)後の出生児数の減少を反映し、1970年には23.9%まで低下しました。
  • その後、第2次ベビーブーム期(1971年~1974年)の出生児数の増加によって僅かに上昇し、1974年には24.4%まで上昇したものの、1975年から再び低下を続け、2024年は11.3%(前年比0.2ポイント低下)で過去最低となりました。
  • なお、こどもの割合は、1975年から50年連続して低下しています。
  • 都道府県別の2023年10月1日現在におけるこどもの数をみると、前年に比べ47都道府県でいずれも減少となっています。また、こどもの数が100万人を超えるのは、東京都、神奈川県の2都県となっています。
  • こどもの割合をみると、沖縄県が16.1%と最も高く、次いで滋賀県が13.0%、佐賀県が12.9%などとなっています。一方、秋田県が9.1%と最も低く、次いで青森県が10.0%、北海道が10.1%などとなっています。

総務省 ICTサイバーセキュリティ政策分科会(第6回)
▼ 資料6-1 地方公共団体情報セキュリティポリシーに関するガイドラインの改定方針(総務省自治行政局)
  • 「三層の対策」概要(従来型のαモデル)
    • 複雑・巧妙化しているサイバー攻撃の脅威により、地方公共団体の行政に重大な影響を与えるリスクが想定されるため、情報システムにおいては、機密性はもとより、可用性や完全性の確保にも十分配慮した、情報システム全体の強靭性の向上が求められる。
    • 情報システム全体の強靭性の向上を「三層の対策」により実現する。
      • 三層の対策
        • マイナンバー利用事務系では、端末からの情報の持ち出し不可設定等を講じ、住民情報の流出を徹底して防止
        • LGWAN接続系とインターネット接続系を分割し、LGWAN環境のセキュリティを確保
        • 都道府県と市区町村が協力して、自治体情報セキュリティクラウドを構築し、高度なセキュリティ対策を実施
  • クラウドサービスの増加
    • Microsoft 365をはじめ、インターネット経由で利用することが必要なクラウドサービスが増加している。
  • β ´モデルについて
    • 地方公共団体の業務で広く活用されているサービスがクラウド上で提供されるようになっており、インターネットと接続可能な領域に業務環境を配置する必要性が高まっていることを受け、インターネット接続系に業務端末・業務システムを配置したβ´モデルに対するニーズが高まっている。
    • インターネット接続系の業務端末に対するエンドポイント対策、各業務システムのログ収集・監視など、従来の境界型防御にとどまらない追加のセキュリティ対策を行うことが求められる。
  • 「三層の対策」の状況(自治体分類別)
    • 回答のあった1,730団体のうち、都道府県は約3割、政令指定都市は約4割がβ‘モデル団体である。一方、中核市・特別区は8割以上、その他市町村は9割以上が従来型のαモデル団体であった。
  • αモデルの団体がβ・β‘モデル移行を断念している理由
    • αモデルの団体のうち、政令指定都市では約8割、都道府県では約7割、中核市・特別区でも半数以上がβ・β‘移行を検討したことがあるが移行に至っていない。移行を断念する理由として、「導入・維持コストの増加」、「運用負荷増加」、「セキュリティ脅威の増加」が挙げられていた。他に、「移行のタイミング」や「情報資産の棚卸し」についても挙げられている。

総務省 労働力調査 (基本集計) 2024年(令和6年)3月分
  • 男女別就業者数
    • 就業者数は6726万人。前年同月に比べ27万人(0.4%)の増加。20か月連続の増加。男性は3666万人。6万人の増加。女性は3060万人。22万人の増加
  • 従業上の地位別就業者数
    • 自営業主・家族従業者数は611万人。前年同月に比べ14万人(2.2%)の減少
    • 雇用者数は6080万人。前年同月に比べ44万人(0.7%)の増加。25か月連続の増加。男性は3272万人。14万人の増加。女性は2807万人。29万人の増加
  • 雇用形態別雇用者数
    • 正規の職員・従業員数は3602万人。前年同月に比べ11万人(0.3%)の増加。5か月連続の増加
    • 非正規の職員・従業員数は2131万人。前年同月に比べ30万人(1.4%)の増加。7か月連続の増加
    • 役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は37.2%。前年同月に比べ0.3ポイントの上昇
  • 就業率
    • 就業率(15歳以上人口に占める就業者の割合)は61.2%。前年同月に比べ0.4ポイントの上昇
    • 15~64歳の就業率は78.7%。前年同月に比べ0.5ポイントの上昇。男性は83.8%。0.3ポイントの上昇。女性は73.4%。0.5ポイントの上昇
    • 20~69歳の就業率は80.5%。前年同月に比べ0.4ポイントの上昇
  • 男女別完全失業者数
    • 完全失業者数は185万人。前年同月に比べ8万人(4.1%)の減少。2か月ぶりの減少
    • 男性は103万人。前年同月に比べ12万人の減少。女性は82万人。前年同月に比べ4万人の増加
  • 求職理由別完全失業者数
    • 完全失業者のうち、「勤め先や事業の都合による離職」は24万人と、前年同月に比べ3万人の減少、「自発的な離職(自己都合)」は79万人と、前年同月に比べ1万人の減少、「新たに求職」は53万人と、前年同月に比べ1万人の増加
  • 年齢階級別完全失業者数
    • 男性の完全失業者数は、「15~24歳」を除く全ての年齢階級で、前年同月に比べ減少
    • 女性の完全失業者数は、「15~24歳」及び「45~54歳」を除く全ての年齢階級で、前年同月に比べ増加

【2024年4月】

総務省 デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会 ワーキンググループ(第16回)配付資料
▼ 資料WG16-1-1デジタル空間における情報流通の健全性に関するWG検討課題(案)
  1. デジタル空間において具体的に表れた個別の現象としての課題
    • 偽・誤情報の拡散(なりすましを含む)への対応の在り方
    • 広告を巡る課題への対応の在り方
  2. 上記1をもたらす構造的・技術的な要因としての課題
    • アテンション・エコノミーが引き起こす課題(フィルターバブル、エコーチェンバーを含む)への対応の在り方
    • 生成AI・ディープフェイク技術の進展に伴うリスクへの対応の在り方
  3. 上記1・2の課題への具体的な方策に関する課題
    1. 事業者の取組に関する透明性の確保の在り方:WG開催要綱「3.検討事項」(1)
      • 事業者の取組の透明性・アカウンタビリティ確保の在り方
      • レコメンデーションやコンテンツモデレーションの在り方(アテンションを獲得しやすい情報(コンテンツ)の取扱いに関する透明性・アカウンタビリティ確保など)
      • プライバシー保護・利用者データの保護の在り方
    2. 事業者のビジネスモデルに起因する課題への対応の在り方:WG開催要綱「3.検討事項」(2)
      • 偽・誤情報等のアテンションを獲得しやすい情報(コンテンツ)付近や悪質なメディア(パブリッシャー)への広告掲載とクリック数等に応じた広告料の支払(それらの情報発信者等への間接的な利益供与によるブランド毀損等の問題)に対する経営層によるリスク管理・ガバナンスや産業界との連携・協力の在り方
      • 広告の質の確保の在り方
      • 偽広告など違法・不当な広告(権利侵害、法令違反、なりすましなど)への対応の在り方
      • 広告配信先のメディア(パブリッシャー)の質の確保の在り方
      • 広告費詐取を目的とした悪質なメディア(パブリッシャー)への対応の在り方
      • 偽・誤情報等のアテンションを獲得しやすい情報(コンテンツ)の投稿増加につながり得る閲覧数等に応じた経済的インセンティブの付与の在り方
      • 偽・誤情報等のアテンションを獲得しやすい情報(コンテンツ)を拡散するbotへの対応の在り方
      • パーソナルデータを用いたプロファイリングやそれに基づくターゲティング広告の在り方
    3. 関係者間の連携・協力の在り方:WG開催要綱「3.検討事項」(3)
      • ステークホルダー同士の連携・協力の在り方
      • 安心かつ安全な情報伝送に関する知見や情報の共有の在り方
      • 安心・安全で信頼できる広告出稿のための業務の在り方
      • 発信力強化のためのガバナンスの在り方
      • アテンションを得にくいが信頼できる情報(コンテンツ)に関するメディア(パブリッシャー)における制作・発信・伝送能力の強化の在り方
      • 研究機関等との連携・協力の在り方
      • ファクトチェック機関による連携・協力の在り方
      • 広告主としての国や自治体等による対応の在り方
    4. 災害発生時等における対処の在り方:WG開催要綱「3.検討事項」(4)
      • 緊急事態(災害、サイバー攻撃など)への対応の在り方
    5. その他の課題:WG開催要綱「3.検討事項」(5)

総務省 コンビニ交付サービスにおける証明書誤交付に関する原因究明及び再発防止対策等の徹底について(指導)
  • 総務省は、本日、富士通株式会社(代表取締役社長 時田 隆仁、法人番号1020001071491、本社 東京都港区)に対し、同社の子会社である富士通Japan株式会社における、香川県高松市のコンビニ交付において別人の住民票の写しが交付された事案に関し、原因究明及び再発防止対策等の徹底を図るとともに、その実施状況を報告するよう、文書による行政指導を行いました。
  • 経緯等
    • 富士通株式会社及びその子会社である富士通Japan株式会社からの報告により、令和6年1月4日より高松市にて導入した富士通Japan株式会社のコンビニ交付サービスにおいてシステムの設定ミスがあり、令和6年4月4日に、申請した市民とは別人の住民票の写しが交付されたことが発覚しました。
  • 措置の内容等
    • コンビニ交付サービスシステムを活用した住民票の写し等の証明書の交付に際しては、住民基本台帳法に基づき、当該証明書に記載されている事項の安全確保を図るため、記載事項の漏えい、滅失及び毀損の防止などの当該システムのセキュリティ対策及び個人情報の保護を含めた適正な運用がなされることが、住民基本台帳法の目的である住民記録の適正管理及び住民の利便性の増進に対して、不可欠であることに鑑み、総務省は、本日付で富士通株式会社に対し、原因究明及び再発防止対策等の徹底を図るため、以下の事項の実施等を求めるとともに、その実施状況を報告するよう、文書PDFによる行政指導を行いました。
      1. 今般の証明書誤交付が生じた原因の究明を速やかに行うとともに、組織上・管理上の責任の所在を明らかにすること。
      2. 富士通Japan株式会社が地方公共団体に提供している全てのコンビニ交付サービスシステムについて、本事案と同様のプログラム適用誤りが生じていないかはもとより、これまでに発生した各種事案に対処するプログラムの適用が適切になされているか、改めて点検すること。
      3. 令和5年に総点検を行った上で再発防止を図ったにもかかわらず、今回の事案が発生したことを踏まえ、国民・住民の信頼回復に繋がる徹底した実効性ある再発防止対策を講じること。
      4. 現在、適用に向けて検証が進められているフェールセーフ機能について、できる限り早期の適用を行うこと。
      5. 1~4について、少なくとも今後1年間は、四半期に一度、取組の進捗状況を報告すること。
  • 総務省は住民票の写し等の証明書の記載事項の漏えい、滅失及び毀損の防止などの安全確保等を図るとともに、住民基本台帳法の目的である住民記録の正管理及び住民の利便性の増進を図るため、引き続き、必要な指導に努めてまいります。

総務省 LINEヤフー株式会社に対する通信の秘密の保護及び サイバーセキュリティの確保の徹底に向けた措置(指導)
  • 総務省は、LINEヤフー株式会社(代表取締役社長CEO出澤 剛)に対し令和6年3月5日付けで行政指導を実施し、同年4月1日、同社から再発防止等に向けた取組に関する報告書の提出を受けました。同報告書を踏まえ、総務省は、同行政指導において求めた措置の早期実施等を求めるとともに、その実施状況や実施計画を報告するよう、本日、文書による行政指導を行いました。
  • 経緯等
    • 総務省は、LINEヤフー株式会社(代表取締役社長CEO 出澤 剛、法人番号4010401039979、本社 東京都千代田区。以下「LINEヤフー社」という。)に対し、令和6年3月5日付けの「通信の秘密の保護及びサイバーセキュリティの確保の徹底について(指導)」(総基用第46号)による行政指導を実施し、同年4月1日、同社から再発防止等に向けた取組に関する報告書の提出を受けました。
    • 同報告書によれば、一定の応急的な対策については実施済みとのことであるものの、現時点で、安全管理措置及び委託先管理が十分なものとなったとは言い難く、また、親会社等を含むグループ全体でのセキュリティガバナンス体制の構築についても十分な見直しが行われる展望が必ずしも明らかとはいえない状況にあると考えられ、対策・検討を加速化する必要があるものと判断いたしました。
  • 措置の内容等
    • 以上を踏まえ、総務省は、本日付けで、LINEヤフー社に対し、以下の措置を講じるよう求めるとともに、措置の実施状況や実施計画について具体的かつ明確に報告するよう、文書(別紙)PDFによる行政指導を行いました。
      • 本事案を踏まえた安全管理措置及び委託先管理の抜本的な見直し及び対策強化の加速化
      • 親会社等を含むグループ全体でのセキュリティガバナンスの本質的な見直しの検討の加速化
      • 取組内容に係る進捗状況の定期的な公表等を通じた利用者対応の徹底
  • 総務省は、通信の秘密の保護及びサイバーセキュリティの確保を図るため、引き続き、必要な指導・監督に努めてまいります。

総務省 デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会(第17回)配付資料 ※ワーキンググループ(第15回)合同開催
▼ 資料17-1-2株式会社野村総合研究所ご発表資料
  • 災害時における真偽判別の難しい情報の伝搬プロセスと特徴・傾向
    • 大規模な自然災害発生時には、真偽判別の難しい情報が生まれやすい環境が自然醸成される
      • 真偽判別の難しい情報は、いわゆる流言や偽誤情報、デマ等を含む
      • 不安・恐怖の高まり、必要とする情報・コミュニケーションの不足を要因に真偽判別の難しい情報は発生する
      • 災害時の環境下では上記の要因が高まりやすく、真偽判別の難しい情報が自然発生するため、発生を完全に防ぐことは難しい
    • 「助けたい、支援したい」といった善意による情報発信・拡散が行われる一方、故意(悪意)による偽情報の発信も行われる
      • 影響力を持つメディアや団体等が拡散に影響を与える
      • 影響力をインフルエンサーが拡散の中心を担う平時とは異なり、一般ユーザも発信・拡散を担う
      • 発信・拡散される情報は、災害発生からの時間経過や災害種別によって傾向・特徴がある
    • 一般への具体の心理・行動・生活への影響に加え、関連機関・企業への社会的影響も生まれる
    • 事実にもとづいた情報が発信・拡散されることで収束する
      • 一般への影響が生じることに加え、関連機関・企業の対応コスト(問合わせの殺到等)の増大による業務への支障(支援活動の遅延等)が生じやすい
      • 多くの事例については、拡散から一定程度の時間経過とともに、のファクト情報が発生・拡散され、真偽の判別がつくことで、収束する
      • ただし、災害時は、事実確認が困難or時間を要するケースが多い
      • 一般からの打消し情報に加え、権威付けされた情報(信頼できる機関・団体、第三者)によって収束するケースも多い
  • 自然災害発生時における真偽判別の難しい情報の発生の要因
    • 不安・恐怖の高まり
      • 心理学のアプローチでは、「不安」が重要な要素とされている
      • 廣井脩氏によると、「災害による破壊が壊滅的で、今まで存在していた社会組織や社会規範が一時的に消滅してしまう危機的状況が発生し、人心が不安と恐怖におののいている中、その隙間を突いて伝搬しやすい」とされている。
      • 参考:流言が拡散する強さ(流布量)は問題の重要性(importance)と、その真偽の曖昧さ(ambiguity)の積に比例するされている(W.オールポートとL.ポストマン)R (Rumor)=i (importance) × a (ambiguity)
    • 情報・コミュニケーションの不足
      • 社会学のアプローチでは、「あいまいな状況にともに巻き込まれた人々が、自分たちの知識を寄せ集めることによって、その状況についての有意味な解釈を行おうとするコミュニケーションである」とされている。
      • 災害発生下では、情報が得られない状況や即座に解決できない状況が発生し、あいまいさが生じるため、被災者の情報ニーズに対応する形で、真偽判別の難しい情報(流言)が発生する。
  • 時系列の特徴・傾向
    • 災害時における真偽判別の難しい情報事例については、発災後24時間以内の事例が多い。内容としては、
    • 発災直後:一次被害・二次被害に関する真偽判別の難しい情報
    • 24時間~1週間以内:災害対応や災害再来・災害因に関する情報
    • 1週間以降:被災地での生活に関するものが多い傾向(1カ月以降は原発関連事例のみ)
  • 地震
    • 大規模地震に関する真偽判別の難しい情報事例が多く、全体の8割以上を占める(災害時の真偽判別の難しい情報の中心)
    • 幅広く甚大な二次災害が発生しやすく、災害対応も多岐に渡るため、被害(一次・二次)に関する事例に加えて、災害対応や被災地での生活に関する事例も発生しやすい
  • 水害・噴火
    • 事例は少ないが、局地的な被害が生じやすいため、被害(一次・二次)に関する事例が生じやすい
    • 災害の発生を一定程度、事前に予測できる場合が多いため、地震に比較すると、不安・恐怖の大きさや情報・コミュニケーションの不足が発生しにくい
  • 真偽判別の難しい情報による影響と収束のパターン
    • 被災者の実際の避難行動・生活や関連機関の対応コストを増大させる社会的混乱が主な影響となる
    • 事実情報が拡散されることで、速やかに収束するケースが多いが、大規模災害時には事実情報の確認に時間・リソースを要するケースも多い
    • 孤立状態となっていた地域に対する「仮設住宅が近くに造られず、置き去りにされる」等の情報が拡散⇒次々と町外へ避難(避難行動への影響)
    • 「外国人窃盗団がいる」「暴動はすでに起きている」といった被災地での治安悪化を示唆する情報が拡散⇒住民の不安・恐怖の更なる高まり、警察・自治体等の対応コストの増加
    • 「数時間後に大きな地震が来る」等の真偽不明の情報が拡散⇒避難所に多くの人が押し寄せ(避難所の混乱・対応コストの増加)
    • SNS上に、品薄状態の商品棚の写真が次々と投稿される(実際は一時的な在庫の不足)⇒食料品をまとめ買いする行動を誘発(生活への影響)
    • 真偽判別の難しい情報の伝搬傾向
    • 大規模な自然災害発生時には、真偽判別の難しい情報が生まれやすい環境が醸成されやすい⇒完全に防止することは難しい
    • インフルエンサーに加えて、一般ユーザも拡散の主体を担う⇒幅広い層・主体への啓発が必要
    • 発災後の時系列や災害種類に応じて拡散されやすい情報の傾向がある⇒情報発信・拡散されやすい情報の特徴・傾向を踏まえた対応
    • 事実情報のよる打消し情報が拡散されることで、収束が急速に広まる⇒速やかな事実確認と、それを適切な方法で情報発信・拡散することが必要
▼ 資料17-3-2 警察庁ご発表資料(S N Sを悪用した投資・ロマンス詐欺の被害発生状況等について)
  • SNS型投資詐欺
    • 相手方が、主としてSNSを用いて投資を勧め、投資名目で金銭等をだまし取る詐欺
  • SNS型ロマンス詐欺
    • 相手方が、外国人又は海外居住者を名乗り、主としてSNSを用いてやりとりを重ねることで恋愛感情や親近感を抱かせ、金銭等をだまし取る詐欺
  • SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺ともに昨年下半期の増加が顕著。1件当たりの平均被害額は1,000万円超
  • 男性の被害がやや多い。男性・女性ともに40歳代から60歳代が多い
  • 500万円以下の被害が多いが、1億円超の被害も発生。男女間で被害額の傾向に大きな差は認められない。当初接触ツールとして、いくつかの特定のサービスの利用が目立つ
  • 被害時の連絡ツールは特定のサービスが8割以上。交付形態は振込が8割以上
  • 女性の被害がやや多い。男性・女性ともに40歳代から60歳代が多い
  • 500万円以下の被害が多いが、1億円超の被害も発生。女性は被害額がやや高額になる傾向が認められる
  • 当初接触ツールとして、いくつかの特定のサービスの利用が目立つ
  • 被害時の連絡ツールは特定のサービスが8割以上。交付形態は振込が約8割。恋愛感情や親近感を抱かせた上で、大半が投資話をもちかけられて金銭等を詐取される
  • SNS型投資詐欺の被害に遭うまでの流れ(イメージ)
    • SNSの広告をタップ
    • 犯人側との接触、グループに招待
    • 儲かっているなどとサクラが投稿
    • 投資家やそのアシスタントを名乗る者から振込指示
    • 偽の利益を掲載し、その一部(少額)を被害者口座へ振込
    • 高額の偽利益を表示。全額引出のための手数料等を要求
    • 突然、連絡が途絶える
  • SNS型投資詐欺の具体的被害事例
    • 事例【被害者:60代女性、被害額:合計約1,400万円】
      • 女性(60代)が、投資コンサルを自称する男から、「モニター会員を募集しています。」「絶対お得で儲かります。」「もっと金額を増やしたら利益が出ます。」などとSNSで言われ、指定された口座に複数回振り込み入金して、合計約1,400万円詐取された。
    • 事例【被害者:70代女性、被害額:合計約4,500万円】
      • 著名人を自称する者やその助手を自称する者との間で、SNS上の投資グループになった後、指定された口座に複数回振り込み入金して詐取された上、「倍増プランがあります。」、「上位クラスでの取引があります。」などと提案され更に被害に遭った後、「監督当局によって資金が差し止めされている。」などと言われて出金できなくなった。
  • 警察におけるSNS型投資・ロマンス詐欺への対策
    • 令和5年下半期において、SNS型投資・ロマンス詐欺の被害が急増し、同年の合計被害額が450億円以上にのぼり、同年の特殊詐欺被害額(440億円)を上回る。
    • これらの詐欺については、被害実態や詳細な犯行手口が必ずしも十分明らかではないため、被害実態等の早急な解明と対策が必要。
      1. 対策推進体制の構築
        • 特殊詐欺対策及び匿名・流動型犯罪グループ対策と一体的に推進
        • 関係部門横断的な体制を構築し、特殊詐欺捜査部門、生活経済事犯捜査部門、国際捜査部門、サイバー捜査部門等が、部門の垣根を越えて連携
      2. 実態解明等の推進
        • 匿名・流動型犯罪グループをはじめとする犯罪組織が関与している可能性を視野に、事件捜査等で得た情報を分析し、実態解明を推進
      3. 全国警察が一体となった捜査の推進
        • 特殊詐欺連合捜査班(TAIT)も活用し、被疑者の検挙や犯行拠点の摘発に向けた捜査を推進
      4. 外国捜査機関等との連携
        • 外国捜査機関との情報共有、捜査共助等を実施
        • 関連する国際会議等への出席を通じて、外国捜査機関との連携を深めるとともに、国際的な機運の醸成に努める
      5. 積極的な広報啓発
        • 捜査等を通じて把握した手口や被害発生状況等を踏まえ、被害者となり得る国民に対する効果的な広報啓発を推進
      6. 関係省庁・関係事業者への働き掛け
        • 関係省庁との連携強化
        • SNS事業者、金融機関等の関係事業者とも緊密に連携し、官民一体となった被害防止策を推進
          • 投資詐欺の入り口となる偽広告等への対策強化(偽広告等の審査・検知強化、警告や削除、関連が認められる広告の表示停止措置)
          • 犯罪利用が疑われるアカウントの停止措置、関連が認められる新規アカウントの開設阻止
          • SNS利用者の本人確認の厳格化
          • 知らない者からの検索拒否の初期設定化
          • SNS事業者の取組状況の開示 等

総務省 不適正利用対策に関するワーキンググループ(第3回)
▼ 資料3-1 SMSの不適正利用対策の方向性(案)について(事務局)
  • マルウェア感染端末からのSMS発信対策
    • マルウェア感染端末/回線の特定
    • マルウェア感染端末/回線の利用者への警告/注意喚起
    • マルウェア流通を防止する方策(OSでの対策等)の検討
    • スミッシングメッセージの申告/情報提供の推進
    • ⇒マルウェア感染端末/回線の特定及び利用者への警告/注意喚起の実施を進めてはどうか。スミッシングの申告受付が進んでいないことから、円滑に受け付けられる仕組みを構築してはどうか。
  • SMS配信者・受信者の不適正利用対策
    • SMS発信元の明確化/透明化
      • キャリア共通番号(0005番号)の普及/利用拡大
      • 海外通信事業者から配信されるSMSへの対策
    • SMS機能付きデータ通信専用SIMカードの契約時の本人確認の現状の把握、更なる推進
    • SMS認証代行事業者への対処
    • SMS配信事業者、通信キャリア間の情報連携、自主的対策の促進
    • RCS(+メッセージ等)の活用推進
  • 前回WGにおいて構成員から頂戴したご意見
    • マルウェア感染端末/回線の特定及び利用者への警告/注意喚起については、通信の秘密の取扱いに留意した上で、積極的に進めるべきである。(中原構成員ほか)
    • 利用者への警告/注意喚起の方法については、実効性のある方法を検討し、その結果マルウェアの削除や対策アプリの導入などの行動変容が実現したかどうかについて、フォローアップすべき。(中原構成員、星構成員、鎮目構成員)
    • スミッシングメッセージについて、円滑にユーザーからの申告を受け付けられるようにし、事業者横断で活用できるような環境を整備すべき。(沢田構成員、山根構成員)
    • 正規のメッセージがきちんと正規のものであると見分けられるよう、SMS発信元の明確化・透明化に係る取組を進めるべき。(沢田構成員)
    • 事業者間の連携に当たっては、SMSを利用する側の事業者とも連携してもらいたい。(沢田構成員)
    • SMS認証代行が悪用されていることから、対策を進めるべき。(星構成員)
    • 国外におけるSMS不適正利用対策の動向を確認し、参考として進めるべき。(仲上構成員)
    • 事業者側で行われている各種対策について、まだ利用者の理解が高まっていないことから、周知啓発を行うべき。(大谷構成員ほか)
  • SMSの不適正利用対策の方向性(案)
    • マルウェア感染端末の特定・警告の推進
      • 通信の秘密の取扱いに留意した上で、通信キャリアが提供するSMSフィルタリングにおいて得られたデータを分析し、マルウェア感染端末の特定・警告を行う取組を進めることにより、マルウェア感染端末の利用者の損害の拡大の防止に加え、利用者の行動変容を促し、スミッシングメッセージの拡散を抑制する。
    • スミッシングメッセージの申告受付の推進
      • スミッシングメッセージ等の迷惑SMSを受け取った利用者から、さらに円滑に申告を受け付けられるようにしていくとともに、申告データを事業者横断で活用できるようにする仕組みを構築することにより、迅速な迷惑SMS対策ができるようにする。
    • SMS関連事業者による業界ルールの策定
      • SMS不適正利用対策事業者連絡会の枠組を活用し、SMSを利用する側の事業者を含め、関連する業界団体と連携することにより、SMS発信元の明確化・透明化に係る取組や、SMS認証代行事業者等の悪質事業者への対策などを盛り込んだ業界ルールを策定し、正規のメッセージがしっかり正規のものとわかる形で配信されるよう、効果的な対策を実行する。
    • 迷惑SMS対策に係る周知啓発の推進
      • スミッシングの攻撃手法は時々刻々と変化をしていることから、官民が連携し、最新の対策方法に関する情報発信を行うとともに、キャリア共通番号の仕組みの周知広報やRCSの活用推進など、SMSに関する利用者のリテラシー向上につとめ、自主的な防衛を推進する
▼ 資料3-3 本人確認書類の偽変造等の実態(警察庁)
  • 特殊詐欺の被害は、1日あたり1.1億円の被害が発生するなど引き続き深刻。2月末では、昨年同期に比較して件数面では約20%減少したものの、被害額は2%増加
  • 携帯電話の不正契約には、一見して真正なものと見分けがつかないほど精巧に偽変造された本人確認書類が用いられることが多い。

総務省 デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会 ワーキンググループ(第14回)配付資料
▼ 資料WG14-1レコメンデーションやアルゴリズムに関するルール整備の諸外国動向調査 結果紹介(みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社ご発表資料)
  • 各国とも、有害・危険な情報や詐欺等から利用者を保護するため、オンライン空間の安全性を向上させる課題意識が見られた。それに対応するため、プラットフォーム事業者に対して透明性要件(監督機関への報告/ユーザーへのアルゴリズムに関する情報提供義務/アルゴリズムを用いない選択肢の提供義務 等)を定めるなどの対策が施行または検討されている。
  • その他にも、各国の社会情勢や法整備の状況などを踏まえ、それぞれの視点から対策が取られている。
  • 調査結果(米国)
    • オンラインプラットフォームのアルゴリズムを規制する全国的な法令等は、現時点では確認できない。
    • ただし、各州で制定される州法や、合衆国議会に提案されている法案等では、アルゴリズムの透明性確保や個人データの利用に係る消費者の権利保護、プロバイダの責任範囲拡大(通信品位法230条の免責規定の改正)などを視野に入れた議論が行われている。
    • 米国においては、アルゴリズムの透明性やプロバイダの責任範囲、個人データの権利保護の各観点から法制度の検討・制定が行われている。
  • 調査結果(EU)
    • DSA(デジタルサービス法)では、欧州市民の保護のため、安全性や透明性の仕組みをプラットフォーム事業者に求める。
    • AI規則案では、安全性確保と同時に、AI活用やイノベーションの推進など、域内の産業振興も含めた政策が取られている。
    • プラットフォーム事業者に対し、レコメンドシステムのパラメータ等の情報について、平易な言葉でユーザーに提示することを求めている。
    • また、レコメンドの順番をユーザーが選択できるようにすることや、プロファイリングに基づかないレコメンドの選択肢の提供を求めている。
  • 調査結果(中国)
    • 「ネットワーク情報コンテンツ環境ガバナンス規定」により、オンライン空間に携わる各主体に対する規定を定め、安全かつ国家の安定・社会主義的価値観の醸成に有益なガバナンスの確立を目指している。
    • 「インターネット情報サービスのアルゴリズム・レコメンデーション管理規定(IISARM)」では、ユーザーに対しアルゴリズムに関する情報やアルゴリズムを用いたレコメンデーションを使用しないオプションを提供することなど、ユーザー保護に焦点をあてた規定を策定した。

総務省 デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方 に関する検討会(第16回)配付資料 ※ワーキンググループ(第13回)合同開催
▼ 資料16-3-1デジタル空間における情報流通の健全性に関する基本理念(案)
  • 情報流通過程全体に共通する高次の基本理念(例)
    • 表現の自由と知る権利の実質的保障及びこれらを通じた民主主義の実現
      • 自由な情報発信と多様な情報摂取の機会が保障され、国民の自律的な意思決定が保護されるとともに、これを通じた健全な民主主義が実現すること
    • 安心かつ安全な情報流通空間としてのデジタル空間の実現
      • 平時・有事(災害発生時等)を通じ、偽・誤情報や悪意ある情報の流通による権利侵害や社会的混乱その他のフィジカル空間への影響が抑止されるとともに、情報流通の過程全体を通じ、サイバー攻撃や安全保障上の脅威等への対抗力が確保された強靱なデジタル空間が実現すること
    • 国内外のマルチステークホルダーによる国際的かつ安定的で継続的な連携・協力
      • デジタル空間に国境がないことを踏まえ、国内外の民産学官を含むマルチステークホルダーが相互に連携・協力しながらデジタル空間における情報流通に関するガバナンスの在り方について安定的かつ継続的に関与できる枠組みが確保されていること
  • 情報発信に関する基本理念(例)
    • 自由かつ責任ある発信の確保
      • ジャーナリズムやリテラシーに裏付けられ、透明性とアカウンタビリティが確保された責任ある発信がなされていること
    • 信頼できるコンテンツの持続可能な制作・発信の実現
      • 信頼できる魅力的なコンテンツの制作・発信(ファクトチェックを含む)に向けたリソースが安定的かつ継続的に確保され、そうした活動の価値が正当に評価されていること
  • 情報受信に関する基本理念(例)
    • リテラシーの確保
      • 受信者において技術的事項を含むリテラシーが確保され、デジタル社会の一員としてデジタル空間における情報流通の仕組みやリスクを理解し、行動できること
    • 多様な個人に対する情報へのアクセス保障とエンパワーメント
      • 個人の属性・認知的能力や置かれた状況の多様性を考慮しつつ、あらゆる個人に対してデジタル空間における情報流通への参画機会が与えられ、意思決定の自律性が確保されていること

総務省 人口推計(2023年(令和5年)10月1日現在)結果の要約
  • 全国人口
    • 総人口は59万5千人の減少、13年連続の減少
    • 日本人人口は減少幅が12年連続で拡大
      • 総人口は1億2435万2千人で、前年に比べ59万5千人(-0.48%)の減少となり、13年連続で減少しています。
      • 日本人人口は1億2119万3千人で、前年に比べ83万7千人(-0.69%)の減少となり、12年連続で減少幅が拡大しています。
    • 17年連続の自然減少、減少幅は拡大
      • 自然増減は83万7千人の減少で、17年連続の自然減少となり、減少幅は拡大しています。
      • 男女別にみると、男性は42万3千人の減少、女性は41万4千人の減少となり、男性は19年連続、女性は15年連続の自然減少となっています。
    • 日本人は3年ぶりの社会増加、外国人は2年連続の社会増加
      • 社会増減は24万2千人の増加で、2年連続の増加となっています。
      • 日本人・外国人の別にみると、日本人は2千人の増加で、3年ぶりの社会増加となっています。外国人は24万人の増加で、2年連続の社会増加となっています。
    • 15歳未満人口は前年に比べ32万9千人の減少
    • 総人口に占める割合は11.4%で過去最低
    • 65歳以上人口は前年に比べ9千人の減少となった一方、割合は29.1%と過去最高
      • 15歳未満人口は1417万3千人で、前年に比べ32万9千人の減少となり、割合は0.2ポイント低下の11.4%で過去最低となっています。
      • 15~64歳人口は7395万2千人で、前年に比べ25万6千人の減少となり、割合は59.5%で過去最低であった前年に比べ0.1ポイントの上昇となっています。
      • 65歳以上人口は3622万7千人で、前年に比べ9千人の減少となった一方、割合は0.1ポイント上昇の29.1%で過去最高となっています。
      • 75歳以上人口は2007万8千人で、前年に比べ71万3千人の増加となり、初めて2000万人を超え、割合は0.6ポイント上昇の16.1%で過去最高となっています。
  • 都道府県別人口
    • 人口増加は東京都のみ、増加率は拡大
    • 人口増加は東京都のみとなっています。
      • 東京都の人口増加率は0.34%で、前年に比べ0.14ポイントの拡大、2年連続の増加となっています。
      • 人口減少は46道府県となっています。
      • 人口減少率が前年に比べ拡大したのは38道府県で、うち山梨県(対前年差0.32ポイント)が最も拡大しています。
      • 人口減少率が縮小したのは群馬県(対前年差0.09ポイント)など6府県となっています。
      • 全ての都道府県で自然減少となっています。
      • 社会増加は東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県など22都道府県となっています。増加した22都道府県のうち、岐阜県及び静岡県の2県は減少から増加に転じています。
    • 15歳未満人口の割合が75歳以上人口の割合を上回るのは沖縄県のみ
      • 15歳未満人口の割合が最も高いのは、沖縄県(16.1%)となっています。
      • 15~64歳人口の割合が最も高いのは、東京都(66.5%)となっています。
      • 65歳以上人口及び75歳以上人口の割合が最も高いのは、いずれも秋田県(39.0%、21.2%)となっています。
      • 15歳未満人口の割合が75歳以上人口の割合を上回っているのは沖縄県のみとなっています。

総務省 宇宙通信アドバイザリーボード(第3回)
▼ 資料AB3-1 事務局説明資料
  • 衛星量子暗号通信技術の開発・実証
    • 近年の量子コンピュータ研究の加速化により、実用的な量子コンピュータが実現されることで、現代暗号で守られていたデータが全て解読されてしまう事態が懸念されている。また、従来のスーパーコンピュータの性能も日進月歩で進展している中、今はまだ解読できない暗号化データを一旦保存しておくことにより、将来、高度なコンピュータが実現したときに全データを一気に解読するような攻撃等への懸念も増大している。その一方で厳格に秘匿すべき情報ですら通常のインターネットで伝送されているのが現状である。将来にわたり、個人レベル・国家レベルの機密情報を安全・安心にやりとりするためには、いかなるコンピュータ技術によっても解読が不可能な、情報理論的安全性を有する量子暗号通信技術に基づき、広域的な量子鍵配送・量子暗号ネットワークを構築し、極めて堅牢性の高い安全なサイバー空間を実現することが求められている。
    • これまで、我が国は量子鍵配送・量子暗号通信の基盤となる技術の確立に向けて、100km圏内を対象とした地上の2地点間の量子鍵配送やトラステッドノード技術の研究開発や衛星通信における量子鍵配送技術の研究開発に取り組んできており、特に、衛星通信における量子暗号技術の研究開発では、今後の衛星コンステレーションの普及等を見据え、衛星に搭載可能な量子鍵配送技術の研究開発を進めており、既に、鍵の生成レートを飛躍的に改善可能な物理レイヤ暗号の実証まで研究開発が進んでいる。一方、地上系の量子鍵配送・量子暗号関連の研究開発としては、令和2年度からファイバー網における量子暗号通信のさらなる高速化・長距離化に資する4つの技術(量子通信・暗号リンク技術、トラステッドノード技術、量子中継技術、広域ネットワーク構築・運用技術)の研究開発が実施されている。しかしながら、数百km~数千kmといった大陸間スケールでの量子暗号通信へのニーズが想定される中、海底光ケーブルを経由する量子暗号通信の実現には量子中継技術が必要であるが、その完成には10年単位での研究開発期間を要すると考えられる。海外では、中国が衛星を用いて中国-オーストリア間での鍵の共有及び暗号化通信に成功するなど、グローバルスケールでの鍵共有技術として、より高性能化した衛星量子暗号通信による長距離化への取組が進んでいるなど国際的な競争も激しくなっている。他方、衛星量子暗号技術の社会実装に向けては課題も残っている。衛星量子鍵配送では、精密な衛星捕捉追尾技術等が必要となること、悪天候時には地上局への鍵配送はできなくなること、さらには、伝搬距離の増加とともに鍵生成速度が急激に低下し、量子鍵配送が困難になること等の課題があり、それを克服する必要がある。
    • 本研究開発においては、将来の事業化におけるユーザビリティの観点からも、少ない衛星基数でも地球規模での情報理論的安全な鍵共有を可能とし、気象条件や運用コスト等による制約を最小限とする効果を狙うため、我が国独自の低軌道衛星と地上局の双方を開発し、情報理論的に安全な暗号通信を実現できる新たな量子鍵配送技術及び物理レイヤ暗号技術の実証を進めることとする。
    • 具体的には、量子鍵配送及び物理レイヤ暗号による鍵共有機能(情報理論的安全性が保証されているものに限定。以下同じ。)を有する低軌道衛星の開発を実施するとともに、暗号通信網の実用性・利便性を向上させるため、衛星-地上局間の量子鍵配送において衛星と光通信リンクを形成可能とする地上局も開発する。さらに、地上系量子鍵配送網と統合運用するための衛星系・地上系統合ネットワーク化技術を開発する。
  • 衛星コンステレーション構築に必要な通信技術(光ルータ)の実装支援
    • 2030年代に実現を目指している次世代の通信技術であるBeyond5G(6G)を見据えて世界の開発競争が激化している中、宇宙由来の情報の増加、通信サービスの多様化、我が国の通信衛星(静止軌道/中軌道/低軌道衛星)を活用したコンステレーションやHAPS等の非地上系ネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Network)が多層的に連携することによって、過疎地域や航空、海洋領域を含むあらゆる領域でのより高速で安定的な通信ニーズが高まっている。既にSpaceXのStarlink等においては衛星に搭載可能な光通信端末の通信速度は100Gbpsに達していると言われており、B5G時代の通信に対応するためには衛星コンステレーションネットワークの高速化・低遅延化は必須である一方で、SpaceXをはじめ、MynaricやTESAT等の事業者による光端末競争が始まり、メーカ依存性が高く様々な通信プロトコルに分散する傾向がある。これらは、今後、NTN市場が活性化する上で大きな障壁となる。さらに、B5G時代の通信に対応した衛星コンステレーションネットワークの構築のためには、標準化の動向を踏まえた相互接続性確保に加え、巨額の投資を行う海外プレイヤーとの連携を意識した多層的なNTNと地上間でシームレスな通信を可能とする高速かつ低遅延の光ネットワークルータが必要である。また、宇宙空間においては、放射線耐性や排熱手法等も必要となるため、地上装置のように単純にチップ性能を上げるだけではこれらの問題を解決することはできない。現状の耐放射線性能を有した宇宙部品では、2Gbps程度の通信速度が限界であることから、安価で高性能な民生部品の使用も踏まえながら、宇宙環境に耐えうる10Gbps超級のネットワーク性能と消費電力を両立した光ネットワークルータがB5G時代の宇宙を活用したNTNを実現する上で必須であると考えられる。
    • また、衛星コンステレーションによる通信ネットワークでは、定常的に地上を含めたノード間の接続が切り替わるため、接続が切れることを定常状態として想定していない既存の地上ネットワークプロトコルでは対応が困難であり、さらに、衛星コンステレーション通信ネットワークに必要とされる経路制御は、コンステレーションを形成する衛星数やその軌道等の条件によっても異なる。このため、高信頼性低遅延通信に必要な基本的なアルゴリズムは押さえつつ、コンステレーション条件によって柔軟に変更可能であることが必要となる。
    • これらの背景を踏まえ、衛星コンステレーション用光通信ネットワークルータの技術開発を行い、宇宙を活用したNTNの時間的、空間的、品質的、柔軟性を向上する通信基盤技術を確立し、B5G時代の通信需要拡大にも貢献する。
  • 月面の水資源探査技術(センシング技術)の開発・実証
    • 2019年10月、我が国は米国提案によるアルテミス計画に参画することを決定した。本計画は、月での持続的な活動を目指す等の点で従来の宇宙科学・探査とは全く性格が異なるものであり、今後、月や火星までの領域が人類の活動範囲となっていくことを踏まえ、将来の経済活動や外交・安全保障を含めた幅広な観点から取り組んでいく必要がある。こうした状況の下、月面というフロンティアにおいて我が国が国際的な競争力を有し持続的な経済活動を目指すことは極めて重要である。月面活動においては人類の生命維持やロケット、工場等の燃料として水資源の活用が期待されており、月面の水資源探査は極めて重要な役割を果たすと考えられる。
    • 月面水資源の広域探査の有効な手法のひとつに、現在、宇宙開発利用加速化戦略プログラム(スターダストプログラム)において研究開発が進められているテラヘルツ波を用いた月周回軌道衛星による受動リモートセンシングがある。テラヘルツ波は氷や水に敏感な周波数帯であり、高い検出感度を有しており、また、ミリ波と比較してセンサの小型軽量化が可能であるため、超小型衛星への搭載が実現可能であり、加えて、小アンテナ口径で高水平分解能を持つ広域探査の実現が期待される。
    • 我が国では、これまでミリ波やテラヘルツ波の受動観測による広域探査において国際的な実績を有している。地球リモートセンシングでは、2002年からの実績を持つAMSR(Advanced Microwave Scanning Radiometer)シリーズがあり、AMSR-Eではミリ波(6.9GHz~89GHz)を用いて氷面積分布や土壌水分含有量等を推定している。テラヘルツ波に関しては、2009年に国際宇宙ステーション(ISS)に搭載された超伝導サブミリ波サウンダ(JEM/SMILES)があり、0.65THz帯を用いて成層圏オゾン層破壊物質等の測定を高感度に実施した。
    • これらの成果等を活用し、技術を統合した衛星を月周回軌道に投入し、広域探査により月面の水資源の実態を把握することを月周回軌道上からの衛星観測を用いて検証することとする。
  • 月-地球間通信システム開発・実証(FS)
    • 我が国は、2019年10月に、将来的な火星有人探査を視野に入れつつ、月での持続的な探査活動を目指す国際宇宙探査プログラムである「アルテミス計画」に参画することを決定している。我が国では、この計画の下、国際協力による月・火星探査を実施するとともに、持続的な有人活動に必要となる、環境制御・生命維持システムや月周回有人拠点(ゲートウェイ)補給機の研究開発、月面での広域・長期探査を可能とする有人与圧ローバの開発、月極域探査機(LUPEX)による水資源関連データの取得等に向けた取組などを着実に実施していくこととしている。
    • アルテミス計画の進展に伴い、まずは2020年代から科学探査活動の一環として資源探査が行われ、水資源を含め月面における資源の存在状況を把握し、将来の活用の可能性を明らかにすることとしている。また、月面での有人活動を持続的に行うために民間事業者が地上技術を発展させて宇宙転用することを含め、電力・通信・測位システム等の技術実証と整備を段階的に行っていくことで将来的には月面が人類の生活圏となり、新たな経済・社会活動が生み出されることが期待される。
    • このような状況下において、月面探査等における通信技術は、欧米等の各国でも取り組まれており、国際的に協調して共通のインフラや規格を共同利用する方向で調整が進められている。アルテミス計画における重要ミッションである、日本の有人与圧ローバ、米国の有人曝露ローバ、月面での船外活動等では4K/8Kリアルタイム映像伝送等が予定されているところ、現在、我が国においては、宇宙開発利用加速化戦略プログラム(スターダストプログラム)を活用して月周回衛星による1Gbps通信にかかる技術開発が進められており、それを補完する技術として、月探査で要求されている周波数帯及び送信・受信性能を満たす向け地上局及び月面におけるモバイル通信技術を開発し、月-地球間での大容量リアルタイム通信の実現が望まれる。JAXAは月周回有人拠点(ゲートウェイ)、有人与圧ローバ、月探査促進ミッション(LEAD)、中型月着陸実証ミッションなどにおいてNASAが開発を進めている大容量通信向け月探査向け地上局(LEGS)と同程度の機能・性能を保有する地上局との通信を前提としているものの、現状当該仕様を具備する地上局の開発計画は国内で存在しておらず、整備が急務となっている。

総務省 「インターネットトラブル事例集(2024年版)」の公表
▼ 「上手にネットと付き合おう!~安心・安全なインターネット利用ガイド~
  • 文字だけのコミュニケーションは意外と難しい!?
    • 会話の流れが速く、ささいなことでも誤解や感情の行き違いが起きやすいグループトーク。トラブルにならず仲良く使い続けるために気をつけたいことは?
      1. 誤解を与えないために
        • 記号、絵文字、スタンプなどをうまく使って、気持ちを正しく伝えましょう。
      2. 速くて複雑な会話だから
        • 流れに乗ることも大切だけれど、送る前に“ちょっと見直す”ことを習慣にしましょう。
      3. ムカッ!イラッ!としたら
        • 嫌な気持ちになっても少し落ち着いて。文字で伝えづらいなら電話するのも良い方法です。
    • グループトークに起因する“いじめ”も、パターンはさまざま
      • スマホやSNSの普及で新たな問題となったのが、いわゆる“SNSいじめ”。これまでの、1人の子を多数で追い詰める、発言を無視する、いじめ・嫌がらせのネタとなる写真や動画を共有する、グループから外す(または新たなグループを作り会話を移動)などに加え、「ステメ」を悪用した嫌がらせも全国で起きています。 ※ステータスメッセージの略で、メッセージアプリのプロフィール欄に書ける一言メッセージのこと。ステメを使ったいじめやトラブルが増えている。
      • メンバー以外は読むことができないグループトーク、誰宛てかを一切書かない悪口ステメ、いずれも人目につきにくく発見が遅れがち。身近な大人が日々の様子や会話から変化・違和感を察することが早期発見・解決の鍵。また、こども自身も気になる画面をスクリーンショットなどに残して保護者や先生に相談しましょう。
  • ネット上で出会って仲良くなることもあるけれど
    • 話が盛り上がる相手は嬉しい存在ですが、わざと共通の話題で近づいてきた悪い人だったら、やりとりした内容が脅しのネタに。こんな被害を防ぐために、できることは?
      1. 裸などの画像は送らない
        • 一度、ネット上に流出してしまった画像は、取り返しがつきません。
      2. 情報の組み合わせに注意
        • ネットでの会話を元に本名や学校名が知られてしまうこともあるので要注意です。
      3. 深みにはまってしまう前に
        • 自分の情報を送るときはよく注意し、困ったときは身近な大人や専門の相談窓口の利用もご検討ください。
    • 言葉巧みに近づく人を、見える情報だけで判別するのは不可能
      • 政府インターネットテレビでは、実際の事件を基にしたドラマ仕立ての動画を公開しています。悪意ある大人の巧妙な手口を、動画で疑似体験できますので、ぜひ参考にしてください。
      • 自画撮り被害児童のほとんどは中高生。仲良くなりたいと思わせて個人情報を聞き出し、写真を送らせて脅す手口の一部始終を、じっくり考えながら視聴し、時間をかけて真剣に話し合ってみましょう。
  • ゲームがきっかけとなりトラブルに発展!?
    • 文字や音声でやりとりしながら楽しめるゲームなども増えました。SNSやゲームを通じて知り合った人とプレイする際に気をつけたいことや、課金のし過ぎを防ぐ工夫は?
      1. 甘い誘いはワナの可能性が
        • アカウントを乗っ取るために、ID・パスワードを聞き出そうとする人もいるので注意しましょう。
      2. 課金する前に必要なこと
        • いくらまで課金するか、誰のお金を使うかなど、必ず保護者と相談しましょう。
      3. ボイスチャットはさらに注意
        • ゲーム中の会話をきっかけとしてトラブルになることもあるので気をつけましょう。
    • 特にオンラインゲームで知り合った相手とのトラブルに注意
      • アカウントを乗っ取られる、ポイントやアイテムを奪われる、クラウドに保存した写真を盗み見られるなどのトラブルが起きています。たとえ親しい人でもID・パスワードを教えてはダメ、他人のID・パスワードでのログインは絶対ダメ(不正アクセス禁止法違反)ということをしっかり教えましょう。また、ゲームやSNSのID・パスワードの悪用による被害への注意喚起も必要です。
      • 高額課金を心配する声も多くあります。課金する場合は、親子間であらかじめ限度額を決めておきましょう。使い過ぎを防ぐために、年齢に応じた課金の上限設定を活用するのも一案です。 ※
      • オンラインゲーム上のチャットを通じた誘い出しなどの事件も起きています。対象年齢までガマンが大事です。
        • ※「気づいたら高額課金」に陥らないための対策は不可欠ですが、万が一、高額請求に困ったときは、消費者ホットラインcall188に相談しましょう。
  • 脅迫めいた投稿は悪意がなくてもダメ!
    • 注目を浴びたい、うさ晴らしをしたい、などさまざまな理由から、行き過ぎた投稿をする人がいます。もしもそれが、脅迫や犯行予告とみなされたらどうなるでしょう?
      1. 通報により警察が動く
        • 匿名でも投稿者の特定はできます。「冗談のつもりだった…」などの言い訳は通用しません。
      2. 騒ぎが大きくなると
        • 何気ないあなたの投稿が誰かの迷惑になり、将来のあなたを苦しめることも!
      3. こんな投稿を見つけたら
        • 通報(報告)ボタンなどを使って運営側に連絡。巻き込まれない方法で対応しましょう。
    • ネットやSNSなどへの書き込み、軽く考えないように
      • 気に入らない有名人を名指しで「殺す」と書いたり、「感染したから今からまき散らしに行く」といった投稿など、実行する気など全くない“単なる脅し”や“悪ふざけ”だったとしても、脅迫めいた書き込みは犯罪とみなされる可能性があります。学校、駅などへの犯行予告など、地域社会に大きな不安を与えるような投稿も同じです。
      • 軽い気持ちで犯罪まがいの投稿をすると、相手を深く傷つけるだけでなく、投稿者自身の大きな傷になることも。たとえ匿名でも、いつ・どこから・誰が投稿したかは基本的に特定可能。善悪の判断ができなくなるほど冷静さを欠いた心理状態のときは、スマホやネットから一旦離れて気分転換を試みるのが一番の安全策です。

総務省 家計収支編(二人以上の世帯)2024年2月分
  • 消費支出
    • 消費支出(二人以上の世帯)は、1世帯当たり 279,868円
    • 前年同月比 実質 0.5%の減少 名目 2.8%の増加
    • 前月比(季節調整値) 実質 1.4%の増加
  • 実収入
    • 勤労者世帯の実収入(二人以上の世帯)は、1世帯当たり561,495円
    • 前年同月比 実質 2.5%の減少 名目 0.7%の増加

総務省 「情報アクセシビリティ好事例2023」の公表
  • 誰もがデジタル活用の利便性を享受し、豊かな人生を送ることができる社会の実現のためには、ICT機器・サービスの情報アクセシビリティの確保が重要であることから、総務省では、
    • 国民全般に広くアクセシビリティに配慮した製品を知っていただくこと
    • 情報アクセシビリティに特に配慮している企業等やその取組を奨励すること
      を主な目的として、令和5年度からの新たな取組として情報アクセシビリティ好事例を募集し、審査の結果、23件の製品・サービスを「情報アクセシビリティ好事例2023」として公表することとしました。
  • 好事例2023選定ICT機器・サービス(別紙)
    • 「情報アクセシビリティ好事例2023」一覧
    • 「情報アクセシビリティ好事例2023」として取り上げる主なポイント
    • 各製品の概要・審査結果
      • ※なお、「情報アクセシビリティ好事例」として公表された製品は、応募者から提出された書面により審査されたものであり、製品の実際の操作性等については確認しておりません。
  • 審査委員の総評
    • 今年度初めての取組であったが、国内外を問わず23件に及ぶ多様なICT機器・サービスの応募があった。一般向けのICT機器・サービスで、情報アクセシビリティに配慮したものもあれば、特定の障害に特化した福祉的な支援機器・サービスなどもあった。
    • 個人開発者から企業等まで事業規模に関わらず全ての応募者に共通していたことは、社会貢献に対する真摯な姿勢とユニバーサル社会実現に向けた高い志であり、審査委員一同、深い感銘を受け、心から敬意を表するものである。
    • 各審査項目に基づく審査の概要は、以下の通りである。
      • 審査項目(1)製品の情報アクセシビリティへの配慮
        • 一般向けで情報アクセシビリティ対応に努めている製品については、専門職を含む様々な職種において多様な人が従事・活躍することを視野に入れた工夫がなされている点が高く評価された。また、いわゆる支援機器・サービスについても、最新技術を活用した多様な機能を備えたものでありつつ、障害の特性に応じたカスタマイズが可能なものや、シンプルな操作性が確保されている等、円滑なコミュニケーションの実現や日常生活の質を向上させる価値の高いICT機器・サービスを提供している。また、提供後のサポート体制についても、直接利用者の元に出向き、様々な療養シーンに対応できるよう調整し改善工夫を行っている点などが高く評価された。
      • 審査項目(2)当事者ニーズを踏まえた開発
        • 例えば、障害当事者を含めたチーム体制で開発、利用場面を広範かつ具体的に押さえ、ろう学校等の協力を得ながら開発するなど、各事業者が様々な取組を行っていることが分かった。企画・開発・提供後のそれぞれの段階において、実際の利用者のみならず、支援者、家族、地方公共団体の関連部局、当該分野の専門家等の意見を丁寧に把握したり開発過程で体験してもらったりすることで、より高いクオリティを求めて努力されている姿勢が伺えた。
      • 審査項目(3)企業としての情報アクセシビリティ確保に向けた取組
        • アクセシビリティ推進に係るチームの組成、ガイドライン・チェックリストの策定、当事者による定期的な点検等、継続的に情報アクセシビリティを確保する仕組を有している点が高く評価された。また、社内での取組を広く世間に公表したり、SNSを積極的に活用し、障害当事者に最新情報が届くよう情報発信の体制を強化しているところもあり、評価に値する。
    • 併せて、アクセシビリティに配慮した一般向けICT機器・サービスは、本年4月施行の民間企業の法定雇用率の引上げ(※)を踏まえると、障害者の一層の社会参画や就労促進、さらには起業の可能性に大きく寄与するものであり、審査委員としても、これらの製品が様々な場面で活用されることを期待している。 ※障害者雇用促進法43条第1項により、令和6年度4月より民間企業の法定雇用率は2.5%となる。
    • このような好事例を公表することは、情報アクセシビリティに配慮したICT製品・サービスやそれに関わる企業等の前向きな取組を広く世間に周知することとなり、障害当事者を含む多様な者がデジタル活用の利便性を享受し、豊かな人生を送ることができる社会の実現に資するものと考えられる。今後も、企業等における情報アクセシビリティへの取組の広がりを大いに期待したい。

総務省 デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会 ワーキンググループ(第12回)配付資料
▼ 資料WG12-2生貝構成員ご発表資料
  • AI法案:禁止されるAI行為
    • 近日中に正式に確定する同法では、AIシステムに対してリスクに応じて(1)禁止されるAI行為、(2)ハイリスクAIシステム、(3)特定のAIシステムの透明性義務、(4)自主的な行動規範の4類型に分けた規律を行う他、(5)生成AIを含む汎用目的AI(General Purpose AI)に対する特別な規律を設ける
    • 禁止されるAI行為(概略)
      • 判断能力を著しく損なうサブリミナル技法や操作的・欺瞞的技法
      • 年齢、障害、特定の社会的・経済的状況に起因する脆弱性の悪用
      • 本人や集団に不利な影響を与える社会的スコアリング(例外有)
      • 個人の性格特性や特徴のプロファイリングのみに基づく犯罪予測
      • 顔識別DB作成目的のインターネット・CCTV顔画像無差別スクレイピング
      • 職場及び教育機関における感情識別(医療・安全目的の例外有)
      • 生体識別データに基づく特別カテゴリーデータの推測(例外有)
      • 法執行目的の公共のアクセス可能な空間での生体識別(例外有)
  • AI法案:ハイリスクAI
    • ハイリスクAIのカテゴリー
      • 既存EU法での適合性評価義務対象:機械、玩具、レジャー用船舶、リフト、爆発性雰囲気装置、無線機器、圧力機器、索道設備、個人用保護具、ガス機器、医療機器
      • AI法での新たな指定:バイオメトリクス(遠隔生体識別・感情識別)、インフラ管理・運用、教育や職業訓練での学生や希望者の評価や受入れの合否、雇用、労働管理、自営業へのアクセス、重要な民間・公共サービス(公的支援金給付、融資、緊急対応措置)、法執行、移民・亡命・国境管理、司法又は民主主義プロセス
        • ※審議プロセスの中でデジタルサービス法のVLOP/VLOSEが用いるレコメンダーシステムを直接ハイリスクAIに含む提案も行われたが、最終的には含まれず
    • ハイリスクAIシステムの要求事項
      • リスクマネジメントシステムの構築、データとデータガバナンス、技術文書、記録保持、透明性と利用者への情報提供、人間による監視、正確性・堅牢性・セキュリティ
      • 要求事項具体化手段としての整合規格
    • ハイリスクAIシステム提供者の義務:上記要求事項の遵守確保等
    • ハイリスクAI配備者の義務:基本権影響評価の実施と当局への提出
  • AI法案:特定のAIシステムの透明性義務
    • 自然人と直接対話するAIシステム提供者の開示義務
    • 感情識別・生体識別システム配備者の本人通知義務
    • ディープフェイク生成AIシステム配備者:当該コンテンツが人為的に生成・操作されたものであることを開示する義務
    • 汎用目的AIを含むコンテンツ生成AI提供者:AIシステムの出力が機械可読形式でマークされ、人為的に生成・操作されたことを検出できることを保証する義務
      • 前文120「本規則において、特定のAIシステムの提供者および配備者に課される、当該システムの出力が人為的に生成または操作されたものであることを検知し、開示することを可能にする義務は、規則(EU)2022/2065(※デジタルサービス法)の効果的な実施を促進するために特に関連する。これは、特に、人工的に生成または操作されたコンテンツの拡散から生じる可能性のあるシステミックリスク、特に偽情報を通じたものを含む民主的プロセス、市民的言説および選挙プロセスに対する実際または予見可能な悪影響のリスクを特定し、軽減するための、非常に大規模なオンラインプラットフォームまたは非常に大規模なオンライン検索エンジンのプロバイダーの義務に関して適用される。」
  • EU AI法案:汎用目的AI
    • 汎用目的AIモデル提供者の義務
      • 設計や学習等の技術文書作成と当局への提供
      • 下流事業者への情報開示
      • DSM著作権指令4条(学習データオプトアウト)遵守措置、学習データ要約
    • システミックリスクを有する汎用目的AIモデル(10^25FLOPs以上等)提供者の義務
      • システミックリスク特定・軽減のためのレッドチームテスト実施・文書化を含むモデル評価
      • システミックリスクの評価・軽減
      • 重大インシデントへの対応文書化と当局への報告
      • サイバーセキュリティ対策
      • →それぞれの義務は整合規格により具体化、それまでは欧州委員会主導で策定する行動規範(codes of practice)の遵守
    • 前文110「汎用目的AIモデルは、重大事故、重要部門の混乱、公衆衛生及び安全に対する重大な影響、民主的プロセス、公共及び経済の安全に対する実際の、又は合理的に予見可能な悪影響、違法、虚偽、又は差別的なコンテンツの流布を含むが、これらに限定されないシステミックリスクをもたらす可能性がある。(…)」
    • 前文133「さまざまなAIシステムが大量の合成コンテンツを生成できるようになり、人間が生成した本物のコンテンツとの区別がますます難しくなっている。こうしたシステムが広く利用可能になり、その能力が高まることは、情報エコシステムの完全性と信頼性に重大な影響を及ぼし、誤情報や大規模なマニピュレーション、詐欺、なりすまし、消費者への欺瞞といった新たなリスクを引き起こす。こうした影響、技術の進歩の速さ、情報の出所を追跡するための新たな手法や技術の必要性を考慮すると、こうしたシステムの提供者に対し、機械が読み取り可能な形式で表示し、その出力が人間ではなくAIシステムによって生成または操作されたことを検出できる技術的ソリューションを組み込むことを求めることが適切である。(…)」
  • デジタルサービス法とAI
    • EUのプロバイダ責任を規定してきた電子商取引(2000年)を元に、違法・有害情報に対するプラットフォームの責任・責務や透明性のあり方を全面的にアップデート
    • 媒介サービス事業者(IS)一般やオンラインプラットフォーム(OP)事業者一般に適用される規律の他、EU域内で月間アクティブ利用者4,500万人以上を有する「超大規模オンラインプラットフォーム(VLOP)」+「超大規模オンライン検索エンジン(VLOSE)」事業者に、偽・誤情報を含むシステミックリスクの評価・軽減義務を課す
      • 2023年4月25日に17のVLOPと2のVLOSEが指定、2024年2月全面適用開始
    • デジタルサービス法の要点
      • コンテンツモデレーション:透明性と救済
      • プロファイリング関連規制
      • VLOP/VLOSEとシステミックリスクの評価・軽減
    • コンテンツモデレーション:透明性と救済
      • 利用規約へのコンテンツモデレーションポリシー明記(IS、14条)
        • 利用者提供情報に関する制限の情報(アルゴリズムによる意思決定と人間によるレビューを含むコンテンツモデレーションのあらゆる方針・手順・手段・ツール、内部苦情処理システム手続に関する情報を含む)
        • 制限の実施における表現の自由やメディアの自由・多元性、その他基本権等の利益への配慮義務
        • VLOP/VLOSEは全サービス提供加盟国の言語で当該情報を提供
      • 透明性レポート(IS~VLOP段階、15条他)→VLOPの第一次レポート
        • 当局命令・対応、違法・規約違反別の通知・対応件数と対応時間、コンテンツモデレーション担当者訓練内容、自動処理のエラー率指標とセーフガード措置等(※VLOPは加盟国の公用語ごとに整理)
      • 削除等の理由の説明(IS、17条)→欧州委による集約データベース
        • コンテンツ削除・降格やアカウント停止等を受けた利用者への明確かつ具体的な理由説明
      • 削除等に異議がある場合の内部苦情処理システム整備(OP、20条)
        • 削除やアカウント停止等の判断が誤っていた場合の回復等
      • さらに異議がある場合の裁判外紛争処理の利用(OP、21条)
        • 紛争処理機関に対する当局の認定等
    • データ保護:プロファイリング規制
      • PF上のターゲティング広告のパラメータ等の明示(OP~VLOP段階、26条他)
      • レコメンダーシステムのパラメータ明示とユーザーによる修正可能性(VLOPはプロファイリングに基づかない選択肢の提供を含む)(OP~VLOP、27条他)
      • GDPR特別カテゴリー個人データのプロファイリング広告利用禁止(OP、26条3項)
      • 青少年保護と未成年個人データのプロファイリング広告利用禁止(OP、28条2項)
        • ※ダークパターンの禁止(OP、25条):「サービス受領者を欺いたり操作したりするような方法で、又はその他の方法でサービス受領者が自由かつ情報に基づく決定を行う能力を実質的に歪めたり損なったりする方法で、オンライン・インターフェースを設計、組織、運用しないこと」
    • VLOP/VLOSE:偽・誤情報を含むシステミックリスクの評価と軽減
      • VLOP/VLOSEは、自らのサービスがもたらしうる違法コンテンツ流布、基本権(人間の尊厳、プライバシー、個人データ保護、表現・情報の自由、非差別、児童の権利、消費者保護)、市民言説と選挙、ジェンダー暴力・公衆衛生・青少年保護等への影響等の「システミックリスク」を自ら特定・分析・評価し(34条)、合理的・比例的・効果的な軽減措置を採る義務(35条)と、公共の安全・公衆衛生への重大な脅威における危機対応メカニズムにおいて出される欧州委員会の要請決定の対象となる(36条)
      • 欧州委員会が奨励・推進・招請して策定する、行動規範(codes of conduct)(45条)や危機プロトコル(48条)を通じて具体化する共同規制メカニズム
        • デジタルサービス法採択以前から偽情報行動規範が策定、2022年6月の改訂によりディープフェイク等への対応も含まれる
      • 34条・35条の義務及び、行動規範・危機対応プロトコルの遵守について、年1回以上の独立監査を受ける義務(37条)
        • 評価・緩和措置検証のための外部研究者データアクセス提供義務(40条)
  • デジタルサービス法とAI法
    • AI法案前文118「本規則は、AIシステムおよびモデルを規制するものであり、関連する市場関係者に対し、それらを市場に投入し、サービスを開始し、または域内で使用するための一定の要件および義務を課すことにより、規則(EU)2022/2065(※デジタルサービス法)により規制される、そのようなシステムまたはモデルをサービスに組み込む媒介サービスの提供者に対する義務を補完するものである。そのようなシステムまたはモデルが、指定された超大規模オンラインプラットフォームまたは超大規模オンライン検索エンジンに組み込まれる限りにおいて、それらは規則(EU)2022/2065に規定されたリスク管理の枠組みの対象となる。その結果、規則(EU)2022/2065が対象としていない重大なシステミックリスクが出現し、そのようなモデルで特定されない限り、本規則の対応する義務は履行されていると推定されるべきである。この枠組みの中で、超大規模オンラインプラットフォームおよび超大規模オンライン検索エンジンのプロバイダーは、潜在的な悪用から生じるシステミックリスクだけでなく、サービスで使用されるアルゴリズムシステムの設計がそのようなリスクにどのように寄与するかを含め、サービスの設計、機能、使用から生じる潜在的なシステミックリスクを評価する義務がある。これらの提供者はまた、基本的権利を遵守し、適切な緩和措置を講じる義務がある。」
  • いくつかの論点
    • AI法案:AI提供者・配備者等
      • 製品安全
      • プロファイリング
      • 偽・誤情報にとどまらない操作・欺瞞
    • デジタルサービス法:プラットフォームレイヤー
      • AIとコンテンツモデレーション、レコメンダーやプロファイリング
      • AI生成コンテンツ流通への対応
    • 両法の補完関係
      • AI法案におけるAI生成コンテンツ検出可能化義務と、デジタルサービス法におけるPF側の検知・開示措置(システミックリスク軽減)
      • システミックリスク軽減義務

総務省 労働力調査 (基本集計)2024年(令和6年)2月分
  • 就業者の動向
    • 男女別就業者数
      • 就業者数は6728万人。前年同月に比べ61万人(0.9%)の増加。19か月連続の増加。
      • 男性は3683万人。15万人の増加。女性は3045万人。46万人の増加
    • 従業上の地位別就業者数
      • 自営業主・家族従業者数は608万人。前年同月に比べ14万人(2.3%)の減少
      • 雇用者数は6088万人。前年同月に比べ76万人(1.3%)の増加。24か月連続の増加。
      • 男性は3293万人。32万人の増加。女性は2795万人。44万人の増加
    • 雇用形態別雇用者数
      • 正規の職員・従業員数は3617万人。前年同月に比べ49万人(1.4%)の増加。4か月連続の増加
      • 非正規の職員・従業員数は2134万人。前年同月に比べ32万人(1.5%)の増加。6か月連続の増加
      • 役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は37.1%。前年同月と同率
    • 就業率
      • 就業率(15歳以上人口に占める就業者の割合)は61.2%。前年同月に比べ0.7ポイントの上昇
      • 15~64歳の就業率は78.6%。前年同月に比べ0.7ポイントの上昇。男性は84.0%。0.5ポイントの上昇。女性は73.0%。0.9ポイントの上昇
      • 20~69歳の就業率は80.6%。前年同月に比べ0.9ポイントの上昇
  • 完全失業者の動向
    • 男女別完全失業者数
      • 完全失業者数は177万人。前年同月に比べ3万人(1.7%)の増加。3か月ぶりの増加
      • 男性は99万人。前年同月に比べ6万人の減少。女性は78万人。前年同月に比べ9万人の増加
    • 求職理由別完全失業者数
      • 完全失業者のうち、「勤め先や事業の都合による離職」は23万人と、前年同月に比べ3万人の減少、「自発的な離職(自己都合)」は74万人と、前年同月に比べ2万人の増加、「新たに求職」は49万人と、前年同月に比べ2万人の増加
    • 年齢階級別完全失業者数
      • 男性の完全失業者数は、「15~24歳」、「25~34歳」及び「65歳以上」の年齢階級で、前年同月に比べ減少
      • 女性の完全失業者数は、「25~34歳」、「35~44歳」及び「45~54歳」の年齢階級で、前年同月に比べ増加

総務省 令和6年版地方財政の状況
  • 令和5年度においては、通常収支分について、極めて厳しい地方財政の現状及び現下の経済情勢等を踏まえ、歳出面においては、地域のデジタルや脱炭素化の推進等に対応するために必要な経費を充実して計上するとともに、地方公共団体が住民のニーズに的確に応えつつ、行政サービスを安定的に提供できるよう、社会保障関係費の増加を適切に反映した計上等を行う一方、国の取組と基調を合わせた歳出改革を行うこととする。また、歳入面においては、「経済財政運営と改革の基本方針2022」(令和4年6月7日閣議決定)等を踏まえ、交付団体を始め地方の安定的な財政運営に必要となる地方の一般財源総額について、令和4年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保することを基本として、引き続き生じることとなった大幅な財源不足について、地方財政の運営上支障が生じないよう適切な補填措置を講じることとする。
  • また、東日本大震災分については、復旧・復興事業及び全国防災事業について、通常収支とはそれぞれ別枠で整理し、所要の事業費及び財源を確保することとする。
  • なお、地方財政審議会からは、令和4年5月25日に「活力ある持続可能な地域社会を実現するための地方税財政改革についての意見」及び同年12月9日に「今後目指すべき地方財政の姿と令和5年度の地方財政への対応等についての意見」が提出された。
  • 令和6年度においては、通常収支分について、極めて厳しい地方財政の現状及び現下の経済情勢等を踏まえ、歳出面においては、こども・子育て政策の強化等に対応するために必要な経費を充実して計上するとともに、地方公共団体が住民のニーズに的確に応えつつ、行政サービスを安定的に提供できるよう、社会保障関係費や民間における賃上げ等を踏まえた人件費の増加を適切に反映した計上等を行う一方、国の取組と基調を合わせた歳出改革を行うこととする。また、歳入面においては、「経済財政運営と改革の基本方針2023」(令和5年6月16日閣議決定)等を踏まえ、交付団体を始め地方の安定的な財政運営に必要となる地方の一般財源総額について、令和5年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保することを基本として、引き続き生じることとなった大幅な財源不足について、地方財政の運営上支障が生じないよう適切な補填措置を講じることとする。
  • また、東日本大震災分については、復旧・復興事業及び全国防災事業について、通常収支とはそれぞれ別枠で整理し、所要の事業費及び財源を確保することとする。
  • なお、地方財政審議会からは、令和5年5月25日に「活力ある多様な地域社会を実現するための地方税財政改革についての意見」及び同年12月11日に「今後目指すべき地方財政の姿と令和6年度の地方財政への対応等についての意見」が提出された。
  • 最近の地方財政をめぐる諸課題への対応
    • 少子化は我が国が直面する最大の危機であり、若年人口が急激に減少する2030年代に入るまでに少子化トレンドを反転させ、人口減少に歯止めをかけなければ、持続的な経済成長の達成は困難となる。2030年(令和12年)までがラストチャンスであり、政府として次元の異なる少子化対策を進めることとしている。
    • 地方公共団体は、こども・子育てサービスの多くを提供する主体であり、現場において果たす役割が極めて大きいことから、こども・子育て政策の強化は国と地方が車の両輪となって取り組んでいく必要がある。
    • 輸入物価の上昇に端を発する物価高の継続は、国民生活を圧迫し、日本経済の回復に伴う生活実感の改善を妨げている。こうした中、地方公共団体においては、物価高の影響を受けた生活者や事業者に対し、地域の実情に合わせて必要な支援を実施しており、国においても、そうした取組に補正予算の編成や予備費の使用により財政措置を講じてきた。また、地方公共団体の公共施設等における光熱費の高騰や委託料の増加、建設事業費の上昇を踏まえた対応も必要となっている。
    • 「デジタル田園都市国家構想」の実現に向け、地域社会全体のデジタル変革を加速させ、活力ある地方を創るためには、デジタル技術を活用して地方の社会課題解決や魅力向上を図るとともに、地方公共団体のDX(デジタル・トランスフォーメーション)等を推進していく必要がある。
    • 「地球温暖化対策計画」(令和3年10月22日閣議決定)において、2050年カーボンニュートラルの実現を目指すとともに、我が国の中期目標として、2030年度において温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指すこととされたことを踏まえ、地域の脱炭素化を推進していく必要がある。
    • 令和6年1月1日に最大震度7を観測した令和6年能登半島地震では、甚大な被害が発生した。近年、気候変動の影響により気象災害は激甚化・頻発化し、南海トラフ地震などの大規模地震の発生も切迫している。引き続き、国民の生命・財産を守るため、地方公共団体が国と連携しつつ、防災・減災、国土強靱化対策に取り組む必要がある。
    • また、高度経済成長期に大量に建設された公共施設等が一斉に更新時期を迎える中、各地方公共団体においては、人口減少や少子高齢化等による公共施設等の利用需要の変化や地方財政の厳しい状況等を踏まえ、公共施設等の適正管理に向けた取組を着実に推進する必要がある。
    • 少子高齢化など人口構成の変化が一層進んでいく中、年金、医療、介護などの社会保障を持続可能なものとするためには、社会保障制度を見直し、給付・負担両面で、人口構成の変化に対応した世代間・世代内の公平が確保された制度へと改革していくことが必要である。
    • また、社会保障分野のサービス・給付の多くが地方公共団体を通じて国民に提供されていることから、国と地方が一体となって安定的に実施していくことが重要であり、社会保障制度改革は国・地方が協力して推進していく必要がある。
    • 地方公共団体や公営企業が、中長期的な見通しに基づく持続可能な財政運営・経営を行うためには、自らの財政・経営状況、ストック情報等を的確に把握することが重要であり、地方公会計の推進、地方財政の「見える化」や公営企業の経営改革等に取り組む必要がある。
    • 地方圏において少子高齢化・人口減少の局面に的確に対応していくための連携の枠組みである「連携中枢都市圏」や「定住自立圏」の形成については相当程度進捗した段階にあり、広域的な産業政策、観光振興、災害対策など、比較的連携しやすい取組から実績が積み上げられている。
    • さらに、令和5年答申を踏まえ、地方公共団体の経営資源が制約される中で、持続可能な形で行政サービスを提供し住民の暮らしを支えていくため、地方公共団体が、地域や組織の枠を越えて資源を融通し合い、他の地方公共団体や地域の多様な主体と連携・協働していく取組を深化する必要がある。
    • 特に、市町村の自主的な連携による専門人材の確保等の取組が重要であり、その上でニーズに応じた都道府県等による調整・支援を促進する必要がある

総務省消防庁 「令和5年中の救急出動件数等(速報値)」の公表
  • 令和5年中の救急自動車による救急出動件数は763万7,967件(対前年比40万8,395件増、5.6%増)、搬送人員は663万9,959人(対前年比42万2,676人増、6.8%増)で救急出動件数、搬送人員ともに増加した
  • 令和5年中の救急自動車による救急出動件数の内訳を事故種別ごとにみると、急病が517万2,787件(67.7%)、一般負傷が118万5,162件(15.5%)、交通事故が39万9,593件(5.2%)などとなっており、前年と比較すると構成比に大きな変化はないが、長期的には、急病の割合は増加し、交通事故の割合は減少している
  • 令和5年中の救急自動車による搬送人員の内訳を事故種別ごとにみると、急病が449万7,224人(67.7%)、一般負傷が105万7,654人(15.9%)、交通事故が36万505人(5.4%)などとなっており、前年と比較すると、事故種別ごとの救急出動件数と同様に、構成比に大きな変化はないが、長期的には、救急出動件数と同様に、急病の割合は増加し、交通事故の割合は減少している
  • 令和5年中の救急自動車による搬送人員の内訳を年齢区分別にみると、高齢者が409万2,759人(61.6%)、成人が196万8,512人(29.6%)、乳幼児が33万5,996人(5.1%)などとなっており、前年と比較すると、構成比では乳幼児と少年が増加している。また、長期的には、これまでと同様、高齢者の割合は増加し、成人の割合は減少している
  • 令和5年中の救急自動車による搬送人員の内訳を傷病程度別にみると、軽症(外来診療)が321万4,831人(48.4%)、中等症(入院診療)が285万1,385人(42.9%)、重症(長期入院)が47万8,740人(7.2%)などとなっており、前年と比較すると、構成比では軽症が増加している。また、長期的には、これまでと同様、中等症(入院診療)の割合は増加し、軽症(外来診療)の割合は減少している

総務省 デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会(第14回)配付資料 ※ワーキンググループ(第10回)合同開催
▼ 資料14-3-3 TikTok Japanご発表資料
  • コミュニティガイドラインにおいて、削除等の対象となる偽・誤情報について定めています。
    • 禁止されるもの
      • 発信者の意図に関わらず
      • 個人や社会に重大な危害を及ぼし得る、不正確な、誤解を招く、または虚偽の情報
    • おすすめフィードの対象外となるもの
      • 一般的な陰謀論や緊急事態に関連する未確認の情報が含まれるコンテンツなど
  • ファクトチェック機関との連携
    • 2020年以来、TikTokは50か国語以上をサポートする、世界中の18のファクトチェックパートナーと連携しています
  • 削除等の基準・措置の公正性・透明性の確保
    • コミュニティガイドラインの公表
    • 投稿者への削除の通知、理由の明示
      • コミュニティガイドラインに違反して動画が削除された場合、どのコミュニティガイドラインに違反したかをユーザーに通知
    • 異議申し立ての機会の確保
      • 削除の理由を通知する画面や当該動画の画面から、異議申し立てボタンをクリックして、申し立てできる
      • 再審査の結果も通知
    • 透明性レポートの公表
      • 「地域・言語別のモデレーション」セクションにおいて、上位50位の地域別数値も公表
      • 上位50位の地域について、データのダウンロードが可能
      • モデレーターの主要言語の割合も公表
      • 悪意をもって人の意思決定に影響を与えようとする活動の検知を具体的に公表
  • 偽・誤情報の防止
    • 信頼できる情報源へのアクセスと、慎重なアクションを呼びかけるガイド
      • 紛争に関連する用語を検索すると、検索結果にガイドが表示される。
      • 情報が必ずしも正確でない可能性があることを伝える
      • 慎重なリアクションを呼びかける
      • 公式の情報源を確認することを促す
  • 生成AIへの対応
    • 実在する人物の映像または音声を含むAI生成コンテンツの制限
      • 実在する人物の映像または音声を含むAI生成コンテンツを、コミュニティガイドラインで制限
    • AIで生成したコンテンツにラベルを表示
      • AI生成コンテンツを投稿する際には「AI生成」ラベルをつけることを義務付け
    • 透明性と責任ある共同行動のためのフレームワークに参加
      • AIの透明性と責任あるイノベーションのためのフレームワークである「Partnership on AI」のResponsible Practices for Synthetic Mediaに参加
  • 多様性あるレコメンドシステム、フィルターバブルの防止
    • 多様なコンテンツを表示するレコメンドシステム
      • ユーザーから提供された指標(いいね等)により、ユーザーにとって有用なコンテンツを予測する。予測スコアが高いものから順番にランキングが作成されるが、それらの類似性をチェックし、類似性が高い場合は、低いコンテンツと入れ替えることで、多様性を確保している
    • おすすめフィードのリセット
      • ユーザーがコンテンツが自分に合っていない、あるいはテーマの多様性が十分でないと感じたら、おすすめフィードをリセットできる
  • レコメンドシステムの透明性
    • レコメンドされた理由の表示
      • なぜその動画がおすすめされたのか、動画ごとにユーザーが確認できる
    • レコメンドシステム/モデレーションの仕組みについて、積極的な情報公開
      • 専門家が、動画審査の実践や、レコメンドシステムに関する情報にアクセスできる「透明性・説明責任情報公開センター」を開設
      • レコメンドシステムの仕組みを解説するWebページを設置し、積極的に情報を公開

【2024年3月】

総務省 デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会(第13回)配付資料 ※ワーキンググループ(第9回)合同開催
▼ 資料13-4デジタル空間における情報流通の健全性に関する基本理念(案)
  • 構成員からのこれまでのご意見を踏まえると、デジタル空間における「情報流通の健全性」に関する基本理念として、例えば以下のような項目が考えられるのではないか。
  • 今後、これらの項目を整理・階層化し、その結果を踏まえて情報流通の場としてのデジタル空間の在り方や情報流通の各過程(発信・伝送・受信)に関わるステークホルダーの役割・責務について検討してはどうか。
    • 表現の自由→デジタル・サイバー・青少年
      • 発信者・伝送者それぞれの表現の自由の保障 など
    • 知る権利→デジタル・青少年
      • 受信者における多様な情報へのアクセスの保障
      • 情報的に健康になろうとする者への機会保障 など
    • 法の支配・民主主義→サイバー・個人情報
      • ルールに基づく民主的なガバナンスの確立
      • 民主主義の過程における国民の自律的な意思決定の保護 など
    • 公平性
      • 情報の伝送過程における不当な偏りの抑止 など
    • 公正性→デジタル
      • コンテンツ作成にかけた「労力」への正当な評価 など
    • 発信主体の真正性確保
      • 発信主体の真正性を受信者において判断できる能力の支援 など
    • 信頼性のある情報の流通確保→デジタル・個人情報
      • アテンション・エコノミー下における信頼性の高いコンテンツの流通へのインセンティブ付与 など
    • リテラシー・責任ある発信→サイバー・個人情報・青少年
      • 受信者・発信者それぞれのリテラシー向上
      • デジタル・シティズンシップの涵養 など
    • 包摂性・脆弱な個人の保護→デジタル・青少年
      • 児童・青少年や高齢者の保護と情報流通への参画機会確保 など
    • 安心→デジタル・サイバー・青少年
      • 法令違反情報・権利侵害情報(誹謗中傷等)による被害の防止・救済
      • 偽・誤情報の拡散による社会的コスト・リスクの増加の抑制
      • 災害発生時等の社会的混乱その他フィジカル空間への影響の抑止 など
    • 安全・セキュリティ確保→デジタル・サイバー
      • サイバー攻撃・安全保障上の脅威等への対抗力の確保 など
    • オープン・透明性→デジタル・個人情報
      • 事業者による取組の透明性確保
      • 政府による事業者への働きかけの透明性確保 など
    • アカウンタビリティ→デジタル・個人情報
      • 事業者の発信者・受信者それぞれに対するアカウンタビリティ
      • 政府の事業者に対するアカウンタビリティ など
    • プライバシー保護→デジタル・個人情報
      • 個人の認知領域への侵襲抑止
      • 個人の自律的な意思決定の保護 など
    • 利用者データの保護→個人情報
      • 個人情報や個人情報以外の利用者データの適正な取扱い など
    • グローバル→デジタル
      • 分断のないデジタル空間の実現 など
    • 国際性→サイバー
      • 国際的に調和のとれたルール作り・運用
      • 政府・事業者を含めた国際連携の促進 など
    • マルチステークホルダーによる連携・協力→デジタル・サイバー・個人情報・青少年
      • 多様なステークホルダー間の情報共有その他連携した取組の促進 など
  • 情報流通過程全体に共通する高次の基本理念(例)
    • 表現の自由と知る権利の実質的保障及びこれらを通じた民主主義の実現
      • 自由な情報発信と多様な情報摂取の機会が保障され、国民の自律的な意思決定が保護されていること
    • 安心かつ安全な情報流通空間としてのデジタル空間の実現
      • 平時・有事(災害発生時等)を通じ、偽・誤情報や悪意ある情報の流通による権利侵害や社会的混乱その他のフィジカル空間への影響が抑止されるとともに、サイバー攻撃や安全保障上の脅威等への対抗力が確保されていること
    • 国内外のマルチステークホルダーによる国際的かつ安定的で継続的な連携・協力
      • デジタル空間に国境がないことを踏まえ、国内のみならず海外の事業者や政府を含むマルチステークホルダーが相互に連携・協力しながらデジタル空間における情報流通に関するガバナンスの在り方について安定的かつ継続的に関与できる枠組みが確保されていること
  • 情報発信に関する基本理念(例)
    • 自由かつ責任ある発信の保護
      • ジャーナリズムやリテラシーに裏付けられた責任ある発信が保護されていること
    • 信頼できるコンテンツの持続可能な制作・発信の実現
      • 信頼できる魅力的なコンテンツの制作・発信(ファクトチェックを含む)に向けたリソースが安定的かつ継続的に確保され、そうした活動の価値が正当に評価されていること
  • 情報受信に関する基本理念(例)
    • リテラシーの確保
      • 受信者において技術的事項を含むリテラシーが確保され、デジタル社会の一員としてデジタル空間における情報流通の仕組みやリスクを理解し、行動できること
    • 多様な個人に対する情報へのアクセス保障とエンパワーメント
      • 個人の属性・認知的能力や置かれた状況の多様性を考慮しつつ、あらゆる個人に対してデジタル空間における情報流通への参画機会が与えられ、意思決定の自律性が確保されていること
  • 情報伝送に関する基本理念(例)
    • 公平かつ多元的な情報伝送
      • 多元的で信頼できる情報源が発信する情報が偏りなく伝送されていること
    • 情報伝送に関わる各ステークホルダーによる取組の透明性とアカウンタビリティの確保
      • プラットフォーム事業者や政府を含む関係者の取組・コミュニケーションの透明性とアカウンタビリティが確保され、責任の所在が明確であること
    • プラットフォームが収集する利用者データの保護と個人のプライバシー保護
      • 個人情報を含む様々な利用者データの適正な収集・利活用とそれを通じた個人の意思決定の自律性が確保されていること

総務省 デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会 ワーキンググループ(第8回)配付資料
▼ 資料WG8-1 EU・豪州・ニュージーランド・英国における行動規範の策定状況(株式会社野村総合研究所 ご発表資料)
  1. DSAと行動規範の関係性
    • 前文第103項
      • 欧州委員会および理事会は、本規則の適用に資するため、自主的な行動規範の策定と、それらの規範の規定の実施を奨励すべきである。欧州委員会および理事会は、行動規範が、取り組んでいる公益目的の性質を明確に定義し、その目的の達成を独立的に評価する仕組みを含む、関係当局の役割が明確に定義されていることを目指すべきである。特に、安全保障、プライバシー、個人情報の保護への悪影響の回避や、一般的な監視義務を課すことの禁止に注意を払うべきである。行動規範の実施は測定可能であり、公的な監視の対象となるべきであるが、そのような規範の自発的な性質や、利害関係者が参加するかどうかを決定する自由を損なうことがあってはならない。特定の状況においては、超大規模オンラインプラットフォームが特定の行動規範の策定に協力し、遵守することが重要である。本規則のいかなる規定も、他のサービスプロバイダーが同じ行動規範に参加することにより、デューデリジェンスの同じ基準を遵守し、ベストプラクティスを採用し、欧州委員会および理事会が提供するガイドラインの恩恵を受けることを妨げるものではない。
    • 前文第104項
      • 本規則は、そのような行動規範のために考慮すべき分野を特定することが適切である。特に、特定の種類の違法コンテンツに関するリスク軽減措置は、自主規制および共同規制の合意を通じて検討されるべきである。また、情報操作や虐待行為、未成年者への悪影響など、システミックリスクが社会と民主主義に及ぼしうる負の影響についても検討すべきである。これには、意図的に不正確な、あるいは誤解を招くような情報を、時には経済的利益を得る目的で作成するためにボットや偽アカウントを使用するなど、偽情報を含む情報の増幅を目的とした協調的な操作が含まれ、これらは特に未成年者などサービスの受け手である弱者にとって有害である。このような分野に関連して、超大規模オンラインプラットフォームや超大規模オンライン検索エンジンによる所定の行動規範の遵守とコンプライアンスは、適切なリスク軽減措置として考えられる。オンラインプラットフォームまたはオンライン検索エンジンのプロバイダーが、そのような行動規範の適用への欧州委員会による招へいを適切な説明なしに拒否した場合、当該オンラインプラットフォームまたはオンライン検索エンジンが本規則の定める義務に違反したか否かを判断する際に、関連のある範囲で考慮されうる。
    • 前文第106項
      • 本規則に基づく行動規範(Codes of conduct)におけるルールは、「製品安全に関する誓約」、「インターネット上の偽造品販売に関する覚書」、「オンライン上の違法なヘイトスピーチ対策に関する行動規範」ならびに「偽情報に関する行動規範」など、欧州連合レベルですでに確立されている自主規制の取り組みの基礎となりうる。特に後者(偽情報に関する行動規範)については、欧州委員会のガイダンスに従い、欧州民主主義計画で発表されたとおり、偽情報に関する行動規範が強化された。
    • 第45条 行動規範
      • 欧州委員会および理事会は、特に競争法および個人情報の保護に関するEU法に従い、さまざまな種類の違法コンテンツおよびシステミックリスクへの取り組みという特定の課題を考慮しつつ、本規則の適切な適用に貢献するため、EUレベルでの自主的な行動規範の作成を奨励し、促進するものとする。
      • 第34条第1項の意味における重大なシステミックリスクが出現し、複数の超大規模オンラインプラットフォームまたは超大規模オンライン検索エンジンに関係する場合、欧州委員会は、関係する超大規模オンラインプラットフォームのプロバイダーまたは超大規模オンライン検索エンジンのプロバイダー、および他の超大規模オンラインプラットフォームのプロバイダー、超大規模オンライン検索エンジンのプロバイダーを招待することができる、適切な場合には、オンラインプラットフォームおよびその他の仲介サービスのプロバイダー、ならびに関連する管轄当局、市民社会組織およびその他の関連する利害関係者に対し、特定のリスク軽減措置を講じることを約束すること、および講じられた措置とその結果に関する定期的な報告枠組みを定めることを含め、行動規範の策定に参加するよう求めることができる。
      • 委員会および理事会は、行動規範が第1項および第3項に規定された目的を満たしているかどうかを評価し、行動規範に含まれる主要業績評価指標を考慮しながら、その目的の達成状況を定期的に監視および評価するものとする。両委員会は、その結論を公表しなければならない。委員会および理事会はまた、行動規範の定期的な見直しと適応を奨励し、促進するものとする。行動規範の遵守に組織的な不履行があった場合、委員会および理事会は、行動規範の署名事業者・団体に対し、必要な措置を講じるよう求めることができる。
  2. DSAと行動規範の関係性―(参考)リスク評価に関連する条項
    • 前文第84項
      • このようなシステミックリスクを評価する際、超大規模オンラインプラットフォームおよび超大規模なオンライン検索エンジンのプロバイダーは、関連する可能性のあるすべてのアルゴリズムシステム、特にレコメンダーシステムおよび広告システムを含む、リスクに寄与する可能性のあるシステムまたはその他の要素に焦点を当てるべきであり、関連するデータの収集および利用慣行に注意を払うべきである。また、コンテンツのモデレーションプロセス、技術ツール、割り当てられたリソースだけでなく、利用規約とその施行が適切かどうかも評価する必要がある。本規則で特定されたシステミック・リスクを評価する際、プロバイダーは、違法ではないが本規則で特定されたシステミック・リスクに寄与する情報にも注目すべきである。そのため、そのようなプロバイダーは、偽情報を含む、誤解を招く、または欺瞞的なコンテンツを広める、または増幅するために、そのサービスがどのように利用されているかについて、特に注意を払うべきである。アルゴリズムによる情報の増幅がシステミックリスクの一因となる場合、プロバイダーは、そのリスク評価にこれを適切に反映させるべきである。リスクがローカライズされている場合、または言語的な違いがある場合、それらのプロバイダーは、リスク評価においてこの点も考慮すべきである。超大規模オンラインプラットフォームや超大規模オンライン検索エンジンのプロバイダーは、特に、そのサービスの設計と機能、意図的かつしばしば協調的な操作とその利用が、どのようなものであるかを評価すべきである。
    • 第34条 リスク評価
      • 超大規模オンラインプラットフォームおよび超大規模オンライン検索エンジンのプロバイダーは、そのサービスおよびアルゴリズムシステムを含む関連システムの設計もしくは機能、またはそのサービスの利用に起因する、当組合におけるシステミックリスクを真摯に特定、分析および評価しなければならない。リスク評価は、第33条第6項第2号で言及されている適用日までに、また、その後少なくとも1年に1回、さらに、いかなる場合においても、本条に従って特定されたリスクに重大な影響を及ぼす可能性のある機能を展開する前に、実施しなければならない。このリスク評価は、そのサービスに特化し、システミックリスクに比例し、その重大性と蓋然性を考慮したものでなければならず、以下のシステミックリスクを含むものとする:
      • (以下略)
  3. DSAと行動規範の関係性―(参考)リスクの軽減に関連する条項
    • 前文第86項
      • 超大規模オンラインプラットフォームおよび超大規模オンライン検索エンジンのプロバイダーは、基本的権利を遵守しつつ、リスク評価で特定されたシステミックリスクを真摯に軽減するために必要な手段を展開すべきである。採用される措置は、本規則のデューデリジェンス要件を尊重し、特定された特定のシステミックリスクを軽減する上で合理的かつ効果的でなければならない。これらの措置は、超大規模オンラインプラットフォームまたは超大規模オンライン検索エンジンのプロバイダーの経済的能力、および基本的権利に対する潜在的な悪影響を十分に考慮し、そのサービスの利用に対する不必要な制限を回避する必要性に照らして、相応のものでなければならない。これらのプロバイダーは、表現の自由への影響を特に考慮すべきである。
    • 第35条 リスクの軽減
      • 超大規模オンラインプラットフォームおよび超大規模オンライン検索エンジンのプロバイダーは、第34条に従って特定された特定のシステミックリスクに合わせた、合理的、比例的かつ効果的な軽減措置を、当該措置が基本的権利に与える影響を特に考慮して、講じなければならない。かかる措置には、該当する場合、以下が含まれる:
        • (a)オンライン・インターフェースを含む、サービスのデザイン、特徴または機能を適合させること;
        • (b)利用規約およびその実施方法を変更すること;
        • (c)特定の種類の違法コンテンツに関連する通知の処理速度および質を含む、コンテンツ調整プロセスの適合。また、特に違法なヘイトスピーチやサイバー暴力に関して、適切な場合には、通知されたコンテンツの迅速な削除、またはアクセス不能化、ならびにコンテンツ調整のための関連する意思決定プロセスおよび専用リソースの適合を含む、コンテンツ調整プロセスの適合を行うこと;
        • (d)レコメンダー・システムを含むアルゴリズム・システムをテストし、適合させること;
        • (e)広告システムを適合させ、提供するサービスに関連する広告の提示を制限又は調整することを目的とした的を絞った措置を採用すること;
        • (f)特にシステミックリスクの検知に関して、その活動の内部プロセス、リソース、テスト、文書化、または監督を強化すること;
        • (g)第22条に従った信頼できる旗振り業者との協力、および第21条に従った裁判外の紛争解決機関の決定の実施を開始または調整すること;
        • (h)第45条および第48条にそれぞれ言及される行動規範および危機プロトコルを通じて、オンラインプラットフォームまたはオンライン検索エンジンの他のプロバ
    • ダーとの協力を開始または調整すること;
      • (i)サービスの受け手に多くの情報を提供するために、啓発措置を講じ、オンライン・インターフェースを適合させること;
      • (j)適切な場合には、年齢認証やペアレンタルコントロールツール、未成年者が虐待を通報したり支援を受けたりするのを支援するためのツールなど、児童の権利を保護するための的を絞った措置を講じること;
      • (k)生成または加工された画像、音声、映像であるか否かを問わず、実在する人物、物、場所、その他の実体または出来事に著しく類似し、真正または真実であるかのように人に誤認させるような情報の項目は、オンライン・インターフェースに表示される際、目立つマークによって区別できるようにし、さらに、サービスの受信者がそのような情報を表示できるような使いやすい機能を提供すること。
  4. DSAと行動規範の関係性―(参考)オンライン広告の行動規範に関連する条項
    • 前文第88項
      • 超大規模オンラインプラットフォームのプロバイダーや、超大規模オンライン検索エンジンのプロバイダーも、レコメンダーシステムをはじめとするアルゴリズムシステムをテストし、必要に応じて適応させるための措置を講じることに努めるべきである。パーソナライズされたレコメンデーションの悪影響を緩和し、レコメンデーションに使用される基準を修正する必要があるかもしれない。超大規模オンラインプラットフォームや超大規模オンライン検索エンジンのプロバイダーが使用する広告システムも、システミックリスクの誘因となりうる。これらのプロバイダーは、特定の情報に対する広告収入を中止するなどの是正措置、または権威ある情報源の可視性を向上させる、広告システムをより構造的に適合させるなどの他の措置を検討すべきである。超大規模オンラインプラットフォームおよび超大規模オンライン検索エンジンのプロバイダーは、特にシステミックリスクの検出に関して、その活動の内部プロセス又は監督を強化し、新たな機能に関連するリスク評価をより頻繁に又は的を絞って実施する必要があるかもしれない。特に、異なるオンラインプラットフォームまたはオンライン検索エンジン間でリスクが共有される場合、既存の行動規範またはその他の自主規制措置を開始または参加することを含め、他のサービスプロバイダーと協力すべきである。また、特に偽情報キャンペーンに関連するリスクについては、啓発活動を検討すべきである。
    • 前文第107項
      • オンライン広告の提供には、一般に、広告のパブリッシャーと広告主をつなぐ仲介サービスを含む複数の関係者が関与する。行動規範は、オンラインプラットフォームのプロバイダー、超大規模オンラインプラットフォームおよび超大規模オンライン検索エンジンの広告に関する透明性義務を支援し、補完するものでなければならない。これは、特に関連情報の伝達の様式に関して、これらの義務の遵守を促進し、強化するための柔軟かつ効果的なメカニズムを提供するためである。これには、広告の代金を支払う広告主が、オンラインプラットフォームのオンラインインターフェース上で広告を提示する自然人または法人と異なる場合に、広告主に関する情報の伝達を容易にすることを含むべきである。行動規範には、データの収益化に関する有意義な情報がバリューチェーン全体で適切に共有されることを確保するための措置も含まれるべきである。幅広い利害関係者が関与することで、行動規範が広く支持され、技術的に健全で、効果的であり、透明性の義務がその目的を達成するために最高レベルの使いやすさを提供することが保証されるべきである。幅広い利害関係者が関与することで、行動規範が広く支持され、技術的に健全で、実効性があり、透明性義務がその目的を達成するよう確保するために最高レベルの使いやすさを提供できるはずである。行動規範の実効性を確保するため、欧州委員会は行動規範の策定に評価メカニズムを含めるべきである。必要に応じて、欧州委員会は、欧州基本権機関または欧州データ保護監督機関に、それぞれの行動規範について意見を述べるよう求めることができる。
    • 第46条 オンライン広告における行動規範
      • 欧州委員会は、第26条(オンラインプラットフォームにおける広告)および第39条(オンライン広告の追加的な透明性)の要件を超えて、オンライン広告のバリューチェーンにおける関係者の透明性を高めることに貢献するため、オンラインプラットフォームのプロバイダー、およびオンライン広告仲介サービスのプロバイダー、プログラム広告のバリューチェーンに関与するその他の関係者、またはサービスの受け手を代表する組織、市民社会組織もしくは関係当局などのその他の関係するサービスプロバイダーによる、欧州連合レベルでの自主的な行動規範の策定を奨励し、促進するものとする。
      • 欧州委員会は、行動規範が、EU法および国内法、特に競争法およびプライバシーと個人情報の保護に関する法律に従って、オンライン広告における競争的で透明かつ公正な環境と同様に、すべての関係者の権利と利益を十分に尊重した効果的な情報伝達を追求することを確保することを目指すものとする。欧州委員会は、行動規範が少なくとも以下の事項に対処していることを確認することを目指すものとする:
      • (a)第26条第1項(b)、(c)および(d)に定める要件に関して、オンライン広告仲介業者のプロバイダーがサービスの受け手に対して保有する情報の伝達;
      • (b)第39条に基づき、オンライン広告仲介事業者が保有する情報をリポジトリに送信すること;
      • (c)データの収益化に関する有意義な情報;
      • 欧州委員会は、2025年2月18日までの当該行動規範の策定と、2025年8月18日までのその適用を奨励しなければならない。
      • 欧州委員会は、第1項で言及したオンライン広告のバリューチェーンのすべての関係者に対し、行動規範に記載されたコミットメントに賛同し、それを遵守するよう奨励しなければならない
  5. DSAと行動規範の関係性―(参考)欧州委員会におけるQ&Aでの言及
    • DSAに関するQ&Aの中で、「違法ではないが、有害なコンテンツへの対処」について言及している(以下、Q&Aより抜粋)
    • (違法ではないが有害なコンテンツに効果的に対処するには?)
      • 違法でない範囲で、有害なコンテンツを違法なコンテンツと同様に扱うべきではない。新しい規則では、表現の自由を完全に尊重した上で、違法なコンテンツを削除したり、削除を促したりする措置のみを課している。
      • 同時に、DSAは、偽情報、デマ、パンデミック時の操作、社会的弱者への危害、その他の新たな社会的危害といった体系的な問題に関しては、非常に大規模なオンライン・プラットフォームや非常に大規模なオンライン検索エンジンの責任を規制している。欧州委員会による指定後、少なくとも4,500万人のユーザーを抱える超大手オンラインプラットフォームおよび超大手オンライン検索エンジンは、毎年リスク評価を実施し、サービスの設計および使用に起因する対応するリスク軽減措置を講じなければならない。このような措置は、表現の自由の制限とのバランスを慎重に考慮する必要がある。また、独立した監査を受ける必要もある。
      • さらに、この提案では、サービス・プロバイダーが行動規範のもとで違法コンテンツの拡散や、子供や未成年者などサービスの受け手として弱い立場にある人々にとって特に有害な、操作的で虐待的な行為に関する悪影響に対処するための共同規制の枠組みを定めている。
      • DSAは、偽情報に関する行動規範の改訂や危機管理プロトコルなど、オンライン上の危害に関する共同規制の枠組みを促進している。

総務省 利用者情報に関するワーキンググループ(第2回)
▼ 参考資料2-1第1回会合における構成員等からの主なご意見
  • 諸外国等の動向を踏まえた対応
    • 諸外国と比べ、日本の個人情報保護に関わる規律は、ハードローにおいては必要最低限のものとなっていることから、ソフトローの部分も含めてユーザ保護を考えていくことは重要。【生貝主査代理】
    • トラッキングに同意しなければサービスを使えないという、トラッキングウォールに対する諸外国の対応についても参照していくべき。【生貝主査代理】
    • プロファイリングのあり方については、GDPRは上乗せの規定があり、その点視野に入れるべき。【生貝主査代理】
    • 日本においては、GDPR適用開始後のプラクティスの変更があまり参照されていないので、見ていく価値があるのではないか。【生貝主査代理】
    • 日本の個人情報保護法制では青少年について特別な規定が置かれていないが、青少年や脆弱な個人の保護、要配慮個人情報の取扱いについて、ソフトロー面で考えていく必要があるのではないか。【生貝主査代理】
    • ダークパターンは利用者による意思決定を阻害していると考えられるが、そのことについてどう考えるか。【生貝主査代理】
    • サービスの性質(プラットフォーム系、プロファイリング系)やユーザ数に応じた規律強度の区分についても考えてもよいのではないか。【生貝主査代理】
    • プロファイリングやAIの位置づけをどう考えていくかについて、意識する価値があるのではないか。【生貝主査代理】
    • 英国においてモバイルエコシステムに関する検討が進んでおり、アプリストア一般の行動規範がある。今後の環境変化を見越して、アプリストアにおける規範についても検討する価値があるのではないか。【生貝主査代理】
    • 日本の法制度がグローバルに遅れている面があるので、あるべき姿を目指し補う必要がある。【寺田構成員】
    • EUでは同意の必須化、米国ではオプトアウトの必須化が進むほか、欧米や国際標準ではリスクマネジメントの考え方を重視する潮流がある。子供の情報も含め、グローバルでは規制強化が進んでいるところ、国内にもその潮流を取り込んでいく必要がある。【寺田構成員】
    • 海外のサービスを消費者や子供が安心して使えるように、海外の動向とも釣り合いを取りながら検討していくべき。【木村構成員】
    • 欧州はハードローとソフトローを使い分けているが、その使い分けを見つつ、SPIでも考慮していくべき。【江藤構成員】
  • 民間の取組を踏まえた対応-総論
    • AppleやGoogleがプライバシーポリシーに関するルールを設定しているのだから、SPIではプライバシーポリシー以外の方法での保護のあり方について考えるべき。ダークパターンの禁止、広告IDによる横断的なトラッキングをオプトインとすること、子供や脆弱性のあるユーザの情報の取扱いなど。【森構成員】
    • プライバシーの保護レベルについて、AppleやGoogleのプライバシーポリシーやiPhoneにおけるATTなどをデファクトスタンダードとしてベンチマークにするべき。モバイルエコシステムに関する検討が進んでいるが、プライバシーやセキュリティのための事業者の取組がベンダとの関係で競争阻害的であるという指摘がなされているところ、どのようなレベルが不当であるのか、今後議論になるのではないかと思う。iPhoneにおける保護レベルが切り下げられることがないようにするべき。【森構成員】
  • ダークパターン、プロファイリングについて
    • IDFAは利用者の同意を取っているものの、ダークパターンと見受けられるものがある印象である。どのようなものがダークパターンに当たるのか、SPIで例示しても良いのではないか。【太田構成員】
    • プロファイリングそのものが問題というわけではないが、例えばどういったプロファイリングをしてはいけないのかなど、例示する必要があるのではないか。【寺田構成員】
  • モニタリングについて
    • ログイン・非ログインユーザの違いについて強調されているが、アカウントの有無によっても違いが生じることについて留意が必要。【太田構成員】
    • 情報の取得にあたり同意を得ているものについて、有効な同意となっているか、モニタリングが必要ではないか。【太田構成員】
    • モニタリングを行う上では、KPIなどを設定して事業者を評価する必要があるのではないか。【寺田構成員】
    • 非ログインユーザについて、自身の情報を取得されたくないからこそ非ログインの状態で使っているユーザもいると考えられるので、オプトアウトや通知等の対応はログインしている場合と同等以上であるべきではないか。【寺田構成員】
    • 委託先管理について、明確な指針を設定してモニタリングする必要がある。【寺田構成員】
    • 現状ではモニタリングがうまく機能しておらず、これは広告事業者の保護を目的とした透明化法を根拠とするものであるため。これは利用者情報の保護とはマッチしないことから、利用者情報の保護を目的とした透明化法を作り、モニタリングを義務化するべきではないか。【森構成員】
  • その他
    • サードパーティークッキーをセキュリティ確保のために活用する場合など、セキュリティはプライバシーを一部阻害する側面もあると考えられるところ、どこまでがセキュリティのために必要なのかという点は議論・情報収集すべき。【太田構成員】
    • 法律上の義務がある事項と望ましいとされている事項は、区別して書き分ける必要がある。【寺田構成員】
    • 民間の事業者や団体は、グローバルの規制やApple・Googleの規制に合わせるだけでなく、消費者の意見や意識変化も取り入れながら取組を進めている。こういったことを後押しするような意識や根拠が必要なのではないか。【寺田構成員】
    • 事業者と利用者とでは情報格差があることから、相談先や対応方法について明記するべき。【木村構成員】
    • 事業者のイノベーションの観点からは、個々のアプリ提供者の競争力にも配慮する必要がある。その点、グローバルスタンダードに合わせる形とすることで、ソフトローにより事業者の競争力が削がれないよう留意する必要がある。【江藤構成員】

総務省 不適正利用対策に関するワーキンググループ(第2回)
▼ 資料2-4 サイバー犯罪におけるSMSの不適正利用状況について(警察庁)
  • 「SMS認証代行」とは
    • SMS認証代行とは、ポイントの不正取得やフリマサイトにおける不正出品等に利用するサービスアカウントを不正取得するために、SMS認証を代行する手口
    • SMS認証を代行する者(認証代行者)は、通信事業者とSMS機能付きデータ通信契約を行い、当該契約に係る携帯電話番号や認証コードを認証代行を依頼した者(依頼者)に提供
    • 依頼者は、認証代行者から提供を受けた携帯電話番号、認証コードを悪用し、サービスアカウントを不正取得
  • SMS機能付きデータSIMカードにおける本人確認の強化
    • 警察庁及び総務省において、一般社団法人テレコムサービス協会MVNO委員会に対し、データ通信契約申込み受付時における本人確認手続の強化について検討依頼
    • 令和3年1月、一般社団法人テレコムサービス協会MVNO委員会において、データ通信契約申込み受付時における本人確認手続に関し申合せ
      • SMS機能付きデータ通信契約において、原則、携帯電話不正利用防止法と同一の本人確認方法による契約受付
      • SMS機能が付与されていないデータ通信契約については、社会環境の変化及び不正利用の発生状況を踏まえ、引き続き検討
    • 令和5年11月現在、23社において、SMS機能付きデータ通信契約において、携帯電話不正利用防止法と同一の本人確認方法による契約受付を実施
  • 警察における対策
    • 令和4年9月、京都府警察ほかで、SMS認証代行集中取締りを実施し、認証代行者及び依頼者(6人)をそれぞれ検挙
    • サイバーパトロールによりインターネット上でSMS認証代行の依頼者を募集する者を把握し捜査
      • 他人の本人確認書類を用いてSMS機能付きデータ通信契約を締結
      • インターネット上において、認証代行を募集し、これに応募した者に対して認証代行を実施
      • 認証代行以外にも、SMS機能付きデータ通信契約を不正契約し、特殊詐欺の実行犯に供与
▼ 資料2-5 SMSの不適正利用対策の方向性(案)について(事務局)
  • マルウェア感染端末からのSMS発信対策
    • マルウェア感染端末/回線の特定
    • マルウェア感染端末/回線の利用者への警告/注意喚起
    • マルウェア流通を防止する方策(OSでの対策等)の検討
    • スミッシングメッセージの申告/情報提供の推進
      • ⇒マルウェア感染端末/回線の特定及び利用者への警告/注意喚起の実施を進めてはどうか。スミッシングの申告受付が進んでいないことから、円滑に受け付けられる仕組みを構築してはどうか。
  • SMS配信者・受信者の不適正利用対策
    • SMS発信元の明確化/透明化
      • キャリア共通番号(0005番号)の普及/利用拡大
      • 「海外通信事業者から配信されるSMSへの対策
    • SMS機能付きデータ通信専用SIMカードの契約時の本人確認の現状の把握、更なる推進
    • SMS認証代行事業者への対処
    • SMS配信事業者、通信キャリア間の情報連携、自主的対策の促進
    • RCS(+メッセージ等)の活用推進

総務省 ICTサイバーセキュリティ政策分科会(第3回)
▼ 資料3-1 国際連携に係る取組状況
  • 最近のサイバーセキュリティに関する諸外国の主な動向
    • 2024年3月 「サイバー連帯法」とサイバーセキュリティ法(CSA)の改正
      • 欧州連合理事会は、理事会議長と欧州議会の交渉担当者が、「サイバー連帯法」とサイバーセキュリティ法(CSA)の対象を絞った改正に関する暫定合意に達したと発表した。サイバー連帯法の改正は、サイバーセキュリティの脅威およびインシデントの検出・認識を支援する等を目的としており、CSAの改正は、マネージドセキュリティサービスの認証スキーム等に言及する等、レジリエンスの向上となるもの。
    • 2024年3月 「サイバー危機管理のためのベストプラクティス」
      • 欧州連合サイバーセキュリティ機関(ENISA)は、危機管理強化を支援する「サイバー危機管理のためのベストプラクティス」を公表した。同書は、サイバー危機管理サイクルを4つのフェーズ(予防、準備、対応、復旧)に分類し、各段階で発生する問題への取組を示すもの。
    • 2024年1月 「サイバーセキュリティ認証スキーム」
      • 欧州委員会は、EUサイバーセキュリティ法(CSA)に沿って、初のサイバーセキュリティ認証スキームを採択したと公表した。スキームは、ハードウェアとソフトウェアを保護するため情報通信技術の製品をライフサイクルで認証するもので、NIS2指令の実施を促進する。
    • 2023年7月 「国家安全保障法案」成立
      • 英国の国家安全保障法案が両院を通過し、成立した。この新法は、英国のスパイ防止法を抜本的に見直し、法執行機関及び情報機関の活動をしやすくするという。加えて、英国の民主主義に不可欠な基本的権利を妨害する行為は違法となり、これらの権限は、偽情報やサイバー攻撃、選挙妨害等、あらゆる形態の悪質な活動にも適用される。
    • 2023年1月NTTがJCDCに参加
      • NTTがサイバーセキュリティとレジリエンスに対する米国政府の国際的取り組みをさらに強化するためのイニシアティブである共同サイバー防衛連携(Joint Cyber Defense Collaborative(JCDC))のメンバーに加入。
    • 2024年2月 「Cybersecurity Framework(CSF)」の第2.0版を公表
      • 米国国立標準技術研究所(NIST)は、「Cybersecurity Framework(CSF)」の第2.0版を公表した。CSFの第1.0版は2014年に公表され、サイバーセキュリティリスクを管理するライフサイクルの理解を提供してきた。今回の改定では、重要インフラ以外のあらゆる分野の組織に適用可能とし、また組織のガバナンスにも焦点を当てたという特徴を有する。
    • 日米豪印首脳会合(QUAD)
      • (2022年5月)「日米豪印サイバーセキュリティ・パートナーシップ」共同原則が公表された。
      • (2023年5月)「オープンRANセキュリティ報告書」及び「ソフトウェア・セキュリティに関する共同原則」が公表された。
    • 2024年3月 重要インフラ安全保障法2018(SOCI法)
      • 豪州内務省は、2024年以降の重要インフラ安全保障法2018(SOCI法)に基づくコンプライアンス規制態勢を見直すと公表した。SOCI法は、インシデント報告義務等、重要インフラ事業社に多くの義務を課しているが、事業者のコンプライアンスを効果的に向上させることを目指す。
  • 国際連携の推進
    • サイバー空間は国境を越えて利用される領域であり、サイバーセキュリティの確保のためには国際連携の推進が必要不可欠なため、各国政府・民間レベルでの情報共有や国際標準化活動に積極的に関与。
    • また、世界全体のサイバーセキュリティのリスクを低減させる等の観点から開発途上国に対する能力構築支援を行うほか、国内企業のサイバーセキュリティ分野の国際競争力向上を図る取組も推進。
      • 有志国との二国間連携の強化
        • 米英豪仏印等の有志国とのサイバー協議等の場を活用した情報発信、意見交換等の実施。
      • 多国間会合を通じた有志国との連携の強化
        • 日米豪印(Quad)上級サイバー会合、OECD/DPCデジタルセキュリティ作業部会、日ASEANサイバーセキュリティ政策会議等の多国間の枠組みを活用した情報発信、意見交換等の実施。IGFにおける議論。
      • ISAC(※)を通じた民間分野での国際連携の促進
        • ※Information Sharing and Analysis Center(情報共有分析センター)の略で、特定の産業界において、サイバー攻撃のインシデント情報等を収集・分析し、業界内で共有することを目的として、事業分野ごとに設立される組織。
        • 米・EU等のISACとの連携推進、ISP向け日ASEAN情報セキュリティワークショップ等の実施。
      • インド太平洋地域における開発途上国に対する能力構築支援
        • 日ASEANサイバーセキュリティ能力構築センター(AJCCBC)、大洋州島しょ国への能力構築支援の試行、世界銀行との連携等。
      • 国際標準化機関における日本の取組の発信及び各国からの提案への対処
        • 国際電気通信連合等における標準化活動への貢献(ITU-T SG17)(IoTセキュリティ、サイバーディフェンスセンター(CDC)、5Gセキュリテイ等)
      • 国内企業のASEAN地域等に向けた国際展開支援
        • 日本企業のサイバーセキュリティソリューション・製品等の国際展開を目的とした実証事業等の実施。CDCの普及。
  • サイバーセキュリティ分野における国際連携(近年の実績)
    • サイバー空間は国境を越えて利用される領域であり、サイバーセキュリティの確保のためには国際連携の推進が必要不可欠なため、各国政府・民間レベルでの情報共有や国際標準化活動に積極的に貢献。
    • 既存の枠組みを活用し、米国をはじめとする有志国等を中心に総務省のサイバーセキュリティ政策(IoTセキュリティ、5Gセキュリティ、能力構築支援等)に関する情報を発信。
  • サイバーディフェンスセンター(CDC)について
    • ITUにおいて議論されていたサイバーディフェンスセンター(CDC)が、2021年10月、ITU勧告1060(the Framework for creation and operation of a cyber defense centre)として発行された。
    • 本勧告には、日本発のサイバーセキュリティの知見として、政府や各省庁、民間セキュリティ団体の政策やノウハウが取り入れられている。
    • サイバーセキュリティ体制の構築が遅れている発展途上国を対象にCDCの普及展開活動を実施することにより、サイバーセキュリティ分野における我が国の国際的なプレゼンス向上を図る。
    • サイバーディフェンスセンター(CDC)とは
    • 組織活動がデジタル化するにつれ、情報システムへの脅威が、単にシステムへの被害を発生させるだけでなく、経営的な被害や、より物理的あるいは人的な被害までをも引き起こすようになったことを受け、組織全体のサイバーセキュリティリスクを俯瞰する存在が必要。
    • CDCはセキュリティポリシーに沿った組織のセキュリティを確保するため、セキュリティサービスをカタログ化・実施組織の選定及び目標スコアの設定を行い(構築:Build)、それらを短期・長期的なマネジメントによって運用(Management)、さらに定期的な評価(Evaluation)を行う。

総務省 LINEヤフー株式会社に対する通信の秘密の保護及びサイバーセキュリティの確保に係る措置(指導)
  • 総務省は、本日、LINEヤフー株式会社(代表取締役社長 出澤 剛、法人番号4010401039979、本社 東京都千代田区)に対し、同社における、不正アクセスによる通信の秘密の漏えい事案に関し、通信の秘密の保護及びサイバーセキュリティの確保の徹底を図るとともに、再発防止策等の必要な措置を講じ、その実施状況を報告するよう、文書による行政指導を行いました。
  • 経緯等
    • LINEヤフー株式会社(代表取締役社長 出澤 剛。以下「LINEヤフー社」という。)からの報告により、同社及び同社のITインフラの運用に係る業務委託先であるNAVER Cloud社が、それぞれセキュリティに係るメンテナンス業務を委託していた企業においてマルウェア感染が生じたことを契機として、NAVER Cloud社の社内システムが侵害されるとともに、同社を介して、同社とネットワーク接続のあったLINEヤフー社の社内システムに対して不正アクセスが行われ、これにより、同社の提供する「LINE」サービスに係る利用者の通信情報が外部に流出等した事案(以下「本事案」という。)が発覚しました。
    • 総務省においては、LINEヤフー社に対して、電気通信事業法(昭和59年法律第86号。以下「法」という。)第166条第1項の規定に基づく報告徴収を実施したところ、同社の安全管理措置・サイバーセキュリティ対策や業務委託先管理等に不備があったことが判明しました。
  • 措置の内容等
    • 本事案は、法第4条第1項に規定する通信の秘密の漏えいがあったものと認められることから、総務省は、本日付けで、LINEヤフー社に対し、通信の秘密の保護及びサイバーセキュリティの確保を図るため、以下の事項の実施等を求めるとともに、その実施状況について報告を行うよう、文書(別紙)による行政指導を行いました。
      • 本事案を踏まえた安全管理措置及び委託先管理の抜本的な見直し及び対策の強化
      • 親会社等を含むグループ全体でのセキュリティガバナンスの本質的な見直し及び強化
      • 利用者対応の徹底
  • 総務省は、通信の秘密の保護及びサイバーセキュリティの確保を図るため、引き続き、必要な指導・監督に努めてまいります。
▼ 別紙
  • 指導事項
    • 下記の1.ないし3.の事項について、必要な措置を実施されたい。ついては、その取組方針及び実施状況について、令和6年4月1日までに報告するとともに、今後、このような事案が再発しないよう、同報告から少なくとも1年間は、四半期に一度、今後の取組状況について定期的に報告されたい。なお、今後新たな懸念が生じた場合等には、追加的な措置を求める可能性がある旨御承知おき願いたい。
      1. 本事案を踏まえた安全管理措置及び委託先管理の抜本的な見直し及び対策の強化について
        • 2.で述べた貴社とNAVER社側との密接なネットワーク構成やそれに基づく貴社の情報の取扱い等を前提とすれば、NAVER社側に何らかのセキュリティインシデントが発生した場合、NAVER社側のネットワークを介して旧LINE環境下に保存された情報へ容易にアクセスすることが可能であり、NAVER社側のネットワークを通じて旧LINE社が取り扱う利用者の情報が侵害されるリスクが常態化していたというべきであるが、貴社からの報告によれば、それにもかかわらず、貴社において十分な安全管理措置はとられず、貴社からNAVER社側に対しても、これまで定期的な安全管理措置の実施状況の確認やセキュリティリスクの評価等はなされていなかったというのであって、本事案は正にこのようなリスクが顕在化した事案であるというべきである。
        • また、本事案の解明に際して、当省からも貴社に対して複数回にわたって報告を求めるなどしたが、貴社からは調査未了を理由として回答期限内に十分な回答がなされなかったり、回答がなされてもその内容に不明瞭な点が多々含まれたりするなどしていた。これは貴社が情報セキュリティに係る安全管理をNAVER社側に強く依存していたため、アクセスログ等の必要な情報の多くがNAVER社側に存在しており、その収集や分析に支障を来したからであると推察される。このように、サイバーセキュリティ事案において、自社として、委託先の監督や原因特定を速やかにできないこと自体、大きな問題であると言わざるを得ない。
        • ついては、貴社の安全管理措置やサイバーセキュリティ対策、業務委託先管理の在り方について、本事案と同様のインシデントの再発を確実に防止するよう、以下のとおり抜本的な見直しを行い、実効的かつ十分な対策を講じられたい。
          1. NAVER Cloud社とのネットワーク分離による安全管理措置の見直しについて
            • 貴社の旧LINE社環境とNAVER Cloud社との間にネットワーク接続があり、NAVER Cloud社に対して旧LINE社環境のネットワーク及び社内システムへの広範なアクセスが許容されていたことにより、NAVER Cloud社のシステム・端末への侵入によって貴社のサーバやシステムにまで到達可能であったことが本事案発生の原因となったことを踏まえ、NAVER社側のシステムや端末から貴社のネットワークや社内システムに関して真に必要最小限度のアクセスのみを許容し、その他のアクセスを認めない仕組みを、ファイアーウォールの設置、不要ポートの閉鎖、プライベート通信の排除等を含めて構築するとともに、これに加えて、貴社のサーバ、ネットワークや社内システムの保護の万全を図るための方策を検討し、具体的な措置を講ずること。
            • 本事案発生当時、貴社とNAVER社側との間では従業員アカウントの認証基盤が共通化され、旧LINE社従業員のアカウント情報がNAVER Cloud社側の従業員管理システムにて管理、保存されていた状態であったと認められ、貴社からの報告によれば、このように従業員アカウントの認証基盤を共通化していたことが情報漏えい被害の拡大に寄与したとのことである。また、貴社のADサーバに保存されていた従業員のアカウント情報について、貴社の人事システムを介して貴社内の各種サーバやドメインが異なるNAVER Cloud社のADサーバ等とも、必要な範囲で情報が同期される仕様となっていたとのことである。十分な安全管理措置が施されていたとは認められない状況のもと、従業員のアカウント情報が他者であるNAVER Cloud社に対しても共有され、同社のサーバ内に保存されていたことは、貴社としての極めて重大なセキュリティリスクであったと認められる。
              • 以上を踏まえ、共通化している認証基盤(従業員アカウントの認証基盤に限らない。)や情報の同期を認めるシステム構成のセキュリティリスクについて貴社において改めて評価を行った上で、確実な再発防止を実現する観点から、NAVER Cloud社の認証基盤等と貴社の認証基盤等とを速やかに技術面及び運用面で完全に分離するため、貴社が管理する認証基盤等への移転や分離後の管理の在り方等を含めて計画を策定するとともに、これを着実に実施することにより具体的な対策を講ずること。
              • 特に、移行計画の概要については、報告徴収に対する令和6年1月30日付け報告書等の中でも言及があるが、具体的なシステムの内容ごとに詳細な計画を策定し、その移行が完了するまで、定期的にその実施状況を報告すること。なお、完全に分離が行われる前も、認証基盤等に対するNAVER社側からの接続が必要最小限の範囲に留まるよう適切に管理されているかについて、状況を報告すること。また、運用面では、貴社の従業員のアカウント情報は貴社内で管理することとし、本事案発生当時になされていたNAVER社側への同期は中止すること。
            • 貴社からの報告によれば、旧LINE社環境のサイバーセキュリティ対策に関連して、SoCのTier1に係る業務をNAVER Cloud社に委託しているとのことであるところ、本事案の発生を踏まえ、貴社として、国内において、独立した形で認証情報を管理、運用するとともに、セキュリティ確保のために必要とされる各システム等のログ情報を自ら取得し、これら情報を集約した上で独立した形でSoC業務を行うことができる体制を早期に整えること。今後、セキュリティインシデントが発生した場合には、自社の中に保有されている証跡に基づき、事象の詳細を把握し、原因究明やそれに対応した再発防止策を自ら策定することができる体制を整えること。その際、APTは既知の脆弱性だけではなく、ゼロデイ等を用いた攻撃を行うことも想定されることを踏まえ、ふるまい検知等を含め、最新の対策手法を取り入れた体制を検討すること。
          2. 貴社内において取るべき安全管理措置の見直しについて
            • 本事案では、貴社内のADサーバを含む、各種の重要サーバやシステムに対して不正アクセスがなされ、重大な情報漏えい被害が生じたものである。
            • AD管理についてはその重要性に鑑みて厳重なふるまい検知の仕組み等の対策が取られてしかるべきであったにもかかわらず、これが行われておらず、セキュリティ監視レベルが不十分であったため、不正なアクセスを検知等できなかった。また、その他の重要サーバ等についても認証方式がIDとパスワードの組合せであるなどそのアクセス管理のレベルが不十分であった点があり、不正に取得された従業員アカウント等を用いたアクセスを防ぐことができなかった。これらを踏まえ、自社内のサーバ等の保護に向けて、高度な侵入検知システムの導入や多要素認証の導入を含めたアクセス管理の強化等を含む、実効的なサイバーセキュリティ対策の導入に向けた計画を策定し、その内容を報告するとともに、速やかに具体的な措置を講ずること。
          3. 委託先管理の見直しについて
            • 本事案において、NAVER Cloud社等の業務委託先の安全管理措置に係る貴社からの管理監督が不十分であったことを踏まえ、通信の秘密に該当する情報の取扱い等を委託する場合(通信の秘密に該当する情報の取扱いを委託する場合及びこのような情報へのアクセスを許容する場合やアクセスが可能となる場合を含む。)における業務委託先管理の在り方について、セキュリティリスクの評価基準の見直しを行った上で、リスクに応じた実効的な委託先管理を実現するための監督方法の検討及び基準の策定並びにその実施を行うこと。
              • 特に、本事案の内容に鑑みれば、情報の取扱いの委託の有無にかかわらず、重要な設備等に関する業務委託について、その委託先及び再委託先について特定した上で、安全管理措置ないしサイバーセキュリティ対策について適切な管理監督ができるように、令和6年3月末までに安全管理措置等の基準を策定し、実効性を高めたモニタリング・監督方法を検討・策定すること。あわせて、委託先の監督が委託先による分析結果や委託先から受領するログに依存しており、委託先からこれらが得られないと自社として侵害の有無や範囲も十分に把握できないという状況を見直すこと。
            • 本事案における攻撃の端緒となったNAVER Cloud社における安全管理措置の強化について、委託元としてNAVER社側に対して適時に実施状況を確認するとともに、必要に応じて対策の強化を要請するなどし、実効的な再発防止策が策定されるよう、適切な管理監督を行うこと。
              • 特に、貴社からの報告によれば、NAVER Cloud社は、貴社から指摘するまで侵害に気付かず、そのADサーバが侵害され、外部のC&Cサーバから直接接続された状況が相当期間にわたって継続していた等、その安全管理措置に問題があったとのことである。このことを踏まえ、委託や監督の在り方を見直すための、貴社としての計画を策定して提出すること。
      2. 親会社等を含むグループ全体でのセキュリティガバナンスの本質的な見直し及び強化について
        • でも述べたネットワーク構成上の重大なリスクが存在していたにもかかわらず、これが是正されずに本事案の発生に至った背景には、貴社からみるとNAVER社側が委託先として委託元である貴社から管理監督を受ける立場であるにもかかわらず、NAVER社側と貴社の間で組織的・資本的な相当の支配関係が存在することもあり、貴社からNAVER社側に対して安全管理のための的確な措置を求めることや適切な委託先管理を実施することが困難であったという事情も影響しているものと考えられる。
        • 本事案を受けて、貴社からの報告によれば、貴社ネットワークへのアクセスのホワイトリスト化やファイアーウォールの設置等を通じてNAVER社側と旧LINE社環境との間のネットワーク管理を強化し、共通化していた従業員アカウント認証基盤やNAVER社側と連携していた従業員向けシステムについても分離や切替えを進めることで、一定程度、NAVER社側との繋がりを解消する予定であるとのことである。しかしながら、本事案の発生に直接寄与したシステムを含む複数の重要システムについて、現時点の計画では、その構成の複雑性から分離に相当の期間を要する見込みであること、上記の貴社からの報告に基づく取組が実施された後においても、一部のシステムの開発・運用・保守業務については依然としてNAVER社側への委託が予定されているとみられること、また、本事案の影響範囲に含まれない、エンドユーザ向けサービスの本番環境(エンドユーザ向けサービスが実際に稼働する環境)その他のシステムについてNAVER社側への委託の見直しがなされるのか明確でないこと等からすると、委託先管理の困難性は十分解消されておらず、本事案と同様のインシデントを招来するリスクが解消されているとは認められない。
        • において実施を求めた貴社における安全管理措置ないしサイバーセキュリティ対策等を実効性のあるものとし、本事案と同様のインシデントの再発を確実に防止するためには、単に一部のシステムやネットワークの技術的な分離措置等を講ずるのみでは不十分というべきであって、セキュリティリスクを的確に把握し、リスクを踏まえた実効的な対策を実現できるガバナンス体制を、親会社等を含むグループ全体で構築することが必要である。
        • 上記を踏まえ、実効的なセキュリティガバナンスの確保に向け、貴社内におけるセキュリティガバナンス体制の抜本的な見直しや是正策の検討を行うことに加え、貴社の親会社等も含めたグループ内において、委託先への適切な管理・監督を機能させるための貴社の経営体制の見直し(委託先から資本的な支配を相当程度受ける関係の見直しを含む。)や、適正な意思決定プロセスの構築等に向けた、適切な検討がなされるよう、親会社等に対しても必要な働き掛けを行うこと。
      3. 利用者対応の徹底について
        • 本事案において、少なくとも、貴社の利用者の通信の秘密に該当する情報が2万件以上(推計値を含む。)漏えいしたことを踏まえ、利用者保護の観点から、今後も利用者に対する本事案に関する適切な情報提供を継続するとともに、二次被害が発覚した場合等には適切な支援、対応を実施すること。

総務省 デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会 ワーキンググループ(第5回)配付資料
▼ 資料WG5-1-4デジタル空間における情報流通の健全性に関する基本理念の項目例
  • 「情報流通の健全性」に関する基本理念の項目例
    • 構成員からのこれまでのご意見を踏まえると、デジタル空間における「情報流通の健全性」に関する基本理念として、例えば以下のような項目が考えられるのではないか。
    • 今後、これらの項目を整理・階層化し、その結果を踏まえて情報流通の場としてのデジタル空間の在り方や情報流通の各過程(発信・伝送・受信)に関わるステークホルダーの役割・責務について検討してはどうか。
      1. 表現の自由
        • デジタル・サイバー・青少年
        • 発信者・伝送者それぞれの表現の自由の保障 など
      2. 知る権利
        • デジタル・青少年
        • 受信者における多様な情報へのアクセスの保障
        • 情報的に健康になろうとする者への機会保障 など
      3. 法の支配・民主主義
        • サイバー・個人情報
        • ルールに基づく民主的なガバナンスの確立
        • 民主主義の過程における国民の自律的な意思決定の保護 など
      4. 公平性
        • 情報の伝送過程における不当な偏りの抑止 など
      5. 公正性
        • デジタル
        • コンテンツ作成にかけた「労力」への正当な評価 など
      6. 発信主体の真正性確保
        • 発信主体の真正性を受信者において判断できる能力の支援 など
      7. 信頼性のある情報の流通確保
        • デジタル・個人情報
        • アテンション・エコノミー下における信頼性の高いコンテンツの流通へのインセンティブ付与 など
      8. リテラシー・責任ある発信
        • サイバー・個人情報・青少年
        • 受信者・発信者それぞれのリテラシー向上
        • デジタル・シティズンシップの涵養 など
      9. 包摂性・脆弱な個人の保護
        • デジタル・青少年
        • 児童・青少年や高齢者の保護と情報流通への参画機会確保 など
      10. 安心
        • デジタル・サイバー・青少年
        • 法令違反情報・権利侵害情報(誹謗中傷等)による被害の防止・救済
        • 偽・誤情報の拡散による社会的コスト・リスクの増加の抑制
        • 災害発生時等の社会的混乱その他フィジカル空間への影響の抑止 など
      11. 安全・セキュリティ確保
        • デジタル・サイバー
        • サイバー攻撃・安全保障上の脅威等への対抗力の確保 など
      12. オープン・透明性
        • デジタル・個人情報
        • 事業者による取組の透明性確保
        • 政府による事業者への働きかけの透明性確保 など
      13. アカウンタビリティ
        • デジタル・個人情報
        • 事業者の発信者・受信者それぞれに対するアカウンタビリティ
        • 政府の事業者に対するアカウンタビリティ など
      14. プライバシー保護
        • デジタル・個人情報
        • 個人の認知領域への侵襲抑止
        • 個人の自律的な意思決定の保護 など
      15. 利用者データの保護
        • 個人情報
        • 個人情報や個人情報以外の利用者データの適正な取扱い など
      16. グローバル
        • デジタル
        • 分断のないデジタル空間の実現 など
      17. 国際性
        • サイバー
        • 国際的に調和のとれたルール作り・運用
        • 政府・事業者を含めた国際連携の促進 など
      18. マルチステークホルダーによる連携・協力
        • デジタル・サイバー・個人情報・青少年
        • 多様なステークホルダー間の情報共有その他連携した取組の促進 など
▼ 資料WG5-1-5「プラットフォームサービスに関する研究会」における偽情報に関する検討
  • 緊急提言(2020年8月)から第二次とりまとめ(2022年8月)までの議論
    • 透明性・アカウンタビリティ確保の重要性
      • プラットフォーム事業者のサービス上では、多くのユーザによる自由な情報の発信・受信を可能としている一方で、誹謗中傷や偽情報といった違法・有害情報も多く流通している。プラットフォーム事業者は、問題となる投稿の削除やそのような投稿を行ったアカウントの凍結・停止、投稿に注意喚起を促すラベルの付与、表示順位の低下等といった、ポリシーにあらかじめ定められた違法・有害情報などの流通を抑止するために講じる措置を実施するなど、情報流通の適正化について一定の責任を果たすことが期待される。一方で、プラットフォーム事業者は、ユーザの表現を預かる立場でもあり、ユーザの表現の自由の確保について一定の責任を果たすことが期待される。
      • また、プラットフォーム事業者には、自社サービスの特性にあわせて誹謗中傷等の情報がユーザやユーザ以外の者に与えるリスクを分析・評価した上で、文化的、社会的、政治的背景を踏まえた、投稿やアカウントに対する措置の実施に係るポリシーの設定、その適切な運用、その運用に必要な体制の構築をはじめとするリソースの確保及び自社サービス上の投稿に係る発信者情報開示などの法的手続への適切な協力などが期待される。さらに、投稿やアカウントに対する措置については、削除以外の手法による対応(例:投稿に対するラベルの付与や表示順位の低下、投稿時の警告表示等)も含め、事業者の自律的な創意工夫による対応が行われることが望ましい。
      • 当研究会におけるヒアリングを行ったプラットフォーム事業者においては、誹謗中傷や偽情報を含む違法・有害情報への措置を講じる必要性が認識されており、あらかじめ対応方針や基準となるポリシーを自主的に設定し、投稿やアカウントに対する措置が行われている。こうした措置については、ポリシーが適時適切に定められるとともにポリシーに基づく措置の対象となる投稿やアカウントに対して確実に措置が行われることが望ましい一方で、行き過ぎた措置や恣意的な措置といった不適切な運用によってユーザの表現の自由が損なわれることがないよう、過不足なく実施される必要がある。
      • 違法・有害情報への対応が適切に行われるとともにユーザの表現の自由に対する過度な制約とならないよう、過不足なく行われるためには、ポリシーの設定状況やその運用状況、対応の結果や異議申立ての機会の確保状況といった項目に関する透明性・アカウンタビリティを確保し、「言論空間のガバナンスに対するガバナンス」、すなわち、プロセスの透明性を確保することが必要である。
      • 大規模なプラットフォームサービスの提供者は、そのサービスの提供により情報流通について公共的役割を果たしていると考えられることから、当該サービスのユーザ及びユーザ以外の者に対して、その透明性・アカウンタビリティが確保されることが必要である。
      • また、プラットフォーム事業者における透明性・アカウンタビリティの確保に当たっては、サービス上における、例えば、誹謗中傷の発生件数等の流通実態やその抑制のための対策とその効果に関する総量的な数値等の把握という全体的な傾向に関する観点と、個別具体の誹謗中傷等の違法・有害情報に対する権利回復のための裁判手続への対応や、申請にもかかわらず十分に措置が行われないと考えられるケースや自身の投稿について行き過ぎた措置が行われたと考えられるケースが発生した場合の反論や異議申立ての機会の確保という個別具体の観点の両面から、ユーザ及びユーザ以外の者からの透明性・アカウンタビリティの確保が必要である。
      • こうした、プラットフォーム事業者による投稿の削除やアカウントの停止等の措置に関する透明性・アカウンタビリティを確保することは、当該サービスのユーザ及びユーザ以外の者による客観的な根拠に基づく批評を可能にし、こうした批評がプラットフォームサービスの運営にフィードバックされることを通じて、投稿の削除やアカウントの停止等の措置の運用の改善につながることが期待される。
      • さらに、プラットフォーム事業者による、透明性・アカウンタビリティが確保されることは、より多くのユーザに最新の技術やサービスを柔軟に取り入れたサービス提供を目指すプラットフォーム事業者にとって、サービスの設計や運営上の創意工夫に対するユーザからの信頼性の向上につながるものと考えられ、このことは、プラットフォーム事業者にとっても経済的合理性を有する取組になるだけでなく、ユーザが最新のサービスの利益を享受しながら、リスクを理解した上で、安全・安心にサービスを利用することが可能な環境の確保につながると考えられる。
    • 偽情報への対応に係る透明性・アカウンタビリティの確保について
      • 偽情報は、その外延や個別の情報が偽情報であるか、また、その流通による我が国における影響について、モニタリングからも十分明らかではなく、我が国における実態が未だ明らかではない。そのため、プラットフォーム事業者は、引き続き、実態を把握しその結果を公表することが求められるとともに、プラットフォーム事業者に限らないメディアも含めた産学官民の社会全体で検討する環境が整備されることが必要である。
      • 一方、既にプラットフォーム事業者では、偽情報等の不適切な情報への措置を講じる必要性が認識されており、あらかじめ対応方針や基準となるポリシーを自主的に設定し、投稿の削除やアカウントの停止等の措置を行っている。こうした措置については、措置の対象とされるべき情報に対して措置が確実に行われることが望ましい一方で、行き過ぎた措置や恣意的な運用によってユーザの表現の自由を損なうことがないよう、過不足なく実施される必要がある。そのため、プラットフォーム事業者は、偽情報についても、我が国において生じている自らのサービス上の偽情報の問題について適切に実態把握とリスク評価を行った上で、そのリスクに応じて偽情報への対応を行うとともに、その透明性の確保を進めていくことが求められる。
      • しかしながら、プラットフォーム事業者による我が国における偽情報への対応及び透明性・アカウンタビリティ確保の取組の進捗は限定的であり、偽情報に対して適切なリスク評価や低減措置が行われているか十分に明らかではなかった。
      • 以上を踏まえ、プラットフォーム事業者において、違法・有害情報となり得る偽情報への対応については、本章1の違法・有害情報対策の方針も踏まえて、透明性・アカウンタビリティが確保されることが必要である。
      • 総務省は、違法・有害情報となる偽情報に関するプラットフォーム事業者の取組状況について、前述の違法・有害情報対策に関する記載内容を踏まえて、偽情報への対応に関する透明性・アカウンタビリティの確保に向けて、行動規範の策定及び遵守の求めや法的枠組みの導入等の行政からの一定の関与を具体的に検討することが必要である。
      • なお、行政は、引き続きプラットフォーム事業者等による自主的な削除等の対応を促進することとし、プラットフォーム事業者等に対して削除義務を課すことや、個別のコンテンツを削除しなかったことに対して罰則等を設ける法的規制を導入することは、誹謗中傷の場合と比べても、極めて慎重な検討を要する。
      • また、総務省は、これらの取組に関するモニタリングと検証評価を継続的に行っていくことが必要である。この際、プラットフォーム事業者に対して具体的にどのような対応や情報公開を求めることにより、偽情報への適切な対応が図られているかどうかを評価することが可能かについて、引き続き検討が必要である。
    • その他プラットフォーム事業者に期待されること
      • 上述の検討のほかに、インターネット上の言論空間には、違法情報でも有害情報でもない情報であっても、プラットフォーム事業者によるレコメンデーションによってユーザが無意識のうちにフィルターバブルに閉じ込められることやエコーチェンバー効果が発生することで、攻撃的な傾向への誘導やフェイクニュースの拡散、社会的分断を生じ得るとの指摘がある。
      • これを踏まえ、デジタル・シティズンシップの考え方も参考に、ユーザ自らが望ましいと判断する情報環境を選択するための環境整備、すなわち、個人がテクノロジーを通じて自身が触れる情報の自律的なコントロールを可能にするための環境整備が重要である。大規模なプラットフォームサービスが情報流通について公共的役割を果たしていることからも、ユーザ自身が望ましいと判断する情報環境を選択するための環境整備について、利用者とコミュニケーションを図りながら、一定の役割を果たすことが期待される。
  • 第三次とりまとめ(2024年2月)までの議論
    • 総論
      • Twitterを除く全ての事業者において、我が国における偽情報への対応及び透明性・アカウンタビリティ確保の取組の進捗は、2022年3月28日に実施したプラットフォームサービス第34回におけるヒアリング(以下「前回ヒアリング」という。)と比較して、一部で進展が見られるもののほぼ同等であり、未だ限定的である。特に、Twitterからは、口頭での発表が行われたものの、ヒアリングシート及び説明資料の提出がなく、透明性・アカウンタビリティ確保の取組について後退があった。
    • モニタリング
      • 本研究会では、プラットフォーム事業者による偽情報への対応の実施状況についてモニタリングを行ってきた。プラットフォーム事業者による投稿の削除やアカウントの停止等の措置に関する透明性・アカウンタビリティを確保することは、当該サービスのユーザ及びユーザ以外の者による客観的な根拠に基づく批評を可能にし、こうした批評がプラットフォームサービスの運営にフィードバックされることを通じて、投稿の削除やアカウントの停止等の措置の運用の改善につながることが期待される。したがって、こうしたモニタリングの取組については、継続的に実施していくことが適当である。
      • なお、前述のとおり、2023年のモニタリングにおいて、Twitter(現X)からは、再三の求めにもかかわらずヒアリングシート及び発表資料が提出されなかった。任意とはいえ、資料が提出されなかったことは遺憾である。
    • 今後の更なる検討
      • 本研究会では、派生的論点として、フィルターバブル、エコーチェンバー及び分極化等の現象についても検討した。こうした現象が偽情報の拡散に寄与しているか否かは、計算社会科学等の学術分野における更なる研究が期待されるところであり、本研究会において結論づけることができるものではない。もっとも、第44回会合及び第46回会合において有識者から指摘された点を踏まえると、レコメンデーションに関するアルゴリズムの公開やリテラシー教育等の方法により、利用者が情報に対して選択的接触を行っていることを、当該利用者に対して認知させることが重要である。
      • 加えて、近時は、生成AIやメタバース等の新たな技術・サービスの出現によりデジタル空間が更に拡大・深化している。このような中、インターネット上の偽情報の生成・拡散やプラットフォーム利用者の情報に対する選択的接触の問題は、アテンション・エコノミーを構造的要因とする場合を含め、プラットフォーム事業者だけでなく、生成AI事業者、仮想空間関係事業者、通信・放送事業者、利用者等の多様なステークホルダーが連携・協力して対応すべき、デジタル空間における情報流通の健全性に関わる課題の一つと言える。
      • 総務省は、生成AI等による巧妙な偽情報の生成や拡散に伴う社会的な影響の深刻化を含む、デジタル空間における情報流通を巡る新たな課題と多様化するステークホルダーによる対応等の現状を分析し、デジタル空間における情報流通の健全性確保に向けた今後の対応方針と具体的な方策について検討するため、2023年11月より「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会」(座長:宍戸常寿 東京大学大学院法学政治学研究科教授)を開催し、検討を継続している。今後、インターネット上の偽情報の生成・拡散やプラットフォーム利用者の情報に対する選択的接触の問題については、以上述べた観点を踏まえ、当該検討会において議論を深化させていくことが期待される。
      • なお、フィルターバブル、エコーチェンバー及び分極化等の現象を分析する研究を含むデジタル空間における情報流通に関する研究においては、実データの入手が重要であると考えられる。プラットフォー ム事業者においては、APIの開放等により、研究者が情報空間に関する実データを入手しやすい環境を整備することが期待される。
  • 2023年のモニタリング結果概要
    • プラットフォーム事業者の偽情報への対応については、一部で進展が見られるものの、取組状況及び透明性・アカウンタビリティ確保の進展は限定的*。 *Twitterからは、研究会に出席し発表が行われたものの、ヒアリングシート及び説明資料の提出がなく、透明性・アカウンタビリティ確保の取組について後退があった。
    • 多様なステークホルダーによる協力関係の構築、特定のトピックに関する偽情報や誤解を招く情報の流布に関するポリシーの設定、ファクトチェック推進、ICTリテラシー向上に関しては、まだ十分とは言えないものの、我が国においても取組が進められつつある。

総務省 安心・安全なメタバースの実現に関する研究会(第5回)
▼ メタバースの原則(1次案)
  • 前文
    • 民主的価値を踏まえたメタバースの将来像の醸成
      • 将来、メタバース上では国境を越えて様々な仮想空間であるワールドが提供され、メタバースが物理空間と同様に国民の生活空間や社会活動の場として益々発展し、人々のポテンシャルをより一層拡張することが期待される一方、メタバースの設計や運営が過剰に商業主義的な動機で支配され、民主的価値を損なうような仮想空間が出現する可能性、さらには、物理空間と仮想空間がこれまで以上に融合した結果として、メタバース上での出来事や価値観が仮想空間のみならず物理空間にも影響を与え、両空間の民主的価値を損なう可能性も想定される。このような状況を防ぐためにも、以下の(1)~(3)をメタバースにおける民主的価値の主な要素として国際的な共通認識とした上で、メタバースの将来像の醸成を図ることが重要である。
        1. メタバースが自由で開かれた場として提供され、世界で広く享受されること
        2. メタバース上でユーザが主体的に行動できること
        3. メタバース上での活動を通じて物理空間及び仮想空間内における個人の尊厳が尊重されること
    • 原則の位置づけ
      • 上述の民主的価値を実現し、ユーザが安心・安全にメタバースを利用していくためには、仮想空間そのものの提供を担うメタバース関連サービス提供者(プラットフォーマー(※1)及びワールド提供者(※2))の役割が重要である。メタバース関連サービス提供者の取組として、以下の2つを大きな柱として位置づける。
        1. 社会と連携しながら更なるメタバースにおける自主・自律的な発展を目指すための原則
        2. メタバース自体の信頼性向上のために必要な原則
          • ※1 プラットフォームを提供する事業者をプラットフォーマーと呼ぶ。プラットフォームはメタバースを構築したり利用したりするための基盤。メタバースを構築するための機能や素材、法則やルールなどを提供するもの、ユーザの認証・管理やアイテム等の管理、コミュニケーション機能、契約・取引などの基盤的サービスを提供するもの、すぐに利用できるようにメタバースの基本的なサービス自体を運営・提供するものなど、多岐にわたる。
          • ※2 ワールドとは、プラットフォーム上で構築・運用される、メタバースの個々の「世界」。ワールド提供者は、プラットフォーマーと契約(有償・無償を問わず、利用規約への同意等も含まれる)し、プラットフォーム上にワールドを構築して提供する者。なお、これをビジネスとして行う者については「ワールド提供事業者」という。プラットフォーマー自身がワールドを構築して提供する場合もある。
    • メタバースの自主・自律的な発展に関する原則についての考え方
      • メタバースがメタバース関連サービス提供者による多様な仮想空間の提供と共に、ユーザ等によるクリエイティブなコンテンツ(UGCを含む)の創造により、自主的な創意工夫により自律的に社会的・文化的発展を遂げてきた経緯を踏まえ、ワールドのオープン性やイノベーションの促進、世界中の様々な属性のユーザがメタバースを利用する多様性・包摂性、ICTリテラシーの向上やコミュニティ運営の尊重など社会と連携した取組とする。
    • メタバースの信頼性向上に関する原則についての考え方
      • メタバースの自主・自律的な発展を支えるために、透明性・説明性、アカウンタビリティ、プライバシーへの配慮、セキュリティ確保などメタバースへの信頼性を向上させるために必要な取組とする。
  • 原則
    • メタバースの自主・自律的な発展に関する原則
      • オープン性・イノベーション
        • 自由で開かれた場としてのメタバースの尊重
        • 自由な事業展開によるイノベーション促進、多種多様なユースケースの創出
        • アバター、コンテンツ等についての相互運用性の確保
        • 知的財産権の保護(アバターの肖像の適正な保護を含む)
      • 多様性・包摂性
        • 物理空間の制約にとらわれない自己実現・自己表現の場の提供
        • 様々な国・地域、ユーザ属性等による文化的多様性の尊重
        • 多様な発言等の確保(フィルターバブル、エコーチェンバーといった問題が起きにくいメタバース)
        • 障がい者等の社会参画への有効な手段としての活用
        • メタバースへの公平な参加機会の提供
        • 誰もが使えるユーザビリティの確保
      • リテラシー
        • ユーザのメタバースに対する理解度向上の支援
        • ユーザのICTリテラシー向上の支援
      • コミュニティ
        • コミュニティ運営の自主性の尊重
        • コミュニティ発展の支援
    • メタバースの信頼性向上に関する原則
      • 透明性・説明性
        • サービス利用時の保存データ(期間、内容等)及びメタバース関連サービス提供者が利用するデータの明示並びにユーザへの情報提供
        • 提供されているメタバースの特性の説明
        • メタバースの利用に際してユーザへの攻撃的行為や不正行為への対応の説明
      • アカウンタビリティ
        • 事前のユーザ間トラブル防止の仕組みづくりや事後の不利益を被ったユーザの救済のための取組
        • 他のユーザやアバターに対する誹謗中傷及び名誉毀損の抑制
        • ユーザ等との対話を通じたフィードバックを踏まえた改善
        • 子ども・未成年ユーザへの対応
      • プライバシー
        • ユーザの行動履歴の適正な取り扱い
        • ユーザとアバターとの紐付けにおけるプライバシーの尊重
        • メタバースの利用に際してのデータ取得、メタバースの構築に際しての映り込み等への法令遵守等による対処
        • アバター(実在の人物を模したリアルアバターを含む)の取扱いへの配慮(知的財産権、名誉毀損及びパブリシティの観点を含む)
      • セキュリティ
        • メタバースのシステムのセキュリティ確保(外部からの不正アクセスへの対処等)
        • メタバース利用時のなりすまし等の防止

総務省 医療的ケア児とその家族に対する支援に関する調査ー小学校における医療的ケアの実施体制の構築を中心としてー<結果に基づく通知>
▼ 概要
  • 調査の背景
    • 近年、医療技術の進歩を背景に、たんの吸引や経管栄養等の医療的ケアが日常的に必要な「医療的ケア児」が増加
    • 令和3年9月に医療的ケア児支援法が施行され、学校において保護者の付添いがなくても適切な医療的ケア等の支援を受けられるよう、看護師等の配置の措置等について規定。施行後3年(令和6年9月)の見直し規定あり
    • しかしながら、保護者が付添いを求められたため、離職・休職をせざるを得なくなったといった事例が発生
  • 調査結果
    • 小学校就学時における医療的ケア実施体制の確保について、
      • 就学予定の医療的ケア児の把握が遅れた事例や看護師等確保に向けた動き出しの遅れ等により医療的ケア実施者を確保できていない事例(一方で、医療的ケア児の情報を確実に把握し、就学に係る保護者の意向を早期に確認できるよう工夫を行っている教育委員会あり)
      • 給与水準の低さ、勤務環境に対する不安、小学校勤務という働き方の認知度不足等により看護師の確保が困難との教育委員会の意見
    • 小学校における医療的ケアの実施について、看護師の休暇時や校外学習時等、様々な場面で保護者の付添いが発生している事例(一方で、付添いが生じないよう採用や配置の工夫を行っている教育委員会あり)
    • 在校時の災害発生への備えについて、
      • 医療的ケアに必要な物品等の備蓄や人工呼吸器用の非常用電源の確保が行われていない状況
      • 学校での待機長期化時の対応の取決めが行われていない状況
  • 当省の意見
    • 関係部署等と連携した医療的ケア児の早期把握、保護者等への早期のアプローチの促進
    • 看護師の確保が困難である要因を踏まえた支援方策の検討
    • 医療的ケア実施者の配置・採用形態の工夫等による付添いの解消の取組の促進
    • 必要な物品の備蓄・準備方法をあらかじめ取り決めておくなど、災害発生時にも医療的ケアが実施できる環境の整備
  • 期待される効果
    • 保護者の付添いの解消
    • 災害発生時における的確な医療的ケアの実施
    • 個々の児童の心身の状況等に応じた教育機会の確保
    • 家族の離職・休職防止

総務省 宇宙通信アドバイザリーボード(第1回)
▼ 資料AB1-2 内閣府説明資料
  • 『宇宙基本計画』(令和5年6月13日 閣議決定)
    • (5)宇宙開発の中核機関たるJAXAの役割・機能の強化
      • 宇宙技術戦略に従って、世界に遅滞することなく開発を着実に実施していくため、我が国の中核宇宙開発機関であるJAXAの先端・基盤技術開発能力を拡充・強化するとともに、プロジェクトリスク軽減のため、プロジェクトに着手する前に技術成熟度を引き上げる技術開発(フロントローディング)も強化する。
      • (中略)さらに、欧米の宇宙開発機関が、シーズ研究を担う大学や民間事業者、また、商業化を図る民間事業者の技術開発に向けて、資金供給機能を有していることを踏まえ、JAXAの戦略的かつ弾力的な資金供給機能を強化する。これにより、JAXAを、産学官・国内外における技術開発・実証、人材、技術情報等における結節点として活用し、産学官の日本の総力を結集することで、宇宙技術戦略に従って、商業化支援、フロンティア開拓、先端・基盤技術開発などの強化に取り組む。
  • 『デフレ完全脱却のための総合経済対策』(令和5年11月2日 閣議決定)
    • 宇宙や海洋は、フロンティアとして市場の拡大が期待されるとともに、安全保障上も重要な領域である。「宇宙基本計画」に基づき新たに宇宙技術戦略を策定するなど、宇宙政策を戦略的に強化するとともに、「海洋基本計画」に基づき新たに海洋開発重点戦略を策定し、取組を進める。
    • 宇宙については、民間企業・大学等による複数年度にわたる宇宙分野の先端技術開発や技術実証、商業化を支援するため、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に10年間の「宇宙戦略基金」を設置し、そのために必要な関連法案を早期に国会に提出する。本基金について、まずは当面の事業開始に必要な経費を措置しつつ、速やかに、総額1兆円規模の支援を行うことを目指す。その際、防衛省等の宇宙分野における取組と連携し、政府全体として適切な支援とする
  • 背景
    • 人類の活動領域の拡大や宇宙空間からの地球の諸課題の解決が本格的に進展し、経済・社会の変革(スペース・トランスフォーメーション)がもたらされつつある。
    • 多くの国が宇宙開発を強力に推進するなど、国際的な宇宙開発競争が激化する中、革新的な変化をもたらす技術進歩が急速に進展しており、我が国の技術力の革新と底上げが急務となっている。
  • 目的・概要
    • 我が国の中核的宇宙開発機関であるJAXAの役割・機能を強化し、スペース・トランスフォーメーションの加速を実現する。
    • このため、民間企業・大学等が複数年度にわたる予見可能性を持って研究開発に取り組めるよう、新たな基金を創設し、産学官の結節点としてのJAXAの戦略的かつ弾力的な資金供給機能を強化する。
  • 今後の検討の方向性①
    • 既存の取組に加えて、我が国として民間企業・大学等が複数年度にわたって大胆に研究開発に取り組めるよう、新たな基金を創設し、民間企業・大学等による先端技術開発、技術実証、商業化を強力に支援。
    • 事業全体の目標達成に向け、各分野において宇宙関連の他の施策との相乗効果を図りつつ、以下の方向性に沿った技術開発を推進する。
      • 輸送
        • 国内で開発された衛星や海外衛星、多様な打上げ需要に対応できる状況(例えば、2030年代前半までに基幹ロケット及び民間ロケットの国内打上げ能力を年間30件程度確保)を見据え、低コスト構造の宇宙輸送システムを実現する。
        • そのための産業基盤を国内に構築し自立性及び自律性を確保するとともに、新たな宇宙輸送システムの実現に必要な技術を獲得し我が国の国際競争力を底上げする。
      • 衛星等
        • 国内の民間事業者(スタートアップ含む)による小型~大型の衛星事業(通信、観測等)や軌道上サービス等による国際競争力にもつながる自律的な衛星のシステムを実現する(例えば、2030年代早期までに国内の民間企業等によるシステムを5件以上構築)。
        • そのための産業基盤を国内に構築し自立性及び自律性を確保するともに、革新的な衛星基盤技術の獲得により我が国の国際競争力を底上げする。
        • また、上記衛星を含む衛星システムの利用による市場を拡大する。
      • 探査等
        • 月や火星圏以遠への探査や人類の活動範囲の拡大に向けた我が国の国際プレゼンスを確保する(例えば、2030年代早期までに、我が国の民間企業等が月や火星圏以遠のミッション・プロジェクトに新たに10件以上参画)。
        • 2030年以降のポストISSにおける我が国の民間事業者の事業を創出・拡大する(例えば、2030年代早期までに地球低軌道を活用したビジネスを10件以上創出)。
        • また、これらの活動機会を活用し、太陽系科学・宇宙物理等の分野における優れた科学的成果の創出や、国際的な大型計画への貢献にもつなげる。
  • 今後の検討の方向性②
    • 事業全体の制度設計については「基本方針」、各技術開発テーマの目標、内容について「実施方針」においてその具体的事項を記載する(以下に、項目案を記載)。
    • 本事業の技術開発テーマの設定にあたっては宇宙技術戦略(「宇宙輸送」「衛星」「宇宙科学・探査」)で抽出された技術項目を参照する。
    • その上で、JAXA主体の研究開発ではなく、民間企業・大学等が主体となって技術開発を推進することにより、事業全体の目標や各分野の方向性に貢献することが期待できるか、その道筋が示されているかという観点から資源配分を精査し、技術開発テーマを設定する。
      • 基本方針
        • 事業の目的・概要
        • 事業全体の目標、3分野の方向性
        • 技術開発テーマ設定の考え方
        • 支援の基本的な考え方(タイプ別の委託・補助の別 等)
        • 対象事業者の考え方(利益相反 等)
        • JAXAにおける審査・支援体制
        • JAXAにおける研究開発マネジメント(ステージゲート評価の設定等)
        • 政府におけるフォローアップ
        • 各種根幹規定(執行関係、ロケット利用等)
      • 実施方針
        • 技術開発テーマ名
        • 背景・目的(事業目標や3分野の方向性との関係含め)
        • 当該テーマの成果目標、出口目標(可能な限り定量的に)
        • 技術開発実施内容
        • 支援期間、支援規模
        • 主な対象事業者の設定、評価の観点
        • 委託・補助の別及び補助率等の設定
        • 進捗管理・フォローアップの方向性(ステージゲート評価のタイミング等) 等

総務省 不適正利用対策に関するワーキンググループ(第1回)
▼ 資料1-2 ICTサービスの不適正利用対策を巡る諸課題について(事務局資料)
  • ICTサービスの不適正利用に係る背景
    • 特殊詐欺とは、被害者に電話をかけるなどして対面することなく信頼させ、現金等をだまし取る犯罪をいい、手口が多様に存在。令和5年の被害総額※は441.2億円(前年比19%増)。※警察庁調べ
    • フィッシング詐欺とは、実在する企業・金融機関などを装って、電子メールやSMSを送信するなどしてリンクから偽サイトに誘導し、ID・パスワード等を入力させ、個人情報を詐取する犯罪をいう。令和4年のクレジットカード番号盗用被害額※は411.7億円(前年比32.1%増)。※日本クレジット協会調べ
    • いずれも深刻な状況であり、国内外の特殊詐欺等の犯罪の状況を踏まえ、ICTサービスの不適正利用への対処のため、議論を行う必要がある。
  • 電話悪用の手口について
    • 電話悪用と対策はいたちごっこ。犯罪者は、一つの手口をふさぐと次の手口に移っていく。
    • 【携帯電話】手軽に利用できる携帯電話を悪用した手口がまず発達
    • 【電話転送】電話転送サービスを悪用し、03番号等を表示させて信用させる手口が発達
    • 【050IP電話】本人確認義務のない050IP電話を悪用する手口。
      • 最近では、海外経由の通信サービスなど、着信時に電話番号が表示されないものを悪用した犯行も確認されている。
  • 総務省におけるこれまでの特殊詐欺対策について
    • 特殊詐欺対策について、総務省は電話を所管する立場から、以下の3本柱で、電話の悪用対策を実施
    • 対策の柱(1)携帯電話不正利用防止法(携帯電話利用者の本人確認)の執行
    • 対策の柱(2)犯罪収益移転防止法(電話転送サービス利用者の本人確認)の執行
    • 対策の柱(3)電話番号の利用停止措置の運用
      • (1)携帯電話不正利用防止法の執行(2006.4施行(レンタルは2008.12より対象))
        • 携帯電話の契約時の本人確認を義務付け
        • 総務大臣は、本人確認義務を履行していないキャリアショップ等に対して是正命令を発出
      • (2)犯罪収益移転防止法の執行
        • 電話転送サービス事業者等に対して、顧客等の本人確認を義務付け
        • 国家公安委員会からの意見陳述も踏まえ、総務大臣は、義務違反の事業者に対して是正命令を発出
      • (3)電話番号の利用停止措置の運用
        • 総務省から事業者団体(TCA・JUSA)への通知に基づき、県警等からの要請に応じて、特殊詐欺に利用された固定電話番号等の利用停止、悪質な利用者への新たな固定電話番号の提供拒否を実施。(2008.3施行(電話転送は2013.4より対象))
  • 「携帯電話不正利用防止法」の概要
    • これまでの経緯
      • 平成17年4月、議員立法により「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律」が成立。(平成17年法律第31号)
      • 「レンタル携帯電話事業者による本人確認の厳格化等」を内容とする改正法が平成20年6月成立。同年12月から施行。
    • 携帯電話不正利用防止法の概要
      • 契約者の管理体制の整備の促進 及び 携帯音声通信サービスの不正利用の防止のため、以下を措置
        • 契約締結時・譲渡時の本人確認義務等
          • 携帯電話事業者及び代理店に対し、(1)運転免許証等の公的証明書等による契約者の本人確認とともに、(2)本人確認記録の作成・保存(契約中及び契約終了後3年間)を義務付け。
        • 警察署長からの契約者確認の求め
          • 警察署長は、犯罪利用の疑いがあると認めたときは、携帯電話事業者に対し契約者確認を求めることが可能。また、本人確認に応じない場合には、携帯電話事業者は役務提供の拒否が可能。
        • 貸与業者の貸与時の本人確認義務等
          • 相手方の氏名等を確認せずにレンタル営業を行うことを禁止。(1)運転免許証等の公的証明書等による契約者の本人確認とともに、(2)本人確認記録の作成・保存(契約中及び契約終了後3年間)を義務付け。
        • 携帯電話の無断譲渡・譲受けの禁止
          • 携帯電話事業者の承諾を得ずに譲渡することを禁止。
        • 他人名義の携帯電話の譲渡・譲受けの禁止
  • 「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の概要
    • 犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成19年法律第22号)は、犯罪による収益の移転の防止を図り、国民生活の安全と平穏を確保するとともに、経済活動の健全な発展に寄与することを目的として制定(平成20年3月1日施行)。
    • 特定事業者(※)に対して、顧客等の取引時確認、疑わしい取引の届出等を義務付け。
      • ※金融機関、ファイナンスリース業者、クレジットカード業者、弁護士、司法書士、公認会計士等(特定事業者により義務等は若干異なる)。総務省関係では、電話受付代行業者、電話転送サービス事業者、行政書士、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構が該当。
    • 特定事業者に対して、以下の事項について義務づけ。
      • 取引時確認義務
        • 運転免許証等の公的証明書等による顧客等の(1)氏名・名称、(2)住居・本店又は主たる事務所の所在地、(3)生年月日、(4)取引を行う目的、(5)職業・事業内容、(6)実質的支配者の確認を義務づけ。
        • マネー・ローンダリングに利用されるおそれが特に高い取引(ハイリスク取引)については、上記確認事項に加え、その取引が200万円を超える財産の移転を伴うものである場合には「資産及び収入の状況」の確認も義務づけられている。
      • 確認記録の作成・保存義務
        • 取引時確認を行った場合には直ちに確認記録を作成し、当該契約が終了した日から7年間保存することを義務づけ。
      • 取引記録の作成・保存義務
        • 特定業務に係る取引を行った場合若しくは特定受任行為の代理等を行った場合には、直ちにその取引等に関する記録を作成し、当該取引又は特定受任行為の代理等が行われた日から7年間保存することを義務づけ。
      • 疑わしい取引の届出
        • 特定業務に係る取引について、(1)当該取引において収受した財産が犯罪による収益である疑いがあるかどうか、(2)顧客等が当該取引に関し組織的犯罪処罰法第10条の罪若しくは麻薬特例法第6条の罪に当たる行為を行っている疑いがあるかどうかを判断し、これらの疑いがあると認められる場合に、行政庁に対して疑わしい取引の届出を行うことを義務づけ。
      • 取引時確認等を的確に行うための措置
        • (1)取引時確認をした事項に係る情報を最新の内容に保つための措置を講ずるとともに、(2)使用人に対する教育訓練の実施、顧客管理措置の実施に関する内部規程の策定、顧客管理措置の責任者の選定等の措置を講ずるよう努めなければならない(努力義務)。
  • 特殊詐欺に利用された固定電話番号等の利用停止等スキーム
    • 警察からの要請に応じ、電気通信事業者が以下の措置を実施
      • 特殊詐欺に利用された固定電話番号等の利用停止措置
      • 新たな固定電話番号等の提供拒否
      • 悪質な電話転送サービス事業者の保有する固定電話番号等(在庫番号)の利用停止
  • SNSで実行犯を募集する手口による強盗や特殊詐欺事案に関する緊急対策プラン
    • 現状
      • 「闇バイト強盗」と称されるSNS上で実行犯を募集する手口等を特徴とする一連の強盗等事件が広域で発生。
      • 被害者の大部分が高齢者である特殊詐欺の認知件数は、令和3年以降、増加しており、また、その被害額は、令和4年、8年ぶりに増加。
      • こうした情勢を受け、国民の間に不安感が拡大する中、この種の犯罪から国民を守るため、一層踏み込んだ対策として「SNSで実行犯を募集する手口による強盗や特殊詐欺事案に関する緊急対策プラン」を策定
    • プランの概要
      • 「実行犯を生まない」ための対策
        • 「闇バイト」等情報に関する情報収集、削除、取締り等の推進
        • サイバー空間からの違法・有害な労働募集の排除
        • 青少年をアルバイト感覚で犯罪に加担させない教育・啓発
        • 強盗や特殊詐欺の実行犯に対する適正な科刑の実現に向けた取組の推進
      • 「実行を容易にするツールを根絶する」ための対策
        • 個人情報保護法の的確な運用等による名簿流出の防止等の「闇名簿」対策の強化
        • 携帯電話等の本人確認や悪質な電話転送サービス事業者対策の推進
        • 悪用されるSMS機能付きデータ通信契約での本人確認の推進
        • 預貯金口座の不正利用防止対策の強化
        • 証拠品として押収されたスマートフォン端末等の解析の円滑化
        • 秘匿性の高いアプリケーションの悪用防止
        • 帰国する在留外国人による携帯電話・預貯金口座の不正譲渡防止
      • 「被害に遭わない環境を構築する」ための対策
        • 宅配事業者を装った強盗を防ぐための宅配事業者との連携
        • 防犯性能の高い建物部品、防犯カメラ、宅配ボックス等の設置に係る支援
        • 高齢者の自宅電話番号の変更等支援
        • 高齢者の自宅電話に犯罪者グループ等から電話が架かることを阻止するための方策
        • 現金を自宅に保管させないようにするための対策
        • パトロール等による警戒
      • 「首謀者を含む被疑者を早期に検挙する」ための対策
        • 犯罪者グループ等の実態解明に向けた捜査を含む効果的な取締りの推進
        • 国際捜査の徹底・外国当局等との更なる連携
        • 現金等の国外持出し等に係る水際対策の強化
  • 「SNSで実行犯を募集する手口による強盗や特殊詐欺事案に関する緊急対策プラン」に基づく総務省の施策の進捗状況
    • 既に実行に移した施策
      • 青少年をアルバイト感覚で犯罪に加担させない教育・啓発
        • 『インターネットトラブル事例集2023年版』に「闇バイト」等に関する注意喚起を掲載。教育委員会、PTA等の関係機関に周知して教育・啓発。(3月)
      • ナンバーディスプレイ等の普及拡大
        • 高齢者が悪質電話に出ないようにする観点から、総務省からNTT東西に対し、ナンバーディスプレイ等の普及拡大について要請。これを踏まえ、NTT東西において、ナンバーディスプレイ等の無償化を実施。(5月)
    • 準備・検討を進めている施策
      • 050アプリ電話の契約時の本人確認の義務 現時点で実施済
        • 特殊詐欺への悪用が特に多く確認されている「050アプリ電話」について、契約時の本人確認を義務化する制度改正を準備。【総務省令の改正】
      • 悪質な電話転送事業者の在庫電話番号の一括利用制限 現時点で実施済
        • 悪質な電話転送事業者が保有する固定電話番号等(在庫電話番号)の利用を一括して制限するスキームの改正を準備。【業界団体への要請文書の改正】
      • 携帯電話の契約時の本人確認におけるマイナンバーカードの活用 更なる対応が必要
        • 本人確認書類の券面の偽変造による不正契約を防ぐ観点から、携帯電話の契約時の本人確認におけるマイナンバーカードの公的個人認証の活用に向け、業界団体との協議を実施。
      • SMS機能付きデータ通信専用SIMカードの悪用対策 更なる対応が必要
        • SMS機能付きデータSIMの悪用の実態について、携帯電話キャリアやSMS配信事業者に対して調査を実施。悪用の実態の分析結果を踏まえて対策を検討。
  • SMSを利用するフィッシング詐欺(スミッシング)の状況
    • SMSは、電話番号だけで送信が可能であり、開封率が高いため、数多くの事業者において、SMS認証や簡易な連絡手段として活用されているが、その特徴を悪用し、フィッシング詐欺メッセージの送信にも多く利用されている。
    • 一部キャリア(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)において、デフォルトオンのSMSフィルタリングが導入(令和4年)されており、文面等を分析したうえで、危険だと判断されるものはブロックされているが、それをかいくぐって届いてしまうものも少なくない。
    • 事業者ヒアリングの結果、スミッシングのメッセージについては、そのほとんどがマルウェアに感染したスマートフォンから発信されているのではないかと指摘されている。
  • ICTサービスの不適正利用への対処
    • 特殊詐欺やフィッシング詐欺等のICTサービスの不適正利用への対処に関し、最近の動向等を踏まえ、専門的な観点から集中的に検討する
      • 特殊詐欺対策
        • 特殊詐欺被害が引き続き深刻な状況。「足のつかない電話」の発生抑止のため、本人確認書類の偽変造への対応など、本人確認の実効性の向上※に関して取り組むべき事項はあるか。※非対面契約でのマイナンバーカードの公的個人認証の活用等
        • 特殊詐欺に悪用された電話番号の利用停止スキームが効果をあげていることから、本スキームの適用事業者の拡大※に向けて取り組むべき事項はあるか。※業界団体に加盟していない事業者等
      • SMSによるフィッシング詐欺(スミッシング)対策
        • SMSを利用したフィッシング詐欺(スミッシング)の被害が拡大する中、スミッシングメッセージの発信元※への警告など、実効性ある対応策はあるか。※マルウェアに感染したスマートフォンの利用者など

総務省 利用者情報に関するワーキンググループ(第1回)
▼ 資料1-2利用者情報の適切な取扱いの確保に関する背景及び現状について(事務局)
  • 「プラットフォームサービスに関する研究会」は、今年度のモニタリングの実施及び結果を踏まえて、総務省による今後の利用者情報の取扱いに関するモニタリングについて、以下のとおり提言する。
    • 「電気通信事業における個人情報等の保護に関するガイドライン」第52条第2項等に基づき、デジタル広告分野に限らず利用者情報の取扱いについて、継続的にモニタリングを行うべきである。
    • 上記のモニタリングを行うにあたり、総務省において安定的な枠組みを作ることが必要である。
    • 上記のモニタリングを行うにあたり、事業者からの情報提供が十分に得られるように、総務省においては、ヒアリング項目や方法の工夫を行うとともに、必要に応じ制度的な対応も検討すべきである。
    • 上記のモニタリングを行うにあたっては、特に利用者保護の観点に立ち、新たなターゲティング手法の登場等の業界の動向を踏まえながら、プラットフォーム事業者における情報取得の方法等、利用者情報の取扱いについて確認していく必要がある。
    • 上記のモニタリングを行うにあたっては、特に、今般のモニタリング結果において要検討事項と指摘された事項について検討を深めることが必要である。その上で、プラットフォーム事業者が、アカウントを取得していない利用者やログインしていない利用者からも情報を取得していること、第三者や、第三者のウェブサイトを通じて情報を取得していることに関し、利用者保護の観点から、対応を行うべき点がないかについて検討を行うことが必要である。
  • 親会(第一回)での主なご意見(利用者情報に係るご意見のみ抜粋)
    • スマートフォン上のプライバシー対策
      • スマートフォン利用者情報取扱指針は、見直しをしたほうがよい。スマートフォンプライバシーイニシアティブ(SPI)は基本的には、外部送信規律と守備範囲としては同じであるとともに、法的拘束力のないベストプラクティスなので、法制化から、一歩進んだレベルを目指すべき。【森構成員】
      • プラットフォーム研究会の議論が外部送信規律の法制化に反映されているかというと、それは必ずしもそういうわけではない。例えば、外部送信技術の規制の対象者をどうするのか、外部送信技術の中身としてどのような情報を送信するのか、送信先はどこか、通知・公表でいいのか、それともオプトアウトさせなければいけないのか、改めて見直していかなければいけない。【森構成員】
    • 利用者情報に係るモニタリング等
      • モニタリングについては、PDCA、計画に基づくモニタリングがうまく機能できているかということも含めて、定期的に振り返るような場をつくるなどの仕組みが求められているのではないか。【大谷座長代理】
      • 利用者保護の観点に立ってモニタリングを進めるべきであるということが重要なポイント。【森構成員】
      • サービスに係るアカウントを持っていない、ログインしていない場合に、情報を取得することを知る機会がない、あるいは、それに対して同意をする機会がないため、そのような場合にはプライバシーポリシーの工夫や、ユーザに対する情報提供が効果を発揮していない。もし、それらの方々からも情報を取得している場合、プライバシーポリシー等によらない保護の方法、本人関与の方法というものを法制度的に考えていかなければいけない。【森構成員】
      • EUにおいて、Metaの情報収集について、競争法の文脈で、裁判所による一定の判断があった。その中で、果たして同意が機能しているのかということも議論されたようなので、いずれ御紹介いただきたい。【森構成員】
  • デジタルサービス法(DSA)の概要
    • 2022年11月、EUのデジタルサービス法の一部が施行。本規則の目的は、安全で予測可能かつ信頼できるオンライン環境のための調和された規則を定めることにより、仲介サービスのための域内市場の適切な機能に貢献することであり、その中でイノベーションを促進し、消費者保護の原則を含む憲章に謳われた基本権が効果的に保護されること(第1条)、とされている。
    • 本法においては、コンテンツモデレーション等に関し様々な義務が規律されているが、その他、ダークパターンの禁止(第25条)、プロファイリングに基づく広告の表示や推奨システムのパラメータに係る透明性確保(第26条及び第27条、第38条及び第39条)、未成年者のオンライン保護(第28条)等の義務が課せられている。
    • 対象事業者・対象サービス
      • 2023年4月、17のサービスがVLOP、2のサービスがVLOSEに指定された。また、2023年12月、3のサービスがVLOPに追加指定された。
      • サービスの一覧については、次ページのとおり。2024年2月から、EU内のすべてのプラットフォーム事業者に法順守義務の発生。
      • VLOP及びVLOSE【第33条】:EU域内の月間平均実質利用者数が4,500万人以上の、超大規模オンラインプラットフォーム(VLOP)または超大規模オンライン検索エンジン(VLOSE)と指定されたオンラインプラットフォーム
    • 利用者情報に係る規律の概要
      • ダークパターンと呼ばれる、サービス利用者を欺いたり操作したりするような方法や、サービス利用者が自由に意思決定を行う能力を著しく歪めたり損なうような方法で、オンラインインターフェイスを設計、編成、運用してはならない。(第25条)
      • 推奨システムで使用される主なパラメータ、およびサービス利用者がこれらのパラメータを変更するあるいはパラメータに影響を与えるための選択肢を、平易でわかりやすい言葉で、利用規約に含めなければならない。推奨システムに選択肢がある場合、サービス利用者が、選択肢をいつでも選択、変更できる機能を提供しなければならない(第27条)。超大規模事業者は、GDPR第4条4項で定めるプロファイリングに基づかない、推奨システムのオプションを少なくとも1つ提供しなければならない。(第38条)
      • 未成年者がアクセスできるオンラインプラットフォームの提供者は、そのサービスにおいて、未成年者のプライバシー、安全、およびセキュリティを高い水準で確保するための適切かつ相応の措置を講じるものとする。(第28条)
    • 執行
      • 義務違反の場合、第52条第3項に基づき、当該サービス提供者の前会計年度の全世界年間売上高の6%の罰金や日次平均売上高または収入の5%の賦課が課される可能性がある。
  • デジタル市場法(DMA)の概要
    • 2022年11月、EUのデジタル市場法の一部が施行。本規則の目的は、ビジネスユーザー及びエンドユーザーの利益のために、ゲートキーパーが存在するEU全域のデジタルセクターにおいて、すべての事業者が競争可能で公正な市場を確保するための調和された規則を定め、域内市場の適切な機能に貢献すること(第1条)、とされている。
    • 本法においては、公正な競争環境の整備の観点から様々な義務が規律されているが、第15条において、消費者のプロファイリングのための技術について、独立監査済みの説明を欧州委員会に提出しなければならないとする義務がゲートキーパには課せられている。
    • 対象事業者・対象サービス
      • 2023年9月、アルファベット、アマゾン、アップル、バイトダンス、メタ、マイクロソフトがゲートキーパーに指定された。指定されたサービスについては、次ページのとおり。2024年3月から、ゲートキーパーに対し法順守義務の発生。
      • ゲートキーパー【第2条(1)】:コアプラットフォームサービス【第2条(2)】(※)を提供する事業者で、以下を満たす事業者を指定【第3条】
        1. EU域内における過去3年間の年間売上高が75億ユーロ以上、もしくは直近年度の平均時価総額が750億ユーロ以上であり、かつ3つ以上の加盟国において同じコアプラットフォームサービスを提供
        2. 直近の年度において、EU域内の月間エンドユーザー数が4,500万人以上かつ年間ビジネスユーザー数が1万者以上のコアプラットフォームサービスを提供
        3. 2.の基準を過去3年度において満たす
          • ※コアプラットフォームサービス【第2条(2)】:オンライン仲介サービス、オンライン検索エンジン、SNS、オンライン広告サービス 等
    • 第15条に基づく報告
      • 第15条に基づく消費者のプロファイリングのための技術の説明については、2023年12月に欧州委員会が報告様式を公表しており、以下のセクション1~7のとおり構成されている。
        1. ゲートキーパーに係る一般情報
        2. 消費者のプロファイリング技術に係る情報
        3. 監査人に係る一般情報
        4. 監査手続きに係る情報
        5. 監査の結論
        6. 機密情報を含まない要約
        7. 宣言
    • 執行
      • 義務違反の場合、当該ゲートキーパーの前会計年度の全世界年間売上高の10%の罰金【第30条第1項】や日次平均売上高の5%の1日ごとの賦課【第31条第1項】が課される可能性がある。

総務省 労働力調査(基本集計)2024年(令和6年)1月分結果
▼ 労働力調査(基本集計)2024年(令和6年)1月分結果の概要
  • 就業者の動向
    • 男女別就業者数
      • 就業者数は6714万人。前年同月に比べ25万人(0.4%)の増加。18か月連続の増加。男性は3682万人。4万人の減少。女性は3032万人。29万人の増加
    • 従業上の地位別就業者数
      • 自営業主・家族従業者数は602万人。前年同月に比べ17万人(2.7%)の減少
      • 雇用者数は6076万人。前年同月に比べ42万人(0.7%)の増加。23か月連続の増加。男性は3286万人。8万人の増加。女性は2790万人。35万人の増加
    • 雇用形態別雇用者数
      • 正規の職員・従業員数は3603万人。前年同月に比べ31万人(0.9%)の増加。3か月連続の増加
      • 非正規の職員・従業員数は2146万人。前年同月に比べ13万人(0.6%)の増加。5か月連続の増加
      • 役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は37.3%。前年同月に比べ0.1ポイントの低下
    • 就業率
      • 就業率(15歳以上人口に占める就業者の割合)は61.1%。前年同月に比べ0.4ポイントの上昇
      • 15~64歳の就業率は78.7%。前年同月に比べ0.5ポイントの上昇。男性は84.3%。0.3ポイントの上昇。女性は73.0%。0.7ポイントの上昇
      • 20~69歳の就業率は80.6%。前年同月に比べ0.6ポイントの上昇
  • 完全失業者の動向
    • 男女別完全失業者数
      • 完全失業者数は163万人。前年同月に比べ1万人(0.6%)の減少。2か月連続の減少
      • 男性は92万人。前年同月に比べ5万人の減少。女性は70万人。前年同月に比べ3万人の増加
    • 求職理由別完全失業者数
      • 完全失業者のうち、「勤め先や事業の都合による離職」は19万人と、前年同月に比べ8万人の減少、「自発的な離職(自己都合)」は71万人と、前年同月に比べ5万人の増加、「新たに求職」は44万人と、前年同月と同数
    • 年齢階級別完全失業者数
      • 男性の完全失業者数は、「25~34歳」、「35~44歳」及び「45~54歳」の年齢階級で、前年同月に比べ減少
      • 女性の完全失業者数は、「25~34歳」、「45~54歳」及び「55~64歳」の年齢階級で、前年同月に比べ増加

【消防庁】

※現在、該当の記事はありません。

【その他省庁】

【2024年4月】

外務省 外交青書
▼ 令和6年版外交青書
  • G7広島サミット
    • G7広島サミットでは、分断と対立ではなく協調の国際社会の実現という大きなテーマの下、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くこと、また、G7を超えた国際的なパートナーとの関与を強化することという二つの視点を柱とし、G7による積極的かつ具体的な貢献を打ち出すことができました。また、インド太平洋が様々な議題に通底する重要なテーマとなりました。
    • G7首脳は、招待国・機関を交え、食料、開発、保健、気候変動・エネルギー、環境といった国際社会が直面する諸課題について議論を行い、いわゆるグローバル・サウスと呼ばれる途上国・新興国とも協力してこれらの課題に取り組んでいくことの重要性を確認しました。また、G7、招待国及びウクライナの首脳間で、世界の平和と安定に関する議論を行い、法の支配や、主権、領土一体性の尊重といった国連憲章の諸原則の重要性につき認を共有しました
  • ウクライナ情勢
    • G7広島サミットでは、G7首脳は厳しい対露制裁と強力なウクライナ支援を継続していくことを確認し、「ウクライナに関するG7首脳声明」を発出しました。また、ウクライナのゼレンスキー大統領自身が関連するセッションに対面参加したほか、岸田総理大臣やその他の首脳と会談しました。
    • 12月6日のG7首脳テレビ会議では、冒頭にゼレンスキー大統領の出席も得て、岸田総理大臣から、中東情勢が緊迫化する中でも、G7がロシアによるウクライナ侵略への国際社会の対応を主導する姿勢は不変であることを強調するとともに、公正かつ永続的な平和を実現するため、G7は引き続き結束して対ロシア制裁とウクライナ支援を強力に推進していくとの決意を示しました
  • インド太平洋
    • G7広島サミットでは、岸田総理大臣から「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」のための新たなプラン3について説明し、G7としてASEAN諸国や太平洋島嶼国を含むインド太平洋地域との協力を強化していくと述べました。G7首脳は、中国をめぐる諸課題への対応や、核・ミサイル問題、拉致問題を含む北朝鮮への対応において、引き続き緊密に連携していくことを確認しました。
  • 食料安全保障
    • G7広島サミットでは、ロシアのウクライナ侵略が世界の食料安全保障に与えている悪影響も踏まえ、G7首脳は世界の食料安全保障を改善するための取組を継続することにコミットしました。また、G7と招待国の首脳は、共同で「強靱なグローバル食料安全保障に関する広島行動声明」を発出し、同声明に示された食料安全保障の危機への喫緊の対応と、強靱で持続可能かつ包摂的な農業・食料システムの構築に向けた中長期の取組をパートナー国と共にとることを約束し、国際社会におけるより広範な協力を呼びかけました。
    • 同声明に基づき、日本は6月に英国・ロンドンで「食料危機に関する輸入国及び輸出国間の対話」を国際穀物理事会と共催しました。その議論の成果文書を9月の国連ハイレベルウィークの機会に日本、イタリア、アラブ首長国連邦(UAE)及び国連食糧農業機関(FAO)が共催したハイレベルイベントで公表しました。
  • 経済的強靱性・経済安全保障
    • G7広島サミットでは、経済安全保障に関して、G7サミットでは初めて独立したセッションを設け、G7首脳は、(1)サプライチェーンや基幹インフラの強靱化、(2)非市場的政策・慣行や経済的威圧への対応強化、(3)重要・新興技術の適切な管理を含め、結束して対応していくことを確認しました。また、経済安全保障はG7が緊密な連携の下で取り組んでいくべき戦略的な課題であるとの認識の下、経済安全保障に関する取組について、G7枠組みを通じて包括的な形で協働し、連携していく意思を確認しました。とりわけ、経済的威圧に関しては、「経済的威圧に対する調整プラットフォーム」の立上げを確認しました。G7首脳は、G7として初めて、経済的強靭性や経済安全保障に関する包括的かつ具体的なメッセージを「経済的強靭性及び経済安全保障に関するG7首脳声明」として発出しました。さらに、クリーン・エネルギー移行のためのサプライチェーン強靱化に関する「G7クリーン・エネルギー経済行動計画」も発出しました。
    • こうした成果を踏まえ、10月28日、29日のG7大阪・堺貿易大臣会合では、経済的威圧についてG7として更なる前進を図っていくことで一致したほか、サプライチェーン強靱化に向けて、より広い国際社会との連携や民間セクターへの関与強化の必要性について一致しました。
    • また、12月6日のG7首 脳テレビ 会議では、岸田総理大臣から、非市場的政策・慣行や経済 的 威 圧への対 応、サプライチェーンや基幹インフラの強靱化、機微技術の管理などにおける連携強化が必要であり、広島サミットでの議論と「経済的強靱性及び経済安全保障に関するG7首脳声明」はその土台であるとして、この分野におけるG7としての今後の連携強化を呼びかけました。
  • 気候・エネルギー
    • G7広島サミットでは、G7首脳は「気候危機」とも呼ぶべき人類共通の待ったなしの課題である気候変動について、G7も太平洋島嶼国もアフリカやその他の地域の国々も一緒に取り組む必要があることを確認し、1.5℃目標*4達成のため、全ての主要経済国が2025年までに世界全体の温室効果ガス(GHG)排出量をピークアウトすることを求めました。また、エネルギー安全保障、気候危機、地政学リスクを一体的に捉え、再生可能エネルギーや省エネの活用を最大限進めつつ、経済成長を阻害しないよう、各国の事情に応じ、あらゆる技術やエネルギー源を活用する多様な道筋の下で、ネット・ゼロという共通のゴールを目指すことの重要性について、共通の認識を確認しました。
    • 加えて、気候資金の動員の重要性および気候変動に脆弱な国や人々への支援の必要性を確認しました。
    • さらに、G7首脳は、国際エネルギー機関(IEA)に対し、(1)エネルギー及び重要鉱物の供給やクリーン・エネルギー製造をいかに多様化するかの選択肢についての提言書の作成、(2)クリーン・エネルギー製造ロードマップの作成、(3)公的部門、金融、企業、研究及びスタートアップ企業の関係者を集めた国際的なフォーラムの開催を要請しました。この要請を受け、エネルギー及び重要鉱物の供給やクリーン・エネルギー製造をいかに多様化するかの提言書が12月にIEAから発表されました。
  • ジェンダー
    • 日本は、G7日本議長年を通じて、ジェンダー主流化の推進に向けて各課題に対する政策を一体的に扱うことの重要性を訴え、G7の関係閣僚会合においてもジェンダー平等及びあらゆる多様性をもつ女性及び女児のエンパワーメントについて議論が行われました。このように様々な政策分野にジェンダーの視点を取り入れるジェンダー主流化を更に前進させるために提唱されたのが「ネクサス・アプローチ」であり、G7広島首脳コミュニケにも明記されました。「ネクサス・アプローチ」は、政策間の有機的なつながりを重視するものです。
    • 政策を互いに連携・調整し、一体的に取り組むことが重要であり、これにより相乗効果が発揮され、ジェンダー平等の達成に向けた進捗が期待できるという考え方です。
    • G7広島サミットでは、岸田総理大臣から、ジェンダー主流化の推進に向けて「ネクサス」を作り出すことが重要であることを強調し、防災への適用を含む女性・平和・安全保障(WPS)アジェンダの促進、女性の経済的自立などを例に、様々な取組を有機的に連携させていくと発言しました。参加国・機関からは、これに賛同する発言がありました。
  • デジタル、AI
    • G7広島サミットでは、G7首脳は、生成AIや没入型技術(メタバースなど)に関する、G7の価値に沿ったガバナンスの必要性について確認したほか、生成AIに関する議論を行うための「広島AIプロセス」を立ち上げました。また、G7首脳は、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)具体化のための国際的枠組み(IAP)の設立を承認しました。
    • 12月1日のG7デジタル・技術大臣会合では、広島AIプロセスを通じて、「全てのAI関係者向けの広島プロセス国際指針」及び「高度なAIシステムを開発する組織向けの広島プロセス国際行動規範」を含む、「広島AIプロセス包括的政策枠組」が合意され、12月6日のG7首脳テレビ会議で承認されました。これは、AIについて世界で初めて関係者が遵守すべきルールを包括的に定めた画期的なものであり、急速に進展する生成AIのガバナンスについて、G7が効果的かつ迅速に対応できていることを世界に力強く示しました。
    • 同じくG7デジタル・技術大臣会合では、「DFFTの具体化に関するG7デジタル・技術閣僚声明」及びIAPの組織詳細についてまとめた附属書を採択し、IAPに関する取組の進捗を確認しました。
  • 日本のパレスチナ・ガザ地区における取組
    • 日本は、10月7日以降のパレスチナ・ガザ地区を巡る情勢を受け、国際機関を通じた緊急人道支援や補正予算による追加的な人道支援のほか、独立行政法人国際協力機構(JICA)を通じた同地区への物資支援を実施しています。
    • 11月8日には、第1弾としてテントや毛布などの支援物資をエジプトのエル・アリーシュ空港に輸送し、エジプト及びパレスチナ赤新月社などの協力によりガザ地区内に届けました。それらの物資はその後避難所で使用されています。12月1日には、第2弾として、包帯、ガーゼ、手術用グローブなどの医療消耗品を同空港に輸送し、エジプト及びパレスチナ赤新月社の協力によりガザ地区に届けました。この時は、在エジプト日本国大使館及びJICAの職員が、エジプト赤新月社への支援物資の引き渡しに立ち会ったほか、空港からラファハ検問所(エジプトとガザ地区の境界にある検問所)までの支援物資の搬送の流れや搬入のボトルネックについて現地調査を実施しました。届けられた医療消耗品は、ガザ地区内の病院や保健センターなどの医療施設に配布され、随時使用されています。
    • また、12月25日より(2024年1月下旬まで)JICAを通じて、ガザ地区における緊急人道支援・保健医療分野におけるニーズを調査するため、隣国のエジプト(カイロ)に医師などから構成される調査チームを派遣しました。同チームは、医療資源を適切に配分するために現地で緊急医療支援の調整に当たる世界保健機関(WHO)と連携し、日本の災害緊急援助のノウハウを活用した医療データ管理分野の調整業務支援を実施したり、エジプト保健省と協力してパレスチナの人々の緊急人道支援ニーズの確認をしました。
    • 日本は、ガザ地区の人道状況改善や事態の沈静化に向けて粘り強い外交努力を継続しつつ、関係諸国との協力の下、国際機関やJICAを通じた支援を引き続き行っていきます。
  • 経済安全保障を取り巻く動向
    • 近年、安全保障と経済を横断する領域で様々な課題が顕在化しており、安全保障の裾野が急速に拡大している。例えば、窃取され又は流出した先端的な民生技術が他国において軍事転用されるおそれ、外国政府の影響を受けたサプライヤーが情報通信など重要インフラ施設の安定的な運用を害するおそれ、重要な物資の他国への過度な依存に伴う供給途絶のおそれ、サプライチェーン上の優位性や自国市場の購買力を梃子に政治的目的を達しようと他国が講じる経済的威圧を受けるおそれなどが生じている。
    • 経済的手段に関連したこうした様々な脅威が生じていることを踏まえ、日本の平和と安全や経済的な繁栄などの国益を経済上の措置を講じて確保すること、すなわち経済安全保障の重要性が高まっている。2022年5月には、サプライチェーンの強靱化、基幹インフラの安全性と信頼性の確保、先端的な重要技術の開発支援、特許出願の非公開の四つを柱とする経済安全保障推進法が成立し、順次制度運用が開始されるなど、日本でも取組が加速している。同年12月に日本政府が新たに策定した「国家安全保障戦略」でも、経済的手段を通じた様々な脅威が存在していることを踏まえ、日本の自律性の向上、技術などに関する日本の優位性、不可欠性の確保などに向けた必要な経済施策に関する考え方を整理し、総合的、効果的かつ集中的に措置を講じていくことが記されている。また、経済安全保障の取組を強化・推進するため、2021年11月からは、内閣総理大臣を議長とし、外務大臣が構成員である経済安全保障推進会議が開催されている。
    • また、2023年6月に閣議決定した新たな「開発協力大綱」においては、開発の観点からもサプライチェーンの脆弱性によって多様な分野で負の影響が生じ得ることが明らかになったことを踏まえ、日本の開発協力の重点的取組の一つとして、開発途上国の経済社会の自律性・強靭性を強化するため、サプライチェーンの強靭化・多様化や経済の多角化、重要鉱物資源の持続可能な開発、食料の安定供給・確保などのための協力を推進していくことを掲げた。これらの取組は、開発途上国の持続的成長のみならず日本にとっても重要であり、これらの課題解決に資する人材育成・法制度整備、周辺インフラ整備などの支援に積極的に取り組んでいくこととしている。
  • 治安上の脅威に対する取組
    • 良好な治安を確保し、国民の生命などを守ることは、様々な社会経済活動の前提であり、国の基本的な責務である。科学技術の進展、新型コロナウイルス感染症(以下「新型コロナ」という。)のまん延といった社会情勢の変化もあいまって急速に複雑化、深刻化している国際的なテロや組織犯罪といった治安上の脅威に効果的に対処するためには、国際社会全体が協力して取り組むことが不可欠である。
  • テロ及び暴力的過激主義対策
    • 2019年末以降、新型コロナの感染拡大により、人々の情報通信技術への依存が高まり、テロを取り巻く環境にも大きな影響があった。テロリストは、ガバナンスの脆弱化、貧困、人種・民族問題の顕在化による社会的分断など、新型コロナの流行を受けた社会の新たな状況にも適応しつつ、アジアを含む各地域でテロ活動を継続し、また、インターネット・SNSを使った過激思想の拡散あるいは勧誘行為、さらには、暗号資産などを使用しテロ資金獲得を図るといった傾向も顕著に見せるようになった。
    • 2023年10月、日本はG7議長国としてG7ローマ・リヨン・グループ会合27を東京で開催し、テロ・コンテンツ対策を含むオンライン・テロ対策に関する議論を深めるため、GIFCT(テロ対策に関するグローバル・インターネット・フォーラム)を招待した。
    • さらに、日本は、2016年のG7伊勢志摩サミットで取りまとめた「テロ及び暴力的過激主義対策に関するG7行動計画」に則り、これまで、テロ対処能力構築の取組として、国際刑事警察機構(インターポール)のデータベース活用促進やテロ資金対策を実施しているほか、テロの根本原因である暴力的過激主義を防止するため、対話などを通じた穏健な社会の促進や教育を通じた取組の実施、また、刑務所における更生支援のための取組を含む法執行機関の能力構築支援を実施してきた。これらに加えて、主に東南アジア地域におけるテロ及び暴力的過激主義対策を着実に推進するために、国連薬物・犯罪事務所(UNODC)、インターポール、国連開発計画(UNDP)などの国際機関を通じ、各機関の強みをいかしたプロジェクトを実施している。
    • また、過去20年間にわたり継続して行っている取組として、インドネシア、マレーシア及びフィリピンからイスラム学校の教師を招へいし、宗教間対話、異文化交流、日本の教育の現場の視察などを行う交流を実施している。
    • 2020年、2021年と新型コロナにより実施を見送ったが2022年から同事業を再開した。異なる価値を受け入れる寛容な社会・穏健主義拡大への貢献のため、今後も継続して実施していく。
    • このほか、二国間・三国間テロ対策協議、日米豪印テロ対策作業部会などを通じて、テロ情勢に関する情報交換や連携の強化などを確認しつつ、実践的な協力を強化してきている。
    • さらに、テロ対策の要諦は情報収集であるとの認識に基づき、2015年12月、日本政府は国際テロ情報収集ユニット(CTU-J)を設置し、政府一体となった情報収集を官邸の司令塔の下に行ってきている。海外における邦人の安全確保という重要な責務を全うするため、引き続きCTU-Jを通じた情報収集を更に強化し、テロ対策及び海外における邦人の安全確保に万全を期していく。
  • 腐敗対策
    • 持続的な発展や法の支配を危うくする要因として指摘される腐敗への対処に対する国際的な関心が高まる中で、日本は、贈収賄、公務員による財産の横領などの腐敗行為に対処するための措置や国際協力を規定した国連腐敗防止条約(UNCAC)の締約国として、同条約の効果的履行や腐敗の防止・撲滅のための国際協力の強化に向けた議論に積極的に参加している。9月には、UNCACレビューメカニズム(締約国間の相互審査)において、同条約上の犯罪化及び法執行(第3章)並びに国際協力(第4章)の規定に係る日本の実施状況に関する審査の結果についてのエグゼクティブ・サマリーが公表された。また、G20の枠組みで開催される腐敗対策作業部会の活動にも積極的に参加し、法執行関連の国際協力強化や腐敗防止に責任を有する当局の清廉性の促進など、腐敗対策の諸分野に関するハイレベル原則の策定に貢献した。
    • さらに2022年8月には、G20腐敗対策作業部会が設置されて以来2回目の開催となる閣僚会合に出席し、国際的な腐敗対策に係る枠組みを強化するための議論を経て、「G20閣僚会合成果文書及び議長総括」が採択された。そのほか、UNAFEIを通じて日本で汚職防止刑事司法支援研修を実施している。
    • OECD贈賄作業部会は国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約(外国公務員贈賄防止条約)の各締約国による履行状況の検証を通じて、外国公務員に対する贈賄行為の防止に取り組んでおり、日本も積極的に参加している。
  • マネー・ローンダリング(資金洗浄)・テロ資金供与対策
    • マネー・ローンダリングやテロ資金供与対策については、国際的な枠組みである金融活動作業部会(FATF)が、各国が実施すべき国際基準を策定し、その履行状況について相互審査を行っている。また、近年、FATFは、大量破壊兵器の拡散につながる資金供与の防止対策にも取り組んでおり、北朝鮮による不正な金融活動の根絶を求めるFATF声明を発出している。
    • 日本は、設立時からのメンバー国として、これらの議論に積極的に参加している。なお、2021年6月のFATF全体会合において第4次対日相互審査報告書が採択され、同年8月末に公表された。この報告書で指摘された改善事項について、日本は着実に対応策を実行・準備している。
    • 加えて、日本は、テロ資金供与防止条約の締約国としてテロ資金対策を行っているほか、国連安保理タリバーン制裁委員会及び同ISIL及びアル・カーイダ制裁委員会の指定を受け、または、国連安保理決議第1373号30に基づく日本独自の対応として、テロリスト等に対する資産凍結などの措置を実施している。政府は、2023年10月7日のハマスなどによるイスラエルへのテロ攻撃を受けて、国連安保理決議第1373号に基づき、10月31日にハマス関係の9個人及び1団体を資産凍結などの措置の対象に指定した後、12月26日にはハマス関係の3個人を追加指定している。2023年12月末時点では、合計410個人及び120団体に対し資産凍結などの措置を実施している。
  • 人身取引対策・密入国対策
    • 日本は、手口が一層巧妙化・潜在化する人身取引犯罪に効果的に対処するため、「人身取引対策行動計画2022」に基づき、国内体制を強化し、また、開発途上国に対する支援にも積極的に取り組んでいる。例えば、2023年も、国際協力機構(JICA)を通じ、日本を含むアジア各国の関係者の人身取引対策(特に、予防、被害者保護・自立支援)に関する取組の相互理解及びより効果的な地域連携の促進を目的とする研修事業を引き続き実施した。さらに、2022年1月からJICAを通じたタイ政府に対する技術協力を実施しており、2023年8月にはメコン地域の人身取引対策関係者のネットワーク強化を目的とした人身取引対策のためのワークショップを開催した。また、同年3月からJICAを通じたカンボジア政府に対する技術協力を実施しており、関連機関による人身取引被害当事者への支援能力の向上を目指している。国際機関との連携としては、国際移住機関(IOM)への拠出を通じて2023年も継続して、日本で保護された外国人人身取引被害者の母国への安全な帰国支援及び帰国後に再被害に遭うことを防ぐための社会復帰支援事業を行った。また、UNODCが実施する東南アジア向けのプロジェクトへの拠出を通じ、法執行当局に対する研修を始めとする対応能力強化支援を実施した。
    • 日本は、人身取引議定書及び密入国議定書の締約国として、人身取引や移民の密入国対策のため、諸外国との連携を一層深化させている
  • 不正薬物対策
    • 日本は、UNODCと協力し、違法薬物の原料の生産や新たな合成薬物の製造、密輸などの取締りに関係する調査、分析情報の整備や連携ネットワークの維持拡大に貢献している。また、国境を越える国際的な薬物取締りの実地的な能力強化、薬物原料植物の違法栽培に代わる作物の生産などの支援及び取締り関連情報の整備を進めるとともに、薬物対策分野における地域ごとの開発課題を考慮しながら、世界各地に拡散する不正薬物の対策に取り組んでいる。
  • 外国人材の受入れ・共生をめぐる取組
    • 日本国内で少子高齢化や人口減少が進行しつつある中、中小・小規模事業者を始めとする各事業者の深刻化する人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていく特定技能制度が2019年4月に創設された。外務省は、法務省、厚生労働省及び警察庁と共に同制度の制度関係機関として、送出国との情報連携の枠組みなどを定める協力覚書の作成や同覚書に基づく二国間協議に参画しているほか、主要送出国の現地語による広報を行っている。
    • さらに、新たな外国人材の受入れ及び日本で生活する外国人との共生社会の実現に向けた環境整備については、政府一体となって総合的な検討を行うため「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」が設置されており、6月に「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」(令和5年度一部変更)及び「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(令和5年度改訂)」が決定された。また、外務省では、国際移住機関(IOM)との共催で「外国人の受入れと社会統合のための国際フォーラム」を毎年開催しており、受入れに係る具体的課題や取組について国民参加型の議論の活性化に努めている。

警視庁 警視庁のウェブサイトを模倣した偽サイトに注意
  • 警視庁ホームページを模倣した偽サイトがあることが分かりました。偽サイト内のアイコンなどをクリックすると、悪質なサイトに誘導され、サイバー犯罪等の被害に遭う可能性がありますのでご注意ください。
  • 注意すべき点
    • URLのアドレスを確認する。
      • アドレス欄をよく見る、リンクにポインタを置きアドレスを表示させるなどして、アドレスを必ず確認してください。
      • 警視庁のウェブサイトの正しいアドレスはhttps://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/です。
    • 不審と思われるアドレスにアクセスしない。
      • 不審と思われる場合には、安易にアクセスしたり、当該ウェブサイト上のリンクをクリックしたりしないでください。
  • 内閣官房内閣サイバーセキュリティセンターからの注意喚起
▼ 我が国の公的機関や企業等の偽サイトにご注意ください(注意喚起)
  • 我が国の政府機関や地方公共団体などの公的機関、企業・団体等の本物のWebサイトと同じ内容を表示する偽サイトの存在が確認されています。これらの偽サイトのうちには、クリック先が悪質なサイトへのリンクに置き換えられているものがあり、サイバー犯罪等に用いられる可能性があります。
  • URLリンクから他のWebサイトに行くなど普段と異なる方法で利用する際は特に、リンクにポインタを置く、アドレス欄をよく見る等により、URLのドメイン名を必ず確認してからにしてください。
  • ドメイン名が正規の公的機関等と無関係なものであるなど不審と思われる場合には、別の検索エンジンを利用するなどの方法で本物のWebサイトのURLを確認してください。不審な場合には、安易にアクセスしたり、当該Webサイト上の何かをクリックしたり絶対にしないでください。
  • 政府においては、サイバーセキュリティ関係機関等とも連携しながら、引き続き被害の拡大防止に努めてまいります

【2024年3月】

復興庁 第39回復興推進会議[令和6年3月19日]
▼ 資料1ー1 「第2期復興・創生期間」以降における東日本大震災からの復興の基本方針の変更について(案)(概要)
  • 現行の基本方針は、令和3年度から令和7年度までを第2期復興・創生期間と位置づけ、この期間の取組の方針等を定めるもの。
  • 上記基本方針において、「復興施策の進捗状況、原子力災害被災地域からの復興の状況を踏まえ、3年後を目途に必要な見直しを行うものとする。」とされていることから、今般、必要な見直しを行う。
  • 基本的な考え方
    • 現行の基本方針における整理
      • 地震・津波被災地域:第2期復興・創生期間に復興事業がその役割を全うすることを目指す
      • 原子力災害被災地域:(令和3年度からの)当面10年間、本格的な復興・再生に向けた取組を行う
      • 今回の見直しでは、第2期復興・創生期間の開始後に大きな進展のあった復興施策の状況や、自治体の状況等を踏まえて、令和7年度までの第2期復興・創生期間内での復興を見据えた修正を行う。
  • 主な見直し事項
    • 廃炉・ALPS処理水の放出関係
      • 廃炉の必要性、対策の進捗状況、放射線データ等について、迅速、的確かつ分かりやすい情報発信を行う旨を記載。
      • 燃料デブリ取り出しは世界にも前例のない困難な作業であり、国・東京電力・原賠廃炉機構が一体となり内外の技術的知見を集めた集中的な検討が必要である旨を追記。
      • 放出後の万全の安全性確保,モニタリングの適切な実施,科学的根拠に基づく透明性の高い情報の国内外への発信に政府全体で取り組む旨を追記。
      • 「水産業を守る」政策パッケージ(令和5年9月4日)も踏まえて風評対策、なりわい継続のための支援等に取り組む旨を追記。
      • ALPS処理水の海洋放出は長期間にわたることが見込まれるものであり、東京電力に緊張感をもった対応を求めていく旨を追記。
    • 「特定帰還居住区域」制度の創設関係
      • 令和5年6月に福島特措法を改正し「特定帰還居住区域」制度を創設したこと、また、同制度のもと、これまで4町の特定帰還居住区域復興再生計画を認定しており、これに基づき除染やインフラ整備等の避難指示解除に向けた取組を進めていく旨を追記。
      • 避難指示解除の時期等について、必要に応じ、除染等が進捗した地域から段階的に避難指示を解除することも検討する旨を追記。
      • それぞれの土地の状況や地元自治体の意向も踏まえ、帰還困難区域において、物理的な防護措置を実施しない立入規制の緩和を行うことを含め、住民等の今後の活動の在り方について検討を行う旨を追記。
    • 除去土壌等の最終処分・再生利用関係
      • 取組の安全性について、全国に向けた理解醸成活動を推進し、国民の理解・信頼の醸成につなげる旨を記載。
      • 除去土壌等の県外最終処分に向け、除去土壌の再生利用先の創出等のための政府一体となった体制整備に向けた取組を進める旨を追記。
    • 福島国際研究教育機構関係
      • 福島イノベーション・コースト構想を更に発展させ、福島をはじめ東北の復興を実現するための夢や希望となるものとするとともに、我が国の科学技術力の強化を牽引し、経済成長や国民生活の向上に貢献する、世界に冠たる「創造的復興の中核拠点」を目指してF-REIを設立。
      • 研究開発や産業化、人材育成等の取組を推進するとともに、機構の当初の施設について復興庁設置期間内での順次供用開始を目指し、早期に建設工事に着手するなど、さらに可能な限り前倒しに努める旨を追記。
      • 国内外への情報発信や広報活動などを積極的に行うとともに、自治体や関係機関等との広域連携を進める旨を追記。
    • 東日本大震災の記憶と教訓関係
      • 「復興の教訓・ノウハウ集」の海外を含めた普及・啓発、「復興政策10年間の振り返り」の関係者等への普及・啓発に努める旨を追記。

公安調査庁 無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律に基づく再発防止処分の決定について
  • 公安調査庁長官は、いわゆるオウム真理教と同一性を有する「Aleph」について、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の規定に基づく再発防止処分の請求を行っていたところ、本日(令和6年3月11日)、公安審査委員会から、同処分を行う旨の決定書を受け取りました。
  • 公安審査委員会におかれては、厳正かつ慎重な審査の結果、三度目となる再発防止処分を決定したものと承知しており、同決定により、「Aleph」は、3月21日から6か月間、(1)当該団体が所有し又は管理する特定の土地又は建物の全部又は一部を使用することが禁止されるとともに、(2)金品その他の財産上の利益の贈与を受けることが禁止されることとなります。
  • このうち、(1)について、現在の再発防止処分期間中、「Aleph」の構成員が新たに不動産を確保するなど、「Aleph」が一部使用禁止施設以外の場所での活動を企図する動きが認められたことも踏まえ、不動産賃貸事業等を営む不報告の収益事業の運営拠点たる事務所が所在する2施設が一部使用禁止施設として追加されるとともに、不報告施設であり「Aleph」が実質的に経営する不報告の収益事業の事業所が所在する1施設についても、一部使用禁止施設として追加されました。引き続き、処分違反行為や処分潜脱の動きの把握に努め、これに対して厳正に対処してまいります。
  • また、(2)についても、引き続き、通常の取引活動や費用徴収であるかのように仮装して金品等の贈与を受けるなどの処分違反行為の把握に努め、同様に厳正に対処してまいります。
  • 公安調査庁としましては、引き続き、警察当局と緊密に連携を図りながら、再発防止処分の実効性を確保していくとともに、観察処分を適正かつ厳格に実施し、当該団体の活動実態を把握するなどして、公共の安全を確保し、松本・地下鉄両サリン事件等の被害者・遺族や地域住民を始め国民の皆様の不安感の解消・軽減に鋭意努めてまいる所存です。

復興庁 復興推進委員会(第43回)[令和5年11月22日]
▼ 資料2-2 東日本大震災からの復興の状況に関する報告(案)
  • 経験したことのない複合的な大災害
    • 東日本大震災をもたらした平成23年東北地方太平洋沖地震は、モーメントマグニチュード 9.0という我が国の観測史上最大の地震であり、世界でも西暦1,900年以降で4番目の巨大地震となった。同地震の震源域は、岩手県沖から茨城県沖まで、長さ約450km、幅約200kmに及び、最大震度7の地震動が観測されるとともに、大津波の発生により6県で561㎢が浸水する等、広範囲にわたる甚大な被害を生じた。
    • この震災により、13都道県で死者19,765名(震災関連死を含む。)を生じ、いまだに6県で2,553名の方が行方不明となっている(いずれも令和5年3月1日時点)。また、9都県で122,039棟の住宅が全壊、13都道県で283,698棟が半壊となり(いずれも令和5年3月1日時点)、発災当初の避難者は最大で約47万人、応急仮設住宅等の入居者は約32万人に及んだ。
    • また、今般の震災では、地震及び津波による被害に加え、福島第一原子力発電所の事故による放射性物質の放出に伴い、同施設周辺の多くの住民が避難を余儀なくされ、農林水産業のみならず製造業を含めたあらゆる産業が大きな打撃を受け、さらには、国内外に風評被害が及ぶなど、未曾有の複合災害となった。
  • 特別な法律等
    • 発災翌日の平成23年3月12日、同地震を激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律(昭和37年法律第150号)に基づく「激甚災害」として指定することを閣議決定し、当該災害の復旧事業等に係る国庫補助のかさ上げ措置を適用した。また、復興期間における復旧・復興事業の規模をあらかじめ示し、必要な財源を確保するための「復興財源フレーム」を策定した。
    • こうした措置に加え、東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律(平成23年法律第40号)による補助の拡大等の措置を講じ、さらに、東日本大震災復興特別区域法(平成23年法律第122号。以下「復興特区法」という。)や福島復興再生特別措置法を制定し、被災地域の状況に応じた支援措置を講じてきた。
    • 加えて、小規模で財政力に乏しい地方公共団体の甚大な被災を受けて、人的資源の確保や財政運営を支える仕組みを整備した。
    • その他、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法(平成23年法律第113号)に基づき、事業者の再生を支援するための機構を設置する等、支援に必要な措置を講じた。
  • 復興に向けた取組の状況及び今後の方向性
    • 被災者支援については、被災者一人一人が直面している課題が異なり、被災者を取り巻く社会情勢も変化する中、被災者支援総合交付金などを活用し、生活再建のステージに応じた切れ目のない支援を実施してきた。被災者が地域社会から孤立することや孤独に悩むことを防ぎ、安全・安心な生活を再建できるよう、コミュニティ形成や心身のケア等のきめ細かな支援を推進し、事業の進捗に応じた支援を継続している。
    • 災害公営住宅の整備・高台等の宅地造成については、令和2年度までの復興・創生期間内に全て完了した(帰還者向けのものを除く。)。引き続き、意向の変化等によりまだ活用されていない宅地や、防災集団移転促進事業の移転元地等を活用する被災市町村の取組の後押しを進めている。
    • 産業・生業の再生の面では、被災企業がいち早く事業再開できるよう、仮設店舗・工場の整備、施設・設備の復旧補助金の交付、信用保証、二重ローン対策などによる企業活動の再開と継続支援、産業集積や雇用確保のための税制、利子補給、企業立地補助などに取り組んできた。
    • また、販路の確保・開拓等様々な課題に直面する被災事業者のニーズにきめ細かく対応するため、「新しい東北」の企業連携に関する取組として、支援企業等と被災地域企業のマッチングの場の創出や、被災中小企業の経営課題を解決するハンズオン支援事業等、販路開拓等を支援する専門家の派遣等の支援を実施してきた。その結果、企業活動に係る指標は全体としておおむね震災前の水準程度に回復した。他方で、地域間・業種間で復興の度合いに差があることから、対象地域の重点化等を図りながら、引き続き支援策を実施している。
    • 人材確保の面では、膨大な復旧・復興に係る事務・事業の担い手となる地方公共団体の人的資源不足に対応するため、関係省庁や団体の連携による全国の地方公共団体からの職員派遣、被災市町村での任期付職員採用、復興庁で採用した任期付職員の派遣等により、被災市町村への人的支援を行ってきている。
    • また、復興の進捗状況や地域・個人の課題が多様化し、きめ細かなニーズ把握や取組が求められており、「心の復興」や交流人口の増加等のソフト面を中心に、NPOやボランティア団体等の活動への期待や果たすべき役割は大きく、多様な主体による活動が円滑かつ効果的に進められるよう、必要な協力体制の構築等も行ってきている。
    • 原子力災害被災地域においては、住民の帰還による避難指示解除区域等の復興・再生を第一の目的として帰還環境整備等を進めてきた。特定復興再生拠点区域については、拠点計画に基づき、令和4年6月には葛尾村及び大熊町、令和4年8月には双葉町、令和5年3月には浪江町、令和5年4月には富岡町、令和5年5月には飯舘村の避難指示が解除された。また、特定復興再生拠点区域外については、令和5年6月に福島特措法を改正し、特定避難指示区域の市町村長が避難指示解除による住民の帰還及び当該住民の帰還後の生活の再建を目指す「特定帰還居住区域」を設定できる制度を創設した。大熊町及び双葉町については、両町の一部区域について、令和5年度から先行的な除染を実施するため、それぞれ特定帰還居住区域復興再生計画が策定され、令和5年9月に内閣総理大臣が認定を行ったところである。
    • 東北地方を中心に未曽有の被害をもたらした東日本大震災の発生から、12年以上の歳月が経過した。自然災害と原子力災害との複合災害という、経験のない事態への対応が求められる中、困難な状況にあっても、被災者をはじめ、国、地方公共団体、ボランティアやNPO、民間企業、さらに一人ひとりの国民が協力して歩みを進めてきた。
    • その取組の結果、地震・津波被災地域では、インフラの復旧や住まいの再建・復興まちづくりはおおむね完了し、産業・生業の再建も着実に進展しており、復興の「総仕上げ」の段階に入っている。その一方で、心のケア等の被災者支援をはじめ、中核産業である水産加工業の売上げ回復等、今後も一定の支援が必要な事業がなお残ることから、一刻も早い復旧・復興事業の完了を目指し、きめ細かい取組を推進している。
    • また、原子力災害被災地域においては、避難指示が解除された地域における帰還環境の整備が進むなど、復興・再生が本格的に始まっているが、引き続き国が前面に立ち、中長期的な対応が必要である。復興のステージが進むにつれて生じる新たな課題や多様なニーズにきめ細かく対応しつつ、本格的な復興・再生に向けた取組を進めていく。
    • 復興に当たっては、被災地が震災以前からの人口減少や産業空洞化等の全国の地域に共通する中長期的な課題を抱えていることを踏まえ、「まちに人が戻る」ことを目指すのみならず、交流人口・関係人口や移住者の拡大を図り、魅力あふれる地域の創造を目指しており、政府全体の施策を活用して、持続可能で活力ある地域社会を創り上げていく。

文化庁 文化審議会著作権分科会法制度小委員会(第7回)
▼ 資料2-2 AIと著作権に関する考え方について(素案)令和6年2月29日時点版
  • 人とAIとの関係については、広島AIプロセスにおいて「人間中心主義」や「信頼できる人間中心のAIの責任あるスチュワードシップ」が謳われていることや、我が国の「人間中心のAI社会原則」においても「人間中心の原則」が示されているように、人がAIを高度な道具として補助的に用いることが原則と考えられる。本考え方においても、人が道具としてAIを使用するものであり、これに伴う行為の責任はAIを道具として用いる人に帰属するということを前提としている。
  • 著作権法は、著作物に該当する創作的表現を保護し、思想、学説、作風等のアイデアは保護しない(いわゆる「表現・アイデア二分論」)。この理由としては、アイデアを著作権法において保護することとした場合、アイデアが共通する表現活動が制限されてしまい表現の自由や学問の自由と抵触し得ること、また、アイデアは保護せず自由に利用できるものとした方が、社会における具体的な作品や情報の豊富化に繋がり、文化の発展という著作権法の目的に資すること等が挙げられる。
  • 本小委員会の審議においてもヒアリング等を通じて確認したように、例えばテキストの生成においては、ある単語に続く単語の出現確率を計算することを繰り返すことで生成が行われているものであり、通常、学習データの切り貼りによって生成を行うものではないとされる。なお、この生成の機序については、後掲4で示す関係者の懸念が大きいところであり、生成AIの開発や提供を行う事業者等から分かりやすい形で社会に対する発信がされることが望ましい。
  • 生成AIに関係する当事者
    • 生成AIは、その開発・提供・利用の各場面において立場の異なる複数の者が当事者として関係する。この当事者としては、以下のような者が想定される。なお、AIの開発・提供・利用の態様によっては、同一の者が複数を兼ねる場合もある。
      • AI開発事業者
    • 生成AI(学習済みモデル)の開発に向けた、学習データの収集、学習用データセットの構築、及び学習用データセットを用いたAI学習等の行為を行う者。主として事業者が想定されるが、これに限るものではない。
      • AIサービス提供事業者
    • 既存の生成AIに対する追加的な学習、生成AIを組み込んだソフトウェアやサービスのAI利用者に対する提供等の行為を行う者。主として事業者が想定されるが、これに限るものではない。
      • AI利用者
    • 生成AIを組み込んだソフトウェアやサービスを利用して、コンテンツの生成及び生成物の利用を行う者。事業者及び非事業者(個人利用者)のいずれも想定される。
  • 開発・学習段階における著作物の利用行為
    • 生成AIとの関係において著作物が利用される場面を概観すると、大きく「開発・学習段階」と「生成・利用段階」に分けられる。
    • このうち、開発・学習段階においては、AI(学習済みモデル)作成のための学習や、生成AIを用いたソフトウェア又はサービスの開発に伴って、次のような場面で著作物の利用行為が生じることが想定される。
    • AI学習用データセット構築のための学習データの収集・加工
    • 基盤モデル作成に向けた事前学習
    • 既存の学習済みモデルに対する追加的な学習
    • 検索拡張生成(RAG)等において、生成AIへの指示・入力に用いるためのデータベースの作成
    • そのため、これらの場面における、それぞれの利用行為について、法第30条の4の適用有無といった著作権法との関係を検討することが必要となる。
  • いわゆる「作風」は、これをアイデアにとどまるものと考えると、上記2.(1)アのとおり、「作風」が共通すること自体は著作権侵害となるものではない。他方で、アイデアと創作的表現との区別は、具体的事案に応じてケースバイケースで判断されるものであるところ、生成AIの開発・学習段階においては、このような特定のクリエイターの作品である少量の著作物のみからなる作品群は、表現に至らないアイデアのレベルにおいて、当該クリエイターのいわゆる「作風」を共通して有しているにとどまらず、創作的表現が共通する作品群となっている場合もあると考えられる。このような場合に、意図的に、当該創作的表現の全部又は一部を生成AIによって出力させることを目的とした追加的な学習を行うため、当該作品群の複製等を行うような場合は、享受目的が併存すると考えられる。
  • 既存のデータベースやインターネットWeb上に掲載されたデータに著作物が含まれる場合でも、RAG等に用いられるデータベースを作成する等の行為に伴う著作物の複製等が、回答の生成に際して、当該データベースの作成に用いられた既存の著作物の創作的表現を出力することを目的としないものである場合は、当該複製等について、非享受目的の利用行為として法第30条の4が適用され得ると考えられる。
  • 生成AIによる生成物についても、その生成・利用段階において、既存の著作物との類似性及び依拠性が認められれば、当該既存の著作物の著作権者は、生成物の生成行為や利用行為が、既存の著作物の著作権侵害に当たるとして、当該行為の差止請求や損害賠償請求を請求し得る。また、故意による著作権侵害に対しては、刑事罰の適用があり得る。
  • 類似性及び依拠性が認められ著作権侵害となる場合でも、前記(1)オ及び後記(2)エのとおり、当該侵害によりどのような措置(差止請求・損害賠償請求・刑事罰)を受け得るかは、行為者の故意又は過失の有無によることとなる。
  • 著作権法上、「著作物」は「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」(法第2条第1項第1号)と定義されており、AI生成物が著作物に該当するかは、この著作物の定義に該当するか否かによって判断される。
  • また、「著作者」は「著作物を創作する者をいう。」(同項第2号)と定義されている。AIは法的な人格を有しないことから、この「創作する者」には該当し得ない。そのため、AI生成物が著作物に該当すると判断された場合も、AI自身がその著作者となるものではなく、当該AIを利用して「著作物を創作した」人が当該AI生成物(著作物)の著作者となる。
  • 人間による、ある作品の創作に際して、その一部分にAI生成物を用いた場合、以下で検討するAI生成物の著作物性が問題となるのは、当該AI生成物が用いられた一部分についてであり、仮に当該一部分について著作物性が否定されたとしても、当該作品中の他の部分、すなわち人間が創作した部分についてまで著作物性が否定されるものではない。
  • 生成AIと著作権の関係については、政知における上記のような取組みとともに、民間の当事者間において、生成AIに関する著作物の利用についての適切なルール・ガイドラインの策定や、生成AI及びこれに関する技術についての共通理解の獲得、AI学習等のための著作物のライセンス等の実施状況、海賊版を掲載したウェブサイトに関する情報の共有などが図られることが、AIの適正な開発及び利用の環境を実現する観点から重要である。この当事者としては、AI開発事業者・AIサービス提供事業者・AI利用者及び権利者に加えて、個人のクリエイターやその表現の場となるコンテンツ投稿プラットフォーム事業者等による適切な関与が期待される。

外務省 ウクライナ情勢に関する外国為替及び外国貿易法に基づく措置について
  • ウクライナをめぐる現下の国際情勢に鑑み、この問題の解決を目指す国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、主要国が講ずることとした措置の内容を踏まえ、閣議了解「ロシア連邦関係者に対する資産凍結等の措置等について」(令和6年3月1日付)を行い、これに基づき、外国為替及び外国貿易法による次の措置を実施することとした。
  • 措置の内容
    1. 資産凍結等の措置
      • 外務省告示(3月1日公布)により資産凍結等の措置の対象者として指定されたロシア連邦の関係者(9個人・7団体)、ロシア連邦の特定銀行(1団体)及びクリミア自治共和国及びセヴァストーポリ特別市のロシア連邦への「併合」又はウクライナ東部の不安定化に直接関与していると判断される者並びにロシア連邦による「編入」と称する行為に直接関与していると判断されるウクライナの東部・南部地域の関係者と判断される者(3個人)に対し、(ア)及び(イ)の措置を実施する。
        • (ア)支払規制 外務省告示により指定された者に対する支払等を許可制とする。
        • (イ)資本取引規制 外務省告示により指定された者との間の資本取引(預金契約、信託契約及び金銭の貸付契約)等を許可制とする。
          • (注)資産凍結等の措置の対象となるロシア連邦の特定銀行として新たに指定された1団体に対する資産凍結等の措置は令和6年3月31日から実施する。
    2. ロシア連邦の特定団体への輸出等に係る禁止措置
      • 外務省告示(3月1日公布)によりロシア連邦の特定団体として指定された29団体への輸出等に係る禁止措置を実施する。
    3. ロシア連邦の産業基盤強化に資する物品の輸出の禁止措置
      • ロシア連邦の産業基盤強化に資する物品の輸出の禁止措置を導入する。
    4. ロシア連邦を原産地とする非工業用ダイヤモンド(ロシア連邦国外で加工されたものを含む。)の輸入に係る禁止措置
      • ロシア連邦を原産地とする非工業用ダイヤモンド(ロシア連邦国外で加工されたものを含む。)の輸入に係る禁止措置を導入する。
  • 上記資産凍結等の措置等の対象者
    • 別添参照
▼ (別添1)資産凍結等の措置の対象となるロシア連邦の団体、個人及び特定銀行
▼ (別添2)資産凍結等の措置の対象となるクリミア自治共和国及びセヴァストーポリ特別市のロシア連邦への「併合」又はウクライナ東部の不安定化に直接関与していると判断される者並びにロシア連邦による「編入」と称する行為に直接関与していると判断されるウクライナの東部・南部地域の関係者と判断される者
▼ (別添3)輸出等に係る禁止措置の対象となるロシア連邦の団体

外務省 ガザ地区における人道状況の悪化を受けた緊急無償資金協力
  • 2月27日、日本政府は、パレスチナ・ガザ地区での戦闘が長引く中で、現地の人道状況が看過し得ない状況にあることを踏まえ、新たに3,200万ドルの緊急無償資金協力を実施することを決定しました。
  • 今回の協力では、国連世界食糧計画(WFP)、世界保健機関(WHO)、国連児童基金(UNICEF)等を通じ、食料、保健等の分野で人道支援を実施します。
  • 日本政府として、引き続き、全ての当事者に対し、ガザ地区における人道状況の改善や事態の早期沈静化等に向けた外交努力を粘り強く積極的に続けていきます。
  • (参考)支援実施機関、拠出額及び支援分野
    • 国連世界食糧計画(WFP):食料・栄養(1,000万ドル)
    • 世界保健機関(WHO):保健(1,000万ドル)
    • 国連児童基金(UNICEF):水・衛生、栄養、子どもの保護(850万ドル)
    • 国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC):食料、一時的避難施設、水・衛生(300万ドル)
    • 国連人道問題調整事務所(OCHA):機関間調整(50万ドル)

【裁判所】

※現在、該当の記事はありません。

【東京都】

※現在、該当の記事はありません。

【その他(国内)】

【2024年5月】

東京都 カスタマーハラスメント防止対策に関する検討部会(第4回)
▼ 資料3 事務局提出資料(第4回)
  • カスタマーハラスメント防止のためのルール作りの具体的内容について 論点
    1. カスタマーハラスメントを防止するルール作り(条例・ガイドライン)において、どのような項目・内容を規定することが適切か
    2. カスタマーハラスメントの考え方を明確に整理をしてどのような形で規定すべきか。特に、消費者による苦情を申し立てる権利との関係について、どのように規定すべきか。
    3. 条例とガイドライン等は、どのような役割分担とすることが適切か。特に、実効性を確保するガイドライン等は、どのような内容とすべきか。
    4. ルール作りにおいて、都をはじめとする行政のほか事業者の役割や責務をどのように規定すべきか。また、都民としての役割や責務について、どのように考え規定すべきか。
  • ルール作りの背景・目的
    • 人口減少のスピードが年々高まり働き手の不足が深刻化
    • 東京が活力ある都市として今後も持続的に発展していくためには、経済活動の担い手である誰もが尊重される社会を目指す必要
    • 顧客等からの著しい迷惑行為である「カスタマーハラスメント」は、労働者の人格や尊厳を傷つけ、就業環境を悪化させるにとどまらず、サービス等の提供を受ける環境を低下させるもの
    • あらゆる場面でカスタマーハラスメントを防ぐことにより、健全な職場環境と消費活動を実現することが求められる
    • 本来、顧客等からの苦情は、それ自体が問題ではなく、業務改善や新たな商品・サービスの開発につながるもの
    • 東京で働く人とサービス等の提供を受けるすべての人が対等の立場に立つことを基本認識とし、職場と消費活動の環境を悪化させるカスタマーハラスメントの発生を社会全体で防止
    • 論点(これまでの議論から)
      • (1)カスタマーハラスメントの防止に関する基本理念、(2)東京都、都民及び事業者の責務、(3)防止に関する施策の基本となる事項を規定する条例 と位置づけてはどうか。
      • 就業者の安全及び健康の確保や、健全な職場環境と消費生活、公正で持続可能な社会を形成することを目的としてはどうか。
  • 基本理念等
    • カスタマーハラスメントは、(1)就業者の人格又は尊厳を侵害する、(2)就業環境を害する、(3)業務遂行と心身の健康に重大な影響を及ぼすもの
    • 論点(これまでの議論から)
      • カスタマーハラスメントは社会全体で防止するものと基本理念に明示してはどうか。
      • 防止に当たっては、就業者と消費者が対等の立場にたち、相手の立場を相互に尊重する視点を盛り込んではどうか。
      • 条例の適用に当たっては、消費者の利益の援護・増進のため自主的かつ合理的に行動することを不当に妨げない視点※を盛り込んではどうか ※消費者基本法、消費者教育推進法、障害者差別解消法など
  • カスタマーハラスメントの禁止
    • 論点(これまでの議論から)
      • 何人もカスタマーハラスメントを行ってはならない旨を明示してはどうか。
      • 明示に当たっては、罰則は設けず、法的位置づけは努力義務としてはどうか。
  • 「カスタマーハラスメント」を表す用語
    • 論点(これまでの議論から)
      • 就業者に対する暴行、脅迫など違法な行為 又は 暴言、正当な理由がない過度な要求など不当な行為(著しい迷惑行為)であり、就業環境を害するもの としてはどうか。
    • 「著しい迷惑行為」とは、次のいずれかに該当する行為が考えられる
      • 違法な行為
        • 暴行、傷害、脅迫、強要、名誉毀損、侮辱、業務妨害、不退去 他
      • 不当な行為
        • 申出の内容 又は 行為の手段・態様が社会通念上相当であると認められないもの
          • ※社会通念上の相当性は総合的に判断
    • 代表的な言動の類型(ガイドラインへの記載を想定)
      • 申出の内容が相当と認められない場合の例
        • 事業者の提供する商品・サービスに瑕疵・過失が認められない場合
        • 申出の内容が、事業者の提供する商品・サービスの内容とは関係がない場合
      • 行為の手段・態様が社会通念上相当と認められない場合の例
        • (1)身体的な攻撃 (2)精神的な攻撃 (3)威圧的な言動 (4)土下座の要求 (5)執拗な言動 (6)拘束的な行動 (7)差別的な言動 (8)性的な言動 (9)従業員個人への攻撃 等
  • 主体を表す用語
    • 論点(これまでの議論から)
      • ハラスメントを行う側、防止する側、各主体に関する用語の整理が必要ではないか。
    • 就業者(※1)
      • 都の区域内で就業する者 ※都内で仕事をするすべての個人。都民か否か、従事する期間、就業の形態を問わない。
        • ※1 都内で仕事をするすべての個人。都民か否か、従事する期間、就業の形態を問わない。
    • 事業者(※2)
      • 都内で事業を行う者(国の機関及び地方公共団体を含む。)※官民を問わない。規模を問わない。
        • ※2 官民を問わない。規模を問わない。
    • 消費者(等) (※3)
      • 就業者が業務に関して応対する者(取引の相手方を含む。)
        • ※3 カスタマーハラスメントの行為者となる可能性がある、すべての個人を含む表現とする。(国のパワハラ指針では、「顧客等」)
          ・公共サービス(交通機関、各種窓口、学校、警察、消防等)の現場を訪れた人
          ・仕事の依頼主
          ・団体の会員
          ・イベントの参加者 などを広く含む
  • 各主体の責務・役割
    • 論点(これまでの議論から)
      • 行為する側、防止する側、各主体の責務や役割について明示することが必要ではないか。
    • 都の責務・役割
      • 情報提供、啓発・教育、助言・相談その他必要な施策を実施 ※ 施策の推進の内容を、別途規定
      • 区市町村と連携・施策を推進するため、必要な財政上の措置
    • 都民の責務
      • 都が実施するカスタマーハラスメントの防止に関する施策に協力
    • 消費者(等)の責務
      • カスタマーハラスメントに関する理解を深める ※都民か否かを問わない
    • 就業者の責務
      • カスタマーハラスメントに関する理解を深める
      • 事業者が実施する防止の取組に協力
    • 事業者の責務
      • 都が実施する施策に協力
      • カスタマーハラスメントを受けた就業者の安全を確保 行為者に中止の申し入れなど適切な措置
      • 就業者(従業員等)がカスタマーハラスメントを発生させない ※ 事業者による措置(体制整備、被害者への配慮、防止手引の作成など)を、別途規定
  • ガイドラインの作成
    • 論点(これまでの議論から)
      • 都が、カスタマーハラスメントの防止に関するガイドラインを作成することを明示してはどうか。
    • ガイドラインに定める事項を規定
      • カスタマーハラスメントの内容
      • 都の責務及び施策
      • 都民の責務
      • 消費者の責務
      • 就業者の責務
      • 事業者の責務
      • 事業者の取組
      • その他
    • ガイドラインの作成・変更は、速やかに公表
    • 条例に罰則は設けないため、ガイドラインにより実効性を高める
  • 施策の推進
    • 論点(これまでの議論から)
      • 都が、就業者、消費者、事業者に対してカスタマーハラスメント防止に関する施策を実施することを明示してはどうか。
    • 実施する施策を規定
      • 情報の提供
      • 啓発及び教育
      • 助言及び相談
      • その他施策
    • 今後都が実施する施策の例
      • 都の事業等に関する情報の提供(ウェブサイト等)
      • カスタマーハラスメントの防止に関する理解を深めるための啓発・教育
      • 労働問題や消費生活問題に関する助言・相談
      • 中小企業等に対する専門家による助言・相談
  • 事業者による措置
    • 論点(これまでの議論から)
      • ガイドラインに基づき、事業者は、必要な体制整備、被害を受けた就業者への配慮、被害防止のための手引の作成、その他の措置を講ずるよう努める旨を明示してはどうか。
      • 就業者は、事業者が手引を作成したときは、順守するよう努める旨を明示してはどうか。
    • 事業者の措置の詳細は、指針(ガイドライン)に記載
      • 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
        • 相談先(上司、職場内の担当者)をあらかじめ定め、これを就業者に周知する
        • 相談を受けた者が、あらかじめ定めた留意点などを記載したマニュアルに基づき対応する 等
      • 被害を受けた就業者への配慮のための取組
        • 事案に応じ、カスハラ行為者に複数人で対応することやメンタルヘルス不調への相談対応 等
      • カスタマーハラスメントによる被害を防止するための取組
        • カスハラ行為への対応に関するマニュアルの作成や研修を行う 等(業界団体が作成したマニュアルを参考とすることを推奨)
      • 取引先と接するに当たっての対応
        • 立場の弱い取引先等に無理な要求をしない、取引先の就業者への言動にも注意を払う
        • 自社の社員が取引先でカスハラ行為を疑われ、事実確認等を求められた場合は協力する 等
          • ※関係法令・告示・厚生労働省の企業マニュアルに沿って内容を検討
  • 見直し規定
    • 論点(これまでの議論から)
      • 取組状況を勘案し、必要に応じて条例の規定を検討、その結果に基づいて所要の措置を講じる旨を明示してはどうか。

内閣官房 デジタル行財政改革会議(第5回)議事次第
▼ 資料1 デジタル行財政改革のこれまでの取組等について
  • アドバイザリーボードでいただいた御意見
    • 人口減少への対応
      • 人口減少の加速を止める戦略に加えて、強靭化戦略、生産性を上げていくということも必要。その際カギとなるのがデジタル化。生産性向上の重要性を全体として共有することが大事。
      • 公共サービスについて、人手不足が深刻化しているが、こうした中でDXを進めるには、自治体だけでなく、多くの公共サービスの担い手である民間の役割も非常に重要
    • 教育・医療・介護等
      • GIGAスクール等の促進で、数年前に比べれば良くなったが、AIの活用なども含めて相当技術的にも進化している。海外含め、最先端の知財を活用し教育内容を向上すべき。
      • 医療機関のデジタル化は遅れており、経営関係のデータ等もなかなか取れない状況が続いている。それらも含めたデジタル化を推進することが必要。
      • 介護については、労働集約的な産業であるからこそ、現場負担を軽減し担い手の納得感を得ることが重要。
      • 中小企業や、自治体単独だとDXが進まない面もある。持株会社化やM&Aで、経営管理の水準を引き上げることにより、効果的なDXや人への投資などが進められるのではないか。
    • デジタル基盤・マイナンバーカード
      • 現在動いているシステムをデフォルトに考えて、オペレーションシステムにすぐに手を入れるのではなく、中央政府のクラウドに副マスターとしてデータベースを構築するべきではないか。基本となる骨格のアーキテクチャを決めることが重要。
      • いわゆるデータ連携基盤は、隣接する自治体で増やすのではなく、似たような規模感と住民サービスを持つところが標準体系で導入していくということも考えられるのではないか。
      • すでに自治体で実装されている優良なアプリを全国的に展開していくことは大事。
      • 長期の大掛かりなプロジェクトになるので、政府サイドがリーダーシップをとり続けられるような体制が必要。
      • 在留カードとマイナンバーカードの一体化により、必要な情報を平時でも有事でも外国人の方と双方向で情報のやり取りができるようになるため、一日も早く一体化をしていただきたい。
      • マイナンバーカードの更新時期の山に合わせて、メリットを十分に国民の方々に伝え、アプリへの登録を推進することが必要
    • スタートアップ
      • 地方のスタートアップの活性化ついて、行政、金融機関等も一体となり、ガバナンス体制を改善する必要がある。
      • インフレと市場活性化策で動き始めている資金をスタートアップ、地方に結びつけるためには、デジタルは欠かせない。

【2024年4月】

内閣官房 新しい資本主義実現会議(第26回)
▼ 資料1 基礎資料
  • 世界のコンテンツ市場規模の推移を見ると、日本は世界第3位。2021年は12.9兆円。中国は、2013年に日本を抜き世界第2位へ。2021年時点で日本の2倍の市場規模(27.2兆円)。
  • 世界のコンテンツ市場の規模は、石油化学産業、半導体産業よりも大きい。日本由来コンテンツの海外売上は、鉄鋼産業、半導体産業の輸出額に匹敵する規模。
  • 日本のコンテンツの海外売上のジャンル別の割合は、ゲームが59%、アニメが31%、出版が7%、映画・テレビが3%。
  • 日本はアニメ、家庭用ゲームの海外収入では中国、韓国に勝り、実写映像の海外収入では韓国を下回る。PC・スマートフォン向けゲームでは中国・韓国を下回る。
  • 創造性の研究で高名な米国のペリー・スミス教授(エモリー大学ビジネススクール)の研究では、アイディアの源を生み出す段階では、他者とのつながりにおいて、オープンで接触回数の少ない「弱いつながり」が有効。他方で、アイディアを作り込む段階では、組織内で接触回数の多い「強いつながり」が有効としている。我が国では、会社を中心とした「強いネットワーク」の人間関係には秀でているが、今後、革新的なコンテンツの創造活動を行っていくためには、我が国でも、オープンで広い人的ネットワークのエコシステムを形成する必要がある。
  • 世界のコンテンツ市場は、今後もデジタルコンテンツが成長を牽引する見通し。日本は、分野により、デジタル化に遅れ気味。
  • 映像による海外収入は、米国が一番大きく、144億ドル。日本の映像による海外収入は、9.7億ドルでアニメが8割。韓国の映像による海外収入は、8.7億ドルでテレビ番組が8割。
  • 世界興行収入が高い作品ほど、制作費が高い傾向が見られる。
  • アニメ制作会社の海外売上高は、増加傾向(651億円)。海外の地上波放送や有料チャンネル放送において、「ドラゴンボール」、「ポケットモンスター」等が継続して放送されていることが理由。
  • 日本各地にアニメの聖地巡礼地が存在。インバウンド観光客のうち聖地巡礼者数は115万人、アニメ関連グッズの購入額は350億円。潜在的な聖地巡礼者の需要は260万人と見込まれ、4,000億円の国内消費支出が期待されている。
  • テレビの東京キー局すべてにおいて、過去6年間で、広告収入が減少し、これと相関して、番組制作費も減少。
  • 世界のNetflixの会員数と売上高は年々拡大。2020年時点で世界売上は250億ドル。日本のテレビ局4局の制作費を合計しても、Netflixの制作費の4分の1。
  • 世界の音楽市場は縮小から2015年以降デジタル化(特にストリーミング)により反転し、286億ドルに。日本の音楽市場は、音楽ソフト(CD等)が66%、音楽配信(ストリーミング等)が35%であり、デジタル化が遅れている。
  • 音楽は、個人が製作・販売が可能な状況に変化しつつある。Spotifyで再生される音楽のうち、メジャーレコード会社の比率は減少しつつあり、音楽家個人による流通やこれに準ずる流通経路が拡大している。
  • 検索が可能なサブスクリプションサービス(月単位または年単位で定期的に料金を支払い利用するサービスの形式)の増加に伴い、発表日が意味をなさなくなってきている。CD自体は新譜が売上げの大半だったが、現在は旧譜(18か月以上前発表)が7割を占める状況(米国の場合) 。旧譜が充実した日本には有利であり、「日本ブランド」の確立の契機。他方で、旧譜については、我が国の慣行から、利用が難しいとの議論があり、契約の適正化が課題
  • 音楽市場のストリーミング化の裏側で、リアルな接触を求めて、世界のコンサート収益(スポンサー権利+チケット売上)は、コロナ期を除き年々増加。2023年~2030年の年平均成長率は4%と分析
  • 雑誌の販売金額は、1997年以降右肩下がりで、2022年には3分の1まで縮小。一方で電子出版の市場規模は、大きく増加。スマホで読める等の電子コミックの増加分が大半
  • メディアミックス展開がなされた原作の売上総合計は、日本の国内市場で、原作売上を1とした場合、最大7.95倍に達する。
  • キャラクターが誕生してからの累積収入(USドルベース)ランキングでは、世界のTOP25の約半分にポケモン、ハローキティ、マリオ等の日本発コンテンツがランクインしている。

内閣官房 グローバル・スタートアップ・キャンパス構想のランディングページを開設しました。
  • 今、世界には気候変動、環境汚染、感染症、少子高齢化というグローバルな社会課題が多数存在しています。
  • こうした社会に深く根差した課題を解決に導きながら経済成長のエンジンへと転換するために、「ディープテック」の研究を推し進め、新たなスタートアップの創出を目指すのが「グローバル・スタートアップ・キャンパス構想」です。
  • 2028年度以降、東京の都心(渋谷・目黒)にフラッグシップ拠点を設立し、世界から優秀な研究者や起業家、投資家を招き、知恵と資源を結集。
  • 研究開発から社会実装までをシームレスに実現することで、世界を舞台に活躍する日本発のスタートアップを生み出すことを目標にしています。
  • 世界の未来を創るため、国内外から集結した次世代のイノベーション人材が、これまでの価値観や既存の組織のルールにとらわれずに自由に活躍できる「実践の場」を提供します。
  • ディープテック分野に特化し、研究開発からビジネス展開までの支援をシームレスに実施。
  • 大学などの国内機関と世界トップクラスの海外研究機関との共同研究により生まれた最先端の研究成果をもとに、既存の産業構造を変えるスタートアップを世の中に生み出し、社会変革を起こします。
  • 日本から世界に挑戦するスタートアップを創出しながら、国内外のスタートアップ拠点とも連携し、世界が注目する新たな「グローバル・イノベーション・エコシステム」を日本国内に創り上げます。
  • 世界トップクラスの研究環境
    • Collaboration
      • 日本のみならず世界各地の研究機関からトップクラスの研究者を集め、日本人研究者と海外研究者によるディープテック分野の共同研究を行います。
    • Diversity
      • 研究成果をスタートアップ創出につなげるため、研究者のみならず、世界中から投資家や起業経験者などの人材を集めます。多様な人材がその能力を最大限発揮できるように英語を公用語とし、自由に意見をぶつけ合える環境を実現します。
    • Environment
      • 海外のトップクラスの研究機関並みの研究環境を整備するほか、既存のルールにとらわれずに自由な発想で若手が中心となって活躍できる環境を実現します。また、ここで活動するさまざまな人材が長期にわたって活き活きと活躍できる快適な環境とするとともに、異分野同士の交流により、新たな発想やネットワークの創出を可能とする環境も整備します。
  • 世界基準の起業サポート
    • Entrepreneurial support
      • 知財、ビジネス支援の専門スタッフが国内外のベンチャーキャピタルやアクセレーターと連携し、生み出された成果をもとにした事業創出を支援します。起業家育成に向けたビジネス教育プログラムも併せて実施します。
    • Capacity building
      • チームビルディング・マーケティング・ファイナンス・特許申請など、世界を舞台に活躍する起業家育成に向けた教育プログラムを実施します。
    • Network
      • 国内外のエコシステムの関係者や異業種とのコミュニティ形成をサポート。協業などの機会を創出します。
  • 研究・運営資金
    • Government
      • 研究・イノベーションに向け、約10年間で約640億円の予算を確保。将来的には、持続可能な運用体制構築を目指します。
    • Sponsorship
      • 商用化のポテンシャルを持つ研究に対して、民間企業によるスポンサーシップで戦略的連携を図ります。
    • Endowment
      • 寄付などを原資とする独自の基金として運営。その運用収益を研究活動の資金として使用します。
  • 感染症、少子高齢化、地球温暖化など、世界が直面しているさまざまな課題解決に向けて、グローバル・スタートアップ・キャンパスでは、以下に代表されるようなディープテック分野での研究に取り組む予定です。
    • バイオテクノロジー
      • 遺伝子や細胞など、生命そのものの持つメカニズムを解き明かし、新たな製品を開発する研究分野。医療、農業、環境保全に至るまで、さまざまな課題解決のカギとなります。
    • クライメットテック
      • 地球温暖化の原因を理解し、その対応策などを開発することを目指す研究分野。気候モデリングや再生可能エネルギーの開発、脱炭素技術など、研究範囲は多岐にわたります。
    • AI・ロボティクス
      • 高度な機械学習アルゴリズムを用いて、自律的に思考し、行動できる機械やシステムの開発に集点を当てた研究分野。製造業などはもちろん、災害対応、環境モニタリングなどにも活用できます。

内閣官房 総合的な防衛体制の強化に資する研究開発及び公共インフラ整備に関する関係閣僚会議(第4回) 議事次第
▼ 別添2 総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラの運用・整備方針について
  1. 目的
    • 国家安全保障戦略(令和4年12月16日国家安全保障会議決定及び閣議決定)において、「総合的な防衛体制の強化の一環として、自衛隊・海上保安庁による国民保護への対応、平素の訓練、有事の際の展開等を目的とした円滑な利用・配備のため、自衛隊・海上保安庁のニーズに基づき、空港・港湾等の公共インフラの整備や機能を強化する政府横断的な仕組みを創設する。あわせて、有事の際の対応も見据えた空港・港湾の平素からの利活用に関するルール作り等を行う」とされたことを踏まえ、総合的な防衛体制の強化のための公共インフラの運用・整備方針について、以下のとおり確認する。
  2. 運用・整備方針
    • 運用
      • 国土交通省及び防衛省は、安全保障環境を踏まえた対応を実効的に行うため、自衛隊・海上保安庁の航空機・船舶が平素において必要な空港・港湾を円滑に利用できるよう、国土交通省、海上保安庁、防衛省及び空港管理者又は港湾管理者との間に「円滑な利用に関する枠組み」を設け、必要な調整を実施する。当該枠組みを設けた空港・港湾を「特定利用空港・港湾」とする。
    • 整備
      • 国土交通省は、「特定利用空港・港湾」においては、民生利用を主としつつ、自衛隊・海上保安庁の航空機・船舶の円滑な利用にも資するよう、自衛隊・海上保安庁のニーズも考慮して、必要な整備又は既存事業の促進を図る。
  3. 特定利用空港・港湾
    • 特定利用空港・港湾は別紙のとおりとする。
  4. その他
    • 2の方針を踏まえ、国土交通大臣は、空港法(昭和31年法律第80号)第3条第1項及び港湾法(昭和25年法律第218号)第3条の2第1項に基づいてそれぞれ定める「基本方針」を変更するものとする。
    • 2の方針は、安全保障環境の変化等を踏まえて、適時適切に見直すものとする。
  • 別紙
    • 特定利用空港
      • 沖縄県:那覇空港(国)
      • 宮崎県:宮崎空港(国)
      • 長崎県:長崎空港(国)、福江空港(長崎県)
      • 福岡県:北九州空港(国)
    • 特定利用港湾
      • 沖縄県:石垣港(石垣市)
      • 福岡県:博多港(福岡市)
      • 高知県:高知港・須崎港・宿毛湾港(高知県)
      • 香川県:高松港(香川県)
      • 北海道:室蘭港(室蘭市)、釧路港(釧路市)、留萌港(留萌市)、苫小牧港(苫小牧港管理組合)、石狩湾新港(石狩湾新港管理組合)

内閣官房 新しい資本主義実現会議(第25回)
▼ 資料1 基礎資料
  • 生産年齢人口(15~64歳)は、2032年、2043年、2062年にはそれぞれ7,000万人(58.7%)、6,000万人(54.1%)、5,000万人を割り(52.7%)、2070年には4,535万人(52.1%)まで減少する(カッコ内は総人口に占める割合)。一方で、50~64歳は減少するものの、総人口に占める割合は他の年齢階級と比較し、2020年(19.1%)、2032年(22.1%)、2043年(18.7%)、2062年(19.4%)、2070年(19.4%)とさほど変わらない。人手不足の中で中高年齢層の活躍できる環境整備が鍵。
  • 人手不足の中で、仕事意欲のある中高年層の活躍機会を確保することは重要。最近の米国の経済学者の研究によれば、起業のケースについて、急成長スタートアップ企業(上位0.1%)の創業時の平均年齢は意外に高く、45歳であることが明らかとなった。これまでの仕事の経験を生かせる起業は、起業の成功確率を高めることが分かった。
  • 2030年と2040年を比較すると、大多数の都道府県で、人手不足率は増加している。人手不足率が減少するのは東京都など4都県のみ
  • 日本は、人手不足と言いながら、電子メール、表計算ソフト、インターネット、プログラミング言語、リアルタイム・ディスカッション・ツール、ワープロソフトの使用頻度が高い業務に従事する労働者の割合が世界各国と比べ特に低い。我が国のリ・スキリングの対象は専門家もさることながら、それぞれの産業でICTの基本的な使用ができるようになることではないか。
  • 自動化技術を利用している企業は、利用していない企業と比べ、生産性・賃金が高いという相関がある。
  • 仕事でのAI利用による業務効率の向上効果は、全産業平均で21.8%。専門サービス業(法律事務所、公認会計士事務所、デザイン業、経営コンサルタント業等)では27.6%、運輸業では27.5%、宿泊・飲食では27.0%とさらに高い。
  • 人手不足の中で、AI、ロボットなどの自動化技術を利用している企業は、我が国でも、増加傾向にある。
  • MBA型の教育プログラムにぎりぎり合格してトレーニングを受けた人と、ぎりぎり不合格になった人を比較。合格者は、その後キャリア階層を上がっていることを確認できた。その理由は、MBAの称号を持っていることによるシグナル効果ではなく、トレーニングを受けた人が働く施設の生産性が、そうでない人が働く施設と比べて上昇しており、その結果として、キャリア階層が上がっていることが統計的に確認できた。リ・スキリングで、マネジメントのスキルを上げることで生産性は上昇し、処遇が改善される。
  • 民間の調査会社によると、多少なりとも価格転嫁ができている中小企業は、2022年12月時点で69.2%であったが、2024年2月時点で75.0%に上昇。他方、価格転嫁が全くできないと回答した企業も比率が減少しているとはいうものの(15.9%→12.7%)、残っており、転嫁対策の徹底が必要。特に、困難と言われる労務費の転嫁について徹底が必要。
  • 取引段階別の転嫁状況については、「川上」、「川中」といったBtoB取引は相対的に転嫁が進んでいるが、輸送機械器具製造(自動車製造等)など業種によって転嫁率が低いところがある。さらに、飲食店や家電小売や自動車ディーラーなど「川下」の一部のBtoC取引の転嫁率は低い。消費者に対して、転嫁に理解を求めることも大切。
  • コロナ禍において実施された実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)については、85.7%の企業が全額返済できる見通し。他方で、12.2%の企業が返済に不安を抱えている。コロナ後も先行きが見通しにくい企業が含まれていると考えられる。
  • 後継者が不在である企業は、2017年(66.5%)以降低下傾向。
  • 足元では、経営者について、ストックベースで見ても、従来の同族承継が低下し、「内部昇格」や「M&Aにより外部から就任する企業」が増加している。今後についても、承継の多様化を期待。
  • 後継者が不在(後継者を決めて事業継続したいが決められていない+自分の代で廃業する)と回答した企業のうち、赤字企業の割合は3割弱に過ぎない。黒字企業であっても、後継者が不在であるがために、廃業に至る可能性があるケースが多く、このような経営者のため、事業承継・M&A等の抜本的な環境整備が重要。
  • 日本の社長の最頻年齢は65.6歳であり、米国(58.6歳)、フランス(56.6歳)、ドイツ(55.0歳)と比べて高い。高齢者層については、意欲・健康度の分散が大きく、他の方に経営を任せたいと考える社長に対しては、その機会を提供していく環境整備が重要。
  • 私的整理を取り扱う中小企業活性化協議会の2022年度の相談件数は過去最高の6,409件。リーマンショック後、これまでの大きな変化として、私的整理(破産等の裁判所での手続きに至る前に、債権者との合意により債務整理を行うこと)が増加(この間、裁判所での倒産の新規受付件数が、2003年25.2万件から2022年7.1万件に減少)。経営者の実情に応じた対応が可能な私的整理の更なる環境整備は重要。
  • 従業員一人当たり売上高を指標として、合併を経て存続した企業と退出した企業が経済全体に与えた影響をみると、合併を経て存続した企業の生産性改善効果の方が大きいため、合併による効果の総和はプラス。
  • グループ化の取組(複数のM&A)を行っている企業は、M&Aを実施していない企業及びM&Aを1回実施している企業と比較して、売上、利益、労働生産性、成長の指標(修正ROIC)で上回っており、高い成果を達成している。
  • M&Aを仲介している者はファイナンシャルアドバイザーに比べ、仲介業者による比率が大きい。仲介業者は、譲渡側、譲受側双方から手数料をとり利益相反となっているとの指摘がある。M&Aの前後の事業統合作業(PMI(Post Merger Integration):買収前後に実施する事業統合作業)の観点からは、地方銀行等による仲介を大幅に増加させたいところ。
  • 金額別にM&A仲介の最低手数料の分布をみると、500万円が最頻値。次いで1,000万円の設定をしている支援機関が多い。
  • M&Aを実施する際の障壁については、買い手・売り手いずれにおいても、「期待する効果が得られるかよくわからない」、「判断材料としての情報が不足している」、「相手先(買い手・売り手)が見つからない」、「仲介の手数料が高い」の割合が高い。経営者が早期の段階から専門家に相談できる体制を官民挙げて強化する必要があるのではないか。
  • M&A実施意向ありと回答した企業の相手先企業の探し方は、1位が「金融機関に探索を依頼する」で72.9%、2位が「専門仲介機関に探索を依頼する」で45.9%。中小企業庁の「事業承継・引継ぎ支援センターに紹介を依頼する」(10.2%)、や「商工会議所・商工会に紹介を依頼する」(7.9%)の比率はまだ低く、強化、周知徹底が必要。
  • 売り手としてM&Aを実施する際に重視する事項としては、「従業員の雇用維持」の占める割合が82.7%と他の理由と比べとりわけ高い。現下の人手不足状況の方が雇用維持は担保しやすく、М&Aを行いやすい環境にある。
  • 大企業で職業経験を有する人材が登録されたリストをREVIC(地域経済活性化支援機構)で管理し、地方銀行等を活用して地域の中堅・中小企業とのマッチングを行う事業を2021年10月より開始。この際、受け入れ側の地域の中堅・中小企業に対して最大500万円を給付(転籍:最大500万円、兼業・副業、出向:最大200万円)。事業開始以降、累計で2,628人の大企業人材の登録に対し、65人がマッチング人数で、まだ少ない。官民を挙げたより広範なマッチングが必要。
  • 人口減少等の厳しい状況にある地方において、国民生活および経済活動の基盤となるサービスを提供し続けることは重要。乗合バス等の路線を維持するため、鉄道やフェリー等との調整を含め、ダイヤ調整等についてカルテルを例外的に認めるとともに、地域銀行の合併等に際し、独占禁止法を適用しないこととする特例法を2020年11月に施行。乗合バス事業については、6件のカルテル、地域銀行については2件の経営統合が実現。立法措置によらずとも、運用で可能な範囲について、必要な生活基盤の維持のための配慮が必要。

【2024年3月】

内閣官房 全世代型社会保障構築会議(第17回)議事次第
▼ 資料2 全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)について
  • 働き方に中立的な社会保障制度等の構築
    • 国民の価値観やライフスタイルが多様化し、働き方の多様化もますます進んでいる中で、格差の固定化や貧困の防止を図り、社会の分断を防ぐ観点からも、働き方にかかわらずセーフティネットが確保され、誰もが安心して希望どおりに働くことができる社会保障制度等の構築を目指す。
    • 同時に、少子化対策の観点からも、子育て・若者世代が将来に展望を持つことができ、生涯未婚率の低下にもつなげられるよう、非正規雇用労働者を取り巻く課題の解決や、希望すれば誰もが主体的に成長分野などの企業へ円滑に移動できるような環境整備を図る。
  • 来年度(2024年度)に実施する取組
    • 労働市場や雇用の在り方の見直し
      • 「同一労働同一賃金ガイドライン」等の必要な見直しの検討
        • 「同一労働同一賃金」については、その履行確保に向けた取組を一層強力に推進するとともに、「同一労働同一賃金ガイドライン」を含めたパートタイム・有期雇用労働法の施行後の状況に関する調査結果を踏まえ、必要な見直しを検討する。
      • 「多様な正社員」の拡充に向けた取組
        • 勤務地等を限定した「多様な正社員」の導入拡大を図るため、企業が自らの雇用管理上の課題を分析・把握し、ステップを踏んで「多様な正社員」制度等を選択・導入できるよう、「課題分析ツール」の作成等を行う。
      • 非正規雇用労働者の待遇改善に係る取組状況に関する企業の取組の促進
        • 非正規雇用労働者の待遇改善に関する取組状況について、情報開示を行っている企業の事例を収集、整理した上で、好事例として横展開するなど、企業の取組の促進策を検討する。
      • 経験者採用(中途採用)に関する企業の取組の促進
        • 経験者採用(中途採用)に関する企業の取組状況について、非財務情報の開示対象に加えることも含め、企業の取組の促進策を検討する。
      • 三位一体の労働市場改革の推進
        • 賃上げを一過性のものとせず、構造的賃上げとして確固たるものとするため、(1)リ・スキリングによる能力向上支援、(2)個々の企業の実態に応じた職務給の導入、(3)成長分野への労働移動の円滑化、の三位一体の労働市場改革について、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」で決定した事項を、早期かつ着実に実施する。
      • 成長意欲のある中堅・中小企業のグループ化に向けた支援
        • 三位一体の労働市場改革の推進と併せて、成長意欲のある中堅・中小企業が、複数の中小企業をグループ化して経営資源を集約化するとともに、親会社の強みのある経営方針やシステム、人材育成の共有化等を通じ、グループ一体となって飛躍的な成長を遂げることができるよう検討を行う
  • 「加速化プラン」の実施が完了する2028年度までに実施について検討する取組
    • 勤労者皆保険の実現に向けた取組
      • 短時間労働者への被用者保険の適用に関する企業規模要件の撤廃
        • 週20時間以上勤務する短時間労働者への被用者保険の適用拡大について、報告書において「早急に実現を図るべき」とされたことを踏まえ、2024年末の結論に向けて企業規模要件の撤廃等について引き続き検討する。
      • 常時5人以上を使用する個人事業所の非適用業種の解消
        • 常時5人以上を使用する個人事業所の非適用業種の解消について、報告書において「早急に図るべき」とされたことを踏まえ、2024年末の結論に向けて引き続き検討する。
      • 週所定労働時間20時間未満の労働者、常時5人未満を使用する個人事業所への被用者保険の適用拡大
        • 週所定労働時間20時間未満の労働者について、報告書において「具体的な方策について、実務面での課題や国民年金制度との整合性等を踏まえつつ、着実に検討を進めるべき」とされたこと、また、常時5人未満を使用する個人事業所への被用者保険の適用拡大については、「被用者保険の適用を図る道筋を検討すべき」とされたことを踏まえ、2024年末の結論に向けて引き続き検討する。
      • フリーランス・ギグワーカーの社会保険の適用の在り方の整理
        • フリーランス・ギグワーカーについて、「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」に照らして、現行の労働基準法上の「労働者」に該当する方々については、「被用者性」も認められ、適用除外の対象となる場合を除いて被用者保険が適用される旨を明確化したところ、その適用が確実なものとなるよう、労働行政と社会保険行政との連携を図っており、着実に推進していく。
        • 上記以外の「労働者性」が認められないフリーランス・ギグワーカーに関しては、新しい類型の検討も含めて、被用者保険の適用を図ることについて、フリーランス・ギグワーカーとして働く方々の実態や諸外国の例なども参考としつつ、引き続き、検討を深める。
      • 年収の壁に対する取組
        • いわゆる「年収の壁」については、社会全体で労働力を確保するとともに、労働者自身も希望どおり働くことのできる環境づくりに向けて、当面の対応策である「年収の壁・支援強化パッケージ」を着実に実行する。
        • また、「年収の壁」を意識せずに働くことが可能となるよう、制度の見直しに取り組む
  • 2040年頃を見据えた、中長期的な課題に対して必要となる取組
    • フリーランス・ギグワーカーの社会保険適用の在り方も含めた勤労者皆保険の構築など、働き方に中立的な社会保険制度の在り方の検討
  • 「地域共生社会」の実現
    • 人口構造及び世帯構成が変化し、家族のつながりや地縁も希薄化し、移動手段の確保も困難となる中で、今後、更なる増加が見込まれる単身高齢者の生活について、住まいの確保を含め、社会全体でどのようにして支えていくかが大きな課題である。高齢者福祉、障害福祉、児童福祉、生活困窮者支援などの制度・分野の枠や、「支える側」、「支えられる側」という従来の関係を超えて、外国人も含め、人と人、人と社会がつながり、一人一人が生きがいや役割を持ち、助け合いながら暮らせる包摂的な社会の実現が必要である。そこで重要なのは、各種サービスの担い手等による連携の下、地域全体で、多様な困りごとを抱える人やその家族を包括的に受け止め、一人一人に寄り添い、伴走支援するという視点である。この伴走支援は、各種サービスにつなぐという役割のみならず、人と人とのつながりを創出すること自体に価値を有するものである。
    • 単身高齢者、生活困窮者を始めとする地域住民が安心して日々の生活を営むことができるよう、入居後の総合的な生活支援も含めて、地域住民の生活を維持するための基盤となる住まいが確保されるための環境整備が必要であることから、住まい政策を社会保障の重要な課題として位置付け、必要な制度的対応を検討していく。
  • 来年度(2024年度)に実施する取組
    • 重層的支援体制整備事業の更なる促進
      • 重層的支援体制整備事業について、より多くの市町村において実施されるよう、引き続き必要な対応を検討・実施する。
      • 2024年度に、令和2年改正法13附則で定められた、施行後5年を目途とした検討規定に基づく検討を行い、検討結果に基づいて必要な対応を行う。
    • 多様な専門性や背景を持つソーシャルワーカーの確保・活用のための取組
      • 重層的支援体制整備事業が未実施の市町村を対象に、包括的支援体制を構築することの意義等を習得するための研修の実施について検討を行う社会福祉士の活用状況等、実態を把握するために行った調査研究事業も踏まえ、社会福祉士の更なる活用について検討を行う。
    • 複数の分野にわたる専門的知識を習得できるような工夫の検討
      • 医療・介護・福祉の国家資格に係る複数資格の取得促進、地域共生社会を支える人材の養成に関する研修の開発など、一人の人材が複数の分野にわたる専門的知識を習得できるような工夫の検討を行う。
    • 社会保障教育の一層の推進
      • 報告書を踏まえて今年度に見直しを行った教材等を活用し、社会保障の意義・役割、負担と給付の関係等について周知を行う。
    • 住まい支援の強化に向けた制度改正
      • 単身高齢者、生活困窮者を始めとする住宅確保要配慮者が、民間賃貸住宅に円滑に入居し、安心して生活できるようにするためには、住まいの確保等に関する相談支援から、転居支援、住まいが定まった後の支援まで、切れ目のない支援体制の構築を図る必要がある。このため、「住まい支援システム」の構築に向けたモデル事業14も踏まえつつ、引き続き自治体の取組に対する伴走支援を行いながら、以下の必要な見直しを行う。
      • 住宅確保要配慮者に対する居住支援機能等のあり方に関する検討会における中間とりまとめ案(令和5年12月5日)を踏まえ、住宅確保要配慮者への居住支援の充実、賃貸人が住宅を提供しやすい市場環境の整備、住宅確保要配慮者のニーズに対応した住宅等の確保方策、地域における住宅・福祉・司法と連携した居住支援の体制づくり等の観点から、住宅セーフティネットの機能の一層の強化に資する必要な制度改正の実施に向けて、関係省庁の連携の下、更なる検討を深めていく。
      • 単身高齢者を始めとする高齢者の安心な住まいを確保するため、総合的・包括的な住まい支援の更なる全国展開に向けた取組を推進する。
      • 生活困窮者自立支援制度については、社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会における取りまとめ及び上記検討会における中間とりまとめ案を踏まえ、総合的な相談支援、入居前から入居中・退居時の支援、住まい支援に必要な地域資源開発・環境整備を推進するため、自立相談支援事業の住まい相談機能の明確化、地域居住支援事業や重層的支援体制整備事業の活用等の見直しを実施する。
      • また、生活困窮者自立支援制度等の見直しの円滑な施行に向けて、総合的な相談対応や一貫した支援を行うことができる実施体制を整備し、見守り支援や地域とのつながり促進支援などを行う新たなモデル事業(令和5年度補正予算で措置した自治体への補助事業)を一部の自治体において実施し、全国的な住まい支援体制の構築に向けた課題を把握・整理し、必要な対応を行う。
  • 「加速化プラン」の実施が完了する2028年度までに実施について検討する取組
    • 孤独・孤立対策の推進
      • 孤独・孤立対策推進法15に基づき、孤独・孤立対策推進本部において新たな重点計画を作成するなど、孤独・孤立対策を安定的・継続的に推進していくとともに、当該法の施行状況等を踏まえ、施行後5年を経過した段階で、孤独・孤立対策の在り方について更なる検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づき必要な措置を講じていく。引き続き、地域における官・民・NPO等の連携を推進するとともに、2024年5月から毎年5月に開催される「孤独・孤立対策強化月間」においても、官民連携して孤独・孤立についての理解・意識や機運を社会全体で高めていくための取組を集中的に行っていく。
    • 身寄りのない高齢者等への支援
      • 高齢者を中心として単身世帯等の急増が確実に見込まれる中で、身元保証から日常生活支援、死後事務の処理に至るまで、広く生活を支えていくため、既存の各施策も踏まえた上で、必要な支援の在り方について検討を行う。
    • 社会保障教育の一層の推進
      • 社会保障教育の一層の推進のため、高校教員への意見聴取等を通じて現場の実態を把握しながら、教材の見直し等の必要な取組や効果的な周知を実施する
  • 2040年頃を見据えた、中長期的な課題に対して必要となる取組
    • 人口構造及び世帯構成が変化し、更に家族のつながりや地縁の希薄化が進むと考えられる中で、住まい支援にとどまらず、人と人、人と社会がつながり、一人一人が生きがいや役割を持ち、助け合いながら暮らせる包摂的な社会の実現に向けた検討

内閣官房 指定行政機関の国民の保護に関する計画の変更について
  • 令和6年3月19日の閣議において、厚生労働省及び国土交通省・観光庁の国民保護計画の変更について「異議がない」旨を決定
    • 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律に基づき、全ての指定行政機関が、国民の保護に関する計画を作成し、その後も必要に応じて計画を変更しており、計画の作成及び変更に当たっては、内閣総理大臣への協議が必要とされている(軽微な変更を除く)。
    • 今般、厚生労働省、国土交通省及び観光庁から国民保護計画の変更について、内閣総理大臣への協議の申出があったところ、その内容について問題がないことから、「異議がない」旨の閣議決定を行った。変更内容の概要は別紙のとおり
  • 【厚生労働省】国土交通省へ移管される水道業務に係る事項の削除等
  • 【国土交通省・観光庁】厚生労働省から移管される水道業務に係る事項(水道用水の供給命令、給水制限、平素の備え、被災施設の復旧)の追加

外務省 2023年版開発協力白書の公表
  • 3月12日、「2023年版開発協力白書 日本の国際協力」を公表しました。
  • 外務省は、毎年、一年間の我が国の開発協力の実施状況をまとめた開発協力白書を公表しています。
  • 2023年版開発協力白書は、第I部で開発協力大綱の改定とG7広島サミットについて取り上げています。また、課題別の取組、地域別の取組、効果的・戦略的な開発協力の推進について取り上げ、その中では、ウクライナ及び周辺国に対する支援や民間企業やNGOなど多様な主体との連携等について紹介しています。
  • 一般の方が撮影した写真の特集や、公募したコラムを掲載し、ODAを題材として制作したテレビドラマやドキュメンタリー動画についても紹介する等、幅広く国民の皆様に親しみを持ってもらえるよう工夫しました。
  • 日本を含む世界全体は相互につながっており、開発協力を通じて、自由で開かれた秩序の下で、平和で安定し、繁栄した国際社会の構築に一層積極的に貢献していくことは、日本の国益に直結するものです。
  • 2023年版開発協力白書は、外務省のODAホームページに全文掲載されます。また、製本版白書は追って市販される予定です。
▼ (全文)2023年版開発協力白書
  • 世界は今、歴史の転換点にあります。ロシアによるウクライナ侵略、中東情勢、気候変動や感染症を始めとするグローバルな課題といった複合的な危機に直面している一方で、「グローバル・サウス」と呼ばれる開発途上国・新興国の重要性が増しています。
  • 日本は責任ある主要国として、全ての人が平和を享受できるよう、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化し、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念を踏まえつつ、「人間の尊厳」が守られる安全・安心な世界を実現するための外交を推進していかなければなりません。
  • そのためには、外交の最も重要なツールの一つであるODAの一層戦略的・効果的な実施が重要です。2023年6月に開発協力大綱を8年ぶりに改定し、開発途上国の課題解決と同時に、対話と協働を通じた開発途上国との社会的価値の「共創」により、日本の社会経済面での成長等の国益実現にも資するようなODAを推進していくことを表明しました。
  • 2024年は、日本がODAを開始してから70年の節目に当たります。国際社会の平和と繁栄、日本の国益の双方の実現に貢献すべく、ODAの実施に当たり、次の3点に重点的に取り組みます。
  • 第一に、新しい時代における「質の高い成長」の実現のための取組の推進です。新たな開発協力大綱の下、日本の強みをいかした魅力的なメニューを提案するオファー型協力や民間資金動員型ODA等を開始し、官民が連携する形で開発途上国の質の高い成長を実現し、同時に日本の課題解決や経済成長につなげます。
  • 第二に、自由で開かれた世界の持続可能な発展に向けた貢献です。「自由で開かれたインド太平洋」のための新たなプランの推進に向けたODAの取組として、法制度整備支援や平和構築、連結性強化、強靱性・持続可能性等の実現に資する取組を進めます。また、力や威圧による一方的な現状変更の試みを許さず、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に取り組む決意を力強く示すべく、日・ウクライナ経済復興推進会議の成果も活用し、ウクライナおよび周辺国への幅広い支援に引き続き取り組みます。さらに、ガザ地区における人道危機を始め、脆弱な状況下に置かれている人々への迅速な支援も実施していきます。
  • 第三に、複雑化・深刻化する地球規模課題への国際的取組の主導です。人間の安全保障の理念に立脚し、人類が共通して直面する課題やSDGs達成に向け、食料・エネルギー、気候変動・環境、国際保健、難民・避難民、女性・平和・安全保障(いわゆるWPS)等の分野にしっかり取り組みます。人間中心の開発協力によって日本が培ってきた国際的な信頼は、日本の外交力の源泉となる重要な資産です。こうした信頼に基づき、多様な課題を抱える脆弱国に寄り添い、「人間の尊厳」を守る、日本らしい、きめ細かな開発協力を進めます。その際には、二国間協力と国際機関への拠出を戦略的・機動的に活用し、強力かつ迅速な取組を実施していきます。
  • これらの取組を力強く進める上では、時代の変化を踏まえ、ODAの一層の戦略的・効果的な活用に加え、その基盤の拡充と強化を図っていくことも不可欠です。同時に、ODAは公的資金を原資とした、国民の理解と協力に支えられている外交ツールであることは言うまでもありません。ODAが国民の平和と安定を確保し、国民生活の維持や日本の経済成長に寄与していることを丁寧に説明していきます。そして、ODAの開発効果を最大化させるために、民間企業、公的金融機関、国際機関、NGO、地方自治体などとの連携を一層強化していきます。日本を含む世界全体は相互につながっており、開発協力を通じて、自由で開かれた秩序の下で、平和で安定し、繁栄した国際社会の構築に一層積極的に貢献していくことは、日本の国益に直結するものです。
  • 2023年版開発協力白書は、日本の開発協力の1年間の実施状況を国民の皆様にご報告するものです。開発協力の実施には、国民の理解と支持が不可欠であり、皆様からの声に耳を傾け、一層の戦略的・効果的な実施に努めていきます。本書が一人でも多くの方々に読まれ、日本の開発協力の取組や意義に対するご理解の一助となることを願っています。
  • サプライチェーンの強靱化・多様化、経済の多角化
    • 日本は開発途上国の輸出能力や競争力を向上させるため、開発途上国が貿易を行うために重要な港湾、道路、橋などの輸送網の整備、発電所・送電網など産業関連インフラの整備といったハード面での協力に加えて、貿易管理・税関に関する行政手続の円滑化に向けて、税関職員、知的財産権の専門家の教育などの貿易関連分野における技術協力といったソフト面からも、開発途上国の貿易・投資環境や経済基盤の整備に向けた協力を行っています。
    • こうした協力を通じて、開発途上国の経済的強靭性と経済安全保障を強化していくことは、開発途上国の質の高い成長を確保しつつ、日本経済への裨益という成長の好循環を確保していく上で喫緊の課題となっています。こうした観点も踏まえ、2023年5月のG7広島サミットにおいて、日本はサプライチェーンや基幹インフラの強靱化を含む経済的強靱性と経済安全保障の強化に関する議論を主導しました。議論の結果、G7首脳は、G7枠組を通じて包括的な形で協働し、連携していくことを確認し、この課題に関する包括的かつ具体的なメッセージとして「経済的強靭性及び経済安全保障に関するG7首脳声明」を発出しました。
    • その中で、「特に途上国の強靱性の構築を支援する」との強い意志を再確認しました。加えて、G7として、クリーン・エネルギー移行に必要不可欠な重要鉱物および再生エネルギー機器製造のサプライチェーンの強靱化に関する「G7クリーン・エネルギー経済行動計画」を発表し、「世界中のパートナーとの協力および支援を深化させることを目指す」ことで一致しました。
    • サプライチェーン強靱化に資するインフラ支援の一例を挙げると、インドネシアの西ジャワ州・パティンバン港において、円借款や技術協力を活用し、日本企業の協力の下で、2018年から港湾開発およびアクセス道路整備を進めています。2021年12月には日本企業が出資する現地企業による自動車ターミナルの本格運営が開始され、2022年4月以降には港の拡張工事が進められ、有料アクセス道路の整備も開始されるなど、物流改善等に向けた官民が連携しての協力が進展しています。
    • インドネシア、カンボジア、タイ、フィリピン、ベトナム、ラオスを対象にサプライチェーン強靱化、持続的な物流システムの構築およびフードバリューチェーン強化に関する研修を実施しており、2022年度には計246人の行政官等が参加しました。
    • インドネシアにおいては、2022年から、国境付近の離島6島で、水産施設の整備に加え、離島経済活性化のため水産物の高付加価値化や島外への流通等を整備するための技術協力を実施しています。
    • 開発途上国の貿易を促進するための協力としては、日本は開発途上国産品の日本市場への輸入を促進するため、最恵国待遇関税率より低い税率を適用するという一般特恵関税制度(GSP)を導入しています。特に後発開発途上国(LDCs)解説に対して特別特恵関税制度を導入し、無税無枠措置解説をとっています。また日本は、経済連携協定(EPA)解説や投資協定を積極的に推進しています。これらの協定により、貿易・投資の自由化(関税やサービス貿易障壁の削減・撤廃等)および海外に投資を行う企業やその投資財産保護を通じたビジネス環境の整備が促進され、日本企業の開発途上国市場への進出を後押しし、ひいては開発途上国の経済成長にも資することが期待されます。
    • 日本を含む先進国による支援をさらに推進するものとして、世界貿易機関(WTO)や経済協力開発機構(OECD)を始めとする様々な国際機関等において「貿易のための援助(AfT)」解説に関する議論が活発になっています。日本は、AfTを実施する国際貿易センター(ITC)などに拠出し、開発途上国が貿易交渉を進め、国際市場に参入するための能力を強化すること、およびWTO協定を履行する能力を付けることを目指しています。2023年には、日本はITCを通じて、アフリカの女性起業家に対する電子商取引の活用に向けた支援、ナイジェリアにおけるワクチンの生産および配布の拡大に向けた技術協力、ナイジェリアを中心とする西アフリカの政府、ビジネス支援機関(貿易振興機関・商工会議所等)、零細・中小企業に対する能力構築支援、ウクライナにおける避難民の就労および起業支援などを行っています。
    • 税関への支援に関しては、ASEAN諸国を中心に、日本の税関の専門的知識や技術などの共有を通じて、税関の能力向上を目的とした支援を積極的に行っています。タイでは2021年7月から「税関人材育成能力強化プロジェクト」を実施しています。世界税関機構(WCO)への拠出を通じて、WCOが有する国際標準の導入や各国のベスト・プラクティスの普及の促進を通じた、国際貿易の円滑化および安全確保の両立等のための能力構築支援活動に貢献しています。日本の税関出身のJICA長期専門家をASEAN6か国に派遣し、ニーズに応じた支援を実施するとともに、アフリカではJICA/WCO合同プロジェクトとして、各国税関で指導的役割を担う教官を育成するプログラム(マスタートレーナープログラム)を実施しています。このプログラムは、2021年からは太平洋島嶼国にも拡大して実施しています。
    • 開発途上国の小規模生産グループや小規模企業に対して、「一村一品キャンペーン」解説への支援も行っています。開発途上国へ民間からの投資を呼び込むため、開発途上国特有の課題を調査し、投資を促進するための対策を現地政府に提案・助言するなど、民間投資を促進するための支援も進めています。
  • 治安維持能力強化
    • 日本の警察は、その国際協力の実績と経験も踏まえ、治安維持の要となる開発途上国の警察機関に対し知識・技術の移転を行いながら、制度作り、行政能力向上、人材育成などを支援しています。
    • その一例として、2023年、警察庁は、インドネシアへ2001年から継続して専門家派遣、研修、技術協力プロジェクトを実施したほか、アジアやアフリカ、大洋州などの各国から研修員を受け入れ、日本の警察の在り方を伝えています。
  • テロ対策
    • 新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりテロを取り巻く環境も大きく変化しました。新型コロナ対策のための行動制限は、都市部でのテロを減少させましたが、人々の情報通信技術(ICT)への依存が高まり、インターネットやSNSを使った過激派組織による過激思想の拡散が容易になりました。もともと国家の統治能力が脆弱だった一部の地域では、新型コロナの感染拡大によってガバナンスが一層低下したことにより、テロ組織の活動範囲が拡大しています。新型コロナ対策のための行動制限の緩和に伴い、テロ攻撃が多発する可能性を指摘する声もあります。
    • 2023年、日本は、テロを取り巻く環境の変化に迅速に対応するため、パートナー国とのテロ対策協議の実施や、G7議長国としてG7ローマ・リヨン・グループ会合の国内開催等を通じて、各国との連携強化や情報交換を進めてきました。
  • 違法薬物対策
    • 日本は、国連の麻薬委員会などの国際会議に積極的に参加するとともに、2023年は国連薬物・犯罪事務所(UNODC)への拠出を通じて、東南アジア等の国々の関係機関との連携を図り、新規化合物を含む違法薬物の流通状況の監視や国境での取締能力の強化を行うほか、薬物製造原料となるけしの違法栽培状況の調査等を継続的に実施し、グローバルに取り組むべき課題として違法薬物対策に積極的に取り組んでいます。
    • また、警察庁では、アジア太平洋地域を中心とする関係諸国を招き、薬物情勢、捜査手法および国際協力に関する情報共有や協力体制の強化を図っています。
  • 人身取引対策
    • 日本は、人身取引に関する包括的な国際約束である人身取引議定書や、「人身取引対策行動計画2022」に基づき、人身取引の根絶のため、様々な取組を行っています。
    • 日本は国際移住機関(IOM)への拠出を通じて、日本で保護された外国人人身取引被害者に対して母国への安全な帰国支援や、被害者に対する精神保健・医療的支援、職業訓練などの自立・社会復帰支援を実施しています。日本は、二国間での技術協力、UNODCなどの国連機関のプロジェクトへの拠出を通じて、東南アジア等の人身取引対策・法執行能力強化に向けた取組に貢献しているほか、ロシアの侵略を受けて難民・避難民が多数発生しているウクライナおよびモルドバへの支援として国境管理強化と人身取引対策に協力しています。また、人の密輸・人身取引および国境を越える犯罪に関するアジア太平洋地域の枠組みである「バリ・プロセス」への拠出・参加などを行っています。
  • 国際的な資金洗浄(マネー・ローンダリング)やテロ資金供与対策
    • 国際組織犯罪による犯罪収益は、さらなる組織犯罪やテロ活動の資金として流用されるリスクが高く、こうした不正資金の流れを絶つことも国際社会の重要な課題です。そのため、日本としても、金融活動作業部会(FATF)などの政府間枠組みを通じて、国際的な資金洗浄(マネー・ローンダリング)やテロ資金供与の対策に係る議論に積極的に参加しています。世界的に有効な資金洗浄やテロ資金供与対策を講じるためには、FATFが定める同分野の国際基準を各国が適切に履行することにより、対策の抜け穴を生じさせない、といった取組が必要です。そのため、資金洗浄やテロ資金供与対策のキャパシティやリソースの不足等を抱える国・地域を支援することは、国際的な資金洗浄やテロ資金供与対策の向上に資することから、日本は、非FATF加盟国のFATF基準の履行確保を担うFATF型地域体の支援等を行っており、特にアジア太平洋地域のFATF型地域体(APG:Asia /Pacific Group on Money Laundering)が行う技術支援等の活動を支援しています。
  • 新型コロナウイルス感染症対策支援
    • 日本は、新型コロナの発生直後からこれまでに、二国間および国際機関経由で、総額約50億ドル規模の開発途上国支援を実施しました。開発途上国の経済・社会活動を下支えするため、また、保健・医療分野を含む財政ニーズに対処するため、新型コロナ危機対応緊急支援円借款の制度を創設し、2020年7月から2023年9月末までに23か国に対し、総額6,848億円の円借款を供与しました。
    • 新型コロナ収束のためには安全性、有効性、品質が保証されたワクチンや治療・診断への公平なアクセスの確保が重要との考えの下、日本はCOVAXファシリティ(COVID-19 Vaccine Global Access Facility)解説などの国際的な枠組みと協調しつつ、各国・地域に対するワクチン関連支援を実施してきました。また、ワクチンを接種現場まで届けるための「ラスト・ワン・マイル支援」では、コールド・チェーン体制の整備や医療関係者の接種能力強化などを行いました。
  • 三大感染症(HIV/エイズ、結核、マラリア)
    • SDGsの目標3.3として、2030年までの三大感染症の収束が掲げられています。日本は、グローバルファンドを通じた三大感染症対策および保健システム強化への支援に力を入れており、設立から2023年2月までに約43億ドルを拠出しました。さらに、2022年8月のTICAD 8および9月のグローバルファンド第7次増資会合において、岸田総理大臣は、今後3年間で最大10.8億ドルの拠出を行うことを表明しました。日本は、三大感染症への対策がより効果的に実施されるよう、グローバルファンドを通じた取組との相互補完的な支援として、保健システムの強化、コミュニティ能力強化や母子保健改善などの二国間協力も実施しています。
    • 二国間協力を通じたHIV/エイズ対策として、日本は、新規感染予防のための知識を広め、検査・カウンセリングを普及する取組を行っています。特にアフリカを中心に、2023年もJICA海外協力隊員が、より多くの人に予防についての知識や理解を広める活動や、感染者や患者のケアとサポートなどに精力的に取り組んでいます。
    • 結核に関しては、2021年改定版「ストップ結核ジャパンアクションプラン」に基づき、日本が結核対策で培った経験や技術をいかし、官民が連携して、2025年までの中間目標として結核による死亡を75%減少(2015年比較)させ、結核罹患率を50%減少(2015年比較、10万人当たり55症例未満)させることを目標に、開発途上国、特にアジアおよびアフリカにおける年間結核死者数の削減に取り組んでいます。
    • このほか、乳幼児が死亡する主な原因の一つであるマラリアについて、ミャンマーやソロモン諸島において、日本は、地域コミュニティの強化を通じたマラリア対策への取組を支援しています。またグローバルファンドへの拠出を通じ、世界的なマラリア対策も行っています。

内閣官房 新しい資本主義実現会議(第24回)
▼ 資料1 基礎資料
  • 2023年の賃上げ率は3.58%(連合調査)。同年の消費者物価指数(「生鮮食品を除く総合」)は3.1%の上昇率で賃上げ率の方が高くなった。(2022年の賃上げ率は2.07%、消費者物価指数は2.3%。)
  • 報道等で紹介されている実質賃金は、厚生労働省が毎月勤労統計で公表しているもの。ここでは「帰属家賃を除く総合」が物価指数として用いられている。他方で、帰属家賃は上昇率がほぼゼロであるため、これを除くことで物価上昇率が高くカウントされているのではないかとの議論がある。日本銀行が物価の見通しに用いる「生鮮食品を除く総合」の値と比べても、高い値となる傾向。
    • (注)1970年より前は、消費者物価指数に帰属家賃は入っていなかった。持家比率は各国によって違うので、消費者物価の上昇率を国際的に比較できないという議論が起き、我が国も帰属家賃を含む消費者物価指数に変更した。他方、厚生労働省は、かねてより実質賃金を旧来の消費者物価指数に基づいて計算していたため、継続性という観点から、この段階で消費者物価指数から帰属家賃を除くという意思決定を行い、現在に至っている。現在は、経済分析においては、各国とも、帰属家賃を含めて計算をするのが普通。
  • 米英独いずれも、直近(2023年等)の実質賃金の上昇率のプラス化を見ると、消費者物価上昇率の低下が先行する形で実現していることが分かる。我が国についても、共同声明で定める2%のモデレートな物価上昇率が必要。
  • 2024年の経営における懸念材料として、第1位が「原油・素材価格の上昇」となっており、第3位の「円安」と合わせて為替の影響に対する懸念が強く表れている。第2位は「人手不足」だった。
  • 日本の労働生産性はOECD加盟国中32位で、低水準である。
  • 2000年以降の年単位の労働分配率の推移をみると、我が国は2021年は50.3%であり、他の先進国と比較して遜色ない水準。
  • OECD加盟国17か国について平均をとると、労働生産性と一人当たり賃金の間に正の相関があり、労働生産性が高くなると賃金水準が上昇する蓋然性が高い。
  • マークアップ率は、分母をコスト、分子を販売価格とする分数であり、製造コストの何倍の価格で販売できているかを見るものであるが、1980年時点から各国のマークアップ率が上昇する中で、日本の上昇率が低く、近年では国際的に低い水準となっている。
  • マネージャーの給与の高さはマークアップ率の高さと相関している。
  • 図1を見ると、赤線のマネージャーの給与水準の変遷のうち、青線の部分がマークアップ率の向上を起源とする給与額を示している。図2によりマネージャー給与をマークアップ率起源と企業規模起源に分解すると、マークアップ率の寄与度が1994年38%から足元50%にまで上昇している。図4を見ると、2019年の断面では、能力が最も高いマネージャーの給与の80%がマークアップ率の高さ起源となっている。このように、マークアップ率の上昇はマネージャーの給与水準の上昇と相関する。
  • その商品において最高品質と位置付けられることが、マークアップ率を高めるために重要であることがわかっている。(中位の品質では、マークアップ率に反映されにくい。)
  • 我が国でも、この20年間で、「自分が気に入った付加価値には対価を払う」 「購入する際に安さよりも利便性を重視」といった、値段よりも付加価値を重視する消費行動が増加。付加価値に対して、より多くの金額を支払う消費行動が我が国にも定着しつつある。
  • 賃上げの理由について、2023年実績と2024年計画を比較すると、「物価上昇への対応」の側面は低下し、「人材確保(採用)のために必要」の比率が上昇している。これは我が国の人材の需給状況を示しており、中長期的に継続する傾向と思われる。
  • 実際、2024年の賃上げの計画において、人手不足感を強く訴える企業ほど賃上げの上昇率が高くなっている。
  • 日本の60歳以上の就業率は、年々増加傾向。
▼ 資料2 論点案
  • 今回は、物価上昇を上回る持続的な構造的賃上げの実現に向けた課題と方向性について議論をお願いしたい。
    • 具体的には、(1)企業の付加価値(マークアップ率)向上と価格への転嫁のあり方、(2)人手不足対応、(3)デジタル化に伴う非ホワイトカラー職種への労働移動と当該分野における賃上げ実現の方向性、(4)労働不足の中で仕事をしたいシニア層への労働機会の提供、(5)三位一体の労働市場改革の実行など。
  • 次回は、需要制約経済から供給制約経済への移行に伴う課題と方向性、加えて、デフレからの脱却後・金融環境変化に伴う、新たな成長型経済の課題と方向性について議論をお願いしたい。
    • 具体的には、(1)中小企業・小規模企業等の自動化・省人化・省力化投資の在り方、(2)労働代替のためのデジタル/ロボットの実装の在り方、(3)企業の新陳代謝、中小企業・小規模企業等の事業譲渡・事業再編・M&Aの環境整備の在り方、(4)地方におけるローカル産業の維持の在り方など。
  • 今回の討議ポイントは以下のあたり。
    • 今年の春季労使交渉や来年の春季労使交渉という短中期の課題を超えて、我が国に物価上昇を上回る持続的な賃上げを根付かせるために適切な方策は何か。
    • この対応の在り方に、我が国の人手不足の状況がどのように影響するか。また、人手不足対応への在り方はどうすべきか。
    • 非正規雇用労働者の就労意欲を高めるため、106万円・130万円の年収の壁に対して昨年取りまとめた支援策の活用拡大を図るべきではないか。
    • 中小企業団体からも、経済の好循環の実現のためには、「中小企業が自己変革による付加価値拡大とともに、価格転嫁を通じて持続的な賃上げの原資を確保できるかが鍵となる」と意見書が公表されているが、この付加価値拡大(マークアップ率向上)の官民を挙げた方策についてどう考えるか。
    • 安定的で高賃金の雇用を確保するための、労働市場改革の、雇用の移動円滑化の在り方はどうか。具体的には、第一に、若手の能力ある労働者のために適切なポストを提供するため、加えて、労働意欲のあるシニア層のために労働機会を提供するため、ポスティング制度やジョブ型人事の導入等の、企業内での労働移動の円滑化の在り方はどうあるべきか。
    • 第二に、賃金の高い仕事を労働者に提供するため、同一産業内の移動でも、いかに、経営力のある企業に、より多くの労働者を雇用してもらうように支援するか。
    • 第三に、デジタル化に伴い、一般のホワイトカラーへの労働需要が少なくなるおそれがあることに伴い、いかに、高賃金の非ホワイトカラー職を確保し、産業間労働移動を円滑化し、リ・スキリングが可能な体制を確保するか。非ホワイトカラー職の労働生産性を上げて賃金を上げていくこと、および、非ホワイトカラー職についてもスキルの標準を民間の各業界団体で整備いただき、労働者がこれを身につけることを官が支援していく、官民連携をどう考えるか。
    • 物流分野や医療・介護・障害福祉分野などの分野の賃上げのためには、待機時間の削減などその分野での取引慣行自体の見直しも必要ではないか。
    • 仕事をしたいシニア層に仕事の機会を提供するため、個々の企業の実態に応じて、役職定年・定年制の見直しなどを検討すべきではないか。この際、能力のある若手が不満に感じることのないよう、いかにシニア層のスキルの評価に応じたポストの処遇を進めるか。
    • ジョブ型人事については、企業の実態が千差万別であることに鑑み、自社のスタイルに合った導入方法を各社が検討できるよう、既に導入している多様な企業にご協力をいただき、導入のプロセスや内容について可能な限り多様な情報提供を進めるべきではないか(指針の具体性の確保)。
    • 中小企業・小規模企業以外にも、今後、スモールビジネス、個人、フリーランスなどの発展が想定される中で、取引関係上弱い立場にあるこれらの人たちと企業との取引関係をいかに適正化していくか。
    • 昨年の物価上昇率は3.1%と、2%を超える水準にある中で、一人4万円の所得税・住民税減税を含め、可処分所得が物価上昇率を超える状況を作り出すべきではないか。
    • 新しい資本主義の実現の中で、NISAの拡充・恒久化、資本コストを意識した証券取引所の経営改革を実施したところであるが、この資産所得倍増の流れを強化していくべきではないか。

内閣官房 重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案について
▼ 重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案
  • 目的(第1条)
    • 国際情勢の複雑化、社会経済構造の変化等に伴い、経済活動に関して行われる国家及び国民の安全を害する行為を未然に防止する重要性が増大している中で、重要経済基盤に関する情報であって我が国の安全保障(外部からの侵略等の脅威に対して国家及び国民の安全を保障すること)を確保するために特に秘匿することが必要であるものについて、これを適確に保護する体制を確立した上で収集し、整理し、及び活用することが重要であることに鑑み、当該情報の保護及び活用に関し、重要経済安保情報の指定、我が国の安全保障の確保に資する活動を行う事業者への重要経済安保情報の提供、重要経済安保情報の取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより、その漏えいの防止を図り、もって我が国及び国民の安全の確保に資することを目的とする。
  • 重要経済安保情報の指定(第2条~第3条)
    • 重要経済基盤
      • 我が国の国民生活又は経済活動の基盤となる公共的な役割であってその安定的な提供に支障が生じたい場合に我が国及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれがあるものの提供体制
    • 重要経済基盤保護情報
      1. 外部から行われる行為から重要経済基盤を保護するための措置又はこれに関する計画又は研究
      2. 重要経済基盤の脆弱性、重要経済基盤に関する革新的な技術その他の重要経済基盤に関する重要な情報であって安全保障に関するもの
      3. 3.1.の措置に関し収集した外国の政府又は国際機関からの情報
      4. 4.2.3.に掲げる情報の収集整理又はその能力
  • 指定の有効期間及び解除(第4条)
    • 行政機関の長は、指定の日から5年を超えない範囲内で有効期間を設定。有効期間は、30年まで延長することが可能だが、やむを得ない事情があり、その理由について内閣の承認を得た場合には30年を超えることも可能。ただし、その場合でも、外国との交渉に不利益を及ぼすおそれがある等の例外事由に該当しない限り、60年を超えることはできない。
    • 行政機関の長は、内閣の承認が得られなかった場合には、保存期間の満了とともに国立公文書館に移管。
    • 行政機関の長は、情報が指定の要件を欠くに至ったときは、速やかに解除。
  • 重要経済安保情報の保護措置(第5条)
    • 行政機関の長は、重要経済安保情報の取扱いの業務を行わせる職員の範囲を定めるなどの保護措置を講ずる。
  • 重要経済安保情報の取扱者の制限(第11条)
    • 重要経済安保情報の取扱いの業務は、適性評価(10年)において、重要経済安保情報の取扱いを行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者に限定。
    • 特定秘密保護法における適性評価において特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者は、5年間に限り、本法律案の適性評価を受けずに、重要経済安保情報の取扱いの業務を行うことができる(特定秘密保護法における適合事業者の従業者においても同じ。)。
    • 行政機関の長及び特定秘密保護法における適合事業者は、重要経済安保情報の保護に必要な限度において、特定秘密保護法における適性評価の結果にかかる情報を自ら利用することができる(この限度において、特定秘密保護法の適性評価に係る目的外利用の禁止の例外とする)。
  • 制度の必要性
    • 安全保障の概念が、防衛や外交という伝統的な領域から、経済・技術の分野にも拡大。国家安全保障のための情報に関する能力の強化は、一層重要に。経済安全保障分野においても、厳しい安全保障環境を踏まえた情報漏洩のリスクに万全を期すべく、セキュリティ・クリアランス制度の整備を通じて、我が国の情報保全の更なる強化を図る必要。
    • こうした情報保全の強化は、安全保障の経済・技術分野への広がりを踏まえれば、同盟国・同志国との間でさらに必要となるこれらの分野も含んだ国際的な枠組みを整備していくこととあいまって、すでに情報保全制度が経済・技術の分野にも定着し活用されている国々との間で協力を一層進めることを可能にする。
    • 経済活動の担い手が民間事業者であることに留意しつつ、官民の情報共有を可能にする仕組みが必要。経済・技術の分野にも対応した制度の下でセキュリティ・クリアランスを保有していれば、その結果として、その他の場面でも、いわば「信頼できる証」として対外的に通用することになるのではないかという示唆
  • 企業からの声
    • ある海外企業から協力依頼があったが、機微に触れるということで相手から十分な情報が得られなかった。政府間の枠組みの下で、お互いにセキュリティ・クリアランスを保有している者同士で共同開発などができれば、もう少し踏み込んだものになったのではないか
    • 防衛と民生が一緒になったデュアル・ユース技術に関する会議に参加する際、クリアランス・ホルダー・オンリーであるセミナー・コミュニティがあり、これらに参加できず最新のデュアル・ユース技術に触れることができない。
    • 宇宙分野の海外政府からの入札に際し、セキュリティ・クリアランスを保有していることが説明会の参加要件になっていたり、商業利用分野であってもCIが含まれているので詳細が分からない等の不利な状況が生じている
    • 様々なサイバーセキュリティ・インシデントが起きている中で、政府側や諸外国が保有している様々な情報が共有されれば、個々の企業のセキュリティレベルの向上、ひいては我が国全体のセキュリティ・レベルの向上にもつながる。

【その他(海外)】

※現在、該当の記事はありません。

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