週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

宗教法人の犯罪インフラ性に注意が必要だ

ビル型納骨堂「梅旧院光明殿」の事件や佐賀「至誠光魂寺」の出資法違反事件など、宗教法人の犯罪インフラ化が懸念される。宗教法人には、国や都道府県に対し財産目録や役員名簿を毎年提出する義務があるが、届出が行われず活動実態が不明な休眠宗教法人なども多数存在し、加えて自治体のモニタリングも機能せず実質的に野放しの状態が続いている。また、宗教法人が生活に困窮する信者を助けるため非営利で融資することは認められており、宗教上の活動で得た収入は非課税だ。宗教法人は、これら特例的な取扱いや規制の緩さが「隠れ蓑」となり、外形的に公正な宗教活動を取り繕い易く、その実態が外部から見えにいという構造的な「犯罪助長性」をそもそも有していると言える。宗教法人という「衣」に惑わされず、その実体や実態を確認することこそ肝要だ。(芳賀)

あるべきコンプライアンスとは何か。自問自答が必要だ。

企業不祥事等でルール違反があれば激しく批判されるが、批判する側の国民はどうか。平成28年2月に新千歳空港で発生した日航機の乗客負傷事故。新千歳空港の猛烈な雪、視認不能、通信不良の中、緊急脱出を余儀なくされた。運輸安全委員会によると、多くの乗客が客室乗務員の指示に従わず手荷物を持って非常口に向かっている。客室乗務員は大きな荷物のみ非常口で取り上げた。それが操縦室ドア前に積み上げられ、蹴破ると乗客の脱出経路を塞ぐ可能性があった為、本来避難誘導の指揮・支援する副操縦士らは避難が終わるまでドアを蹴破れなかった。避難は多くの場合、人の命に関わる。本来避難支援する重要メンバーの行動も制約する。荷物は落下等で他者の負傷リスクを高めるためルールの合理性もある。批判だけではなく、自律的な判断・行動が問われる。(西尾)

ビットコインに便乗、本当のようでウソのアプリに注意!

ビットコインの価格が急騰し続け、関心が高まる中、悪意ある第三者が便乗の機会をうかがっている。ビットコインのウォレットアプリに見せかけた不正なアプリが米 Googleの公式ストアで提供されているのが見つかり削除する措置が取られた。このような、新規サービスや需要の高い正規のアプリを装った手口は、何も目新しいものではない。ただ、ウィルス対策アプリと称したものが偽物だったり、正規アプリをリバースエンジニアリングしてマルウェア化した巧妙な手口もあるなど、流行に合わせて拡散を狙い、より深刻な被害へと繋げる一連の流れが洗練されてきている。アプリ提供側には開発側へのさらなる厳格な審査や身元のチェックが求められるが、対抗手段として利用者個人レベルでも自己責任との認識の下、安全と危険を見極めようと努力していく必要があろう。(佐藤)

商業施設火災による死者相次ぐ、施設のリスクマネジメントが問われる

23日にフィリピンの4階建てショッピングモールで火災が発生し、37人が死亡したとみられる。3階の売り場から出火し、多くは直上階にあるコールセンターの従業員が犠牲となった。17日の大宮の3階建てビル火災でも2階と3階が激しく焼け、5人が死亡した。原因は、ゴミ置き場付近のすいがらの不始末ではないかという話もある。いずれも火災発生階から上層階に向かって炎と煙が襲い、煙による一酸化炭素中毒による犠牲も少なくない。地震は同時に皆が知るが、火災は「知らせる」ことが重要だ。大きな商業施設では、パニックを避けるため、火災発生階と直上階を優先するのが常套だ。もっとも、アナウンスや避難誘導は火災の程度、煙の拡散状況を把握して総合的かつ短時間での判断が必要となり平時の訓練などのリスクマネジメト抜きにはできるはずもない。(伊藤)

テレワークと副業・兼業に求められる人物像

厚生労働省の「柔軟な働き方に関する検討会」ではテレワークと副業・兼業が同じ検討会で議論されている。整理するならば、本業か副業・兼業のいずれか、あるいはその両方におけるテレワークと、テレワーク自体を大別して雇用型と自営型となる。仮に専ら事業場で就業する管理監督者を除く正社員が副業・兼業を検討するのであれば、自営型テレワークによる副業・兼業が現実的であろう。本業ですでに週40時間の労働契約にある場合、副業・兼業は全て時間外労働となってしまうからだ。長時間労働の抑制ばかりが議論されがちだが、一人で労働者と事業主の二つの顔を持つには、納期・コスト・クオリティの面で大きな責任が生じるため、”自律”が不可欠だ。しかし、”自律”はガイドライン(案)の最後に3行しか記述がない。今、議論すべきはここではないか。(新飯田)

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