週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

暴力団離脱者支援に必要なもの

暴力団離脱者の社会復帰に向けた雇用の受け皿作りが進んでいると聞く。警察などの支援で年間600人前後が組織から離脱している。受け入れ側となる協賛企業は2017年時点で全国に約1,600社。工藤会の本拠地がある福岡県では、県内約300社の協力企業だけではなく、広域連携も進めている。一方で企業側の意識が追い付いていない現実もある。これまで排除してきた者を急に迎え入れろと言われても…と困惑や違和感があるのが本音だろう。これらを解消することが最も重要であり、社会的に受け入れる素地があること、本人が真に更生を考えていること、問題を起こさないこと、職場環境が維持できること等の課題を解決する必要がある。真に更生する人間を保証する仕組みがあれば、安心して協力する事業主が増え、暴力団離脱者の支援がもっと機能していくのではないか。(芳賀)

落としただけでは済まされない、スマホ紛失

『スマホを落としただけなのに』という映画が全国で公開されている。サラリーマンがスマホを落としたことで、恋人に身に覚えのないクレジットカードの請求や、SNSでつながっているだけの男からのネットストーキングなどが続く。SNSを使った身元特定やなりすましなど、スマホ紛失・盗難の怖さは人ごとではない。スマホに保存されたクレジットカード番号や暗証番号、およびブラウザに記憶させた各種WebサービスのIDやパスワードなど、悪用しようとする側からすれば、とても収集しがいのある貴重な情報源だ。紛失に気をつけることは勿論のこと、簡単な手順や設定をするだけで脅威を回避できることもある。社用、私用のスマホ問わず、また、業務時間内外においてもトラブルに巻き込まれないよう、あらためてその危険性を知ったうえで複数の対策に気を配りたい。(佐藤)

SUBARU(スバル)完成車不正、社内調査で問題見抜けず

同社が、「2017年末に終結した」と説明していた不正行為が18年10月まで続いていたという。問題が根深いのは、6月に前社長が引責辞任した後も検査不正が続いていたことだ。今回の不正は、国交省のヒアリング調査で発覚し、社内調査では不正を見抜けなかった。社内調査の一環である現場社員へのヒアリングで、事実が述べられていなかったのならば、それ相応の理由が会社の風土に内在していたと考えるべきだ。そもそもヒアリングにはノウハウが要る。調査関係者には、ヒアリングを受けたことによって知り得た情報について、上司を含む第三者に開示、漏洩など行わないなどの守秘義務を徹底し、さらに申告者探しをしない、人事上の報復行為を禁止するなどヒアリング対象者の心理的負荷を軽減することが必要だ。ノウハウを持つ第三者機関の活用も一手だろう。(伊藤)

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