週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

2019年07月08日号

【もくじ】―――――――――――――――――――

ビジネスメール詐欺を防ぐために必要なこと

取引先などを装ったメールで金をだまし取る「ビジネスメール詐欺」の被害が止まらない。香港では、日本企業と海外企業のメールのやりとりをハッキング、送金のタイミングで割り込み、本物の書類も添付してだますなど巧妙な手口が横行、日本の地域金融機関の脇の甘さが犯罪インフラとして犯罪収益のマネロンを助長する構図だ。一方、犯罪組織も国際的に役割分担して摘発から逃れている。「通常の手順と異なるメールでの依頼であれば実在する担当者に電話でも確認する」「不審と感じた場合に社内や取引先と情報共有する」など、何重にも防御策を講じる必要があるが、それはまた、内部統制やサプライチェーン・マネジメントの実効性の問題でもある。技術的側面や物理的側面の整備だけでなく、組織面や従業員の心理的要因にまで踏み込んだ対策もまた重要だ。(芳賀)

水害や土砂災害対策も「自助」が基本

九州南部はじめ、全国的にこれまでの記憶にないほどの量の雨が続いている。宮崎県えびの市では、7月2日時点において800ミリの雨量を記録した。2014年の広島土砂災害の例にもあるように、長雨の後は、それまで安全と思われていた地域でも大量の雨を含んだ土砂が、その後のわずかな雨で崩れる可能性が高くなるので注意が必要だ。国土交通省の資料によると、19年3月末時点において全国における土砂災害警戒区域等に指定されている場所はおよそ38万カ所に上る。これら全ての場所ついて、国や地方自治体が細かく眼を配ることは不可能だ。従って、地震と同じく水害、土砂災害においても対策の基本は「自助」となる。東京都は先日、HPにおいて「マイ・タイムライン」を公表した。普段から災害に対して一人ひとりが備えることが、この大雨を乗り切るカギとなる。(大越)

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