週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

大麻合法化、厳罰化には冷静な議論が必要だ

大麻合法化を巡る議論が世界中で渦巻く。注意すべきは、嗜好用と医療用は別物で明確に区別すべき点だ。国連の麻薬委員会が、「麻薬単一条約」で大麻を「特に危険」とする分類から削除する勧告を可決したが、大麻含有医薬品に有用性が認められたことが主な理由だ。医療用の適切な利用に関しては議論を急ぐべきだろう。一方、嗜好用については、組織犯罪対策に資する、たばこや酒より無害とするという主張や、現に合法化した国や地域が存在するとはいえ、依存性の高さや脳の萎縮効果など若年層への悪影響の大きさや日本の生涯経験率の低さなど、現時点で「合法化」すべき状況にない。むしろ、治療や回復支援の動きが本格化する中、暴力団離脱支援、再犯防止のあり方同様、「一発アウト」「半永久的に人権侵害」から社会的受容への転換を議論すべき時期だ。(芳賀)

改めて問うべき「専門家」の専門的知見

首都圏でもようやく緊急事態宣言が解除された。私はこれまでも延長に反対の見解を表明してきたが、改めて、宣言の恣意的な延長や解除間際に東京都が発した緊急命令等、権力の暴走が顕在化した今回の緊急事態宣言の総括が不可欠であることを強調しておきたい。一方で、専門家と称する医師・専門家から依然として発信される第4波懸念の誇張・緊急事態宣言推奨には呆れるばかりだ。自粛一辺倒の専門家とは異なり、国民は、既に感染予防対策は相当程度に取組んでいるし、コロナの中でコロナ以外の各種リスクへの対応や経済の再興を必死に模索している。専門家としてなすべきことは、徒に脅威を煽ることではなく、それを回避する為の具体的方法を実行することだ。その方法論が緊急事態宣言による自粛・抑制論では思考停止でしかないし、専門家とは言えない。(西尾)

有効な防犯対策を 新たな万引き「ICタグ活用のフルセルフレジ」

以前、大手アパレル製造小売りが導入したフルセルフレジを悪用した万引きの増加を伝えていた。RFID技術を活用したICタグと商品を結んでいる糸を切断して、それを他の商品のポケットなどに入れる手口だ。先日、家族が会計時に2点購入のところ、3点が表示され、店員を呼んだところ、ポケットに他の商品のICタグが入っていたようだ。店員からの説明はなく、不具合のお詫びのみがなされたという。この手口による犯行は「稀」とはいえないほど広がっていると考えるのが妥当だろう。購入点数が多ければ、混入に気づきにくい。そもそも、デジタル技術による会計は正確だという先入観がある。顧客に購入点数の確認を強く促すなどの対策は十分だろうか。ICタグとそれを活用したフルセルフレジの弱点を正視し、善良な顧客を守ることがブランドの信頼につながる。(伊藤)

リバウンドの定義を明確にせよ

首都圏の緊急事態宣言が解除された。ロックダウンは各国のマスコミに登場しない専門家から愚策と酷評されている。妥当な判断といえる。経済を止めて、結局自殺者含め命を奪う。リバウンドへの懸念をTVに登場する専門家が表明しているが、それは何を指すのか。感染者数が増加に転じるとされるが、実態は相変わらず感染者数ではなくPCRによる陽性者数だ。リバウンドと断定するには偽陽性・偽陰性の問題を改善し、Ct値も世界平均に下げる必要がある。実行再生産数も同様の文脈だ。独ドロステン教授が開発したPCR検査診断法も欠陥が告発され撤回を求められている。変異株は種類が多くその病毒性と感染力の反批例の説明もない。関連情報が透明性をもって開示・報道されないままだ。マスクを外して副反応報告が増加しているワクチンに頼るリスクは看過できまい。(石原)

BCPにミクロスケール、メゾスケールの視点を

近年の地区防災計画学会においてミクロスケール、メゾスケールの視点における防災の取り組み研究が進んでいる。国や都道府県単位で行われるマクロスケールの取り組みに対し、ミクロは自治会・町内会・集落単位、メゾは複数の集落や基礎自治体が連携した取り組みを指す。企業におけるBCPがマクロの取り組みであるとすれば、メゾは事業部単位、ミクロは小規模な班やチーム単位での取り組みとも置き換えられる。BCPの実効性を担保するにはメゾ、ミクロ双方の取り組みが欠かせない。そしてそれぞれのスケールごとに欠かせないのがリーダーの存在だ。企業では担当者が慣れてきたころに異動や定年などで配置換えになってしまう場合が多い。新型コロナ対応を始め、これまでの災害対応経験を無にしないためにも、意識的な企業内の防災リーダーの育成が求められる。(大越)

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