30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

官民挙げてAML/CFTの深化を実現したい~令和3年犯罪収益移転危険度調査書から

今回新たに「我が国の環境」に関するリスク分析が追加されたほか、テロや特殊詐欺、サイバー攻撃に関する記述が拡充された。また、実態の不透明な法人や資金移動サービス、暗号資産がマネー・ローンダリングに悪用された事例をはじめ、全体的に具体的かつ多様な類型の事例が豊富に盛り込まれた。FATFの指摘をふまえ、AML/CFT実務の深い理解や活用に資する内容と評価したい。とりわけ、法人(実質的支配者が不透明な法人等)の危険度について、株式会社に比べ合同会社が悪用された比率が高いこと、公証人による定款認証が必要でない合同会社が増えていること、設立後、極めて短期間のうちに悪用されていること、多数の事業目的が登記され、それぞれの目的同士の関連が低いといった不審点が認められる法人の悪用も多いなどの分析は興味深く、実務上注意を要する。(芳賀)

▼令和3年犯罪収益移転危険度調査書

「助かる」ために抜本的な対策を!

大阪市の医療機関での放火事件。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、入院中の方々の一刻も早い回復を願うばかりだ。今回のフロアは、消防法上のスプリンクラーの設置義務もなかったとのこと。行為者が悪いのは間違いないが、行為者への批判だけでは、同様な被害は防ぎきれない。改めて認識しなければいけないのは、火災対策は「人の命に関わる」ことだ。当たり前ながら、この「当たり前」が効率性や費用を理由に、往々にして十分な準備・対策がなされない。我々も、施設のリスク診断等で、「ここで火災が起こると逃げられない」と指摘しても、レイアウトの変更も含めた対策は結局なされないことが少なくない。実践的な視点から少しでも助かる為の対策を抜本的に行うことが重要だ。施設利用者の真の安全に配慮した対策を早急に進めるべきだ。(西尾)

万引き対策 技術革新による付加価値の活用へ人の知見を磨け

RFID技術を用いたICタグや顔認証システムなどは、効率化だけでなく防犯面への期待もある。その思惑とは反して、あらたな手口による万引きが確認されている。新しいシステムが登場すると、その隙をつくような新しい犯罪の手口も生み出されるのが現状だ。防犯システムを導入しても最後はどうしても人が対応せざるを得ない。技術進歩による新しい分野の法的な知見や万引き犯に対する対処のノウハウを組み合わせた専門性が必要になる。万引き犯罪に対する従業員の意識向上や防犯プログラムを実行し、万引きが原因の商品ロス削減への肯定的な社風にまで昇華させる必要がある。防犯意識の向上、ロス削減へ肯定的社風、防犯テクノロジーの活用、これら3つが揃うことによって、その相乗効果でロスの削減ができ、その結果、企業の持続可能性、企業価値を高める。(伊藤)

各国でワクチン接種後の死者数がそれ以前を上回る

米国のコロナ死者数はワクチン接種前よりはるかに多いことが示された。また英国領ジブラルタルは成人の接種率100%だが、新規感染者が爆発的に増加し、接種率94%のシンガポールでは10月下旬に患者数と死亡者数が過去最高を記録、接種率92%のアイルランドでも8月以降に感染者数と死亡者数が倍増。このようにワクチン接種率の高い国々での陽性者・死者数の急増が報告されている。ワクチンの副作用が新型コロナの症状と酷似しているとの論文が複数出ているが、ブースター接種を続ければ死者数増加という構図だ。オミクロン株の後にも次々とVariant(変異種)が登場してくるのは、前回触れた"予定表"があることから間違いない。SARS-CoV-3が発見され、COVID-22or23に繋がるシナリオかもしれない。パイロットやアスリートの死亡も多数報告されている。しかし何故か報道されない。(石原)

▼米国のコロナ死者数は「ワクチン接種キャンペーンが開始されてからの方がはるかに多い」

▼米国のパイロット死亡は、Covidワクチンのロールアウト後に1,750%増加

▼341アスリートの心停止、深刻な問題、194人の死者、COVIDショット後

火災避難の原則は「2方向避難」

大阪市北区の雑居ビルで男女24人が死亡した放火殺人事件。亡くなられた方々には心から哀悼の意を表したい。「酒田の大火が私の研究の始まり」と話す神戸大学名誉教授の室﨑益輝先生は、今回の事件について「2方向避難の原則が守られていなかった」とする。ビル内で火災に遭ったとき、避難経路が1方向にしかない場合、今回のように袋小路になってしまい被害が発生する可能性が高い。避難経路や非常口を2経路以上持つことが、火災避難の基本となる。しかし、そのことが建物側に大きな負担がかかるというケースについては、代替措置などを考慮して規制が緩和されるという。今回の建物でも、4階の診療所の面積が100平方メートル未満なので階段は1つでよいという判断だったようだ。「法律には違反していない」というだけでは、安全性は担保されないのだ。(大越)

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