30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

特殊詐欺は「つながり」で防ぐ

特殊詐欺の被害防止においては「確証バイアス」(無意識のうちに自分に都合のいい情報、自分の主張を後押しするような情報ばかりを集める傾向)や「楽観性バイアス」(特に根拠がないにもかかわらず、自分と同じような属性を持った他者よりも、自分は不幸な出来事に見舞われる可能性が低いと考える傾向)への対応が重要だ。例えば、「自分は被害に遭わないと思っていた」と被害にあう可能性を過小評価する傾向はこれらのバイアスが原因だ。また、詐欺の電話を受けた際に確実に見破ることは難しく、冷静な判断が期待できない点にもバイアスが関係する。つまり、電話に出ないことが重要であり、迷惑電話防止機能の活用がベストだが、実は高齢者にとってはそう簡単なことではない。家族や地域住民、金融機関などが連携して活用を促し続けることが鍵となる。(芳賀)

玉石混交のカスハラ対応ノウハウ~「本物」を見極める力は、危機管理の重要な要素

深刻化するカスハラへの対策の一つとして、対応要領を明確化してマニュアルや研修に落とし込むべきだが、企業が様々な資料、書籍を利用する上で、常に意識しておかなければならないのは、「生兵法は大けがのもと」ということだ。例えば、厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」に記載されている対応要領は、肝心な部分は「状況に応じて、警察や弁護士に相談する」と書かれているだけで、現場が一番知りたい「状況に応じて」の具体的な例示の記載はない。また、カスハラ対策推進を自称する協会が公表している内容には、CS対応すら蔑ろにする「あり得ない内容」が書かれている。これでは従業員や企業は守れない。「看板」に踊らされず、カスハラに精通した真に信用に足る専門家やノウハウを見極めることが最優先・最重要事項だ。(西尾)

説明責任の意味を解せぬ政治家

民間企業の記者会見における失態が続く。ほとんどが説明責任を果たしていない。会見終了後の論調を見ても、彼らを擁護する言説はほぼ皆無だ。一方、その範となるべき政治家はどうか。10月13日、細田博之衆議院議長が辞任表明の記者会見を開いた。主題はセクハラ疑惑と旧統一教会との関係だ。これまで同氏はこの二つの問題に対して、会見はおろかまともな対応をしてこなかった。むしろメディアからは、"逃げ回っていた"と見られていたのである。さてその結果、今回の会見はどうだったのか。実際は50分程度にはなったが、当初30分に限定し、参加記者まで限定した。質問NGリスト以上、いや以下である。疑惑に対して、何ら納得のいく説明はなかった。この国ではそもそも政治家が説明責任を拒み、その意味も理解していない。記者会見の形骸化が止まらない。(石原)

「新潟県中越大震災20年プロジェクト」がキックオフ

2004年10月23日に発生した新潟県中越地震。来年が20年の節目に当たるため、昨日「新潟県中越大震災20年プロジェクト」が発足し、長岡市でキックオフミーティングが行われた。知らない方もいると思うので振り返っておくと、中越地震は阪神・淡路大震災以降で初めて震度7を観測した地震で、震度5弱以上は18回、震度1以上は1000回以上発生した直下型地震。小千谷市や山古志村などで犠牲者68人、負傷者約5000人の大きな被害をもたらした。当時はまだBCPが国内において黎明期であったため、多くの自動車メーカーなどが生産中止に追い込まれた。その後、07年の中越沖地震、能登半島地震と大きな地震が連続して発生し、そのたびに多くのメーカーに影響が出たため、全国的にBCPが普及するきっかけともなった。BCP担当者であればぜひ知っておいて欲しい災害の1つだ。(大越)

「盗撮に気を付けよう」とはいうものの…

駅のお手洗いにて。個室内を見渡すと、背後の台上にスマホが置いてある。まさか盗撮?今年7月に性的姿態撮影等処罰法ができた…はいいが、これが録画中かどうかはどう確認するのか?自分が触れてはダメだろう。ネットワークカメラなら凝視したら即切断されるだろうな、証拠のためとはいえ今自分がシャッター音を響かせるわけにも…と一瞬パニックに。いや落ち着いて。盗撮ならこれほど堂々と置かないはず。スマホはケースに入っており、レンズはこちらからは見えない方向。最悪、音だけだ。ただの忘れ物と判断し、普通に使用して外へ出ると、小柄な女性が待ち構えており、急いでスマホを回収して行った。「念のため録画や録音がONになっていないか確認させてください」と声を掛けるか迷ったが、もしONだったらどうする?もしもの時の対応は案外難しい。(吉原)

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