2026年08月03日号
【もくじ】―――――――――――――――――――
特殊詐欺被害防止に向けて「できることは、すべてやる」
特殊詐欺被害に歯止めがかからない。SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺を含む特殊詐欺の2026年上半期の被害総額は1,816.2億円と前年同期比+618.8億円、51.7%の増加となった。とりわけSNS型投資詐欺の被害総額は797.9億円で何と2.2倍という深刻さだ。また、猛威を振るうニセ警察詐欺の被害総額は507.9億円と27.3%増加したが、認知件数がマイナスに転じた点に注目したい。例えば、ニセ警察詐欺の東京都内における2026年1~5月の認知件数が前年同期比38.8減の548件、被害額が同38.3%減の61億7069万円といずれも約4割減少、ほぼ同じ時期にアプリのダウンロード数が倍増したことも判明した。また、高齢者のATM付近での通話を禁止するなどした「改正大阪府安全なまちづくり条例」も施行から1年が経過。未然防止に威力を発揮しはじめた。こうした好取組事例が全国に拡がることを期待したい。(芳賀)
私たちは絶対に今回のことを忘れてはいけない
災害時の企業の対応のまずさを書くことはしないように努めてきたが、今回ばかりは書かずにはいられない。「もし可能であれば売上金を金庫に戻してくれないかと。もし入れるのであればと言った」。この会社からの心無いひと言が、1人の貴重な人生を奪うことになった。前回の熊本地震では震度7の地震が2回、震度6強が2回、震度6弱が4回、震度5強が5回、震度5弱が14回と震度5弱以上の地震だけで27回発生した。震度1以上は1か月以内に1000回以上観測されている。ガス爆発は予見できなかったとしても、その後の大きな余震は予見できたはずだ。前回の地震では、倒壊した家に保険証を取りに行った方が余震でお亡くなりになった例もあった。企業の冷たい業務命令が、命を奪うこともある。BCP担当者として私たちは絶対に今回のことを忘れてはならない。(大越)
何が起きるかわからない中で「指示」をするということ
大地震が起きる度に、見たことがない光景に出会う気がするのは筆者だけだろうか。多くの人が集い、カラフルで頑丈そうに見えた建物を、一瞬で灰色の廃墟に変えるほどの爆発を、誰が想像できただろう。お金より人の命が大事なのは当然のこと。だが人の命が脅かされていない平時なら、お金の管理は重要だ。その場が安全なのか危険なのかは、現場にいる人にすらわからない。ましてや電話の向こうの人なら、もっとわからないだろう。爆発時、広いモールの別の場所では、猫カフェの店員が共に働く命である猫の安全確保のために、まだ店内で働いていた。場所が違っただけ、守ろうとしたのがお金ではなく猫の命だっただけ。何が正解かわからない中で、指示をすることはとても難しく、重い。不適切な指示をした人を責める前に、自分ごととして認識したいものだ。(吉原)
災害関連死を防ぐには~避難所や車中泊での熱中症対策を例に~
令和8年熊本地震によって、ご自身、ご親族、ご友人等が影響を受けられた方々に、心よりお見舞い申し上げる。今回の地震は、猛暑日が続く中で発生した大規模地震として極めて異例であり、避難生活における熱中症対策の重要性を改めて浮き彫りにした。厳しい暑さが続いており、車中泊では車内温度が急激に上昇するため、熱中症の危険性が高まる。こまめな水分・塩分補給、日陰への駐車、十分な休息を徹底することが重要だ。平成28年熊本地震においても避難生活が原因とみられる災害関連死が発生していた。高齢者や持病のある人への体調確認も欠かせない。自社の従業員や家族が被災している可能性を踏まえ、安否確認や避難生活における健康管理支援に加え、熱中症予防に関する情報提供を積極的に行うべきだ。命を守る行動を最優先とする姿勢が求められる。(安藤(未))
▼内閣府「災害関連死について」
▼内閣府「災害関連死事例集(増補版)について(概要)」
▼内閣府・消防庁・厚生労働省・環境省「災害時の熱中症予防~避難生活・片付け作業時の注意点~」


