30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

警告が無視された形だ~GMO社の「経営判断の原則」が問われている

GMOのサービスが不正アクセスを受けた問題で、子会社のセキュリティ企業(イライエ社)が2024年4月に脆弱性を指摘していたことが判明した。システムの抜本的な見直しを求めたものの十分な対応がなされずに被害を招いた形だ。報道によれば当時、イエラエ首脳がGMOの幹部に脆弱性の発見と対策の必要性を直接報告し、今回不正アクセスを受けたFX関連サービスが含まれ、攻撃者が脆弱性を悪用すればFX取引に必要な認証情報を盗むことができると指摘していたという。「24時間常時稼働を売りにするサービスを全面停止する決断ができなかったのだろう」(同社幹部)との指摘もある。AIなど科学技術の進歩は目まぐるしく、正確に将来を見通すことが困難な状況だが、事実認識に不注意な誤りがなく著しく不合理な判断でなかったか、「経営判断の原則」の検証が必要だ。(芳賀)

平等と公平の違い

以前働いていた会社の総務部には、当番があった。朝の来客等がない時間帯に、本社ビルを上から下まで歩き、防火設備に異常がないか、照明が切れていないか、会議室に必要な備品が揃っているか等を確認し、整えるというもの。不具合がなければ30分程の単純な業務だが、毎日同じ人に任せるには負担が重いと、総務部長も含む6名で「平等に」担うことになったのだ。しかしいざ運用を始めると、かなりキツイ。週に1度あるかないかとはいえ、その日に9時半から来客があったり、朝一で対応すべき業務が重なったりすれば、早出が必要になる。その日だけなら誰かと交替してもらえるが、別の日の負担が増すだけで、やらずに済むわけではない。日常の業務量や困難度、忙しい時間帯等が異なれば、同じ業務でも負担感は大きく異なるのだ。平等は案外「不公平」だ。(吉原)

アナログな手法による情報の窃取にも要注意

企業や行政機関等を狙うサイバー攻撃が相次ぐ一方、注意すべきはデジタル上の脅威だけではない。例えば、静岡市では、市が管理を委託する駐車場の駐車券紛失届約300枚がなくなり、拾ったと名乗る人物が委託業者に金銭を要求し、記載された個人情報の一部を読み上げる事案が発生した。また、警視庁遺失物センターをかたる偽の封書を送り、二次元コードや電話を通じて個人情報を騙し取ろうとする手口も確認されている。人間の心理的な隙やミスにつけ込んで情報を盗み出す「ソーシャルエンジニアリング」という手法もある。情報窃取の手口は、サイバー攻撃だけではない。企業には、システムの防御に加え、紙資料や郵便物、委託先等、アナログな経路も含めて情報管理体制を点検し、不審な事象を速やかに相談・報告できる体制を整えることが求められる。(安藤(未))

▼静岡朝日テレビ『相次ぐサイバー攻撃に「デジタルよりアナログ」の声 「100万ドル支払え」ハッカーから脅しのメールも 静岡県民は…』(2026/10/27 19:18)
▼テレビ朝日『個人情報の漏洩被害、番組スタッフも “アナログ”ニセ封書詐欺も 情報悪用の可能性』(2026/10/12 11:45)

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