週刊危機管理Plus 2018年1月15日号



銀行から警察庁DBへのオンライン照会がスタート~その今日的意味

反社チェック実務で過度にデータベース(DB)に依存することは危険だ。反社会的勢力から見れば、自らに代わってDBに該当しない者に取引をさせればよく、反社会的勢力の不透明化・潜在化、手口の巧妙化をさらに助長しかねないためだ。一方、そこに安住することによって現場の目利き力の低下も招きかねないおそれすらある。金融庁は既に平成26年6月の監督指針改正のパブコメ回答で「警察庁DBとの接続のみをもって(適切な態勢が)構築されたと判断するものではない」と指摘している。さらに、見極めについては、「自社のDBや現場での交渉記録、警察等からの提供情報等を総合的に勘案した上で判断することが必要」とする。今回の警察庁DBは、実務上の限界や課題があるとはいえ、暴排実務の実効性を高める「有力な武器が増えた」程度で捉えるべきだろう。(芳賀)


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攻撃の標的は仮想通貨、取引の安全性は十分か?

昨年破綻した韓国の仮想通貨取引所へのサイバー攻撃は、北朝鮮による関与が指摘されている。現在確認されている手口としては、第三者のPCやスマホなどを不正利用して正規の手段で仮想通貨を得る手法で、今後も巧妙化する恐れが高い。今後も攻撃の対象になるのは取引所や利用者であり、仮想通貨自身の安全性の問題とは別の、販売業者や関係者のセキュリティ上の問題が仮想通貨市場を壊滅的な状況に追い込む可能性が十分に出はじめている。新たな脅威に対応すべくセキュリティシステムの確立と取引の安全が確保されないかぎり、仮想通貨はリスクにさらされ続けることになる。利用者として、脅威の認識と日常的に利用する周辺機器のセキュリティチェック、事業者として遅れることなくシステム脆弱性対策を進めていける仕組み作りが最重要課題になるだろう。(佐藤)


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「悪意の混入」へのドーピング対策の難しさ

カヌー・スプリント競技でライバル選手への禁止薬物混入問題で公益社団法人日本カヌー連盟が公表した対策は、ジュニア競技の時代からの教育と合わせて2020を目指す第一線の選手に対して「プレイ・トゥルー」の精神を涵養していくという。また、連盟主催の試合では「ドリンク保管所」を設けるとしている。今回の問題は「他者による混入」は立証が困難で、被害者の競技人生を左右しかねないことを示した。日本でも他者による禁止薬物混入は「想定内」としたドーピング対策規定に改め、各競技団体は教育を徹底すべきだろう。連盟など中央競技団体は、選手登録や出場選手を選ぶ権利をもつ唯一の独占的な団体であるがゆえに、外部の専門性を取り入れた変革も必要だろう。「成績至上主義」に偏らないスポーツ・コンプライアンスを徹底した選手強化が求められる。(伊藤)


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ベテラン市議が暴力団示唆して逮捕、立ち遅れる「地方の暴排」

福岡県中間市の市議会議員が恐喝で逮捕された。同議は特定危険指定暴力団「工藤会」との関係を示唆しており、昨年には工藤会から同市への用地売却も仲介もしたという。同議員は元暴力団員で、平成7年の初当選から7期連続で当選していたが、過去には怪文書が出回ったり拳銃で殴られたりしていた。元暴力団員という前歴があろうとも、被選挙権自体は参政権として補障されており、それが制限されることはない。これまでにも浜田幸一や中井啓一(一和会顧問)など、有権者の信認を得た(元・現役)暴力団員は少なくない。しかしながら、国内で暴排の機運が高まるなかでは、有権者も「よき市民」として、その姿勢が問われる趨勢にある。一方、事業者は、市議会議員本人に対してだけでなく、事業環境に対するリスクセンスとしての健全な懐疑心が必要だろう。(山岡)


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