週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

「つながり」からの「悪意」の排除

金融庁のAML/CFTガイドラインで示されたリスクベースアプローチ(RBA)や営業・管理・監査の「3つの防衛線」管理態勢に反社リスク対策の視点を加味し、サプライチェーン・マネジメントの厳格化に対応することが、「厳格な顧客管理」の本質だ。KYCからKYCCへ、つまり「つながり」こそが、今後のリスク管理で最も重要なキーワードの一つだ。「悪意」と「悪意」のつながりはもちろんだが、利便性や脆弱性、匿名性と「悪意」のつながり等、「悪意」と何かが「つながる」ことによって犯罪が引き起こされるのであり、インターネットやSNSに代表されるその「つながりの容易さ」が犯罪の敷居を下げている現実がある。厳格な顧客管理は「つながり」全体から「悪意」を排除する取組みだが、「悪意」はどこにいるのか。まずは現場のリスク感度を高めることから始めたい。(芳賀)

全国万引犯罪防止機構(万防機構)が「収益2倍へ!ロスプリベンション教育と盗難情報共有の実現に向けて」に関するシンポジウム開催

万防機構が3/8にシンポジウムを開催し「Relationship」をキーワードとして、万引に苦しむ小売店と地域、警察、同機構が連携して万引に対峙するという。日本では、1兆円、2兆円ともいわれるロスが発生しており、うち約半分が万引とされる。近年は、日本で万引きされたものが、海外で販売される組織的な窃盗が増え、1回の被害点数が100点に及ぶケースもある。また、フリマアプリなどを通じて転売する目的の犯行も後を立たない。このような万引のビジネス化に小売店の対策も強化が求められよう。にもかかわらず、現場では未だ売上至上主義に陥り、ロスに無関心な従業員も少なくない。そのような風土の改善は、人への働きかけや教育などの地道な取り組みでしか変えられない。単に先進の防犯システムに目移りするよりも従業員に防犯意識を浸透させる教育の方が先決だ。(伊藤)

「みんなやっている 」正当化許すな──スポーツコンプラ、アマこそ性悪説の適用を

盛況に終わったピョンチャン五輪であるが、ドーピング摘発第1号が日本選手となった不名誉も忘れてはならない。日本は他国に比べてスポーツコンプライアンスや反ドーピングの気運に乏しく、アスリートに清貧の幻想を見る市民も多い。しかしながら、スポーツナショナリズムも併せて加熱する競争主義のもと、スポンサー市場は一部の大会やリーグに集中しており、そこでの結果が選手の名声も生涯所得も左右する。各種薬物は日進月歩で進化し、神経系の薬物や副作用の緩和剤など科学の粋が尽くされ、アスリート向け医療コンサルティングでは「ルール内で最大限の科学的手法」が提供されている。端的には、これら強烈な誘惑のもと「みんなやっている」性悪説の実態と、その肉体的・精神的ハンディを前提とした、強靱なスポーツコンプライアンスが求められよう。(山岡)

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