週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

2018年10月22日号

対面における本人確認の脆さ~地面師問題を考える~

地主になりすまして架空の土地取引を持ちかけて多額の代金をだまし取る「地面師」グループが摘発された。割安な価格で土地取引を持ちかけて契約を急がせる、地主になりすました者や善意の弁護士等が登場する、精巧に偽造された旅券や印鑑証明、不動産登記等が使われるなどがその手口だが、「道具屋」の仕事がそれにリアリティを加える点も特徴だ。一方で積水ハウス側の対応もお粗末だ。地主役の本人確認で干支や誕生日が不正確だった、仲介業者にペーパー会社を提案された、本来の土地所有者から警告を受けたなど、不審な点が多数ありながら「何ら疑いを差し挟まないまま契約を急いだ」という。対面における本人確認の脆さは、名刺の情報を何ら疑わないリスクセンスの鈍さもあるが、冷静かつ合理的な判断を曇らせるガバナンスの問題も指摘しておきたい。(芳賀)

相次ぐ大規模情報流出問題、対応が後手に

米フェイスブックに続き、米グーグルもソフトウェアの不具合から最大50万人分の個人情報が外部に流出した恐れがあると発表した。グーグルは今年3月、今回の問題に気付いたが、「情報が不正に利用された形跡がない」「影響の範囲が不明である」などの理由で公表を控えてきたとしている。現状では被害は確認されていないとしても、流出した個人情報の多くが闇サイトなどでの取引材料となり、将来的に犯罪集団にわたる恐れがある。数十億人の個人情報を保有し、利用者の個人情報を集めて収益を得ている事業者としての責任は重く、信頼感を高めるには、透明性を向上させることが欠かせない。何よりも規制強化や企業イメージへの影響を回避するため、事実を隠していたことが問題視されるし、このような開示姿勢は被害を回避するための近道とはならない。(佐藤)

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