週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

半グレの多様性をふまえた対策が必要だ

半グレ(準暴力団)の実態は多様だ。自らの活動が著しく制限された暴力団が半グレと共存関係を持ちシノギを展開していると考えるのが一般的だが、それは、昨年12月に55人が逮捕された半グレ「アビス」のような関西の半グレの実態に近い。「関東と関西では考え方も生き方も違う」とは関東連合OBメンバーの言葉だが、関東の半グレは、暴力団の下請けではなく、合法から非合法ビジネスまで自ら収益源を確保している点が特徴だ。関西では半グレの社会的害悪が深刻化しており、大阪サミットやラグビーW杯など国際イベントを控え、暴力団の下請けである半グレは厳しく摘発されていくだろう。一方、関東の半グレの実態は「ない」に等しく、暴力団との接点も限定的だ。半グレを暴力団との接点だけで一律に捉えると、その本質を見誤る可能性もあり注意が必要だ。(芳賀)

2019年のセキュリティ動向(2)

昨年は不正な仮想通貨マイニングの脅威が世間を騒がせたが、引き続きマイニングマルウェアや手口が今後より巧妙化するものと考えられる。仮想通貨自身の安全性の問題とは別の、販売業者や関係者のセキュリティ上の問題が仮想通貨市場を壊滅的な状況に追い込む可能性がある。先月はイーサリアムウォレットやマイニング機器に対する大規模なスキャン活動が観測され、11月に比べ3倍にまで増加している事が指摘されており、脆弱性を突く大規模なハッキングの予兆だ。新たな脅威に対応すべくセキュリティシステムの確立と取引の安全が確保されない限り、仮想通貨はリスクに晒され続けることになる。利用者として脅威の認識と日常的に利用する周辺機器のセキュリティチェック、事業者として遅れることなく脆弱性対策を進めていくことが求められる。(佐藤)

航空機、客船で相次ぐ飲酒問題、安全運行管理への懸念

日航の乗務中の女性客室乗務員からアルコールが検出された問題で国交省は、日航に対して業務改善勧告を出した。日航は英国で飲酒問題によって副操縦士が実刑判決を受けたばかりだった。また、商船三井客船のクルーズ船が埠頭に衝突した事故で、操船した船長からアルコールが検出され飲酒が発覚している。いずれも批判は免れまい。商船三井客船の社内規則では、当直開始の4時間前以降の飲酒を禁止、当直交代時に前任者と交代者で確認し合い、飲酒の疑いがあれば感知機で検査するという。規則が甘くないか。アルコールには依存性があり、化学作用によって脳に報酬系のドーパミンが放出され、幸福感がもたらされる。依存のメカニズムはギャンブルや違法薬物と同様だ。従業員への教育は必須だが、徹底が求められるだけに性善説を排した対策が不可欠だ。(伊藤)

南海トラフ地震情報の最新事情(4)

2016年に発生した熊本地震では、4月14日21時26分に気象庁震度階級で最も大きい震度7を観測。その後16日未明にも震度7が観測されたほか、震度6強が2回、6弱の地震が3回観測された。今年7月に発生した大阪北部地震の最大震度が震度6弱だったことを考えれば、その大きさが分かるだろう。歴史を振り返ると、1854年の安政東海地震(M8.6)の約32時間後に安政南海地震(M8.7)が発生している。報告書によると世界的に見ても、M8.0以上の地震発生後1週間以内にM8クラスの以上の地震が発生する頻度は10数回に1度程度ときわめて高く、「大地震が発生したら、その後にまた大地震が高い確率で発生する」という事柄は、歴史的にも科学的にも証明されているのだ。この考え方を応用したのが、今回の「半割れ」「一部割れ」「ゆっくりすべり」だ。(続く)(大越)

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