週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

特殊詐欺対策の実効性を高めたい~警察庁「オレオレ詐欺被害者等調査」

本調査結果によれば、金融機関等による声掛けにより多くの被害が食い止められている一方で、被害者の3割弱が、だましの電話等を受けてから現金等を交付するまでの間、金融機関等から現金等を渡すのを思いとどまるよう声を掛けられていたものの、結果的に被害を防ぐことができていなかったという。一方で、「警察官が来た」、「別の場所(応接室)等に案内された」、「支払いや手続きを一旦止められた」などの対応が、被害の阻止につながっているとも指摘されている。特殊詐欺対策においては確証バイアスの呪縛をどう解くかが大きな課題だ。「そもそも犯人からの電話に出ないための対策」「家族間での小まめな情報共有」「警察と金融機関等が連携して、より踏み込んだ窓口対応を行う」ことが被害防止に効果的との結果をふまえた対策の実施が急がれる。(芳賀)

ダウンロード規制、拡大の方針

違法著作物のダウンロード規制を拡大する著作権法改正案が波紋を広げている。漫画などを無断掲載する海賊版サイトの被害が深刻化する中で、その対策の一つとして対象を悪質サイトなどに限定せず、著作物全般に拡大する見通しだ。音楽や映像にくらべて、イラストや文章などは誰もが気軽に作成できるので、権利者の層は圧倒的に広がる。中には、権利を強く主張せず、むしろ、広く共有されることに喜びを感じる権利者もいるだろう。だが、利用者にはどれが違法でどれが合法かはすぐには分からない。守ることが難しい法律ができることでモラルハザードを引き起こす懸念もある。著作権保護の大切さは身にしみて感じるが、創作や研究、情報収集活動を萎縮させないように、競争力を損なわず文化も守る海賊版対策にするためにまだまだ知恵を絞る必要がある。(佐藤)

24時間営業を巡りセブンイレブン本部と加盟店が対立、リスクの芽は現場にある

本部と店舗オーナーとの間で24時間営業を巡る対立が起きている。同店は19時間に営業を短縮し「本部から違約金は1700万円と言われた」と話している。背景には人手不足があり、オーナーが28時間働いたこともあったという。本部側はオーナーに、契約違反状態が続くと契約解除のなり得るという点と違約金が発生する可能性について説明したという。本部側には契約というシステムの根幹の部分での妥協は、いわゆる「蟻の一穴」でフランチャイズシステムの崩壊につながるという危機感があろう。本来、本部と加盟店の関係は信頼が基礎であり、契約を盾に争うのは最終手段だ。本部側は加盟店の発していた端緒を見逃していたか、軽視していた可能性がある。店舗が報道に訴えたことで、本部側も大きなダメージを負う。リスクの芽は現場にあることを忘れてはならない。(伊藤)

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