週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

暴力団の定義の限界

異なる指定暴力団に属する組員同士が特殊詐欺等で連携するケースが増えている。「かけ子」や「受け子」、リクルーターやアジトの手配など役割が専門化し、それぞれを得意とする組員らが組織の垣根を越えて連携しているという。直近でも抗争中の2つの山口組の組員らが摘発された。抗争すら下部組員にとっては「他人事」であり、上納金の支払いのための資金獲得活動こそ「自分事」とする事実は極めて重い。さらに、このような「貧困暴力団」の実態は、指定暴力団の指定の要件の一つである「組織性(ピラミッド型の統制)」を否定するものとして極めて重要な意味を持つ(実は「半グレ」も組織性の緩さが特徴だ)。暴力団の再定義が急務の状況だが、一方で、「暴力団か否か」の判断基準はもはや意味を持たなくなっている点にこそ着目する必要があるだろう。(芳賀)

新型コロナウイルス対策のための時差出勤・テレワーク実施の広がり

新型コロナウイルスの感染拡大を防止で、企業の間で職場に出勤せずに在宅などで働くテレワークや公共交通機関のラッシュを避ける時差出勤を呼びかける動きが広がっている。これまではテレワークや在宅勤務に対して、セキュリティやコミュニケーション、時間管理など建前上「できない理由」が先に立っていた感じが強かったが、差し迫った危機が促す企業の動きは、多くの人が会社に集まって働くという社会構造に影響を及ぼすかもしれない。多様な職種・人材が最適な場所・時間を自身で選択できるようにするということも大事だ。これに加え、今回の新型肺炎のリスク回避だけに限らず、震災や台風、停電など緊急事態下での事業継続体制のための備えとして、「緊急時の場合の在宅・テレワーク」という観点でのシステム・制度の整備が求められている。(佐藤)

新型コロナウイルス対策 まず「出張禁止」の検討を

新型コロナウイルスのアウトブレイクが目の前に迫ってきた。今すぐ企業ができる対応の1つは「時差出勤」(できればテレワーク)と「国内出張の禁止」だろう。現在、イベントの開催や社内会議も含む会合について多くの問い合わせをいただいているが、リスクが高いのは「集まる」リスクよりも「移動する」リスクだ。新幹線や飛行機など長時間の密室移動は、室内でウイルスをまき散らし、感染者を増やし、さらにそれを新しい場所に運んでしまう。イベントとは「全国各地から公共機関で人が集まり、公共機関で帰っていく」ことだ。これがもっとも感染を広げるリスクが高い。同様のことが出張にも言える。例えば社内会議とはいえ全国から人が集まれば、人数は関係なく全く同じリスクが発生するだろう。これから入社式など移動の季節だ。十分検討してほしい。(大越)

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