週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

アフガン戦争終結か。IS復活阻止の視点も重要だ

新型コロナウイルスが猛威を振るう中、注目度は今一つだが、米とタリバンが和平合意文書に署名したことは、アフガン戦争終結への歴史的転換点となりうる重要な出来事だ。だが、アフガンで米軍がプレゼンスを低下させることは、「イスラム国」(IS)の復活にもつながりかねない点で注意が必要だ。そもそもシリアやイラクにおいて、ISが実効支配地域を拡大できたのは、政府の機能不全や内戦、宗派・部族対立による混乱といった「人心・国土の荒廃」がテロの温床となっていたためだ。今回、「力の空白」が生じ混乱を招くようなことがあれば、ISは各地のロンリーウルフやホームグロウン・テロリスト、世界中の信奉者やIS元戦闘員、外国人戦闘員などに思想的に呼び掛けていくことが容易に想定される。「力の空白」をどう埋めていくか、これからが正念場となる。(芳賀)

総理の会見に見る危機管理コミュニケーションの教訓

新型コロナウイルスの件で安倍総理が会見したが、遅すぎだ。イベント自粛や休校要請等社会的な影響の大きい事項は、感染拡大防御の強い意思とともに、もっと早い段階で直接国民に伝えるべきだった。説明不足の点も含め、消極的な印象しか残らない。また、クライシスコミュニケーションは平時のリスクマネジメントなくして成功しない。転売業者の悪質なデマに惑わされティッシュやトイレットペーパーの買い占めが起こり、総理も冷静な行動を呼び掛けたが、急な休校決定を受けた食品需要による一部食材の品薄が拍車をかけ、買いだめは収らない。モリカケ問題や桜を見る会等で文書破棄や説明放棄等不誠実な対応を繰り返してきた安倍総理。在庫があると言っても、その言葉は国民に信用されない。平時の危機管理コミュニケーションを疎かにしてきた証である。 (西尾)

ネットワーク侵入の60%は「盗んだ認証情報」「ソフトウェアの脆弱性」を利用

IBMのサイバー脅威に関するレポート「IBM X-Force脅威インテリジェンス・インデックス2020」よると、被害にあったネットワークへの最初の侵入に以前盗んだ認証情報やソフトウェアの既知の脆弱性が利用された割合が60%を占めている。これは、攻撃者は相手を欺くことなく侵入が可能であったという状態が多くの割合を占めているということを指しており、事業者は自ら都合の悪い状況を生み出していることになる。攻撃者にとってみれば、複雑に絡み合ったシステムの中からひとつでも脆弱な箇所を見つけ出し、内部に侵入することができれば、そこを起点に様々な情報資産を盗み出すことができる。攻撃者側にとって有利な状況(選択肢)をさらに拡げないために、守るべき情報に対する安全への十分な配慮と不備を放置・見過ごしていないかをあらためて確認する必要がある。(佐藤)

セブンイレブン 夜間の自動販売機(自販機)営業実験開始

同社は夜間は自販機だけで営業する店舗の実証実験を始めた。店内に自販機だけの売場を設け、午前0時~6時は自販機のみ営業する。人手不足の解消を見込んだ施策だ。150㎡の売り場のうち30㎡の区画に自販機6台を設置する。おにぎりやサンドイッチ、入れたてコーヒー等を販売する。同社は近年、自販機を工場や学校、オフィスなど100人以上集まる施設に設置してきた。旧来、もっとも自販機に否定的だった同社の変化対応だ。施設側は電気代のみ負担し、商品補充等は近隣の店舗が管理する出先販売のような格好だ。施設側の飲食需要に対する利便性は高いだろう。ただ、今回の実験では自販機区画が大きいため、日中の売場効率や全体の品揃えの幅を犠牲にしている可能性が高い。売り場効率の高いコンビニにとって、自己否定すら厭わない変化対応への模索が続く。(伊藤)

新型コロナウイルス対策 従業員のメンタルヘルスに注意

経済産業省は2月28日、全国の中小企業における新型コロナウイルスの影響による売り上げの落ち込みに対して、「セーフティネット保証4号」を発動した。この措置により、新型コロナウイルス感染症により影響を受けた中小企業は、信用保証協会が一般保証と別枠で融資額の100%を保証する。中小企業の経営者の方々はぜひ参考にしていただきたい。一方で、27日には政府から小中学校の休校要請が発せられた。たとえ会社での業務が通常通りであったとしても、小さい子供のいる家庭では家庭内での業務量が大幅に増える。加えて明らかにデマと思われるSNSの投稿でトイレットペーパーの買い占めが発生するなど、日常生活におけるストレスは今後も日に日に増していくだろう。経営者は従業員のメンタルヘルスに十分配慮しながら、事業活動を継続させる必要がある。(大越)

新型コロナウイルス感染症に係る中小企業者対策を講じます(経済産業省)

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