週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

特殊詐欺対策のあり方~警察庁「特殊詐欺認知・検挙状況等(令和元年)について」を読み解く

特殊詐欺の被害が高止まりしたままだ。昨年1年間の被害状況や取組状況を概観すると、特殊詐欺対策のポイントがいくつか見えてくる。例えば、特殊詐欺被害の6割以上を占める「オレオレ詐欺」対策や被害の7割近くを占める「高齢女性」対策、受け子の3割近くを占める「少年」対策、主導的な立場で特殊詐欺に積極的に関与する「暴力団」対策などについては、従来から重点的に取り組まれているが、加えて、70代から60代へターゲットが移行しつつある還付金等詐欺対策の見直し、被害の5割以上を占める「キャッシュカード(手交型・窃盗型)」対策、さらには犯行拠点の多様化への対応、警察官や銀行協会職員等の詐称に騙されるケースが急増している「なりすまし」対策、少年に代わる使い捨て人材としての「外国人」対策などの視点も重要となっている。(芳賀)

新型コロナ便乗詐欺に注意

「ウイルス除去に数万円」「マスク無料で送付」など新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、「水道管のウイルス除去に数万円」と要求してきたり、厚労省検疫所や保健所職員を名乗る人物が家族構成や個人情報を聞いてくる不審な電話が各地で報告されている。また、ショートメッセージサービス(SMS)などで「マスクを無料で送る」など記載されたURLにアクセスすると偽サイトに誘導され、不正なアプリがインストールされたり、個人情報を盗まれたりするおそれがある。不安な心理状態で何とかしたいと考えている人が詐欺行為に巻き込まれる可能性がある。安易な接触や不用意な信用は絶対に避けるとともに、情報の真偽をしっかりと見極め、悪質な二次被害に遭わないために注意が必要だ。社会に不安が広がっているときこそ、詐欺の手口を知り、デマや不確かな情報に惑わされないよう、冷静な判断を心がけたい。(佐藤)

ネットバンキングの「ワンタイムパス破り」 予防や被害抑制の自衛策を

警察庁によると2019年にネットバンキングの不正送金の被害に遭った個人口座1852件のうち、56%は「ワンタイムパスワード」を突破されていたという。18年(33%)より上昇し、この手口が横行していることを示している。金融機関などになりすましたメールやショートメッセージサービス(SMS)を多数の利用者に送り、IDとパスワードを盗み取る偽サイトに誘導する。大手通販やプラットフォーマーでも予め登録したメールやSMSにURLを送り、本人確認していることも躊躇を妨げる。一部メガバンクでは対策が進み、アクセス環境の変化を監視し、わずかな異変でもアクセスをロックしてしまう。利便の犠牲はやむを得まい。堤防が弱い所から決壊するように、被害は地銀に移りつつある。ブックマークやアプリからのアクセス、送金や引出しの金額を低く設定するなど自衛も必要だ。(伊藤)

新型コロナウイルス対策、オフィスビルの封鎖に備えよ

先週、とある取引先A社から「入居ビルでの新型コロナウイルス感染者発生につきまして」と題したメールが届いた。A社の大阪支社が入居するビルで、清掃員がコロナウイルスに感染したことが発覚。同ビル内の拠点を2週間閉鎖することを公表したものだ。今回の事案でビル全体が閉鎖されたかどうかは定かではないが、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」では行政判断によるビル全体の閉鎖も可能としている。いよいよ、「全社員の40%が会社に来れない状態」という最悪の想定が目の前に来ており、今後は大規模オフィスビルなどで同様の事態が発生する可能性は高い。業務によっては、テレワークが行えない部署もある。企業は最悪の事態に備え、感染の少ない地域における代替拠点の確保など、さらに抜本的な対策が必要となるだろう。(大越)

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