週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

今だからこそ警戒を強化すべきだ

新型コロナが猛威を振るう中、基礎疾患を抱える者が多く、高齢化した暴力団員等は、感染を恐れ活動を自粛しているという。だが一方で、不安の蔓延と混乱に乗じて、在宅勤務と副業を組み合わせた情報商材トラブルや新たな特殊詐欺、アポ電強盗なども増えている。みかじめ料が細る中、知恵を絞り手を尽くして、資金獲得活動を強化しているのが反社会的勢力だ。それに対峙する企業は、通常とは全く異なる状況下、反社チェックが機能しているか(むしろ新たな接点は従来以上に警戒が必要だ)、従業員の副業先の健全性に問題ないか、(ただでさえ動向が見えにくい)従業員がトラブルに巻き込まれていないかなど、平時以上に注意すべき点が多いと認識すべきだろう。ポスト・コロナ時代を見据え、健全な企業として生き残るために、今、警戒を怠るべきではない。(芳賀)

警戒、テレワークの隙を狙うサイバー攻撃が急増中

新型コロナウイルスに関連する手口のサイバー攻撃が増加している。欧米では新型コロナの患者を治療する医療機関のシステムをサイバー攻撃で停止させ、解除する見返りとして「身代金」を要求するといった事例が多発している。国内でも、新型コロナへの警告を装う内容のメールを送り、不用意に開いた利用者の個人情報などを盗み取るケースが確認されている。リモートワーク・在宅勤務が増えるなか、会社が認めていないIT機器やクラウドサービス、ソフトウェアなどを勝手に業務に利用する行為は、重要な情報が危険に晒される可能性があり、注意を払いたい。オフィスから目の届きにくい場所で作業をする機会が増えている今こそ、その危険性や脅威への警戒を怠らないようにして、ルールの趣旨や、ルールを遵守することの重要性を自覚してもらうことが大切だ。(佐藤)

テレワークを阻む要因

政府は緊急事態宣言の全国拡大に伴う措置で「基本的対処方針」を改定した。「特定警戒都道府県」に指定された6道府県についても、在宅勤務や時差出勤などを強力に進める方針を明記した。パーソル総研の調査(3/9~15)によると「テレワークを実施していない」と回答した人(86.8%)のうち、「希望しているができない」割合は33.7%に上ったという。テレワークを阻む要因は、テレワークに適していない対面業務の小売等の職種を除くと、PCを含むネット環境や規則などの体制整備が大きい。また、テレワーク中に出社する必要が生じた人は約4割で、押印決裁や紙の印刷が理由の1位だ。就業人口の7割を占める中小企業でテレワークへの対応が鈍く、働き方改革への取り組みの裏返しとなった。資金調達先や取引先と同様に働く場所の分散も危機管理事項とすべき事態だ。(伊藤)

新型コロナウイルス対策に災害対策基本法の適用を

災害時の復興支援に最前線で関わってきた津久井進弁護士らが、新型コロナウイルスに対して「災害対策基本法」を適用すべきとの提言を16日に発表した。同法の適用により、①市町村長の指示に基づき、市民に屋内での退避などの安全確保措置を指示できるようになる②「警戒区域の設定」で特定の者以外の立ち入りを制限できる③事業者が雇用者を解雇することなく、失業給付(雇用保険金)を受けられる(感染拡大地域や感染増加傾向地域を「激じん災害に対処するための特別な財政援助等に関する法律」の適用地とし、かつ「激じん災害時における雇用保険法による求職者給付の支給の特例」を適用した場合)などが可能になるという。前例のない「緊急事態宣言」が混乱を招くなか、これまで様々な災害で進化してきた法律と知見を、今こそ国家単位で生かすべきだ。(大越)

■災害対策基本法等で住民の生命と生活を守る緊急提言(全文)

恐怖こそが最大の敵

新型コロナウイルスの感染者数は世界で約240万人、死者は約17万人となった。日本国内でも1万人超となり、東京都でも3000人超となった。ただ各種の数字は、意図的でないにせよ事態や実態を煽ったり、煽られたりする。また逆に過小評価に繋がることもある。これらはともに“正しく恐れる”こととは対極のことだ。もちろんこの感染が一体どこまで拡大するのだろうかとの恐怖と不安は尽きない。だからこそ、あらゆる情報に対して、冷静に客観的に対峙することが極めて重要となる。関連統計にはクラスター感染も含めて、未発症者・回復者・死者(含.死因)等の世代別・既往症や抗体検査の有無別の詳細な数字で比較するべきだ。不安や恐怖感の表裏一体となっているのが、疲労・ストレスやそこから来る自暴自棄や無軌道・好き勝手であることを忘れてはならない。(石原)

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