週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

「見えない敵」はウイルスだけではない~AML/CFTの厳格な取り組みが求められる

AML/CFTを統括するFATF(金融活動作業部会)は、「社会的隔離措置の実施という観点から、デジタルな本人確認及びデジタル金融サービスの十分な活用を推奨する」と、FinTech、RegTechの活用を求める一方で、「犯罪者及びテロリストは、当局や民間部門が資源を AML/CFT以外の分野に集中させることを想定して、各国の AML/CFT態勢のギャップや脆弱性に付け入ることを模索しており、当局によるリスクベースでの監督・執行活動の重要性がかつてなく高まっている。金融機関及びその他の事業者は、新たに生じる資金洗浄・テロ資金供与リスクに対して引き続き警戒しつつ、これらのリスクを効果的に低減し、また疑わしい行動の検知及び報告が可能となることを確実にしなければならない」と警告した。為すべきことの多い中、混乱に乗じて跋扈する犯罪者やテロリストを野放しにしてはならない。(芳賀)

「…するな」だけで、人の行動は変わらない

コロナ禍の今、政府や自治体が発表する言葉は「…しないでください。さもなくば、こんなに恐ろしいことになります」ばかりが耳につく。禁止すること、注意喚起することはもちろん重要だが、ただでさえ「不安」に押しつぶされそうな人たちは、こういった呼びかけでさらに不安を募らせ、耳をふさぎたくなることもあるだろう。一方で、スポーツ選手やアイドルたちのメッセージはとてもやさしい。「こんな運動なら自宅でできるよ」「それぞれの家で、同じ時間に一緒にライブDVDを見よう!」いずれも「…するな」ではなく「…しよう」のメッセージだ。響く言葉は人によって違う。相手に伝わり、望ましい行動をとれるようにするには、相手に合わせた言葉が必要だ。今、大切な人に「伝わる言葉」を探す機会を得たと、ポジティブに考えてみたい。(吉原)

靴下を4回切るだけのコロナ対策

靴下を4回切るだけでできるマスクの作り方が、YouTubeで話題になっている。詳しくはリンクの動画をご覧いただきたいが、マスクが足りない現在の状況においてとてもユニークなアイデアだ。政府は先週7日、東京都など7都道府県に向けて緊急事態宣言を発出した。企業にとって最も影響が大きいのは、企業に対する「出勤者7割~8割減」だろう。もともと、当社では本コラム等を通じて新型コロナが発生した当初から「最悪の場合、4割~5割の従業員が出社できなくなる状況に対応しなければならない」と警鐘を鳴らしていたが、それをさらに上回る非常に厳しい要請内容だ。私たちはこの事態を重く受け止め早急な対策が求められている。これまでBCP策定にあたって練ってきた戦略を総動員しつつ、ITやAIの活用などによる一歩進んだユニークなアイデアが必要だ。(大越)

■靴下4回切るだけの超簡単マスク

政治の責任―総理の曖昧発言は許容されるのか

安倍首相は、4月7日の「緊急事態宣言」の際の会見で、「…私たちが責任を取ればいいというものではありません」と発言した。国のトップの発言として、これは看過できない。今回の新型コロナウイルス危機においては、元々の原因が人口的な生物化学兵器である説がかなり有力になっており、現在では米中がその責を押し付け合っている段階にきている。もちろん自然由来説が完全に破棄されたわけではない。ただ、この対応策における各国の対応には、そのスピード感・施策の具体化において、大きな開きがある。その意味では、人災が占めるウエイトも少なくないのだ。1月からの中国からの入国制限の緩さ、大型クルーズ船内の対応の失敗、五輪開催に引っ張られた緊急事態宣言、不十分なPCR検査、休業補償の実効性への疑問等々、責任を免れるものは何一つない。(石原)

ウイルスとの長い闘いの意味

日本に緊急事態宣言は、国においても自治体においても“強い要請”の域に止まらざるを得ない。ここまでの感染拡大をみると、空気感染に近い、市中感染の可能性は否定できない。一つ気になるのが、クラスター感染の出所がライブハウスのような3密の典型例以外に、特定の2~3の病院(全て東京都)における集団感染が目立つことだ。これらは自ら医療崩壊を招来してしまった面も否定できない(その後の保証や風評は、他も含め別問題)。今後、“実質的”な都市封鎖が要請されるとその間に何が起こるだろう。おそらく公共交通機関の停止による実質的な出社や外出の禁止措置だろう、つまり、ぎりぎりまで自己責任を引っ張るということだ。それでも外出を止めない人たちやデモや暴動に対する強制的措置が、やがて憲法改正に繋がるシナリオが透けて見える。(石原)

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