週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

暴力団離脱者支援に本腰を入れる時期だ~警察庁「令和元年における組織犯罪の情勢について」から見えてきたもの

暴力団構成員及び準構成員等の数は、平成17年以降減少しており、令和元年末現在で28,200人(前年同期30,500人、▲2,300人、前年同期比▲7.5%)と昭和33年以降で最少人数を更新した。一方、令和元年中、警察及び都道府県センターが援助の措置等を行うことにより暴力団から離脱することができた暴力団員の数は、約570人にとどまったことが分かった。その差が意味するものは大きい。犯罪社会学の専門家で作家の廣末登氏は、「社会的に孤立した人、職場などのいじめに耐えられなかった人は、更生に至らず、再犯で逮捕されるか、元の組織に戻っている」「元暴アウトローは自ら組織の「掟」という鎖を外したが、暴排によりシノギが先細りした暴力団は、あえて組員の鎖を外し、「掟」の外に出向させているおそれがある」と指摘する。暴力団の瓦解の足音がすぐそばで聞こえる。(芳賀)

新型コロナ詐欺、後を絶たず

感染拡大が続く新型コロナウイルスの不安や混乱に乗じ、金品をだまし取ろうとしたり個人情報を聞き出そうとしたりする不審な電話やメールが後を絶たない。厚生労働省がLINEの利用者約8300万人に行った健康調査に便乗し、年齢や性別、郵便番号などの個人情報の入力を求める内容を模倣してクレジットカード番号を聞き出そうとする手口も確認されている。政府は全世帯に布製マスクを2枚ずつ送付する方針を示しているが、これに便乗して氏名や住所など個人情報を聞き出そうとする電話やメールにも警戒が必要だ。都合の良い話を疑うことと、少しでも不審な点があれば、お金を払ったり連絡を取ったりする前に一旦踏みとどまって、周囲へ相談してほしい。これからの時期、さらに便乗した詐欺が横行するという認識を持ち、注意と確認を怠らないようにしたい。(佐藤)

経済危機こそCSR精神の実現を

新型コロナウイルスが経済危機を招こうとしている。株価。企業の収益、さらに個人の収入面にまで深刻な影響を与えている。事業の自粛・個人の行動の自粛を求める以上、補償がセットでなければ効果は期待できない。インセンティブが付与さないからだ。利己的→利他的→利己的→利他的の循環の中で、真の公共の利益が実現しなければならない。その中で企業セクターには、政府への要望とは別に、事業継続・雇用確保・不況の脱出等々に向けて、自分たちでできることがある。それこそが社会貢献=CSRである。特に大企業は自社のサプライチェーンを構成している各協力企業への支援を考えるべきである。それこそCSV(価値のシェアの創造)に違いない。その意味で公的資金をあてにするだけでなく、豊富な自己資金=内部留保を社会のために有効活用するべきである。(石原)

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