週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

「令和2年上半期における組織犯罪の情勢」から見えること

暴力団構成員等の検挙件数は近年減少傾向にあるが、当期は8,806件(対前年▲32.6%)、主な罪種別では、詐欺が708件(▲33.4%)、窃盗が2,436件(▲57.0%)、覚せい剤取締法違反が2,282件(▲4.7%)、大麻取締法違反(▲15.4%)と大きく減少した。同時期の刑法犯の検挙件数総数は307,644件(▲15.4%)、詐欺14,619件(▲9.9%)、窃盗211,409件(▲17.8%)、覚せい剤取締法違反5,335件(▲1.1%)、大麻取締法違反2,611件(+1.3%)であった。コロナ禍や特定抗争指定の影響からか暴力団犯罪では窃盗など刑法犯が全体の傾向以上に大きく減少したが、薬物関係は暴力団犯罪も全体も刑法犯ほどの減少は見られない。なお、覚せい剤事犯の検挙が最も多い年齢層は40歳代、30歳代だが、大麻事犯の検挙が最も多い年齢層は20歳代、20歳未満だ。SNSやデリバリーでの若年層への薬物蔓延の実態が浮き彫りになった。(芳賀)

2020年上半期サイバー攻撃、IoT機器狙いの攻撃が増加

警察庁は、2020年上半期(1月~6月)におけるサイバー空間の脅威情勢について、観測データを分析した結果を発表した。特に、IoT機器やルータを標的とした探索行為などのアクセス件数は、1日・1IPアドレス当たり6,218.1件と、1年で倍近く増加しており、その大部分は主にIoT機器が利用する1024以上のポート番号だとしている。サポートの切れたOSや出荷時の初期パスワードがそのまま機器に使用されていれば、攻撃側からすれば”最も攻めやすい部分”であることは明らかだ。早急に機器の技術面、および運用面のそれぞれで防御態勢を整え、侵入口を増やさない運用が求められる。多くのつながりのなかで、目が行き届いていない機器の存在を把握し、機器自体の状態、他の機器との通信状況、および不正な中継点とならないよう管理・運用上の規制を機能させる必要がある。(佐藤)

「水害時避難、長靴は厳禁」が危険な理由

「水害時避難、長靴は厳禁」といった記事を最近よく見かける。「長靴は水が入ってしまうと重くなるので、水害時の避難には不適切。運動靴で逃げよう」という趣旨だが、災害時において物事を○×式に画一的に考えるのは危険だ。この場合は「装備と水位により、ケースバイケースで考える」が正解。専門家が使う装備ではなくても、田植えやアウトドア用の膝下までしっかり覆うタイプで、泥にも強い長靴は水害時の避難には非常に有効だ。膝上まで水位がある場合は流される確率の方が高くなるので、避難自体がNGとなる。水害時には地中の破傷風菌などの細菌が地表に現れるため、小さな傷も命取りになる可能性もある。シューズではなく、できれば避難用の膝下までの長靴を準備しておいてほしい。水の中を歩かなくてすむ事前避難が重要なのはいうまでもない。(大越)

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