週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

ゴールベース・アプローチへの期待~「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」施行

新法は、独占禁止法などとあわせてデジタル市場で取引の透明性を高める目的のもと、変化のスピードに対応するために違反が表面化する前から取組みを監視していく手法だ。さらに、技術革新を阻害しないよう、事業者の自主的な取り組みを尊重するという「ゴールベース・アプローチ」が採用されている点も注目される。不確実性が高まり、変化のスピードが加速する中、「社会の目線」を強烈に意識しながら「コンダクト・リスク」や社会的課題に自立的・自律的に対応し、その妥当性を「透明性レポート」といった形で社会に対して説得的なコミュニケーションを図りながら、自らの健全性を担保していく手法だ。今後、このようなアプローチが定着し、「攻め」のコンプライアンス・リスク管理によって、「健全性と収益性」の両立がもたらされることを期待したい。(芳賀)

フィッシングサイトへ誘導、広告にも偽物はたくさん紛れ込む

先日、Googleで検索結果に表示される広告からフィッシングサイトに誘導される事例が複数確認された。広告審査の網をすり抜けてしまったものと考えられるが、特定の製品名を検索した結果表示されるネット広告の仕組みを悪用した偽広告の詐欺の手口だ。この他にも、FacebookやInstagram、TwitterなどのSNSでも、利用者の趣味嗜好や性別、年齢に応じた広告が表示されるが、ここにも詐欺広告が紛れ込むことがある。一見しただけでは偽広告であると気付くことは困難だが、極力アクセスしないという対策を徹底することと、詐欺の手口や危険性を知っておくことで注意力を高めておきたい。通常より価格が格安だったり、振込先口座の名義がサイト上に表示された企業名と異なったりする場合は偽サイトの可能性が高く、このような不審な点がないかをしっかりと確認していくことが大事だ。(佐藤)

リーダーシップとパワハラ 厚生労働省の平成28年「職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書」から

調査では「パワハラを受けたことがある」とした人の割合は、32.5%に上った。「パワハラをした、または指摘されたことがある」とした人の割合は、11.7%だった。被害者と加害者の意識に乖離がある。「加害者とされる側に自覚がない」というのはパワハラの特徴のひとつだ。パワハラの認定には、「優越的地位を背景とし」「業務上の範囲を超え」「苦痛を与える、又は就業環境を害する」ことすべてを満たす必要がある。実際に企業がパワハラと認定するハードルは高く、多くは注意で終わる。一方現場では、パワハラ認定未満の不適切な言動に悩まされている。リーダーが高い目標を達成するために誤った圧力をかけることも背景にあろう。求められるのは、ハンブル・リーダーシップだ。謙虚さが高いリーダーの方が、メンバーのチーム貢献度が高まることが分かっている。(伊藤)

訓練は本番のように。本番は訓練のように

川崎市と厚労省は1月27日、新型コロナワクチンの集団接種を想定した会場の運営訓練を行った。全国初の大規模訓練で、様子を収めた動画は全国の自治体に配布するほか、YouTubeなどでも見ることができる。医師や看護師らスタッフ24人と市民20人が参加。密にならないよう導線を確保しながら、受付から問診票の記入、医師の問診を経て看護師がワクチンを接種。接種済票を受け取り、副反応を見るために15分~30分待機という一連の流れを確認した。なぜ川崎市でこれほど早く訓練ができたのか。それは従来から国立感染症研究所感染症情報センター長なども務めた岡部信彦氏の監修のもと、感染症予防接種訓練を実施してきた実績があるからだ。「訓練は本番のように。本番は訓練のように」と言われる。本番と訓練は表裏一体だ。全国の自治体での早期の訓練が望まれる。(大越)

▼新型コロナウイルスワクチン接種会場運営訓練を実施しました(川崎市チャンネル)(YouTube)

▼コロナワクチン接種に備え川崎市で全国初の訓練 課題は“時短”【Nスタ】(YouTube)

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