週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

「手を出さない」、「早期治療」、「社会復帰」のための3つの予防が重要だ

大麻の使用罪の導入、医療用大麻の検討が本格化する。そもそも嗜好用と医療用、産業用は別物であり、同列に論じることはできない。国連の麻薬委員会が、薬物を規制する「麻薬単一条約」で大麻を「特に危険」とする分類から削除する勧告を可決したのは、大麻を原料とした医薬品に有用性が認められたことが主な理由だからだ。一方、嗜好用については、合法化している国や地域が存在するとはいえ、依存性の高さや脳の萎縮効果など若年層への悪影響の大きさ、ここ数年上昇しているものの日本の生涯経験率の低さから、現時点で「合法化」を検討する必要はない。だが、世界の非犯罪化や治療や社会復帰プログラム等の導入の流れもふまえ、「半永久的に人権侵害」という弊害を除去する必要がある。暴力団離脱者支援等と同じく、「社会的包摂」がポイントとなる。(芳賀)

我慢を強いられる状況だが、改めて感染予防対策の徹底を

緊急事態宣言が5月末まで延長された。現在の状況では再延長も否定できないが、企業としても、宣言解除後に一気にアクセルを踏んでいくと思う。ただ、気をつけなければいけないのは、6月に株主総会が集中することだ。6月から宣言が解除されても感染リスクは高止まりのままだ。人流が急増し、役員や社員の出社や外出等が活発化すれば、感染の可能性がある。そうなれば入院や隔離を余儀なくされるし、社内でクラスターが発生すれば株主総会の準備・対策もままならない。役員も株主総会を欠席せざるを得ない可能性もある。このような事態になれば、バーチャル総会であろうと、「危機管理の甘さ」を指弾される。個人的には過剰な緊急事態宣言には反対だが、株主総会の危機管理は開催前から始まる。6月は、役員・社員の感染予防を徹底することが肝要だ。(西尾)

ランサムウェアによるパイプライン操業停止

米国で最大規模のパイプラインを運営するColonial Pipelineがランサムウェアによる攻撃を受け、身代金500万ドル(約5億5000万円)支払ったことが報じられている。要求に応じるべきではないというのが一般的ではあるが、燃料の供給が立ち行かなくなることによる影響を勘案し、身代金を支払ってしまったほうが安上がりだと判断されたのが実情だろうか。特に病院やインフラ、自治体のサービスが長期にわたって停止すれば、脅かされる対象は経済だけにとどまらない。いずれにせよ、儲かるとわかれば、今後もインフラの提供企業は常に狙われることになる。ランサムウェア対策の視点は、「身代金を支払うべきかどうか」という次元にとどまることなく、平時からの備えとして「身代金を支払わなくても業務が滞りなく継続できる」ために何をすべきかという点も極めて重要だ。(佐藤)

環境省と農林水産省が公表した食品ロス年間600万トン(平成30年度)、過去最少

同推計値は年間600万トンと過去最少となった。だが、国民1人当たり、1日約130g、お茶碗約1杯のご飯の量を廃棄している計算となる。全体の内、家庭系が46%、事業系が54%を占める。さらに事業系の内訳は、食品製造業126万トン、外食産業116万トン、食品小売業66万トン、食品卸売業16万トンだ。コンビニに代表される小売業のロスがクローズアップされるが、製造や流通段階の食品ロスの絶対量が依然大きい。小売業者による欠品に対するペナルティや3分の1ルール(メーカー・卸にとって短い納品期限)が背景にある。食品のサプライチェーンで発生する食品ロスは「もったいない」を啓蒙する活動では解決しない。捨てることを前提としたビジネスモデルは、社会倫理とは乖離し持続できないだろう。未来志向の破壊によって「正しい商売」への是正が求められる。(伊藤)

全国的に大雨に注意。九州では「猛烈な雨」も

本日17日月曜日、日本海側にある梅雨前線が次第に南下し、今夜には九州から本州の太平洋岸に停滞する見込みだ。すでに熊本県山都町では午前6時までの1時間に90.5ミリの猛烈な雨を観測。九州から東北にかけて広い範囲で大雨警戒・注意報が出ている。川の氾濫や土砂災害に十分な警戒や注意が必要だ。1時間あたりの降水量が80ミリ以上の時は「猛烈な雨」と表現される。気象庁によると、いわゆる「バケツをひっくり返したような雨」は30~50ミリ未満の雨量を指し、この場合でも「道路が川のようになる」と表現されている。80ミリ以上は「息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感ずる」ようになり、車の運転は危険な状況だ。避難情報のガイドライン改正により、5月20日から廃止されるはずの「避難勧告」も現時点ではまだ有効なので十分に注意して欲しい。(大越)

▼現在発令中の気象注警報・注意報(気象庁)

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