30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

敵は見えているか~AML/CFTの現状と課題

ウクライナ情勢において、暗号資産が制裁の抜け穴となることが危惧される。一方、報告書からは「リスクが存在することを認識しつつも、当該リスクが顕在化することはないと判断」「既存先の情報更新に関して、アンケートの郵送・回収のみで対応しようとし、回収率が低水準である中で、その他の情報更新の方法について検討せず」「取引モニタリングシステムのシナリオや検知ルールを当初設定のまま使用、見直しせず」「職員の気づきによる疑わしい取引の届出を軽視」「職員の気づきによる検知を拠点の判断で届出不要とし、記録も残していない」など、実効性とは程遠い実態が浮き彫りになった。度重なる金融制裁等に金融機関が適時適切に対応できなければ、日本のAML/CFTの脆弱性こそ抜け穴となりかねない。自らに課された役割の重みをあらためて認識すべきだ。(芳賀)

▼金融庁 マネー・ローンダリング・テロ資金供与・拡散金融対策の現状と課題(2022 年3月)

熊本地震から6年。1人も取り残さない支援を

2016年4月14日21時26分、熊本県熊本地方においてマグニチュード6.5の地震が発生し、熊本県益城町で震度7を観測した。16日1時25分にはマグニチュード7.3の地震が発生し、益城町及び西原村で震度7を、熊本県を中心にその他九州地方の各県でも強い揺れを観測した。震度7の地震が同一地域で連続して発生するのは、震度7が設定された1949年以降初めてのことだった。その後も熊本県から大分県にかけて地震活動が活発な状態となり、7月14日までに震度7を2回、震度6強を2回、震度6弱を3回、震度5強を4回、震度5弱を8回観測するなど、震度1以上を観測した地震は合計1888回にのぼったという。さらに同年7月、平成28年九州北部豪雨が現地を襲い、更なる被害を出した。現地では今でも仮設住宅に95人が暮らす。最後の1人まで取り残さない支援が望まれる。(大越)

労働意欲やモラルを奪うアルバイトの害悪

一部企業のアルバイトの口コミには、ブラック、絶対に勧めない、最悪など、刺激的な文字が並ぶ。あえて書き込む人の見解と話半分に捉えても、やはり悪しき実態が見えてくる。マニュアルを用意し、研修さえすれば、いきなりベテランと同じに「できるはず」と扱い、できなければ嫌味、叱責、シフト外し。シフトの連絡は直前で、入れなければ見込んだ収入を得られない。意味不明なルールに縛られ、監視され、違反がバレれば容赦なく懲罰。なるほどこれは酷い。ここで働く人にとって仕事は苦行。誰がやりがいや向上心を抱き、新人の育成に気を向けるだろう?これから社会に出る学生が、アルバイトによって働くことに嫌悪感を覚え、できない人を叩く姿勢を身に付けるなら社会にとって大きな損失だ。目先の利益のために未来の人財を潰す企業を許すべきでない。(吉原)

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