30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

人権問題への対応~企業が「正しく稼ぐ」には相応の負担も必要だ

外国人技能実習生が仲介業者に多額の手数料を支払って来日する一方、年間数千人が勤務先から失踪している。そもそも、技能実習制度自体、国際的に「人権侵害」とみなされる危険を孕む。日本も批准する条約は「労働者から手数料または経費を徴収してはならない」と規定、法的拘束力はないというが、企業は自ら国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に照らし、自律的に「ゼロフィー」に取り組む必要があろう。また、新疆ウイグル自治区の深刻な人権状況に対し、欧米が「ジェノサイド」と強く非難し、制裁を科す一方、日本は懸念を示すのみで「ジェノサイド条約」の批准や「日本版マグニツキー法」の制定に向けての動きは鈍い。だが、国際的には「人権DD」への取り組みは待ったなしの状況だ。「正しく稼ぐ」ための適正なコスト負担と認識する必要がある。(芳賀)

▼2022年7月3日付日本経済新聞「外国人雇用、国際規範とズレ 国内合法でも「人権侵害」」

キキクルに「黒」追加。引き続き水害に警戒を

梅雨が列島で早い時期に明けているが、続いてやってくるのは台風や局所的なゲリラ豪雨だ。引き続き水害に警戒が必要となる。洪水や土砂災害など、今自分がいる場所でどのような災害が迫っているのかをいち早く確認できるのが、気象庁のウェブサイト「キキクル」だ。6月30日、その危険度を示す色に最も災害が切迫している状態の「黒」が追加された。これまでは警戒レベル4相当が薄紫、それ以上が濃い紫だったが、近年追加された警戒レベル5相当が追加された形だ。気をつけなければいけないのは、警戒レベル5相当はすでに「災害が発生している」状態と考え、「命を守る行動」をとらなければいけないことだ。レベル4の時点で、既に避難は完了していなければならない。企業のBCPにも反映しておくとともに、日ごろから従業員に周知しておくことも必要だ。(大越)

メールはビジネス文書?若者の意識と全社最適となる効率化の難しさ

コロナ禍中に社会人になった世代は、対面や電話で人と接する機会がほぼなく、文字でのコミュニケーションが重視された。さぞメールは得意と思いきや、メールを送っても返信をもらえないと悩んでいる。メール文は、ネットで見つけた定型文に当てはめて書いているそうな。心当たりは…ある。定型文的なメールが来ると、大勢に宛てているのだから私が返信しなくてよいだろうと、スルーしがちな私がいる。「定型文を使わず、個人に宛てて書いてみては?」と伝えたが、それが難しいと。就職活動でも「マイページにログインし、日程を選べば面接の予約ができた」世代。メールは、大人世代にとっての公式なビジネス文書並みで、気軽ではないらしい。採用の効率化によって、新入社員がメール文章力を鍛える機会を奪ったのなら残念だ。全社目線の効率化は難しい。(吉原)

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