30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

元首相銃撃事件から学ぶべきこと~警察庁の検証結果から

報告書は「本件事案のような、強固な殺意を有する者が、銃器等を使用して襲撃する事案を具体的に考慮しておらず、警戒の対象を聴衆の飛び出し等のより危険度が低い事案に向けていた」、「特定のテロ組織等と関わりのない個人が警護対象者に対する違法行為を敢行する可能性も見据え、各種情報収集に努めるとともに、警護対象者に関連する情勢等を収集・分析することにより、警護に活用する必要がある。また、インターネットを通じて、特定のテロ組織等と関わりのない個人が過激化し得ることや、銃器等の設計図、製造方法等に関する情報を容易に入手できる現代社会の特性を踏まえ、インターネット上の違法情報・有害情報対策、爆発物原料の調達への対策等を強化する必要がある」と指摘する。実態の正確な把握と想像力こそ危機管理の要諦と痛感させられる。(芳賀)

▼警察庁 警護警備に関する検証・見直しについて(令和4年7月8日に奈良市内において実施された安倍晋三元内閣総理大臣に係る警護についての検証及び警護の見直しに関する報告書)

「水難事故に関するQ&A」に見る、作者の本気度

岐阜県がHPで公開している「水難事故等に関するQ&A」がSNSで評判だ。「岐阜県内の河川で、安全に泳げる場所はある?」には「ありません。河川は自然そのものであり、安全は一切保証されていません」と回答。筆者も「日本に安全な場所はありますか?」と聞かれると「ありません。日本は四季の豊かな美しい国ですが、その分地震や火山、河川氾濫や土砂災害など、様々なリスクが存在します」と回答している。「今度の連休に河川敷でキャンプをする予定です。川では少しは水遊びをするかもしれませんが、泳ぐつもりなどありません。それでもライフジャケットは必要?」には「ライフジャケットが絶対に必要です。川を甘く見ると重大な事故につながります。楽しかったはずのキャンプが最悪の結果となります」とする。言葉は厳しいが、作者の本気度がよく分かる。(大越)

▼水難事故に関するQ&A(岐阜県)

ブラック校則が「やっと」見直される

小中学校の生徒指導に関する手引書である「生徒指導提要」が改訂され、ブラック校則も見直されるらしい。学生時代に交流のあった女子中学生は、生まれつき髪が茶色かったのだが、学校で「茶髪は不良だ」と断言され、黒染めを強要されていた。なぜ学校の先生が自然体の彼女を否定するのかと、非常に腹立たしかった。筆者の出身高校は「上履きで外に出ない」「(駐輪場がないため)自転車通学禁止」くらいしか規則はなく、思い思いの服で登校し、髪色も様々。地域で決まっていた公立中学と違い、高校は選択できる。せめて自然体でいられる場はあると伝えたくて、彼女を文化祭に連れて行った。その後、彼女は家族に支えられ、その高校に入学・卒業し、ワーキングマザーになっていると聞いた。やっとブラック校則が見直される!彼女はどう感じているだろう。(吉原)

Back to Top