30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

王将社長射殺事件~真相解明は緒に就いたばかりだ

「事実は小説よりも奇なり」「事実は1つだが、真実は人の数だけある」とは危機管理を行ううえで重要な心構えだ。事件は関係者の地道な努力でここまできたが、現時点では状況証拠の積み重ねに過ぎず、新たな証拠や整合性など今後の戦略・戦術が問われることになる。また、2016年に公表された第三者委員会報告書は、反社会的勢力との関係は確認されなかったとした一方、「経緯や経済合理性は明らかではない」260憶円もの取引(うち176憶円が未回収)の不透明さが問題視された。報告書が示唆する不適切取引の当事者を黒幕とする流れにあるが、当事者の主張や別の側面からの情報はそれを否定する。両者は自らの立場から見える(見せたい)「真実」を「事実」であるが如く語るが、「事実」は意外な姿を見せることもある。逮捕は真相解明に向けた序章に過ぎない。(芳賀)

本質を踏まえたバランスのとれた個人情報保護の運用確立を

新型コロナウイルスに関する論文発表は、G7加盟国では日本が最下位という報道があった。「政府の新型コロナウイルスパンデミック対策に関する意見書」では、「データや試料が国立感染症研究所に集められても、第三者に情報提供や検体を提供できないことがあった。これは提供者が個人情報保護を優先したためと考えられる。緊急事態では、現場が個人情報保護法を過度に恐れずにデータや試料を提供できる仕組みが必要である。」と指摘されている。公衆衛生上も多くの国民の生命に関わる以上、至極当然の指摘だ。一方で、例えば反社チェック等の場面では、一般事件に関する個人情報や民間の商用利用不可の公的情報の提供等、コンプライアンス上問題のある運用も野放しだ。国民の情報リテラシーを高め、個人情報保護に関するいびつな運用の早期改善が必要だ。(西尾)

▼政府の新型コロナウイルスパンデミック対策に関する意見書

▼コロナ研究、日本低調 論文数、G7最下位 資金力に差、政策判断に影(2022年11月6日付朝日新聞)

▼感染症研究、乏しい連携 患者データ利用に壁(2022年11月6日付朝日新聞)

大事なのは、本質的・抜本的な議論・対策~木を見て森を見ずにならないように注意

北朝鮮のミサイル発射が続いている。全国瞬時警報システム(Jアラート)も発動された。今回のJアラートは、警報のタイミングや修正に関する運用面で課題を残し、政府は今後更なる精度の向上や迅速化に取り組む方針を打ち出した。しかし、重要なのは、Jアラートのシステムを見直すことに留まらず、抜本的に日本の防衛体制を見直すことだ。ロシアのウクライナ侵攻を見ても、ウクライナ側は音速を超える弾道ミサイルの迎撃に苦慮しているし、現実問題としても弾道ミサイルを迎撃するのは難しい。可能な限りミサイル防衛体制を強化しつつ、国防には衛星の活用も含めた宇宙戦略も不可欠な時代になっていることを踏まえた国防論をしっかりとするべきだ。国防に関する限り憲法上のハードルも然程高くはない。木を見て森を見ずにならないように注意が必要だ。(西尾)

韓国の転倒事故に思うこと

韓国の梨泰院では10月29日夜、ハロウィーンを前に狭い路地に密集した集団が転倒し、156人が死亡。196人が負傷する事故が起きた。犠牲者のほとんどは10代から20代の若者だったという。大勢の若い命が奪われたことに、悲しみを禁じ得ない。ここ1週間の報道を見ると、「日本では警察による警備がきちんとされているから大丈夫」という風潮が目立つ。実際に、事故直後にも渋谷を始め日本各地でハロウィーンのイベントが行われたが、同様の事故は発生しなかった。しかし、この考え方はとても危険だと感じる。災害が発生した場合、高層ビルでは数千人が避難のため非常階段に殺到する。首都圏の帰宅困難者は数百万人にのぼると予想されており、両方とも警察や警備の交通整理が行われるとは考えられない。隣の国の出来事をわが事ととらえ、議論することが必要だ。(大越)

理想と現実の間に揺れる若者にエールを!

期待の若手が辞めるのは、企業ばかりでなく芸能の世界も同じなのか。若い彼らが年齢を口に出した点に、若いが故の葛藤を感じる。周囲が「こうあって欲しい」と望む姿と、自分が「こうありたい」と望む姿にギャップが生じることは、なかなかのストレスだろう。「年齢なんてただの数字」とアラフォーの先輩グループが歌うように、何歳になっても挑戦はできる。しかし「今ならもっとできる」「今やりたい!」という気持ちもわかる。人生の正解は一つではなく、「想定外の未来」が花開くこともあるが、「思い描いた通りの未来」を追いたい気持ちもわかる。意見が割れることも当然ある。きっと誰が悪いというわけではないだろう。当然ファンも悪くない。いろいろあったグループを今も推している身としては、心揺れるファンをどうかあたたかく見守って欲しい。(吉原)

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