30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

当局の想像力の欠如の被害者はいつも市民だ

一連の強盗事件の主犯格は2019年11月にフィリピンの首都マニラで摘発された特殊詐欺グループの中心メンバーだった。フィリピンは日本と犯罪人引渡し条約が未締結で、犯罪拠点だけでなく潜伏先として悪用されていることは当局も把握していた。さらに、汚職が蔓延し、刑務所内から特殊詐欺が継続して行われていたことも…。死者が出て社会的に大きな関心事になるまでの当局の動きは厳しく批判されてしかるべきだ。一方、宗教法人法に暴排規定がなく、反社会的勢力が犯罪インフラとして悪用しているにもかかわらず、内閣府は「ここ10年、宗教法人に暴力団が関与したような事例は聞いていない。現時点で制度改正による実効性は薄い」と述べたという。旧統一教会の問題もそうだが兆候はあったし、重大な事件の発生も予見できたはずだ。それでは遅いのだ。(芳賀)

▼宗教法人法を問う 暴力団排除規定追加に国応じず 福岡など9県要望も(2023年2月5日付産経新聞)

▼逃亡先、なぜフィリピン? 引き渡し条約なし 国覆う腐敗(2023年2月5日付産経新聞)

災害対応の未来を模索する訓練

埼玉県東部に、杉戸町という人口およそ6万4千人の小さな町がある。東日本大震災が発生してから4日目の3月15日、東電福島第一原子力発電所の事故が最悪の局面を迎えていた時、原発からほど近い福島県富岡町の被災者は、安全な避難所への移動手段も確保できない状態だった。友好都市であった富岡町のこの事態を知った杉戸町は、急いで7台のバスを手配。福島県内の受け入れ先が満杯だったことから、最終的には埼玉県内の複数の市に被災者を受け入れた。以降、杉戸町ではこの教訓を基に毎年、首都圏で大災害が発生した時に多くの人を受け入れられるよう、米国ICSを取り入れた「協働型災害訓練」を開催している。今年は2月10日と11日にわたり、フェーズフリーやLBGTQなどをテーマとした訓練を実施する。災害対策の未来を模索する取り組みとして注目したい。 (大越)

▼協働型災害訓練 in Sugito

罪を赦すのは誰だろう

「過去と他人は変えられないが、未来と自分は変えられる」とは、常に完璧になど生きられない人にとっては希望の言葉だ。「償いきれないほどの罪」を犯すのは避けたいが、全く悔いのない人生も難しいと思う。過去の過ちはどうすれば償えるのか?刑を受けても反省しない、捕まらなければOKと嘲笑うなら償ったといえない。だが刑を受け、被害者に心から謝罪して二度としないと誓い、正しく生きる姿を被害者自身が赦すならば…誰に赦さない権利があるだろう。被害者の気持ちは被害者のもの。何があったか、その後どうしたか、事情を知らぬ他人が、想像だけで赦す・赦さないを判断する権利はないし、判断する責を負う必要もない。人の振り見て我が振り直し、自分の人生を生きるだけで十分だ。権利も義務もないところで、自分や周囲の心を消耗させなくていい。(吉原)

「長周期地震動」の緊急地震速報にも注意し身を守る行動を

気象庁は最大震度5弱以上を予想した地震について震度4以上の地域を対象に緊急地震速報を発表するが、2023年2月1日からは長周期地震動の被害が予想される場合についても緊急地震速報が発表されるようになった。「長周期地震動」とはゆっくり繰り返す長い周期の揺れのことで、震源から遠く離れた場所でも大きく長く揺れ、高層階ほど揺れやすいという特徴を持つ。東日本大震災では、震源から約700km離れた大阪市のビルの高層階でもエレベーターの閉じ込めや防火扉の破損などの被害が発生した。長周期地震動についても緊急地震速報が発されることで、震源から離れた人も情報をキャッチし身を守る行動をすぐにとることができる。日頃の備えや発生時の行動は普段の地震と大きく変わらないが、長周期地震動の緊急地震速報にも注意し、身を守る行動につなげたい。(小田)

▼ビルの高層階を大きく揺らす「長周期地震動」緊急地震速報に追加!(政府広報オンライン)

▼「震源から遠くの高層ビルでも被害!? 長周期地震動」(政府インターネットテレビ)
※音声が流れます

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