30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

「世界一安全な日本」創造は社会全体で

特殊詐欺は「SNS」「闇バイト」「テレグラム」「高齢者名簿」「電話転送サービス」さらには「フィリピン」や中国といった海外拠点など多様な「犯罪インフラ」を駆使しながら、若者や生活苦の者などを摘発されるリスクの高い実行者に仕立て上げ、巧妙な手口で高齢者らをだますものだ。ここ数年、「アポ電強盗」など、特殊詐欺対策の深化により、騙すより成功確率の高いとされる手荒な犯罪に移行し始めている点を危惧していたが、抵抗できない高齢者を中心に生命・身体・財産に危害を加える最悪の犯罪が続く状況に怒りを禁じえない。そもそも特殊詐欺の背後には暴力団や半グレの関与が見られることが多いが、一連の強盗事件への関与も強く疑われるところだ。当局の危機感も強いが、テロ対策同様、私たち事業者や個人など社会全体でできることも多いはずだ。(芳賀)

▼首相官邸 犯罪対策閣僚会議 「世界一安全な日本」創造戦略2022

「コロナ後」の対応を

2020年1月30日にWHO(世界保健機関)が新型コロナウイルスに対して「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を発してから、今日で3年となる。政府は先週末、ゴールデンウィーク明けの5月8日を目途に新型コロナ感染症の感染症法上の取り扱いを2類から5類に引き下げることを決定した。5類に移行することで、季節性のインフルエンザと同様にマスク着用や人数制限、感染者や濃厚接触者の外出禁止といった行動制限がなくなるほか、医療機関における診察もこれまでは一部の専門窓口であったものが、通常の病院における診察が可能となる。とはいえ、新型コロナウイルスの感染力や病原性が変化するわけではない。5類に引き下げることで、ワクチンや診察料の自己負担も増えることなど課題も残る。企業の担当者は「コロナ後」の対応を考え始める必要がある。(大越)

ビジネスマナーだけじゃない、社会人に求められるマナー

混雑する電車に乗る機会が増えた。今朝の電車はドア付近は大混雑だが、車両の中央付近には余裕があった。なぜ中に入らないのかとよく見ると、両サイドの吊革につかまっている人の間にすっぽり収まり、スマホに夢中な人が通路を塞いでいる。なるほど、これで誰も奥へ入れないのか。スマホやイヤホンは、混雑した車内で感じる自分のストレスを低減するだろう。だが、それによって周囲のストレスを増やしてよいだろうか?マナーの本質は、相手や周囲に対する「思いやり」だ。周囲の情報を完全に遮断してしまえば、思いやりのしようもなく、マナーも守れない。仕事を進める上でも、相手の状況に合わせた対応が必須だろう。ビジネスマナーは席次や名刺交換の順番ばかりではない。新入社員がやってくる前に、まずは大人が社会人としてのマナーを確認したい。(吉原)

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