30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

「匿名・流動型犯罪グループ」の排除は事業者の責務だ

警察庁は、「暴力団とは異なり、SNSを通じるなどした緩やかな結びつきで離合集散を繰り返す犯罪グループが特殊詐欺等を広域的に敢行するなどの状況がみられる。また、犯罪グループが、匿名性の高い通信手段等を活用しながら役割を細分化したり、犯罪によって得た収益を基に各種の事業活動に進出したりするなど、その活動実態を匿名化・秘匿化する実態もみられる。警察庁は、準暴力団を含むこのようなグループ」を「匿名・流動型犯罪グループ」として実態把握等を進めていくと公表した。今後、「匿名・流動型グループ」を反社会的勢力の新たなカテゴリーに追加することになるが、社会経済情勢や自らが置かれている立場をふまえて、「関係をもってよいのか」をコンプライアンス・リスク管理の観点から正しく判断し、粛々と対応していくことに変わりはない。(芳賀)

真相解明なくして、抜本的な改善強化はできない

1年前、安倍元総理の銃撃という衝撃的な事件が発生した。個人的には立場を異にし、当時から支持はしていないが、暗殺、襲撃は許されるものではなく、改めて哀悼の意を表したい。昨日改めて当時の無加工の映像を見たが、改めて感じたことは、雑踏警備、有権者を前にした選挙警備の難しさだ。海外では爆発物への対応まで視野に入れた要人警護が当たり前だ。ドローンが戦争の武器として使われる時代。空への警戒も必要だ。警備強化は口でいうほど簡単ではない。同時に、真相解明に向けた各種の検証を陰謀論と決めつけ排除しようとする風潮は益々酷くなっていることに、強い違和感を覚えた。医師の所見と警察の見解の違いや映像との矛盾等不可解な点があるのは確かだ。日航ジャンボ機墜落事故と同様に、このまま事態の収束が図られるのだろう。闇は深い。(西尾)

「線状降水帯発生情報」をBCPに

10日8時30分現在、九州北部各地で水害による危険な状態が発生している。すでに福岡・大分にまたがる山国川・毛谷村川と佐賀の徳須恵川で氾濫が発生しているほか、福岡・佐賀などを走る筑後川、大分の庄手川、玖珠川、佐賀の厳木川・鳥栖川で「氾濫危険」、福岡の遠賀川など8河川で「氾濫警戒」情報が出ている。気象庁は8時29分、福岡県、北九州地方などに「線状降水帯発生情報」を発表。この情報が発生された地域では土砂災害や浸水、洪水など災害の発生が急激に高まっているとして注意を促している。現地の方はまずご自分と家族の命を最優先とした行動をとり、危険な状態を回避していただきたい。「線状降水帯発生情報」は21年から運用開始された新しい水害に関する警戒情報だ。BCPにも反映できていない企業も多いと思うので、運用を検討してほしい。(大越)

出張や旅行時、現地の気象情報を正しく得るために

快晴の朝TVをつけると、他地方では危険な大雨とのニュースに驚く。日本は案外広いようだ。コロナ前、出張が多かった頃は、大雨で電車内一泊したり、噴火で飛行機が欠航したり、季節外れの大雪に慌てて飛行機を変更したりと、天候にまつわる交通トラブルは枚挙にいとまがなかった。再び移動が日常化した今、改めて、頭上の天気ばかりに気を取られず、行先や通過する地域の天候にも気を配る必要性を再認識した。特に慣れない地では、行先の都道府県内の「どのあたり」に行くかも把握しておきたい。現地の気象情報では、その都道府県内を細分化した地域名で危険性を知らせている。自分がどの地域にいるかわからなければ、今いる場所やこれから向かう場所の危険性がわからない。事前に把握しておく努力も必要だが、旅人にもやさしい情報提供にも期待したい。(吉原)

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