30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

無法な暗号資産空間に終止符を打つ

暗号資産の規制の緩さが犯罪を助長している。暗号資産取引を禁止する中国でも、香港では合法とされており、多額の中国人の現金が不十分な取引時確認のまま暗号資産に流れ込んでいる。また、交換所を介さずとも取引が完了し得ることから、テロリストやテロ支援者、経済制裁対象者等による悪用が深刻だ。ツイッターで暗号資産ウォレットアドレスを周知し、ISに対する暗号資産の移転を匿名で呼びかける事例や、北朝鮮による大量破壊兵器拡散の資金調達への悪用なども確認されている。そもそも暗号資産取引に国境はなく、国や地域を超越した形で存在しているが、暗号資産に関する法規制を導入している国・地域はごく一部にとどまる。「抜け穴」はたとえ1か所存在するだけでも他のすべての規制を無力化してしまう恐れがある。「面」での厳格な規制が急務だ。(芳賀)

川遊びにはライフジャケットが必須

7月21日、福岡県で児童3人が川遊び中に溺れ、3人とも死亡が確認された。いたましすぎる事故に言葉も出ない。ニュースで状況を見た範囲でしかないが、特に流れが急なところでもなく増水した気配もないため、ライフジャケットを着けていれば防げた事故なのではないかと心が塞ぐ。公益財団法人「河川財団」によると、日本で最も水難事故が多いのは琵琶湖。続いて長良川、多摩川、相模川、木曽川とレジャーに適した場所が並ぶ。本稿でも何回か指摘している通り、どんなに普段から遊び、慣れている川であっても川遊び中はライフジャケットが必須だ。車のシートベルトやバイクのヘルメットと同様と言っても過言ではない。コロナ禍の影響で、今年は海のライフセーバーの数も減っていると聞く。楽しい夏がいたましい夏にならないように、十分に注意してほしい。(大越)

仕事は楽しくなくてもよい。平常心で働けることの素晴らしさに気付くべき。

休み明け、仕事に行くのが「楽しみだ」と言える人がどれほどいるだろう。筆者はできれば仕事に楽しさを見つけ出したいタイプだが、日曜日が終わるのはやっぱり残念で、月曜日は気が重い。「どうだ、月曜日が楽しみだろう?」などと「楽しい」を押し付けられると気が滅入ってしまう。仕事は嫌いではない。ただ他にもやりたいこと、やるべきことはたくさんあるし、充実した一週間を乗り切るために、しっかり眠って体を休めたいだけだ。会社に行くことが「嫌で仕方ない」「このまま明日が来なければいいと、泣きながら眠る」ことの辛さを思えば、「仕方ないなー、会社行くか」と普通に仕事に向かえるだけで十分に素晴らしいではないか。誰もがホームランバッターでなくてよい。それぞれのモチベーションで良い。それぞれの仕事への向き合い方を尊重したい。(吉原)

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