30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

AIの犯罪インフラ化を食い止めよ

画像生成AIで作ったとみられる児童の性的画像が、日本の某サイトに大量に投稿されている。欧米では違法となる可能性が高く、世界中から規制の甘い日本のサイトにアクセスが集中する。また、生成AIによる偽動画は、すでにウクライナやパレスチナで人々を混乱と命の危険に晒しているが、日本でも、歴代首相の偽動画がネット上に拡散している。政治家の偽発言がニュース映像の形で事実であるかのように選挙前や災害時に拡散すれば、社会の混乱は必至だ。さらに、英と中国の北大学に所属する研究者らが、ChatGPTなどのAIツールを操作してオンラインデータベースからの機密情報の流出させる、悪意のあるコードを生成できたと発表した。利便性の高さと悪用のリスクは紙一重だ。使う人間の「闇」を増幅させるAIをどう制御していくか、人間の「善」性が問われている。(芳賀)

東京都が防災ブックを全戸配布へ

東京都は関東大震災から100年を迎える今年9月、都民への防災啓発活動の一環として防災ブック「東京くらし防災」と「東京防災」をリニューアルし、11月から東京都の全戸へ配布を開始している。青梅市、奥多摩町など西部から配布し、来年3月末までの都内全戸配布を見込んでいる。「東京くらし防災」はサブタイトルを「STEP1 行動からはじめよう」とし、日常の暮らしのなかで、手軽に取り組める行動について記載した。「東京防災」は「STEP2 知識編」として、ハザードマップの見方など地域やマンションのほか学校、コミュニティにおける活動にも活用できるようにした。両方とも、東京都のホームページからPDFダウンロードできる。「東京防災」とあるが、名古屋や大阪など大都市圏については共通して使える部分も多い。社内の防災研修などにも活用して欲しい。(大越)

▼「東京くらし防災」・「東京防災」の閲覧(東京都)

▼配達状況(東京都)

大好きな人・大好きなものにも、そしてファンにも健やかであってほしい

宝塚歌劇団の団員が急逝された件、遺族代理人弁護士が発表した内容は、本当に痛ましく、悲しいものだった。筆者には内部で何が起きていたのかは知る由もないが、劇団員の「死」という事実は重く、周囲の関係者のみならず、ファンの悲しみや不安も相当なものと思う。大好きな人・大好きなものには、心身も組織も健やかであってほしい。これはエンターテイメントを愛する人の共通の願いではなかろうか。大好きなものを奪われ、憤るファンの気持ちもわかる。だがその気持ちを誹謗中傷という形で表現すれば、それがまた新たな悲しみや憎しみを生み出しかねない。反省すべきことは反省しなければならない。しかし過去を責め続けても、残念ながら亡くなった方は帰ってこない。悲しみを憎しみに転換せず、健やかな未来に向け、ファンも健やかでありたいと願う。(吉原)

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