30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

暴排と不合理な差別の緊張関係~ETCカード利用判決/匿流の卒業基準を巡る取扱い

家族名義のETCカードを使って不正に高速道路料金の割引を受けたとして、電子計算機使用詐欺罪に問われた暴力団幹部が有罪判決を受けた。判決では「組員という一事をもって起訴したとはいえない」と憲法第14条に違反しないと判断した点が注目されるが、一般人でも立件されうる(暴力団員かどうかは関係ない)点がポイントで、そのうえで暴力団員であること(暴排条項が問題となること)もふまえた妥当な判決だ。本件もそうだが、暴排と不合理な差別は緊張関係にある。匿流を巡っても、現時点での反社会的勢力認定に異論はないが、10年後、20年後にどう受け止められるか(どう判断されるか)を考えた時、匿流を安易に反社会的勢力として未来永劫認定することの問題を精査する必要がある。更生を許す社会の実現は、真の暴排に繋がることは間違いないからだ。(芳賀)

能登半島地震、災害関連死を防ぐために

能登半島地震における関連死の申請が100人を超えていると各社が報道している。災害関連死とは避難所の不慣れな環境のため持病が悪化するなど、災害で直接亡くなったわけではないが、災害に起因する理由で犠牲となった方を指す。熊本地震では犠牲者273人のうち、8割以上の218人が関連死で亡くなった。関連死を防ぐための取り組みとして注目されるのが、災害ケースマネジメントだ。被災者一人ひとりの被災状況を個別の調査により把握し、専門的な能力をもつ関係者と連携しながら、被災者の問題の解消に向けて支援する取り組みだが、地域防災計画などで災害ケースマネジメントに言及している自治体は全国で半分に満たない。能登半島地震ではさらに多くの関連死が発生することが予想される。関連死を防ぐために、さらにきめ細かいケースマネジメントが必要だ。(大越)

管理職に「コミュニケーション」は簡単か?

職場の現況をヒアリングし、それに合わせた研修を提案することが多いのだが、管理職向けに「コミュニケーション」という言葉を使うと、「管理職には簡単すぎないか?」と言われ、「指導」に置き換えることが時々ある。はて、コミュニケーションは指導より簡単だろうか?コミュニケーションとは、情報の伝達ややりとりのこと。いくら「こうして欲しい」「これはいけない」と言ったところで、相手が理解し、納得して指導に従おうと思えないなら、効果がないばかりか、反発を招き逆効果にもなり得る。そもそも「伝えられる関係性」がなければ、言うべきことも言えないだろう。研修講師として、日々「伝える」ために奮闘している筆者としては、なんとかこの「コミュニケーションの難しさ」を伝えたいのだが…この「難しさ」を伝えることが、本当に難しい。(吉原)

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