30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

「震災ビジネス」を阻止せよ~令和6年能登半島地震からの復興が本格化する前に

能登半島地震で全半壊した家屋を自治体が所有者に代わって解体・撤去する「公費解体」が本格化する中、解体工事への反社会的勢力の介入を排除しようと「石川県解体工事業暴力団等排除連絡協議会」が発足された。「カネが動き、人が動けば、当然のように暴力団が入り込もうとしてくる」と言われるとおり、いわゆる「震災ビジネス」として、復興フェーズの巨額の公共事業を狙った反社会的勢力の介入リスクが高まっており、すでに現地では反社会的勢力が人脈作り等で暗躍している可能性がある。石川県警は、禁止区域内で新たに暴力団事務所を解説したとして、石川県暴排条例違反の疑いで六代目山口組系組長らを逮捕したが、今後、同様の動きに注意が必要だ。コロナ禍で横行した不正受給のように、スピード感を優先することで「隙」を生じさせてはならない。(芳賀)

避難生活に必要なTKB

能登半島地震による「災害関連死」について、石川県と関係する市町村の合同審査会が5月14日に行われ、30人を関連死として認定するように答申することを決めた。これにより、直接死と合わせた死者は260人に上る。これまでは15人が被災後の避難生活などのストレスや疲労を原因とする災害関連死の疑いがあると発表していた。今後は月に一度会合を開き災害関連死を認定していく方針で、今後も死者が増えていく可能性は高い。避難所での生活をストレスなく送るためには「T(トイレ)K(キッチン)B(ベッド)」が重要と言われる。日本と同じく災害が多いことで知られるイタリアでは、法律で災害発生から48時間以内に避難所にTKBを準備するように義務づけていると避難所・避難生活学会は報告している。避難生活のQOLを上げるためには、今からの備えが重要だ。(大越)

パワハラは管理職も受けている~管理職の我慢を美徳にしないで

2024年5月17日に厚生労働省が公表した「職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書によると、過去3年間にパワハラを一度以上経験した割合に大きな男女差はなく、雇用形態間(管理職、正社員、正社員以外、派遣社員)でも大きな違いはないそうだ。ハラスメント相談で槍玉にあがりやすい管理職だが、その他の従業員と同様に、パワハラを受ける側でもあるらしい。ハラスメント防止研修の受講対象に役員が含まれていないことや、「当社は役員が…」と担当者が言葉を濁すことは少なくない。管理職は厳しくパワハラを禁じられる一方で、自らはパワハラを受け続け、諦めや我慢を強いられていないだろうか。従業員の良い手本であってほしい管理職が、ハラスメントは「我慢すべきもの」と態度で示してしまえば、職場からハラスメントはなくならないだろう。(吉原)

▼「職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書を公表します

▼職場のハラスメントに関する実態調査報告書 ※P106

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