週刊危機管理Plus 2018年7月9日号



サプライチェーンを介したリスクの拡大への対応

りそなグループや新生銀行など複数の金融機関で、ネットバンキングでの振り込みができない障害が発生したが、本件は、個人認証の安全強化のために採用した米シマンテック社のシステムで不具合が起きたのが原因だ。銀行本体のトラブルではなく、外部企業のサービスを起点に影響が広範囲に広がったが、「サプライチェーンを介したリスクの拡大」への対応という新たな課題が突きつけられたと捉えるべきだ。今後、API連携など外部との連携が拡大かつ緊密になることが予想されるが、サプライチェーン全体のリスク管理については、共同化・一体化の視点がより重要となる。一方、外部連携による「利便性」を追求するあまり、「サプライチェーンにおけるリスク管理」のあり方を軽視することはあってはならない。利便性とリスク管理の慎重なバランスが求められる。(芳賀)


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【注意喚起】大学などフィッシング詐欺による被害増加

大学関係者に対し、偽サイトに誘導する 「フィッシング」 メールが送られ、Office365の偽ログイン画面からID 、パスワードを盗まれる被害が相次いだ。これまでに横浜市立大など6つの大学で約1万2千件の個人情報が流出しており、被害を受けた大学のうち少なくとも 4 大学で、犯人が情報の転送に使ったメールアドレスの一部が共通していたことが分かった。攻撃の対象は大学だけではない。仮想通貨交換業者やアプリ購入の請求書を装うフィッシングメールの手口も確認されており、攻撃者たちが日本を標的に定めた可能性がある。業務で毎日電子メールを利用せざるを得ない以上、無防備な利用は攻撃者側の思うつぼだ。メールに紛れ込むリスクや脅威をしっかり認識し、添付ファイルや本文内のURLを不用意に開けることへの注意と確認を怠らないようにする必要がある。(佐藤)


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総務省統計局 労働力調査、健康経営を考える

5月度の結果は、就業者数は6698万人で前年同月に比べ151万人、65か月連続増加した。65歳以上の就業者は、875万人と前年同月比で56万人増加し15~64歳と比べ増加割合が顕著だ。労働力の確保に高齢者を活用していることが窺える。ただし高齢者は若い世代より健康に留意する必要がある。国民生活基礎調査の年齢別通院者比率では、30歳代では20.6%、40歳代では27.6%、50歳代では41.9%、60歳代では58.2%だ。高齢者の健康状態の維持や治療と仕事の両立には、従業員の健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実行する「健康経営」が有効だ。企業は従業員の心身の健康を維持し、従業員のやる気や貢献意欲を引き出すことで生産性が向上する可能性がある。健康経営は長期的かつ複合的に業績に貢献するため、企業はむしろ、その実効性を高める戦略を考えることが重要だ。(伊藤)


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災害時の情報発信、SNSは企業も有用か──インフラ投資不要でコスパ高

各地で自然災害が相次ぐ中、「災害時における企業のSNS利用」が注目されている。例えば大阪北部地震では、交通機関のサイトがアクセス過多で繋がりにくくなり、私鉄2社がツイッターを臨時開設して情報を発信した。他方、西日本豪雨では福岡市がLINEからきめ細やかな防災情報を発信し、関係者の評価を得ている。着目すべきは、主要SNSの堅牢性である。いずれも国際的な有力企業が運営しており、自然災害のような緊急事態においても一定の安定稼働が見込める(過去の実績もそれを裏付けていよう)。とりわけB2C企業においては、緊急時にも確実に生活者へリーチするための手段として、自社媒体だけでなくSNSも準備しておくことが望ましい。そのためには適切な運用基準と体制を整備し、流言を抑止すべく「公式」の認証も取得しておくなど、平時の備えが肝要だろう。(山岡)


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