週刊危機管理Plus 2018年11月5日号



犯罪対策には社会的包摂のあり方の視点が必要だ

警察庁の特殊詐欺の実態に関する直近のレポートによれば、少年の検挙人員が特殊詐欺全体の検挙人員の約3割を占め増加傾向にあり、その約7割が受け子で、検挙された受け子全体の約4割を占めるという。特殊詐欺グループは、少年を「道具」として、高額な報酬を示し、規範意識の低さにつけ込み、警察に捕まる可能性の高い受け子をさせている実態がある。一方で、最近は高齢者や外国人が摘発されるケースが多発している。生活保護受給者や路上生活者などが口座の不正売買や向精神薬の不正入手など犯罪インフラに組み込まれる構図同様、摘発強化で人材不足に悩む特殊詐欺グループの「新たな道具」として悪用された形だ。犯罪を再生産する構図が社会に内包されている事実は重い。私たちも当事者意識を持ち「社会的包摂」のあり方を真剣に考えねばならない。(芳賀)


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増加するネットいじめ、問われる向き合い方

文部科学省が公表した平成29年度の全国の問題行動・不登校調査では、SNSなどを使った「ネットいじめ」が過去最多となった。ネットいじめの被害に遭った児童は、自分に対する誹謗中傷がネット上に記録されてしまうため、長い間、心の傷に苦しむことになる。教師や親から見えにくいところでエスカレートしやすく、自殺など深刻な事態につながる事例も起きている。まずは一番近くにいる親や学校がネットいじめの特徴や兆候を知り、心のケアをしてあげることが重要であるとともに、いじめに関する書き込みを非表示にするなどネット関連の事業者も協力のうえ、有効な手立てを取りたい。また、ネット上でのいじめに限らず、仲間はずれや差別、陰口の類いが、いかに陰湿で卑劣な行為なのかを、折に触れて教える環境や手段を今後より一層充実させるべきだ。(佐藤)


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求められるスポーツガバナンス、自民党行政改革推進本部が検討チーム設置へ

同本部は、不祥事が続くスポーツ団体等公益法人の在り方などについて、検討チームの設置を決めた。スポーツ団体を巡っては、日本相撲協会や日本レスリング協会などで暴力事件やパワーハラスメントなどが相次いで発覚した。不祥事増加の背景のひとつには、SNSによる情報共有があろう。伊調選手のパワハラ事案は、特に選手側が被害を訴える契機となった。2つ目は、スポーツビジネスとしてアマチュアのセミプロ化が挙げられる。バドミントン界では、選手や監督が道を踏み外した。3つ目は、権力の集中だ。日大のアメフト問題が典型だ。独裁的勝利至上主義や盲目的服従によって、社会的規範から逸脱した組織独自の規範がまかり通る。スポーツ団体は、権力をコントロールするシステムを構築し、外部の専門家の視点を取り入れたガバナンス強化が求められる。(伊藤)


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