週刊 危機管理Plus 2017年11月13日号



リスク新時代への対応が急務だ

日本の中小金融機関のAML/CTFの取り組みの遅れが顕著だ。マネロンやテロ資金供与、反社リスク、サイバー攻撃など「外部からの攻撃リスク」は、「脆弱な部分」が狙われること、たった1つの脆弱性によってネットワーク全体が無力化されてしまうこと、ビジネスのグローバル化の流れの中、脆弱性を有することがネットワークからの排除に直結することなど、多くの点で共通項がある。自行の事情に囚われた「独りよがりのリスク管理」は、むしろ自らの存続基盤を危うくするのであって、リスク管理のグローバルスタンダードへの対応が急務だ。今はまだ序章に過ぎないが、今後、リスクそのものがサプライチェーンやグローバル化といった形で「つながり」や「拡がり」を深化させていくはずだ。リスクの変化への対応が企業の存続を左右する現実に向き合うべきだ。(芳賀)


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SNSが悩みの受け皿に、一律な規制に効果はあるのか

座間市の事件を受け、犯罪に利用されたサイトや書き込みへの対策の強化や投稿規制などが検討されている。サイト提供事業者は、悪意や犯罪を増長させるコミュニティを形成するツールにするか、社会貢献のツールにするかの大きな舵取りが試されている。今回の事件でいえば、自殺対策でネットが有効に活用される例もあり、単純な規制の強化は、ネットに気持ちを吐き出していた人がさらに内にこもり、助けを求める声をすくい取る手段が失われることが危惧される。また、実際につながっている会社や学校、カウンセラーや精神科医、相談機関が、当事者にとって有効な解決を示していない場合、現実よりもネットのほうが頼りになっている。「容疑者が悪い」のは当然として、亡くなった人の話を現実に聞いていた人はどれくらいいるのか、まずはそこからだろう。(佐藤)


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コンプライアンスが原因の倒産減少、コンプライアンスは新たなステージへ

調査機関によると2017年度上半期の人手不足倒産は54件(前年同期比68.8%増)発生しており急増した。一方でコンプライアンス違反が原因の倒産は、2015年度の289件をピークに2016年度は178件と減少した。これは企業にとってコンプライアンスが、リスク管理という観点から経営の最重要課題と認識されつつあることを示している。直接的な法令違反はもとより、倫理や社会貢献などにも配慮した行動に反した社会的に不適切な行為は、消費者や取引先から厳しく糾弾される。一方で、コンプライアンス運用の厳格化を進めるほど、主体的な取り組みの障害となる不作為の状態に陥りやすいし、過剰なコストも増す。したがって、企業はコンプライアンス厳格化の程度をその作用反作用を含めて継続的に把握するモニタリング・ジャッジメントにより統制にしなやかさを与えるべきだ。(伊藤)


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