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【サービスPick Up!】『BCP訓練』BCP訓練マンネリ化していませんか?

2021.04.15

最近、「BCPを作ったけど、訓練はまだ実施していない」「毎年訓練をやっているけど、災害があったときに役に立たない気がする」「失敗できないため、台本の読み合わせのような訓練になっている」などの訓練に関する問い合わせを多数受けています。

SPNでは専門的な視点で実効性のあるBCP訓練をトータルサポートします。

そもそも、BCP訓練とはどのようなものなのでしょうか。一口に「訓練」といっても、その内容は「演習(Exercise)」「訓練(Drill)」の2つに分けられます。

この場合の「訓練(Drill)」とは、所定の業務や手順を正しく、より確実に(またはより速く)実行できるようになるのが主な目的です。一般的なシェイクアウト訓練や避難訓練がこれにあたります。これに対して「演習(Exercise)」とは、計画やマニュアルの内容を含む、インシデントへの備えが妥当かどうかを確認・検証するのが主な目的です。災害対策本部の立ち上げ訓練など、さまざまな図上訓練などがこれにあたります。野球に例えると、訓練はキャッチボールで演習は紅白試合にあたります。

訓練の手法をチラ見せします!

災害対策本部立ち上げ訓練とメディア対応トレーニング

さまざまな商業施設を運営するA社では、南海トラフ地震により様々な施設がダメージを受け、多数のけが人が発生したことを想定し災害対策本部立ち上げ訓練を実施。その後、被害を記載したプレスリリースを作成し、報道機関に公表するトレーニングを行いました。

「商業施設Bでは天井からガラスが崩落し、●人が重症」「○○では津波が発生し、○m浸水」など、様々な状況付与を行い、それらを取りまとめたリリースを作成。さらに当社社員が模擬記者となり、厳しい質疑応答の訓練を実施しました。

リアルな動画を活用した状況付与による災害対策本部立ち上げ訓練

C社では、地震が発生してから状況をリアルなニュース風動画で付与するなかでの、災害対策本部立ち上げ訓練を実施しました。災害時には各地の震度や津波の発生状況、インフラの被害状況などさまざまな状況がテレビを通じて入ってきます。リアルなニュース風動画を活用しながら状況を付与することにより、災害時対策本部立ち上げ時に実施しなければいけないことを検討しました。

BCP訓練ニュース風動画のイメージ
クロスロード訓練(意思決定訓練)

クロスロードとは、阪神・淡路大震災で、災害対応にあたった神戸市職員へのインタビューをもとに作成された防災教材。京都大学巨大災害研究センターの矢守克也教授らによって開発されたものです。現在は様々な企業の訓練やワークショップなどで活用されています。

例題

あなたは「災害対策本部要員」です。◎月○日、首都圏で震度7の直下型地震が発生しました。

「東京都帰宅困難者条例」に基づき、従業員を会社内にとどめていますが、「家族がけがをした」「高齢者の親と連絡が取れない」等の理由から、帰宅希望の社員が多く出ています。

このような状況の時に①帰宅を許可しますか? ②許可しませんか?

このように災害時に発生する「ジレンマ」を題材とし、どちらを選んでも何らかの犠牲が伴う事項について参加者はイエスかノーを選び議論を行います。他の参加者がイエスまたはノーを選んだ理由を聞くことで気づきや課題を共有し、具体的な課題改善につなげます。

被災シナリオ想定力強化・対応課題明確化訓練

BCPの訓練においては、自社の拠点や事業の被災想定や被災した後の具体的な対応手順の確認等も盛り込んだ内容が望ましいと言えます。ただ、被災した後の具体的な対応手順の確認については往々にして、自社のBCPの流れを確認するにとどまっているケースが少なくありません。これでは、実際の災害対応力の強化にはつながりにくいのが現状です。

当社では、各社の拠点や事業を実査・分析して、実際に起こり得るシナリオを策定し、被災初日、2日目、3日目、1週間後等、シナリオの中でどのような対応・指示をすべきか、その時にどのような事象が課題となるのか、その時の具体的な検討事項や指示内容はどうなるのか等を盛り込んだ詳細シナリオを策定し、時間経過にともない直面する課題、検討事項、実際の対応を進める上での課題となる事項等を明確に認識できる訓練も提供しています。

災害対策動機づけ訓練

防災・BCPの整備・強化がなかなか進まない原因として、具体的にどのような状況になるか分からないとか、担当部署任せになってしまい従業員の意識が上がらない等の要因があります。このような状況では、社内で防災対策やBCPの重要性をいくら強調しても、一向に対策が進みません。

当社では、訓練の中で、実際に災害が発生すると、業務や私生活上どのようなことが起こるか、どんな困った事態に陥るかを考えてもらうような演習を組み込み、更に、そのような事態に陥らないためにどうすべきか、実際にそのような状況になったら、どんな支援が必要かなどを考えてもらう演習に繋げ、参加者の「自分ごと」意識を高めて、日ごろの災害対策についての動機付けに繋がるような訓練を提供しています。

これらの他にも、SPNではクライアントの要望に応じ、さまざまなタイプのBCP訓練をご提供しています。

SPNの訓練の特徴

実際に起こり得るハザードを基にしたリアルなシナリオ

国や地方自治体が発表している最も深刻なハザードマップに基づき、最悪の事態を想定したリアリティあふれるシナリオを作成します。

現場で起こり得る問題を押さえることができる
  • 必要に応じて現地での実査を行い、どのようなリスクがあるのか洗い出したうえでシナリオを作成することが可能です。
  • 自社のBCPには書かれていない実際の災害の姿について幹部がイメージを膨らませることができるほか、自社のBCPや現状のオペレーションにおける課題を認識することができます。
訓練を行うことで気付きを得ることができる
  • マニュアル通りに行ってみて、うまくいかなかったこと・改善点を明確にして、BCPの改善につなげることができます。
  • 専門的な視点でシナリオ作成を行うことで、従来の訓練では網羅しきれていなかったリスクに気づくことができます。

また、危機管理広報も手掛けるSPNでは、災害対応が発生した後のメディア対応についても、模擬記者会見などを通じて内容についてアドバイスいたします。

SPNの訓練を体験したお客様の声

  • クロスロードを通して、会社として「こんなときに、どうするか?」を議論することで、いろんな考え方の人がいることが分かった。
  • 拠点間の通信手段に盲点があることを認識し、通信機器の配置計画を見直し、災害時の情報共有体制を強化した。
  • 現状のBCPに書かれた対応人員計画や避難計画では対処できない事態があることを知り、人員対応計画や避難計画、さらには、対応力のキャパシティーをオーバーしないように日ごろから、事前対策や関係者への周知等のオペレーションまで見直し、BCP強化に繋げた。
  • 実際にどのような「困った」ことが起こるのかが分かり、BCPの盲点や対応を進めるための具体的な方法論を部署で考えることに繋がった。
  • 従業員が家庭での備蓄等も不十分であることに問題意識をもち、全般的な防災意識の向上に繋がった。
  • 会社においても、防災対策の現状を気にしたり、提案するようになった。

これまでの訓練がマンネリ化している企業様、BCPそのものの見直しをしたいという企業様にも訓練はおすすめです。

訓練やその他BCPについてお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。

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会員企業の方は是非併せてお読みください。

▼【寄稿・インタビュー】従業員一人ひとりのBCP意識向上が鍵となる

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