週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

暴力団対策は新たなステージに突入した

暴力団対策法では、「指定」の要件として、(1)資金を得るために暴力団の威力を利用することを容認する、(2)犯罪経歴を保有する暴力団員が一定割合を占める、(3)首領の統制の下に階層的に構成される、ことを定めている。また、最近は、みかじめ料や特殊詐欺を巡る裁判で暴力団トップの使用者責任が認められるケースも目立つ。「強固な組織性」を武器に犯罪収益を獲得してきた暴力団は、その組織性の強さゆえに、自らの存在基盤を大きく揺るがす事態にまで追い込まれている。ところが、「任侠団体山口組」なる新組織は、自らを「盃事を否定し、組長を置かず、フラットな組織を志向する親睦団体」だという。「強固な組織性」を捨て「組織性を弱める」ことを強調することで、組織の生き残りを図る方向性を打ち出したと言えよう。暴力団の変質への対応が急務だ。(芳賀)

厚生労働省発表の334社の内最多は、労働安全衛生法違反209件

先頃、厚労省は労働基準関係法令違反として過去半年間に書類送検した全国334件の一覧表をHP上に発表した。これは「過労死等ゼロ」緊急対策の一環で社会に警鐘を鳴らす狙いがあったようだが、圧倒的に多いのは安全対策に関わる労働安全衛生法違反の209件だ。11日にも大手製パン会社の工場で22歳の女性従業員が始業前の清掃中に機械に挟まれ意識不明の重体に陥ったという。昨年の労災死亡事故は894件だが、「挟まれ捲込まれ」は製造業だけでも62件に上る。いうまでもなく製造設備に十分な安全対策を施すことや、従業員の安全教育を徹底することは企業の責務である。企業経営者には今回の発表を真摯に受止め、自社従業員の安全衛生の確保のみならず労働環境の改善にはより積極的に取組み、作業現場での事故死から過労死に至るまで死者ゼロを実現して欲しい。(得田)

世界150カ国以上で大規模なサイバー攻撃、日本でも感染被害

5月12日、米国家安全保障局(NSA)から盗み出された技術を使ったサイバー攻撃が世界各国を襲った。Microsoft社の旧バージョンのWindows脆弱性を悪用するランサムウェアの影響で150カ国以上約20万台のPCが感染し、英国の医療機関が機能停止するなどの被害が出た。Microsoft社は3月に既にこの攻撃に使われる脆弱性に対処しているが、既にサポート期間が終了している「Windows XP」「Windows 8」「Windows Server 2003」向けの更新ファイルも公開した。サポートが打ち切られたものを使い続けるのは非常に大きな問題だが、国内でも同様、やむを得ず旧バージョンのWindowsを使っている場合は、まずパッチを至急当てること。また、メールやSNSの添付ファイルやリンク先URLにも注意し、万一感染したとしても被害を最小限に留めるためには、重要ファイルを定期的にバックアップしておくなどの対策が必要だ。(佐藤)

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